JP6633514B2 - 標的核酸の多重化分析 - Google Patents

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Description

関連出願
この出願は、2013年4月25日に出願された米国仮特許出願第61/816,070号および2014年2月6日に出願された同第61/936,826号(これらの全体の内容は、参考として本明細書に援用される)に対する優先権およびそれらの利益を主張する。
配列表
37 CFR 1.52(e)(5)に従って、テキストファイル形式の配列表(表題「Sequence Listing.txt」、作成日2014年4月25日、サイズ5キロバイト)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
核酸は、診断および治療への使用に関してますます重要なものになっている。例えば、疾患細胞に存在する種々の核酸バイオマーカーまたはゲノム変異および不均衡を早期に、かつ正確に検出することには重要な臨床的意味がある。多重化技術は、特に実験室の環境および診断的な環境の両方での核酸の分析における強力なツールである。しかし、これらの方法の多くは、低感度、非特異的標的の交差反応性、またはアッセイ/器械使用の複雑さによって限定されている。
本発明は、先行技術に存在する従来の多重化技術が面する限定の多くに対処し、これだけに限定されないが、単一の試料中の複数のマイクロRNA、mRNA、長鎖非コードRNA(lncRNA)、ゲノムDNA、およびsiRNAなどの合成RNAを含めた核酸を解析するための、より堅固な、信頼できる効率的な方法およびシステムを提供する。本明細書に記載の通り、本明細書に記載の方法および組成物は、生体試料中の低存在量の標的核酸の捕捉、分析または定量化において特に有効である。本明細書に記載の方法および組成物は、単一の標的核酸または複数の標的核酸を同時に分析するために使用されることができる。
したがって、一態様では、本発明は、標的核酸を検出する方法であって、a)試料を、それぞれが少なくとも1つの標的捕捉配列を含む1つまたは複数の捕捉用プローブと、1つまたは複数の捕捉用プローブが試料中の1つまたは複数の標的核酸を捕捉することを可能にする条件下で接触させるステップ;b)捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、検出可能な実体を含む反応混合物中で増幅し、その結果、増幅された1つまたは複数の標的核酸が、検出可能な実体で標識化されるステップ;c)増幅産物を複数の再捕捉用プローブとともにインキュベートし、その結果、増幅された1つまたは複数の標的核酸が複数の再捕捉用プローブによって再捕捉されるステップ;およびd)再捕捉された増幅された1つまたは複数の標的核酸と結びついた検出可能な実体によって生じるシグナルを検出するステップであって、検出可能なシグナルの存在および/または存在量により、試料中の1つまたは複数の標的核酸の存在および/または存在量が示されるステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、捕捉用プローブのそれぞれが1つの標的捕捉配列を含み、かつ1つの別個の標的核酸に特異的に結合する。一部の実施形態では、捕捉用プローブのそれぞれが複数の別個の標的捕捉配列を含み、かつ複数の別個の標的核酸に結合する。一部の実施形態では、再捕捉用プローブのそれぞれが1つの標的捕捉配列を含み、かつ1つの別個の標的核酸に特異的に結合する。一部の実施形態では、再捕捉用プローブのそれぞれが複数の別個の標的捕捉配列を含み、かつ複数の別個の標的核酸に結合する。一部の実施形態では、捕捉用プローブが同一のものであり、そして再捕捉用プローブが同一のものである。一部の実施形態では、捕捉用プローブおよび/または再捕捉用プローブは担体に結びついている。
一部の実施形態では、担体は、ヒドロゲル、ガラス、フォトレジスト、シリカ、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、アガロース、キトサン、アルギナート、PLGA、光ファイバー、セルロース、およびその組合せからなる群より選択される材料から作製されている。一部の実施形態では、材料はヒドロゲルである。一部の実施形態では、担体はパターン化平面担体、マイクロチップ、プラスチック、ビーズ、バイオフィルム、粒子である。一部の実施形態では、担体は粒子である。一部の実施形態では、捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブは、その粒子の1つまたは複数のプローブ領域全体にわたって包埋されている。一部の実施形態では、粒子は、1つまたは複数のエンコーディング領域をさらに含み、1つまたは複数のエンコーディング領域は捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的核酸はマイクロRNA、mRNA、非コード転写物、ゲノムDNA、cDNA、siRNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである。一部の実施形態では、プローブはDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである。一部の実施形態では、標的核酸に特異的なプローブは、標的核酸と実質的に相補的な標的捕捉配列を含む。
一部の実施形態では、方法は、1つまたは複数のアダプターを捕捉された標的核酸とカップリングするステップをさらに含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターは普遍的アダプターである。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターを、3’末端、5’末端、または3’末端と5’末端の両方で標的核酸とカップリングする。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターはDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである。
一部の実施形態では、捕捉された標的核酸を、1つまたは複数のアダプターのカップリングの前に、まずヌクレアーゼまたは制限酵素によって消化して一本鎖5’領域および/または3’領域を除去する。一部の実施形態では、捕捉用プローブのそれぞれは、1つまたは複数のアダプターと相補的な配列をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターと相補的な配列が標的捕捉配列に隣接している。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターをライゲーションによって標的核酸とカップリングする。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターは、PCRプライマー配列と実質的に相補的な配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターは、PCRプライマー配列と実質的に同様の配列を含有する。
一部の実施形態では、ライゲーションをDNAまたはRNAリガーゼ酵素によって実施する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターは、ポリメラーゼ連鎖反応プライミング、逆転写、または他のDNA修飾酵素またはRNA修飾酵素による修飾のための部位として働くように特異的に設計された配列を含む。
一部の実施形態では、捕捉された標的核酸を増幅するステップは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施することを含む。一部の実施形態では、PCR反応でTaq、Bst、および/またはPhi29から選択されるポリメラーゼ酵素を使用する。一部の実施形態では、捕捉された標的を増幅する前に逆転写する。一部の実施形態では、逆転写は、逆転写酵素活性を有するポリメラーゼ酵素によって触媒される。一部の実施形態では、ポリメラーゼ酵素はPyrophageまたはTtHである。一部の実施形態では、逆転写は1つの酵素によって触媒され、PCR増幅が第2の酵素によって行われる。
一部の実施形態では、捕捉された標的核酸を増幅するステップを等温で実施する。一部の実施形態では、標的核酸および/または1つまたは複数のアダプターをライゲーションまたは酵素的重合によって環状化する。
一部の実施形態では、PCRを、単一のプライマー対を用いて実施する。一部の実施形態では、PCRを、1種のプライマーを用いて実施する。一部の実施形態では、PCRを、前記担体に付着させたプライマーを用いて実施する。一部の実施形態では、PCRを、普遍的プライマー、特異的プライマー、またはポリ(A)プライマーの組合せを使用して実施する。
一部の実施形態では、検出可能な実体は、フルオロフォア、色素、ビオチン、放射性同位元素、抗体、アプタマー、ポリペプチド、量子ドット、発色団、またはシグナル発生酵素からなる群より選択される。一部の実施形態では、検出可能な実体は、反応混合物中に、標識化されたプライマー、標識化されたdNTPおよび/または挿入色素として提供される。一部の実施形態では、検出可能な実体は、フォワードプライマーに結びついている。一部の実施形態では、検出可能な実体はリバースプライマーに結びついている。一部の実施形態では、検出可能な実体は複数のプライマーに結びついている。
一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、増幅する前に捕捉用プローブから分離する。一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、熱、化学的変性剤、またはヘリカーゼ酵素を使用した変性によって捕捉用プローブから分離する。
一部の実施形態では、担体は増幅時間中存在する。一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、単一のプライマーを使用して実施する。一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、5つ未満(例えば、4つ未満、3つ未満、または2つ未満)のプライマー対を使用して実施する。
一部の実施形態では、PCRに、増幅された1つまたは複数の標的核酸の相当な割合が一本鎖になるようにバイアスをかける。一部の実施形態では、アニーリング温度がリバースプライマーよりも有意に低いフォワードプライマー、およびより低いアニーリング温度での第1のサーモサイクリング、次いでより高いアニーリング温度でのサーモサイクリングを設計することによってPCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける。一部の実施形態では、フォワードプライマーをPCR反応の間に使い尽くされるような濃度で添加することによってPCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける。一部の実施形態では、フォワードプライマーとリバースプライマーの比は、1:2未満、1:3未満、1:4未満、1:5未満、または1:10未満である。一部の実施形態では、フォワードプライマーとリバースプライマーの比は、1:2未満である。一部の実施形態では、アニーリング温度がフォワードプライマーよりも有意に低いリバースプライマー、およびより低いアニーリング温度での第1のサーモサイクリング、次いでより高いアニーリング温度でのサーモサイクリングを設計することによってPCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける。一部の実施形態では、リバースプライマーをPCR反応の間に使い尽くされるような濃度で添加することによってPCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける。一部の実施形態では、リバースプライマーとフォワードプライマーの比は1:2未満、1:3未満、1:4未満、1:5未満、または1:10未満である。一部の実施形態では、リバースプライマーとフォワードプライマーの比は1:2未満である。
一部の実施形態では、増幅産物および複数の再捕捉用プローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でインキュベートする。
一部の実施形態では、ステップの間に担体をすすいで、結合していないプローブ、標的核酸および/またはアダプターを除去する。
一部の実施形態では、捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブは、標的核酸に対するミスマッチ塩基を1つまたは複数含有する。
一部の実施形態では、条件を、ストリンジェントな捕捉をもたらすために、温度、時間、一価塩濃度、二価塩濃度、dNTP濃度、または、DMSO、ホルムアミド、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、プロピレングリコール、もしくはDNA二重鎖形成の動態を変更する他の作用剤(agent)の添加を制御することによって調整する。
一部の実施形態では、試料は生体試料である。一部の実施形態では、生体試料は、単離されたDNAまたはRNAの調製物、プロテアーゼ組織消化物、細胞溶解物、血清、血漿、全血、尿、便、唾液、臍帯血、絨毛膜絨毛試料、絨毛膜絨毛試料培養物、羊水、羊水培養物、経頸管洗浄液、およびその組合せである。
一部の実施形態では、検出可能な実体によって生じるシグナルをフローサイトメーターまたはアレイスキャナーによって検出する。一部の実施形態では、シグナルを定量化する。
一部の実施形態では、1つまたは複数の捕捉用プローブは、複数の標的核酸に特異的な複数の捕捉用プローブを含む。一部の実施形態では、複数のプローブは複数の粒子と結びついており、各粒子は同じ標的核酸に特異的なプローブを含む。一部の実施形態では、各粒子は、粒子上の特異的なプローブの同一性をもたらすようにエンコーディングされている。一部の実施形態では、各粒子は、スペクトル特性が既知である1つまたは複数のフルオロフォアを組み入れることによってエンコーディングされている。一部の実施形態では、複数の捕捉用プローブは、平面担体の複数の別個の領域上に位置する。
一部の実施形態では、増幅された1つまたは複数の標的核酸を再捕捉するステップを、捕捉ステップよりも実質的にストリンジェントな条件下で実施する。
一部の実施形態では、反応混合物は、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される単一のプライマーセットを含む。
一部の実施形態では、反応混合物は、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される複数のプライマーセットを含む。
一部の実施形態では、各標的核酸の試料中の存在量は少ない。
一部の実施形態では、各標的核酸は生体試料中の全核酸の1%未満である。一部の実施形態では、各標的核酸は生体試料中の全核酸の0.1%未満である。一部の実施形態では、各標的核酸は生体試料中の全核酸の百万分の1未満である。一部の実施形態では、各標的核酸は生体試料中の全核酸の1千万分の1未満である。
別の態様では、本発明は、標的核酸を検出する方法であって、a)1つまたは複数の標的核酸を含む試料を、それぞれが少なくとも1つの標的捕捉配列を含む複数の捕捉用プローブを担持する粒子の第1のセットと、複数の捕捉用プローブが試料中の1つまたは複数の標的核酸を捕捉することを可能にする条件下で接触させるステップ;b)捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、検出可能な実体を含む反応混合物中で増幅し、その結果、増幅された1つまたは複数の標的核酸が、検出可能な実体で標識化されるステップ;およびc)増幅産物を粒子の元のセットまたは複数の再捕捉用プローブを担持する粒子の第2のセットとともにインキュベートし、その結果、増幅された1つまたは複数の標的核酸が複数の再捕捉用プローブによって再捕捉されるステップを含み、各粒子が複数の捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブを担持する1つまたは複数のプローブ領域、および粒子上の捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する1つまたは複数のエンコーディング領域を有し、粒子の第2のセット上の再捕捉された増幅された1つまたは複数の標的核酸と結びついた検出可能な実体により生じる検出可能なシグナルの存在および/または存在量により、試料中の1つまたは複数の標的核酸の存在および/または存在量が示される方法を提供する。
一部の実施形態では、粒子の第2のセットをフロースルーデバイスによって走査して、再捕捉された増幅された1つまたは複数の標的核酸に結びついた検出可能なシグナルの存在および/または存在量ならびに粒子の1つまたは複数のエンコーディング領域に結びついた検出可能な部分を検出するステップを含む。
一部の実施形態では、粒子の第1のセットは、別個の捕捉用プローブを担持する別個の粒子を含む。一部の実施形態では、各粒子は、複数の同一の捕捉用プローブを担持する。一部の実施形態では、粒子の第2のセットは、別個の再捕捉用プローブを担持する別個の粒子を含む。一部の実施形態では、各粒子は、複数の同一の再捕捉用プローブを担持する。一部の実施形態では、粒子の第1のセットと第2のセットは同一である。一部の実施形態では、粒子の第1のセットと第2のセットは同じセットである。一部の実施形態では、粒子は、ヒドロゲル、ガラス、フォトレジスト、シリカ、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、アガロース、キトサン、アルギナート、PLGA、光ファイバー、セルロース、およびその組合せからなる群より選択される材料から作製されている。一部の実施形態では、粒子はヒドロゲル粒子である。一部の実施形態では、粒子の少なくとも1つの寸法は約1μm超から約450μmまでである。
一部の実施形態では、捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブは粒子の1つまたは複数の空間的に画定されたプローブ領域全体にわたって包埋されている。一部の実施形態では、粒子は、1つまたは複数のエンコーディング領域をさらに含み、1つまたは複数のエンコーディング領域は捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的核酸はマイクロRNA、mRNA、非コード転写物、ゲノムDNA、cDNA、siRNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである。一部の実施形態では、プローブはDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである。一部の実施形態では、標的核酸に特異的なプローブは、標的核酸と実質的に相補的な標的捕捉配列を含む。
一部の実施形態では、方法は、1つまたは複数のアダプターを、捕捉された1つまたは複数の標的核酸とカップリングするステップをさらに含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターは普遍的アダプターである。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターを、3’末端、5’末端、または3’末端と5’末端の両方で標的核酸とカップリングする。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターはDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである。一部の実施形態では、捕捉された標的核酸を、1つまたは複数のアダプターのカップリングの前に、まずヌクレアーゼまたは制限酵素によって消化して一本鎖5’領域および/または3’領域を除去する。
一部の実施形態では、捕捉用プローブのそれぞれは、1つまたは複数のアダプターと相補的な配列をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターと相補的な配列は標的捕捉配列に隣接している。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターをライゲーションによって標的核酸とカップリングする。一部の実施形態では、ライゲーションをDNAまたはRNAリガーゼ酵素によって実施する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアダプターは、ポリメラーゼ連鎖反応プライミング、逆転写、または他のDNA修飾酵素またはRNA修飾酵素による修飾のための部位として働くように特異的に設計された配列を含む。
一部の実施形態では、捕捉された標的核酸を増幅するステップは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施することを含む。一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を粒子の存在下で増幅する。一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、増幅する前にまず粒子から分離する。一部の実施形態では、捕捉された標的を増幅する前に逆転写する。
一部の実施形態では、増幅用の反応混合物は、逆転写酵素活性を有するポリメラーゼ酵素を含む。一部の実施形態では、ポリメラーゼ酵素はPyrophageまたはTtHである。一部の実施形態では、増幅用の反応混合物は、逆転写酵素および別々のポリメラーゼ酵素を含む。一部の実施形態では、ポリメラーゼ酵素はTaq、Bst、および/またはPhi29から選択される。
一部の実施形態では、捕捉された標的核酸を増幅するステップを等温で実施する。一部の実施形態では、標的核酸および/または1つまたは複数のアダプターをライゲーションまたは酵素的重合によって環状化する。
一部の実施形態では、PCRを、単一のプライマーセットを用いて実施する。一部の実施形態では、PCRを、1種のプライマーを用いて実施する。一部の実施形態では、PCRを、担体に付着させたプライマーを用いて実施する。一部の実施形態では、PCRを、普遍的プライマー、特異的プライマー、またはポリ(A)プライマーの組合せを使用して実施する。
一部の実施形態では、検出可能な実体は、フルオロフォア、色素、ビオチン、放射性同位元素、抗体、アプタマー、ポリペプチド、量子ドット、発色団からなる群より選択される。一部の実施形態では、検出可能な実体は、反応混合物中に、標識化されたプライマー、標識化されたdNTPおよび/または挿入色素として提供される。
一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、増幅する前に捕捉用プローブから分離する。一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、熱、化学的変性剤、またはヘリカーゼ酵素を使用した変性によって捕捉用プローブから分離する。
一部の実施形態では、粒子は増幅時間中存在する。
一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、単一のプライマーを使用して実施する。一部の実施形態では、捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、5つ未満のプライマー対を使用して実施する。
一部の実施形態では、PCRに、増幅された1つまたは複数の標的核酸の相当な割合が一本鎖になるようにバイアスをかける。一部の実施形態では、アニーリング温度がリバースプライマーよりも有意に低いフォワードプライマー、およびより低いアニーリング温度での第1のサーモサイクリング、次いでより高いアニーリング温度でのサーモサイクリングを設計することによってPCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける。一部の実施形態では、フォワードプライマーをPCR反応の間に使い尽くされるような濃度で添加することによってPCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける。一部の実施形態では、フォワードプライマーとリバースプライマーの比は、1:2未満である。
一部の実施形態では、増幅産物および複数の再捕捉用プローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でインキュベートする。
一部の実施形態では、ステップの間に粒子をすすいで、結合していないプローブ、標的核酸および/またはアダプターを除去する。
一部の実施形態では、捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブは、標的核酸に対するミスマッチ塩基を1つまたは複数含有する。
一部の実施形態では、条件を、ストリンジェントな捕捉をもたらすために、温度、時間、一価塩濃度、二価塩濃度、dNTP濃度、または、DMSO、ホルムアミド、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、もしくはDNA二重鎖形成の動態を変更する他の作用剤の添加を制御することによって調整する。
