JP6623473B2 - 偽造防止回路 - Google Patents

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本発明は、偽造防止回路、特に、製品、商品、有価証券の真偽や、個人を識別するための識別タグとして利用される偽造防止回路に関する。
有名ブランド商品の偽造した模倣品のマーケットは、世界規模で拡大し、その市場は、2015年の統計でも170兆円規模といわれている。
特に、半導体を含む、原産地を冠した食品、酒類、高級ブランド品、医薬品に関しては10%〜25%は偽造品であるとの報告もある。また、模倣半導体製品も急増しており、発見された模倣半導体製品は、2011年の調査で17兆円ともいわれている。
さらに、米国国防総省によると、2011年に、9,356点の模倣電子部品、1,800点の偽造兵器、100万個の模倣部品が発見されたとの報告がなされている。
これを受け、米国では、米国国防授権法を改正し、製造・流通業者に、正規品であることの証明責任を課している。
こうした模倣品は、消費者に多額の金銭的被害を受けるばかりでなく、メーカーの社会的信頼の失墜、さらに、国民の生命や財産を脅かす重大事故の要因ともなり得る。
このため、フランスでは、地域で生産されるワインボトルのそれぞれに固有のQRコード(登録商標)を貼付し、これを仲介業者や販売店で読み取り、インターネット経由で、正規のものであるか否か、いつ、どこで販売されたかを管理する試みが始まっている。
特許文献1、2には、文書の書き込み、消去を繰り返し行うことができる電子ペーパーにセキュリティ保護機能を与えるため、印刷や塗布により、特定の微細パターンを形成させ、認証時にこの微細パターンを読み取ることが記載されている。
しかし、QRコードや、印刷、塗布による微細パターンは、簡単に複製することでき、例えば、購入した正規品から複製したQRコードをコピーして、偽造品に貼付すれば、市場に流通しても正規品として認識されるため、完全な偽造防止を実現することは不可能である。
一方、ランダムで制御不可能な物理的特徴を利用した物理複製不能回路(以下、「PUF」という。)により、半導体デバイスに固有で複製不能な値を生成させる技術が開発されている。
半導体PUFは、ゲート長、配線幅、半導体の不純物濃度、閾値電圧等、半導体物性に由来して発生するばらつきを利用したもので、予め、ID生成回路や暗号化回路に対する入力信号といったチャレンジ信号を印加することにより、固有かつ物理的に複製不能な値を生成するものである。
特許文献3、4には、集積回路に物理的に複製不能な関数を発現させ、暗号化回路や電子部品の認証を行うことが記載されている。
特開2015−166195号公報 特開2015−135509号公報 特表2013−534062号公報 特表2015−525979号公報
半導体PUFは、不可避で発生する半導体物性のばらつきを利用して、特定の入力に対する出力特性に、制御不能なランダム性を発現させ、固有の値として識別情報を出力させることができる。しかも、この識別情報を複製することは物理的に不可能であることから、商品や個人を識別タグとして、非常に高度なセキュリティ性能を発揮することができる。
しかし、半導体物性のばらつきのみでは出力特性の変化幅は小さく、識別情報として必要なランダム性、ユニーク性、再現性を確保するためには、複雑な回路構成を備えたICチップを個別に製造する必要があり、非常に高い製造コストを要する。また、各店舗毎に専用のICチップ読み取り装置を設置しなければならないことから、導入コストが莫大なものとなってしまう。しかも、小型商品や、容器、箱、包装用紙などに対しては、こうしたICチップを個別に実装することは、製造面でも店舗等での取り扱い面でも現実的なものではない。
そこで、本発明は、商品タグ、IDカード、包装材等として一般的に用いられる合成樹脂、紙媒体などの基材に、機能性インクにより、電力供給部、半導体PUF、出力部を形成することにより、低コストで、しかも、半導体物性のばらつきのみならず、印刷時や塗布時に発生するばらつきも利用して、半導体PUFとしての識別情報のランダム性、ユニーク性、再現性を飛躍的に高めることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の偽造防止回路においては、電力供給部と、この電力供給部からの電力供給に対し、固有かつ複製不能の出力特性を備えたPUF回路部と、このPUF回路からの出力を外部に出力する出力部とを、電極用インク、絶縁体インク及び半導体インクにより基材表面に形成した。
