JP6639388B2 - テアフラビン類の合成用触媒およびテアフラビン類の合成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、テアフラビン類の合成に利用できる触媒とテアフラビン類の合成方法に関する。
現代の健康ブームにより、日本人が昔から飲用していた日本茶に様々な機能性物質が含まれていると、注目が集まっている。代表的なものとして、カテキン類が挙げられる。これらカテキン類は、1929年、理化学研究所の辻村博士らによって初めて存在が確認され、その後、抗酸化作用、抗菌作用、がんの予防、血中コレステロール濃度の低減など、様々な機能が発見されており、特保飲料やサプリメントとして、製品化されている。
しかし、カテキン類が多く含まれている緑茶の生産は、日本や中国など一部の地域に限定されており、世界の約8割では、紅茶やウーロン茶などの発酵茶が生産されている。そして近年、この発酵茶にもテアフラビン類というカテキン類同様の機能を持つ物質が含まれていることが明らかとなり、注目を集めている(特許文献1)。また、テアフラビン類の合成方法なども研究されている(特許文献2、3)。
特開2004−155784号公報 特開2010−35548号公報 特開2011−172514号公報
しかし、特許文献2、3に記載されるような、酵素反応を用いたり、培養細胞を用いたりする方法では、合成を行う際の条件が非常に厳しく、ハンドリング性が悪いこと、また、反応後に酵素等の除去が容易でないこと、などの問題があった。
そこで本発明は、テアフラビン類合成に関する新規な技術を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] その表面に無機材料からなる固着部を有する基体と、前記固着部に固着されている、粒子径が0.5nm以上、100nm以下である金属ナノ粒子と、を有することを特徴とするテアフラビン類合成用触媒。
[2] 前記金属ナノ粒子が、Au、Pd、Ptおよびこれらの酸化物からなる群から1種または2種以上選択されることを特徴とする[1]に記載のテアフラビン類合成用触媒。
[3] 前記固着部が、金属酸化物からなることを特徴とする[1]または[2]に記載のテアフラビン類合成用触媒。
[4] 前記金属酸化物が、SiO、ZrO、Fe、およびTiOからなる群から選択される1種または2種以上の化合物であることを特徴とする[3]に記載のテアフラビン類合成用触媒。
[5] [1]から[4]のいずれか1つに記載のテアフラビン類合成用触媒とピロガロール型カテキンおよびカテコール型カテキンが溶解している水溶液であるカテキン水溶液とを接触させ、テアフラビン類を合成することを含む、テアフラビン類の合成方法。
本発明によれば、テアフラビン類合成に関する新規な技術を提供することができる。
実施例のテアフラビン類合成用触媒のTEM画像である。 実施例において得られたテアフラビン水溶液の分析結果である。 実施例において得られたテアフラビン水溶液の分析結果である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳述する。
本実施形態のテアフラビン類合成用触媒は、その表面に無機材料からなる固着部を有する基体と、基体表面の固着部に固着されている粒子径が0.5nm以上、100nm以下の金属ナノ粒子と、を有する。金属ナノ粒子が基体表面の無機材料からなる固着部に固着されることで、当該複合体は非常に高い酸化触媒能をもつようになる。金属ナノ粒子は、後述する様々な方法により固着部に固着することができる。基体を用いずに金属ナノ粒子を還元剤などで粒子化すると金属粒子が凝集してしまうため活性がなくなることが考えられる。本実施形態では、金属ナノ粒子を無機材料からなる基体の表面の固着部に固着させることにより、金属ナノ粒子の凝集を防ぐことを可能としている。
本実施形態の基体は、無機材料からなる固着部を有する限り特に限定されない。固着部を有する基体の具体例としては、基体の表面が無機材料により構成されている基体や、全体が無機材料によって構成されている基体を挙げることができる。
固着部は、ゼオライト、アパタイト、活性炭などの炭素材料、珪藻土、金属酸化物などのうち1種または2種以上から構成されるようにすることができる。このうち、固着部が金属酸化物からなることが好ましい。
固着部を金属酸化物で構成する方法としては特に限定されないが、電気化学的に陽極酸化により金属酸化皮膜の薄膜を形成する方法、熱処理により金属表面を酸化する方法、スパッターやイオンプレーティング法により酸化薄膜を形成したりする方法が挙げられる。また、基体全体が金属酸化物によって構成されているようにしてもよい。
