JP6634776B2 - ナノシートによる薄膜の製造方法および製造装置 - Google Patents

ナノシートによる薄膜の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、薄片状又は偏平状のナノ粒子(一般にナノシートと呼ばれる)を層状に配設した薄膜の製造方法および製造装置に関するものである。特に、浸漬法により薄膜を形成する方法に関する。
従来、金属酸化物ナノシートを単層で配列した薄膜の製造方法として、ラングミュアー・ブロジェット法(LB法)やスピンコート法などが知られている。LB法は、ナノ材料溶液の自由表面上に析出したナノ材料を自由表面上に集積して基板に転写する方法であり、成膜に長時間を必要とし、工業的に不向きであるという欠点がある。また、スピンコート法も基材を回転させなければいけない成膜手法のため、大面積での成膜には適していない。
一方、特許文献1には、薄片状ペロブスカイト酸化物からなるナノ粒子を基材に成膜するために、ディップコート法(浸漬法)を用いることが記載されている。すなわち、ペロブスカイト酸化物のナノ粒子を有機溶媒中に分散させてナノ粒子分散溶液を作製し、この分散溶液中に基材を浸漬し、当該基材を引き上げることで基材の表面にナノ粒子の単層膜を形成する方法である。ナノ粒子分散溶液におけるナノ粒子の濃度を適切に設定し、所定の温度と湿度の下で基材を斜め又は垂直に引き上げることにより、単層ペロブスカイト酸化物薄膜を形成できると記載されている。
特開2011−184273号公報
J.Phys.Chem.C,2010,114(17),pp7637_7645
上述の浸漬コーティング方法では、ガスバリア性や絶縁性を確保するために、成膜速度を抑えることで緻密な単層膜を成膜しようとしている。しかし、単層膜の場合、基材被覆率を90〜95%程度にすることはできても、被覆率100%を実現することは困難である。その結果、このような単層膜を例えば積層セラミックコンデンサなどの誘電体層として使用した場合、ショートの発生リスクが高くなるという問題がある。膜の絶縁性を確保するためには多層化や厚膜化が必須となり、重ね塗り(複数回の浸漬コーティング)を行う必要があるため、生産性が低下する。さらに、重ね塗りを行う際には前処理として加熱処理が必要となるため、生産性をさらに低下させる要因となり得る。
また、特許文献1には、ナノシート多層膜を作製するために、コーティング液中のナノ粒子の含有量を高くすること(段落0019)、つまりナノ粒子の濃度を高くする方法が記載されている。しかしながら、単純にコーティング液の濃度を高くしただけでは、基材表面に形成された膜のナノ粒子の配列状態が悪化したり、又は膜に凹凸が生じたりする可能性があった。
ところで、非特許文献1には、浸漬コーティング法を用いてゾル−ゲル薄膜を形成し、膜厚制御する方法について開示されている。それによると、ゾル−ゲル溶液に基材を浸漬し、その基材を引き上げたとき、基材の表面に形成されるゾル−ゲル薄膜の厚みと引き上げ速度との間に相関関係があり、特にある引き上げ速度で膜厚が極小値となることが開示されている。膜厚が極小値となる引き上げ速度よりも小さい速度領域では、乾燥速度が支配的となり、膜厚は引き上げ速度の増大につれて減少する。膜厚が極小値となる引き上げ速度よりも高い速度領域では、膜厚は引き上げ速度の増大につれて増大する。しかし、非特許文献1は、ゾル−ゲル溶液から薄膜を形成する方法を開示しているだけであって、ナノ粒子を分散させた分散溶液からナノ粒子多層膜を形成する方法については何も開示していない。