一部の実施形態では、試料は生体試料である。一部の実施形態では、生体試料は、単離されたDNAまたはRNAの調製物、プロテアーゼ組織消化物、細胞溶解物、血清、血漿、全血、尿、便、唾液、臍帯血、絨毛膜絨毛試料、絨毛膜絨毛試料培養物、羊水、羊水培養物、経頸管洗浄液、およびその組合せである。
一部の実施形態では、検出可能な実体によって生じるシグナルをフローサイトメーターまたはアレイスキャナーによって検出する。一部の実施形態では、フロースルーデバイスはフローサイトメーターまたはアレイスキャナーである。一部の実施形態では、シグナルを定量化する。
一部の実施形態では、1つまたは複数の捕捉用プローブは、複数の標的核酸に特異的な複数の捕捉用プローブを含む。一部の実施形態では、複数のプローブは複数の粒子と結びついており、各粒子は同じ標的核酸に特異的なプローブを含む。一部の実施形態では、各粒子は、粒子上の特異的なプローブの同一性をもたらすようにエンコーディングされている。一部の実施形態では、各粒子は、スペクトル特性が既知である1つまたは複数のフルオロフォアを組み入れることによってエンコーディングされている。一部の実施形態では、複数の捕捉用プローブは、平面担体の複数の別個の領域上に位置する。一部の実施形態では、増幅された1つまたは複数の標的核酸を再捕捉するステップを、捕捉ステップよりも実質的にストリンジェントな条件下で実施する。
一部の実施形態では、反応混合物は、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される単一のプライマーセットを含む。一部の実施形態では、反応混合物は、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される複数のプライマーセットを含む。一部の実施形態では、各標的核酸の前記試料中の存在量は少ない。一部の実施形態では、各標的核酸は生体試料中の全核酸の1%未満である。一部の実施形態では、各標的核酸は生体試料中の全核酸の0.1%未満である。一部の実施形態では、各標的核酸は生体試料中の全核酸の百万分の1未満である。一部の実施形態では、各標的核酸は生体試料中の全核酸の1千万分の1未満である。
別の態様では、本発明は、前述の方法のいずれか1つに従って1つまたは複数の標的核酸を検出するステップを含む診断方法を提供する。
別の態様では、本発明は、標的核酸を検出するためのキットを提供する。一部の実施形態では、本発明は、標的核酸を検出するためのキットであって、標的捕捉配列を含むプローブを担持する1つまたは複数のプローブ領域、および粒子上のプローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する1つまたは複数のコーディング領域を含む粒子;所定のイオン強度、緩衝化されたpH、および変性試薬を伴うハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、ホルムアミドおよび/または2−ピロリドン);ポリメラーゼ連鎖反応プライミングおよび/または逆転写のための部位として働くように特異的に設計された1つまたは複数のオリゴヌクレオチドアダプターを含む標識化緩衝液;ならびにプライマー、dNTP、および捕捉された標的を増幅するための反応試薬を含有するPCR緩衝液を含むキットを提供する。一部の実施形態では、キットは、逆転写酵素およびポリメラーゼをさらに含む。一部の実施形態では、キットは、逆転写酵素活性を有するポリメラーゼ酵素をさらに含む。一部の実施形態では、キットは、リガーゼ酵素をさらに含む。
本出願において使用される場合、「約」および「およそ」という用語は等価なものとして使用される。本出願において約/およそを伴ってまたは伴わずに用いられる数字はいずれも、当業者により理解されるあらゆる通常の変動を包含することを意味する。
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の発明の詳細な説明において明らかになる。しかし、発明の詳細な説明には、本発明の実施形態が示されているが、単に例示として示されており、限定するものではないことが理解されるべきである。発明の詳細な説明から本発明の範囲内の種々の変化および改変が当業者に明らかになるであろう。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
標的核酸を検出する方法であって、
a)試料を、それぞれが少なくとも1つの標的捕捉配列を含む1つまたは複数の捕捉用プローブと、前記1つまたは複数の捕捉用プローブが前記試料中の1つまたは複数の標的核酸を捕捉することを可能にする条件下で接触させるステップ;
b)前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、検出可能な実体を含む反応混合物中で増幅するステップであって、前記ステップにより、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸が、前記検出可能な実体で標識化される、ステップ;
c)増幅産物を複数の再捕捉用プローブとともにインキュベートするステップであって、前記ステップにより、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸が前記複数の再捕捉用プローブによって再捕捉される、ステップ;
d)前記再捕捉された増幅された1つまたは複数の標的核酸と結びついた検出可能な実体によって生じるシグナルを検出するステップであって、前記検出可能なシグナルの存在および/または存在量により、前記試料中の前記1つまたは複数の標的核酸の存在および/または存在量が示される、ステップ
を含む、方法。
(項目2)
前記捕捉用プローブのそれぞれが、1つの標的捕捉配列を含み、かつ1つの別個の標的核酸に特異的に結合する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記捕捉用プローブのそれぞれが、複数の別個の標的捕捉配列を含み、かつ複数の別個の標的核酸に結合する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記再捕捉用プローブのそれぞれが、1つの標的捕捉配列を含み、かつ1つの別個の標的核酸に特異的に結合する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記再捕捉用プローブのそれぞれが、複数の別個の標的捕捉配列を含み、かつ複数の別個の標的核酸に結合する、項目1から3までのいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記捕捉用プローブが同一のものであり、前記再捕捉用プローブが同一のものである、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記捕捉用プローブおよび/または前記再捕捉用プローブが担体に結びついている、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記担体が、ヒドロゲル、ガラス、フォトレジスト、シリカ、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、アガロース、キトサン、アルギナート、PLGA、光ファイバー、セルロース、およびその組合せからなる群より選択される材料から作製されている、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記材料がヒドロゲルである、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記担体がパターン化平面担体、マイクロチップ、プラスチック、ビーズ、バイオフィルム、粒子である、項目7または8のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記担体が粒子である、項目7から10までのいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブが前記粒子の1つまたは複数のプローブ領域全体にわたって包埋されている、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記粒子が、1つまたは複数のエンコーディング領域をさらに含み、前記1つまたは複数のエンコーディング領域が前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記1つまたは複数の標的核酸がマイクロRNA、mRNA、非コード転写物、ゲノムDNA、cDNA、siRNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記プローブがDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記標的核酸に特異的なプローブが、前記標的核酸と実質的に相補的な標的捕捉配列を含む、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
1つまたは複数のアダプターを前記捕捉された標的核酸とカップリングするステップをさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記1つまたは複数のアダプターが普遍的アダプターである、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記1つまたは複数のアダプターを、3’末端、5’末端、または3’末端と5’末端の両方で前記標的核酸とカップリングする、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記1つまたは複数のアダプターがDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、項目17から19までのいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記捕捉された標的核酸を、前記1つまたは複数のアダプターのカップリングの前に、まずヌクレアーゼまたは制限酵素によって消化して一本鎖5’領域および/または3’領域を除去する、項目17から20までのいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記捕捉用プローブのそれぞれが、前記1つまたは複数のアダプターと相補的な配列をさらに含む、項目17から21までのいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記1つまたは複数のアダプターと相補的な配列が前記標的捕捉配列に隣接している、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記1つまたは複数のアダプターをライゲーションによって前記標的核酸とカップリングする、項目17から23までのいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記ライゲーションをDNAまたはRNAリガーゼ酵素によって実施する、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記1つまたは複数のアダプターが、ポリメラーゼ連鎖反応プライミング、逆転写、または他のDNA修飾酵素またはRNA修飾酵素による修飾のための部位として働くように特異的に設計された配列を含む、項目17から25までのいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記捕捉された標的核酸を増幅するステップが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施することを含む、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記PCR反応でTaq、Bst、および/またはPhi29から選択されるポリメラーゼ酵素を使用する、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記捕捉された標的を増幅する前に逆転写する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
逆転写が、逆転写酵素活性を有するポリメラーゼ酵素によって触媒される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記ポリメラーゼ酵素がPyrophageまたはTtHである、項目30に記載の方法。
(項目32)
逆転写が1つの酵素によって触媒され、PCR増幅が第2の酵素によって行われる、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記捕捉された標的核酸を増幅するステップを等温で実施する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記標的核酸および/または前記1つまたは複数のアダプターをライゲーションまたは酵素的重合によって環状化する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記PCRを、単一のプライマーセットを用いて実施する、項目27から34までのいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記PCRを、1種のプライマーを用いて実施する、項目34に記載の方法。
(項目37)
前記PCRを、前記担体に付着させたプライマーを用いて実施する、項目27から36までのいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記PCRを、普遍的プライマー、特異的プライマー、またはポリ(A)プライマーの組合せを使用して実施する、項目27から37までのいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記検出可能な実体が、フルオロフォア、色素、ビオチン、放射性同位元素、抗体、アプタマー、ポリペプチド、量子ドット、発色団からなる群より選択される、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記検出可能な実体が、前記反応混合物中に、標識化されたプライマー、標識化されたdNTPおよび/または挿入色素として提供される、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、増幅する前に前記捕捉用プローブから分離する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、熱、化学的変性剤、またはヘリカーゼ酵素を使用した変性によって前記捕捉用プローブから分離する、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記担体が増幅時間中存在する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、単一のプライマーを使用して実施する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、5つ未満のプライマー対を使用して実施する、項目1から43までのいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記PCRに、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸の相当な割合が一本鎖になるようにバイアスをかける、項目27から45までのいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
アニーリング温度がリバースプライマーよりも有意に低いフォワードプライマーを設計することによって、前記PCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記フォワードプライマーを前記PCR反応の間に使い尽くされるような濃度で添加することによって前記PCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける、項目46に記載の方法。
(項目49)
前記フォワードプライマーと前記リバースプライマーの比が1:2未満である、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記増幅産物および前記複数の再捕捉用プローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でインキュベートする、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
ステップの間に前記担体をすすいで、結合していないプローブ、標的核酸および/またはアダプターを除去する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブが、標的核酸に対するミスマッチ塩基を1つまたは複数含有する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記条件を、ストリンジェントな捕捉をもたらすために、温度、時間、一価塩濃度、二価塩濃度、dNTP濃度、または、DMSO、ホルムアミド、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、もしくはDNA二重鎖形成の動態を変更する他の作用剤の添加を制御することによって調整する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記試料が生体試料である、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記生体試料が、単離されたDNAまたはRNAの調製物、プロテアーゼ組織消化物、細胞溶解物、血清、血漿、全血、尿、便、唾液、臍帯血、絨毛膜絨毛試料、絨毛膜絨毛試料培養物、羊水、羊水培養物、経頸管洗浄液、およびその組合せである、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記検出可能な実体によって生じるシグナルをフローサイトメーターまたはアレイスキャナーによって検出する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記シグナルを定量化する、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記1つまたは複数の捕捉用プローブが、複数の標的核酸に特異的な複数の捕捉用プローブを含む、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目59)
前記複数のプローブが複数の粒子と結びついており、各粒子が同じ標的核酸に特異的なプローブを含む、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記各粒子が、前記粒子上の特異的なプローブの同一性をもたらすようにエンコーディングされている、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記各粒子が、スペクトル特性が既知である1つまたは複数のフルオロフォアを組み入れることによってエンコーディングされている、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記複数の捕捉用プローブが、平面担体の複数の別個の領域上に位置する、項目59に記載の方法。
(項目63)
前記増幅された1つまたは複数の標的核酸を再捕捉するステップを、前記捕捉ステップよりも実質的にストリンジェントな条件下で実施する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目64)
前記反応混合物が、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される単一のプライマーセットを含む、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記反応混合物が、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される複数のプライマーセットを含む、項目1から63までのいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
各標的核酸が前記試料において低存在量で存在する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の1%未満である、項目66に記載の方法。
(項目68)
各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の0.1%未満である、項目66に記載の方法。
(項目69)
各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の百万分の1未満である、項目66に記載の方法。
(項目70)
各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の1千万分の1未満である、項目66に記載の方法。
(項目71)
標的核酸を検出する方法であって、
a)1つまたは複数の標的核酸を含む試料を、それぞれが少なくとも1つの標的捕捉配列を含む複数の捕捉用プローブを担持する粒子の第1のセットと、前記複数の捕捉用プローブが前記試料中の1つまたは複数の標的核酸を捕捉することを可能にする条件下で接触させるステップ;
b)前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、検出可能な実体を含む反応混合物中で増幅するステップであって、前記ステップにより、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸が、前記検出可能な実体で標識化される、ステップ;
c)増幅産物を、複数の再捕捉用プローブを担持する粒子の第2のセットとともにインキュベートするステップであって、前記ステップにより、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸が前記複数の再捕捉用プローブによって再捕捉される、ステップ
を含み、ここで、
各粒子が前記複数の捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブを担持する1つまたは複数のプローブ領域、および前記粒子上の捕捉用プローブまたは再捕捉用プローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する1つまたは複数のエンコーディング領域を有し、
前記粒子の第2のセット上の前記再捕捉された増幅された1つまたは複数の標的核酸と結びついた検出可能な実体により生じる検出可能なシグナルの存在および/または存在量により、前記試料中の前記1つまたは複数の標的核酸の存在および/または存在量が示される、
方法。
(項目72)
前記粒子の第2のセットをフロースルーデバイスによって走査して、前記再捕捉された増幅された1つまたは複数の標的核酸に結びついた前記検出可能なシグナルの存在および/または存在量ならびに前記粒子の1つまたは複数のエンコーディング領域に結びついた前記検出可能な部分を検出するステップを含む、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記粒子の第1のセットが、別個の捕捉用プローブを担持する別個の粒子を含む、項目71または72に記載の方法。
(項目74)
各粒子が、複数の同一の捕捉用プローブを担持する、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記粒子の第2のセットが、別個の再捕捉用プローブを担持する別個の粒子を含む、項目71から74までのいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
各粒子が、複数の同一の再捕捉用プローブを担持する、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記粒子の第1のセットと第2のセットが同一である、項目71から76までのいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
前記粒子の第1のセットと第2のセットが同じセットである、項目71から77までのいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
前記粒子が、ヒドロゲル、ガラス、フォトレジスト、シリカ、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、アガロース、キトサン、アルギナート、PLGA、光ファイバー、セルロース、およびその組合せからなる群より選択される材料から作製されている、項目71から78までのいずれか一項に記載の方法。
(項目80)
前記粒子がヒドロゲル粒子である、項目71から78までのいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
前記粒子の少なくとも1つの寸法が約1μm超から約450μmまでである、項目71から80までのいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブが、前記粒子の1つまたは複数のプローブ領域全体にわたって包埋されている、項目71から81までのいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
