JP6641962B2 - 点火制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、点火プラグの放電を制御する制御システムに関する。
ガソリンエンジンはシリンダ毎に点火プラグを備えており、シリンダに吸入した混合気に点火プラグによって火花放電することで混合気を点火、燃焼させて動力を発生させている。
シリンダに吸入された混合気の濃度が高く、燃料と空気とが十分に混合されていない場合には燃料が不完全燃焼を起こしカーボンが発生する。このカーボンが点火プラグの中心電極外周部に付着すると、点火プラグの取り付け金具と付着したカーボンとの間で放電(奥飛び放電)が発生する。これにより、火花放電ギャップで放電が発生しなくなるので混合気を燃焼させることができなくなる。この状態をくすぶりと呼んでいる。このくすぶりに対し、特許文献1では、点火プラグに多重放電を実施させ、点火プラグの電極に付着したカーボンを焼き切ることで、くすぶりを解消する。
特開2000−345951
ところで、自動車用エンジンから排出される排出ガスを再び吸気側に戻して再利用するEGR(Exhaust Gas Recirculation)という技術が知られている。吸気側に戻された排出ガス(EGRガス)は、燃料の燃焼で生じた水蒸気を多分に含んでおり、高い湿度を有している。よって、EGRガスが吸気通路を通じて気筒内に流入する過程で、例えば、吸気通路内の壁面に水滴が生じることがある。この水滴が吸気通路内に滞留した場合に、この滞留水が吸気行程で流入する新気により気筒内に運ばれることで、気筒内での燃料の燃焼を妨げるおそれがある。特に、点火プラグがくすぶっている状態では、滞留水が点火プラグ周りのカーボンに付着することで、カーボンの通電性が高まり、点火プラグのくすぶりが更に生じ易くなるおそれがある。
なお、EGRガスを再循環させるエンジンに限らず、気筒内に導電性液体が存在し得るエンジンであれば、こうした実情は概ね共通したものとなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、導電性液体が点火プラグに付着しても、点火プラグのくすぶりを抑制することができる点火制御システムを提供することにある。
本発明は、点火制御システムであって、電圧が印加されることで、内燃機関の燃焼室内に火花放電を発生する点火プラグと、所定電圧を前記点火プラグに印加する電圧印加部と、前記点火プラグに導電性液体が付着していることを判定する判定部と、前記判定部により前記点火プラグに導電性液体が付着していると判定されたことを条件として、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を所定時間印加させる制御部と、を備えることを特徴とする。
点火制御システムでは、燃料が不完全燃焼を生じた場合、カーボンが点火プラグの電極に付着してしまい、いわゆるくすぶりが生じるおそれがある。このくすぶりが生じた状態で、更に点火プラグ周りのカーボンに水(通常はイオン等を含んでいる)などの導電性液体が付着すると、カーボンの通電性が高まり、点火プラグのくすぶりが更に生じやすくなる。
このため、本点火制御システムでは判定部と制御部とが備わっている。判定部により点火プラグに導電性液体が付着していると判定された場合には、電圧印加部により点火プラグに所定電圧が所定時間印加される。これにより、点火プラグに導電性液体が付着した場合には、点火プラグに所定電圧が所定時間印加され、印加された電圧により点火プラグに付着した導電性液体を沸騰、すなわち気化させることができる。よって、点火プラグに付着した導電性液体を減少させることができ、点火プラグのくすぶりを抑制することができる。さらに、導電性液体を沸騰させることで、高温の導電性液体の流動や気泡の破裂により洗浄効果が高まり、点火プラグに付着したカーボンを効果的に除去することができる。よって、カーボンが付着することで低下していた点火プラグの絶縁抵抗を回復することが可能となり、ひいては、点火プラグのくすぶりを抑制する事が可能となる。
また、判定部により点火プラグに導電性液体が付着していると判定されなかった場合には、制御部は点火プラグに電圧印加部による電圧の印加を実施させない。点火プラグに導電性液体が付着していない場合は、導電性液体を気化させる必要がなく、導電性液体の沸騰によるカーボン除去効果も生じない。このため、電圧の印加を実施させないことで、消費電力を節約することができる。
本実施形態に係る内燃機関及びその制御装置の模式図である。 図1に示されている点火回路ユニット周辺の概略的な回路図である。 点火プラグ周りのカーボンに水滴が付着した場合の点火プラグの絶縁抵抗の変化を示した図である。 本実施形態に係るECUによりエンジン停止時に実行される制御フローチャートである。 点火プラグに水滴が付着する条件を示した図である。 本実施形態に係るECUによりエンジン駆動時に実行される制御フローチャートである。 本実施形態に係るエンジン停止時の水滴沸騰制御の処理手順を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係るエンジン駆動時の水滴沸騰制御の処理手順を示すタイミングチャートである。 別例に係る点火回路ユニット周辺の概略的な回路図である。 別例に係る点火回路ユニット周辺の概略的な回路図である。 別例に係るエンジン駆動時の水滴沸騰制御の処理手順を示すタイミングチャートである。
図1を参照すると、エンジンシステム10は、火花点火式の内燃機関であるエンジン11を備えている。エンジン11の本体部を構成するエンジンブロック11aの内部には、燃焼室11b及びウォータージャケット11cが形成されている。燃焼室11bは、ピストン12を往復移動可能に収容するように設けられている。ウォータージャケット11cは、冷却液(冷却水ともいう)が通流可能な空間であって、燃焼室11bの周囲を取り囲むように設けられている。
エンジンブロック11aの上部であるシリンダヘッドには、吸気ポート13及び排気ポート14が、燃焼室11bと連通可能に形成されている。また、シリンダヘッドには、吸気ポート13と燃焼室11bとの連通状態を制御するための吸気バルブ15と、排気ポート14と燃焼室11bとの連通状態を制御するための排気バルブ16と、吸気バルブ15及び排気バルブ16を所定のタイミングで開閉動作させるためのバルブ駆動機構17と、が設けられている。
