本発明に係る画像処理装置およびX線診断装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれに対してポインタの画像を表示させるものであればよく、X線診断装置に限らずX線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置などの他の医用画像診断装置にも適用することができる。
以下の説明では、本発明の一実施形態に係る画像診断装置を含む医用画像診断装置として、X線診断装置、特にX線アンギオ装置を用いる場合の例を示す。また、以下の説明では、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群の一例として、第1のレイアウトで複数の表示領域が配置されて操作室に設置された第1の表示領域群と、第2のレイアウトで複数の表示領域が配置されて検査室に設置された第2の表示領域群と、の2つの表示領域群をあつかう場合の例を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係るX線診断装置10の一例を示すブロック図である。X線診断装置10は、たとえばX線アンギオ装置として構成され、図1に示すように、撮像装置11と画像処理装置12とを有する。
また、図2は、撮像装置11および画像処理装置12の一構成例を示す外観図である。図2には、X線診断装置10がバイプレーン式の撮像装置11を有する場合の一例を示した。
X線診断装置10の撮像装置11は、通常は検査室に設置され、被検体P(たとえば患者など)に関する画像データを生成するよう構成される。画像処理装置12は、たとえば検査室に隣接する操作室に設置され、画像データにもとづく画像を生成して表示を行なうよう構成される。なお、画像処理装置12は、撮像装置11が設置される検査室に設置されてもよい。
図1に示すように、撮像装置11は、X線検出器13、X線源14、Cアーム15、インジェクタ16、寝台17、天板18、およびコントローラ19を有する。
X線検出器13は、寝台17の天板(たとえばカテーテルテーブルであってもよい)18に支持された被検体Pを挟んでX線源14と対向配置されるようCアーム15の一端に設けられる。X線検出器13は、平面検出器(FPD:flat panel detector)により構成され、被検体Pを透過してX線検出器13に照射されたX線を検出し、この検出したX線にもとづいてX線の投影データを出力する。この投影データはコントローラ19を介して画像処理装置12に与えられる。なお、X線検出器13は、イメージインテンシファイア、TVカメラなどを含むものであってもよい。
X線源14は、Cアーム15の他端に設けられ、X線管球やX線絞りを有する。X線絞りは、たとえば複数枚の鉛羽で構成されるX線照射野絞りである。X線絞りは、コントローラ19により制御されて、X線管球から照射されるX線の照射範囲を調整する。
Cアーム15は、X線検出器13とX線源14とを一体として保持する。Cアーム15がコントローラ19に制御されて駆動されることにより、X線検出器13およびX線源14は一体として被検体Pの周りを移動する。
X線診断装置10がX線アンギオ装置として用いられる場合、X線診断装置10の撮像装置11は、X線検出器13とX線源14とCアーム15とにより構成されるX線照射系を2系統有するバイプレーン式であってもよい(図2参照)。バイプレーン式の撮像装置11を有する場合、X線診断装置10は、床置き式Cアームを有するF(Frontal)側と、天井走行式Ωアームを有するL(Lateral)側の2方向からX線ビームを個別に照射させて、バイプレーン画像(F側画像およびL側画像)を取得することができる。
インジェクタ16は、コントローラ19により制御されて、術者Oにより被検体Pの所定の部位(たとえば患部など)に挿入されたカテーテル(カテーテルチューブ、図示せず)を介して造影剤を注入する装置である。造影剤の注入および停止のタイミングならびに造影剤の濃度および注入速度は、コントローラ19により自動制御される。なお、インジェクタ16はX線診断装置10とは異なる外部の孤立した装置として用意されてもよく、この場合X線診断装置10はインジェクタ16を備えない。また、インジェクタ16は、外部に用意されるか否かにかかわらず、コントローラ19の制御によらずともよく、たとえばインジェクタ16に備えられた入力回路を介して術者Oによる指示を受け付け、この指示に応じた濃度、速度、タイミングで造影剤を注入してもよい。
寝台17は、床面に設置され、天板18を支持する。寝台17は、コントローラ19により制御されて、天板18を水平方向、上下方向に移動させたり回転(ローリング)させたりする。
コントローラ19は、画像処理装置12により制御されて、X線検出器13やインジェクタ16を制御することにより、被検体PのX線透視撮影を実行して投影データを生成し、画像処理装置12に与える。コントローラ19は、画像処理装置12により制御されて、たとえば、造影剤投与前後の投影データをそれぞれ生成し、画像処理装置12に与える。
また、X線診断装置10が回転DSA(Digital Subtraction Angiography)撮影可能に構成される場合は、コントローラ19は、画像処理装置12により制御されて、回転DSA撮影を実行して造影剤投与前後の投影データをそれぞれ生成し、画像処理装置12に与える。回転DSA撮影では、被検体Pの同一部位について造影剤の注入前の画像データ(マスク像データ)および造影剤の注入後の画像データ(コントラスト像データ)がそれぞれ生成される。回転DSA撮影可能な場合、X線診断装置10は、回転DSA撮影で得られたコントラスト像データおよびマスク像にもとづいて、3次元血管画像(3D血管像)を得ることも可能である。