前記粒子が、1つまたは複数のエンコーディング領域をさらに含み、前記1つまたは複数のエンコーディング領域が、前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する、項目82に記載の方法。
(項目84)
前記1つまたは複数の標的核酸がマイクロRNA、mRNA、非コード転写物、ゲノムDNA、cDNA、siRNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、項目71から83までのいずれか一項に記載の方法。
(項目85)
前記プローブがDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、項目71から84までのいずれか一項に記載の方法。
(項目86)
前記標的核酸に特異的なプローブが、前記標的核酸と実質的に相補的な標的捕捉配列を含む、項目71から85までのいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
1つまたは複数のアダプターを前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸とカップリングするステップをさらに含む、項目71から86までのいずれか一項に記載の方法。
(項目88)
前記1つまたは複数のアダプターが普遍的アダプターである、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記1つまたは複数のアダプターを、3’末端、5’末端、または3’末端と5’末端の両方で前記標的核酸とカップリングする、項目88に記載の方法。
(項目90)
前記1つまたは複数のアダプターがDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、項目87から89までのいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
前記捕捉された標的核酸を、前記1つまたは複数のアダプターのカップリングの前に、まずヌクレアーゼまたは制限酵素によって消化して一本鎖5’領域および/または3’領域を除去する、項目71から90までのいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記捕捉用プローブのそれぞれが、前記1つまたは複数のアダプターと相補的な配列をさらに含む、項目71から91までのいずれか一項に記載の方法。
(項目93)
前記1つまたは複数のアダプターと相補的な配列が前記標的捕捉配列に隣接している、項目92に記載の方法。
(項目94)
前記1つまたは複数のアダプターをライゲーションによって前記標的核酸とカップリングする、項目87から93までのいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
前記ライゲーションをDNAまたはRNAリガーゼ酵素によって実施する、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記1つまたは複数のアダプターが、ポリメラーゼ連鎖反応プライミング、逆転写、または他のDNA修飾酵素またはRNA修飾酵素による修飾のための部位として働くように特異的に設計された配列を含む、項目87から94までのいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
前記捕捉された標的核酸を増幅するステップが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施することを含む、項目71から96までのいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を前記粒子の存在下で増幅する、項目71から96までのいずれか一項に記載の方法。
(項目99)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、増幅する前にまず前記粒子から分離する、項目71から96までのいずれか一項に記載の方法。
(項目100)
前記捕捉された標的を増幅する前に逆転写する、項目71から96までのいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
増幅のための前記反応混合物が、逆転写酵素活性を有するポリメラーゼ酵素を含む、項目71から96までのいずれか一項に記載の方法。
(項目102)
前記ポリメラーゼ酵素がPyrophageまたはTtHである、項目101に記載の方法。
(項目103)
増幅のための前記反応混合物が、逆転写酵素および別々のポリメラーゼ酵素を含む、項目71から96までのいずれか一項に記載の方法。
(項目104)
前記ポリメラーゼ酵素がTaq、Bst、および/またはPhi29から選択される、項目103に記載の方法。
(項目105)
前記捕捉された標的核酸を増幅するステップを等温で実施する、項目71から104までのいずれか一項に記載の方法。
(項目106)
前記標的核酸および/または前記1つまたは複数のアダプターをライゲーションまたは酵素的重合によって環状化する、項目71から104までのいずれか一項に記載の方法。
(項目107)
前記PCRを、単一のプライマーセットを用いて実施する、項目97から106までのいずれか一項に記載の方法。
(項目108)
前記PCRを、1種のプライマーを用いて実施する、項目106に記載の方法。
(項目109)
前記PCRを、前記担体に付着させたプライマーを用いて実施する、項目97から108までのいずれか一項に記載の方法。
(項目110)
前記PCRを、普遍的プライマー、特異的プライマー、またはポリ(A)プライマーの組合せを使用して実施する、項目97から109までのいずれか一項に記載の方法。
(項目111)
前記検出可能な実体が、フルオロフォア、色素、ビオチン、放射性同位元素、抗体、アプタマー、ポリペプチド、量子ドット、発色団からなる群より選択される、項目71から110までのいずれか一項に記載の方法。
(項目112)
前記検出可能な実体が、前記反応混合物中に、標識化されたプライマー、標識化されたdNTPおよび/または挿入色素として提供される、項目71から111までのいずれか一項に記載の方法。
(項目113)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、増幅する前に前記捕捉用プローブから分離する、項目71から112までのいずれか一項に記載の方法。
(項目114)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、熱、化学的変性剤、またはヘリカーゼ酵素を使用した変性によって前記捕捉用プローブから分離する、項目113に記載の方法。
(項目115)
前記担体が増幅時間中存在する、項目71から114までのいずれか一項に記載の方法。
(項目116)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、単一のプライマーを使用して実施する、項目71から115までのいずれか一項に記載の方法。
(項目117)
前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、5つ未満のプライマー対を使用して実施する、項目71から115までのいずれか一項に記載の方法。
(項目118)
前記PCRに、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸の相当な割合が一本鎖になるようにバイアスをかける、項目97から117までのいずれか一項に記載の方法。
(項目119)
アニーリング温度がリバースプライマーよりも有意に低いフォワードプライマーを設計することによって、前記PCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける、項目118に記載の方法。
(項目120)
前記フォワードプライマーを前記PCR反応の間に使い尽くされるような濃度で添加することによって前記PCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける、項目118に記載の方法。
(項目121)
前記フォワードプライマーと前記リバースプライマーの比が1:2未満である、項目120に記載の方法。
(項目122)
前記増幅産物および前記複数の再捕捉用プローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でインキュベートする、項目71から121までのいずれか一項に記載の方法。
(項目123)
ステップの間に前記粒子をすすいで、結合していないプローブ、標的核酸および/またはアダプターを除去する、項目71から122までのいずれか一項に記載の方法。
(項目124)
前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブが、標的核酸に対するミスマッチ塩基を1つまたは複数含有する、項目71から123までのいずれか一項に記載の方法。
(項目125)
前記条件を、ストリンジェントな捕捉をもたらすために、温度、時間、一価塩濃度、二価塩濃度、dNTP濃度、または、DMSO、ホルムアミド、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、もしくはDNA二重鎖形成の動態を変更する他の作用剤の添加を制御することによって調整する、項目71から124までのいずれか一項に記載の方法。
(項目126)
前記試料が生体試料である、項目71から125までのいずれか一項に記載の方法。
(項目127)
前記生体試料が、単離されたDNAまたはRNAの調製物、プロテアーゼ組織消化物、細胞溶解物、血清、血漿、全血、尿、便、唾液、臍帯血、絨毛膜絨毛試料、絨毛膜絨毛試料培養物、羊水、羊水培養物、経頸管洗浄液、およびその組合せである、項目126に記載の方法。
(項目128)
前記検出可能な実体によって生じるシグナルをフローサイトメーターまたはアレイスキャナーによって検出する、項目71から127までのいずれか一項に記載の方法。
(項目129)
前記フロースルーデバイスがフローサイトメーターまたはアレイスキャナーである、項目72から128までのいずれか一項に記載の方法。
(項目130)
前記シグナルを定量化する、項目128に記載の方法。
(項目131)
前記1つまたは複数の捕捉用プローブが、複数の標的核酸に特異的な複数の捕捉用プローブを含む、項目71から130までのいずれか一項に記載の方法。
(項目132)
前記複数のプローブが複数の粒子と結びついており、各粒子が同じ標的核酸に特異的なプローブを含む、項目131に記載の方法。
(項目133)
前記各粒子が、前記粒子上の特異的なプローブの同一性をもたらすようにエンコーディングされている、項目132に記載の方法。
(項目134)
前記各粒子が、スペクトル特性が既知である1つまたは複数のフルオロフォアを組み入れることによってエンコーディングされている、項目133に記載の方法。
(項目135)
前記複数の捕捉用プローブが、平面担体の複数の別個の領域上に位置する、項目132に記載の方法。
(項目136)
前記増幅された1つまたは複数の標的核酸を再捕捉するステップを、前記捕捉ステップよりも実質的にストリンジェントな条件下で実施する、項目71から135までのいずれか一項に記載の方法。
(項目137)
前記反応混合物が、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される単一のプライマーセットを含む、項目71から136までのいずれか一項に記載の方法。
(項目138)
前記反応混合物が、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される複数のプライマーセットを含む、項目71から136までのいずれか一項に記載の方法。
(項目139)
各標的核酸が前記試料において低存在量で存在する、項目71から138までのいずれか一項に記載の方法。
(項目140)
各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の1%未満である、項目139に記載の方法。
(項目141)
各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の0.1%未満である、項目139に記載の方法。
(項目142)
各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の百万分の1未満である、項目139に記載の方法。
(項目143)
各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の1千万分の1未満である、項目139に記載の方法。
(項目144)
前記項目のいずれか一項に記載の1つまたは複数の標的核酸を検出するステップを含む診断方法。
(項目145)
標的核酸を検出するためのキットであって、
粒子であって、標的捕捉配列を含むプローブを担持する1つまたは複数のプローブ領域、および前記粒子上のプローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する1つまたは複数のエンコーディング領域を含む、粒子;
所定のイオン強度、緩衝化されたpH、および変性試薬を伴うハイブリダイゼーション緩衝液;
ポリメラーゼ連鎖反応プライミングおよび/または逆転写のための部位として働くように設計されたアダプターを含む標識化緩衝液;
プライマー、dNTP、および捕捉された標的を増幅するための試薬を含有するPCR緩衝液
を含む、キット。
(項目146)
リガーゼを含む、項目145に記載のキット。
(項目147)
逆転写酵素およびポリメラーゼをさらに含む、項目145または146に記載のキット。
(項目148)
逆転写酵素活性を有するポリメラーゼをさらに含む、項目145または146に記載のキット。
(項目149)
前記変性試薬がホルムアミドおよび/または2−ピロリドンである、項目145から148までのいずれか一項に記載のキット。
図面は、例示するためだけのものであり、限定するものではない。
図1は、核酸標的の特異的な捕捉、修飾、および普遍的な増幅に関する例示的な概略図である。標的を、エンコーディングしたヒドロゲル粒子内の標的特異的プローブを用いて捕捉し、アダプター配列を末端にライゲーションし、アダプター部位内の配列をPCRに基づく増幅におけるプライミングのために使用する。次いで、定量化のために蛍光アンプリコンを粒子上に捕捉する。 図2は、核酸標的の特異的な捕捉、標識化、増幅、再捕捉、走査、および分析に関する例示的な概略図である。(a)(c)に例示されているプロセス前の例示的なプローブである。(b)(c)に例示されているプロセス後の例示的なプローブである。(c)標的を、エンコーディングしたヒドロゲル粒子内の標的特異的プローブを用いて捕捉し、アダプター配列を末端にライゲーションし、アダプター部位内の配列をPCRに基づく増幅におけるプライミングのために使用する。次いで、定量化のために蛍光アンプリコンを粒子上に捕捉する。 図3は、この多重化PCRカップリングハイブリダイゼーションアッセイの検出限界が、使用するサイクリング条件で試料当たり100分子までの低さであり得ることを実証する例示的なグラフである。 図4は、サイクル数の増加を伴う、3つの検出された標的および3つの検出されなかった標的についてのシグナルを実証する例示的なグラフである。これにより、この多重化PCRカップリングハイブリダイゼーションアッセイによって網羅される感度およびダイナミックレンジを必要に応じてシフトさせることができることが示される。 図5は、3つの組織型:肺、脳、および胎盤から単離したRNAのマイクロRNAプロファイルの例示的な比較を示す図である。Firefly HS’’と称される多重化PCRカップリングハイブリダイゼーションアッセイの結果を、IlluminaプラットフォームでのRNA−Seq、Taqman qPCR(TLDAカード形式)、およびマイクロアレイ解析によってもたらされたプロファイルと直接比較した。3連の測定値により、使用した異なる解析方法間で良好にクラスター形成する堅固なプロファイルが実証される。各方法間のピアソン相関が示されている。 図6は、2 logの全RNAインプットにわたってPCRカップリングハイブリダイゼーションアッセイを用いてアッセイした脳組織から単離した全RNAの例示的な比較を示す図である。 図7は、血清RNA由来のマイクロRNAプロファイリングに関する例示的なグラフを示す。ヒト血清から単離したRNAを30種のマイクロRNA標的について新規のPCRカップリングアッセイを用いて3連でアッセイした。 図8は、RNA関連タンパク質およびエキソソームを破壊し、ならびにRNAseの活性を阻害するように機能する、プロテイナーゼK、界面活性物質、およびカオトロピック塩を含有する緩衝液を用いて処理した血清由来のマイクロRNAプロファイリングに関する例示的なグラフを示す。 図9は、ポリ(T)プライマーを使用した捕捉、修飾、および増幅を用いたRNAの検出に関する例示的な概略図である。単一のアダプターをmRNA種の5’末端にライゲーションし、アダプター領域内のプライマー配列およびポリ(A)mRNA尾部に対するプライミングのためのポリ(T)領域を含有するプライマー配列を用いて普遍的な増幅を実施する。 図10は、標的末端特異的プローブを用いた標的の標識化および増幅の例示的な概略図である。プローブは標的種の末端配列と相補的であり、したがって、両末端上のアダプターのライゲーションのためにアラインメントする。 図11は、核酸標的に対して内部の配列を検出するためのヌクレアーゼ消化の例示的な概略図である。ハイブリダイゼーション後、標的の一本鎖領域をヌクレアーゼで消化する。次いで、検出または単離するために、短縮された標的を標識化し、増幅する。
定義
本発明をより理解しやすくするために、最初に特定の用語を以下に定義する。以下の用語および他の用語に関する追加的な定義は、本明細書全体にわたって説明されている。
「隣接する(adjacent)」:本明細書で使用される場合、「隣接する(adjacent)」という用語は、「隣に(next to)」、「連続した(contiguous)」、「近接する(adjoining)」、「接する(abutting)」または共通の境界を有することを意味する。
「検体」:本明細書で使用される場合、「検体」という用語は、広範には、分析、検出、測定、または定量化される任意の物質を指す。検体の例としては、これだけに限定されないが、タンパク質、ペプチド、ホルモン、ハプテン、抗原、抗体、受容体、酵素、核酸、およびこれらの組合せが挙げられる。
「結びついた(associated)」:本明細書で使用される場合、「結びついた(associated)」、「コンジュゲートした(conjugated)」、「連結した(linked)」、「付着した(attached)」、「複合体を形成した(complexed)」、および「つながった(tethered)」という用語ならびに文法上の等価物は、一般には、2つまたはそれ超の部分が互いと直接または間接的に(例えば、連結剤として働く1つまたは複数の追加的な部分を介して)接続して、その構造体を使用する条件、例えば、生理的条件下でそれらの部分が接続したままであるように十分に安定な構造を形成したものを指す。一部の実施形態では、部分は、1つまたは複数の共有結合によって互いに付着している。一部の実施形態では、部分は、特異的な(しかし非共有結合性の)結合(例えば、ストレプトアビジン/アビジン相互作用、抗体/抗原相互作用など)を伴う機構によって互いに付着している。その代わりにまたはそれに加えて、十分な数のより弱い相互作用(非共有結合性)により、部分が接続したままになるのに十分な安定性がもたらされ得る。例示的な非共有結合性の相互作用としては、これだけに限定されないが、親和性相互作用、金属配位、物理吸着、ホスト−ゲスト相互作用、疎水性相互作用、piスタッキング相互作用、水素結合相互作用、ファンデルワールス相互作用、磁気相互作用、静電相互作用、双極子−双極子相互作用などが挙げられる。
「相補物(complement)」:本明細書で使用される場合、「相補物(complement)」、「相補的な(complementary)」および「相補性(complementarity)」という用語は、Watson/Crick対合規則に従ったヌクレオチド配列の対合を指す。例えば、配列5’−GCGGTCCCA−3’は相補配列5’−TGGGACCGC−3’を有する。相補配列とは、DNA配列と相補的なRNAの配列でもあり得る。これだけに限定されないが、イノシン、7−デアザグアニン、ロックド核酸(LNA)、およびペプチド核酸(PNA)を含めた、天然の核酸には一般に見いだされない特定の塩基が相補的な核酸に包含され得る。相補的とは完全である必要はなく、安定な二重鎖は、ミスマッチ塩基対、縮重塩基またはアンマッチ塩基を含有してよい。核酸技術の当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成およびオリゴヌクレオチドの配列、イオン強度およびミスマッチ塩基対の発生率を含めた、いくつもの変数を考慮することによって経験的に二重鎖安定性を決定することができる。
「同時発生(contemporaneous)」および「非同時発生(non−contemporaneous)」:本明細書で使用される場合、「同時発生(contemporaneous)」、「同時発生的な(contemporaneously)」という用語または文法上の等価物は、複数の事象が検出可能または同定可能な逐次的順序を伴わずに同時に生じるまたは起こることを意味する。本明細書で使用される場合、「非同時発生(non−contemporaneous)」、「非同時発生の(non−contemporaneously)」という用語または文法上の等価物は、複数の事象が検出可能または同定可能な逐次的順序で生じるまたは起こることを意味する。
「粗製」:本明細書で使用される場合、「粗製」という用語は、生体試料に関連して使用される場合、実質的に精製されていない(unrefined)状態の試料を指す。例えば、粗製試料は、細胞溶解物または生検組織試料であり得る。粗製試料は溶液の状態でまたは乾燥した調製物として存在し得る。
「エンコーディング領域(encoding region)」、「コーディング領域(coding region)」または「バーコード化領域(barcoded region)」:本明細書で使用される場合、「エンコーディング領域(encoding region)」、「コーディング領域(coding region)」、「バーコード化領域(barcoded region)」という用語、または文法上の等価物は、物体または担体(例えば、粒子)上の、物体または担体(例えば、粒子)を同定するために使用することができる領域を指す。これらの用語は互換的に使用することができる。一般には、物体のエンコーディング領域は、その物体の同一性に関連付けられる図式的かつ/または光学的特徴を有する。そのような図式的かつ/または光学的特徴は、物体のシグネチャー特徴とも称される。一部の実施形態では、物体のエンコーディング領域は、変動し得る蛍光強度(1つまたは複数の波長の)を生じさせる、空間的にパターン化された特徴(例えば、種々の形状および/または寸法の細片、または種々のサイズの一連の孔)を担持する。一部の実施形態では、物体のエンコーディング領域は、種々のパターンの変動し得る蛍光シグナル(例えば、異なる色および/または強度)を生じさせる、種々の空間的パターンの種々の型および/または量のフルオロフォアまたは他の検出可能な部分を担持する。
「官能化(functionalization)」:本明細書で使用される場合、「官能化」という用語は、材料に最初に見いだされたものとは異なる物理的、化学的または生物学的特性をもたらすことによってその材料を改変する任意のプロセスを指す。一般には、官能化には、官能基を材料に導入することが伴う。本明細書で使用される場合、官能基とは、分子内の、それらの分子の特徴的な化学反応に関与する特定の原子の基である。本明細書で使用される場合、官能基とは、化学的な基(例えば、エステル、カルボキシレート、アルキル)と生物学的な基(例えば、オリゴヌクレオチドアダプター、またはリンカー配列)の両方を包含する。
「ハイブリダイズする」:本明細書で使用される場合、「ハイブリダイズする」または「ハイブリダイゼーション」という用語は、2つの相補的な核酸鎖が適切にストリンジェントな条件下で互いとアニーリングするプロセスを指す。ハイブリダイゼーションに適したオリゴヌクレオチドまたはプローブは、一般には、10〜100ヌクレオチドの長さ(例えば、18〜50、12〜70、10〜30、10〜24、18〜36ヌクレオチドの長さ)を含有する。核酸ハイブリダイゼーション技法は当技術分野で周知である。例えば、Sambrookら、1989年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Yを参照されたい。少なくとも所望のレベルの相補性を有する配列は安定にハイブリダイズするが、より低い相補性を有する配列はハイブリダイズしないように、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーをどのように推定し調整するかは当業者には理解される。ハイブリダイゼーション条件およびパラメータの例に関しては、例えば、Sambrookら、1989年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Y.;Ausubel, F. M.ら、1994年、Current Protocols in Molecular Biology. John Wiley & Sons、Secaucus、N.Jを参照されたい。
