JP6623544B2 - 腫瘍部位の診断装置、撮像方法 - Google Patents

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Description

本発明は腫瘍部位の診断装置及び撮像方法に関する。
従来、口腔内の腫瘍部位(特に癌)の診断として、病理組織学的診断が主流であるが、小さな病巣が見逃されることがあり、その診断精度は十分とは言えない。
昨今、病理組織学的診断に代わる新たな診断方法として、5−アミノレブリン酸(以下、適宜「5−ALA」と略記する。)を用いた光線力学的手法の応用が進められている。5−ALAは、生体内にも存在するアミノ酸の一種であり、水溶性で経口的、局所的に投与可能である。体外から5−ALAを投与すると、正常細胞ではヘムに速やかに代謝されるが、癌細胞では代謝酵素の活性の違いにより代謝産物であるプロトポルフィリンIX(PpIX)が選択的に蓄積する。ここで、ヘムは蛍光を認めない一方、PpIXは蛍光物質であるため、この光を検出することで癌の診断を行うことができる。これが光線力学的手法の原理である(特許文献1参照)。
国際公開第2013/002350号
上記内容は、現時点では未だ実験室レベルの研究段階であり、実際に人間の診断に応用する上では種々の課題が生じることが予想される。
本発明は、腫瘍部位の識別を精度良く行うことのできる診断装置、及びそのための撮像方法を提供することを目的とする。
本発明は、口腔内の腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発するルミネセンスを検出する腫瘍部位の診断装置であって、
前記口腔内の腫瘍部位に対して前記励起光を照射する光照射部と、
前記ルミネセンスを受光する受光部と、
前記受光部で検出された前記ルミネセンスの光強度に応じた画像情報を生成する画像処理部とを備えたことを特徴とする。
本明細書中における「ポルフィリン類」とは、ポルフィン環に置換基がついたものを指し、例えばPpIXの他、PpIXから生成されたフォト−プロトポルフィリン(PPp)などのプロトポルフィリン類が存在する。また、本明細書において、「ルミネセンス」とは蛍光と燐光を含む概念である。
腫瘍は人体のあらゆる場所に生じる可能性があるが、本発明の診断装置は、特に口腔内における腫瘍部位の診断に用いられるものである。口腔は、脳や消火器系といった他の器官とは異なり、光を照射するために開頭や開腹といったいわゆる切除手術を行うことなく、単に被験者に口を開いてもらうだけで照射対象領域を露出させることができる。また、照射対象領域が口腔内に特定されているため、照射する励起光を他の器官に比べて低出力化できる。このため、励起光を照射するための光照射部を小型化できる。
この結果、口腔内の腫瘍部位の診断装置として、光照射部と受光部と画像処理部を一体化したコンパクトな装置が実現できる。
前記光照射部は、ピーク波長が400nm以上410nm以下である前記励起光を射出する光源素子を含むことができる。
図1Aに、ポルフィリン類の一種であるPpIXの吸収スペクトルを示す。また、図1Bに、PpIXのルミネセンスのスペクトルを示す。PpIXは、所定の波長の励起光に対して高い吸光度を示す。具体的には、PpIXは、図1Aに示すように、波長370nm以上、450nm以下の光に対して高い吸光度を示し、特に波長385nm以上425nm以下の光に対して極めて高い吸光度を示す。そして、上記波長範囲の光をPpIXに照射すると、図1Bに示すように、635nm近傍をピークとし、620nm以上650nm以下の波長帯に高い強度を示すルミネセンスがPpIXから放射される。
ところで、口腔内に励起光を照射した場合、受光部は、上記ルミネセンスに加えて、口腔内で反射した一部の励起光についても受光する場合がある。ルミネセンスは、その性質上、励起光に比べて非常に低出力である上、PpIXのルミネセンスの波長帯には視感度が比較的低い領域が含まれる。このため、反射した一部の励起光とルミネセンスが混在することで、腫瘍部位かどうかの識別が困難なケースがあった。
