JP6635113B2 - 高周波モジュール - Google Patents

高周波モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP6635113B2
JP6635113B2 JP2017517632A JP2017517632A JP6635113B2 JP 6635113 B2 JP6635113 B2 JP 6635113B2 JP 2017517632 A JP2017517632 A JP 2017517632A JP 2017517632 A JP2017517632 A JP 2017517632A JP 6635113 B2 JP6635113 B2 JP 6635113B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inductor
filter unit
transmission
terminal
matching element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017517632A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016181701A1 (ja
Inventor
雅則 加藤
雅則 加藤
真也 溝口
真也 溝口
行晃 菅谷
行晃 菅谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2016181701A1 publication Critical patent/JPWO2016181701A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6635113B2 publication Critical patent/JP6635113B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/145Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
    • H03H9/14544Transducers of particular shape or position
    • H03H9/1455Transducers of particular shape or position constituted of N parallel or series transducers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02244Details of microelectro-mechanical resonators
    • H03H9/02433Means for compensation or elimination of undesired effects
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02535Details of surface acoustic wave devices
    • H03H9/02818Means for compensation or elimination of undesirable effects
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/05Holders; Supports
    • H03H9/0538Constructional combinations of supports or holders with electromechanical or other electronic elements
    • H03H9/0542Constructional combinations of supports or holders with electromechanical or other electronic elements consisting of a lateral arrangement
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/05Holders; Supports
    • H03H9/0538Constructional combinations of supports or holders with electromechanical or other electronic elements
    • H03H9/0547Constructional combinations of supports or holders with electromechanical or other electronic elements consisting of a vertical arrangement
    • H03H9/0557Constructional combinations of supports or holders with electromechanical or other electronic elements consisting of a vertical arrangement the other elements being buried in the substrate
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/145Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
    • H03H9/14597Matching SAW transducers to external electrical circuits
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/25Constructional features of resonators using surface acoustic waves
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/46Filters
    • H03H9/64Filters using surface acoustic waves
    • H03H9/6423Means for obtaining a particular transfer characteristic
    • H03H9/6433Coupled resonator filters
    • H03H9/6483Ladder SAW filters
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/70Multiple-port networks for connecting several sources or loads, working on different frequencies or frequency bands, to a common load or source
    • H03H9/72Networks using surface acoustic waves
    • H03H9/725Duplexers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/01Frequency selective two-port networks
    • H03H7/09Filters comprising mutual inductance

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Transceivers (AREA)
  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)

Description

本発明は、送信フィルタ及び受信フィルタを備えた高周波モジュールに関するものである。
無線通信機能を備える携帯機器等は、送信フィルタ及び受信フィルタを備える。送信フィルタは、高周波信号である送信信号のうち、通過帯域の成分のみを通過させ、当該通過帯域以外の成分を減衰させる。受信フィルタは、アンテナが受信した受信信号のうち、通過帯域の成分のみを通過させ、当該通過帯域以外の成分を減衰させる(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1に開示された高周波モジュールは、アンテナに接続される共通端子と送信端子との間に送信フィルタを備えている。当該高周波モジュールは、共通端子と受信端子との間に受信フィルタを備えている。当該送信フィルタは、共通端子と送信端子との間を接続する直列腕に、直列に接続される複数の直列腕共振子を備えている。当該送信フィルタは、当該直列腕とグラウンドとの間を接続する複数の並列腕のそれぞれに、直列に接続されている複数の並列腕共振子を備えている。
さらに、特許文献1に開示された高周波モジュールは、複数の並列腕共振子のうちの2つの並列腕共振子を接続する接続端とグラウンドとの間に接続されたインダクタを備えている。当該高周波モジュールでは、このインダクタと、共通端子に接続された整合用のインダクタとの間に誘導性結合が生じている。特許文献1に開示された高周波モジュールにおいては、当該誘導性結合によって調整経路が形成されることで、送信端子と受信端子との間のアイソレーション特性が向上するとされている。
また、特許文献1に開示された高周波モジュールは、2つの並列腕共振子を接続する接続端とグラウンドとの間に接続されたインダクタとは別に、当該2つの並列腕共振子と異なる他の1つの並列腕共振子とグラウンドとの間に接続されたインダクタを備えている。このインダクタにより、送信フィルタの減衰特性が向上するとされている。
国際公開第2015/019722号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示された高周波モジュールは、アイソレーション特性の向上と、送信フィルタの高調波減衰特性の向上とを両立させることを考慮していない。例えば、特許文献1に開示された高周波モジュールにおいて、アイソレーション特性の調整のために一方のインダクタの配置等を調整すると、送信フィルタの高調波減衰特性に影響が出ることがある。換言すれば、特許文献1に開示された高周波モジュールにおいて、送信フィルタの高調波減衰特性の調整のために、他方のインダクタのインダクタンスを調整すると、アイソレーション特性に影響が出ることがある。すなわち、特許文献1に開示された高周波モジュールにおいて、アイソレーション特性の向上と、送信フィルタの高調波減衰特性の向上との両立は困難であった。
そこで、本発明の目的は、アイソレーション特性が優れ、送信フィルタの高調波減衰特性が優れた高周波モジュールを提供することにある。
高周波モジュールは、
アンテナに接続される共通端子と、
送信端子と、
受信端子と、
前記共通端子及び前記送信端子の間に接続される送信フィルタ部と、
前記共通端子及び前記受信端子の間に接続される受信フィルタ部と、
前記共通端子と、前記送信フィルタ部と受信フィルタ部の接続部との間に接続されるアンテナ側整合素子、または、前記送信端子及び前記送信フィルタ部の間に接続される送信側整合素子と、
を備え、
前記送信フィルタ部は、
前記共通端子と送信端子との間を接続する直列腕に、直列に接続される複数の直列腕共振子と、
前記直列腕とグラウンドとの間を接続する複数の並列腕のそれぞれに、直列に接続される複数の並列腕共振子と、
前記複数の並列腕共振子のうちの少なくとも2つの前記並列腕共振子を接続する接続端とグラウンドとの間に接続された第1インダクタと、
前記複数の並列腕共振子のうちの前記少なくとも2つの並列腕共振子と異なる1つの並列腕共振子とグラウンドとの間に接続された第2インダクタと、を有し、
前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される少なくとも1つと、前記第2インダクタとは、電磁界結合し、
前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、両者の間の電磁界結合を阻害するように構成される。
このような構造を有する本発明の高周波モジュールでは、アイソレーション特性の向上および送信フィルタ部の高調波減衰特性の向上を両立させることができる。
具体的には、例えば、第1インダクタは、送信フィルタ部の高調波減衰特性の調整のために用いられる。例えば、第1インダクタのインダクタンスを調整することにより、送信フィルタ部の減衰特性における高調波の減衰極が変化する。第1インダクタのインダクタンスは、減衰極が所望の周波数となるように調整される。
本発明の高周波モジュールでは、前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される少なくとも1つと、第2インダクタとは、電磁界結合する。