さらに、エンジンブロック11aには、インジェクタ18及び点火プラグ19が装着されている。本実施形態においては、インジェクタ18は、点火プラグ19の近傍に配置され、燃焼室11b内に燃料を直接噴射するように設けられている。点火プラグ19は、燃焼室11b内にて燃料混合気を点火するように設けられている。
吸気ポート13には、吸気マニホールド21aが接続されている。また、吸気マニホールド21aよりも吸気通流方向における上流側には、サージタンク21bが配置されている。排気ポート14には、排気管22が接続されている。
EGR通路23は、排気管22とサージタンク21bとを接続することで、排気管22に排出された排気ガスの一部を吸気に導入可能に設けられている(EGRはExhaust Gas Recirculationの略である)。EGR通路23には、EGR制御バルブ24が介装されている。EGR制御バルブ24は、その開度によってEGR率(燃焼室11b内に吸入される燃焼前のガスにおける排気ガスの混入割合)を制御可能に設けられている。このEGR制御バルブ24の開度に応じて、排気管22に排出された排気の一部が、EGRクーラ28によって冷却された後にEGRガスとしてサージタンク21bに供給される。なお本実施形態において、EGR通路23、EGR制御バルブ24及びEGRクーラ28がEGR部を構成する。
吸気管21における、サージタンク21bよりも吸気通流方向における上流側には、スロットルバルブ25が介装されている。スロットルバルブ25は、その開度が、DCモータ等のスロットルアクチュエータ26の動作によって制御されるようになっている。また、吸気ポート13の近傍には、スワール流やタンブル流を発生させるための気流制御バルブ27が設けられている。
排気管22には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒41が設けられ、この触媒41の上流側には排ガスを検出対象として混合気の空燃比を検出するための空燃比センサ40(リニアA/Fセンサ等)が設けられている。
エンジンシステム10は、点火回路ユニット(駆動回路に該当)31、電子制御ユニット32等を備えている。
点火回路ユニット31は、燃焼室11b内の燃料混合気に点火するための火花放電を点火プラグ19にて発生させるように構成されている。電子制御ユニット32は、いわゆるエンジンECU(ECUはElectronic Control Unitの略である)であって、クランク角センサ33等の各種センサの出力に基づいて取得したエンジン11の運転状態(以下「エンジンパラメータ」と略称する。)に応じて、インジェクタ18及び点火回路ユニット31を含む各部の動作を制御するようになっている。
点火制御に関して、電子制御ユニット32は、取得したエンジンパラメータに基づいて、点火信号及びエネルギ投入期間信号を生成及び出力するようになっている。かかる点火信号及びエネルギ投入期間信号は、燃焼室11b内のガスの状態及び必要とされるエンジン11の出力(これらはエンジンパラメータに応じて変化する)に応じた、最適な点火時期及び放電電流(点火放電電流)を規定するものである。この電子制御ユニット32は、判定部と、制御部とに該当する。
クランク角センサ33は、エンジン11の所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するためのセンサである。このクランク角センサ33は、エンジンブロック11aに装着されている。冷却水温センサ34は、ウォータージャケット11c内を通流する冷却液の温度である冷却水温を検出(取得)するためのセンサであって、エンジンブロック11aに装着されている。
エアフローメータ35は、吸入空気量(吸気管21を通流して燃焼室11b内に導入される吸入空気の質量流量)を検出(取得)するためのセンサである。このエアフローメータ35は、スロットルバルブ25よりも吸気通流方向における上流側にて、吸気管21に装着されている。吸気圧センサ36は、吸気管21内の圧力である吸気圧を検出(取得)するためのセンサであって、サージタンク21bに装着されている。
スロットル開度センサ37は、スロットルバルブ25の開度(スロットル開度)に対応する出力を生じるセンサであって、スロットルアクチュエータ26に内蔵されている。アクセルポジションセンサ38は、アクセル操作量に対応する出力を生じるように設けられている。
<点火回路ユニット周辺の構成>
図2を参照すると、点火回路ユニット31は、点火コイル311と、IGBT315(スイッチング素子に該当)と、電源部317(電圧印加部に該当)とが設けられている。
点火コイル311は、一次コイル311A、二次コイル311B及び鉄心311Cを備えている。一次コイル311Aの第一端は、電源部317に接続されており、一次コイル311Aの第二端は、IGBT315のコレクタ端子に接続されている。そして、IGBT315のエミッタ端子は、接地側に接続されている。
二次コイル311Bの第一端はグランド電位に接地されている。一方で、二次コイル311Bの第二端は、点火回路ユニット31近くに存在する点火プラグ19に接続されている。
点火プラグ19は、対向電極19Aを備え、また絶縁抵抗19B及び浮遊容量19Cについて図示している。絶縁抵抗19Bは、対向電極19Aの電極間の絶縁抵抗を示している。浮遊容量19Cは、対向電極19Aとその周囲を囲む絶縁物と接地とにより形成される容量成分である。これら対向電極19Aと絶縁抵抗19Bと浮遊容量19Cとは、並列接続の関係にある。
ECU32は、点火信号制御部(制御部に該当)323とメイン点火信号発生部324とを備えている。メイン点火信号発生部324は、外部より入力された情報に基づいてメイン点火信号を生成している。点火信号制御部323は、メイン点火信号発生部324により生成されたメイン点火信号を受信し、点火信号IGtとしてIGBT315のゲート端子へ出力し、IGBT315の駆動を制御する。これにより、大きな二次電流を点火プラグ19に流し、点火プラグ19の対向電極19Aに火花放電を生じさせる。
対向電極19Aに火花放電を生じさせることで燃料の燃焼を試みる際、燃焼室11b内に吸入された混合気の濃度が高く、燃料と空気とが十分に混合されていないと、燃料が不完全燃焼を起こしカーボンが発生する。このカーボンが点火プラグ19の中心電極外周部に付着すると、点火プラグ19の取り付け金具と付着したカーボンとの間で放電(奥飛び放電)が発生する。このような奥飛び放電が生じると、二次電流の維持期間が短くなるために混合気を満足に燃焼させることができなくなり、失火が発生する。
