JP6639501B2 - 生体臓器模型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生体臓器模型の製造方法に関する。
従来、外科医の手術トレーニングには、実物の生体臓器に似せた生体臓器模型が使用されている。例えば、特許文献1の[請求項1]には、「平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含有することを特徴とする臓器モデル用成形材料」が開示されている。
特開2010−277003号公報
例えば、実際の肝臓の内部には、肝静脈、肝動脈、門脈、胆管などの生体管が張り巡らされている。また、腫瘍ができている場合もある。このため、生体管および/または腫瘍を模した模型(臓器内模型)を内包した生体臓器模型を用いれば、より実用的であり、とりわけ、患者固有の生体管および/または腫瘍を模した臓器内模型を内包させれば、非常に精緻な手術トレーニングおよび手術前カンファレンス等が可能となる。
もっとも、臓器内模型を、生体臓器模型の内部の正確な位置に配置することには、困難性がある。
そこで、本発明は、生体管模型などの臓器内模型を内包した生体臓器模型を簡便に得られる生体臓器模型の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により上記目的が達成されることを見出した。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供する。
[1]生体管模型および腫瘍模型からなる群から選ばれる少なくとも1種の模型である臓器内模型と、上記臓器内模型を支持するための支持棒と、生体臓器の形態に対応した内面形状を有する雌型とを準備する工程と、上記臓器内模型を上記支持棒の一端に取り付け、上記支持棒の他端を上記雌型の内面に取り付けることによって、上記臓器内模型を上記雌型の内部空間に配置する工程と、上記内部空間に、水溶性ポリマーおよび水を含有する前駆体組成物に注入し、水溶性ポリマーおよび水を含有するゲル体を生成させる工程と、上記ゲル体から上記雌型を離型させて、上記臓器内模型の一部または全部を内包した上記ゲル体からなる生体臓器模型を得る工程と、を備える生体臓器模型の製造方法。
[2]上記生体臓器模型を得る際に、上記支持棒を除去する、上記[1]に記載の生体臓器模型の製造方法。
[3]上記支持棒を上記雌型から抜き取ることによって、上記支持棒を除去する、上記[2]に記載の生体臓器模型の製造方法。
[4]上記支持棒を上記ゲル体に溶解させることによって、上記支持棒を除去する、上記[2]に記載の生体臓器模型の製造方法。
[5]上記ゲル体と同質の上記支持棒を用い、上記支持棒を上記ゲル体と一体化させることによって、上記支持棒を除去する、上記[2]に記載の生体臓器模型の製造方法。
[6]上記生体管模型が、中空の生体管模型の中に模擬体液が注入された模擬体液入り生体管模型である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の生体臓器模型の製造方法。
[7]上記生体管模型を、冷却固化してから、上記支持棒の一端に取り付けて上記内部空間に配置する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の生体臓器模型の製造方法。
[8]上記前駆体組成物および上記ゲル体が、更に、ゼラチンを含有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の生体臓器模型の製造方法。
本発明によれば、生体管模型などの臓器内模型を内包した生体臓器模型を簡便に得られる生体臓器模型の製造方法を提供できる。
図1Aは、生体管模型の製造方法の好適態様の一例を示す断面図であり、雄型および前駆体組成物を準備した状態を示す。 図1Bは、生体管模型の製造方法の好適態様の一例を示す断面図であり、雄型に前駆体組成物を接触させた状態を示す。 図1Cは、生体管模型の製造方法の好適態様の一例を示す断面図であり、ゲル皮膜によって雄型の表面を被覆した状態を示す。 図1Dは、生体管模型の製造方法の好適態様の一例を示す断面図であり、ゲル皮膜から雄型を離型させた状態を示す。 図2は、模擬体液が注入された生体管模型の好適態様の一例を示す断面図である。 図3は、腫瘍模型の好適態様の一例を示す断面図である。 図4は、支持棒の好適態様の一例を示す断面図である。 図5Aは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第1の好適態様の一例を示す断面図であり、生体管模型を雌型の内部空間に配置した状態を示す。 図5Bは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第1の好適態様の一例を示す断面図であり、雌型の内部空間に前駆体組成物を注入した状態を示す。 