JP6633885B2 - 土工資材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レアアースを含有する泥を原料として用いた、土工資材(例えば、埋め戻し材等)の製造方法に関する。
レアアースは、ネオジム・鉄・ボロン磁石、LED電球、燃料電池等に用いられる原料として、最先端技術産業に不可欠な元素であり、近年、その需要も急増している。一方、レアアースの寡占的産出国であった中国が、輸出奨励政策から規制強化政策へと方針を変更するなどの事情下において、レアアースの供給不足や価格高騰が懸念されており、レアアースの新たな供給源の確保が課題となっている。
このような状況下において、太平洋の広範囲に分布しているレアアースを高含有率で含む深海の泥が、レアアースの新たな供給源として注目されている。
レアアースを高含有率で含む泥(例えば、太平洋の深海の泥)は、その資源量が膨大であること、希酸中に1〜3時間浸漬するという簡易な方法で抽出することができること、トリウムやウラン等の放射性元素をほとんど含まないこと、等の数々の利点を有している。
一方、レアアースを含有する泥の乾燥質量中のレアアースの質量の割合は、レアアースの含有率が高いことで知られる太平洋の深海底であっても、0.3質量%以下にすぎない。このため、レアアースを含有する泥から、希酸を用いてレアアースを抽出する際に、多量の酸性の泥が発生するという問題がある。
この酸性の泥の処理方法として、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤で中和処理する方法が考えられる。しかし、中和処理後の泥をそのまま有用な用途に利用することは、この泥が大きな水分含有率を有し、扱い難いことから、困難である。
上述の事情下において、レアアースを含む泥を処理して、埋め立て等の用途に利用可能な土工資材を得るための方法が知られている。
例えば、特許文献1に、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する酸性の残渣と、アルカリ性固化材(例えば、セメント)を混合して、固化体(例えば、埋め立て資材として利用可能なもの)を得ることを特徴とするレアアースを含有する残渣の固化処理方法が記載されている。
また、特許文献2に、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する酸性の残渣及び/又は該酸性の残渣の中和物を、コンクリートまたはモルタルの原料の一部(例えば、セメントの原料の一部)として使用して、コンクリート構造物を構築するコンクリート構造物構築工程を含むことを特徴とする、レアアースを含有する泥の処理方法が記載されている。
さらに、特許文献3に、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する酸性の残渣を含む焼成物製造用原料を加熱してなる、圧壊強度が1,000N以上の人工骨材が記載されている。
特開2015−120124号公報 特開2015−131262号公報 特開2015−123385号公報
上述のとおり、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣は、大量である。
一方、この大量の残渣を処理して、土工資材を製造する場合、処理設備の処理能力にも限界があるため、上述の酸での処理の後に、連続的な処理として、すべての残渣を処理して、直ちに、有用な土工資材を得ることは、困難である。
また、上述の酸での処理の後に、残渣の一部のみを処理して、土工資材を得た場合、残渣の残部を長期間保管して、徐々に、固化処理等の処理を行なっていく必要がある。しかし、この保管を要する残渣は、固化処理が行なわれていないため、上述のとおり、大きな水分含有率を有し、扱い難いという問題がある。
さらに、土工資材の製造のための処理設備の増設も、コストや処理用地の確保等の点で、問題がある。
本発明の目的は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣を用いた、土工資材の製造方法であって、大きな水分含有率を有する残渣を長期間保管する必要がなく、かつ、土工資材の製造のための処理設備の増設によるコストの増大等の問題も生じない、土工資材の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣と、固化材を混合して、残渣が固化してなる塊状の固化物を得た後、この塊状の固化物を破砕して、粒状の破砕物を得て、次いで、この粒状の破砕物を1,110〜1,180℃で焼結して、粒状の土工資材を得ることによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣を用いた、土工資材の製造方法であって、上記残渣と固化材を混合して、上記残渣が固化してなる塊状の固化物を得る固化工程と、上記塊状の固化物を破砕して、粒状の破砕物を得る破砕工程と、上記粒状の破砕物を1,110〜1,180℃で焼結して、粒状の土工資材を得る加熱工程、を含むことを特徴とする土工資材の製造方法。
