JP6623240B2 - クラッドモードストリッパ及びレーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバからクラッドモード光を除去するためのクラッドモードストリッパに関する。また、本発明は、そのようなクラッドモードストリッパを備えたレーザ装置に関する。
光ファイバを備えたレーザ装置(例えば、ファイバレーザ装置)においては、光ファイバのクラッドを導波される余剰光(例えば、残留励起光)を除去するためにクラッドモードストリッパが用いられている。クラッドモードストリッパを開示した文献としては、例えば、特許文献1〜2が挙げられる。
特許第4776420号 特許第5850992号
クラッドモードストリッパは、例えば、光ファイバを収容するための溝が上面に形成された放熱体と、上記溝の内部において上記光ファイバのクラッドの側面を覆う樹脂体であって、屈折率が上記クラッドの屈折率以上である樹脂体と、上記放熱体の上面において上記溝を塞ぐ蓋とにより構成される。このようなクラッドモードストリッパにおいては、以下のような問題が生じ得る。
すなわち、上記樹脂体が上記溝を満たしておらず、上記樹脂体の上面全体が上記蓋の下面から離間している場合には、上記光ファイバのクラッドから漏出した剰余光(以下、「漏出クラッドモード光」と記載)が上記樹脂体に閉じ込められ易くなる。なぜなら、この場合、上記樹脂体の上面全体が空気(樹脂体よりも屈折率が低い)に覆われるからである。漏出クラッド光の空気による上記樹脂体への閉じ込めは、クラッド光を熱に変換するクラッドモードストリッパの変換効率を低下させる要因となり得る。また、空気により上記樹脂体に閉じ込められた漏出クラッド光は、被覆除去区間の下流側において被覆を劣化させる要因となり得る。
一方、上記樹脂体が上記溝を満たしており、樹脂体の上面全体が上記蓋の下面に接触している場合にも、空気による漏出クラッド光の上記樹脂体への閉じ込めが生じ易くなる。なぜなら、クラッドモードストリッパの製造に際して上記蓋を装着するとき、或いは、クラッドモードストリッパの検査(例えば、上記樹脂体の温度測定)に際して上記蓋を脱着するときに、上記樹脂体と上記蓋との間に気泡が混入し易くなるためである。このような気泡が漏出クラッド光の入射する領域に残留すると、上記樹脂体の上面全体が上記蓋の下面から離間している場合と同様、空気による漏出クラッド光の上記樹脂体への閉じ込めが生じ易くなる。したがって、この場合にも、クラッドモードストリッパの変換効率の低下や、被覆除去区間の下流側における被覆の劣化といった問題を生じ得る。
本発明は、上記の問題に鑑みてされたものであり、漏出クラッド光の空気による樹脂体への閉じ込めが生じ難いクラッドモードストリッパを実現することを一目的とする。また、本発明は、そのようなクラッドモードストリッパを備えたレーザ装置を実現することを一目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパは、光ファイバを収容するための溝が第1の面に形成された放熱体と、上記溝の内部において上記光ファイバのクラッドの側面を覆う樹脂体であって、屈折率が上記クラッドの屈折率以上である樹脂体と、上記放熱体の第1の面において上記溝を塞ぐ蓋と、を備えており、上記放熱体の第1の面に接触する上記蓋の第1の面には、先端が上記樹脂体に埋設される少なくとも1つのリブが形成されており、上記リブの側方においては、上記蓋の第1の面の少なくとも一部が上記樹脂体の表面から離間している。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記光ファイバの被覆除去区間の少なくとも一部に亘り上記光ファイバの少なくとも一部を覆っている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記被覆除去区間の少なくとも一部に亘り上記光ファイバ全体を覆っている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記被覆除去区間全体に亘り上記光ファイバの少なくとも一部を覆っている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記溝は、表層部と、幅が該表層部よりも小さい深層部と、を含み、上記光ファイバは、上記溝の深層部に収容されており、上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記光ファイバの被覆除去区間の少なくとも一部に亘り上記溝の深層部の少なくとも一部を覆っている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