JP6635964B2 - 汚泥処理装置及びそれを用いた水処理システム、汚泥処理方法及び水処理方法 - Google Patents

汚泥処理装置及びそれを用いた水処理システム、汚泥処理方法及び水処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃水の処理に伴って発生する汚泥を減容する汚泥処理装置及びそれを用いた水処理システム、汚泥処理方法及び水処理方法に関するものである。
有機物を含有する廃水を処理する方法として、標準活性汚泥法などのように微生物を利用した処理方法が広く用いられている。微生物を利用した処理方法は、有機性汚泥に微生物を投入して廃水の処理を行うもので、廃水の処理に伴って有機性汚泥中の微生物が増殖する。この処理方法では微生物が過剰に増殖する場合があり、過剰に増殖した微生物によって余剰汚泥が発生し得る。余剰汚泥は水処理に不必要な汚泥であるため廃水処理系外に排出され、産業廃棄物として焼却、埋め立て処分されるか、嫌気条件下で発酵処分されるが、これらの処分方法は多大なエネルギー、コスト、用地を必要とするため、余剰汚泥の発生量の低減が求められている。
余剰汚泥の発生量を低減する方法のひとつとして、嫌気性微生物を利用した嫌気性消化法が知られている。この嫌気性消化法は、好気性微生物等を含む余剰汚泥を嫌気槽に供給し、嫌気性微生物によって分解させることで余剰汚泥を減容化するものである。嫌気性消化法は、複数種類の嫌気性微生物による複数のプロセスからなり、それぞれの種類の嫌気性微生物が各プロセスで生成する分解副生成物をリレーしながら余剰汚泥を分解する連鎖系で成り立っている。このような連鎖系では、まず、酸生成細菌により余剰汚泥が分解されてプロピオン酸、酪酸、酢酸等の低分子有機酸が生成される。次に、メタン生成菌により低分子有機酸が分解されてメタンや二酸化炭素が生成される。嫌気性消化法では、嫌気槽中の嫌気性微生物の濃度を高濃度にするとともに、単位質量当たりの嫌気性微生物が分解する余剰汚泥の量を増加させるために好気性微生物等を含む余剰汚泥の濃縮を行い濃縮汚泥とすることで高効率化が図られている。
一方、嫌気性消化法における余剰汚泥の分解プロセスにおいて、低分子有機酸の生成速度はメタン等の生成速度よりも速い。このため、嫌気槽に供給する余剰汚泥の量が増やして嫌気性微生物に対する負荷が高くすると、低分子有機酸の分解が十分に進まず低分子有機酸が嫌気槽に蓄積する虞がある。また、低分子有機酸の蓄積は嫌気槽内のpHの低下を招き、pHが小さいとメタン生成菌は活性が低下する。このため、低分子有機酸の蓄積によるpHの低下と、これに伴うメタン生成菌の活性低下による低分子有機酸のさらなる蓄積という悪循環が起こる虞もある。
そこで、嫌気性消化法における低分子有機酸の蓄積を抑制する方法として、嫌気槽と微生物燃料電池とを組み合わせたシステムが提案されている。微生物燃料電池とは、電気生産細菌を利用して電気エネルギーを得るものであり、電気生産細菌は、導体電極の表面に付着し、低分子有機酸を資化して生育する微生物である。微生物燃料電池では、電気生産細菌の酸化還元反応により低分子有機酸を分解することによって放出されるエネルギーが電気エネルギーとして回収される。
嫌気槽と微生物燃料電池とを組み合わせたシステムとしては、例えば特許文献1に開示されているように、メタン発酵処理が行われる嫌気培養槽(嫌気槽に相当)の培地に微生物燃料電池の負極を挿入することにより、メタン発酵処理と微生物燃料電池とを組み合わせたハイブリッドシステムがある。このハイブリッドシステムでは、負極に付着した微生物を嫌気性の環境下において酸生成細菌と共存させ、酸生成細菌が余剰汚泥から生成した低分子有機酸を分解することによってメタン及び電気エネルギーを得るとともに、嫌気培養槽中における水素ガスの発生及び低分子有機酸の蓄積を抑制している。
また、例えば特許文献2に開示されているように、嫌気性微生物を含む汚泥を保持し廃水の嫌気性処理を行う嫌気槽の後段に発電微生物を保持するアノードを備えた微生物燃料電池槽を設置し、廃水に含まれる基質を発電微生物に酸化分解させ、酸化分解の過程で生じた電子を集電して電力回収を行う微生物燃料電池システムがある。
特開2007−227216号公報 特開2016−31778号公報
しかしながら、特許文献1には、負極が挿入された嫌気培養槽に酸生成微生物及びメタン生成微生物とともに有機物を投入することが記載されているのみで、廃水等を処理するシステム上においてどのようにして有機物を嫌気培養槽に供給し、また、嫌気培養槽から余剰汚泥を排出させるかについて具体的に開示されていない。また、特許文献2では、有機物を含み、沈殿池等を経由して浮遊物質が除去された廃水を嫌気槽に導入させ、嫌気性処理を施した後に微生物電池槽に移送することが記載されているが、特許文献2のシステムにおいて嫌気性消化法による余剰汚泥の低減を行う場合、却って汚泥処理の効率を低下させる虞があるという問題点がある。すなわち、嫌気性消化法では、上述したように嫌気槽中の嫌気性微生物の濃度を高濃度にするとともに、処理対象である好気性微生物等を含む余剰汚泥の濃縮を行い濃縮汚泥とすることで高効率化が図られるが、高濃度の嫌気性微生物で処理された濃縮汚泥はそれ自身が高濃度の嫌気性微生物を含み、非常に粘度が高い汚泥となっている。このような高粘度の汚泥は流動性が乏しいため、微生物燃料電池槽に移送された場合に汚泥と負極の接触が不均一となり接触効率が低下する。汚泥と負極の接触効率が低下すると低分子有機酸が十分に分解されなくなり低分子有機酸の蓄積を抑制することができないため、汚泥処理全体の効率も悪化する。負極を大型化したり、負極の本数を増やしたりして接触効率の低下を補うことも考えられるが、このような大型化等は初期費用及びメンテナンス費用の増大を招く。
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、高濃度の汚泥を効率的に処理することができる汚泥処理装置及びそれを用いた水処理システム、汚泥処理方法及び水処理方法を得るものである。
この発明の汚泥処理装置は、有機性の汚泥を分解する嫌気性微生物を保持し、汚泥含有液に含まれる有機性の汚泥を嫌気性処理する嫌気槽と、嫌気性処理の過程で生じる低分子有機酸を分解して電子を放出する電気生産細菌を保持し、電気生産細菌に放出された電子を回収する負極が挿入された電極室と、負極に回収された電子が供給される正極とを有する微生物燃料電池と、嫌気槽と電極室とを直接接続し、嫌気槽と電極室との間で汚泥含有液を循環させる循環手段とを備えたものである。
また、この発明の汚泥処理方法は、有機性の汚泥を分解する嫌気性微生物を保持する嫌気槽において、汚泥含有液に含まれる有機性の汚泥を分解させる嫌気性処理工程と、嫌気性処理工程の過程で生じる低分子有機酸を微生物燃料電池の電極室で電気生産細菌に分解させて発電する発電工程とを備え、汚泥含有液を嫌気槽と電極室との間で循環させて汚泥含有液と電極室の電極とを複数回接触させながら、嫌気性処理工程と発電工程を並行して実施するものである。
この発明によれば、有機性の汚泥を嫌気性処理する嫌気槽と、電気生産細菌により嫌気
性処理の過程で生じる低分子有機酸を分解して発電を行う微生物燃料電池との間で汚泥含有液を循環させる循環手段を備えたため、高濃度の汚泥を効率的に処理することができる。
この発明の実施の形態1における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図である。 この発明の実施の形態1における水処理システムによる水処理プロセスを示すフロー図である。 この発明の実施の形態1における汚泥処理装置による汚泥処理プロセス示すフロー図である。 この発明の実施の形態2における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図である。 この発明の実施の形態3における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図である。 この発明の実施の形態4における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図である。 この発明の実施の形態5における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図である。
