以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態は一例であり、本開示はこれらの実施形態により限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における通信状態の一例を示す図である。端末108は、複数の無線通信方式の送信・受信に対応することができる端末であるものとする。このとき、端末108が対応することのできる無線通信方式の個数をN(Nは2以上の整数、または、Nは3以上の整数)個とする。N個の互いに異なる無線通信方式のそれぞれに対し、「第1の無線通信方式」、「第2の無線通信方式」「第3の無線通信方式」、・・・、「第Nの無線通信方式」と名付ける。すなわち、「第iの無線通信方式」が存在することになる(iは1以上N以下の整数とする)。
図1に示すように、端末108は、「第1の無線通信方式」を用いて、第1の通信局106−1と通信を行うものとする。なお、図1の107−1_1は、端末108が変調信号を送信し、第1の通信局106−1がその変調信号を受信することを意味している。そして、107−1_2は、第1の通信局106−1が変調信号を送信し、端末108がその変調信号を受信することを意味している。
そして、端末108は、「第2の無線通信方式」を用いて、第2の通信局106−2と通信を行うものとする。なお、図1の107−2_1は、端末108が変調信号を送信し、第2の通信局106−2がその変調信号を受信することを意味している。そして、107−2_2は、第2の通信局106−2が変調信号を送信し、端末108がその変調信号を受信することを意味している。
また、端末108は、「第Nの無線通信方式」を用いて、第Nの通信局106−Nと通信を行うものとする。なお、図1の107−N_1は、端末108が変調信号を送信し、第Nの通信局106−Nがその変調信号を受信することを意味している。そして、107−N_2は、第Nの通信局106−Nが変調信号を送信し、端末108がその変調信号を受信することを意味している。
上述したように、端末108は、「第iの無線通信方式」を用いて、第iの通信局と通信を行うものとする(ただし、iは1以上N以下の整数とする)。
第1の通信局106−1は、プロキシサーバー104と通信を行う。したがって、第1の通信局106−1は、プロキシサーバー104へデータを送信することもあれば(105−1_1)、プロキシサーバー104からデータを受信することもある(105−1_2)。
同様に、第2の通信局106−2は、プロキシサーバー104と通信を行う。したがって、第2の通信局106−2は、プロキシサーバー104へデータを送信することもあれば(105−2_1)、プロキシサーバー104からデータを受信することもある(105−2_2)。
そして、第Nの通信局106−Nは、プロキシサーバー104と通信を行う。したがって、第Nの通信局106−Nは、プロキシサーバー104へデータを送信することもあれば(105−N_1)、プロキシサーバー104からデータを受信することもある(105−N_2)。
上述したように、第iの通信局は、プロキシサーバー104と通信を行い、第iの通信局は、プロキシサーバー104へデータを送信したり、プロキシサーバー104からデータを受信したりすることがある(ただし、iは1以上N以下の整数とする)。
プロキシサーバー104は、前にも述べたように、第iの通信局(iは1以上N以下の整数)と通信を行うとともに、サーバー102とも通信を行う。したがって、プロキシサーバー104は、サーバー102へデータを送信することもあれば(103_1)、サーバー10からデータを受信することもある(103_2)。
サーバー102は、前にも述べたように、プロキシサーバー104と通信を行うとともに、ネットワークに対し、データを送信することもあり(101_1)、ネットワークからデータを受信することもある(101_2)。
[ネットワークからデータを取得する第1の方法]
次に、図1を用いて、具体的な通信の例として、端末108がネットワークからデータを取得する第1の方法を説明する。端末108が、ネットワーク上にあるコンテンツ(またはアプリケーション)#Aを入手する場合について説明する。端末108は、プロキシサーバー104およびサーバー102を経由して、ネットワークからコンテンツ(またはアプリケーション)#Aを入手する。このとき、図1の例では、端末108が、第1の通信局106−1、第2の通信局106−2、・・・、第Nの通信局106−NのN個の通信局のうち、複数の通信局の組合せから、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを入手することになる。このとき、この複数の通信局の組合せを選択する権限は、以下にそれぞれ説明するように、端末108が保有していてもよいし、プロキシサーバー104が保有していてもよい。
<プロキシサーバー104が選択権限を保有している場合>
通信局の組合せの選択権限を、プロキシサーバー104が保有している場合について説明する。この場合、プロキシサーバー104は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを伝送するための複数の通信局を選択する。そして、プロキシサーバー104は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを、選択した複数の通信局に対して振り分けを行うことになる。
例えば、プロキシサーバー104がコンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを伝送するために第1の通信局106−1と第2の通信局106−2を選択した場合、プロキシサーバー104は、サーバー102を経由して取得したコンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを、105−1_2、105−2_2に振り分けることになる。
なお、ここでは、プロキシサーバー104が選択権限を有し、データを複数の通信局に振り分けるとして説明したが、プロキシサーバー104に接続するコンピュータのような電子機器が選択権限を有し、データを複数の通信局に振り分けてもよい。また、プロキシサーバー104が、サーバー102であってもよく、そして、プロキシ―サーバー、サーバーを別の呼び方をしてもよい(呼び方は、サーバー、プロキシサーバーに限ったものではない)。
<端末108が選択権限を保有している場合>
通信局の組合せの選択権限を、端末108が保有している場合について説明する。この場合、端末108は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを得るための複数の通信局を選択する。そして、端末108は、いずれかの通信局を通して、プロキシサーバー104に対し、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを得るために選択した通信局の組合せを示す情報(グループ情報)をプロキシサーバー104に伝送する。そして、プロキシサーバー104は、グループ情報にもとづき、選択された組合せに含まれる複数の通信局に対し、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを振り分ける。
例えば、第1の通信局106−1と第2の通信局106−2が、選択された組み合わせのうちの1つの組み合わせとして含まれている場合、プロキシサーバー104は、サーバー102を経由して取得したコンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを、105−1_2、105−2_2に振り分けることになる。
なお、ここでは、プロキシサーバー104が、グループ情報を受信し、グループ情報に基づいてデータを複数の通信局に振り分けるとして説明したが、プロキシサーバー104に接続するコンピュータのような電子機器が、グループ情報を受信し、データを複数の通信局に振り分けてもよい。また、プロキシサーバー104が、サーバー102であってもよく、そして、プロキシ―サーバー、サーバーを別の呼び方をしてもよい(呼び方は、サーバー、プロキシサーバーに限ったものではない)。
以上のように、端末108は、複数の通信局の組合せから、データを得ることになるが、このとき、電波の伝搬環境によってデータのパケットロスが発生することがある。
このとき、例えば、第1の通信局106−1が送信したデータを端末108が受信する際に、パケットロスが発生した場合、端末108は、第1の通信局106−1に対し、データの再送要求を行うための変調信号を送信する。また、再送要求を行うための変調信号に限らず、端末108は、第1の通信局106−1に対し、データ・制御情報を伝送するための変調信号を送信することもある。同様のことが、端末108と各通信局との通信で発生する可能性がある。
このように、端末108は、複数の通信局の各々に対し、それぞれに対応する通信方式を用いて、変調信号を送信することが起こる可能性がある。
この場合、端末108が、複数の通信局に対し、互いに異なる複数の通信方式を用いて、同時に複数の変調信号を送信するため、端末108から送信される電磁波は変調信号の数に応じて強くなる。そのため、端末108から送信される電磁波のSARも変調信号の数に応じて増加する傾向があり、複数の変調信号を同時送信するときのSARは、単一の変調信号を送信する場合に比べて大きくなる傾向がある。このような状況において、「SARを定められた規定値以下に抑える」ことが難しい場合がある。本開示は、このような状況においても、「SARを定められた規定値以下に抑える」ことを実現するための発明である。
ところで、図1の通信状態とは異なる通信状態について説明する。図2は、実施の形態1における通信状態の別の一例を示す図であり、図1と同じ部分については、図1と同様の番号を付しており、図1で説明した部分については、説明を省略する。
第1の通信局106−1は、プロキシサーバー104−1と通信を行う。したがって、第1の通信局106−1は、データを送信することもあり(105−1)、データを受信することもある(105−2)。
同様に、第2の通信局106−2は、プロキシサーバー104−2と通信を行う。したがって、第2の通信局106−2は、データを送信することもあり(106−1)、データを受信することもある(106−2)。そして、第Nの通信局106−Nは、プロキシサーバー104−Nと通信を行う。したがって、第Nの通信局106−Nは、データを送信することもあり(107−1)、データを受信することもある(107−2)。
したがって、第iの通信局は、プロキシサーバー104―iと通信を行い、第iの通信局は、データを送信、受信することがある(ただし、iは1以上N以下の整数とする)。
各プロキシサーバーは、前にも述べたように、各通信局と通信を行うとともに、サーバーとも通信を行う。
プロキシサーバー104−1は、サーバー102−1と通信を行う。したがって、プロキシサーバー104−1は、データを送信することもあり(103−1_1)、データを受信することもある(103−1_2)。同様に、プロキシサーバー104−2は、サーバー102−2と通信を行う。したがって、プロキシサーバー104−2は、データを送信することもあり(103−2_1)、データを受信することもある(103−2_2)。そして、プロキシサーバー104−Nは、サーバー102−Nと通信を行う。したがって、プロキシサーバー104−Nは、データを送信することもあり(103−N_1)、データを受信することもある(103−N_2)。
したがって、プロキシサーバー104−iは、サーバー102−iと通信を行う。したがって、プロキシサーバー104−iは、データを送信することもあり(103−i_1)、データを受信することもある(103−i_2)。
各サーバーは、前にも述べたように、各プロキシサーバーと通信を行うとともに、ネットワークとも通信を行う。
サーバー102−1は、ネットワークに対し、データを送信することもあり(101−1_1)、データを受信することもある(101−1_2)。同様に、サーバー102−2は、ネットワークに対し、データを送信することもあり(101−2_1)、データを受信することもある(101−2_2)。そして、サーバー102−Nは、ネットワークに対し、データを送信することもあり(101−N_1)、データを受信することもある(101−N_2)。
したがって、サーバー102−iは、ネットワークに対し、データを送信することもあり(101−i_1)、データを受信することもある(101−i_2)。
[ネットワークからデータを取得する第2の方法]
次に、図2を用いて、具体的な通信の例として、端末108がネットワークからデータを取得する第2の方法を説明する。端末108が、ネットワーク上にある複数のコンテンツ(またはアプリケーション)を入手する場合について説明する。例えば、端末108が、コンテンツ(またはアプリケーション)#A及び別のコンテンツ(アプリケーション)#Bを入手するものとする。このとき、第2の方法では、端末108は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータとコンテンツ(アプリケーション)#Bのデータとを異なる通信局から入手するものとする。
例えば、図2において、端末108は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを第1の通信局106−1から入手し、コンテンツ(アプリケーション)#Bのデータを第2の通信局106−2から入手するものとする。
このとき、第1の通信局106−1は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータをプロキシサーバー104−1、サーバー102−1を介して、入手する。同様に、第2の通信局106−2は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Bのデータをプロキシサーバー104−2、サーバー102−2を介して、入手することになる。
以上のように、端末108は、複数の通信局を介して、複数のコンテンツ(またはアプリケーション)のデータを得ることになるが、このとき、伝播環境によっては、データのパケットロスが発生することがある。
このとき、例えば、第1の通信局106−1が送信したデータを端末108が受信する際に、パケットロスが発生した場合、端末108は、第1の通信局106−1に対し、データの再送要求を行うための変調信号を送信する。また、再送要求を行うための変調信号に限らず、端末108は、第1の通信局106−1に対し、データ・制御情報を伝送するために、変調信号を送信することがある。同様のことが、端末108と各通信局との通信で発生する可能性がある。
このように、端末108は、複数の通信局の各々に対し、それぞれに対応する通信方式を用いて、変調信号を送信することが起こる可能性がある。
この場合、端末108が、複数の通信局に対し、互いに異なる複数の通信方式を用いて、同時に複数の変調信号を送信するため、端末108から送信される電磁波は変調信号の数に応じて強くなる。そのため、端末108から送信される電磁波のSARも変調信号の数に応じて増加する傾向があり、複数の変調信号を同時送信するときのSARは、単一の変調信号を送信する場合に比べて大きくなる傾向がある。このような状況において、「SARを定められた規定値以下に抑える」ことが難しい場合がある。本開示は、このような状況においても、「SARを定められた規定値以下に抑える」ことを実現するための発明である。
[ネットワークからデータを取得する第3の方法]
ここで、図1を用いて、前述の第1の方法及び第2の方法を組み合わせた第3の方法を説明する。端末108が、ネットワーク上にある複数のコンテンツ(またはアプリケーション)を入手する場合について説明する。例えば、端末108が、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aとコンテンツ(またはアプリケーション)#Bとを入手するものとする。このとき、第3の方法では、端末108は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aを一つ以上の通信局から入手し、コンテンツ(またはアプリケーション)#Bを一つ以上の通信局から入手することになる。つまり、端末108は、2つのコンテンツを、複数の通信局の組み合わせから入手することになる。
このとき、この複数の通信局の組合せを選択する権限、および/または、各コンテンツをどの通信局から端末が得るかについての割り当ての権限は、以下に説明するように、端末108が保有していてもよいし、プロキシサーバー104が保有していてもよい。
<プロキシサーバーが選択権限を保有している場合>
プロキシサーバー104が、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを送信する通信局の選択権限、および/または、コンテンツ(またはアプリケーション)#Bにデータを送信する通信局の選択権限を、保有している場合について説明する。この場合、プロキシサーバー104は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータおよびコンテンツ(またはアプリケーション)#Bのデータを伝送するための複数の通信局を、それぞれ、一つ以上選択する。そして、プロキシサーバー104は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを、選択した一つ以上の通信局に振り分け、および/または、コンテンツ(またはアプリケーション)#Bのデータを、選択した一つ以上の通信局に振り分け、を行うことになる。
例えば、プロキシサーバー104がコンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを伝送するために第1の通信局106−1と第2の通信局106−2を選択し、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを伝送するために第Nの通信局を選択したものとする。この場合、プロキシサーバー104は、サーバー102を経由して得たコンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを、105−1_2、105−2_2に振り分けることになる。そして、プロキシサーバー104は、サーバー102を経由して得たコンテンツ(またはアプリケーション)#Bのデータを105−N_2に振り分けることになる。
なお、ここでは、プロキシサーバー104が選択権限を有し、データを複数の通信局に振り分けるとして説明したが、プロキシサーバー104に接続するコンピュータのような電子機器が選択権限を有し、データを複数の通信局に振り分けてもよい。また、プロキシサーバー104が、サーバー102であってもよく、そして、プロキシ―サーバー、サーバーを別の呼び方をしてもよい(呼び方は、サーバー、プロキシサーバーに限ったものではない)。
<端末が選択権限を保有している場合>
端末108が、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを送信する通信局の組合せの選択権限、および/または、コンテンツ(またはアプリケーション)#Bにデータ送信する通信局の組合せの選択権限を有している場合について説明する。この場合、端末108は、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを得るための複数の通信局、および、コンテンツ(またはアプリケーション)#Bのデータを得るための複数の通信局を選択する。そして、端末108は、いずれかの通信局を通して、プロキシサーバー104に対し、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを得るために選択した通信局の組合せを示す情報(グループ情報A)、および/または、コンテンツ(またはアプリケーション)#Bを得るために選択した通信局の組合せを示す情報(グループ情報B)をプロキシサーバー104に伝送する。そして、プロキシサーバー104は、グループ情報Aにもとづき、選択された組み合わせに含まれる複数の通信局に対し、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを振り分ける。また、プロキシサーバー104は、グループ情報Bにもとづき、選択された組み合わせに含まれる複数の通信局に、コンテンツ(またはアプリケーション)#Bのデータを振り分ける。
例えば、コンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを得るために選択された通信局の組合せが、第1の通信局106−1と第2の通信局106−2である場合、プロキシサーバー104は、サーバー102を経由して得たコンテンツ(またはアプリケーション)#Aのデータを、105−1_2、105−2_2に振り分ける。また、コンテンツ#Bのデータを得るために選択された通信局の組合せが、第Nの通信局106−Nである場合、プロキシサーバー104は、サーバー102を経由して得たコンテンツ(またはアプリケーション)#Bのデータを。105−N_2に振り分ける。
なお、ここでは、プロキシサーバー104が、グループ情報を受信し、グループ情報にもとづいてデータを複数の通信局に振り分けるとして説明したが、プロキシサーバー104に接続するコンピュータのような電子機器が、グループ情報を受信し、データを複数の通信局に振り分けてもよい。また、プロキシサーバー104が、サーバー102であってもよく、そして、プロキシ―サーバー、サーバーを別の呼び方をしてもよい(呼び方は、サーバー、プロキシサーバーに限ったものではない。
以上のように、端末108は、複数の通信局から、データを得ることになるが、このとき、電波の伝搬環境によってデータのパケットロスが発生することがある。
このとき、例えば、第1の通信局106−1が送信したデータを端末108が受信する際に、パケットロスが発生した場合、端末108は、第1の通信局106−1に対し、データの再送要求を行うための変調信号を送信する。また、再送要求を行うための変調信号に限らず、端末108は第1の通信局106−1に対し、データ・制御情報を伝送するために、変調信号を送信することがある。同様のことが、端末108と各通信局との通信で発生する可能性がある。
このように、端末108は、複数の通信局の各々に対し、それぞれに対応する通信方式を用いて、変調信号を送信することが起こる可能性がある。
