JP6630982B2 - 電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、活性炭を用いた電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法に関する。
電解液が導体に接すると、電解液と導体の界面にプラス電荷の層とマイナス電荷の層とからなる電気二重層キャパシタが形成される。この現象を利用して電気エネルギーを蓄えるものが電気二重層キャパシタである。
この電気二重層キャパシタは、急速充電が可能であるとともに、従前の二次電池と比較して充放電を繰返しても劣化することが殆どないという優れた特性を有する一方で、リチウム電池等の二次電池と比較して蓄えられるエネルギー容量が小さいという欠点を有している。
これに対し、近年、表面積の大きい活性炭を電気二重層キャパシタ用分極性電極として利用し、電極と電解液との接触面積を大きくすることにより、静電容量の大容量化を図った特許文献1に示す電気二重層キャパシタ用分極性電極とその製造方法が公知となっている。
特開2002−373835号公報
上記文献の電気二重層キャパシタ用分極性電極は、粉末状に粉砕された活性炭に成形用の混練剤をまぜて板状に成形することによって構成されているが、粉末状活性炭の板状への成形作業が容易ではなく手間とコストがかかるとともに、粉末状活性炭が作業中に飛散し易いなどの課題があった。
本発明は、粉末状の活性炭から分極性電極を成形するにあたり、製造コストを低く抑えつつ、より簡易に成形することのできる電気二重層キャパシタ用分極性電極及び、これを用いた電気二重層キャパシタを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、第1に、木材からなる木炭を粉末状に粉砕する粉砕工程と、粉末状の木炭の粒径を選別する選別工程と、前記粉末状の木炭を賦活処理して粉末状活性炭を得る賦活処理工程と、該粉末状活性炭と液体とを混合して電極状に成形する成形工程とを有し、前記選別工程では、上記粉末状の木炭の粒径が0.1〜1.00mmとなるように選別を行い、前記賦活処理工程では、アルカリ賦活を行うことで上記粉末状活性炭の粒径を0.01〜1.00mmとなるようにするとともに、前記賦活処理工程によって得られた粉末状活性炭を洗浄する洗浄工程を設け、該洗浄工程は、粉末状の活性炭より小さな網目の収容袋に収容し、粉末状活性炭を水若しくは85℃以下のお湯の中に含浸させた状態で所定時間漬け置き、その後、粉末状活性炭を乾燥させることなく脱水する脱水作業を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、粒径が0.01mm以上1mmとなる粉末状活性炭を用いて電気二重層キャパシタ用分極性電極を成形することにより、コストを低く抑えつつ、粉末状活性炭から容易に高性能な分極性電極を成形することができ、粉末状活性炭が空気中に飛散することも防止できるため管理もし易くなる。
賦活処理工程によって得られた粉末状活性炭を、電極状に成形する前に洗浄することによって、より高性能の電気二重層キャパシタ用分極性電極となる。
前記賦活処理工程に水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ賦活を行い、電気二重層キャパシタの電解液には水酸化カリウム水溶液を用いることで、性能を落とすことなく、製造コストを低く抑えることができる。
集電極の一部を外側に露出させた状態で外装体を密封する場合に、集電極に外装体の密封を補助する密封補助部を形成し、該密封補助部の上から収容袋を熱圧着して密封するものによれば、収容袋内の電解液が集電極を伝って外に漏れることを簡易な構成で確実に防止することができる。
(A)及び(B)は、電気二重層キャパシタの構成を示す概念図である。 (A)乃至(F)は、密封補助部の構造を示した図である。 分極性電極の製造工程のフロー図である。 分極性電極を製造する際の成形工程を示した図である。 測定対象の電気二重層キャパシタの静電容量と内部抵抗を測定する回路図を示したものである。 前記洗浄工程の有無で電気二重層キャパシタの静電容量と内部抵抗とを比較した結果を示した表図である。 電解液の濃度の違いで電気二重層キャパシタの静電容量と内部抵抗とを比較した結果を示した表図である。 電解液の種類によって電気二重層キャパシタの静電容量と内部抵抗とを比較した結果を示した表図である。