以下、添付図面を参照して、本願が開示する汚泥処理装置及びそれを用いた水処理方法、汚泥処理方法及び水処理方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下において「被処理水」とは、処理すべき水を表す。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図であり、実施の形態1における汚泥処理装置及び水処理システムの機器構成、制御系統構成及びフロー系統構成を示している。水処理システム1000は、廃水F1を貯留して好気性処理する曝気槽1と、曝気槽1で好気性処理された廃水F1を処理水F2と汚泥含有処理水、すなわち汚泥含有液に分離する固液分離槽4と、固液分離槽4で廃水F1から分離された汚泥含有処理水に含まれる汚泥を処理する汚泥処理装置100とを備えている。廃水F1は被処理水の一例であり、より具体的には家庭用又は工業用廃水等、処理すべき有機性物質を含有するものであればよい。
曝気槽1は、好気性の細菌や微生物の集合体であり、好気性条件下で廃水F1を好気性処理する活性汚泥(図示なし)を保持している。また曝気槽1は、空気供給装置3からの空気を曝気槽1内に供給して曝気槽1内を好気性条件にする散気装置2が設けられている。空気供給装置3としては、曝気槽1内を好気性条件にするために必要な空気供給量に応じ、ブロア、コンプレッサ、ポンプ等が用いられる。
固液分離槽4は、曝気槽1の下流に接続されており、曝気槽1から排出された廃水F1を処理水F2と汚泥含有処理水に分離する。固液分離槽4は、沈殿槽であってもよいし、膜分離槽であってもよい。膜分離槽である場合は、膜分離活性法で使用される膜モジュールを用いる。なお、膜分離による廃水F1の固液分離においては、図1に示すように別途固液分離槽4を設ける槽外型に限らず、曝気槽1内に固液分離用の膜モジュールを沈める槽内型の膜分離を採用してもよい。
汚泥処理装置100は、引き抜き配管5を介して固液分離槽4に接続され、固液分離槽4から供給される汚泥含有処理水に含まれる有機性の汚泥を濃縮する汚泥濃縮部41と、嫌気槽入口配管42を介して汚泥濃縮部41に接続され、汚泥濃縮部41で濃縮された汚
泥を嫌気性微生物により嫌気性処理する嫌気槽10と、嫌気槽10における嫌気性処理の過程で生成される低分子有機酸を電気生産細菌により分解させて発電を行う微生物燃料電池20と、嫌気槽10と微生物燃料電池20との間で汚泥含有処理水を循環させる循環手段30とを備えている。
汚泥濃縮部41は、汚泥含有処理水に含まれる有機性の汚泥を濃縮し、好気性微生物等の濃度を高濃度にするものである。汚泥濃縮部41としては、公知の脱水機や濃縮機を用いればよい。脱水機としては、例えば遠心力を利用する回転スクリュー式の遠心脱水機、濾過による脱水を行うベルトプレス脱水機等が挙げられる。濃縮機としては、例えば汚泥を気泡に付着させて浮上分離させる常圧浮上濃縮機、汚泥に凝集剤を加えて造粒凝集する造粒濃縮機等が挙げられる。汚泥濃縮部41で濃縮された汚泥は、嫌気槽入口配管42を介して嫌気槽10に送られる。なお、汚泥濃縮部41の前段に汚泥のフロック(塊)を大きくする無機系凝集剤または有機系高分子凝集剤を貯留するタンクを設け、汚泥濃縮部41に投入される前の汚泥含有処理水にこれらの凝集剤を添加してもよい。ここで用いる凝集剤は、嫌気槽10内の嫌気性微生物や微生物燃料電池20の負極室21内の電気生産細菌の生育を阻害したり死滅させたりするものでなければ特に限定されるものではない。
嫌気槽10は、その内部が嫌気性条件下に維持されており、高濃度の嫌気性微生物(図示なし)を保持している。嫌気槽10が保持する嫌気性微生物は、汚泥含有処理水に含まれる有機性の汚泥を分解してプロピオン酸、酪酸、酢酸等の低分子有機酸を生成する酸生成細菌や、酸生成細菌に生成された低分子有機酸をさらに分解してメタンや二酸化炭素を生成するメタン生成菌を含む。また、嫌気槽10は、第1の流入部11及び第1の流出部12を有している。第1の流入部は嫌気槽入口配管42と接続され、第1の流出部12は嫌気槽出口配管51と接続されている。
また、嫌気槽10は、循環手段30によって後述する微生物燃料電池20の負極室21との間で汚泥含有処理水を循環するように構成されている。循環手段30は、第2の流出部14に接続され、嫌気槽10から負極室21に汚泥含有処理水を送る往路配管31と、第2の流入部13に接続され、負極室21から嫌気槽10に汚泥含有処理水を戻す復路配管32とを備えている。往路配管31は、負極室21の下面に接続され、復路配管32は負極室21の上面に接続されている。往路配管31上には循環ポンプ33が設けられている。
微生物燃料電池20は、2つの電極室を持つ二槽型の微生物燃料電池であり、負極211が挿入された負極室21、正極221が挿入された正極室22、負極室21及び正極室22の間に設置されたプロトン交換膜23を備えている。プロトン交換膜23は、負極室21と正極室22を隔てて負極室21から正極室22への汚泥含有処理水の流入及び正極室22から負極室21への電解液の流入を防ぐが、負極室21から正極室22へのプロトンの移動は可能としている。
負極室21は、内部が嫌気性条件下に維持された状態で電気生産細菌(図示なし)を保持する。電気生産細菌は、負極室21に挿入された負極211の表面に付着することで負極室21内に保持されているもので、嫌気槽10からの汚泥含有処理水に含まれる低分子有機酸を基質としている。電気生産細菌は、この低分子有機酸を酸化還元反応により分解し、分解の過程で電子を放出する。電気生産細菌に放出された電子は負極211に回収され、外部回路を経由して正極221に送られる。
正極室22は、正極221が挿入され、正極221に送られた電子を受け取る電子受容体(図示なし)を電解液とともに保持している。電解液としては、導電性を有し、正極221を腐食させるものでなければ特に限定されず、例えば硝酸ナトリウム溶液、フェリシアン化カリウム溶液等の公知の電解液を用いることができる。
なお、実施の形態1のでは二槽型の微生物燃料電池を用いているが、一槽型の微生物燃料電池を用いてもよい。一槽型の微生物燃料電池の場合、一側面に正極としてのエアカソードが設けられた1つの電極室に電気生産細菌が付着した負極を挿入する。
負極211の材質は、導電性を有する材料であれば特に限定されず、公知の材料を採用することができる。耐久性の観点からは、微生物に分解されにくく生物適合性が良い材質であることが好ましく、例えば、炭素棒、カーボンブラシ、カーボンペーパー、カーボンフェルトなどの炭素材料や、金、酸化鉄等の金属材料を用いることが好ましい。また、電気生産細菌が生産する電子の効率的な回収の観点からは、電気生産細菌の付着性が高い材質であればより好ましい。負極211の構造は、特に限定されることなくシート状、筒状等の公知の構造を採用することができる。電子の安定的な回収の観点からは、電気生産細菌の付着性が高くなるように表面積を大きくした方が好ましく、例えば、できるだけ大きな空隙率を持つ多孔体とすることや、表面にミリオーダー、マイクロオーダーの凹凸を形成することが好ましい。
正極221の材質は、特に限定されず公知の材料を採用することができる。電気エネルギーの効率的な回収の観点からは電気抵抗が低い材質であることが好ましく、コストの観点からは耐食性が高い材質であることが好ましいため、例えば、炭素棒、カーボンブラシ、カーボンフェルト等の炭素材料や、ステンレス、銅等の金属材料を用いることが好ましい。正極221の構造は、負極211の場合と同様に特に限定されず、シート状、筒状等の公知の構造を採用することができる。
電子受容体も特に限定されないが、ランニングコストの観点から正極室22に空気を吹き込むことで空気中の酸素を電子受容体とすることが好ましい。また、負極211による電気生産細菌からの電子の回収を促進するため、メディエーターを負極室21に添加してもよい。メディエーターも特に限定されず、メチレンブルー等の公知のものを使用することができる。
次に、水処理システム1000による水処理プロセス及び汚泥処理装置100による汚泥処理(減容)プロセスについて説明する。図2は、実施の形態1における水処理システムによる水処理プロセスを示すフロー図であり、図3は、実施の形態1における汚泥処理装置による汚泥処理プロセスを示すフロー図である。まず、廃水F1を曝気槽1内に所定量流入させた状態で散気装置2により曝気槽1を好気性条件下とし、廃水F1を好気性処理する(ステップST01、好気性処理工程)。この好気性処理により、廃水F1中の有機性物質が分解されるに伴い、有機性の汚泥が生じる。
次に、ステップST01で好気性処理した廃水F1及び好気性処理によって生じた有機性の汚泥を固液分離槽4に移送し、汚泥を含まない処理水F2と汚泥含有処理水とに廃水F1を分離する(ステップST02、分離工程)。処理水F2は処理済みとして系外に排出する。汚泥含有処理水の一部は引き抜き配管5を介して汚泥処理装置100の汚泥濃縮部41に送り、残りは返送配管6を介して曝気槽1に返送する。
