JP6627383B2 - 眼鏡レンズ加工装置および加工制御プログラム - Google Patents

眼鏡レンズ加工装置および加工制御プログラム Download PDF

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Description

本開示は、眼鏡レンズの周縁を加工するための眼鏡レンズ加工装置、および加工制御プログラムに関する。
従来、レンズの周縁にヤゲンを形成する技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の眼鏡レンズ加工装置は、前面側ヤゲン斜面と後面側ヤゲン斜面を同時加工するV溝ヤゲン砥石を備える。カーブが小さいレンズが加工される場合には、V溝ヤゲン砥石によって、前面側ヤゲン斜面と後面側ヤゲン斜面が同時に加工される。
特開2008−254078号公報
前面側斜面と後面側斜面によって稜部を形成する通常の山型のヤゲンよりも、凸型ヤゲン(「Tべベル」と言われる場合もある)を形成する方が望ましい場合もある。凸型ヤゲンは、レンズの前方を向く前方面、レンズの後方を向く後方面、および、レンズの外周側を向く外周面を有する。前方面と後方面は、略平行に形成される場合も、互いに傾斜して形成される場合もある。凸型ヤゲンを形成すると、例えばレンズ面のカーブの曲率が小さい場合(つまり、高カーブレンズの場合)等でも、レンズがフレームから外れにくい。
本開示の典型的な目的は、レンズの周縁に適切に凸型ヤゲンを形成することが可能な眼鏡レンズ加工装置および加工制御プログラムを提供することである。
本開示における典型的な実施形態が提供する眼鏡レンズ加工装置は、レンズに接触することで前記レンズを加工する加工具と、前記レンズの周縁との相対的な位置を移動させることで、眼鏡のフレームに前記レンズを嵌めるためのヤゲンを前記レンズの周縁に形成することが可能な眼鏡レンズ加工装置であって、前記レンズの周縁に形成する予定のヤゲンであり、前記レンズの前方を向く前方面、前記レンズの後方を向く後方面、および、前記レンズの光軸から遠ざかる方向を向く外周面を有するヤゲンである凸型ヤゲンの少なくとも一部の形状を特定する形状情報を取得する形状情報取得手段と、前記レンズの周縁に前記前方面を形成する際の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な軌跡である前方面用軌跡を、前記形状情報に基づいて算出する前方面用軌跡算出手段と、前記レンズの周縁に前記後方面を形成する際の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な軌跡である後方面用軌跡を、前記形状情報に基づいて算出する後方面用軌跡算出手段と、前記前方面用軌跡および前記後方面用軌跡の各々に従って、前記レンズと前記加工具の相対的な位置を移動させることで、前記レンズに前記凸型ヤゲンを形成する駆動制御手段と、を備える。
本開示における典型的な実施形態が提供する加工制御プログラムは、眼鏡のフレームにレンズを嵌めるためのヤゲンを前記レンズの周縁に形成するために、前記レンズを加工する加工具と、前記レンズの周縁との相対的な移動を制御する制御装置によって実行される加工制御プログラムであって、前記制御装置のプロセッサによって実行されることで、前記レンズの周縁に形成する予定のヤゲンであり、前記レンズの前方を向く前方面、前記レンズの後方を向く後方面、および、前記レンズの光軸から遠ざかる方向を向く外周面を有するヤゲンである凸型ヤゲンの少なくとも一部の形状を特定する形状情報を取得する形状情報取得ステップと、前記レンズの周縁に前記前方面を形成する際の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な軌跡である前方面用軌跡を、前記形状情報に基づいて算出する前方面用軌跡算出ステップと、前記レンズの周縁に前記後方面を形成する際の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な軌跡である後方面用軌跡を、前記形状情報に基づいて算出する後方面用軌跡算出ステップと、を前記制御装置に実行させる。
本開示に係る眼鏡レンズ加工装置および加工制御プログラムによると、レンズの周縁に適切に凸型ヤゲンが形成される。
眼鏡レンズ加工装置1の加工機構の概略構成図である。 第2レンズ加工ユニット40の正面図である。 眼鏡レンズ加工装置1の電気的構成を示すブロック図である。 凸型ヤゲン70が形成されたレンズLEの部分断面図である。 眼鏡レンズ加工装置1が実行する加工制御処理のフローチャートである。 前斜面形成加工具311Fによって前斜面81が形成されている状態を示す図である。 後斜面形成加工具311Bによって後斜面82が形成されている状態を示す図である。 円環状加工具442によって前方面71が形成されている状態を示す図である。 円環状加工具442と前方面71の位置関係を説明するための説明図である。 円環状加工具442によって後方面72が形成されている状態を示す図である。
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置(レンズエッジャー)1は、レンズ保持部10、レンズ形状測定ユニット20、第1レンズ加工ユニット30、および第2レンズ加工ユニット40を備える。眼鏡レンズ加工装置1は、レンズ保持部10が有する2つのレンズチャック軸16L,16RでレンズLEを挟持する。眼鏡レンズ加工装置1は、第1レンズ加工ユニット30および第2レンズ加工ユニット40と、レンズチャック軸16L,16Rで挟持したレンズLEとの相対的な位置関係を変化させることで、レンズLEを加工する。