この場合、端末108が、複数の通信局に対し、互いに異なる複数の通信方式を用いて、同時に複数の変調信号を送信するため、端末108から送信される電磁波は変調信号の数に応じて強くなる。そのため、端末108から送信される電磁波のSARも変調信号の数に応じて増加する傾向があり、複数の変調信号を同時送信するときのSARは、単一の変調信号を送信する場合に比べて大きくなる傾向がある。このような状況において、「SARを定められた規定値以下に抑える」ことが難しいことがある。本開示は、このような状況においても、「SARを定められた規定値以下に抑える」ことを実現するための発明である。
本開示における端末は、例えば、以上で説明したような3つの方法のいずれかで、データの送信、受信を行うことになるものとする。ただし、端末は、状況に応じて(通信状況、データのサイズ、ネットワークの負荷、端末の負荷などを考慮して)、上述で説明した3つの方法を含む複数の方法のいずれかの方法で、データの送信、受信の方法を切り替えてもよい。
以降では、上述で述べた通信形態を含む通信形態において、端末が、複数の通信方式を用いて、複数の変調信号を送信する場合のSAR低減の方法について説明する。
図3は、本実施の形態に係る端末108の構成の一例を示す図である。
送信制御部305は、送信制御情報304を入力とし、送信制御情報304に基づいた送信制御信号306を出力する。送信制御情報304は、例えば、各送信部から送信されるデータへの誤り訂正符号化、変調(マッピング)、周波数変換、増幅等の各無線通信方式の送信用の処理のための情報を含む。また、送信制御情報304には、端末のユーザーが図示しない表示部を操作した情報が含まれる。なお、詳細の動作については、後で説明する。
受信制御部317は、受信制御情報316を入力とし、受信制御情報316に基づいた受信制御信号318を出力する。受信制御情報316は、例えば、各受信部にて受信される信号への周波数変換、復調、誤り訂正復号化等の各無線通信方式の受信用の処理のための情報を含む。
送信データ解析部302は、送信情報301、および、送信制御信号306を入力とし、送信制御信号306に基づいて、送信情報301を制御し、第1の送信データ303_1、第2の送信データ303_2、・・・、第Nの送信データ303_Nを出力する。つまり、送信データ解析部302は、第iの送信データ303_i(iは1以上N以下の整数(Nは2以上、または、3以上の整数))を出力する。
第1の送信部307_1は、第1の送信データ303_1、および、送信制御信号306を入力とし、送信制御信号306に基づき、第1の送信データ303_1に、誤り訂正符号化、変調(マッピング)、周波数変換、増幅等の処理を施し(「第1の無線通信方式」の送信用の処理を施し)、第1の送信信号308_1を出力する。第1の送信信号308_1は、第1の送信アンテナ309_1から電波として出力される。
第2の送信部307_2は、第2の送信データ303_2、および、送信制御信号306を入力とし、送信制御信号306に基づき、第2の送信データ303_2に、誤り訂正符号化、変調(マッピング)、周波数変換、増幅等の処理を施し(「第2の無線通信方式」の送信用の処理を施し)、第2の送信信号308_2を出力する。第2の送信信号308_2は、第2の送信アンテナ309_2から電波として出力される。
第Nの送信部307_Nは、第Nの送信データ303_N、および、送信制御信号306を入力とし、送信制御信号306に基づき、第Nの送信データ303_Nに、誤り訂正符号化、変調(マッピング)、周波数変換、増幅等の処理を施し(「第Nの無線通信方式」の送信用の処理を施し)、第Nの送信信号308_Nを出力する。第Nの送信信号308_Nは、第Nの送信アンテナ309_Nから電波として出力される。
同様に、第iの送信部307_iは、第iの送信データ303_i、および、送信制御信号306を入力とし、送信制御信号306に基づき、第iの送信データ303_iに、誤り訂正符号化、変調(マッピング)、周波数変換、増幅等の処理を施し(「第iの無線通信方式」の送信用の処理を施し)、第iの送信信号308_iを出力する。第iの送信信号308_iは、第iの送信アンテナ309_Nから電波として出力される(iは、1以上N以下の整数)。
第1の受信部312_1は、第1の受信アンテナ310_1で受信した第1の受信信号311_1、および、受信制御信号318を入力とし、受信制御信号318に基づいて、第1の受信信号311_1の受信処理(周波数変換、復調、誤り訂正復号など)を行い(「第1の無線通信方式」の受信用の処理を施し)、第1の受信データ313_1を出力する。
第2の受信部312_2は、第2の受信アンテナ310_2で受信した第2の受信信号311_2、受信制御信号318を入力とし、受信制御信号318に基づいて、第2の受信信号311_2の受信処理(周波数変換、復調、誤り訂正復号など)を行い(「第2の無線通信方式」の受信用の処理を施し)、第2の受信データ313_2を出力する。
第Nの受信部312_Nは、第Nの受信アンテナ310_Nで受信した第Nの受信信号311_N及び受信制御信号318を入力とし、受信制御信号318に基づいて、第Nの受信信号311_Nの受信処理(周波数変換、復調、誤り訂正復号など)を行い(「第Nの無線通信方式」の受信用の処理を施し)、第Nの受信データ313_Nを出力する。
同様に、第iの受信部312_iは、第iの受信アンテナ310_iで受信した第iの受信信号311_i、及び受信制御信号318を入力とし、受信制御信号318に基づいて、第iの受信信号311_iの受信処理(周波数変換、復調、誤り訂正復号など)を行い(「第iの無線通信方式」の受信用の処理を施し)、第iの受信データ313_iを出力する(iは、1以上N以下の整数)。
受信データ解析部314は、第1の受信データ313_1、第2の受信データ313_2、・・・、第Nの受信データ313_N(つまり、第iの受信データ313_i(iは1以上N以下の整数(Nは2以上、または、3以上の整数)))、および、受信制御信号318を入力とし、受信制御信号318に基づき、受信データ315を出力する。
図3の構成により、図1、図2を用いて説明した、通信、特に、複数の変調信号の同時受信、および、複数の変調信号の同時送信が行われることになる。
なお、図3では、各送信部、各受信部にそれぞれアンテナが接続されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、各通信方式で送信用のアンテナと受信用のアンテナが共用されてもよい。あるいは、複数の送信部、複数の受信部で、アンテナが共用されてもよい。また、各送信部、各受信部に、複数のアンテナが接続されていてもよい。
また、本開示において、各送信部から送信される信号、各受信部から受信される信号が複数であってもよい。例えば、各送信部は、対応する無線通信方式において、周波数、周波数帯域、送信アンテナ数等が互いに異なる複数の変調信号を送信するような構成であってもよい。この場合、各送信部に入力される送信信号は、複数であってもよい。また、各受信部は、対応する無線通信方式において、周波数、周波数帯域、送信アンテナ数等が互いに異なる複数の変調信号を受信するような構成であってもよい。この場合、各受信部から出力される受信信号は、複数あってもよい。
次に、端末が、複数の通信局に同時に変調信号を送信する場合に、「SARの合計値を定められた規定値以下に抑える」ことを実現するための動作について詳しく説明する。
図4は、無線通信方式とSARとの対応関係の第1の例を示す表であり、例えば、図3の送信制御部305が、図5の制御(図5については後で説明する。)を行うのに必要な情報に関する表を示している。
図4の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa11であるということを意味している。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa21であるということを意味している。
選択番号#4は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa31であることを意味している。
選択番号#5は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa32であることを意味している。
選択番号#6は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa41であることを意味している。
選択番号#7は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa42であることを意味している。
図5は、本実施の形態における無線通信方式のグループの設定方法を示すフローチャートであり、図3の送信制御部305が行う動作の一例を示している。
本実施の形態では、端末が対応している複数の無線通信方式から、「同時送信に用いる2つ以上の無線通信方式で構成されるグループを、端末を使用するユーザーが設定する」ことを特徴とする。以下では、設定方法に関する例を説明する。なお、この設定は、端末の送信制御部305によって実行される。この場合、送信制御部305は、グループ生成部として機能する。
例えば、端末が「グループ#X」の設定を行うものとする。図5に基づき、「グループ#X」の設定方法について説明する。
まず、端末の送信制御部305は、通信方式の選択動作を開始する操作を受けつける(S101)。この操作は、例えば、図示しない端末の表示部をユーザーが操作することによって行われる。
次に、グループ#Xに追加する「同時送信用の通信方式」の選択を受けつける(S102)。例えば、図4の選択番号から、同時送信に用いる通信方式を選択する。この操作は、例えば、表示部をユーザーが操作することによって行われる。
次に、S102で選択された通信方式のSARと、グループ#Xにすでに含まれる通信方式のSARとの合計値を算出し(S103)、得られたSARの合計値と定められた規定値とを比較する(S104)。
SARの合計値が、定められた規定値以下でない場合(S105にてNo)、選択された通信方式をグループ#Xに追加せずに、S107へ進む。SAR値の合計値が定められた規定値以下である場合(S105にてYes)、選択された通信方式をグループ#Xに追加し(S106)、S107へ進む。
そして、送信制御部305は、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する(S107)。次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけた場合(S107にてYes)、S103以降の処理が行われる。次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、通信方式の選択動作を終了する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#X」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Xを呼び出し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、端末は、SARの合計値が規定値以下であるという条件を実現しながら、複数の変調方式を用いて、複数の変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
なお、端末は、同様の手順にしたがって、「グループ#X」以外のグループ(例えば、「グループ#Y」、「グループ#Z」など)を生成、記憶し、複数のグループの中から、いずれかのグループを呼び出し、呼び出したグループを構成する複数の通信方式を用いてデータを送信してもよい。
さらに、図4の表に基づいて、図5のグループ設定を行う場合の例を説明する。例えば、端末が「グループ#X」の設定を行うものとする。このとき、図4、図5に基づいた「グループ#X」の設定方法の具体例について説明する。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図4の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S103にて、選択番号「#6」を選択したときのSARを計算する。その結果はa41であり、S104にて、この値と規定値とを比較する。この値が定められた規定値以下である場合(S105にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#6」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図4の選択番号「#5」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S103に戻り、選択番号「#5」をグループ#Xに追加したときのSARの合計値を計算する。a32が選択番号「#5」のSARの値であるため(図4参照)、SARの合計値はa41+a32となる。S104にて、この値と規定値とを比較する。そして、この合計値が定められた規定値以下でない場合(S105にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#5」が追加されない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S103に再び戻ることになる。
ここで、図4の選択番号「#1」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S103にて、選択番号「#1」をグループ#Xに追加したときのSARの合計値を計算する。a11が選択番号「#1」のSARの値であるため(図4参照)、合計値はa41+a11となる。S104にて、この値と規定値とを比較する。そして、この合計値が定められた規定値以下である場合(S105にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#1」が追加される。次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#X」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Xを呼び出し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、端末は、SARの合計値が規定値以下であるという条件を実現しながら、複数の変調方式を用いて、複数の変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第2の例について説明する。図6は、無線通信方式とSARとの対応関係の第2の例を示す表である。図6の表に基づいて、図5のグループ設定を行う場合の例を説明する。なお、図4と図6の異なる点は、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)方式、または、MISO(Multiple-Input Single-Output)方式の「有」と「無」により、選択番号、SARを分離している点である。
ここで、MIMO方式、または、MISO方式の「有」とは、MIMO方式、または、MISO方式で送信する(つまり、複数のアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味し、MIMO方式、または、MISO方式の「無」とは、MIMO方式で送信しない、および、MISO方式で送信しない(つまり、シングルアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味している。
図6の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa11であるということを意味している。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa13であるということを意味している。
選択番号#4は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa14であるということを意味している。
選択番号#5は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa21であるということを意味している。
選択番号#6は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa31であることを意味している。
選択番号#7は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa32であることを意味している。
選択番号#8は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa41であることを意味している。
選択番号#9は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#9の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa42であることを意味している。
図6の表に基づいて、図5のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#Y」の設定を行うものとする。このとき、図5、図6に基づいた「グループ#Y」の設定方法の具体例について説明する。なお、この説明において、図5の「グループ#X」は、「グループ#Y」に置き換えるものとする。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図6の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S103にて、選択番号「#6」を選択したときのSARを計算する。その結果はa31であり、S104にて、この値と規定値とを比較する。この値が定められた規定値以下である場合(S105にてYes)、S106にて、「グループ#Y」に、選択番号「#6」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図6の選択番号「#9」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S103に戻り、選択番号「#9」をグループ#Yに追加したときのSARの合計値を計算する。a42が選択番号「#9」のSARの値であるため(図6参照)、SARの合計値はa31+a42となる。S104にて、この値と規定値とを比較する。そして、この合計値が定められた規定値以下でない場合(S105にてNo)、「グループ#Y」に、選択番号「#9」が追加されない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S103に再び戻ることになる。
ここで、図6の選択番号「#1」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S103にて、選択番号「#1」をグループ#Yに追加したときのSARの合計値を計算する。a11が選択番号「#1」のSARの値であるため(図6参照)、合計値はa31+a11となる。S104にて、この値と規定値とを比較する。そして、この合計値が定められた規定値以下である場合(S105にてYes)、S106にて、「グループ#Y」に、選択番号「#1」が追加される。次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#Y」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Yを呼び出し、グループ#Yを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、端末は、SARの合計値が規定値以下であるという条件を実現しながら、複数の変調方式を用いて、複数の変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第3の例について説明する。図7は、無線通信方式とSARとの対応関係の第3の例を示す表である。図7の表に基づいて、図5のグループ設定を行う場合の例を説明する。なお、図4と図7の異なる点は、MIMO方式、または、MISO方式の「有」と「無」、および、「使用する周波数帯域」により、選択番号、SARを分離している点である。
ここで、MIMO方式、または、MISO方式の「有」とは、MIMO方式、または、MISO方式で送信する(つまり、複数のアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味し、MIMO方式、または、MISO方式の「無」とは、MIMO方式で送信しない、および、MISO方式で送信しない(つまり、シングルアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味している。
図7の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa11であるということを意味している。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa13であるということを意味している。
選択番号#4は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa14であるということを意味している。
選択番号#5は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa15であるということを意味している。
選択番号#6は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa16であるということを意味している。
選択番号#7は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa17であるということを意味している。
選択番号#8は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa18であるということを意味している。
選択番号#9は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#9の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa21であるということを意味している。