本発明の目的は、浸漬法を用いて、良好なナノ粒子多層膜を形成でき、かつ生産性が高い製造方法および製造装置を提供することにある。さらなる目的は、基材被覆率が100%の薄膜を少ない回数の引き上げ操作で成膜可能な製造方法および製造装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、薄片状又は偏平状のナノ粒子を有機溶媒又は水中に分散させたナノ粒子分散溶液に基材を浸漬し、当該基材を引き上げることで前記基材の表面にナノ粒子の多層膜を形成する薄膜の製造方法である。特に、ナノ粒子分散溶液は、膜の膜厚と基材の引き上げ速度との関係において、ある引き上げ速度で膜厚が極小値を持つ溶液であり、膜厚が極小となる引き上げ速度よりも高い速度領域で基材を引き上げることにより成膜する。
本発明は以下のような知見に基づいてなされた。すなわち、ナノ粒子を有機溶媒や水などに分散させたナノ粒子分散溶液について、その溶液中から基材を引き上げた際、上述のゾル−ゲル溶液と同様の性質を有する、つまり、膜厚が極小値となる引き上げ速度で基材を引き上げれば、最も膜厚の薄い膜を形成することが可能になるという点である。そこで、本発明者が種々条件を変えて実験したところ、膜厚が極小値となる速度で引き上げると、ナノ粒子の積層数が少なく、そのためナノ粒子による基材被覆率が100%の多層膜を安定して成膜できないことを発見した。さらに、極小値となる膜厚よりもより大きな膜厚を得るには、極小値となる引き上げ速度より小さい速度領域と大きい速度領域とが存在するが、小さい速度領域で引き上げたとき、ナノ粒子の配向状態が悪くなることを発見した。つまり、極小値となる引き上げ速度より小さい速度領域で引き上げると、乾燥による粘度上昇の影響が大きくなり、ナノ粒子が湾曲したりして、ナノ粒子が層状にきれいに並んだ多層膜を形成することが難しいからである。さらに、引き上げ速度が小さい分、生産性も低い。
これに対し、極小値となる引き上げ速度より大きい速度領域で基材を引き上げた場合、せん断応力の作用により溶液中のナノ粒子が基材の表面とほぼ平行に配向し、ナノ粒子同士が相補的に重なり合った多層膜を形成できることから、少ない回数の引き上げ操作でナノ粒子による基材被覆率が100%の多層膜を形成可能なこと、さらに生産性の面でも良好な製造方法を実現できることを発見した。なお、ここで「多層膜」とは、膜自体が多層であるという意味ではなく、1つの膜内にナノ粒子が多層に積層された状態で存在している膜のことである。
本発明が対象とするナノ粒子の形状は、薄片状もしくは扁平状であり、厚さに対する幅及び長さの比が比較的大きな形状を有するものである。例えば厚さが0.5〜10nmで、幅及び長さが厚さの10倍以上のものがよい。ナノ粒子の材料としては、例えばペロブスカイト酸化物(例えばCa2Nb310、Sr2Nb310など)やチタン酸化物などの酸化物、遷移金属炭化物(例えばTi2C、Ti3C2、Sc2Cなど)、遷移金属窒化物(例えばTi2N、Ti3N2、Sc2Nなど)、グラフェン、六方晶系窒化ホウ素(h-BN)、遷移金属ジカルコゲナイド(TMD)、カルコゲナイド層状化合物(例えばInSe、Bi2Se3など)などを含む。
ナノ粒子を分散させる溶媒の種類は、ナノ粒子の分散性が損なわれないものが相応しく、水又は有機溶媒が使用される。有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、2−プロパノール、ホルムアミド、メチルエチルケトン、1−ブタノールなどを使用することができる。例えば、h−BNナノシートの場合にはイソプロパノールやNメチルピロリドンが望ましく、グラフェン、TMDナノシートの場合にはNメチルピロリドンなどが望ましい。
基材としては、耐溶剤性を有するものであればよく、硬質基板(石英ガラス板,シリコンウェハ,マイカ板,グラファイト板,アルミナ板など)、樹脂シート(ポリカーボネートフィルム,PETフィルム,アラミドフィルムなど)、金属シート(金属フィルムなど)が含まれる。基材の表面は平滑(例えばRaでシングルナノオーダーが望ましい)であることが必要であるが、原子レベルの平滑性は不要である。
静置状態のナノ材料分散溶液は濃度分布が存在しているため、成膜前にナノ材料分散溶液の分散状態を均一化する必要がある。ただし、激しく攪拌すると内部のナノ粒子が壊れる可能性があるため、揺動方式のような緩やかな攪拌方式が望ましい。