次に、汚泥処理装置100にて汚泥含有処理水中の汚泥を処理する(ステップST03、汚泥処理工程)。
ステップST03における汚泥処理は、以下のように行われる。まず、汚泥濃縮部41に送られた汚泥含有処理水を凝集や脱水により濃縮する(ステップST031、濃縮工程)。濃縮後の汚泥含有処理水中の汚泥の濃度(好気性微生物等の固形物の濃度)は特に限定されないが、段落0007で述べたように好気性微生物等の濃度が大きいほど嫌気性処理が高効率となるため、嫌気性処理の効率性の観点から20000mg/L以上が好ましく、30000mg/L以上がより好ましい。一方、汚泥の濃度が高くなるほど嫌気槽10における汚泥の滞留時間が長くなり必要な容積が増加し初期費用が増加する。また、高濃度の汚泥は汚泥含有処理水の粘度を高め、汚泥含有処理水を嫌気槽10と微生物燃料電池20との間で循環させるために必要な循環ポンプの駆動力も大きくなるとともに、往路配管31及び復路配管32が閉塞するリスクが高まる。このため、コスト及び汚泥含有処理水の安定的な循環の観点から100000mg/L以下が好ましく、60000mg/L以下がより好ましい。
次に、嫌気槽入口配管42を通して濃縮された汚泥含有処理水を移送し、第1の流入部11を介して嫌気槽10内に流入させる(ステップST032、流入工程)。
次に、嫌気槽10内に投入された汚泥含有処理水に含まれる汚泥に対して嫌気性処理を施す(ステップST033、嫌気性処理工程)。嫌気性処理においては、まず酸生成細菌により有機性の汚泥を低分子有機酸に分解し、次いで、メタン生成細菌により低分子有機酸をメタンや二酸化炭素に分解する。また、酸生成細菌が低分子有機酸を生成する速度はメタン生成細菌が低分子有機酸を分解する速度よりも速いため、汚泥含有処理水中の低分子有機酸の濃度及びpHが一時的に上昇する。
ステップST033の嫌気性処理と並行して、循環手段30により嫌気性処理中の汚泥含有処理水を嫌気槽10と微生物燃料電池20との間で循環させながら、微生物燃料電池20において発電を行う(ステップST034、発電工程)。より具体的には、流入工程後の所定のタイミングで循環ポンプ33を駆動して第2の流出部14をから嫌気性処理中の汚泥含有処理水を往路配管31に流出させ、往路配管31内を流通させて微生物燃料電池20の負極室21の下方から流入させる。嫌気性処理中の汚泥含有処理水には酸生成細菌によって汚泥から生成された低分子有機酸を含むため、負極室21には汚泥含有処理水とともに低分子有機酸が流入する。負極室21に流入した低分子有機酸は、負極211の表面に付着した電気生産細菌により分解され、電子が生じる。この電子は負極211によって回収され、外部回路を経由して正極221に送られ、正極室22に保持された電子受容体によって回収される。このように、発電工程では循環手段30によって微生物燃料電池20の負極室21に送られた低分子有機酸の分解により発電が行われる。
負極室21に流入した汚泥含有処理水は、プロトン交換膜23の表面と平行に下方から上方に流れ、上面に接続された復路配管32に流出する。復路配管32に流出した汚泥含有処理水は復路配管32を通り、第2の流入部13から嫌気槽10に流入する。
上記のように負極室21では低分子有機酸の分解が行われるため、復路配管32を通って負極室21から嫌気槽10に流れる汚泥含有処理水中の低分子有機酸の濃度は、往路配管31を通って嫌気槽10から負極室21に流れる汚泥含有処理水中の低分子有機酸の濃度よりも小さくなっており、pHも小さくなっている。このため、ステップST033の嫌気性処理とステップST034の発電工程を並行して実施することで嫌気槽10内の汚泥含有処理水のpHの増加が抑制され、pHの増加によるメタン生産細菌の活性低下が防がれる。
嫌気性処理工程により汚泥が十分に減容された汚泥含有処理水は、第1の流出部12を介して嫌気槽から流出し、嫌気槽出口配管51を通して系外に排出される(ステップST035、流出工程)。
汚泥処理装置100は、汚泥を連続的に処理するものであるため、嫌気槽10に流入した汚泥含有処理水に対して嫌気性処理工程と発電工程を実施する一方で、既に汚泥が減容された汚泥含有処理水についての排出工程も実施されるため、第1の流出部12から流出する汚泥含有処理水の流量(以下、排出流量Q1[m3/日])と第2の流出部14から流出する汚泥含有処理水の流量、すなわち循環ポンプ33により循環する汚泥含有処理水の流量(以下、循環流量Q2[m3/日])のバランスが重要である。実施の形態1では、排
出流量Q1よりも循環流量Q2を大きくすることにより、汚泥含有処理水と負極211の接触回数を増加させている。
また、循環手段30により嫌気槽10と負極室21の間で汚泥含有処理水を循環させる構成としているため、汚泥含有処理水中の低分子有機酸と負極211に付着した電気生産細菌との接触時間は循環流量Q2によって調整可能であり、負極室21のサイズに依らない。
また、実施の形態1では嫌気槽10における汚泥含有処理水の固形物滞留時間(SRT:Sludge Retention Time)[日]が所定の値になるように、排出流量Q1をもとに嫌気槽10の容積V[m3]を設定している。SRTは以下の式(1)で表される値であり、具体的には、嫌気槽10の容積Vと嫌気槽10内の固形物濃度SC1[g/m3]との積を、汚泥含有処理水の排出量Q2[m3/日]と流出する汚泥含有処理水
の固形物濃度SC2「g/m3」との積で除した値である。

嫌気槽10におけるSRT=(V×SC1)÷(Q1×SC2)・・・式(1)

なお、嫌気槽10内の汚泥含有処理水の量を一定に維持するため、嫌気槽10に流入する汚泥含有処理水の流量と、排出流量Q1は同じであることが好ましい。
嫌気槽10におけるSRTは、特に限定されないが、汚泥の十分な分解という観点からは2日以上が好ましく、6日以上がより好ましく、15日以上がさらに好ましい。一方、嫌気槽10の効率的な利用による嫌気槽10の大型化及び初期費用増大の防止という観点からは40日以下が好ましく、30日以下がより好ましく、20日以下がさらに好ましい。
循環流量Q2は、循環ポンプ33の駆動力により決まるものであり、汚泥や嫌気槽10内で生じた低分子有機酸を十分に分解するのであれば特に限定されない。汚泥が十分に分解されたか否かは、例えば嫌気槽出口配管51上にオンラインで汚泥濃度測定器(図示なし)を設けて嫌気槽10から流出した汚泥含有処理水中の汚泥の濃度を測定し、その汚泥の濃度が目標値に達しているか否かで判断すればよい。なお、目標値に達していない汚泥含有処理水が系外に排出することを防ぐため、嫌気槽出口配管51を途中で分岐させ、分岐の一方には嫌気槽10に汚泥含有処理水を返送する配管を設けてもよい。分岐部分には切替弁を設け、汚泥の濃度が目標値に達した場合のみ汚泥含有処理水を系外に排出し、目標値に達していない場合は嫌気槽10に汚泥含有処理水を返送して嫌気性処理を追加で実施する。また、低分子有機酸が十分に分解されているか否かについては、嫌気槽10内にpH測定器を設け、嫌気槽10内のpHを測定することで低分子有機酸が十分に分解されたか否かを判断すればよい。
一方、低分子有機酸や汚泥の十分な分解及び循環ポンプ33のランニングコストの増大抑制を両立させる観点から、汚泥濃縮部41における汚泥の濃縮前後での汚泥濃度の比等に応じて適切な循環流量Q2を設定することも考えられる。具体的には、汚泥濃縮部41において濃縮された後の汚泥含有処理水の汚泥濃度をC[mg/L]、濃縮される前の汚泥濃度をX[mg/L]、嫌気槽10に流入する汚泥含有処理水の流量をQ0[m3/日]とし、循環流量Q2を以下の式(2)を満たすように設定する。

(C/X)×Q0≦Q2≦5×(C/X)×Q0・・・式(2)

上記の式(2)を満たすように循環流量Q2を設定することで、低分子有機酸や汚泥の十分な分解を可能にするとともに循環ポンプ33のランニングコストの増大を抑制することができる。
微生物燃料電池20の負極室21のサイズは特に限定されず、デッドスペース(汚泥含有処理水と負極が接触しない空間)を小さくする観点から、なるべく負極211のサイズに近くすることが好ましい。一方、汚泥含有処理水と負極211との接触効率の観点からは、負極室21における汚泥含有処理水の流れは乱流である方が好ましい。このため、負極室の水平方向断面積D[m2]を以下の式(3)を満たすように設定することが好ましい。

5000≦(Q/(D)0.5×ρ)/(2×10−22×C×exp(4850/T))≦15000・・・式(3)

