JP6641734B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造装置や分析装置などの中真空から超高真空にわたる圧力範囲で使用されるターボ分子ポンプに関する。
従来、半導体製造工程や液晶パネル製造工程におけるドライエッチングやCVD等のプロセスのように、高真空のプロセスチャンバ内で処理を行う工程では、高真空を形成する手段としてターボ分子ポンプのような真空ポンプが用いられている。この種のプロセスでは、プロセスを高速で行うために大量のガスを供給して処理が行われる。
エッチングやCVD等の処理に使用した場合、ポンプ内に反応生成物が発生しやすい。そのため、ターボ分子ポンプ内の接ガス部において、反応生成物が堆積しやすい。ターボ分子ポンプ内部に堆積した反応生成物は、定期的なメンテナンスの際に洗浄により堆積物を除去するようにしている。メンテナンスにおいては、ターボ分子ポンプを分解し、それぞれの部品に堆積した反応生成物を洗浄等により除去する。そのため、特許文献1や特許文献2に記載のターボ分子ポンプでは、ポンプ全体を分解することなく反応生成物が堆積し易い部品だけを分解し、洗浄できるような構成が提案されている。
特開2003−278691号公報 特開平4−301197号公報
しかしながら、部品の接ガス部に反応生成物が強固に付着している場合、ブラシ等で擦るなどして除去する必要がある。ところで、上記のような処理に使用される真空ポンプは、腐食等を防止するためにニッケルメッキ等の耐食処理を施すのが一般的である。そのため、反応生成物を擦り落とした際に、反応生成物と一緒にメッキ層まで剥がれてしまうという問題が生じる。そのため、通常の洗浄処理では落とせないような反応生成物が堆積した場合や、反応生成物除去の際にメッキ層まで除去されてしまった場合には、一般的に部品交換が必要となる。そのため、メンテナンスコストが上昇するという問題があった。
本発明の好ましい第一の態様によるターボ分子ポンプは、ハウジングと、固定翼および回転翼で構成されるタービン翼ポンプ部と、前記タービン翼ポンプ部よりも排気下流側に設けられるドラッグポンプ部と、前記タービン翼ポンプ部よりも排気下流側の接ガス面を覆うように着脱可能に設けられ、前記接ガス面への堆積物の付着を防止する保護部材と、を備え、前記ドラッグポンプ部は、円筒ロータと、前記円筒ロータに対して所定ギャップで配置されたステータとで構成され、前記保護部材は、前記ステータの上端面を覆い、前記ステータの上端面への堆積物の付着を防止する底板部と、前記底板部の外周側に立設され、前記ハウジングの内周面を覆い、前記ハウジングの内周面への堆積物の付着を防止する側壁部とを有する。
さらに好ましい態様では、前記側壁部が、前記ハウジングの内周面に近接している、又は、前記ハウジングの内周面に接している。
さらに好ましい態様では、前記側壁部が、前記底板部の外周縁を折り曲げることにより構成されている。
さらに好ましい態様では、前記保護部材の前記底板部が前記ステータの上端面に熱的に接触することにより、前記ステータからの熱により、前記保護部材への堆積物の付着を抑制する。
本発明の好ましい第二の態様によるターボ分子ポンプは、ハウジングと、固定翼および回転翼で構成されるタービン翼ポンプ部と、前記タービン翼ポンプ部よりも排気下流側に設けられるドラッグポンプ部と、前記タービン翼ポンプ部よりも排気下流側の接ガス面を覆うように着脱可能に設けられ、前記接ガス面への堆積物の付着を防止する保護部材と、を備え、前記ドラッグポンプ部は、円筒ロータと、前記円筒ロータに対して所定ギャップで配置されたステータとで構成され、前記保護部材は、前記ステータの上端面を覆い、前記ステータの上端面への堆積物の付着を防止する底板部を有し、前記保護部材の前記底板部が前記ステータの上端面に熱的に接触することにより、前記ステータからの熱により、前記保護部材への堆積物の付着を抑制する
さらに好ましい態様では、前記保護部材は金属の板材から形成されている。
さらに好ましい態様では、前記ドラッグポンプ部の排気下流側の接ガス面に、断熱材を介して着脱可能に固定されている第2の保護部材をさらに備え、前記第2の保護部材が、前記ハウジングに前記断熱材を介して固定され、前記ハウジングへの堆積物の付着を防止する底板部を有し、前記第2の保護部材が、前記円筒ロータおよび前記ステータの下端面に対向し、前記円筒ロータおよび前記ステータからの輻射熱を受けると共に、前記断熱材によって前記第2の保護部材の熱が前記ハウジングに放熱されることを抑制することにより、前記第2の保護部材への堆積物の付着を抑制する。
