JP6624682B2 - 棟換気装置の設置方法、建造物 - Google Patents

棟換気装置の設置方法、建造物 Download PDF

Info

Publication number
JP6624682B2
JP6624682B2 JP2016242613A JP2016242613A JP6624682B2 JP 6624682 B2 JP6624682 B2 JP 6624682B2 JP 2016242613 A JP2016242613 A JP 2016242613A JP 2016242613 A JP2016242613 A JP 2016242613A JP 6624682 B2 JP6624682 B2 JP 6624682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
ridge
ventilation device
roof
ventilation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016242613A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018096143A (ja
Inventor
匡弘 森村
匡弘 森村
義正 楠木
義正 楠木
Original Assignee
株式会社トーコー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社トーコー filed Critical 株式会社トーコー
Priority to JP2016242613A priority Critical patent/JP6624682B2/ja
Publication of JP2018096143A publication Critical patent/JP2018096143A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6624682B2 publication Critical patent/JP6624682B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

本発明は、建造物の屋根頂部への棟換気装置の設置方法、及び屋根頂部に棟換気装置が設置された建造物に関する。
小屋裏の空気を換気する棟換気装置を建造物の屋根頂部に設置するためには、野地板に開口部を形成する必要がある。また、止水のため棟換気装置の下部に金属製の捨水切を取り付けることが一般的である。
そのため、棟包が固定された後、リフォーム時などに棟換気装置を追設しようとする場合は、棟包、笠木、及びスレートなどの屋根材を撤去し、野地板に開口を形成し、捨水切を取り付け、屋根材、笠木、及び棟包を復旧して棟換気装置を取り付ける手間が発生する。また、特に塗装が主であるリフォーム時においては、塗装業者では、このような屋根工事を行える職人がいない場合が多い。また、スレートにはアスベストが含まれていることが多く、廃材処理費が高額となる。よって、屋根頂部に棟包が固定された後、リフォーム時などに棟換気装置を追設することは困難であった。
ここで、特許文献1には、屋根構造体に敷設された屋根材上から建物内へ線材を引き込むための線材引込装置が開示されている。
また、特許文献2には、棟包が脱着自在である屋根構造が開示されている。
特開2013−130010号公報 特開2014−198947号公報
しかし、特許文献1記載の発明は、棟換気装置に関するものではなく、換気については何ら考慮されていない。
また、特許文献2は、棟包が脱着自在では無い建造物に対して棟換気装置を追設しようとするものではない。
そこで、本発明は、棟包が固定された後の屋根に、棟包や屋根材等を残したまま棟換気装置を設置できる棟換気装置の設置方法、及び建造物を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の棟換気装置の設置方法は、垂木の上部に野地板を設け、前記野地板の上面には屋根材が敷設され、屋根頂部に笠木が配置され、前記笠木に棟包が固定された建造物に対する棟換気装置の設置方法であって、前記棟包、前記笠木、前記屋根材、前記野地板の順に、前記棟包と前記笠木と前記屋根材と前記野地板とを貫通して開口部を形成する開口形成工程と、前記開口部の内周面、前記開口部の上縁面、及び前記開口部の下縁面を、防水材で覆う止水処理工程と、前記開口部の上方を覆う位置で、前記棟包に前記棟換気装置を取り付ける棟換気装置固定工程とを有することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の棟換気装置の設置方法において、前記棟換気装置固定工程は、前記棟包に換気本体を取り付ける換気本体固定工程と、前記換気