ところで、本実施形態のようにEGR通路23を備える構成では、サージタンク21bに戻されたEGRガスは、燃料の燃焼で生じた水蒸気を多分に含んでおり、高い湿度を有している。よって、EGRガスが吸気管21を通じて燃焼室11b内に流入する過程で、例えば、吸気管21内の壁面に水滴が生じることがある。この水滴が吸気管21内に滞留した場合に、この滞留水が吸気行程で流入する新気により燃焼室11b内に運ばれることで、燃焼室11b内での燃料の燃焼を妨げるおそれがある。また、図3左図に示すように点火プラグ19に備わる碍子などの絶縁体にカーボンが一部付着していない状態にあっても、図3右図に示すように滞留水(通常はイオン等を含んでいる)がカーボンに付着することで、カーボンの通電性が高まる。これにより、点火プラグ19のくすぶりが生じ易くなるおそれがある。
よって、図2に示すように、本実施形態に係る電子制御ユニット32では、水滴付着判定部321と周波数信号生成部322とを備えている。この水滴付着判定部321は、エンジン11が点火プラグ19に水滴が付着するおそれのある環境(水滴付着環境)であるか否かを判定するものである。水滴付着判定部321によりエンジン11が水滴付着環境であることが判定されると、周波数信号生成部322は所定の周波数を有する周波数信号を生成する。
点火信号制御部323は、エンジン11の回転が停止している場合(アイドリングストップを含む)には、電子制御ユニット32の起動からエンジン11始動までの期間に、周波数信号生成部322により生成された周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信する。これにより、点火プラグ19に電圧が印加される。このとき、電圧印加時間は、点火プラグ19に流れる電流が点火プラグ19に付着した水にリークすることがなくなるまで、水を沸騰(気化)させるための時間として設定される(後述する印加必要時間に該当)。よって、点火プラグ19に水滴が付着している場合には、水滴に電流が流れ、水温が上昇し、沸騰することになる。これにより、例えば、点火プラグ19にカーボンが付着したくすぶり状態であっても、水滴の沸騰により生じる高温の水の流動や気泡の破裂によりカーボンは洗浄されることになる。
ただし、エンジン11停止中に上記制御を実施しているにも関わらず、ドライバによりエンジン11が始動される可能性がある。この場合、点火プラグ19に印加される時間が印加必要時間に達していなくても、その時点で点火信号制御部323は周波数信号を点火信号IGtとして送信することをやめ、スタータモータ(図示せず)などを駆動させることでエンジン11を始動させる。
エンジン11駆動時において、エンジン11にEGRガスが残留した状態で、吸気行程に進むと燃焼室11b内を圧縮していたピストン12は膨張する方向に移動し、EGRガスは膨張し、EGRガスの温度が低下する。また、エンジン11に吸気が流入することで残留したEGRガスの温度が更に低下し、EGRガスに含まれた水分が結露するおそれがある。したがって、エンジン11が駆動している場合には、点火プラグ19に水滴が付着しやすい吸気行程において、点火信号制御部323は周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信する。
本実施形態では、内燃機関の回転駆動が停止している場合に、電子制御ユニット32により後述する図4に記載の水滴沸騰制御を実行する。図4に示す水滴沸騰制御は、電子制御ユニット32が電源オンしている期間中に電子制御ユニット32によって所定周期で繰り返し実行される。
まずステップS100にて、点火信号制御部323は、エンジン11の回転駆動が停止しているか否かを判定する。具体的には、クランク角センサ33からエンジン11の回転速度を算出し、その回転速度が所定回転速度よりも低い場合に、エンジン11の回転駆動が停止していると判定する。
エンジン11の回転駆動が停止していると判定された場合には(S100:YES)、ステップS130に進む。ステップS130にて、水滴付着判定部321はエンジン11が水滴付着環境にあるか否かを判定する。エンジン11の回転駆動が停止している場合でも、燃焼室11b内には前回エンジン11が駆動した際に生じた既燃気体(EGRガスを含む)の一部が残留していることが多い。また、燃焼室内には、燃料や潤滑油の蒸気が存在している。ウォータージャケット11cを流れる冷却水の水温が所定水温よりも低ければ、エンジン11もそれだけ冷却されるため、既燃気体の温度もまた低くなると考えられる。また、外気温が所定外気温よりも低ければ、それだけエンジン11に取り込まれる吸気の温度もまた低くなる。このため、燃焼室11bに流入した吸気により残留した既燃気体の温度が低下することになる。
このことについて、本願発明者らは、図5左図に記載されるように、ウォータージャケット11cを流れる冷却水の温度が所定水温よりも低く、且つ外気温が所定外気温よりも低い場合に、燃焼室内に残留した既燃気体に存在する水分が結露する可能性が高いことを見出した。詳しくは、冷却水の温度が低いほど水分が結露する可能性が高くなり、外気温が低いほど水分が結露する可能性が高くなる。
したがって、水滴付着判定部321は、冷却水の水温が所定水温よりも低く、且つ外気温が所定外気温よりも低い場合に、エンジン11は水滴付着環境であると判定する。水滴付着判定部321は、エンジン11が水滴付着環境にないと判定した場合(S130:NO)、後述のステップS110に進む。水滴付着判定部321は、エンジン11が水滴付着環境であると判定した場合(S130:YES)、周波数信号生成部322に周波数信号を生成するよう信号を送信する。
本制御では、点火プラグ19の対向電極19Aに火花放電を生じさせる必要性は低い。したがって、周波数信号が有する所定の周波数とは、点火プラグ19の対向電極19Aで火花放電を生じさせることが困難な二次電圧の振幅を生じさせる周波数に設定される。具体的には、3kV以上の電圧を一次コイル311Aに印加すると、誘起した二次電流により点火プラグ19の電極で火花放電が生じるおそれがある。よって、本実施形態では、点火プラグ19に印加される電圧の上限値が2kVとなるように、所定の周波数を略5kHzに設定する。
そして、ステップS140に進み、点火信号制御部323が、点火プラグ19に電圧を印加させるための印加必要時間を設定する。印加必要時間は、前述のように点火プラグ19に流した電流が付着した水滴にリークされなくなるまで沸騰させるために必要な時間である。したがって、冷却水の温度が低いほど、また外気温が低いほど、点火プラグ19に付着した水の量は多いおそれがあるとして、印加必要時間を長く設定する。なお、既に印加必要時間が設定されている場合には、ステップS140はスキップされる。