さらに好ましい態様では、前記保護部材の表面に、フッ素樹脂を含む黒色ニッケルメッキ層が形成されている。
本発明の好ましい第三の態様によるターボ分子ポンプは、ハウジングと、固定翼および回転翼で構成されるタービン翼ポンプ部と、前記タービン翼ポンプ部よりも排気下流側に設けられるドラッグポンプ部と、前記ドラッグポンプ部の排気下流側の接ガス面を覆うように着脱可能に設けられ、前記接ガス面への堆積物の付着を防止する第2の保護部材と、を備え、前記ドラッグポンプ部は、円筒ロータと、前記円筒ロータに対して所定ギャップで配置されたステータとで構成され、前記第2の保護部材が、前記ハウジングに断熱材を介して固定され、前記ハウジングへの堆積物の付着を防止する底板部を有し、前記第2の保護部材が、前記円筒ロータおよび前記ステータの下端面に対向し、前記円筒ロータおよび前記ステータからの輻射熱を受けると共に、前記断熱材によって前記第2の保護部材の熱が前記ハウジングに放熱されることを抑制することにより、前記第2の保護部材への堆積物の付着を抑制する。
さらに好ましい態様では、前記第2の保護部材が、前記底板部の内周側の縁に立設された第1側壁部と、前記底板部の外周側の縁に立設された第2側壁部とをさらに有する。
本発明によれば、ターボ分子ポンプのメンテナンスコストの低減を図ることができる。
図1は本発明に係るターボ分子ポンプの一実施の形態を示す断面図である。 図2は、タービン翼ポンプ部よりも下流側の部分の拡大図である。 図3は、保護部材40の形状を示す図である。 図4は、側壁部401の形成方法の一例を示す図である。 図5は、保護部材41の形状を示す図である。 図6は、保護部材42の形状を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明に係るターボ分子ポンプの一実施の形態を示す断面図である。ターボ分子ポンプ1は、複数段の回転翼12およびロータ円筒部13が形成されたロータ10を備える。ロータ10にはロータシャフト11が固定されている。ロータシャフト11はラジアル磁気軸受32およびアキシャル磁気軸受33により支持され、モータ34によって回転駆動される。
磁気軸受32,33が非動作時には、ロータシャフト11はメカニカルベアリング35a,35bによって支持される。ラジアル磁気軸受32,アキシャル磁気軸受33,モータ34およびメカニカルベアリング35bは、ハウジング20に固定されるベース30に収納されている。
ポンプケーシング23の内側には、複数段の回転翼12に対応して複数段の固定翼21がポンプ軸方向に配置されている。各段の回転翼12および固定翼21には、周方向に配置された複数のタービン翼が設けられている。複数段の固定翼21は、環状のスペーサ29を介してそれぞれ積層されている。その積層体はハウジング20上に配置される。ターボ分子ポンプ1において、複数段の回転翼12および固定翼21はタービン翼ポンプ部TPを構成している。
ロータ円筒部13の外周側には、円筒形状のステータ22が僅かなギャップを介して配置されている。ステータ22は、ボルト222によってハウジング20に固定されている。ロータ円筒部13の外周面またはステータ22の内周面のいずれか一方にはネジ溝が形成されており、ロータ円筒部13とステータ22とでドラッグポンプ部DPを構成している。なお、図1に示す例では、ドラッグポンプ部DPは、ステータ22にポンプ軸方向のネジ溝が形成されたホルベックポンプを構成している。
ロータ10が高速回転されると、ポンプケーシング23の吸気口230から流入したガスはタービン翼ポンプ部TP(回転翼12および固定翼21)により排気された後、ドラッグポンプ部DP(ロータ円筒部13およびステータ22)によりさらに圧縮される。そして、最終的には、ハウジング20に設けられた排気管26から排出される。排気管26には、バックポンプ(不図示)が接続される。一般に、ロータ10,ステータ22,ハウジング20等にはアルミ材が用いられ、腐食防止のためにニッケルメッキ等の表面処理が施される。
反応生成物が堆積しやすいガスを用いるプロセスの排気を行う場合、ポンプ内に反応生成物(例えば、塩化アルミニウム等)が堆積しやすい。これらの堆積物は、ポンプ内の圧力が高く、温度が低いほど堆積しやすので、ポンプの排気下流側ほど堆積物が付着しやすくなる。図1に示すターボ分子ポンプ1の場合、タービン翼ポンプ部TPは圧力が低いので、堆積物の付着は比較的少ない。しかし、タービン翼ポンプ部TPの最下段付近よりも下流側では、圧力が上昇し堆積物が付着しやすい。
