JP6641975B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6641975B2
JP6641975B2 JP2015247200A JP2015247200A JP6641975B2 JP 6641975 B2 JP6641975 B2 JP 6641975B2 JP 2015247200 A JP2015247200 A JP 2015247200A JP 2015247200 A JP2015247200 A JP 2015247200A JP 6641975 B2 JP6641975 B2 JP 6641975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ejection
pass printing
sheet
scanning direction
timing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015247200A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017109426A (ja
Inventor
伊藤 毅
毅 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2015247200A priority Critical patent/JP6641975B2/ja
Priority to US15/381,362 priority patent/US10293605B2/en
Publication of JP2017109426A publication Critical patent/JP2017109426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6641975B2 publication Critical patent/JP6641975B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/045Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by pressure, e.g. electromechanical transducers
    • B41J2/04501Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits
    • B41J2/04573Timing; Delays
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/045Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by pressure, e.g. electromechanical transducers
    • B41J2/04501Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits
    • B41J2/04586Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits controlling heads of a type not covered by groups B41J2/04575 - B41J2/04585, or of an undefined type

Description

本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
ノズルから液体を吐出する液体吐出装置の一例として、特許文献1には、ノズルからインクを吐出して記録用紙に印刷を行うプリンタが記載されている。特許文献1に記載のプリンタでは、プラテンの上面と対向して配置された複数のコルゲートプレートが、走査方向に等間隔に配列されている。また、プラテンの上面の、走査方向におけるコルゲートプレートの間の部分には、複数のリブが配置されている。特許文献1に記載のプリンタでは、複数のコルゲートプレートで記録用紙を上方から押さえ、複数のリブで記録用紙を下方から支持することによって、記録用紙に走査方向に沿った波形状を生じさせている。
また、特許文献1に記載のプリンタでは、記録用紙の波形状に対応した吐出タイミングを決めるために、専用のパッチを印刷し、印刷したパッチをスキャナで読み取らせる。そして、パッチの読み取り結果に基づいて、波形状となった記録用紙の、上側に突出した複数の山部分のそれぞれにおいて上側に最も大きく突出した山頂部分、及び、下側に窪んだ複数の谷部分のそれぞれにおいて最も下側に窪んだ谷底部分における交点ズレ量を記憶させている。そして、記憶された交点ズレ量を用いて、ノズルからのインクの吐出タイミングを決定する。
特開2013-212586号公報
ここで、特許文献1のようなプリンタで記録用紙に印刷を行うときには、記録用紙が、着弾したインクによって剛性が低下して走査方向に伸縮する。また、このときの記録用紙の伸縮量は、記録用紙へのインクの吐出量によって変わる。そのため、特許文献1に記載されているように、印刷したパッチの読み取り結果から得られる交点ズレ量を用いて決定した吐出タイミングでノズルからのインクを吐出するだけでは、記録用紙のある領域に印刷を行った後、続けてこの領域に隣接する領域に印刷を行ったときに、これら2つの領域に印刷した画像にずれが生じてしまう虞がある。また、特許文献1では、記録用紙を走査方向に沿った波形状としているが、記録用紙を波形状としない場合にも同様の問題は生じる。
本発明の目的は、液体の着弾によるシートの伸縮に合わせて、液体をシートの適切な位置に着弾させることが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出するための複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジと、前記キャリッジを走査方向に移動させるためのキャリッジ移動装置と、シートを前記走査方向と交差する搬送方向に搬送するためのシート搬送装置と、前記液体吐出ヘッド、前記キャリッジ移動装置及び前記シート搬送装置を制御するための制御装置と、を備え、前記制御装置は、印刷データに基づいて、前記キャリッジを前記走査方向の一方側から他方側、又は、他方側から一方側に向かうキャリッジ移動方向に移動させつつ前記複数のノズルから液体を吐出させるパス印刷と、前記パス印刷の終了後に前記シート搬送装置に前記シートを搬送させる搬送動作とを、複数回繰り返し行わせる印刷処理を実行し、前記印刷処理において、複数回の前記パス印刷の各々について、前記シートへの液体の吐出量に関する吐出量情報を取得する吐出量情報取得処理と、複数回の前記パス印刷の各々について、前記吐出量情報に基づいて、前記複数のノズルから液体を吐出する吐出タイミングを補正するための補正パラメータの値を決定する補正パラメータ決定処理と、複数回の前記パス印刷の各々について、前記補正パラメータを用いて前記吐出タイミングを決定する吐出タイミング決定処理と、を実行し、前記補正パラメータ決定処理において、複数回の前記パス印刷のうち2番目以降のパス印刷において、そのパス印刷の直前のパス印刷における前記吐出量が所定の閾値を超える場合には、前記走査方向における所定の基準位置よりも、そのパス印刷における前記キャリッジ移動方向の上流側の上流側領域での前記吐出タイミングを、前記閾値以下である場合よりも、所定の基準タイミングから遅らせ、前記基準位置よりも、そのパス印刷における前記キャリッジ移動方向の下流側の下流側領域での前記吐出タイミングを、前記閾値以下である場合よりも、前記基準タイミングから早める、ように前記補正パラメータの値を決定する。
シートに液体が着弾すると、シートの剛性が低下してシートが走査方向に伸縮する。シートが走査方向に伸縮すると、シートの、キャリッジ移動方向において所定の基準位置よりも上流側の部分が、キャリッジ移動方向の下流側にずれる。また、シートの、キャリッジ移動方向において上記基準位置よりも下流側の部分が、キャリッジ移動方向の上流側にずれる。本発明では、複数回のパス印刷のうち2番目以降のパス印刷について、そのパス印刷の直前のパス印刷における吐出量が閾値を超える場合に、閾値以下の場合よりも、上流側領域での吐出タイミングを基準タイミングから遅らせ、下流側領域での吐出タイミングを基準タイミングから早める、ように補正パラメータの値を決定する。これにより、シートの走査方向への伸縮に応じた適切な位置に液体を着弾させることができる。
本発明の実施の形態に係る複合機の概略構成図である。 図1の印刷部の平面図である。 (a)が図2を矢印IIIAの方向から見た図であり、(b)が図2を矢印IIIBの方向から見た図である。 (a)が図2のIVA−IVA線断面図であり、(b)が図2のIVB−IVB線断面図である。 複合機の電気的構成を示すブロック図である。 印刷部で印刷を行うときの処理の流れを示すフローチャートである。 パス印刷処理でのインクの吐出タイミングを決定するための処理の流れを示すフローチャートである。 (a)がデューティとパラメータA2との関係を示すテーブルの図であり、(b)がデューティと基本パラメータCとの関係を示すテーブルの図であり、(c)が左から何番目の分割領域であるかと係数Tとの関係を示す図であり、(d)がカラーインクの比率と係数Uとの関係を示すテーブルの図である。 (a)が記録用紙の先端が排出ローラ及びコルゲート拍車に到達する前の図4(a)相当の図であり、(b)が記録用紙の先端が排出ローラ及びコルゲート拍車に到達する前の図4(b)相当の図である。 (a)がパス印刷におけるインクの着弾位置の一例を示す図であり、(b)が(a)の場合のインクの着弾位置と、記録用紙の走査方向への位置の変化量との関係を示す図である。 (a)が本発明の実施の形態において、各パス印刷による記録用紙上の印刷位置を示す図であり、(b)が変形例1において、各パス印刷による記録用紙上の印刷位置を示す図である。 (a)が変形例2の図3(a)相当の図であり、(b)が変形例2の図3(b)相当の図であり、 変形例3の図3(a)相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
(インクジェットプリンタの全体構成)
本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、記録用紙P(本発明の「シート」)に対する印刷のほか、画像の読み取りなども行うことが可能な、いわゆる複合機である。インクジェットプリンタ1は、図1に示すように、印刷部2(図2参照)、給送部3、排出部4、読取部5、操作部6、表示部7などを備えている。また、インクジェットプリンタ1の動作は、制御装置50(図5参照)によって制御されている。