成膜時の引き上げ角度は水平面に対して垂直方向又は斜め方向に引き上げるのが望ましく、水平面に対する角度は70°〜90°がよい。引上げ速度は膜厚が極小値となる引き上げ速度よりも速い領域とするのがよく、溶液の濃度にもよるが、例えば0.2mm/s以上とするのがよい。浸漬深さは基材が漬かればよいので、制限はない。浸漬時間は基材表面に溶液がなじむ必要があるので、例えば30秒以上とするのがよい。
基材の引き上げ速度は、極小値となる膜厚をh0としたとき、膜厚hが極小値となる膜厚h0の2倍となる速度以上で、膜厚hが50nmとなる速度以下とするのが望ましい。ある濃度のナノ粒子分散溶液を使用した場合、膜厚が極小となる引き上げ速度で引き上げると、膜のナノ粒子の積層数が少なく、ナノ粒子による基材被覆率が100%の多層膜を安定して成膜できないことがある。そこで、引き上げ速度を変化させて基材被覆率を測定したところ、極小値となる膜厚h0の2倍以上となる速度で引き上げると、ナノ粒子の積層数が増え、基材被覆率100%を安定して達成することが可能になることがわかった。また、膜厚が50nmを超えると、既存の材料でも形成可能であり、ナノシート薄膜による有利性が低下するので、膜厚が50nmとなる速度以下で引き上げるのが望ましい。
基材をナノ粒子分散溶液に複数回の浸漬/引き上げを行うことにより成膜してもよい。本発明による引き上げ速度で成膜した膜は非常に薄いので、1回の成膜では十分な絶縁性が確保できない場合がある。特に、薄膜コンデンサのように耐圧性が求められる用途では確実な絶縁性が求められる。そのような場合に、本発明方法を複数回繰り返すことで、絶縁性の良好な薄膜を形成できる。なお、複数回繰り返すといっても、5回以上のように多数回の重ね塗りは必ずしも必要ではなく、例えば2〜3回程度で十分な絶縁膜を形成可能である。
溶液の濃度は、必要とする膜厚の絶対値や緻密性に影響を与えることが分かっているため、目標とする膜厚を得るために適切な濃度に設定する必要がある。すなわち、所望の膜厚を1回で塗布するために必要な濃度は、実験的に11.3g/L以上であると推測されるので、この濃度以上の溶液が望ましい。
ナノ粒子分散溶液に浸漬する前の基材に対して、基材表面の有機物除去および親水化を促進するための前処理を施すのが望ましい。前処理の具体的方法としては、例えばUV-O3処理、プラズマ処理などがある。このような前処理により、ナノ粒子分散溶液が基材の表面全体になじみやすくなり、欠陥の少ないナノ粒子の多層膜を成膜することが可能になる。
ナノ粒子分散溶液から引き上げられたシート材上の多層膜に対して、多層膜を定着させ、緻密性を高めるための後処理を行うのがよい。後処理方法としては、例えばUV-O3処理がある。成膜過程において、ナノ粒子間に有機物が残留することがあり、その有機物がナノ粒子の定着性を低下させ、構造欠陥の原因になる可能性がある。そこで、成膜後の後処理を行うことで、多層膜内に残留した有機物を効果的に除去できる。
基材は長尺なシート材であり、シート材を巻き出しロールから複数のガイドロールを経て巻き取りロールへと連続的に搬送し、複数のガイドロールの内、少なくとも1つのガイドロールをナノ粒子分散溶液中に浸漬し、シート材を連続駆動することにより、シート材の表面にナノ粒子の多層膜を形成するようにしてもよい。基材として基板を使用した場合には、この基板をつり下げてナノ粒子分散溶液中に浸漬し、それを引き上げることで多層膜を形成することが可能である。しかし、この方法で大きな基板上に成膜しようとすれば、基板を浸漬できる大型で深い貯留槽が必要であり、しかも1回ずつ浸漬操作と引き上げ操作とを行う必要があるため、量産性を高めることが難しい。そこで、長尺なシート材を基材として使用し、そのシート材を連続的に搬送しながらその一部をナノ粒子分散溶液中に浸漬してその上に多層膜を形成した後、このシート材を巻き取るようにすれば、均質な多層膜を量産性高く製造することができる。膜厚を制御するには、シート材の送り速度を変えればよいため、量産時の制御性にも優れているという特徴がある。シート材はガイドロールによって湾曲させることができるので、ナノ粒子分散溶液を貯留する貯留槽を深くする必要がなく、コストを低減できる。