記被覆除去区間の少なくとも一部に亘り上記溝の深層部全体を覆っている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記被覆除去区間全体に亘り上記溝の深層部の少なくとも一部を覆っている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記リブの先端には、鏡面加工が施されている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記鏡面加工は、メッキ加工である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記リブの先端には、抗反射加工が施されている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記抗反射加工は、黒アルマイト加工である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記リブの先端近傍は、楔型に成形されている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記蓋の第1の面と上記蓋の第1の面から離間した上記樹脂体の表面との間には、空気層が形成されている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るクラッドモードストリッパにおいて、上記光ファイバは、被覆除去区間の少なくとも1つの断面について、一部の径方向において被覆が除去され、その他の径方向において被覆が残されている、ことが好ましい。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るレーザ装置は、上記クラッドモードストリッパと、レーザ光源と、上記レーザ光源から出力されたレーザ光を導波するデリバリファイバと、を備え、上記クラッドモードストリッパを用いて、上記デリバリファイバ、又は、上記レーザ光源を構成する光ファイバからクラッドモード光を除去する。
本発明の一態様によれば、漏出クラッド光の空気による樹脂体への閉じ込めが生じ難いクラッドモードストリッパを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、そのようなクラッドモードストリッパを備えたレーザ装置を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るクラッドモードストリッパの構成を示す平面図及び断面図である。 図1に示すクラッドモードストリッパが備えるリブの構成例及び変形例を示す断面図である。 図1に示すクラッドモードストリッパに用いる光ファイバの構成例及び変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るクラッドモードストリッパの構成を示す平面図及び断面図である。 図1又は図4に示すクラッドモードストリッパを備えるレーザ装置の構成を示すブロック図である。
〔第1の実施形態〕
(クラッドモードストリッパの構成)
本発明の第1の実施形態に係るクラッドモードストリッパ1の構成について、図1を参照して説明する。図1において、(a)は、クラッドモードストリッパ1の平面図であり、(b)は、クラッドモードストリッパ1の断面図である。
クラッドモードストリッパ1は、光ファイバ5のクラッドモード光を除去するための装置であり、放熱体11と、樹脂体12と、蓋13と、冷却体14と、を備えている。光ファイバ5は、例えば、ガラス製のコア51と、コア51の側面を覆うガラス製のクラッド52と、クラッド52の側面を覆う樹脂製の被覆53と、により構成されており、被覆除去区間Iを有している。ここで、光ファイバ5の区間とは、光ファイバ5の部分のうち、光ファイバ5の軸方向に直交する2つの断面を始点及び終点とし、光ファイバ5の軸方向と平行に延伸する部分のことを指す。被覆除去区間Iとは、光ファイバ5の区間のうち、被覆53が除去され、クラッド52の側面が露出した区間のことを指す。被覆除去区間Iには、光ファイバ5の融着点が含まれていてもよい。なお、以下の説明においては、光ファイバ5のクラッド52を導波される光のことを、「クラッドモード光」と呼ぶ。また、以下の説明においては、被覆除去区間Iにおいてクラッド52の側面から漏出したクラッドモード光のことを、「漏出クラッドモード光」と呼ぶ。