そのため、ハウジング20に加熱用のヒータ200および冷却液パイプ223を設け、ヒータのオンオフと冷却液のオンオフとを制御して、ステータ22を所望の温度に維持するようにしている。それにより、ステータ22への反応生成物の堆積を防止し、堆積物によるドラッグポンプ部の性能低下や、ステータ22とロータ円筒部13との接触等を防止している。
ポンプ動作時においては、ガス排気に伴う熱発生により、ロータ温度が上昇する。ステータ22もロータ円筒部13からの輻射熱によって温度が上昇する。そのため、ステータ22の温度はハウジング20やベース30よりも高くなっている。その結果、より温度の低いハウジング20やベース30の接ガス面に反応生成物が堆積しやすい。特に、ドラッグポンプ部DPよりも下流側では圧力が比較的高くなるため、ハウジング20、ベース30、排気管26の接ガス面に反応生成物が堆積しやすい。
本実施の形態では、タービン翼ポンプ部TPよりも下流側において、堆積物の付着しやすい接ガス面(壁面)に、反応生成物の堆積を防止し、かつ、安価で容易に交換可能な保護部材40,41,42を配置するようにした。
図2は、図1のタービン翼ポンプ部TPよりも下流側の部分を拡大して示したものである。図2における矢印Gは、気体の流れを模式的に示したものである。タービン翼ポンプ部TPで排気された気体は、後段のドラッグポンプ部DPによりさらに排気され、排気管26より排出される。ステータ22のネジ溝22aは、ロータ円筒部13と対向する面に形成され、その径方向位置は最下段の回転翼12の翼根元付近に近い。そのため、図2に示すように、タービン翼ポンプ部TPから排出された気体は、ステータ22の上端面に沿って渦を巻くように流れてネジ溝22a内に流入する。
その結果、最下段の回転翼12とステータ22の上端との間の空間は、気体の滞留時間が長くなる。そのため、滞留空間に面する接ガス面であるステータ22の上端面や、ハウジング20の内周面に堆積物が発生しやすい。本実施の形態では、回転翼12とステータ22との間の接ガス面の内、ハウジング20の接ガス面、ステータ22の接ガス面の一部を覆うように保護部材40を配置し、接ガス面への反応生成物の堆積を防止するようにした。
図3は、保護部材40の形状を示す図である。図3(a)は保護部材40の平面図、図3(b)は保護部材40のA1−A1断面図である。保護部材40は、ステータ22の接ガス面(上端面)を覆う底板部400と、底板部400の外周側の縁に立設された円筒状の側壁部401とを備えている。底板部400には、底板部400をステータ22の上端面に固定するボルト222(図2参照)が貫通する貫通孔402が複数形成されている。図2に示すように、保護部材40をボルト222によりステータ22に固定すると、側壁部401は、ハウジング20の内周面に近接して配置される。もちろん、側壁部401がハウジング20の内周面に接していても構わない。側壁部401とハウジング内周面との隙間が小さいほど、ハウジング内周面への反応生成物の堆積を抑えることができる。
このような保護部材40を設けた場合、反応生成物は、保護部材40の底板部400および側壁部401に堆積し、ハウジング内周面およびステータ22の上端面への堆積物の生成を低減することができる。ポンプメンテナンスにおける反応生成物除去作業において、保護部材40の表面に付着した堆積物が洗浄によっても除去できない場合には、保護部材40そのものを交換すれば良い。保護部材40は、図3に示すように金属(アルミニウム合金やステンレスなど)の板材を加工して作製されるものであって、保護部材40を設けない場合に反応生成物が堆積するステータ22やハウジング20に比べ安価に製作することができる。
保護部材40を設ける利点について述べる。保護部材40を設けない場合には、ステータ22の上端面やハウジング20の内周面、すなわち、ステータ22やハウジング20の接ガス面に、反応生成物が堆積する。反応生成物が硬くて洗浄により除去できない場合や、または、堆積物除去の際にステータ22やハウジング20の表面に形成されたメッキ層が剥がれてしまった場合、ステータ22やハウジング20を交換する必要がある。一方、本実施の形態のように交換可能な保護部材40を設けることで、ステータ22やハウジング20の接ガス面への反応生成物の堆積を防止でき、メンテナンス時には、保護部材40を洗浄または交換すればよい。上述のようにアルミニウム合金やステンレスの板材を曲げ加工するだけの保護部材40は、ハウジング20やステータ22に比べて格段に安価である。そのため、メンテナンスコストの低減を図ることができる。