コントローラ19は、プロセッサおよび記憶回路を少なくとも有する。コントローラ19は、この記憶回路に記憶されたプログラムに従って画像処理装置12により制御されて、X線照射系を制御することにより被検体Pの透視撮像などのX線撮像を実行し、投影データを出力する。
なお、図1にはコントローラ19と画像処理装置12とが有線接続される場合の例について示したが、コントローラ19と画像処理装置12とはネットワーク100を介してデータ送受信可能に接続されてもよい。
コントローラ19の記憶回路は、コントローラ19のプロセッサが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。また、コントローラ19の記憶回路は、撮像装置11の起動プログラム、撮像装置11の制御プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。なお、コントローラ19の記憶回路は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶回路内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
他方、画像処理装置12は、表示領域21を複数有する検査室表示領域群20、検査室入力回路22、表示領域31を複数有する操作室表示領域群30、操作室入力回路32、画像処理回路33および情報処理装置34を有する。なお、情報処理装置34を除く構成は、画像処理装置12が必須に内包する構成するではなく、画像処理装置12の外部の構成であってもよい。
検査室表示領域群20は、検査室に設けられる。検査室表示領域群20は、1または複数のディスプレイにより構成され、表示領域21を複数有する。また、検査室には、検査室表示領域群20に表示された画像を注視する術者Oが操作する検査室入力回路22が設けられる。なお、複数の表示領域21が1つのディスプレイに割り当てられてもよいし、1つの表示領域21が1つのディスプレイに割り当てられてもよい。
他方、操作室表示領域群30は、操作室に設けられる。操作室表示領域群30は、1または複数のディスプレイにより構成され、表示領域31を複数有する。複数の表示領域31の少なくとも一部には、複数の表示領域21と同一の画像が表示される。また、操作室には、操作室表示領域群30に表示された画像を注視する操作者Qが操作する操作室入力回路32が設けられる。また、表示領域21と同様に、複数の表示領域31が1つのディスプレイに割り当てられてもよいし、1つの表示領域31が1つのディスプレイに割り当てられてもよい。
検査室表示領域群20および操作室表示領域群30を構成するディスプレイとしては、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置を用いることができる。
なお、図2には検査室表示領域群20が天井に固設して敷設されたレールに吊り下げられる場合の例について示したが、検査室表示領域群20は床面に設置された台の上に設置されてもよい。また、検査室表示領域群20が複数の表示装置を有する場合、全ての表示装置が1箇所にまとまって設けられる必要はなく、たとえば検査室内に分散して設置されてもよい。
本実施形態では、検査室の術者Oが検査室に設けられた検査室表示領域群20および検査室入力回路22を利用し、操作室の操作者Qが操作室に設けられた操作室表示領域群30および操作室入力回路32を利用する場合の例について説明する。
図3(a)−(e)は、複数の表示領域21および複数の表示領域31の第1−第5レイアウト例を示す説明図である。図3のハッチングは、ディスプレイのベゼル部分を示す。図3に示すように、検査室表示領域群20を構成する複数の表示領域21、および操作室表示領域群30を構成する複数の表示領域31のレイアウトは、自由に設定することができる。たとえば、複数の表示領域21および31の各表示領域は、別々のディスプレイに割り当てられてもよい(図3(a)参照)。この場合、ディスプレイのサイズや配置は様々な態様を採用することができる(図3(b)参照)。
また、複数の表示領域21および31の少なくとも一方は、たとえば1つのディスプレイに割り当てられてもよい(図3(c)参照)。また、1つのディスプレイに複数の表示領域が割り当てられる場合、ディスプレイ内の表示領域のサイズや配置は様々な態様を採用することができる(図3(d)参照)。このとき、1つのディスプレイ内の表示領域のレイアウトは、コントローラ19を介して画像処理装置12の情報処理装置34により、任意のタイミングで自動的にまたはユーザによる指示に応じて変更することができる。
また、検査室表示領域群20および操作室表示領域群30の少なくとも一方は、複数の表示領域が割り当てられた1つのディスプレイと、1つの表示領域21が割り当てられたディスプレイを複数と、で構成されてもよい(図3(e)参照)。
検査室入力回路22は、たとえばトラックボールやトラックボールマウス、キーボード、タッチパネル、テンキー、などの一般的なポインティングデバイスや、X線曝射タイミングを指示するためのハンドスイッチなどにより構成され、コントローラ19を介して検査室の術者Oの操作に対応した操作信号を情報処理装置34に出力する。たとえば術者Oは、検査室表示領域群20を見ながら、ポインタを複数の表示領域21間を横断するように移動させるための指示を検査室入力回路22を介して行うことができる。
