JP4352249B2 - 沸騰水型原子力発電プラント - Google Patents

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Description

本発明は、沸騰水型原子力発電プラント(BWR)において余熱除去系統(残留熱除去系統)の線量率上昇の抑制に好適な余熱除去系統配管の保管方法に係り、BWR運転中で余熱除去系統停止中に配管表面での鉄腐食生成物の発生を抑制することにより、BWR停止中で余熱除去系統運転時の余熱除去系統配管への炉水中に含まれる放射性核種の付着を抑制する手段に関する。
BWRでは、燃料で発生した熱を原子炉圧力容器内の冷却水に効率的に移して蒸気にするために、再循環ポンプやインターナルポンプを用いて、冷却水を強制循環させる。原子炉内で発生した蒸気は、炉心上部に設けられたセパレータおよびドライヤで湿分を除去した後、タービンに送られる。一部の蒸気は、タービン抽気として取り出され、高圧ヒータおよび低圧ヒータの熱源として利用され、他の大部分の蒸気は、発電に利用された後、復水器で凝縮されて水に戻る。
復水は、復水器内でほぼ完全に脱気され、炉心での水の放射線分解により発生した酸素および水素もほぼ完全に除去される。復水は、給水として原子炉に再供給される。
その際、原子炉での放射性腐食生成物の発生を抑制するために、復水中の主として金属不純物を除去する目的で、復水全量を脱塩処理装置などのイオン交換樹脂濾過装置で濾過し、次に、多段の低圧ヒータおよび高圧ヒータで200℃近くまで加熱する。
一方、腐食生成物は、圧力容器内や再循環系などの接水部からも発生し、炉内を循環する放射性腐食生成物の源となるので、これらの主要な一次系構造材には、原則として、腐食の少ないステンレス鋼,ステライト鋼などの不銹鋼が使用されている。
低合金鋼製の原子炉圧力容器には、ステンレス鋼の内面肉盛りがなされ、低合金鋼が直接炉水と接触することを防いでいる。このような材料上の配慮に加えて、炉水の一部を炉水浄化装置により浄化し、炉水中に僅かに生成する金属不純物を積極的に除去している。
しかし、このような材料および水質管理による腐食抑制対策にもかかわらず、炉水中に極僅かな金属不純物が存在することは避けられず、一部の金属不純物は、金属酸化物として燃料棒の沸騰表面に付着する。
燃料棒表面に付着した金属元素は、燃料から放射される中性子の照射を受けて原子核反応を起こし、コバルト60,コバルト58,クロム51,マンガン54などの放射性核種を生成する。これらの放射性核種は、大部分が酸化物の形態で、燃料棒表面に付着したままである。
これらの放射性核種の一部は、取り込まれている酸化物の溶解度に応じて溶出したり、クラッドと呼ばれる不溶性固体として炉水中に再放出されたりする。これらの放射性物質は、炉水浄化系によって取り除かれる。
除去できなかった放射性物質は、炉水とともに再循環系などを循環している間に、構造材接水部表面に蓄積していく。その結果、構造材表面から放射線が放射され、定期点検作業時の従事者に放射線被曝が生じる。作業被曝の線量は、各人ごとに規定値を超えないように管理されている。
近年この規定値が引き下げられ、経済的に可能な限り各人の被曝線量を低くする必要が生じてきている。そこで配管への放射性核種付着を低減する種々の方法や、配管への放射性核種付着の駆動力となる炉水放射性核種濃度を低減する種々の方法が検討されている。
このような方法の一つとして、亜鉛などの金属イオンを炉水中に共存させ、炉水と接触する再循環系配管表面に亜鉛を含む緻密な酸化皮膜を形成させ、酸化皮膜中へのコバルト60,コバルト58などの放射性核種の取り込みを抑制する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
原子炉運転中に炉水が通水される再循環系配管および炉水浄化系配管に対して一定条件で予備酸化皮膜を形成させる技術も提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、これらの技術では、原子炉停止操作中に炉水が通水される余熱除去系統については、考慮されておらず、炉水中の放射性核種の付着抑制対策は、余熱除去系統には、及んでいなかった。
したがって、原子炉停止時の余熱除去系統運用によって、余熱除去系統が放射性核種を含む炉水に接触することで放射性核種の余熱除去系統への付着が起こり、定期点検作業時の被曝源となる。
特に、再循環系のない改良型沸騰水型軽水炉では、定期点検作業時の被曝に与える寄与が大きくなる。また、余熱除去系統は、炭素鋼配管で構成されているので、除染によって過去に付着した放射性核種を含む酸化物を除去しても、原子炉運転中の余熱除去系統の保管時に配管表面に生成する腐食生成物が、余熱除去系統運用時の炉水中放射性核種の再付着を促進させてしまい、除染の効果を維持できない。
そこで、余熱除去系統の保管時における腐食生成物の生成抑制のために、余熱除去系統配管を除染後、酸化皮膜や化成皮膜を形成させる方法や、保管水中に防錆剤を添加する方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開昭58−79196号公報 (第2〜4頁 第1図〜第3図) 特開昭62−95498号公報 (第3〜5頁 第1図〜第5図) 特開2002−236191号公報 (第6〜8頁 図1〜図6) 『防食技術』,Vol28,pp.32-37(1979)
しかし、上記従来技術では、余熱除去系統配管の保管に使う水の供給元については、特に考慮されておらず、通常は、サプレッションプールの水が余熱除去系統のサーベイランス運転に使用され、その水を余熱除去系統配管に保有した状態で保管されている。このサプレッションプールの水は、炭素鋼の腐食抑制に対して特に注意を払われた水質とはなっていない。