よって、励起光の波長を、視感度が極めて低く、且つ、ポルフィリン類による吸光度の高い波長とすることで、ルミネセンスの出力低下を招くことなく、励起光の反射光が混在することによる誤診断を防止することができる。
一方で、口腔内も人体の一部である以上、励起光が照射されることによる副作用はできるだけ少ないのが好ましい。紫外領域の光が人体に照射されると、紅斑や皮膚の損傷を引き起こすおそれがある。
よって、上記のように、励起光のピーク波長を400nm以上410nm以下とすることで、人体への副作用を最小限に抑制しながら、腫瘍部位の診断精度を高めることができる。
前記受光部は、波長500nm以上600nm以下の少なくとも一部の波長帯の光を遮断するフィルタを備えることができる。
口腔内には歯が存在することが一般的である。この歯にはエナメル質や象牙質が含まれており、励起光が照射されるとルミネセンスを発することが知られている。図2に、波長400nm近傍の励起光が歯に照射されたときに生じるルミネセンスのスペクトルを示す。これによれば、440nm以上600nm以下の範囲にわたって強い光信号が認められる。
よって、特に視感度の高い500nm以上600nm以下の波長帯の少なくとも一部の光を遮断するフィルタを備えることで、歯からのルミネセンスが受光部で受光されるのが抑制され、ポルフィリンからのルミネセンスを受光する精度を高めることができる。
なお、このフィルタとしては、500nm以上600nm以下の所定の波長を閾値として、当該閾値よりも長波長側の光を透過する長波長透過フィルタ(LWPF:Long Wavelength Pass Filter)を用いるものとしても構わないし、500nm以上600nm以下の範囲内の所定の波長帯以外を透過させる光フィルタとしても構わない。
前記光源素子はLEDで構成することができる。これにより、診断装置を更にコンパクトなものとすることができる。
前記診断装置は、前記光照射部及び前記受光部を制御する制御部を備えることができる。このとき、前記制御部は、前記光照射部に対して、所定の時間にわたって前記励起光を照射させた後、前記励起光の照射を停止する制御を繰り返し実行し、前記受光部に対して、前記光照射部が前記励起光の照射を停止している期間中に、当該受光部が検出した前記ルミネセンスの光強度に応じた情報を、前記画像処理部に出力させる制御を実行するものとしても構わない。
ポルフィリン類は、励起光が照射されている期間内に蛍光を発するが、励起光の照射を停止した後も、所定の時間にわたって燐光を発する。上記の構成によれば、励起光の照射が停止した期間内において受光部で受光したルミネセンス(すなわち上記の燐光)に基づいた診断が可能となるため、口腔内で反射された励起光が受光部で受光されることによる誤診断が更に防止される。
上記構成の下で、前記光照射部は、前記励起光を射出する光源素子を含み、
前記光源素子に対するエネルギーの供給が停止してから前記励起光の射出が停止するまでの時間が、前記ルミネセンスが持続する時間よりも短く、
前記受光部は、検出した前記ルミネセンスの光強度に応じた情報を前記画像処理部に出力させるものとしても構わない。
本発明は、励起光を照射する光照射部と、所定の波長帯の光を受光する受光部とを備えた撮像装置を用いた撮像方法であって、
5−アミノレブリン酸(5−ALA)を含む薬液が塗布された口腔内の対象領域に、前記光照射部を制御して前記励起光を照射する工程(a)と、
前記受光部を制御して、前記対象領域から照射された光を検出する工程(b)と、
前記受光部で検出された光強度に応じた画像情報を生成する工程(c)とを備えたことを特徴とする。
上記の方法において、前記薬液を所定の吸水部材に染み込ませる工程(d)と、
前記吸水部材を前記対象領域に所定時間以上載置させた後、除去する工程(e)とを有し、
前記工程(e)の後に、前記工程(a)を実行するものとしても構わない。
この方法によれば、極めて簡便な方法で口腔内の腫瘍部位の撮像が可能となる。工程(d)としては、例えば生理食塩水などの溶媒に5−ALAを溶解させた脱脂綿を口腔内に所定時間配置する方法を採用することができる。