図3に示す保護部材40では、底板部400の外周側の縁をプレス加工等により折り曲げることによって側壁部401としている。しかし、側壁部401の高さが比較的に高い場合には、プレス加工等による壁部形成が難しくなり、加工コストも上昇する。その場合には、図4に示すように、底板部400と側壁部401を別部材で形成するようにしても良い。その場合、底板部400は、図3に示す底板部400と同様の形状のリング状板材とされる。
図4は側壁部401の形成方法の一例を示す図である。図4(a)は、側壁部401を形成するための帯状部材403を示す図である。帯状部材403の下辺には4つのタブ404が形成されている。各タブ404には、側壁部401をステータ22の上端面にボルト固定するための貫通孔404aが形成されている。この帯状部材403を、図4(b)に示すようにリング状に曲げ加工して側壁部401とし、各タブ404をリング状の側壁部401の内側に曲げる。リング状に曲げられた帯状部材403の両端部403a,403bは、溶接等により接合される。
なお、図2に示す例では、保護部材40をステータ22の上端面に固定したが、ハウジング20側に固定しても良い。しかしながら、ステータ22とハウジング20の温度を比較した場合、ロータ10(ロータ円筒部13)からの輻射熱を受けるステータ22の方がハウジング20よりも温度が高い。そのため、保護部材40の温度をより高く保持するためには、保護部材40はステータ22に固定されるのが好ましい。反応生成物は接ガス面(壁面)温度が低いほど堆積し易いので、温度のより高いステータ22に保護部材40を固定することで、保護部材40への反応生成物の堆積をより抑えることができる。
また、ドラッグポンプ部DPよりも下流側の圧力は、ドラッグポンプ部DPの吸気側の圧力よりもさらに上昇するので、堆積物の付着もさらに著しくなる。本実施の形態のターボ分子ポンプ1では、ドラッグポンプ部DPよりも下流側においては、ステータ22が固定されるハウジング20、および、排気管26の内部に保護部材41,42を設けた。
図5は保護部材41の形状を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA2−A2断面図である。保護部材41は、ハウジング20に固定される底板部410と、底板部410の内周側の縁に立設された側壁部411と、底板部410の外周側の縁に立設された側壁部412とを備えている。底板部410はボルト固定用の貫通孔410aが複数形成されている。内周側の側壁部411はリング状の壁部であって、ベース30の筒状部の外周面に対向するように配置される。
外周側の側壁部412には、図示左側に切り欠き部412aが形成されている。図1に示すように、側壁部412は、ハウジング20の内周面に対向する壁部である。側壁部412の切り欠き部412aは、排気管26が取り付けられる排気口20a(図2参照)に対向している。ドラッグポンプ部DPの排気側に排気された気体は、保護部材41の切り欠き部412aを通って排気管26内に流入する(図2参照)。保護部材41の側壁部411,412とそれらによって覆われる壁面(ベース筒状部の外周面およびハウジング20の内周面)との隙間は、可能な限り小さく設定されている。それにより、側壁部411,412によって覆われる壁面に反応生成物が堆積するのを、極力抑えることができる。
上述した保護部材40の場合と同様に、保護部材41も温度が高いほど反応生成物の堆積を抑制することができる。保護部材41は、ハウジング20やベース30よりも高温となるロータ円筒部13およびステータ22の下端面に対向している。そのため、輻射によりロータ円筒部13およびステータ22から保護部材41に入射した熱が、保護部材41を固定しているベース30へと逃げないように、保護部材41とベース30との間に断熱材43を介在させるようにしている。保護部材41をベース30に接触させて固定する場合に比べて、保護部材41の温度を高く保持することができる。それにより、保護部材41への反応生成物の堆積を抑制することができる。
図6は、排気管26内に配置される保護部材42の形状を示す図である。図6において、(a)は保護部材42を排気管26の出口側から見た図であり、(b)は保護部材42の断面図である。保護部材42は筒状体であって、一端には、外側に折り曲げられた鍔状部421が形成されている。図2に示すように、保護部材42は、排気管26内に挿入されるようにハウジング20に装着される。
