JP6636062B2 - レーザ合成光学装置 - Google Patents

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Description

本発明はレーザ合成光学装置に関し、特に複数の発光点を有するマルチエミッタ型レーザの出力光を複数合成するレーザ合成光学装置に関する。
従来、プロジェクタ等の投射型表示装置には光源として高圧水銀ランプ等が利用されてきた。ランプの発光スペクトルは、ランプ内部に封入された物質の性質により、略連続した可視光域を含む。ランプの発光スペクトルは、表示装置に最適な色を作り出すために、赤、緑、青の3色に分離される。そして、各色光で小型表示装置を照明して、スクリーン上で各色光を再合成することでフルカラーの映像を形成する。
近年、高圧水銀ランプ等のランプに代わってレーザ光を光源とした投射型表示装置の開発が盛んに行われている。レーザ光を光源とする投射型表示装置は単色のレーザ光を光源とするため、色の再現範囲が広い。また、レーザ光は発光点が小さいため、光学系全体の小型化を実現できる。また、例えば、赤、緑、青の単色光が赤、緑、青の各レーザから出力されるため、光源としてランプを用いた場合のように色分離のための光学系を必要としない。
しかしながら、単一のレーザ素子を投射型画像表示装置の光源として利用する場合、現在の技術水準ではレーザ素子の出力が不足する。特に、大画面の画像光を投射する用途に投射型画像表示装置を用いる場合には、十分な光量を得ることができない。このため、例えば特許文献1に示されるような、1つの発光点を有するシングルエミッタレーザを複数備える構成とし、その出力を合成して高出力を実現させる手段が提案されている。
また、特許文献2では、複数の発光点を有するマルチエミッタ型レーザ(半導体レーザアレイとも呼ぶ)1つを集光し、ファイバ結合する方法が提案されている。
また、特許文献3では、偏光部材を用いて複数のレーザの光束を整列させ、集光レンズにてファイバへ集光入射させる手法も提案されている。
特開2000−241659号公報 特開2002−202442号公報 特開2007−17925号公報
しかしながら、上述の特許文献1では、各レーザ素子からコンデンサレンズに至るまでのレーザ光束の距離が異なるため、コンデンサレンズ位置での光束径が異なる。よって、十分に小さな集光点を得ることが困難である。
また、特許文献2では、単一のマルチエミッタ型レーザを集光する構成が示されているが、この構成にて複数のマルチエミッタ型レーザの出力を合成することは困難である。
また、特許文献3では、集光光学系は合波の機能しか有しておらず、収差補正が困難であり、集光スポットの小径化が困難である。また、良好に収差補正を行うには、コリメートレンズの形状および配置に高い精度が要求され、コスト、生産性の面で課題を有する。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成で複数のレーザからのレーザ光を合成することが可能なレーザ合成光学装置の提供を目的とする。
本発明に係るレーザ合成光学装置は、複数の半導体レーザアレイと、複数の半導体レーザアレイの少なくともつの半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束を反射する少なくとも2つの反射素子と、を備え、複数の半導体レーザアレイの各々から射出されるレーザ光束が1つの集光点に集光されるに際して、少なくとも1つの半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束は反射素子で反射された後、集光点に集光され、反射素子と集光点の間に、複数の半導体レーザアレイの各々から射出されるレーザ光束を集光点に集光する集光部をさらに備え、複数の半導体レーザアレイの各々から集光点までのレーザ光束の光軸に沿った距離が互いに等しく、複数の半導体レーザアレイは同一の平面上に配置され、複数の半導体レーザアレイの各々において、当該半導体レーザアレイのアレイ配列方向は同一の平面に垂直な方向であり、複数の半導体レーザアレイの各々から射出されるレーザ光束の集光部の入射面における断面が互いにほぼ等しい面積および形状となり、かつ、集光部の入射面における各レーザ光束が相互に重ならないように、各半導体レーザアレイにおけるレーザ光束の出射角度と、複数の半導体レーザアレイの各々から集光部の入射面までのレーザ光束の光軸に沿った距離とが決められ、集光部において集光を行う際に生じる収差を抑制し、前記複数の半導体レーザアレイは、互いに隣接せず、少なくとも2つの前記反射素子は、前記複数の半導体レーザアレイのうちの少なくとも2つの前記半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束を各々反射し、各々の前記反射素子は、前記半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束の反射角度が互いに異なるように配置されることを特徴とする。