本願発明者らは、鋭意検討の結果、炭化処理して得られた木炭を粉砕して粉末状木炭とし、粉末状木炭を賦活処理して得られた粉末状活性炭の粒径を所定範囲内に収めることによって、より高性能な電気二重層キャパシタ用分極性電極が得られるとともに、作成が容易となることを見出し、これを発明した。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1(A)及び(B)は、電気二重層キャパシタの構成を示す概念図であり、図2(A)乃至(F)は、密封補助部の構造を示した図である。電気二重層キャパシタは、平行又は略平行状態で対向する一対の板状の集電極1,1と、該一対の集電極1,1間に配置されたシート状のセパレータ2と、セパレータ2と一対の集電極1,1との間にそれぞれ介挿された一対のシート状の分極性電極3,3と、一端が開放された外装体7と、電解液6とを備え、外装体7の開放端側が電解液6等の漏れを防止した状態で集電極の一部が接続端子1aとして露出した状態で閉塞されている。該集電極1とセパレータ2と分極性電極3は隣接するもの同士が互いに密着状態で接しており、電極部を形成している。
この電気二重層キャパシタは、厚板状に形成されて複数の電気二重層キャパシタを厚み方向に重ねることによって直列接続し、両端側の電気二重層キャパシタを介して、電気の充放電が行われる。複数の電気二重層キャパシタを直列接続した状態でユニット化したユニット構造については後述する。
前記集電極1は、上下方向が長手方向となる方形板状に成形され、少なくとも分極性電極3と接する側の面を、導体によって構成する必要があるが、本例では全体が導体で構成されている。導体として用いる金属は、例えば、ニッケル、コバルト、鉄、銀、金又は白金であり、これらの組合せであっても良いが、本実施例では、コスト面を考慮して鉄を集電極用の導体として用いている。
前記電解液6としては、水系の電解液であって濃度が10〜40重量%の水酸化カリウム水溶液か、或いは水酸化ナトリウム水溶液か、これらの混合液を用いる。ちなみに、強アルカリとなる電解液は、塩酸等によって容易に中和処理できるため、使用後も安全に破棄できる。
前記セパレータ2は、一方の分極性電極3及び集電極1と、他方分極性電極3及び集電極1との接触(特に集電極間の接触)を防止する耐アルカリ性の絶縁シートであり、集電極1間のイオンの流通を妨げないように構成されている。具体的には、液体で含浸させた際に収縮し難い耐アルカリ性の紙(ろ紙)や、耐水処理を施したセルロース繊維やポリビニルアルコール繊維からなるセパレータを用いる。
前記分極性電極3は、樫、松、杉、竹やマングローブ等の木材を材料とし、後述する活性炭製造工程により木材を炭化処理して得られた木炭を粉砕処理し、その後の賦活処理工程を経て得られた粉末状活性炭と、木綿を同様に炭化処理・賦活処理して得られた木綿活性炭とを混練・成形することにより製造される。該分極性電極の製造方法の詳細については、後述する。
前記外装体7は、フレキシブルに変形可能な耐アルカリ性(具体的には、ポリエチレン製)の収容袋である。この収容袋7には、セパレータ2及び分極性電極3の全部と、接続端子となる集電極1の一部とが、差込収容され、開放された収容袋7の上端部又は下端部が、対向面同士で熱圧着等されて密閉される。
このとき、図2(A)乃至(F)に示されるように、接続端子となる集電極の一端側には、集電極1の一部を露出した状態で収容袋7を密封することを補助する密封補助体(密封補助部)11が取付けられている。該密封補助体11は、集電極1の外周面側に取付けられて集電極1を囲繞する熱収縮チューブからなる囲繞部12と、該囲繞部12を交差方向に挟んだ状態で熱圧着される挟持部13とからなり、該密封補助部11上から熱圧着等で密封するシール部10を形成することで、収容袋7内の電解液6が漏れることを確実に防止できる。以下、上記の密封補助部11について説明する。