本体の上面に、換気カバーを取り付ける換気カバー固定工程とからなることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の棟換気装置の設置方法において、前記開口形成工程では、複数の前記開口部を形成し、隣り合う前記開口部を、離間して形成することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の棟換気装置の設置方法において、複数の前記開口部を一列に並べて形成することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法において、前記開口形成工程では、ドリルを用いて円形状の前記開口部を形成することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法において、前記止水処理工程より前に、前記開口形成工程で形成した前記開口部の内周面及び上面から、ブロアーによってくず片を除去するくず片除去工程を有することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法において、前記開口部周辺に捨水切を設けないことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法において、前記止水処理工程の後で、前記棟換気装置固定工程の前に、前記開口部の周辺にビス打ちを行う補強工程を有することを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法において、前記止水処理工程の後で、前記棟換気装置固定工程の前に、前記開口部の周辺に防水処理を行う開口部周り防水処理工程を有することを特徴とする。
請求項10記載の本発明の建造物は、垂木の上部に野地板を設け、前記野地板の上面には屋根材が敷設され、屋根頂部に笠木が配置され、前記笠木に棟包が固定された建造物であって、前記棟包と前記笠木と前記屋根材と前記野地板とを貫通する開口部と、前記開口部の内周面、前記開口部の上縁面、及び前記開口部の下縁面を覆う防水材と、前記開口部の上方を覆う位置で、前記棟包に取り付けた棟換気装置とを有することを特徴とする。
本発明によれば、棟包が固定された後の屋根に、棟包や屋根材等を残したまま棟換気装置を設置できる棟換気装置の設置方法、及び建造物を提供できる。
本発明の一実施例による建造物の屋根の一部断面図 本発明を実施する前の建造物の屋根の一部断面図 本発明の一実施例による建造物の屋根の頭頂部に設置する棟換気装置の斜視図 同棟換気装置を構成する換気カバー及び換気本体の斜視図 同棟換気装置の設置方法のフローチャート 同開口部の形成例を示す図 同開口部の目安の罫書き作業の説明図 同開口部が形成された屋根の一部を示す図 同ブロアーを用いたくず片除去工程の説明図 同防水テープを用いた止水処理工程の説明図 同防水テープを用いて止水処理がなされた屋根の一部断面図 同補強ビスを用いた補強工程の説明図 同シーリング剤を用いた開口部周り防水処理工程の説明図 同換気本体固定工程の説明図 同換気カバー固定工程の説明図 同換気カバーに対する止水処理の説明図
本発明の第1の実施の形態による棟換気装置の設置方法は、棟包、笠木、屋根材、野地板の順に、棟包と笠木と屋根材と野地板とを貫通して開口部を形成する開口形成工程と、開口部の内周面、開口部の上縁面、及び開口部の下縁面を、防水材で覆う止水処理工程と、開口部の上方を覆う位置で、棟包に棟換気装置を取り付ける棟換気装置固定工程とを有するものである。
本実施の形態によれば、棟包が固定された後の屋根に、棟包、笠木、屋根材を残したまま棟換気装置を設置できる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による棟換気装置の設置方法において、棟換気装置固定工程は、棟包に換気本体を取り付ける換気本体固定工程と、換気本体の上面に、換気カバーを取り付ける換気カバー固定工程とからなるとしたものである。
本実施の形態によれば、棟換気装置を設置する際に開口部を視認しやすくなる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による棟換気装置の設置方法において、開口形成工程では、複数の開口部を形成し、隣り合う開口部を、離間して形成するものである。
本実施の形態によれば、開口部を形成しやすくなる。
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態による棟換気装置の設置方法において、複数の開口部を一列に並べて形成するものである。
本実施の形態によれば、棟換気装置から雨水が浸入することを、より確実に防止できる。