この電磁界結合により、送信端子から共通端子への主経路とは別に調整経路が形成される。この電磁界結合の態様及び強度を調整すると、送信フィルタ部を介して共通端子へ流れる送信信号は、調整経路を介して共通端子へ流れる送信信号によって相殺される。具体的には、送信フィルタ部を介して共通端子へ流れる送信信号と、調整経路を介して共通端子へ流れる送信信号と、の両信号の振幅が一致し、かつ位相が180°異なるように、電磁界結合の結合態様、および電磁界結合の強度を調整する。受信端子へ回り込む送信信号が減衰されるので、高周波モジュールは、アイソレーション特性が向上する。
本発明の高周波モジュールでは、前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、両者の間の電磁界結合を阻害するように構成される。
これにより、第1インダクタと第2インダクタとの間に電磁界結合は生じない。ただし、本発明では、電磁界結合が生じないとは、意識的に電磁界結合が生じないように設計することを意味する。従って、電磁界結合が生じないとは、現実的に、電磁界結合が完全に生じないことを意味するわけではない。
本発明の高周波モジュールでは、第1インダクタと第2インダクタとの間の電磁界結合が阻害されるので、第1インダクタおよび第2インダクタを、互いの影響を考慮せずに個別に調整することができる。すなわち、例えば、送信フィルタ部の高調波減衰特性の改善のために第1インダクタのインダクタンスを調整しても、第2インダクタの電磁界結合によって向上したアイソレーション特性は維持される。
つまり、本発明の高周波モジュールは、互いに影響を受けない第1インダクタと第2インダクタとを用いるので、第2インダクタによるアイソレーション特性の向上と、第1インダクタによる送信フィルタ部の高調波減衰特性の向上とを両立させることができる。
なお、上述では、第2インダクタはアイソレーション特性向上のための調整経路を構成し、第1インダクタは送信フィルタ部の高調波減衰特性の調整に用いられている。しかしながら、本発明において、アイソレーション特性を向上させるための調整経路を形成するために、第2インダクタに変えて第1インダクタを選んでもよい。すなわち、本発明の高周波モジュールは、第1インダクタの電磁界結合でアイソレーション特性を向上させ、第2インダクタで送信フィルタ部の高調波減衰特性を向上させてもよい。
本発明の高周波モジュールにおいて、前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される1つと、前記第1インダクタとが電磁界結合するように構成されてもよい。
この構成では、第1インダクタが他の回路素子と電磁界結合することで、アイソレーション特性を調整するための第2調整経路が形成される。従って、第2調整経路を形成する電磁界結合の態様及び強度を調整すれば、高周波モジュールのアイソレーション特性はさらに向上する。
本発明の高周波モジュールにおいて、前記受信端子及び前記受信フィルタ部との間に接続される受信側整合素子、をさらに備え、
前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、前記受信側整合素子、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部、及び前記受信フィルタ部の一方端から他方端への受信経路からなる群から選択される少なくとも1つと、前記第1インダクタとが電磁界結合するように構成されてもよい。
この構成では、高周波モジュールのアイソレーション特性はさらに向上する。
高周波モジュールは、
アンテナに接続される共通端子と、
送信端子と、
受信端子と、
前記共通端子及び前記送信端子の間に接続される送信フィルタ部と、
前記共通端子及び前記受信端子の間に接続される受信フィルタ部と、
前記共通端子と、前記送信フィルタ部と受信フィルタ部の接続部との間に接続されるアンテナ側整合素子、または、前記送信端子及び前記送信フィルタ部の間に接続される送信側整合素子と、
を備え、
前記送信フィルタ部は、
前記共通端子と前記送信端子との間を接続する直列腕に、直列に接続される複数の直列腕共振子と、
前記直列腕とグラウンドとの間を接続する複数の並列腕のそれぞれに、直列に接続される複数の並列腕共振子と、
前記複数の並列腕共振子のうちの少なくとも2つの前記並列腕共振子を接続する接続端とグラウンドとの間に接続された第1インダクタと、
前記複数の並列腕共振子のうちの前記少なくとも2つの並列腕共振子と異なる1つの並列腕共振子とグラウンドとの間に接続された第2インダクタと、を有し、
前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される少なくとも1つと、前記第1インダクタとは、電磁界結合し、
前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、両者の間の電磁界結合を阻害するように構成される。
このような構造を有する本発明の高周波モジュールでは、アイソレーション特性の向上および送信フィルタ部の高調波減衰特性の向上を両立させることができる。
本発明の高周波モジュールにおいて、前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される1つと、前記第2インダクタとが電磁界結合するように構成されてもよい。
この構成では、第2インダクタが他の回路素子と電磁界結合することで、アイソレーション特性を調整するための第2調整経路が形成される。従って、第2調整経路を形成する電磁界結合の態様及び強度を調整すれば、高周波モジュールのアイソレーション特性はさらに向上する。
本発明の高周波モジュールにおいて、前記受信端子及び前記受信フィルタ部との間に接続される受信側整合素子、をさらに備え、
前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、前記受信側整合素子、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部、及び前記受信フィルタ部の一方端から他方端への受信経路からなる群から選択される少なくとも1つと、前記第2インダクタとが電磁界結合するように構成されてもよい。
この構成では、高周波モジュールのアイソレーション特性はさらに向上する。
第1インダクタと第2インダクタとの間に電磁界結合を生じさせないために、以下のように高周波モジュールを構成してもよい。
本発明の高周波モジュールは、
基板をさらに備え、
前記送信フィルタ部は前記基板に実装され、
前記基板の平面視において、前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、異なる位置に配置されてもよい。
この構成では、アイソレーション特性および送信フィルタ部の高調波減衰特性がさらに向上する。
本発明の高周波モジュールにおいて、前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの一方は、チップインダクタとして、前記基板の主面に配置され、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの他方は、前記基板の内部に形成されてもよい。この場合も、基板の平面視において、第1インダクタ及び第2インダクタは、重ならないように配置されてもよい。
この構成では、アイソレーション特性および送信フィルタ部の高調波減衰特性がさらに向上する。
本発明の高周波モジュールにおいて、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタは、前記基板内のグラウンドを介して配置されてもよい。
この構成では、アイソレーション特性および送信フィルタ部の高調波減衰特性がさらに向上する。
本発明によれば、アイソレーション特性が優れ、送信フィルタの高調波減衰特性が優れた高周波モジュールを実現することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第1回路例を示す回路ブロック図である。 図2は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第2回路例を示す回路ブロック図である。 図3は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第3回路例を示す回路ブロック図である。 図4は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第4回路例を示す回路ブロック図である。 図5は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第5回路例を示す回路ブロック図である。 図6は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第6回路例を示す回路ブロック図である。 図7は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第7回路例を示す回路ブロック図である。 図8は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第8回路例を示す回路ブロック図である。 図9(A)〜図9(H)は、それぞれ、図1から図8に示す高周波モジュールの整合回路の具体例を示す回路図である。 図10は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第1外部接続端子と第2外部接続端子との間のアイソレーション特性を示すグラフである。 図11は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの送信信号用のフィルタ部の高調波減衰特性を示すグラフである。 図12は、高周波モジュールの第1の構造の主要構造を示す側面概念図である。 図13は、高周波モジュールの第2の構造の主要構造を示す側面概念図である。 図14は、高周波モジュールの第3の構造の主要構造を示す上面概念図である。 図15は、高周波モジュールの第4の構造の主要構造を示す側面概念図である。 図16は、高周波モジュールの第5の構造の主要構造を示す側面概念図である。
以下、本発明の実施形態に係る高周波モジュールについて、図を参照して説明する。次の説明では、高周波モジュールの一例として、デュプレクサを用いて説明する。明細書中において、「電磁界結合」とは、電界結合、磁界結合、またはその両方の結合を意味している。また、図において、「NO」は、回路構成間に電磁界結合が生じていないことを示している。
図1は第1回路例のデュプレクサ101の回路ブロック図である。図2は第2回路例のデュプレクサ101Aの回路ブロック図である。図3は第3回路例のデュプレクサ101Bの回路ブロック図である。図4は第4回路例のデュプレクサ101Cの回路ブロック図である。図5は第5回路例のデュプレクサ101Dの回路ブロック図である。図6は第6回路例のデュプレクサ101Eの回路ブロック図である。なお、図1〜図6では、図を視認し易くするため、誘導性結合もしくは容量性結合の代表例を示している。
まず、図1〜図6にそれぞれ示すデュプレクサ101,101A,101B,101C,101D,101Eに対して共通な回路構成について説明する。以下、デュプレクサ101,101A,101B,101C,101D,101Eを、デュプレクサ101〜101Eとまとめて称す。
デュプレクサ101〜101Eは、第1外部接続端子P1、第2外部接続端子P2、第3外部接続端子P3、送信信号用のフィルタ部20、受信信号用のフィルタ部30、インダクタ41L、インダクタ42L、インダクタ50、およびインダクタ60を備える。
送信信号用のフィルタ部20は、第1外部接続端子P1と第3外部接続端子P3との間に接続されている。受信信号用のフィルタ部30は、第2外部接続端子P2と第3外部接続端子P3との間に接続されている。インダクタ41Lは、整合素子であり、第1外部接続端子P1と送信信号用のフィルタ部20との間の経路401に対しシャント接続される。インダクタ42Lは、整合素子であり、第3外部接続端子P3と送信信号用のフィルタ部20との間の経路402に対しシャント接続される。
送信信号用のフィルタ部20は、シリーズ接続端子P21、シリーズ接続端子P22、シャント接続端子P23、およびシャント接続端子P24を備える。シリーズ接続端子P21は、第1外部接続端子P1に接続される。シリーズ接続端子P22は、第3外部接続端子P3に接続される。
シャント接続端子P23は、インダクタ60を介して、グラウンドに接続されている。シャント接続端子P24は、インダクタ50を介して、グラウンドに接続されている。インダクタ60は、本発明の第2インダクタに相当する。インダクタ50は、本発明の第1インダクタに相当する。
なお、本願では、シャント接続とは、経路とグラウンドとの間の接続を意味する。また、シリーズ接続とは、回路構成間の直列接続を意味する。