図5Cは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第1の好適態様の一例を示す断面図であり、ゲル体から雌型を離型させた状態を示す。 図6Aは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第2の好適態様の一例を示す断面図であり、生体管模型を雌型の内部空間に配置した状態を示す。 図6Bは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第2の好適態様の一例を示す断面図であり、雌型の内部空間に前駆体組成物を注入した状態を示す。 図6Cは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第2の好適態様の一例を示す断面図であり、ゲル体から雌型を離型させた状態を示す。 図7Aは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第3の好適態様の一例を示す断面図であり、生体管模型を雌型の内部空間に配置した状態を示す。 図7Bは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第3の好適態様の一例を示す断面図であり、雌型の内部空間に前駆体組成物を注入した状態を示す。 図7Cは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第3の好適態様の一例を示す断面図であり、ゲル体から雌型を離型させた状態を示す。
以下、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
以下においては、まず、本発明の生体臓器模型の製造方法に用いる生体管模型、腫瘍模型、および、支持棒について説明した後、本発明の生体臓器模型の製造方法を説明する。
なお、以下においては、生体管模型および腫瘍模型からなる群から選ばれる少なくとも1種の模型を「臓器内模型」ともいう。
[生体管模型]
本発明に用いる生体管模型を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、生体管の形態に対応した形状を有する雄型の表面に、水溶性ポリマーおよび水を含有する前駆体組成物を接触させて、水溶性ポリマーおよび水を含有するゲル皮膜によって上記雄型の表面を被覆する工程と、上記ゲル皮膜から上記雄型を離型させて、上記ゲル皮膜からなる中空の生体管模型を得る工程と、を備える方法が好適に挙げられる。
こうして、雄型の表面にゲル皮膜を形成した後に離型するだけで、この雄型の形状が転写されたゲル皮膜からなる中空の生体管模型が簡便に得られる。
〔生体管模型の製造方法の好適態様〕
以下、図1A〜図1Dおよび図2に基づいて、生体管模型の製造方法の好適態様を、概略的に説明する。
図1A〜図1Dは、生体管模型の製造方法の好適態様の一例を示す断面図である。図1Aは、雄型および前駆体組成物を準備した状態を示し、図1Bは、雄型に前駆体組成物を接触させた状態を示し、図1Cは、ゲル皮膜によって雄型の表面を被覆した状態を示し、図1Dは、ゲル皮膜から雄型を離型させた状態を示す。
まず、図1Aに示すように、雄型11を準備する。
雄型11は、生体管を模した生体管模型を得るための鋳型(中子)である。ここで、生体管としては、生体における管構造を有する器官であれば特に限定されず、静脈、動脈、門脈などの血管のほか、例えば、胆管、尿管などが挙げられる。なお、図1Aには、一例として、樹枝状の肝静脈の形態に対応した形状を有する雄型11を示している。
雄型11の材質としては、特に限定されないが、後述する理由から、例えば軟質のゴム状ポリマー物質などの柔軟性を有する材質であることが好ましい。
また、雄型11の製造方法は、特に限定されないが、実物に即した形状が得られることから、3D(三次元)プリンタを用いて製造することが好ましい。なお、3Dプリンタには、血管などの生体管の3Dデータが使用されるが、このとき、患者固有のデータを(適宜加工したうえで)用いることによって、より精緻な生体管模型が得られる。
そして、雄型11に突起11aを形成する。突起11aは、生体管自体が有する部位ではなく、後述する支持棒71の支持穴71a(図4参照)に対応した形状を有する部位である。突起11aの形状は、支持穴71aに嵌り合う形状であれば特に限定されず、例えば、三角柱形状が挙げられるが、これに限定されない。なお、図1Aにおいては、突起11aを1個だけ形成した態様を示しているが、雄型11には、必要に応じて、2個以上の突起11aが形成される。
また、図1Aに示すように、前駆体組成物21も準備する。
