JP6624862B2 - イオン注入装置 - Google Patents
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Description
イオン注入装置は、ガスボンベ12に接続されたイオンを発生させるイオン発生装置11と、このイオン発生装置11から引き出されたイオンの中から必要なイオンを選別するための質量分析装置8と、質量分析装置8で選別されたイオンを加速させてイオンビームにする加速装置9と、半導体基板を保持し、イオンビームを半導体基板に照射して半導体基板にイオンを注入する注入室10からなっている。イオン発生装置はアークチャンバ1と引き出し電極7からなり、アークチャンバ1で発生したイオンは引き出し電極7により引き出される。(例えば、非特許文献1を参照)
アークチャンバ1内のフィラメント2に電流を流すことにより、フィラメント2が抵抗加熱され熱電子を放出する。そして、アークチャンバ1内に不純物ガスを導入すると、前記熱電子との衝突によりイオン化され、アークチャンバ1内はプラズマ状態となる。このプラズマ中のイオンは引き出し電極によってアークチャンバのフロントスリット3に設けられたスリット4Aより引き出される。スリット4Aは引き出されたイオンの経路を制限している。
そこで、本発明は、耐用寿命が延ばされたフロントスリットを有するイオン注入装置および、イオン注入方法を提供する事を目的とする。
まず、イオンを発生するアークチャンバを有するイオン注入装置において、前記アークチャンバは筐体と、前記筐体に設けられたフィラメントと、前記アークチャンバの一面に備えられたフロントスリットと、前記フロントスリットに固定されたスペーサ板と、からなり、前記スペーサ板にはスリット部が設けられていることを特徴とするものである。
また、前記スリット部は、2枚の前記スペーサ板の離間領域であることを特徴とするイオン注入装置とした。
また、前記スリット部は、1枚の前記スペーサ板の中心部に設けられた開口部であることを特徴とするイオン注入装置とした。
また、前記スペーサ板はシリコンカーバイド、またはチタンカーバイドからなることを特徴とするイオン注入装置とした。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアークチャンバの図である。(a)は断面図、(b)は上面図、(c)は要部拡大断面図である。
フロントスリット3は外周部で一定の厚みを有し、中心に向うに従い漸減する。そして中心部では第1スリット幅S1の第1のスリット4Aを有する。フロントスリット3の下面にはスリット部を挟んで左右2枚のスペーサ板6がフロントスリットに重畳して脱着可能に固定されており、第2のスリット4Bを形成している。左右2枚のスリット板6は第2のスリット幅S2の隙間をもって離間している。ここで、第2のスリット幅S2は第1のスリット幅S1と同等か、それより狭くなるように調整され、S2の隙間からフロントスリット3の端部が露出することはない。図3(a)に示すようにスペーサ板6は3層構造で薄型スペーサ板61、62、63を重ね合わせたものである。重畳した3枚の薄型スペーサ板はいずれも第2のスリット幅S2を有するように配置されることが望ましいが、少なくとも、最上位の薄型スペーサ板63が第2のスリット幅S2を有することが必要で、中位の薄型スペーサ板62や最下位の薄型スペーサ板61におけるスリット幅はS2より僅かに大きくても構わない。
そこで、図3(c)に示すように、最下位の薄型スペーサ板61を外して最上位に新たな薄型スペーサ板64を固定することでスペーサ板6の修復することがこの実施例の構成においては可能となっている。
2 フィラメント
3 フロントスリット
4 スリット部
5 イオンビーム
6 スペーサ板
7 引き出し電極
8 質量分析器
9 加速器
10 注入室
11 イオン発生装置
12 ガスボンベ
13 欠損部
61 薄型スペーサ板
62 薄型スペーサ板
63 薄型スペーサ板
64 薄型スペーサ板
S1 第1のスリット幅
S2 第2のスリット幅
Claims (4)
- イオンを発生するアークチャンバを有するイオン注入装置であって、
前記アークチャンバは、
筐体と、
前記筐体に設けられたフィラメントと、
前記アークチャンバの一面に備えられた第1のスリットを有するフロントスリットと、
前記フロントスリットの内面に固定された、第2のスリットを規定しているスペーサ板と、からなり、
前記第1のスリットと前記第2のスリットは重なり合って、スリット部を形成しており、
前記スペーサ板は、複数の薄型スペーサ板の積層体であって、
前記フロントスリットと接する最上位の前記薄型スペーサ板は、前記第1のスリットの幅である第1のスリット幅を超えない前記第2のスリットの幅である第2のスリット幅を有し、前記スリット部の幅を実質的に規定しており、中位および最下位の前記薄型スペーサ板のスリット幅は、前記第2のスリット幅よりも大きいことを特徴とするイオン注入装置。 - 前記第2のスリットは、2枚の前記スペーサ板の離間領域であることを特徴とする請求項1記載のイオン注入装置。
- 前記第2のスリットは、1枚の前記スペーサ板の中心部に設けられた開口部であることを特徴とする請求項1記載のイオン注入装置。
- 前記スペーサ板は、シリコンカーバイド、または、チタンカーバイドからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のイオン注入装置。
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