以下の説明では、レンズチャック軸16L,16Rが延びる方向を、X方向とする。レンズチャック軸16L,16Rと、加工具の回転軸との軸間距離が変動する方向を、Y方向とする。レンズチャック軸16L,16Rの軸周りにレンズLEが回転すると、レンズLEと加工具のZ方向における位置関係が変化する。図1の右斜め下側、左斜め上側、右斜め上側、左斜め下側を、それぞれ眼鏡レンズ加工装置1の前側、後側、右側、左側とする。
<レンズ保持部>
本実施形態のレンズ保持部10は、シャフト11,12、X軸移動支基13、およびキャリッジ15を備える。シャフト11は、眼鏡レンズ加工装置1におけるベース2の前後方向中央部に固定されている。シャフト12は、ベース2の前端左側に固定されている。2つのシャフト11,12は、共にX軸方向(つまり、レンズチャック軸16L,16Rと平行な方向)に延びる。X軸移動支基13は、2つのシャフト11,12によって、X軸方向に移動可能に支持されている。キャリッジ15は、X軸移動支基13に搭載されている。
キャリッジ15は、左側に左腕15Lを備え、且つ、右側に右腕15Rを備える。左腕15Lは、レンズチャック軸16Lを回転可能に保持する。右腕15Rは、レンズチャック軸16Rを回転可能に保持する。2つのレンズチャック軸16L,16Rは同軸上に位置する。右側のレンズチャック軸16Rは、右腕15Rに装着された挟持用モータ161によってX軸方向に移動する。眼鏡レンズ加工装置1は、右側のレンズチャック軸16Rを左方に移動させることで、2つのレンズチャック軸16L,16Rの間にレンズLEを挟持する。右腕15Rには、2つのレンズチャック軸16L,16Rを回転させるレンズ回転用モータ162が設けられている。レンズ回転用モータ162が回転すると、2つのレンズチャック軸16L,16Rは同期して軸周りに回転する。
シャフト11の左端部近傍には、X軸移動用モータ171が装着されている。X軸移動支基13の後部には、シャフト11と平行にX軸方向に延びるボールネジ(図示せず)が設けられている。X軸移動用モータ171が回転すると、ボールネジが回転する。その結果、X軸移動支基13およびキャリッジ15はX軸方向に直線移動する。X軸移動用モータ171にはエンコーダ172が設けられている。エンコーダ172は、X軸移動用モータ171の回転を検出することで、キャリッジ15のX方向の移動を検出する。
X軸移動支基13とキャリッジ15の左腕15Lとの間には、ガイドシャフト18およびボールネジ19が平行に設けられている。X軸移動支基13の前端部近傍には、Y軸移動用モータ191が設けられている。Y軸移動用モータ191が回転すると、ボールネジ19が回転する。その結果、キャリッジ15はシャフト11を中心として回転する。眼鏡レンズ加工装置1は、キャリッジ15を回転させることで、第1レンズ加工ユニット30および第2レンズ加工ユニット40と、レンズチャック軸16L,16Rで挟持したレンズLEとの相対的な位置関係を変化させる。つまり、眼鏡レンズ加工装置1は、Y軸移動モータ191を駆動することで、第1レンズ加工ユニット30および第2レンズ加工ユニット40をレンズLEに対してY方向に相対的に移動させる。なお、眼鏡レンズ加工装置1は、第1レンズ加工ユニット30および第2レンズ加工ユニット40を移動させて加工を行ってもよい。つまり、眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEに対して第1レンズ加工ユニット30および第2レンズ加工ユニット40を相対的に移動させる構成を備えていればよい。Y軸移動用モータ191にはエンコーダ192が設けられている。エンコーダ192は、Y軸移動用モータ191の回転を検出することで、キャリッジ15のY方向の移動を検出する。
<レンズ形状測定ユニット>
本実施形態のレンズ形状測定ユニット20は、キャリッジ15の後方に設けられている。レンズ形状測定ユニット20は、レンズLEの前面に接触させる測定子21と、レンズLEの後面に接触させる測定子22とを備える。測定子21,22は、X方向に移動可能なアーム23によって保持されている。レンズ形状測定ユニット20は、X方向におけるアームの位置を検出するセンサ231(図3参照)を備える。眼鏡レンズ加工装置1は、レンズ形状を測定する場合、レンズチャック軸16L,16Rを回転させると共に、玉型に基づいてレンズチャック軸16L,16RのY方向の移動を制御する。その結果、玉型に対応したレンズ前面および後面のX方向の位置が、センサ231によって検出される。
<第1レンズ加工ユニット>
本実施形態の第1レンズ加工ユニット30は、キャリッジ15の前方に設けられている。第1レンズ加工ユニット30は、第1加工具31、第1加工具回転軸32、および第1加工具回転モータ321を備える。第1加工具31は、斜面形成加工具(例えばヤゲン砥石)311を含む複数の加工具を備える。斜面形成加工具311は、前斜面形成加工具311Fと、後斜面形成加工具311Bを備える。前斜面形成加工具311Fおよび後斜面形成加工具311Bの各々は、コバ面に対して傾斜した状態でレンズLEに接触する加工面を有する。前斜面前斜面形成加工具311は、レンズLEのコバ面に対して傾斜する前斜面(例えば、前側のヤゲン斜面等)を、レンズLEの前面側縁部に形成する。後斜面形成加工具311Bは、コバ面に対して傾斜する後斜面(例えば、後側のヤゲン斜面等)を、レンズLEの後面側縁部に形成する。本実施形態では、前斜面形成加工具311Fと後斜面形成加工具311Bは一体に形成されているが、これらは分離していてもよい。第1加工具回転軸32はX軸方向に延びており、第1加工具31が備える略円盤状または略円柱状の複数の加工具を同軸上に固定する。第1加工具回転モータ321は、第1加工具回転軸32の右端部に接続する。第1加工具回転モータ321が回転すると、第1加工具回転軸32および第1加工具31が軸周りに回転する。眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEを第1加工具31に接触させることで、レンズLEの周縁を加工する。