選択番号#10は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#10の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa31であることを意味している。
選択番号#11は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#11の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa32であることを意味している。
選択番号#12は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、使用する周波数帯域はX Hzであり、選択番号#12の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa41であることを意味している。
選択番号#13は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、使用する周波数帯域はX Hz、または、Y Hzであり、選択番号#13の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa42であることを意味している。
選択番号#14は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、使用する周波数帯域はX Hzであり、選択番号#14の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa43であることを意味している。
選択番号#15は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、使用する周波数帯域はX Hz、または、Y Hzであり、選択番号#15の方法で端末が変調信号を送信した場合、SARがa44であることを意味している。
図7の表に基づいて、図5のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#Z」の設定を行うものとする。このとき、図5、図7に基づいた「グループ#Z」の設定方法について説明する。なお、この説明において、図5の「グループ#X」は、「グループ#Z」に置き換えるものとする。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図7の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S103にて、選択番号「#6」を選択したときのSARを計算する。その結果はa16であり、S104にて、この値と規定値とを比較する。この値が定められた規定値以下である場合(S105にてYes)、S106にて、「グループ#Z」に、選択番号「#6」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図7の選択番号「#15」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S103に戻り、選択番号「#15」をグループ#Zに追加したときのSARの合計値を計算する。a44が選択番号「#15」のSARの値である(図7参照)ため、SARの合計値はa16+a44となる。S104にて、この値と規定値とを比較する。そして、この合計値が定められた規定値以下でない場合(S105にてNo)、「グループ#Z」に、選択番号「#15」が追加されない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S103に再び戻ることになる。
ここで、図7の選択番号「#10」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S103にて、選択番号「#10」をグループ#Zに追加したときのSARの合計値を計算する。a31が選択番号「#10」のSARの値であるため(図7参照)、合計値はa16+a31となる。S104にて、この値と規定値とを比較する。そして、この合計値が定められた規定値以下である場合(S105にてYes)、S106にて、「グループ#Z」に、選択番号「#10」が追加される。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#Z」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Zを呼び出し、グループ#Zを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、端末は、SARの合計値が規定値以下であるという条件を実現しながら、複数の変調方式を用いて、複数の変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、端末のディスプレイに表示されるグループ情報の画面の例を説明する。図8は、グループ情報を表示する画面の第1の例を示す図であり、図9は、グループ情報を表示する画面の第2の例を示す図である。
グループ#Xとして、選択番号#1と選択番号#6をユーザーが選択したものとする。すると、端末の画面には、例えば、最大伝送速度が表示されてもよい。図8の例では、グループ#Xとして、「第四世代携帯電話 使用する周波数800MHz」および「無線LAN 使用する周波数2.4GHz」が選択されているとき、この二つの通信方式を用いたときの最大伝送速度が500Mbpsであることが表示される。このとき、最大伝送速度は、端末の受信するデータの最大伝送速度であってもよいし、端末が送信するデータの最大伝送速度であってもよい。
また、図4、図5に基づく設定をし、グループ#Xとして、「第四世代携帯電話 使用する周波数800MHz」、「無線LAN 使用する周波数2.4GHz」、「無線LAN 使用する周波数5GHz」を、端末が選択し、各方式の接続状態、伝送速度の状態を、端末の画面に表示してもよい。
図9の例では、「第四世代携帯電話 使用する周波数800MHz」は、ある時点で「接続中」(基地局と端末は接続中)であり、データの伝送速度は40Mbpsであるという状態を、端末の画面は表示している。
そして、「無線LAN 使用する周波数2.4GHz」は、ある時点で「接続中」(端末とアクセスポイントが接続中)であり、データの伝送速度は72Mbpsであるという状態を、端末の画面は表示している。
また、「無線LAN 使用する周波数5GHz」は、ある時点で「未接続」(端末とアクセスポイントは未接続)であることを、端末の画面は表示しており、そして、データの伝送速度は端末の画面には表示されていない(なお、データの伝送速度としては、端末が受信するデータの伝送速度であってもよいし、端末が送信するデータの伝送速度であってもよい)。
このようにすることで、ユーザー自身が設定したグループの状態を確認することができるため、グループの内容の変更、グループの新規の設定に活用することができ、グループの設定を効果的に行うことができる、という効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、ユーザーが同時送信に用いる複数の通信方式を選択し、SARの合計値が規定値以下となるような複数の通信方式で構成されるグループを形成する。そして、そのグループの情報に基づいて、複数の通信方式を用いて変調信号を同時送信することで、SARの合計値が規定値以下であるという条件を実現しながら、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、通信方式として、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、第三世代携帯電話、第四世代携帯電話を例に説明したがこれに限ったものではなく、他の無線通信方式が、同時送信する通信方式の一つに選ばれても、本実施の形態は、同様に実施することができる。また、選択番号の分類方法として、図4、図6、図7を用いて説明しているが、これに限ったものではなく、他の分類方法を用いて、選択番号を設定し、本実施の形態で説明したグループの設定を行っても同様に実施することができる。
そして、端末の画面において、図10に示すような確認ができてもよい。図10は、通信方式と(予想)伝送速度の関係を表示する画面の一例を示す図である。ただし、伝送速度については、上でも述べたように、端末の受信時のデータ伝送速度であってもよいし、端末の送信時のデータの伝送速度であってもよい。また、端末の画面への表示は、端末の送信時のデータの伝送速度と端末の受信時のデータの伝送速度の両者が表示されていてもよい。当然であるが、一方が表示されていてもよい。
図10では、端末が通信方式として「無線LAN」を用いた場合、(予想)データの伝送速度は100Mbpsであるという表示を行っている。同様に、端末が通信方式として「第三世代携帯電話」を用いた場合、(予想)データの伝送速度は5Mbpsであるという表示を行っている。そして、端末が通信方式として「第四世代携帯電話」を用いた場合、(予想)データの伝送速度は50Mbpsであるという表示を行っている。
端末が本実施の形態で説明した設定方法を用いて設定した「グループ#X」に含まれる複数の通信方式を用いた場合、(予想)データの伝送速度は200Mbpsであるという表示を行っている。
端末が本実施の形態で説明した設定方法を用いて設定した「グループ#Y」に含まれる通信方式を用いた場合、(予想)データの伝送速度は300Mbpsであるという表示を行っている。
このような表示を端末が行うと、ユーザーは、例えば、要求データの伝送速度やバッテリーの残量を考慮して、好適な通信方式を選択することができるという利点をもつことになる。そして、本実施の形態で説明した設定方法を有効に活用することができるという効果を得ることができる。
また、本実施の形態で説明した端末で行うグループ化については、ユーザーが端末を操作することで、グループ化を行ってもよいし、ユーザーが他の機器を介して、本実施の形態で説明したグループ化の端末の設定を行ってもよい。この点について、図11を用いて説明する。
図11は、本実施の形態におけるグループ化の設定の別の例を説明する図である。図11において、1101は端末である(例えば、図3で示したような構成をとる)。そして、例えば、端末1101と第1機器1102は、有線、または、無線で接続されており、第1機器1102を操作することで、本実施の形態で説明したグループ化を実施してもよい。このとき、第1機器1102がコントローラーとなり、端末1101で、グループ化の設定を行ってもよいし、第1機器1102で、グループ化の設定を行い、グループ化を行った結果の情報、または、これに関連するプログラムを端末1101に送信し、グループ化を実現してもよい。
また、図11において、端末1101と第2機器1103は、ネットワークを介し、有線、または、無線で接続されており、第2機器1103を操作することで、本実施の形態で説明したグループ化を実施してもよい。このとき、第2機器1103がコントローラーとなり、端末1101でグループ化の設定を行ってもよいし、第2機器1103で、グループ化の設定を行う、グループ化を行った結果の情報、または、これに関連するプログラムを端末1101に送信し、グループ化を実現してもよい。
なお、本実施の形態では、端末が生成し、送信するグループ情報は、同時送信に用いる複数の通信方式からなるグループの情報であってもよいし、同時送信に用いる複数の通信局の組合せを示す情報であってもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、各通信方式について一つのSARの値しかなく、SARの規定値も一つしかない場合を説明した。しかし、これに限ったものではなく、各通信方式について複数のSARの値が存在したり、規定値が複数存在したりしてもよい。本実施の形態では、SARの規定値が複数存在するときの実施の形態1の変形例について説明する。
端末が複数の無線通信方式の送受信ができるときの通信形態の例は、図1、図2に示したとおりであり、実施の形態1で説明したので、説明は省略する。また、端末の構成については、図3に示したとおりであり。実施の形態1で説明したので、説明は省略する。
図12は、無線通信方式とSARとの対応関係の第4の例を示す表であり、例えば、図3の送信制御部305が、図13の制御(図13については後で説明する。)を行うのに必要な情報に関する表を示している。
図12の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、第1のSAR(SAR1)がa11であり、第2のSAR(SAR2)がb11であることを意味している。
各通信方式について複数のSARの値がある場合の一例として、図12では、SAR1とSAR2の2種類のSARがある場合を記載しているが、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2という場合というように、測定対象や測定方法が異なる場合に、複数のSAR測定が必要となる。なお、図12のSAR1およびSAR2に対して、それぞれ、第1の規定値および第2の規定値が存在する。
なお、図12では2種類のSARがある場合を例として説明しているが、2種類以上存在してもよく、この場合、図4から図12に拡張したように、各選択番号で、複数種類のSARの値が定義されることになる。また、複数種類のSARの値に対して、それぞれ、規定値が存在する。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であるということを意味している。
選択番号#4は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。
選択番号#5は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。
選択番号#6は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa41であり、SAR2がb41であることを意味している。
選択番号#7は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa42であり、SAR2がb42であることを意味している。
図13は、本実施の形態における無線通信方式のグループの設定方法を示すフローチャートであり、図3の送信制御部305が行う動作の一つである制御のフローチャートの一例を示している。
本実施の形態では、「同時送信を行う複数の無線通信方式で構成されるグループを、端末を使用するユーザーが設定する」ことを特徴とする。以下では、設定方法に関する例を説明する。
例えば、端末が「グループ#X」の設定を行うものとする。図13に基づき、「グループ#X」の設定方法について説明する。なお、以下では、定義されている複数種類のSARの値として、M個のSARが存在するとして説明する。
まず、端末の送信制御部305は、通信方式の選択動作を開始する操作を受けつける(S101)。この操作は、例えば、図示しない端末の表示部をユーザーが操作することによって行われる。
次に、グループ#Xに追加する「同時送信通信方式の選択」を受けつける(S102)。例えば、図12の選択番号から、同時送信に用いる通信方式を選択する。この操作は、例えば、表示部をユーザーが操作することによって行われる。
次に、S102で選択された通信方式のSAR(SAR1〜SARM)と、グループ#Xに含まれる通信方式の各SAR(SAR1〜SARM)とのそれぞれの合計値を算出する(S203)。そして、算出した各SAR(SAR1〜SARM)の合計値と、それぞれに対応して定められた規定値とを比較する(S204)。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjは、それぞれに対応して定められた規定値以下である」かどうかについての確認を行うことになる。
算出した各SAR(SAR1〜SARM)の合計値のうち、少なくとも1つが、対応して定められた規定値以下でない場合(S205にてNo)、選択された通信方式をグループ#Xに追加せずに、S107へ進む。算出した各SAR(SAR1〜SARM)の合計値が、全て、それぞれに対応して定められた規定値以下である場合(S205にてYes)、選択された通信方式をグループ#Xに追加し(S106)、S107へ進む。
そして、送信制御部305は、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する(S107)。次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけた場合(S107にてYes)、S203以降の処理が行われる。次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、通信方式の選択動作を終了する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#X」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Xを呼び出し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、端末は、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
なお、端末は、同様の手順にしたがって、「グループ#X」以外のグループ(例えば、「グループ#Y」、「グループ#Z」など)を生成、記憶し、複数のグループの中から、いずれかのグループを呼び出し、呼び出したグループを構成する複数の通信方式を用いてデータを送信してもよい。
さらに、図12の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#X」の設定を行うものとする。このとき、図12、図13に基づいた「グループ#X」の設定方法の具体例について説明する。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図12の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#6」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。選択番号「#6」のSAR1はa41であり、SAR2はb41である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に選択番号「#6」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjは、それぞれに対応して定められた規定値以下である」かどうかについての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図12の選択番号「#5」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#5」をグループ#Xに追加したときのそれぞれSARの合計値を計算する。a32が選択番号「#5」のSAR1の値であるため(図12参照)、SAR1の合計値はa41+a32となる。また、b32が選択番号「#5」のSAR2の値であるため(図12参照)、SAR2の合計値はb41+b32となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#5」を追加しない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図12の選択番号「#1」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#1」をグループ#Xに追加したときのSAR1の合計値及びSAR2の合計値を計算する。a11が選択番号「#1」のSAR1の値であるため(図12参照)、SAR1の合計値はa41+a11となる。また、b11が選択番号「#1」のSAR2の値であるため(図12参照)、SAR2の合計値はb41+b11となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#1」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#X」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Xを呼び出し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、端末は、SARの合計値が規定値以下であるという条件を実現しながら、複数の変調方式を用いて、複数の変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第5の例について説明する。図14は、無線通信方式とSARとの対応関係の第5の例を示す表である。図14の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。なお、図14と図12の異なる点は、MIMO方式、または、MISO方式の「有」と「無」により、選択番号、SARを分離している点である。
ここで、MIMO方式、または、MISO方式の「有」とは、MIMO方式、または、MISO方式で送信する(つまり、複数のアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味し、MIMO方式、または、MISO方式の「無」とは、MIMO方式で送信しない、または、MISO方式で送信しない(つまり、シングルアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味している。
図14の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa11であり、SAR2がb11であることを意味している。
SARの種類として複数あると記載し、図14では、2種類の場合を記載しているが、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2という場合というように、測定対象や測定方法が異なる場合に、複数のSAR測定が必要となる。
なお、図14ではSARが2種類の例で説明しているが、2種類以上存在してもよく、この場合、図6から図14に拡張したように、各選択番号で、複数種類のSARの値が定義されることになる。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa13であり、SAR2がb13であるということを意味している。