操作室入力回路32は、検査室入力回路22と同様に、たとえばトラックボールやトラックボールマウス、キーボード、タッチパネル、テンキー、などの一般的なポインティングデバイスや、X線曝射タイミングを指示するためのハンドスイッチなどにより構成され、コントローラ19を介して操作室の操作者Qの操作に対応した操作信号を情報処理装置34に出力する。たとえば操作者Qは、操作室表示領域群30を見ながら、ポインタを複数の表示領域31間を横断するように移動させるための指示を操作室入力回路32を介して行うことができる。
画像処理回路33は、プロセッサおよび記憶回路を少なくとも有する。画像処理回路33は、この記憶回路に記憶されたプログラムに従って情報処理装置34により制御されて、コントローラ19から受けた被検体Pの投影データにもとづいてX線画像を生成し、情報処理装置34に与える。
画像処理装置12の情報処理装置34は、いわゆるサーバ装置であり、たとえば検査室および操作室とは異なる機械室に設けられる。なお、情報処理装置34は、検査室または操作室に設けられてもよい。
情報処理装置34は、ネットワーク100を介して接続されたモダリティ101や画像サーバ102から画像データを受けてもよい。この場合、モダリティ101から出力される医用画像データや再構成画像データは、ネットワーク100を介して受信されて情報処理装置34の記憶回路52に記憶される。モダリティ101は、たとえばX線CT装置やMRI装置、超音波診断装置、X線診断装置などの医用画像診断装置であって、被検体Pの撮像により得られた投影データにもとづいて医用画像データを生成可能な装置により構成することができる。画像サーバ102は、たとえばPACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像保管通信システム)に備えられる画像の長期保管用のサーバであり、ネットワーク100を介して接続されたモダリティ101で生成された医用画像データや再構成画像データなどを記憶する。
図4は、画像処理装置12の情報処理装置34の内部構成例を概略的に示すブロック図である。
情報処理装置34は、処理回路51および記憶回路52を有する。
処理回路51は、記憶回路52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行う処理を実行するプロセッサである。
処理回路51は、図4に示すように、少なくとも撮像実行機能61、オペレーティングシステム(以下、OSという)62、操作受付機能63、レイアウト取得機能64、ポインタ制御機能65を実現する。これらの機能61−65は、それぞれプログラムの形態で記憶回路52に記憶されている。なお、処理回路51の実現する機能61−65の一部または全部は、コントローラ19により実現されてもよい。
撮像実行機能61は、コントローラ19を介して撮像装置11を制御することにより、撮像装置11に被検体PのX線撮像を行わせる機能である。
OS62は、1つのディスプレイレイアウトの情報をあらかじめ設定され、このレイアウトに適したポインタ表示制御を行なう機能を有する。OS62に設定されたレイアウトは、適宜基準レイアウトというものとする。
ここで、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群をあつかう場合のポインタ表示の困難性について説明する。
図5(a)は、操作室表示領域群30のレイアウトに適したポインタ表示制御が行われる場合における、操作室表示領域群30上の位置P1と位置P2間をポインタが移動する様子の一例を示す説明図である。また、図5(b)は、操作室表示領域群30のレイアウトに適したポインタ表示制御が行われる場合における、検査室表示領域群20上の位置P1と位置P2間をポインタが移動する様子の一例を示す説明図である。また、図5(c)は、検査室表示領域群20上の位置P1と位置P2間をポインタが術者Oの直感にあった移動をする様子の一例を示す説明図である。
なお、本実施形態では、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群の一例として、第1のレイアウトで複数の表示領域31が配置されて操作室に設置された操作室表示領域群30と、第2のレイアウトで複数の表示領域21が配置されて検査室に設置された検査室表示領域群20と、の2つの表示領域群をあつかう場合の例を示す。図5には、操作室表示領域群30および検査室表示領域群20がそれぞれ4つの表示領域を有し、操作室表示領域群30のレイアウト(第1のレイアウト)が1×4配置、検査室表示領域群20のレイアウト(第2のレイアウト)が2×2配置である場合の例について示した。
いま、操作者Qおよび術者Oが、ポインタを位置P1と位置P2の間で移動させたいと所望した場合を考える。操作室表示領域群30のレイアウト(第1のレイアウト)に適したポインタ表示制御が行われるときは、各表示領域31の外周境界のうち、隣接する表示領域31が存在する境界は横断可能とされる一方、隣接する表示領域31が存在しない境界は、たとえば横断禁止壁71としてあつかわれる。この場合、操作室表示領域群30のレイアウトに適したポインタ表示制御が行われるときは、操作者Qは、位置P1と位置P2が異なる表示領域にある場合であっても、操作室入力回路32を介して、ポインタを位置P1から位置P2へ操作室表示領域群30における直線経路で移動させることができる(図5(a)参照)。