前駆体組成物21は、少なくとも、水溶性ポリマーおよび水を含有する。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)が挙げられる。
ポリビニルアルコール(PVA)は、一般的には、酢酸ビニルモノマーが重合したポリ酢酸ビニルをケン化して得られる。
本発明に用いるポリビニルアルコールとしては、特に限定されず、従来公知のポリビニルアルコールを適宜使用できる。
例えば、ポリビニルアルコールの粘度法により求められる平均重合度(粘度平均重合度)は、300〜3500が好ましく、500〜3000がより好ましく、1000〜2500が更に好ましい。
また、ポリビニルアルコールのケン化度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、98モル%以上が更に好ましい。なお、ケン化度の上限には限定がなく、高ければ高いほど好ましく、完全ケン化のポリビニルアルコールが特に好ましい。
ポリビニルアルコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーの濃度は、前駆体組成物21の全体の質量に対して、例えば、4〜20質量%が挙げられ、5〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
なお、前駆体組成物21は、そのほか、必要に応じて、任意の添加剤を含んでいてもよい。
次いで、図1Bに示すように、雄型11の表面に前駆体組成物21を接触させる。なお、図1Bには、一例として、容器に入れた前駆体組成物21に雄型11を浸漬する態様を示しているが、これに限定されず、前駆体組成物21を、例えば、刷毛、スプレー等の器具を用いて、雄型11の表面に塗布してもよい。
このとき、当然、突起11aの表面にも、前駆体組成物21が接触する。
次に、図1Cに示すように、雄型11の表面をゲル皮膜22によって被覆する。ゲル皮膜22は、前駆体組成物21がゲル化した皮膜である。このため、ゲル皮膜22は、前駆体組成物21と同様に、少なくとも水溶性ポリマーおよび水を含有する。ゲル皮膜22は、突起11aを含む雄型11の形状を反映している。
図1A〜図1Cに基づいて説明した工程においては、予め冷却した雄型11を前駆体組成物21に浸漬することによって、雄型11の表面にゲル皮膜22を析出させる態様が好ましい。
より具体的には、例えば、まず、予め雄型11を例えば−10℃以下程度に冷却しておき、かつ、前駆体組成物21として、上述したように、ポリビニルアルコールおよび水を含有するPVA水溶液を準備する(図1A参照)。次いで、冷却しておいた雄型11をPVA水溶液である前駆体組成物21に、10〜60秒間程度浸漬させる(図1B参照)。すると、雄型11の表面付近の前駆体組成物21は、冷却されて凍結し、ゲル化する。その後、雄型11を前駆体組成物21から引き上げて、解凍することによって、雄型11の表面にゲル皮膜22が形成される(図1C参照)。
このように、予め冷却した雄型11を前駆体組成物21に浸漬してゲル皮膜22を析出させる態様であれば、ゲル皮膜22を雄型11の表面上において均一にかつ短時間で形成できるため、好ましい。
特に、雄型11が樹枝状などの複雑な形状を有する場合に、刷毛塗り等を用いて前駆体組成物21を塗布すると塗り残し等が発生しやすいが、浸漬であれば、雄型11の表面上に、塗り残し等が発生しにくく、均一かつ短時間に塗布できる。
そして、実質的に、冷却した雄型11を浸漬して引き上げるだけでゲル皮膜22が形成されるため、加熱処理等の煩雑な処理を伴うことなく簡便に、ゲル皮膜22を、均一な膜厚で短時間に形成できる。
なお、上記態様に限定されることはなく、例えば、前駆体組成物21として、ポリビニルアルコールおよび水のほかに、更に、ホウ酸イオンを含有する水溶液を使用してもよい。この場合、雄型11を予め冷却することなく、この水溶液を雄型11の表面に接触させた後、加熱等の効果処理等を施すことによって、ゲル皮膜22が形成される。
次に、図1Dに示すように、ゲル皮膜22から雄型11を離型(脱離)させて、ゲル皮膜22からなる中空の生体管模型31を得る。ここでは、肝静脈の形態に対応した形状を有する雄型11を用いたので、生体管模型31として、肝静脈を模した血管模型が得られる。
そして、図1Dに示すように、生体管模型31には、雄型11の突起11aの形状を反映した、ゲル皮膜22からなる突起22aが形成される。
雄型11を離型させる方法は特に限定されないが、例えば、図1Cに示すように、雄型11の表面上にゲル皮膜22が閉じていない貫通孔33を形成しておき、図1Dに示すように、貫通孔33から雄型11を引き抜く方法が挙げられる。この方法であれば、簡便に、雄型11をゲル皮膜22から脱離させることができる。
