JP6638573B2 - 微粉炭吹込み分配制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉操業において、分配支管内を流れる微粉炭の流量を測定し、高炉炉周方向の分配支管内を流れる微粉炭の流量が継続して目的の流量になるような最適演算を行い、その結果に基づいて調整管の進退を制御し、安定した高炉操業の継続に寄与する微粉炭の分配制御方法に関する。
従来、高炉の操業においては、コークス比を低減するため、羽口から微粉炭を吹き込む操業を行っている。微粉炭吹込みの効果は、図1に示す羽口9から熱風とともに高炉12の内部に吹き込まれた微粉炭が、レースウェイと呼ばれる熱風炉からの送風で形成される直径1〜2mの高炉炉内羽口近傍のガス相内で燃焼し、高炉の熱源・還元剤として寄与することである。
微粉炭貯蔵槽(図示なし)から送給されて加圧タンク1に貯留された微粉炭は、弁2の開放により微粉炭気送流となって、気送支管3、気送本管4を経て分配装置5へ導入される。なお、微粉炭気送流は、途中、加温空気供給装置6から希釈装置7を経て供給される加温空気により希釈される。
そして、微粉炭は、分配装置5において、先端を羽口9内に置く分配支管8に分配され、最終的に、送風本管11から送風支管10を経て吹き込まれる熱風とともに、羽口9から高炉12内に吹き込まれる。この分配支管8は高炉円周方向に複数ある羽口1箇所につき1本以上必ず装備されている。ここで分配支管が羽口1箇所につき1本でないのは、高炉1基につき微粉炭の分配装置が複数台装備されていることがあるためである。
分配装置5は、基本的には、図2及び図3に示すように、逆円錐形の下部中央に設けた直管D1、直管D1に続く周壁D3、及び、円形天井壁D2から構成され、周壁D3の所定の高さ位置には、羽口に連結する分配支管8を接続する開口部D4が、羽口の数と同数、所定の間隔をもって配置されている。分配装置は、微粉炭気流を各分配支管に均等に分配して、微粉炭を各羽口に均等に送給する機能を備えるものである。
分配装置において、上記機能を安定的に維持するためには、分配装置や分配支管の形状・構造精度や、据付精度を高める必要があるが、これら精度の向上には限界があり、上記機能が安定しない場合がある。また、分配支管8の先端部の磨耗・変形や、高炉内圧力や羽口から吹き込む熱風の量、温度なども、高炉の円周方向で必ずしも均等でないことにより、上記機能が低下する場合がある。
分配装置の上記機能が安定的に維持されなければ、高炉羽口円周方向の微粉炭の吹込み量に差が発生する。その結果、熱源・還元効果にバラつきが発生し、このバラツキが出銑量低下の要因となるので、各羽口へ微粉炭流量を均等に分配する技術が、これまで幾つか提案されている(例えば、特許文献1〜3、参照)。
特許文献1には、分配支管に静電容量式微粉炭流量計を取り付けて微粉炭流量を測定し、測定信号に基づいて、制御管の進退を制御する微粉炭分配流量制御装置が開示されている。特許文献1に開示の分配制御においては、分配制御を行う前に、各羽口の制御管深度と微粉炭流量の関係を実測により求め、その相関を高次近似して得た高次近似式により、制御管の動作量を算出する。
しかし、制御管深度と微粉炭流量の相関を高次近似するためには、多くのデータが必要であり、このデータの取得だけでも、かなりの時間を要する。また、制御管深度と微粉炭流量の関係は必ずしも一義的に定まるものではなく、高炉操業条件の変化などにより変動する。この変動を考慮せず、予め得た高次近似式に基づいて制御管の動作量を算出すると、微粉炭を各羽口に均等に吹き込むことができない。結局、特許文献1に開示の分配制御は現実的な手法ではない。
特許文献2に、分配支管に静電容量式微粉炭流量計を取り付けて微粉炭流量を測定し、測定信号に基づいて、調整管の進退を制御する微粉炭分配流量制御装置が開示されている。しかし、特許文献2には、過去の実績の調整管位置と微粉炭流量の関係から調整管の目標位置を算出すると記載さあれているだけで、分配制御に関する具体的な演算方法は記載されておらず、上記目標位置を算出することはできない。
また、調整管位置と微粉炭流量の関係は一義的に定まらないので、調整管を単独で動作させる場合と、複数の調整管を同時に動作させる場合では、調整管を一定距離移動させたときの微粉炭流量の変化量は異なる。結局、特許文献2に開示の分配制御においては、過去の実績の調整管位置と微粉炭流量の関係から、調整管の目標位置を算出することはできない。