固着部が金属酸化物により構成されていることにより、酸素分子のやり取りが活発に行われるため触媒活性をより高めることができる。当該金属酸化物としては、ケイ素、ジルコニウム、亜鉛、チタン、クロム、鉄、銅、錫、アルミニウム等の酸化物が挙げられ、例えばこれら金属酸化物のうち1種または2種以上により固着部が構成されるようにしてもよい。特に、SiO、ZrO、Fe、およびTiOなどのうち1種または2種以上から固着部が構成されることが、上述の金属ナノ粒子固着量との関係で触媒活性がさらにより高くなり、より好ましい。
本実施形態に係る金属ナノ粒子として、例えば、金(Au)、金属パラジウム(Pd)、白金(Pt)およびこれらの酸化物からなる群から1種または2種以上選択されるようにすることができる。すなわち、金、金属パラジウム、白金、金酸化物、パラジウム酸化物、および白金酸化物からなる群から選択される1種または2種以上を本実施形態に係る金属ナノ粒子として用いることができる。
金属パラジウムとは、パラジウムのうち、0価の価数を持つものをいう。金属パラジウムは、通常、2価および/または4価のパラジウムイオンを、還元剤(例えば、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、塩化スズ、水素化ホウ素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムなど)を用いて還元することにより得ることができる。この場合、全てのパラジウムが金属状態になくてもよい。
本明細書において、金属ナノ粒子とは、粒径が1μm未満の金属粒子をいう。
本実施形態において、金属ナノ粒子の平均粒子径は、0.5nm以上100nm以下であることが好ましく、0.5nm以上20nm以下がより好ましく、0.5nm以上10nm以下がさらに好ましい。平均粒子径が0.5nmより小さいものは物質として0.5nm以上である場合よりも不安定となりやすく、平均粒子径が100nmより大きい場合には、平均粒子径が100nm以下である場合と比較して触媒活性が低下する。一方、平均粒子径を100nm以下(より好ましくは20nm以下、さらにより好ましくは10nm以下)とすることにより、触媒活性がより高まる。
なお本明細書でいう平均粒子径とは、TEM画像にて実際に金属ナノ粒子の粒径を300個以上測定した平均値を言う。
また、粒径の調整は、例えば公知の方法に基づき調製時の溶液pHを調整することで行うことができる。
金属ナノ粒子が固着部に固着される方法については特に限定されず、適宜設定できる。例えば、金属ナノ粒子がバインダーや、加熱乾燥などで基体表面の固着部に固着されていてもよい。
また、コロイドを固着部となる基体表面中の部分に塗布後、乾燥することにより金属ナノ粒子を固着するようにしてもよい。
基体に金属パラジウムあるいはパラジウム酸化物を固着する場合には、パラジウムイオンを基体とのゼータ電位や、パラジウムイオンの拡散などの化学的方法で吸着させて固着するようにしてもよい。また、基体をパラジウムイオンを含む水溶液に浸漬、塗布後、有機酸、ホルムアルデヒド、ヒドラジンなどの還元剤を含む水溶液に浸漬したり、水素還元雰囲気中で還元処理し、金属パラジウム、あるいはパラジウム酸化物のナノ粒子を固着部に固着させてもよい。
また、例えば、金属ナノ粒子は、半球状等の形状を有するとともに、固着部に密着して接合し、当該接合により固着部において接合界面周縁部を形成していてもよい。このとき、金属ナノ粒子は、固着部を構成する無機材料と金属ナノ粒子との間のゼータ電位の差を利用して固着部に直接的に接合している。なお本明細書でいう接合とは、固着部と金属ナノ粒子が面(接合界面)で接触して固着されていることを言い、接合界面周縁部とは、その接合界面の周縁部(ペリメーター;perimeter)のことを言う。また、本明細書において直接的に接合とは、バインダー等の他の材料を介さないで基体表面の固着部と金属ナノ粒子とが固着していることをいう。
金属ナノ粒子が、基体表面の固着部に対して直接的に接合し、触媒の表面において接合界面周縁部が露出して存在しており、当該基体と金属ナノ粒子との接合界面周縁部を有する触媒がカテコール型カテキンおよびピロガロール型カテキンに作用することで、テアフラビン類の合成反応がより進行する。この点について、具体的に説明すると、接合界面周縁部では酸素欠陥ができやすく、ここで酸素分子や水素分子の活性化が進行すると推定される。従って、酸化触媒活性や選択性を上げるためには、この接合界面周縁部が存在すると有利である。そのため、本実施形態においては、金属ナノ粒子と固着部との接合により形成される接合界面周辺部を有することが好ましい。