以上のように、本発明の製造方法によれば、極小値となる引き上げ速度より大きい速度領域で基材を引き上げることで、溶液中のナノ粒子が基材の表面と平行に配向し、ナノ粒子同士が相補的に重なり合った多層膜を形成できる。その結果、少ない回数の引き上げ操作で基材被覆率が100%の多層膜を安定して形成でき、かつ生産性が高い製造方法を実現できる。
また本発明の製造装置によれば、長尺なシート材を基材として用い、浸漬法を用いてその上にナノ粒子多層膜を連続して形成するようにしたので、均質なナノ粒子多層膜を量産性高く製造することができる。
本発明に係る薄膜製造装置の第1実施例の概略図である。 基材の引き上げ速度と平均膜厚との関係を示すグラフである。 膜厚が極小値となる引き上げ速度ucより低い速度で引き上げたときのナノ粒子の配向状態と、膜厚が極小値となる引き上げ速度ucより高い速度で引き上げたときのナノ粒子の配向状態とを概略的に示す。 図1に示す基材を溶液中から引き上げた時の多層膜の成膜原理図である。 誘電体薄膜の膜厚依存性を示す図である。 溶液濃度と膜厚との関係を示す図である。 ショート率と膜厚との関係を示す図である。 本発明に係る薄膜製造装置の第2実施例の構成図である。
−第1実施例−
図1は本発明に係る薄膜製造装置の第1実施例を示す。図1において、貯留槽1の中には、薄片状又は偏平状のナノ粒子を有機溶媒又は水中に分散させたナノ粒子分散溶液2が貯留されている。貯留槽1の上方には、可逆駆動可能なモータ3が配置され、そのモータ3の駆動軸に固定されたプーリ4にワイヤ5が巻き掛けられている。ワイヤ5の先端にはクランプ6を介して基材7が吊り下げられている。基材7としては、ナノ粒子分散溶液2に対する耐溶剤性を有し、表面が平滑な基材が望ましく、硬質基板(石英ガラス板,シリコンウェハ,マイカ板,グラファイト板,アルミナ板など)でもよいし、樹脂板や樹脂シート、金属板や金属フィルムでもよい。基材7の浸漬深さは、基材7の必要部位が漬かればよいので、制限はないが、浸漬時間は溶液が基材7に十分になじむだけの時間(例えば30秒以上)が望ましい。基材7の引き上げ速度は、モータ3の回転速度によって制御できる。
浸漬前に基材7の表面の有機物除去および親水化促進を目的として、前処理装置8が設けられている。前処理装置8としては、例えばUV-O3処理装置やプラズマ処理装置が用いられる。特に、UV-O3処理は特定波長の紫外線を照射してオゾンを生成し、その生成したオゾンを利用して有機化合物を酸化・分解させるものであり、加熱処理を必要としないので前処理装置として好適である。
ナノ粒子は、薄片状もしくは扁平状であり、例えば厚さが0.5〜10nm(望ましくは1〜5nm)で、幅及び長さが厚さの10倍以上のものがよい。ナノ粒子の材料としては、例えばペロブスカイト酸化物(例えばCa2Nb310、Sr2Nb310など)やチタン酸化物などの酸化物、グラフェン、六方晶系窒化ホウ素(h-BN)、遷移金属ジカルコゲナイド(TMD)などが含まれる。ナノ粒子分散溶液の濃度としては、後述するように基材7をナノ粒子分散溶液2から引き上げた時、ある引き上げ速度で膜厚が極小値を持ち、かつ基材7上にナノ粒子の多層膜が生成される濃度に設定する必要がある。例えばナノ粒子がCa2Nb310ならば、15g/Lの濃度がよい。含有量は溶媒の種類によって異なるが、15g/Lの濃度は、溶媒がエタノールの場合には1.87wt%に相当し、溶媒が水であれば1.48wt%に相当する。