特許文献3には、分配支管の開口部に、前部断面形状が半円状又は斜切円状の補助管を回転可能に装着した分配装置が開示されている。この分配装置は、予め求めた補助管の回転角度と微粉炭の分配率比の関係に基づいて、補助管の回転角度を調整し、微粉炭吹込量を制御するものである。
しかし、特許文献3には、補助管の回転角度の演算方法が具体的に記載されておらず、上記回転角度の目標値を算出することはできない。また、特許文献3に開示の分配装置の構造は、調整管を分配装置内部に進退させて微粉炭流量を調整する構造とは異なっており、特許文献3に開示の微粉炭吹込量の制御を、上記構造の分配装置に適用することはできない。
特開2007−031040号公報 特開2006−322045号公報 特開昭61−206736号公報
本発明は、従来技術を踏まえ、周壁に、高炉の羽口の数と同数の開口部が形成され、該開口部に、調整管を進退させ、開口部に流入する微粉炭の量を制御する微粉炭流量調整管制御装置が配置されている、円筒状の分配装置と、上記開口部と高炉の羽口を連結し、微粉炭流量計が配置されている分配支管を備える微粉炭吹込み設備の微粉炭吹込み分配制御において、分配装置から分配支管に分配する微粉炭の量を、分配支管毎に調整し、炉周方向の微粉炭流量を安定的に均等化することを課題とし、該課題を解決する分配制御方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、次の知見を得るに至った。
(a)分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲で求めた微粉炭流量と調整管進退量の相関の特性に従って、上記範囲を複数の領域に区分し、(b)各領域の上記相関(一次回帰直線)に基づいて算出した“所要の微粉炭流量を確保し得る調整管の進退量”に基づいて、分配支管に分配する微粉炭の量を、分配支管毎に制御すれば、(c)炉周方向の微粉炭流量を安定的に均等化することができる。この点については後述する。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は次の通りである。
(1)周壁に、高炉の羽口の数と同数の開口部が形成され、該開口部に、調整管を進退させ、上記開口部に流入する微粉炭の量を制御する微粉炭流量調整管制御装置が配置されている、円筒状の分配装置と、上記開口部と高炉の羽口を連結し、微粉炭流量計が配置されている分配支管を備える微粉炭吹込み設備の微粉炭吹込み分配制御方法において、
(i-1)上記分配支管毎に測定した、分配支管内を流れる微粉炭流量と、微粉炭流量測定時、微粉炭流量調整管制御装置で測定した調整管進退量に基づいて、微粉炭流量と調整管進退量の相関を求め、
(i-2)上記相関に基づいて、所要の微粉炭流量を確保し得る調整管の進退量を算出し、上記開口部から分配支管に分配する微粉炭の量を制御する際、
(ii-1)分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲で、分配支管毎の微粉炭流量の測定と、微粉炭流量測定時の調整管の進退量の測定を複数回行い、
(ii-2)測定した微粉炭流量と調整管進退量の相関の特性に基づいて、上記範囲を複数の仮領域に区分し、各仮領域にて、上記相関を特定する一次回帰直線を求めるとともに、隣接する仮領域の一次回帰直線との交点(微粉炭流量、調整管進退量)を求め、
(ii-3)分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、隣接する仮領域の一次回帰直線との交点で複数の領域に区分し、いずれかの領域の一次回帰直線に基づいて、所要の微粉炭流量を確保し得る調整管の進退量を算出し、
(ii-4)算出した調整管の進退量に基づいて、微粉炭流量調整管制御装置を作動し、分配装置の開口部から分配支管に分配する微粉炭の量を制御する
ことを特徴とする微粉炭吹込み分配制御方法。
(2)前記各領域の一次回帰直線を規定したときの高炉操業条件が変化したとき、変化後の高炉操業条件と変化前の高炉操業条件の比を補正係数とし、各領域の一次回帰直線の傾きを補正することを特徴とする前記(1)に記載の微粉炭吹込み分配制御方法。