ステップS150では、点火信号制御部323が、点火プラグ19に電圧を印加させ始めてから、ステップS140で設定した印加必要時間がまだ経過していないか否かを判定する。具体的には、後述の印加実施時間が印加必要時間よりも大きくなる場合に、印加必要時間が経過したことを判定する。印加必要時間が経過したと判定した場合には(S150:NO)、後述のステップS110に進む。印加必要時間が経過していないと判定した場合には(S150:YES)、ステップS160に進む。なお、点火プラグ19への電圧印加が未実施であった場合、印加実施時間は0であるとして、印加必要時間が経過していないと判定し、ステップS160に進む。
ステップS160にて、点火信号制御部323は周波数信号生成部322が生成した周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信を開始することで、点火プラグ19に電圧を印加させる。そして、ステップS170にて、点火信号制御部323は点火信号IGtを送信した時間を計測することで、点火プラグ19に電圧を印加させた印加実施時間を計測する。そして、ステップS100に戻る。
ステップS100にて、エンジン11の回転駆動が停止していないと判定された場合には(S100:NO)、ステップS110に進む。ステップS110では、点火信号制御部323が周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信することをやめる。そして、ステップS120にて、点火信号制御部323は印加必要時間と印加実施時間の差を算出し、印加不足時間を設定し、本制御を終了する。なお、印加実施時間が印加必要時間以上に大きい場合には、印加不足時間は0であるとして、設定されない。
次に、内燃機関の回転駆動を実施している場合の電子制御ユニット32により実施する図6に記載の水滴沸騰制御を説明する。図6に示す水滴沸騰制御は、電子制御ユニット32が電源オンしている期間中に電子制御ユニット32によって所定周期で繰り返し実行される。
まずステップS200にて、点火信号制御部323は、現在のエンジン11の燃焼サイクルは吸気行程であるか否かを判定する。現在のエンジン11の燃焼サイクルは吸気行程である場合には(S200:YES)、ステップS220に進み、点火信号制御部323は、ステップS120にて印加不足時間が設定されたか否かを判定する。印加不足時間が設定されていない場合には(S220:NO)、後述のステップS210に進む。印加不足時間が設定されている場合には(S220:YES)、ステップS230に進む。ステップS230では、印加不足時間を充足するために吸気行程中に点火プラグ19に電圧を印加する制御を何回繰り返せばよいか、点火信号制御部323はその印加必要回数を設定する。既に印加必要回数が設定されている場合には、ステップS230はスキップされる。
ステップS240にて、水滴付着判定部321はエンジン11が水滴付着環境であるか否かを判定する。このとき、水滴付着環境であると判定する条件はステップS130における条件に、EGR率が閾値よりも高いことが付加されている。エンジン11が水滴付着環境ではないと判定された場合には(S240:NO)、後述のステップS210に進む。エンジン11が水滴付着環境であると判定された場合には(S240:YES)、ステップS250に進む。ステップS250では、点火信号制御部323がステップS230で設定された印加必要回数、吸気行程で点火プラグ19に電圧を印加したか判定する。吸気行程で点火プラグ19に電圧を印加した回数である印加実施回数がステップS230で設定された印加必要回数に達した場合には(S250:YES)、後述のステップS210に進む。印加実施回数がステップS230で設定された印加必要回数に達していない場合には(S250:NO)、ステップS260に進む。
ステップS260にて、点火信号制御部323は周波数信号生成部322が生成した周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信を開始することで、点火プラグ19に電圧を印加させる。そして、ステップS270にて、点火信号制御部323は吸気行程中に点火プラグ19に電圧を印加したとして、印加実施回数を1インクリメントして、ステップS200に戻る。
ステップS200にて、現在のエンジン11の燃焼サイクルが吸気行程ではないと判定された場合には(S200:NO)、ステップS210に進む。そして、ステップS210では、点火信号制御部323が、周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信することをやめ、本制御を終了する。
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態にかかる水滴沸騰制御の態様を説明する。
図7において、「エンジン始動要求」はエンジン11に始動要求が発生したか否かをハイ/ローで表すものである。「電圧印加要求」は、周波数信号生成部322により周波数信号を生成するよう、水滴付着判定部321により信号が送信されたか否かをハイ/ローで表すものである。また、「印加実施時間カウンタ」は、点火信号制御部323によりIGBT315に周波数信号が点火信号IGtとして送信された時間の経過を表している。「メイン点火信号」はメイン点火信号発生部324により出力されるメイン点火信号をハイ/ローで表し、「周波数信号」は周波数信号生成部322により出力される周波数信号をハイ/ローで表すものである。「印加電圧」は、点火プラグ19に印加された電圧の値を表している。
エンジン11の回転駆動が停止しており、且つ電子制御ユニット32が起動している場合を想定する。この場合に、水滴付着判定部321によりエンジン11が水滴付着環境であると判定されると、エンジン始動要求が発生するまで周波数信号生成部322に周波数信号を生成するよう信号が送信される(図7において、電圧印加要求がローからハイに切り替わる)。この際、点火信号制御部323により、冷却水温及び外気温から点火プラグ19に付着した水の量が推測され、水を沸騰させるために必要な電圧の印加必要時間が設定される。その上で、周波数信号生成部322により生成された周波数信号が、点火信号制御部323により点火信号IGtとしてIGBT315に送信される。この際、IGBT315に点火信号IGtを送信した時間が印加実施時間として点火信号制御部323により計測される。