まず、集電極1の表面に、エポキシ樹脂系の接着剤(本実施例ではハンツマンジャパン株式会社製のアラルダイト)14を塗布し(図2(A)参照)、次に、塗布した接着剤を覆う長さの熱収縮チューブからなる前記囲繞部12を、集電極1の接着剤塗布部に貫通させ(図2(B)参照)、上記接着剤14が硬化する前に熱収縮する囲繞部12を収縮させることにより、囲繞部12の内周面側を、接着剤を介して集電極1側と密着させる(図2(C)参照)。図示する例の囲繞部12は、ポリオレフィン製の熱収縮チューブであって、収縮開始温度が70℃、融点が85〜105℃、内径が3mm、厚さが0.1mmのものを用いた。
次に、熱収縮チューブの一端側に切込みをいれることで、集電極1に密着させた前記囲繞部12を交差方向に挟むようにして設けられる挟持部13を成形し(図2(D)参照)、その後、耐熱性フィルム16を介して挟持部13を熱圧着して挟持部13を定着させた(図2(E)参照)。これにより集電極1側に十字状に形成される前記密封補助部11が構成される。
上記密封補助部11を備えた集電極1を収容袋7に収容し、密封補助部11の上からシーラーを用いてポリエチレン製の収容袋7の開口部を加熱溶着することによってシール部10を形成し(図2(F)参照)、集電極1の一部が収容袋7外に露出した状態で、収容袋7を密閉することができる。また、線状ヒーターを備えたシーラーを用いて、前記挟持部に沿って線状に加圧して形成される溝部15を、表裏に2箇所ずつ形成することによって、密封補助部11と収容袋7との接着がより確実なものとなる(図2(F)参照)。
上記構成の密封補助部11によれば、囲繞部12と交差方向に設けた挟持部13によって、収容袋7内の電解液6が集電極1及び囲繞部12のエッジ部分に沿ってシール箇所を流れて収容袋7外に染み出ることを確実に防止できるとともに、集電極1と囲繞部12との接着部分もエポキシ樹脂製の接着剤14によって電解液6が侵入することを確実に防止できる。
上述のように構成される電気二重層キャパシタは、特に、電解液として水系の電解液を用いた場合には、電気分解されることを回避するため、電気二重層キャパシタにかかる電圧が1.23V以下となるように設定されている。より高い電圧が必要な場合には、複数の電気二重層キャパシタを直列接続してユニット化してキャパシタユニットとすることによって高電圧の蓄電池として用いることができる。
次に、図3及び図4に基づき、粉末状の木炭を用いた分極性電極の製造方法と、該分極性電極を用いた電気二重層キャパシタの製造方法について説明する。図3は、分極性電極の製造工程のフロー図であり、図4は、分極性電極を製造する際の成形工程を示した図である。図3に示すように、電気二重層キャパシタ用電極(分極性電極)は、炭化処理工程と、粉砕・選別工程と、賦活処理工程と、洗浄工程と、成形工程とを有している。
前記炭化処理は、例えば、対象となる前記木材を設置した乾留炉において、400〜1200℃まで温度を上げ、その状態で5分〜20時間保持した後に、常温まで降温させることにより、木炭を得る。この範囲内に収めることによって、賦活後に高い静電容量を得ることのできる木炭となる。なお、木綿についても上記と同様にして炭化処理を行い、木綿を材料とした炭を得る。ちなみに、上記木炭として、バーベキュー等に使用される市販の木炭を用いても良い。
前記粉砕・選別工程は、上記炭化処理で得られた木炭を粉砕処理することによって粉末状木炭とする。具体的には、前記木炭を金槌等による衝撃によって数cm程度の木炭片に砕いた後、サンドミルによって粉砕処理を行い、粉末状木炭を得る。該粉末状木炭は、粒径を揃えるため、粒径が1mm以下となるように篩にかける。本実施例では、篩の網目の寸法が、0.85mm×0.85mmで網目の対角線が1.0mm程度のものを使用した。
粉砕された粉末状木炭は、上記の篩にかけられて、0.1mm〜1.0mm程度のものが用いられる。木炭の時点で0.1mmよりも小さくするとその後の賦活処理工程や成形工程の作業性が悪くなるだけでなく、小さく砕かれた木炭が飛散して作業者の健康上好ましくない。また、粉末状の木炭の粒径が1.0mm以上となると、その後の成形工程時においてブロック状に加工し難くなる。
前記賦活処理工程は、窒素ガス、アルゴンガス又はこれらの混合物等の不活性ガスと、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液又はこれらの混合物からなる水溶液とを用意し、まず、該水溶液を粉末状木炭に吸着させ、その後、不活性ガス雰囲気下において、加熱処理を行うことによってアルカリ賦活処理を行い、粉末状活性炭を得る。なお、木綿活性炭についても上記と同様に賦活処理を行い、繊維状の木綿活性炭を得る。