(3)前記算出した調整管の進退量に基づいて、複数の微粉炭流量調整管制御装置を同時に作動する際、操業実績に基づいて算出した補正係数で、上記進退量を補正することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の微粉炭吹込み分配制御方法。
本発明によれば、分配装置から分配支管に分配する微粉炭の量を、分配支管毎に円滑かつ最適に調整し、炉周方向の微粉炭流量を安定的に均等化することができるので、安定した高炉操業を継続することができる。
微粉炭送給・分配経路を示す図である。 分配装置の基本構造を示す図である。 分配装置の一態様を示す図である。 微粉炭流量調整管制御装置と微粉炭流量計の態様を示す図である。 分配装置において、調整管の微粉炭分配量調整可能範囲(進退可能範囲)を示す図である。 調整管の先端位置(分配装置の壁面から調整管の先端までの距離/調整管の動作限界距離(%))と、該位置で分配支管に分配された微粉炭の流量(分配支管の微粉炭流量(kg/時間))の関係の実測例を示す図である。 調整管の先端位置(分配装置の壁面から調整管の先端までの距離/調整管の動作限界距離(%))と、調整管を経て分配支管に分配された微粉炭の流量(分配支管の微粉炭流量(%))の関係の実測例を示す図である。 分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、隣接する仮領域の一次回帰直線との交点で複数の領域(ここでは、3領域)に区分するまでの手順の一例を示す図である。(a)は、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲における、調整管の先端位置(5)と分配支管の微粉炭流量(%)の関係の実測例を示し、(b)は、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、仮領域a、仮領域b、及び、仮領域cに区分した例を示し、(c)は、仮領域a、仮領域b、及び、仮領域cにおける一次回帰直線と、隣接する一次回帰直線の交点を示し、(d)は、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、隣接する一次回帰直線の交点で、領域A、領域B、及び、領域Cに区分した例と、これら領域の一次回帰直線を示す。 調整管進退量を演算する演算例を示す図である。 複数の調整管を同時に動作させた場合の微粉炭流量の分布例を示す図である。 手動で微粉炭流量調整管制御装置を操作した場合の分配支管の微粉炭流量分布を示す図である。 本発明で微粉炭流量調整管制御装置を作動した場合の分配支管の微粉炭流量分布を示す図である。
本発明の微粉炭吹込み分配制御方法(以下「本発明制御方法」ということがある。)は、周壁に、高炉の羽口の数と同数の開口部が形成され、該開口部に、調整管を進退させ、上記開口部に流入する微粉炭の量を制御する微粉炭流量調整管制御装置が配置されている、円筒状の分配装置と、上記開口部と高炉の羽口を連結し、微粉炭流量計が配置されている分配支管を備える微粉炭吹込み設備の微粉炭吹込み分配制御方法において、
(i-1)上記分配支管毎に測定した、分配支管内を流れる微粉炭流量と、微粉炭流量測定時、微粉炭流量調整管制御装置で測定した調整管進退量に基づいて、微粉炭流量と調整管進退量の相関を求め、
(i-2)上記相関に基づいて、所要の微粉炭流量を確保し得る調整管の進退量を算出し、上記開口部から分配支管に分配する微粉炭の量を制御する際、
(ii-1)分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲で、分配支管毎の微粉炭流量の測定と、微粉炭流量測定時の調整管の進退量の測定を複数回行い、
(ii-2)測定した微粉炭流量と調整管進退量の相関の特性に基づいて、上記範囲を複数の仮領域に区分し、各仮領域にて、上記相関を特定する一次回帰直線を求めるとともに、隣接する仮領域の一次回帰直線との交点(微粉炭流量、調整管進退量)を求め、
(ii-3)分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、隣接する仮領域の一次回帰直線との交点で複数の領域に区分し、いずれかの領域の一次回帰直線に基づいて、所要の微粉炭流量を確保し得る調整管の進退量を算出し、