選択番号#4は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa14であり、SAR2がb14であるということを意味している。
選択番号#5は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であるということを意味している。
選択番号#6は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。
選択番号#7は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。
選択番号#8は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa41であり、SAR2がb41であることを意味している。
選択番号#9は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#9の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa42であり、SAR2がb42であることを意味している。
図14の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#Y」の設定を行うものとする。このとき、図13、図14に基づいた「グループ#Y」の設定方法について説明する。なお、この説明において、図13の「グループ#X」は、「グループ#Y」に置き換えるものとする。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図14の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#6」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。SAR1についてはa31であり、SAR2についてはb31である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#Y」に選択番号「#6」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjはそれぞれに対応して定められた規定値以下である」についての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図14の選択番号「#9」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#9」をグループ#Yに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a42が選択番号「#9」のSAR1の値であるため(図14参照)、SAR1の合計値はa31+a42となる。また、b42が選択番号「#9」のSAR2の値であるため(図14参照)、SAR2の合計値はb31+b42となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#Y」に、選択番号「#9」を追加しない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図12の選択番号「#1」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#1」をグループ#Yに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a11が選択番号「#1」のSAR1の値であるため(図14参照)、SAR1の合計値はa31+a11となる。また、b11が選択番号「#1」のSAR2の値であるため(図14参照)、SAR2の合計値はb31+b11となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#Y」に、選択番号「#1」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いられる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#Y」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Yを呼び出し、グループ#Yを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第6の例について説明する。図15は、無線通信方式とSARとの対応関係の第6の例を示す表である。図15の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。なお、図12と図15の異なる点は、MIMO方式、または、MISO方式の「有」と「無」、および、「使用する周波数帯域」により、選択番号、SARを分離している点である。
ここで、MIMO方式、または、MISO方式の「有」とは、MIMO方式、または、MISO方式で送信する(つまり、複数のアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味し、MIMO方式、または、MISO方式の「無」とは、MIMO方式で送信しない、または、MISO方式で送信しない(つまり、シングルアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味している。
図15の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa11であり、SAR2がb11であるということを意味している。
SARの種類として複数あると記載し、図15では、2種類の場合を記載しているが、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2という場合というように、測定対象や測定方法が異なる場合に、複数のSAR測定が必要となる。
なお、図15ではSARが2種類の例で説明しているが、2種類以上存在してもよく、この場合、図7から図15に拡張したように、各選択番号で、複数種類のSARの値が定義されることになる。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa13であり、SAR2がb13であるということを意味している。
選択番号#4は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa14であり、SAR2がb14であるということを意味している。
選択番号#5は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa15であり、SAR2がb15であるということを意味している。
選択番号#6は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa16であり、SAR2がb16であるということを意味している。
選択番号#7は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa17であり、SAR2がb17であるということを意味している。
選択番号#8は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa18であり、SAR2がb18であるということを意味している。
選択番号#9は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#9の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であるということを意味している。
選択番号#10は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#10の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。
選択番号#11は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#11の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。
選択番号#12は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、使用する周波数帯域はX Hzであり、選択番号#12の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa41であり、SAR2がb41であることを意味している。
選択番号#13は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、使用する周波数帯域はX Hz、または、Y Hzであり、選択番号#13の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa42であり、SAR2がb42であることを意味している。
選択番号#14は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、使用する周波数帯域はX Hzであり、選択番号#14の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa43であり、SAR2がb43であることを意味している。
選択番号#15は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、使用する周波数帯域はX Hz、または、Y Hzであり、選択番号#15の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa44であり、SAR2がb44であることを意味している。
図15の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#Z」の設定を行うものとする。このとき、図13、図15に基づいた「グループ#Z」の設定方法の具体例について説明する。なお、この説明において、図13の「グループ#X」は、「グループ#Z」に置き換えるものとする。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図15の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#6」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。SAR1についてはa16であり、SAR2についてはb16である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#Z」に選択番号「#6」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjは、それぞれに対応して定められた規定値以下である」かどうかについての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図15の選択番号「#15」を選択の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#15」をグループ#Zに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a44が選択番号「#15」のSAR1の値であるため(図15参照)、SAR1の合計値はa16+a44となる。また、b44が選択番号「#15」のSAR2の値であるため(図15参照)、SAR2の合計値はb16+b44となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#Z」に、選択番号「#15」を追加しない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図15の選択番号「#10」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#10」をグループ#Zに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a31が選択番号「#10」のSAR1の値であるため(図15参照)、SAR1の合計値はa16+a31となる。また、b31が選択番号「#10」のSAR2の値であるため(図15参照)、SAR2の合計値はb16+b31となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#Z」に、選択番号「#10」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#Z」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Zを呼び出し、グループ#Zを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、ユーザーが同時送信する通信方式を選択し、SARが規定値以下となる、同時送信に用いられる複数の通信方式で構成されるグループを形成し、そのグループの情報に基づいて、変調信号を同時送信することで、SARの規定値以下を実現しながら、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、通信方式として、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、第三世代携帯電話、第四世代携帯電話を例に説明したがこれに限ったものではなく、他の無線通信方式が、同時送信する通信方式の一つに選ばれても、本実施の形態は、同様に実施することができる。また、選択番号の分類方法として、図12、図14、図15を用いて説明しているが、これに限ったものではなく、他の分類方法を用いて、選択番号を設定し、本実施の形態で説明したグループの設定を行っても同様に実施することができる。
そして、端末の画面において、図10に示すような確認ができてもよい。図10では、通信方式と(予想)伝送速度の関係が示されている。ただし、伝送速度については、上でも述べたように、端末の受信時のデータ伝送速度であってもよいし、端末の送信時のデータの伝送速度であってもよい。また、表示は、端末の送信時のデータの伝送速度と端末の受信時のデータの伝送速度の両者が表示されていてもよい。当然であるが、一方が表示されていてもよい。
図10では、端末が通信方式として「無線LAN」を用いた場合、(予想)データの伝送速度は100Mbpsであるという表示を行っている。同様に、端末が通信方式として「第三世代携帯電話」を用いた場合、(予想)データの伝送速度は5Mbpsであるという表示を行っている。そして、端末が通信方式として「第四世代携帯電話」を用いた場合、(予想)データの伝送速度は50Mbpsであるという表示を行っている。
端末が本実施の形態で説明した設定方法を用いて設定した「グループ#X」に含まれる複数の通信方式を用いた場合、(予想)データの伝送速度は200Mbpsであるという表示を行っている。
端末が本実施の形態で説明した設定方法を用いて設定した「グループ#Y」に含まれる複数の通信方式を用いた場合、(予想)データの伝送速度は300Mbpsであるという表示を行っている。
このような表示を端末が行うと、ユーザーは、例えば、要求データの伝送速度やバッテリーの残量を考慮して、好適な通信方式を選択することができるという利点をもつことになり、本実施の形態で説明した設定方法を有効に活用することができるという効果を得ることができる。
また、本実施の形態で説明した端末で行うグループ化については、ユーザーが端末を操作することで、グループ化を行ってもよいし、ユーザーが他の機器を介して、実施の形態で説明したグループ化の端末の設定を行ってもよい。この点について、図11を用いて説明する。
図11において、1101は端末である(例えば、図3で示したような構成をとる)。そして、例えば、端末1101と第1機器1102は、有線、または、無線で接続されており、第1機器1102を操作することで、本実施の形態で説明したグループ化を実施してもよい。このとき、第1機器1102がコントローラーとなり、端末1101で、グループ化の設定を行ってもよいし、第1機器1102で、グループ化の設定を行い、グループ化を行った結果の情報、または、これに関連するプログラムを端末1101に送信し、グループ化を実現してもよい。
また、図11において、端末1101と第2機器1103は、ネットワークを介し、有線、または、無線で接続されており、第2機器1103を操作することで、本実施の形態で説明したグループ化を実施してもよい。このとき、第2機器1103がコントローラーとなり、端末1101でグループ化の設定を行ってもよいし、第2機器1103で、グループ化の設定を行う、グループ化を行った結果の情報、または、これに関連するプログラムを端末1101に送信し、グループ化を実現してもよい。
なお、本実施の形態では、端末が生成し、送信するグループ情報は、同時送信に用いる複数の通信方式からなるグループの情報であってもよいし、同時送信に用いる複数の通信局の組合せを示す情報であってもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、例えば、6GHz以上の高い周波数を用いる無線通信方式が存在していた場合における、実施の形態1で説明したグループ化の変形例について説明する。
端末が複数の無線通信方式の送受信ができるときの通信形態の例は、図1、図2に示したとおりであり、実施の形態1で説明したので、説明は省略する。また、端末の構成については、図3に示したとおりであり、実施の形態1で説明したので、説明は省略する。
図16は、無線通信方式とSARとの対応関係の第7の例を示す表であり、例えば、例3の送信制御部305が、図13の制御を行うのに必要な情報に関する表を示している。
図16の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa11であり、SAR2がb11であることを意味している。
各通信方式について複数のSARの値がある場合の一例として、図16では、SAR1とSAR2の2種類のSARがある場合を記載しているが、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2という場合というように、測定対象や測定方法が異なる場合に、複数のSAR測定が必要となる。なお、図12のSAR1およびSAR2に対して、それぞれ、第1の規定値および第2の規定値が存在する。
なお、図16では2種類のSARがある場合を例として説明しているが、2種類以上存在してもよく、この場合、各選択番号で、複数種類のSARの値が定義されることになる。また、複数種類のSARの値に対して、それぞれ、規定値が存在する。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であるということを意味している。
選択番号#4は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。
選択番号#5は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。
選択番号#6は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa41であり、SAR2がb41であることを意味している。
選択番号#7は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa42であり、SAR2がb42であることを意味している。
選択番号#8は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が10GHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa51であり、SAR2がb51であることを意味している。
選択番号#9は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が15GHzであり、選択番号#9の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa52であり、SAR2がb52であることを意味している。
選択番号#10は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が20GHzであり、選択番号#10の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa61であり、SAR2がb61であることを意味している。
選択番号#11は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、選択番号#11の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa62であり、SAR2がb62であることを意味している。
図13は、図3の送信制御部305が行う動作の一つである制御のフローチャートの一例を示している。なお、図13の動作については、実施の形態2で説明したので説明は省略する。
