JP6627041B2 - 塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤及び塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤及び塩化ビニル系樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤及びこれを用いる塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
懸濁重合法による塩化ビニル系樹脂の製造方法の重合工程や重合後の残留モノマー回収(脱モノマー)工程において、泡が生じるために生産性が低下したり、泡によって得られる塩化ビニル系樹脂の物性が低下することがある。これを抑制するために、各工程に消泡剤を使用することが提案されており、例えば、消泡剤と特定の部分ケン化ポリビニルアルコールとを用いる製造方法(特許文献1)や塩化ビニル系樹脂水性液に、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体を添加し、ストリッピングを行う製造方法(特許文献2)が知られている。
特開2002−256008号公報 特開平11−322838号公報
従来の消泡剤を塩化ビニル系樹脂の製造に適用すると、消泡性が不十分であり、生産性や得られる塩化ビニル系樹脂の物性に問題がある。
本発明の目的は、塩化ビニル系樹脂の製造工程(すなわち、塩化ビニル系樹脂スラリーが存在する工程)において、優れた消泡性を有する消泡剤を提供することである。
本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤の特徴は、一般式(1)で表されるポリエーテル化合物(A)を含有することを要旨とする。

O-(EO)(PO)-H (1)
ブチル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、nは3〜30の整数、mは10〜90の整数である。
本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法の特徴は、上記の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤の存在下で単量体を重合させて塩化ビニル系樹脂スラリーを得る重合工程を含むこと、または、上記の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤の存在下で塩化ビニル系樹脂スラリーから残留モノマーを回収及び/又は除去する脱モノマー工程を含むことを要旨とする。
本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤は、塩化ビニル系樹脂スラリーに対して(すなわち、塩化ビニル系樹脂の製造において)優れた消泡性を発揮する。
本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法は、上記の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤を用いるので生産性に優れ、得られる塩化ビニル系樹脂の物性が優れる。
炭素数4〜12のアルキル基(R)としては、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、デシル、イソデシル及びドデシル等が挙げられる。これらのうち、ブチル、2−エチルヘキシル及びデシルが好ましく、さらに好ましくはブチルである。
一般式(1)におけるmのnに対する比率(m/n)は、消泡性の観点から、0.8〜10が好ましく、さらに好ましくは0.9〜9.5、特に好ましくは1〜9、最も好ましくは1.1〜8である。
一般式(1)におけるm及びnの和(m+n)は、消泡性の観点から、20〜150が好ましく、さらに好ましくは22〜120、特に好ましくは24〜100,最も好ましくは25〜85である。
ポリエーテル化合物(A)の1重量%イオン交換水溶液での曇点(℃)は、10〜40が好ましく、さらに好ましくは11〜37、特に好ましくは12〜35、最も好ましくは13〜30である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
1重量%イオン交換水溶液での曇点は、親水性の尺度となる物性値の一つであり、曇点が高いほど親水性が大きいことを意味し、以下のようにして測定される値である。
イオン交換水99g及び試料1gを均一溶解させ(溶解しない場合溶解するまで冷却する)、この試料溶液約5ccをガラス製の試験管に採り、温度計を試料溶液に入れて攪拌しながら、昇温させて試料溶液を白濁させた後、攪拌しながら、ゆっくり冷却して試料溶液が完全に透明となる温度を読みとり、これを曇点とする。
ポリエーテル化合物(A)の好ましい例としては、ブタノールのエチレンオキシド(20モル)プロピレンオキシド(65モル)ブロック付加体、ブタノールのエチレンオキシド(18モル)プロピレンオキシド(55モル)ブロック付加体、ブタノールのエチレンオキシド(20モル)プロピレンオキシド(25モル)ブロック付加体、ブタノールのエチレンオキシド(5モル)プロピレンオキシド(30モル)ブロック付加体、ブタノールのエチレンオキシド(25モル)プロピレンオキシド(28モル)ブロック付加体、ブタノールのエチレンオキシド(5モル)プロピレンオキシド(40モル)ブロック付加体、デカノールのエチレンオキシド(11モル)プロピレンオキシド(14モル)ブロック付加体及び2−エチルヘキサノールのエチレンオキシド(20モル)プロピレンオキシド(25モル)ブロック付加体等が挙げられる。