印刷部2は、インクジェットプリンタ1の内部に設けられており、記録用紙Pに対する印刷を行う。なお、印刷部2については、後程詳細に説明する。給送部3は、印刷部2に記録用紙Pを給送するための部分である。ここで、図示は省略するが、給送部3は、種類の異なる記録用紙Pを収容可能な2つの用紙トレイを有している。そして、2つの用紙トレイのうち、一方の用紙トレイには、記録用紙P(本発明の「第1シート」)が繊維の方向が走査方向と平行なるような向きで収容され、他方の用紙トレイには、記録用紙P(本発明の「第2シート」)が繊維の方向が走査方向と直交するような向きで収容される。排出部4は、印刷部2により印刷が行われた記録用紙Pが排出される部分である。読取部5は、スキャナなどであって、原稿の読み取りを行う。操作部6は、ボタン等を備えており、ユーザは、操作部6のボタンを操作することによって、インクジェットプリンタ1に対して必要な操作を行う。表示部7は液晶ディスプレイなどであって、インクジェットプリンタ1の使用時に必要な情報を表示する。
(印刷部)
次に、印刷部2について説明する。印刷部2は、図2〜図4に示すように、キャリッジ11、インクジェットヘッド12(本発明の「液体吐出ヘッド」)、搬送ローラ13、プラテン15、9つのコルゲートプレート14、8つの排出ローラ16、9つのコルゲート拍車17、エンコーダ18、メディアセンサ19などを備えている。ただし、図2では、コルゲートプレート14や後述のリブ20等を見やすくするために、キャリッジ11を二点鎖線で図示し、実際にはキャリッジ11に隠れて見えない、キャリッジ11よりも下側に配置された部材を実線で図示している。また、図2では、キャリッジ11を支持するガイドレールなどの図示を省略している。
キャリッジ11は、図示しないガイドレールに走査方向に沿って移動自在に支持されている。キャリッジ11は、図示しないベルト等を介してキャリッジモータ56(図5参照)と接続され、キャリッジモータ56に駆動されることで走査方向に往復移動する。なお、本実施の形態では、キャリッジモータ56と、キャリッジモータ56とキャリッジ11とを接続する図示しないベルト等を合わせたものが、本発明の「キャリッジ移動装置」に相当する。また、以下では、図1、図2等に示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
インクジェットヘッド12は、キャリッジ11に搭載されており、キャリッジ11とともに走査方向に往復移動する。また、インクジェットヘッド12は、その下面であるインク吐出面12aに形成された複数のノズル10からインクを吐出する。複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に配列されることによってノズル列9を形成している。また、インクジェットヘッド12には、このようなノズル列9が走査方向に4列に並んでいる。そして、最も右側のノズル列9を形成する複数のノズル10からは、顔料インクであるブラックインクが吐出される。また、左側3列のノズル列9を形成する複数のノズル10からは染料インクであるカラーインクが吐出される。より詳細には、右側のノズル列9を形成するものから順にイエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。
搬送ローラ13は、インクジェットヘッド12よりも搬送方向における上流側に配置されている。搬送ローラ13は、上側ローラ13aと下側ローラ13bとを有し、これらのローラで、給送部3から給送された記録用紙Pを上下方向から挟持して搬送方向に搬送する。上側ローラ13aは、搬送モータ57(図5参照)によって駆動される。下側ローラ13bは、上側ローラ13aの回転に連動して回転する。
9つのコルゲートプレート14は、搬送ローラ13と重なる位置から、搬送ローラ13よりも搬送方向の下流側の位置まで延びており、走査方向に等間隔で配列されている。各コルゲートプレート14は、搬送方向の下流側の端部に押さえ部14aを有し、押さえ部14a(本発明の「押さえ部材」)により記録用紙Pを上方から(本発明の「液体吐出ヘッド側から」)押さえる。
プラテン15は、搬送ローラ13の搬送方向における下流側に、インク吐出面12aと対向して配置されている。プラテン15は、印刷時のキャリッジ11の移動範囲の全長にわたって走査方向に延びている。プラテン15の上面には、8つのリブ20(本発明の「支持部材」)が形成されている。8つのリブ20は、それぞれが搬送方向に延び、隣接するコルゲートプレート14の間に位置するように、走査方向に等間隔で配列されている。そして、リブ20は、下方から(本発明の「液体吐出ヘッドと反対側から」)記録用紙Pを支持している。
ここで、リブ20の上端は、押さえ部14aよりも上方に位置している。これにより、リブ20は、押さえ部14aが記録用紙Pを押さえる位置よりも上方(本発明の「押さえ部材よりも液体吐出ヘッドに近い位置」)で、記録用紙Pを下方から支持している。なお、コルゲートプレート14及びリブ20の数は一例であり、これらの数は上記とは異なっていてもよい。

8つの排出ローラ16は、インクジェットヘッド12よりも搬送方向の下流側に配置されている。また、排出ローラ16は、走査方向の位置が、リブ20とほぼ同じとなっている。各排出ローラ16は、上側ローラ16aと下側ローラ16bとを有し、これらのローラで、記録用紙Pを上下方向から挟持して搬送方向に搬送する。また、排出ローラ16は、記録用紙Pを排出部4に向けて搬送方向に搬送する。下側ローラ16bは搬送モータ57(図5参照)によって駆動される。上側ローラ16aは拍車であり、下側ローラ16bの回転に連動して回転する。ここで、上側ローラ16aは、印刷後の記録用紙Pの印刷面と接触するが、上側ローラ16aは、外周面が平坦なローラではなく拍車であるため、記録用紙P上のインクが付着しにくい。
なお、本実施の形態では、記録用紙Pを搬送する搬送ローラ13と排出ローラ16とを合わせたものが、本発明の「シート搬送装置」に相当する。また、搬送ローラ13と排出ローラ16は、給送部3の上記一方の用紙トレイから給送された記録用紙Pを、繊維の方向が走査方向と平行となるように搬送する。また、搬送ローラ13と排出ローラ16は、給送部3の上記他方の用紙トレイから給送された記録用紙Pを、繊維の方向が走査方向と直交するように搬送する。
9つのコルゲート拍車17は、搬送方向における排出ローラ16よりも下流側に配置され、記録用紙Pを上方から押さえている。また、9つのコルゲート拍車17は、走査方向の位置が、9つのコルゲートプレート14の押さえ部14aとほぼ同じとなっている。また、9つのコルゲート拍車17は、9つの押さえ部14aが記録用紙Pを押さえる位置よりも下側に配置されている。これにより、排出ローラ16の下側ローラ16bは、コルゲート拍車17よりも上方で、記録用紙Pを下方から支持している。また、コルゲート拍車17は外周面が平坦なローラではなく拍車であるので、記録用紙P上のインクが付着しにくい。なお、排出ローラ16及びコルゲート拍車17の数は一例であり、これらの数は上記とは異なっていてもよい。
そして、記録用紙Pは、8つのリブ20及び8つの下側ローラ16bによって下方から支持され、9つのコルゲートプレート14の押さえ部14a及び9つのコルゲート拍車17によって上方から押さえられることによって曲げられ、図3(a)、(b)に示すように、走査方向に沿った波形状となっている。
エンコーダ18は、キャリッジ11に搭載され、走査方向におけるキャリッジ11(インクジェットヘッド12)の位置を示す信号を制御装置50に出力する。メディアセンサ19は、キャリッジ11に搭載されている。メディアセンサ19は、記録用紙Pを検出したか否かを示す信号を制御装置50に出力する。
(制御装置)
次に、インクジェットプリンタ1の動作を制御するための制御装置50について説明する。制御装置50は、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)54、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)55等を備えている。
制御装置50は、キャリッジモータ56、インクジェットヘッド12、搬送モータ57、読取部5、表示部7、エンコーダ18、メディアセンサ19等の動作を制御する。また、制御装置50には、操作部6における操作に対応した信号や、エンコーダ18、メディアセンサ19等からの信号が入力される。
ここで、図5では、CPU51を1つだけ図示しているが、制御装置50は、CPU51を1つだけ備え、この1つのCPU51が一括して処理を行うものであってもよいし、CPU51を複数備え、これら複数のCPU51が分担して処理を行うものであってもよい。また、図5では、ASIC55を1つだけ図示しているが、制御装置50は、ASIC55を1つだけ備え、この1つのASIC55が一括して処理を行うものであってもよいし、ASIC55を複数備え、これら複数のASIC55が分担して処理を行うものであってもよい。
(印刷時の動作)
次に、印刷部2において記録用紙Pに印刷を行うときの動作について説明する。印刷部2では、インクジェットプリンタ1に接続されたPC等から印刷データが入力されたときに、制御装置50が、図6に示すように、まず、変数zを0にリセットする(S101)。続いて、制御装置50はパス印刷処理を実行する(S102)。パス印刷処理では、キャリッジモータ56を駆動することでキャリッジ2を走査方向に移動させつつ、インクジェットヘッド12に複数のノズル10からインクを吐出させる、パス印刷を行わせる。続いて、制御装置50は用紙搬送処理を実行する(S103)。用紙搬送処理では、搬送モータ57を駆動することで、ローラ13、16に、記録用紙Pを搬送方向に所定距離(例えば、搬送方向におけるノズル列9の長さ)だけ搬送させる、用紙搬送動作を行わせる。
次に、印刷が完了していない場合には(S104:NO)、変数zの値を1増加させる(S105)。続いて、変数zの値が所定値Zよりも小さい場合には(S106:NO)、S102に戻る。一方、変数zの値が所定値Z以上の場合には(S106:YES)、制御装置50は、フラッシング処理を実行する(S107)。フラッシング処理では、キャリッジモータ56を駆動して、キャリッジ11を、インク吐出面12aが図示しないフラッシングフォームと対向する位置まで移動させたうえで、インクジェットヘッド12に複数のノズル10からインクを吐出させることによって、ノズル10内の増粘したインクを排出させる、いわゆるフラッシングを行わせる。そして、フラッシング処理の後、S101に戻る。
そして、印刷が完了したときには(S104:YES)、制御装置50は用紙排出処理を実行し(S108)、処理を終了する。用紙排出処理では、搬送モータ57を駆動して、ローラ13、16に、記録用紙Pを排紙部4に排出させる。
そして、印刷部2において、このようにして印刷を行うときには、画像の印刷が完了するまでに、パス印刷と、用紙搬送動作とが複数回繰り返し行われる。また、パス印刷がZ回行われる毎に、その次のパス印刷の前にフラッシングが行われる。
(パス印刷での吐出タイミング)
次に、各パス印刷における、複数のノズル10からのインクの吐出タイミングについて説明する。印刷部2では、各パス印刷において、ノズル10からのインクの吐出タイミングを、基準となる基準タイミングから遅らせる又は早める。ここで、基準タイミングは、記録用紙Pが波形状となっておらず、記録用紙Pにインクが着弾していない状態で、記録用紙Pに走査方向に所定の一定間隔でインクを着弾させるようなインクの吐出タイミングである。