「不活性領域」:本明細書で使用される場合、「不活性領域」、「不活性スペーサー」という用語または文法上の等価物は、担体(例えば、粒子)上の領域に関連して使用される場合、フローサイトメーターなどのフロースルー走査デバイスによる所定のトリガーとなる閾値を上回る検出可能ではない領域を指す。一般には、不活性領域またはスペーサーは非官能化領域である。例えば、不活性領域は、プローブまたは他の検出可能な部分が負荷されない領域である。
「調査する(interrogate)」:本明細書で使用される場合、「調査する(interrogate)」、「調査すること(interrogating)」、「調査(interrogation)」という用語または文法上の等価物は、データを得るための特徴付けまたは検査のプロセスを指す。
「標識化された」:「標識化された」および「検出可能な作用剤または部分で標識化された」という用語は、本明細書では互換的に使用され、実体(例えば、核酸プローブ、抗体など)を、例えば、別の実体(例えば、核酸、ポリペプチドなど)に結合させた後に可視化することができることを示す。検出可能な作用剤または部分は、それにより測定可能なシグナルが生じ、その強度が、結合した実体の量に関連付けられる(例えば、それに比例する)ように選択することができる。タンパク質およびペプチドを標識化し、かつ/または検出するための多種多様なシステムが当技術分野で公知である。標識化されたタンパク質および標識化されたペプチドは、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、電気的手段、光学的手段、化学的手段または他の手段によって検出可能な標識を組み入れること、またはそれとコンジュゲートすることによって調製することができる。標識または標識化部分は、直接検出可能なものであってもよく(すなわち、検出可能にするためのいかなる追加的な反応または操作も必要としない、例えば、フルオロフォアは直接検出可能である)、間接的に検出可能なものであってもよい(すなわち、検出可能な別の実体と反応することによって、またはそれに結合することによって検出可能になる、例えば、ハプテンは、フルオロフォアなどのレポーターを含む適切な抗体と反応させた後に免疫染色によって検出可能である)。適切な検出可能な作用剤としては、これだけに限定されないが、放射性ヌクレオチド(radionucleotide)、フルオロフォア、化学発光剤、微小粒子、酵素、比色標識、磁気標識、ハプテン、分子ビーコン、アプタマービーコンなどが挙げられる。
「単分散」:本明細書で使用される場合、「単分散」または「単一サイズの(monosized)」という用語は、粒子の状況に関しては実質的に同じサイズおよび形状、ポリマーの状況に関しては実質的に同じ質量を有する物体の収集物を指す。逆に、一貫していないサイズ、形状および質量分布を有する物体の収集物は多分散と称される。単分散粒子は、一般には、鋳型に基づく合成を使用することによって合成される。
「物体」または「担体」:本明細書で使用される場合、「物体」および「担体」という用語は、互換的に使用され、任意の別個の塊を指す。物体または担体は、粒子、ビーズ、平面の表面、ファージ、巨大分子、細胞、微生物などであってよい。
「粒子」:「粒子」という用語は、本明細書で使用される場合、別個の物体を指す。そのような物体は、任意の形状またはサイズのものであってよい。粒子の組成は適用および合成の方法に応じて変動し得る。適切な材料としては、これだけに限定されないが、プラスチック、セラミックス、ガラス、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリルポリマー、金属、常磁性体、トリアゾル(thoria sol)、カーボングラファイト、二酸化チタン、ラテックスまたは架橋デキストラン、例えばセファロース、セルロース、ナイロン、架橋ミセルおよびテフロン(登録商標)などが挙げられる。一部の実施形態では、粒子は、光学的または磁気的に検出可能なものであってよい。一部の実施形態では、粒子は、蛍光部分、発光部分、または他の検出可能な部分を含有する。一部の実施形態では、1000マイクロメーター(μm)未満の直径を有する粒子は微小粒子とも称される。一部の実施形態では、1000ナノメートル(nm)未満の直径を有する粒子はナノ粒子とも称される。
「ポリヌクレオチド」、「核酸」、または「オリゴヌクレオチド」:「ポリヌクレオチド」、「核酸」、または「オリゴヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドのポリマーを指す。「ポリヌクレオチド」、「核酸」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は互換的に使用することができる。一般には、ポリヌクレオチドは少なくとも3つのヌクレオチドを含む。DNAおよびRNAはポリヌクレオチドである。ポリマーは、天然のヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)、ヌクレオシド類似体(例えば、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、C5−プロピニルシチジン、C5−プロピニルウリジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、および2−チオシチジン)、化学修飾された塩基、生物学的に修飾された塩基(例えば、メチル化塩基)、挿入された塩基、修飾された糖(例えば、2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース)、または修飾されたリン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5’−N−ホスホラミダイト連結)を含んでよい。
「プローブ」:本明細書で使用される場合、「プローブ」という用語は、長さが変動し得る(例えば、3〜1000塩基長の)DNAまたはRNAの断片を指し、プローブ内の配列と相補的な標的ヌクレオチド配列の存在を検出するために使用される。一般には、プローブは、プローブと標的の相補性に起因してプローブ−標的塩基対合が可能になるような塩基配列の一本鎖核酸(DNAまたはRNA)とハイブリダイズする。
「二次構造」:本明細書で使用される場合、「二次構造」という用語は、核酸構造に関連して使用される場合、単一分子内または相互作用性分子のセットの塩基対合相互作用によって形成される任意の構造を指す。例示的な二次構造としてはステムループまたは二重らせんが挙げられる。
「シグナル」:本明細書で使用される場合、「シグナル」という用語は、検出可能かつ/または測定可能な実体を指す。ある特定の実施形態では、シグナルは、ヒトの目によって検出可能、例えば、可視である。例えば、シグナルは、可視スペクトルの色の強度および/または波長であってもよく、それに関連してもよい。そのようなシグナルの非限定的な例としては、酵素反応などの化学反応によって生じる色のついた沈殿物および色のついた可溶性産物が挙げられる。ある特定の実施形態では、シグナルは装置を使用して検出可能である。一部の実施形態では、シグナルは、励起されると蛍光を放出するフルオロフォアによって生じ、この場合、光は蛍光検出器を用いて検出可能である。一部の実施形態では、シグナルは、分光光度計によって検出可能な光(例えば、可視光線および/または紫外線)である、またはそれに関連する。例えば、化学発光反応によって生じる光をシグナルとして使用することができる。一部の実施形態では、シグナルは、放射線、例えば、放射性同位元素から放出される放射線、赤外線などである、またはそれに関連する。ある特定の実施形態では、シグナルは、物理的実体の性質の直接または間接的な指標である。例えば、シグナルを生体試料中および/または反応容器中の核酸の量および/または濃度の指標として使用することができる。
「特異的な」:本明細書で使用される場合、「特異的な」という用語は、オリゴヌクレオチドプライマーに関連して使用される場合、適切なハイブリダイゼーションまたは洗浄条件下で、目的の標的とハイブリダイズすることができ、目的のものではない核酸とは実質的にハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはプライマーを指す。より高いレベルの配列同一性が好ましく、それらとして少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%配列同一性が挙げられる。一部の実施形態では、特異的なオリゴヌクレオチドまたはプライマーは、オリゴヌクレオチドおよび核酸をアラインメントした場合に、ハイブリダイズまたは増幅される核酸の一部と少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、65、70、またはそれ超の塩基の配列同一性を含有する。
「ステムループ」:本明細書で使用される場合、「ステムループ」という用語は、核酸構造に関連して使用される場合、一般には一本鎖DNAまたはRNAにおいて生じる分子内の塩基対合によって引き起こされる構造を指す。この構造は、ヘアピンまたはヘアピンループとしても公知である。一般には、同じ鎖の2つの領域が、通常、逆方向に読んだ際にヌクレオチド配列が相補的である場合に、塩基対が対合していないループ内で終了する二重らせんを形成し、それによりロリポップ形の構造がもたらされる。
「実質的に」:本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、目的の特性または性質の全てまたはほほ全ての度合または程度を示す定性的な条件を指す。生物学的現象および化学的現象に関して、仮にあるとしても、めったに完了しないおよび/もしくは完全性まで進行しないもしくは達成しない、または絶対的な結果を回避することは生物学の分野の当業者には理解されよう。したがって、「実質的に」という用語は、本明細書では、多くの生物学的現象および化学的現象の固有の完全性の潜在的な欠如を捕捉するために使用される。
「実質的に相補的な」:本明細書で使用される場合、「実質的に相補的な」という用語は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし得る2つの配列を指す。実質的に相補的な配列はそれらの全長にわたってハイブリダイズする必要はないことは当業者には理解されよう。一部の実施形態では、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、少なくとも以下と同様にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を指す:50%ホルムアミド、5×SSC、50mMのNaHPO、pH6.8、0.5%SDS、0.1mg/mLの超音波処理したサケ精子DNA、および5×デンハルト溶液中、42℃で一晩のハイブリダイゼーション;45℃、2×SSC、0.1%SDSを用いた洗浄;および45℃、0.2×SSC、0.1%SDSを用いた洗浄。一部の実施形態では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、20個の連続したヌクレオチドの一続きにわたって3つ以上の塩基が異なる2つの核酸のハイブリダイゼーションが可能になるものであるべきではない。
詳細な説明
本発明は、とりわけ、標的核酸を多重化分析する(例えば、単一または複数の標的を同時に)ための方法および組成物を提供する。本明細書で使用される場合、多重化分析は、これだけに限定されないが、単一の標的核酸または複数の標的核酸を同時に捕捉すること、増幅すること、検出すること、分析すること、および、/または定量化することを含む。
本発明の種々の態様は、以下の節に詳しく記載されている。節の使用は本発明を限定するものではない。各節を本発明の任意の態様に適用することができる。本出願では、「または(or)」の使用は、別段の指定のない限り「および/または(and/or)」を意味する。
標的核酸
本明細書に記載の方法および組成物は、任意の標的核酸を分析するために使用することができる。一般に、標的核酸は、試料中に存在する任意の形態のDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはそれらの任意の組合せであってよい。
試料
これだけに限定されないが、生体試料および化学的調製物または組換え調製物を含めた種々の試料はいずれも、本明細書に開示されている方法で使用するために適し得る。一般に、核酸を含有する任意の生体試料(例えば、細胞、組織など)を使用することができる。生体試料の型としては、これだけに限定されないが、細胞、細胞溶解物、FFPE(FASPタンパク質消化)消化物、組織生検材料を含めた組織、全血、血漿、血清、尿、便、唾液、臍帯血、絨毛膜絨毛試料、羊水、および経頸管洗浄液が挙げられる。上述の生体試料のいずれかの細胞培養物、例えば、絨毛膜絨毛培養物、羊水および/または羊膜細胞培養物、血液細胞培養物(例えば、リンパ球培養物)なども本発明の方法に従って使用することができる。一部の実施形態では、生体試料は、がん細胞または腫瘍細胞などの疾患細胞を含む。一部の実施形態では、生体試料は出生前試料である。
したがって、本発明に適した典型的な生体試料は、異種核酸を含有する。一部の実施形態では、生体試料は、異なる細胞型(例えば、正常な細胞、および腫瘍細胞などの疾患細胞)に由来する核酸の混合物を含有する。一部の実施形態では、生体試料(例えば、血液、血清または血漿)は、母体核酸と胎児核酸の混合物を含有する。適切な試料は、精製されていない生体試料または最小限の精製がなされた生体試料であり得る、または単離された核酸DNAもしくはRNA、尿、または血漿/血清で構成され得る。
一部の実施形態では、本発明を使用して、生体試料中に稀な事象として存在する標的核酸(低存在量の核酸とも称される)を分析する。一部の実施形態では、本発明の方法によって検出される標的核酸の量は、生体試料中の全核酸の1%未満(例えば、0.5%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、0.0001%未満)である。一部の実施形態では、本発明の方法によって検出される標的核酸の量は、生体試料中の全核酸の百万分の1未満である。一部の実施形態では、本発明の方法によって検出される標的核酸の量は、生体試料中の全核酸の1千万分の1未満である。一部の実施形態では、本発明を使用して、わずか1つの核酸標的の単一コピーまたは核酸標的の百万またはそれ超のコピーに至るまでを分析する。
一部の実施形態では、適切な試料は、in vitroにおいてまたは組換えによって合成された核酸、例えば、siRNA、mRNA、マイクロRNA、アプタマー、DNA、プラスミド、ベクターなどを含有する化学的調製物または反応混合物であってよい。
異なる標的
種々の実施形態では、標的核酸は、例えば微生物または感染因子を含めた生物学的生物体に見いだされる核酸であってもよく、任意の天然に存在するその構成成分、バイオエンジニアリングによって作製されたその構成成分または合成されたその構成成分であってもよい。本発明のある特定の実施形態では、標的核酸は、遺伝子の一部、調節配列、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、rRNA、マイクロRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、長鎖非コードRNA(lnc RNA)、低分子核内RNA(snRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)を含めたRNA、またはそれらの任意の組合せであってもよく、それを含有するものであってもよい。本発明のある特定の実施形態では、標的核酸は、核酸類似体または人工核酸、例えばDNA/RNAキメラなどであってよい。
一部の実施形態では、本発明で提供される方法を使用して、miRNAを検出し、かつ/または定量化することができる。miRNAは、ヒト、動物、植物およびウイルスのゲノムに見いだすことができる。本発明によると、一部の実施形態では、標的核酸は、内在性のヘアピン形状の転写物から生じる1つまたは複数のmiRNAであってもよく、それを含むものであってもよい。一部の実施形態では、標的核酸は、例えば動物におけるRNAポリメラーゼII酵素によって長い一次転写物(プリマイクロRNA)として転写される1つまたは複数のmiRNAであってもよく、それを含むものであってもよい。現在、合計1424種のヒトmiRNA遺伝子がmiRNAデータベース(ワールドワイドウェブmicrorna.sanger.ac.uk/sequences/ftpを通じて入手可能)に列挙されており、これは、タンパク質コード遺伝子のほぼ3%と等しい。多くのmiRNAが遺伝子発現の調節において重要であると考えられている。一般には、マイクロRNAは前駆型で産生され、次いで、一般には、前駆ステムループ構造の3’アームの切断によって成熟型にプロセシングされる。したがって、前駆マイクロRNAと成熟マイクロRNAの5’末端は同一であるが3’末端は異なる。選択的な末端標識化を使用して、3’末端配列と相補的な捕捉配列を設計することにより、前駆種の検出を伴わずに成熟マイクロRNA種を検出することができる。
試料中の標的核酸の捕捉
本発明によると、まず、試料を1つまたは複数の捕捉用プローブと接触させることによって標的核酸を捕捉する。本明細書で使用される場合、「捕捉用プローブ」という用語は、少なくとも1つの標的捕捉配列を含むプローブを指す。本明細書で使用される場合、「標的捕捉配列」という用語は、標的核酸、例えば、マイクロRNAに結合し得る核酸配列を指す。一部の実施形態では、捕捉用プローブは、単一の標的捕捉配列を含み、1つの別個の標的核酸に特異的に結合する。一部の実施形態では、捕捉用プローブは、複数(例えば、2、3、4、5、10、またはそれ超)の別個の標的捕捉配列を含み、複数(例えば、2、3、4、5、10、またはそれ超)の別個の標的核酸に結合する。例示的な適切な標的捕捉配列が下に記載されている。
一部の実施形態では、本発明に適した捕捉用プローブは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応プライミング、逆転写、または他のDNA修飾酵素またはRNA修飾酵素による修飾のための部位として働くように特異的に設計されたアダプターと結合させるための1つまたは複数のアダプター結合性配列をさらに含む。例示的な適切なアダプターは下に記載されている。
本発明によると、標的捕捉配列(または配列)およびアダプター結合性配列(または配列)は、1つまたは複数の標的核酸と1つまたは複数のアダプターの両方が捕捉用プローブと結合し、それにより、1つまたは複数のアダプターと1つまたは複数の標的核酸をつなげることが可能になるように構成される。例えば、捕捉用プローブは、5’末端、3’末端またはその両方においてアダプター結合性配列に隣接した標的捕捉配列を含んでよい。一部の実施形態では、捕捉用プローブは、複数の標的捕捉配列を含んでよく、各標的捕捉配列が1つまたは複数の隣接するアダプター結合性配列に囲まれている。一部の実施形態では、隣接するとは、標的核酸とアダプターの両方が捕捉用プローブと結合したら、標的の3’末端がアダプターの5’末端と接すること、あるいは、標的核酸とアダプターの両方が捕捉用プローブと結合したら、標的の5’末端がアダプターの3’末端と接することを意味する。
適切なプローブは、一般には、その標的と特異的にハイブリダイズするのに十分に大きいが、ハイブリダイゼーションプロセスを妨害するほどには大きくない長さのものである。サイズは、標的−プローブ複合体の望ましい融解温度または必要な標的識別の特異性に左右され得る。一部の実施形態では、適切なプローブは、約10〜200ヌクレオチド(例えば、10〜150、10〜100、10〜90、10〜80、10〜70、10〜60、10〜50、10〜40、10〜30、10〜20、20〜200、20〜150、20〜100、20〜90、20〜80、20〜70、20〜60、20〜50、30〜200、30〜150、30〜100、30〜90、30〜80、30〜70、30〜60、または30〜50ヌクレオチド)を含有する。特異的なプローブを設計するために、当技術分野において利用可能な種々の方法およびソフトウェアを使用することができる。
本発明によるプローブとしては、天然のヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)、ヌクレオシド類似体(例えば、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、C5−プロピニルシチジン、C5−プロピニルウリジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、および2−チオシチジン)、化学修飾された塩基、生物学的に修飾された塩基(例えば、メチル化塩基)、挿入された塩基、修飾された糖(例えば、2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース)、または修飾されたリン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5’−N−ホスホラミダイト連結)を挙げることができる。
標的捕捉配列
一部の実施形態では、適切な標的捕捉配列は標的核酸(例えば、DNA、mRNA、またはマイクロRNA)に特異的である。「特異的な」という用語は、ハイブリダイゼーションプローブに関連して使用される場合、ストリンジェントな条件下でその標的に結合し得るが、他の領域には結合しない配列を指す。一部の実施形態では、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、少なくとも以下と同様にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を指す:50%ホルムアミド、5×SSC、50mMのNaHPO、pH6.8、0.5%SDS、0.1mg/mLの超音波処理したサケ精子DNA、および5×デンハルト溶液中、42℃で一晩のハイブリダイゼーション;45℃、2×SSC、0.1%SDSを用いた洗浄;および45℃、0.2×SSC、0.1%SDSを用いた洗浄。一部の実施形態では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、20個の連続したヌクレオチドの一続きにわたって3つ以上の塩基が異なる2つの核酸のハイブリダイゼーションが可能になるものであるべきではない。他の例示的なストリンジェントな条件は当技術分野で周知である。少なくとも所望のレベルの相補性を有する配列は安定にハイブリダイズするが、より低い相補性を有する配列はハイブリダイズしないように、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーをどのように推定し調整するかは当業者には理解される。ハイブリダイゼーション条件およびパラメータの例に関しては、例えば、Sambrookら、1989年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Y.;Ausubel, F. M.ら、1994年、Current Protocols in Molecular Biology. John Wiley & Sons、Secaucus、N.Jを参照されたい。
したがって、一部の実施形態では、適切な標的捕捉配列は、マイクロRNAなどの標的配列と実質的に相補的な配列を含有してよい。一般には、標的捕捉配列は、標的特異的ヌクレオチド配列に基づくものである。一部の実施形態では、標的捕捉配列は、目的のマイクロRNA、例えば、これだけに限定されないが、let−7a、miR−21、miR−29b−2、miR−181b−1、miR−143、miR−145、miR−146a、miR−210、miR−221、miR−222、miR−10b、miR−15a、miR−16、miR−17、miR−18a、miR−19a、miR20a、miR−1、miR−29、miR−181、miR372、miR−373、miR−155、miR−101、miR−195、miR−29、miR−17−3p、miR−92a、miR−25、miR−223、miR−486、miR−223、mir−375、miR−99b、miR−127、miR−126、miR−184を含めた、ある特定のがん、糖尿病、アルツハイマー病または他の疾患を示すマイクロRNAに特異的な配列と実質的に相補的な配列を含有してよい。一部の実施形態では、捕捉用プローブは、標的核酸に対して1つまたは複数のミスマッチ塩基を含有してよい。