[2] 上記固化材が、セメント、セメント系固化材、石灰、石灰系固化材、またはマグネシア系固化材である、上記[1]に記載の土工資材の製造方法。
[3] 上記固化材の添加量が、上記残渣1m当たり、30〜400kgである、上記[1]または[2]に記載の土工資材の製造方法。
[4] 上記破砕物が、1〜20mmの粒度を有する粒体を、50質量%以上の割合で含むものである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の土工資材の製造方法。
[5] 上記土工資材が、埋め戻し材、埋め立て材、盛り土材、路盤材、路盤の下方の緩衝層用の緩衝材、サンドコンパクションパイル工法におけるサンドコンパクション材、または、骨材である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の土工資材の製造方法。
本発明によれば、残渣と固化材を混合して、残渣が固化してなる塊状の固化物を得る固化工程が含まれており、また、この固化工程には、ペレット状に成形するための成形設備等が必要とされないので、一時に大量の残渣を処理することができる。このため、大きな水分含有率を有する残渣を長期間保管する必要は、ない。
また、本発明によれば、固化工程の後に、破砕工程および加熱工程が含まれているので、処理設備(具体的には、破砕設備および加熱設備)の処理能力に合わせて、破砕工程および加熱工程の各々を適当な時期に適当な量で行なえばよく、破砕設備の増設や加熱設備の増設を行なう必要も、ない。
本発明のレアアースを含有する泥の処理方法は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣を用いた、土工資材の製造方法であって、上記残渣と固化材を混合して、上記残渣が固化してなる塊状の固化物を得る固化工程と、上記塊状の固化物を破砕して、粒状の破砕物を得る破砕工程と、上記粒状の破砕物を1,110〜1,180℃で焼結して、粒状の土工資材を得る加熱工程、を含むものである。
以下、工程毎に説明する。
[固化工程]
固化工程は、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣(通常、酸性のもの)と、固化材を混合して、残渣が固化してなる塊状の固化物を得る工程である。
本発明において、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣(以下、「残渣」と略すことがある。)とは、レアアースを含有する泥を酸(例えば、希塩酸)で処理して、レアアースを液中に抽出した後に発生する酸性の残渣である。
また、レアアースとは、周期律表の第3族のランタロイド(La(ランタン)からLu(ルテチウム))に、Sc(スカンジウム)とY(イットリウム)を加えた17元素をいう。
レアアースを含有する泥の一例として、深海底(例えば、海の深さとして、3,500〜6,000mの領域)に層状(例えば、海底から、深さが数10m程度までの地盤)に分布する、レアアースの含有率が大きい泥が挙げられる。
本発明において、レアアースを含有する泥(乾燥状態のもの;固形分)の中のレアアースの含有率(質量基準)は、資源であるレアアースを採掘する際の経済性の観点から、好ましくは1,000ppm以上、より好ましくは2,000ppm以上である。
残渣の含水比(残渣の乾燥質量100質量%に対する残渣の水分の割合)は、特に限定されないが、加熱炉等の加熱手段の負荷を軽減する観点から、好ましくは200質量%以下、より好ましくは150質量%以下、特に好ましくは100質量%以下である。
残渣の含水比を低減させる方法(方式)としては、泥をタンク等の容器に貯留して、泥の固形分を沈澱させ、その上澄みを回収する沈澱方式や、スクリューデカンター等の装置を用いる遠心分離方式や、フィルタープレス等の装置を用いる加圧脱水方式等が挙げられる。
中でも、低コストで簡易に脱水することができる点で、沈澱方式及び遠心分離方式が好ましく、沈澱方式が、より好ましい。
なお、脱水の程度は、沈澱方式、遠心分離方式、加圧脱水方式の順に大きくなる。
固化工程で用いられる固化材の例としては、セメント、セメント系固化材、石灰、石灰系固化材、マグネシア系固化材等の、アルカリ性固化材が挙げられる。
ここで、アルカリ性固化材とは、水に溶解するとpHがアルカリ性の領域となる固化材である。
セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等が挙げられる。