保護部材42を排気管26へ装着する際には、まず、排気管26を排気口20aに装着する前に、保護部材42を排気管26のハウジング排気口側(図2の右側)から挿入する。このとき、鍔状部421が排気管26の端部に当接するまで保護部材42を挿入する。次いで、排気管26をハウジング20にボルト固定する。図2に示すように、保護部材42の鍔状部421は、排気管26の右端と保護部材41の切り欠き部412aとの間の空間に配置されることになる。そのため、保護部材42の図示左右方向の動きは、排気管26の右端と切り欠き部412aとによって制限されることになる。なお、保護部材42を排気管26内に配置する場合、保護部材42のコンダクタンスを可能な限り大きくするために、保護部材42の外周面を排気管26の内周面に密着させるのが好ましい。
排気管26の接ガス面である内周面は、排気管26の出口領域を除いて殆どが保護部材42によって覆われる。そのため、排気管26への反応生成物の堆積をほぼ防止することができる。メンテナンス時には、保護部材42を洗浄または交換する。なお、排気管26の左端に他の排気管を接続する際には、センターリング付きOリングシールが設けられる。そのため、センターリング付きOリングシールの配置領域を確保するために、保護部材42を排気管26の左端まで延在させないようにしている。
保護部材41、42の場合も、上述した保護部材40の場合と同様に板材や筒材を曲げ加工するだけなので、比較的安価に製作することができる。そのため、保護部材41、42を設けることにより、メンテナンス時の反応生成物除去に関するコストを低減することができる。なお、保護部材41の場合も、側壁部411,412を、図4に示したように別途設けられた帯状部材により形成しても良い。
ところで、上述した保護部材40〜42はアルミニウム合金やステンレス等の板材で形成され、耐食性の向上を図るためニッケルメッキ(例えば、無電解ニッケルメッキ)による表面処理が施される。さらに、ロータ10からの輻射を吸収しやすいように、輻射率の高い黒色ニッケルメッキを形成するようにしても良い。黒色ニッケルメッキは、Ni−P層と黒色酸化皮膜との2層構造で、輻射率が非常に高い。
さらに、ニッケルメッキや黒色ニッケルメッキに代えて、フッ素樹脂を含むニッケルメッキや黒色ニッケルメッキを用いても良い。フッ素樹脂を含むニッケルメッキは、無電解ニッケルメッキにPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の微粒子を均一に分散させたものである。そのため、フッ素樹脂コーティングとほぼ同等の低摩擦被膜が得られる。その結果、保護部材40〜42に付着堆積した反応生成物を、除去しやすくなる。
以上説明したように、本実施の形態のターボ分子ポンプ1は、図2に示すように、固定翼21および回転翼12で構成されるタービン翼ポンプ部TPと、タービン翼ポンプ部TPよりも排気下流側に設けられるドラッグポンプ部DPと、タービン翼ポンプ部TPよりも排気下流側の接ガス面を覆うように着脱可能に設けられ、接ガス面への堆積物の付着を防止する保護部材40,41,42と、を備える。
着脱可能な保護部材40〜42を設けることで、堆積物が付着しやすい接ガス面への堆積物付着を抑制することができる。さらに、堆積物が除去しにくい場合であっても、メンテナンス時に保護部材40〜42を交換するだけで良いので、メンテナンスコストの低減を図ることができる。
例えば、ドラッグポンプ部DPが、ロータ円筒部13とステータ22とで構成されるホルベック型のドラッグポンプ部の場合、堆積物の付着量が多いステータ22の上端面を覆うように、保護部材40を設けるのが好ましい。さらに、保護部材40を、比較的温度の高いステータ22に熱的に接触させることで、保護部材40の温度が高温に保持され、保護部材40への堆積物の付着を低減することができ、メンテナンス期間をより長くすることが可能となる。
また、図2に示すように、ドラッグポンプ部DPの排気下流側の接ガス面である、ベース30の壁面やハウジング20の壁面を覆うように、保護部材41を、断熱材43を介して着脱可能に固定するようにしても良い。保護部材41は、温度の高いロータ円筒部13やステータ22から輻射を受けて温度が上昇する。そのため、保護部材41を、温度の比較的低いベース30に対して断熱材43を介して固定することで、保護部材41の温度低下を防止することができ、保護部材41への堆積物の付着を抑制することができる。なお、断熱材43にはベース30よりも熱伝導率の低い材料が用いられる。例えば、ベース30がアルミ合金である場合、ステンレス材でも良い。