しかし、第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトを有する検査室表示領域群20においては、第1のレイアウトに適したポインタ表示制御が行われてしまうと、検査室表示領域群20における位置P1と位置P2の直線経路上に横断禁止壁71が存在する場合がある。この場合、検査室表示領域群20を見ながら検査室入力回路22を介してポインタを操作する術者Oは、ポインタを検査室表示領域群20における位置P1と位置P2の直線経路で移動させることができない。このため、術者Oは、直感とは全く異なる操作を強要されてしまい、操作性が著しく悪化ししてしまう(図5(b)参照)。
そこで、本実施形態に係る情報処理装置34の処理回路51は、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行う。具体的には、処理回路51は、第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトを有する検査室表示領域群20を見ながら術者Oがポインタを操作すると、図5(c)に示すように第2のレイアウトに適したポインタ表示制御を行なう。
互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行う方法としては、いくつかの方法が考えられる。
1つの方法は、OS62の基準レイアウトを1つのレイアウトに固定しておきつつ、ユーザ(術者Oや操作者Qなど)がポインタの操作を試みる際に見ている表示領域群(以下、適宜「注視表示領域群」という)のレイアウトが基準レイアウト以外のレイアウトである場合には、ポインタ制御機能65が、基準レイアウトの設定を変更することなく、注視表示領域群のレイアウトに適したポインタの表示制御を行なうよう画像生成回路66を制御する方法である。
以下の説明では、この方法を用いる場合の例について説明するが、本実施形態に係る情報処理装置34は、他の方法を用いて各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行ってもよい。たとえば、情報処理装置34は、注視表示領域群が変更されるたびに、注視表示領域群のレイアウトをOS62の基準レイアウトに設定する方法を用いてもよい。また、OS62の基準レイアウトを1つのレイアウトに固定しておく場合において、注視表示領域群のレイアウトが、基準レイアウト以外のあらかじめ定めた特定のレイアウトである場合にのみ、ポインタ制御機能65が、基準レイアウトの設定を変更することなく、注視表示領域群のレイアウトに適したポインタの表示制御を行なう方法を用いてもよい。
OS62は、基準レイアウトとして操作室表示領域群30のレイアウト(第1のレイアウト)をあらかじめ設定される。
操作受付機能63は、第1のレイアウトで複数の表示領域31が配置された操作室表示領域群30を注視するユーザ(たとえば操作者Q)がポインタを操作するための操作信号(以下、第1操作信号という)を、操作室入力回路32から受け付ける。また、操作受付機能63は、第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトで複数の表示領域21が配置された検査室表示領域群20を注視するユーザ(たとえば術者O)がポインタを操作するための操作信号(以下、第2操作信号という)を、検査室入力回路22から受け付ける。
このとき、操作受付機能63は、受け付けた操作信号が、ユーザがどの表示領域群を見ながらポインタを操作したことによるものか、すなわちユーザの注視表示領域群がいずれであるかを判定する。注視表示領域群が決定されれば、受け付けた操作信号が第1操作信号か第2操作信号かもまた決定される。
注視表示領域群の判定方法としては、たとえば本実施形態に示す例のように複数の表示領域群のそれぞれに専用の入力回路が設けられる場合は、表示領域群と入力回路とを関連付けておく方法が考えられる。この場合、操作受付機能63は、入力回路から操作信号を受けると、ユーザが見ている注視表示領域群がこの入力回路に関連付けられた表示領域群であると判定することができる。また、図示しないカメラや赤外線センサなどによる人物検知に係る出力信号にもとづいて、操作信号を受け付けるたびに、注視表示領域群を操作受付機能63が自動判定する方法を用いてもよい。また、ユーザが、入力回路を介して自身が見ている表示領域群の情報を手動で操作受付機能63に与えてもよい。
本実施形態では、操作受付機能63が表示領域群と入力回路とをあらかじめ一対一に関連付けておくことにより、入力回路から操作信号を受けると、ユーザが見ている表示領域群がこの入力回路に関連付けられた表示領域群であると判定する場合の例について説明する。
レイアウト取得機能64は、基準レイアウト以外の表示領域群のレイアウト情報を取得し、表示領域群の情報とそのレイアウトの情報とを関連付けて記憶回路52に記憶させる。たとえば、本実施形態に係る例では、レイアウト取得機能64は、検査室表示領域群20のレイアウト(第2のレイアウト)の情報を取得し、検査室表示領域群20の情報とそのレイアウトの情報とを関連付けて、記憶回路52に記憶させる。
ポインタ制御機能65は、画像生成回路66を制御し、操作受付機能63から第1操作信号を受けると、OS62から基準レイアウトの情報を取得して、第1のレイアウトに応じてポインタの表示制御を行う(図5(a)参照)。また、ポインタ制御機能65は、画像生成回路66を制御し、操作受付機能63から第2操作信号を受けると、記憶回路52から第2のレイアウトの情報を取得して、第2のレイアウトに応じてポインタの表示制御を行う(図5(c)参照)。