金属ナノ粒子を基体表面に直接的な接合により接合界面周縁部が形成されている状態で固着させる方法としては特に限定されるものではない。具体的な例として、共沈法、析出沈殿法、ゾル−ゲル法、滴下中和沈殿法、還元剤添加法、pH制御中和沈殿法、カルボン酸金属塩添加法等の方法が挙げられ、これらの方法は基体を構成する無機材料の種類により適宜使い分けることができる。
以下に析出沈殿法を例として、金化合物を用いた本実施形態のテアフラビン類合成用触媒の調製法について具体的に説明する。析出沈殿法の具体的な方法としては、まず、金化合物を溶解させた水溶液を20〜90℃、好ましくは50〜70℃に加温、攪拌しながら、pH3〜10、好ましくはpH5〜8になるようにアルカリ溶液で調整し、その後、当該水溶液に基体となる無機材料を添加したのち、100〜200℃で加熱乾燥し、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を得ることができる。
金化合物水溶液の調製に用いることができる金化合物としては、例えば、HAuCl4・4H2O、NH4AuCl4、KAuCl4・nH2O、KAu(CN)4、Na2AuCl4、KAuBr4・2H2O、NaAuBr4などが挙げられる。また、金化合物水溶液における金化合物の濃度は、特に限定されないが、1×10-2〜1×10-5mol/Lとするのが好ましい。
基体における金属ナノ粒子の担持量としては、特に限定されないが、基体に対して0.5〜20質量%とするのが好ましく、さらに0.5〜10質量%とするのがより好ましい。この理由としては、20質量%より高い割合で担持させると金属ナノ粒子同士が凝集しやすくなり、範囲内にある場合と比較して酸化還元作用が減少するからである。
本実施形態のテアフラビン類合成用触媒においては、無機材料からなる基体表面に、上述の金属ナノ粒子が固着されるとともに、例えばチタンや、アルミニウムや、鉄などの酸化物粒子がさらに担持されてもよい。基体表面に酸化物粒子を担持する方法としては特に限定されず、例えば溶射法により酸化物粒子を基体に担持させるようにしてもよい。基体に担持された酸化物粒子が金属ナノ粒子にその触媒活性を阻害する物質が付着するのを抑制することができるので、より長期に渡り、安定して酸化還元作用を持続できる。
本実施形態のテアフラビン類合成用触媒は、様々な形態を有するようにすることができる。その形状を調整する方法は特に限定されないが、例えば基体の形状を調整することにより、任意の形状に成形することができる。例えば、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒は、粉末状、顆粒状、加圧成形などによる錠剤状などの形態を有するようにすることができる。さらに基体を繊維状の無機材料により構成される織編物、不織布、またはシートとしたり、箔状やプレート状の金属酸化物等を基体とすることで、フィルター状、シート状などの形態を本実施形態のテアフラビン類合成用触媒が有するようにすることもできる。
さらにまた、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒が、上述の、粉末状、顆粒状、加圧成形などによる錠剤状の形態を有する場合は、当該触媒が繊維構造体に含有される、または繊維構造体の外面に固定される態様とすることができる。
本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を繊維構造体に含有、または固定させるときの具体的な処理については当業者が適宜選択することができ、特に限定されない。例えば高分子材料に本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を添加後、混練、紡糸することで、繊維構造体に含有されるようにしてもよい。また、織物や不織布などの繊維構造物へバインダーやカップリング剤などを用いて固定してもよい。さらに、ゼオライトなどの無機材料にテアフラビン類合成用触媒を固定した後、テアフラビン類合成用触媒が固定された該無機材料を繊維構造物に固定して、テアフラビン類合成用触媒フィルターを製造したり、繊維基材に例えば無機酸化物粒子から成る基体を固定してから、金属ナノ粒子の材料を溶解させた水和物に浸漬して金属ナノ粒子を無機酸化物粒子等の表面に析出させることもできる。なお、本明細書において、テアフラビン類合成用触媒の含有とは、当該テアフラビン類合成用触媒が繊維構造体の外面に露出している場合も含む概念である。
バインダー成分としては、繊維基材との密着性などを考慮して適宜選択でき、特に限定はされないが、例えば合成樹脂では、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、水溶性樹脂、ビニル系樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、繊維素系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、天然樹脂としては、ひまし油、亜麻仁油、桐油などの乾性油などを用いることができる。