本発明によれば、商品タグ、IDカード、包装材等として一般的に用いられる合成樹脂、紙媒体などの基材に、低コストで、セキュリティ性能がきわめて高い複製不能の個別の識別情報を付与することができ、しかも既存の機器を利用して、識別情報の確認を行うことが可能となる。
図1は、本発明を商品タグに適用した実施例を示す図である。 図2は、印刷パターンにより形成するPUF回路の一例を示す図である。 図3は、光起電力発生部を備えたタグを販売店等で利用する場合のシステムを示す図である。 図4は、RFID方式を採用し、無線での入出力が可能なタグを販売店等で利用する場合のシステムを示す図である。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
図1は、本発明を商品タグに適用した一例を示す。
商品タグ用の基材1には、電極用インク、絶縁体インク、半導体インク等の機能性インクにより電力供給部2、半導体PUF3、出力部4とからなる半導体PUF回路が形成されている。
基材1としては、包装材として一般的に用いられる合成樹脂、例えば、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等や、プライスタグに使用されているような、紙やコート紙等を用いることもできる。
なお、塗布や印刷により製造する電力供給部2、半導体PUF3、出力部4は、通常の印刷インクと同様、フレキシビリティーがあるため、適切な保護膜や封止膜によりパッケージすれば、様々な基材を用いても、流通工程においても破損しない耐久性を持たせることが可能である。
さらに、本実施例の商品タグのほか、紙幣、有価証券、パスポートの場合は、紙、コート紙、合成樹脂フィルムなど、そして、免許証、マイナンバーカード、クレジットカード、キャッシュカード、電子マネー用ICカード、身分証明証、会員カード、ポイントカード、マイレージカードなどに関しては、通常使用されている合成樹脂板を基材として用いることができる。
こうした基材1の表面に、電力供給部2、半導体PUF3、出力部4を形成するために使用する機能性インクとして、電極用インク、絶縁体インク、半導体インクなどが挙げられる。
電極用インクとしては、金、銀、銅、導電性高分子などの導電性物質を含むものを用いるが、特に、導電性が高く、印刷焼成後の電極表面の平坦性が高い金ナノ粒子インクや銀ナノ粒子等を含むインクが好ましい。
なお、電極用インクとして透明性が求められる場合には、導電性高分子や導電性高分子に銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブなどを分散した透明電極用インクを用いる。
基材表面に一般的な精細度を備えた回路印刷用プリンタを用いて、こうした電極用インクを印刷すると、従来のフォトリソグラフィープロセスと比較して、電極や配線の寸法(幅、長さ)に大きくばらつきがランダムに発生することが知られている。もちろん塗布による場合は、さらにばらつきが大きくなる。このことは、後述する絶縁体インク、半導体インクについても同様である。
次に、絶縁体インクとしては、絶縁性高分子、二酸化ケイ素前駆体溶液、シラザン系溶液、窒化シリコン前駆体溶液などを用いる。
基材表面に回路印刷用プリンタを用いて、絶縁膜形成用インクを製膜する場合、従来の真空蒸着法やスパッタリング法などのドライプロセスと比較して、膜厚のばらつきが大きくなることが知られている。
この実施例では、電力供給部2として、塗布や印刷で形成できる光起電力素子を用いている。光起電力素子は、透明電極、P型半導体層、P型N型混成層、N型半導体層、透明電極を積層したもので構成される。
P型半導体は、半導体インクとしてインク化できるP型有機半導体、P型高分子半導体、P型酸化物半導体、P型シリコン前駆体であればどのようなものを用いてもよい。
