JP6629531B2 - 高分子電解質膜、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents
高分子電解質膜、膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池 Download PDFInfo
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Description
そこで、このような問題を解決するために、従来は特許文献1のように延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン膜に電解質を充填したポリマー電解質燃料電池用複合膜が提案されている。しかしポリテトラフルオロエチレン膜はコストが高く、燃料電池用複合膜のコストを上げてしまう問題がある。さらに燃料電池車では、運転中のアクセルワークによる負荷変動により、電解質膜が膨潤、収縮を繰り返す。この膨潤、収縮により電解質膜の寸法が変化し破膜してしまう問題に対して、ポリテトラフルオロエチレン膜よりも強固に寸法変化を抑える補強材が望まれている。
〔1〕
主鎖に環を有し、かつ、少なくとも一つの炭素−フッ素結合を有する重合体を含む微多孔膜(A)と、
前記微多孔膜(A)の孔内に充填された高分子電解質(B)と、
を有する、高分子電解質膜。
〔2〕
前記環が、芳香環及び複素芳香環からなる群から選ばれる少なくとも1つである、又は、単環若しくは多環の脂環であって、前記脂環を構成する炭素原子の少なくとも1つが酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子で置換されていてもよい脂環からなる群より選ばれる少なくとも1つである、〔1〕に記載の高分子電解質膜。
〔3〕
前記環が下記式(A)で表される構造から選ばれる少なくとも1種を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の高分子電解質膜。
前記重合体が、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド及びセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種における炭素−水素結合の少なくとも一部をフッ素化したものである、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の高分子電解質膜。
〔5〕
前記重合体が、−COF基、−COOH基、−SO3H基、−PO3H基及び−SO2NHSO2−基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の高分子電解質膜。
〔6〕
前記重合体における炭素−水素結合数と炭素−フッ素結合数の和に対する炭素−フッ素結合の割合が50%以上である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の高分子電解質膜。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の高分子電解質膜を有する、膜電極接合体。
〔8〕
〔7〕に記載の膜電極接合体を有する、固体高分子形燃料電池。
本実施形態に係る微多孔膜(A)は、主鎖に環を有し、かつ、少なくとも一つの炭素−フッ素結合を有する重合体を含む。すなわち、微多孔膜(A)は、高分子化合物を含む微多孔膜であって、該微多孔膜の炭素−水素結合の全部又は一部がフッ素化されており、当該微多孔膜の構造中に環構造を有するものである。炭素−フッ素結合を形成させることで、燃料電池の運転中に発生する活性化ラジカルに対する耐久性が向上し、さらに環構造を有することで従来のポリテトラフルオロエチレン製微多孔膜にない、優れた機械強度を得ることができる。さらに、電解質の含浸性にも優れている。上記のとおり、微多孔膜(A)は、電解質の含浸性、電解質との密着性、機械的強度のバランスに優れるものである。
−NH−Ar1 −NH− (1)
−CO−Ar2 −CO− (2)
−CO−Ar3 −NH− (3)
本実施形態に用いられる微多孔膜(A)は、高分子電解質の微多孔膜への含浸性、高分子電解質と微多孔膜との密着性、燃料電池の運転中に発生する活性化ラジカルへの耐久性を付与する目的から、重合体分子中に官能基を導入し、さらに分子中の炭素−水素結合を炭素−フッ素結合に変換することが好ましい。なお、本明細書において、「フッ素化」とは、微多孔膜が少なくとも1つの炭素−フッ素結合をもつように処理することをいう。種々の微多孔膜に官能基を導入し、炭素−フッ素結合を形成させることにより、フッ素化前の機械強度を保ちつつ、前記の含浸性、密着性、活性化ラジカルへの耐久性の高い微多孔膜(A)を得ることが可能となる。
EW=(W/M)−22
(上記式中、「W」は官能基を導入した微多孔膜(A)の質量(mg)を表し、「M」は中和に要した水酸化ナトリウムの物質量(mmol)を表す。)
本実施形態に用いられる高分子電解質(B)は、分子内にイオン交換基を有していれば、構造は特に限定されないが、高分子電解質(B)のイオン交換容量は、0.5〜3.0ミリ当量/gが好ましく、0.65〜2.0ミリ当量/gがより好ましく、0.8〜1.5ミリ当量/gがさらに好ましい。イオン交換当量が3.0ミリ当量/g以下であることにより、高分子電解質膜として利用した際に、燃料電池運転中の高温高加湿下における高分子電解質膜の膨潤がより低減される傾向にある。このように膨潤が低減されることにより、高分子電解質膜の強度の低下や、しわが発生して電極から剥離したりするなどの問題、さらには、ガス遮断性が低下する問題を低減できる傾向にある。また、イオン交換容量が0.5ミリ当量/g以上であることにより、得られた高分子電解質膜を備えた燃料電池の発電能力がより向上する傾向にある。
−[CF2CX1X2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF2X3))b−Oc−(CFR1)d−(CFR2)e−(CF2)f−X4)]g− (13)
(式(13)中、X1、X2及びX3は、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基である。a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1である。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は、互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基である。X4はCOOZ、SO3Z、PO3Z2又はPO3HZである。ここで、Zは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアミン類(NH4、NH3R3、NH2R3R4、NHR3R4R5、NR3R4R5R6)である。またR3、R4、R5及びR6はアルキル基又はアリール基である。)