繊維基材に本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を固定する方法としては、上記バインダーなどで固定してもよい。また、不飽和結合部を有するシランモノマーなどを還流処理などで化学結合した本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を、メタノールなどの溶媒に分散し、繊維基剤に塗布や浸漬したのち、電子線などの放射線を照射し、グラフト重合により化学結合させてもよい。
用いるシランモノマーの一例としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、特殊アミノシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、加水分解性基含有シロキサン、フロロアルキル基含有オリゴマー、メチルハイドロジェンシロキサン、シリコーン第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
繊維構造体の製造方法としての具体例としては、例えば繊維を公絡させて製造される不織布や、パルプと結着剤を混抄して製造される混抄紙などを基材として製造する際に本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を混合することで、基材内部の空間内にて狭持させることができる。また熱可塑性樹脂や、反応性ホットメルト接着剤や、紫外線や電子線などの粒子線で反応硬化する樹脂をノズルより繊維状に吐出し、吐出して形成した繊維の表面が粘着性を有している間に、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を接触させた後、反応硬化処理を行って本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を固定するようにしてもよい。当該固定はホットメルト接着剤では室温に戻して固着させたり、反応性ホットメルト接着剤では空気中の水分で反応硬化させたり、紫外線や電子線で架橋する樹脂などでは紫外線や電子線を照射して反応硬化させて行うことができる。
このように用いられる樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン‐メチルメタクリレート共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合樹脂などの樹脂を主成分とするホットメルト接着剤や、ウレタンプレポリマーを主体とする反応性ホットメルト接着剤や、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート樹脂などを主成分とする紫外線や電子線で架橋する樹脂などが挙げられる。
続いて、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を用いたテアフラビン類の合成について詳述する。本実施形態においては、例えば、本実施形態に係るテアフラビン類合成用触媒とピロガロール型カテキンおよびカテコール型カテキンが溶解している水溶液であるカテキン水溶液とを接触させ、テアフラビン類を合成する態様とすることができる。なお、本明細書において、テアフラビン類とは、式(I)で表されるテアフラビン(TE)、式(II)で表されるテアフラビン-3-O-ガレート、式(III)で表されるテアフラビン-3 ′-O-ガレートおよび式(IV)で表されるテアフラビン-3,3 ′-O-ジガレートなどを意味する。
以下、本実施形態に係るテアフラビン類の合成について、より詳細に説明する。
本実施形態のテアフラビン類合成には、カテキン類を原料として用いる。カテキン類は、ピロガロール型カテキンとカテコール型カテキンに分けられ、本実施形態においてはこれらの混合物を原料として用いる。原料として用いられるカテキン類は、市販品でも、茶葉からの抽出物でもよい。ピロガロール型カテキンは以下の一般式(V)で表され、カテコール型カテキンは以下の一般式(VI)で表される。
式(V)中、R1は水素原子またはガロイル基を示す。エピガロカテキン(EGC)は式(V)においてR1が水素原子である化合物であり、エピガロカテキンガレート(EGCg)は式(V)においてR1がガロイル基である化合物である。また式(VI)中、R2は水素原子またはガロイル基を示す。エピカテキン(EC)は式(VI)においてR2が水素原子である化合物であり、エピカテキンガレート(ECg)は式(VI)においてR2がガロイル基である化合物である。