本発明の目的は、余熱除去系統を構成する炭素鋼の原子炉通常運転時保管中における腐食生成物の生成量及び放射性核種の付着を抑制できる水質の水を余熱除去系統に導入できる手段を備えた沸騰水型原子力発電プラントを提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、
a.溶存酸素濃度,導電率を低くした水を準備する
b.既にBWRの他の系統で使用している溶存酸素濃度,導電率の低い水を流用する
c.サプレッションプールの水を浄化したものを使用する
など、炭素鋼の腐食を抑制できる水質の水を原子炉運転中に余熱除去系統に導入するために、その水質の水を貯めておくタンク,バルブ,ポンプからなる系統を余熱除去系統に接続する。
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、保管水の脱酸素処理装置,保管水の脱塩処理装置,保管水を配水するバルブ,ポンプを備え、原子炉運転中に炭素鋼で構成される余熱除去系統を満水保管する際に、脱酸素処理および脱塩処理を施した水を余熱除去系統に保管水として導入する沸騰水型原子力発電プラントを提案する。
また、上記の本発明において、原子炉運転中に余熱除去系統のサーベイランス運転をする時に、循環水として脱酸素処理および脱塩処理を施した水を余熱除去系統に導入することができる
本発明は、さらに、サプレッションプール水を窒素または不活性気体でバブリングする脱酸素処理装置を備えた沸騰水型原子力発電プラントを提案する。
本発明は、上記目的を達成するために、サプレッションプール水を脱塩処理する脱塩処理装置を備えた沸騰水型原子力発電プラントを提案する。
また、上記の本発明において、原子炉運転中になされる炭素鋼で構成される余熱除去系統のサーベイランス運転終了直後に、脱酸素処理および脱塩処理を施した水によって余熱除去系統の配管内に残留している水を置換することができる
本発明は、さらに、復水貯蔵タンク水を窒素または不活性気体でバブリングし溶存酸素濃度を0.5ppm以下にするガスバブリング装置を備えた沸騰水型原子力発電プラントを提案する。
いずれの沸騰水型原子力発電プラントにおいても、沸騰水型原子力発電プラントの建設中または定期点検中に余熱除去系統配管内に高周波誘導加熱装置を導入し、前記余熱除去系統配管内面を400℃以上に加熱して酸化皮膜を形成することができる。
また、前記すべての処理に先立って、放射性核種を取り込んだ余熱除去系統配管の腐食皮膜を化学除染により除去してもよい。
余熱除去系統配管は、原子炉運転中に炉水が通水される再循環系配管および炉水浄化系配管に比べて、通常、原子炉停止時にのみ炉水が通水される。BWRのプラント停止操作は、制御棒を挿入して原子燃料の核分裂反応を停止させることから始まる。この操作により、280℃から150℃までは、蒸気の発生量が多いので、主蒸気ラインから蒸気を復水器に送り、発生する蒸気の気化熱により原子炉を冷却する。
150℃以下の温度では、気化熱による冷却効率が低下するので、炉水再循環系から分岐する余熱除去系統によって炉水を冷却する。冷却された炉水は、原子炉再循環系を経由するかまたは直接原子炉に戻る。100℃以下の温度では、気化熱による冷却ができなくなるので、余熱除去系統での冷却が主体となる。
余熱除去系統は、予備系統を持つ必要から、2系統以上を有する。したがって、プラントの停止操作は、停止ごとに交互に運転される。さらに、余熱除去系統熱交換器に通水する流量とこの熱交換器のバイパスライン流量とを制御し、原子炉水を冷却する速度を調整する。再循環系配管および炉水浄化系配管では、腐食による酸化皮膜の成長に伴って原子炉水中の放射性イオンが酸化皮膜中に取り込まれ、放射性核種の蓄積が生じる。
しかし、余熱除去系統では、運用開始時の原子炉水温度が150℃以下と低く、運用開始と同時に炉水温度が低下してくるので、100℃以上の原子炉水に晒されている期間も数時間程度と短いので、上記プロセスの寄与は小さい。発明者らが余熱除去系統配管への放射性核種の蓄積機構を詳細に検討したところ、以下のように、再循環系配管や炉水浄化系配管とは異なるプロセスで放射性イオンの付着が生じていることが分かった。
余熱除去系統に使われているような炭素鋼配管では、炉水浄化系配管で見られるように、高温水中においては、ヘマタイトとマグネタイトに加えて原子炉水中に含まれるニッケルなどのイオンを取り込んだフェライトを生成する。
しかし、余熱除去系統の配管が原子炉運転中に晒されているような100℃以下の低温水中では、水酸化鉄が主な腐食生成物となる。この条件で生成する水酸化鉄は、藻状の形態で表面積が大きく、水中の各種イオンを吸着する性質がある。このため、原子炉停止操作が行われ余熱除去系統の運用が始まると、炉水中の放射性イオンの吸着が起こる。炉水中の放射性イオン濃度は、原子炉停止操作直後に一旦上昇してから下がるという挙動を示す。
余熱除去系統運用開始時は、既に温度の低下に伴って炉水放射能濃度も下がっていくので、運用開始時に水酸化鉄に吸着した放射性イオンも、ただ吸着しているだけでは、炉水放射能濃度の低下とともに放出されるので、余熱除去系統への放射性核種の蓄積による被曝は、あまり問題にはならない。
しかし、水酸化鉄では、約100℃以上の条件で化学式1や化学式2のような反応で脱水反応を起こし、ヘマタイトやマグネタイトを生じる。この時、脱水領域にニッケル、コバルトおよびこれらの放射性イオンが吸着していると、これらのニッケルやコバルトを含むフェライトが化学式3や化学式4のように生じて、脱離し難くなる。