送信信号用のフィルタ部20は、複数のSAW共振子201,202,203,204,205,および206(以下、これらSAW共振子をまとめて説明する場合にはSAW共振子201〜206と称する)を備える。また、送信信号用のフィルタ部20は、複数のSAW共振子211,212,および213を備える。SAW共振子201〜206は、本発明の直列腕共振子に相当する。SAW共振子211,212,213は、それぞれ本発明の並列腕共振子に相当する。
SAW共振子201〜206は、シリーズ接続端子P21とシリーズ接続端子P22との間に直列に接続される。すなわち、SAW共振子201〜206は、第1外部接続端子P1と第3外部接続端子P3との間を接続する直列腕に、直列に接続されている。具体的には、SAW共振子201は、一方端が接続導体301を介してシリーズ接続端子P21に接続され、他方端がSAW共振子202の一方端に接続される。SAW共振子202の他方端は、接続導体302を介してSAW共振子203の一方端に接続される。SAW共振子203の他方端は、SAW共振子204の一方端に接続される。SAW共振子204の他方端は、接続導体303を介してSAW共振子205の一方端に接続される。SAW共振子205の他方端は、SAW共振子206の一方端に接続される。SAW共振子206の他方端は、接続導体304を介してシリーズ接続端子P22に接続される。
SAW共振子211,212,および213は、第1外部接続端子P1及び第3外部接続端子P3の間の直列腕と、グラウンドとの間を接続する複数の並列腕に、それぞれ接続される。具体的には、SAW共振子213は、一方端が接続導体301に接続され、他方端がシャント接続端子P24に接続される。SAW共振子212は、一方端が接続導体302に接続され、他方端がシャント接続端子P24に接続される。すなわち、シャント接続端子P24は、SAW共振子212,および213に対する共通の端子であり、これらのSAW共振子212,および213の他方端をまとめてグラウンドに接続する。SAW共振子211は、一方端が接続導体303に接続され、他方端がシャント接続端子P23に接続される。
SAW共振子201〜206,211,212,および213は、それぞれに共振周波数を有する。送信信号用のフィルタ部20は、このような構成により所謂ラダー接続型フィルタを構成し、SAW共振子201〜206,211,212,および213を組み合わせることで、送信信号用のフィルタ部20としての所望の通過特性および減衰特性を実現する。なお、送信信号用のフィルタ部20において、SAW共振子の数や配置は、通過させたい信号の周波数帯域および所望の減衰特性を得るために適宜変更しても構わない。
受信信号用のフィルタ部30は、シリーズ接続端子P33、SAW共振子31、縦結合型のSAW共振子32、縦結合型のSAW共振子33、整合回路34、および平衡接続端子P2A,P2Bを備える。
シリーズ接続端子P33は、接続導体403を介して第3外部接続端子P3に接続される。SAW共振子31は、一方端がシリーズ接続端子P33に接続され、他方端が接続導体312を介してSAW共振子32の一方端に接続される。縦結合型のSAW共振子32は、平衡―不平衡変換機能を有する。SAW共振子32の他方端は、SAW共振子33の一方端に平衡接続する。SAW共振子33の他方端は、整合回路34の一方端に接続される。整合回路34は、インダクタ、およびキャパシタを備える。整合回路34の他方端は、平衡接続端子P2A,P2Bに接続される。平衡接続端子P2A,P2Bは、平衡端子である第2外部接続端子P2に接続される。ただし、受信信号用のフィルタ部30の構成が平衡−不平衡変換機能を有することは本実施形態に必須ではない。従って、第2外部接続端子P2及び受信信号用のフィルタ部30の平衡接続端子P2A,P2Bは、それぞれ不平衡端子であっても構わない。
本実施形態に係るデュプレクサ101〜101Eでは、以下に示すように、インダクタ50とインダクタ60との間の電磁界結合を阻害するように、インダクタ50とインダクタ60は配置される。これにより、インダクタ50とインダクタ60との間に電磁界結合は生じない。ただし、本実施形態では、電磁界結合が生じない、または電磁界結合を阻害するとは、意識的に電磁界結合が生じないように設計することを意味する。従って、電磁界結合が生じない、または電磁界結合を阻害するとは、現実的に、電磁界結合が完全に生じないことを意味するわけではない。
インダクタ50とインダクタ60との間に電磁界結合を生じさせないことによって、インダクタ50とインダクタ60とは、互いに影響を受けずに個別にそれぞれのインダクタンスを調整することができる。その結果、デュプレクサ101〜101Eのアイソレーション特性と送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性との両方を向上させることが可能となる。互いに影響を受けないインダクタ50(第1インダクタ)とインダクタ60(第2インダクタ)によって、デュプレクサ101〜101Eのアイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを両立させることができる。以下に詳細を説明する。
(第1回路例)
図1に示すデュプレクサ101では、インダクタ50とインダクタ60との間の電磁界結合を阻害するようにインダクタ50とインダクタ60は配置される。例えば、インダクタ60とインダクタ50との間にグラウンドが配置される、あるいはインダクタ60とインダクタ50との間の距離は、インダクタ60とインダクタ42Lとの間の距離と比べて、長くなるようにインダクタ60とインダクタ50は配置される。これにより、インダクタ50とインダクタ60との間に電磁界結合が生じなくなるため、インダクタ60とインダクタ50とは、個別に調整可能である。
インダクタ50と電磁界結合しないインダクタ60と、インダクタ42Lとの間に電磁界結合(容量性結合または誘導性結合)が生じるように構成されている。この電磁界結合により、アイソレーション特性を調整するための調整経路が形成される。この調整経路は、接続導体303、SAW共振子211、シャント接続端子P23、インダクタ60、インダクタ42Lを含む。
第1外部接続端子P1から送信信号用のフィルタ部20及び経路402を通過する送信信号と、当該調整経路を通過する送信信号とが、第3外部接続端子P3において相殺されるように、調整経路を形成する電磁界結合の結合態様、および電磁界結合の強度が調整される。具体的には、第3外部接続端子P3において、第1外部接続端子P1から送信信号用のフィルタ部20及び経路402を通過する送信信号と、調整経路を通過する送信信号の振幅が一致し、かつ位相が180°異なるように、インダクタ60とインダクタ42Lとの電磁界結合の態様及び強度を調整する。電磁界結合の態様とは、インダクタ60及びインダクタ42Lの誘導性結合、及びインダクタ60及びインダクタ42Lを構成する導体間の容量性結合を含む。電磁界結合の強度は、例えばインダクタ60とインダクタ42Lとの距離に対応する。電磁界結合の態様及び強度の調整により、第1外部接続端子P1から送信信号用のフィルタ部20及び経路402を通過する送信信号が、調整経路を流れる送信信号によって相殺されるので、送信経路における送信信号の減衰量が増加する。その結果、第2外部接続端子P2においても送信信号が減衰されるので、デュプレクサ101の送信―受信間のアイソレーション特性は向上する。
インダクタ60と電磁結合していないインダクタ50は、第3外部接続端子P3において送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性が所望特性となるように、そのインダクタンスが調整される。インダクタ50のインダクタンスが変化すると、送信信号用のフィルタ部20の減衰特性における高調波領域の減衰極は変化する。インダクタ50のインダクタンスは、送信信号用のフィルタ部20の減衰特性において、減衰極が所望の周波数となるように設定される。
なお、インダクタ60と電磁界結合していないインダクタ50のインダクタンスの変化によって設定される減衰極によって減衰する所望の周波数とは、例えば、送信信号の高調波の周波数などが挙げられる。送信信号の高調波とは、送信信号の2倍波、3倍波などが挙げられる。
図1に示すデュプレクサ101では、インダクタ50とインダクタ60との間に電磁界結合を生じさせないため、インダクタ50及びインダクタ60が個別に調整可能となる。よって、インダクタ50のインダクタンスを調整しても、デュプレクサ101のアイソレーション特性は影響を受けない。同様に、インダクタ60及びインダクタ42Lの電磁界結合の態様及び強度を調整しても、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性は影響を受けない。その結果、デュプレクサ101は、送受信間のアイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを、両立させることができる。
(第2回路例)
図2のデュプレクサ101Aは図1に示すデュプレクサ101と以下の点において相違する。デュプレクサ101Aにおいては、インダクタ60Aとインダクタ41Lとの間に電磁界結合が生じることで調整経路が形成され、その結果として送受信間アイソレーション特性を向上させる。すなわち、この例では、アイソレーション特性を向上させるための調整経路は、インダクタ41L、インダクタ60A、シャント接続端子P23、SAW共振子211、および接続導体303を含む。
図2に示すように、デュプレクサ101Aおいても、インダクタ60Aとインダクタ50との間の電磁界結合を阻害するようにインダクタ60Aとインダクタ50は配置される。例えば、インダクタ60Aとインダクタ50との間にグラウンドが配置される、あるいはインダクタ60Aとインダクタ50との距離は、インダクタ60Aとインダクタ41Lとの距離と比べて、長くなるようにインダクタ60Aとインダクタ50は配置される。従って、インダクタ60Aとインダクタ50とは、個別に調整可能である。
よって、インダクタ50のインダクタンスを調整しても、デュプレクサ101Aのアイソレーション特性は影響を受けない。同様に、インダクタ60A及びインダクタ41Lの電磁界結合の態様及び強度を調整しても、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性は影響を受けない。その結果、デュプレクサ101Aは、送受信間のアイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを、両立させることができる。
(第3回路例)
図3のデュプレクサ101Bは、図1に示すデュプレクサ101と以下の点で相違する。デュプレクサ101Bにおいては、インダクタ60Bと接続導体302との間に電磁界結合が生じることで調整経路が形成され、その結果として送受信間アイソレーション特性を向上させる。すなわち、この例では、アイソレーション特性を向上させるための調整経路は、接続導体302、インダクタ60B、シャント接続端子P23、SAW共振子211、および接続導体303を含む。
図3に示すように、デュプレクサ101Bにおいても、インダクタ60Bとインダクタ50との間の電磁界結合を阻害するようにインダクタ60Bとインダクタ50は配置される。例えば、インダクタ60Bとインダクタ50との間にグラウンドが配置される、あるいはインダクタ60Bとインダクタ50との距離は、インダクタ60Bと接続導体302との距離と比べて長くなるように、インダクタ60Bとインダクタ50は配置される。従って、インダクタ60Bとインダクタ50とは、個別に調整可能である。
よって、インダクタ50のインダクタンスを調整しても、デュプレクサ101Bのアイソレーション特性は影響を受けない。同様に、インダクタ60B及び接続導体302の電磁界結合の態様及び強度を調整しても、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性は影響を受けない。その結果、デュプレクサ101Bは、送受信間のアイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを、両立させることができる。
なお、第3回路例は、インダクタ60Bと接続導体301、インダクタ60Bと接続導体303、またはインダクタ60Bと接続導体304との間に電磁界結合が生じることで、調整経路が構成される態様であっても構わない。
(第4回路例)
図4のデュプレクサ101Cは、図1に示すデュプレクサ101と以下の点で相違する。デュプレクサ101Cにおいては、インダクタ60Cと接続導体403との間に電磁界結合が生じることで調整経路が形成され、その結果として送受信間アイソレーション特性を向上させる。すなわち、この例では、アイソレーション特性を向上させるための調整経路は、接続導体403、インダクタ60C、シャント接続端子P23、SAW共振子211、および接続導体303を含む。
図4に示すように、デュプレクサ101Cにおいても、インダクタ60Cとインダクタ50とは間の電磁界結合を阻害するように構成される。例えば、インダクタ60Cとインダクタ50との間にグラウンドが配置される、あるいはインダクタ60Cとインダクタ50との距離は、インダクタ60Cと接続導体403との距離と比べて、長くなるようにインダクタ60Cとインダクタ50は配置される。従って、インダクタ60Cとインダクタ50とは、個別に調整可能である。