点火信号制御部323により点火信号IGtがIGBT315に送信されることで、点火プラグ19に電圧が印加される。このとき、周波数信号の周波数は、点火プラグ19に印加される電圧の上限値が2kVとなるように、略5kHzに設定される。よって、点火プラグ19の対向電極19Aで火花放電は生じていないが、電圧は点火プラグ19に印加され続けている状態となる。これにより、点火プラグ19に水が付着している場合には、水に電流がリークし、水は沸騰することになる。
点火プラグ19にカーボンが付着している状態を想定する。この場合、カーボンは点火プラグ19の表面に付着しているだけでありはがれやすい状態である為、水滴の沸騰により生じる高温の水の流動や気泡の破裂によりカーボンは洗浄されることになる。また、本実施形態では点火信号制御部323により周波数信号が点火信号IGtとしてIGBT315に送信されるため、一次コイル311Aに流れる一次電流は導通と切断が繰り返される。よって、点火プラグ19には極性反転が連続的に生じた電流が流れることになる。極性反転が連続的に生じた電流が点火プラグ19を介して水滴に流れると、水を構成する分子の振動方向に変化が生じるため、カーボンの洗浄効果を高めることができる。
その後、エンジン始動要求が発生すると、印加実施時間が印加必要時間に達していなくても、点火信号制御部323は周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信することをやめる(時間t1参照)。そして、点火信号制御部323により、印加必要時間に達するために必要な残りの印加不足時間が算出される。
エンジン11の始動後、図8に記載されるように、吸気行程中に点火信号制御部323により周波数信号が点火信号IGtとしてIGBT315に送信される。エンジン駆動中は、吸気行程である時に限って点火信号IGtが送信される為、算出された印加不足時間を充足するために吸気行程中に点火プラグ19に電圧を印加する制御を何回繰り返せばよいか、点火信号制御部323によりその印加必要回数が算出される。そして、エンジン11の燃焼サイクルが吸気行程になるたびに、点火信号制御部323により周波数信号が点火信号IGtとしてIGBT315に送信され、印加実施回数が1インクリメントされる。
本制御は、印加実施回数が印加必要回数に達した場合、又は水滴付着判定部321によりエンジン11が水滴付着環境ではなくなったと判定された場合に終了される。水滴付着環境ではなくなったと判定される条件は、EGR率が閾値よりも低くなった、又は外気温が所定外気温よりも高く、且つウォータージャケット11cを流れる冷却水の水温が所定水温よりも高くなることである。EGR率が閾値よりも低い場合、吸気管21に流入するEGRガスに含まれる水分が少ないことが示唆されるため、それだけEGRガスに含まれる水分が結露する可能性は低い。また、外気温が所定外気温よりも高く、且つウォータージャケット11cを流れる冷却水の水温が所定水温よりも高くなると、それだけ燃焼室11b内の温度が上昇する。したがって、水滴の蒸発が促進され、水滴付着環境ではなくなるためである。
上記構成により、本実施形態は、以下の効果を奏する。
・点火プラグ19に水が付着したと推測される場合(水滴付着判定部321により水滴付着環境であると判定された場合)には、点火プラグ19に所定電圧が印加必要時間印加される。したがって、印加された電圧により点火プラグ19に付着した水を沸騰、すなわち気化させることができる。よって、点火プラグ19に付着した水を減少させることができ、点火プラグ19のくすぶりを抑制することができる。さらに、水を沸騰させることで、点火プラグ19に付着したカーボンを効果的に除去することができる。よって、カーボンが付着することで低下していた点火プラグ19の絶縁抵抗値を回復することが可能となり、ひいては、点火プラグ19のくすぶりを抑制する事が可能となる。
また、水滴付着判定部321により点火プラグ19に水が付着していると判定されなかった場合には、周波数信号生成部322は点火プラグ19に電圧の印加を実施させない。点火プラグ19に水が付着していない場合は、水を気化させる必要がなく、水の沸騰によるカーボン除去効果も生じない。このため、電圧の印加を実施させないことで、消費電力を節約することができる。
・点火プラグ19に付着した水を沸騰させることで、水を減少させることができる。また、点火プラグ19がくすぶっている状況では、水を沸騰させることで点火プラグ19に付着したカーボンを除去することができる。
・点火プラグ19に水が付着している限り、点火プラグ19に流した電流は水に流れてしまい、火花放電を生じさせることが困難である。このため、水が導通しなくなるまで水を気化させる。これにより、火花放電を生じさせる際には水に電流が流れることなく、火花放電を生じさせることが可能となる。
・エンジン11の停止中は、エンジン11を循環する冷却水の水温が所定水温よりも低く、且つ外気温が所定外気温よりも低い場合に、水滴付着判定部321により点火プラグ19に水滴が付着したことが判定される。またエンジン11の運転中は、EGR率が閾値よりも高い状態で、エンジン11を循環する冷却水の水温が所定水温よりも低く、且つ外気温が所定外気温よりも低い場合に、水滴付着判定部321により点火プラグ19に水滴が付着したことが判定される。このように、点火プラグ19に水が付着していることを判定する為の条件を設定することで、点火プラグ19に水が付着する可能性が高い状況において、点火プラグ19のくすぶりを抑制する事が可能となる。
・エンジン11の回転が停止している場合には、エンジン11を制御する電子制御ユニット32の起動からエンジン11の始動までの期間、車両の駆動状態に影響を与えることなく本制御を実施することができる。このため、点火信号制御部323により周波数信号が点火信号IGtとして送信されることで、点火プラグ19に電圧を印加させる。これにより、点火プラグ19に水滴が付着していてもエンジン11を始動させる前に、水滴の気化やカーボンの除去が可能なため、エンジン11の動作の安定化を図ることができる。
・エンジン11が回転している場合には、吸気行程において、点火信号制御部323により周波数信号が点火信号IGtとしてIGBT315に送信される。これにより、吸気行程中に発生した水滴を気化あるいは蒸発させることが可能となり、燃焼行程で燃料を燃焼させる際に、点火プラグ19に火花放電を安定して生じさせることが可能となる。