更に、この方法によれば、被験者は5−ALAを含む薬液の注射又は経口による投与が不要となるため、肝機能障害などの副作用を招くことなく腫瘍部位の撮像が可能となる。
前記工程(c)は、前記対象領域内に存在するポルフィリン類から発せられるルミネセンスの光強度に応じた画像情報を生成する工程とすることができる。
前記励起光のピーク波長は400nm以上410nm以下とすることができる。
本発明によれば、精度良く口腔内の腫瘍部位の診断又は撮像が可能となる。
PpIXの吸収スペクトルを示す図である。 PpIXのルミネセンススペクトルを示す図である。 歯のルミネセンススペクトルの一例を示す図である。 腫瘍部位の診断装置の第一実施形態の構成を模式的に示す図面である。 図3の診断装置の内部構成を模式的に示すブロック図である。 図3の診断装置が備える光学ユニットの構成を模式的に示す図面である。 口腔内の対象領域に5−ALAを含む薬液を塗布する一方法を示す写真である。 腫瘍部位の診断装置の第二実施形態における制御内容を示すタイミングチャートの一例である。
[第一実施形態]
腫瘍部位の診断装置の第一実施形態について説明する。図3は、本実施形態における診断装置の構成を模式的に示す図面であり、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が背面図にそれぞれ対応する。
図3に示す診断装置1は、ベース部2、光学ユニット3、第一操作部5、第二操作部7、及び表示部9を備える。なお、図1には現れていないが、診断装置1は、ベース部2の内側に画像処理部11及び制御部13を備える(図4参照)。第一操作部5は光学ユニット3を操作するための機構であり、例えば操作者が第一操作部5を操作することで光学ユニット3のピントを調節することができる。第二操作部7は表示部9を操作するための機構であり、例えば操作者が第二操作部7を操作することで、表示部9における表示位置を変更したり、表示されている画像の拡大/縮小をしたり、記憶部や外部機器に出力する指示を行うことができる。第一操作部5及び第二操作部7は、診断装置1に必ずしも備えられていなければならないものではない。
図4は、診断装置1の内部構成を模式的に示すブロック図である。図4に示すように、光学ユニット3は、光照射部20と、受光部30を備える。本実施形態では、光照射部20は、複数の光源素子23を含む光源部21と、所定の波長帯の光を選択する第一フィルタ部22を備える。本実施形態では、受光部30は、例えばCCDカメラ等で構成された検出部31と、所定の波長帯の光を選択する第二フィルタ部32を備える。検出部31は、第二フィルタ部32を透過した光を受光すると、その光強度に応じた信号を画像処理部11に出力する。画像処理部11は、当該信号に基づいて画像情報を作成し、表示部9に出力する。これにより、表示部9上には、受光部30(検出部31)で受光された信号に基づく画像が表示される。なお、光照射部20及び受光部30は、制御部13によって制御されるものとして構わない。
図4では、光照射部20から光を照射する対象となる領域を、符号40で示している。本装置1は、口腔内の腫瘍部位の診断に利用されることを想定しているため、この領域40は口腔内の対象領域に対応する。
図5は、光学ユニット3の構成を模式的に示す図面である。図5において、(a)は光軸方向に見た図面に対応し、(b)は光軸に直交する方向に見た図面に対応する。
本実施形態では、円環状に形成された光照射部20が受光部30を取り囲むように配置されている。ここでは、一例として、光照射部20は、複数の光源素子23が円状に離散的に配置されて構成されている場合を想定している。以下では、この光源素子23が、405nmを含む波長帯の光を射出するLEDで構成されるものとして説明するが、レーザダイオードで構成されていても構わないし、他の波長帯の光を射出する構成であっても構わない。また、光源部21は、複数の光源素子23と共に、各光源素子23に対応して配置された光学系を備えるものとしても構わない。