放熱体11は、熱伝導性を有する材料により構成された、少なくとも第1の面11a1及び第2の面11a2を有する部材である。本実施形態においては、アルミニウムにより構成された直方体状の部材を、放熱体11として用いている。放熱体11の材料は、熱伝導性を有する材料であればよく、アルミニウムに限定されない。放熱体11のその他の材料としては、例えば、銅が挙げられる。また、放熱体11の形状は、少なくとも第1の面11a1及び第2の面11a2を有する形状であればよく、直方体に限定されない。ここで、第1の面11a1は、後述する蓋13の第1の面13a1(下面)と接触する面であり、本実施形態においては、直方体状の放熱体11の一方の主面(上面)である。また、第2の面11a2は、後述する冷却体14の第1の面14a1(上面)と接触する面であり、本実施形態においては、直方体状の放熱体11の他方の主面(下面)である。

放熱体11の第1の面11a1には、放熱体11を長手方向に横断する溝11bが形成されている。溝11bの断面形状は、T字形(逆凸字形)である。すなわち、溝11bは、断面形状が長方形である表層部11b1と、断面形状が長方形であり、幅が表層部11b1よりも小さい深層部11b2と、により構成された二段溝である。溝11bの深層部11b2の幅は、光ファイバ5の被覆除去区間Iの直径よりも大きく、光ファイバ5の除去区間は、溝11bの深層部11b2に収容されている。放熱体11の表面のうち、溝11bの側面及び底面を構成する領域には、反射率を小さくする(吸収率を大きくする)ための抗反射加工が施されている。抗反射加工としては、例えば、黒アルマイト加工や粗面化など挙げられる。
樹脂体12は、放熱体11に形成された溝11bと相補的な形状を有する樹脂成型物であり、溝11bの深層部11b2の全部、及び、溝11bの表層部11b1の下部を満たしている。樹脂体12は、光ファイバ5のクラッド52の屈折率以上の屈折率を有する透明な樹脂により構成されており、被覆除去区間Iにおいて露出した光ファイバ5のクラッド52の側面を覆っている。なお、樹脂体12は、例えば、溝11bに注入された樹脂を硬化させることによって得られる。この樹脂の硬化は、例えば、熱硬化であってもよいし、湿気硬化であってもよい。すなわち、樹脂体12の材料は、例えば、熱硬化型樹脂であってもよいし、湿気硬化型樹脂であってもよい。
蓋13は、任意の材料により構成された、少なくとも第1の面13a1を有する部材である。本実施形態においては、アルミニウムにより構成された板状の部材を、蓋13として用いる。なお、蓋13の材料は、任意であり、アルミニウムに限定されない。蓋13のその他の材料としては、例えば、樹脂が挙げられる。また、蓋13の形状は、少なくとも第1の面13a1を有していればよく、板状(厚みの薄い直方体)に限定されない。ここで、第1の面13a1は、上述した放熱体11の第1の面11a1(上面)と接触する面であり、本実施形態においては、板状の蓋13の一方の主面(下面)である。蓋13は、その第1の面13a1が放熱体11の第1の面11a1と接触するように配置され、放熱体11の第1の面11a1において溝11bを閉塞している。
蓋13の第1の面13a1には、蓋13を長手方向に横断するリブ13bが形成されている。リブ13bの幅は、溝11bの表層部11b1の幅よりも小さく、且つ、溝11bの深層部11b2の幅よりも大きい。また、リブ13bの高さは、放熱体11の第1の面11a1から樹脂体12の表面12aまでの距離よりも大きく、且つ、溝11bの表層部11b1の深さよりも小さい。このため、蓋13の第1の面13a1を放熱体11の第1の面11a1に接触させたときに、リブ13bの先端近傍は、溝11bの表層部11b1において樹脂体12に埋設されることになる。また、リブ13bの側方においては、蓋13の第1の面13a1と樹脂体12の表面12aとが互いに離間し、蓋13の第1の面13a1と樹脂体12の表面12aとの間に隙間ができることになる。この隙間は、例えば、空気により満たされる。
リブ13bは、先端近傍が両切りの楔形に成形されており、先端(稜線)において交わる第1の面13b1と第2の面13b2とを有している。リブ13bの第1の面13b1と蓋13の第1の面13a1との成す角θ1は、鋭角(0°よりも大きく、90°よりも小さい)であり、図示した例では45°である。蓋13の第1の面13a1を放熱体11の第1の面11aに接触させたときに、リブ13bの第1の面13b1は、溝11bの深層部11b2の底面に対向すると共に、溝11の表層部11b1の側面に対向する。同様に、リブ13bの第2の面13b2と蓋13の第1の面13a1との成す角は、鋭角であり、図示した例では45°である。蓋13の第1の面13a1を放熱体11の第1の面11aに接触させたときに、リブ13bの第2の面13b2は、溝11bの深層部11b2の底面に対向すると共に、溝11の表層部11b1の側面に対向する。蓋13の表面のうち、リブ13bの第1の面13b1及び第2の面13b2を構成する領域には、反射率を大きくするための鏡面加工が施されていることが好ましい。鏡面加工としては、例えば、メッキ加工(金メッキ加工やクロムメッキ加工など)や研磨などが挙げられる。