図2は、STEM(走査透過電子顕微鏡)で膜厚定量分析して得られた膜厚(乾燥後)と引上げ速度との関係を示す。ナノ粒子としてペロブスカイト酸化物(Ca2Nb310)を、溶媒としてエタノール又は水を、基材としてPET基板をそれぞれ使用し、ナノ粒子の濃度を15g/Lとした。図1に示すように、ナノ粒子分散溶液2中に浸漬した基材7を引き上げたとき、基材7の表面に形成されるナノ粒子膜の厚みと引き上げ速度との間には相関関係があり、ある引き上げ速度で膜厚が極小値を持つことがわかる。
膜厚が極小値となる引き上げ速度よりも小さい速度領域では、乾燥速度が支配的となり、膜厚h0[m]と引き上げ速度u[m/s]の関係は以下の式で示される。
Figure 0006634776
(ここで、ki:材料定数[-],E:乾燥速度[m3/s],L:成膜サンプルの幅[m])
一方で,膜厚が極小値となる引き上げ速度よりも高い領域では、重力とせん断応力のバランスから膜厚h0と引き上げ速度uとの関係は以下の式で示される。
Figure 0006634776
(ここで、ki:材料定数[-],Dは粘度・表面張力・密度からなる定数[m1/3・s2/3])
これら関係式から、膜厚が極小値となる引き上げ速度は、
Figure 0006634776
となる。よって、この引き上げ速度よりも速い領域で成膜すれば、生産性が高く、良質の多層膜を形成できる。
図3の(A)は膜厚が極小値となる引き上げ速度ucより低い速度で引き上げたときのナノ粒子の配向状態を示し、図3の(B)は膜厚が極小値となる引き上げ速度ucより高い速度で引き上げたときのナノ粒子の配向状態を示す。なお、図3はナノ粒子の配向状態を理解しやすいように概略的に示したものであり、現実の配向状態を示したものではない。図示するように、引き上げ速度ucより低い速度領域で引き上げると、ナノ粒子が屈曲したりして配向状態が悪くなり、多層膜の表面に凹凸が生じる。これに対し、引き上げ速度ucより高い速度領域で引き上げると、ナノ粒子の配向状態がよく、表面の凹凸も少ない良質の多層膜が形成される。
図4は、基材を膜厚が極小値となる引き上げ速度より速い速度で引き上げたときの多層膜の成膜原理を示す。なお、図4では基材の片面にのみ多層膜が形成される場合を示しているが、両面に形成することもできる。図示するように、基材を引き上げると、溶液の表面張力によりメニスカスが生成され、溶液の一部は基材と共に引き上げられる。このとき、溶液中の薄片状のナノ粒子は、せん断力によって引き上げ方向(基材の表面と平行)に配向する。さらに、蒸発に伴う溶媒の流れと表面張力との作用により、基材上のナノ粒子同士が平面方向に凝集し、ナノ粒子同士が相補的に重なり合った緻密な多層膜を形成できる。
図5は、誘電体薄膜の膜厚依存性を示す図である。比較的厚い膜は従来の材料(例えばチタン酸バリウム系材料)を使用して形成できるが、良好な誘電特性を得るためには膜厚30nm程度以上が必要となる。逆に、膜厚30nm以下に薄膜化すると、比誘電率が劇的に下がり、コンデンサとして安定に動作しない。つまり、膜厚20〜30nm付近に量子サイズ効果の壁が存在する。一方、ペロブスカイトナノシート薄膜は、5〜20nmでも100以上の高い比誘電率を持ちうるため、量子サイズ効果の壁による制約がない。よって、30nm以下の厚みの誘電体ナノ薄膜を生成する場合には、ペロブスカイトナノシートが有効である。なお、図5におけるナノシートは一例であり、図示のものよりも高い比誘電率を持つナノシートも存在する。さらに、ナノシート薄膜の膜厚が20nm以上になっても高誘電率を維持することが可能である。
本発明者の実験によれば、図2のように膜厚が極小値となる引き上げ速度ucが0.2mm/sであるナノ粒子分散溶液を使用した場合に、引き上げ速度uを極小値となる膜厚h0の2倍となる速度(1mm/s)以上で、膜厚hが50nmとなる速度(10mm/s)以下とするのがよい。つまり、引き上げ速度を1〜10mm/sとしたとき、膜厚が薄く(例えば10〜50nm)、かつ基材被覆率が安定してほぼ100%となる多層膜を1回の引き上げ操作で形成できた。特に、引き上げ速度u=1〜2mm/sとしたとき、厚みが10nm〜30nmで、かつ基材被覆率がほぼ100%となる多層膜を形成できた。引き上げ速度uが10mm/sを超えると、膜厚が50nmより厚くなる傾向がある。