パス印刷における吐出タイミングについて説明する。本実施の形態では、図3(a)、(b)に示すように、パス印刷において複数のノズル10からインクを吐出する吐出領域60を走査方向に16等分した複数の領域を、それぞれ分割領域61とする。各分割領域61は、走査方向において隣接する押さえ部14aとリブ20が配置された位置を両端とする領域である。また、印刷部2で印刷を行うときには、走査方向に吐出領域60の中心60a(本発明の「基準位置」)と、記録用紙Pの走査方向における中心とが重なるように、記録用紙Pが搬送される。
そして、パス印刷における吐出タイミングを決定するために、制御装置50は、図7に示すように、まず、デューティ取得処理を実行する(S201)。デューティ取得処理では、印刷データから、各パス印刷の分割領域61毎のデューティの情報(本発明の「吐出量情報」)を取得する。ここで、デューティとは、吐出可能な最大のインクの吐出量に対する、実際のインクの吐出量の割合のことである。したがって、デューティが高いほど、インクの吐出量が多いことを示している。
続いて、補正パラメータ決定処理を実行する(S202)。補正パラメータ決定処理では、補正パラメータα(mn)、β(mn)を決定する(S202)。ここで、補正パラメータα(mn)、β(mn)は、m番目のパス印刷(m=1、2、3、・・)における、左からn番目(=1、2、3、・・、16)の分割領域61についての補正パラメータを示している。補正パラメータα(mn)、β(mn)については、後程詳細に説明する。
続いて、補正時間決定処理(本発明の「吐出タイミング決定処理」)を実行する(S203)。補正時間決定処理では、S202で決定した補正パラメータα(mn)、β(mn)を用いて、S102の各パス印刷での吐出タイミングの、基準タイミングに対する補正時間F(mn)(x)を決定する。xは走査方向の位置を示しており、中心60aにおいてx=0となり、m番目のパス印刷におけるキャリッジ11の移動方向における、中心60aよりも上流側において正の値となり、中心60aよりも下流側において負の値となる。また、補正時間F(mn)(x)は、走査方向の位置xについての関数であり、m=1の場合には、下記(1)の関係式で示される。また、m≧2の場合には、補正時間F(mn)(x)は、下記(2)の関係式で示される。ここで、γ(mn)=β(mn)+β(m-1n)+・・+β(2n)+β(1n)である。
Figure 0006641975
そして、補正時間F(mn)(x)が正の値である場合には、複数のノズル10からのインクの吐出タイミングを、基準タイミングから|F(mn)(x)|だけ遅らせる。一方、補正時間F(mn)(x)が負の値である場合には、複数のノズル10からのインクの吐出タイミングを、基準タイミングから|F(mn)(x)|だけ早める。すなわち、補正時間F(mn)(x)を決定することと、吐出タイミングを決定することとは実質的に同じことである。ここで、補正時間F(mn)(x)は、m番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61についての、補正時間である。
関数G(n)(x)は、記録用紙Pを波形状としたことによる、インク吐出面12aと記録用紙Pとのギャップの走査方向に沿った変化に対応する関数(例えば、3次関数等)である。関数G(n)(x)は、分割領域61毎に個別に設定されている。ここで、関数G(n)(x)は、予め、印刷部2により記録用紙Pに所定のパターンを印刷し、印刷されたパターンを読取部5に読み取らせ、その読み取り結果に基づいて決定される。
また、印刷部2で印刷を行う場合には、記録用紙Pは、搬送方向の位置や、インクの着弾によって、記録用紙P波形状の振幅(記録用紙Pの各部分の高さ)がパス印刷毎及び分割領域61毎に異なる。補正パラメータα(mn)は、何番目のパス印刷であるか(mの値)と、左側から何番目の分割領域61であるか(nの値)とによる、記録用紙Pの波形状の振幅の違いに応じたパラメータである。そして、補正時間F(mn)(x)のα(mn)×G(n)(x)の項は、各パス印刷の各分割領域61について、記録用紙Pの、波形状としたことによるインク吐出面12aとのギャップの変化に応じて、インクの着弾位置を補正するためのものである。
また、記録用紙Pは、波形状とされることや、インクの着弾による剛性の低下によって、走査方向に伸縮して各部分の走査方向の位置が変化する。このとき、記録用紙Pの各分割領域61は、その分割領域61が波形状とされ、その分割領域61にインクが着弾することによって伸縮するのに加えて、その分割領域61よりも走査方向の中央側の分割領域61の伸縮によっても伸縮する。すなわち、分割領域61の走査方向への伸縮量は、走査方向において中心60aから離れるほど大きくなる(xに比例する)。また、分割領域61の走査方向への伸縮量は、パス印刷におけるその分割領域61へのインクの吐出量等によっても異なる。補正時間F(mn)(x)のγ(mn)×xの項は、記録用紙Pの走査方向への伸縮に対して、インクの着弾位置を補正するためのものである。
補正パラメータσは、記録用紙Pを波形状にしたこと、及び、着弾したインクによる記録用紙Pの剛性の低下による、記録用紙Pの振幅の変化及び走査方向への伸縮とは別の要因によって生じるインクの着弾位置のずれに対して、インクの着弾位置を補正するためのものである。例えば、補正パラメータσは、記録用紙Pの搬送方向の位置による、記録用紙Pの全体的な高さの変化、記録用紙Pの全体的な走査方向の位置の変化等の応じて決められるパラメータである。ただし、補正パラメータσは、本願発明の特徴部分と直接関連するものではないため、ここでは、詳細な説明を省略する。
(補正パラメータの決定方法)
次に、S202で補正パラメータα(mn)、β(mn)の値を決定する方法について説明する。ここで、本実施の形態では、最初のパス印刷の開始よりも前に、S201で、記録用紙Pに印刷を行うための全てのパス印刷についてのデューティの情報を取得し、S202で、記録用紙Pに印刷を行うための全てのパス印刷についての補正パラメータα(mn)、β(mn)を決定し、S203でこれら全てのパス印刷についての補正時間F(mn)(x)を決定する。ただし、本実施の形態と異なり、印刷の進行に合わせて、各パス印刷についての、デューティの取得、補正パラメータα(mn)、β(mn)の決定、及び、補正時間F(mn)(x)の決定を順次行うようにしてもよい。
<1番目のパスについての補正パラメータ>
複数回のパス印刷のうち最初のパス印刷(m=1の場合)についての補正パラメータα(1n)、β(1n)は、予め設定された定数である。補正パラメータα(1n)、β(1n)は正の値である。これにより、補正時間F(1n)(x)のβ(1n)×xの項は、最初のパス印刷におけるキャリッジ11の移動方向に関して、複数の分割領域61のうち、中心60aよりも上流側の分割領域61(本発明の「上流側領域」)において(x>0)正の値となり、中心60aよりも下流側の分割領域61(本発明の「下流側領域」)において(x<0)において負の値となる。また、補正パラメータβ(1n)は、走査方向における外側の分割領域61ほど値が大きくなる。すなわち、β(1、1)>β(1、2)>・・>β(1、8)の関係、及び、β(1、9)<β(1、10)<β(1、11)<・・<β(1、16)の大小関係を満たしている。
<2番目以降のパス印刷についての補正パラメータ>
次に、複数回のパス印刷のうち2番目以降の(m≧2の場合の)パス印刷についての補正パラメータα(mn)、β(mn)について説明する。
m≧2の場合についての補正パラメータα(mn)は、2つのパラメータA1(mn)、A2(m-1n)を足し合わせた下記(3)の関係式によって算出されるパラメータである。
Figure 0006641975
ここで、2番目以降のパス印刷の際にも、上述したように、記録用紙Pが走査方向に沿った波形状とされることによって、記録用紙Pの各部分の高さ、及び、走査方向の位置が変化している。パラメータA1(mn)は、記録用紙Pを波形状としたことによる、記録用紙Pの、m番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61に対応する部分の高さの変化に対して、インクの着弾位置を補正するためのパラメータである。また、パラメータA1(mn)も、補正パラメータα(1n)と同様、パス印刷におけるデューティによっては値が変化しない。
さらに、2番目以降のパス印刷の際には、そのパス印刷の直前のパス印刷で吐出されたインクが記録用紙Pに着弾したときの記録用紙Pの剛性の低下によっても、記録用紙Pの各部分の高さ、及び、走査方向の位置が変化する。パラメータA2(m-1n)は、[m−1]番目のパス印刷(本発明の「直前のパス印刷」)で吐出されたインクによって、記録用紙Pの剛性が低下することによる、記録用紙Pの左からn番目の分割領域61に対応する部分の高さの変化に対して、インクの着弾位置を補正するためのパラメータである。
ここで、制御装置50のROM52には、図8(a)に示すように、デューティDの範囲と、パラメータA2の値との関係を示すテーブルが記憶されている。そして、本実施の形態では、このテーブルが示す、[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61でのデューティDに対応するパラメータA2の値を、パラメータA2(m-1n)の値とする。
インクの着弾により記録用紙Pの剛性が低下する場合、インクの着弾量が多いほど、記録用紙Pの高さが大きく変化する。したがって、本実施の形態では、デューティDが高いほど、パラメータA2の値を大きくしている。例えば、図8(a)のように、デューティDが0%以上25%未満の場合、25%以上50%未満の場合、50%以上75%未満の場合、及び75%以上の場合の第2パラメータA2の値を、それぞれ、a1、a2、a3、a4としたときに、a1〜a4は、a1<a2<a3<a4の大小関係を満たしている。
m≧2の場合の補正パラメータβ(mn)は、2つのパラメータB1(mn)、B2(m-1n)を足し合わせた下記(4)の関係式によって算出されるパラメータである。なお、本実施の形態では、m≧2の場合の補正パラメータβ(mn)が本発明の「補正パラメータ」に相当する。
Figure 0006641975
パラメータB1(mn)は、記録用紙Pを波形状としたことによる記録用紙Pの走査方向への伸縮に対して、インクの着弾位置を補正するためのパラメータである。パラメータB1(mn)は、補正パラメータβ(1n)と同様、デューティによっては値が変化しないパラメータである。また、パラメータB1(mn)は正の値である。パラメータB1(mn)は、補正パラメータβ(1n)と同様、走査方向における外側の分割領域61に対するものほど値が大きくなる。
パラメータB2(m-1n)は、[m−1]番目のパス印刷(本発明の「直前のパス印刷」)で吐出されたインクによって、記録用紙Pの剛性が低下することによる記録用紙Pの伸縮に対して、インクの着弾位置を補正するためのパラメータである。