・印加必要時間は、冷却水の温度が低いほど、外気温が低いほど長く設定される。また、印加必要時間は、EGR率などから推測される点火プラグ19に水が付着する量が多いほど長く設定される。これにより、水の量に応じて点火プラグ19に電圧を印加させる時間を設定でき、より確実に水を気化させることが可能となる。
・極性反転が連続的に生じた電流が水滴に流れることで、水を構成する分子の振動方向に変化が生じ、その結果、点火プラグ19に付着したカーボンの洗浄効果を高めることが可能となる。
・周波数信号の周波数は、略5kHzと設定され、点火プラグ19に印加される電圧の上限値が2kVとなるように制御される。これにより、周波数信号に基づいて点火プラグ19に二次電圧を印加しても点火プラグ19の対向電極19A間で火花放電は生じないため、点火プラグ19の電極消耗を抑制する事が可能となる。
・点火コイル311や電源部317を変更する必要がなく、IGBT315への点火信号IGtを制御するだけで本制御を実現できる。
上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。
・周波数信号の周波数は、点火プラグ19の対向電極19Aで火花放電を生じさせることが困難な周波数として設定されていた。このことについて、インジェクタ18により燃料が噴射される状況で本制御を実施しない為、火花放電が生じる可能性のある周波数に設定しても問題ない。これに伴い、本実施形態において周波数信号の周波数を略5kHzとしていたが、略5kHzに限る必要性もまたない。さらに、点火プラグ19に印加される電圧の上限値を2kVとしていたが、2kVに限る必要もない。
・上記実施形態では、一次コイル311Aに通電した後、その通電を遮断することにより二次コイル311Bにて二次電流を誘起させ、その二次電流により点火プラグ19で火花放電を生じさせる誘導放電式の点火回路ユニット31であった。このことについて、一次コイル311Aへ放電することにより、二次電圧の絶対値を昇圧させて容量放電させる容量放電式の点火回路ユニットでもよい。
・上記実施形態では、水滴付着環境であることが水滴付着判定部321により判定されると、周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信することでIGBT315を制御し、点火プラグ19に電流を流していた。このことについて、点火プラグ19に直接接続された別電源を設け、水滴付着判定部321により水滴付着環境であることが判定されると、別電源より点火プラグ19に直接電流が流される構成としてもよい。
・上記実施形態では、内燃機関が駆動している状態とは全気筒が稼働している状態を想定した。このことについて、例えば複数の気筒の内1つの気筒を吸排気休止の状態とする休筒運転を実施する構成である場合にも、他の稼働している気筒と同様、休止気筒も吸気行程で本制御を実施することで、上記実施形態と同様の効果が奏される。
・エンジン11が駆動している場合、点火信号制御部323は、燃焼サイクルが吸気行程であるときに、周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信していた。このことについて、周波数信号を点火信号IGtとして送信する時期を吸気行程に限る必要はない。例えば排気行程から吸気行程までの間で周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信してもよい。
・上記実施形態では、点火プラグ19に付着する液体を水としていた。このことについて、水に限らず、例えば導電性成分(不純物)の含まれるガソリンやエンジンオイルなど導電性を有する液体が点火プラグ19に付着したとしても、上記実施形態と同様の効果が奏される。
・水滴付着判定部321は、ウォータージャケット11cを流れる冷却水の水温が所定水温よりも低いことを、水滴付着環境と判断するための条件の一つとしていた。このことについて、ウォータージャケット11cを流れる冷却水の水温を、水滴付着環境を判断するための指標の一つに限る必要はない。例えば、冷却水温センサをEGRクーラ28に備えさせ、EGRクーラ28を流れる冷却水の水温を検出できる構成とする。これにより、検出された冷却水が所定水温よりも低いことを水滴付着環境と判断するための条件の一つとしてもよい。EGRクーラ28を流れる冷却水の水温が低ければ、それだけ排気管22より流入する排気が冷却されるため、EGRガスが結露する可能性は高くなる。したがって、EGRクーラ28を流れる冷却水の水温もまた水滴付着環境と判断するための条件の一つとなり得る。
・点火プラグ19に水滴が付着するおそれのある構成は、EGR通路23を備え、吸気管21にEGRガスが流入する構成に限らない。例えば、吸気管21にインジェクタ18とは別に水を噴射する水噴射弁を備える構成でも、点火プラグ19に水滴が付着するおそれがある。また、水噴射弁もEGR通路23も備わってないエンジン11でも、排気行程時に排出しきれず燃焼室11b内に排気が残留した場合には、吸気行程で流入した吸気により排気の温度が低下し、排気に含まれる水分が結露するおそれがある。このような、点火プラグ19に水滴が付着するおそれのある構成で、本制御を実施すると上記実施形態と同様の効果が奏される。
・水滴付着判定部321は、エンジン11の運転中において、EGR率が閾値よりも高い状態で、エンジン11を循環する冷却水の水温が所定水温よりも低く、且つ外気温が所定外気温よりも低い場合に、点火プラグ19に水滴が付着したことが判定されていた。このことについて、EGR率が閾値よりも高い場合に、点火プラグ19に水滴が付着したことが判定されてもよい。
・上記実施形態では、水滴付着判定部321によりエンジン11が水滴付着環境であることが判定されたことを条件として、点火信号制御部323は周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信していた。このことについて、点火信号制御部323が周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT315に送信するための条件を更に加えてもよい。例えば、図9に記載されるように点火プラグ19のくすぶり状態を判定するくすぶり状態判定部525をECU52に備えさせ、点火回路ユニット51にリーク電流を検出するリーク電流検出部518を備えさせる。点火プラグ19がくすぶり状態であれば、リーク電流検出部518により検出される二次コイル511Bからリークした電流(リーク電流)は大きくなる。このリーク電流が所定電流値よりも大きい時間が所定の時間よりも長く継続した場合に、くすぶり状態判定部525により点火プラグ19はくすぶり状態にあると判定される。この点火プラグ19のくすぶり状態の判定は、従来技術とおなじものである。