図9は、余熱除去系統配管への放射性イオン付着過程を模式に示す図である。余熱除去系統の炭素鋼配管上に生成した水酸化鉄に放射性コバルトイオンの吸着領域と、100℃以上の温度における脱水領域とが生じ、この二つが重なった領域でコバルトフェライトが生じ、放射性コバルトイオンの蓄積が起こる。
Figure 0004352249
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したがって、余熱除去系統配管への放射性イオンの蓄積を防止するには、原子炉運転中に余熱除去系統配管表面で生じる水酸化鉄の発生を抑制すればよい。原子炉運転中に余熱除去系統が運用されるのは、月に1回程度の頻度で行われるサーベイランス運転の時のみで、サーベイランス運転終了後に余熱除去系統は停止され、そのままの状態で満水保管される。
サーベイランス運転には、サプレッションプールの水を用いるので、余熱除去系統は、サプレッションプールの水で満水保管される状態になる。このサプレッションプールの水の水質は、炭素鋼の腐食抑制に対して特に注意を払った水質とはなっていない。静止水中における炭素鋼の腐食抑制に対しては、溶存酸素濃度を低くすることと導電率を低くすることが有効であることが知られている。
図10は、非特許文献1に示されている室温静止水中における炭素鋼の腐食速度に及ぼす溶存酸素濃度依存性を示す図であり、図11は、非特許文献1に示されている炭素鋼の腐食速度に及ぼす導電率の影響を示す図である。
どちらも低い方が腐食速度は、小さくなっていることが分かる。したがって、余熱除去系統配管表面で生じる水酸化鉄の発生を抑制するには、溶存酸素濃度,導電率の低い水で余熱除去系統を保管するという方法が考えられる。
図12は、発明者らが炭素鋼浸漬環境ごとの放射性コバルトイオンの蓄積量を比較した結果を示す図である。サプレッションプールの水質を模擬した水,復水浄化系の出口水の水質を模擬した水,復水補給水系の水質を模擬した水の中に炭素鋼の試験片を一定期間浸漬してから、放射性コバルトイオンを使用できる高温水ループに取り付けた。高温水ループは、原子炉停止時の余熱除去系統を模擬した温度履歴をたどるように運転し、温度が下がったところで試験片を取り出し、蓄積した放射性コバルトの量を比較した。
図12から、復水補給水系程度の溶存酸素濃度,導電率の水質では、放射性コバルトイオンの蓄積抑制効果は得られなかった。
これに対して、復水浄化系の出口水程度の溶存酸素濃度,導電率の水質の水では、ほぼ半減させる程度の放射性コバルトイオンの蓄積抑制効果が得られることが分かった。
本発明の沸騰水型原子力発電プラントにおいては、原子炉運転中の余熱除去系統の保管水として、溶存酸素濃度.導電率を低くした水を使用するので、保管中に余熱除去系統の炭素鋼配管に生ずる水酸化鉄の生成量を減らして、原子炉停止操作により放射能を含んだ炉水が余熱除去系統に流れ込んできた時に、放射能の余熱除去系統配管への付着を抑制できる。
再循環系または炉水浄化系から余熱除去系統への分岐点および余熱除去系統から再循環系または炉水浄化系に戻る合流点のそれぞれ余熱除去系統側に、溶存酸素濃度,導電率の少なくとも一方を低くした水を注入する置換水注入口を設け、この注入口には置換水を蓄えておくタンク、ポンプ、バルブが配管によって接続されている。
余熱除去系統の途中、例えば熱交換器の上流付近に置換対象水を廃棄物処理系に導出する分岐を設け、分岐点には排水の導電率,溶存酸素濃度を測定する検出器を備えてある。
図1は、本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例1の系統構成を示す図である。
原子炉の通常運転中において、原子炉圧力容器1内の冷却水は、再循環ポンプ2によって再循環系統3を循環させられている。原子炉圧力容器1内で発生した蒸気は、主蒸気系4によってタービン5まで導かれ、タービン5で仕事をした後、復水器6によって水に戻される。
復水は、復水中に含まれる不純物を除去するために、復水ポンプ7によって全量が復水浄化装置8に通水されて浄化され、給水として使用される。給水は、給水ポンプ9によって低圧給水加熱器10および高圧給水加熱器11を通され、給水系12を通して原子炉圧力容器1内に供給される。
復水浄化装置8によって浄化された給水の一部は、制御棒駆動水ポンプ15および制御棒駆動水浄化装置16を通して制御棒駆動系に供給され、炉心に制御棒を挿入するために使われる。
停止時における炉心の温度は、初めは、炉水の蒸発熱によって下がってくる。炉水の温度が150℃程度となると、冷却効率が低下するので、余熱除去系統17が使用される。余熱除去系統入口バルブ18,余熱除去系統熱交換器入口バルブ19,余熱除去系統熱交換器出口バルブ20,原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21,原子炉格納容器内余熱除去系統戻りバルブ22を開いて、余熱除去系統ポンプ23を起動し、余熱除去系統熱交換器24に炉水を供給して更に冷却し、原子炉を停止する。
その際、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25および余熱除去系統熱交換器入口バルブ19の開閉量を調整して余熱除去系統熱交換器24への炉水の流入量を調整し、炉水温度の降下率を調整する。一方、原子炉通常運転中の余熱除去系統は、停止状態にある。
月に1回程度の頻度で、原子炉格納容器26内のサプレッションプール27の水を使って、サーベイランス運転をしている。サーベイランス運転とは、サプレッションプール出口バルブ28とサプレッションプール戻りバルブ29とを開けて、余熱除去系統ポンプ23を使い、サプレッションプール27を通る閉ループを構成し、プール内の水を循環させる運転である。