−[CF2CF2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF3))b−O−(CF2)c−SO3X)]d− (14)
(式(14)中、a及びdは、0≦a<1、0≦d<1、a+d=1である。bは1以上8以下の整数である。cは0以上10以下の整数である。Xは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
−[CF2CF2]e−[CF2−CF(−O−(CF2)f−SO3Y)]g− (15)
(式(15)中、e及びgは、0≦e<1、0≦g<1、e+g=1である。fは0以上10以下の整数である。Yは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
−[CF2CX1X2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF2X3))b−Oc−(CFR1)d−(CFR2)e−(CF2)f−X5)]g− (16)
(式(16)中、X1、X2及びX3は、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基である。a及びgは0≦a<1,0<g≦1,a+g=1である。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基である。X5はCOOR7、COR8又はSO2R8である。ここで、R7は炭素数1〜3のアルキル基である。R8はハロゲン元素である。)
CF2=CFZ (17)
(上記式(17)中、Zは、H、Cl、F、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、又は酸素を含んでいてもよい環状パーフルオロアルキル基を示す。)
CF2=CFO(CF2)z−SO2F (18)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)z−SO2F (19)
CF2=CF(CF2)z−SO2F (20)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))z−(CF2)z-1−SO2F (21)
CF2=CFO(CF2)z−CO2R (22)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)z−CO2R (23)
CF2=CF(CF2)z−CO2R (24)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))z−(CF2)2−CO2R (25)
(上記式(18)〜(25)中、Zは1〜8の整数を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
含フッ素炭化水素などの重合溶媒を使用し、この重合溶媒に充填溶解した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスとを反応させて重合を行う方法。上記含フッ素炭化水素としては、特に限定されないが、例えば、トリクロロトリフルオロエタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフロロペンタンなど、「フロン」と総称される化合物群を好適に使用することができる。
含フッ素炭化水素などの溶媒を使用せず、フッ化ビニル化合物そのものを重合溶剤として用いてフッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物との重合を行う方法。
界面活性剤の水溶液を重合溶媒として用い、この重合溶媒に充填溶解した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンガスとを反応させて重合を行う方法。
界面活性剤及びアルコールなどの助乳化剤の水溶液を用い、この水溶液に充填乳化した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスとを反応させて重合を行う方法。
懸濁安定剤の水溶液を用い、この水溶液に充填懸濁した状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスとを反応させて重合を行う方法。
本実施形態において、高分子電解質組成物は、金属イオン捕捉能を有する化合物(C)を含むものとすることができる。「金属イオン捕捉能」とは、過酸化水素の分解を促進する金属イオンを不活性化する作用をいう。ここで、過酸化水素の分解を促進する金属イオンとは、特に限定されないが、例えば、Fe、Cr、Ni等が挙げられる。このような金属イオン捕捉能を有する化合物(C)としては、特に限定されないが、例えば、リン酸化合物、ケイ酸化合物、及びカルボキシル基を有する化合物を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましい。
上記リン酸化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記の化合物が挙げられる。なお、リン酸化合物にはリン酸化合物の塩も含まれるものとする。
リン酸エステル類としては、特に限定されないが、例えば、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィン酸エステル、亜リン酸エステルなどのエステル類が挙げられる。より具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸リボフラビン、リン脂質(レチシン等)、デンプンリン酸エステル、リン酸ビタミンC、フィチン酸(IP6:イノシトール六リン酸)、4−アミノベンジルホスホン酸ジメチル、4−アミノベンジルホスホン酸ジエチル、4−アミノベンジルホスホン酸ジプロピル、2−アミノメチルホスホン酸ジメチル、2−アミノメチルホスホン酸ジエチル、2−アミノメチルホスホン酸ジプロピル、フタルイミドメチルホスホン酸ジメチル、フタルイミドメチルホスホン酸ジエチル、フタルイミドメチルホスホン酸ジプロピル、1−ヒドロキシメタン−1、1−ジホスホン酸ジメチル、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸ジエチル、1−ヒドロキシプロパン−1、1−ジホスホン酸ジプロピルなどがある。これらのエステル類は、加水分解によってFeイオン等と難溶性塩を形成するか、あるいは、キレート能力を有するアニオンを生成する。このなかでも、フィチン酸、及びフィチン酸塩が好ましい。フィチン酸及びその塩は、食品添加物として許容されており、これらを含む高分子電解質組成物は、毒性及び環境負荷の観点から好ましい。