<第2レンズ加工ユニット>
本実施形態の第2レンズ加工ユニット40は、キャリッジ15の後方に設けられている。本実施形態の第2レンズ加工ユニット40は、レンズ形状測定ユニット20の移動範囲外において、レンズ形状測定ユニット20と並べて配置されている。
図2に示すように、本実施形態の第2レンズ加工ユニット40は、支基ブロック41、保持部材42、第2加工具回転軸43、第2加工具44、および第2加工具回転モータ431を備える。支基ブロック41は、ベース2(図1参照)から上方に延びる。保持部材42は、支基ブロック41の上端部に接続しており、第2加工具回転軸43を回転可能に保持する。第2加工具44は、レンズ後面用の面取り加工具(一例として、面取り砥石)441、円環状加工具(溝掘り加工具)442、およびレンズ前面用の面取り加工具443を備える。本実施形態では、面取り加工具441,443と円環状加工具442は一体的に形成されているが、別々に形成されていてもよい。
面取り加工具441,443の最大径は、溝掘り加工具442の径よりも小径である。面取り加工具441,443の形状は、溝掘り加工具442から遠ざかる程径が小さくなるテーパー形状である。眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEのコバ角部に、面取り加工具441,443のテーパー状の加工面を接触させることで、レンズLEの面取りを行うことができる。
円環状加工具442のうちレンズLEに接触する部分の形状は、円環状である。従って、眼鏡レンズ加工装置1は、第2加工具回転軸43を中心として円環状加工具442を回転させながら、レンズLEに接触させることで、レンズLEの周縁を加工することができる。一例として、円環状加工具442は、レンズLEの周縁に溝を形成する場合に使用される。また、本実施形態の円環状加工具442は、レンズLEの周縁に凸型ヤゲン70を形成する場合にも使用される。本実施形態では、円環状加工具442として砥石が用いられる。しかし、円環状加工具442の構成を変更してもよい。例えば、外周に歯を備えた外形略円盤状または略円環状のカッターを、円環状加工具442として使用してもよい。
本実施形態では、第2加工具回転軸43の軸線方向は、角度変更モータ432(図3参照)によって変更される。つまり、図1に示すように、第2加工具回転軸43の軸線S1と、レンズチャック軸16L,16Rの軸線S2の相対的な角度は、角度変更モータ432によって変更される。レンズLEに対する第2加工具44(円環状加工具442および面取り加工具441,443)の相対角度は、2つの軸線方向S1,S2の角度によって定まる。
<電気的構成>
図3を参照して、眼鏡レンズ加工装置1の電気的構成について説明する。眼鏡レンズ加工装置1は、眼鏡レンズ加工装置1の制御を司るCPU(プロセッサ)5を備える。CPU5には、RAM6、ROM7、不揮発性メモリ8、操作部50、ディスプレイ55、および外部通信I/F59が、バスを介して接続されている。さらに、CPU5には、前述したモータ等の各種デバイス(挟持用モータ161、レンズ回転用モータ162、X軸移動用モータ171、Y軸移動用モータ191、第1加工具回転モータ321、第2加工具回転モータ431、角度変更モータ432、エンコーダ172、エンコーダ192、およびセンサ231)が、バスを介して接続されている。
RAM6は、各種情報を一時的に記憶する。ROM7には、各種プログラム、初期値等が記憶されている。不揮発性メモリ8は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体(例えば、フラッシュROM,ハードディスクドライブ等)である。不揮発性メモリ8には、眼鏡レンズ加工装置1の動作を制御するための制御プログラム(例えば、図5に示す加工制御処理を実行するための加工制御プログラム等)が記憶されていてもよい。操作部50は、作業者からの各種指示の入力を受け付ける。例えば、ディスプレイ55の表面に設けられたタッチパネル、または操作ボタン等を操作部50として用いてもよい。ディスプレイ55は、レンズLEの形状、フレームの形状等の各種情報を表示することができる。外部通信I/F59は、眼鏡レンズ加工装置1を外部機器に接続する。
本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、フレーム形状測定装置60(例えば、特開平4−93164号公報に開示されたもの等)に接続される。フレーム形状測定装置60は、フレームの形状を測定する。眼鏡レンズ加工装置1は、フレームの形状を示すデータをフレーム形状測定装置60から取得してもよい。なお、眼鏡レンズ加工装置1は、フレームの形状データを他の方法で取得してもよい。例えば、眼鏡レンズ加工装置1は、フレームの形状を測定するフレーム形状測定部を内部に備えてもよい。また、眼鏡レンズ加工装置1は、インターネット等のネットワークを介してフレーム形状データを取得してもよい。パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)等からフレーム形状データが取得されてもよい。操作部50をユーザに操作させて、フレームの形状をユーザに入力させることで、フレーム形状データが取得されてもよい。