(ii-4)算出した調整管の進退量に基づいて、微粉炭流量調整管制御装置を作動し、分配装置の開口部から分配支管に分配する微粉炭の量を制御する
ことを特徴とする。
本発明制御方法は、前記各領域の一次回帰直線を特定したときの高炉操業条件が変化したとき、変化後の高炉操業条件と変化前の高炉操業条件の比を補正係数とし、各領域の一次回帰直線の傾きを補正することを特徴とする。
また、本発明制御方法は、前記算出した調整管の進退量に基づいて、複数の微粉炭流量調整管制御装置を同時に作動する際、操業実績に基づいて算出した補正係数で、上記進退量を補正することを特徴とする。
以下、本発明制御方法について説明する。
本発明制御方法は、周壁に、高炉の羽口の数と同数の開口部が形成され、該開口部に、調整管を進退させ、開口部に流入する微粉炭の量を制御する微粉炭流量調整管制御装置が配置されている、円筒状の分配装置と、上記開口部と高炉の羽口を連結し、途中に、微粉炭流量計が配置されている分配支管を備える微粉炭吹込み設備の分配制御方法である。
具体的には、図3に示すように、羽口に連結した分配支管8に微粉炭を分配する分配装置の中に、周壁D3の逆円錐形の下部中央に連結した気送本管の直管D1から微粉炭気送流を導入し、微粉炭気送流を、分配装置の円形天井壁D2の中央部に衝突させて、半径方向に放射状に分流させ、円形天井壁D2の直下の周壁に配設した開口部D4に接続した分配支管8に微粉炭を分配する。
分配支管8に分配された微粉炭は、分配支管内を流れる微粉炭気送流に乗って羽口まで搬送されるが、分配支管内の微粉炭流量は、分配支管毎に配置した微粉炭流量計で測定する(図1、参照)。分配支管8に分配する微粉炭の量は、調整管を進退させて調整する。
ここで、図4に、微粉炭流量調整管制御装置の一態様を示す。微粉炭流量調整管制御装置14は、演算制御装置(図1中「15」)からの制御信号を受けて駆動装置17を駆動し、駆動装置17と、分配支管8にシール装置18で進退自在に取り付けた調整管13を、分配装置5の内壁面を0mm、分配装置5の中心方向を正方向として、分配装置5内に、例えば0〜80mmの範囲で進退させ、分配支管8に分配する微粉炭流量を調整する。
調整管13の位置は調整管位置検出器19により測定される。測定された位置信号は、演算制御装置(図1中「15」)に送られ、そこで、分配支管毎に調整管の進退量が演算される。演算値は、調整管を進退せしめる微粉炭流量調整管制御装置14に送られ、調整管の位置が、例えば、進退幅0〜80mmの範囲内で制御される。
調整管の進退幅0〜80mmは一例であり、調整管の進退幅は、分配装置の大きさや、分配支管の数(羽口の数)、さらに、隣接する調整管と機械的に干渉する位置を考慮して設定される。
図5に、分配装置において、調整管の微粉炭分配量調整可能範囲(進退可能範囲)を示す。図5に示すよう、隣接する微粉炭流量調整管制御装置14aと微粉炭流量調整管制御装置14bを個別に制御すると、隣接する調整管13aと調整管13bが機械的に干渉し、微粉炭流量を適確に制御できないし、また、調整管が破損する恐れがある。
これらを避けるため、本発明制御方法においては、調整管の進退幅を、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲とする。
ここで、図6に、調整管の先端位置(分配装置の壁面から調整管の先端までの距離/調整管の動作限界距離(%))と、該位置で分配支管に分配された微粉炭の流量(分配支管の微粉炭流量(kg/時間))の関係の実測例を示し、図7に、調整管の先端位置(分配装置の壁面から調整管の先端までの距離/調整管の動作限界距離(%))と、調整管を経て分配支管に分配された微粉炭の流量(分配支管の微粉炭流量(%))の関係の実測例を示す。
図6及び図7の横軸は、分配装置の内壁から調整管の先端までの距離(突出量x)を、分配装置の内壁から調整管の先端までの最大距離(最大突出量X)との相対比(100・x/X)で示し、縦軸は、分配支管の微粉炭流量を、相対比0(突出量x=0)の時の微粉炭流量を100とし、相対比100(突出量x=最大突出量X)の時の微粉炭流量を0とする相対比で示す。
図6及び図7から、調整管を分配装置の内壁面より中心に向けて突き出していけば、分配装置から分配支管に分配される微粉炭の量(流量)は漸減することが解る。また、微粉炭流量の漸減には緩急があることが解る。本発明者らは、微粉炭流量の漸減における緩急を微粉炭流量漸減曲線の特性として捉え、本発明制御方法の基礎とした。この点については後述する。