リン酸基を持つ化合物としては、特に限定されないが、例えば、オルソリン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、メタリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸などのリン酸基を持つ化合物又はこれらの塩が挙げられる。リン酸基(例えば、オルソリン酸イオンPO4 3-、ピロリン酸イオンP2O7 4-)は、Feイオン等と難溶性の塩又はキレートを形成するため、フェントン活性を低下させる観点から好ましい。
リン酸化物としては、特に限定されないが、例えば、P2O5などが挙げられる。これらは、加水分解により、PO4 3-、P2O7 2-を生ずる。これらの中でも、食品添加物として許容されているPO4 3-イオン、P2O7 4-イオンを発生しうるリン酸化物を用いることが、高分子電解質組成物の毒性及び環境負荷の観点から好ましい。
上記ケイ酸化合物としては、特に限定されないが、例えば、ケイ酸、若しくは、これを含むヘテロポリ酸(例えば、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸)、又は、これらの塩、ゼオライト(ケイ酸アルミニウムナトリウム、アルミノケイ酸塩)が挙げられる。このなかでも、ケイ酸塩が好ましい。Feイオンは、ケイ酸イオン又はケイ素を含むヘテロポリ酸イオンと沈殿又はキレートを生成しフェントン反応をおこし難くなる。またゼオライト中ではFeイオンはゼオライトに含まれている金属(例えばナトリウム、カリウム)とイオン交換されることでゼオライト中に取り込まれ、フェントン反応を起こし難くなる傾向にある。
上記カルボキシル基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、以下の化合物が挙げられる。なお、カルボキシル基を有する化合物にはカルボキシル基を有する化合物の塩も含まれるものとする。
アミノカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラアミン六酢酸)、HIDA(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)等のアミノカルボン酸又はこれらの塩が挙げられる。アミノカルボン酸は、キレート化剤として用いることができる。
COO-イオンを有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、シュウ酸(無水シュウ酸、シュウ酸二水和物)、没食子酸、又はこれらの塩が挙げられる。アニオンとしてのCOO-イオン(特に、(COO-)2のシュウ酸イオン)は、Feと難溶性の塩を形成しやすく、好ましいアニオンである。これらのアニオンがFeと難溶性の塩を形成することによって、フェントン反応が抑制される傾向にある。上記した中でも、食品添加物として許容されている没食子酸イオンは、毒性及び環境負荷の観点からより好ましい。
カルボン酸エステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、シュウ酸エステル(例えば、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジプロピルなど)等が挙げられる。カルボン酸エステル化合物は、加水分解によってFeイオンと難溶性塩を形成するか、あるいは、キレート能力を有するアニオンを生成する。
高分子カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、フミン酸、タンニン酸などの高分子カルボン酸又はその塩が挙げられる。高分子カルボン酸もFeと難溶性の塩を形成する。
パーフルオロカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロカルボン酸又はその塩、パーフルオロカーボンカルボン酸化合物が挙げられる。パーフルオロカルボン酸もFeと難溶性の塩を形成する。また、フッ素化合物であることから、電池運転で発生したラジカルへの耐性も高く、長時間にわたり良好な電池性能を発現できる。
−[CF2CF2]a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF3))b−O−(CF2)c−CO2X)]d− (26)
(式中、a及びdは、0≦a<1、0≦d<1、a+d=1である。bは1以上8以下の整数である。cは0以上10以下の整数である。Xは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
−[CF2CF2]e−[CF2−CF(−O−(CF2)f−CO2Y)]g− (27)
(式中、e及びgは、0≦e<1、0≦g<1、e+g=1である。fは0以上10以下の整数である。Yは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
上記化合物(C)としては、高分子電解質(B)とイオン結合を形成する官能基を有する化合物が好ましい。化合物(C)が高分子電解質(B)のプロトン伝導基とイオン結合を作ることで、化合物(C)を高分子電解質中に固定化でき、これらの溶出が防止される傾向にある。
本実施形態に用いられる高分子電解質組成物は溶媒を含んでもよい。用いられる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒、液状の樹脂モノマー、液状の樹脂オリゴマーのうち少なくとも1種以上を含有したものが挙げられる。
本実施形態に係る高分子電解質組成物は、ラジカル捕捉剤(D)をさらに含有することができる。本実施形態に用いられる高分子電解質組成物は、上述したように、ラジカル種の発生を効率よく抑制できる。これに加え、ラジカル捕捉剤(D)を含むことにより、万が一ラジカル種が発生した場合にも、ラジカル捕捉剤(D)で、捕捉することができる。
本実施形態に用いられる高分子電解質組成物には、高分子電解質(B)、化合物(C)、ラジカル捕捉剤(D)の他に下記に示す添加剤を配合することができる。下記の添加剤は単独で配合することもできるし、2種以上を配合することもできる。
金属酸化物(E)としては、特に限定されないが、例えば、過酸化水素分解能を有し、かつ一次粒子径が1nm〜50nmである金属酸化物が挙げられる。ここで上記の金属酸化物(E)の「一次粒子径」とは、溶媒中の金属酸化物(E)の含有量が1質量%となるように分散液を調整し、動的光散乱粒度分布計(大塚電子製)を用いて測定される平均粒子径をいう。また、上記「過酸化水素分解能」とは、金属酸化物(E)が過酸化水素と接触した際に、水と酸素に分解することをいう。