このとき、雄型11は、柔軟性を有する軟質材料からなることが好ましい。柔軟性を有する雄型11を用いれば、ゲル皮膜22から引き抜く際に、ゲル皮膜22の形状に沿って変形しやすく、ゲル皮膜22を傷付けにくくなる。
なお、「柔軟性を有する」とは、押す、曲げる、ひねる等の外力を加えた際に、破壊または破損することなく変形することを意味する。
図2は、模擬体液が注入された生体管模型の好適態様の一例を示す断面図である。
中空の生体管模型31(図1D参照)は、そのまま使用してもよいが、図2に示すように、生体管模型31の中に体液を模した模擬体液32を例えば貫通孔33から注入してもよい。これにより、生体管模型31は、より実物に即した模型となる。模擬体液32としては、例えば、血液を模した模擬血液などが挙げられる。
生体管模型31は、後述するように、雌型を用いて形成される生体臓器模型に内包される。このとき、液体である模擬体液32が注入された状態の生体管模型31は、雌型の内部空間に配置する際のハンドリング性が劣る可能性があるため、一例として、図示しないクリップ等によって貫通孔33が密閉され、適宜、形状が整えられた後、冷却固化した状態で使用される。
なお、模擬体液32が注入されていない中空状態の生体管模型31を、冷却固化して使用してもよい。
[腫瘍模型]
図3は、腫瘍模型の好適態様の一例を示す断面図である。図3に示す腫瘍模型81は、一例として肝臓にできた腫瘍を模した模型であり、例えば、後述する生体臓器模型61と同様にして製造される。
腫瘍模型81には、突起81aが形成されている。突起81aは、腫瘍模型81が模している腫瘍が有する部位ではなく、後述する支持棒71の支持穴71a(図4参照)に対応した形状を有する部位である。突起81aの形状は、支持穴71aに嵌り合う形状であれば特に限定されず、例えば、三角柱形状が挙げられるが、これに限定されない。なお、図3においては、突起81aを1個だけ形成した態様を示しているが、必要に応じて、2個以上の突起81aが形成される。
[支持棒]
図4は、支持棒の好適態様の一例を示す断面図である。図4に示す支持棒71は、生体管模型31などを、後述する雌型51の内部空間52に配置する際に用いる。支持棒71の形状は、特に限定されず、例えば、円柱形状が挙げられるが、これに限定されない。
支持棒71の一端面には、支持穴71aが形成されている。支持穴71aの形状は、上述した、生体管模型31の突起11aおよび腫瘍模型81の突起81aが嵌り合う形状であれば特に限定されない。
支持穴71aに突起11aを嵌め込むことによって、支持棒71の一端に生体管模型31が取り付けられる。腫瘍模型81も同様である。
なお、支持棒71は、最終的に得られる生体臓器模型61においては不要な部材であることから、後述するように、生体臓器模型61を得る際に除去されることが好ましい。この除去の方法に応じて、支持棒71の材質が選択される。支持棒71の材質については、後述する。
[生体臓器模型の製造方法]
次に、本発明の生体臓器模型の製造方法について説明する。
本発明の生体臓器模型の製造方法は、生体管模型および腫瘍模型からなる群から選ばれる少なくとも1種の模型である臓器内模型と、上記臓器内模型を支持するための支持棒と、生体臓器の形態に対応した内面形状を有する雌型とを準備する工程と、上記臓器内模型を上記支持棒の一端に取り付け、上記支持棒の他端を上記雌型の内面に取り付けることによって、上記臓器内模型を上記雌型の内部空間に配置する工程と、上記内部空間に、水溶性ポリマーおよび水を含有する前駆体組成物に注入し、水溶性ポリマーおよび水を含有するゲル体を生成させる工程と、上記ゲル体から上記雌型を離型させて、上記臓器内模型の一部または全部を内包した上記ゲル体からなる生体臓器模型を得る工程と、を備える生体臓器模型の製造方法である。
本発明によれば、生体管模型などの臓器内模型を内包した生体臓器模型を簡便に得られる。このとき、支持棒を用いることによって、生体管模型などの臓器内模型を、生体臓器模型の内部の正確な位置に配置できる。こうして得られた生体臓器模型を用いることによって、より実物に即した手術トレーニング等が可能となる。
〔生体臓器模型の製造方法の好適態様〕
〈抜き取り式〉
以下、図5A〜図5Cに基づいて、本発明の生体臓器模型の製造方法の第1の好適態様を、概略的に説明する。
図5A〜図5Cは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第1の好適態様の一例を示す断面図である。図5Aは、生体管模型を雌型の内部空間に配置した状態を示し、図5Bは、雌型の内部空間に前駆体組成物を注入した状態を示し、図5Cは、ゲル体から雌型を離型させた状態を示す。
まず、図5Aに示すように、雌型51が形成する内部空間52に生体管模型31を配置する。雌型51は、肝臓などの生体臓器を模した生体臓器模型を得るための鋳型であり、例えば硬質材料からなる。雌型51についても、雄型11と同様の理由から、3D(三次元)プリンタを用いて製造することが好ましい。