また、図5では、第一フィルタ部22は、複数の光源素子23のそれぞれに対応して複数のフィルタが配置されることで構成されている場合が図示されているが、例えば単一のフィルタで構成されていても構わない。第一フィルタ部22は、光源素子23から射出される光のうち、405nm近傍の光を選択的に透過する機能を有する。なお、405nm近傍とは、395nm以上415nm以下の範囲内であっても構わないし、400nm以上410nm以下の範囲内であっても構わないし、404nm以上406nm以下の範囲内であっても構わない。より詳細には、ポルフィリン類による吸光度の高い波長帯の光を選択的に透過させる機能を有していればよい。
光照射部20は、ポルフィリン類を含む口腔内の対象領域40に対して、第一フィルタ部22を介して選択された405nm近傍の波長の励起光を照射する(図4を併せて参照)。対象領域40のうち、ポルフィリン類が存在する腫瘍部位は、当該励起光の照射によって励起されることでルミネセンスを発する。一方、対象領域40のうち、ポルフィリン類が存在しない非腫瘍部位は、励起光が照射されても励起されることがないため、ルミネセンスを生じない。対象領域40から発せられたルミネセンス、及び口腔内で反射された一部の励起光が、受光部30で受光される。
本実施形態では、受光部30が備える第二フィルタ部32は、複数のフィルタを備える構成としている。すなわち、490nm以下の波長の光をカットするフィルタ33と、560nm以上650nm以下の波長の光を選択的に透過させるフィルタ34と、600nm以下の波長の光をカットするフィルタ35を備える。
ここで、フィルタ33は、少なくともポルフィリン類のルミネセンスの強度が極めて低い波長帯をカットする機能を有していればよく、フィルタ34は、逆にポルフィリン類のルミネセンスの強度が比較的高い波長帯を選択する機能を有していればよい。また、フィルタ35は、ポルフィリン類のルミネセンスの強度が比較的高い波長帯のうち、歯のルミネセンスの強度が高い波長帯をカットする機能を有していればよい。
フィルタ33は、対象領域40で反射された一部の励起光及び自然光を遮断する目的で設けられている。フィルタ34は、ポルフィリン類のルミネセンスを選択的に受光するために、当該ルミネセンスの強度が比較的高い波長帯を選択させる目的で設けられている。このため、フィルタ34にフィルタ33の機能を兼ねさせることも可能である。
図2を参照して上述したように、歯に励起光が照射させると、所定の波長帯に強度を持つルミネセンスを発することが知られている。このため、フィルタ35は、この歯のルミネセンスを遮断する目的で設けられている。ただし、フィルタ34として、フィルタ35でカットする波長域を透過させないように設計しておくことで、フィルタ34にフィルタ35の機能を兼ねさせることも可能である。
つまり、第二フィルタ部32は、省スペース及び低コストを目的として、例えばフィルタ34のみを備えるものとしても構わないし、逆に、波長選択精度を高める目的で、上記のようにシリアルに配置された複数枚のフィルタ(33,34,35)を備えるものとしても構わない。なお、後者の場合において、例えば赤外光をカットするフィルタ等の別のフィルタを更に備えるものとしても構わない。
口腔内の対象領域40から射出された光のうち、上記の第二フィルタ部32を通過した光のみが検出部31で受光される。第二フィルタ部32によって、励起光の反射光、自然光、歯のルミネセンス等が遮断又は著しく減衰されるため、検出部31では、波長600nm以上650nm以下の光、より具体的には波長635nm近傍の光が受光される。これにより、検出部31では、ポルフィリン類のルミネセンスを選択的に受光することができる。
検出部31は、受光した光の強度を例えば対象領域40内の位置情報と共に画像処理部11に出力する。画像処理部11は、例えば対象領域40の撮像情報に前記光強度に応じた情報を重ねた画像情報を作成し、表示部9に出力する。これにより、表示部9上には、口腔内の画像の上に受光されたルミネセンスが重ねられた画像情報が表示される。ポルフィリン類のルミネセンスは波長635nmの光であり、これは赤色光である。このため、表示部9に映し出された画像から、赤く光っている箇所を確認することで、腫瘍部位を特定することができる。