サーベイランス運転終了後、余熱除去系統は、そのままの状態で保管され、余熱除去系統の配管内には、サプレッションプール27の水が満水保管された状態となる。この水を低溶存酸素濃度,低導電率の置換水に置き換える。置換水は、置換水貯蔵タンク30に予め準備する。
置換水貯蔵タンク30内の水は、窒素ガスバブリング装置31により溶存酸素濃度を低減させ、置換水循環ポンプ32により置換水の脱塩処理装置33に通水し、不純物を取り除き、導電率を低下させておく。置換水の水質は、例えば導電率を0.3μS/cm以下とし,溶存酸素濃度を0.5ppm以下とする。
サーベイランス運転終了後、余熱除去系統入口バルブ18と原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21と原子炉格納容器内余熱除去系統戻りバルブ22とを閉じたままにしておき、サプレッションプール出口バルブ28とサプレッションプール戻りバルブ29と余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25とを閉じ、余熱除去系統熱交換器入口バルブ19と余熱除去系統熱交換器出口バルブ20と廃棄物処理系バルブ34と置換水送水バルブ35とを開き、置換水送水ポンプ36により配管内に残留している水を置換水貯蔵タンク30内の置換水に置き換える。
次に、余熱除去系統熱交換器入口バルブ19と余熱除去系統熱交換器出口バルブ20とを閉じて、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25を開き、バイパスラインに残っている残留水を置換水で押し流す。
続いて、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25を閉じて、原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21を開き、原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21から廃棄物処理系バルブ34までの余熱除去系統配管内に残っている残留水を置換水で押し流す。
これらの操作により、溶存酸素や不純物を含み余熱除去系統配管に残留していた残留水は、溶存酸素や不純物を低減させた清浄な置換水に置き換えることができる。
図2は、本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例2の系統構成を示す図である。
実施例2では、実施例1に加えて導電率計37と溶存酸素濃度計38を廃棄物処理系の入口に備えてある。この導電率計37と溶存酸素濃度計38によって測定されたそれぞれのデータは、信号処理ケーブル40によって情報処理制御装置39に集められる。
情報処理制御装置39では、バルブ制御信号処理ケーブル41を介して余熱除去系統熱交換器入口バルブ19、余熱除去系統熱交換器出口バルブ20、原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25、廃棄物処理系バルブ34および置換水送水バルブ35の開閉と置換水送水ポンプ36の起動停止を制御する。
サーベイランス運転終了後、サプレッションプール出口バルブ28とサプレッションプール戻りバルブ29を閉じた後、情報処理制御装置39を使って余熱除去系統配管内の残留水を置換水で置換する制御運転を開始する。
まず、原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25を閉じて、余熱除去系統熱交換器入口バルブ19、余熱除去系統熱交換器出口バルブ20、廃棄物処理系バルブ34および置換水送水バルブ35を開き、置換水送水ポンプ36を起動するように制御する。
これにより該当する余熱除去系統配管内の残留水が置換水に置き換えられると、導電率計37と溶存酸素濃度計38の値が置換水と同等のレベルまで低下する。このような値としては、例えば導電率を0.3μS/cm、溶存酸素濃度を0.5ppmとする。
これを検知した情報処理制御装置39では、次に余熱除去系統熱交換器入口バルブ19と余熱除去系統熱交換器出口バルブ20を閉じて、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25を開いて、バイパスラインに残っている残留水を置換水で押し流すように各バルブを制御する。
バイパスラインの残留水が押し流されてくると、導電率計37と溶存酸素濃度計38の値が一旦上昇した後、残留水が完全に押し流されると置換水と同等のレベルまで低下する。
これを検知した情報処理制御装置39では、次に、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25を閉じて、原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21を開け、原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21から廃棄物処理系バルブ34までの余熱除去系統配管内に残っている残留水を置換水で押し流す。
このときも余熱除去系統配管内の残留水が押し流されてくると、導電率計37と溶存酸素濃度計38の値が一旦上昇した後、残留水が完全に押し流されると、置換水と同等のレベルまで低下する。
このような制御により、余熱除去系統配管内の残留水は、自動的に低導電率,低溶存酸素濃度の置換水に置き換えられる。
図3は、本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例3の系統構成を示す図である。
実施例3では、実施例1の置換水の代わりに、復水浄化装置8の出口水を置換水として使う。復水浄化装置8の出口水は、復水器6で真空脱気されて低い溶存酸素濃度となった復水が、復水浄化装置8により浄化されて低導電率となっているので、本発明の余熱除去系統配管置換水として使用できる。