また、レイアウト取得機能64は、検査室表示領域群20のレイアウトの変更があると、この変更後のレイアウトの情報を取得して記憶回路52に記憶させるとよい。この場合、ポインタ制御機能65は、この変更後に第2操作信号が受け付けられると、変更後の第2のレイアウトに応じてポインタの表示制御を行えばよい。
画像生成回路66は、プロセッサおよび記憶回路を少なくとも有する。画像生成回路66は、この記憶回路に記憶されたプログラムに従ってOS62およびポインタ制御機能65に制御されて、検査室表示領域群20および操作室表示領域群30にポインタを表示する。また、画像生成回路66は、画像処理回路33から被検体PのX線画像を取得し、検査室表示領域群20および操作室表示領域群30の所定の位置に表示させる。また、画像生成回路66は、ネットワーク100を介して接続されたモダリティ101や画像サーバ102から画像データを取得し、検査室表示領域群20および操作室表示領域群30の所定の位置に表示させる。
記憶回路52は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介した通信によりダウンロードされるように構成してもよい。記憶回路52は、検査室表示領域群20のレイアウト(第2のレイアウト)の情報をあらかじめ記憶する。また、記憶回路52は、検査室入力回路22が検査室表示領域群20に、操作室入力回路32が操作室表示領域群30に、それぞれ対応する旨の情報をあらかじめ記憶する。
次に、本実施形態に係る画像処理装置12を含むX線診断装置10の動作の一例について説明する。
図6は、図4に示す処理回路51により、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行う際の手順の一例を示すフローチャートである。図6において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
この手順は、操作室表示領域群30のレイアウト(第2のレイアウト)がOS62に基準レイアウトとして設定されてスタートとなる。
まず、ステップS1において、レイアウト取得機能64は、基準レイアウト以外の表示領域群のレイアウト情報を取得し、記憶回路52に記憶させる。本実施形態では、レイアウト取得機能64は、操作室以外のレイアウトである検査室表示領域群20のレイアウト(第2のレイアウト)の情報を取得する。
次に、ステップS2において、レイアウト取得機能64は、検査室表示領域群20の情報とレイアウト情報とを関連付けて記憶回路52に記憶させる。ステップS1で2以上の表示領域群のそれぞれのレイアウト情報を取得した場合は、レイアウト取得機能64は、各表示領域群の情報とそのレイアウト情報とを関連付けて記憶回路52に記憶させる。
次に、ステップS3において、操作受付機能63は、表示領域群の情報と入力回路の情報とを関連付けて記憶回路52に記憶させる。具体的には、操作受付機能63は、検査室表示領域群20と検査室入力回路22、および操作室表示領域群30と操作室入力回路32をそれぞれ関連付けて記憶回路52に記憶させる。
次に、ステップS4において、操作受付機能63は、入力回路からポインタを操作するための操作信号を受け付ける。本実施形態に係る例では、操作受付機能63は、記憶回路52から表示領域群と入力回路との関連付け情報を読み出す。そして、操作受付機能63は、この関連付け情報にもとづいて、操作室入力回路32からの操作信号については、操作室表示領域群30を注視表示領域群とする第1操作信号として、検査室入力回路22からの操作信号については、検査室表示領域群20を注視表示領域群とする第2操作信号として、それぞれ受け付ける。
次に、ステップS5において、ポインタ制御機能65は、操作受付機能63が受け付けた操作信号に対応する表示領域群に関連付けられたレイアウト情報を記憶回路52から読み出す。そして、ポインタ制御機能65は、画像生成回路66を制御し、操作信号に対応するレイアウトの情報に応じて、ポインタの表示制御を実行する。
たとえば、ポインタ制御機能65は、操作受付機能63から第1操作信号を受けると、OS62から基準レイアウトの情報を取得して、第1のレイアウトに応じてポインタの表示制御を行う。また、ポインタ制御機能65は、操作受付機能63から第2操作信号を受けると、記憶回路52から第2のレイアウトの情報を取得して、第2のレイアウトに応じてポインタの表示制御を行う。
位置P1と位置P2が異なる表示領域にある場合には、ポインタ制御機能65は、第1操作信号が受け付けられると、操作室表示領域群30の表示領域31間のポインタの遷移を第1のレイアウトに応じて制御する(図5(a)参照)。一方、第2操作信号が受け付けられると、ポインタ制御機能65は、検査室表示領域群20の表示領域21間のポインタの遷移を第2のレイアウトに応じて制御する(図5(c)参照)。
次に、ステップS6において、操作受付機能63は、操作信号の受付を終了すべきか否かを判定する。操作信号の受け付けを終了すべき場合としては、たとえばユーザから操作室入力回路32または検査室入力回路22を介して入力操作の終了を所望する旨の指示が入力された場合などがあげられる。操作信号の受け付けを終了すべき場合は、一連の手順は終了となる。一方、操作信号の受け付けを継続すべき場合はステップS4に戻る。
以上の手順により、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行うことができる。