本発明に係るレーザ合成光学装置によれば、複数の半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束を集光点に集光するため、高密度かつ高出力のレーザ光を出力可能となる。また、反射素子でレーザ光束を反射させてレーザ光束の光軸の角度を変えるため、複数の半導体レーザアレイを隣接して配置する必要がなくなる。よって、半導体レーザアレイの配置において自由度が向上する。また、反射素子の角度を調整することにより、レーザ光束の光軸の角度を自由に調整可能となる。
さらに、半導体レーザアレイの配置の自由度およびレーザ素子の光軸の角度の自由度が向上するため、各半導体レーザアレイから集光部の入射面までのレーザ光束の光軸に沿った距離を互いに等しくすることが可能となる。これにより、集光部に入射する複数のレーザ光束の光束径が互いに等しくなる。よって、簡易な構成で、集光点に集光されるレーザ光束の光束径を小さくすることが可能である。
実施の形態1に係るレーザ合成光学装置の構成を示す図である。 一般的なレーザ素子の発するレーザ光の広がりを示す図である。 実施の形態1に係る半導体レーザアレイの斜視図である。 実施の形態1に係るレーザ合成光学装置のレンズアレイの入射面におけるレーザ光束の断面図である。 実施の形態2に係るレーザ合成光学装置の構成を示す図である。 実施の形態2に係るレーザ合成光学装置のレンズアレイの入射面におけるレーザ光束の断面図である。 実施の形態3に係るレーザ合成光学装置の構成を示す図である。
<実施の形態1>
<構成>
図1は、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置100の構成を示す図である。以下、各構成部材の配置について図1中に示したXYZ座標系を用いて説明する。
レーザ合成光学装置100は、3つの半導体レーザアレイ(マルチエミッタ型レーザとも呼ばれる)10a,10b,10cを備える。図1に示すように、半導体レーザアレイ10a,10b,10cは同一の平面上に配置される。ここで、同一の平面とはX軸に特定の値をとるYZ平面である。レーザ合成光学装置100はさらに、半導体レーザアレイ10b,10cのレーザ光束をそれぞれ反射する反射素子11b,11cを備える。反射素子11b,11cは例えばミラーである。
レーザ合成光学装置100はさらに、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cから射出されたレーザ光束を集光点14に集光する集光部18を備える。集光部18は、レンズアレイ12と集光レンズ13から構成される。レンズアレイ12は、半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々から射出されるレーザ光束を個別に集光する集光レンズを複数備える。レンズアレイ12に備わる複数の集光レンズは、球面レンズあるいは非球面レンズである。
集光レンズ13は、レンズアレイ12の出射面側に設けられる。集光レンズ13は、レンズアレイ12の複数の集光レンズから射出される複数のレーザ光束を集光点14に集光する。
図1に示す光軸15a,15b,15cは、半導体レーザアレイ10a,10b,10cのそれぞれから射出されるレーザ光束の光軸である。
レーザ合成光学装置100において、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cから集光部18の入射面(即ちレンズアレイ12の入射面)までのレーザ光束の光軸15a,15b,15cに沿った距離が互いに等しくなるように、半導体レーザアレイ10a,10b,10cおよび反射素子11b,11cの位置が決められている。ここで、集光部18の入射面とは、レンズアレイ12の入射面のことである。
一般的な半導体レーザ素子から発せられるレーザ光は、活性層に平行な方向と垂直な方向とでレーザ光の出射角度が異なる。図2において、XZ面と平行に活性層(図示せず)が形成されているとする。この場合、一般的に、活性層と平行な方向の出射角(図2(a))よりも、活性層と垂直な方向の出射角(図2(b))の方がより大きくなる。
図3に、半導体レーザアレイ10aの斜視図を示す。活性層(図示せず)に沿って等間隔でX方向に発光点が並んでおり、各発光点からの出射光は、活性層に垂直な方向(Y方向)に細長い楕円形状となる。つまり、半導体レーザアレイ10aは、アレイ配列方向(即ち発光点の配列方向)がYZ面と垂直になるように配置される。また、半導体レーザアレイ10b,10cも同様に、アレイ配列方向がYZ面と垂直になるように配置される。
本実施の形態では、各レーザ光束の光軸15a,15b,15cが互いに平行の状態で集光部18に入射するように、半導体レーザアレイ10a,10b,10および反射素子11b,11cが配置される。