パラメータB2(m-1n)は、基本パラメータC(m-1n)に5つの係数T(m,n)、U(m-1n)、V(m-1)、W、Q(m-1)を乗じた、下記(5)の関係式によって算出される値である。
Figure 0006641975
ここで、基本パラメータC(m-1n)、及び、係数、T(n)、U(m-1n)、V(m-1)、W、Q(m-1)について説明する。
基本パラメータC(m-1n)は、[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61でのデューティDによって値が決まるパラメータである。制御装置50のROM52には、例えば、図8(b)に示すように、デューティDの範囲と、基本パラメータCの値との関係を示すテーブルが記憶されている。そして、本実施の形態では、このテーブルが示す、[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61でのデューティDに対応する基本パラメータCの値を、基本パラメータC(m-1n)の値とする。ここで、基本パラメータCの値は、デューティDが高いほど大きくなる。例えば、本実施の形態では、図8(b)のように、デューティが0%以上25%未満の場合、25%以上50%未満の場合、50%以上75%未満の場合、及び75%以上の場合の基本パラメータBの値を、それぞれ、c1、c2、c3、c4としたときに、c1〜c4は、c1<c2<c3<d4の大小関係を満たしている。また、c1〜c4はいずれも正の値となっている。これにより、補正パラメータβ(mn)は、[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61におけるデューティDが高い場合ほどその値が大きくなる。
係数T(n)は、左から何番目の分割領域61であるか(nの値)によって値が決まる係数である。ROM52には、図8(c)に示すように、左から何番目の分割領域61であるか(nの値)と、係数Tの値との関係を示すテーブルが記憶されている。そして、本実施の形態では、このテーブルが示す、左からn番目の分割領域61に対応する係数Tの値を、係数T(n)の値とする。また、本実施の形態では、走査方向における外側の分割領域61ほど、係数Tの値を大きくしている。例えば、本実施の形態では、図8(c)のように、左から1〜16番目の分割領域61に対応する係数Tの値を、t1〜t16とし、t1〜t16は、t1>t2>・・>t7>t8の関係、及び、t9<t10<・・<t15<t16の大小関係を満たしている。ここで、t1〜t16はいずれも正の値である。これにより、m番目のパス印刷でのキャリッジ11の移動方向における外側の分割領域61に対する補正パラメータβ(mn)ほど、その値が大きくなる。
なお、本実施の形態では、m番目のパス印刷において、キャリッジ11が右側に移動する場合には、左から1〜8番目の分割領域61の中の任意の2つの分割領域61のうち、右側に位置する分割領域61が本発明の「第1分割領域」に相当し、左側に位置する分割領域61が本発明の「第2分割領域」に相当する。また、左から9〜16番目の分割領域61の中の任意の2つの分割領域61のうち、左側に位置する分割領域61が本発明の「第3分割領域」に相当し、右側に位置する分割領域61が本発明の「第4分割領域」に相当する。
一方、m番目のパス印刷において、キャリッジ11が左側に移動する場合には、左から9〜16番目の分割領域61の中の任意の2つの分割領域61のうち、左側に位置する分割領域61が本発明の「第1分割領域」に相当し、右側に位置する分割領域61が本発明の「第1分割領域」に相当する。また、左から1〜8番目の分割領域61の中の任意の2つの分割領域61のうち、右側に位置する分割領域61が本発明の「第3分割領域」に相当し、左側に位置する分割領域61が本発明の「第4分割領域」に相当する。
係数U(m-1n)は、[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61への各色のインクの吐出量の合計に対するカラーインクの吐出量の比率E(以下、「カラーインクの比率E」とすることがある)によって値が決まる係数である。ROM52には、図8(d)に示すように、上記カラーインクの比率Eと、係数Uとの関係を示すテーブルが記憶されている。そして、本実施の形態では、このテーブルが示す、[m−1]番目のパス印刷における左からn番目の分割領域61についてのカラーインクの比率Eに対応する係数Uの値を、係数U(m-1n)の値とする。また、本実施の形態では、カラーインクの比率Eが高いほど、係数Uの値を大きくしている。例えば、本実施の形態では、図8(d)のように、カラーインクの比率Eが0%以上25%未満の場合、25%以上50%未満の場合、50%以上75%未満の場合、及び75%以上の場合の係数Uの値を、それぞれ、u1、u2、u3、u4としたときに、u1〜u4は、u1<u2<u3<u4の大小関係を満たしている。これにより、補正パラメータβ(mn)は、[m−1]番目のパス印刷における左からn番目の分割領域61でのカラーインクの比率Eが高いほど、その値が大きくなる。
係数V(m-1)は、[m−1]番目のパス印刷において、記録用紙Pの先端が排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達しているか否かによって値が決まる係数である。具体的には、[m−1]番目のパス印刷において、記録用紙Pの先端Paが、図9(a)、(b)に示すように、排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達していない場合には、係数V(m-1)の値をv1とする。一方、[m−1]番目のパス印刷において、記録用紙Pの先端Paが、図4(a)、(b)に示すように排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達している場合には、係数V(m-1)の値をv2とする。記録用紙Pの先端が何番目のパス印刷において排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達するかは、予め決まっている。そこで、本実施の形態では、k番目のパス印刷において、排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達するとして、(m−1)<kの場合に、係数V(m-1)の値をv1とし、(m−1)≧kの場合に、係数V(m-1)の値をv2とする。また、値v2は値v1よりも大きくなっている。また、v1、v2はいずれも正の値となっている。なお、v1、v2の値は、ROM52に記憶されている。これにより、補正パラメータβ(mn)は、[m−1]番目のパス印刷において、記録用紙Pの先端が排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達している場合に、到達していない場合よりも、その値が大きくなる
係数Wは、記録用紙Pの種類によって値が決まる係数である。本実施の形態では、記録用紙Pの繊維の方向が走査方向と平行である場合には、係数Wの値をw1とする。一方、記録用紙Pの繊維の方向が走査方向と直交する場合には、係数Wの値をw2とする。記録用紙Pの繊維の方向は、記録用紙Pの種類によって決まる。したがって、本実施の形態では、例えば、印刷データとともに入力される記録用紙Pの種類に応じて、係数Uの値をw1、w2のいずれかの値とする。また、値w2は、値w1よりも大きくなっている。また、w1、w2はいずれも正の値となっている。なお、w1、w2の値は、ROM52に記憶されている。これにより、補正パラメータβ(mn)は、記録用紙Pの繊維の方向が走査方向と直交する場合に、走査方向と平行である場合よりも、その値が大きくなる。
係数Q(m-1)は、[m−1]番目のパス印刷が完了してからm番目のパス印刷が開始されるまでの時間によって値が決まる係数である。本実施の形態では、[m−1]番目のパス印刷の後、m番目のパスの印刷の前に、フラッシングが行われない場合には係数Q(m-1)の値をq1とし、フラッシングが行われる場合には係数Q(m-1)の値をq2とする。また、値q2は、値q1よりも大きくなっている。また、q1、q2はいずれも正の値となっている。なお、q1、q2の値は、ROM52に記憶されている。これにより、補正パラメータβ(mn)は、[m−1]番目のパス印刷の後、m番目のパス印刷の前にフラッシングが行われる場合に、フラッシングが行われない場合よりも、その値が大きくなる。
以上に説明した実施の形態では、記録用紙Pにインクが着弾すると、記録用紙Pの剛性が低下して、記録用紙Pの各部分の高さが変化する。また、これに伴って、記録用紙Pが走査方向に伸縮し、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置も変化する。本実施の形態では、記録用紙Pを、9つの押さえ部14aで上方から押さえ、8つのリブ20で下方から支持することによって、走査方向に沿った波形状としている。そのため、このとき、記録用紙Pは、押さえ部材14a及びリブ20と接触していない部分の剛性の低下によって、走査方向に伸縮しやすい。
そこで、本実施の形態では、[m−1]番目のパス印刷(m≧2)によって、左からn番目の分割領域61にインクが着弾したことによる、記録用紙Pの左からn番目の分割領域61に対応する部分の、走査方向における位置の変化に対してインクの着弾位置を補正するためのパラメータB2(m-1n)を含む補正パラメータβ(mn)を決定している。そして、補正パラメータβ(mn)を用いて、m番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61についての、吐出タイミングの補正時間F(mn)(x)を決定している。これにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
ここで、記録用紙Pへのインクの着弾量が多いほど、記録用紙Pの各部分の高さが大きく変化し、これに伴って記録用紙Pの各部分の走査方向の位置も大きく変化する。一方で、パス印刷では、印刷される画像に応じて、走査方向の位置によって、複数のノズル10からのインクの吐出量が異なることがある。例えば、図10(a)のように、あるパス印刷において、記録用紙Pの一部分(図中ハッチングで示した部分)にのみインクが吐出されたとすると、図10(b)に示すように、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化量は、記録用紙Pのインクが着弾している部分において変動し、インクが着弾しない部分では一定となる。なお、図10(b)では、横軸の右側が走査方向の右側に対応しており、走査方向の位置が左側に変化する場合の変化量を正の値で示し、走査方向の位置が右側に変化する場合の変化量を負の値で示している。