一部の実施形態では、標的核酸の異なる変動し得る種を区別するために適切な捕捉配列を設計することができる。例えば、捕捉配列を、所望の変動し得る末端ヌクレオチド配列と相補的になるように設計することができる。所望の標的種の結合のみがアダプターの5’末端配列と接する、完全にマッチする3’末端を有し、それにより、アダプターと標的のライゲーションが可能になる。特定の実施形態では、本発明を使用して前駆マイクロRNAと成熟マイクロRNAを区別する。一般には、成熟化プロセスの間に前駆型から3’アームが切断されるので、前駆マイクロRNAと成熟マイクロRNAの5’領域は同一であるが3’領域は異なる。成熟マイクロRNAを特異的に検出するために、捕捉配列を成熟マイクロRNAの3’末端の配列と実質的に相補的になるように設計することができる。したがって、正しい成熟マイクロRNAと捕捉配列の結合によってのみ、アダプターの5’末端配列と接するマイクロRNAの完全にマッチする3’末端がもたらされ、それにより、アダプター配列と標的配列のライゲーションが可能になる。
一部の実施形態では、核酸標的に対する捕捉配列は、最大50ヌクレオチド(例えば、最大25、20、18、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1ヌクレオチド)を含有する。一部の実施形態では、捕捉配列はまた、ライゲーション緩衝液中の融解温度(Tm)が10〜50℃であることが確実になるように選択される。
アダプター結合性配列
一般に、アダプター結合性配列により、一般には、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応プライミング、逆転写、または他のDNA修飾酵素またはRNA修飾酵素による修飾のための部位として働くように設計されるアダプターに対する結合部位がもたらされる。適切な例示的なアダプターが下に記載されている。したがって、捕捉用プローブ上のアダプター結合性配列は、アダプターと相補的または実質的に相補的である。一般には、アダプター結合性配列および長さは、(1)ライゲーション緩衝液中の融解温度が約10〜20℃になるように、(2)ヘアピン、他の二次構造またはホモ二量体の形成を回避するために、配列が著しく自己相補的にならないように、かつ/または(3)完全なDNAプローブ(アダプターおよびmiRNA配列を伴う)により相当のヘアピンまたは他の二次構造が形成されないように設計される。一部の実施形態では、適切なアダプター配列は、最大20ヌクレオチド(例えば、最大19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1ヌクレオチド)を含有する。
担体
一部の実施形態では、本発明に適した捕捉用プローブは、担体または物体と結びついている。例えば、捕捉用プローブは、担体または物体に付着または固定化されていてもよく、担体または物体のマトリックス内に包埋されていてもよい。適切な担体または物体は、平面状の形態、球状の形態または非球状の形態を有してよい。適切な担体または物体は固体、半固体、ポリマーなどであってよい。例示的な適切な担体は、ヒドロゲル、ガラス、フォトレジスト、シリカ、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、アガロース、キトサン、アルギナート、PLGA、光ファイバー、セルロース、およびその組合せからなる群より選択される材料から作製されている。一部の実施形態では、適切な材料はヒドロゲルである。適切な担体はまた、種々の形態、サイズおよび形状であってよい。例えば、適切な担体は、パターン化平面担体、マイクロチップ、プラスチック、ビーズ、バイオフィルム、または粒子であってよい。一部の実施形態では、適切な担体は粒子である。例示目的で、粒子が下で詳述されている。
本発明に従って使用するために適した粒子は任意の材料でできていてよい。適切な粒子は、生体適合性であっても非生体適合性であってもよい。適切な粒子はまた、生分解性であっても非生分解性であってもよい。
一部の実施形態では、粒子はヒドロゲルである。一般に、ヒドロゲルは、実質的に希釈された架橋結合ネットワークを含む。水または他の流体はそのネットワークに浸透し得、それによりそのようなヒドロゲルを形成することができる。一部の実施形態では、本発明において使用するために適したヒドロゲルは親水性ポリマーから作製されている、または親水性ポリマーを含む。例えば、親水性ポリマーは、アニオン性基(例えば、リン酸基、硫酸基、カルボキシレート基);カチオン性基(例えば、四級アミン基);または極性基(例えば、ヒドロキシル基、チオール基、アミン基)を含んでよい。一部の実施形態では、ヒドロゲルは高吸収性であり(例えば、99%超の水を含有し得る)、それらの著しい含水量に起因して、天然の組織と非常に類似したある程度の柔軟性を保有する。重量と体積のどちらも、ヒドロゲルは組成物中で流体であり、したがって、それらの構成液体(例えば、水)と同様の密度を示す。本発明は、ヒドロゲルが本発明の一部の実施形態において特に有用であるという認識を包含する。一部の実施形態では、ヒドロゲルを使用して、水性または親水性溶液と不混和性または部分的に混和性の連続した疎水性相内の水性区画を画定する。いかなる特定の理論にも縛られることを望むことなく、ヒドロゲルにより、1)検出計器、特に、実質的な改変を伴わない市販の計器(例えば、フローサイトメーター)を容易に実行すること、および2)表面官能化を必要とせずに機能性部分を容易に組み入れること(例えば、単一のリソグラフィー−重合ステップで)ことが可能になることが意図されている。
粒子を合成するために、種々の追加的な材料および方法を使用することができる。一部の実施形態では、粒子は、1つまたは複数のポリマーから作製されていてもよく、それを含んでもよい。粒子に使用されるポリマーは、天然ポリマーであっても非天然(例えば、合成)ポリマーであってもよい。一部の実施形態では、ポリマーは直鎖ポリマーであっても分枝ポリマーであってもよい。一部の実施形態では、ポリマーはデンドリマーであってよい。ポリマーは、2つまたはそれ超の単量体を含むホモポリマーまたはコポリマーであってよい。配列に関しては、コポリマーは前述のポリマーおよび他のポリマーのいずれかのブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー、ブレンド、混合物、および/または付加生成物であってよい。
一部の実施形態では、本発明の粒子は、炭水化物、タンパク質、核酸、脂質などの天然ポリマーでできていてもよく、それを含むものであってもよい。一部の実施形態では、天然ポリマーは、合成により製造することができる。哺乳動物の細胞外マトリックスの種々の構成成分に由来するコラーゲン、ヒアルロン酸(HA)、およびフィブリンなどの多くの天然ポリマーを本発明の粒子に使用することができる。コラーゲンは哺乳動物の細胞外マトリックスの主要なタンパク質の1つであり、HAはほぼ全ての動物組織において見いだされる多糖である。アルギナートおよびアガロースは海産藻類供給源に由来する多糖である。天然ポリマーのいくつかの利点として、毒性が低いこと、および、生体適合性が高いことが挙げられる。
追加的な例示的な粒子材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願第PCT/US13/39531号に記載されている。
一般に、本発明に適した粒子は任意のサイズのものであってよい。一部の実施形態では、適切な粒子は、少なくとも1つの寸法が1μm超から約1000μmに至るまでのサイズを有する(例えば、少なくとも1つの寸法が1〜500μm、1〜450μm、1〜400μm、1〜350μm、1〜300μm、1〜250μm、1〜200μm、1〜150μm、1〜100μm、1〜50μm、2〜50μm、2〜100μm、50〜1000μm、50〜500μm、50〜450μm、50〜400μm、50〜350μm、50〜300μm、50〜250μm、50〜200μm、50〜150μm、100〜1000μm、100〜500μm、100〜450μm、100〜400μm、100〜350μm、100〜300μm、100〜250μm、100〜200μm、100〜150μm)。
適切な粒子は、これだけに限定されないが、球体、扁球、円柱、卵形、楕円、貝殻状、立方体、立方形、錐体、角錐、桿(例えば、円柱または断面が正方形もしくは矩形の細長い構造)、四脚体(tetrapod)(4脚様付属器を有する粒子)、三角形、プリズムなどを含めた種々の異なる形状を有するものであってよい。一部の実施形態では、粒子は桿形状である。一部の実施形態では、粒子は棒形状である。一部の実施形態では、粒子はビーズ形状である。一部の実施形態では、粒子はカラム形状である。一部の実施形態では、粒子はリボンまたは鎖様である。一部の実施形態では、粒子は、任意の幾何学的形状または対称性のものであってよい。例えば、平面状粒子、円状粒子、丸い粒子、管状粒子、環形状の粒子、四面体の粒子、六角形の粒子、八角形の粒子、他の規則的な幾何学の粒子、および/または不規則な幾何学の粒子も、本発明において使用することができる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,709,544号および米国特許第7,947,487号に開示されている種々のサイズおよび形状を有する追加的な適切な粒子を本発明において使用することができる。
粒子は、種々のアスペクト比の寸法、例えば、長さ/幅、長さ/厚さなどを有してよい。一部の実施形態では、粒子は、少なくとも1つの寸法、例えば長さなどが、別の寸法、例えば幅などよりも長いものであってよい。本発明によると、1を超える少なくとも1つのアスペクト比を有する粒子が、それらの自己アラインメントを容易にするためのフロースルー走査(例えば、フローサイトメーターにおける)において特に有用であり得る。一部の実施形態では、粒子は、少なくとも約1.5:1、少なくとも約2:1、少なくとも約2.5:1、少なくとも約3:1、少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、少なくとも約15:1、さらにはそれ超の少なくとも1つのアスペクト比を有してよい。
一部の実施形態では、捕捉用プローブは粒子の1つまたは複数の別個の領域に付着しているまたはその中に包埋されている。そのような領域はプローブ領域と称される。一部の実施形態では、各プローブ領域は、例えばライゲーションに基づく手法によってプローブを付着させるためのアンカーを担持する。ライゲーションは、3つの種(アンカー、リンカー、およびプローブ)または2つの種(ヘアピンアンカーおよびプローブ)を用いて実施することができる。一部の実施形態では、プローブ領域の官能化は、化学修飾、例えば、カルボジイミド化学を使用してアミノ化プローブをカルボキシル化担体に付着させるためのペプチド化学の使用などを含む。
一部の実施形態では、適切な粒子は、同じ粒子の1つまたは複数のプローブ領域に付着したまたは包埋されたプローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する1つまたは複数のコーディング領域(エンコーディング領域とも称される)を含む。フルオロフォア、発色団、放射性同位元素、量子ドット、ナノ粒子および/または挿入DNA/RNA色素を含めた種々の検出可能な部分を使用することができる。検出可能な部分のさらなる例は、以下の検出可能な部分の節に記載されている。
一部の実施形態では、1つまたは複数のコーディング領域はフルオロフォアを担持し、その結果、エンコーディングに蛍光のレベルが使用される。例えば、各コーディング領域における蛍光が複数のレベル、例えば、最大10〜20レベル(例えば、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20レベル)で区別可能である。非限定的な例として、3つのコーディング領域を使用し、それぞれについて10レベルが区別可能である場合、1000(10×10×10)に至るまでの独自のコードが可能になる。それに加えて、またはその代わりに、複数のシグナル(例えば、異なる蛍光色)をエンコーディングのために使用することができる。一部の実施形態では、各コーディング領域は互いとは別個の1つのシグナルを有する。これは、独自の発光スペクトルを有する種々のフルオロフォアのブレンドを使用することによって実現することができる。
一部の実施形態では、プローブ領域およびコーディング領域は不活性領域によって互いから分離されている。一部の実施形態では、1つまたは複数のプローブ担持領域と1つまたは複数のコーディング領域は互いと重複している。一部の実施形態では、コーディング領域およびプローブ担持領域は同じ領域であってよい。
捕捉条件
捕捉用プローブまたは捕捉用プローブを有する担体(例えば、粒子)を、試料と、捕捉用プローブが試料中の1つまたは複数の標的核酸を捕捉することを可能にする条件下で混合することができる。種々の核酸ハイブリダイゼーション条件および技法を捕捉条件として使用することができる。一般には、ストリンジェントな条件を使用する。一部の実施形態では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、少なくとも以下と同様にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を指す:50%ホルムアミド、5×SSC、50mMのNaHPO、pH6.8、0.5%SDS、0.1mg/mLの超音波処理したサケ精子DNA、および5×デンハルト溶液中、42℃で一晩のハイブリダイゼーション;45℃、2×SSC、0.1%SDSを用いた洗浄;および45℃、0.2×SSC、0.1%SDSを用いた洗浄。他の例示的な条件は当技術分野で周知である。例えば、Sambrookら、1989年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Yを参照されたい。少なくとも所望のレベルの相補性を有する配列は安定にハイブリダイズするが、より低い相補性を有する配列はハイブリダイズしないように、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーをどのように推定し調整するかは当業者には理解される。例えば、条件は、ストリンジェントな捕捉をもたらすために、温度、時間、一価塩濃度、二価塩濃度、dNTP濃度、または、DMSO、ホルムアミド、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、もしくはDNA二重鎖形成の動態を変更する他の作用剤の添加を制御することによって調整することができる。
捕捉された標的核酸へのアダプターのカップリング
一部の実施形態では、増幅を容易にするために、増幅前に1つまたは複数のアダプターを捕捉された標的核酸とカップリングする。一般には、アダプターは、ポリメラーゼ連鎖反応プライミング、逆転写、または他のDNA修飾酵素またはRNA修飾酵素による修飾のための部位として働くように特異的に設計された配列を含む。一部の実施形態では、適切なアダプターは、公知の普遍的なオリゴヌクレオチド配列を含有し、その結果、同じアダプターを使用して異なる標的核酸を増幅することができる。例えば、適切なアダプターは、PCRを開始するためのフォワードプライマーまたはリバースプライマー認識部位を含有するものであってよい。同じアダプターを異なる標的核酸とカップリングし、PCRプライミング部位として機能させることができる。そのようなアダプターは、普遍的アダプターとも称される。一部の実施形態では、共通の普遍的アダプターを使用して複数の標的を単一反応で増幅することができる。例示的なアダプターの設計および配列は実施例の節に記載されている。
アダプターは、酵素的または化学的なカップリングによって1つまたは複数の標的化された核酸につなげる、連結する、付着させるまたはカップリングすることができる。一部の実施形態では、DNAリガーゼまたはRNAリガーゼを使用してアダプターを標的核酸に連結する。一部の実施形態では、T4 DNAリガーゼを使用してアダプターを標的核酸に連結する。
本発明によると、適切なアダプターは、対応する核酸プローブのアダプター結合性配列と相補的な配列を含有し、その結果、アダプターが核酸プローブに結合すると、アダプターの5’末端または3’末端がそれぞれ標的核酸の3’末端または5’末端に接する。一部の実施形態では、捕捉された標的核酸は、捕捉用プローブに結合していない一本鎖5’および/または3’尾部領域を有する。その場合、捕捉された標的を、まず、1つまたは複数のアダプターのカップリングの前に、ライゲーション可能な末端を生じさせるために、例えばヌクレアーゼまたは制限酵素消化によって処理して一本鎖5’領域および/または3’領域を除去する。図11を参照されたい。
一部の実施形態では、対応する核酸プローブのアダプター結合性配列と相補的な単一のアダプターを使用する。一部の実施形態では、単一のアダプターを標的特異的プライマー配列またはポリA尾部内の配列に結合するプライマー、例えば、ポリTプライマーと一緒に使用することができる。図9を参照されたい。
当技術分野において周知であり、実証されている方法を使用して適切な長さおよび配列のアダプターを選択することができる。例えば、適切なアダプターは、1ヌクレオチドから25ヌクレオチドまでの長さ(例えば、1〜20、1〜18、1〜16、1〜14、1〜12、1〜10、5〜20、5〜15、または5〜10ヌクレオチド)を含有するものであってよい。
アダプターはDNA、RNA、または、これだけに限定されないが、DNA/RNAキメラを含めた任意の型の核酸類似体であってよい。アダプター内のヌクレオチドは天然のヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)、ヌクレオシド類似体(例えば、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、C5−プロピニルシチジン、C5−プロピニルウリジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、および2−チオシチジン)、化学修飾された塩基、生物学的に修飾された塩基(例えば、メチル化塩基)、挿入された塩基、修飾された糖(例えば、2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース)、または修飾されたリン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5’−N−ホスホラミダイト連結)であってよい。
一部の実施形態では、アダプターを標識化しない。一部の実施形態では、増幅された標的核酸の検出を容易にするためにアダプターを標識化する。一部の実施形態では、ビオチン化アダプターを、これだけに限定されないが、フィコエリトリン、PE−Cy5、PE−Cy5.5、PE−Cy7、APC、PerCP、量子ドット、フルオロフォアまたは本明細書に記載の他の検出可能な実体(以下の「検出可能な実体」の節を参照されたい)を含めた検出可能な部分とコンジュゲートしたストレプトアビジンレポーターによって検出することができる。
標的核酸の増幅
本発明によると、増幅とは、標的核酸をコピーし、それにより、選択された核酸配列のコピー数を増加させるための、当技術分野で公知の任意の方法を指す。増幅は、指数関数的なものであっても線形のものであってもよい。標的核酸はDNAまたはRNAのいずれであってもよい。一般には、このように増幅された配列により「アンプリコン」が形成される。増幅は、これだけに限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(“PCR”)、転写に基づく増幅、等温増幅、ローリングサークル増幅などを含めた種々の方法を用いて達成することができる。
本明細書に記載の本発明の方法により、各PCRサイクルにより追加的な産物分子が生じるので、調整可能な程度の増幅がもたらされ得る。この方法を用いると、それぞれに単一のまたは非常に少数のプライマー対(例えば、5対未満、4対未満、3対未満、または2対未満)を使用することができるので、PCR増幅反応の複雑さの増大を伴わずに多重の特異的な捕捉反応を並行して実行することができる。
増幅は、二本鎖アンプリコンを生じさせるために、プライマー対の各プライマーを比較的類似した量で用いて実施することができる。しかし、当技術分野で周知の通り、非対称PCRまたはバイアスPCRを使用して、主にまたは排他的に一本鎖産物を増幅することができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれるPoddar ら Molec. And Cell. Probes 14巻:25〜32頁(2000年))。これは、各プライマー対を使用して、一方のプライマーの濃度をその対の他方のプライマーと比較して有意に低下させる(例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、または100倍の差異)ことによって実現することができる。例えば、PCRに、フォワードプライマーをPCR反応の間に使い尽くされるような濃度で添加することによって、一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかけることができる。一部の実施形態では、フォワードプライマーとリバースプライマーの比は、1:2未満、1:3未満、1:4未満、1:5未満、1:10未満、1:20未満、1:30未満、1:40未満、1:50未満、または1:100未満であってよい。それに加えて、またはその代わりに、PCRに、アニーリング温度がリバースプライマーよりも有意に低いフォワードプライマーを設計することによって、一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかけることができる。例えば、フォワードプライマーのアニーリング温度をリバースプライマーのアニーリング温度よりも約2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃低くすることができる。非対称PCRまたはバイアスPCRによる増幅は一般に線形である。異なる増幅方法を一緒に使用することができることは当業者には理解されよう。
一部の実施形態では、捕捉された標的核酸を増幅するためにブリッジPCR増幅を使用することができる。一般には、ブリッジPCRには普遍的な増幅反応が伴い、それにより、核酸を、異なる標的の末端が全て同じDNA配列(例えば、普遍的アダプター)を含有するように処理する。次いで、普遍的な末端を有する標的を単一反応において増幅プライマーの単一の対を用いて増幅することができる。次いで、標的を、増幅する前に単一分子レベルに分離して、増幅された分子により、次いでさらに分析することができる別個の集団が形成されることを確実にする。そのような分離は、エマルション中、表面上、またはゲル中のいずれかで実施することができる。
ブリッジ増幅の種々の例示的な方法は当技術分野で公知であり、また、本発明を実施するために改変することができる。例えば、種々のブリッジ増幅方法が、その全てがこれによって参照により組み込まれる、米国特許第7,115,400号、米国特許出願公開第20090226975号、およびBing D. H. ら「Bridge Amplification:A Solid Phase PCR System for the Amplification and Detection of Allelic Differences in Single Copy Genes」、 Seventh International Symposium on Human Identification(ワールドワイドウェブpromega.com/geneticidproc/ussymp7proc/0726を通じて入手可能である)に記載されている。
一部の実施形態では、ローリングサークルPCR(等温PCR)を使用して核酸を増幅する。RCR反応についての選択条件および試薬に関する手引きは、参照により組み込まれる以下のものによって証明される通り、当業者が入手可能な多くの参考文献において入手可能である:Kool、米国特許第5,426,180号;Lizardi、米国特許第5,854,033号および第6,143,495号;Landegren、米国特許第5,871,921号;など。一般に、ローリングサークルPCR反応の構成成分は、一本鎖DNA環(DNA circle)、DNA環とアニーリングする1つまたは複数のプライマー、DNA環とアニーリングしたプライマーの3’末端を伸長させる鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、および従来のポリメラーゼ反応緩衝液を含む。そのような構成成分を、プライマーがDNA環とアニーリングし、DNAポリメラーゼによって伸長されてDNA環相補物のコンカテマーが形成されることが可能になる条件下で組み合わせる。例示的なローリングサークルPCR反応プロトコールは以下の通りである:反応混合物50μL中、以下の成分を集合させた:2〜50pmolの環状DNA、0.5単位/μLのファージφ29 DNAポリメラーゼ、0.2μg/μLのBSA、3mMのdNTP、1×φ29 DNAポリメラーゼ反応緩衝液(Amersham)。ローリングサークルPCR反応を30℃で12時間にわたって行う。一部の実施形態では、ポリメラーゼ反応における環状DNAの濃度は、もつれおよび他の分子間相互作用を回避するために、低くなるように(1ml当たりおよそ100〜1000億個の環、またはピコリットル当たり10〜100個の環)選択することができる。
増幅を容易にするために、種々の酵素を使用することができる。一部の実施形態では、逆転写活性を含むポリメラーゼ、例えば、TthポリメラーゼおよびPyrophage 3713ポリメラーゼなどを使用することができ、その結果、1つの酵素が、同じ反応においてcDNAを生成し、PCR増幅することができる。一部の実施形態では、逆転写および/またはPCR反応は、いずれも担体(例えば、ヒドロゲル粒子)の存在下で起こり得る。一部の実施形態では、捕捉された標的核酸をまず担体(例えば、ヒドロゲル粒子)から分離する。