冷却体14は、熱伝導性を有する材料により構成された、少なくとも第1の面14aを有する部材である。本実施形態においては、アルミニウムにより構成された板状の部材であって、冷却水の流路14aが内部に形成された部材(すなわち、水冷板)を、冷却体14として用いている。ただし、冷却体14の材料は、熱伝導性を有する材料であればよく、アルミニウムに限定されない。冷却体14のその他の材料としては、例えば、銅が挙げられる。また、冷却体14の形状は、少なくとも第1の面14a1を有する形状であればよく、板状(厚みの薄い直方体)に限定されない。ここで、第1の面14a1は、上述した放熱体11の第2の面11a2と接触する面であり、本実施形態においては、板状の冷却体の一方の主面である。冷却体14の冷却方式は、任意であり、水冷式に限定されない。冷却体14の他の冷却方式としては、例えば、空冷式が挙げられる。
上述したように、光ファイバ5のクラッド52は、溝11bの深層部11b2において樹脂体12に覆われている。このため、クラッド52を導波されるクラッドモード光は、溝11bの深層部11b2においてクラッド52から樹脂体12へと漏出する。そして、溝11bの深層部11b2においてクラッド52から樹脂体12へと漏出した漏出クラッドモード光の一部は、溝11bの深層部11b2の底面及び側面に入射する。そして、溝11bの深層部11b2の底面及び側面に入射した漏出クラッドモード光は、放熱体11に吸収されて熱に変換される。溝11bの深層部11b2の底面及び側面に抗反射加工を施しているのは、この変換の変換効率を高めるためである。
溝11bの深層部11b2においてクラッド52から樹脂体12へと漏出した漏出クラッドモード光の残りの部分は、溝11bの深層部11b2から溝11bの表層部11b1へと伝播する。そして、溝11bの深層部11b2から溝11bの表層部11b1へと伝播した漏出クラッドモード光は、リブ13bの先端において交わる第1の面13b1又は第2の面13b2に入射する。これは、リブ13bの先端が樹脂体12に埋設されているためである。ここで、リブ13bの埋設部B(樹脂体12に埋設された部分)が、放熱体11を平面視したときに、(光ファイバ5の軸方向に関して)被覆除去区間Iの少なくとも一部に亘り(光ファイバ5の径方向に関して)光ファイバ5の少なくとも一部を覆っている場合、リブ13bの第1の面13b1又は第2の面13b2に入射するクラッドモード光の割合が増える。特に、リブ13bの埋設部Bが、放熱体11を平面視したときに、被覆除去区間Iの少なくとも一部に亘り光ファイバ5全体を覆っている場合、リブ13bの第1の面13b1又は第2の面13b2に入射するクラッドモード光の割合が更に増える。或いは、リブ13bの埋設部Bが、放熱体11を平面視したときに、被覆除去区間I全体に亘り光ファイバ5の少なくとも一部を覆っている場合、リブ13bの第1の面13b1又は第2の面13b2に入射するクラッドモード光の割合が更に増える。また、リブ13bの埋設部Bが、放熱体11を平面視したときに、(光ファイバ5の軸方向に関して)被覆除去区間Iの少なくとも一部に亘り(光ファイバ5の径方向に関して)溝11bの深層部11b2の少なくとも一部を覆っている場合、リブ13bの第1の面13b1又は第2の面13b2に入射するクラッドモード光の割合が増える。特に、リブ13bの埋設部Bが、放熱体11を平面視したときに、被覆除去区間Iの少なくとも一部に亘り溝11bの深層部11b2全体を覆っている場合、リブ13bの第1の面13b1又は第2の面13b2に入射するクラッドモード光の割合が増える。或いは、リブ13bの埋設部Bが、放熱体11を平面視したときに、被覆除去区間I全体に亘り溝11bの深層部11b2の少なくとも一部を覆っている場合、リブ13bの第1の面13b1又は第2の面13b2に入射するクラッドモード光の割合が更に増える。本実施形態においては、リブ13bの埋設部Bが被覆除去区間I全体に亘り溝11bの深層部11b2全体を覆う構成を採用している。このため、溝11bの深層部11b2から溝11bの表層部11b1へと伝播した漏出クラッドモード光の大部分は、リブ13bの第1の面13b1又は第2の面13b2に入射する。