図6は、溶液濃度を変えたときの膜厚の変化を示したものである。図示するように、溶液濃度が15g/L、成膜速度が2mm/s、重ね塗り回数が1回のとき、平均膜厚は12.18nmであり、溶液濃度が17.5g/L、成膜速度が2mm/s、重ね塗り回数が1回のとき、平均膜厚は20.52nmであった。特に、溶液濃度が17.5g/Lの場合には、膜厚のばらつきが小さくなることがわかる。これら2つのデータから濃度xと膜厚yとの線形式を推定すると、
y=3.336x−37.86
となる。この結果から、濃度が11.3g/Lを下回ると、膜厚がゼロになることが推測され、所望の膜厚を1回で塗布するために必要な濃度は11.3g/L以上であると推測される。
なお、溶液濃度が17.5g/L、成膜速度が1mm/s、重ね塗り回数が2回のとき、平均膜厚は47nmとなった。膜厚のばらつきは、40.9〜53.6nmであった。
図7は、ショート率(ショートしたサンプル数/全測定サンプル数)と膜厚との関係を示したものである。図示するように、膜厚が20nm以下ではショート率がほぼ100%であり、20〜80nmにかけて膜厚の増大につれてショート率が急激に低下し、80nmを超えるとショート率はほぼ0%となる。よって、80nm以上の膜厚に調整することが、ショート率をほぼ0%にするためには有効である。
−第2実施例−
図8は本発明に係る薄膜製造装置の第2実施例を示す。この製造装置では、基材として長尺なシート材10を使用し、このシート材10を巻き出しロール11から供給し、複数のガイドロール12〜16を経て巻き取りロール17へと巻き取るよう構成されている。巻き取りロール17には、シート材10の送り速度を制御する駆動装置18が連結されている。複数のガイドロール12〜16は、シート材を所定の張力を持って送るための回転自在なロールであるが、送り速度と同期して回転駆動されてもよい。複数のガイドロールの中の少なくとも1つのガイドロール14は、貯留槽20に貯留されたナノ粒子分散溶液21中に浸漬されている。そのため、シート材10を連続的に送ることにより、シート材10の一部がナノ粒子分散溶液21の中を通過し、引き上げ時にシート材10の表面にナノ粒子の多層膜が形成される。シート材10の必要な浸漬深さは、送り速度と目標とする浸漬時間の関係から計算することができる。例えば、送り速度2mm/sで30秒間浸漬させるためには、最低限30mmの深さが必要となる。
シート材10としては、ナノ粒子分散溶液21に対する耐溶剤性を有する、薄肉で表面が平滑なシートが望ましく、例えばセラミックグリーンシートの製造に使用されるキャリアフィルムと同様の材料(例えばポリカーボネートフィルム,PETフィルム,アラミドフィルムなど)を使用できる。
ナノ粒子分散溶液21中に浸漬される直前のシート材10に対して、シート材表面の有機物除去および親水化促進のための前処理を行う前処理装置22が設けられている。具体的には、浸漬前のシート材10をガイドするガイドロール12と13との間に前処理装置22が設けられている。この前処理方法としては、UV-O3処理やプラズマ処理などがある。さらに、ナノ粒子分散溶液21から引き上げられたシート材10上の多層膜に対して、多層膜に含まれる有機物の除去を行い、多層膜の緻密性を高める後処理装置23が設けられている。具体的には、引き上げ後のシート材10をガイドするガイドロール15と16との間に後処理装置23が設けられている。後処理方法としては、UV-O3処理が効果的である。さらに、ナノ粒子分散溶液21から引き上げられた直後のシート材10に対して乾燥処理を行う乾燥装置24が設けられている。この実施例の乾燥装置24は縦型であり、ナノ粒子分散溶液21からほぼ垂直方向に引き上げられたシート材10に対して、次のガイドロール15に巻き掛ける前に乾燥処理を実施する。そのため、シート材10上に形成された未乾燥の多層膜がガイドロール15によって損傷を受けるのを防止できる。乾燥方法は任意であるが、できるだけシート材10を高温に加熱せずに、短時間で多層膜を乾燥させる方法を用いる方が良い。多層膜はシート材10の両面又は片面のいずれに形成してもよい。