ここでは、一例として、肝臓の形態に対応した内面形状を有する雌型51を示している。すなわち、雌型51の内面形状によって、肝臓の形態に模した内部空間52が形成されている。なお、雌型51には、前駆体組成物41(図5B参照)を内部空間52に注入するための注入孔53が貫通形成されている。
また、雌型51には、支持棒71が差し込まれる形状を有する差込穴51aが形成されている。
生体管模型31は、一例として、上述したように冷却固化された状態で、内部空間52に配置される。このとき、まず、生体管模型31の突起22aを、支持棒71の支持穴71aに嵌め込みつつ、支持棒71の他端を、差込穴51aに差し込む。こうして、生体管模型31が内部空間52に配置される。
次に、図5Bに示すように、前駆体組成物41を注入孔53から注入して内部空間52を充填し、内部空間52の形状が反映されたゲル体42(図5C参照)を生成させる。
ここで、前駆体組成物41としては、上述した前駆体組成物21と同じ組成物(水溶性ポリマーとしてPVAを含有する水溶液)を好適に使用できる。
前駆体組成物41は、更に、ゼラチンを含有することが好ましい。これにより、得られるゲル体42もゼラチンを含有するが、2種以上のゲルが相分離した構造が形成され、実物の生体臓器(特に肝臓)における特有の脆さが再現される。ゼラチンの濃度は、前駆体組成物41の全体の質量に対して、0.1〜8.0質量%が好ましく、0.3〜5.0質量%がより好ましい。
更に、前駆体組成物41は、塩化ナトリウム等の電解質を含有することが好ましい。これにより、ゲル体42は、一定の電気伝導率を有するため、高周波電気メスを用いて組織のタンパク質を凝固させながら切離する感触に関して、実物との類似性が高くなる。電解質の濃度は、前駆体組成物41の全体の質量に対して、0.15〜2.00質量%が好ましく、0.15〜1.90質量%がより好ましい。
前駆体組成物41は、そのほか、必要に応じて、任意の添加剤を含んでいてもよい。
ゲル体42は、前駆体組成物41がゲル化したゲル体である。このため、ゲル体42は、前駆体組成物41と同様に、少なくとも水溶性ポリマーおよび水を含有する。
ゲル体42を生成させる方法としては特に限定されないが、例えば、前駆体組成物41として、水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール(PVA)および水を含有するPVA水溶液を使用し、この前駆体組成物41が注入された状態の雌型51を、例えば−10℃以下程度下で、1〜10時間程度冷却し、その後、解凍することによって、ゲル体42が得られる。PVA水溶液は、上記冷却によって凍結するが、このとき、ゲル化する。
次に、図5Cに示すように、ゲル体42から雌型51を離型させる。雌型51は一例として分割できるように構成されており、雌型51を型開きすることによって、生体管模型31を内包したゲル体42からなる生体臓器模型61を取り出すことができる。
このとき、雌型51の差込穴51aに差し込まれている支持棒71は、雌型51と一体的に移動し、ゲル体42から抜き取られる。
なお、図5Cにおいては、生体臓器模型61の大きさに対して支持棒71を太く図示しているため、支持棒71が抜き取られることによって、ゲル体42には比較的大きな間隙が形成されている。しかし、実際には、支持棒71を細くすれば、ゲル体42に間隙が形成されても問題は生じない。
本態様における支持棒71は、例えば硬質材料からなり、雌型51と同様に例えば3Dプリンタを用いて製造される。
なお、上記解凍後においては、生体管模型31に注入されている模擬体液32も液化している場合がある。しかし、その場合にも、生体管模型31の貫通孔33(図2等参照)がゲル体42によって覆われていれば、模擬体液32が生体臓器模型61から漏出することが防止される。
〈溶解式〉
次に、図6A〜図6Cに基づいて、本発明の生体臓器模型の製造方法の第2の好適態様を、概略的に説明する。
図6A〜図6Cは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第2の好適態様の一例を示す断面図である。図6Aは、生体管模型を雌型の内部空間に配置した状態を示し、図6Bは、雌型の内部空間に前駆体組成物を注入した状態を示し、図6Cは、ゲル体から雌型を離型させた状態を示す。
図5A〜図5Cに基づいて説明した部分と同じ部分については同じ符号を示し、説明を省略する。
本態様においては、支持棒71を例えば氷によって形成する。例えば、支持棒71の形態を反映した内部形状を有する雌型を作製し、この雌型に水を注入し、冷凍することによって、氷によって形成された支持棒71を作製する。