実施例3では、復水浄化装置8の出口から配管を分岐させ、復水器6で脱気され復水浄化装置8で浄化された復水を置換水として、置換水送水ポンプ36および置換水送水バルブ35を介して余熱除去系統に供給する。
実施例4では、実施例3で用いた復水浄化装置8の出口水の代わりに、復水補給系水(P)を使う。復水補給系水(P)の溶存酸素濃度,導電率は、0.5ppm以下,0.3μS/cm以下であり、本発明の余熱除去系統配管の置換水として使用できる。
実施例5では、余熱除去系統のサーベイランス運転の際にサプレッションプール27の水を使うのではなく、図1に示す置換水貯蔵タンク30の水を使う。
サプレッションプール出口バルブ28を閉じて、サプレッションプール戻りバルブ29を開き、更に置換水送水バルブ35を開けて置換水を余熱除去系統に供給できる状態にしておく。
次に、余熱除去系統ポンプ23と置換水送水ポンプ36を起動して置換水を用いたサーベイランス運転をする。余熱除去系統に供給された置換水は、余熱除去系統配管内の残留水をサプレッションプール27に押し流してサプレッションプール27に到達する。これにより余熱除去系統配管内は、低導電率,低溶存酸素濃度の置換水に置き換えられる。
実施例6では、サーベイランス運転の際にサプレッションプール27の水を使うのではなく、図3に示すような系統構成として復水浄化装置8の出口水を使う。 サプレッションプール出口バルブ28を閉じて、サプレッションプール戻りバルブ29を開き、更に置換水送水バルブ35を開けて復水浄化装置8の出口水を余熱除去系統に供給できる状態にしておく。
次に、余熱除去系統ポンプ23と置換水送水ポンプ36を起動して復水浄化装置8の出口水を用いたサーベイランス運転をする。余熱除去系統に供給された復水浄化系の出口水は、余熱除去系統配管内の残留水をサプレッションプール27に押し流してサプレッションプール27に到達する。これにより余熱除去系統配管内は、低導電率,低溶存酸素濃度の復水浄化装置8の出口水に置き換えられる。
図4は、サプレッションプール水の脱酸素,脱塩処理方法を示す図である。実施例7では、サプレッションプール水を脱酸素,脱塩処理しておき、このサプレッションプール水をサーベイランス運転に使用する。
サプレッションプール27には、窒素ガスバブリング装置31が接続されており、サプレッションプール水の溶存酸素濃度を0.5ppm以下になるようにしている。サプレッションプール27には、サプレッションプール水浄化ポンプ42とサプレッションプール水の脱塩処理装置43が取り付けられており、サプレッションプール水の導電率を0.3μS/cm以下になるようにしている。
このように脱酸素、脱塩処理したサプレッションプール水を用いて余熱除去系統のサーベイランス運転をすると、余熱除去系統配管内の残留水を脱酸素,脱塩処理されたサプレッションプール水に置き換えることができる。
図5は、本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例8の系統構成を示す図である。
実施例8では、窒素ガスバブリング装置31を用いて、復水貯蔵タンク13内の復水貯蔵タンク水を脱酸素処理しておき、これを余熱除去系統配管の置換水として使う。
復水貯蔵タンク13には、余熱除去系統に繋がる配管が敷設されており、置換水送水バルブ35および置換水送水ポンプ36により、脱酸素処理された復水貯蔵タンク水を置換水として余熱除去系統に送水できる。
このようにしておくと、サーベイランス運転終了後、実施例1と同様にバルブおよびポンプを操作をすると、余熱除去系統に残っている残留水を脱酸素処理された復水貯蔵タンク水に置き換えることができる。
実施例9では、サーベイランス運転の際にサプレッションプール27の水を使うのではなく、図5に示すような系統構成として脱酸素処理された復水貯蔵タンク水を使う。
サプレッションプール出口バルブ28を閉じて、サプレッションプール戻りバルブ29を開き、更に置換水送水バルブ35を開けて脱酸素処理された復水貯蔵タンク水を余熱除去系統に供給できる状態にしておく。
次に、余熱除去系統ポンプ23と置換水送水ポンプ36を起動して脱酸素処理された復水貯蔵タンク水を用いたサーベイランス運転をする。
余熱除去系統に供給された脱酸素処理された復水貯蔵タンク水は、余熱除去系統配管内の残留水をサプレッションプール27に押し流してサプレッションプール27に到達する。これにより余熱除去系統配管内は、低導電率,低溶存酸素濃度の復水貯蔵タンク水に置き換えられる。
図6は、本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例10の系統構成を示す図である。
実施例10では、サーベイランス運転終了後、余熱除去系統配管内の残留水を炉水浄化系の出口水により置換する。炉水浄化系から配管系統を分岐させ、余熱除去系統に接続し、炉水浄化装置47の出口水を余熱除去系統に導入できるようにしておく。
炉水浄化系は、再循環ポンプ2の入口部分から分岐されており、ここから取り出された炉水は、炉水浄化系ポンプ44により炉水浄化系再生熱交換器45,炉水浄化系非再生熱交換器46に送り込まれ、温度を下げられた後、炉水浄化装置47においてて不純物を除去される。
不純物が除去された炉水浄化装置47の出口水は、炉水浄化系再生熱交換器45を通って予熱された後、給水に合流する。炉水浄化装置47では、イオン成分も除去されるので、炉水浄化装置47の出口水の導電率は、0.3μS/cmよりも低い状態にあり、プラント運転中の炉水の溶存酸素濃度は、NWC条件でも200ppb程度なので、溶存酸素濃度も0.5ppm以下であり、余熱除去系統配管の保管水に好適な条件となっている。