まず、原料となるエピカテキンなどのカテコール型カテキンおよびエピガロカテキンなどのピロガロール型カテキンを、例えば純水中に添加し、pH5〜8の状態で、一晩攪拌し、溶解させ、水溶液(以下、カテキン水溶液と言う)を得る。カテキン水溶液におけるカテキンの濃度は特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、テアフラビン類合成用触媒に担持された金属ナノ粒子濃度(μmol/mL)と全カテキン濃度(μmol/mL)との比が1:10以上1:100以下であることが好ましい。また、カテキン水溶液中においてカテコール型カテキンはピロガロール型カテキンより薄い濃度であることが好ましく、カテコール型カテキンとピロガロール型カテキンの濃度比は、1:1から1:10以下であることが望ましい。また、カテキン水溶液は、カテコール型カテキンおよびピロガロール型カテキンを溶けやすくするために、アルコール類を混ぜても良い。また、カテキン水溶液のpHを酸性にしてもよい。
得られたカテコール型カテキンおよびピロガロール型カテキンを含むカテキン水溶液に、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を添加して反応を進行させる。反応は、例えば、攪拌しながら行い、ピロガロール型カテキンがなくなるまで反応させるようにすることができる。反応時の温度は水溶液が凍結しない温度であれば特に限定されないが、4℃〜100℃がよく、さらに触媒の反応効率が良い室温(15℃〜25℃)以上、100度未満が好ましい。反応終了後、得られたテアフラビン類とテアフラビン類合成用触媒を含む懸濁液を、遠心分離または濾過用フィルターに供し、テアフラビン類合成用触媒を除去することでテアフラビン類を含む水溶液(以下、テアフラビン水溶液と言う)が得られる。得られたテアフラビン水溶液はそのまま利用してもよいほか、必要に応じ、当該テアフラビン水溶液から水を除去してテアフラビン類を回収するようにしてもよい。
また、カテキン水溶液と、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を接触させる別の実施形態として、上述のフィルター状の形状を有する本実施形態のテアフラビン類合成用触媒や、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒が含有または固定されるフィルターを用いてもよい。粉末のテアフラビン類合成用触媒を用いると、反応終了後に例えば遠心分離により生成物であるテアフラビン類とテアフラビン類合成用触媒とを分離する必要があるが、フィルターを用いると、当該分離工程が省略できる。また、穴の開いた筒状または、箱の中に粉末状等の本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を入れてもよいし、織物や編み物からできた袋に粉末状等のテアフラビン類合成用触媒を入れて、カテキン水溶液に浸漬しても良い。
さらに、上記反応工程中において、カテキン水溶液に本実施形態に係るテアフラビン類合成用触媒を加えた反応液中に、酸素をバブリングなどで添加してもよい。反応液中において溶存酸素濃度が増えることで、テアフラビン類合成用触媒の酸化反応が促進され、テアフラビンの収率が向上することが期待できる。
以上、本実施形態においては、酵素などを用いて反応を行う場合とは異なり、テアフラビン類生成後に生成物から触媒を容易に除去できる。また、酵素などを用いて反応を行う場合は、温度やpHなど、特殊な条件下でないと効率よく合成できないが、本実施形態においては、より広い反応条件下で効率よく反応を行うことができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(テアフラビン類合成用触媒の作成)
(実施例1)
0.5mmolのHAuCl4・4H2Oを100mlの水に溶解(5mmol/l)させ、70℃に加温してNaOH水溶液でpH4.8に調整した。その水溶液に基体としてのジルコニア粉末を5g加えて1時間攪拌した。その後、混合物を固液分離し、減圧乾燥して、窒素雰囲気下、200℃で4時間乾燥、粉砕し、金ナノ粒子担持テアフラビン類合成用触媒を得た。得られたテアフラビン類合成用触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行い、金ナノ粒子のジルコニア粒子への接合および接合界面周縁部の形成を確認した。当該テアフラビン類合成用触媒のTEM画像を図1に示す。このTEM画像より、金ナノ粒子300個の粒子径を実測し、平均した結果、金ナノ粒子の平均粒子径は3.3 nm (σ=1.8 nm)であった。