また、N型半導体についても、インク化できるN型有機半導体、N型高分子半導体、N型酸化物半導体、N型シリコン前駆体であれば、どのようなものを用いてもよい。
P型N型混成層は、N型半導体、P型半導体を適当な割合で混合したインクを塗布または印刷することにより形成される。
透明電極を形成する透明電極用インクとしては、導電性高分子や導電性高分子に銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブなどを分散したものが好ましい。
なお、基材1上に印刷で直接光起電力素子アレイを作製することもできるが、別途作成した薄膜フィルム状光起電力素子アレイを貼付して電力供給部2として用いることもできる。
半導体PUF3の回路素子部を形成する半導体インクとしては、多環芳香族系半導体等の有機半導体、高分子半導体、酸化物半導体溶液、シリコン系半導体インク、カーボンナノチューブインク、グラフェンインク、量子ドット半導体分散インクやこれらを含むもの、もしくはこれらを適宜組み合わせ混合したもの等を用いる。
こうした半導体インクの溶剤に混入させる半導体粒子は、焼成条件により多結晶状態をとり、同一平面内に同一条件で作製した半導体膜内でも、結晶の成長は制御不能でランダムに発生する偶然性に支配され、印刷や塗布時に発生するばらつきとの相乗作用により、電荷移動度等の物性は微小レベルでは必ず不均一で固有の値となる。
また、本実施例では、出力部4としては、電子ペーパーディスプレイを採用しており、駆動用TFTアレイと表示素子で構成され、駆動用TFTアレイに用いられる、電極インク、半導体インク、絶縁体インクは、半導体PUF3に用いられるものと同様のものを用いる。また、表示素子は、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、液晶方式等を用いることができ、それぞれの方式の薄膜表示シートを別途作成し、駆動用TFTアレイ上に基材1に貼付するようにしてもよい。
この実施例では、出力部4としては、電子ペーパーディスプレイは、半導体PUF3からの出力に基づいて、通常のバーコードリーダーで読み取り可能なバーコードを表示させる。
このように、電極用インク、絶縁体インク、半導体インク等の機能性インクを印刷、あるいは塗布して、基材上に半導体PUF回路を形成すると、それぞれのインクで発生する不可避的かつランダムに発生するばらつきが相互に作用し、電力供給部からの電力供給に対し、固有かつ物理的に複製不能な出力特性を得ることができる。
なお、電力供給部2としては、リーダーからの電波や電磁誘導で作動するRFID素子アレイを用いたり、単に外部電力から電力供給を受けるための接続端子を用いてもよく、また、出力部4としては、半導体PUF3からの出力を無線送信するものでもよい。
なお、RFID方式の場合は、電力供給部2と出力部4を機能性インクにより一体的に形成することができる
回路製造のための印刷プロセスとしては、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、反転オフセット印刷、スクリーン印刷、スクリーンオフセット印刷、スロットダイコーティング、ディスペンシング、スプレーコーティング、スピンコーティング法、真空蒸着法、スパッタリング法などを適宜組み合わせて採用することができる。
発振回路やロジック回路は基本的に電界効果トランジスタ(FET)の組み合わせで構成される。FETを印刷で製造する場合、ドレイン-ソース電極、ゲート電極が必要となる。ドレイン-ソース電極は、電極間距離を狭くする方が、低電圧で大きな電流を取り出せる。
したがって、電極形成には、グラビアオフセット印刷や反転オフセット印刷、インクジェット印刷など、比較的高分解能なパターンを作製できる半導体回路用プリンタを採用することが好ましい。
特に、ドレイン-ソース電極間に形成される半導体薄膜に関しては、薄膜の形成が必要であるため、インクジェット法やオフセット印刷が好適である。
絶縁膜はゲート電極と半導体薄膜の間に形成される必要があるため、ゲート絶縁膜の直下の層にダメージを与えることなく製膜できる印刷プロセスを採用する必要がある。