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による棟換気装置の設置方法において、開口形成工程では、ドリルを用いて円形状の開口部を形成するものである。
本実施の形態によれば、円形状の開口部を効率的に精度良く形成することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による棟換気装置の設置方法において、止水処理工程より前に、開口形成工程で形成した開口部の内周面及び上面から、ブロアーによってくず片を除去するくず片除去工程を有するものである。
本実施の形態によれば、止水処理工程において行う止水処理の効果を高めることができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1から第6のいずれかの実施の形態による棟換気装置の設置方法において、開口部周辺に捨水切を設けないものである。
本実施の形態によれば、棟換気装置の設置が更に容易となる。
本発明の第8の実施の形態は、第1から第7のいずれかの実施の形態による棟換気装置の設置方法において、止水処理工程の後で、棟換気装置固定工程の前に、開口部の周辺にビス打ちを行う補強工程を有するものである。
本実施の形態によれば、開口部が形成された棟包を補強できる。
本発明の第9の実施の形態は、第1から第8のいずれかの実施の形態による棟換気装置の設置方法において、止水処理工程の後で、棟換気装置固定工程の前に、開口部の周辺に防水処理を行う開口部周り防水処理工程を有するものである。
本実施の形態によれば、棟換気装置から雨水が浸入することを、より確実に防止できる。
本発明の第10の実施の形態による建造物は、棟包と笠木と屋根材と野地板とを貫通する開口部と、開口部の内周面、開口部の上縁面、及び開口部の下縁面を覆う防水材と、開口部の上方を覆う位置で、棟包に取り付けた棟換気装置とを有するものである。
本実施の形態によれば、棟包が固定された後の屋根に、棟包、笠木、屋根材を残したまま棟換気装置を設置した建造物を提供できる。
以下に本発明の一実施例による棟換気装置の設置方法、建造物について説明する。
図1は、本発明の一実施例による建造物の屋根10の一部断面図である。なお、換気カバー21を取り付ける前の状態を示している。
図2は、本発明を実施する前の建造物の屋根10の一部断面図である。
柱(図示省略)の上端に棟木11が水平に設けられている。また、垂木12が、棟木11の上部から軒先へ向けて斜め下方に傾斜して設けられている。垂木12は、一方の垂木12Aと他方の垂木12Bからなる。
垂木12の上部には、野地板13が設けられている。野地板13の上面には、屋根材14が敷設されている。屋根材14は、ルーフィング等の屋根下葺材14Aとその上面に敷設されたスレート瓦14Bからなる。屋根頂部には、笠木15が配置されている。笠木15の上面には、棟包16が固定されている。
図3は、建造物の屋根10の頭頂部に設置する棟換気装置20の斜視図である。
棟換気装置20は、屋根10の頭頂部に沿って配置するため、屋根10の形状と同様に、頭頂部から両側へ斜め下方に傾斜した形状としている。棟換気装置20は、換気カバー21と換気本体22からなる。換気カバー21は、換気本体22の上方から取付けられる。
図4は、(a)換気カバー21の斜視図、(b)換気本体22の斜視図である。
図4(b)に示すように、換気本体22は、一対の底面板材22Aを両側に有し、底面開口部22Bを中央に有し、一対の換気カバー固定具22Cを底面板材22Aと底面開口部22Bの間に有する。
換気カバー固定具22Cには、有底のビス孔22Dが複数設けられている。ビス孔22Dには、換気カバー21を換気本体22に固定するための換気カバー固定ビス24(図15参照)が挿入される。
また、図4(a)に示すように、換気カバー21には、貫通ビス孔21Aが複数設けられている。貫通ビス孔21Aには、換気カバー固定ビス24が通される。貫通ビス孔21Aは、ビス孔22Dに対応した位置に設けられる。
図5は、本実施例による棟換気装置の設置方法のフローチャートである。
本実施例による棟換気装置の設置方法は、図5に示すように、棟包が固定された屋根10に開口部を形成する開口形成工程S10と、開口部を形成する際に発生したくず片を除去するくず片除去工程S20と、開口部に対して止水処理を行う止水処理工程S30と、棟包を補強する補強工程S40と、開口部の周りに対して防水処理を行う開口部周り防水処理工程S50と、開口部に棟換気装置を取り付ける棟換気装置固定工程S60を有する。
図6〜8を用いて開口形成工程S10を説明する。
図6は、開口部90の形成例を示す図である。図7は、開口部90の目安40の罫書き作業を説明する図である。図8は、開口部90が形成された屋根10の一部を示す図であり、図8(a)は斜視図、図8(b)は断面図である。
まず、棟換気装置20の設置位置を、垂木12の位置や建造物の構造等に基づいて決定する。