<凸型ヤゲン>
図4を参照して、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1がレンズLEに形成することが可能な凸型ヤゲン70の形状の一例について説明する。ヤゲンは、眼鏡のフレームの溝等に嵌まることで、フレームにレンズLEを固定する。凸型ヤゲン70は、前方面71、後方面72、および外周面73を有する。前方面71は、レンズLEの前方を向く面である。後方面72は、レンズLEの後方を向く面である。外周面73は、レンズLEの光軸OAから遠ざかる方向(つまり、レンズの外周側の方向)を向く面である。また、図4に示す例では、前方面71の光軸OA側端部からレンズ前面62にかけて、前方ヤゲン片78が形成されている。後方面72の光軸OA側端部からレンズ後面65にかけて、後方ヤゲン片79が形成されている。本実施形態では、レンズLEの周縁における前面側縁部63および後面側縁部66が加工具によって加工されることで、凸型ヤゲン70が形成される。凸型ヤゲン70は、必ずしもレンズLEの外周の全域に形成される必要は無く、外周の一部に形成されてもよい。
なお、前方面71および後方面72は、光軸OAに対して厳密に垂直である必要は無い。同様に、外周面73は、光軸OAから遠ざかる方向に対して厳密に垂直である必要は無い。また、図4に示す例では、前方面71と後方面72は平行となっている。しかし、前方面71と後方面72は平行である必要は無い。例えば、光軸OAに近づく程、凸型ヤゲン70の厚み(図4における左右方向の幅)が大きくなるように、前方面71と後方面72の角度が設定されてもよい。この場合、前方面71と後方面72を平行とするよりも、レンズLEをフレームに嵌めることが容易になる場合がある。
<加工制御処理>
図5から図10を参照して、眼鏡レンズ加工装置1のCPU5が実行する加工制御処理について説明する。前述したように、不揮発性メモリ8には、図5に示す加工制御処理を実行するための加工制御プログラムが記憶されている。CPU5は、凸型ヤゲン70の加工動作を実行させる指示が操作部50等を介して入力されると、加工制御プログラムに従って、図5に示す加工制御処理を実行する。
まず、CPU5は、加工するレンズLEの形状情報を取得する(S1)。例えば、S1では、フレーム形状測定装置60(図3参照)によって測定されたフレームのリムの形状から、レンズLEの玉型データが取得される。玉型データに基づいてレンズ形状測定ユニット20(図1参照)が駆動されることで、レンズLEのコバ位置がレンズLEの形状情報として取得される。
次いで、CPU5は、レンズLEの周縁に形成する凸型ヤゲン70の形状情報を取得する(S2)。形状情報は、凸型ヤゲン70の少なくとも一部の形状を特定する情報であればよく、凸型ヤゲン70の全体形状を正確に特定する情報である必要は無い。また、本実施形態の形状情報には、レンズLEに形成する凸型ヤゲン70の位置を特定する情報も含まれる。一例として、本実施形態では、前斜面外周側稜部91(図6参照)、後斜面外周側稜部92(図7参照)、ヤゲン高さH(図6および図7参照)、前方面基準線(例えば、図8に示す基準線94または前方面外周側稜部95等)、前方面の角度θ1(図8参照)、後方面基準線(例えば、図10に示す基準線97または後方面外周側稜部98等)、後方面の角度θ2(図10参照)が、形状情報として取得される。これらの詳細については後述する。なお、取得される形状情報の種類は適宜変更できる。また、凸型ヤゲン70の形状および位置は、フレームの形状(例えば、フレームの溝の形状等)に応じて決定されてもよいし、操作部50等を介してユーザによって入力されてもよい。
次いで、CPU5は、レンズLEの前面側縁部63(図4参照)に対する前斜面形成加工具311Fの相対的な加工軌跡を算出する(S3)。本実施形態では、凸型ヤゲン70を形成する過程で、前斜面形成加工具311Fによって、コバ面68に対して傾斜する前斜面81がレンズLEの前面側縁部63に形成される。
図6を参照して、前斜面形成加工具311Fの加工軌跡を算出する方法の一例について説明する。前述したように、前斜面形成加工具311Fは、レンズLEのコバ面68に対して傾斜する加工面33を有する。加工面33によって前面側縁部63(図4参照)が加工されることで、前面側縁部63に前斜面81が形成される。CPU5は、凸型ヤゲン70を形成する予定の部位が加工されないように、前斜面形成加工具311Fの加工軌跡を算出する。
より詳細には、本実施形態のCPU5は、形状情報の1つであるヤゲン高さHを取得する。CPU5は、前斜面形成加工具311Fの形状(例えば、レンズLEに対する加工面33の角度、および、略円柱状である前斜面形成加工具311Fの径)に基づいて、前斜面81のY方向(図6の上下方向)の長さがヤゲン高さHとなるように、前斜面形成加工具311Fの加工軌跡を算出する。
また、本実施形態のCPU5は、前方面71が形成される面とコバ面68の交差線である基準線94よりも、前斜面81の外周側稜部91の位置が後方となるように、前斜面形成加工具311Fの加工軌跡を算出する。この場合、加工時間を短縮するための前斜面81が形成されつつ、凸型ヤゲン70の前面側縁部に前方面取り面75(図4参照)が形成される。この詳細は後述する。
なお、本実施形態では、レンズLEの周縁に対する前斜面形成加工具311Fの加工面33の角度は一定である。しかし、加工面33の角度は変更できてもよい。この場合、CPU5は、最終的に形成される前方面取り面75の角度が適切な角度となるように、前斜面81を形成する際の加工面33の角度を設定してもよい。