このようにして作製された支持棒71は、水を含有する前駆体組成物41がゲル化したゲル体42が生成される過程において、溶解し、ゲル体42に取り込まれて、消失する(図6C参照)。このため、本態様は、図5A〜図5Cに基づいて説明した態様のように、支持棒71を抜き取る作業が発生したり、ゲル体42に間隙が形成されたりすることがないため、好ましい。
〈一体化式〉
次に、図7A〜図7Cに基づいて、本発明の生体臓器模型の製造方法の第3の好適態様を、概略的に説明する。
図7A〜図7Cは、本発明の生体臓器模型の製造方法の第3の好適態様の一例を示す断面図である。図7Aは、生体管模型を雌型の内部空間に配置した状態を示し、図7Bは、雌型の内部空間に前駆体組成物を注入した状態を示し、図7Cは、ゲル体から雌型を離型させた状態を示す。
図5A〜図5Cに基づいて説明した部分と同じ部分については同じ符号を示し、説明を省略する。
本態様においては、ゲル体42と同質の支持棒71を用いる。例えば、支持棒71の形態を反映した内部形状を有する雌型を作製し、この雌型に前駆体組成物41を注入し、ゲル体42と同質の支持棒71を作製する。
このようにして作製された支持棒71は、生体臓器模型61となるゲル体42と一体化する(図7C参照)。このため、本態様は、図5A〜図5Cに基づいて説明した態様のように、支持棒71を抜き取る作業が発生したり、ゲル体42に間隙が形成されたりすることがないため、好ましい。
なお、本態様においては、図7Cに示すように、得られる生体臓器模型61において、差込穴51aの分だけ支持棒71に由来する凸部が形成され得るが、適宜削除すればよい。
なお、生体臓器模型61の表面などには、より実物の生体臓器に近似させるため、必要に応じて、襞、皺、血管などに見立てた表面薄膜などを形成してもよい。
このようにして得られた生体臓器模型61は、生体管を模した生体管模型31を内包しているため、手術の手技練習用の生体臓器模型としてより実用的である。このとき、生体管模型31として、患者固有の生体管を模した生体管模型を用いれば、非常に精緻な手術トレーニングおよび手術前カンファレンス等が可能となる。
そして、本発明によれば、支持棒71を用いることによって、雌型51の内部空間52における任意の位置に、生体管模型31などの臓器内模型を自在に配置できるため、より精緻な生体臓器模型61が得られる。
なお、上記態様においては、1つの生体管模型31のみが内部空間52に配置される態様を示したが、2つ以上の生体管模型31が配置されてもよいし、更に、腫瘍模型81が配置されてもよい。
また、上記態様においては、生体管模型31が1個の突起22aを有し、かつ、1本の支持棒71のみを使用する態様を示したが、これに限定されず、1つの生体管模型31に2個以上の突起22aが形成され、2本以上の支持棒71を使用してもよい。これにより、生体管模型31が複雑な形状であっても、その形状を維持した状態で、生体臓器模型61に内包させることができる。
なお、以上の記載においては、主として、ヒトの肝臓に似せた肝臓模型を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、その他の生体臓器としては、例えば、脳、心臓、食道、胃、膀胱、小腸、大腸、腎臓、膵臓、脾臓、子宮などが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
(血管模型の作製)
まず、3Dプリンタ(ストラタシス社製、商品名:Objet260 Connex)を用いて、肝臓血管(肝静脈、肝動脈および門脈)の形態に対応した形状を有する雄型を作製した。3Dプリンタにおいて使用する肝臓血管の3Dデータは、3次元画像解析システム(富士フイルム社製、商品名:ボリュームアナライザー SYNAPSE VINCENT)から取得したある個人の3Dデータを用いた。このとき、データを追加して、作製される雄型には、一辺5mmの三角柱の突起を3個形成した。雄型の材質となる3Dプリンタのインクとしては、ラバーライクなTangoPlus(ストラタシス社製)を用いた。
作製した雄型を、ドライアイスによって冷却したメタノールに浸漬して冷却した。次いで、冷却した雄型を、速やかに、粘度平均重合度が1700であり、ケン化度が約99.3モル%以上であるポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:クラレポバールPVA−117H)13質量%水溶液(前駆体組成物)中に30秒間浸漬し、雄型の表面にポリビニルアルコールゲル(ゲル皮膜)を析出させた。なお、析出したゲル皮膜を更に結晶化させ固化させるため、ゲル皮膜によって被覆された雄型を、前駆体組成物から引き上げた後、更に、ドライアイスによって冷却したメタノールに10分間浸漬した。その後、ゲル皮膜によって被覆された雄型を、室温(25℃)に放置し、ゲル皮膜が軟らかく伸縮自在になったところで、ラバーライクな雄型を引き抜き、ゲル皮膜からなる中空の血管模型を得た。血管模型には、雄型に設けた突起を反映した形状の突起が形成されていた。