図4に、レーザ合成光学装置100のレンズアレイ12の入射面におけるレーザ光束の断面を示す。各半導体レーザアレイ10a,10b,10cから射出されるレーザ光束の断面16a,16b,16cは、互いにほぼ等しい面積および形状となる。これは、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cからレンズアレイ12の入射面までのレーザ光束の光軸15a,15b,15cに沿った距離が互いに等しいからである。
また、図4において、各レーザ光束の断面16a,16b,16cがX軸方向に細長い形状となるのは、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cにおいて、アレイ配列方向(発光点の配列方向)がX軸方向だからである。
図4に示すように、複数のレーザ光束は、Y軸方向に並んだ状態でレンズアレイ12に入射する。レンズアレイ12によって各レーザ光束を効率良く集光するためには、レンズアレイ12の入射面において各レーザ光束が相互に重ならないことが望ましい。本実施の形態では、レンズアレイ12の入射面において各レーザ光束が相互に重ならないように、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cにおけるレーザ光束の出射角度を考慮して、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cからレンズアレイ12までのレーザ光束の光軸に沿った距離が決められている。
<動作>
半導体レーザアレイ10aの複数の発光点から射出されたレーザ光束(光軸15aに対応)は、集光部18のレンズアレイ12に入射する。半導体レーザアレイ10bの複数の発光点から射出されたレーザ光束は、反射素子11bで反射して光軸15bの角度が変えられ、集光部18のレンズアレイ12に入射する。半導体レーザアレイ10cの複数の発光点から射出されたレーザ光束は、反射素子11cで反射して光軸15cの角度が変えられ、集光部18のレンズアレイ12に入射する。このとき、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cから射出されたレーザ光束の断面はX軸方向(図1の紙面奥行き方向)に細長い楕円形状である。また、レンズアレイ12に入射する各レーザ光束の光軸15a,15b,15cは互いに平行である。
レンズアレイ12において、各レーザ光束はX軸方向に個別に集光される。レンズアレイ12から出射した各レーザ光束は、集光レンズ13に入射する。集光レンズ13に入射した各レーザ光束は、集光点14に集光される。
なお、本実施例のレンズアレイ12は、光の出射面のみに集光レンズを備えるが、入射面および出射面の両面に集光レンズを配置することでさらに集光性能を向上させることが可能となる。またさらに、YZ面内に曲率を有するシリンドリカルレンズをレンズアレイ12の手前に配置して組み合わせることにより、各レーザ光束の断面16a,16b,16cの形状を円に近づけて、収差補正を行うことも可能である。
<効果>
本実施の形態におけるレーザ合成光学装置100は、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cと、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの少なくとも1つの半導体レーザアレイ10b,10cから射出されるレーザ光束を反射する反射素子11b,11cと、を備え、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々から射出されるレーザ光束が1つの集光点14に集光されるに際して、少なくとも1つの半導体レーザアレイ10b,10cから射出されるレーザ光束は反射素子11b,11cで反射された後、集光点14に集光されることを特徴とする。
従って、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置100は、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cから射出されるレーザ光束を集光点14に集光するため、高密度かつ高出力のレーザ光を出力可能となる。また、反射素子11b,11cでレーザ光束を反射させて光軸の角度を変えるため、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cを隣接して配置する必要がなくなる。よって、半導体レーザアレイの配置において自由度が向上する。また、反射素子11b,11cの角度を調整することにより、レーザ光束の光軸の角度を自由に調整可能となる。
さらに、半導体レーザアレイの配置の自由度およびレーザ素子の光軸の角度の自由度が向上するため、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cから集光部18の入射面までのレーザ光束の光軸に沿った距離を互いに等しくすることが可能となる。これにより、集光部18に入射する複数のレーザ光束の光束径が互いに等しくなる。よって、簡易な構成で、集光点14に集光されるレーザ光束の光束径を小さくすることが可能である。