また、屋根10に開ける開口部90の位置、個数及び径を設定する。開口部90を複数形成する場合には、開口部90間の間隔も設定する。開口部90の位置、個数、径及び間隔は、所望の換気性能や棟換気装置20の寸法等に基づいて設定する。
なお、開口部90は、屋根10のなかで最も高い位置、すなわち棟包16の頭頂部に設けることが好ましい。開口部90を屋根10のなかで最も高い位置に設けることで、雨水の浸入をより確実に防ぐことができる。
また、所望の開口面積を確保するためには、開口部90を複数形成することが好ましい。開口部90を複数形成することで、仮に垂木12と重なる位置に一つの開口部90が形成されたとしても、垂木12と重ならない位置に形成された他の開口部90によって開口面積を確保して十分な換気能力を得ることができる。
また、開口部90を複数形成する場合は、開口部90間の間隔が無いか小さすぎると、開口部90を開ける作業が難しくなる可能性があるため、隣り合う開口部90を離間して形成することが好ましい。開口部90間の間隔は、開口部90の最大径又は最大幅の0.3倍以上3倍以下とすることが好ましく、開口部90の最大径又は最大幅の1.5倍以上2倍以下とすることがより好ましく、開口部90の最大径又は最大幅の1.75倍とすることが最も好ましい。複数の開口部90は等間隔で形成することが好ましいが、開口部90が垂木12に重なる場合には、垂木12を避けて開口部90を設ける。
また、開口部90は、一列に並べて形成することが好ましい。一列に並べて形成することで、開口部90から雨水が浸入することを、より確実に防止できる。
本実施例では、図6に示すように、横幅Xが800mm、縦幅Yが100mmである長方形の領域α内の4箇所に、円形状の開口部90を等間隔で一列に並べて形成している。ここで、開口部90の直径dは80mm、開口部90間の間隔Pは140mm、開口部90から横幅Xの端までの間隔Qは30mmである。
次に、定規などの計測器を用いて罫書きを行い、開口部90の形成位置の目安40を棟包16につける。本実施例では、図7に示すように、開口テンプレート30を用いる。開口テンプレート30は、板状であり、一方の板31、他方の板32、及び一方の板31と他方の板32との境目である接続部33からなる。一方の板31と他方の板32は、接続部33からそれぞれ斜め下方に傾斜している。すなわち、開口テンプレート30は、棟換気装置20と同様に、二つの傾斜面を有する山形の形状である。開口テンプレート30の頭頂部となる接続部33には、設定した開口部90の位置、個数、径及び間隔に基づいてガイド穴34が一列に設けられている。
図7(a)に示すように、棟換気装置20を設置する位置に開口テンプレート30を屋根10の頭頂部に沿って置き、図7(b)に示すように、筆記物35を用いてガイド穴34の位置に開口部90の目安40を罫書く。すると、図7(c)に示すように、棟包16の4箇所に目安40ができる。目安40を罫書いた後、開口テンプレート30を撤去する。
このように、開口テンプレート30を用いることで、目安40を正確かつ簡便に棟包16に罫書くことができる。
次に、目安40を罫書いた位置に、棟包16、笠木15、屋根材14、野地板13の順に、棟包16と笠木15と屋根材14と野地板13とを貫通して開口部90を形成する。開口部90は、鋸などによって三角形や四角形などの多角形状とすることも可能であるが、ホルソー等のドリルを用いて円形状の開口部90を形成することが好ましい。ドリルを用いることで円形状の開口部90を効率的に精度良く形成することができる。
開口部90を形成すると図8の状態となる。なお、図8(b)に示すように、垂木12及び棟木11には開口部90を形成しない。これにより建造物の強度を保つと共に、止水性能を維持することができる。
また、ドリルで開口部90を形成する場合には、少しの時間をおいてドリルを使用することが好ましい。これによりドリルの刃との摩擦によって木材等が焦げることを防止できる。
開口形成工程S10の後に、くず片除去工程S20を行う。
開口形成工程S10において、棟包16、笠木15、屋根材14、野地板13の順に穴を開けることに伴い、開口部90及びその周囲には金属材や木材等のくず片が付着する。開口部90やその周囲にくず片が付着していると、止水処理工程S30において止水処理を行っても十分な止水性能が得られないおそれがある。そこで、止水処理工程S30の前に、少なくとも開口部90の内周面及び上面に付着したくず片を除去することが好ましい。
ここで、図9は、ブロアーを用いたくず片除去工程の説明図である。くず片の除去には、雑巾や箒を用いても良いが、ブロアー50を用いることが好ましい。ブロアー50を用いる場合、図9に示すように、くず片を吹き飛ばすことができるため、効率よく、くず片を除去できる。
くず片除去工程S20の後に、止水処理工程S30を行う。