リブ13bの第1の面13b1に入射した漏出クラッドモード光の大部分は、リブ13bの第1の面13b1にて反射される。これは、リブ13bの第1の面13b1に、鏡面加工が施されているためである。そして、リブ13bの第1の面13b1にて反射された漏出クラッドモード光の大部分は、溝11bの表層部11b1の側面に入射する。これは、リブ13bの第1の面13b1が溝11bの深層部11b2の底面及び溝11bの表層部11b1の側面の両方に対向しており、溝11bの深層部11b2の方から入射した漏出クラッドモード光を、溝11bの表層部11b1の側面の方へと反射するためである。そして、溝11bの表層部11b1の側面に入射した漏出クラッドモード光は、放熱体11に吸収されて熱に変換される。溝11bの表層部11b1の側面に抗反射加工を施しているのは、この変換の変換効率を高めるためである。
同様に、リブ13bの第2の面13b2に入射した漏出クラッドモード光の大部分は、リブ13bの第2の面13b2にて反射される。これは、リブ13bの第2の面13b2に、鏡面加工が施されているためである。そして、リブ13bの第2の面13b2にて反射された漏出クラッドモード光の大部分は、溝11bの表層部11b1の側面に入射する。これは、リブ13bの第2の面13b2が溝11bの深層部11b2の底面及び溝11bの表層部11b1の側面の両方に対向しており、溝11bの深層部11b2の方から入射した漏出クラッドモード光を、溝11bの表層部11b1の側面の方へと反射するためである。そして、溝11bの表層部11b1の側面に入射した漏出クラッドモード光は、放熱体11に吸収されて熱に変換される。溝11bの表層部11b1の側面に抗反射加工を施しているのは、この変換の変換効率を高めるためである。
以上のように、漏出クラッドモード光の一部は、溝11bの深層部11b2において放熱体11に吸収されて熱に変換される。また、漏出クラッドモード光の残りの部分は、リブ13bの第1の面13b1及び第2の面13b2において反射された後、溝11bの表層部11b1において放熱体11に吸収されて熱に変換される。このようにして生じた熱は、放熱体11の第2の面11a2及び冷却体14の第1の面14a1を介して、放熱体11から冷却体14へと伝導する。そして、冷却体14に伝導した熱は、冷却水を介して外部に排出される。これにより、光ファイバ5のクラッドモード光の除去が実現される。
なお、本実施形態においては、漏出クラッドモード光を放熱体11に吸収させて熱に変換する構成を採用しているが、これに限定されない。例えば、漏出クラッドモード光を蓋13に吸収させて熱に変換する構成を採用してもよい(第2の実施形態参照)。ただし、本実施形態においては、冷却体14を放熱体11に直接接触させる(冷却体14を蓋13に直接接触させない)構成を採用している。このため、本実施形態においては、蓋13よりも冷却体14に近い放熱体11に漏出クラッドモード光を吸収させて熱に変換する構成を採用する方が有利である。
(クラッドモードストリッパの効果)
本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1は、第1の面11a1に光ファイバ5を収容するための溝11bが形成された放熱体11と、溝11bの内部において光ファイバ5のクラッド52の側面を覆う樹脂体12と、放熱体11の第1の面11a1において溝11bを塞ぐ蓋13とを備えている。そして、放熱体11の第1の面11a1に接触する蓋13の第1の面13a1には、先端が樹脂体12に埋設されるリブ13bが形成されており、このリブ13bの側方においては、蓋13の第1の面13a1が樹脂体12の表面から離間している。
樹脂体12の表面12a全体が蓋13の第1の面13a1から離間している場合には、漏出クラッドモード光の樹脂体12への閉じ込めが生じ易くなる。なぜなら、この場合、樹脂体12の表面12a全体が空気(樹脂体12よりも屈折率が低い)に覆われるからである。漏出クラッドモード光の樹脂体12への閉じ込めは、クラッドモード光を熱に変換するクラッドモードストリッパ1の変換効率を低下させる要因となり得る。或いは、樹脂体12に閉じ込められた漏出クラッドモード光は、被覆除去区間Iの下流側において被覆53を劣化させる要因となり得る。
これに対して、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1においては、蓋13の第1の面13a1に形成されたリブ13bの先端が樹脂体12に埋設されている。したがって、樹脂体12の表面12a全体が空気に覆われ得ない。このため、漏出クラッドモード光の空気による樹脂体12への閉じ込めが生じ難くなる。これにより、クラッドモードストリッパ1の変換効率の低下が生じ難くなる。或いは、被覆除去区間Iの下流側における被覆53の劣化が生じ難くなる。