(実施例2)
実施例1の基体をシリカ粉末に変えた以外は同様の方法でテアフラビン類合成用触媒を得た。基体に接合している金ナノ粒子の平均粒子径は6.6 nm (σ=2.7 nm)であった。
(実施例3)
実施例1の基体を酸化鉄(III)粉末に変えた以外は同様の方法でテアフラビン類合成用触媒を得た。基体に接合している金ナノ粒子の平均粒子径は1.8 nm (σ= 0.2 nm)であった。
(実施例4)
実施例1の基体を二酸化チタン粉末に変えた以外は同様の方法でテアフラビン類合成用触媒を得た。基体に接合している金ナノ粒子の平均粒子径は4.1 nm (σ=2.2 nm)であった。
(実施例5)
実施例1の基体をアルミナ粉末に変えた以外は同様の方法でテアフラビン類合成用触媒を得た。基体に接合している金ナノ粒子の平均粒子径は3.5 nm (σ=2.4 nm)であった。
(実施例6)
実施例1の基体を1×0.5cmのジルコニアクロス(ZYW-30A;巴工業(株)製)に変えた以外は同様の方法でテアフラビン類合成用触媒を得た。基体に接合している金ナノ粒子の平均粒子径は4.7nm (σ=1.6 nm)であった。
(実施例7)
JIS1種チタン板(寸法10cm×10cmで厚さ0.5mm)をエタノールで洗浄した。次に、チタン板を2mol/Lの炭酸ナトリウムの水溶液に浸漬し、陰極にカーボン電極を用いて、チタン板を陽極としてチタン板表面に火花放電を発生させながら直流の電圧を10分間印加した。これにより、ルチルとアナターゼ型からなる酸化チタンの薄膜をチタン板表面に形成した。その後、イオン交換水で洗浄し、実施例1で用いた0.5mmolのHAuCl4・4H2Oを溶解し、pHを4.8に調製した70℃の水溶液に1時間浸漬することで、テアフラビン類合成用触媒を得た。酸化チタンの薄膜の表面に接合している金ナノ粒子の平均粒子径は4.6 nm (σ=2.0
nm)であった。
(実施例8)
JISH1070のアルミニウム板(寸法10cm×10cmで厚さ0.5mm)を5%水酸化ナトリウムの50℃に加温した水溶液に1分間浸漬して脱脂した。アルミニウム板を3%硝酸水溶液に浸漬し、2molの炭酸ナトリウムと0.2molのフッ化ナトリウムを含む水溶液に浸漬し、対極にカーボン電極を用いて、アルミニウム板表面に火花放電させながら直流の電圧を5分間印加した。これによりアルミニウム板表面にγ-アルミナの薄膜を形成した。その後実施例7と同様の条件で金ナノ粒子をγ-アルミナの薄膜表面に析出させることでテアフラビン類合成用触媒を得た。酸化薄膜の表面に接合している金ナノ粒子の平均粒子径は3.2nm (σ=1.9 nm)であった。
(実施例9)
1mmolのテトラクロロパラジウムアンモニウム塩(NH4)2PdCl4を200mLの水に溶解させ、70℃に加温しNaOH水溶液でpH11に調整した。上記(NH4)2PdCl4水溶液に市販の酸化ジルコニウム粉末(PCS、日本電工(株)社製)を5g加え1時間攪拌したのち、水を除去し、得られた粉末を純水で洗浄した。洗浄後、粉末を遠心分離(3000rpm、10分)で回収し、減圧乾燥を12時間行い、大気雰囲気下、200℃で4時間加熱し、テアフラビン類合成用触媒を得た。酸化ジルコニウムの表面に析出しているパラジウムナノ粒子の平均粒子径は8.6nm(σ=2.2nm)であった。
(実施例10)
γ−アルミナ(タイミクロン、大明化学工業(株)社製)をホモジナイザーで水に分散してγ―アルミナ懸濁液を調製した。次に、アミノプロピルエトキシシランを0.5質量%添加したメタノール溶液にγ−アルミナ懸濁液を混合し、50℃で2時間処理することでγ−アルミナの表面にアミノプロピルエトキシシランを導入した。次に、ろ過して120℃で1時間乾燥することでアミノプロピルエトキシシランをγ−アルミナ表面に結合させた。次いで、0.066mmol/Lの塩化第一スズと0.095mmol/Lの塩酸を含む水溶液に、アミノプロピルエトキシシランを導入したγ−アルミナをホモジナイザーで分散し、さらに100mLの水に溶解させた0.5mmolの(NH4)2PdCl4溶液を混合することで、パラジウムイオンをγ−アルミナ表面に配位吸着させた。パラジウムイオンを配位吸着したγ−アルミナをろ過して回収し、次いで200℃で2時間乾燥し、酸化パラジウム(PdO)のナノ粒子が固着されたテアフラビン類合成用触媒を得た。γ−アルミナの表面に析出している酸化パラジウムナノ粒子の平均粒子径は10.4nm(σ=3.8nm)であった。
(実施例11)
α−アルミナ1gに対し、白金が5wt%となるようにビス(アセチルアセトナト)白金と、α―アルミナを乳鉢で混合し、得られた混合物を450℃にて4時間焼成後、水素雰囲気下でさらに450℃にて2時間焼成し、白金ナノ粒子が固着されたテアフラビン類合成用触媒を得た。α−アルミナの表面に析出している白金ナノ粒子の平均粒子径は14.8nm(σ=2.0nm)であった。