以下、本発明制御方法について詳細に説明する。
微粉炭流量調整管制御装置による制御を開始する前に、分配支管毎に、調整管の先端位置(突出量)と微粉炭流量の関係(微粉炭流量漸減曲線)を求める。
図8に、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、隣接する仮領域の一次回帰直線との交点で複数の領域(ここでは、3領域)に区分するまでの手順の一例を示す。
図8(a)に、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲における、調整管の先端位置(%)と分配支管の微粉炭流量(%)の関係の実測例を示し、図8(b)に、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、仮領域a、仮領域b、及び、仮領域cに区分した例を示す。
図8(c)に、仮領域a、仮領域b、及び、仮領域cにおける一次回帰直線と、隣接する一次回帰直線の交点を示し、図8(d)に、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、隣接する一次回帰直線の交点で、領域A、領域B、及び、領域Cに区分した例と、これら領域の一次回帰直線を示す。
まず、図8(a)に示すように、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲において、調整管の先端位置(%)と分配支管の微粉炭流量(%)の関係(微粉炭流量漸減曲線)の実測例を示す。なお、図8の縦軸と横軸は、図7の縦軸と横軸と同じである。
次に、上記関係(微粉炭流量漸減曲線)の緩急の境目(変曲点)で、横軸を複数の仮領域に区分する。図8に示す例では、図8(b)に示すように、仮領域a、仮領域b、及び、仮領域cに区分する。仮領域数は3である必要はない。仮領域数が1又は2であると、仮領域内の微粉炭流量漸減曲線を一次回帰直線で近似する際の精度が低下し、一方、仮領域数が多くなると、近似計算に時間を要するので、仮領域数は3程度が適切である。
微粉炭流量の実測点は多いほど、領域内の微粉炭流量漸減曲線を一次回帰直線で近似する際の精度が向上するので好ましいが、測定に時間を要するので、図8に示すように、調整管の先端:0〜100%の間で、合計12点程度測定するのが適切である。
次に、仮領域毎に、微粉炭流量漸減曲線を近似する一次回帰直線を求める。仮領域aでは、調整管の先端位置0%、5%、10%の微粉炭流量に基づいて一次回帰直線をもとめ、仮領域bでは、調整管の先端位置10%、25%、40%の微粉炭流量に基づいて一次回帰直線を求め、仮領域cでは、調整管の先端位置40%、50%、100%の微粉炭流量に基づいて一次回帰直線を求める。
各仮領域において、任意の3点を選択して一次回帰直線を求めたが、2点、4点、又は、それ以上の点で、一次回帰直線を求めてもよい。また、調整管の先端位置も、上記選択位置に限定されない。例えば、仮領域aで、調整管の先端位置0%、3%、13%を選択してもよい。
次に、隣接する仮領域の一次回帰直線の交点を算出する。図8(c)に、仮領域a、仮領域b、及び、仮領域cにおける一次回帰直線(図中、直線A’、直線B’、直線C’、参照)と、隣接する一次回帰直線の交点(図中〇印、参照)を示す。図8(c)に示す交点の位置が、領域A、領域B、及び、領域Cの境界となる。
図8(d)に、分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、隣接する一次回帰直線の交点で区分した領域A、領域B、及び、領域Cと、これら領域の一次回帰直線を示す。本発明制御方法は、各領域の一次回帰直線の傾きを利用して、調整管の進退量を演算するのが特徴である。
隣接する領域の一次回帰直線が交点を有しない(隣接する領域の一次回帰直線の傾きが略同じ)場合は、隣接する領域を統合して一領域として、一次回帰直線を求める。
次に、一次回帰直線に基づいて調整管の進退量を演算する方法について説明する。
現時点において、羽口から吹き込む微粉炭の全量(微粉炭流量)の平均値と、分配支管の微粉炭流量の差分を、全ての分配支管について求める。
