JP6640758B2 - 原子力発電プラントにおける薬剤注入装置および薬剤注入方法 - Google Patents

原子力発電プラントにおける薬剤注入装置および薬剤注入方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、原子力発電プラントにおける配管内に薬剤を注入する薬剤注入装
置および薬剤注入方法に関する。
原子力発電プラントにおいては、被ばく低減技術として、原子炉内に亜鉛を注入する技
術が知られている。
たとえば、炉内の亜鉛濃度が数ppbとなるように注入量を制御し、構造材表面での酸
化被膜性状を変化させることで炉水中のコバルト60の付着を抑制できることが知られて
いる。
また、被ばく低減対策の他の技術として、運転中の原子炉水中に微量の鉄を注入し、炉
水中の鉄濃度を制御することで、配管への放射能付着抑制効果を保ちつつ燃料表面でのN
iOを消滅させ、炉水放射能濃度を低減できることが知られている。
さらに、亜鉛や鉄を含む複数種類の薬剤含有水を水質および化学種濃度が所望のものに
なるように調整し、発電プラントの水使用系統中に複数種類の薬剤を同時に注入できる技
術が開発されている。
特開平8−220293号 特許第5591454号 特許第5676888号
上記の亜鉛や鉄を注入する被ばく低減技術は、いずれも溶液や分散粒子等を原子炉系統
内に注入する技術である。しかし、上記の注入方法はそれぞれ単独で装置化されており、
これらを組み合わせた同時注入装置は開発されていない。このため、原子力発電プラント
に上記それぞれの注入技術を適用する場合には、それぞれの注入装置を別々に構築して、
設置しなければならず、また配置スペースの確保が困難という課題があった。
上記実施形態に係る原子力発電プラントにおける薬剤注入装置は、原子力発電プラントの原子力発電プラント用配管を介して水使用系統の配管に薬剤含有水を注入する原子力発電プラントにおける薬剤注入装置であって、亜鉛を含む亜鉛含有水を前記原子力発電プラントの水使用系統に注入する亜鉛注入系統と、鉄を含む鉄含有水を前記原子力発電プラントの水使用系統に注入する鉄注入系統とを備え、前記亜鉛注入系統の注入配管と鉄注入系統の注入配管の一方を他方に接続し、前記水使用系統には水使用系統内を流通している冷却水の亜鉛およびニッケルの濃度を計測する計測装置が配設され、この計測装置で計測された亜鉛およびニッケルの濃度に基づいて前記亜鉛注入系統の亜鉛注入流量と前記鉄注入系統の鉄注入流量は制御装置によって個別に制御されることを特徴とする。
上記実施形態に係る原子力発電プラントにおける薬剤注入方法は、上記注入装置に設け
られた亜鉛およびニッケルの濃度を計測する計測装置を用いて、原子炉水のニッケル濃度
を0.5ppbから2.0ppbの範囲、かつ原子炉水の亜鉛濃度を0.5ppbから1
0ppbの範囲となるように、前記亜鉛注入系統の亜鉛注入流量、および前記鉄注入系統
の鉄注入流量をフィードバック制御することを特徴とする。
本発明に係る原子力発電プラントにおける薬剤注入装置および薬剤注入方法によれば、複
数系統必要だった薬剤注入装置を一系統とすることができ、装置の構成をよりコンパクト
にすることができる。
本発明の実施形態を示す原子力発電プラントにおける薬剤注入装置の概略構成図。 図1に示した薬剤注入装置を示す概略構成図。 鉄化合物の分散安定性試験の結果を示す特性図。 本発明の他の実施形態を示す原子力発電プラントにおける薬剤注入装置の概略構成図。
以下、原子力発電プラントにおける薬剤注入装置の概略構成図を図1、薬剤注入装置を
示す概略構成図を図2として本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る原子力発電プラントにおける薬剤注入装置の実施形態を表す概略
構成図である。なお、ここでは再循環ポンプを有する沸騰水型原子力発電プラント(以下
、BWRプラントという)を例にして説明する。
原子力発電プラントであるBWRプラント30は原子炉31、タービン3、復水器4、
給水系32、再循環系33、残留熱除去系34、原子炉冷却材浄化系35等を備えている
。また、原子炉31は炉心14を内蔵する原子炉圧力容器1(以下、RPVという)を有