また、炉水浄化系は、プラント稼働中は常に運転状態であるので、配管系統を図6のように構成すれば、サーベイランス運転終了時に流用できる。
サーベイランス運転終了後、余熱除去系統入口バルブ18と原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21と原子炉格納容器内余熱除去系統戻りバルブ22とを閉じたままにしておき、サプレッションプール出口バルブ28とサプレッションプール戻りバルブ29と余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25とを閉じて、余熱除去系統熱交換器入口バルブ19と余熱除去系統熱交換器出口バルブ20と廃棄物処理系バルブ34と置換水送水バルブ35とを開き、置換水送水ポンプ36により配管内に残留している水を炉水浄化装置47の出口水で置き換える。
次に、余熱除去系統熱交換器入口バルブ19と余熱除去系統熱交換器出口バルブ20とを閉じて、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25を開き、バイパスラインに残っている残留水を炉水浄化装置47の出口水で押し流す。
続いて、余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ25を閉じ、原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21を開け、原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ21から廃棄物処理系バルブ34までの余熱除去系統配管内に残っている残留水を炉水浄化装置47の出口水で押し流す。
これらの操作により、溶存酸素や不純物を含み余熱除去系統配管に残留していた残留水は、溶存酸素や不純物を低減させた清浄な炉水浄化装置47の出口水に置き換えることができる。炉水浄化系から給水への還流水を余熱除去系統の置換水に使用すると、給水流量が低下してしまうので、復水貯蔵タンク13から復水供給ポンプ14を使って不足分を補給する。
実施例11では、サーベイランス運転の際にサプレッションプール27の水を使うのではなく、図6に示すように炉水浄化系から配管を分岐させて、炉水浄化装置47の出口水を使う。
サプレッションプール出口バルブ28を閉じて、サプレッションプール戻りバルブ29を開き、置換水送水バルブ35を開け、炉水浄化装置47の出口水を余熱除去系統に供給できる状態にしておく。
次に、余熱除去系統ポンプ23と置換水送水ポンプ36とを起動し、炉水浄化装置47の出口水を用いてサーベイランス運転をする。
余熱除去系統に供給された炉水浄化系の出口水は、余熱除去系統配管内の残留水をサプレッションプール27に押し流し、サプレッションプール27に到達する。これにより余熱除去系統配管内は、低導電率で低溶存酸素濃度の炉水浄化装置47の出口水に置き換えられる。
炉水浄化系から給水への還流水を余熱除去系統のサーベイランス運転に使用すると給水流量が低下するので、復水貯蔵タンク13から復水供給ポンプ14を使って不足分を補給する。
図7は、表面を耐水研磨紙で研磨した炭素鋼の試験片およびこれに高周波誘導加熱器を用いて表面に酸化皮膜を形成させた試験片を作成し、サプレッションプール水の水質を模擬した水中に2種類の試験片を保管した後、図6の実験と同様の放射性コバルト付着試験をし、放射性コバルト付着量を比較した結果を示す図である。
高周波誘導加熱によって炭素鋼試験片表面に形成されたマグネタイトを主成分とする酸化皮膜によって、保管時の腐食による水酸化鉄の生成が抑制され、高温水通水時のコバルト付着が抑制されている。
図8は、この原理を実機の余熱除去系統配管に適用した実施例12の処理方法を示す図である。
定期点検作業時、余熱除去系統のバルブなどの点検作業による開口部から配管内部に高周波誘導加熱用渦巻きコイル48を挿入し、回転させながら掃引し、高周波誘導加熱による酸化皮膜を配管内面に形成させる。
定期点検が終了しプラントが運転されると、余熱除去系統配管には、サプレッションプール水が流入して満水保管の状態となる。このときサプレッションプール水の水質が悪くても、この余熱除去系統配管には、高周波誘導加熱によるマグネタイトを主成分とする酸化皮膜が形成されているので、新たな腐食皮膜の生成が起こりにくくなっている。
したがって、次回のプラント停止時に、放射能を含む高温水が余熱除去系統に流入してきても、放射性コバルトを取り込む腐食皮膜の生成が抑制されているので、放射性コバルトの付着は抑制される。
実施例13は、放射性核種を取り込んだ余熱除去系統配管の腐食皮膜を化学除染により除去した後、実施例1〜実施例12のいずれかの放射性コバルト付着抑制方法を適用する。既設のBWRでは、余熱除去系統配管の接水部に形成された腐食皮膜中に放射性核種が既に取り込まれている。この放射性核種を除去してから実施例1〜実施例12のいずれかの放射性コバルト付着抑制方法を適用すると、余熱除去系統配管に既に存在していた放射性核種からの定期点検作業被曝への寄与が無くなる。その結果、実施例1〜実施例12により得られる放射性コバルト付着抑制効果が、作業被曝低減効果としてそのまま現れるようになる。
上記各実施例によれば、原子炉運転中の余熱除去系統の保管水として溶存酸素濃度,導電率の少なくとも一方を低くした水を使用したので、保管中の腐食が抑制され、余熱除去系統の炭素鋼配管に生ずる水酸化鉄の生成量を減らし、原子炉停止操作によって放射能を含んだ炉水が余熱除去系統に流れ込んできた時に、配管表面に残留している水酸化鉄に吸着・付着される放射能の量を抑制し、定期点検作業時の被曝を低減できる。