上述のように、複数のガイドロールの内の少なくとも1つのガイドロール14をナノ粒子分散溶液21中に浸漬し、シート材10を連続駆動することにより、シート材10の表面にナノ粒子の多層膜を形成するようにしたので、多層膜を形成しながら巻き取りロール17に連続的に巻き取ることができる。すなわち、長尺なシート材10上に多層膜を連続的に形成できるので、きわめて量産性の高い製造装置を実現できる。膜厚を制御するには、シート材10の引き上げ速度を最適値(膜厚が極小値となる引き上げ速度よりも高速で、基材被覆率が安定して100%となる多層膜を1回の引き上げ操作で形成できる速度が望ましい)に制御すれば良い。引き上げ速度はシート材10の送り速度、つまり駆動装置18により容易に制御できる。したがって、量産時の制御性にも優れた製造装置を実現できる。
図8では、溶液から引き上げたシート材10に対して乾燥処理、UV-O3処理を施した後、巻き取りロール17に巻き取るようにしたが、巻き取りロール17に巻き取る前に、ナノシート多層膜に対して電極パターン塗布、乾燥処理などを実施してもよい。その場合には、巻き取りロール17に巻き取られたシート材には、ナノシート多層膜と電極パターンとが形成された状態となる。そのため、このシート材を薄膜コンデンサの製造に用いることが可能になる。
なお、図8の実施例では1回の浸漬/引き上げによりシート材10上に成膜する例を示したが、複数回の浸漬/引き上げにより重ね塗りした多層膜を形成してもよい。その場合には、シート材10を巻き取りロール17に巻き取る前に2回目以後の浸漬/引き上げを実施してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。上記実施例では、ナノ粒子としてペロブスカイト酸化物(Ca2Nb310)を使用し、例えばコンデンサの誘電体薄膜として好適な多層膜の製造方法について説明したが、他のナノ粒子(Sr2Nb310、グラフェン、六方晶系窒化ホウ素、遷移金属ジカルコゲナイドなど)を使用しても同様の効果を有する。本発明の多層膜の用途としては、誘電体以外に、例えば光触媒、圧電体等のファインセラミックス材料、光電変換材料、フォトクロミック材料、エレクトロクロミック性材料、ガスバリア性材料、赤外線反射材料、導電性材料など多岐にわたる。
1 貯留槽
2 ナノ粒子分散溶液
3 モータ
7 基材
8 前処理装置
10 シート材(基材)
11 巻き出しロール
12〜16 ガイドロール
14 浸漬ロール
17 巻き取りロール
18 駆動装置
20 貯留槽
21 ナノ粒子分散溶液
22 前処理装置
23 後処理装置
24 乾燥装置

Claims (12)

  1. 薄片状又は偏平状のナノシートを有機溶媒又は水中に分散させたナノシート分散溶液に基材を浸漬し、当該基材を引き上げることで前記基材の表面にナノシートの多層膜を形成する薄膜の製造方法であって、
    前記ナノシート分散溶液は、前記ナノシートの多層膜の膜厚と前記基材の引き上げ速度との関係において、ある引き上げ速度で膜厚が極小値を持つ溶液であり、
    前記膜厚が極小となる引き上げ速度よりも高い速度領域で前記基材を引き上げることにより、1回の浸漬/引き上げで前記ナノシートの多層膜を形成する工程を含む、
    薄膜の製造方法。