診断装置1を用いて口腔内を撮像するに際しては、まず撮像に先駆けて口腔内の対象領域40に5−ALAを含む薬液を塗布するものとしても構わない。この場合において、より具体的には、生理食塩水などの溶媒に5−ALAを0.5%以上10%以下程度の濃度で溶解させた溶液を、脱脂綿やスポンジ素材等の吸水部材に染み込ませておき、この吸水部材を口腔内の対象領域40に所定の時間(例えば20分から30分程度)載置させる。そして、この吸水部材を取り外した後、診断装置1によって光照射部20から対象領域40に対して励起光を、例えば50mW/cm2以上150mW/cm2以下の放射強度で、0.5秒以上5秒以下の時間にわたって照射させる。これにより、励起光を照射させる前の段階で、仮に対象領域40内に腫瘍部位が存在していればポルフィリン類を蓄積させることができるため、上述したように、表示部9上に表示された画像上の赤色発光箇所を確認することで、腫瘍部位の判断を容易に行うことができる。
図6は、口腔内の対象領域40に5−ALAを含む薬液を塗布する一方法を示す写真である。図6において、符号41aが上前歯、符号41bが下前歯、符号42aが上顎、符号42bが下顎をそれぞれ指している。被験者に対して開口してもらい、対象領域40を露出させる。この開口状態を維持させるべく、図6の写真では、対象領域40の表面が露出した状態でマウスピース45を口腔内に挿入させた後、このマウスピース45を上顎42aと下顎42bの双方で挟み込むように固定させている。この状態で、対象領域40を含む所定の領域に、5−ALAを含む溶液を染み込ませた脱脂綿44を設置する。この脱脂綿44は、口腔内の内頬や顎の他、マウスピース45にも接触した状態で保持される。
脱脂綿44の設置が完了した後においても、5−ALAが対象領域40内に吸収されるのに必要な前述した所定の時間にわたって、マウスピース45を口腔内に設置したままとしてもよい。これにより、5−ALAが対象領域40内に染み込む前に、脱脂綿44が口腔内で移動するのを抑止することができる。
[第二実施形態]
診断装置1の第二実施形態について説明する。なお、以下では第一実施形態と異なる箇所のみを説明する。
本実施形態では、制御部13は、光照射部20及び受光部30を所定の規則に基づいて制御する。具体的には、制御部13は、光照射部20に対して、所定の時間にわたって励起光を照射させた後、励起光の照射を停止する制御を繰り返し実行する。また、制御部13は、光照射部20から励起光が照射されない時間帯にのみ、受光部30を動作させる制御を行う。
図7は、本実施形態において制御部13が行う制御内容を示すタイミングチャートの一例である。図7において、(a)は、本実施形態の構成下で、光照射部20が備える光源部21から射出される励起光の強度変化を示している。図7(b)は、ポルフィリン類から射出されるルミネセンスの強度変化を示している。図7(c)は、本実施形態の構成下で、受光部30が備える検出部31の稼働状態を示している。
図7に示すように、本実施形態では、検出部31は、制御部13からの制御によって、光源部21から励起光が射出されていない時間T2内にのみ、光の検出が可能な構成となっている。ポルフィリン類は、励起光が照射されている時間T1にわたって蛍光を発するが、励起光の照射が停止した後においても、持続的に光(燐光)を発する性質を有する。この燐光は、時間と共にその強度が低下する。図7(b)において、時間T2では、時間の経過と共にルミネセンスの強度が低下しているのは、このことを示している。
制御部13の、制御内容の具体的な一例としては、時間T1にわたって光源部21に対して電流を供給した後、時間T2にわたって光源部21に対して電流の供給を停止するという制御を繰り返すことができる。また、制御部13は、光源部21に対して電流を供給していない時間T2にわたって検出部31に対して電流を供給して検出可能な状態とし、時間T1にわたって検出部31に対して電流の供給を停止して検出不可能な状態とすることができる。