本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例1の系統構成を示す図である。 本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例2の系統構成を示す図である。 本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例3の系統構成を示す図である。 本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例3におけるサプレッションプール水の脱酸素,脱塩処理方法を示す図である。 本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例8の系統構成を示す図である。 本発明による沸騰水型原子力発電プラントの実施例10の系統構成を示す図である。 発明者らによる実験におけるコバルト58付着量に及ぼす表面処理依存性を示す図である。 高周波誘導加熱を実機の余熱除去系統配管に適用した実施例12の処理方法を示す図である。 余熱除去系統配管への放射性イオン付着過程を模式に示す図である。 室温静止水中における炭素鋼の腐食速度に及ぼす溶存酸素濃度依存性を示す図である。 炭素鋼の腐食速度に及ぼす導電率の影響を示す図である。 発明者らが炭素鋼浸漬環境ごとの放射性コバルト58イオンの蓄積量を比較した結果を示す図である。
符号の説明
1 原子炉圧力容器
2 再循環ポンプ
3 再循環系統
4 主蒸気系
5 タービン
6 復水器
7 復水ポンプ
8 復水浄化装置
9 給水ポンプ
10 低圧給水加熱器
11 高圧給水加熱器
12 給水系
13 復水貯蔵タンク
14 復水供給ポンプ
15 制御棒駆動水ポンプ
16 制御棒駆動水浄化装置
17 余熱除去系統
18 余熱除去系統入口バルブ
19 余熱除去系統熱交換器入口バルブ
20 余熱除去系統熱交換器出口バルブ
21 原子炉格納容器外余熱除去系統戻りバルブ
22 原子炉格納容器内余熱除去系統戻りバルブ
23 余熱除去系統ポンプ
24 余熱除去系統熱交換器
25 余熱除去系統熱交換器バイパスバルブ
26 原子炉格納容器
27 サプレッションプール
28 サプレッションプール出口バルブ
29 サプレッションプール戻りバルブ
30 置換水貯蔵タンク
31 窒素ガスバブリング装置
32 置換水循環ポンプ
33 置換水の脱塩処理装置
34 廃棄物処理系バルブ
35 置換水送水バルブ
36 置換水送水ポンプ
37 導電率計
38 溶存酸素濃度計
39 情報処理制御装置
40 信号処理ケーブル
41 バルブ制御信号処理ケーブル
42 サプレッションプール水浄化ポンプ
43 サプレッションプール水の脱塩処理装置
44 炉水浄化系ポンプ
45 炉水浄化系再生熱交換器
46 炉水浄化系非再生熱交換器
47 炉水浄化装置
48 高周波誘導加熱用渦巻きコイル

Claims (20)

  1. 保管水の脱酸素処理装置、保管水の脱塩処理装置、保管水を配水するバルブ、ポンプを備え、
    原子炉運転中に炭素鋼で構成される余熱除去系統を満水保管する際に、脱酸素処理および脱塩処理を施した水を余熱除去系統に保管水として導入することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  2. 請求項1に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    余熱除去系統に導入する保管水として復水浄化系の出口水、復水補給水系水の少なくとも一方からの水を余熱除去系統の保管水として使用することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  3. 請求項1に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    溶存酸素濃度0.5ppm以下、導電率0.3μS/cm以下の水を余熱除去系統の保管水として使用することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  4. 請求項1に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    原子炉運転中に余熱除去系統のサーベイランス運転をする時に、循環水として脱酸素処理および脱塩処理を施した水を余熱除去系統に導入することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  5. 請求項4に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    余熱除去系統に導入する循環水として復水浄化系の出口水、復水補給水系水の少なくとも一方からの水を使用することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  6. 請求項4に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    溶存酸素濃度0.5ppm以下、導電率0.3μS/cm以下の水を余熱除去系統の循環水として使用することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  7. 請求項4に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    余熱除去系統のサーベイランス運転終了前に、循環水として脱酸素処理および脱塩処理施した水を余熱除去系統に導入し、余熱除去系統の少なくとも一部が該当する循環水で満たされた後、サーベイランス運転を終了させることを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  8. 