上記賦活処理の際に吸着させる水溶液の量は、水溶液中の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又はこれらの混合物の重さが、炭化処理された炭化物の乾燥状態時の重量と略同量の重さとなる分量を用いることが好ましい。
なお、上記のアルカリ賦活には、安価な水酸化ナトリウム水溶液を用いることによって、得られる分極性電極の性能をほとんど落とすことなく製造コストを低く抑えることができる。詳しくは後述する。
ちなみに、賦活処理される木炭は、賦活処理を行う前に粉砕処理したものが用いられることによって、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液を短時間で粉末状木炭に含浸(吸着)させることができるため、賦活処理をより効率的に行うことができる。
前記粉末状木炭を賦活処理することによって得られた粉末状活性炭は、その粒径が粉末状木炭の時よりも粒径がさらに小さくなり、数十μm〜1.0mm程度(さらに好ましくは、0.01mm〜1.0mm程度)となる。これにより得られた粉末状活性炭から分極性電極を作成することにより、より高容量の電気二重層キャパシタを製造できる。
前記洗浄工程は、上記賦活処理後の冷却のため、粉末状活性炭に水を含浸させ(湿らせ)、小さな網目の洗浄袋(不織布の袋等)内に収容する。このとき、洗浄袋の網目は0.1mm以下とする。前記粉末状活性炭が収容された洗浄袋は、水若しくは85℃以下のお湯の中に1日程度漬け置かれる。その後、水又はお湯に漬け置いた洗浄袋を、洗濯機の脱水機等を用いて5分程度脱水することによって、粉末状活性炭を脱水する。
上記のように賦活処理後に粉末状活性炭を洗浄することによって、活性炭内に残留する異物を除去できるため、より高性能な分極性電極を作成できる。
前記成形工程は、図4に示されるように、方形状の凹部が形成された金型に、該凹部に詰込まれる粉末状活性炭を包む十字型のセパレータを配置する。粉末状活性炭と木綿活性炭とを混ぜたものに、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、或いはこれらの混合物(図示する例では、濃度が34重量%の水酸化ナトリウム水溶液)を加えて混練し、前記凹部に配置したセパレータに載せ、平坦化した後、該状態で凹部に対応すると凸部が形成された金型で上記活性炭を加圧することによって、方形状の分極性電極を成形する(図4の(1)〜(4)参照)。
このとき、金型による加圧は、油圧ジャッキを用いて数百kg〜2トン以内の荷重を与えており、本実施例では、凹部の内寸法が50mm×50mmのサイズの金型を用いている。これによって成形される分極性電極1つあたりの厚さを15mm(電気二重層キャパシタ中の活性炭の厚さで30mm)以上にすると、充電時間が急激に長くなったり、内部抵抗が増加したりする傾向があるため、これよりも薄くなるように成形することが好ましい。
上記のように、粉末状活性炭に、繊維状の木綿活性炭を混練することにより、ブロック状の分極性電極を成形し易くなる。このとき混練される木綿活性炭は全体の5%以内程度が好ましい。なお、上記分極性電極は、粉末状活性炭のみから作成しても良い。
次に、方形板状に成形された活性炭からなる分極性電極を金型から取出し、該分極性電極の表面に接続端子が形成された方形板状の集電極を重ねた後、集電極及び分極性電極を、十字状のセパレータで包み、セパレータの端部をワックス等で固着させることによって前記電極部を形成している(図4の(5)〜(7)参照)。このとき、重ねられた活性炭と集電極とセパレータとがワックス等で固着することでそれぞれが固定されている。
上記手順(図4の(1)〜(7)参照)によって製造される電極部を2つ用意し、集電極・分極性電極・セパレータ・分極性電極・集電極の順となるように重ね合わせ(図4の(8)参照)、集電極のみを露出させた状態で前記収容袋に収容してガスバリアし、該状態で加圧密封して電気二重層キャパシタを製造する。
上述の製造工程で作成された電気二重層キャパシタにおいて、分極性電極を木材からなる粉末状活性炭のみで作成した場合には、電気二重層キャパシタの1cmあたりの静電容量が28Fとなる一方で、分極性電極を木綿活性炭のみで作成した場合には、電気二重層キャパシタの1cmあたりの静電容量は15F程度となった。