また、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置100は、反射素子11b,11cと集光点14の間に、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々から射出されるレーザ光束を集光点14に集光する集光部18をさらに備え、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々から集光部18の入射面までのレーザ光束の光軸に沿った距離が互いに等しいことを特徴とする。
従って、集光部18の入射面において、入射する各レーザ光束の光束径(即ち、入射する各レーザ光束の断面形状)が等しくなる。よって、入射する各レーザ光束の光束径が異なる場合と比較して、集光部18においてより簡易な構成で集光を行うことが可能である。また、集光部18の光学系において生じる収差の抑制が可能である。さらに、集光部18に収差を補正する機能を持たせる場合は、収差補正が行い易くなる。
また、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置100において、集光部18は、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々から射出されるレーザ光束を個別に集光する集光レンズを複数備えるレンズアレイ12と、レンズアレイ12の出射面側に設けられ、レンズアレイ12の複数の集光レンズから射出される複数のレーザ光束を集光点14に集光する集光レンズ13と、を備え、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々からレンズアレイ12の入射面までのレーザ光束の光軸に沿った距離が互いに等しいことを特徴とする。
従って、レンズアレイ12の入射面において、入射する各レーザ光束の光束径が等しくなる。よって、レンズアレイ12に備わる複数の集光レンズのレンズ径を等しくすることが可能である。また、レンズアレイ12によって各レーザ光束を個々に集光してから、集光レンズ13によって集光点14に集光する。よって、集光レンズ13のみで集光を行う場合と比較して、集光レンズ13において発生する収差を抑制することが可能である。
また、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置100において、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cは同一の平面上に配置され、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々において、半導体レーザアレイのアレイ配列方向は同一の平面に垂直な方向であることを特徴とする。
従って、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々において、半導体レーザアレイのアレイ配列方向を同一の平面(即ち、半導体レーザアレイ10a,10b,10cが配置された平面)に垂直な方向とすることで、アレイ配列方向を同一の平面に平行な方向とした場合と比較して、各レーザ光束の間隔を狭くすることが可能である。よって、集光部18(即ち、レンズアレイ12および集光レンズ13)を小型化することが可能となる。また、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々において、半導体レーザアレイのアレイ配列方向を同一の平面に垂直な方向とすることで、各レーザ光束の間隔が狭くなるため、集光レンズ13に入射する各レーザ光束の間隔も狭くなる。よって、集光レンズ13において集光を行う際に生じる収差を抑制することが可能となる。
<実施の形態2>
図5は、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置200の構成を示す図である。実施の形態1においては、集光部18のレンズアレイ12および集光レンズ13の径および各半導体レーザアレイ10a,10b,10cの配置間隔は、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cから射出されるレーザ光束の光束径の制約を受ける。
本実施の形態におけるレーザ合成光学装置200は、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cの出射面側に、レーザ光束を平行光化するためのレンズ20a,20b,20cをさらに備える。その他の構成は実施の形態1と同じため、説明を省略する。
図5において、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cの直後に配置されたレンズ20a,20b,20cは、YZ面内に曲率を有するシリンドリカルレンズである。レンズ20によりYZ面内で平行光化されたレーザ光は実施の形態1で説明したように、直接、または反射素子11b,11cを介して、集光部18に入射する。