セメント系固化材とは、セメントを主成分(通常、50質量%以上)として含み、かつ、各種の有効成分を副成分として含む固化材である。市販品としては、太平洋セメント社製の「ジオセット」(商品名)等が挙げられる。
石灰としては、生石灰、消石灰等が挙げられる。
石灰系固化材とは、石灰を主成分(通常、50質量%以上)として含み、かつ、各種の有効成分を副成分として含む固化材である。
マグネシア系固化材としては、炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを、低温(600〜900℃)で焼成して得られる軽焼マグネシア(軽焼酸化マグネシウムともいう。)等が挙げられる。
固化材の量は、残渣のpHによっても異なるが、残渣(通常、酸性のもの)を中和して、中性または中性に近いpH領域の固化体を得る観点から、残渣1mに対して、好ましくは30〜400kg、より好ましくは50〜350kg、さらに好ましくは100〜300kg、特に好ましくは150〜250kgである。
残渣と固化材を混合するための混合手段としては、例えば、各種のミキサー、バックホウ等が挙げられる。
また、圧縮空気を用いて圧送中の残渣に、固化材スラリーを添加することによって、残渣と固化材を混合することもできる。
さらに、地面に敷き均した残渣に、固化材スラリーを添加して混合し、塊状の固化物を得ることもできる。
残渣が固化してなる塊状の固化物(残渣と固化材の混合物の水和反応による生成物)の大きさは、特に限定されないが、通常、下限が、数mm程度で、上限が、数十cm程度である。
塊状の固化物は、直ちに、次工程である破砕工程で処理してもよいし、あるいは、適当な期間(例えば、数日程度の短期や、数か月以上の長期のいずれでもよい)、保管した後に、破砕工程で処理してもよい。
塊状の固化物は、保管する場合、地表面(例えば、盛土の上面や、仮置きとして形成させた埋立地の上面)の形成用の材料として用いれば、当該固化材の水和反応の進行に伴い、トラフィカビリティ(建設機械等の車両の走行性)が向上し、建設作業等の効率を高めることができる。
塊状の固化物は、油圧ショベル(パワーショベル)等の大型の建設機械を用いて、容易かつ迅速に移動させることができる。
また、盛土や仮置きの埋立地として保管されていた塊状の固化物も、油圧ショベル等の大型の建設機械を用いて、容易に掘り起こすことができる。この際、次工程である破砕工程の一部としての破砕を、建設機械を用いて行なうこともできる。
[破砕工程]
破砕工程は、固化工程で得られた塊状の固化物を破砕して、粒状の破砕物を得る工程である。
固化工程で得られた塊状の固化物を破砕するための破砕手段としては、例えば、ロールクラッシャ、ジョークラッシャ、コーンクラッシャ等が挙げられる。
また、上述のとおり、盛土や仮置きの埋立地として保管されていた塊状の固化物の一部は、油圧ショベル等の大型の建設機械を用いて掘り起こす際に、適度な大きさに破砕される。掘り起こした後の固化物は、さらに、上述の破砕手段(例えば、ロールクラッシャ等)を用いて、所望の粒度になるように破砕することができる。
粒状の破砕物は、好ましくは、1〜40mmの粒度を有する粒体を、50質量%以上の割合で含むものであり、より好ましくは、5〜30mmの粒度を有する粒体を、50質量%以上の割合で含むものであり、特に好ましくは、8〜20mmの粒度を有する粒体を、50質量%以上の割合で含むものである。このような粒度分布を有することによって、次工程である加熱工程後に、土工資材として好適な形状、粒度、および圧壊強度を有する焼結体(粒状物)を得ることができる。
ここで、粒度とは、粒体における最大の寸法(例えば、断面が略楕円である場合、長軸の寸法)をいう。
本発明においては、数十cmの粒度を有する大きな塊状の固化物を、次工程である加熱工程で焼成した後に、所望の粒度になるように破砕することもできる。ただし、焼成前に破砕したほうが、塊状の固化物の強度が小さいため、破砕が容易で、破砕に要するエネルギー消費量を節減することができる。また、次工程である加熱工程においても、塊状の固化物の粒度が大き過ぎないほうが、加熱の効率が良い。
粒状の破砕物が、上述の好ましい粒度分布を有しない場合、粒状の破砕物を分級して、粒度分布を好ましいものに調整することができる。分級は、例えば、篩等を用いて行うことができる。
[加熱工程]
加熱工程は、破砕工程で得られた粒状の破砕物を1,110〜1,180℃で焼結(加熱)して、粒状の土工資材(焼結体である粒状物)を得る工程である。
粒状の土工資材を得るための加熱手段としては、特に限定されるものではなく、連続式の手段とバッチ式の手段のいずれも用いることができる。
連続式の加熱手段としては、例えば、ロータリーキルン、トンネル炉等が挙げられる。