している。さらに、炉心14には多数の燃料集合体(図示せず)が装荷され、炉心14を
制御する制御棒36が制御棒駆動機構29によって挿脱自在に配置されている。この燃料
集合体は、核燃料で製造された複数の燃料ペレットが充填された複数の燃料棒を含んで構
成されている。
炉心14に供給された冷却水は、燃料棒内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって
加熱され、蒸気になる。この蒸気は、RPV1から主蒸気配管2を通ってタービン3に導
かれ、タービン3を回転させる。このタービン3の回転によってタービン3に連結された
発電機(図示せず)が回転され、電力が発生する。タービン3で仕事をした蒸気は、復水
器4で凝縮され、復水になる。
この復水は復水配管8を通り、低圧復水ポンプ5で昇圧され、復水ろ過装置6および復
水脱塩装置7で不純物が除去され、高圧復水ポンプ9、給水ポンプ11でさらに昇圧され
、給水として低圧給水加熱器10および高圧給水加熱器12で加熱される。この昇温・昇
圧された給水は給水配管13を介して再びRPV1に導かれる。
このRPV1には再循環系33が接続されており、この再循環系33は再循環配管16
に再循環ポンプ15を設置して構成されている。この再循環系33には残留熱除去系34
の一端が接続されており、この残留熱除去系34は残留熱除去系配管19に熱交換器17
、および残留熱除去ポンプ18を設置して構成され、その多端はRPV1に直接導かれる
ように構成されている。
また再循環系33には原子炉冷却材浄化系35の一端が接続されており、この原子炉冷
却材浄化系35は、再循環系配管16と給水配管13を連絡する原子炉冷却材浄化系配管
24に、再生熱交換器20、非再生熱交換器21、原子炉冷却材浄化ポンプ22およびろ
過脱塩装置23を設置して構成される。
なお、ここでインターナルポンプ(図示せず)を有するABWRプラントにおいては再
循環系33を有していないので、残留熱除去系34および原子炉冷却材浄化系35は直接
RPV1から冷却材が導かれる構成となっている。
このように構成されたBWRプラント30において、薬剤注入装置25は、発電プラン
ト用配管、たとえば復水配管8を介してBWRプラント30の水使用系統に薬剤含有水を
注入する構成を有しており、水中に亜鉛を含む亜鉛含有水をBWRプラント30の水使用
系統に注入する亜鉛注入系統26と、水中に鉄を含む鉄含有水をBWRプラント30の水
使用系統に注入する鉄注入系統27を備え、亜鉛注入系統26の亜鉛注入配管と鉄注入系
統27の鉄注入配管の一方を他方に接続する構成となっている。
ここで、発電プラント用配管とは、復水脱塩装置7下流側または高圧復水ポンプ9上流
側の復水配管8、または図4に示すように復水配管8から分岐し制御棒駆動機構29に導
かれRPV1内に制御棒駆動水を放出する制御棒駆動水ポンプ吸込みライン28を意味し
、低温低圧の条件下で注入しRPV1内に薬剤を導くことのできる配管を意味している。
また、薬剤含有水とは、亜鉛含有水、鉄含有水のうち少なくとも1種の含有水が添加さ
れた水を意味する。
さらに、原子力発電プラントの水使用系統とは、原子力発電プラントの原子炉31内に
冷却材を供給する給水系32、原子炉31内の冷却材を強制的に循環させる再循環系33
、原子炉31内の冷却材を浄化させる原子炉冷却材浄化系35から選ばれる少なくとも1
種の系統を意味する。
次に図2を参照して、発電プラント用配管を介して発電プラントの水使用系統に薬剤含
有水を注入する薬剤注入装置25について説明する。
薬剤注入装置25は、亜鉛を含む亜鉛含有水を亜鉛含有水タンク51から前記発電プラ
ントの水使用系統に注入する亜鉛注入系統26と、鉄を含む鉄含有水を鉄含有水タンク5
4から前記発電プラントの水使用系統に注入する鉄注入系統27を備える。
亜鉛注入系統26は、亜鉛含有水を収容する亜鉛含有水タンク51と、亜鉛含有水タン
ク51と発電プラント用配管(復水配管8、制御棒駆動水ポンプ吸込みライン28)57
とを接続する亜鉛注入配管53と、亜鉛注入配管53中の亜鉛含有水を発電プラント用配
管57に注入する亜鉛含有水ポンプ52で構成される。
鉄注入系統27は、鉄含有水を収容する鉄含有水タンク54と、鉄含有水タンク54と