このようにして、肝静脈、肝動脈および門脈を模した血管模型を作製した。
次に、まず、水1Lに、食用色素 赤(共立食品社製)0.60gおよび食用色素 緑(共立食品社製)0.06gを添加して、模擬血液を作製した。次いで、この模擬血液を、先に作製した中空の血管模型の貫通孔から注入し、模擬血液入り血管模型を得た。
そして、模擬血液入り血管模型については、模擬血液を注入した後、貫通孔をクリップによって密閉し、メタノール中において形状を整えた後、このメタノールにドライアイスを浸漬して、氷冷固化した。
(胆管模型の作製)
血管模型と同様にして、胆管模型を作製した。胆管模型も血管模型と同様にして氷冷固化した。
(腫瘍模型の作製)
まず、腫瘍の形態に対応した内面形状を有する雌型を、3Dプリンタ(ストラタシス社製、商品名:Objet260 Connex)を用いて作製した。より具体的には、腫瘍の表面部分のデータを用い、腫瘍全体を覆い、更に腫瘍表面よりも最低1cmの肉厚になるような長方形データを作成し、この長方形データについて、腫瘍データをブーリアン演算によりくり抜き、更に、注液用の直径1cmの注入孔を開け、更に、固化したゲル体を取り外せるように3個に分割した。更に、この雌型を用いて作製される腫瘍模型の表面に一辺5mmの三角柱の突起が形成されるように、雌型の内面に、この突起形状に対応した穴を形成した。雌型の材質となる3Dプリンタのインクとしては、VeroClear(ストラタシス社製)を用いた。
この雌型を組み立てて、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:クラレポバールPVA−117H)13質量%水溶液(前駆体組成物)を注入して、−20℃に冷却してゲル化した。室温(25℃)に戻した後、雌型からゲル体を抜き取り、突起が形成された腫瘍模型を得た。
(支持棒の作製)
(抜き取り式)
直径8mmの円柱状の支持棒を、3Dプリンタ(ストラタシス社製、商品名:Objet260 Connex)を用いて作製した。支持棒の一端面には、血管模型、胆管模型、および、腫瘍模型に設けた突起が嵌る形状の支持穴を形成した。支持棒の材質となる3Dプリンタのインクとしては、VeroClear(ストラタシス社製)を用いた。
(溶解式)
上記支持棒の形態を反映した内面形状を有する雌型を、3Dプリンタ(ストラタシス社製、商品名:Objet260 Connex)を用いて作製した。この雌型を用いて、氷によって支持棒を作製した。
(一体化式)
上記支持棒の形態を反映した内面形状を有する雌型を、3Dプリンタ(ストラタシス社製、商品名:Objet260 Connex)を用いて作製した。この雌型と、後述する肝臓模型の作製に用いたPVA/ゼラチン水溶液(前駆体組成物)とを使用して、ゲル体からなる支持棒を作製した。
(肝臓模型の作製に用いる雌型の作製)
ヒトの肝臓の形態に対応した内面形状を有する雌型を、3Dプリンタ(ストラタシス社製、商品名:Objet260 Connex)を用いて作製した。3Dプリンタにおいて使用する3Dデータは、3次元画像解析システム(富士フイルム社製、商品名:ボリュームアナライザー SYNAPSE VINCENT)から取得したある個人の3Dデータをコンピュータ上において加工して用いた。データ加工には3Dグラフィックソフト(イーフロンティア社製、商品名:Shade 3D)を用いた。このとき、より具体的には、肝実質の表面部分のデータを用い、肝実質全体を覆い、更に肝実質表面よりも最低1cmの肉厚になるような長方形データを作成し、この長方形データから、肝実質データをブーリアン演算によりくり抜いた。雌型には、注液用の直径1cmの注入孔を開け、更に、固化したゲル体を取り外せるように3個に分割した。更に、雌型の内面には、支持棒を差し込むための差込穴を作製した。雌型の材質となる3Dプリンタのインクとしては、VeroClear(ストラタシス社製)を用いた。
(肝臓模型の作製)
まず、粘度平均重合度が1700であり、ケン化度が約99.3モル%以上であるポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:クラレポバールPVA−117H)を濃度が7質量%、ゼラチン(和光純薬工業社製)を濃度が3質量%、電解質としての塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)を濃度が0.5質量%、および、防腐剤として安息香酸ナトリウムを濃度が0.1質量%となるように、水に添加して、PVA/ゼラチン水溶液(前駆体組成物)2Lを調製した。