なお、基材に商品の製品情報などを合わせて形成する際は、従来と同様のバーコードやQRコードを印刷することもできるし、強誘電体インク等を用いた印刷メモリに個別商品番号として記憶しておくこともできる。また、人間の目で不可視なマイクロパターンなどにより製品情報を記録するようにしてもよい。
このように、同一の基材に半導体PUF回路と製品情報QRコードを印刷することで、店舗等の端末から、インターネット経由で、半導体PUF情報と製品情報を製造メーカー等の管理サーバーに簡単な操作で同時に送信することが可能となる。
印刷パターンにより形成する半導体PUF3の一例は、図2のとおりである。この例では、リングオスシレータを組み合わせることで、特有のビット列を発生させる。
リングオシレータPUFは、複数個のリングオシレータ、それらを選択し、比較するためのマルチプレクサ、カウンタ、コンパレータなどから構成され、1対のリングオシレータの発信周波数を比較し、いずれのリングオシレータの発信周波数が高いか低いかに応じて、0か1を返す回路である。
これらはすべて印刷で形成してもよいし、部分的にシリコン半導体により構成されるダイを実装してもよい。
印刷されたリングオシレータPUFの発振周波数の差は、電界効果トランジスタ(FET)の電界効果移動度の差に由来する。印刷FETの電界効果移動度は、半導体インクで製膜した半導体層の結晶性、電極用インクにより形成した電極の寸法、絶縁体インクにより形成した絶縁層の膜厚が強く関与している。
従来の単結晶シリコンウエハ等を用いた半導体素子では半導体の結晶性、フォトリソグラフィで形成した電極の寸法、シリコン酸化膜絶縁体の膜厚、それぞれが非常に均一であり、電界効果移動度のばらつきが発生しにくい。
一方、本実施例のように印刷で形成したFETにおいては非常に多くのばらつき要因があるため電界効果移動度が大きくばらつき、それに伴いリングオシレータの発振周波数が大きくばらつくことになる。
リングオシレータPUFでは、選択したRO-AとRO-Bの発振周波数の高低により0か1かを決定しているため、ROが同一の組み合わせの場合、どのようなシチュエーションでも周波数の高低が逆転してはならない。つまり、周波数の高低が逆転することが直接エラーとなる。
シリコン半導体を用いたROの場合、2個のROの発振周波数の差が非常に小さいため、例えば、周囲の温度変化などにより周波数の高低を読み誤る可能性が出てくる。
一方、印刷したROの場合は、さまざまなばらつき発生要因が関係し、ROの発振周波数のばらつきが非常に大きくなるため、2個のROの発振周波数の高低が逆転する可能性がきわめて低い。したがって、印刷ROを利用したPUFでは、非常に高いユニーク性と低エラー性を兼ね備えたIDを実現することが可能となる。
アービター回路を形成する場合は、2つの入力端子に対し、入力される信号1と信号2のどちらのタイミングが早いかにより0を返すか1を返すが変わる回路であり、これらの信号1と信号2の速度のばらつきを利用したものである。アービター回路方式のPUFも印刷で回路を形成することが可能である。
コーティングPUFは、電極上に印刷または塗布された誘電体層の静電容量のばらつきを利用したものであり、電極、誘電体層ともに印刷法で容易に形成することができる。
オプティカルPUFは、光を拡散する層を通した透過光の拡散パターンのばらつきを利用したPUFである。拡散パターンをフォトダイオードやフォトトランジスタアレイを用いて電気信号として取り出すことも可能である。オプティカルPUFを構成する光拡散層やフォトダイオード、フォトトランジスタアレイも印刷で形成することが可能である。
バタフライPUFやSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)PUFは回路の電源投入時における初期状態が回路によりばらつくことを利用したPUFである。SRAM回路やバタフライ演算回路もFETで構成されているため、印刷により作製することか可能である。
印刷による光起電力アレイによる入力方式では、IDのビット数に対応した数の光起電力素子が配置されるため、パラレル形式の信号入力となる。ここに、リーダーライターからチャレンジ信号を入力することにより、光入力があった素子は、起電力を発生し、1となり、光入力がなかった素子は、起電力を発生せず0となる。