よって、インダクタ50のインダクタンスを調整しても、デュプレクサ101Cのアイソレーション特性は影響を受けない。同様に、インダクタ60C及び接続導体403の電磁界結合の態様及び強度を調整しても、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性は影響を受けない。その結果、デュプレクサ101Cは、送受信間のアイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを、両立させることができる。
(第5回路例)
図5のデュプレクサ101Dは、図1に示すデュプレクサ101と以下の点で相違する。デュプレクサ101Dにおいては、インダクタ60Dと受信信号用のフィルタ部30の接続導体312との間に電磁界結合が生じることで調整経路が形成され、その結果として送受信間アイソレーション特性を向上させる。すなわち、この例では、アイソレーション特性を向上させるための調整経路は、接続導体312、インダクタ60D、シャント接続端子P23、SAW共振子211、および接続導体303を含む。
図5に示すように、デュプレクサ101Dにおいても、インダクタ60Dとインダクタ50との間の電磁界結合を阻害するように、インダクタ60Dとインダクタ50は配置される。例えば、インダクタ60Dとインダクタ50との間にグラウンドが配置される。あるいはインダクタ60Dとインダクタ50との距離は、インダクタ60Dと接続導体312との距離と比べて、長くなるようにインダクタ60Dとインダクタ50は配置される。従って、インダクタ60Dとインダクタ50とは、個別に調整可能である。
よって、インダクタ50のインダクタンスを調整しても、デュプレクサ101Dのアイソレーション特性は影響を受けない。同様に、インダクタ60D及び接続導体312の電磁界結合の態様及び強度を調整しても、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性は影響を受けない。その結果、デュプレクサ101Dは、送受信間のアイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを、両立させることができる。
(第6回路例)
図6のデュプレクサ101Eは、図1に示すデュプレクサ101と以下の点で相違する。デュプレクサ101Eは、インダクタ60Eと受信信号用のフィルタ部30の整合回路34との間に電磁界結合が生じることで調整経路が形成され、その結果として送受信間アイソレーション特性を向上させる。すなわち、この例では、アイソレーション特性を向上させるための送信信号の減衰量を調整するための調整経路は、整合回路34、インダクタ60E、シャント接続端子P23、SAW共振子211、および接続導体303を含む。
図6に示すように、デュプレクサ101Eにおいても、インダクタ60Eとインダクタ50との間の電磁界結合を阻害するように、インダクタ60Eとインダクタ50との間にグラウンドが配置される、あるいはインダクタ60Eとインダクタ50との距離は、インダクタ60Eとフィルタ部30の整合回路34との距離と比べて、長くなるようにインダクタ60Eとインダクタ50は配置される。従って、インダクタ60Eとインダクタ50とは、個別に調整可能である。
よって、インダクタ50のインダクタンスを調整しても、デュプレクサ101Eのアイソレーション特性は影響を受けない。同様に、インダクタ60E及び整合回路34の電磁界結合の態様及び強度を調整しても、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性は影響を受けない。その結果、デュプレクサ101Eは、送受信間のアイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを、両立させることができる。
なお、上述の例は、インダクタ60〜60Eと、1つの回路構成要素との間に電磁界結合が生じたが、インダクタ60〜60Eと、2つ以上の回路構成要素との間に電磁界結合が生じてもよい。すなわち、デュプレクサ101〜101Eは、インダクタ60〜60Eを介した複数の調整経路を備えてもよい。
また、上述の例は少なくとも1つの回路構成要素とインダクタ60〜60Eのうちの1つとが電磁界結合することで、インダクタ60〜60Eのうちの1つが調整経路を形成し、その結果として送受信間アイソレーション特性を向上させた。インダクタ60〜60Eのうちの1つと電磁界結合していないインダクタ50によって送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性を向上させた。以下のように、アイソレーション特性を向上させるための調整経路を形成する、少なくとも1つの回路構成要素と電磁界結合されるインダクタとしては、インダクタ60〜60Eに代えてインダクタ50を選んでもよい。
(第7回路例)
図7は、第7回路例のデュプレクサ101Fの回路ブロック図である。図7に示すように、デュプレクサ101Fは、インダクタ50Fとインダクタ42Lとの間に電磁界結合が生じることで、調整経路が形成される。インダクタ60Fとインダクタ50Fとの間の電磁界結合が阻害される。
すなわち、インダクタ50Fとインダクタ42Lとの間に電磁界結合が生じることで、調整経路が形成され、その結果としてデュプレクサ101Fの送受信間アイソレーション特性を向上させる。デュプレクサ101Fでは、インダクタ60Fは、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性を調整するために用いられる。
第7回路例のデュプレクサ101Fにおいても、インダクタ60Fとインダクタ50Fとの間の電磁界結合を阻害するように、インダクタ60Fとインダクタ50Fは配置される。例えば、インダクタ60Fとインダクタ50Fとの間にグラウンドが配置される。あるいはインダクタ60Fとインダクタ50Fとの距離は、インダクタ50Fとインダクタ42Lとの距離と比べて長くなるように、インダクタ60Fとインダクタ50Fは配置される。従って、インダクタ60Fとインダクタ50Fとは、個別に調整可能である。
よって、インダクタ60Fのインダクタンスを調整しても、デュプレクサ101Fのアイソレーション特性は影響を受けない。同様に、インダクタ50F及びインダクタ42Lの電磁界結合の態様及び強度を調整しても、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性は影響を受けない。その結果、デュプレクサ101Fは、送受信間のアイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを、両立させることができる。
図示は省略するが、アイソレーション特性を向上させるための調整経路は、インダクタ50F及びインダクタ42Lの間に生じる電磁界結合によって形成される例に限らない。調整経路は、インダクタ41L,42L、接続導体301〜304、接続導体403、接続導体312、および整合回路34からなる群から選択される少なくとも1つと、インダクタ50Fとの間に電磁界結合が生じることにより形成されてもよい。
(第8回路例)
図8は、第8回路例のデュプレクサ101Gの回路ブロック図である。デュプレクサ101Gにおいては、インダクタ50Gとインダクタ41Lとの間にも電磁界結合が生じる。すなわち、第8回路例では、インダクタ60と電磁界結合していないインダクタ41Lと、インダクタ50Gとの間に電磁界結合が生じている。
デュプレクサ101Gにおいても、インダクタ60とインダクタ50Gとの間の電磁界結合を阻害するように、インダクタ60とインダクタ50Gは配置される。例えば、インダクタ60とインダクタ50Gとの間にグラウンドが配置される。あるいはインダクタ60とインダクタ50Gとの距離は、インダクタ60とインダクタ42Lとの距離および/またはインダクタ50Gとインダクタ41Lとの距離と比べて長くなるように、インダクタ60とインダクタ50Gは配置される。従って、インダクタ60とインダクタ50Gとは、個別に調整可能である。
この例では、インダクタ50Gとインダクタ41Lとの間に生じる電磁界結合により、さらに調整経路が形成される。インダクタ50Gとインダクタ41Lとの間に生じる電磁界結合の態様及び強度を調整することで、アイソレーション特性を向上させる。すなわち、第8回路例では、インダクタ50Gとインダクタ41Lによる調整経路と、インダクタ60とインダクタ42Lとの間の生じる電磁界結合による調整経路と、を用いるので、アイソレーション特性をさらに向上させることができる。
なお、上述の例は、第1外部接続端子P1側の整合素子として、シャント接続型の整合素子であるインダクタ41Lを示し、第3外部接続端子P3側の整合素子として、シャント接続型のインダクタ42Lを示した。しかし、第1外部接続端子P1側および第3外部接続端子P3側の整合素子として、以下に示すものを用いてもよい。
具体的には、第1外部接続端子P1側の整合素子は、図9(A)に示すインダクタ41Lに限らず、図9(B)に示すシャント接続型のキャパシタ41Cであってもよいし、図9(C)に示すシリーズ接続のインダクタ43L、又は図9(D)に示すシリーズ接続のキャパシタ43Cであってもよい。
また、第3外部接続端子P3側の整合素子は、図9(E)に示すインダクタ42Lに限らず、図9(F)に示すシャント接続型のキャパシタ42Cであってもよいし、図9(G)に示すシリーズ接続のインダクタ44L、又は図9(H)に示すシリーズ接続のキャパシタ44Cであってもよい。
インダクタ50もしくはインダクタ60と電磁界結合する整合素子として、インダクタを用いれば、誘導性結合の強度が増加する。インダクタ50もしくはインダクタ60と電磁界結合する整合素子として、キャパシタを用いれば、容量性結合の強度が増加する。
ただし、本発明の実施形態に係るデュプレクサは、第1外部接続端子P1側の整合素子、および、第3外部接続端子P3側の整合素子のいずれか一方を備えるだけであってもよい。さらに、図9(A)〜図9(H)に示す各素子を組み合わせた整合回路を第1外部接続端子P1側(第3外部接続端子P3側)に配置してもよい。
次に、図10は、図1に示されているデュプレクサ101のアイソレーション特性を示すグラフである。図10の横軸は周波数を示し、図10の縦軸はアイソレーション量を示す。ただし、図10に示すアイソレーション量は、第1外部接続端子P1と、第2外部接続端子P2との間のアイソレーション量を示す。
図10において、太幅実線は本願実施例に係るデュプレクサ101のアイソレーション特性を示す。具体的には、実施例に係るデュプレクサ101では、インダクタ50とインダクタ60との間の電磁界結合を阻害するように構成されており、かつインダクタ60とインダクタ42Lとの間の電磁界結合によって調整経路が形成されている。図10において、細幅実線は比較例1に係るデュプレクサのアイソレーション特性を示す。具体的には、比較例1に係るデュプレクサでは、アイソレーション向上のための調整経路が形成されていない。図10において、点線は比較例2に係るデュプレクサのアイソレーション特性を示す。具体的には、比較例2に係るデュプレクサでは、インダクタ50とインダクタ60との間に電磁界結合が生じていること以外は、実施例に係るデュプレクサ101と同じ回路構成を備える。
図10に示すように、885MHzから897.5MHzにおいて、実施例に係るデュプレクサ101のアイソレーション特性は、比較例1に係るデュプレクサのアイソレーション特性と比べて改善された。この理由は以下であると考えられる。インダクタ60とインダクタ42Lとの間の電磁界結合による調整経路によって、実施例に係るデュプレクサ101の送信信号用のフィルタ部20を介して第3外部接続端子P3へ流れる送信信号が、調整経路を介して第3外部接続端子P3へ流れる送信信号によって相殺され、第2外部接続端子P2へ回り込む送信信号が減衰される。その結果として、送受信間アイソレーション特性が向上する。インダクタ50とインダクタ60とによって調整経路が形成されている比較例2に係るデュプレクサと本願実施例に係るデュプレクサ101では、同程度のアイソレーション量を確保した。
次に、図11は、図1に示されているデュプレクサ101の送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性を示すグラフである。図11の横軸は周波数を示し、図11の縦軸は第1外部接続端子P1から第3外部接続端子P3へ伝搬する送信信号の減衰量を示す。図11の実線は、実施例に係るデュプレクサ101のフィルタ部20の高調波減衰特性を示す。図11の点線は、比較例2に係るデュプレクサの送信フィルタの高調波減衰特性を示す。