チオエーテル化合物(F)としては、特に限定されず、−(R−S)n−(ここで、Sはイオウ原子であり、Rは炭化水素基であり、nは1以上の整数である。)の化学構造を含む化合物であって、例えば、ジメチルチオエーテル、ジエチルチオエーテル、ジプロピルチオエーテル、メチルエチルチオエーテル、メチルブチルチオエーテルのようなジアルキルチオエーテル;テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロアピランのような環状チオエーテル;メチルフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジベンジルスルフィドのような芳香族チオエーテル等が挙げられる。これらは単量体で用いてもよいし、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)のような重合体で用いてもよい。
本実施形態に用いられる高分子電解質組成物は、その組成物を構成する各成分をそれぞれ同時に又は別々に溶解又は分散した後、混合することにより、高分子電解質溶液として用いてもよい。さらに、高分子電解質溶液は、そのまま、あるいは濾過、濃縮等の工程を経た後、単独あるいは他の電解質溶液と混合して、高分子電解質膜や電極バインダー等の材料として用いることができる。
本実施形態の高分子電解質膜は、上述した微多孔膜(A)と、高分子電解質(B)とを有するものであり、当該高分子電解質膜を製造する上で、上記高分子電解質組成物を用いることができる。すなわち、本実施形態の高分子電解質膜は、上記高分子電解質組成物を含むものとすることができる。なお、高分子電解質膜の膜厚は、特に限定されないが、1μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以上100μm以下、さらに好ましくは5μm以上50μm以下である。膜厚が1μm以上であることにより、水素と酸素の直接反応のような不都合を低減し得る観点から好ましく、さらに燃料電池製造時の取り扱い時や燃料電池運転中に差圧・歪み等が生じても、膜の損傷等が発生しにくい傾向にあるため好ましい。一方、膜厚が500μm以下であることにより、イオン透過性が向上し、固体高分子電解質膜としての性能が向上する傾向にある。
本実施形態に用いられる電極触媒層は、上記高分子電解質組成物を含むものとすることができる。より詳細には、上記電極触媒層は、上記高分子電解質組成物と、必要に応じて触媒金属の微粒子とこれを担持した導電剤とから構成されるものとすることができる。また、必要に応じて撥水剤を含むこともできる。電極に使用される触媒としては、特に限定されず、水素の酸化反応及び酸素の還元反応を促進する金属であればよく、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、及びこれらの合金等が挙げられる。この中では、主として白金が用いられる。
本実施形態の膜電極接合体は、本実施形態の高分子電解質膜を有する。より詳細には、本実施形態の膜電極接合体は、上記高分子電解質膜及び上記電極触媒層を有する。本実施形態に係る高分子電解質膜は、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池の構成部材として使用することができる。高分子電解質膜の両面にアノードとカソードの2種類の電極触媒層が接合したユニットは、膜電極接合体(以下「MEA」と略称することがある)と呼ばれる。電極触媒層のさらに外側に一対のガス拡散層を対向するように接合したものについても、MEAと呼ばれる場合がある。
本実施形態の固体高分子形燃料電池は、本実施形態の膜電極接合体(MEA)を有する。上記で得られたMEA、場合によってはさらに一対のガス拡散電極が対向した構造のMEAは、さらにバイポーラプレートやバッキングプレート等の一般的な固体高分子電解質型燃料電池に用いられる構成成分と組み合わされて、固体高分子電解質型燃料電池を構成することができる。
室温の条件下、微多孔膜をフッ素ガス5vol%と窒素ガス95vol%からなる混合ガスに30分間暴露することによりフッ素化を行った。上記フッ素化を行う前の微多孔膜と、フッ素化を行った後の当該微多孔膜とを対象とし、フーリエ変換赤外分光光度計(製品名:FT/IR−460plus 日本分光社製)を用いて、C−H結合に起因するピークの強度比を以下の式に基づいて算出し、フッ素化率とした。
フッ素化率=(1−(Ib−Ia)/Ib))×100(%)
(Ib:フッ素化前のIR強度、Ia:フッ素化後のIR強度)
微多孔膜を空気下、200℃、2時間の条件で前処理を行った。次いで鉄イオンが2ppm、過酸化水素が1%の水溶液を調製し、80℃に加温したところに前処理後の高分子電解質膜を1時間、浸漬した。その後、イオンクロマトグラフィーにより試験後の液に含まれるフッ素イオンを測定した。なお、フッ素イオン量(フッ素溶出量)が少ないほど耐久性の高い高分子電解質膜となるものと評価した。すなわち、フッ素イオンが検出された微多孔膜は×、検出されなかった微多孔膜は○と評価した。また、フッ素化していない微多孔膜については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、未処理の微多孔膜と上述の前処理を行った後の微多孔膜とで分子量の比較を行い、分子量低下がなかったものを○とし、分子量低下がみられたものを×とした。
(エチレン−ノルボルネン製微多孔膜の調製)
密度が0.82、メルトフローインデックス(MI)が9.0のエチレン−ノルボルネン共重合体樹脂を口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。220℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なリップ厚3mmのTダイから押出した後、ただちに25℃に冷却し、キャストロールで引き取り、膜厚20mmの前駆体フィルムを得た。この前駆体フィルムを40℃で1.5倍に一軸延伸した後、この延伸フィルムをさらに120℃で2.0倍に一軸延伸し、さらに130℃で熱固定を行うことで、空孔率が85%のエチレン−ノルボルネン製微多孔膜を得た。なお、上記空孔率は、水銀圧入法により、水銀ポロシメーター(オートポアIV 9520、初期圧約20kPa、島津製作所社製)を用いて測定した値を採用した(以下同様)。
このエチレン−ノルボルネン製微多孔膜について、(1)に記載の手法によりフッ素化した。次いで当該微多孔膜について、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
(エチレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜の調製)