図5の説明に戻る。次いで、CPU5は、レンズLEの後面側縁部66(図4参照)に対する後斜面形成加工具311Bの相対的な加工軌跡を算出する(S4)。本実施形態では、凸型ヤゲン70を形成する過程で、後斜面形成加工具311Bによって、コバ面68に対して傾斜する後斜面82がレンズLEの後面側縁部66に形成される。
図7を参照して、後斜面形成加工具311Bの加工軌跡を算出する方法の一例について説明する。後斜面形成加工具311Bは、レンズLEのコバ面68に対して傾斜する加工面34を有する。加工面34によって後面側縁部66(図4参照)が加工されることで、後面側縁部66に後斜面82が形成される。CPU5は、凸型ヤゲン70を形成する予定の部位が加工されないように、後斜面形成加工具311Bの加工軌跡を算出する。
より詳細には、本実施形態のCPU5は、後斜面形成加工具311Bの形状(例えば、レンズLEに対する加工面33の角度、および、後斜面形成加工具311Bの径)に基づいて、後斜面82のY方向(図7の上下方向)の長さがヤゲン高さHとなるように、後斜面形成加工具311Bの加工軌跡を算出する。
また、本実施形態のCPU5は、後方面72が形成される面とコバ面68(図6参照)の交差線である基準線97よりも、後斜面82の外周側稜部92の位置が後方となるように、後斜面形成加工具311Bの加工軌跡を算出する。この場合、加工時間を短縮するための後斜面82が形成されつつ、凸型ヤゲン70の後面側縁部に後方面取り面76(図4参照)が形成される。この詳細は後述する。なお、CPU5は、後方面取り面76の角度が適切な角度となるように、レンズLEと加工面34の相対的な角度を設定してもよい。
図5の説明に戻る。次いで、CPU5は、凸型ヤゲン70の前方面71を形成する際の、レンズLEに対する円環状加工具442の相対的な加工軌跡(前方面用軌跡)を、凸型ヤゲン70の形状情報に基づいて算出する。
図8および図9を参照して、前方面用軌跡を算出する方法の一例について説明する。本実施形態のCPU5は、前方面71を形成する面に沿ってレンズLEの周方向に延びる前方面基準線に基づいて、前方面用軌跡を算出する。つまり、CPU5は、円環状加工具442の加工面が、前方面基準線に接しながらレンズLEに対して相対的に移動するように、前方面用軌跡を算出する。前方面基準線は適宜設定できる。例えば、図8に示すように、前方面71が形成される面とコバ面68(図6参照)の交差線である基準線94を、前方面基準線として用いても良い。また、前方面71の外周側端部に位置する稜部95(本実施形態では、前方面71と前方面取り面75が成す稜部)を前方面基準線として用いても良い。稜部95よりもレンズLEの光軸OAに近い位置に前方面基準線を設定してもよい。また、CPU5は、複数の前方面基準線に同時に円環状加工具442が接するように、前方面用軌跡を算出してもよい。なお、前方面基準線は、1本のラインとして特定されてもよいし、複数の点の集合によって特定されてもよい。
また、本実施形態のCPU5は、レンズLEに形成する前方面71の角度θ1に基づいて、前方面用軌跡に従って円環状加工具442を相対移動させる際の、レンズLEと円環状加工具442の相対的な角度(以下、単に「円環状加工具442の角度」という場合もある)を設定する。CPU5は、設定された円環状加工具442の角度に基づいて、前方面用軌跡を算出する。前方面71の角度θ1を特定する方法は適宜選択できる。例えば、S1において取得される形状情報に、角度θ1が含まれていてもよい。また、CPU5は、前方面71上の少なくとも2点の位置から角度θ1を特定してもよい。
また、本実施形態のCPU5は、レンズLEに形成する凸型ヤゲン70の高さH(図6および図7参照)に基づいて前方面用軌跡を算出する。その結果、適切な高さの凸型ヤゲン70がレンズLEに形成される。
さらに、本実施形態のCPU5は、円環状加工具442が前方面71に接触する場合の、レンズLEに対する円環状加工具442の相対的な位置のうち、レンズLEに対して最も前方側から前方面71に接触する位置の集合を、前方面用軌跡として算出する。例えば、図9に示す例では、眼鏡レンズ加工装置1は、円環状加工具442の中心Cの座標を(X1,y,Z)とした状態で、前方面基準線上の点K1を加工することは可能である。しかし、点K1と共に、前方面基準線よりも後方の部分も同時に加工されてしまう。従って、CPU5は、レンズLEに対して最も前方側から前方面基準線に接触する円環状加工具442の位置(図9では、中心Cの座標を(X2,y,Z)となる)の集合を、前方面用軌跡として算出する。
図5の説明に戻る。次いで、CPU5は、凸型ヤゲン70の後方面72を形成する際の、レンズLEに対する円環状加工具442の相対的な加工軌跡(後方面用軌跡)を、凸型ヤゲン70の形状情報に基づいて算出する。
図10を参照して、後方面用軌跡を算出する方法の一例について説明する。後方面用軌跡の算出方法には、前方面用軌跡の算出方法と同様の方法を採用してもよい。例えば、本実施形態のCPU5は、後方面72を形成する面に沿ってレンズLEの周方向に延びる後方面基準線に基づいて、後方面軌跡を算出する。つまり、CPU5は、円環状加工具442の加工面が、後方面基準線に接しながらレンズLEに対して相対的に移動するように、後方面用軌跡を算出する。後方面基準線は、前方面基準線と同様に適宜設定できる。例えば、図10に示すように、後方面72が形成される面とコバ面68(図6参照)の交差線である基準線97を、後方面基準線として用いても良い。また、後方面72の外周側端部に位置する稜部98(本実施形態では、後方面72と後方面取り面76が成す稜部)を後方面基準線として用いても良い。CPU5は、複数の後方面基準線に基づいて後方面用軌跡を算出してもよい。