調製したPVA/ゼラチン水溶液を、85℃に加温しながら3時間攪拌した後、約60℃まで放冷した。次いで、ヒトの肝臓の色に近づける目的で、食用色素 赤(共立食品社製)0.60gおよび食用色素 緑(共立食品社製)0.06gを添加し、均一な組成となるように攪拌して着色した。
雌型の内面に離型剤を塗布した後、型合わせをし、接合面を密閉した。このとき、先に作製し氷冷固化した血管模型および胆管模型ならびに腫瘍模型に設けられている突起を、先に作製した支持棒の支持穴に嵌め込み、この支持棒の他端を、雌型の内面に形成した差込穴に差し込んだ。こうして、血管模型等を雌型の内部空間に配置した。
そして、雌型に設けられた注入孔から、上記着色したPVA/ゼラチン水溶液を適量(約1.5kg)注入した。
次に、PVA/ゼラチン水溶液を注入した雌型を、冷凍室(室温:−20℃)内に入れ、5時間冷却した後、冷凍室から取り出し、室温となるまで室温下に放置した。
次に、室温下に放置した雌型を、乾燥器内に入れ、60℃となるまで加熱し、同温度下に1時間保持した後、乾燥器から取り出し、放冷した。その後、雌型を型開きし、上記着色したPVA/ゼラチン水溶液がゲル化したゲル体を取り出した。
このとき、抜き取り式の支持棒を使用した場合は、型開きの際に、支持棒を引き抜いた。また、溶解式の支持棒を使用した場合は、支持棒を構成する氷がゲル体に溶解しており、支持棒は消失していた。また、一体化式の支持棒を使用した場合は、支持棒はゲル体と同質であるため、一体化していた。
こうして、血管模型等を内包したゲル体からなる肝臓模型を得た。
(表面薄膜)
次に、得られた肝臓模型を冷凍し、ポリウレタン(東ソー社製、商品名:ニッポランN3114)を2−ブタノンによって固形分濃度10質量%に希釈した液に浸漬し、溶剤を自然乾燥した。こうして、肝臓模型の表面に、ポリウレタンからなる表面薄膜を形成した。
11:雄型
11a:突起
21:前駆体組成物
22:ゲル皮膜
22a:突起
31:生体管模型
32:模擬体液
33:貫通孔
41:前駆体組成物
42:ゲル体
51:雌型
51a:差込穴
52:内部空間
53:注入孔
61:生体臓器模型
71:支持棒
71a:支持穴
81:腫瘍模型
81a:突起

Claims (5)

  1. 生体管模型および腫瘍模型からなる群から選ばれる少なくとも1種の模型である臓器内模型と、前記臓器内模型を支持するための支持棒と、生体臓器の形態に対応した内面形状を有する雌型とを準備する工程と、
    前記臓器内模型を前記支持棒の一端に取り付け、前記支持棒の他端を前記雌型の内面に取り付けることによって、前記臓器内模型を前記雌型の内部空間に配置する工程と、
    前記内部空間に、ポリビニルアルコールおよび水を含有する前駆体組成物を注入し、ポリビニルアルコールおよび水を含有するゲル体を生成させる工程と、
    前記ゲル体から前記雌型を離型させて、前記臓器内模型の一部または全部を内包した前記ゲル体からなる生体臓器模型を得る工程と、を備え、
    前記ゲル体を生成させる工程において、前記支持棒を前記ゲル体に溶解させることによって、前記支持棒を除去する、生体臓器模型の製造方法。
  2. 生体管模型および腫瘍模型からなる群から選ばれる少なくとも1種の模型である臓器内模型と、前記臓器内模型を支持するための支持棒と、生体臓器の形態に対応した内面形状を有する雌型とを準備する工程と、
    前記臓器内模型を前記支持棒の一端に取り付け、前記支持棒の他端を前記雌型の内面に取り付けることによって、前記臓器内模型を前記雌型の内部空間に配置する工程と、
    前記内部空間に、ポリビニルアルコールおよび水を含有する前駆体組成物を注入し、ポリビニルアルコールおよび水を含有するゲル体を生成させる工程と、
    前記ゲル体から前記雌型を離型させて、前記臓器内模型の一部または全部を内包した前記ゲル体からなる生体臓器模型を得る工程と、を備え、
    前記ゲル体と同質の前記支持棒を用いることによって、前記ゲル体を生成させる工程において、前記支持棒を前記ゲル体と一体化させる、生体臓器模型の製造方法。
  3. 前記生体管模型が、中空の生体管模型の中に模擬体液が注入された模擬体液入り生体管模型である、請求項1または2に記載の生体臓器模型の製造方法。
  4. 前記生体管模型を、冷却固化してから、前記支持棒の一端に取り付けて前記内部空間に配置する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体臓器模型の製造方法。
  5. 前記前駆体組成物および前記ゲル体が、更に、ゼラチンを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体臓器模型の製造方法。
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