バッチ式の加熱手段としては、例えば、焼却炉(ガス等を燃料として用いるもの)、電気炉、マイクロ波加熱装置等が挙げられる。
中でも、処理の効率を高める観点から、ロータリーキルンを用いることが好ましい。
加熱温度は、1,110〜1,180℃、より好ましくは1,120〜1,160℃、特に好ましくは1,120〜1,140℃である。
該温度が1,110℃未満では、焼結が生じないか、あるいは、焼結に要する時間が過大であり、処理効率が低下する。該温度が1,180℃を超えると、焼結状態から溶融状態に移行して、得られる粒状物が、大きな塊状になったり、あるいは、融着して、焼成に支障をきたしたりする。
特に、該温度が1,120〜1,140℃であると、粒状物の形状が、丸みを帯びずに不定形(適度に角張った形状)になるので、埋め戻し材等の各種の土工資材に適する粒状物を得ることができる。
上述の加熱温度の保持時間は、好ましくは10〜60分間、より好ましくは15〜40分間、特に好ましくは20〜30分間である。該保持時間が10分間以上であると、焼結がより十分に行なわれ、得られる粒状物の圧壊荷重をより大きくすることができる。該保持時間が60分間以下であると、処理効率の点で好ましい。
粒状の土工資材の圧壊強度は、好ましくは1,000N以上、より好ましくは1,100N以上、さらに好ましくは1,200N以上、さらに好ましくは1,300N以上、さらに好ましくは1,400N以上、さらに好ましくは1,500N以上である。
圧壊強度は、「JIS Z 8841−1993」(造粒物−強度試験方法)の「3.1 圧壊強度試験方法」に準拠して測定することができる。
粒状の土工資材は、さらに、目的とする用途(例えば、細骨材)に応じて、分級することができる。分級は、例えば、篩等を用いて行うことができる。
粒状の土工資材は、埋め戻し材、埋め立て材、盛り土材、路盤材、路盤の下方の緩衝層用の緩衝材、サンドコンパクションパイル工法におけるサンドコンパクション材、骨材(コンクリート用の細骨材もしくは粗骨材、または、アスファルト用の骨材)等として用いることができる。
レアアースを含有する泥は、通常、本土から遠く離れた太平洋の深海の海底に存在するため、レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する大量の残渣を、本土まで運搬して処理することは、経済的ではない。本発明では、本土から遠く離れた離島(レアアースを含有する泥が採取される海域の島)において、この大量の残渣を、固化工程、破砕工程、および加熱工程の各工程にて、工程毎の処理設備の処理能力に応じて、計画的かつ効率的に処理し、土工資材として利用可能な粒状物を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[材料]
以下の材料を使用した。
(1)レアアースを含有する泥(太平洋の水深4,000m以上の深海の泥;該泥の固形分中のレアアースの含有率:質量基準で2,000ppm以上
(2)普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(3)高炉セメントB種(太平洋セメント社製)
(4)エコセメント(太平洋セメント社製)
(5)セメント系固化材A(商品名:ジオセット200;太平洋セメント社製)
(6)セメント系固化材B(商品名:ジオセット225;太平洋セメント社製)
(7)生石灰粉
[実施例1]
レアアースを含有する泥を、0.1Nの塩酸に1時間浸漬し、次いで、含水比が50質量%程度になるように、遠心分離方式で脱水して、残渣を得た。
この残渣50gと、普通ポルトランドセメント7.25gを混合して、塊状の固化物を得た。
なお、普通ポルトランドセメントの添加量は、残渣1m当たり、200kgに相当する。また、塊状の固化物として、φ3.5cm×7cmの円柱状に成形した。
次いで、塊状の固化物を7日間湿空養生した後、鉄製の乳鉢を用いて破砕し、粒状の破砕物を得た。
得られた粒状の破砕物は、8〜20mmの粒度を有する粒体を、50質量%以上の割合で含むものであった。
この粒状の破砕物を、篩にかけて、10〜12mmの粒度を有する粒体を得た。
この粒体(粒度:10〜12mm)を、100℃で24時間乾燥した後、電気炉内で経時的に温度を上昇させて加熱した。
この加熱は、10℃/分の昇温条件で、後述の目的とする温度(例えば、1,100℃)まで昇温し、その後、20分間、この目的とする温度を保持することによって行なった。
その結果、粒状の破砕物について、以下の状態が観察された。
1,100℃では、焼結がまだ生じなかった。
1,110℃で、焼結が進行し始めた。
1,120℃で、焼結がかなり進行した。
1,130℃で、十分に焼結が進行するとともに、粒状の破砕物の形状が、角張った不定形を維持していた。