そこで、本実施の形態では、パス印刷において複数のノズル10からインクが吐出される吐出領域60を、走査方向に分割した領域を分割領域61としている。そして、m番目のパス印刷について、分割領域61毎に補正パラメータβ(mn)を決定している。これにより、記録用紙Pの各部分へのインクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、本実施の形態では、記録用紙Pは、押さえ部14a及びコルゲート拍車17によって上方から押さえられ、リブ20及び下側ローラ16bによって下方から支持されることによって、走査方向に沿った波形状となっている。この場合、記録用紙Pの剛性が低下したときに、記録用紙Pは、主に、隣接する押さえ部14a及びコルゲート拍車17と、リブ20及び下側ローラ16bとの間の部分の剛性の低下によって、走査方向の位置が変化する。そこで、本実施の形態では、隣接する押さえ部14a及びコルゲート拍車17の位置と、リブ20及び下側ローラ16bの位置を走査方向の両端とする領域を分割領域61としている。これにより、記録用紙Pの各部分へのインクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、本実施の形態では、補正パラメータβ(mn)を決定するためのパラメータB2(m-1n)の値を上記(3)の関係式によって決定している。
ここで、上記のとおり、インクの着弾により記録用紙Pの剛性が低下する場合、インクの着弾量が多いほど、記録用紙Pの各部分の高さが大きく変化し、これに伴って記録用紙Pの各部分の走査方向の位置も大きく変化する。そこで、本実施の形態では、[m−1]番目のパス印刷における左からn番目の分割領域61のデューティが高いほど、基本パラメータC(mー1、n)の値を大きくすることで、補正パラメータβ(mn)の値を大きくしている。これにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、本実施の形態のように、記録用紙Pを、押さえ部14a及び排出ローラ16と、リブ20及びコルゲート拍車17とによって走査方向に沿った波形状とした場合、押さえ部14a及び排出ローラ16とリブ20及びコルゲート拍車17とによる記録用紙Pの拘束力は、記録用紙Pの走査方向の端部において、中央側の部分よりも小さい。そのため、記録用紙Pの走査方向の端部は、中央側の部分よりも、インクが着弾したときに、走査方向の位置が大きく変化する。そこで、本実施の形態では、走査方向における外側の分割領域61ほど、係数T(n)の値を大きくすることで、補正パラメータβ(mn)の値を大きくしている。これにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、染料インクであるカラーインクは、顔料インクであるブラックインクよりも記録用紙Pに浸透しやすい。そのため、パス印刷における分割領域61での各色のインクの吐出量の合計が同じであっても、カラーインクの比率Eが高いほど、記録用紙Pにインクが着弾したときの、記録用紙Pの各部分が走査方向に大きく変化する。そこで、本実施の形態では、上述したように、[m−1]番目のパス印刷における左からn番目の分割領域61におけるカラーインクの比率が高いほど、係数U(mn)の値を大きくすることで、補正パラメータβ(mn)の値を大きくしている。これにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、本実施の形態では、記録用紙Pの先端が排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達した後の状態では、記録用紙Pが、搬送方向における、インクジェットヘッド12よりも上流側に配置された押さえ部14a及びリブ20と、インクジェットヘッド12よりも下流側に配置された排出ローラ16及びコルゲート拍車17とによって波形状にされている。これに対して、記録用紙Pの先端が排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達する前の状態では、記録用紙Pが、搬送方向における、インクジェットヘッド12よりも上流側に配置された押さえ部14a及びリブ20によってのみ波形状にされている。そのため、記録用紙Pの先端が排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達している状態では、記録用紙Pの先端が排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達する前の状態よりも、波形状とされた記録用紙Pが大きく波打つ。また、記録用紙Pが大きく波打っている場合ほど、インクが着弾したときの、走査方向における記録用紙Pの各部分の走査方向の位置が大きく変化する。そこで、本実施の形態では、記録用紙Pの先端が排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達しているとき([m−1]≧k)に、記録用紙Pの先端が排出ローラ16及びコルゲート拍車17に到達していないとき([m−1]<k)よりも、係数V(m-1)の値を大きくすることで、補正パラメータβ(mn)の値を大きくしている。これにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、記録用紙Pにインクが着弾した場合、記録用紙Pは、繊維の方向と直交する方向に変形しやすい。そのため、記録用紙Pの繊維の方向が、走査方向と直交する場合には、走査方向と平行な場合よりも、記録用紙Pにインクが着弾したときに、記録用紙Pの各部分の位置が走査方向に大きく変化する。そこで、本実施の形態では、記録用紙Pの繊維の方向が走査方向と直交する場合に、記録用紙Pの繊維の方向が走査方向と平行な場合よりも、係数Wの値を大きくすることで、補正パラメータβ(mn)の値を大きくしている。これにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、インクが着弾により記録用紙Pの剛性が低下する場合、記録用紙Pにインクが着弾してからの時間が長くなるほど、記録用紙Pへのインクの浸透が進み、記録用紙Pの剛性が低下するため、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化が大きくなる。一方、[m−1]番目のパス印刷の後、m番目のパス印刷の前にフラッシングが行われる場合の、[m−1]番目のパス印刷が完了してから、m番目のパス印刷が開始されるまでの時間(本発明の「第2時間」)は、フラッシングが行われない場合の、[m−1]番目のパス印刷が完了してから、m番目のパス印刷が開始されるまでの時間(本発明の「第1時間」)よりも長くなる。そこで、本実施の形態では、上述したように、[m−1]番目のパス印刷の後、m番目のパス印刷の前にフラッシングが行われる場合に、フラッシングが行われない場合よりも、係数Q(m-1)の値を大きくすることで、補正パラメータβ(mn)の値を大きくしている。これにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。なお、本実施の形態では、2番目以降のパス印刷のうち、そのパス印刷の直前のパス印刷の後にフラッシングが行われないパス印刷が、本発明の「第1パス印刷」に相当する。また、2番目以降のパス印刷のうち、そのパス印刷の直前のパス印刷の後にフラッシングが行われるパス印刷が、本発明の「第2パス印刷」に相当する。
また、本実施の形態では、上述したように、m番目のパス印刷(m≧2)について、[m−1]番目のパス印刷で吐出されたインクによる記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に対して、吐出タイミングを補正している。そのため、本実施の形態と異なり、例えば、m番目のパス印刷についての補正時間F(mn)(x)を、例えば、下記(6)の関係式を用いて算出するなど、それまでのパス印刷について決定した補正パラメータβ(m-1n)、β(m-2n)、・・、β(2n)、β(1n)を考慮せずに決定すると、記録用紙Pの搬送方向に隣接する領域に印刷される画像同士が、走査方向にずれてしまう虞がある。
Figure 0006641975
そこで、本実施の形態では、上述したように、m≧2の場合に上記(2)の関係式を用いて、補正時間F(mn)(x)を決定している。すなわち、m番目のパスについての補正β(mn)に、これよりも前のパス印刷(1〜[m−1]番目のパス印刷)についての補正パラメータを累積した累積値γ(m)(=β(mn)+β(m-1n)+・・+β(2n)+β(1n))を用いて、補正時間F(mn)(x)を決定している。これにより、吐出タイミングの補正によって、記録用紙Pの搬送方向に隣接する領域に印刷される画像同士が、走査方向にずれてしまうのを防止することができる。
なお、このように累積値γ(m)を用いて補正時間F(mn)(x)を決定する場合、補正パラメータβ(m-1n)、β(m-2n)、・・、β(2n)、β(1n)のうち、補正パラメータβ(1n)は、上述したように、パス印刷におけるデューティと関係なく決定される値であり、補正パラメータβ(m-1n)、β(m-2n)、・・、β(3n)、β(2n)が、対応するパス印刷の直前のパス印刷におけるデューティに基づいて決定された補正パラメータ(本発明「補正パラメータ」)である。したがって、本実施の形態では、累積値γ(m)から補正パラメータβ(1n)を除いた累積値γ’(m)(=β(mn)+β(m-1n)+・・+β(3n)+β(2n))が、本発明の「累積値」に相当する。すなわち、本実施の形態において、累積値γ’(m)(本発明の「累積値」)を用いて、補正時間F(mn)(x)が決定されているのは、m≧3の場合である。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上述の実施の形態では、m番目のパス印刷についての補正パラメータβ(mn)に、それよりも前のパス印刷についての補正パラメータβ(m-1n)、β(m-2n)、・・、β(2n)、β(1n)を累積した累積値γ(m)を用いて、m番目のパス印刷(m≧2)についての補正時間F(mn)(x)を決定したが、累積値γ(m)を用いて補正時間F(mn)(x)を決定する方法は、これには限られない。
変形例1では、例えば、複数回のパス印刷のうちY番目のパス印刷によって、記録用紙Pの搬送方向における中央部に印刷が行われるとする。具体的には、M回のパス印刷によって記録用紙Pに画像が印刷される場合、Mが偶数であればY=M/2であり、Mが奇数であればY=[(M+1)/2]又はY=[(M−1)/2]である。そして、最初のパス印刷についての補正時間F(1n)(x)を下記(7)の関係式によって決定する。また、m番目のパス印刷(m≧2)についての補正時間F(mn)(x)を下記(8)の関係式によって決定する。すなわち、変形例1では、m番目のパス印刷(m≧2)についての補正時間F(mn)(x)を、m番目のパス印刷についての累積値γ(m)から、Y番目のパス印刷についての累積値γ(Y)を減じた値を用いて決定する。
Figure 0006641975
ここで、上述の実施の形態において、累積値γ(m)を用いて補正時間F(mn)(x)を決定しているのは、連続する2回のパス印刷によって印刷される画像同士の、走査方向のずれを抑えるためである。一方で、上述したように、記録用紙Pにインクが着弾した場合、記録用紙Pの各部分の位置は、走査方向の中央側に変化する。そのため、上述の実施の形態のようにして補正時間F(mn)(x)を決定した場合には、図11(a)に示すように、2番目以降のパス印刷によって印刷される画像が、上記関係式(2)を用いて補正時間F(mn)(x)を決定した場合(図11(a)の一点鎖線で示す位置)よりも、走査方向の中央側にずれて印刷されることになる。さらに、後のパス印刷で印刷される画像ほど、走査方向の中央側へのずれが大きくなる。