一般には、増幅は、酵素、dNTP、プライマー、標識化剤(例えば、検出可能な実体)および他の緩衝用試薬を含有する反応混合物中で行うことができる。
酵素
一部の実施形態では、標的核酸、特に標的RNAの増幅には、DNAポリメラーゼ活性と逆転写酵素活性の両方を有する単一の酵素を使用する(いくつかの場合には1酵素系と称される)。そのような酵素の例としては、これだけに限定されないが、PyrophageおよびTtHが挙げられる。
一部の実施形態では、逆転写を1つの酵素によって触媒し、PCR増幅を第2の酵素によって行う(いくつかの場合には2酵素系と称される)。非限定的な例として、Taq、Bst、またはPhi29などのポリメラーゼを使用することができる。
本発明において使用することができる他の核酸ポリメラーゼの例は、DNAポリメラーゼ(クレノウ断片、T4 DNAポリメラーゼ)、種々の熱安定性細菌由来の熱安定DNAポリメラーゼ(例えば、Taq、VENT、Pfu、Tfl DNAポリメラーゼなど)ならびにそれらの遺伝子改変誘導体(TaqGold、VENTexo、Pfu exo)である。
ローリングサークル増幅のために、標的核酸を、一般には、まず、例えばDNA/RNAリガーゼを使用して環状化する。したがって、一部の実施形態では、リガーゼを増幅反応混合物に含めることができる。
プライマー
本発明によると、プライマーとは、核酸試料またはアダプター中の相補配列とハイブリダイズ可能な短い一本鎖オリゴヌクレオチドを指す。一般には、プライマーは、鋳型依存性DNA合成の開始点として働く。DNAポリメラーゼによってデオキシリボヌクレオチドをプライマーに付加することができる。一部の実施形態では、そのようなプライマーへのデオキシリボヌクレオチドの付加は、プライマー伸長としても公知である。プライマーという用語は、本明細書で使用される場合、ペプチド核酸プライマー、ロックド核酸プライマー、ホスホロチオエート修飾プライマー、標識化されたプライマーなどを含めた、合成することができるプライマーの全形態を含む。PCR反応用の「プライマー対」または「プライマーセット」とは、一般には、「フォワードプライマー」および「リバースプライマー」を一般に含むプライマーのセットを指す。本明細書で使用される場合、「フォワードプライマー」とは、dsDNAのアンチセンス鎖とアニーリングするプライマーを指す。「リバースプライマー」はdsDNAのセンス鎖とアニーリングする。
PCRの性質に応じて、単一のプライマーまたはプライマー対を使用することができる。例えば、ローリングサークル増幅では単一のプライマーを使用することができる。プライマー対は、一般には、他の形態のPCRのために使用される(例えば、フォワードプライマーおよびリバースプライマー)。上記の通り、非対称PCRまたはバイアスPCRに関して、フォワードプライマーとリバースプライマーの比を調整することができる。
一部の実施形態では、プライマーは溶液相PCR反応物中に存在してよいが、プライマーの一方または両方を、5’末端において固体支持体に付着させることができる。これにより、ブリッジPCRまたはブリッジPCR様反応を行うことが可能になる。一部の実施形態では、標的核酸を捕捉するために使用する微小粒子は、大部分が水相で構成される調整可能なヒドロゲルマトリックスで構成されるものであってよい。大部分が水で構成されるそのような粒子ヒドロゲルを疎水性溶液中に分散させると、それらの内容物が溶液媒体中に漏れることが防がれ、別個の水性反応器とみなすことができる。一部のそのような実施形態では、粒子は、十分な試薬体積をヒドロゲル粒子の寸法によって直接画定することを可能にするために十分に大きいものである。非限定的な例として、適切な粒子は、直径2〜50ミクロンであってもよく、直径50〜200ミクロンであってもよい。他の適切なサイズは、本明細書全体にわたって記載されている。
増幅された標的核酸を標識化すること
本発明によると、標識化された増幅された標的核酸を作製するための複数のやり方が存在する。一部の実施形態では、標識化されたリバースプライマーを増幅に使用した結果として、増幅された核酸が標識化される。一部の実施形態では、標識化されたdNTPを増幅の間に使用した結果として、増幅された核酸が標識化される。一部の実施形態では、挿入色素を増幅の間に使用した結果として、増幅された核酸が標識化される。
検出可能な実体
多種多様な検出可能な作用剤のいずれも本発明の実施において使用することができる。適切な検出可能な実体としては、これだけに限定されないが、種々のリガンド、放射性核種;蛍光色素;化学発光剤(例えば、アクリジニウム(acridinum)エステル、安定化ジオキセタンなど);生物発光剤;スペクトル分解可能な無機蛍光半導体ナノ結晶(すなわち、量子ドット);金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅、プラチナなど);ナノクラスター;常磁性金属イオン;酵素;比色標識(例えば、色素、コロイド金など);ビオチン;ジゴキシゲニン(dioxigenin);ハプテン;および抗血清またはモノクローナル抗体が入手可能なタンパク質が挙げられる。
一部の実施形態では、検出可能な部分はビオチンである。ビオチンを、一般にはそれ自体が検出可能な他の部分(例えば、蛍光部分)とコンジュゲートした(直接または間接的に)アビジン(例えば、ストレプトアビジンなど)に結合させることができる。
他の検出可能な部分のいくつかの非限定的な例が以下に記載されている。
蛍光色素
ある特定の実施形態では、検出可能な部分は蛍光色素である。多種多様な化学構造および物理的特性の複数の公知の蛍光色素が本発明の実施において使用するために適している。蛍光検出可能な部分をレーザーによって刺激し、放出光を検出器によって捕捉することができる。検出器は、その強度を記録する電荷結合素子(CCD)または共焦点顕微鏡であってよい。
適切な蛍光色素としては、これだけに限定されないが、フルオレセインおよびフルオレセイン色素(例えば、フルオレセインイソチオシアナート(fluorescein isothiocyanine)またはFITC、ナフトフルオレセイン、4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、6−カルボキシフルオレセインまたはFAMなど)、カルボシアニン、メロシアニン、スチリル色素、オキソノール色素、フィコエリトリン、エリスロシン、エオシン、ローダミン色素(例えば、カルボキシテトラメチルローダミンまたはTAMRA、カルボキシローダミン6G、カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、リサミンローダミンB、ローダミン6G、ローダミングリーン、ローダミンレッド、テトラメチルローダミン(TMR)など)、クマリンおよびクマリン色素(例えば、メトキシクマリン、ジアルキルアミノクマリン、ヒドロキシクマリン、アミノメチルクマリン(AMCA)など)、Oregon Green色素(例えば、Oregon Green 488、Oregon Green 500、Oregon Green 514.など)、Texas Red、Texas Red−X、SPECTRUM RED(商標)、SPECTRUM GREEN(商標)、シアニン色素(例えば、CY−3(商標)、CY−5(商標)、CY−3.5(商標)、CY−5.5(商標)など)、ALEXA FLUOR(商標)色素(例えば、ALEXA FLUOR(商標)350、ALEXA FLUOR(商標)488、ALEXA FLUOR(商標)532、ALEXA FLUOR(商標)546、ALEXA FLUOR(商標)568、ALEXA FLUOR(商標)594、ALEXA FLUOR(商標)633、ALEXA FLUOR(商標)660、ALEXA FLUOR(商標)680など)、BODIPY(商標)色素(例えば、BODIPY(商標)FL、BODIPY(商標)R6G、BODIPY(商標)TMR、BODIPY(商標)TR、BODIPY(商標)530/550、BODIPY(商標)558/568、BODIPY(商標)564/570、BODIPY(商標)576/589、BODIPY(商標)581/591、BODIPY(商標)630/650、BODIPY(商標)650/665など)、IRDye(例えば、IRD40、IRD700、IRD800など)などが挙げられる。適切な蛍光色素のさらなる例、ならびに蛍光色素をタンパク質およびペプチドなどの他の化学的実体とカップリングするための方法に関しては、例えば、「The Handbook of Fluorescent Probes and Research Products」、第9版、Molecular Probes, Inc.、Eugene、ORを参照されたい。蛍光標識化剤の好都合な性質としては、モル吸収係数が高いこと、蛍光量子収率が高いこと、および光安定性が挙げられる。一部の実施形態では、標識化フルオロフォアは、スペクトルの紫外線領域(すなわち、400nm未満)ではなく、可視(すなわち、400nmから750nmまでの間)の吸収波長および放出波長を示す。
検出可能な部分は、例えば蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)においてなど、2つ以上の化学的実体を含んでよい。共鳴移動の結果、発光強度が全体的に増強される。例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるJuら.(1995年)Proc. Nat’l Acad. Sci.(USA)92巻:4347頁を参照されたい。適切な検出可能な部分は、二本鎖DNA/RNAと結合すると劇的に蛍光が増強される挿入DNA/RNA色素であってよい。適切な色素の例としては、これだけに限定されないが、SYBR(商標)およびPico Green(Molecular Probes, Inc. Eugene、Oreg)、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、クロモマイシン、アクリジンオレンジ、Hoechst 33258、Toto−1、Yoyo−1、およびDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール塩酸塩)が挙げられる。挿入色素の使用に関する追加的な考察は、その全体が参照によって組み込まれるZhu ら、Anal. Chem. 66巻:1941〜1948頁(1994年)により提供される。
ある特定の実施形態では、検出可能な部分は酵素である。適切な酵素の例としては、これだけに限定されないが、ELISAにおいて使用される酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ベータガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼなどが挙げられる。他の例としては、ベータグルクロニダーゼ、ベータ−D−グルコシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼなどが挙げられる。酵素は、例えばカルボジイミド、ジイソシアナート、グルタルアルデヒドなどのリンカー基を使用して分子とコンジュゲートすることができる。
放射性同位元素
ある特定の実施形態では、検出可能な部分は放射性同位元素である。例えば、分子を同位体で標識化する(すなわち、天然で通常見いだされる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられた1つまたは複数の原子を含有させる)こともでき、同位元素を分子に付着させることもできる。分子に組み入れることができる同位元素の非限定的な例としては、水素、炭素、フッ素、リン、銅、ガリウム、イットリウム、テクネチウム、インジウム、ヨウ素、レニウム、タリウム、ビスマス、アスタチン、サマリウム、およびルテチウムの同位元素(すなわち、H、13C、14C、18F、19F、32P、35S、64Cu、67Cu、67Ga、90Y、99mTc、111In、125I、123I、129I、131I、135I、186Re、187Re、201Tl、212Bi、213Bi、211At、153Sm、177Lu)が挙げられる。
一部の実施形態では、標識化されたデンドリマーを検出可能な部分として使用してシグナル増幅を達成する(例えば、Physiol Genomics 3巻、93〜99頁、2000年を参照されたい)、その内容全体について、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。蛍光標識化されたデンドリマーはGenisphere(Montvale、N.J.)から入手可能である。これらは、当技術分野で公知の方法によってオリゴヌクレオチドプライマーと化学的にコンジュゲートすることができる。
増幅された標識化された標的核酸の再捕捉
一部の実施形態では、次いで、増幅産物を、再捕捉用プローブとともにインキュベートすることができ、その結果、増幅された1つまたは複数の標的核酸を検出し、かつ/または分析することができる。一般に、再捕捉用プローブは、捕捉用プローブと同様に、増幅された標的核酸に特異的に結合するように設計することができる。一部の実施形態では、再捕捉用プローブのそれぞれが単一の標的捕捉配列を含有し、1つの別個の標的核酸に特異的に結合する。一部の実施形態では、再捕捉用プローブのそれぞれが複数の別個の標的捕捉配列を含有し、複数の別個の標的核酸に結合し得る。一部の実施形態では、再捕捉用プローブは捕捉用プローブと同一である。一部の実施形態では、捕捉用プローブを使用して、増幅された標的核酸を再捕捉することができる。捕捉用プローブと同様に、再捕捉用プローブの標的化捕捉配列は標的核酸と実質的に相補的である。一部の実施形態では、再捕捉用プローブの標的捕捉配列は、標的核酸に対して1つまたは複数のミスマッチ塩基を含有してよい。
再捕捉用プローブのサイズは、標的−プローブ複合体の望ましい融解温度または必要な標的識別の特異性に左右され得る。一部の実施形態では、適切なプローブは、約10〜70ヌクレオチド(例えば、10〜60、10〜50、10〜40、10〜30、10〜25、10〜20、15〜70、15〜60、15〜50、15〜40、15〜30、15〜25、20〜70、20〜60、20〜50、20〜40、20〜30ヌクレオチド)を含有する。特異的なプローブを設計するために、当技術分野において利用可能な種々の方法およびソフトウェアを使用することができる。
本発明による核酸プローブとしては、天然のヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)、ヌクレオシド類似体(例えば、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、C5−プロピニルシチジン、C5−プロピニルウリジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、および2−チオシチジン)、化学修飾された塩基、生物学的に修飾された塩基(例えば、メチル化塩基)、挿入された塩基、修飾された糖(例えば、2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース)、または修飾されたリン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5’−N−ホスホラミダイト連結)を挙げることができる。
再捕捉用プローブを本明細書に記載の種々の担体(例えば、ヒドロゲル粒子)に付着させるまたは包埋することができる。一部の実施形態では、生じたアンプリコンの配列は元の適合させた核酸標的と同一になるので、元の標的捕捉粒子を、生じたアンプリコンを結合させるために使用することができる。この方法により、各PCRサイクルにより追加的な産物分子が生じるので、調整可能な程度の増幅がもたらされる。この方法を用いると、それぞれに単一または非常に少数のプライマー対(例えば、5対未満、4対未満、3対未満、または2対未満)を使用するので、PCR増幅反応の複雑さの増大を伴わずに多重の特異的な捕捉反応を並行して実行することができる。
一般には、増幅後に、ストリンジェントな条件を使用して、増幅された標的核酸を再捕捉する。種々のストリンジェントな条件は、本明細書全体にわたって記載されており、また、当技術分野で周知である。少なくとも所望のレベルの相補性を有する配列は安定にハイブリダイズするが、より低い相補性を有する配列はハイブリダイズしないように、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーをどのように推定し調整するかは当業者には理解される。ハイブリダイゼーション条件およびパラメータの例に関しては、例えば、Sambrookら、1989年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Y.;Ausubel, F. M.ら、1994年、Current Protocols in Molecular Biology. John Wiley & Sons、Secaucus、N.Jを参照されたい。一部の実施形態では、再捕捉条件は、試料中の標的核酸を捕捉するための最初の条件よりも実質的によりストリンジェントなものである。
検出および定量化
種々の方法を使用して標的核酸を検出、定量化および/または分析することができる。一般には、標的核酸は、再捕捉された増幅された標的核酸と結びついた検出可能な実体によって生じるシグナルを検出することによって検出することができる。一部の実施形態では、プローブと物理的に結びついた実体(例えば、検出可能な部分)からシグナルが発せられ、その時にシグナルが検出される。一部の実施形態では、プローブと物理的に結びついていない実体からシグナルが発せられ、その時にシグナルが検出される。一部の実施形態では、標的核酸の量は、検出されたシグナルの量を参照または対照と比較して定量化することによって決定することができる。
一部の実施形態では、検出可能なシグナルは、例えば、蛍光シグナルまたは発光シグナルなどの光学的シグナルである。種々のデバイスを使用して標的核酸に結びついたシグナルを検出することができる。一般には、シグナルは光学的シグナルであり、光学検出器が使用される。光学検出器は、フォトダイオード(例えば、アバランシェフォトダイオード)、例えば光電子増倍管、顕微鏡、および/またはビデオカメラ(例えば、電荷結合素子(CCD)カメラ)に導く光ファイバー光ガイド、またはフローサイトメーターなどのフロースルーデバイスのうちの1つまたは複数を含み得る。
多機能性物体の特徴付けおよび定量化のための例示的な方法および装置は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願第PCT/US13/29854号および米国特許出願公開第2013/0244909号において考察されている。
ある特定の実施形態では、シグナルを、当技術分野で公知の標準のソフトウェアを使用して数値に変換する。一部の実施形態では、シグナル(またはシグナルを表す数値)をバックグラウンドシグナルに基づいて正規化する。これだけに限定されないが、GENEPIX PRO(商標)4.0.1.12 software(Axon Instruments、USA)、Feature Extraction(Agilent)、Matlab(Mathworks)などを含めた当技術分野で公知の種々のソフトウェアプログラムのいずれかを使用して本明細書に記載の通りシグナルを解析することができる。本明細書に記載の多機能性粒子からフローサイトメーターによって検出されたシグナルを変換および定量化するための例示的なソフトウェアプログラムは、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際出願第PCT/US13/29854号に記載されている。
適用
本発明は、種々の適用に使用することができる。例えば、本発明は、生体試料中の標的核酸(例えば、マイクロRNA、DNAまたはmRNA)の検出または定量化に基づいて疾患、障害または状態の診断および予後のために使用することができる。一部の実施形態では、捕捉された標的核酸を核酸ライブラリーの生成および/または配列決定のために使用することもできる。本発明の例示的な適用は、以下および実施例の節で詳述されている。
診断
一部の実施形態では、本発明を使用して、これだけに限定されないが、がん(例えば、肺がん、乳がん、胃がん、膵がん、リンパ腫、白血病、結腸がん、肝臓がんなど)、糖尿病、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、感染症、および遺伝病を含めた種々の疾患を診断または予後判定することができる。
本発明によって検出および/または決定することができる代表的な細菌性感染因子としては、これだけに限定されないが、Escherichia coli、Salmonella、Shigella、Klebsiella、Pseudomonas、Listeria monocytogenes、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium aviumintracellulare、Yersinia、Francisella、Pasteurella、Brucella、Clostridia、Bordetella pertussis、Bacteroides、Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumonia、B−Hemolytic strep.、Corynebacteria、Legionella、Mycoplasma、Ureaplasma、Chlamydia、Neisseria gonorrhea、Neisseria meningitides、Hemophilus influenza、Enterococcus faecalis、Proteus vulgaris、Proteus mirabilis、Helicobacter pylori、Treponema palladium、Borrelia burgdorferi、Borrelia recurrentis、Rickettsial pathogens、Nocardia、およびAcitnomycetesが挙げられる。
本発明によって検出および/または決定することができる代表的な真菌性感染因子としては、これだけに限定されないが、Cryptococcus neoformans、Blastomyces dermatitidis、Histoplasma capsulatum、Coccidioides immitis、Paracoccidioides brasiliensis、Candida albicans、Aspergillus fumigautus、Phycomycetes( Rhizopus )、Sporothrix schenckii、Chromomycosis、およびMaduromycosisが挙げられる。
本発明によって検出および/または決定することができる代表的なウイルス性感染因子としては、これだけに限定されないが、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(human T−cell lymphocytotrophic virus)、肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス)、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルス、オルソミクソウイルス、パラミクソウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、ポリオウイルス、トガウイルス、ブニヤウイルス、アレナウイルス、風疹ウイルス、およびレオウイルスが挙げられる。
本発明によって検出および/または決定することができる代表的な寄生生物因子としては、これだけに限定されないが、Plasmodium falciparum、Plasmodium malaria、Plasmodium vivax、Plasmodium ovale、Onchoverva volvulus、Leishmania、Trypanosoma spp.、Schistosoma spp.、Entamoeba histolytica、Cryptosporidum、Giardia spp.、Trichimonas spp.、Balatidium coli、Wuchereria bancrofti、Toxoplasma spp.、Enterobius vermicularis、Ascaris lumbricoides、Trichuris trichiura、Dracunculus medinesis、trematodes、Diphyllobothrium latum、Taenia spp.、Pneumocystis carinii、およびNecator americanisが挙げられる。
本発明は、感染因子による薬物耐性を検出および/または決定するためにも有用であり得る。例えば、バンコマイシン耐性Enterococcus faecium、メチシリン耐性Staphylococcus aureus、ペニシリン耐性Streptococcus pneumoniae、多剤耐性Mycobacterium tuberculosis、およびAZT耐性ヒト免疫不全ウイルスを、本発明を用いて同定することができる。