式(3)において、ρ[kg/m3]は汚泥含有処理水の密度、T[K]は汚泥含有処理水の温度である。Cは上述の式(2)と同様に濃縮後の汚泥含有処理水の汚泥濃度である。式(3)の中辺は、負極室21における汚泥含有処理水の流れのレイノルズ数を示している。すなわち、式(3)は負極室21における汚泥含有処理水の流れのレイノルズ数を5000以上とすることで負極室21における汚泥含有処理水の流れが乱流となるように循環流量Q2及び負極室21の水平方向断面積Dを設定することを示す。乱流となることで負極211との接触効率が大きくなり、汚泥含有処理水と電気生産細菌との接触時間も増加する。一方、負極室21の大型化によるコストの増加及びデッドスペースの増加を抑制する観点から負極室21の水平方向断面積Dに上限を設けるため、レイノルズ数を15000以下としている。
実施の形態1によれば、高濃度の汚泥を効率的に処理することができる。より具体的には、嫌気性処理中の汚泥含有処理水を嫌気槽と微生物燃料電池との間で循環させる循環手段を備えたため、汚泥の高濃度化に伴う高粘度化によって生じる負極と汚泥含有処理水の接触効率の低下を、循環による接触回数の増加で補うことで効率的な汚泥処理が可能となっている。つまり、汚泥含有処理水の循環により汚泥含有処理水と負極を複数回接触させることで接触1回あたりの接触効率の低下を補っている。さらに、汚泥含有処理水の循環流量を汚泥含有処理水の系外への排出流量よりも大きくしているため、十分な接触回数が確保されている。
また、汚泥の高濃度化に対応するための初期費用の増加やメンテナンス費用の増加を防ぐことができる。より具体的には、高濃度化に対応するために負極を大型化したり、負極の本数を増やしたりする必要がなく、これらに伴う初期費用やメンテナンス費用の増加がない。上述したように、実施の形態1では嫌気性処理中の汚泥含有処理水を嫌気槽と微生物燃料電池との間で循環させることで負極と汚泥含有処理水の接触効率の低下を補っているためである。
また、負極室の効率的な利用が可能である。より具体的には、負極室の小型化が可能であり、負極室のサイズを負極のサイズに近づけることができるため、デッドスペース(汚泥含有処理水と負極が接触しない空間)を減少させることができ、負極室内を負極が占める割合、すなわち電気生産細菌が占める割合を増加させることができる。これは、汚泥含有処理水を循環させることで汚泥含有処理水中の低分子有機酸と電気生産細菌との接触時間が循環流量で調整可能となっており、負極室のサイズに依らないためである。なお、このような負極室の効率的な利用は、汚泥の高粘度化による汚泥含有処理水と負極の接触効率の低下の影響を抑制する効果もある。
また、嫌気性処理を効率的に行うことができる。より具体的には、嫌気性処理を行う前の濃縮工程で汚泥含有処理水中の汚泥の濃度(好気性微生物等の固形物の濃度)が高濃度となっており、単位質量当たりの嫌気性微生物が単位時間当たりに処理する汚泥の量が大
きくなっているため、嫌気性処理を効率的に行うことが可能となっている。
また、汚泥の嫌気性処理の過程で生じた低分子有機酸から効率的に電気エネルギーを得て発電することができる。より具体的には、低分子有機酸を分解して電子を放出する電気生産細菌を負極の表面に付着させて保持しているため、負極による電子の回収が高効率であり、電気エネルギーを効率的に得ることが可能となっている。
また、微生物燃料電池のプロトン交換膜が損傷することを防ぐともに、負極室内で汚泥含有処理水の流れに淀みが生じて汚泥含有処理水と負極の接触効率が悪化することを防ぐことができる。より具体的には、往路配管を負極室の下面に接続し、復路配管を上面に接続しているため、負極室内における汚泥含有処理水の流れはプロトン交換膜の面と平行である。すなわち、プロトン交換膜の表面に垂直な流れがなく、プロトン交換膜に対して大きな力が加わることがないため、プロトン交換膜が損傷しにくい。また、汚泥含有処理水の流れもスムーズでとなるため淀みが生じることなく、負極全体に汚泥含有処理水が接触して接触効率がよい状態が維持される。
なお、プロトン交換膜が十分な耐久性を持ち、汚泥含有処理水の流れに淀みが生じる虞が小さい場合は、例えば負極室の側面の下部及び上部に往路配管及び復路配管を接続するなどして、プロトン交換膜の表面と垂直な方向の流れが生じる構成にしてもよい。
実施の形態2.
以下に、この発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。なお、図1と同一又は相当部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。図4は、この発明の実施の形態2における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図であり、実施の形態2における汚泥処理装置及び水処理システムの機器構成、制御系統構成及びフロー系統構成を示している。水処理システム2000及び汚泥処理装置200は、基本的な構成及び動作は実施の形態1の水処理システム1000及び汚泥処理装置100と同様であるが、嫌気槽10内の汚泥含有処理水の温度及びpHを測定する温度・pH測定部15を嫌気槽10内に備えるとともに、温度・pH測定部15の測定結果に基づいて嫌気槽10内の温度及びpHを所定の値に制御して維持する温度・pH調整部16を備えている点が実施の形態1と異なる。
温度・pH調整部16は、汚泥処理の開始直後等で低分子有機酸がほとんど生成されていない場合に、嫌気槽10内の環境をメタン生成菌が生育及び活性化しにくい環境に維持し、メタン発酵(低分子有機酸を分解してメタンガスを生成する反応)によって嫌気槽10の汚泥含有処理水中の低分子有機酸が減少することを防ぐ。メタン生成菌が低分子有機酸を分解する速度は酸生成細菌が低分子有機酸を生成する速度に比べて非常に遅く、通常は低分子有機酸が蓄積されていくが、汚泥処理の開始直後等で低分子有機酸がほとんど生成されていない状況では、微生物燃料電池20の負極室21に保持されている電気生産細菌の基質となるべき低分子有機酸がメタン生成菌のために不足し、電気生産細菌の生育が妨げられる虞がある。この場合、負極211表面上の電気生産細菌の菌密度が低下して、後々の発電工程で負極室21における低分子有機酸の分解が十分に行われなくなり、結果としてメタン生成菌の活性も低下、汚泥処理の効率低下を引き起こす虞がある。なお、嫌気槽10内は、酸生成細菌による低分子有機酸を妨げない環境にも維持する必要がある。
温度・pH調整部16は、温度調整手段として嫌気槽10内の汚泥含有処理水を加熱する潜水ヒーターやリボンヒーター(図示なし)を有し、pH調整手段として酸性溶液あるいはアルカリ性溶液を貯留するタンク(図示なし)及び酸性溶液あるいはアルカリ性溶液を嫌気槽10内に送液するポンプ等(図示なし)を有している。
嫌気槽10内の汚泥含有処理水の温度は、嫌気槽10においてメタン生成菌の生育及び
活性化を抑制する観点から30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。また、酸生成細菌の活性低下により低分子有機酸の生成が妨げられることを防ぐ観点から10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましい。嫌気槽10内の汚泥含有処理水のpHは、嫌気槽10においてメタン生成菌の生育及び活性化を抑制する観点から6.5以下が好ましく、6.0℃以下がより好ましい。また、酸生成細菌の活性低下により低分子有機酸の生成が妨げられることを防ぐ観点から4.5以上が好ましく、5.2以上がより好ましい。なお、メタン発酵が生じなければよいため、温度又はpHの一方を上記の範囲に設定してメタン発酵を防げば、他方の範囲は特に限定されない。
実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、高濃度の汚泥の効率的な処理をより確実に実施することができる。より具体的には、嫌気性処理工程と並行して実施する発電工程において利用する電気生産細菌について、汚泥処理の開始直後等で低分子有機酸がほとんど生成されていない場合でも基質となる低分子有機酸が電気生産細菌に十分に供給されるよう、温度・pH調整部によりメタン生成菌の生育及び活性化を抑制するため、電気生産細菌が十分に生育し、微生物燃料電池の負極室表面の菌密度が低下することを防ぐことができる。この結果、発電工程において電気生産細菌による低分子有機酸の分解が十分に行われ、嫌気槽内の汚泥含有処理水中に低分子有機酸が過剰に蓄積することを防ぎ、嫌気槽における高濃度の汚泥の効率的な処理をより確実に実施することができる。
なお、実施の形態2では、メタン生成菌の生育及び活性化を防ぐために温度及びpHを調整するとしたが、電気生産細菌による低分子有機酸の分解のみではpHの低下を防ぎ切れていない場合に温度・pH調整部16を用いて嫌気槽10内のpHをメタン生成菌の活性化に適した状態にすることも考えられる。
実施の形態3.