1,140℃で、粒状の破砕物の形状が、溶融によって、わずかに丸みを帯び始めた。
1,150℃で、粒状の破砕物の形状について、丸みの程度が大きくなった。
1,160℃で、粒状の破砕物の形状について、丸みの程度がさらに大きくなった。
1,170℃で、粒状の破砕物が溶融し始めた。
1,180℃で、粒状の破砕物が溶融して、形状が保てなくなった。
1,190℃で、粒状の破砕物が溶融して、耐火物に融着した。
1,200℃で、粒状の破砕物の状態が、1,190℃における状態とほぼ同じになった。
次に、1,140℃の温度で取り出した粒状物(焼結した粒状の破砕物)に対して、直径方向に圧壊するまで荷重を加え、圧壊強度を測定した。
圧壊強度の測定は、「JIS Z 8841−1993」(造粒物−強度試験方法)の「3.1 圧壊強度試験方法」に準拠した。
その結果、圧壊強度の値は、1,652Nであった。
[実施例2]
普通ポルトランドセメント7.25gに代えて、高炉セメントB種を7.25gの量で用いた以外は実施例1と同様にして実験した。
その結果、加熱温度が1,100℃から1,200℃に至るまでの間の粒状の破砕物の状態について、実施例1と同じ観察結果が得られた。
また、1,140℃の温度で取り出した粒状物の圧壊強度の値は、1,538Nであった。
[実施例3]
普通ポルトランドセメント7.25gに代えて、エコセメントを7.25gの量で用いた以外は実施例1と同様にして実験した。
その結果、加熱温度が1,100℃から1,200℃に至るまでの間の粒状の破砕物の状態について、実施例1と同じ観察結果が得られた。
また、1,140℃の温度で取り出した粒状物の圧壊強度の値は、1,281Nであった。
[実施例4]
普通ポルトランドセメント7.25gに代えて、セメント系固化材A(ジオセット200)を7.25gの量で用いた以外は実施例1と同様にして実験した。
その結果、加熱温度が1,100℃から1,200℃に至るまでの間の粒状の破砕物の状態について、実施例1と同じ観察結果が得られた。
また、1,140℃の温度で取り出した粒状物の圧壊強度の値は、1,427Nであった。
[実施例5]
普通ポルトランドセメント7.25gに代えて、セメント系固化材B(ジオセット225)を7.25gの量で用いた以外は実施例1と同様にして実験した。
その結果、加熱温度が1,100℃から1,200℃に至るまでの間の粒状の破砕物の状態について、実施例1と同じ観察結果が得られた。
また、1,140℃の温度で取り出した粒状物の圧壊強度の値は、1,364Nであった。
[実施例6]
普通ポルトランドセメント7.25gに代えて、生石灰を7.25gの量で用いた以外は実施例1と同様にして実験した。
その結果、加熱温度が1,100℃から1,200℃に至るまでの間の粒状の破砕物の状態について、実施例1と同じ観察結果が得られた。
また、1,140℃の温度で取り出した粒状物の圧壊強度の値は、1,263Nであった。
以上の実施例1〜6の結果から、本発明によれば、各種の土工資材として好適に用い得る粒状物を製造できることがわかる。

Claims (5)

  1. レアアースを含有する泥を酸で処理した後に発生する残渣を用いた、土工資材の製造方法であって、
    上記残渣と固化材を混合して、上記残渣が固化してなる塊状の固化物を得る固化工程と、
    上記塊状の固化物を破砕して、粒状の破砕物を得る破砕工程と、
    上記粒状の破砕物を1,120〜1,140℃で焼結して、粒状の土工資材を得る加熱工程、を含み、
    上記固化材が、セメント、セメント系固化材、または生石灰粉であり、
    上記固化材の添加量が、上記残渣1m 当たり、150〜250kgであり、
    上記破砕物が、8〜20mmの粒度を有する粒体を、50質量%以上の割合で含むものであることを特徴とする土工資材の製造方法。
  2. 上記固化工程で得られた塊状の固化物を、地表面の形成用材料として用いながら保管した後、上記破砕工程において、保管後の上記塊状の固化物を破砕する請求項1に記載の土工資材の製造方法。
  3. 上記残渣の含水比が、150質量%以下である請求項1又は2に記載の土工資材の製造方法。
  4. 上記加熱工程において、1,120〜1,140℃である加熱温度を15〜40分間保持する請求項1〜3のいずれか1項に記載の土工資材の製造方法。
  5. 上記土工資材が、埋め戻し材、埋め立て材、盛り土材、路盤材、路盤の下方の緩衝層用の緩衝材、サンドコンパクションパイル工法におけるサンドコンパクション材、または、骨材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の土工資材の製造方法。
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