遺伝病も本発明のプロセスによって検出および/または決定することができる。これは、染色体異常および遺伝子異常または遺伝病についての出生前スクリーニングまたは出生後スクリーニングによって行うことができる。検出可能な遺伝病の例としては、これだけに限定されないが、21水酸化酵素欠損症、嚢胞性線維症、脆弱X症候群、ターナー症候群、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ダウン症候群または他のトリソミー、心疾患、単一遺伝子疾患、HLAタイピング、フェニルケトン尿症、鎌状赤血球貧血、テイ・サックス病、サラセミア、クラインフェルター症候群、ハンチントン病、自己免疫疾患、リピドーシス、肥満性異常(obesity defect)、血友病、先天性代謝異常、および糖尿病が挙げられる。
本発明のプロセスによって検出および/または決定することができるがんは、一般に、癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、またはDNA増幅、複製、組換え、もしくは修復に関与する遺伝子を伴う。これらの例としては、これだけに限定されないが、BRCA1遺伝子、p53遺伝子、APC遺伝子、Her2/Neu増幅、Bcr/Ab1、K−Ras遺伝子、ならびにヒトパピローマウイルス16型および18型が挙げられる。本発明の種々の態様を使用して、以下の一般的なヒトのがんにおける上記の遺伝子の増幅、大きな欠失ならびに点変異および小さな欠失/挿入を同定することができる:白血病、結腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、脳腫瘍、中枢神経系の腫瘍、膀胱腫瘍、黒色腫、肝臓がん、骨肉腫および他の骨がん、精巣癌および卵巣癌、頭頸部腫瘍、ならびに頸部新生物。
環境モニタリングの領域において、例えば、天然の生態系およびミクロ生態系ならびに操作された生態系およびミクロ生態系において、例えば、自治体の廃水精製システムおよび貯水器において、またはバイオレメディエーションを受けている汚染地域において、病原性微生物および土着の微生物を検出、同定、およびモニタリングするために本発明を使用することができる。集団動的試験において、特定の標的微生物をモニタリングするために、または、環境において、および工業プラントにおいて、遺伝子改変された微生物を検出、同定、またはモニタリングするために生体異物を代謝し得る遺伝子を含有するプラスミドを検出することも可能である。
本発明はまた、例えば、軍人および犯罪捜査に関するヒト同定、父系試験および家族関係分析、HLA適合性タイピング、および血液、精子、または移植用臓器のコンタミネーションに関するスクリーニングを含め、種々の法医学な領域においても使用することができる。
食品および飼料の産業において、本発明は多種多様な適用を有する。例えば、本発明を、ビール、ワイン、チーズ、ヨーグルト、パンなどを生産するための酵母などの生産用生物体の同定および特徴付けのために使用することができる。別の使用の領域は、品質管理ならびに生産物および加工(例えば、家畜、低温殺菌、および食肉加工)の混入物に関する証明に関するものである。他の使用としては、育種目約での植物体、鱗茎、および種子の特徴付け、植物に特異的な病原体の存在の同定、ならびに獣医学上の感染の検出および同定が挙げられる。
配列決定
ライブラリー構築および試料の調製が依然として配列決定の広範にわたる臨床的採用における2つの主要な障害になっている。本発明は、サイズが制御され、それぞれが所望のプラットフォームに特異的なPCRアダプターおよび/または試料をプールするための配列バーコードを担持するライブラリーを生成するために適合させることができる。この方法は、断片化されたDNAから、またはRNAから直接ライブラリーを生成するために適している。
一実施形態では、固体または半固体の支持体の多重混合物を目的の生体試料と直接混合する。捕捉用プローブの3’末端および5’末端上にアダプターに特異的な領域を有するランダムな配列または標的特異的配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを担持する固体または半固体の支持体を目的の生体試料と混合する。捕捉後に、粘着末端または平滑末端ライゲーションステップを、特異的なリガーゼ酵素を用いて実施する。この後、限定されたPCRまたはPCR様反応を行い、これにより、結合した分子が増幅されるが、標的種の相対的な存在量は保持される。
RNAの調製に関しては、結合したRNA−DNAハイブリッドをDNAアンプリコン産物に変換するために、逆転写活性を有するポリメラーゼ、または逆転写酵素を使用しなければならない。限定されたPCRサイクリングの後、増幅産物を収集し、定量化し、試料調製物を配列決定するためのインプットとして直接使用することができる。これは、エマルジョンPCR(Ion Torrent PGM(商標)、Ion Torrent Proton(商標)、Roche 454(商標))またはブリッジPCR(Illumina(商標))などの反応を含む。プライマーの設計およびアダプターの設計を変更することにより、ライブラリーを、これらの配列決定プラットフォームのいずれかにおいて動作するように、または特異的なバーコード配列を核酸アダプターに含めることによって試料多重化が可能になるように改変することができる。この方法により、ヒドロゲルの孔径および捕捉オリゴヌクレオチドの設計によるサイズ選択がもたらされ得、また、RNAから、または限られた出発材料を伴う試料から、特異的な逆転写反応を伴わずに直接ライブラリーを調製することが可能になる。さらに、いくつかのヒドロゲル担体(ポリエチレングリコール、アルギナート、キトサン、ポリ乳酸/グリコール酸)は生体不活性または非汚損性であるので、これらの担体を、精製されていないまたは最小限の精製がなされた生体試料から核酸を捕捉するために使用することができる。
実施例1:マイクロRNAの捕捉およびシグナル増幅
この実施例では、例示的な粒子によりマイクロRNAを捕捉することができること、および、それらのシグナルをPCRまたはPCR様反応および蛍光産物の生成によって増幅することができることが実証される。例示的な方法が以下に詳述されている。
マイクロRNAは、真核生物において大多数の遺伝子を調節することが示されている低分子RNAバイオマーカーの新興のクラスである。これらのRNA分子は、血液中で高度に安定であることも示されている。いくつかの新興の技術により、マイクロRNAを多重化形式で正確に検出し、定量化することが試みられてきたが、多くの技術には、感度が不十分である、多重化が低度である、または試料処理量が少ないという欠点がある。上で概説されている方法は、これらのおよび他の低分子RNAマーカーの超高感度検出によく適するものである。この実施形態では、固体または半固体支持体は、それぞれが独自のエンコーディングおよび捕捉用プローブを担持するヒドロゲル粒子の1つまたは複数の型の混合物を含む。マイクロRNA標的を上記の通り捕捉し、ライゲーション反応によって適合させる。これにより、DNA−RNAキメラ分子がもたらされる。この分子は、逆転写活性を有する酵素を利用することにより、PCRまたはPCR様反応によって増幅することができる。蛍光リバースプライマーを使用し、かつ反応条件を一本鎖産物の方向にバイアスをかけることによって、最初の適合させたマイクロRNA−DNAキメラ標的と同一の配列を有するssDNA産物を相当量生じさせることが可能である。
反応に蛍光一本鎖DNA産物の方向に選択的にバイアスをかけるために、リバース蛍光プライマーのフォワード非蛍光プライマーに対する比率を高くして使用することができる。フォワードプライマーが完全に消費されると、反応は蛍光リバースプライマーのみを用いて産物を生じ続けることになる。一本鎖産物を作製するための別の方法は、蛍光リバースプライマーよりも融解温度が低いフォワードプライマーを設計することによるものである。PCRサイクリング条件は、サイクルが対称的に開始され、両方のプライマーがハイブリダイズし、二本鎖DNA産物が形成されるように設定することができる。設定したサイクル数の後、アニーリング温度を上昇させるべきであり、それにより、蛍光リバースプライマーのみが伸長し、反応に蛍光一本鎖産物の方向のバイアスがかかる。この産物は、PCR反応の間、または制御されたハイブリダイゼーション条件を用いた最終的なインキュベーションの間に半固体のヒドロゲル粒子支持体上に特異的に捕捉される。限定されたPCRサイクルにより、結合したマイクロRNA標的それぞれの100〜1000倍の増幅がもたらされることが示されている。この反応は、単一のプライマー対を用いて1種のマイクロRNA標的から1000種超のマイクロRNA標的まで多重化することができる。これにより最小のプライマー−プライマー相互作用またはプライマー−プローブ相互作用がもたらされ、オフターゲットの産物形成が最小化される。
この多重化マイクロRNA検出方法の例が図1および図2に例示されている。この方法は、piwi相互作用RNA(piRNA)、siRNA、およびrasiRNAを含めた他の低分子RNAに完全に適する。
プローブ
ヒドロゲル粒子は、Pregibon、Doyleらによって開発されたストップフローリソグラフィーによって作製し、その結果、桿形状の粒子が作出され、それぞれが独自のDNAプローブおよび蛍光コードを含有する。各DNAプローブは、特異的な低分子RNAと相補的な領域、および、全てのプローブに共通する5’末端と3’末端の両方の隣接領域からなる。
ハイブリダイゼーション
Firefly Plasma/Serum(PS)プロトコールを実行するための調製物では、PCRコンタミネーションを最小限にするために、全ての作業面を、最良の実施を反映する様式で調製することが重要である。これらとしては、これだけに限定しなくてもよいが、作業面を漂白し、次いでUVに少しの間曝露する、または作業面をLookOut DNA Erase(Sigma)などのDNA除去洗浄剤できれいにすることが挙げられる。常にフィルターチップを使用するべきである。
このアッセイの第1のステップは、粒子マスターミックスを、繰り返し反転させ、ボルテックスして十分に再懸濁させることである。粒子35μlをフィルタープレート(Millipore、MSBVN1210)の各実験ウェルに、確実にミックスが十分に懸濁したままになるように分注の間に繰り返し混合しながら添加する。次いで真空圧をフィルタープレートに適用していかなる液体も除去し、粒子はウェル中に残す。特異的なハイブリダイゼーションが促進されるように配合したハイブリダイゼーション緩衝液25μlを各ウェルに添加し、その後、定量化される、miRNAを含有する試料25μlを添加する。この混合物を37℃で90分インキュベートして、相補的なmiRNAを、粒子と結合したプローブに十分に結合させる。ハイブリダイゼーション後、200μlのRinse Solutionを用いて粒子を2回洗浄して、プローブ分子と安定な二重鎖を形成していない非相補的RNAおよび部分的に相補的なmiRNAを除去する。
標識化
ハイブリダイゼーション後、粒子をライゲーション溶液75μlに再懸濁させ、室温で1時間振とうする。ライゲーション溶液は、Tris−EDTA、T4 RNAリガーゼ2、ATP、MgCl2、Tween−20、グリセロール、5’アダプターおよび3’アダプターからなる。5’アダプター配列は、rGrCrUrArGrUrCrCrUrArUrGrCrArArUrGrUrCrArUrArArArUrArUrArArArU(配列番号1)、CCTATGCAATGTCArUrArArArUrArUrArArArU(配列番号2)、GGCTGAGTGCAGTGCGAGrArArArUrArUrArArArU(配列番号3)およびGGTTGGCCACGTGACTTGATCTTrArArArUrArUrArArArU(配列番号4)を含む。配列番号1〜4において、G、C、AまたはUの前の「r」はリボヌクレオチドを指す。3’アダプター配列は、
/5Phos/TAATAAAATATATCCGTCGATAAGCGGATCTATC(配列番号5)、
/5Phos/TAATAAAATATATCCGTCGATAAGCG(配列番号6)、
/5Phos/TTTAAAATATATCCGTCGATAAGCG(配列番号7)、
/5Phos/TAATAAAATATATCCGTCGATAAGCG(配列番号8)、および
/5Phos/TTTAAAATATATCAAGCGTCAATTAGCGCGA(配列番号9)。
を含む。
その後、粒子を、Tris−EDTA、pH7.4および2−ピロリドンを含有するストリンジェントなPre−PCR−Buffer、200μlを用いて2回洗浄し、その後、水、tween−20、Tris−EDTAおよび2−ピロリドンのRinse Solution、200μlを用いて1回洗浄する。これらの洗浄により、ライゲーションしていないアダプターオリゴを除去する。次いで、95℃のRNAseを含まないHO、60μlを各フィルターウェルに添加する。これを30秒静置する。吸引を使用して、溶離液を濾過してPCRストリップにする。残りの粒子を伴うプレートを覆い、PCR後に必要になるまで4℃で保管する。
増幅
前のステップからの溶離液30μlをPCRマスターミックス20μlに添加することによってPCRを実施する。このPCRマスターミックスは、PCR Buffer、フォワードプライマー、リバースプライマー、dNTP、およびPyrophage Exo(−)ポリメラーゼ酵素からなる。
フォワードプライマー配列は、/5Cy5/GCTAGTCCTATGCAATGTCAT(配列番号10)、/5Cy5/GCTAGTCCTATGCAATGTCATAAA(配列番号11)、
/5Cy5/CCTATGCAATGTCATAAATATAAAT(配列番号12)、
/5Cy5/GGCTGAGTGCAGTGCGAGAAA(配列番号13)、および
/5Cy5/GGTTGGCCACGTGACTTGATCTT(配列番号14)を含む。
リバースプライマー配列は、GATAGATCCGCTTATCGACG(配列番号15)、GATAGATCCGCTTATCGACGGAT(配列番号16)、
CGCTTATCGACGGATATATTTTATTA(配列番号17)、
CGCTTATCGACGGATATATTTTAAA(配列番号18)、
CGCTTATCGACGGATATATTTTATTA(配列番号19)および
TCGCGCTAATTGACGCTT(配列番号20)を含む。
あるいは、マスターミックスは、75%〜25%のdTTPをdUTPで置き換えたものであってよく、1μlのH2Oを1μlのCOD−UNG(Arcticzymes)で置き換える。PCRマスターミックスおよび溶離液を徹底的に混合し、サーモサイクラーを使用し、標準のPCRサイクリングを用いて標的を増幅する。
再捕捉
PCR反応が完了したすぐ後に、ヒドロゲル粒子を含有するフィルタープレートを室温に戻し、再ハイブリダイゼーション緩衝液(1MのNaCl、5×TE、pH8.0、50%2−ピロリドンからなる)100μlを、粒子を含有する各ウェルに添加し、PCR産物40μlも添加する。この混合物を37℃で30分振とうして、標識化された産物と粒子をハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション後、200μlのRinse Solutionを用いて粒子を2回洗浄する。最後に、密度を釣り合わせたRun Buffer、175μlを各ウェルに添加し、試料を適切なフローサイトメーターに流す。
走査および分析
最終的なアンプリコン測定は、エンコーディングされた微小粒子をフローサイトメーター(例えば、Guava 8HTフローサイトメーターなど)を介して走査するか、またはマイクロアレイリーダーなどの標準の器械使用において蛍光コードをデコンボリューションすることにより行うことができる。
結果
合成マイクロRNAでの検出限界
既知濃度でアッセイした合成マイクロRNA標的を使用して、この多重化PCRカップリングハイブリダイゼーションアッセイの絶対的な性能を評価した。下記の図3のデータにより、このアッセイの検出限界が、使用するサイクリング条件で試料当たり100分子までの低さであり得ることが実証される。
調整可能なエンドポイントアッセイ
多重化PCRカップリングハイブリダイゼーションアッセイからの増幅の程度は、サイクル数によって調整することができる。図4のデータは、サイクル数の増加を伴う、3つの検出された標的および3つの検出されなかった標的についてのシグナルを示すものである。これにより、このアッセイによって網羅される感度およびダイナミックレンジを必要に応じてシフトさせることができることが示される。
交差プラットフォーム比較
以下ではFirefly HS’’と称される多重化PCRカップリングマイクロRNAアッセイを用いて、3つの組織型:肺、脳、および胎盤から単離したRNAにわたってのマイクロRNAプロファイルを測定した。これらの結果を、IlluminaプラットフォームでのRNA−Seq、Taqman qPCR(TLDA カード形式)、およびマイクロアレイ解析によってもたらされたプロファイルと直接比較した(図5を参照されたい)。3連の測定値により、使用した異なる解析方法間で適切にクラスター形成する堅固なプロファイルが実証される。各方法間のピアソン相関が図5に示されている。
インプット量
脳組織から単離した全RNAを、PCRカップリングハイブリダイゼーションアッセイを用いて2 logの全RNAインプットにわたってアッセイした。図6において実証されている通り、100ナノグラム、10ナノグラム、および1ナノグラムの全RNAインプットで、選択されたマイクロRNA標的のパネルについて堅固なプロファイルを得た。シグナルの大きさはRNAインプットが減少すると小さくなった。しかし、平均正規化を適用した場合のマイクロRNAプロファイルは事実上同一であった。種々の試料インプットにわたるR平方相関は0.9574から0.9894の間であることが見いだされ、これにより、種々のレベルのRNAインプットについて高レベルの一致が示される。
血清RNA由来のマイクロRNAのプロファイリング
ヒト血清から単離したRNAを30種のマイクロRNA標的について新規のPCRカップリングアッセイを用いて3連でアッセイした。図7に示されている結果により、血清試料からほとんど全ての標的マイクロRNAが検出されたので、このアッセイが血清試料中の低分子RNA分子の存在量を測定するためによく適していることが実証される。
血清からの直接mRNAプロファイリング
臨床的な状況において循環核酸バイオマーカーを広範にわたって採用することの主要な障壁は依然として、組織および生体液からのRNAの有機抽出に付随する時間および労力である。これは、依然として、抽出によって除去しなければならない混入物および潜在的なPCR阻害剤に起因して、最新のアッセイの要件になっている。この新規のPCRカップリングハイブリダイゼーションアッセイでは、非汚損性ヒドロゲル粒子を利用して、低分子RNA標的が複合試料からさえも選択的に捕捉される。したがって、この方法では、粗製のまたは最小限の精製がなされた試料をインプットとして採り入れることができる。この概念を試験するために、プロテイナーゼK、界面活性物質、およびカオトロピック塩を含有する緩衝液を様々な量の血清に直接添加した。この緩衝液は、RNA関連タンパク質およびエキソソームを破壊する機能、ならびにRNAseの活性を阻害する機能を果たす。図8に示されている通り、このアッセイから得られたデータにより、わずか1マイクロリットルの粗製血清から堅固なマイクロRNA測定を行うことができることが示唆される。図8には、5マイクロリットル、2マイクロリットル、および1マイクロリットルの粗製血清インプットから行ったマイクロRNA測定が示されている。これにより、このアッセイを使用して、循環マイクロRNAマーカーを最小限の精製がなされた試料からさえ検出することができることが実証される。
実施例2.mRNAの捕捉およびシグナル増幅
この実施例では、例示的な粒子によりmRNAを捕捉し、それらのシグナルをPCRまたはPCR様反応および蛍光産物の生成によって増幅することができることが実証される。例示的な方法が下に記載されている。
mRNA分子は、重要な、タンパク質をコードする転写物である。これらのRNAは、一般には、キロベース長であり、他の転写物分子よりも比較的少ないコピー数で存在する。これらの遺伝子転写物は、コピー数が少なく、分解速度が大きく、また、ヒト単独でタンパク質をコードするmRNAを20,000種超有するという事実があるので、これらの発現を測定するためには高感度の多重化された方法が必要である。これらおよび他のより長い転写産物を捕捉および測定するために上記の方法を改変することができる。さらに、目的のmRNA標的それぞれを捕捉するために、それぞれが独自の捕捉用プローブを担持する多重の固体または半固体支持体を利用することができる。ライゲーション反応を使用して、捕捉されたmRNA分子それぞれの5’末端を短い普遍的なオリゴヌクレオチドと適合させる。蛍光ポリTフォワードプライマーおよびライゲーションされた普遍的なリバースプライミング部位を使用する多重化PCR反応を使用して、結合したmRNA分子全体を特異的に増幅することができる。反応に一本鎖産物形成の方向にバイアスをかけることにより、元の捕捉されたmRNA標的の蛍光タグを付けた一本鎖コピーを多く生じさせることが可能になる。適合させたRNA分子を増幅するために、逆転写活性を有するPCRポリメラーゼを使用することが必要になる。これには、多重のmRNA標的からシグナルを増幅するために単一のプライマー対を使用する利点がある。
図9には、ポリ(T)プライマーを使用した捕捉、修飾、および増幅を伴うmRNAの検出が例示されている。単一のアダプターをmRNA種の5’末端にライゲーションし、アダプター領域内のプライマー配列およびポリ(A)mRNA尾部に対するプライミングのためのポリ(T)領域を含有するプライマー配列を用いて普遍的な増幅を実施する。
あるいは、この方法では、mRNAに特異的なプローブの代わりに、それぞれが単一のmRNA特異的プライマーを含有するヒドロゲル微小粒子を使用することができる。これにより、PCR反応においてプライマーを含む粒子が直接生じる、一ステップ反応がもたらされる。PCRサイクリングの終わりに、最終的な二本鎖PCRアンプリコンは必然的に大部分がヒドロゲル微小粒子に付着している。
これらの多重化mRNAアッセイの終わりに、結合したmRNA標的分子それぞれによって生じるシグナルを、エンコーディングされた微小粒子ライブラリーをフローサイトメーターによって走査することによって測定することができる。あるいは、各粒子型からのシグナルを評価するために、マイクロアレイリーダーまたは蛍光顕微鏡を使用することができる。
実施例3.lncRNA検出およびシグナル増幅
この実施例では、例示的な粒子により、lncRNAを捕捉し、それらのシグナルをPCRまたはPCR様反応および蛍光産物の生成によって増幅することができることが実証される。例示的な方法が下に記載されている。
lincRNAを含めた追加的なより長い非コードRNA転写物に対する生命科学研究者および臨床分子研究者の関心が高まっている。マイクロRNAおよび他の低分子RNA標的に関する上記の方法をより長いRNA標的に適合させることができる。100ヌクレオチドよりも大きな合成オリゴヌクレオチドは直ちに複合体になり、製造に費用がかかるので、これらの標的には代替のプローブ設計が必要になる。図10において例示されているように、標的長鎖RNAの3’末端と5’末端の両方を捕捉し、RNA標的の大半をループコンフォメーションまたは小球コンフォメーションのままにすることにより、普遍的なオリゴヌクレオチドアダプターをより長い転写物の各末端にライゲーションすることが可能である。次いで、以前に記載されている通り反応を進行させることができる。単一の普遍的なフォワードプライマーおよび単一の蛍光リバースプライマーを使用して、反応の複雑さの増大を伴わずに多重の捕捉された転写物を増幅することができる。この方法を実施例1と組み合わせ、したがって、大きな転写物種と小さな転写物種の両方を同じ反応で検出することができる。最終的なアッセイ読み取りを、1つまたは複数の画定された領域内に転写物に特異的なプローブを含有する元のエンコーディングされた捕捉粒子をフローサイトメーターによって走査することによって実施することができる。あるいは、エンコーディングされた粒子をデコーディングし、標的シグナルをアレイスキャナーまたは蛍光顕微鏡によって測定することができる。
実施例4.ヌクレアーゼ消化を使用した核酸量子化
この実施例では、核酸量子化において本発明と併せてヌクレアーゼ消化を使用することができることが実証される。例示的な方法が下に記載されている。
ヌクレアーゼは、ホスホジエステル結合を切断することによって核酸を消化する酵素である。これらの酵素は多種多様な活性を示し、RNAまたはDNAに対する特異性、一本鎖種または二本鎖種に対する特異性、および核酸基質の中間の部位または最後の部位に対する特異性を示す。ヌクレアーゼは、それらの活性の特異性が理由で、核酸調製および/または検出において有効に使用することができる。検出の1つの例はヌクレアーゼ保護アッセイである。この方法では、(1)目的の配列と相補的な蛍光標識化したプローブオリゴヌクレオチドを試料とともにインキュベートし、(2)次いで、ヌクレアーゼを使用して二本鎖ではない標的またはプローブの任意の領域を消化し、(3)生じた消化物産物を電気泳動ゲルに流し、そこで、蛍光バンドにより、目的の配列の存在および量が示される。