また、本実施形態のCPU5は、レンズLEに形成する後方面72の角度θ2に基づいて、後方面用軌跡に従って円環状加工具442を相対移動させる際の、レンズLEと円環状加工具442の相対的な角度を設定する。CPU5は、設定された円環状加工具442の角度に基づいて、後方面用軌跡を算出する。前述したように、前方面71の角度θ1と後方面72の角度θ2は同じである必要は無い。また、本実施形態のCPU5は、レンズLEに形成する凸型ヤゲン70の高さHに基づいて後方面用軌跡を算出する。さらに、本実施形態のCPU5は、円環状加工具442が後方面72に接触する場合の、レンズLEに対する円環状加工具442の相対的な位置のうち、レンズLEに対して最も後方側から後方面72に接触する位置の集合を、後方面用軌跡として算出する。この算出方法と、図9を参照して説明した前方面用軌跡の算出方法の異なる点は、前後方向が逆となる点のみである。
図5の説明に戻る。CPU5は、S3およびS4で算出された加工軌跡に基づいて、斜面形成加工具311とレンズLEの相対的な位置の移動を制御する(S10)。その結果、図6および図7に示すように、レンズLEの周縁に、前斜面81および後斜面82が形成される。
次いで、CPU5は、S5で算出された前方面用軌跡に従って、レンズLEと円環状加工具442の相対的な位置を移動させることで、凸型ヤゲン70の前方面71を形成する(図8参照)。また、CPU5は、S6で算出された後方面用軌跡に従って、レンズLEと円環状加工具442の相対的な位置を移動させることで、凸型ヤゲン70の後方面72を形成する(図10参照)。その結果、S2で取得された形状情報によって特定される凸型ヤゲン70が、レンズLEの周縁に形成される(S11)。
なお、S11では、CPU5は、角度変更モータ432によって円環状加工具442の角度を制御しつつ、レンズLEと円環状加工具442の相対的な位置を移動させる。その結果、適切な角度の前方面71および後方面72が形成される。
凸型ヤゲン70に形成される面取り面75,76について説明する。本実施形態では、図6および図7に示すように、前斜面81および後斜面82における外周側稜部(端部)91,92同士の距離は、凸型ヤゲン70の前方面71および後方面72における外周側端部(例えば、外周側稜部95,98)同士の距離よりも短くなる。詳細には、図6に示すように、前斜面81の外周側稜部91は、前方面71が形成される面よりも後方に形成される。また、図7に示すように、後斜面82の外周側稜部92は、後方面72が形成される面よりも前方に形成される。つまり、X軸方向(レンズLEの厚み方向)において、2つの斜面81,82の外周側稜部91,92の位置は、前方面71を延長させた面と、後方面72を延長させた面の間に位置する。この場合、斜面81,82のうち外周側端部に位置する部分は、凸型ヤゲン70の前方面71および後方面72が形成されることで、凸型ヤゲン70の面取り面75,76(図4参照)となる。
以上説明したように、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、凸型ヤゲン70の少なくとも一部の形状を特定する形状情報を取得すると共に、取得した形状情報に基づいて、レンズLEに対する加工具の相対的な軌跡(以下、「加工軌跡」という)を算出する。ここで、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、凸型ヤゲン70の前方面71を形成する際の加工軌跡と、後方面72を形成する際の加工軌跡とを別々に算出する。眼鏡レンズ加工装置1は、算出された加工軌跡に従って加工具の駆動を制御することで、凸型ヤゲン70の前方面71と後方面72を別々に形成する。従って、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEの周縁に適切に凸型ヤゲン70を形成することができる。
なお、溝を有する加工具を用いて凸型ヤゲン70を形成する方法も考えられる。この場合に用いられる加工具は、回転軸を含む断面で見た場合の溝の形状が凹状となる。溝を有する加工具を用いると、前方面71と後方面72が同時に形成されるが、望ましい形状の凸型ヤゲン70が形成されない可能性もある。例えば、溝を有する加工具と、レンズLEの周縁との角度が変化すると、凸型ヤゲン70の幅(例えば、前方面71と後方面72の間の距離)が変化する場合がある。また、溝を有する加工具を用いる場合、形成する凸型ヤゲン70の幅を自由に設定することも難しい。これに対し、本実施形態で例示した技術によると、適切な形状の凸型ヤゲン70が形成される。例えば、凸型ヤゲン70の幅が部分的に狭くなることが抑制され得る。また、凸型ヤゲン70の幅を自由に設定することも容易となる。
本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEに対して最も前方側から凸型ヤゲン70の前方面71に接触する加工具の位置の集合を算出することで、前方面用軌跡を算出する。従って、凸型ヤゲン70の前方面71がより正確に形成される。また、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEに対して最も後方側から凸型ヤゲン70の後方面72に接触する加工具の位置を算出することで、後方面用軌跡を算出する。従って、凸型ヤゲン70の後方面72がより正確に形成される。