  2. 前記ナノシートは酸化物ナノシートであり、前記薄膜はコンデンサ用誘電体薄膜である、請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  3. 前記ナノシートは導電性ナノシートであり、前記薄膜は導電体薄膜である、請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  4. 前記有機溶媒は、エタノール、メタノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、2−プロパノール、ホルムアミド、メチルエチルケトン、1−ブタノールのいずれかである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
  5. 前記引き上げ速度は、前記極小値となる膜厚をh0としたとき、膜厚hが極小値となる膜厚h0の2倍となる速度以上で、前記膜厚hが50nmとなる速度以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
  6. 前記ナノシート分散溶液の濃度は11.3g/L以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
  7. 前記ナノシート分散溶液に浸漬する前の前記基材に対して、基材表面の有機物除去および親水化を促進するための前処理を施す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
  8. 前記ナノシート分散溶液から引き上げられた前記基材上の多層膜に対して、当該多層膜に含まれる有機物の除去処理を行う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
  9. 前記基材は長尺な樹脂フィルムであり、
    前記樹脂フィルムを巻き出しロールから複数のガイドロールを経て巻き取りロールへと連続的に搬送し、
    前記複数のガイドロールの内、少なくとも1つのガイドロールを前記ナノシート分散溶液中に浸漬し、
    前記樹脂フィルムを連続駆動することにより、前記樹脂フィルムの表面に前記ナノシートの多層膜を形成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
  10. 薄片状又は偏平状のナノシートを有機溶媒又は水中に分散させたナノシート分散溶液を貯留した貯留槽と、
    長尺な樹脂フィルムと、
    前記樹脂フィルムを供給する巻き出しロールと、
    前記樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールと、
    前記巻き出しロールと巻き取りロールとの間に配設された前記樹脂フィルムを送るための複数のガイドロールであって、その中の少なくとも1つのガイドロールが前記ナノシート分散溶液中に浸漬された、ガイドロールと、
    前記樹脂フィルムの送り速度を制御する駆動装置と、を備え、
    前記ナノシート分散溶液は、前記樹脂フィルムの表面に形成される前記ナノシートの多層膜の膜厚と前記樹脂フィルムの引き上げ速度との関係において、ある引き上げ速度で膜厚が極小値を持つ溶液であり、
    前記膜厚が極小となる引き上げ速度よりも高い速度領域で引き上げるよう前記駆動装置を制御し、
    前記樹脂フィルムを連続駆動することにより、1回の浸漬/引き上げで前記樹脂フィルムの表面に前記ナノシートの多層膜を形成する、薄膜の製造装置。
  11. 前記ナノシート分散溶液中に浸漬される前の前記樹脂フィルムに対して基材その表面の有機物除去および親水化を促進するための前処理を行う前処理装置が設けられている、請求項10に記載の薄膜の製造装置。
  12. 前記ナノシート分散溶液から引き上げられた前記樹脂フィルム上の多層膜に対して、当該多層膜に含まれる有機物の除去処理を行う後処理装置が設けられている、請求項10又は11に記載の薄膜の製造装置。
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