以下に、この発明の実施の形態3を図5に基づいて説明する。なお、図1と同一又は相当部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5は、この発明の実施の形態3における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図であり、実施の形態3における汚泥処理装置及び水処理システムの機器構成、制御系統構成及びフロー系統構成を示している。水処理システム3000及び汚泥処理装置300は、基本的な構成及び動作は実施の形態2の水処理システム2000及び汚泥処理装置200と同様であるが、正極室22内の汚泥を検知する汚泥漏出検知部24をと、正極室22に保持される電解液を貯留する電解液タンク7と、電解液タンク7と正極室22との間で電解液を循環させる電解液循環手段60を備えた点、循環手段30が負極室電磁弁34、すなわち汚泥含有液遮断手段を備えた点が実施の形態2と異なる。
汚泥漏出検知部24は、汚泥濃度計(図示なし)を備え、正極室22から定期的に電解液をサンプリングして汚泥の有無をチェックすることで負極室21から正極室22への汚泥の漏出を検知する。チェック後の電解液は正極室22に戻す。なお、実施の形態3では汚泥の有無のチェックに汚泥濃度計を用いているが、濁度計を用いてもよい。
電解液循環手段60は、一端が電解液タンク7に接続され、他端が正極室22に接続されて、電解液タンク7内の電解液を正極室22に送る電解液往路配管61と、一端が正極室22に接続され、他端が電解液タンク7に接続されて、正極室22内の電解液を電解液タンク7に返す電解液復路配管62とを備えている。電解液往路配管61上には電解液循環ポンプ63が設けられており、電解液往路配管61上において、電解液タンク7と電解液循環ポンプ63との間には正極室電磁弁64、すなわち電解液遮断手段が設けられている。電解液循環ポンプ63は、電解液タンク7と正極室22の間で電解液を循環させ、正
極室22内に保持される電解液の量や濃度を一定に保つ。正極室電磁弁64は、電解液タンク7から正極室22への電解液の流れを制御する。
電解液タンク7には、電解液の注入口及び取り出し口(図示なし)が設けられており、電解液の追加や交換を容易に行うことが可能となっている。
往路配管31上において、第2の流出部14と循環ポンプ33の間には、負極室電磁弁34が設けられている。負極室電磁弁34は、嫌気槽10から負極室21への汚泥含有処理水の流れを制御する。
汚泥漏出検知部24は、プロトン交換膜23の破損等による汚泥の漏出を検知した場合、循環制御部(図示なし)に対して汚泥漏出信号を送信する。汚泥漏出信号を受信した循環制御部は、循環ポンプ33及び電解液循環ポンプ63を停止させ、次いで負極室電磁弁34及び正極室電磁弁64を閉じることにより汚泥含有処理水及び電解液の流れを遮断し、嫌気槽10、微生物燃料電池20、及び電解液タンク7をそれぞれ分離した状態とする。これにより、嫌気槽10から負極室21に流れた汚泥がプロトン交換膜23の破損個所を通って正極室22か電解液タンク7に混入することがなく、正極室22内の電解液が嫌気槽10に混入することもない。
なお、実施の形態3では汚泥漏出検知部24を正極室22に設けているが、電解液復路配管62上にオンラインで設けてもよい。
実施の形態3によれば、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
また、メンテナンス費用を削減するとともに、メンテナンス期間を短縮して水処理及び汚泥処理をより安定的に実施することができる。より具体的には、正極室に汚泥漏出検知部を設け、プロトン交換膜の破損等による汚泥の漏出を検知した場合には循環ポンプ及び電解液循環ポンプを停止させるとともに、負極室電磁弁及び正極室電磁弁により汚泥含有処理水及び電解液の流れを遮断して嫌気槽、微生物燃料電池、及び電解液タンクをそれぞれ分離することで汚泥含有処理水が電解液タンクに混入すること及び電解液が嫌気槽に混入することを防ぐ。この結果、プロトン交換膜破損時等におけるメンテナンス対象が微生物燃料電池に限定され、メンテナンス費用の削減及びメンテナンス期間の短縮が可能となり、水処理及び汚泥処理をより安定的に実施することが可能となっている。
また、正極室に保持される電解液の量及び濃度を容易に安定させることができる。より具体的には、電解液を貯留する電解液タンクを設け、電解液タンクと正極室との間で電解液を循環させる電解液循環手段を設けたため、正極室への電解液の追加、正極室の電解液の交換が電解液循環手段によって行うことが可能であるため、正極室に保持される電解液の量及び濃度を容易に安定させることができる。
実施の形態4.