密度が0.77、メルトフローインデックス(MI)が12.2のプロピレン−ノルボルネン共重合体樹脂を口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。220℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なリップ厚3mmのTダイから押出した後、ただちに25℃に冷却し、キャストロールで引き取り、膜厚20mmの前駆体フィルムを得た。この前駆体フィルムを40℃で1.5倍に一軸延伸した後、この延伸フィルムをさらに120℃で2.0倍に一軸延伸し、さらに130℃で熱固定を行うことで、空孔率が85%のエチレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜を得た。
このエチレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜について、(1)に記載の手法によりフッ素化した。次いで当該微多孔膜について、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
(エチレン−プロピレン−ノルボルネン製微多孔膜の調製)
密度が0.73、メルトフローインデックス(MI)が15.1のエチレン−プロピレン−ノルボルネン共重合体樹脂を口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。220℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なリップ厚3mmのTダイから押出した後、ただちに25℃に冷却し、キャストロールで引き取り、膜厚20mmの前駆体フィルムを得た。この前駆体フィルムを40℃で1.5倍に一軸延伸した後、この延伸フィルムをさらに120℃で2.0倍に一軸延伸し、さらに130℃で熱固定を行うことで、空孔率が85%のプロピレン−ノルボルネン製微多孔膜を得た。
このエチレン−プロピレン−ノルボルネン製微多孔膜について、(1)に記載の手法によりフッ素化した。次いで当該微多孔膜について、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
特開平7−216122号公報に記載されている手法により、空孔率が80%のポリイミド製微多孔膜を調製した。このポリイミド製微多孔膜について(1)に記載の手法によりフッ素化した。次いで当該微多孔膜について、(2)に記載のフェントン試験を製造した。結果を表1に示す。
特開2000−100408号公報に記載されている手法により、空孔率が78%のポリパラフェニレンテレフタルアミド製微多孔膜を調製した。このポリパラフェニレンテレフタルアミド性微多孔膜について、(1)に記載の手法によりフッ素化した。次いで当該微多孔膜について、(2)に記載のフェントン試験を製造した。結果を表1に示す。
空孔率が61%であるセルロースナノファイバー製微多孔膜(旭化成製 グレードAO01−1)について、(1)に記載の手法によりフッ素化した。次いで当該微多孔膜について、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
フッ素化しない以外は製造例1と同様にして、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
フッ素化しない以外は製造例2と同様にして、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
フッ素化しない以外は製造例3と同様にして、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
フッ素化しない以外は製造例4と同様にして、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
フッ素化しない以外は製造例5と同様にして、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
フッ素化しない以外は製造例6と同様にして、(2)に記載のフェントン試験を実施した。結果を表1に示す。
後述するとおりに調製された高分子電解質膜の80℃水中における寸法変化比(平面方向/膜厚方向)を、以下のようにして測定した。
(寸法変化比(平面方向/膜厚方向))=平面方向の寸法変化量(%)÷ 膜厚方向の寸法変化量(%)
なお、上記の寸法変化比が5%以下の場合を○とし、5%超の場合を×とした。
高温低加湿条件下における高分子電解質膜の化学耐久性を加速的に評価するため、以下のような手順でOCVによる加速試験を実施した。尚、「OCV」とは、開回路電圧(Open Circuit Voltage)を意味する。
20質量%のパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液(SS700C/20、旭化成イーマテリアルズ社製、当量質量(EW):740)、電極触媒(TEC10E40E、田中貴金属販売社製、白金担持量36.7wt%)を白金/パーフルオロスルホン酸ポリマーが1/1.15(質量)となるように配合し、次いで、固形分(電極触媒とパーフルオロスルホン酸ポリマーの和)が11wt%となるようにエタノールを加え、ホモジナイザー(アズワン社製)により回転数が3,000rpmで10分間、撹拌することで電極触媒インクを得た。
自動スクリーン印刷機(製品名:LS−150、ニューロング精密工業株式会社製)を用い、高分子電解質膜の両面に前記電極触媒インクを、白金量がアノード側0.2mg/cm2、カソード側0.3mg/cm2となるように塗布し、140℃、5分の条件で乾燥・固化させることでMEAを得た。
前記MEAの両極にガス拡散層(製品名:GDL35BC、MFCテクノロジー社製)を重ね、次いでガスケット、バイポーラプレート、バッキングプレートを重ねることで燃料電池単セルを得た。
前記燃料電池単セルを評価装置(東陽テクニカ製燃料電池評価システム890CL)にセットして、OCVによる耐久性試験を実施した。
試験開始から50時間毎に水素のリーク量を、マイクロガスクロマトグラフ(VARIAN社製 CP−4900)を用いて測定した。水素のリーク量が1000ppm以上となった時点で破膜と判断し試験を中止した。
(高分子電解質組成物の調製)
高分子電解質(B)の前駆体である、テトラフルオロエチレン及びCF2=CFO(CF2)2−SO2Fから得られたパーフルオロスルホン酸樹脂前駆体(加水分解・酸処理後のEW:740)ペレットを、水酸化カリウム(15質量%)とメチルアルコール(50質量%)を溶解した水溶液中に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。その後、60℃水中に5時間浸漬した。次に60℃の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、毎回新しい塩酸水溶液を用いて5回繰り返した後、イオン交換水で水洗、乾燥した。これにより、スルホン酸基(SO3H)を有する高分子電解質(B)のペレットを得た。