上記の構成によれば、検出部31によって光が検出可能な状態となっている期間は、光照射部20から励起光が照射されない。このため、検出部31は、口腔内の対象領域40で反射された一部の励起光を検出することがなくなる。よって、ポルフィリン類からのルミネセンス(この実施形態では燐光)を精度よく検出することができる。
ポルフィリン類から発せられる燐光は、瞬時に消光するわけではなく、ある一定の時間持続して射出される。この燐光の持続時間は、制御部13が光源部21に対して電流の供給を停止する制御を行ってから、光源部21が実際に励起光の射出を完全に停止するまでの時間よりも長い。このため、受光部30は、励起光の照射が停止してからもポルフィリン類から発せられる燐光を受光することができる。なお、本実施形態においては、制御部13は、受光部30が燐光を受光するのに必要な時間以上の時間が経過した後、光照射部20に対して励起光の照射を再開させる制御を行うものとして構わない。
特に、光源素子23をLEDで構成した場合には、電流の供給を開始してから励起光の射出を開始するまでの時間(立ち上がり時間)、及び、電流の供給を停止してから励起光の射出が停止するまでの時間(立ち下がり時間)がいずれも短時間で実現できる。このため、本実施形態の制御によって、受光部30が励起光の一部を受光することにより、腫瘍部位の誤診断をするおそれを低下させる効果が十分に発揮される。
なお、図7では、ポルフィリン類から発せられる燐光の強度が、検出部31で検出することできる最低強度(検出限界閾値)Wthを上回る時間内を時間T2に設定した場合を例示している。しかし、制御部13は、燐光の強度がWthを下回る程度にまで低下した後に、光照射部20に対して励起光を照射させる制御を再開するものとしても構わない。この場合でも、少なくとも燐光の強度が検出限界閾値Wth以上の強度を示す時間内においては検出部31において検出することができるため、この間に受光した光強度の情報に基づいて腫瘍部位の診断を行うことが可能である。
本実施形態は、口腔内の対象領域40で反射した励起光の一部が受光部30で受光されないように、制御部13が光照射部20及び受光部30を制御する構成である。この観点に立てば、制御部13は、受光部30に対して、光照射部20から励起光が照射されている時間帯に受光した光強度に関する情報については画像処理部11に出力させず、光照射部20から励起光が照射されていない時間帯に受光した光強度に関する情報を画像処理部11に出力させる制御を行っても構わない。すなわち、この場合は、受光部30は、光照射部20から励起光が照射されている期間内においても受光が可能な状態であっても構わない。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉 上記実施形態では、診断装置1が表示部9を備えるものとしたが、表示部9は診断装置の外部に備える構成であってもよい。この場合、画像処理部11で生成された画像情報は、診断装置1外部のモニタに表示されるものとすることができる。
〈2〉 上記実施形態では、光照射部20が第一フィルタ部22を備えるものとしたが、光源部21から射出される励起光が狭帯域のスペクトルを有する光である場合には、必ずしも第一フィルタ部22を設けなくても構わない。
また、上記実施形態では、受光部30は、複数のフィルタ(33,34,35)を含む第二フィルタ部32を備えるものとしたが、ポルフィリン類から発せられるルミネセンスのピーク波長近傍の光を主として受光可能であれば、フィルタの数は適宜増減しても構わないし、第二フィルタ部32自体を備えない構成としても構わない。
〈3〉 図3を参照して説明した診断装置1の構成、及び図5を参照して説明した光学ユニット3の構成は、あくまで一例であり、本発明の診断装置1はこれらの図面に図示された構造に限定されない。
〈4〉 第二実施形態において、光照射部20から励起光が照射される時間T1と、励起光の照射が停止される時間T2は、毎回同じ時間に設定されなければならないものではない。また、これらの時間(T1,T2)は、上記の目的を達することのできる条件の範囲内で適宜設定される。
1 : 診断装置
2 : ベース部
3 : 光学ユニット
5 : 第一操作部