その結果、最後のパス印刷によって印刷される画像が、走査方向の中央側に最も大きくずれて印刷されることとなる。一方で、最初のパス印刷については、累積値γ(m)とは関係なく補正時間F(mn)(x)が決定されるため、最初のパス印刷で印刷される画像には、累積値γ(m)による印刷位置の走査方向へのずれがない。これらのことから、上述の実施の形態の場合には、走査方向において、記録用紙Pの、印刷される画像Jとの間の余白の長さは、画像Jのうち最後のパス印刷によって印刷される部分画像HMとの間において最大の長さL1となる。そして、画像Jのうち、走査方向において、記録用紙Pの最初のパス印刷で印刷される部分画像H1との間の余白の長さL2とすると、長さL2の長さL1との差[L1−L2]が大きくなる。その結果、画像が走査方向の中央側にずれて印刷されていることが目立ってしまう。
これに対して、変形例1では、m番目のパス印刷についての累積値γ(m)から、Y番目のパス印刷についての累積値γ(Y)を減じた値を用いて、補正時間F(mn)(x)を決定している。この場合には、図11(b)に示すように、印刷される画像Jのうち、Y番目のパス印刷で印刷される部分画像HYの、上記関係式(6)を用いて補正時間F(mn)(x)を決定した場合(図11(b)に一点鎖線で示す位置)に対する、走査方向へのずれが最小となる。そして、図11(b)に示すように、Y番目よりも前のパス印刷において印刷される画像は、上記関係式(6)を用いて補正時間F(mn)(x)を決定した場合よりも、走査方向の外側にずれる。また、前のパス印刷で印刷される画像ほど、走査方向の外側へのずれが大きくなる。一方、Y番目よりも後のパス印刷において印刷される画像は、上記関係式(6)を用いて補正時間F(mn)(x)を決定した場合よりも、走査方向の中央側にずれる。また、後のパス印刷で印刷される画像ほど、走査方向の中央側へのずれが大きくなる。
これらのことから、変形例1では、走査方向において、記録用紙Pの、印刷される画像Jとの間の余白の長さは、最初のパス印刷によって印刷される部分画像H1との間において最小の長さL3となり、最後のパス印刷によって印刷される部分画像HMとの間において最大の長さL4となる。そして、走査方向において、記録用紙Pの、Y番目のパス印刷で印刷される部分画像HYとの間の余白の長さL5とすると、長さL3、L4と長さL5との差[L5−L3]、[L4−L5]は、上述の実施の形態の場合の長さL1の長さL2との差[L1−L2]よりも小さくなる。これにより、変形例1では、上述の実施の形態の場合と比較して、画像が走査方向の中央側及び外側にずれて印刷されていることを目立ちにくくすることができる。
ここで、変形例1の場合には、最初のパス印刷についての補正時間F(1n)(x)を決定するために、累積値γ(Y)が必要である。したがって、変形例1の場合には、最初のパス印刷が開始されるよりも前に、S201において、画像に印刷を行うための全てのパス印刷における分割領域61毎のデューティの情報を取得する。S202において、上記全てのパス印刷における分割領域61毎の補正パラメータα(mn)、β(mn)を決定する。
さらには、補正パラメータβ(mn)を累積した累積値を用いて補正時間F(mn)(x)を決定することにも限られない。例えば、上記(6)の関係式によって補正時間F(mn)(x)を決定してもよい。この場合には、上述の実施の形態と比較すれば、記録用紙Pに印刷される画像の、連続する2回のパス印刷によって印刷される部分同士がずれてしまう虞がある。しかしながら、この場合でも、m番目のパス印刷(m≧2)についての補正パラメータβ(mn)を、[m−1]番目のパス印刷(m≧2)において左からn番目の分割領域61で吐出されたインクが記録用紙Pに着弾したことによる、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化を考慮して決定している。さらに、このとき、[m−1]番目のパス印刷(m≧2)において左からn番目の分割領域61でのデューティに基づいて、補正パラメータβ(mn)の値を決定している。したがって、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化、及び、デューティによる記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化量の違いを考慮せずに、吐出タイミングを決定する場合と比較すれば、各パスにおける走査方向におけるインクの着弾位置を適切なものとすることができる。
また上述の実施の形態では、記録用紙Pの繊維の方向が走査方向と平行であるか、走査方向と直交するかによって、係数Wを異なる値としたが、これには限られない。例えば、記録用紙Pが、ある第1記録用紙である場合に係数Wの値をw1とし、第1記録用紙よりも剛性の低い第2記録用紙である場合に、係数Wの値をw2としてもよい。記録用紙Pは、剛性が低いほど、インクが着弾したときの剛性の低下による、各部分の高さや走査方向の位置が大きく変化する。したがって、上記の例のように、記録用紙Pの剛性に応じて係数Wの値を決定すれば、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。さらには、記録用紙Pの繊維の方向や剛性以外の、記録用紙Pの種類による違いに応じて、係数Wの値を異ならせてもよい。
また、上述の実施の形態では、[m−1]番目のパス印刷の後、m番目のパス印刷の前にフラッシングが行われるか否かによって係数Q(m-1)の値を異ならせたが、これには限られない。印刷を行う場合に、フラッシングが行われるか否かとは別の条件によって、[m−1]番目のパス印刷が完了してから、m番目のパス印刷が開始されるまでの時間が変わる場合には、その条件を満たすか否かによって、係数Q(m-1)の値を異ならせてもよい。例えば、高解像度の画像を印刷するなど、印刷データの容量が大きい場合には、あるパス印刷が完了した時点で、その次のパス印刷についての印刷データの転送が完了していないことがある。このような場合、キャリッジ11を、インク吐出面12aが記録用紙Pと対向しない位置まで退避させ、インク吐出面12aを図示しないキャップで覆った状態で、一時的に待機することがある。そのため、[m−1]番目のパス印刷の後、m番目のパス印刷の前に、上記のような一時的な待機を行った場合には、[m−1]番目のパス印刷が完了してから、m番目のパス印刷が開始されるまでの時間が、上記のような一時的な待機を行わなかった場合よりも長くなる。そこで、このような場合には、[m−1]番目のパス印刷の後、m番目のパス印刷の前に、一時的に待機したか否かによって係数Q(m-1)の値を異ならせてもよい。なお、この場合にも、[m−1]番目のパス印刷が完了してから、m番目のパス印刷が開始されるまでの時間が長いほど、係数Q(m-1)の値を大きくすればよい。
また、上述の実施の形態では、走査方向における外側の分割領域61ほど、係数T(n)の値を大きくしたが、これには限られない。上述したように、記録用紙Pを、押さえ部14a及び排出ローラ16と、リブ20及びコルゲート拍車17とによって走査方向に沿った波形状とした場合、押さえ部14a及び排出ローラ16とリブ20及びコルゲート拍車17とによる記録用紙Pの拘束力は、記録用紙Pの走査方向の端部において、中央側の部分よりも小さい。したがって、例えば、図8(c)で、最も外側の分割領域61に対応する係数Tの値t1、16の値を、これよりも内側の分割領域61に対応する係数Tの値t2〜t15よりも大きくし、t2〜t15については同じ値としてもよい。この場合でも、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、上述の実施の形態では、上記関係式(4)におけるm≧2の場合について、m番目のパス印刷における左からn番目の分割領域61についての補正パラメータβ(mn)を決定するためのパラメータB2(m-1n)を、基本パラメータC(m-1n)に、係数T(n)、U(m-1n)、V(m-1)、W、Q(m-1)を乗ずることによって算出したが、これには、限られない。
例えば、基本パラメータC(m-1n)に、係数T(n)、U(m-1n)、V(m-1)、W、Q(m-1)のうちの一部の係数のみを乗ずることによって、補正パラメータβ(mn)を決定してもよい。あるいは、パラメータB2(m-1n)の値を、係数T(n)、U(m-1n)、V(m-1)、W、Q(m-1)の値に関わる条件によらず、[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61でのデューティに基づいてのみ決定してもよい。
また、上述の実施の形態では、[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61でのデューティによらず、このデューティが大きい場合ほど、基本パラメータC(m-1n)の値を大きくしたが、これには限られない。[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61でのデューティが所定の閾値以下の場合には、基本パラメータC(m-1n)の値を0とし、このデューティが上記閾値よりも高い場合に、このデューティが高いほど、基本パラメータC(m-1n)の値を大きくしてもよい。例えば、上述の実施の形態で、閾値を25%として、c1=0とするなどしてもよい。
さらには、[m−1]番目のパス印刷における、左からn番目の分割領域61でのデューティが所定の閾値以下の場合には、基本パラメータC(m-1n)の値を0とし、このデューティが上記閾値よりも高い場合に、基本パラメータC(m-1n)を所定の一定値としてもよい。例えば、上述の実施の形態で、閾値を25%として、c1=0とし、デューティが25%を超えた場合の基本パラメータC(m-1n)をデューティによらず一定値(c2=c3=c4)とするなどしてもよい。また、この場合には、S201において、吐出量情報として、デューティそのものを示す情報の代わりに、デューティが閾値よりも高いか否かを示す情報を取得してもよい。
また、上述の実施の形態では、分割領域61を隣接するリブ20及び排出ローラ16が配置された位置と、押さえ部14a及びコルゲート拍車17が配置された位置を両端とする領域としたが、これには限られない。例えば、吐出領域60を、リブ20及び排出ローラ16が配置された位置や、押さえ部14a及びコルゲート拍車17が配置された位置とは関係なく、走査方向に分割した領域を分割領域としてもよい。また、このとき、各分割領域間の、走査方向の長さは同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
また、上述の実施の形態では、記録用紙Pを走査方向に沿った波形状としていたが、これには限られない。