上記で得られたパーフルオロスルホン酸樹脂溶液−2を、塗工機(東洋精機社製)を用いてカプトン200H(製品名 東レデュポン株式会社製)上にWet厚さが185μmとなるように塗工した。塗工表面が乾燥する前に、微多孔膜として製造例1に記載のフッ素化されたエチレン−ノルボルネン製微多孔膜を重ね、80℃で30分、次いで120℃で30分の条件で乾燥させた。乾燥させた後、微多孔膜側に、Wet厚さが185μmとなるように高分子電解質溶液−2を塗工し、80℃で30分、次いで120℃で30分の条件で乾燥させた。得られた複合膜を水洗し、170℃で20分の条件でさらに乾燥させることで高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として製造例2に記載のフッ素化されたエチレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜用いる以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として製造例3に記載のフッ素化されたエチレン−プロピレン−ノルボルネン製微多孔膜を用いる以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として製造例4に記載のフッ素化されたポリイミド微多孔膜を用いる以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として製造例5に記載のフッ素化されたポリパラフェニレンテレフタルアミド微多孔膜を用いる以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として製造例6に記載のフッ素化されたセルロースナノファイバー製微多孔膜を用いる以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較製造例1に記載のエチレン−ノルボルネン製微多孔膜を使用する以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較製造例2に記載のエチレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜を使用する以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較製造例3に記載のエチレン−プロピレン−ノルボルネン製微多孔膜を使用する以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較製造例4に記載のポリイミド製微多孔膜を使用する以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較製造例5に記載のポリパラフェニレンテレフタルアミド製微多孔膜を使用する以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較製造例6に記載のセルロースナノファイバー製微多孔膜を使用する以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜(Donaldson社製、グレード:#1326 空孔率71%)を用いる以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。
室温の条件下、微多孔膜をフッ素ガス3vol%、酸素ガス5vol%、二酸化硫黄ガス5vol%、窒素ガス87vol%からなる混合ガスに10分間暴露することによりフッ素化を行った。このようにして得られた官能基を含有するフッ素系微多孔膜を20mm角で切り出し、蒸留水に1時間以上浸漬させた。次いで、該フッ素系微多孔膜を飽和NaCl水溶液に撹拌しながら30分以上浸漬させた。その後、自動滴定装置(製品名:AUT−701型 東亜DKK社製)を用いて滴定した。滴定後、該フッ素系微多孔膜を160℃で乾燥させ、質量を測定した。得られた滴定結果より次式を用いて官能基の導入量(EW)を求めた。
官能基の導入量(EW)=(W/M)−22
(上記式中、「W」は官能基を導入したフッ素系微多孔膜の質量(mg)を表し、「M」は中和に要した水酸化ナトリウムの物質量(mmol)を表す。)
後述するとおりに調製された高分子電解質膜を1cm×1cmの断片に切断し試験片とした。前記試験片の断面形態観察用を、SEM(日立製作所製、品番:S−4700、加速電圧:5kV、検出器:2次電子検出器、反射電子検出器)により実施した。倍率5000の条件で高分子電解質膜中に空隙(微多孔膜と高分子電解質との間に生じうる空隙)が見られた場合を×とし、空隙が見られなかった場合を○とした。
後述するとおりに調製された高分子電解質膜を2cm×5cmの短冊状に切断し試験片とした。前記試験片の両面にセロファンテープ(日東電工社製)を張り合わせた後、引きはがすことによって、微多孔膜と電解質の密着性を評価した。目視による観察で、セロファンテープに高分子電解質が付着した場合を×とし、付着しなかった場合を○とした。
後述するとおりに調製された高分子電解質膜を空気下、200℃、2時間の条件で前処理を行った。次いで鉄イオンが2ppm、過酸化水素が1%の水溶液を調製し、80℃に加温したところに前処理後の高分子電解質膜を1時間、浸漬した。その後、イオンクロマトグラフにより試験後の液に含まれるフッ素イオンを測定した。なお、フッ素イオン量(フッ素溶出量)が少ないほど耐久性の高い高分子電解質膜であるものと評価した。すなわち、フッ素イオンが検出された微多孔膜は×、検出されなかった微多孔膜は○と評価した。また、フッ素化していない微多孔膜については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、未処理の微多孔膜と上述の前処理を行った後の微多孔膜とで分子量の比較を行い、分子量低下がなかったものを○とし、分子量低下がみられたものを×とした。
製造例1で調製したエチレン−ノルボルネン製微多孔膜について、前記(5)に記載の手法によりスルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を調製した。次いで、当該スルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を用いること以外は実施例1と同様にして、高分子電解質膜を調製した。この高分子電解質膜について、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の手法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