以下に、この発明の実施の形態4を図6に基づいて説明する。なお、図1と同一又は相当部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。図6は、この発明の実施の形態4における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図であり、実施の形態4における汚泥処理装置及び水処理システムの機器構成、制御系統構成及びフロー系統構成を示している。水処理システム4000及び汚泥処理装置400は、基本的な構成及び動作は実施の形態3の水処理システム3000及び汚泥処理装置300と同様であるが、それぞれ1つの嫌気槽10及び電解液タンク7に対して微生物燃料電池等を2系統接続した点が実施の形態3と異なる。以下では、2つの系統をA系、B系と称し、符号の末尾に「A」もしくが「B」を付すことでいずれの系統であるかを示す。
微生物燃料電池20Aは、実施の形態3の微生物燃料電池20と同様に負極211Aが挿入された負極室21A、正極221Aが挿入された正極室22A、負極室21A及び正極室22Aを隔てるプロトン交換膜23A、正極室22A内の汚泥を検知する汚泥漏出検知部24Aを備えている。微生物燃料電池20Bも同様に、負極211Bが挿入された負極室21B、正極221Bが挿入された正極室22B、プロトン交換膜23B、汚泥漏出検知部24Bを備えている。
嫌気槽10は、循環手段30Aによって負極室21Aとの間で汚泥含有処理水を循環するように構成されているとともに、循環手段30Bによって負極室21Bとの間でも汚泥含有処理水を循環するように構成されている。
循環手段30Aは、実施の形態3の循環手段30と同様に第2の流出部14に接続され、嫌気槽10から負極室21Aに汚泥含有処理水を送る往路配管31Aと、第2の流入部13に接続され、負極室21Aから嫌気槽10に汚泥含有処理水を返す復路配管32Aとを備えている。往路配管31A上には循環ポンプ33Aが設けられており、往路配管31A上において第2の流出部14と循環ポンプ33Aとの間には負極室電磁弁34Aが設けられている。さらに、第2の流出部14と負極室電磁弁34Aとの間には往路分岐点35が設けられている。また、復路配管32A上には復路合流点36が設けられている。
循環手段30Bは、一端が往路分岐点35に接続され、他端が負極室21Bに接続されて、嫌気槽10から負極室21Bに汚泥含有処理水を送る往路配管31Bと、一端が負極室21Bに接続され、他端が復路合流点36に接続されて、負極室21Bから嫌気槽10に汚泥含有処理水を返す復路配管32Bとを備えている。往路配管31B上には循環ポンプ33Bが設けられており、往路配管31B上において往路分岐点35と循環ポンプ33Bとの間には負極室電磁弁34Bが設けられている。
電解液タンク7は、電解液循環手段60Aによって正極室22Aとの間で電解液を循環するように構成されているとともに、電解液循環手段60Bによって正極室22Bとの間でも電解液を循環するように構成されている。
電解液循環手段60Aは、実施の形態3の電解液循環手段60と同様に一端が電解液タンク7に接続され、他端が正極室22Aに接続されて、電解液タンク7から正極室22Aに電解液を送る電解液往路配管61Aと、一端が正極室22Aに接続され、他端が電解液タンク7に接続されて、正極室22Aから電解液タンク7に電解液を返す電解液復路配管62Aとを備えている。電解液往路配管61A上には電解液循環ポンプ63Aが設けられており、電解液往路配管61A上において、電解液タンク7と電解液循環ポンプ63Aとの間には正極室電磁弁64Aが設けられている。さらに、電解液タンク7と正極室電磁弁64Aとの間には電解液往路分岐点65が設けられている。また、電解液復路配管62A上には電解液復路合流点66が設けられている。
電解液循環手段60Bは、一端が電解液往路分岐点65に接続され、他端が正極室22Bに接続されて、電解液タンク7から正極室22Bに電解液を送る電解液往路配管61Bと、一端が正極室22Bに接続され、他端が電解液復路合流点66に接続されて、正極室22Bから電解液タンク7に電解液を返す電解液復路配管62Bとを備えている。電解液往路配管61B上には電解液循環ポンプ63Bが設けられており、電解液往路配管61B上において電解液往路分岐点65と電解液循環ポンプ63Bとの間には正極室電磁弁64Bが設けられている。
次に、動作について説明する。汚泥処理装置400は、通常時は一方の系統の微生物燃料電池及び循環手段を用いて電気生産細菌による低分子有機酸の分解及び汚泥含有処理水の循環を実施し、メンテナンス等で一方の系統を停止させた場合には、他方の系統の微生物燃料電池及び循環手段を用いて引き続き低分子有機酸の分解及び汚泥含有処理水の循環を実施する。また、通常時には一方の系統の電解液循環手段を用いて電解液の循環を実施し、メンテナンス等で一方の系統を停止させた場合には、他方の系統の電解液循環手段を
用いて引き続き電解液の循環を実施する。以下では、通常時にA系を用いて汚泥含有処理水の分解及び循環、及び電解液の循環を実施する場合について説明するが、通常時にB系を用いる場合も同様である。また、汚泥含有処理水の循環と電解液の循環は独立しているので、汚泥含有処理水の循環はA系(B系)で実施し、電解液の循環はB系(A系)で実施することも可能である。
まず、循環ポンプ33B及び電解液循環ポンプ63Bを停止させ、負極室電磁弁34B及び正極室電磁弁64Bを閉じた状態で負極室電磁弁34A及び正極室電磁弁64Aを開いて循環ポンプ33A及び電解液循環ポンプ63Aを駆動させる。これにより、嫌気槽10と負極室21Aとの間で嫌気槽10内の汚泥含有処理水を循環させながら、汚泥含有処理水に含まれる低分子有機酸を負極室21A内に保持された電気生産細菌に分解させる。また、電解液タンク7と正極室22Aとの間で電解液を循環させながら、正極室22Aに保持される電解液の量及び濃度を一定に保つ。
汚泥漏出検知部24Aがプロトン交換膜23Aの破損等による汚泥の漏出を検知した場合等、嫌気槽10、微生物燃料電池20A、及び電解液タンク7を分離させる必要が生じると、循環ポンプ33A及び電解液循環ポンプ63Aを停止させ、負極室電磁弁34A及び正極室電磁弁64Aを閉じて循環手段30Aにおける汚泥含有処理水の流れ及び電解液循環手段60Aにおける電解液の流れを遮断するとともに、負極室電磁弁34B及び正極室電磁弁64Bを開いて循環ポンプ33B及び電解液循環ポンプ63Bを起動させることで系統の切り替えを行う。これにより、嫌気槽10内の汚泥含有処理水は嫌気槽10と負極室21Bとの間を循環するようになるため、汚泥含有処理水中の低分子有機酸は引き続き負極室21Bの電気生産細菌により分解される。また、電解液は電解液タンク7と正極室22Bとの間を循環するようになり、正極室22Bに保持される電解液の量及び濃度は一定に保たれる。
実施の形態4によれば、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
また、高濃度の汚泥の処理をより安定的に行うことができる。より具体的には、1つの嫌気槽に対して2系統の微生物燃料電池及び循環手段を備えたため、通常時は一方の系統の微生物燃料電池の負極室において電気生産細菌に汚泥含有処理水中の低分子有機酸を分解させ、メンテナンス等で一方の系統を停止させる場合には汚泥含有処理水を循環させる系統の切り替えを行い、他方の系統の微生物燃料電池の負極室において引き続き低分子有機酸を分解させる。このため、有機酸の蓄積をより確実に防ぎ、嫌気槽内のpHをメタン生成菌の活性に適した状態に維持できるので、高濃度の汚泥の処理をより安定的に行うことができる。
なお、実施の形態4では微生物燃料電池、循環手段、電解液循環手段を2系統としたが、3系統以上とすれば、システム全体をより安定的にすることができる。初期費用も考慮した場合は、2系統以上3系統以下とすることが好ましい。
実施の形態5.
以下に、この発明の実施の形態5を図7に基づいて説明する。なお、図1と同一又は相当部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。図7は、この発明の実施の形態5における汚泥処理装置及び水処理システムを示す全体構成図であり、実施の形態5における汚泥処理装置及び水処理システムの機器構成、制御系統構成及びフロー系統構成を示している。水処理システム5000及び汚泥処理装置500は、基本的な構成及び動作は実施の形態1の水処理システム1000及び汚泥処理装置100と同様であるが、嫌気槽10よりも容積が小さい小型嫌気槽101に嫌気槽10を置き換え、小型嫌気槽101の後段に嫌気槽10よりも容積が大きい大型嫌気槽102を設けた点が実施の形態2と異
なる。