本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤は、消泡性の観点から、疎水性金属酸化物(B)を含有することが好ましい。
疎水性金属酸化物(B)としては、疎水性シリカ、疎水性アルミナ及び疎水性チタンが含まれ、疎水性ヒュームドシリカ、疎水性ヒュームドアルミナ、疎水性ヒュームドチタン、疎水性沈降シリカ及び疎水性ゲルシリカ等が使用できる。これらのうち、消泡性、コスト及び消泡剤の安定性の観点から、疎水性シリカが好ましい。
疎水性金属酸化物(B)は、市場から入手して使用することもできるし、親水性金属酸化物を公知の方法(特開2014−214286号等)で疎水化して得られる疎水性金属酸化物を使用することもできる。
親水性金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄が含まれる。
親水性粉体の疎水化に用いる疎水化剤としては特に制限は無いが、シリコーン系疎水化剤(シリコーンオイル、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジクロロジメチルシラン、クロロトリメチルシラン、トリクロロメチルシラン、ジアルキルジクロロシラン、ジアルキルジアルコキシシラン及びシリコーン樹脂等)が挙げられる。
親水性粉体を疎水化する疎水化方法として特に制限は無いが、疎水化剤と親水性粉体とを直接添加混合する方法(乾式法)及び疎水性溶媒中で疎水化剤と親水性粉体とを混合する方法(湿式法)等が挙げられる。疎水化時の温度や反応触媒は用いる疎水化剤に応じて、適切な条件にすればよい。
疎水性ヒュームドシリカとして市場から入手できる商品としては、AEROSILシリーズ(R972、R974、RX200、RX300、RY200、R202及びR805等、日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。以下、同様である。);REOLOSILシリーズ(MT−10、DM−10及びDM−20S等、株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。以下、同様である。);HDKシリーズ(HDKH15及びHDKH18等、旭化成ワッカーシリコーン株式会社、「HDK」はWacker Chemie AGの登録商標である。以下、同様である。);並びにCAB−O−SILシリーズ(TS−720、TS−622及びTS−382等、キャボットカーボン社、「CAB−O−SIL」はキヤボツト コ−パレイシヤンの登録商標である。以下、同様である。)等が挙げられる。
疎水性ヒュームドアルミナとして市場から入手できる商品としては、AEROXIDEシリーズ(AluC805等、日本アエロジル株式会社、「AEROXIDE」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。以下、同様である。)が挙げられる。
疎水性ヒュームドチタンとして市場から入手できる商品としては、AEROXIDEシリーズ(T805及びNKT90等)が挙げられる。
疎水性沈降シリカとして市場から入手できる商品としては、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)及びSIPERNAT D10、D13及びD17(デグサジャパン株式会社、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )等が挙げられる。
疎水性ゲルシリカとして市場から入手できる商品としては、サイロホービック100及び200(富士シリシア化学株式会社、「サイロホービック」は富士シリシア化学株式会社の登録商標である。)等が挙げられる。
疎水性金属酸化物(B)のメタノール湿潤性(M値)は、35〜75が好ましく、さらに好ましくは36〜70、特に好ましくは38〜67、最も好ましくは40〜65である。この範囲であると、消泡性及び消泡剤の分離安定性がさらに良好となる。
M値は、疎水化の度合いを表す指標であり、濃度の相違するいくつかの水/メタノール混合溶液のうち、メタノール濃度が最も小さい均一分散液の容量%を意味し、以下のようにして測定される値である。この値が高い程、疎水性が高いといえる。
<メタノール湿潤性(M値)の測定方法>
メタノール濃度を5容量%の間隔で変化させた水/メタノール混合溶液を調製し、これを容積10mlの試験管に5ml入れる。次いで測定試料0.2gを入れ、試験管にふたをして、20回上下転倒してから1〜2分間静置した後、試験管内を観察して、凝集物がなく、測定試料の全部が湿潤して均一分散した分散液のうち、メタノール濃度が最も小さい分散液のメタノールの濃度(容量%)をM値とする{M値の単位(容量%)は記載しないことが通例である。}。
疎水性金属酸化物(B)の含有量(重量%)は、ポリエーテル化合物(A)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.2〜8、特に好ましくは0.3〜7、最も好ましくは0.5〜5である。これらの範囲であると、消泡性及び取り扱い性がさらに良好となる。
本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤は、さらに水(C)を含むことができる。水を含有させることにより、引火危険性を低減させ取扱上の安全性を高める効果がある。また、消泡剤の低温流動性の向上効果がある。水としては、蒸留水、イオン交換水、水道水、工業用水、井戸水、湧き水及び河川水等が使用できる。これらのうち、水道水、工業用水、イオン交換水及び蒸留水が好ましく、さらに好ましくはイオン交換水及び蒸留水である。