製造例2で調製したエチレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜について、前記(5)に記載の手法によりスルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を調製した。当該スルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を用いること以外は実施例7と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の手法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
製造例3で調製したエチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜について、前記(5)に記載の手法によりスルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を調製した。当該スルホン酸基含有フッ素系微多孔膜について、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の手法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
製造例4で調製したポリイミド製微多孔膜について、前記(5)に記載の手法によりスルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を調製した。当該スルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を用いること以外は実施例7と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の手法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
製造例5で調製したポリパラフェニレンテレフタルアミド製微多孔膜について、前記(5)に記載の手法によりスルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を調製した。当該スルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を用いること以外は実施例7と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の手法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
製造例6で調製したセルロースナノファイバー製微多孔膜について、前記(5)に記載の手法によりスルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を調製した。当該スルホン酸基含有フッ素系微多孔膜を用いること以外は実施例7と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の手法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
フッ素化しない以外は実施例7と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の方法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
フッ素化しない以外は実施例8と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の方法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
フッ素化しない以外は実施例9と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の方法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
フッ素化しない以外は実施例10と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の方法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
フッ素化しない以外は実施例11と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の方法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
フッ素化しない以外は実施例12と同様にして、(6)に記載の手法により含浸性を、(7)に記載の方法により密着性を、(8)に記載の手法によりフェントン試験を実施した。結果を表3に示す。
後述するとおりに調製された高分子電解質膜の80℃水中における寸法変化比(平面方向/膜厚方向)を、以下のようにして測定した。
(寸法変化比(平面方向/膜厚方向))=平面方向の寸法変化量(%)÷ 膜厚方向の寸法変化量(%)
なお、上記の寸法変化比が5%以下の場合を○とし、5%超の場合を×とした。
高温低加湿条件下における高分子電解質膜の化学耐久性を加速的に評価するため、以下のような手順でOCVによる加速試験を実施した。尚、「OCV」とは、開回路電圧(Open Circuit Voltage)を意味する。
20質量%のパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液(SS700C/20、旭化成イーマテリアルズ社製、当量質量(EW):740)、電極触媒(TEC10E40E、田中貴金属販売社製、白金担持量36.7wt%)を白金/パーフルオロスルホン酸ポリマーが1/1.15(質量)となるように配合し、次いで、固形分(電極触媒とパーフルオロスルホン酸ポリマーの和)が11wt%となるようにエタノールを加え、ホモジナイザー(アズワン社製)により回転数が3,000rpmで10分間、撹拌することで電極触媒インクを得た。
自動スクリーン印刷機(製品名:LS−150、ニューロング精密工業株式会社製)を用い、高分子電解質膜の両面に前記電極触媒インクを、白金量がアノード側0.2mg/cm2、カソード側0.3mg/cm2となるように塗布し、140℃、5分の条件で乾燥・固化させることでMEAを得た。
前記MEAの両極にガス拡散層(製品名:GDL35BC、MFCテクノロジー社製)を重ね、次いでガスケット、バイポーラプレート、バッキングプレートを重ねることで燃料電池単セルを得た。
前記燃料電池単セルを評価装置(東陽テクニカ製燃料電池評価システム890CL)にセットして、OCVによる耐久性試験を実施した。
試験開始から50時間毎に水素のリーク量を、マイクロガスクロマトグラフ(VARIAN社製 CP−4900)を用いて測定した。水素のリーク量が1000ppm以上となった時点で破膜と判断し試験を中止した。