図6は、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置200のレンズアレイ12の入射面におけるレーザ光束の断面図である。図6に示すように、各レーザ光束の径は、Y方向において小さくなる。レーザ光束の光束径がY軸方向に小さくなるのは、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cの直後にレンズ20a,20b,20cを配置したためである。レンズアレイ12に入射するレーザ光束の光束径がY軸方向に小さくなることにより、各レーザ光束の光軸15a,15b,15cの間隔をより小さくすることが可能となる。よって、実施の形態1と比較して、光学系全体を小型化することが可能である。特に、レンズアレイ12および集光レンズ13をY軸方向に小型化することが可能である。
また、各レーザ光束の光軸15a,15b,15cの間隔をより小さくすることが可能となるため、実施の形態1(図1)と比較して本実施の形態(図5)では、集光点14に集光するレーザ光束の角度がより小さくなる。よって、集光点14以降に配置される光学系の小型化にも寄与する。
本実施の形態では各レーザ光束の光束径が小さいため、集光レンズ13にて生じる収差を抑制することが可能である。よって、集光レンズ13から集光点14までの距離を実施の形態1(図1)よりも小さくした場合(即ち集光レンズ13の焦点距離をより小さくした場合)であっても、収差の増大に起因する、集光点14におけるレーザ光束の光束径の増大を抑制可能である。従って、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置200において、集光点14に集光したレーザ光束を光ファイバに入射するなど、光ファイバ等の伝送光学部品と組み合わせた装置構成も可能となる。
なお、本実施の形態において、レンズ20a,20b,20cをシリンドリカルレンズとしたが、シリンドリカルレンズと球面レンズまたは非球面レンズを組み合わせて配置することで、図6において、Y軸方向だけでなくX軸方向にもレーザ光束の径を小さくすることが可能である。X軸方向にもレーザ光束の光束径を小さくすることにより、さらに装置全体の小型化を実現できる。また、曲率の方向が直交する2枚のシリンドリカルレンズを組み合わせて配置しても同様の効果が得られる。
また、レンズ20a,20b,20cのそれぞれをレンズアレイ形状とすることも可能である。この場合、レンズアレイを各半導体レーザアレイ10a,10b,10cに組み込んでもよい。
<効果>
本実施の形態におけるレーザ合成光学装置200は、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々の出射面側に、レーザ光束を平行光化または集光するレンズ20a,20b,20cをさらに備える。
従って、各半導体レーザアレイ10a,10b,10cの出射面にレーザ光束を平行光化または集光するレンズ20a,20b,20cをそれぞれ配置することで、各レーザ光束の光束径を小さくすることが可能である。レーザ光束の光束径を小さくすることで、集光部18を小型化することが可能である。また、各レーザ光束の光軸の間隔をより小さくすることが可能なため、レーザ合成光学装置200自体の小型化が可能である。また、各レーザ光束の光軸の間隔をより小さくすることが可能なため、集光部18において発生する収差が抑制され、集光点14に集光されるレーザ光束の光束径をより小さくすることが可能である。
<実施の形態3>
図7は、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置300の構成を示す図である。本実施の形態のレーザ合成光学装置300において、各半導体レーザアレイ10a,10b,10bから射出されるレーザ光束の光軸15a,15b,15cは、集光点14で交差する。
つまり、半導体レーザアレイ10aから射出したレーザ光束は、光軸の角度を変えずに集光点14に到達する。また、半導体レーザアレイ10bから射出したレーザ光束は、反射素子11bで反射した後、光軸の角度を変えずに集光点14に到達する。同様に、半導体レーザアレイ10cから射出したレーザ光束は、反射素子11cで反射した後、光軸の角度を変えずに集光点14に到達する。
実施の形態2では、集光レンズ13により各レーザ光束を集光点14に集光した。一方本実施の形態では、各レーザ光束の光軸15a,15b,15cが、集光点14において交差するように、半導体レーザアレイ10a,10b,10bおよび反射素子11b,11cが配置されているため、集光レンズ13を必要としない。
本実施の形態では、実施の形態2における集光レンズ13に代えて、収差補正レンズ17を備える。収差補正レンズ17は、レンズアレイ12による収差を補正するためのレンズである。その他の構成は実施の形態2(図5)と同じため、説明を省略する。
なお、集光点14以降に配置される光学系の要求に応じて、レンズアレイ12と収差補正レンズ17のいずれか一方、あるいは両方を備えない構成も可能である。
<効果>