特に、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1において、溝11bは、表層部11b1と、幅が表層部11b1よりも小さい深層部11b2と、により構成されており、光ファイバ5は、溝11bの深層部11b2に収容されている。そして、リブ13bの埋設部Bは、放熱体11を平面視したときに、溝11bの深層部11b2を覆っている。すなわち、リブ13bは、漏出クラッドモード光が主に入射する領域において、樹脂体12の表面12aが空気に接することを防いでいる。このため、漏出クラッドモード光の空気による樹脂体12への閉じ込めを、より効果的に抑制することができる。
また、樹脂体12の表面12a全体が蓋13の第1の面13a1に接している場合にも、漏出クラッドモード光の樹脂体12への閉じ込めが生じ易くなる。なぜなら、クラッドモードストリッパ1の製造に際して蓋13を装着するとき、或いは、クラッドモードストリッパ1の検査(例えば、樹脂体12の温度測定)に際して蓋13を脱着するときに、樹脂体12と蓋13との間に気泡が混入し易くなるためである。このような気泡が漏出クラッドモード光の入射する領域に残留すると、樹脂体12の表面12a全体が蓋13の第1の面13aから離間している場合と同様、漏出クラッドモード光の樹脂体12への閉じ込めが生じ易くなることは明らかであろう。
これに対して、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1においては、リブ13bの側方で樹脂体12の表面12aが蓋13の第1の面13a1から離間している。このため、樹脂体12とリブ13bとの間に混入した気泡の逃げ場となる隙間Sがリブ13bの側方にできる。これにより、樹脂体12とリブ13bとの間に混入した気泡は、樹脂体12とリブ13bとの間に残留し難くなる。特に、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1においては、樹脂体12に埋設されるリブ13bの先端近傍を楔形に成形しているため、樹脂体12とリブ13bとの間に混入した気泡は、より一層、樹脂体12とリブ13bとの間に残留し難くなる。その結果、漏出クラッドモード光の空気による樹脂体12への閉じ込めを、より確実に抑制することが可能になる。また、この隙間Sは、樹脂体12の硬化収縮時に生じる応力の逃げ場にもなる。このため、樹脂体12の剥離を抑制できるという副次的な効果も得られる。
なお、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1においては、蓋13の第1の面13aに単一のリブ13bを設ける構成が採用されているが、これに限定されない。すなわち、蓋13の第1の面13aに複数のリブを設ける構成を採用してもよい。また、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1においては、溝11bとして、表層部11b1と深層部11b2とからなる二段溝を用いているが、これに限定されない。すなわち、溝11bとして、深層部11b2に相当する部分のみからなる一段溝を用いてもよいし、深層部11b2に相当する最も深い部分と表層部11b1に相当する次に深い部分とを含む三段以上の多段溝を用いてもよい。また、幅が段階的に変化する溝の代わりに、幅が連続的に変化する溝(例えばV字溝やU字溝など)を溝11bとして用いてもよい。
(リブの変形例)
本実施形態に係るリブ13bの一変形例について、図2を参照して説明する。図2の(a)は、本実施形態に係るリブ13bの断面図であり、図2の(b)は、本変形例に係るリブ13bの断面図である。
本実施形態に係るリブ13bは、図2の(a)に示すように、先端近傍が両切りの楔形に成形されている。この場合、リブ13bの先端において交わる2つの面13b1〜13b2が、溝11bの深層部11b2から表層部11b1に伝播した漏出クラッドモード光を、図示した左右方向に反射する。
これに対して、本変形例に係るリブ13bは、図2の(b)に示すように、先端近傍が片切りの楔形に成形されている。この場合、リブ13bの先端においてリブ13bの側面と交わる1つの面13b3が、溝11bの深層部11b2から表層部11b1に伝播した漏出クラッドモード光を、図示した左方向に反射する。
なお、ここでは、リブ13bの先端近傍に適用される楔形状の例として、2つの面の交線が先端となる楔形状について説明したが、これに限定されない。例えば、これら2つの面を繋ぐ平面又は曲面が先端となる楔形状についても、リブ13bの先端近傍に適用することが可能である。換言すれば、断面の幅が先端から遠ざかるに従って大きくなる形状であれば楔形状と見做すことができ、どのような楔形状であってもリブ13bの先端近傍に適用することが可能である。
(光ファイバの変形例)