7 : 第二操作部
9 : 表示部
11 : 画像処理部
13 : 制御部
20 : 光照射部
21 : 光源部
22 : 第一フィルタ部
23 : 光源素子
30 : 受光部
31 : 検出部
32 : 第二フィルタ部
33,34,35 : フィルタ
40 : 口腔内の対象領域
41a : 上前歯
41b : 下前歯
42a : 上顎
42b : 下顎
44 : 脱脂綿
45 : マウスピース

Claims (9)

  1. 口腔内の腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発するルミネセンスを検出する腫瘍部位の診断装置であって、
    前記口腔内の腫瘍部位に対して前記励起光を照射する光照射部と、
    前記ルミネセンスを受光する受光部と、
    前記受光部で検出された前記ルミネセンスの光強度に応じた画像情報を生成する画像処理部とを備え
    前記受光部は、波長500nm以上600nm以下の波長帯の光を遮断するフィルタを備えたことを特徴とする腫瘍部位の診断装置。
  2. 前記光照射部は、ピーク波長が400nm以上410nm以下である前記励起光を射出する光源素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の腫瘍部位の診断装置。
  3. 前記光源素子がLEDで構成されていることを特徴とする請求項に記載の腫瘍部位の診断装置。
  4. 前記光照射部及び前記受光部を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記光照射部に対して、所定の時間にわたって前記励起光を照射させた後、前記励起光の照射を停止する制御を繰り返し実行し、
    前記受光部に対して、前記光照射部が前記励起光の照射を停止している期間中に、当該受光部が検出した前記ルミネセンスの光強度に応じた情報を、前記画像処理部に出力させる制御を実行することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の腫瘍部位の診断装置。
  5. 前記ポルフィリン類は、前記励起光が照射されると、前記励起光の照射が停止された後も所定の時間にわたって前記ルミネセンスを発する性質を有する材料であり、
    前記光照射部は、前記励起光を射出する光源素子を含み、
    前記光源素子に対するエネルギーの供給が停止してから前記励起光の射出が停止するまでの時間が、前記ルミネセンスが持続する時間よりも短く、
    前記受光部は、検出した前記ルミネセンスの光強度に応じた情報を前記画像処理部に出力させることを特徴とする請求項に記載の腫瘍部位の診断装置。
  6. 励起光を照射する光照射部と、所定の波長帯の光を受光する受光部とを備えた撮像装置を用いた撮像方法であって、
    5−アミノレブリン酸を含む薬液が塗布された口腔内の対象領域に、前記光照射部を制御して前記励起光を照射する工程(a)と、
    前記受光部を制御して、前記対象領域から照射された光を、波長500nm以上600nm以下の波長帯の光を遮断するフィルタを介して検出する工程(b)と、
    前記受光部で検出された光強度に応じた画像情報を生成する工程(c)とを備えたことを特徴とする撮像方法。
  7. 前記薬液を所定の吸水部材に染み込ませる工程(d)と、
    前記吸水部材を前記対象領域に所定時間以上載置させた後、除去する工程(e)とを有し、
    前記工程(e)の後に、前記工程(a)を実行することを特徴とする請求項に記載の撮像方法。
  8. 前記工程(c)は、前記対象領域内に存在するポルフィリン類から発せられるルミネセンスの光強度に応じた画像情報を生成する工程であることを特徴とする請求項6又は7に記載の撮像方法。
  9. 前記励起光のピーク波長が400nm以上410nm以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の撮像方法。
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