変形例2では、図12(a)、(b)に示すように、印刷部101が、コルゲートプレート14及びコルゲート拍車17(図3(a)、(b)参照)を備えていない。そして、記録用紙Pは、8つのリブ20、及び、8つの排出ローラ16の下側ローラ16bによって下方から支持されている。また、変形例2では、吐出領域102のうち、隣接するリブ20及び排出ローラ16の位置を両端とする領域を分割領域103とする。なお、図12(a)では、便宜上、図3(a)で図示していた搬送ローラ13の図示を省略している。
変形例2では、記録用紙Pにインクが着弾していない状態で、記録用紙Pは、図12(a)、(b)に破線で示すように、走査方向とほぼ平行となっている。これに対して、記録用紙Pにインクが着弾すると、記録用紙Pが剛性の低下によって変形し、図12(a)、(b)に二点鎖線で示すように、記録用紙Pの各部分の高さや走査方向の位置が変化する。そこで、変形例2でも、m番目のパス印刷(m≧2)において、[m−1]番目のパス印刷におけるデューティに基づいて、補正パラメータα(mn)、β(mn)を決定し、上記関係式(2)により補正時間F(mn)(x)を決定することにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の高さや走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、変形例2の場合には、記録用紙Pにインクが着弾したときに、記録用紙Pは、主に、隣接するリブ20及び排出ローラ16の間の部分の剛性の低下によって、高さや走査方向の位置が変化する。したがって、隣接するリブ20及び排出ローラ16の位置を両端とする領域を分割領域103とすることにより、インクの着弾による、記録用紙Pの各部分の高さや走査方向の位置の変化に応じた適切な位置にインクを着弾させることができる。
また、記録用紙Pを走査方向に沿った波形状としない場合であっても、記録用紙Pを上方から押さえるための押さえ部材が設けられていてもよい。例えば、変形例3では、図13に示すように、印刷部111において、変形例2の印刷部101と同様の構成に加えて、搬送方向におけるインクジェットヘッド3よりも上流側に、9つの押さえ部材112を備えている。9つの押さえ部材112は、走査方向において、隣接するリブ20の間、最も右側のリブ20よりも右側、及び、最も左側のリブ20よりも左側に配置されている。押さえ部材112の下端は、リブ20の上端と同じ高さ、又は、リブ20の上端よりも上方に位置し、記録用紙Pを上方から押さえている。また、走査方向において、押さえ部材112同士の間隔L6は、押さえ部材112の長さL7よりも短くなっている。押さえ部材112は、記録用紙Pが上方に浮き上がってインク吐出面12aに接触するのを防止するためのものである。
また、上述の実施の形態では、分割領域61毎に、補正パラメータや補正時間を決定したが、これには限られない。例えば、各パス印刷について、走査方向の位置によらない共通の補正パラメータや補正時間を決定するようにしてもよい。この場合には、m番目のパス印刷について、上述の実施の形態の補正パラメータα(mn)、β(mn)の代わりに、[m−1]番目のパス印刷全体でのデューティに基づいて、走査方向の位置によらない補正パラメータα(m)、β(m)を決定する。そして、補正パラメータα(m)、β(m)を用いて、走査方向の位置によらない補正時間F(m)(x)を決定する。
また、上述の実施の形態では、S201において、吐出量に関する吐出量情報として、デューティの情報を取得したが、これには限られない。S201において、デューティの情報代わりに、吐出量そのものの情報など、吐出量に関する別の吐出量情報を取得してもよい。
また、上述の実施の形態では、走査方向における吐出領域60の中心60aを基準位置として、パス印刷におけるキャリッジ11の移動方向における中心60aよりも上流側の領域において、吐出タイミングを基準タイミングから遅らせ([β(mn)×x]>0)、中心60aよりも下流側の領域において、吐出タイミングを基準タイミングから早める([β(mn)×x]<0)ようにしたが、これには限られない。基準位置は、走査方向における吐出領域60の中心60aから多少右側あるいは左側にずれた位置であってもよい。
また、上述の実施の形態では、インクジェットプリンタ1が、印刷部2に加えて、画像を読み取るための読取部5などを備えた、いわゆる複合機であったが、これには限られない。インクジェットプリンタは、読取部5などのない、印刷のみを行うものであってもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出することによって印刷を行うインクジェットプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。ノズルからインク以外の液体を吐出する、インクジェットプリンタ以外の液体吐出装置に本発明を適用することも可能である。
1 インクジェットプリンタ
10 ノズル
11 キャリッジ
12 インクジェットヘッド
56 キャリッジモータ
13、16 搬送ローラ
14 コルゲートプレート
14a 押さえ部
20 リブ
50 制御装置
60 吐出領域
60a 中心
61 分割領域
102 吐出領域
103 分割領域

Claims (14)

  1. 液体を吐出するための複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジと、
    前記キャリッジを走査方向に移動させるためのキャリッジ移動装置と、
    シートを前記走査方向と交差する搬送方向に搬送するためのシート搬送装置と、
    前記液体吐出ヘッド、前記キャリッジ移動装置及び前記シート搬送装置を制御するための制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    印刷データに基づいて、前記キャリッジを前記走査方向の一方側から他方側、又は、他方側から一方側に向かうキャリッジ移動方向に移動させつつ前記複数のノズルから液体を吐出させるパス印刷と、前記パス印刷の終了後に前記シート搬送装置に前記シートを搬送させる搬送動作とを、複数回繰り返し行わせる印刷処理を実行し、
    前記印刷処理において、
    複数回の前記パス印刷の各々について、前記シートへの液体の吐出量に関する吐出量情報を取得する吐出量情報取得処理と、
    複数回の前記パス印刷の各々について、前記吐出量情報に基づいて、前記複数のノズルから液体を吐出する吐出タイミングを補正するための補正パラメータの値を決定する補正パラメータ決定処理と、
    複数回の前記パス印刷の各々について、前記補正パラメータを用いて前記吐出タイミングを決定する吐出タイミング決定処理と、を実行し、
    前記補正パラメータ決定処理において、
    複数回の前記パス印刷のうち2番目以降のパス印刷において、そのパス印刷の直前のパス印刷における前記吐出量が所定の閾値を超える場合には、
    前記走査方向における所定の基準位置よりも、そのパス印刷における前記キャリッジ移動方向の上流側の上流側領域での前記吐出タイミングを、前記閾値以下である場合よりも、所定の基準タイミングから遅らせ、
    前記基準位置よりも、そのパス印刷における前記キャリッジ移動方向の下流側の下流側領域での前記吐出タイミングを、前記閾値以下である場合よりも、前記基準タイミングから早める、ように前記補正パラメータの値を決定することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記補正パラメータ決定処理において、
    前記直前のパス印刷における前記吐出量が、所定の閾値を超える第1吐出量である場合に、前記直前のパス印刷における前記吐出量が、前記閾値を超え且つ前記第1吐出量よりも少ない第2吐出量である場合よりも、
    前記上流側領域での前記吐出タイミングを、前記基準タイミングから遅らせ、
    前記下流側領域での前記吐出タイミングを、前記基準タイミングから早める、ように前記補正パラメータの値を決定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記吐出量情報取得処理において、
    前記パス印刷で前記液体吐出ヘッドが前記複数のノズルから液体を吐出する領域を前記走査方向に分割した複数の分割領域の各々について、前記吐出量情報を取得し、
    前記補正パラメータ決定処理において、各分割領域に対して、前記直前のパス印刷における当該分割領域での前記吐出量情報に基づいて、前記補正パラメータの値を決定し、
    前記吐出タイミング決定処理において、各分割領域についての前記吐出タイミングを、当該分割領域に対する前記補正パラメータに基づいて決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記複数の分割領域は、
    少なくとも一部分が、前記キャリッジ移動方向における前記基準位置よりも上流側に位置する第1分割領域と、
    前記第1分割領域よりも、前記キャリッジ移動方向における上流側に位置する第2分割領域と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記補正パラメータ決定処理において、
    前記第2分割領域において、前記第1分割領域よりも、前記直前のパス印刷での吐出量に対して、前記吐出タイミングを前記基準タイミングから遅らせる、ように各分割領域に対する前記補正パラメータの値を決定することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記複数の分割領域は、
    少なくとも一部分が、前記キャリッジ移動方向における前記基準位置よりも下流側に位置する第3分割領域と、
    前記第3分割領域よりも、前記キャリッジ移動方向における下流側に位置する第4分割領域と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記補正パラメータ決定処理において、
    前記第4分割領域において、前記第3分割領域よりも、前記直前のパス印刷での吐出量に対して、前記吐出タイミングを前記基準タイミングから早める、ように各分割領域に対する前記補正パラメータの値を決定することを特徴とする請求項3又は4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記シート搬送装置に搬送される前記シートに、前記走査方向に沿った波形状を生じさせる波形状生成部をさらに備え、
    前記波形状生成部は、
    前記走査方向に間隔をあけて配置され、前記シート搬送装置に搬送される前記シートを、前記液体吐出ヘッド側から押さえる複数の押さえ部材と、
    前記走査方向に前記複数の押さえ部材と交互に並んで配置され、前記シート搬送装置に搬送される前記シートを、前記複数の押さえ部材よりも前記液体吐出ヘッドに近い位置で、前記液体吐出ヘッドと反対側から支持する複数の支持部材と、を有し、