ただし、比較例2及び実施例に係るデュプレクサの送信フィルタ(送信信号用のフィルタ部20)は、それぞれ、800MHz帯を通過帯域とするように設定されている。実施例に係るデュプレクサ101は、インダクタ50とインダクタ60との間の電磁界結合を阻害するように構成されており、かつインダクタ60とインダクタ42Lとの間に電磁界結合によって調整経路が形成されている。また、比較例2に係るデュプレクサは、インダクタ50とインダクタ60との間に電磁界結合が生じていること以外は、実施例に係るデュプレクサ101と同じ回路構成を備える。
図11に示すように、比較例2に係るデュプレクサでは、1.0GHzから3.2GHzの減衰量は28dBから40dBであった。これに対し、実施例に係るデュプレクサ101では、1.0GHzから3.2GHzの減衰量は、40dB以上であった。すなわち、送信信号用のフィルタ部20の送信帯域の高調波である、2.0GHzから3.0GHzにおいては、実施例に係るデュプレクサ101の減衰量は、比較例に係るデュプレクサの減衰量よりも10dB以上多かった。つまり、実施例に係るデュプレクサ101では、比較例2に係るデュプレクサと比較して、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性が向上した。
フィルタ部20の高調波減衰特性を調整するためにインダクタ50のインダクタンスを調整しても、図10に示すデュプレクサ101のアイソレーション特性にはほとんど影響しなかった。アイソレーション特性を調整するためにインダクタ60とインダクタ42Lとの電磁界結合の態様及び強度を調整しても、図11に示すフィルタ部20の高調波減衰特性にはほとんど影響がなかった。つまり、実施例に係るデュプレクサ101では、アイソレーション特性と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性とを個別に調整することができた。その結果、実施例に係るデュプレクサ101は、アイソレーション特性の向上と、送信信号用のフィルタ部20の高調波減衰特性の向上とを両立させることができた。
次に、本発明の実施形態に係るデュプレクサの構造について説明する。以下、上述のデュプレクサ101〜101Fのうち、デュプレクサ101の構造を代表して説明する。
(第1の構造)
図12は、デュプレクサ101の第1の構造の主要構造を示す側面概念図である。デュプレクサ101は、積層基板100、フィルタ基板200、カバー層290、側面カバー層291、および実装型回路素子420を備える。ただし、デュプレクサ101の側面とは、フィルタ基板200が実装される積層基板100の天面100Sに直交する面である。
積層基板100は、複数の誘電体層を積層してなる。積層基板100の天面(実装面)100Sおよび内層には、所定パターンの電極が形成されており、デュプレクサ101の送信信号用のフィルタ部20及び受信信号用のフィルタ部30を除く配線パターンが形成されている。例えば、第1の構造では、インダクタ50およびインダクタ60は、積層基板100の内層に形成されている。
インダクタ50は、線状電極(線状導体)から構成されている。この線状電極の一方端は、ビア導体51Vを介して、送信信号用のフィルタ部20のシャント接続端子P24となる実装用電極294が実装されるランド電極に接続されている。このランド電極は、積層基板100の天面100Sに形成されている。インダクタ50を構成する線状電極の他方端は、ビア導体52Vを介して、積層基板100内に形成された内部グラウンドパターンに接続されている。
インダクタ60は、線状電極(線状導体)から構成されている。この線状電極の一方端は、ビア導体61Vを介して、送信信号用のフィルタ部20のシャント接続端子P23となる実装用電極294が実装されるランド電極に接続されている。このランド電極は、積層基板100の天面100Sに形成されている。インダクタ60を構成する線状電極の他方端は、ビア導体62Vを介して、積層基板100内に形成された内部グラウンドパターンに接続されている。
積層基板100の底面100Rには、外部接続用電極が形成されており、これら外部接続用電極により、上述の第1外部接続端子P1、第2外部接続端子P2、および第3外部接続端子P3が実現される。ただし、積層基板100の底面100Rとは、フィルタ基板200が実装される積層基板100の天面100Sに対向する面である。
送信信号用のフィルタ部20および受信信号用のフィルタ部30は、フィルタ基板200、カバー層290、側面カバー層291、接続電極293、および実装用電極294によって形成されている。
フィルタ基板200は、平板状の圧電基板からなる。フィルタ基板200の第1主面には、フィルタ電極および配線パターンが形成されている。フィルタ電極は、例えば、所謂IDT電極からなる。このように、圧電基板の主面にIDT電極を形成することで、上述の各SAW共振子を実現することができる。フィルタ基板200の第1主面側には、平板状のカバー層290が配置されている。カバー層290は、平板状の絶縁性材料からなり、平面視してフィルタ基板200と同じ形状からなる。また、カバー層290は、平面視して、フィルタ基板200と重なるように配置されており、フィルタ基板200の第1主面から所定距離の間隔を空けて配置されている。ただし、カバー層290の平面視とは、フィルタ基板200が積層基板100の天面100Sに実装された状態において、天面100Sの法線方向に沿ってカバー層290を視ることを意味する。
フィルタ基板200の第1主面とカバー層290との間には、側面カバー層291が配置されている。側面カバー層291も絶縁性材料からなり、平面視して、フィルタ基板200およびカバー層290の全周に亘って、外周端から内側へ所定幅の範囲にのみ形成されている。すなわち、側面カバー層291は、中央に開口を有する枠状の構造である。
このように、カバー層290と側面カバー層291が配置されることで、フィルタ基板200の第1主面のフィルタ電極が形成される領域は、フィルタ基板200、カバー層290、および側面カバー層291によって密閉空間292内に配置される。これにより、SAW共振子の共振特性を向上させることができ、フィルタとしての所望の特性を精確に実現することができる。
接続電極293は、フィルタ基板200の第1主面に一方端が接し、他方端がカバー層290におけるフィルタ基板200側と反対側の面に露出する形状からなる。この際、接続電極293は、側面カバー層291およびカバー層290を貫通するように形成されている。接続電極293の一方端は、フィルタ基板200の第1主面に形成された配線パターンに接続されている。
実装用電極294は、接続電極293の他方端に接続し、カバー層290におけるフィルタ基板200側と反対側の面から突出する形状で形成されている。この接続電極293と実装用電極294の組を複数設けることにより、上述の送信信号用のフィルタ部20および受信信号用のフィルタ部30のシリーズ接続端子P21、シリーズ接続端子P22、シャント接続端子P23、シャント接続端子P24、シリーズ接続端子P33、平衡接続端子P2A、および平衡接続端子P2B、が実現される。なお、接続電極293の他方端に半田やAu等を用いたバンプを形成し、そのバンプを介して実装用電極294と接続してもよい。
以上のような構成とすることで、送信信号用のフィルタ部20および受信信号用のフィルタ部30は、所謂WLP(Wafer Level Package)の構造となり、送信信号用のフィルタ部20および受信信号用のフィルタ部30を小型に形成することができる。
そして、このWLP構造の送信信号用のフィルタ部20および受信信号用のフィルタ部30は、積層基板100の天面100Sに実装されている。これにより、送信信号用のフィルタ部20および受信信号用のフィルタ部30は、第1外部接続端子P1、第2外部接続端子P2、および第3外部接続端子P3に接続される。
インダクタ42Lは、実装型回路素子420によって実現される。具体的には、実装型回路素子420は、絶縁性材料からなる直方体形状の筐体を備え、当該筐体の内部に、インダクタ42Lとなるスパイラル電極が形成されている。スパイラル電極は、筐体の外周に沿って伸長し線状電極と層間接続電極によって実現される。各層の線状電極は、層間接続電極によって一本の線状電極になるように接続されている。スパイラル電極の両端は、筐体の対向する両端面に形成された外部接続電極に接続されている。
このような構成からなる実装型回路素子420は、スパイラル電極の中心軸が天面100Sに直交するように、積層基板100の天面100Sに実装されている。ただし、実装型回路素子420は、スパイラル電極の中心軸が天面100Sに平行となるように実装されてもよい。
なお、図示は省略するが、インダクタ41Lも、実装型回路素子によって実現される。ただし、インダクタ41L,42Lは、積層基板100の天面100Sに形成された線状電極により実現されてもよい。また、インダクタ41L,42Lは、積層基板100の内部に形成された線状電極によって実現されてもよい。
そして、図12に示すように、インダクタ42Lを実現する実装型回路素子420と、インダクタ60を構成する線状電極とを近接して配置する。これにより、実装型回路素子420のスパイラル電極からなるインダクタ42Lと、積層基板100内の線状電極からなるインダクタ60との間で、図12の太破線矢印に示すように、誘導性結合を生じさせることができる。なお、図示は省略するが、第3外部接続端子P3側の整合素子として、キャパシタを用いる場合、インダクタ60を構成する線状電極と、当該キャパシタとは、間に容量性結合を生じる。
この際、インダクタ60を構成する線状電極と、インダクタ42Lを構成するスパイラル電極との距離を変化させることで、インダクタ42Lとインダクタ60との電磁界結合の強度を調整できる。これにより、デュプレクサ101のアイソレーション特性を調整することができ、所望とするアイソレーション特性をより精確に実現することができる。また、インダクタ60を構成する線状電極の長さを調整することで、調整経路を流れる送信信号の周波数特性を調整することができる。さらに、調整経路の経路長さを調整することで、調整経路を通過した送信信号の第2外部接続端子P2における位相を調整することができる。
デュプレクサ101の第1の構造では、インダクタ50を構成する線状電極と、インダクタ60を構成する線状電極とを遠ざけて配置する。図12に示す構造では、各線状電極は、平面方向に遠ざけられて配置されている。例えば、インダクタ60とインダクタ50との距離が、インダクタ60とインダクタ42Lとの距離と比べて長くなるように、インダクタ60とインダクタ50は配置される。図12の側面概念図に示すように、インダクタ50は積層基板100の一方側面側に配置され、インダクタ60は、積層基板100の一方側面に対向する他方側面側、例えばデュプレクサ101を平面視して実装型回路素子420と重なる領域に配置される。これにより、インダクタ50とインダクタ60との間に誘導性結合が生じない。無論、各線状電極を平面方向に加えて積層方向にも遠ざけて配置してもよい。また、インダクタ50とインダクタ60との間の誘導性結合を阻害するような構成をインダクタ60とインダクタ50との間に設けてもよい。例えば、インダクタ50とインダクタ60の間にグラウンドなどを設けることによって、インダクタ50とインダクタ60との間の誘導性結合を阻害してもよい。
また、インダクタ50とインダクタ60との間の誘導性結合を阻害するために、インダクタ50を構成する線状電極と、インダクタ60を構成する線状電極とは、互いの長手方向が異なるように配置されてもよい。
(第2の構造)
次に、図13は、デュプレクサ101の第2の構造の主要構造を示す側面概念図である。図12に示す例では、インダクタ50及びインダクタ60は、積層基板100内に形成されていたが、図13に示すように、積層基板100内ではなく、カバー層290に形成されていてもよい。図13に示す構造では、インダクタ50およびインダクタ60は、線状電極から構成されている。そして、インダクタ42Lを実現する実装型回路素子420と、インダクタ60を構成する線状電極とは近接して配置されている。これにより、上述と同様に、インダクタ42Lとインダクタ60との間で、図13の太破線矢印に示すように、誘導性結合を生じさせることができる。
第2の構造においても、インダクタ50を構成する線状電極と、インダクタ60を構成する線状電極とは、平面方向に遠ざけられて配置されている。例えば、インダクタ60とインダクタ50との距離が、インダクタ60とインダクタ42Lとの距離と比べて長くなるように、インダクタ60とインダクタ50は配置される。図13の側面概念図に示すように、インダクタ50はカバー層290の一方端側に配置され、インダクタ60は、カバー層290の一方端に対向する他方端側に配置される。これにより、上述と同様に、インダクタ50とインダクタ60とは、間に誘導性結合が生じない。
(第3の構造)
次に、図14は、デュプレクサ101の第3の構造の主要構造を示す上面概念図である。第3の構造では、インダクタ50及びインダクタ60は、インダクタ42Lと同様に、積層基板100の天面100Sに実装される実装型回路素子(例えば、チップインダクタ)によって実現される。すなわち、インダクタ50及びインダクタ60は、絶縁性材料からなる直方体形状の筐体を有する実装型回路素子によって実現される。