止水処理工程S30では、開口部90の内周面、開口部90の上縁面、及び開口部90の下縁面を、防水材60で覆う。これにより、開口部90からの雨水の浸水を防止できる。
防水材60としては、防水テープ60を用いることが好ましく、防水テープ60のなかでもブチルゴム系の伸張性テープを用いることが好ましい。
図10は、防水テープ60を用いた止水処理工程の説明図である。図11は、防水テープ60を用いて止水処理がなされた屋根10の一部断面図である。
まず、図10(a)に示すように、開口部90に防水テープ60を差し込み、開口部90の内周面になじませるように貼り付ける。このとき、開口部90の内周面の高さよりも大きい防水テープ60を用い、開口部90の内周面から防水テープ60の上下が余るように貼り付ける。ここで、開口部90の内周面よりも上方に余らせた部分を防水テープ60の上部余り部61、開口部90よりも下方に余らせた部分を防水テープ60の下部余り部62とする。
次に、図10(b)に示すように、上部余り部61を折り曲げて皺を伸ばしながら開口部90の上縁面に貼り付ける。
次に、図10(c)に示すように、下部余り部62を折り曲げて皺を伸ばしながら開口部90の下縁面に貼り付ける。
次に、開口部90の内周面に防水テープ60が貼り付けられていない部分が残っている場合は、図10(d)、(e)に示すように、防水テープ60が貼り付けられていない部分に、上記と同様にして防水テープ60を貼り付ける。本実施例においては、一つの開口部90に3枚の防水テープ60を貼り付けている。
次に、図10(f)に示すように、開口部90の内周面の全周に防水テープ60が隙間なく貼りついていることを確認しつつ、防水テープ60の皺を伸ばす。
このように、開口部90に止水処理を施すことで、棟換気装置20の下方に捨水切を設置することなく止水を行うことができる。よって、野地板13に捨水切の寸法に合わせた開口を形成する必要が無いため、棟包16が固定された後の屋根に対して比較的容易に棟換気装置20を設置できる。
止水処理工程S30の後に、棟換気装置20の下地となる棟包16の補強工程S40を行う。なお、開口形成工程S10の後でくず片除去工程S20の前、又はくず片除去工程S20の後で止水処理工程S30の前に補強工程S40を行うこともできる。
図12は、補強ビス70を用いた補強工程の説明図である。
補強工程S40においては、開口部90が形成された棟包16を補強するために、棟包16の所定の位置に補強ビス70を打つ。補強ビス70は複数打つことが好ましく、図12に示すように、開口部90が形成された領域αの四隅に打ち、その四隅から例えば約455mm間隔で領域αを取り囲むように均等に打つことがより好ましい。
補強工程S40の後に、開口部周り防水処理工程S50を行う。
開口部周り防水処理工程S50においては、開口部90の周囲に防水処理を行う。これにより更に止水性能を高めることができる。この防水処理には、シリコン系のシーリング剤80を用いることが好ましい。
図13は、シーリング剤80を用いた開口部周り防水処理工程の説明図であり、図13(a)は斜視図、図13(b)は、シーリング剤80を用いた防水処理がなされた屋根10の一部断面図である。
図13(a)に示すように、開口部90が形成された領域αの四隅に打った下地補強ビス70を結ぶようにシーリング剤80を塗布することが好ましい。
開口部周り防水処理工程S50の後に、棟換気装置固定工程S60を行う。
棟換気装置固定工程S60は、開口部90の上方を覆う位置で、棟包16に換気本体22を取り付ける換気本体固定工程S61と、換気本体22の上面に換気カバー21を取り付ける換気カバー固定工程S62からなる。
図14は、棟換気装置固定工程S60のうち換気本体固定工程S61の説明図、図15は、棟換気装置固定工程S60のうち換気カバー固定工程S62の説明図、図16は、換気カバー21に対する止水処理を説明する図である。
換気本体固定工程S61において、図14に示すように、換気本体22を開口部90が中心となるように棟包16に置く。なお、換気本体22には開口部90と重なる位置に底面開口部22Bが設けられており、底面開口部22Bを通して開口部90を視認することができるため、換気本体22を開口部90が中心となるように置く作業を容易に行える。
換気本体22を棟包16に置いた後、複数の本体固定ビス23で換気本体22を留めつけて固定する。
換気本体22を固定した後、換気カバー固定工程S62において、図1及び図15に示すように、換気本体22の上面に換気カバー21を取り付け、換気カバー固定ビス24で換気カバー21と換気本体22とを隙間なく接続して固定する。
なお、換気本体22の上面に換気カバー21を取り付ける前には、図16に示すように、換気カバー21の裏側の両妻側の頂部に止水処理を行うことが好ましい。これにより棟換気装置20の止水性能を更に高めることができる。換気カバー21の止水処理には、シリコン系のシーリング剤80を用いることが好ましい。