発電プラント用配管57とを接続する鉄注入配管56と、鉄注入配管56中の鉄含有水を
発電プラント用配管57に注入する鉄注入ポンプ55で構成される。
薬剤注入装置25は、配置スペース等の制約を踏まえ小型化を図る必要がある。そこで
、亜鉛の溶解度を踏まえ、鉄注入系統27の鉄注入流量を減少させつつ鉄含有水中の鉄濃
度を300ppmの従来濃度から1500ppm〜6000ppmに濃縮することで、従来
の鉄注入量を維持しつつ鉄注入系統27を小型化する。現行の原子力発電プラント30に
おける濃縮倍率、および目標とするRPV1内の原子炉水のニッケル濃度が0.5ppb
から2.0ppbの範囲、かつ原子炉水の亜鉛濃度が0.5ppbから10ppbの範囲
であることを考慮すると、鉄注入流量は亜鉛注入流量の1/20〜1/5の範囲となる。
薬剤注入装置25における炭酸ガス供給装置58は、亜鉛含有水タンク51および鉄含
有水タンク54に接続され、散気管59を介して亜鉛含有水タンク51および鉄含有水タ
ンク54に炭酸ガスを導入し、亜鉛含有水および鉄含有水に炭酸ガスを溶解した水溶液と
している。
また、制御装置60は、亜鉛注入系統26の亜鉛注入流量および鉄注入系統27の鉄注
入流量を亜鉛注入ポンプ52、鉄注入ポンプ55の回転数等を制御することによって個別
にフィードバック制御できる装置である。原子力発電プラントの水使用系統にはこの水使
用系統内を流通している冷却水の亜鉛およびニッケルの濃度を計測する計測装置(図示せ
ず)が配設され、この計測装置で計測された亜鉛およびニッケルの濃度に基づいて亜鉛注
入流量と鉄注入流量は制御される。
亜鉛含有水とは、亜鉛を含む水を意味する。亜鉛の形態としては、たとえば、酸化亜鉛
、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛が用いられる。この亜鉛含有水は、亜鉛を水に添加してイオン状
で溶解させることにより得られる。そして、亜鉛は酸性条件下で安定的に溶解するため、
炭酸ガス供給装置58を用いて亜鉛含有水に炭酸ガスを溶解させている。
鉄含有水とは、鉄を含む水を意味する。鉄含有水は、鉄を水に添加して粒子状で分散さ
せることにより得られる。
薬剤同時注入を行う際、亜鉛含有水と鉄含有水が混合することで、混合後の薬剤含有水
が中性に移行した場合、亜鉛イオンが析出する可能性がある。そこで、炭酸ガス供給装置
58を用いて鉄含有水に炭酸ガスを溶解させ鉄含有水を酸性にすることで、亜鉛含有水と
鉄含有水が混合した際にも、混合後の薬剤含有水は酸性を維持し、亜鉛イオンの析出を防
ぐことができる。よって、良好に薬剤を同時に注入することができる。
ここで、鉄含有水中の鉄は、鉄濃度を濃縮することで、鉄は凝集しやすくなり、かつ炭
酸ガス溶解による酸性条件下において、分散安定性が悪化する可能性がある。そこで、鉄
含有水中の鉄は、酸性条件かつ高濃度条件でも分散安定性を維持するようなオキシ水酸化
鉄の形態とし、前記オキシ水酸化鉄として、α−FeOOH、またはγ−FeOOHを用
いることで鉄の分散安定性を維持することができる。なお、鉄の分散安定性については、
後述する試験により実機への注入鉄化合物として適していることを示す。
薬剤注入装置25の動作について以下に説明する。まず、亜鉛注入系統26の亜鉛含有
水タンク51には亜鉛含有水を、鉄注入系統27の鉄含有水タンク54には鉄含有水をそ
れぞれ収容しておく。
次に、亜鉛注入系統26の亜鉛含有水ポンプ52、鉄注入系統27の鉄含有水ポンプ5
5をそれぞれ必要により稼働して、亜鉛含有水および鉄含有水を発電プラントの水使用系
統に注入する。
亜鉛注入流量および鉄注入流量は、原子力発電プラントの水使用系統に設置された計測
装置によって計測された水質データに基づき、制御装置60によりフィードバック制御さ
れる。この水質データは、たとえば原子炉水の亜鉛濃度、ニッケル濃度がある。過去から
現在までの当該原子力発電プラントの水使用系統の水質データが制御装置60に集積され
ている。
本実施形態における亜鉛注入の効果について説明する。原子力発電プラントの水使用系
統へ亜鉛を注入すると、ステンレス鋼酸化皮膜中の内層であるクロム層に亜鉛が入り込み
、亜鉛クロマイトを形成する。この亜鉛クロマイトの形成によりステンレス鋼酸化皮膜中