図14に示すように、インダクタ50は、実装型回路素子500によって実現される。インダクタ60は、実装型回路素子600によって実現される。そして、インダクタ42Lを実現する実装型回路素子420と、インダクタ60を実現する実装型回路素子600とは、近接して配置されている。
第3の構造において、インダクタ50を実現する実装型回路素子500と、インダクタ60を実現する実装型回路素子600とは、平面方向に遠ざけられて配置されている。ただし、平面方向とは、積層基板100の天面100Sに平行な方向である。図14では、平面方向の第1方向と、平面方向の第2方向とは、直交している。例えば、インダクタ60とインダクタ50との距離が、インダクタ60とインダクタ42Lとの距離と比べて長くなるように、インダクタ60とインダクタ50は配置される。インダクタ50を実現する実装型回路素子500は平面視で積層基板100の第2方向に平行な辺のうち第1方向下流の辺側に配置され、インダクタ60を実現する実装型回路素子600は、積層基板100の第2方向に平行な辺のうち第1方向上流の辺側に配置されている。
なお、インダクタ60とインダクタ42Lとの間に生じる誘導性結合の強度は、実装型回路素子600と、実装型回路素子420との距離によって調整可能である。
同様に、インダクタ50とインダクタ60との間の電磁界結合を阻害するためには、実装型回路素子500と実装型回路素子600とを、互いの長手方向が対向しないように配置する。
また、インダクタ50とインダクタ60との間の電磁界結合を阻害するために、実装型回路素子500のスパイラル電極の中心軸と、実装型回路素子600のスパイラル電極の中心軸とが、直交するようにしてもよい。
(第4の構造)
次に、図15は、デュプレクサ101の第4の構造の主要構造を示す側面概念図である。第4の構造は、インダクタ50を構成する線状電極と、インダクタ60を構成する線状電極とが、積層基板100の内部において内部グラウンドパターンを介して配置される点において、図12に示す第1の構造と相違する。
図15に示すように、インダクタ50を構成する線状電極は、ビア導体52Vを介して内部グラウンドパターンに接続されている。インダクタ60を構成する線状電極は、ビア導体62Vを介して、内部グラウンドパターンと異なる基準グラウンドパターンに接続されている。インダクタ50を構成する線状電極は、内部グラウンドパターンより積層方向に配置されている。インダクタ60を構成する線状電極は、内部グラウンドパターンより積層方向の反対方向に配置されている。これにより、インダクタ50を構成する線状電極と、インダクタ60を構成する線状電極とは、積層基板100を積層方向に視た場合に重なる部分を有しても、間に誘導性結合が生じない。
なお、インダクタ50を構成する線状電極と、インダクタ60を構成する線状電極とは、内部グラウンドパターンを介し、かつ、積層基板100を積層方向に視た場合に、重ならないように配置されてもよい。これにより、さらに、各線状電極間に誘導性結合が生じなくなる。また、インダクタ50およびインダクタ60は、積層基板100を積層方向に視た場合に、互いに重ならなければよく、一方がカバー層290や、積層基板100の天面100Sに形成されてもよい。
また、図15は、インダクタ50とインダクタ60とが積層方向に内部グラウンドパターンを介していたが、デュプレクサ101の第4の構造は、平面方向に内部グラウンドパターンを介する態様であっても構わない。
(第5の構造)
次に、図16は、デュプレクサ101の第5の構造の主要構造を示す側面概念図である。図16に示すデュプレクサ101は、所謂CSP(Chip Sized Package)構造で実現されている。
デュプレクサ101は、フィルタ基板200を備える。フィルタ基板200の第1主面には、上述のように送信信号用のフィルタ部20および受信信号用のフィルタ部30を実現するフィルタ電極や配線パターンが形成されている。
デュプレクサ101は、さらにフィルタ実装用基板280を備える。フィルタ実装用基板280は、例えばアルミナ基板からなり、平面視した面積がフィルタ基板200よりも所定量大きい。フィルタ実装用基板280には、所定パターンの電極が形成されている。
フィルタ基板200は、第1主面がフィルタ実装用基板280側になるように、バンプ導体281によってフィルタ実装用基板280の天面(実装面)280Sに実装されている。また、フィルタ実装用基板280の天面280Sには、インダクタ42Lを構成する実装型回路素子420が実装されている。フィルタ実装用基板280の底面280Rには、インダクタ50およびインダクタ60を構成する線状電極、並びに外部接続用バンプ導体282が形成されている。
フィルタ実装用基板280の天面280Sには、樹脂層283が塗布されている。ただし、IDT電極には樹脂層283は塗布されておらず、IDT電極の部分は中空構造となっている。これにより、フィルタ電極および配線パターンが外部環境に曝されることを防止でき、SAW共振子の共振特性を向上させることができ、フィルタとしての所望の特性を精確に実現することができる。
ここで、インダクタ42Lを構成するスパイラル電極とインダクタ60を構成する線状電極とが、積層基板100を平面視して少なくとも一部が重なるように配置する。これより、図16に示すように、インダクタ42Lとインダクタ60の間に誘導性結合を生じさせることができる。特に、本実施形態の構成では、インダクタ42Lを構成するスパイラル電極とインダクタ60を構成する線状電極との間隔(距離)を短くすることができるので、より強い誘導性結合を容易に実現することができる。
また、図16に示すように、インダクタ50を構成する線状電極と、インダクタ60を構成する線状電極とは、平面方向に遠ざけられて配置されている。例えば、インダクタ60とインダクタ50との距離が、インダクタ60とインダクタ42Lとの距離と比べて長くなるようにインダクタ60とインダクタ50は配置される。図16の側面概念図に示すように、インダクタ50はフィルタ実装用基板280の底面100Rの一方端側に配置され、インダクタ60は、フィルタ実装用基板280の底面100Rの一方端と対向する他方端側、例えばデュプレクサ101を平面視してインダクタ42Lと重なる領域に配置されている。これにより、インダクタ50とインダクタ60との間の誘導性結合が阻害される。
また、デュプレクサ101全体がCSP構造であるので、デュプレクサ101を小型且つ薄型で実現することができる。
なお、上述の各実現構造では、整合回路としてインダクタを用いる例を示したが、整合回路がキャパシタの場合についても、同様の構造で実現することができる。例えば、スパイラル電極を有する実装型回路素子420の代わりに、実装型の積層コンデンサ素子を用いればよい。
また、上述の送信信号用のフィルタ部20は、所謂ラダー接続型フィルタであったが、送信信号用のフィルタ部20は、例えば、縦結合共振器フィルタであってもよい。この場合でも、上述の整合回路とインダクタとの間の誘導性結合また容量性結合を調整することにより、アイソレーション特性の向上した高周波モジュールを実現することができる。
また、本発明は、所謂ベアチップ型のフィルタ部を用いた高周波モジュールに適用することもできる。
20…送信信号用のフィルタ部
30…受信信号用のフィルタ部
31,32,33…SAW共振子
34…整合回路
41C,42C,43C,44C…キャパシタ
41L,42L,43L,44L…インダクタ
50,50F,50G…インダクタ
51V,51V,61V,62V…ビア導体
60,60A,60B,60C,60D,60E,60F…インダクタ
100…積層基板
101…デュプレクサ
101…積層基板
101,101A,101B,101C,101D,101E,101F,101G…デュプレクサ
200…フィルタ基板
201,202,203,204,205,206,211,212,213…SAW共振子
280…フィルタ実装用基板
281…バンプ導体
282…外部接続用バンプ導体
283…樹脂層
290…カバー層
291…側面カバー層
292…密閉空間
293…接続電極
294…実装用電極
301,302,303,304,312,403…接続導体
420,500,600…実装型回路素子

Claims (9)

  1. アンテナに接続される共通端子と、
    送信端子と、
    受信端子と、
    前記共通端子及び前記送信端子の間に接続される送信フィルタ部と、
    前記共通端子及び前記受信端子の間に接続される受信フィルタ部と、
    前記共通端子と、前記送信フィルタ部と受信フィルタ部の接続部との間に接続されるアンテナ側整合素子、または、前記送信端子及び前記送信フィルタ部の間に接続される送信側整合素子と、
    を備えた高周波モジュールであって、
    前記送信フィルタ部は、
    前記共通端子と送信端子との間を接続する直列腕に、直列に接続される複数の直列腕共振子と、
    前記直列腕とグラウンドとの間を接続する複数の並列腕のそれぞれに、直列に接続される複数の並列腕共振子と、
    前記複数の並列腕共振子のうちの少なくとも2つの前記並列腕共振子を接続する接続端とグラウンドとの間に接続された第1インダクタと、
    前記複数の並列腕共振子のうちの前記少なくとも2つの並列腕共振子と異なる1つの並列腕共振子とグラウンドとの間に接続された第2インダクタと、を有し、
    前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される少なくとも1つと、前記第2インダクタとは、電磁界結合し、
    前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、前記グラウンドとは異なる基準電位に接続されるグラウンドパターンを介して配置され、両者の間の電磁界結合を阻害するように構成され
    前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、複数の誘電体層を積層してなる積層基板に形成された線状電極であり、
    前記グラウンドパターンは、前記積層基板における前記第1インダクタを形成する線状電極と前記第2インダクタを形成する線状電極との間に形成された内部グラウンドパターンである、
    高周波モジュール。
  2. 前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される1つと、前記第1インダクタとが電磁界結合するように構成される、
    請求項1に記載の高周波モジュール。
  3. 前記受信端子及び前記受信フィルタ部との間に接続される受信側整合素子、
    をさらに備え、
    前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、前記受信側整合素子、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部、及び前記受信フィルタ部の一方端から他方端への受信経路からなる群から選択される少なくとも1つと、前記第1インダクタとが電磁界結合するように構成される、
    請求項1または2に記載の高周波モジュール。
  4. アンテナに接続される共通端子と、
    送信端子と、
    受信端子と、
    前記共通端子及び前記送信端子の間に接続される送信フィルタ部と、
    前記共通端子及び前記受信端子の間に接続される受信フィルタ部と、
    前記共通端子と、前記送信フィルタ部と受信フィルタ部の接続部との間に接続されるアンテナ側整合素子、または、前記送信端子及び前記送信フィルタ部の間に接続される送信側整合素子と、
    を備えた高周波モジュールであって、
    前記送信フィルタ部は、
    前記共通端子と前記送信端子との間を接続する直列腕に、直列に接続される複数の直列腕共振子と、
    前記直列腕とグラウンドとの間を接続する複数の並列腕のそれぞれに、直列に接続される複数の並列腕共振子と、
    前記複数の並列腕共振子のうちの少なくとも2つの前記並列腕共振子を接続する接続端とグラウンドとの間に接続された第1インダクタと、
    前記複数の並列腕共振子のうちの前記少なくとも2つの並列腕共振子と異なる1つの並列腕共振子とグラウンドとの間に接続された第2インダクタと、を有し、
    前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される少なくとも1つと、前記第1インダクタとは、電磁界結合し、
    前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、前記グラウンドとは異なる基準電位に接続されるグラウンドパターンを介して配置され、両者の間の電磁界結合を阻害するように構成され
    前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、複数の誘電体層を積層してなる積層基板に形成された線状電極であり、