図16の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#X」の設定を行うものとする。このとき、図13、図16に基づいた「グループ#X」の設定方法について説明する。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、(例えば、図16の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#6」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。SAR1についてはa41であり、SAR2についてはb41である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に選択番号「#6」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjはそれぞれに対応して定められた規定値以下である」についての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、、図16の選択番号「#5」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#5」をグループ#Xに追加したときのそれぞれSARを計算する。a32が選択番号「#5」のSAR1の値であるため(図16参照)、SAR1の合計値はa41+a32となる。また、b32が選択番号「#5」のSAR2の値であるため(図16参照)、SAR2の合計値はb41+b32となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#5」を追加しない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図16の選択番号「#11」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#11」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a62が選択番号「#11」のSAR1の値であるため(図16参照)、SAR1の合計値はa41+a62となる。また、b62が選択番号「#11」のSAR2の値であるため(図16参照)、SAR2の合計値はb41+b62となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#11」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いられる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#X」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Xを呼び出し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第8の例について説明する。図17は、無線通信方式とSARとの対応関係の第8の例を示す表である。図17の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。図17において、SAR1およびSAR2が、例えば、通信方式の使用する周波数が6GHz以下の場合のSARに関するもので、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2であるものとする。
そして、SAR3およびSAR4が、例えば、通信方式の使用する周波数が6GHz以上の場合のSARに関するもので、例えば、手に装着したときのSARがSAR3であり、頭部に近づけたときのSARがSAR4であるものとする。
つまり、図17の例では、通信方式の使用する周波数が6GHz以下の場合、SAR1およびSAR2が値として存在し、通信方式の使用する周波数が6GHz以上の場合、SAR3およびSAR4が値として存在する。また、図17のSAR1〜SAR4に対して、それぞれ規定値が存在する。なお、図17ではSARが4種類の例で説明しているが、4種類に限ったものではない。
つまり、通信方式が使用する周波数によって、SARの規制方法が異なる場合の例を図17では説明している。図17の例では、通信方式の使用する周波数が6GHz以下のときにSAR1とSAR2に関する規制が行われ、通信方式の使用する周波数が6GHz以上のときにSAR3とSAR4に関する規制が行われるものとする。ただし、図17のような分類はあくまでも例であり、通信方式の使用する周波数による分類方法は、図17の方法に限ったものではない。
選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa11であり、SAR2がb11であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が5GHzであり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であることを意味している。また、使用する周波数が5GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#3は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#4は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。また、使用する周波数が800MHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#5は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。また、使用する周波数が2GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#6は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa41であり、SAR2がb41であることを意味している。また、使用する周波数が800MHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#7は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa42であり、SAR2がb42であることを意味している。また、使用する周波数が2GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#8は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が10GHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc51であり、SAR4がd51であることを意味している。また、使用する周波数が10GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#9は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が15GHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc52であり、SAR4がd52であることを意味している。また、使用する周波数が15GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#10は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が20GHzであり、選択番号#10の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc61であり、SAR4がd61であることを意味している。また、使用する周波数が20GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#11は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、選択番号#11の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc62であり、SAR4がd62であることを意味している。また、使用する周波数が60GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
図13は、図3の送信制御部305が行う動作の一つである制御のフローチャートの一例を示している。なお、図13の動作については、実施の形態2で説明したので説明は省略する。
図17の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#X」の設定を行うものとする。このとき、図13、図17に基づいた「グループ#X」の設定方法について説明する。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図17の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#6」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。SAR1についてはa41であり、SAR2についてはb41である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。SAR1について規定値以下であり、かつ、SAR2について規定値以下であるものとする。そして、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。したがって、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に選択番号「#6」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjはそれぞれに対応して定められた規定値以下である」についての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図17の選択番号「#5」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#5」をグループ#Xに追加したときのそれぞれSARを計算する。a32が選択番号「#5」のSAR1の値であるため(図17参照)、SAR1の合計値はa41+a32となる。また、b32が選択番号「#5」のSAR2の値であるため(図17参照)、SAR2の合計値はb41+b32となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#5」を追加しない。なお、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図17の選択番号「#1」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#1」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a11が選択番号「#1」のSAR1の値であるため(図17参照)、SAR1の合計値はa41+a11となる。また、b11が選択番号「#1」のSAR2の値であるため(図17参照)、SAR2の合計値はb41+b11となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#1」を追加する。なお、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図17の選択番号「#8」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#8」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。c51が選択番号「#8」のSAR3の値であるため(図17参照)、SAR3の合計値はc51となる。また、d51が選択番号「#8」のSAR4の値であるため(図17参照)、SAR4の合計値はd51となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#8」を追加する。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図17の選択番号「#9」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#9」をグループ#Xに追加したときのそれぞれSARを計算する。c52が選択番号「#9」のSAR3の値であるため(図17参照)、SAR3の合計値はc51+c52となる。また、d52が選択番号「#9」のSAR4の値であるため(図17参照)、SAR4の合計値はd51+d52となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#9」を追加しない。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図17の選択番号「#11」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#11」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。c62が選択番号「#11」のSAR3の値であるため(図17参照)、SAR3の合計値はc51+c62となる。また、d62が選択番号「#11」のSAR4の値であるため(図17参照)、SAR4の合計値はd51+d62となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#11」を追加する。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いられる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#X」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Xを呼び出し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第9の例について説明する。図18は、無線通信方式とSARとの対応関係の第9の例を示す表である。図18の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。なお、図18と図16の異なる点は、MIMO方式、または、MISO方式の「有」と「無」により、選択番号、SARを分離している点である。
ここで、MIMO方式、または、MISO方式の「有」とは、MIMO方式、または、MISO方式で送信する(つまり、複数のアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味し、MIMO方式、または、MISO方式の「無」とは、MIMO方式で送信しない、または、MISO方式で送信しない(つまり、シングルアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味している。
図18の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa11であり、SAR2がb11であることを意味している。
SARの種類として複数あると記載し、図18では、2種類の場合を記載しているが、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2という場合というように、測定対象や測定方法が異なる場合に、複数のSAR測定が必要となる。
なお、図18ではSARが2種類の例で説明しているが、2種類以上存在してもよく、この場合、各選択番号で、複数種類のSARの値が定義されることになる。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であるということを意味している。
選択番号#4は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。
選択番号#5は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。
選択番号#6は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa41であり、SAR2がb41であることを意味している。
選択番号#7は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa42であり、SAR2がb42であることを意味している。
選択番号#8は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が10GHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa51であり、SAR2がb51であることを意味している。
選択番号#9は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が15GHzであり、選択番号#9の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa52であり、SAR2がb52であることを意味している。
選択番号#10は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が20GHzであり、選択番号#10の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa61であり、SAR2がb61であることを意味している。
選択番号#11は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、選択番号#11の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa62であり、SAR2がb62であることを意味している。
選択番号#12は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、選択番号#12の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa63であり、SAR2がb63であることを意味している。
図18の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#Y」の設定を行うものとする。このとき、図13、図18に基づいた「グループ#Y」の設定方法について説明する。なお、この説明において、図13の「グループ#X」は、「グループ#Y」に置き換えるものとする。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図18の選択番号「#4」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#4」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。SAR1についてはa31であり、SAR2についてはb31である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#Y」に選択番号「#4」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjはそれぞれに対応して定められた規定値以下である」についての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図18の選択番号「#7」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#7」をグループ#Yに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a42が選択番号「#7」のSAR1の値であるため(図18参照)、SAR1の合計値はa31+a42となる。また、b42が選択番号「#7」のSAR2の値であるため(図18参照)、SAR2の合計値はb31+b42となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#Y」に、選択番号「#7」を追加しない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図18の選択番号「#11」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#11」をグループ#Yに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a61が選択番号「#11」のSAR1の値であるため(図18参照)、SAR1の合計値はa31+a61となる。また、b61が選択番号「#11」のSAR2の値であるため(図18参照)、SAR2の合計値はb31+b61となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#Y」に、選択番号「#11」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」いう指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#Y」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Yを呼び出し、グループ#Yを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第10の例について説明する。図19は、無線通信方式とSARとの対応関係の第10の例を示す表である。図19の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。図19において、SAR1およびSAR2が、例えば、通信方式の使用する周波数が6GHz以下の場合のSARに関するもので、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2であるものとする。
そして、SAR3およびSAR4が、例えば、通信方式の使用する周波数が6GHz以上の場合のSARに関するもので、例えば、手に装着したときのSARがSAR3であり、頭部に近づけたときのSARがSAR4であるものとする。
つまり、図19の例では、通信方式の使用する周波数が6GHz以下の場合、SAR1およびSAR2が値として存在し、通信方式の使用する周波数が6GHz以上の場合、SAR3およびSAR4が値として存在する。また、図19のSAR1〜SAR4に対して、それぞれ規定値が存在する。なお、図19ではSARが4種類の例で説明しているが、4種類に限ったものではない。
つまり、通信方式が使用する周波数によって、SARの規制方法が異なる場合の例を図19では説明している。図19の例では、通信方式の使用する周波数が6GHz以下のときにSAR1とSAR2に関する規制が行われ、通信方式の使用する周波数が6GHz以上のときにSAR3とSAR4に関する規制が行われるものとする。ただし、図19のような分類はあくまでも例であり、通信方式の使用する周波数による分類方法は、図19の方法に限ったものではない。
図19と図17の異なる点は、MIMO方式、または、MISO方式の「有」と「無」により、選択番号、SARを分離している点である。
ここで、MIMO方式、または、MISO方式の「有」とは、MIMO方式、または、MISO方式で送信する(つまり、複数のアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味し、MIMO方式、または、MISO方式の「無」とは、MIMO方式で送信しない、または、MISO方式で送信しない(つまり、シングルアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味している。