分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲におけるA領域の一次回帰直線の傾きAAと、現時点の微粉炭流量(Fn)、目標とする微粉炭流量(羽口における微粉炭全流量の平均値:FAVE)、及び、現時点の調整管の先端位置(Ln)に基づいて、目標とする調整管の先端位置(Xn)を、下記式で算出する。
A=(FAVE−Fn)/(Xn−Ln
なお、以下の演算式は、羽口の数分の微粉炭流量調整管制御装置において異なる(一次回帰直線の傾きが異なる)ので、演算は上記装置毎に行う必要があるが、演算式の記載のうえで区別はしない。
演算は、1領域における演算である。領域Aの一次回帰直線と領域Bの一次回帰直線の交点までの領域A(調整管の先端位置の調整範囲)において、目標とする微粉炭流量(FAVE)に達しなければ、隣接するB領域において、傾きABを用いて、再度演算を行い、目標とする調整管の先端位置(Xn)を求める。
領域Aの一次回帰曲線と領域Bの一次回帰曲線の交点の“調整管の先端位置”をLABとすると、下記式が成立する。
A=(F'−Fn)/(LAB−Ln
B=(FAVE−F')/(Xn−LAB
図9に、調整管進退量を演算する演算例を示す。上記演算は、調整管の先端位置が0%又は100%に達するまで、各領域にて行う。
A’は、高炉操業条件の変化に伴い変化するので、高炉操業条件が変化した場合、予め求めた上記相関を補正する必要がある。高炉操業条件の1つは、例えば、微粉炭の総使用量で、高炉の炉内状況が変動して生産量が変化した場合、生産量を調整するため、微粉炭の総使用量を変更する。
本発明者らは、微粉炭の総使用量を変更した場合、各領域において、微粉炭流量と調整管浸炭量の相関を特定する一次回帰直線の傾きが変化すること、及び、この傾きの変化は、次式で表示できることを実験的に確認した。
A領域の一次回帰直線の補正前の傾きをAA、同補正後の傾きをAA’、変更前の微粉炭総使用量をPCALL、変更後の微粉炭総使用量をPCALL’とすると、下記式が成立する。
A’=AA×(PCALL’/PCALL
上記式によって、A領域の一次回帰直線の傾きAAを傾きAA’に補正することができる。上記補正演算は、残りのすべての領域について行い、調整管の先端位置0〜100%における微粉炭流量と調整管進退量の相関(一次回帰直線)を補正する。この補正により、微粉炭の分配制御を、高炉操業条件の変化に追従して適確に行なうことができる。
複数の分配支管の調整管を同時に動作させた場合において、相互の動作が相互に干渉してし、微粉炭流量が適正に変化せず、微粉炭流量が目標値に達しないか、又は、目標値を超える場合がある。
図10に、複数の調整管を同時に動作させた場合の微粉炭流量の分布例を示す。図10においては、全ての分配支管の微粉炭流量を総計して求めた平均値を1とし、1との対比で、個々の分配支管の微粉炭流量を表示した。図10に示す微粉炭流量の分布例において、羽口21の分配支管の微粉炭流量が、微粉炭流量の平均値を超え、羽口36の分配支管の微粉炭流量が、微粉炭流量の平均値に達していないことが解る。
本発明者らは、図10に示す現象は、複数の調整管を逆方向に動作させた場合に起き、複数の調整管を全て同じ方向に動作させたる場合には起きないことを、実験的に確認した。微粉炭流量が、目標値を超えたり、又は、目標値に達しないと、これを修正するための動作が、さらに必要となり、微粉炭流量を、高炉円周方向において安定させるまでに時間を要してしまうことになる。
そこで、本発明制御方法において、複数の分配支管の調整管を同時に動作させる場合、上記演算で求める調整管進退量に補正ゲインをかけ、調整管進退量を調整して、目標微粉炭流量を超えて変化することを抑制し、又は、目標微粉炭量を下回ることを抑制する。
現時点の調整管の先端位置をLnとし、上記演算によって得られる目標の調整管の先端位置をXnとすると、微粉炭流量を目標の微粉炭流量に調整するための調整管の進退量:ΔLは、下記式で表示できる。
ΔL=Xn−Ln
上記式によって得られるΔLに対する補正ゲインをgとすると、複数の分配支管の調整管を同時に動作させる場合の進退量:ΔL'は、下記式で表示できる。
ΔL'=g×ΔL
上記演算の結果に基づいて、分配支管毎に調整管の進退量を調整すれば、微粉炭流量を、高炉円周方向において均等にすることができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