小型嫌気槽101は、実施の形態1の嫌気槽10に相当し、その内部が嫌気性条件下に維持されており、高濃度の嫌気性微生物(図示なし)を保持している。小型嫌気槽101が保持する嫌気性微生物は、汚泥含有処理水に含まれる有機性の汚泥を分解して低分子有機酸を生成する酸生成細菌や、酸生成細菌に生成された低分子有機酸をさらに分解してメタンや二酸化炭素を生成するメタン生成菌を含む。また、小型嫌気槽101は、第1の小型嫌気槽流入部111及び第1の小型嫌気槽流出部121を有している。第1の小型嫌気槽流入部111は実施の形態1における第1の流入部11に相当し、嫌気槽入口配管42と接続されている。第1の小型嫌気槽流出部121は実施の形態1における第1の流出部12に相当し、小型嫌気槽出口配管511と接続されている。また、小型嫌気槽101は、第2の小型嫌気槽流入部131及び第2の小型嫌気槽流出部141を有している。第2の小型嫌気槽流入部131は実施の形態1における第2の流入部13に相当し、循環手段30の復路配管32と接続されている。第2の小型嫌気槽流出部141は実施の形態1における第2の流出部14に相当し、循環手段30の往路配管31と接続されている。
大型嫌気槽102は、大型嫌気槽流入部112及び大型嫌気槽流出部122を有している。大型嫌気槽流入部112は、小型嫌気槽出口配管511を介して第1の小型嫌気槽流出部121に接続されており、小型嫌気槽101で処理された汚泥含有処理水が大型嫌気槽102に流入する構成となっている。大型嫌気槽流出部122は大型嫌気槽出口配管512と接続されており、大型嫌気槽102で処理された汚泥含有処理水が系外に排出される構成となっている。
小型嫌気槽101及び大型嫌気槽102には、それぞれ小型嫌気槽温度・pH測定部151と小型嫌気槽温度・pH調整部161、及び大型嫌気槽温度・pH測定部152と大型嫌気槽温度・pH調整部162を備えている。小型嫌気槽温度・pH測定部151は実施の形態2の温度・pH測定部15に相当し、小型嫌気槽101内の汚泥含有処理水の温度及びpHを測定する。小型嫌気槽温度・pH調整部161は実施の形態2の温度・pH調整部16に相当し、小型嫌気槽温度・pH測定部151の測定結果に基づいて小型嫌気槽101内の温度及びpHを所定の値に制御して維持する。大型嫌気槽温度・pH測定部152は大型嫌気槽102内の汚泥含有処理水の温度及びpHを測定する。大型嫌気槽温度・pH調整部162は大型嫌気槽温度・pH測定部152の測定結果に基づいて大型嫌気槽102内の温度及びpHを所定の値に制御して維持する。
次に、水処理システム5000による水処理プロセス及び汚泥処理装置500による汚泥処理(減容)プロセスについて説明する。まず、汚泥濃縮部41にて濃縮された汚泥含有処理水を小型嫌気槽101に流入させるまでの工程は実施の形態1と同様である。次いで、実施の形態1と同様に小型嫌気槽101と微生物燃料電池20の負極室21との間で汚泥含有処理水を循環させながら小型嫌気槽101で嫌気性処理を行う。
負極室21における処理は実施の形態1と同様であり、汚泥含有処理水中の低分子有機酸を電気生産細菌により分解させる。小型嫌気槽101と負極室21との間で循環させる汚泥含有処理水の流量を第1の小型嫌気槽流出部121から流出する汚泥含有処理水の流量をよりも大きくする点も実施の形態1と同様である。
汚泥処理装置500において、汚泥含有処理水中の汚泥を十分に分解するために必要な固形物滞留時間は、小型嫌気槽101における固形物滞留時間と大型嫌気槽102における固形物滞留時間の合計で確保できればよいため、実施の形態5では小型嫌気槽101における固形物滞留時間を実施の形態1の嫌気槽10における固形物滞留時間よりも短くしている。このため、小型嫌気槽101内では酸生成細菌が生育する一方で生育が遅いメタン生成菌は十分に生育できない。この結果、酸生成細菌によって生成された低分子有機酸
のほとんどが負極室21に送られて負極室21の電気生産細菌には基質となる低分子有機酸が十分に供給されるので、負極211の菌密度が増加し、負極室における低分子有機酸の分解が効率的に行われる。
小型嫌気槽101における嫌気性処理が完了した汚泥含有処理水は第1の小型嫌気槽流出部121から排出され、小型嫌気槽出口配管511を通って大型嫌気槽102に流入する。大型嫌気槽102に流入する汚泥含有処理水は、小型嫌気槽101で既に汚泥の減容がある程度行われており、大型嫌気槽102内の嫌気性微生物に対する有機物負荷は小さい。このため、メタン生成菌が十分に生育するように大型嫌気槽102における固形物滞留時間は実施の形態1の嫌気槽10における固形物滞留時間よりも長くする。上述したように、大型嫌気槽102内の嫌気性微生物に対する有機物負荷は小さいため、固形物滞留時間を長くしても低分子有機酸が蓄積してpHが小さくなることがない。
小型嫌気槽101における汚泥含有処理水の固形物滞留時間は、メタン生成菌の生育を十分に抑制する観点から5日以下が好ましく、3日以下がより好ましい。一方、酸生成細菌を十分に生育させる観点から、1日以上が好ましく、2日以上がより好ましい。
大型嫌気槽102における汚泥含有処理水の固形物滞留時間は、メタン生成菌を十分に生育させる観点から4日以上が好ましく、15日以上がより好ましく、20日以上がさらに好ましい。一方、大型嫌気槽102の効率的な利用による大型嫌気槽102の大型化及び初期費用増大の防止の観点からは35日以下が好ましく、30日以下がより好ましい。
小型嫌気槽101における汚泥含有処理水の固形物滞留時間と大型嫌気槽102における汚泥含有処理水の固形物滞留時間の合計は、汚泥含有処理水中の汚泥の十分な分解という観点から6日以上が好ましく、20日以上がより好ましい。一方、小型嫌気槽101、大型嫌気槽102の大型化及び初期費用増大の防止という観点からは40日以下が好ましく、30日以下がより好ましい。
大型嫌気槽102内の汚泥含有処理水の温度は、メタン生成菌を十分に活性化させてメタン発酵の効率を高める観点から25℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましい。一方、加温コスト抑制の観点からは65℃以下が好ましく、55℃以下がより好ましい。
大型嫌気槽102内汚泥含有処理水のpHは、メタン生成菌を十分に活性化させてメタン発酵の効率を高める観点から6.5以上が好ましく、6.8以上がより好ましい。一方、pH調整コスト抑制の観点からは8.0以下が好ましく、7.4以下がより好ましい。
実施の形態5によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、高濃度の汚泥の効率的な処理をより確実に実施することができる。より具体的には、汚泥含有処理水の固形物滞留時間が異なる小型嫌気槽と大型嫌気槽を設け、前段の小型嫌気槽では固形物滞留時間が短くすることでメタン生成菌の生育を抑制しながら微生物燃料電池の負極室との間で汚泥含有処理水を循環させ、酸生成細菌による汚泥の分解及び低分子有機酸の生成と電気生産細菌による低分子有機酸の分解をより効率的に実施する。そして、後段の大型嫌気槽では固形物滞留時間が長くしてメタン生成菌の生育を促進する。ここで、大型嫌気槽に流入させる汚泥含有処理水は小型嫌気槽で既に汚泥の減容がある程度行われており嫌気性微生物に対する有機物負荷は小さいため、固形物滞留時間を長くしても低分子有機酸が蓄積してpHが小さくなることがない。したがって、大型嫌気槽102ではメタン生成菌の活性が抑制されることなく、メタン発酵による低分子有機酸の分解が行われる。このように、前段の小型嫌気槽及び微生物燃料電池による汚泥の減容と後段の大型嫌気槽による減容を組み合わせたため、高濃度の汚泥の効率的な処理をより確実に実施することができる。
また、上記したとおり大型嫌気槽でメタン生成菌によるメタン発酵が行われるため、エネルギー源としてのメタンガスを回収することができる。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 曝気槽、4 固液分離槽、7 電解液タンク、41 汚泥濃縮部、10 嫌気槽、11 第1の流入部、12 第1の流出部、13 第2の流入部、14 第2の流出部、15 温度・pH測定部、16 温度・pH調整部、20、20A、20B 微生物燃料電池、21、21A、21B 負極室、22、22A、22B 正極室、211、211A、211B 負極、221、221A、221B 正極、23、23A、23B プロトン交換膜、24、24A、24B 汚泥漏出検知部、30、30A、30B 循環手段、31、31A、31B 往路配管、32、32A、32B 復路配管、33、33A、33B 循環ポンプ、34、34A、34B 負極室電磁弁、35 往路分岐点、36 復路合流点、41 汚泥濃縮部、60、60A、60B 電解液循環手段、61、61A、61B 電解液往路配管、62、62A、62B 電解液復路配管、63、63A、63B 電解液循環ポンプ、64、64A、64B 正極室電磁弁、65 電解液往路分岐点、66 電解液復路合流点、101 小型嫌気槽、102 大型嫌気槽、111 第1の小型嫌気槽流入部、112 大型嫌気槽流入部、121 第1の小型嫌気槽流出部、122 大型嫌気槽流出部、131 第2の小型嫌気槽流入部、141 第2の小型嫌気槽流出部、151 小型嫌気槽温度・pH測定部、152 大型嫌気槽温度・pH測定部、161 小型嫌気槽温度・pH調整部、162 大型嫌気槽温度・pH調整部、100、200、300、400、500 汚泥処理装置、1000、2000、3000、4000、5000 処理システム、F1 廃水、F2 処理水



Claims (28)

  1. 有機性の汚泥を分解する嫌気性微生物を保持し、汚泥含有液に含まれる有機性の汚泥を嫌気性処理する嫌気槽と、
    前記嫌気性処理の過程で生じる低分子有機酸を分解して電子を放出する電気生産細菌を保持し、前記電気生産細菌に放出された電子を回収する負極が挿入された電極室と、前記負極に回収された電子が供給される正極とを有する微生物燃料電池と、