本発明者らのアッセイとともにヌクレアーゼを使用することにより、より長い標的の内部のオリゴヌクレオチド配列を量子化することが可能になる。まず、試料を粒子と接触させ、標的を十分に相補的なプローブとハイブリダイズさせる。次に、試料を、ヌクレアーゼを用いたヌクレアーゼ消化に供し、そこで、標的RNAまたはDNAの一本鎖末端を消化し、プローブに結合した目的の二本鎖配列のみを残す。次いで、アダプターを消化された標的の末端とライゲーションし、修飾された標的を、蛍光プライマーを用いたPCR増幅に供する。次いで、アンプリコンを粒子とハイブリダイズし、粒子を蛍光について分析して標的を定量化する。
この方法は図11に示されている。この手法は、mRNA、ゲノムDNA、lncRNAなどを含めた事実上あらゆる核酸種を検出するために使用することができる。この例示的な方法では、プローブは、普遍的アダプターに特異的な配列が隣接する標的特異的配列を含有するように設計される。いくつかの場合には、ヌクレアーゼ消化から保護するためにプローブの3’末端を3’リン酸化、反転dT、または同様の修飾で官能化することも有益であり得る。さらに、エンドヌクレアーゼによる消化を回避するためにプローブの内部を修飾することができる。プローブはDNAであってもRNAであってもよく、基質に特異的なヌクレアーゼによる消化が回避されるように選択する。必要であれば、消化の前または消化の間にアダプター配列または他の相補配列をプローブとハイブリダイズすることによってプローブ上のアダプター部位を保護することができる。検出される種がRNAであるかDNAであるかに応じて、いくつかのエキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼを使用することができる。いくつかの例としては、S1ヌクレアーゼ、P1ヌクレアーゼ、RNAseA、RNAseT1、ヌクレアーゼBAL31、RNAseII、エキソリボヌクレアーゼI、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。
実施例5.超高感度ELISA
この実施例では、実施例1に記載の例示的なアッセイをタンパク質検出アッセイに適合し得ることが実証される。例示的な方法が下に記載されている。
サイトカインアッセイおよび他のタンパク質検出アッセイでは、多くの場合、標的タンパク質上の2つの異なるエピトープを特異的に標的化する抗体対を使用する。上記の方法を利用するためにこれらの方法を適合させることができる。それぞれが捕捉抗体および特異的なオリゴヌクレオチド配列を担持するエンコーディングされた固体または半固体の捕捉粒子の多重混合物を目的の生体試料と混合する。タンパク質標的が捕捉されたら、特異的な検出用オリゴヌクレオチドで官能化した、第2のタンパク質に特異的な検出用抗体で標識化する。この検出用オリゴヌクレオチドは、2つのプライマーに特異的な配列を含有する。検出用オリゴヌクレオチドをPCRまたはPCR様反応によって特異的に増幅することができ、それにより、著しい蛍光DNAアンプリコンの形成が導かれる。アンプリコンは、新しい捕捉粒子または元の捕捉粒子の別個の領域内の粒子と結合したオリゴヌクレオチドに特異的に捕捉され、これにより、結合したタンパク質分子それぞれによって生じる蛍光強度が有意に増大する。この方法は、アッセイを単一のウェル内で高度に多重化することができるという点で、他のPCRカップリングイムノアッセイとは別個のものである。上記の通り、フローサイトメーター、または多重化混合物内の個々の種を蛍光により同定可能ないくつかの他の計器でアッセイ読み取りを実施することができる。
実施例6.配列決定ライブラリー構築およびサイズ選択
この実施例では、実施例1に記載の例示的なアッセイを、制御されたサイズの配列決定ライブラリーの構築において使用することができることが実証される。例示的な方法が下に記載されている。
ライブラリー構築および試料の調製が依然として、配列決定を広範にわたって臨床的に採用することにおける2つの主要な障害物になっている。それぞれが所望のプラットフォームに特異的なPCRアダプターおよび/または試料をプールするための配列バーコードを担持する制御されたサイズのライブラリーを生成するために、上記の方法を適合させることができる。この方法は、断片化されたDNAから、またはRNAから直接ライブラリーを生成するために適している。
この実施形態では、固体または半固体の支持体の多重混合物を目的の生体試料と直接混合する。捕捉用プローブの3’末端および5’末端上にアダプターに特異的な領域を有するランダムな配列または標的特異的配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを担持する固体または半固体の支持体を目的の生体試料と混合する。捕捉後に、粘着末端または平滑末端ライゲーションステップを、特異的なリガーゼ酵素を用いて実施する。この後、限定されたPCRまたはPCR様反応を行い、これにより、結合した分子が増幅されるが、標的種の相対的な存在量は保持される。
RNAの調製に関しては、結合したRNA−DNAハイブリッドをDNAアンプリコン産物に変換するために、逆転写活性を有するポリメラーゼ、または逆転写酵素を使用しなければならない。限定されたPCRサイクリングの後、増幅産物を収集し、定量化し、試料調製物を配列決定するためのインプットとして直接使用することができる。これは、エマルジョンPCR(Ion Torrent PGM(商標)、Ion Torrent Proton(商標)、Roche 454(商標))またはブリッジPCR(Illumina(商標))などの反応を含む。プライマーの設計およびアダプターの設計を変更することにより、ライブラリーを、これらの配列決定プラットフォームのいずれかにおいて動作するように、または特異的なバーコード配列を核酸アダプターに含めることによって試料多重化が可能になるように改変することができる。この方法により、ヒドロゲルの孔径および捕捉オリゴヌクレオチドの設計によるサイズ選択がもたらされ得、また、RNAから、または限られた出発材料を伴う試料から、特異的な逆転写反応を伴わずに直接ライブラリーを調製することが可能になる。さらに、いくつかのヒドロゲル担体(ポリエチレングリコール、アルギナート、キトサン、ポリ乳酸/グリコール酸)は生体不活性または非汚損性であるので、これらの担体を、精製されていないまたは最小限の精製がなされた生体試料から核酸を捕捉するために使用することができる。
実施例7.アッセイの例示的な使用
この実施例では、病原体DNAまたはRNAの検出、環境試料中の種の検出、食物混入物の検出、遺伝的バリアントの検出、および医薬品産業のための化合物のハイスループットなスクリーニングを含めた多くの特異的な目的のために、実施例1に記載の例示的なアッセイを使用することができることが実証される。
病原体DNAまたはRNAの検出
バイオセーフティ、疫学的目的または診断目的のために、試料中の特定の病原体由来の低レベルのDNAまたはRNAを検出することが多くの場合に有利である。この目的のために本発明の方法を以下の通り利用することができる:1)標的配列に特異的な浮動性プローブを試料由来の核酸とハイブリダイズさせる。2)アダプターを記載の通り両側面にライゲーションするが、アダプター配列はライゲーション部位の近くの標的DNAにマッチするように設計する。3)上記の通り増幅を実施する。および4)多重検出のために増幅産物をヒドロゲル粒子上に捕捉する。プローブは、関連する病原体の間での標的化された配列の保存の程度に応じて、特定の病原体種に特異的なものであっても、進化クレード全体に特異的なものであってもよい。
環境試料中の種の検出
病原体の検出と同様に、生態学的モニタリングまたは生態学的研究のために、本発明の方法を使用して、環境試料中の関連する種の少量の特定の種またはクレードを検出することができる。
食物混入物の検出
病原体の検出と同様に、食物の安全性および標識化の正確度をモニタリングするために、本発明の方法を使用して、食物試料中の関連する種の少量の特定の種またはクレードを検出することができる。
遺伝的バリアントの検出
病原体の検出に関して上記された実施形態は、ライゲーション部位における一塩基差異に対して感受性である。これにより、医学的目的、法医学的目的、農業に関する目的、および生態学的目的のために、生体試料中の一塩基多型を検出するために適したものになる。任意の他の多型も検出することができる。少数の異常な細胞が多くのより正常な細胞によって遮蔽される腫瘍学的適用において重要な、低レベルの多型を検出することができる。
他の実施形態および等価物
本開示は種々の実施形態または実施例と関連して記載されているが、本開示はそのような実施形態または実施例に限定されるものではない。それどころか、本開示は、当業者に理解される種々の代替物、修飾、および等価物を包含する。したがって、説明、方法および図は、その旨が明示されていない限り、記載されている要素の順序に限定されるものと解釈されるべきではない。
本開示ではある特定の実施形態が記載され、例示されているが、本開示はそれらの特定の実施形態に制限されないことが理解されるべきである。そうではなく、本開示は、機能的な実施形態および/または記載され、例示されている特定の実施形態および特徴の等価物の全てを包含する。

Claims (71)

  1. 標的核酸を検出する方法であって、
    a)試料を、それぞれが少なくとも1つの標的捕捉配列を含む複数の捕捉用プローブを担持する粒子の第1のセットと、前記複数の捕捉用プローブが前記試料中の1つまたは複数の標的核酸を捕捉することを可能にする条件下で接触させるステップ;
    b)前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、検出可能な実体を含む反応混合物中で増幅するステップであって、前記ステップにより、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸が、前記検出可能な実体で標識化される、ステップ;
    c)増幅産物を複数の再捕捉用プローブを担持する粒子の第2のセットとともにインキュベートするステップであって、前記ステップにより、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸が前記複数の再捕捉用プローブによって再捕捉され、ここで、前記粒子の第1のセットと前記粒子の第2のセットが同一である、ステップ;
    d)前記再捕捉された増幅された1つまたは複数の標的核酸と結びついた検出可能な実体によって生じるシグナルを検出するステップであって、前記検出可能なシグナルの存在および/または存在量により、前記試料中の前記1つまたは複数の標的核酸の存在および/または存在量が示される、ステップ
    を含む、方法。
  2. 前記捕捉用プローブのそれぞれが、1つの標的捕捉配列を含み、かつ1つの別個の標的核酸に特異的に結合する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記捕捉用プローブのそれぞれが、複数の別個の標的捕捉配列を含み、かつ複数の別個の標的核酸に結合する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記再捕捉用プローブのそれぞれが、1つの標的捕捉配列を含み、かつ1つの別個の標的核酸に特異的に結合する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記再捕捉用プローブのそれぞれが、複数の別個の標的捕捉配列を含み、かつ複数の別個の標的核酸に結合する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記捕捉用プローブが同一のものであり、前記再捕捉用プローブが同一のものである、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記捕捉用プローブおよび/または前記再捕捉用プローブが担体に結びついている、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記担体が、ヒドロゲル、ガラス、フォトレジスト、シリカ、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、アガロース、キトサン、アルギナート、PLGA、光ファイバー、セルロース、およびその組合せからなる群より選択される材料から作製されている、請求項7に記載の方法。
  9. 前記材料がヒドロゲルである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記担体がパターン化平面担体、マイクロチップ、プラスチック、ビーズ、バイオフィルム、粒子である、請求項7または8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記担体が粒子である、請求項7から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブが前記粒子の1つまたは複数のプローブ領域全体にわたって包埋されている、請求項11に記載の方法。
  13. 前記粒子が、1つまたは複数のエンコーディング領域をさらに含み、前記1つまたは複数のエンコーディング領域が前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブの同一性をもたらす検出可能な部分を担持する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記1つまたは複数の標的核酸がマイクロRNA、mRNA、非コード転写物、ゲノムDNA、cDNA、siRNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記プローブがDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記標的核酸に特異的なプローブが、前記標的核酸と実質的に相補的な標的捕捉配列を含む、請求項1から15までのいずれか一項に記載の方法。
  17. 1つまたは複数のアダプターを前記捕捉された標的核酸とカップリングするステップをさらに含む、請求項1から16までのいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記1つまたは複数のアダプターが普遍的アダプターである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記1つまたは複数のアダプターを、3’末端、5’末端、または3’末端と5’末端の両方で前記標的核酸とカップリングする、請求項18に記載の方法。
  20. 前記1つまたは複数のアダプターがDNA、RNA、DNA/RNAキメラ、またはその組合せである、請求項17から19までのいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記捕捉された標的核酸を、前記1つまたは複数のアダプターのカップリングの前に、まずヌクレアーゼまたは制限酵素によって消化して一本鎖5’領域および/または3’領域を除去する、請求項17から20までのいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記捕捉用プローブのそれぞれが、前記1つまたは複数のアダプターと相補的な配列をさらに含む、請求項17から21までのいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記1つまたは複数のアダプターと相補的な配列が前記標的捕捉配列に隣接している、請求項22に記載の方法。
  24. 前記1つまたは複数のアダプターをライゲーションによって前記標的核酸とカップリングする、請求項17から23までのいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記ライゲーションをDNAまたはRNAリガーゼ酵素によって実施する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記1つまたは複数のアダプターが、ポリメラーゼ連鎖反応プライミング、逆転写、または他のDNA修飾酵素またはRNA修飾酵素による修飾のための部位として働くように特異的に設計された配列を含む、請求項17から25までのいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記捕捉された標的核酸を増幅するステップが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施することを含む、請求項1から26までのいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記PCR反応でTaq、Bst、および/またはPhi29から選択されるポリメラーゼ酵素を使用する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記捕捉された標的を増幅する前に逆転写する、請求項1から28までのいずれか一項に記載の方法。
  30. 逆転写が、逆転写酵素活性を有するポリメラーゼ酵素によって触媒される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記ポリメラーゼ酵素がPyrophageまたはTtHである、請求項30に記載の方法。
  32. 逆転写が1つの酵素によって触媒され、PCR増幅が第2の酵素によって行われる、請求項29に記載の方法。
  33. 前記捕捉された標的核酸を増幅するステップを等温で実施する、請求項1から32までのいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記標的核酸および/または前記1つまたは複数のアダプターをライゲーションまたは酵素的重合によって環状化する、請求項1から33までのいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記PCRを、単一のプライマーセットを用いて実施する、請求項27から34までのいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記PCRを、1種のプライマーを用いて実施する、請求項34に記載の方法。
  37. 前記PCRを、前記担体に付着させたプライマーを用いて実施する、請求項27から36までのいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記PCRを、普遍的プライマー、特異的プライマー、またはポリ(A)プライマーの組合せを使用して実施する、請求項27から37までのいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記検出可能な実体が、フルオロフォア、色素、ビオチン、放射性同位元素、抗体、アプタマー、ポリペプチド、量子ドット、発色団からなる群より選択される、請求項1から38までのいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記検出可能な実体が、前記反応混合物中に、標識化されたプライマー、標識化されたdNTPおよび/または挿入色素として提供される、請求項1から39までのいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、増幅する前に前記捕捉用プローブから分離する、請求項1から40までのいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を、熱、化学的変性剤、またはヘリカーゼ酵素を使用した変性によって前記捕捉用プローブから分離する、請求項41に記載の方法。
  43. 前記担体が増幅時間中存在する、請求項1から42までのいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、単一のプライマーを使用して実施する、請求項1から43までのいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記捕捉された1つまたは複数の標的核酸を増幅するステップを、5つ未満のプライマー対を使用して実施する、請求項1から43までのいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記PCRに、前記増幅された1つまたは複数の標的核酸の相当な割合が一本鎖になるようにバイアスをかける、請求項27から45までのいずれか一項に記載の方法。
  47. アニーリング温度がリバースプライマーよりも有意に低いフォワードプライマーを設計することによって、前記PCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける、請求項46に記載の方法。
  48. 前記フォワードプライマーを前記PCR反応の間に使い尽くされるような濃度で添加することによって前記PCRに一本鎖の増幅された標的核酸の方向にバイアスをかける、請求項46に記載の方法。
  49. 前記フォワードプライマーと前記リバースプライマーの比が1:2未満である、請求項48に記載の方法。
  50. 前記増幅産物および前記複数の再捕捉用プローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でインキュベートする、請求項1から49までのいずれか一項に記載の方法。
  51. ステップの間に前記担体をすすいで、結合していないプローブ、標的核酸および/またはアダプターを除去する、請求項1から50までのいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記捕捉用プローブまたは前記再捕捉用プローブが、標的核酸に対するミスマッチ塩基を1つまたは複数含有する、請求項1から51までのいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記条件を、ストリンジェントな捕捉をもたらすために、温度、時間、一価塩濃度、二価塩濃度、dNTP濃度、または、DMSO、ホルムアミド、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、もしくはDNA二重鎖形成の動態を変更する他の作用剤の添加を制御することによって調整する、請求項1から52までのいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記試料が生体試料である、請求項1から53までのいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記生体試料が、単離されたDNAまたはRNAの調製物、プロテアーゼ組織消化物、細胞溶解物、血清、血漿、全血、尿、便、唾液、臍帯血、絨毛膜絨毛試料、絨毛膜絨毛試料培養物、羊水、羊水培養物、経頸管洗浄液、およびその組合せである、請求項54に記載の方法。
  56. 前記検出可能な実体によって生じるシグナルをフローサイトメーターまたはアレイスキャナーによって検出する、請求項1から55までのいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記シグナルを定量化する、請求項56に記載の方法。
  58. 前記1つまたは複数の捕捉用プローブが、複数の標的核酸に特異的な複数の捕捉用プローブを含む、請求項1から57までのいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記複数のプローブが複数の粒子と結びついており、各粒子が同じ標的核酸に特異的なプローブを含む、請求項58に記載の方法。
  60. 前記各粒子が、前記粒子上の特異的なプローブの同一性をもたらすようにエンコーディングされている、請求項59に記載の方法。
  61. 前記各粒子が、スペクトル特性が既知である1つまたは複数のフルオロフォアを組み入れることによってエンコーディングされている、請求項60に記載の方法。
  62. 前記複数の捕捉用プローブが、平面担体の複数の別個の領域上に位置する、請求項59に記載の方法。
  63. 前記増幅された1つまたは複数の標的核酸を再捕捉するステップを、前記捕捉ステップよりも実質的にストリンジェントな条件下で実施する、請求項1から62までのいずれかに記載の方法。
  64. 前記反応混合物が、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される単一のプライマーセットを含む、請求項1から63までのいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記反応混合物が、複数の別個の標的核酸を増幅するために使用される複数のプライマーセットを含む、請求項1から63までのいずれか一項に記載の方法。
  66. 各標的核酸が前記試料において低存在量で存在する、請求項1から65までのいずれか一項に記載の方法。
  67. 各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の1%未満である、請求項66に記載の方法。
  68. 各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の0.1%未満である、請求項66に記載の方法。
  69. 各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の百万分の1未満である、請求項66に記載の方法。
  70. 各標的核酸が前記生体試料中の全核酸の1千万分の1未満である、請求項66に記載の方法。
  71. 請求項1から70までのいずれか一項に記載の1つまたは複数の標的核酸を検出するステップを含む、診断を支援するための方法。
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