すなわち、電気二重層キャパシタの静電容量は、木材からなる粉末状活性炭により作成した分極性電極も用いることにより、木綿活性炭から作成した分極性電極を用いる場合と比較して2倍程度容量が大きくなった。また、該構成の分極性電極によれば、材料に安価な木材を用いているため、製造コストを低く抑えることができる。
なお、上記分極性電極は、賦活処理後の粒径が1.00mm以下の粉末状活性炭を用いて成形することにより、より高容量の電気二重層キャパシタを得ることができる。粒径が大きすぎるとエネルギー密度が低下し、1cmあたりの静電容量が低下する。具体的には、粒径が1.00mm以下の粉末状活性炭を用いた場合には、電気二重層キャパシタの1cmあたりの静電容量が28Fとなる一方で、粒径が2.00mm以下の粉末状活性炭を用いた場合には、電気二重層キャパシタの1cmあたりの静電容量は22F程度に低下した。
さらに、上述の分極性電極は、前記洗浄工程により賦活処理後に粉末状活性炭を洗浄することで、電気二重層キャパシタの静電容量がより高容量なものとなる。以下、洗浄工程の有無による静電容量の違いを調べた。
次に、図5乃至8に基づき、上述の分極性電極を構成する粉末状活性炭の洗浄工程の有無による静電容量の違いを実験した。
図5は、測定対象の電気二重層キャパシタの静電容量と内部抵抗を測定する回路図を示したものである。図より、該計測回路は、電流制限の設定が可能な定電圧電源と、電流測定のための抵抗であって、0.1Ωの低抵抗と、放電のための抵抗であって10Ωの放電抵抗と、スイッチ1と、スイッチ2とを含む配線とで構成されており、下記実験対象の電気二重層キャパシタを、該測定回路に設置する。
(試験1)
上述の電気二重層キャパシタの製造方法に基づいて、賦活後の洗浄をした粉末状活性炭からなる分極性電極を用いた電気二重層キャパシタと、前記洗浄を行わずに作成した分極性電極を用いた電気二重層キャパシタとを用意し、上記2つの電気二重層キャパシタの内部抵抗と静電容量を、上記回路を用いて通常の方法で測定した。測定値を比較した結果を図6に示す。
図6は、前記洗浄工程の有無で電気二重層キャパシタの静電容量と内部抵抗とを比較した結果を示した表図である。図6より、洗浄工程を実施した分極性電極を用いた場合は、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量は、8.20[F]となり、内部抵抗は、0.275となった。その一方で、洗浄工程を実施しなかった分極性電極を用いた場合は、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量は、5.93[F]となり、内部抵抗は、0.301となった。
これにより、分極性電極作成時に、賦活処理後の洗浄をしたことによって、洗浄しなかった場合と比較して、組立後の電気二重層キャパシタの静電容量が約1.4倍高くなっていることが確認できた。
これは、電解液として用いた水酸化カリウムが、賦活処理後の粉末状活性炭に多量に残留していることが原因の一つして考えられる。そのため、以下の試験2において、電解液として用いた水酸化カリウムの濃度を34%から、17%にしたものについても同様に測定し、比較を行った。
(試験2)
上述の電気二重層キャパシタの製造方法に基づいて、賦活後の洗浄をした粉末状活性炭からなる分極性電極を用いた電気二重層キャパシタと、前記洗浄工程を行わずに作成した分極性電極を用いた電気二重層キャパシタとを用意し、電解液に水を用いた場合と、濃度34%の水酸化カリウム水溶液を用いた場合と、濃度17%の水酸化カリウム水溶液を用いた場合とで、それぞれ静電容量と内部抵抗を、上記回路によって測定した。測定値を比較した結果を図7に示す。
図7は、電解液の濃度の違いで電気二重層キャパシタの静電容量と内部抵抗とを比較した結果を示した表図である。図7より、洗浄工程を実施した場合において、電解液に水を用いた場合は、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量は、4.63[F]となり、電解液の濃度が34%の場合は、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量は、7.20[F]となり、電解液の濃度が17%の場合は、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量は、6.74[F]となった。これより、電解液として用いた水酸化カリウム水溶液の濃度を半分にしても、電解液に水を用いた場合と比較して、得られる電気二重層キャパシタの静電容量は大きく変化しないことが確認できた。