の内層であるクロム層への放射能の取込が抑制され、それに伴って配管線量率が低下する
次に炉水亜鉛濃度範囲の根拠を示す。プラントの給水流量低下等の副次影響や米国電力
研究所(EPRI)の水質ガイドラインをふまえ、上限の炉水亜鉛濃度を10ppbとす
る。また、実機での評価より亜鉛注入効果が得られる下限の炉水亜鉛濃度を0.5ppb
とする。よって炉水亜鉛濃度を0.5ppbから10ppbの間で制御するものとする。
さらに鉄注入の効果について以下に説明する。原子力発電プラントの水使用系統へ鉄を
注入すると、炉水中のニッケルと反応してニッケルフェライトを形成することでニッケル
が消費される。ニッケルフェライトは構造材表面に酸化被膜を形成し、放射能の取込みが
抑制される。一方、炉水のニッケルが消費されることで余剰ニッケルが減少し、燃料表面
ではNiOが消滅する。NiOが消滅することで炉水への放射能の溶出が減少し、炉水放
射能濃度が低下する。
次に炉水ニッケル濃度範囲の根拠を示す。炉水ニッケル濃度は、炉水中の鉄とニッケル
の量的平衡によって変化する。炉水中に鉄が多い場合はニッケルフェライトおよびマグネ
タイトが生成し、炉水中にニッケルが多い場合はニッケルフェライトおよびNiOが生成
する。鉄が過多の状態は、燃料へ付着した鉄化合物がコバルトを取込み、放射化して剥離
・溶出することで炉水放射能濃度の上昇につながるため、望ましくないと考えられている
。そこで、ニッケルが過多の状態を目標とするが、余剰ニッケルが増加すると燃料表面で
のNiOの生成につながり、コバルトを取り込んだNiOが溶出することで炉水放射能濃
度が上昇する。よって、炉水鉄濃度および炉水ニッケル濃度を、最適な範囲で制御するこ
とが必要となる。現行の原子力発電プラントにおける水質を考慮すると、炉水鉄濃度が0
.05ppbから0.5ppbの範囲に入るよう鉄を注入すれば、炉水中の鉄とニッケル
の量的平衡により、炉水ニッケル濃度は0.5ppbから2.0ppbの範囲に調整する
ことができる。
(試験)
次に、本実施形態に係る薬剤注入装置に適用する鉄化合物の、分散安定性試験の結果を
説明する。図3に鉄化合物の分散安定性試験の結果を示す。
設定濃度(2500ppm)に対して実測濃度を相対値で表示した。この結果、大気飽
和条件、炭酸ガス飽和条件ともに、鉄クラッド濃度は安定的に推移した。また、2溶液と
も期間中イオン成分は設定濃度の0.1%以下で推移しており、溶解現象は生じなかった
よって、炭酸ガス飽和条件でもα−FeOOHの分散安定性は良好であり、実機への注
入鉄化合物として適している。
なお、鉄クラッド濃度が最初は低く、途中から増加傾向で推移したのは、試験開始直後
に容器へ鉄が付着し、その鉄が試験中に剥離してきたためと考えられる。
さらに、γ−FeOOHの試験例はないが同様のオキシ水酸化鉄であるのでα−FeO
OHと同様の分散安定性を得られるものと考える。
次に本発明の他の実施形態を図4を参照して説明する。図4は、本発明の他の実施形態
を示す原子力発電プラントにおける薬剤注入装置の概略構成図である。
図4は、発電プラント用配管として、復水脱塩装置7下流側または高圧復水ポンプ9上
流側の復水配管8、または復水配管8から分岐し制御棒駆動機構29に導かれRPV1内
に制御棒駆動水を放出する制御棒駆動水ポンプ吸込みライン28の何れか一方または両方
に薬剤注入装置25から亜鉛含有水と鉄含有水の少なくとも一方を注入できる原子力発電
プラントにおける薬剤注入装置の実施形態を示している。図4において、原子力発電プラ
ントの水使用系統内を流通している冷却水の亜鉛およびニッケルの濃度に応じて復水配管
8および制御棒駆動水ポンプ吸込みライン28の何れか一方、または注入量を多くする場
合には両方から、亜鉛および鉄のいずれか一方または両方を注入する構成としている。こ
の場合、復水配管8に亜鉛および鉄のいずれか一方または両方を注入する場合には制御弁
37を開とし制御弁38を閉とする。また、制御棒駆動水ポンプ吸込みライン28に亜鉛
および鉄のいずれか一方または両方を注入する場合には制御弁37を閉とし制御弁38を
開とする。よって、複数系統必要だった薬剤注入装置25を一系統とすることができ、装
置の構成をよりコンパクトにすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したも
のであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を
逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲
に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…原子炉圧力容器(RPV)、2…主蒸気配管、3…タービン、4…復水器、5…低圧
復水ポンプ、6…復水ろ過装置、7…復水脱塩装置、8…復水配管、9…高圧復水ポンプ
、10…低圧給水加熱器、11…給水ポンプ、12…高圧給水加熱器、13…給水配管、
14…炉心、15…再循環ポンプ、16…再循環配管、17…熱交換器、18…残留熱除
去ポンプ、19…残留熱除去系配管、20…再生熱交換器、21…非再生熱交換器、22
…原子炉冷却材浄化系ポンプ、23…ろ過脱塩装置、24…原子炉冷却材浄化系配管、2
5…薬剤注入装置、26…亜鉛注入系統、27…鉄注入系統、28…制御棒駆動水ポンプ
吸込みライン、29…制御棒駆動機構、30…沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラ
ント)、31…原子炉、32…給水系、33…再循環系、34…残留熱除去系、35…原
子炉冷却材浄化系、36…制御棒、37…制御弁、38…制御弁、51…亜鉛含有水タン
ク、52…亜鉛注入ポンプ、53…亜鉛注入配管、54…鉄含有水タンク、55…鉄注入
ポンプ、56…鉄注入配管、57…発電プラント用配管、58…炭酸ガス供給装置、59
…散気管、60…制御装置。

Claims (6)

  1. 原子力発電プラントの原子力発電プラント用配管を介して水使用系統の配管に薬剤含有水を注入する原子力発電プラントにおける薬剤注入装置であって、
    亜鉛を含む亜鉛含有水を前記原子力発電プラントの水使用系統に注入する亜鉛注入系統と、
    鉄を含む鉄含有水を前記原子力発電プラントの水使用系統に注入する鉄注入系統とを備え、
    前記亜鉛注入系統の注入配管と鉄注入系統の注入配管の一方を他方に接続し、
    前記水使用系統には水使用系統内を流通している冷却水の亜鉛およびニッケルの濃度を計測する計測装置が配設され、この計測装置で計測された亜鉛およびニッケルの濃度に基づいて前記亜鉛注入系統の亜鉛注入流量と前記鉄注入系統の鉄注入流量は制御装置によって個別に制御されることを特徴とする原子力発電プラントにおける薬剤注入装置。
  2. 前記原子力発電プラント用配管は、復水配管または制御棒駆動水ポンプ吸込みラインであることを特徴とする請求項1記載の原子力発電プラントにおける薬剤注入装置。
  3. 前記水使用系統は、原子力発電プラントの復水系、原子炉再循環系および原子炉冷却材浄化系から選ばれる少なくとも1種の系統であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の原子力発電プラントにおける薬剤注入装置。
  4. 前記鉄注入系統の鉄含有水は、亜鉛イオンの析出を防ぐために、炭酸ガスを溶解させた水溶液であり、亜鉛含有水との混合後にも酸性を維持する炭酸ガスの濃度であることを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項記載の原子力発電プラントにおける薬剤注入装置。
  5. 前記鉄注入系統の鉄含有水中の鉄は、オキシ水酸化鉄の形態であって、前記オキシ水酸化鉄として、α−FeOOH、またはγ−FeOOHを用いることを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項記載の原子力発電プラントにおける薬剤注入装置。
  6. 請求項記載の計測装置を用いて、原子炉水のニッケル濃度を0.5ppbから2.0ppbの範囲、かつ原子炉水の亜鉛濃度を0.5ppbから10ppbの範囲となるように、前記亜鉛注入系統の亜鉛注入流量、および前記鉄注入系統の鉄注入流量をフィードバック制御することを特徴とする原子力発電プラントにおける薬剤注入方法。
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