前記(10)−1〜(10)−3の手法で得た燃料電池の単セルを用いて、性能試験を行った。
性能試験条件は、セル温度80℃、アノードの加湿ボトル60℃、カソードの加湿ボトルを無加湿とした。またアノード側に水素ガスを利用率が75%となるように流通し、カソード側には空気ガスを、空気ガス中に含まれる酸素ガスの利用率が55%となるように流通した。さらに、アノード側とカソード側の両方を無加圧(大気圧)とした。この条件下、0.25A/cm2でのセル電圧を測定した。
(高分子電解質組成物の調製)
高分子電解質(B)の前駆体である、テトラフルオロエチレン、及びCF2=CFO(CF2)2−SO2Fから得られたパーフルオロスルホン酸樹脂前駆体(加水分解・酸処理後のEW:740)ペレットを、水酸化カリウム(15質量%)とメチルアルコール(50質量%)を溶解した水溶液中に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。その後、60℃水中に5時間浸漬した。次に60℃の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、毎回新しい塩酸水溶液を用いて5回繰り返した後、イオン交換水で水洗、乾燥した。これにより、スルホン酸基(SO3H)を有する高分子電解質(B)のペレットを得た。
上記で得られたパーフルオロスルホン酸樹脂溶液−2を、塗工機(東洋精機社製 )を用いてカプトン200H(製品名 東レデュポン株式会社製)上にWet厚さが185μmとなるように塗工した。塗工表面が乾燥する前に、微多孔膜として実施例7に記載のスルホン酸基含有フッ素系エチレン−ノルボルネン製微多孔膜を重ね、80℃で30分、次いで120℃で30分の条件で乾燥させた。乾燥させた後、微多孔膜側に、Wet厚さが185μmとなるように高分子電解質溶液−2を塗工し、80℃で30分、次いで120℃で30分の条件で乾燥させた。得られた複合膜を水洗し、170℃で20分の条件でさらに乾燥させることで高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として実施例8に記載のスルホン酸基含有フッ素系エチレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜を用いる以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として実施例9に記載のスルホン酸基含有フッ素系エチレン−プロピレン−ノルボルネン製微多孔膜を用いる以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として実施例10に記載のスルホン酸基含有フッ素系ポリイミド微多孔膜を用いる以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として実施例11に記載のスルホン酸基含有フッ素系ポリパラフェニレンテレフタルアミド微多孔膜を用いる以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として実施例12に記載のスルホン酸基含有フッ素系セルロースナノファイバー製微多孔膜を用いる以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較例8に記載のエチレン−ノルボルネン製微多孔膜を使用する以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較例9に記載のエチレン−ジシクロペンタジエン製微多孔膜を使用する以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較例10に記載のエチレン−プロピレン−ノルボルネン製微多孔膜を使用する以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較例11に記載のポリイミド製微多孔膜を使用する以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較例12に記載のポリパラフェニレンテレフタルアミド製微多孔膜を使用する以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜として比較例13に記載のセルロースナノファイバー製微多孔膜を使用する以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
微多孔膜としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜(Donaldson社製、グレード:#1326 空孔率71%)を用いる以外は、実施例13と同様にして高分子電解質膜を得た。
Claims (8)
- 主鎖に環を有し、かつ、少なくとも一つの炭素−フッ素結合を有する重合体を含む微多孔膜(A)と、
前記微多孔膜(A)の孔内に充填された高分子電解質(B)と、
を有し、
前記重合体における炭素−水素結合数と炭素−フッ素結合数の和に対する炭素−フッ素結合の割合が50%以上94%以下である、高分子電解質膜。 - 前記環が、芳香環及び複素芳香環からなる群から選ばれる少なくとも1つである、又は、単環若しくは多環の脂環であって、前記脂環を構成する炭素原子の少なくとも1つが酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子で置換されていてもよい脂環からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の高分子電解質膜。
- 前記重合体が、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド及びセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種における炭素−水素結合の少なくとも一部をフッ素化したものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子電解質膜。
- 前記重合体が、−COF基、−COOH基、−SO3H基、−PO3H基及び−SO2N
HSO2−基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子電解質膜。 - 前記微多孔膜(A)の空孔率が、80〜95%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子電解質膜。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子電解質膜を有する、膜電極接合体。
- 請求項7に記載の膜電極接合体を有する、固体高分子形燃料電池。
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