(比較例1)
実施例1で用いたジルコニア粉末を比較例1とした。
(比較例2)
実施例2で用いたシリカ粉末を比較例2とした。
(比較例3)
実施例3で用いた酸化鉄(III)粉末を比較例3とした。
(比較例4)
実施例4で用いた二酸化チタン粉末を比較例4とした。
(比較例5)
実施例5で用いたアルミナ粉末を比較例5とした。
(テアフラビンの合成)
実施例1〜11、比較例1〜5の各サンプルを用いてテアフラビンの合成を行った。
まず、原料となるエピカテキンとエピガロカテキンを、それぞれ4μmol/mLとなるように純水中に添加し、一晩攪拌し、溶解させ、カテキン水溶液を得た。得られたカテキン水溶液を各1mLずつ5mLチューブに入れて、室温下で、実施例または比較例のサンプル(0.5mL)を当該カテキン水溶液に添加し、反応液とした。反応液を撹拌しながら4時間反応させた。実施例1〜8については、Au濃度を0.8μmol/mLに調整したものを、実施例9,10についてはPd濃度を0.8μmol/mLに調整したものを、実施例11についてはPt濃度を0.8μmol/mLに調整した分散液を上記サンプルとしてカテキン水溶液に添加した。また、比較例については、各実施例で用いたテアフラビン合成用触媒と同量の基体を分散した分散液を上記サンプルとしてカテキン水溶液に添加した。反応終了後、反応液を、孔径0.45μm濾過用フィルターに供して触媒を除去した。
(カテキン類の測定条件)
上記方法での生成物は、高速液体クロマトグラフィー (High performance liquid chromatography, HPLC)に供して以下の条件で分析し、生成されたテアフラビン類の量を算出した。また、当該分析におけるグラジェント条件を表1に示す。

カラム:ZORBAX SB-C18 ( Agilent Technologies 社製)
4.6×50nm , φ1.8μm
注入量:20μL
流速 :1.0mL/min
A:0.1%リン酸
B:アセトニトリル
カラム温度:40℃
検出:280nn
結果を表2に示す。また、実施例1および比較例1に係るクロマトグラムを図2に示す。図2から理解できるように、TFとして示すテアフラビンに対応するピークが実施例1に係るサンプルのクロマトグラムにおいて確認できた。他の実施例に係るサンプルでも、実施例1に係るものと同様のクロマトグラムが得られた。
表2に示すとおり、すべての実施例で、テアフラビンが合成されていることが確認できた。
(テアフラビンの確認)
上述の反応においてテアフラビンができているかどうかについてより詳細に検証するために、LC−MSを用いて分析を行った。分析サンプルは実施例1のテアフラビン類合成用触媒を触媒として使用したものを用いた。液体クロマトグラム(LC)を使ってテアフラビンと推定されたピークを抽出し、マススペクトル(MS)測定を行った結果を図3に示す。
図3の結果より、テアフラビンの分子量に水素イオン(H)が付加された分子量が確認されたことから、テアフラビンが合成されていることが確認できた。
さらに、上述した図3の結果より、ピロガロール型カテキンとカテコール型カテキンとの反応により合成された物質はテアフラビン以外には見られないことから、本実施形態のテアフラビン類合成用触媒を用いた合成方法でできたテアフラビンは、テアフラビン以外のピークが非常に少なく、副生成物の生成を抑えてテアフラビンが合成できていることが確認できた。

Claims (4)

  1. その表面に無機材料からなる固着部を有する基体と、
    前記固着部に固着されている、粒子径が0.5nm以上、100nm以下である金属ナノ粒子と、を有し、
    前記金属ナノ粒子が、Au、Pd、Ptおよびこれらの酸化物からなる群から1種または2種以上選択されることを特徴とするテアフラビン類合成用触媒。
  2. 前記固着部が金属酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載のテアフラビン類合成用触媒。
  3. 前記金属酸化物が、SiO、ZrO、Fe、およびTiOからなる群から選択される1種または2種以上の化合物であることを特徴とする請求項2に記載のテアフラビン類合成用触媒。
  4. 請求項1からのいずれか1つに記載のテアフラビン類合成用触媒とピロガロール型カテキンおよびカテコール型カテキンが溶解している水溶液であるカテキン水溶液とを接触させ、テアフラビン類を合成することを含む、テアフラビン類の合成方法。
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