請求項1に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    サプレッションプール水を窒素または不活性気体でバブリングする脱酸素処理装置を備えたことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  9. 請求項8に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    不活性気体のバブリングによりサプレッションプール水の溶存酸素濃度を0.5ppm以下に制御する手段を備えたことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  10. 請求項1に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    サプレッションプール水を脱塩処理する脱塩処理装置を備えたことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  11. 請求項10に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    サプレッションプール水の導電率を0.3μS/cm以下にする脱塩処理装置を備えたことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  12. 請求項1に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    原子炉運転中になされる炭素鋼で構成される余熱除去系統のサーベイランス運転終了直後に、脱酸素処理および脱塩処理を施した水によって余熱除去系統の配管内に残留している水を置換することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  13. 請求項12に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    置換された前記水を放射性廃棄物処理系に排出する配管およびバルブを備えたことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  14. 請求項12または請求項13に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    余熱除去系統から廃棄物処理系に繋がる配管系に導電率計溶存酸素計を設置することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  15. 請求項12ないし14のいずれか一項に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    導電率計溶存酸素計のデータを収集するデータ収集装置と、収集されたデータに基づき前記保管水への置換終了を判定する情報処理制御装置と、置換終了の判定に基づきポンプおよびバルブを操作させる制御装置を備えたことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  16. 請求項15に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    導電率が0.3μS/cm以下、溶存酸素濃度が0.5ppm以下の条件の少なくとも一方が達成された時に置換終了と判定する情報処理制御装置を備えたことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  17. 請求項12ないし15のいずれか一項に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    前記置換水として復水浄化系の出口水および復水補給水系水の少なくとも一方の水を用いることを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  18. 請求項17に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    復水貯蔵タンク水を窒素または不活性気体でバブリングし溶存酸素濃度を0.5ppm以下にするガスバブリング装置を備えたことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  19. 請求項1ないし18のいずれか一項に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    沸騰水型原子力発電プラントの建設中または定期点検中に余熱除去系統配管内に高周波誘導加熱装置を導入し、前記余熱除去系統配管内面を400℃以上に加熱して酸化皮膜を形成することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  20. 請求項1ないし18のいずれか一項に記載の沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    前記すべての処理に先立って、放射性核種を取り込んだ余熱除去系統配管の腐食皮膜を化学除染により除去することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
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