本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEに接触する部分の形状が円環状である円環状加工具442によって、凸型ヤゲン70の前方面71および後方面72の各々を別々に形成する。従って、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、溝を有する加工具を用いる場合に比べて、より自由に凸型ヤゲン70を形成することができる。また、例えば、レンズLEの周縁に溝を形成するための円盤砥石(例えば、本実施形態では溝掘り砥石442)等を、凸型ヤゲン70を形成する際に利用することも可能である。
本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEの周縁に対する円環状加工具442の角度を変更する角度変更モータ432を備える。眼鏡レンズ加工装置1は、円環状加工具442の角度を考慮して前方面用軌跡および後方面用軌跡の各々を算出すると共に、レンズLEと円環状加工具442の相対的な位置と、円環状加工具442の角度を共に制御する。従って、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、前方面71の角度および後方面72の角度がより適切な凸型ヤゲン70をレンズLEに形成することができる。
本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、斜面形成加工具311によってレンズLEに斜面81,82を形成した後で、前方面用軌跡および後方面用軌跡の各々に従って凸型ヤゲン70をレンズLEに形成する。従って、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、斜面81,82を形成する過程を経ずに凸型ヤゲン70を形成する場合に比べて短い時間で加工を行うことができる。
本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、前面側縁部63に形成する前斜面81および後面側縁部66に形成する後斜面82の外周側端部91,92同士の距離を、凸型ヤゲン70の前方面71および後方面72における外周側端部同士の距離よりも短くする。この場合、斜面形成加工具311によって形成される前面側および後面側の斜面81,82のうち、外周側端部に位置する部分は、凸型ヤゲン70の前方面71および後方面72が形成された後も、凸型ヤゲン70の前面側縁部および後面側縁部の面取り面75,76として残存する。従って、本実施形態の眼鏡レンズ加工装置1は、面取りが行われた凸型ヤゲン70を効率良くレンズLEに形成することができる。なお、凸型ヤゲン70に面取りが行われると、例えば、フレームに対してレンズLEが嵌まり易くなる。
上記実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記実施形態で例示された技術を変更することも可能である。例えば、上記実施形態では、眼鏡レンズ加工装置1が加工軌跡を算出し、算出した加工軌跡に基づいてレンズLEを加工する。つまり、上記実施形態では、眼鏡レンズ加工装置1が、加工軌跡を算出する制御装置を兼ねる。しかし、眼鏡レンズ加工装置1とは異なる装置が制御装置として機能することも可能である。例えば、PCのCPUが、上記実施形態で例示した処理の少なくとも一部を実行し、加工軌跡を算出してもよい。この場合、眼鏡レンズ加工装置1は、PCによって算出された加工軌跡に基づいて各部の駆動を制御し、レンズLEを加工してもよい。また、複数の装置が制御装置として機能してもよい。
上記実施形態では、レンズLEの縁部に前斜面81を形成するための加工軌跡と、後斜面82を形成するための加工軌跡が別々に算出される。しかし、これらの軌跡は別々に算出される必要は無い。また、上記実施形態では、前斜面形成加工具311Fによる前斜面81の形成動作と、後斜面形成加工具311Bによる後斜面82の形成動作が別々に行われる。しかし、前斜面81と後斜面82は同時に形成されてもよい。例えば、加工面にV溝を有する斜面形成加工具(一例として、V溝を有するヤゲン砥石等)によって、前斜面81と後斜面82が同時に形成されてもよい。
上記実施形態では、縁部に斜面81,82が形成されたレンズLEに対して、凸型ヤゲン70の前方面71および後方面72が形成される。しかし、眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEに斜面81,82を形成することなく、凸型ヤゲン70の前方面71および後方面72を形成することも可能である。この場合、例えば、凸型ヤゲン70を形成するために必要な加工具の種類が減少し得る。
図5で例示した加工制御処理では、前斜面81、後斜面82、前方面71、および後方面72の順で加工が行われる。しかし、加工順序を変更することも可能である。例えば、前斜面81、前方面71、後斜面82、後方面72の順で加工が行われてもよい。なお、前方面71よりも後方面72が先に形成されてもよいことは言うまでもない。
上記実施形態では、斜面81,82の外周側端部と、前方面71および後方面72の外周側端部の位置が適切に設定されることで、凸型ヤゲン70に効率良く面取り面75,76が形成される。しかし、凸型ヤゲン70に面取り面75,76を形成する方法を変更することも可能である。例えば、眼鏡レンズ加工装置1は、面取り面75,76が形成されていない凸型ヤゲン70を形成した後で、凸型ヤゲン70に対して面取り加工を行ってもよい。また、眼鏡レンズ加工装置1は、面取り面75,76を有さない凸型ヤゲンを形成してもよい。