その一方で、洗浄工程を実施しなかった場合においては、電解液に水を用いた場合は、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量は、4.43[F]となり、電解液の濃度が34%の場合は、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量は、4.56[F]となり、電解液の濃度が17%の場合は、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量は、5.19[F]となった。これより、上記とは異なり、濃度を34%から17%にすることによって、電気二重層キャパシタの重量あたりの静電容量が若干増加していることが確認できる。
この結果から、分極性電極内には、前記洗浄工程を実施してもある程度の水酸化カリウムが残留しているものと考えられる。上記試験1によって確認された洗浄工程を加えることで電気二重層キャパシタの静電容量が増加することを考慮すると、賦活処理工程時に発生する炭酸カリウム(2KOH+CO→KCO+HO)が分極性電極内に残留し、静電容量の増加を阻害する不純物として作用しているものと考えられる。
(試験3)
前記賦活処理工程において、水酸化カリウム水溶液よりも安価な水酸化ナトリウム水溶液を用いて賦活処理を行って得られた分極性電極を用いて電気二重層キャパシタを作成し、上記と同様に洗浄工程の有無で比較するとともに、電解液に水酸化カリウム水溶液を用いた場合と、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合とで、それぞれ静電容量と内部抵抗を測定して比較した。
図8は、電解液の種類によって電気二重層キャパシタの静電容量と内部抵抗とを比較した結果を示した表図である。図8より、水酸化ナトリウムを用いて賦活処理をした分極性電極を用いた場合であっても、水酸化カリウムを用いて賦活処理した分極性電極を用いた電気二重層キャパシタ(試験1,2参照)と同等の静電容量を得ることができることが確認できた。また、水酸化ナトリウムを用いて賦活処理をした場合であっても、電気二重層キャパシタに用いる電解液は、水酸化カリウム水溶液を用いた場合の方が得られる静電容量が高くなった。
したがって、前記賦活処理工程においては、安価な水酸化ナトリウム水溶液を使って賦活処理を行い、電気二重層キャパシタの組立時に電解液として水酸化カリウム水溶液を用いることで、電気二重層キャパシタの低コスト化と高容量化を両立させることができる。
1 集電極
2 セパレータ
3 分極性電極
6 電解液
7 収容袋(外装体)
11 密封補助部
12 囲繞部
13 挟持部
14 接着部

Claims (1)

  1. 木材からなる木炭を粉末状に粉砕する粉砕工程と、
    粉末状の木炭の粒径を選別する選別工程と、
    前記粉末状の木炭を賦活処理して粉末状活性炭を得る賦活処理工程と、
    該粉末状活性炭と液体とを混合して電極状に成形する成形工程とを有し、
    前記選別工程では、上記粉末状の木炭の粒径が0.1〜1.00mmとなるように選別を行い、
    前記賦活処理工程では、アルカリ賦活を行うことで上記粉末状活性炭の粒径を0.01〜1.00mmとなるようにするとともに、前記賦活処理工程によって得られた粉末状活性炭を洗浄する洗浄工程を設け、
    該洗浄工程は、粉末状の活性炭より小さな網目の収容袋に収容し、粉末状活性炭を水若しくは85℃以下のお湯の中に含浸させた状態で所定時間漬け置き、その後、粉末状活性炭を乾燥させることなく脱水する脱水作業を行う
    電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法。
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