このように、開口部90の上方を換気本体22で覆い、換気本体22の上方を換気カバー21で覆うことで、換気本体22と換気カバー21との間に通気路が形成され、小屋裏の空気を換気することができる。
なお、上記実施例では、棟換気装置固定工程S60が、換気本体固定工程S61と換気カバー固定工程S62とからなる場合を説明したが、換気本体22と換気カバー21を一体化したのちに、棟換気装置20を設置することもできる。
また、上記実施例では、屋根材14にスレート瓦14Bが用いられている場合を説明したが、屋根材に金属瓦が用いられている場合にも本発明を適用可能である。
本発明は、特に建造物リフォーム時の棟換気装置の設置方法として適している。
10 屋根
11 棟木
12 垂木
12A 一方の垂木
12B 他方の垂木
13 野地板
14 屋根材
14A 屋根下葺材
14B スレート瓦
15 笠木
16 棟包
20 棟換気装置
21 換気カバー
21A 貫通ビス孔
22 換気本体
22A 底面板材
22B 底面開口部
22C 換気カバー固定具
22D ビス孔
23 本体固定ビス
24 換気カバー固定ビス
30 開口テンプレート
31 一方の板
32 他方の板
33 接続部
34 ガイド穴
35 筆記物
40 目安
50 ブロアー
60 防水材(防水テープ)
61 上部余り部
62 下部余り部
70 補強ビス
90 開口部
80 シーリング剤
S10 開口形成工程
S20 くず片除去工程
S30 止水処理工程
S40 補強工程
S50 開口部周り止水処理工程
S60 棟換気装置固定工程
S61 換気本体固定工程
S62 換気カバー固定工程
d 直径
P 開口部間の間隔
Q 開口部から端までの間隔
X 横幅
Y 縦幅
α 領域

Claims (10)

  1. 垂木の上部に野地板を設け、前記野地板の上面には屋根材が敷設され、屋根頂部に笠木が配置され、前記笠木に棟包が固定された建造物に対する棟換気装置の設置方法であって、
    前記棟包、前記笠木、前記屋根材、前記野地板の順に、前記棟包と前記笠木と前記屋根材と前記野地板とを貫通して開口部を形成する開口形成工程と、
    前記開口部の内周面、前記開口部の上縁面、及び前記開口部の下縁面を、防水材で覆う止水処理工程と、
    前記開口部の上方を覆う位置で、前記棟包に前記棟換気装置を取り付ける棟換気装置固定工程と
    を有する
    ことを特徴とする棟換気装置の設置方法。
  2. 前記棟換気装置固定工程は、前記棟包に換気本体を取り付ける換気本体固定工程と、
    前記換気本体の上面に、換気カバーを取り付ける換気カバー固定工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の棟換気装置の設置方法。
  3. 前記開口形成工程では、複数の前記開口部を形成し、
    隣り合う前記開口部を、離間して形成する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の棟換気装置の設置方法。
  4. 複数の前記開口部を一列に並べて形成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の棟換気装置の設置方法。
  5. 前記開口形成工程では、ドリルを用いて円形状の前記開口部を形成する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法。
  6. 前記止水処理工程より前に、前記開口形成工程で形成した前記開口部の内周面及び上面から、ブロアーによってくず片を除去するくず片除去工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法。
  7. 前記開口部周辺に捨水切を設けない
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法。
  8. 前記止水処理工程の後で、前記棟換気装置固定工程の前に、前記開口部の周辺にビス打ちを行う補強工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法。
  9. 前記止水処理工程の後で、前記棟換気装置固定工程の前に、前記開口部の周辺に防水処理を行う開口部周り防水処理工程を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の棟換気装置の設置方法。
  10. 垂木の上部に野地板を設け、前記野地板の上面には屋根材が敷設され、屋根頂部に笠木が配置され、前記笠木に棟包が固定された建造物であって、
    前記棟包と前記笠木と前記屋根材と前記野地板とを貫通する開口部と、
    前記開口部の内周面、前記開口部の上縁面、及び前記開口部の下縁面を覆う防水材と、