図2に示すように、このチャレンジ信号(cha1、cha2)が、印刷された半導体PUF3のマルチプレクサ(MUX)回路に入力され、2個1組のリングオシレータ(RO)A及びBを選択する。RO-AとRO-Bの出力は、それぞれカウンタ(CNT1、2)に入力されカウントアップされるが、RO-AとRO-Bの発振周波数の違いがカウントアップの速度の違いとして検出される。
コンパレータはCNT-AとCNT-Bのカウントアップの速度の違いにより、0または1を返すため、選択するリングオシレータ(RO)の組み合わせの違いにより、0と1のユニークな配列が発生し、固有の識別情報となる。
この固有識別情報に対応したバーコード(たとえば、0が黒、1が白)が電子ペーパーディスプレイに表示され、リーダーライターにより読み取られる。
このように、2個1組のリングオシレータ(RO)により、識別情報の1ビットが得られるが、必要なビット数に関しては、最小限商品の生産数等、個別の識別情報として必要な桁数を確保すればよい。ただし、ビット数を過度に増大させると、読み取りエラー発生の原因ともなるので、両者をバランスさせて設定することが好ましい。
なお、RFIDタグのような、無線入出力方式の場合、レクテナと呼ばれる電磁波を直流電圧に変換するためのアンテナと整流器(ダイオード)が必要となる。この場合、キャリアとなる電波に01の信号を重畳するため、時系列の01信号として扱われるシリアル形式である。
シリアル形式かパラレル形式かの違いを除けば、固有識別情報の発生機構は、上述した光起電力アレイ方式のものと同様である。この場合、出力は、生成した固有識別情報を再びキャリア電波に重畳させ、リーダーライターで反射波として読み取る。
次に、図3、図4を用いて、本実施例のタグを販売店等で利用する場合のシステムについて説明する。
まず、販売店では、基材に印刷された半導体PUF3を起動させるための電力供給部2(半導体PUFを印刷した基材に電力入力端子を設け、この電力入力端子に直接電力を供給するものを含む)、電力供給を受けた半導体PUF3から出力部4を介して、特有の特性を備えた出力を入力(受信)する装置、受信した出力をバーコードなど読み取り可能な形態で出力する出力装置を備えている。電力供給部、入力(受信)装置、出力装置は一体化することが好ましい。
図3に示すように、タグに印刷されている半導体PUF3が、電力供給部2として光起電力発生部を内蔵している場合は、販売店等に設置した光信号発生装置により光を照射し、電力供給及びチャレンジ信号を発生する。
また、図4に示すように、RFID方式で無線式の入出力を行うものであれば、電磁場を印加し、半導体PUF3に電力を供給するとともに、キャリア波に重畳させてチャレンジ信号を発生させる。
図3の例では、半導体PUF3からの出力は、出力部4としての電子ディスプレイ上に通常のバーコードと同様のパターンのバーコードが表示される。
これにより市販のバーコードリーダーにより、商品毎に固有の識別情報を読み取ることができる。その際、製品情報を記録した通常のバーコードが基材に印刷されている場合は、同じバーコードリーダーを用いて、同時あるいは複数回に分けて読み取る。
製品情報がQRコードで印刷されている場合は、別途配置したQRコードリーダを用いて読み取り、半導体PUF回路から出力された識別情報と関連付ける。この場合、バーコード、QRコード、RFIDの全形式の読み取り可能な多機能リーダーを用いることが好ましい。
図4に示すように、RFID方式を採用し、無線での入出力が可能な場合、商品タグに、マイクロ波を直流電流に整流変換するレクテナが、半導体PUF3に電力供給する電力供給部2、チャレンジ信号発生装置として機能し、さらに、キャリア波に重畳させたレスポンス信号を無線出力する。
レクテナからの無線出力は、これを店舗側に設置した受信機で受信し、RFID用リーダーライターにより、商品毎に固有の識別情報に変換する。
なお、受信機で受信したレスポンス信号に基づいて、プリンタによりバーコードを印刷するようにしてもよい。
また、電極パッドからの入出力の場合は、商品識別タグから出力される、商品毎に固有の識別情報をそのまま電極パッドを通して読み取ることになる。
この場合、リーダーライターではなく、電極パッドにワンタッチで接触できるような読み取り装置とする。