    前記嫌気槽と前記電極室とを直接接続し、前記嫌気槽と前記電極室との間で前記汚泥含有液を循環させる循環手段と
    を備えたことを特徴とする汚泥処理装置。
  2. 前記循環手段は、前記嫌気性処理と並行して、前記嫌気槽と前記電極室との間で前記低分子有機酸を循環させることを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理装置。
  3. 前記嫌気槽に接続されて、前記汚泥含有液を前記嫌気槽から系外に排出させる流出部をさらに備え、
    前記循環手段により循環される前記汚泥含有液の流量は、前記流出部により排出される前記汚泥含有液の流量よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の汚泥処理装置。
  4. 前記嫌気性微生物は、前記汚泥を分解して低分子有機酸を生成する酸生成細菌と、前記低分子有機酸を分解してメタンを生成するメタン生成菌を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
  5. 前記嫌気槽内の汚泥含有液の温度を調整する温度調整手段をさらに備え、
    前記温度調整手段は、前記メタン生成菌の生育が抑制される温度に前記嫌気槽内の汚泥含有液の温度を調整することを特徴とする請求項に記載の汚泥処理装置。
  6. 前記嫌気槽内の汚泥含有液のpHを調整するpH調整手段をさらに備え、
    前記pH調整手段は、前記メタン生成菌の生育が抑制されるpHに前記嫌気槽内の汚泥含有液のpHを調整することを特徴とする請求項またはに記載の汚泥処理装置。
  7. 前記電極室は、前記負極が挿入されて前記嫌気槽との間で前記汚泥含有液が循環する負極室と、前記負極室と隔てられ、前記正極が挿入されるとともに電解液を保持する正極室とを備え、
    前記汚泥処理装置は、
    前記正極室に保持される電解液を貯留する電解液タンクと、
    前記電解液タンクと前記正極室とを接続し、前記電解液タンクと前記正極室との間で前記電解液を循環させる電解液循環手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
  8. 前記負極室から前記正極室への汚泥の漏出を検知する汚泥漏出検知部と、
    前記汚泥漏出検知部の検知結果に基づいて前記循環手段における汚泥含有液の流れを遮断する汚泥含有液遮断手段と、
    前記汚泥漏出検知部の検知結果に基づいて前記電解液循環手段における電解液の流れを遮断する電解液遮断手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項に記載の汚泥処理装置
  9. 前記微生物燃料電池及びそれぞれの微生物燃料電池に対応する前記循環手段が複数系統設けられ、
    前記汚泥含有液が循環している系統の微生物燃料電池において前記汚泥の漏出が検知された場合に、前記汚泥含有液を循環させる系統を他の系統に切り替えることを特徴とする請求項に記載の汚泥処理装置。
  10. 前記嫌気槽の後段に設けられ、前記嫌気性微生物を保持して前記嫌気槽により嫌気性処理された前記汚泥含有液をさらに嫌気性処理する、前記嫌気槽よりも容積が大きい大型嫌気槽をさらに備えたことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
  11. 前記大型嫌気槽内の汚泥含有液の温度を調整する大型嫌気槽温度調整手段をさらに備え、
    前記大型嫌気槽温度調整手段は、前記メタン生成菌を活性化させる温度に前記大型嫌気槽内の汚泥含有液の温度を調整することを特徴とする請求項10に記載の汚泥処理装置。
  12. 前記大型嫌気槽内の汚泥含有液のpHを調整する大型嫌気槽pH調整手段をさらに備え、
    前記大型嫌気槽pH調整手段は、前記メタン生成菌を活性化させるpHに前記大型嫌気槽内の汚泥含有液のpHを調整することを特徴とする請求項10または11に記載の汚泥処理装置。
  13. 前記嫌気槽に流入させる前記汚泥含有液を濃縮する汚泥濃縮部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から1のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
  14. 活性汚泥を保持し、処理すべき被処理水を前記活性汚泥により好気性処理する曝気槽と、
    前記好気性処理された前記被処理水から有機性の汚泥を含む汚泥含有液を分離する固液分離槽と、
    前記汚泥含有液に含まれる汚泥を処理する請求項1から1のいずれか1項に記載の汚泥処理装置と
    を備えたことを特徴とする水処理システム。
  15. 有機性の汚泥を分解する嫌気性微生物を保持する嫌気槽において、汚泥含有液に含まれる有機性の汚泥を分解させる嫌気性処理工程と、
    前記嫌気性処理工程の過程で生じる低分子有機酸を微生物燃料電池の電極室で電気生産細菌に分解させて発電する発電工程とを備え、
    前記汚泥含有液を前記嫌気槽と前記電極室との間で循環させて前記汚泥含有液と前記電極室の電極とを複数回接触させながら、前記嫌気性処理工程と前記発電工程を並行して実施することを特徴とする汚泥処理方法。
  16. 前記嫌気性処理工程と並行して、前記嫌気槽と前記電極室との間で前記低分子有機酸を循環させることを特徴とする請求項15に記載の汚泥処理方法。
  17. 前記汚泥含有液の循環と並行して前記汚泥含有液を前記嫌気槽から系外に排出する排出工程をさらに備え、
    前記嫌気槽と前記電極室との間で循環させる前記汚泥含有液の流量は、前記排出工程において排出される前記汚泥含有液の流量よりも大きいことを特徴とする請求項15または16に記載の汚泥処理方法。
  18. 前記嫌気性処理工程は、酸生成細菌により前記有機性の汚泥を分解させて低分子有機酸を生成する工程と、メタン生成菌により前記低分子有機酸を分解させてメタンを生成する工程とを備えたことを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
  19. 前記嫌気性処理工程において、前記メタン生成菌の生育が抑制される温度に前記嫌気槽内の汚泥含有液の温度を調整することを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理方法。
  20. 前記嫌気性処理工程において、前記メタン生成菌の生育が抑制されるpHに前記嫌気槽内の汚泥含有液のpHを調整することを特徴とする請求項1または1に記載の汚泥処理方法。
  21. 前記電極室は、前記電気生産細菌を保持し、前記電気生産細菌が放出する電子を回収する負極が挿入され、前記嫌気槽との間で前記汚泥含有液が循環する負極室と、前記負極室と隔てられ、前記負極に回収された電子が供給される正極が挿入されるとともに電解液を保持する正極室とを有し、
    前記正極室に保持される電解液を貯留する電解液タンクと前記正極室との間で前記電解液を循環させることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
  22. 前記正極室内の汚泥の有無から前記汚泥の漏出を検知し、前記汚泥の漏出の検知された場合に、前記嫌気槽と前記負極室との間の前記汚泥含有液の循環を遮断するとともに前記電解液タンクと前記正極室との間の前記電解液の循環を遮断することを特徴とする請求項21に記載の汚泥処理方法。
  23. 前記微生物燃料電池が複数設けられ、
    前記汚泥含有液が循環している微生物燃料電池において前記汚泥の漏出が検知された場合に、前記汚泥含有液を循環させる微生物燃料電池を他の微生物燃料電池に切り替えることを特徴とする請求項22に記載の汚泥処理方法。
  24. 前記嫌気槽の後段に設けられ、前記嫌気槽よりも容積が大きい大型嫌気槽に前記嫌気性処理工程及び前記発電工程で処理された汚泥含有液を流入させ、さらに嫌気性処理することを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
  25. 前記メタン生成菌を活性化させる温度に前記大型嫌気槽内の汚泥含有液の温度を調整することを特徴とする請求項2に記載の汚泥処理方法。
  26. 前記メタン生成菌を活性化させるpHに前記大型嫌気槽内の汚泥含有液のpHを調整することを特徴とする請求項2または2に記載の汚泥処理方法。
  27. 前記嫌気性処理工程の前に、前記汚泥含有液を濃縮する濃縮工程を備えたことを特徴とする請求項1から2のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
  28. 活性汚泥を保持する曝気槽において、処理すべき被処理水を前記活性汚泥により好気性処理する工程と、
    前記好気性処理された前記被処理水から有機性の汚泥を含む汚泥含有液を分離する工程と、
    請求項1から2のいずれか1項に記載の汚泥処理方法により前記有機性の汚泥を処理する工程と
    を備えたことを特徴とする水処理方法。
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