    前記グラウンドパターンは、前記積層基板における前記第1インダクタを形成する線状電極と前記第2インダクタを形成する線状電極との間に形成された内部グラウンドパターンである、
    高周波モジュール。
  5. 前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、および、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部からなる群から選択される1つと、前記第2インダクタとが電磁界結合するように構成される、
    請求項4に記載の高周波モジュール。
  6. 前記受信端子及び前記受信フィルタ部との間に接続される受信側整合素子、
    をさらに備え、
    前記アンテナ側整合素子、前記送信側整合素子、前記受信側整合素子、前記送信フィルタ部における前記直列腕の一部、及び前記受信フィルタ部の一方端から他方端への受信経路からなる群から選択される少なくとも1つと、前記第2インダクタとが電磁界結合するように構成される、
    請求項4または5に記載の高周波モジュール。
  7. 基板をさらに備え、
    前記送信フィルタ部は前記基板に実装され、
    前記基板の平面視において、前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、異なる位置に配置される、
    請求項1〜6のいずれかに記載の高周波モジュール。
  8. 前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの一方は、チップインダクタとして、前記基板の主面に配置され、
    前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの他方は、前記基板の内部に形成される、
    請求項7に記載の高周波モジュール。
  9. 前記第1インダクタ及び前記第2インダクタは、前記基板内のグラウンドを介して配置される、
    請求項7又は8に記載の高周波モジュール。
JP2017517632A 2015-05-08 2016-03-14 高周波モジュール Active JP6635113B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015095948 2015-05-08
JP2015095948 2015-05-08
PCT/JP2016/057913 WO2016181701A1 (ja) 2015-05-08 2016-03-14 高周波モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016181701A1 JPWO2016181701A1 (ja) 2018-02-01
JP6635113B2 true JP6635113B2 (ja) 2020-01-22

Family

ID=57247907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017517632A Active JP6635113B2 (ja) 2015-05-08 2016-03-14 高周波モジュール

Country Status (4)

Country Link
US (2) US10439588B2 (ja)
JP (1) JP6635113B2 (ja)
CN (1) CN107534433B (ja)
WO (1) WO2016181701A1 (ja)

Families Citing this family (63)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112016001482T5 (de) * 2015-04-01 2017-12-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. Duplexer
JP6790907B2 (ja) * 2017-02-23 2020-11-25 株式会社村田製作所 マルチプレクサ、送信装置および受信装置
WO2018168603A1 (ja) 2017-03-17 2018-09-20 株式会社村田製作所 高周波モジュール及び通信装置
JP6791184B2 (ja) * 2017-06-26 2020-11-25 株式会社村田製作所 弾性波装置
JP6959819B2 (ja) 2017-10-02 2021-11-05 株式会社村田製作所 マルチプレクサ
US11929731B2 (en) 2018-02-18 2024-03-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with optimized electrode mark, and pitch
US20220116015A1 (en) 2018-06-15 2022-04-14 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with optimized electrode thickness, mark, and pitch
US11509279B2 (en) 2020-07-18 2022-11-22 Resonant Inc. Acoustic resonators and filters with reduced temperature coefficient of frequency
US11323089B2 (en) 2018-06-15 2022-05-03 Resonant Inc. Filter using piezoelectric film bonded to high resistivity silicon substrate with trap-rich layer
US20210328574A1 (en) 2020-04-20 2021-10-21 Resonant Inc. Small transversely-excited film bulk acoustic resonators with enhanced q-factor
US11323096B2 (en) 2018-06-15 2022-05-03 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with periodic etched holes
US11206009B2 (en) 2019-08-28 2021-12-21 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with interdigital transducer with varied mark and pitch
US11936358B2 (en) 2020-11-11 2024-03-19 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with low thermal impedance
US11323090B2 (en) 2018-06-15 2022-05-03 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator using Y-X-cut lithium niobate for high power applications
US10756697B2 (en) 2018-06-15 2020-08-25 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator
US11146232B2 (en) 2018-06-15 2021-10-12 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with reduced spurious modes
WO2019235276A1 (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 株式会社村田製作所 マルチプレクサ
US11323091B2 (en) 2018-06-15 2022-05-03 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with diaphragm support pedestals
US11264966B2 (en) 2018-06-15 2022-03-01 Resonant Inc. Solidly-mounted transversely-excited film bulk acoustic resonator with diamond layers in Bragg reflector stack
US11916539B2 (en) 2020-02-28 2024-02-27 Murata Manufacturing Co., Ltd. Split-ladder band N77 filter using transversely-excited film bulk acoustic resonators
US11909381B2 (en) 2018-06-15 2024-02-20 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonators with two-layer electrodes having a narrower top layer
US11329628B2 (en) 2020-06-17 2022-05-10 Resonant Inc. Filter using lithium niobate and lithium tantalate transversely-excited film bulk acoustic resonators
US11888463B2 (en) 2018-06-15 2024-01-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multi-port filter using transversely-excited film bulk acoustic resonators
US11323095B2 (en) 2018-06-15 2022-05-03 Resonant Inc. Rotation in XY plane to suppress spurious modes in XBAR devices
US11374549B2 (en) 2018-06-15 2022-06-28 Resonant Inc. Filter using transversely-excited film bulk acoustic resonators with divided frequency-setting dielectric layers
US11901878B2 (en) 2018-06-15 2024-02-13 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonators with two-layer electrodes with a wider top layer
US11996822B2 (en) 2018-06-15 2024-05-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. Wide bandwidth time division duplex transceiver
US11728785B2 (en) 2018-06-15 2023-08-15 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator using pre-formed cavities
US11201601B2 (en) 2018-06-15 2021-12-14 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with multiple diaphragm thicknesses and fabrication method
US11171629B2 (en) 2018-06-15 2021-11-09 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator using pre-formed cavities
US11228296B2 (en) 2018-06-15 2022-01-18 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with a cavity having a curved perimeter
US11146238B2 (en) 2018-06-15 2021-10-12 Resonant Inc. Film bulk acoustic resonator fabrication method
US11349450B2 (en) 2018-06-15 2022-05-31 Resonant Inc. Symmetric transversely-excited film bulk acoustic resonators with reduced spurious modes