選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa11であり、SAR2がb11であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#3は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#4は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。また、使用する周波数が800MHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#5は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第三世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。また、使用する周波数が2GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#6は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa41であり、SAR2がb41であることを意味している。また、使用する周波数が800MHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#7は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa42であり、SAR2がb42であることを意味している。また、使用する周波数が2GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#8は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が10GHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc51であり、SAR4がd51であることを意味している。また、使用する周波数が10GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#9は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が15GHzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc52であり、SAR4がd52であることを意味している。また、使用する周波数が15GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#10は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が20GHzであり、選択番号#10の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc61であり、SAR4がd61であることを意味している。また、使用する周波数が20GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#11は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、選択番号#11の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc62であり、SAR4がd62であることを意味している。また、使用する周波数が60GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#12は、「第6の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、選択番号#12の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc63であり、SAR4がd63であることを意味している。また、使用する周波数が60GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
図13は、図3の送信制御部305が行う動作の一つである制御のフローチャートの一例を示している。なお、図13の動作については、実施の形態2で説明したので説明は省略する。
図19の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#X」の設定を行うものとする。このとき、図13、図19に基づいた「グループ#X」の設定方法について説明する。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図19の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#6」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。SAR1についてはa41であり、SAR2についてはb41である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。SAR1について規定値以下であり、かつ、SAR2について規定値以下であるものとする。そして、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。したがって、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に選択番号「#6」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjはそれぞれに対応して定められた規定値以下である」についての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図19の選択番号「#5」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#5」をグループ#Xに追加したときのそれぞれSARを計算する。a32が選択番号「#5」のSAR1の値であるため(図19参照)、SAR1の合計値はa41+a32となる。また、b32が選択番号「#5」のSAR2の値であるため(図19参照)、SAR2の合計値はb41+b32となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#5」を追加しない。なお、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図19の選択番号「#1」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#1」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a11が選択番号「#1」のSAR1の値であるため(図19参照)、SAR1の合計値はa41+a11となる。また、b11が選択番号「#1」のSAR2の値であるため(図19参照)、SAR2の合計値はb41+b11となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#1」を追加する。なお、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図19の選択番号「#8」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#8」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。c51が選択番号「#8」のSAR3の値であるため(図19参照)、SAR3の合計値はc51となる。また、d51が選択番号「#8」のSAR4の値であるため(図19参照)、SAR4の合計値はd51となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#8」を追加する。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図19の選択番号「#9」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#9」をグループ#Xに追加したときのそれぞれSARを計算する。c52が選択番号「#9」のSAR3の値であるため(図19参照)、SAR3の合計値はc51+c52となる。また、d52が選択番号「#9」のSAR4の値であるため(図19参照)、SAR4の合計値はd51+d52となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#9」を追加しない。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図19の選択番号「#11」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#11」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。c62が選択番号「#11」のSAR3の値であるため(図19参照)、SAR3の合計値はc51+c62となる。また、d62が選択番号「#11」のSAR4の値であるため(図19参照)、SAR4の合計値はd51+d62となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#11」を追加する。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いられる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#X」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Xを呼び出し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第11の例について説明する。図20は、無線通信方式とSARとの対応関係の第11の例を示す表である。図20の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。なお、図20と図16の異なる点は、MIMO方式、または、MISO方式の「有」と「無」、および、「使用する周波数帯域」により、選択番号、SARを分離している点である。
ここで、MIMO方式、または、MISO方式の「有」とは、MIMO方式、または、MISO方式で送信する(つまり、複数のアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味し、MIMO方式、または、MISO方式の「無」とは、MIMO方式で送信しない、または、MISO方式で送信しない(つまり、シングルアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味している。
図20の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa11であり、SAR2がb11であることを意味している。
SARの種類として複数あると記載し、図20では、2種類の場合を記載しているが、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2という場合というように、測定対象や測定方法が異なる場合に、複数のSAR測定が必要となる。
なお、図20ではSARが2種類の例で説明しているが、2種類以上存在してもよく、この場合、各選択番号で、複数種類のSARの値が定義されることになる。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であるということを意味している。
選択番号#3は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa13であり、SAR2がb13であることを意味している。
選択番号#4は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa14であり、SAR2がb14であるということを意味している。
選択番号#5は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であるということを意味している。
選択番号#6は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、使用する周波数帯域はX Hzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。
選択番号#7は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、使用する周波数帯域はX Hz、または、Y Hzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。
選択番号#8は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、使用する周波数帯域はX Hzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa33であり、SAR2がb33であることを意味している。
選択番号#9は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、使用する周波数帯域はX Hz、または、Y Hzであり、選択番号#9の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa34であり、SAR2がb34であることを意味している。
選択番号#10は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が10GHzであり、選択番号#10の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa41であり、SAR2がb41であることを意味している。
選択番号#11は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が15GHzであり、選択番号#11の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa42であり、SAR2がb42であることを意味している。
選択番号#12は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が20GHzであり、選択番号#12の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa51であり、SAR2がb51であることを意味している。
選択番号#13は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域はP Hzであり、選択番号#13の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa52であり、SAR2がb52であることを意味している。
選択番号#14は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域はP Hz、または、Q Hzであり、選択番号#14の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa53であり、SAR2がb53であることを意味している。
選択番号#15は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域はP Hzであり、選択番号#15の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa54であり、SAR2がb54であることを意味している。
選択番号#16は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域はP Hz、または、Q Hzであり、選択番号#16の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa55であり、SAR2がb55であることを意味している。
図20の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#Y」の設定を行うものとする。このとき、図13、図20に基づいた「グループ#Y」の設定方法について説明する。なお、この説明において、図13の「グループ#X」は、「グループ#Y」に置き換えるものとする。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図20の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#6」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。SAR1についてはa31であり、SAR2についてはb31である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#Y」に選択番号「#6」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjはそれぞれに対応して定められた規定値以下である」についての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図20の選択番号「#11」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#11」をグループ#Yに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a42が選択番号「#11」のSAR1の値であるため(図20参照)、SAR1の合計値はa31+a42となる。また、b42が選択番号「#11」のSAR2の値であるため(図20参照)、SAR2の合計値はb31+b42となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#Y」に、選択番号「#11」を追加しない。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図20の選択番号「#14」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#14」をグループ#Yに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a53が選択番号「#14」のSAR1の値であるため(図20参照)、SAR1の合計値はa31+a53となる。また、b53が選択番号「#14」のSAR2の値であるため(図20参照)、SAR2の合計値はb31+b53となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#Y」に、選択番号「#14」を追加する。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」いう指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いられる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#Y」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Yを呼び出し、グループ#Yを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
次に、無線通信方式とSARとの対応関係の第12の例について説明する。図21は、無線通信方式とSARとの対応関係の第12の例を示す表である。図21の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。図21において、SAR1およびSAR2が、例えば、通信方式の使用する周波数が6GHz以下の場合のSARに関するもので、例えば、手に装着したときのSARがSAR1であり、頭部に近づけたときのSARがSAR2であるものとする。
そして、SAR3およびSAR4が、例えば、通信方式の使用する周波数が6GHz以上の場合のSARに関するもので、例えば、手に装着したときのSARがSAR3であり、頭部に近づけたときのSARがSAR4であるものとする。
つまり、図21の例では、通信方式の使用する周波数が6GHz以下の場合、SAR1およびSAR2が値として存在し、通信方式の使用する周波数が6GHz以上の場合、SAR3およびSAR4が値として存在する。また、図21のSAR1〜SAR4に対して、それぞれ規定値が存在する。なお、図21ではSARが4種類の例で説明しているが、4種類に限ったものではない。
つまり、通信方式が使用する周波数によって、SARの規制方法が異なる場合の例を図21では説明している。図21の例では、通信方式の使用する周波数が6GHz以下のときにSAR1とSAR2に関する規制が行われ、通信方式の使用する周波数が6GHz以上のときにSAR3とSAR4に関する規制が行われるものとする。ただし、図21のような分類はあくまでも例であり、通信方式の使用する周波数による分類方法は、図21の方法に限ったものではない。
図21と図17の異なる点は、MIMO方式、または、MISO方式の「有」と「無」、および、「使用する周波数帯域」により、選択番号、SARを分離している点である。
ここで、MIMO方式、または、MISO方式の「有」とは、MIMO方式、または、MISO方式で送信する(つまり、複数のアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味し、MIMO方式、または、MISO方式の「無」とは、MIMO方式で送信しない、または、MISO方式で送信しない(つまり、シングルアンテナを用いて、変調信号を送信する)ことを意味している。