図7(a)は、操作室表示領域群30のうちの1つの表示領域31に対応する表示領域21が検査室表示領域群20には構成されない場合における操作室表示領域群30の一構成例を示す説明図であり、(b)は同場合における検査室表示領域群20の一構成例を示す説明図である。
また、図8(a)は、図6のステップS5で実行されるポインタの表示制御方法の1つとしての進入禁止領域に係るポインタ表示制御の様子の一例を示す説明図であり、(b)は進入禁止領域に係るポインタ表示制御の様子の他の例を示す説明図である。
また、図9は、進入禁止領域に係るポインタ表示制御の設定画面の一例を示す説明図である。
検査室表示領域群20および操作室表示領域群30には、同一の画像が表示されることが多い。しかし、一方の表示領域群の表示領域に対応する表示領域の少なくとも1つが、他方の表示領域群に構成されない場合がある。たとえば、操作室表示領域群30の少なくとも1つの表示領域31と同一の画像を表示する表示領域21が検査室表示領域群20に構成されない場合を考える(図7参照)。この場合において、術者Oが検査室表示領域群20を見ながら検査室入力回路22を介してポインタ操作を行った際、操作室表示領域群30にのみ構成される表示領域にポインタが侵入してしまうと、ユーザはポインタの現在位置を見失ってしまい、大変不便である。この場合、この種の表示領域をポインタの進入禁止領域とすることが好ましい。
また、検査室表示領域群20および操作室表示領域群30に表示される画像には、たとえばユーザが集中して細部にわたる観察を行いたいと所望する画像など、ポインタの画像を重畳させることが好ましくない画像もある。ポインタの画像を重畳させることが好ましくない画像としては、たとえば撮像装置11によりリアルタイムに取得される透視画像をはじめとするX線画像などの医用画像などがあげられる。この種の画像の表示領域も、ポインタの進入禁止領域とすることが好ましい場合がある。
そこで、ポインタ制御機能65は、図6のステップS5において、ポインタの表示制御方法の1つとして、たとえば検査室表示領域群20の一部の表示領域を進入禁止領域に設定し、進入禁止領域の外周をポインタの横断禁止壁71としてあつかう壁制御を行なうとよい。この場合、ポインタ制御機能65は、第2操作信号が受け付けられると、進入禁止領域の外周をポインタの横断禁止壁71としてあつかいつつ、第2のレイアウトに応じて画像生成回路66を介してポインタの表示制御を行う(図8(a)参照)。
また、ポインタ制御機能65は、たとえば検査室表示領域群20の一部の表示領域を進入禁止領域とする場合、この表示領域を進入禁止領域に設定し、進入禁止領域を挟んで位置する表示領域どうしを、隣接する表示領域としてあつかってもよい。この場合、たとえば、進入禁止領域を挟んで対向して位置する表示領域(図8(b)に示す例では表示領域1と3)の対向辺72を同一の座標とし、進入禁止領域を挟んで位置する表示領域どうしをポインタにとっては接合された表示領域としてあつかうジャンプ制御を行なうとよい。この場合は、ポインタ制御機能65は、第2操作信号が受け付けられると、進入禁止領域を挟んで位置する表示領域間を隣接する表示領域としてあつかうことにより、進入禁止領域をジャンプするようポインタの表示制御を行なう(図8(b)参照)。また、壁制御とジャンプ制御とは、組み合わせてもよい(図8(b)、図9参照)。
また、いずれの表示領域を進入禁止領域とするかの設定は、自動設定でもよいし、ユーザによる手動設定でもよい(図9参照)。また、進入禁止領域に係るポインタ表示制御を壁制御、ジャンプ制御またはこれらの組み合わせのいずれとするかは、工場出荷時に設定されてもよいし、ユーザによる設定を受け付けてもよい(おなじく図9参照)。
図10(a)−(c)は、図6のステップS5で実行されるポインタの表示制御方法の1つとしてのポインタの表示態様の変更制御の様子の第1−第3例を示す説明図である。また、図10(d)は、図6のステップS5で実行されるポインタの表示制御方法の1つとしてのポインタの表示開始位置75の一例を示す説明図である。
操作者Qと操作室表示領域群30との距離と、術者Oと検査室表示領域群20との距離とは、大きく異なってしまう場合がある。たとえば図2に示す例の場合、術者Oと検査室表示領域群20との間には、寝台17が存在するため、術者Oと検査室表示領域群20との距離は、操作者Qと操作室表示領域群30との距離よりも遠くなってしまう。この場合、操作室表示領域群30と検査室表示領域群20とで、ポインタの大きさなどの表示態様を同じにしてしまうと、術者Oはポインタを見失ってしまうなどポインタの視認性が悪くなってしまう場合がある。
そこで、ポインタ制御機能65は、図6のステップS5において、ポインタの表示制御方法の1つとして、注視表示領域群ごとに、ポインタの表示態様を変更してもよい。この場合、たとえば第1の操作信号を受け付けた場合のポインタの表示態様と第2の操作信号を受け付けた場合のポインタの表示態様が異なることになる。変更するポインタの表示態様としては、たとえば、ポインタの大きさ(図10(a)参照)、ポインタの形状(図10(b)参照)などのほか、軌跡(図10(c)参照)や波紋などのアニメーション表示や、色、輝度などが挙げられる。アニメーション表示としては他にも、一時的にポインタを拡大し、所定時間後に元の大きさに縮小する、あるいは所定周期でこの拡大縮小を繰り返す、などであってもよい。
また、基準レイアウトに対応する入力回路の操作に対するポインタの表示態様は、OS62の設定に従ってもよいし、ポインタ制御機能65によるポインタ表示制御動作の一部として制御されてもよい。