    前記複数の分割領域は、それぞれ、前記走査方向において、隣接する前記押さえ部材と前記支持部材とが配置された位置を両端とする領域であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記走査方向に間隔をあけて配置され、前記シート搬送装置に搬送される前記シートを前記液体吐出ヘッドと反対側から支持する複数の支持部材をさらに備え、
    前記複数の分割領域は、それぞれ、前記走査方向において、隣接する2つの支持部材が配置された位置を両端とする領域であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の液体吐出装置。
  8. 前記搬送方向における前記液体吐出ヘッドよりも下流側に配置され、前記シート搬送装置に搬送される前記シートに前記走査方向に沿った波形状を生じさせる波形状生成部をさらに備え、
    前記制御装置は、前記補正パラメータ決定処理において、
    前記直前の前記パス印刷において、少なくとも前記シートの先端が前記波形状生成部に到達している場合に、到達していない場合よりも、
    前記上流側領域での前記吐出タイミングを、前記基準タイミングから遅らせ、
    前記下流側領域での前記吐出タイミングを、前記基準タイミングから早める、ように前記補正パラメータの値を決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御装置は、
    前記吐出タイミング決定処理において、
    複数回の前記パス印刷のうち3番目以降のパス印刷について、そのパスについての前記補正パラメータの値に、そのパス印刷よりも前のパス印刷全てについての前記補正パラメータの値を累積した累積値を用いて、前記吐出タイミングを決定することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液体吐出装置。
  10. 前記制御装置は、
    複数回の前記パス印刷のうちの最初のパス印刷を行わせる前に、複数回の前記パス印刷全てについての前記補正パラメータ決定処理を実行し、
    前記吐出タイミング決定処理において、
    各パス印刷における前記吐出タイミングを、そのパス印刷についての前記累積値から、前記シートの前記搬送方向の中央の領域に液体を吐出する前記パス印刷についての前記累積値を減じた値を用いて決定することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  11. 複数回の前記パス印刷のうち2番目以降のパス印刷が、
    前記直前のパス印刷が完了してから第1時間が経過したときに開始される第1パス印刷と、
    前記直前のパス印刷が完了してから第1時間よりも長い第2時間が経過したときに開始される第2パス印刷と、を有し、
    前記制御装置は、前記補正パラメータ決定処理において、
    前記第2パス印刷において、前記第1パス印刷よりも、
    前記上流側領域での前記吐出タイミングを、前記基準タイミングから遅らせ、
    前記下流側領域での前記吐出タイミングを、前記基準タイミングから早める、ように前記補正パラメータの値を決定することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液体吐出装置。
  12. 前記シート搬送装置は、第1シート、及び、前記第1シートとは種類の異なる第2シートを搬送可能に構成され、
    前記制御装置は、前記吐出タイミング決定処理において、
    前記シートが前記第1シートである場合と前記第2シートである場合とで、前記補正パラメータの値を異なる値に決定することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の液体吐出装置。
  13. 前記シート搬送装置は、
    前記第1シートを繊維の方向が前記走査方向と平行になるように搬送し、
    前記第2シートを繊維の方向が前記走査方向と交差するように搬送し、
    前記制御装置は、前記補正パラメータ決定処理において、
    前記シートが前記第2シートである場合に前記第1シートである場合よりも、
    前記上流側領域での前記吐出タイミングを、前記基準タイミングから遅らせ、
    前記下流側領域での前記吐出タイミングを、前記基準タイミングから早める、ように前記補正パラメータの値を決定することを特徴と請求項12に記載の液体吐出装置。
  14. 前記複数のノズルは、吐出する液体の種類が異なる複数種類のノズルを有し、
    前記制御装置は、
    前記吐出量情報取得処理において、
    複数回の前記パス印刷の各々について、液体の種類毎の前記吐出量情報を取得し、
    前記補正パラメータ決定処理において、
    前記直前のパス印刷についての前記吐出量情報が示す、液体の種類毎の前記吐出量の合計と、液体の種類毎の前記吐出量の比率とに基づいて、前記補正パラメータの値を決定することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の液体吐出装置。
JP2015247200A 2015-12-18 2015-12-18 液体吐出装置 Active JP6641975B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247200A JP6641975B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 液体吐出装置
US15/381,362 US10293605B2 (en) 2015-12-18 2016-12-16 Liquid discharging device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247200A JP6641975B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 液体吐出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017109426A JP2017109426A (ja) 2017-06-22
JP6641975B2 true JP6641975B2 (ja) 2020-02-05

Family

ID=59064137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015247200A Active JP6641975B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 液体吐出装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10293605B2 (ja)
JP (1) JP6641975B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11240146A (ja) * 1997-12-26 1999-09-07 Canon Inc 記録装置
US7517042B2 (en) * 2005-03-10 2009-04-14 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Delaying printing in response to highest expected temperature exceeding a threshold
JP5626252B2 (ja) 2012-03-30 2014-11-19 ブラザー工業株式会社 インクジェットプリンタ、及び、インクジェットプリンタの吐出タイミング決定方法
JP6070209B2 (ja) * 2013-01-18 2017-02-01 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP6186992B2 (ja) 2013-07-29 2017-08-30 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP6700652B2 (ja) * 2014-05-30 2020-05-27 ブラザー工業株式会社 インクジェットプリンタ

Also Published As

Publication number Publication date
US20170173947A1 (en) 2017-06-22
US10293605B2 (en) 2019-05-21
JP2017109426A (ja) 2017-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6700652B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP6106395B2 (ja) 画像形成装置
US10596824B2 (en) Image recording apparatus
JP4983420B2 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP6314524B2 (ja) 印刷装置および印刷システム
JP6364969B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP5067272B2 (ja) 印刷方法、印刷装置、及び、印刷物製造方法
JP6610181B2 (ja) 液滴吐出装置
JP6610180B2 (ja) 液滴吐出装置
JP5812261B2 (ja) 印刷装置、および、コンピュータプログラム
JP6641975B2 (ja) 液体吐出装置
JP6651954B2 (ja) 印刷装置
JP6627384B2 (ja) 液体吐出装置
JP6714821B2 (ja) 液体吐出装置
JP6690369B2 (ja) 印刷装置
JP6610179B2 (ja) 液滴吐出装置
JP6885006B2 (ja) 印刷装置
JP2019181893A (ja) インクジェット記録装置及び記録方法
JP6213348B2 (ja) 液体吐出装置
US11511538B2 (en) Image recording apparatus, image recording system, image recording method and non-transitory computer readable medium storing program of image recording method
JP5035203B2 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP6690370B2 (ja) 印刷装置
JP4412378B2 (ja) 画像形成装置
JP6019700B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP6328022B2 (ja) 印字データ補正方法、印字データ補正装置、およびインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6641975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150