上記実施形態では、レンズLEに接触する部分の形状が円環状である円環状加工具(一例として溝掘り砥石)442によって前方面71および後方面72が形成される。しかし、円環状加工具442以外の加工具を用いて前方面71および後方面72を形成することも可能である。また、上記実施形態では、円環状加工具442とレンズLEの相対的な角度が変更され得る。しかし、円環状加工具442の相対角度が固定されている場合でも、上記実施形態で例示した技術の少なくとも一部を適用できる。
1 眼鏡レンズ加工装置
5 CPU
70 凸型ヤゲン
71 前方面
72 後方面
73 外周面
75 前方面取り面
76 後方面取り面
81 前斜面
82 後斜面
311 斜面形成加工具
311F 前斜面形成加工具
311B 後斜面形成加工具
432 角度変更モータ
442 円環状加工具

Claims (5)

  1. レンズに接触することで前記レンズを加工する加工具と、前記レンズの周縁との相対的な位置を移動させることで、眼鏡のフレームに前記レンズを嵌めるためのヤゲンを前記レンズの周縁に形成することが可能な眼鏡レンズ加工装置であって、
    前記レンズの周縁に形成する予定のヤゲンであり、前記レンズの前方を向く前方面、前記レンズの後方を向く後方面、および、前記レンズの光軸から遠ざかる方向を向く外周面を有するヤゲンである凸型ヤゲンの少なくとも一部の形状を特定する形状情報を取得する形状情報取得手段と、
    前記レンズの周縁に前記前方面を形成する際の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な軌跡である前方面用軌跡を、前記形状情報に基づいて算出する前方面用軌跡算出手段と、
    前記レンズの周縁に前記後方面を形成する際の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な軌跡である後方面用軌跡を、前記形状情報に基づいて算出する後方面用軌跡算出手段と、
    前記前方面用軌跡および前記後方面用軌跡の各々に従って、前記レンズと前記加工具の相対的な位置を移動させることで、前記レンズに前記凸型ヤゲンを形成する駆動制御手段と、
    を備えたことを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置であって、
    前記前方面用軌跡算出手段は、
    前記加工具が前記前方面に接触する場合の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な位置のうち、前記レンズに対して最も前方側から前記前方面に接触する位置の集合を算出することで、前記前方面用軌跡を算出することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  3. 請求項1または2の眼鏡レンズ加工装置であって、
    前記後方面用軌跡算出手段は、
    前記加工具が前記後方面に接触する場合の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な位置のうち、前記レンズに対して最も後方側から前記後方面に接触する位置の集合を算出することで、前記後方面用軌跡を算出することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  4. 請求項1から3のいずれかの眼鏡レンズ加工装置であって、
    前記加工具は、前記レンズのコバ面に対して傾斜した加工面を前記レンズの周縁に接触させて、前記コバ面に対して傾斜する斜面を前記レンズの前面側縁部および後面側縁部に形成する斜面形成加工具と前記斜面形成加工具と異なる加工具を含み、
    前記駆動制御手段は、
    前記レンズと前記斜面形成加工具の相対的な位置を移動させて、前記レンズの前記前面側縁部に斜面を形成した後で、前記前方面用軌跡に従って前記レンズと前記異なる加工具の相対的な位置を移動させると共に、
    前記レンズと前記斜面形成加工具の相対的な位置を移動させて、前記レンズの前記後面側縁部に斜面を形成した後で、前記後方面用軌跡に従って前記レンズと前記異なる加工具の相対的な位置を移動させることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  5. 眼鏡のフレームにレンズを嵌めるためのヤゲンを前記レンズの周縁に形成するために、前記レンズを加工する加工具と、前記レンズの周縁との相対的な移動を制御する制御装置によって実行される加工制御プログラムであって、
    前記制御装置のプロセッサによって実行されることで、
    前記レンズの周縁に形成する予定のヤゲンであり、前記レンズの前方を向く前方面、前記レンズの後方を向く後方面、および、前記レンズの光軸から遠ざかる方向を向く外周面を有するヤゲンである凸型ヤゲンの少なくとも一部の形状を特定する形状情報を取得する形状情報取得ステップと、
    前記レンズの周縁に前記前方面を形成する際の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な軌跡である前方面用軌跡を、前記形状情報に基づいて算出する前方面用軌跡算出ステップと、
    前記レンズの周縁に前記後方面を形成する際の、前記レンズに対する前記加工具の相対的な軌跡である後方面用軌跡を、前記形状情報に基づいて算出する後方面用軌跡算出ステップと、
    を前記制御装置に実行させることを特徴とする加工制御プログラム。
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