図11に、手動で微粉炭流量調整管制御装置を操作した場合の分配支管の微粉炭流量分布を示す。図11においては、全ての分配支管の微粉炭流量を総計して求めた平均値を1とし、1との対比で、個々の分配支管の微粉炭流量を表示した。図11に示すように、分配支管間における微粉炭流量の不均一が著しく、全分配支管における微粉炭流量の不均一程度を示すσは12%であった。
本発明者らは、図11の微粉炭流量分布を示す微粉炭の分配制御に、本発明制御方法を適用した。その結果を図12に示す。図12においては、全ての分配支管の微粉炭流量を総計して求めた平均値を1とし、1との対比で、個々の分配支管の微粉炭流量を表示した。図12に示すように、分配支管間における微粉炭流量の不均一が大幅に改善され、全分配支管における微粉炭流量の不均一程度を示すσは、12%から5%に減少した。
前述したように、本発明によれば、分配装置から分配支管に分配する微粉炭の量を、分配支管毎に円滑かつ最適に調整し、炉周方向の微粉炭流量を安定的に均等化することができるので、安定した高炉操業を継続することができる。よって、本発明は、鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。
1 加圧タンク
2 弁
3 気送支管
4 気送本管
5 分配装置
6 加温空気供給装置
7 希釈装置
8 分配支管
9 羽口
10 送風支管
11 送風本管
12 高炉
13 調整管
13a、13b 調整管
14 微粉炭流量調整管制御装置
14a、14b 微粉炭流量調整管制御装置
15 演算制御装置
16 微粉炭流量計
17 駆動装置
18 シール装置
19 調整管位置検出器
D1 直管
D2 円形天井壁
D3 周壁
D4 開口部

Claims (3)

  1. 周壁に、高炉の羽口の数と同数の開口部が形成され、該開口部に、調整管を進退させ、上記開口部に流入する微粉炭の量を制御する微粉炭流量調整管制御装置が配置されている、円筒状の分配装置と、上記開口部と高炉の羽口を連結し、微粉炭流量計が配置されている分配支管を備える微粉炭吹込み設備の微粉炭吹込み分配制御方法において、
    (i-1)上記分配支管毎に測定した、分配支管内を流れる微粉炭流量と、微粉炭流量測定時、微粉炭流量調整管制御装置で測定した調整管進退量に基づいて、微粉炭流量と調整管進退量の相関を求め、
    (i-2)上記相関に基づいて、所要の微粉炭流量を確保し得る調整管の進退量を算出し、上記開口部から分配支管に分配する微粉炭の量を制御する際、
    (ii-1)分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲で、分配支管毎の微粉炭流量の測定と、微粉炭流量測定時の調整管の進退量の測定を複数回行い、
    (ii-2)測定した微粉炭流量と調整管進退量の相関の特性に基づいて、上記範囲を複数の仮領域に区分し、各仮領域にて、上記相関を特定する一次回帰直線を求めるとともに、隣接する仮領域の一次回帰直線との交点(微粉炭流量、調整管進退量)を求め、
    (ii-3)分配装置の内壁から、調整管の進退が隣接の調整管と機械的に干渉する位置までの範囲を、隣接する仮領域の一次回帰直線との交点で複数の領域に区分し、いずれかの領域の一次回帰直線に基づいて、所要の微粉炭流量を確保し得る調整管の進退量を算出し、
    (ii-4)算出した調整管の進退量に基づいて、微粉炭流量調整管制御装置を作動し、分配装置の開口部から分配支管に分配する微粉炭の量を制御する
    ことを特徴とする微粉炭吹込み分配制御方法。
  2. 前記各領域の一次回帰直線を特定したときの高炉操業条件が変化したとき、変化後の高炉操業条件と変化前の高炉操業条件の比を補正係数とし、各領域の一次回帰直線の傾きを補正することを特徴とする請求項1に記載の微粉炭吹込み分配制御方法。
  3. 前記算出した調整管の進退量に基づいて、複数の微粉炭流量調整管制御装置を同時に作動する際、操業実績に基づいて算出した補正係数で、上記進退量を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の微粉炭吹込み分配制御方法。
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