水(C)を含有する場合、水(C)の含有量(重量%)は、ポリエーテル化合物(A)の重量に基づいて、0.1〜50が好ましく、さらに好ましくは0.3〜20、特に好ましくは0.5〜15、最も好ましくは1〜10である。
本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤は、塩化ビニル系樹脂スラリーに対して効果的であり、塩化ビニル系樹脂の製造工程(塩化ビニル系樹脂スラリーを得る重合工程や、塩化ビニル系樹脂スラリーから残留モノマーを回収及び/又は除去する脱モノマー工程)において優れた消泡性を発揮する。
本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤は、いずれのタイミングで添加してもよく、添加に際しては消泡剤を適当な希釈溶媒(たとえば水)で希釈してもよい。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能なモノマーの重合物であり、塩化ビニルと共重合可能なモノマーとしては、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル、無水マレイン酸、アクリロニトリル及びスチレンが含まれる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルが含まれる。
消泡剤の含有量は発泡状態に応じて適宜決定できるが、塩化ビニル系樹脂の重量に基づいて、0.001〜0.1重量%程度である。
塩化ビニル系樹脂スラリーの濃度、樹脂粒子径、重合工程の条件、脱モノマー工程の条件等の詳細については、通常の条件、範囲がそのまま適用できる。
以下、特記しない限り「部」は重量部を、「%」は重量%をそれぞれ意味し、また、「曇点」は1重量%イオン交換水溶液での曇点(℃)を意味する。
ポリエーテル化合物(A)として、以下のポリエーテル化合物(a1)〜(a7)を使用した。
ポリエーテル化合物(a1):ブタノールのエチレンオキシド(20モル)プロピレンオキシド(65モル)ブロック付加体、曇点14℃、和(m+n)=85、比率(m/n)=3.3
ポリエーテル化合物(a2):ブタノールのエチレンオキシド(18モル)プロピレンオキシド(55モル)ブロック付加体、曇点15℃、和(m+n)=73、比率(m/n)=3.1
ポリエーテル化合物(a3):ブタノールのエチレンオキシド(20モル)プロピレンオキシド(25モル)ブロック付加体、曇点23℃、和(m+n)=45、比率(m/n)=1.3
ポリエーテル化合物(a4):ブタノールのエチレンオキシド(5モル)プロピレンオキシド(30モル)ブロック付加体、曇点16℃、和(m+n)=35、比率(m/n)=6.0
ポリエーテル化合物(a5):ブタノールのエチレンオキシド(25モル)プロピレンオキシド(28モル)ブロック付加体、曇点30℃、和(m+n)=53、比率(m/n)=1.1
ポリエーテル化合物(a6):ブタノールのエチレンオキシド(5モル)プロピレンオキシド(40モル)ブロック付加体、曇点13℃、和(m+n)=45、比率(m/n)=8.0
ポリエーテル化合物(a7):デカノールのエチレンオキシド(11モル)プロピレンオキシド(14モル)ブロック付加体、曇点23℃、和(m+n)=25、比率(m/n)=1.3
疎水性金属酸化物(B)として、以下の疎水性金属酸化物(b1)〜(b4)を使用した。
疎水性金属酸化物(b1):AEROSIL R974、疎水性ヒュームドシリカ、M値40、日本アエロジル株式会社
疎水性金属酸化物(b2):AEROSIL RX200、疎水性ヒュームドシリカ、M値60、日本アエロジル株式会社
疎水性金属酸化物(b3):AEROSIL R972、疎水性ヒュームドシリカ、M値45 、日本アエロジル株式会社
疎水性金属酸化物(b4):NipsilSS−15、疎水性沈降シリカ、M値60、東ソー・シリカ株式会社
疎水性金属酸化物(b5):SIPERNATD10、疎水性沈降シリカ、M値65、デグサジャパン株式会社
<実施例1>
攪拌の可能な容器内で、ポリエーテル化合物(a1)1000部及び疎水性金属酸化物(b1)30部を30分間攪拌混合して均一にした後、水(c1){工業用水}50部を加えてさらに30分間攪拌混合して、本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤(1)を得た。
<実施例2>
攪拌の可能な容器内で、ポリエーテル化合物(a2)1000部及び疎水性金属酸化物(b2)10部を30分間攪拌混合して均一にした後、水(c1)50部を加えてさらに30分間攪拌混合して、本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤(2)を得た。
<実施例3>
攪拌の可能な容器内で、ポリエーテル化合物(a3)1000部及び疎水性金属酸化物(b3)50部を30分間攪拌混合して均一にした後、水(c1)10部を加えてさらに30分間攪拌混合して、本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤(3)を得た。
<実施例4>
ポリエーテル化合物(a4)を本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤(4)とした。
<実施例5>
攪拌の可能な容器内で、ポリエーテル化合物(a5)1000部及び疎水性金属酸化物(b4)5部を30分間攪拌混合して均一にした後、水(c1)50部を加えてさらに30分間攪拌混合して、本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤(5)を得た。
<実施例6>