このような構成では、点火プラグ19がくすぶっているか否かその状態が判定できる。したがって、水滴付着判定部521によりエンジン11が水滴付着環境であることが判定され、且つ点火プラグ19がくすぶっていると状態判定部525により判定されたことを条件に、点火信号制御部523は周波数信号を点火信号IGtとしてIGBT515に送信してもよい。この場合、点火プラグ19に付着したカーボンを付着した水滴で洗浄することができる。
・上記実施形態に係る点火回路ユニット31は、IGBT315を一つ備えていた。このことについて、点火回路ユニット31は複数のIGBTを備えていてもよいし、他のスイッチング素子(MOSFET等)を用いても良い。例えばMOSFETを二つ備えた点火回路ユニット61を図10に例示する。
図10に例示される点火回路ユニット61は、電源部617と、第一MOSFET615A、第二MOSFET615Bと、電源部617の電圧を二分割するための第一キャパシタ612A、第二キャパシタ612Bと、共振キャパシタ613と、点火コイル611とから構成されている。
第一MOSFET615Aは、ECU62により送信される第一点火信号IGt1により開閉制御され、第二MOSFET615Bは、ECU62により送信される第二点火信号IGt2により開閉制御される。
第一キャパシタ612Aと第二キャパシタ612Bとが直列に接続され、第一MOSFET615Aと第二MOSFET615Bに対して節点n1において並列に接続されている。点火コイル611を構成する一次コイル611Aは、一方の端が第一キャパシタ612Aと第二キャパシタ612Bとの間の節点n2に接続される。他方の端は、共振キャパシタ613が介装された状態で、第一MOSFET615Aと第二MOSFET615Bとの間の節点n3に接続されている。
点火コイル611の二次コイル611Bの一方の端が接地され、他方の端が点火プラグ19に接続されている。
なお、別例に係る点火回路ユニット61を備えるエンジン11のECU62は、水滴付着判定部621と、周波数信号生成部622と、点火信号制御部623と、メイン点火信号発生部624とを備える。
次に、図11を参照して、本別例にかかる制御態様を説明する。
圧縮行程から膨張行程における所定期間(時間t10−t11参照)において、メイン点火信号発生部624によりメイン点火信号が送信されると、受信したメイン点火信号に基づいて点火信号制御部623により第一点火信号IGt1及び第二点火信号IGt2が生成される。そして、生成された第一点火信号IGt1は第一MOSFET615Aに、第二点火信号IGt2は第二MOSFET615Bに送信される。
このとき、第一MOSFET615Aと第二MOSFET615Bとが交互に開閉駆動されることで共振キャパシタ613と一次コイル611Aとの直列LC共振が発生されるように、第一点火信号IGt1の周波数及び第二点火信号IGt2の周波数(50−500kHz)がそれぞれ設定される。したがって、共振作用により、点火プラグ19には、電源部617の電圧に対し数倍のピーク電圧が印加されることになり、コロナ放電が瞬間的に発生することになる。したがって、第一MOSFET615Aと第二MOSFET615Bとが所定期間交互に開閉駆動されることにより、点火プラグ19にはコロナ放電が連続的に発生することになる。
一方で、吸気行程において実施される水滴沸騰制御(時間t12−t13参照)において、時間t10−t11における制御と同様の制御を実施すると点火プラグ19に過剰に高い電圧が印加されるおそれがある。
したがって、周波数信号生成部622により生成される周波数信号の周波数は、同一または低く制御される。その状態で、点火信号制御部323により第一点火信号IGt1及び第二点火信号IGt2それぞれの1周期におけるハイとなる期間が短く制御される(第一MOSFET615A及び第二MOSFET615Bそれぞれのオンデューティが小さく設定される)。したがって、相対的に第一点火信号IGt1及び第二点火信号IGt2それぞれの1周期におけるローとなる期間が長くなり、点火プラグ19に印加される電圧を略2kVにまで低く制御することができる。したがって、本別例によっても、上記実施形態と同様の作用・効果が奏される。
本別例について、水滴沸騰制御を実施する際に点火プラグ19に印加される電圧を略2kVにまで低く制御する方法は上記に限らない。例えば、周波数を共振作用が生じる周波数よりも高くすることで、点火プラグ19に印加される電圧を略2kVにまで低く制御してもよい。
11…エンジン、11b…燃焼室、19…点火プラグ、317,517,617…電源部、321,521,621…水滴付着判定部、323,523,623…点火信号制御部。

Claims (16)

  1. 電圧が印加されることで、内燃機関(11)の燃焼室(11b)内に火花放電を発生する点火プラグ(19)と、
    所定電圧を前記点火プラグに印加する電圧印加部(317、517、617)と、
    前記点火プラグに導電性液体が付着していることを判定する判定部(321、521、621)と、
    前記判定部により前記点火プラグに導電性液体が付着していると判定されたことを条件として、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を所定時間印加させる制御部(323、523、623)と、
    を備え
    前記内燃機関は、排気を吸気系に再循環するEGR部(23,24,28)を備え、
    前記判定部は、前記EGR部により再循環される前記排気のEGR率が閾値よりも高い場合に、前記点火プラグに前記導電性液体が付着していると判定することを特徴とする点火制御システム。
  2. 電圧が印加されることで、内燃機関(11)の燃焼室(11b)内に火花放電を発生する点火プラグ(19)と、
    所定電圧を前記点火プラグに印加する電圧印加部(317、517、617)と、
    前記点火プラグに導電性液体が付着していることを判定する判定部(321、521、621)と、
    前記判定部により前記点火プラグに導電性液体が付着していると判定された場合に、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を、前記導電性液体を沸騰させることのできる所定時間印加させる制御部(323、523、623)と、
    を備え