図21の例では、選択番号#1は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#1の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa11であり、SAR2がb11であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#2は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#2の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa12であり、SAR2がb12であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#3は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzであり、選択番号#3の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa13であり、SAR2がb13であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#4は、「第1の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「無線LAN」、使用する周波数が2.4GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域は20MHzまたは40MHzであり、選択番号#4の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa14であり、SAR2がb14であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#5は、「第2の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「Bluetooth(登録商標)」、使用する周波数が2.4GHzであり、選択番号#5の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa21であり、SAR2がb21であることを意味している。また、使用する周波数が2.4GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#6は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、使用する周波数帯域はX Hzであり、選択番号#6の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa31であり、SAR2がb31であることを意味している。また、使用する周波数が800MHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#7は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が800MHzであり、使用する周波数帯域はX Hz、または、Y Hzであり、選択番号#7の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa32であり、SAR2がb32であることを意味している。また、使用する周波数が800MHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#8は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、使用する周波数帯域はX Hzであり、選択番号#8の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa33であり、SAR2がb33であることを意味している。また、使用する周波数が2GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#9は、「第3の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「第四世代携帯電話」、使用する周波数が2GHzであり、使用する周波数帯域はX Hz、または、Y Hzであり、選択番号#9の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR1がa34であり、SAR2がb34であることを意味している。また、使用する周波数が2GHzであるので、SAR3およびSAR4は値として存在しないことを意味している。
選択番号#10は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が10GHzであり、選択番号#10の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc41であり、SAR4がd41であることを意味している。また、使用する周波数が10GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#11は、「第4の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「携帯電話」、使用する周波数が15GHzであり、選択番号#11の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc42であり、SAR4がd42であることを意味している。また、使用する周波数が15GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#12は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が20GHzであり、選択番号#12の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc51であり、SAR4がd51であることを意味している。また、使用する周波数が20GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#13は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域はP Hzであり、選択番号#13の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc52であり、SAR4がd52であることを意味している。また、使用する周波数が60GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#14は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「有」であり、使用する周波数帯域はP Hz、または、Q Hzであり、選択番号#14の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc53であり、SAR4がd53であることを意味している。また、使用する周波数が60GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#15は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域はP Hzであり、選択番号#15の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc54であり、SAR4がd54であることを意味している。また、使用する周波数が60GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
選択番号#16は、「第5の無線通信方式」であり、通信方式の名称が「高速無線LAN」、使用する周波数が60GHzであり、MIMO方式、または、MISO方式の「無」であり、使用する周波数帯域はP Hz、または、Q Hzであり、選択番号#16の方法で端末が変調信号を送信した場合、SAR3がc55であり、SAR4がd55であることを意味している。また、使用する周波数が60GHzであるので、SAR1およびSAR2は値として存在しないことを意味している。
図13は、図3の送信制御部305が行う動作の一つである制御のフローチャートの一例を示している。なお、図13の動作については、実施の形態2で説明したので説明は省略する。
図21の表に基づいて、図13のグループ設定を行う場合の例を説明する。
例えば、端末が「グループ#X」の設定を行うものとする。このとき、図13、図21に基づいた「グループ#X」の設定方法について説明する。
S101にて、通信方式の選択動作を開始する操作を受付の後、S102にて、端末が、例えば、図21の選択番号「#6」の選択を受けつける。次に、S203にて、選択番号「#6」を選択したときのそれぞれのSARを計算する。SAR1についてはa31であり、SAR2についてはb31である。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。SAR1について規定値以下であり、かつ、SAR2について規定値以下であるものとする。そして、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。したがって、SAR1及びSAR2の両方が規定値以下である場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に選択番号「#6」を追加する。つまり、「jは1以上M以下(Mは2以上の整数である)であり、これを満たす、すべてのjで、SARjはそれぞれに対応して定められた規定値以下である」についての確認を行うことになる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。例えば、図21の選択番号「#9」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。この場合、S203に戻り、選択番号「#9」をグループ#Xに追加したときのそれぞれSARを計算する。a34が選択番号「#9」のSAR1の値であるため(図21参照)、SAR1の合計値はa31+a34となる。また、b34が選択番号「#9」のSAR2の値であるため(図21参照)、SAR2の合計値はb31+b34となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#9」を追加しない。なお、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図21の選択番号「#1」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#1」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。a11が選択番号「#1」のSAR1の値であるため(図21参照)、SAR1の合計値はa31+a11となる。また、b11が選択番号「#1」のSAR2の値であるため(図21参照)、SAR2の合計値はb31+b11となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR1の合計値が、SAR1に対応する規定値以下であり、かつ、SAR2の合計値が、SAR2に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#1」を追加する。なお、SAR3の値、および、SAR4の値は存在していないので、SAR3に関する規定値の評価は対象外となり、SAR4に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図21の選択番号「#10」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#10」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。c41が選択番号「#10」のSAR3の値であるため(図21参照)、SAR3の合計値はc41となる。また、d41が選択番号「#10」のSAR4の値であるため(図21参照)、SAR4の合計値はd41となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#10」を追加する。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図21の選択番号「#11」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#11」をグループ#Xに追加したときのそれぞれSARを計算する。c42が選択番号「#11」のSAR3の値であるため(図21参照)、SAR3の合計値はc41+c42となる。また、d42が選択番号「#11」のSAR4の値であるため(図21参照)、SAR4の合計値はd41+d42となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たさない場合(S205にてNo)、「グループ#X」に、選択番号「#11」を追加しない。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーが選択を行った場合、S203に再び戻ることになる。
ここで、図21の選択番号「#13」の選択を受けつけるものとする(S107にてYes)。S203にて、選択番号「#13」をグループ#Xに追加したときのそれぞれのSARを計算する。c52が選択番号「#13」のSAR3の値であるため(図21参照)、SAR3の合計値はc41+c52となる。また、d52が選択番号「#13」のSAR4の値であるため(図21参照)、SAR4の合計値はd41+d52となる。S204にて、これらの値とそれぞれに対応する規定値とを比較する。ここで、「SAR3の合計値が、SAR3に対応する規定値以下であり、かつ、SAR4の合計値が、SAR4に対応する規定値以下である」という条件を満たす場合(S205にてYes)、S106にて、「グループ#X」に、選択番号「#13」を追加する。なお、SAR1の値、および、SAR2の値は存在していないので、SAR1に関する規定値の評価は対象外となり、SAR2に関する規定値の評価も対象外となる。
次に、S107にて、次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけたか否かを判定する。ユーザーから次の「同時送信用の通信方式」の選択を受けつけない場合(S107にてNo)、例えば、ユーザーから「選択しない」という指示を受けつけた場合、「同時送信の通信方式の選択を完了」する(S108)。
そして、端末は、同時送信に用いられる複数の通信方式の組合せの情報(グループ情報)を「グループ#X」として記憶しておく。そして、端末は、グループ#Xを呼び出し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信することになる。これにより、SARの規定値以下を実現しながら、変調信号を同時送信することができ、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、ユーザーが同時送信に用いる複数の通信方式を選択し、SARの合計値が規定値以下となるような、複数の通信方式で構成されるグループを形成し、そのグループの情報に基づいて、変調信号を同時送信することで、SARの合計値が規定値以下という条件を実現しながら、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、通信方式として、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、第三世代携帯電話、第四世代携帯電話を例に説明したがこれに限ったものではなく、他の無線通信方式が、同時送信する通信方式の一つに選ばれても、本実施の形態は、同様に実施することができる。また、選択番号の分類方法として、図16、図17、図18、図19、図20、図21を用いて説明しているが、これに限ったものではなく、他の分類方法を用いて、選択番号を設定し、本実施の形態で説明したグループの設定を行っても同様に実施することができる。
そして、端末の画面において、図10に示すような確認ができてもよい。図10では、通信方式と(予想)伝送速度の関係が示されている。(ただし、伝送速度については、上でも述べたように、端末の受信時のデータ伝送速度であってもよいし、端末の送信時のデータの伝送速度であってもよい。また、表示は、端末の送信時のデータの伝送速度と端末の受信時のデータの伝送速度の両者が表示されていてもよい。当然であるが、一方が表示されていてもよい。)なお、図10の説明は、実施の形態1で説明したので省略する。
このような表示を端末が行うと、ユーザーは、例えば、要求データの伝送速度やバッテリーの残量を考慮して、好適な通信方式を選択することができるという利点をもつことになり、本実施の形態で説明した設定方法を有効に活用することができるという効果を得ることができる。
また、本実施の形態で説明した端末で行うグループ化については、ユーザーが端末を操作することで、グループ化を行ってもよいし、ユーザーが他の機器を介して、実施の形態で説明したグループ化の端末の設定を行ってもよい。この点については、実施の形態1で図11を用いて説明したのでここでは説明を省略する。
(実施の形態4)
本実施の形態では、これまでに説明した端末でのグループ化を利用した通信局による、無線通信方式の選択方法について説明する。
端末、通信局、プロキシサーバー、サーバーの通信状態として、図1のような通信状態を考える。このとき、端末は、実施の形態1から実施の形態3で説明したように、同時送信する無線通信方式に関するグループ化の設定を行ったものとする。
本実施の形態では、端末が、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」の設定を行い、その情報をいずれかの通信方式を使い、図1のサーバー102、および/または、プロキシサーバー104に伝送するものとする。
例えば、図3の端末108の送信制御部305において、実施の形態1から実施の形態3に基づく、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」の設定を行うものとする。「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」に関するグループ情報を含む送信制御信号306を、第iの送信部307_i(iは1以上N以下の整数)は、入力とする。そして、第iの送信部307_iのいずれか1つまたは複数が、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」に関する情報を送信するものとする。
図22は、送信信号のフレーム構成の一例を示す図である。第Xの送信部307_Xにより、端末が、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」に関するグループ情報を送信する場合に、図22に示すようなフレーム構成の送信信号を送信する。
図22において、横軸は時間、縦軸は周波数であるものとする。プリアンブル2201は、受信装置(通信局)が、時間同期、周波数同期、信号検出、伝送路変動の推定を行うためのシンボルであるものとする。
制御情報シンボル2202は、データシンボル2203を生成するために使用した誤り訂正方法に関する情報(誤り訂正符号の情報、符号長・符号化率などに関する情報)、変調方式に関する情報、送信方法に関する情報に加え、上で説明した「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」に関する情報を含んでいるものとする。
データシンボル2203は、データを伝送するためのシンボルであるものとする。
なお、フレーム構成については、図22に限ったものではなく、また、図22で示したシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル、リファレンスシンボルなどのシンボルを含んでいてもよい。
図1のプロキシサーバー104は、第1の通信局106−1、第2の通信局106−2、・・・、第Nの通信局106−Nを経由して、端末108が送信した、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」に関する情報を得ることになる。なお、実施の形態1から実施の形態3で説明したように、「同時送信を行う複数の無線通信方式で構成されるグループ」の設定を、他の機器(例えば、コンピューターなど)から行うことも可能である。この場合、他の機器が、有線、および/または、無線により、プロキシサーバー104に、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組み合わせであるグループ」に関する情報を送信してもよい。
この場合における、プロキシサーバーの構成について説明する。図23は、プロキシサーバー104の構成の一例を示す図である。図23の受信データ解析、および、受信データ振り分け部2305は、第1の通信局106−1からの受信データ2304−1、第2の通信局106−2からの受信データ2304−2、・・・、第Nの通信局106−Nからの受信データ2304−Nを入力とし、受信データの解析を行い、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」に関する情報を抽出し、グループ情報を含む信号2307を出力する。
また、受信データ解析、および、受信データ振り分け部2305は、第1の通信局106−1からの受信データ2304−1、第2の通信局106−2からの受信データ2304−2、・・・、第Nの通信局106−Nからの受信データ2304−Nの振り分けを行い、例えば、受信データ2306を出力する。
無線通信方式選択部2308は、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」に関するグループ情報を含む信号2307を入力とし、グループ情報に基づいて、データ送信に使用する無線通信方式を一つ以上選択する。
例えば、実施の形態1で説明したように、グループ#Xとして、図4の表の選択番号#1と選択番号#6が登録されているものとし、この情報を、無線通信方式選択部2308が得たとする。すると、無線通信方式選択部2308は、データを送信するための無線通信方式として、図4の表の選択番号#1と選択番号#6を選択するものとし、この情報を選択信号2310として、出力する。