攪拌の可能な容器内で、ポリエーテル化合物(a6)1000部及び疎水性金属酸化物(b1)30部を30分間攪拌混合して均一にした後、水(c1)50部を加えてさらに30分間攪拌混合して、本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤(6)を得た。
<実施例7>
攪拌の可能な容器内で、ポリエーテル化合物(a7)1000部及び疎水性金属酸化物(b5)10部を30分間攪拌混合して均一にした後、水(c1)100部を加えてさらに30分間攪拌混合して、本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤(7)を得た。
<比較例1>
ブタノールのプロピレンオキシド(40モル)付加体(曇点7℃)を比較用の消泡剤(H1)とした。
<比較例2>
ブタノールのエチレンオキシド(11モル)プロピレンオキシド(7モル)付加体(曇点52℃)を比較用の消泡剤(H2)とした。
<比較例3>
エチレンオキシド(10モル)プロピレンオキシド(30モル)ブロック付加体(プルロニック型、曇点30℃)を比較用の消泡剤(H3)とした。
<比較例4>
エチレンオキシド(23モル)プロピレンオキシド(35モル)ブロック付加体(プルロニック型、曇点59℃)を比較用の消泡剤(H4)とした。
<比較例5>
ジメチルポリシロキサンからなるシリコーン系消泡剤を比較用の消泡剤(H5)とした。
消泡剤(1)〜(7)及び(H1)〜(H5)を用いて、以下のようにして消泡性を評価し、評価結果を表1に示した。
<消泡性の評価>
1.試験用スラリーの調製
水600部及び塩化ビニル樹脂粒子(カネビニールS−1008、株式会社カネカ、「カネビニール」は同社の登録商標である。)400部を均一混合して試験用スラリーを得た。
2.消泡試験液の調製
試験用スラリー1000部を60℃まで加熱し、消泡剤を0.12部を加えて混合し、消泡試験液を得た。
消泡剤を加えないこと以外、上記と同様にして、消泡試験液(ブランク)も調製した。
3.消泡性試験
100mLのガラス製メスシリンダー(以下、発泡管と称する。)を60℃に温度調節しながら、この発泡管に、60℃に温度調節した消泡試験液40gを入れ、デフューザーストーンを発泡管の底部まで挿入し300ml/分で窒素ガスをバブリングすることによって消泡試験液を泡立てながら、変化する泡及び発泡液の容量を試験開始15秒後、1分後及び10分後に読み取った。数値の小さい方が消泡性が高いことを意味し好ましい。
Figure 0006627041
「−」は100mLを越えたことを意味する。
本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤は、比較用の消泡剤に比べて、優れた消泡性を発揮した。したがって、本発明の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤を用いると、塩化ビニル系樹脂の製造方法において生産性に優れ、得られる塩化ビニル系樹脂の物性が優れると予想される。
本発明の消泡剤は、塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤として好適であり、塩化ビニル系樹脂スラリーを得る重合工程、塩化ビニル系樹脂スラリーから残留モノマーを回収及び/又は除去する脱モノマー工程を含む塩化ビニル系樹脂の製造方法に最適である。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表されるポリエーテル化合物(A)を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤。

    O-(EO)(PO)-H (1)

    ブチル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、nは3〜30の整数、mは10〜90の整数である。
  2. 一般式(1)におけるmのnに対する比率(m/n)が0.8〜10である請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤。
  3. 一般式(1)におけるm及びnの和(m+n)が20〜150である請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤。
  4. ポリエーテル化合物(A)の1重量%イオン交換水溶液での曇点が10〜40℃である請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤。
  5. さらに疎水性金属酸化物(B)を含有し、ポリエーテル化合物(A)の重量に基づいて、疎水性金属酸化物(B)の含有量が0.1〜10重量%である請求項1〜のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤。
  6. さらに水(C)を含有する請求項1〜のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂スラリー工程用消泡剤。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤の存在下で単量体を重合させて塩化ビニル系樹脂スラリーを得る重合工程を含むことを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂スラリー用消泡剤の存在下で塩化ビニル系樹脂スラリーから残留モノマーを回収及び/又は除去する脱モノマー工程を含むことを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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