    前記内燃機関は、排気を吸気系に再循環するEGR部(23,24,28)を備え、
    前記判定部は、前記EGR部により再循環される前記排気のEGR率が閾値よりも高い場合に、前記点火プラグに前記導電性液体が付着していると判定することを特徴とする点火制御システム。
  3. 前記制御部は、前記内燃機関が回転している場合に、前記点火プラグの設けられた気筒の吸気行程において、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を印加させることを特徴とする請求項1又は2に記載の点火制御システム。
  4. 電圧が印加されることで、内燃機関(11)の燃焼室(11b)内に火花放電を発生する点火プラグ(19)と、
    所定電圧を前記点火プラグに印加する電圧印加部(317、517、617)と、
    前記点火プラグに導電性液体が付着していることを判定する判定部(321、521、621)と、
    前記判定部により前記点火プラグに導電性液体が付着していると判定されたことを条件として、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を所定時間印加させる制御部(323、523、623)と、
    を備え
    前記制御部は、前記内燃機関が回転している場合に、前記点火プラグの設けられた気筒の吸気行程において、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を印加させることを特徴とする点火制御システム。
  5. 電圧が印加されることで、内燃機関(11)の燃焼室(11b)内に火花放電を発生する点火プラグ(19)と、
    所定電圧を前記点火プラグに印加する電圧印加部(317、517、617)と、
    前記点火プラグに導電性液体が付着していることを判定する判定部(321、521、621)と、
    前記判定部により前記点火プラグに導電性液体が付着していると判定された場合に、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を、前記導電性液体を沸騰させることのできる所定時間印加させる制御部(323、523、623)と、
    を備え
    前記制御部は、前記内燃機関が回転している場合に、前記点火プラグの設けられた気筒の吸気行程において、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を印加させることを特徴とする点火制御システム。
  6. 前記制御部は、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を印加させることにより、前記導電性液体を沸騰させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  7. 前記制御部は、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を印加させることにより、前記導電性液体が導通しなくなるまで前記導電性液体を気化させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  8. 前記判定部は、前記内燃機関を循環する冷却水の温度が所定水温よりも低く、且つ外気温が所定外気温よりも低い場合に、前記点火プラグに前記導電性液体が付着していると判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  9. 前記制御部は、前記内燃機関の回転が停止している場合に、前記内燃機関を制御するシステムの起動から前記内燃機関の始動までの期間であることを更に条件として、前記電圧印加部により前記点火プラグに前記所定電圧を印加させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  10. 前記所定時間は、前記導電性液体が前記点火プラグに付着する量が多いほど、長く設定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  11. 一次コイル(311A、511A)及び二次コイル(311B、511B)を具備し、前記二次コイルにより前記点火プラグに電圧を印加する点火コイル(311、511)と、
    前記電圧印加部から印加される前記所定の電圧により前記一次コイルへ流れる一次電流の切断及び導通を、周波数信号に基づいて行うスイッチング素子(315、515)と、
    所定の周波数でオン及びオフを繰り返す前記周波数信号を前記スイッチング素子に送信する周波数信号送信部(322、522)と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  12. 前記周波数信号の周波数は、略5kHzであることを特徴とする請求項11に記載の点火制御システム。
  13. 一次コイル(611A)及び二次コイル(611B)を具備し、前記二次コイルにより前記点火プラグに電圧を印加する点火コイル(611)と、
    前記電圧印加部から印加される前記所定の電圧により前記一次コイルへ流れる一次電流の切断及び導通を、第一周波数信号に基づいて行う第一スイッチング素子(615A)と、
    前記電圧印加部から印加される前記所定の電圧により前記一次コイルへ流れる一次電流の切断及び導通を、第二周波数信号に基づいて行う第二スイッチング素子(615B)と、
    所定の周波数で前記第一スイッチング素子及び前記第二スイッチング素子が交互にオン及びオフを繰り返すように前記第一周波数信号と前記第二周波数信号を制御する周波数信号制御部(623)と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  14. 前記所定の周波数は、前記点火プラグが備える電極間で前記火花放電を生じさせることが困難な周波数に設定されることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  15. 前記所定電圧は、2kVと設定することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の点火制御システム。
  16. 前記導電性液体は水であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の点火制御システム。
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