こうして読み取られた、半導体PUF回路からの商品毎に固有の識別情報、バーコード、QRコードからの製品情報は、インターネット回線を介して、例えば、商品の製造メーカーのサーバーにアクセスし、商品出荷時に予め読み取られた商品識別情報、通常のバーコードあるいはQRコードから読み取られた製品情報と一体化され、正規の商品であるか否かをチェックし、その結果を販売店に送信する。
以上、商品タグに適用した実施例について説明したが、本発明による印刷PUF回路は様々な分野に適用可能である。
例えば、可搬可能のフレキシブル電子ペーパーディスプレイの場合、オフィスや学校、家庭にそれぞれリーダーライターが配置される。これらのリーダーライターはインターネットを通してクラウドサーバーに接続されることになる。この際に、電子ペーパー自身にセキュリティ性の高い固有の識別情報を発生可能な半導体PUF回路を搭載することで、接続の都度、ユーザーがログインの操作をする必要がなくなる。
さらに、オフィスドキュメントなどの秘匿性の高い情報を安心して扱うことができるようになる。
リーダーライターに電極が装備されている場合、電子ペーパー側には電極パッドが配置されていればよい。さらに、無線LANで接続される場合は、電子ペーパー側に無線に対応した回路を印刷するか、チップ等を実装すればよい。
免許証やパスポート、社員票等に関しては、ICチップ搭載型が主流になっており、印刷により製造したPUFをICチップと接続して用いることができる。さらに、ICチップ部分も印刷回路で代替することで、全印刷でコストを低減するとともに、セキュリティ性の高いICカードを製造することができる。これらが発生する識別情報は、無線のリーダーによって読み取られ、システム側に保存されているデータベースと照合して真贋を判定する。
紙幣や有価証券の場合、紙や樹脂フィルム上に半導体PUF3等を印刷する。これらは、光入出力方式や無線入出力方式を採用することができるが、紙幣など常に流通し、耐久性が要求される用途では、入力素子部や表示部を持たない無線入出力方式が好ましい。これらは、銀行や店舗、証券会社などに設置されるリーダーにより読み込まれ、システム側に保存されているデータベースと照合して真贋を判定する。
公共交通機関の乗車券、イベントのチケット等は、駅やコンビニエンスストアなどに発券機、印刷機などが設置されている場合が多い。これらの場合、PUF回路の全部もしくは一部をこれらの発券機や印刷機で作製することが可能である。
発券されたPUF回路付きのチケットは、乗車口やイベント会場に設置されるリーダーにより読み込まれ、システム側に保存されているデータベースと照合して真贋を判定する。
以上説明したように、本発明によれば、商品タグ、IDカード、包装材等として一般的に用いられる合成樹脂、紙媒体などの基材に、低コストで、セキュリティ性能がきわめて高い複製不能の個別の識別情報を付与することができ、しかも、従来のQRコードと同様の取り扱いで、識別情報の確認を行うこともできるので、製品、商品、有価証券の真偽や個人を識別するための識別タグとして広く採用されることが期待できる。
1:基材
2:電力供給部
3:半導体PUF
4:出力部

Claims (4)

  1. 電力供給部と、この電力供給部からの電力供給に対し、固有かつ複製不能の出力特性を備えた半導体PUFと、この半導体PUFからの出力を外部に出力する出力部とが、電極用インク、絶縁体インク及び半導体インクにより基材表面に形成されていることを特徴とする偽造防止回路。
  2. 前記電力供給部を、外部からの光照射により起電力を発生する光起電力素子アレイとしたことを特徴とする請求項1に記載された偽造防止回路。
  3. 前記出力部を、前記半導体PUFからの出力を、バーコードで表示する電子ペーパーディスプレイとしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された偽造防止回路。
  4. 前記電力供給部を、外部から電波や電磁誘導により起電力を発生するRFID素子アレイとし、前記出力部としての無線送信部を一体化したことを特徴とする請求項1に記載された偽造防止回路。

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