本実施の形態におけるレーザ合成光学装置300において、複数の半導体レーザアレイ10a,10b,10cの各々から集光点14までのレーザ光束の光軸15a,15b,15cに沿った距離が互いに等しく、反射素子11b,11cで反射するレーザ光束は、反射素子11b,11cで反射した後、レーザ光束の光軸15b,15cの角度を変えずに集光点14に到達し、反射素子11b,11cで反射しないレーザ光束は、半導体レーザアレイ10aから射出された後、レーザ光束の光軸15aの角度を変えずに集光点14に到達することを特徴とする。
従って、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置300は、各レーザ光束の光軸15a,15b,15cが集光点14で交差するように、各半導体レーザアレイ10a,10b,10bおよび反射素子11b,11cが配置されているため、集光レンズ13が不要となる。よって、部品点数の削減により、レーザ合成光学装置300の構成を簡素化することが可能である。また、集光レンズ13を用いずに集光を行うため、収差が生じにくい。よって、集光レンズ13を用いる場合と比較して、集光点14に集光されたレーザ光束の径をより小さくすることが可能である。
また、本実施の形態におけるレーザ合成光学装置300は、集光点14の前段に、レーザ光束の収差を補正する収差補正レンズ17をさらに備える。
従って、収差補正レンズ17により、レンズアレイ12において生じた収差を補正することにより、集光点14に集光されたレーザ光束の径をより小さくすることが可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10a,10b,10c 半導体レーザアレイ、11b,11c 反射素子、12 レンズアレイ、13 集光レンズ、14 集光点、15a,15b,15c 光軸、16a,16b,16c レーザ光束の断面、17 収差補正レンズ、18 集光部、20a,20b,20c レンズ、100,200,300 レーザ合成光学装置。

Claims (3)

  1. 複数の半導体レーザアレイと、
    前記複数の半導体レーザアレイの少なくともつの前記半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束を反射する少なくとも2つの反射素子と、
    を備え、
    前記複数の半導体レーザアレイの各々から射出されるレーザ光束が1つの集光点に集光されるに際して、前記少なくとも1つの半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束は前記反射素子で反射された後、前記集光点に集光され、
    前記反射素子と前記集光点の間に、前記複数の半導体レーザアレイの各々から射出されるレーザ光束を前記集光点に集光する集光部をさらに備え、
    前記複数の半導体レーザアレイの各々から前記集光点までのレーザ光束の光軸に沿った距離が互いに等しく、
    前記複数の半導体レーザアレイは同一の平面上に配置され、
    前記複数の半導体レーザアレイの各々において、当該半導体レーザアレイのアレイ配列方向は前記同一の平面に垂直な方向であり、
    前記複数の半導体レーザアレイの各々から射出されるレーザ光束の前記集光部の入射面における断面が互いにほぼ等しい面積および形状となり、かつ、前記集光部の入射面における前記各レーザ光束が相互に重ならないように、前記各半導体レーザアレイにおけるレーザ光束の出射角度と、前記複数の半導体レーザアレイの各々から前記集光部の入射面までのレーザ光束の光軸に沿った距離とが決められ、前記集光部において集光を行う際に生じる収差を抑制し、
    前記複数の半導体レーザアレイは、互いに隣接せず、
    少なくとも2つの前記反射素子は、前記複数の半導体レーザアレイのうちの少なくとも2つの前記半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束を各々反射し、
    各々の前記反射素子は、前記半導体レーザアレイから射出されるレーザ光束の反射角度が互いに異なるように配置されることを特徴とする、
    レーザ合成光学装置。
  2. 前記集光部は、
    前記複数の半導体レーザアレイの各々から射出されるレーザ光束を個別に集光する集光レンズを複数備えるレンズアレイと、
    前記レンズアレイの出射面側に設けられ、前記レンズアレイの複数の前記集光レンズから射出される複数の前記レーザ光束を前記集光点に集光する集光レンズと、
    を備え、
    前記複数の半導体レーザアレイの各々から前記レンズアレイの入射面までのレーザ光束の光軸に沿った距離が互いに等しいことを特徴とする、
    請求項1に記載のレーザ合成光学装置。
  3. 前記複数の半導体レーザアレイの各々の出射面側に、レーザ光束を平行光化または集光するレンズをさらに備える、
    請求項1または請求項2に記載のレーザ合成光学装置。
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