US12009798B2 (en) 2018-06-15 2024-06-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonators with electrodes having irregular hexagon cross-sectional shapes
US11967945B2 (en) 2018-06-15 2024-04-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversly-excited film bulk acoustic resonators and filters
US11876498B2 (en) 2018-06-15 2024-01-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with multiple diaphragm thicknesses and fabrication method
US11349452B2 (en) 2018-06-15 2022-05-31 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic filters with symmetric layout
US11949402B2 (en) 2020-08-31 2024-04-02 Murata Manufacturing Co., Ltd. Resonators with different membrane thicknesses on the same die
US10826462B2 (en) 2018-06-15 2020-11-03 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonators with molybdenum conductors
KR102546477B1 (ko) * 2018-06-21 2023-06-22 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 필터 및 멀티플렉서
US11108379B2 (en) 2018-09-05 2021-08-31 Resonant Inc. High isolation surface acoustic wave duplexer
CN109713407B (zh) * 2018-11-28 2021-02-26 天津大学 一种梯形结构双工器及改善双工器隔离度的方法
US11901873B2 (en) 2019-03-14 2024-02-13 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with partial BRAGG reflectors
CN113615083A (zh) 2019-03-14 2021-11-05 谐振公司 带有半λ介电层的横向激励的薄膜体声波谐振器
US11271541B2 (en) 2019-03-15 2022-03-08 Resonant Inc. Microwave duplexer using coupled inductors to improve isolation
US20210273629A1 (en) 2020-02-28 2021-09-02 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with multi-pitch interdigital transducer
US11811391B2 (en) 2020-05-04 2023-11-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with etched conductor patterns
US11469733B2 (en) 2020-05-06 2022-10-11 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonators with interdigital transducer configured to reduce diaphragm stress
US11817845B2 (en) 2020-07-09 2023-11-14 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method for making transversely-excited film bulk acoustic resonators with piezoelectric diaphragm supported by piezoelectric substrate
US11264969B1 (en) 2020-08-06 2022-03-01 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator comprising small cells
US11271539B1 (en) 2020-08-19 2022-03-08 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator with tether-supported diaphragm
US11671070B2 (en) 2020-08-19 2023-06-06 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonators using multiple dielectric layer thicknesses to suppress spurious modes
US11894835B2 (en) 2020-09-21 2024-02-06 Murata Manufacturing Co., Ltd. Sandwiched XBAR for third harmonic operation
US11405017B2 (en) 2020-10-05 2022-08-02 Resonant Inc. Acoustic matrix filters and radios using acoustic matrix filters
US11929733B2 (en) 2020-10-05 2024-03-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator matrix filters with input and output impedances matched to radio frequency front end elements
US11476834B2 (en) 2020-10-05 2022-10-18 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonator matrix filters with switches in parallel with sub-filter shunt capacitors
US11728784B2 (en) 2020-10-05 2023-08-15 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator matrix filters with split die sub-filters
US11658639B2 (en) 2020-10-05 2023-05-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. Transversely-excited film bulk acoustic resonator matrix filters with noncontiguous passband
CN112511126B (zh) * 2020-10-30 2022-03-15 诺思(天津)微系统有限责任公司 多工器和改善多工器隔离度的方法以及通信设备
US12003226B2 (en) 2020-11-11 2024-06-04 Murata Manufacturing Co., Ltd Transversely-excited film bulk acoustic resonator with low thermal impedance
US11496113B2 (en) 2020-11-13 2022-11-08 Resonant Inc. XBAR devices with excess piezoelectric material removed
US11405020B2 (en) 2020-11-26 2022-08-02 Resonant Inc. Transversely-excited film bulk acoustic resonators with structures to reduce acoustic energy leakage
US11239816B1 (en) 2021-01-15 2022-02-01 Resonant Inc. Decoupled transversely-excited film bulk acoustic resonators

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002300003A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Kyocera Corp 弾性波フィルタ
US6882250B2 (en) * 2002-04-15 2005-04-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. High-frequency device and communication apparatus
JP2007074698A (ja) * 2005-08-08 2007-03-22 Fujitsu Media Device Kk 分波器及びラダー型フィルタ
JP4816710B2 (ja) * 2008-10-30 2011-11-16 株式会社村田製作所 分波器
US8063717B2 (en) * 2009-07-27 2011-11-22 Avago Technologies Wireless Ip (Singapore) Pte. Ltd. Duplexer having resonator filters
WO2012108254A1 (ja) * 2011-02-09 2012-08-16 株式会社村田製作所 高周波モジュール
JP5605519B2 (ja) 2012-08-30 2014-10-15 株式会社村田製作所 フィルタ装置
JP5817795B2 (ja) 2013-08-06 2015-11-18 株式会社村田製作所 高周波モジュール
JP6183461B2 (ja) 2013-08-06 2017-08-23 株式会社村田製作所 高周波モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
US20190379350A1 (en) 2019-12-12
JPWO2016181701A1 (ja) 2018-02-01
US10680579B2 (en) 2020-06-09
CN107534433B (zh) 2021-01-15
US20180062615A1 (en) 2018-03-01
US10439588B2 (en) 2019-10-08
CN107534433A (zh) 2018-01-02
WO2016181701A1 (ja) 2016-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6635113B2 (ja) 高周波モジュール
JP6468290B2 (ja) 高周波モジュール
US9923543B2 (en) Radio frequency module
JP6183456B2 (ja) 高周波モジュール
JP6249020B2 (ja) 高周波モジュール
JP6372568B2 (ja) 高周波モジュール
JP5817795B2 (ja) 高周波モジュール
JP6406266B2 (ja) 高周波モジュール
JP6183461B2 (ja) 高周波モジュール
JPWO2016024559A1 (ja) 高周波モジュール
JP6187583B2 (ja) 高周波モジュール
WO2016042990A1 (ja) 高周波部品
JP6183462B2 (ja) 高周波モジュール
JPWO2012121037A1 (ja) 高周波スイッチモジュール
US11368135B2 (en) High-frequency module

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6635113

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150