送信データ振り分け部2302は、データ2301、選択信号2310を入力とし、選択信号2310が、「図4の表の選択番号#1と選択番号#6」を示しているので、データ2301を「図4の表の選択番号#1と選択番号#6」の無線通信方式に対応する通信局でデータを送信するためのデータの割り当てを行う。例えば、「図4の表の選択番号#1と選択番号#6」の無線通信方式に対応する通信局が、図1の第1の通信局106−1と第Nの通信局106−Nの場合、図23の送信データ振り分け部2302は、データ2301を第1のデータ2303―1と第Nのデータ2303−Nに振り分ける。そして、第1のデータ2303―1を含む変調信号を、第1の通信局106−1が送信し、第Nのデータ2303−Nを含む変調信号を、第Nの通信局106−Nが送信する。
なお、例えば、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」であるグループ#Xが、2種類以上の図4などの表に対応する選択番号を含んでいるとき、グループ#Xに含まれているすべての選択番号に相当する無線通信方式で、(図1の)通信局がデータを送信しなくてもよい。つまり、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」であるグループ#Xに含まれている選択番号のうち、一つ以上の選択番号を選択し、(図1の)通信局がデータを含む変調信号を送信するとしてもよい。
また、実施の形態1から実施の形態3で説明したように、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」を複数設定している場合がある。この場合、例えば、端末108は、複数のグループを示すグループ情報をプロキシサーバー104に渡し、その情報にもとづき、プロキシサーバー104は、図4などの表に対応する選択番号の中から、一つ以上の選択番号を選択し、(図1の)通信局がデータを含む変調信号を送信するとしてもよい。
例えば、端末108が、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せかであるグループ」として、グループ#Xとグループ#Yの設定を行っているものとする。すると、端末108は、グループ#Xに関する情報とグループ#Yに関する情報をプロキシサーバー104に伝送するものとする。そして、プロキシサーバー104は、グループ#X、グループ#Yのいずれかを選択する。そして、選択したグループに含まれる(図4などの表に対応する)選択番号のなかから、データを送信するための選択番号を選択し、データを送信するための選択番号に対応する通信局から、データを含む変調信号を送信することになる。
以上のように、本実施の形態では、端末で設定した「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」の情報をプロキシサーバーに伝送し、その情報に基づいて、無線通信方式を選択することで、SARの規定値以下を実現しながら、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
上述の説明において、プロキシサーバーによる構成を説明したが、プロキシサーバーではなく、サーバーが、上述で説明した動作を行ってもよい。したがって、図1のプロキシサーバー104をサーバーに置き換えてもよく、このとき、サーバーが図23の構成を有していることになる。
なお、上記の説明では、プロキシサーバーあるいはサーバーが、グループ情報にもとづいて、送信データあるいは受信データを複数の通信局に振り分けるとして説明したが、プロキシサーバーあるいはサーバーに接続するコンピュータのような電子機器が、グループ情報にもとづいて、データを複数の通信局に振り分けてもよい。また、プロキシサーバーが、サーバーであってもよく、そして、プロキシ―サーバー、サーバーを別の呼び方をしてもよい(呼び方は、サーバー、プロキシサーバーに限ったものではない)。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態4とは異なる無線通信方式の設定方法について詳しく説明する。
端末、通信局、プロキシサーバー、サーバーの通信状態として、図1のような通信状態を考える。
そして、端末は、例えば、図4、図7、図12、図14、図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21の表に関する情報、つまり、端末における無線通信方式とSARの対応関係に関する情報を、図1のサーバー102、および/または、プロキシサーバー104に伝送するものとする。
例えば、図3の端末108の送信制御部305が保有している端末における無線通信方式とSARの対応関係に関する情報を、第iの送信部307_i(iは1以上N以下の整数)は、入力とする。そして、第iの送信部307_iのいずれか1つまたは複数が、「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」を送信するものとする。
図22に、第Xの送信部307_Xにより、端末が、「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」を送信する場合の、送信信号のフレーム構成は、図22と同様である。
図22において、横軸は時間、縦軸は周波数であるものとする。プリアンブル2201は、受信装置(通信局)が、時間同期、周波数同期、信号検出、伝送路変動の推定を行うためのシンボルであるものとする。
制御情報シンボル2202は、データシンボル2203を生成するために使用した誤り訂正方法に関する情報(誤り訂正符号の情報、符号長・符号化率などに関する情報)、変調方式に関する情報、送信方法に関する情報に加え、上で説明した「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」を含んでいるものとする。
データシンボル2203は、データを伝送するためのシンボルであるものとする。
なお、フレーム構成については、図22に限ったものではなく、また、図22で示したシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル、リファレンスシンボルなどのシンボルを含んでいてもよい。
図1のプロキシサーバー104は、第1の通信局106−1、第2の通信局106−2、・・・、第Nの通信局106−Nを経由して、端末108が送信した、「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」を得ることになる。なお、「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」を、他の機器が、有線、および/または、無線により、プロキシサーバー104に、送信してもよい。
この場合における、プロキシサーバーの構成は、図23に示した一例と同様である。図23の受信データ解析、および、受信データ振り分け部2305は、第1の通信局106−1からの受信データ2304−1、第2の通信局106−2からの受信データ2304−2、・・・、第Nの通信局106−Nからの受信データ2304−Nを入力とし、受信データの解析を行い、「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」を抽出し、「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」を含む信号2307を出力する。
また、受信データ解析、および、受信データ振り分け部2305は、第1の通信局106−1からの受信データ2304−1、第2の通信局106−2からの受信データ2304−2、・・・、第Nの通信局106−Nからの受信データ2304−Nの振り分けを行い、例えば、受信データ2306を出力する。
無線通信方式選択部2308は、「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」を含む信号2307を入力とし、「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」に基づいて、データ送信に使用する無線通信方式を一つ以上選択する。
このとき、端末が、同時送信してもSARが規定値以下となることを考慮して、無線通信方式選択部2308は、データを送信する無線通信方式を一つ以上選択することになる。このとき、端末から得た「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」に基づいて、データ送信に使用する無線通信方式を一つ以上選択することになる。
無線通信方式選択部2308で選択したデータを伝送するための一つ以上の(または、複数の)無線通信方式で、図1の第1の通信局106−1、第2の通信局106−2、・・・、第Nの通信局106−Nのいずれかを用いて、データを含む変調信号を端末108に送信することになるが、端末108は、無線通信方式選択部2308で選択したデータを伝送するための一つ以上の(または、複数の)無線通信方式で変調信号を送信する可能性があり、このとき、「無線通信方式選択部2308で選択したデータを伝送するための一つ以上の(または、複数の)無線通信方式」による同時送信が端末で行われる可能性がある。この点については、実施の形態4でも同様である。
したがって、無線通信方式選択部2308が、データ送信に使用する無線通信方式を一つ以上選択する場合、端末108が同時送信した際にSARが規定値以下となるような組み合わせの無線通信方式を一つ以上選択することになる。選択の際、端末が送信した「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」に基づき、SARが規定値以下となるように、無線通信方式を選択することになる。そして、図1の第1の通信局106−1、第2の通信局106−2、・・・、第Nの通信局106−Nのうち、選択した無線通信方式に相当する通信局が、データを送信することになる。
以上のように、本実施の形態では、プロキシサーバー104が、端末108が送信した「無線通信方式とSARの対応関係に関する情報」に基づき、SARが規定値以下となるように、無線通信方式を選択し、通信局がデータを送信することになる。これにより、端末108におけるSARが規定値以下を実現しながら、データの伝送速度を向上させることができるという効果を得ることができる。
上述の説明において、プロキシサーバーによる構成を説明したが、プロキシサーバーではなく、サーバーが、上述で説明した動作を行ってもよい。したがって、図1のプロキシサーバー104をサーバーに置き換えてもよく、このとき、サーバーが図23の構成を有していることになる。
なお、上記の説明では、プロキシサーバーあるいはサーバーが、グループ情報にもとづいて、送信データあるいは受信データを複数の通信局に振り分けるとして説明したが、プロキシサーバーあるいはサーバーに接続するコンピュータのような電子機器が、グループ情報にもとづいて、データを複数の通信局に振り分けてもよい。また、プロキシサーバーが、サーバーであってもよく、そして、プロキシ―サーバー、サーバーを別の呼び方をしてもよい(呼び方は、サーバー、プロキシサーバーに限ったものではない)。
(実施の形態6)
本実施の形態では、端末が変調信号を送信する際に、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」を切替える場合について説明する。
例えば、端末108が、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せかであるグループ」として、グループ#Xとグループ#Yの設定を行っているものとする。この場合を例にとって、グループの切替について説明する。なお、設定されるグループの数は、3つ以上であってもよい。
図24は、グループの切替タイミングの一例を示す図である。図24の横軸は、時間軸を示している。図24は、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」であるグループ#Xとグループ#Yが、時間軸方向で切替えられることを示している。
具体的には、時間間隔2401にて、端末は、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信し、グループ#Yを構成する複数の通信方式を用いてデータを受信することになる。なお、図24では時間間隔2401においてグループ#Yの受信を端末が行っている例で説明しているが、グループ#Yの受信を行わなくてもよい。また、グループ#Xの送信の時間的間隔とグループ#Yの受信の時間的間隔が異なっていてもよい(同一でもよい)。そして、時間間隔2401と時間間隔2402との間、つまり、端末における送信タイミングと受信タイミングの切替時に、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」がグループ#Xからグループ#Yに切替えられる。
同様に、時間間隔2402にて、端末は、グループ#Yを構成する複数の通信方式を用いて、データを送信し、グループ#Xを構成する複数の通信方式を用いてデータを受信することになる。なお、図24では時間間隔2402においてグループ#Xの受信を端末が行っている例で説明しているが、グループ#Xの受信を行わなくてもよい。また、グループ#Yの送信の時間的間隔とグループ#Xの受信の時間的間隔が異なっていてもよい(同一でもよい)。そして、時間間隔2402と時間間隔2403との間、つまり、端末における送信タイミングと受信タイミングの切替時に、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」がグループ#Yからグループ#Xに切替えられる。また、同様に、時間間隔2403と時間間隔2404との間、つまり、端末における送信タイミングと受信タイミングの切替時に、「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」がグループ#Xからグループ#Yに切替えられる。
上記で説明した「同時送信に用いる複数の無線通信方式の組合せであるグループ」の切替は、端末がグループを選択する場合に、端末が切替を行ってもよいし、プロキシサーバーがグループを選択する場合に、プロキシサーバーが切替を行ってもよい。
なお、本開示におけるグループの切替は、端末における送信タイミングと受信タイミングの切替時に限らない。複数のグループを時分割で切替えてもよい。そして、各グループでSARの値を規定値以下に抑えていれば、この端末はSARの値を規定値以下に抑えていることになる。
当然であるが、本明細書において説明した実施の形態、その他の内容を複数組み合わせて、実施してもよい。
また、各実施の形態、その他の内容については、あくまでも例であり、例えば、「変調方式、誤り(消失)訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」を例示していても、別の「変調方式、誤り(消失)訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」を適用した場合でも同様の構成で実施することが可能である。
変調方式については、本明細書で記載している変調方式以外の変調方式を使用しても、本明細書において説明した実施の形態、その他の内容を実施することが可能である。例えば、APSK(Amplitude Phase Shift Keying)(例えば、16APSK, 64APSK, 128APSK, 256APSK, 1024APSK, 4096APSKなど)、PAM(Pulse Amplitude Modulation)(例えば、4PAM, 8PAM, 16PAM, 64PAM, 128PAM, 256PAM, 1024PAM, 4096PAMなど)、PSK(Phase Shift Keying)(例えば、BPSK, QPSK, 8PSK, 16PSK, 64PSK, 128PSK, 256PSK, 1024PSK, 4096PSKなど)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)(例えば、4QAM, 8QAM, 16QAM, 64QAM, 128QAM, 256QAM, 1024QAM, 4096QAMなど)などを適用してもよいし、各変調方式において、均一マッピング、非均一マッピングとしてもよい。
また、変調信号は、シングルキャリア方式の信号、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などのマルチキャリア方式の信号、いずれであってもよい。そして、伝送方法としては、送信装置が一つのアンテナ、受信装置が一つ以上のアンテナで信号を受信する伝送方法(SISO(Single-Input Single-Output)伝送方法、SIMO(Single-Input Multiple-Output)伝送方法)であってもよいし、また、送信装置が複数ストリームを送信し、受信装置が1つ以上のアンテナで変調信号を受信する方式(MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式、MISO(Multiple-Input Single-Output)伝送方式)を用いてもよい。また、時空間ブロック符号、時空間トレリス符号を用いてもよい(このとき、OFDMなどのマルチキャリア方式を用いているとき、シンボルを時間軸方向に並べてもよいし、周波数軸方向に並べてもよいし、周波数―時間軸方向に並べてもよい)。
本開示は上記の実施の形態で説明した内容に限定されず、本開示の目的とそれに関連又は付随する目的を達成するためのいかなる形態においても実施可能であり、例えば、以下であってもよい。
(1)上記の各実施の形態では、主に、符号化器及び送信装置で実現する場合について説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、有線による放送、有線通信、電灯線通信、光通信、無線通信装置で実現する場合においても適用可能である。
(2)上記の各実施の形態で説明した送信側の通信装置の動作の手順をプログラムに記載し、当該プログラムを予めROM(Read Only Memory)に格納しておき、CPU(Central Processing Unit)がROMに記憶された当該プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。また、送信側の通信装置の動作の手順を記載したプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記憶して、コンピュータのCPUがRAMに記憶された当該プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
(3)上記の各実施の形態などの各構成は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、各実施の形態の全ての構成または一部の構成を含むように1チップ化されてもよい。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
(4)本開示は、無線通信(無線による放送)に限らず、電灯線通信(PLC:Power Line Communication)、可視光通信、光通信などの有線通信および有線による放送においても有用であることは言うまでもない。
(5)上記の各実施の形態では、物理層やアプリケーション層、パケットレベルという用語を用いて説明したが、これは単に定義であって、呼び名はこれに限られるものではない。
(6)物理層の誤り訂正符号のことを一般的にFEC(Forward Error Correction)schemeと呼ばれることがある。
(7)パケットレベルの誤り(消失)訂正符号のことをAL(Application Layer)−(Forward Error Correction)schemeと呼ばれることがある。
本明細書において、送信装置を具備しているのは、例えば、放送局、基地局、アクセスポイント、端末、携帯電話(mobile phone)等の通信・放送機器であることが考えられ、このとき、受信装置を具備しているのは、テレビ、ラジオ、端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、アクセスポイント、基地局等の通信機器であることが考えられる。また、本開示における送信装置、受信装置は、通信機能を有している機器であって、その機器が、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のアプリケーションを実行するための装置に何らかのインターフェースを解して接続できるような形態であることも考えられる。
また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード、ポストアンブル、リファレンスシンボル等)、制御情報用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。そして、ここでは、パイロットシンボル、制御情報用のシンボルと名付けているが、どのような名付け方を行ってもよく、機能自身が重要となっている。
パイロットシンボルは、例えば、送受信機において、PSK変調を用いて変調した既知のシンボル(または、受信機が同期をとることによって、受信機は、送信機が送信したシンボルを知ることができてもよい。)であればよく、受信機は、このシンボルを用いて、周波数同期、時間同期、(各変調信号の)チャネル推定(CSI(Channel State Information)の推定)、信号の検出等を行うことになる。
また、制御情報用のシンボルは、(アプリケーション等の)データ以外の通信を実現するための、通信相手に伝送する必要がある情報(例えば、通信に用いている変調方式・誤り(消失)訂正符号化方式・誤り(消失)訂正符号化方式の符号化率、上位レイヤーでの設定情報等)を伝送するためのシンボルである。
送信装置と受信装置に対し、送信方法(MIMO、SISO、時空間ブロック符号、インタリーブ方式)、変調方式、誤り訂正符号化方式、パケットレベルの誤り(消失)訂正方式を通知する必要があるが、実施の形態によってはこの点についての記載を省略している。なお、送信装置が送信するフレームに、これらの情報を伝送するシンボルが存在することになり、受信装置はこれを得ることで、動作を変更することになる。
なお、本開示は各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、各実施の形態では、通信装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、この通信方法をソフトウェアとして行うことも可能である。