また、ユーザがポインタを見失うことを未然に防ぐためのポインタの表示制御方法としては、他にも、注視表示領域群ごとに、所定の表示開始位置75をあらかじめ定めておいてもよい。この場合、ポインタ制御機能65は、図6のステップS5において、ポインタの表示制御方法の1つとして、第1操作信号が受け付けられると、第1の開始位置からポインタの表示および移動を開始する一方、第2操作信号が受け付けられると、第2の開始位置からポインタの表示および移動を開始するようポインタを表示制御するとよい。この第1の開始位置および第2の開始位置は、たとえば、あらかじめユーザにより、それぞれ操作室表示領域群30および検査室表示領域群20上で視認しやすい位置に設定されるとよい。
図11(a)は、操作室入力回路32用のポインタ81と検査室入力回路22用のポインタ82の画像が同時に表示された操作室表示領域群30の表示例を示す説明図であり、(b)はポインタ81および82が同時に表示された検査室表示領域群20の表示例を示す説明図である。
ポインタ制御機能65は、図11に示すように、操作室入力回路32用のポインタ81と検査室入力回路22用のポインタ82の画像を同時に表示させ、各ポインタ81および82を独立に表示制御してもよい。この場合、ポインタ制御機能65は、第1操作信号に対応するポインタ81および第2操作信号に対応するポインタ82を、操作室表示領域群30および検査室表示領域群20に同時に表示させる。
そして、ポインタ制御機能65は、第1操作信号が受け付けられると、第1のレイアウトに応じて、ポインタ81の表示制御を行う。このとき、ポインタ81は、検査室表示領域群20上では操作者Qの直感とは異なる動きをすることになるが、操作者Qは、検査室表示領域群20ではなく操作室表示領域群30を確認しながら操作室入力回路32を操作していると考えられるため、操作者Qにとってのポインタ81の操作性を損なうことはない。同様に、ポインタ制御機能65は、第2操作信号が受け付けられると、第2のレイアウトに応じて、ポインタ82の表示制御を行う。
各ポインタ81および82を独立に、それぞれ対応するレイアウトに適した表示制御を行なう場合、たとえば操作者Qおよび術者Oが、それぞれポインタ81および82を同一の医用画像上で駆使しながら、容易に意思を疎通し議論をかわすことができる。
図12は、検査室表示領域群20が1つの大画面ディスプレイにより構成される場合における、画像処理装置12の情報処理装置34の内部構成例を概略的に示すブロック図である。
図12に示す情報処理装置34は、レイアウト取得機能64が、大画面ディスプレイで構成された検査室表示領域群20を制御するモニタコントローラ91から第2のレイアウトの情報を取得する点で図4に示す情報処理装置34と異なる。他の構成および作用については図5に示す情報処理装置34と実質的に異ならないため説明を省略する。なお、図12において、検査室の撮像装置11および画像処理回路33は、図面の煩雑さを避けるため図示を省略した。
大画面ディスプレイを用いる場合、一般に、大画面ディスプレイを制御するためのモニタコントローラ91が用いられる。モニタコントローラ91は、大画面ディスプレイ内における複数の表示領域21の配置を変更可能に構成される。
モニタコントローラ91を用いる場合、大画面ディスプレイに対応する入力回路は、一般に、モニタコントローラ91に対して直接接続され、モニタコントローラ91に操作信号を与える。モニタコントローラ91は、直接接続された入力回路の操作信号にもとづいて、大画面モニタ上でポインタの表示制御を行なう。
一方、本実施形態に係る情報処理装置34は、検査室表示領域群20が大画面ディスプレイで構成される場合であっても、検査室入力回路22の操作信号(第2操作信号)は操作受付機能63で受け付ける。また、レイアウト取得機能64は、検査室表示領域群20の大画面ディスプレイ内のレイアウトの情報を、モニタコントローラ91からあらかじめ取得して記憶回路52に記憶させておく。このため、モニタコントローラ91により大画面ディスプレイ内における複数の表示領域21の配置を変更可能に構成しつつ、情報処理装置34により互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行うことができる。
図13は、図12に示す処理回路51により、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行う際の手順の一例を示すフローチャートである。図13において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。なお、図6と同等のステップには同一符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、ステップS11において、モニタコントローラ91は、検査室表示領域群20を構成する大画面ディスプレイ内における、複数の表示領域21の配置を変更する。
次に、ステップS12において、レイアウト取得機能64は、検査室表示領域群20のレイアウト(第2のレイアウト)の情報を、モニタコントローラ91から取得する。
そして、ステップS2において、図6に示す手順と同様に、レイアウト取得機能64は、検査室表示領域群20の情報とモニタコントローラ91から取得したレイアウト情報とを関連付けて、記憶回路52に記憶させ、ステップS3へ進む。