さらに、保護部材40〜42の表面にフッ素樹脂を含む黒色ニッケルメッキ層を形成することで、以下のような作用効果を奏する。黒色ニッケルメッキとすることで、高温部材であるロータ10やステータ22からの輻射を吸収しやすくなり、保護部材40〜42の温度をより高く保持することができる。その結果、保護部材40〜42への堆積物の付着を抑制することができる。さらに、黒色ニッケルメッキにフッ素樹脂を含ませることで、保護部材40〜42に付着した堆積物を除去しやすくなり、堆積物除去作業の作業コストの低減を図ることができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。例えば、図1に示すターボ分子ポンプ1では、ステータ22が設けられるハウジング20と、モータステータや磁気軸受用電磁石等が収納されるベース30とを別体としたが、ハウジング20とベース30とを一体に構成しても良い。また、磁気軸受式のターボ分子ポンプを例に説明したが、磁気軸受式でないターボ分子ポンプにも同様に適用することができる。さらに、ドラッグポンプ部DPをホルベックポンプ型のドラッグポンプとしたが、これに限らず、例えば、ジーグバーンポンプ型のドラッグポンプであっても良い。
1…ターボ分子ポンプ、10…ロータ、12…回転翼、13…ロータ円筒部、20…ハウジング、21…固定翼、22…ステータ、26…排気管、30…ベース、40〜41…保護部材、43…断熱材、DP…ドラッグポンプ部、TP…タービン翼ポンプ部

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    固定翼および回転翼で構成されるタービン翼ポンプ部と、
    前記タービン翼ポンプ部よりも排気下流側に設けられるドラッグポンプ部と、
    前記タービン翼ポンプ部よりも排気下流側の接ガス面を覆うように着脱可能に設けられ、前記接ガス面への堆積物の付着を防止する保護部材と、を備え、
    前記ドラッグポンプ部は、円筒ロータと、前記円筒ロータに対して所定ギャップで配置されたステータとで構成され、前記ステータが、内周側の上端面と、前記内周側の上端面よりも下方に位置する外周側の上端面とを含み、
    前記保護部材は、
    前記ステータの前記外周側の上端面を覆い、前記ステータの前記外周側の上端面への堆積物の付着を防止する底板部と、
    前記底板部の外周側に立設され、前記ハウジングの内周面を覆い、前記ハウジングの内周面への堆積物の付着を防止する側壁部とを有する、ターボ分子ポンプ。
  2. 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記側壁部が、前記ハウジングの内周面に近接している、又は、前記ハウジングの内周面に接している、ターボ分子ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記側壁部が、前記底板部の外周縁を折り曲げることにより構成されている、ターボ分子ポンプ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプであって、
    前記保護部材の前記底板部が前記ステータの前記外周側の上端面に熱的に接触することにより、前記ステータからの熱により、前記保護部材への堆積物の付着を抑制する、ターボ分子ポンプ。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記ドラッグポンプ部の排気下流側の接ガス面に、断熱材を介して着脱可能に固定されている第2の保護部材をさらに備え、
    前記第2の保護部材が、前記ハウジングに前記断熱材を介して固定され、前記ハウジングへの堆積物の付着を防止する底板部を有し、
    前記第2の保護部材が、前記円筒ロータおよび前記ステータの下端面に対向し、前記円筒ロータおよび前記ステータからの輻射熱を受けると共に、前記断熱材によって前記第2の保護部材の熱が前記ハウジングに放熱されることを抑制することにより、前記第2の保護部材への堆積物の付着を抑制する、ターボ分子ポンプ。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記保護部材の表面に、フッ素樹脂を含む黒色ニッケルメッキ層が形成されている、ターボ分子ポンプ。
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