    前記開口部の上方を覆う位置で、前記棟包に取り付けた棟換気装置と
    を有する
    ことを特徴とする建造物。


JP2016242613A 2016-12-14 2016-12-14 棟換気装置の設置方法、建造物 Active JP6624682B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016242613A JP6624682B2 (ja) 2016-12-14 2016-12-14 棟換気装置の設置方法、建造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016242613A JP6624682B2 (ja) 2016-12-14 2016-12-14 棟換気装置の設置方法、建造物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018096143A JP2018096143A (ja) 2018-06-21
JP6624682B2 true JP6624682B2 (ja) 2019-12-25

Family

ID=62632626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016242613A Active JP6624682B2 (ja) 2016-12-14 2016-12-14 棟換気装置の設置方法、建造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6624682B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018096143A (ja) 2018-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7935887B2 (en) Device cover and cutting guide and method for use
JP6624682B2 (ja) 棟換気装置の設置方法、建造物
JP6367682B2 (ja) 屋根の換気構造及び換気部材
JP2009270335A (ja) 下屋部防水ガスケット及びこれを用いた外壁目地部のシール構造並びに外壁目地部のシール方法
JP6405137B2 (ja) 仮防水構造および仮防水工法
JP6404622B2 (ja) 仮防水構造および仮防水工法
JP7150307B2 (ja) 断熱防水構造体及び断熱防水工法
KR101949194B1 (ko) 박공 지붕용 난간 및 난간 설치방법
JP6308932B2 (ja) 防御壁を用いた壁止り役物及びこれを用いた屋根構造
JP4844483B2 (ja) 屋根設置用設備の固定金具の取付構造
JP6658776B2 (ja) リフォーム方法
JP6696757B2 (ja) 屋根パネル、軒先水切り具の施工方法および水上側防水板の施工方法
US20160237688A1 (en) Flanged roof apparatus, system including flanged roof apparatus, and method using same
JP3216977U (ja) 片流れ屋根用棟部屋根材取付構造
JP6541071B2 (ja) 建物の屋根構造
JP6599714B2 (ja) 建物のけらば構造及び建物のけらば処理方法
JP2009281034A (ja) 土台水切り及び土台水切りの施工方法
JP6864542B2 (ja) 屋根構造及びそれに用いられる捨て板
CN204590449U (zh) 金属屋面开孔防水结构
JP6193458B2 (ja) 屋上の防水補修工法、及び同工法で使用する長尺の押さえ金具
JP2007070944A (ja) 建築物用換気プレート
JP6029608B2 (ja) 水切構造
CA2460044C (en) Flashing for inclined roof and method for installing the same
JP2021092118A (ja) たる木の腐朽を防ぐ湿式工法の棟構造
JP5161802B2 (ja) けらば化粧部材及びけらばの化粧施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190903

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190903

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6624682

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250