以上の手順により、大画面ディスプレイを制御するためのモニタコントローラ91が用いられる場合であっても、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行うことができる。
これまで、X線アンギオ装置などでは、操作室と検査室のそれぞれに複数のディスプレイが配置され、同じ画面を見ながら検査が行われていた。しかし、各部屋のディスプレイレイアウトは必ずしも同一ではなかった。このとき、一方のディスプレイレイアウトにとって適切なポインタ制御を行なう場合、この制御が必ずしも他方のディスプレイレイアウトにとって適切なポインタ制御となるとは限らず、ユーザは、ポインタの操作に多大なストレスを抱える恐れがあった。
この点、本実施形態に係る画像処理装置12を含むX線診断装置10は、互いにディスプレイレイアウトが異なる2以上の表示領域群のそれぞれについて、各表示領域群のレイアウトに適したポインタ表示制御を行うことができる。このため、ディスプレイレイアウトの違いによるポインティングデバイスの操作性の低下(図5(b)参照)を防ぐことができる。このため、本実施形態に係るX線診断装置10によれば、ユーザは直感的なポインタ操作を行なうことができ、非常に利便性が高い。
また、本実施形態に係るX線診断装置10は、複数の表示領域の一部を、ポインタの進入禁止領域とすることができる。このため、進入禁止領域としてたとえば検査に重要な画像を表示している領域を設定した場合、ポインタにより検査を邪魔されることがなく、検査の精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係るX線診断装置10は、ユーザとディスプレイの距離に応じてポインタの表示態様を変更することができる。このため、ユーザがポインタを見失うことを未然に防ぐことができる。したがって、本実施形態に係るX線診断装置10によれば、ユーザはポインタの操作をストレスなく行なうことができるとともに、作業の効率を向上させることができる。
また、一般に、OS62の基準レイアウトを変更する場合には、所定の待機時間が発生してしまうことが多い。このため、OS62の基準レイアウトを1つのレイアウトに固定しておきつつ、注視表示領域群のレイアウトに適したポインタの表示制御を行なう場合には、注視表示領域群が変更されるたびに注視表示領域群のレイアウトをOS62の基準レイアウトに設定する場合に比べ、設定変更に要する遅延時間を短縮することができる。
なお、検査室入力回路22および操作室入力回路32は、1つのポインティングデバイスにより共用されてもよい。この場合、ユーザがどちらの表示領域群を見ながらポインタを操作しようとしているかの情報、すなわち1つのポインティングデバイスから出力される操作信号が第1操作信号か第2操作信号かの情報、については、ユーザにより当該ポインティングデバイスやキーボードなどを介してどの表示領域群を見ながらポインティングデバイスを操作したいかの情報が与えられてもよいし、図示しないカメラや赤外線センサなどによる人物検知に係る出力信号にもとづいて、注視表示領域群を操作受付機能63が自動判定してもよい。
また、ポインタが1つであって検査室入力回路22および操作室入力回路32が別のポインティングデバイスで構成される場合、両ポインティングデバイスの同時使用による混乱を未然に防ぐため、いずれかの入力回路に対して事前に優先使用の権利を与えておくとよい。
また、横断禁止壁71は、いわゆるワープ可能な壁として振る舞ってもよい。この場合、たとえば図8(b)に示す例では、表示領域5の内部を表示領域2に向かって進むポインタは、表示領域5の上辺からワープして表示領域5の下辺に現れてもよい。
また、本実施形態における処理回路51の操作受付機能63およびポインタ制御機能65は、特許請求の範囲における操作受付部およびポインタ制御部にそれぞれ対応する。
また、本実施形態におけるコントローラ19、画像処理回路33、処理回路51および画像生成回路66に係る「プロセッサ」という文言は、たとえば、専用または汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(たとえば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路52に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
なお、記憶回路52にプログラムを保存するかわりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成してもよい。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで各種機能を実現する。また、図4には単一の処理回路51が各機能を実現する場合の例について示したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路51を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能を実現してもよい。また、プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶媒体は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、図4の記憶回路52が全てのプロセッサの機能に対応するプログラムを一括して記憶してもよい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。