光ファイバ5は、図1に示したように、コア51と、コア51の側面を覆うクラッド52と、クラッド52の側面を覆う被覆53とを備えたシングルクラッドファイバである。この場合、クラッド52を導波されるクラッドモード光が、クラッドモードストリッパ1によって除去される。
しかしながら、光ファイバ5の構造は、これに限定されない。すなわち、光ファイバ5は、2層以上のクラッドを備えていてもよい。この場合、被覆除去区間Iにおいて最外層となるクラッドを導波されるクラッドモード光が、クラッドモードストリッパ1によって除去されることになる。
例えば、光ファイバ5は、コアと、コアの側面を覆う内側クラッドと、内側クラッドの側面を覆う外側クラッドと、外側クラッドの側面を覆う被覆とを備えたダブルクラッドファイバであってもよい。この場合、被覆除去区間Iにおいて被覆が除去されていれば、被覆除去区間Iにおいて最外層となる外側クラッドを導波されるクラッドモード光が、クラッドモードストリッパ1によって除去されることになる。或いは、被覆除去区間Iにおいて被覆及び外側クラッドが除去されていれば、被覆除去区間Iにおいて最外層となる内側クラッドを導波されるクラッドモード光が、クラッドモードストリッパ1によって除去さることになる。
また、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1においては、図3の(a)に示すように、被覆除去区間I内の各断面について、全ての径方向(軸方向に直交する方向)において被覆53が除去された光ファイバ5を用いている。しかしながら、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1に用いる光ファイバ5は、これに限定されない。すなわち、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ1においては、図3の(b)に示すように、被覆除去区間I内の各断面について、一部の径方向において被覆53が除去され、その他の径方向において被覆53が残された光ファイバ5を用いることも可能である。全ての径方向において被覆53が除去された光ファイバ5を用いた場合、被覆除去区間Iの上流側の端部においてクラッドモード光が集中的に漏出し易い。このため、放熱体11の一部が高温になるという問題が生じ易い。これに対して、一部の径方向においてのみ被覆53が除去された光ファイバ5を用いた場合、被覆除去区間Iの上流側の端部において漏出するクラッドモード光が集中的に漏出し難い。このため、放熱体11の一部が高温になるという問題が生じ難い。なお、一部の径方向においてのみ被覆53が除去されるのは、被覆除去区間I内の全ての断面についてであってもよいし、被覆除去区間I内の一部の断面についてであってもよい。
なお、一部の径方向においてのみ被覆53が除去された光ファイバ5を用いる場合、被覆53が除去された部分を、(1)溝11bの深層部11b2の底面に対向させる構成、(2)溝11bの深層部11b2側面に対向させる構成、(3)蓋13のリブ13bに対向させる構成が考えられる。これらのなかで最も好ましい構成は、(3)の構成である。(1)又は(2)の構成を採用した場合、漏出クラッドモード光は溝11bの深層部11b2の底面又は側面に反射されるので、漏出クラッドモード光が被覆53に再入射するという問題が生じ易い。これに対して、(3)の構成を採用した場合、漏出クラッドモード光は蓋13のリブ13bに反射及び/又は吸収されるので、漏出クラッドモード光が被覆53に再入射するという問題が生じ難く、被覆53の劣化が生じ難くなる。
なお、被覆除去区間Iには、径方向において被覆53が除去され、その他の径方向において被覆53が残された区間と、全ての径方向(軸方向に直交する方向)において被覆53が除去された区間とが連続している構成も含まれる。
〔第2の実施形態〕
(クラッドモードストリッパの構成)
本発明の第2の実施形態に係るクラッドモードストリッパ2の構成について、図4を参照して説明する。図4において、(a)は、クラッドモードストリッパ2の平面図であり、(b)は、クラッドモードストリッパ2の断面図である。
クラッドモードストリッパ2は、光ファイバ5のクラッドモード光を除去するための装置であり、放熱体21と、樹脂体22と、蓋23と、冷却体24と、を備えている。光ファイバ5は、第1の実施形態と同様に構成されている。
本実施形態に係るクラッドモードストリッパ2が備える放熱体21、樹脂体22、及び冷却体24は、それぞれ、第1の実施形態に係るクラッドモードストリッパ1が備える放熱体11、樹脂体12、及び冷却体14と同様に構成されている。このため、ここでは、放熱体21、樹脂体22、及び冷却体24に関する説明を省略する。
蓋23は、熱伝導性を有する材料により構成された、少なくとも第1の面23a1を有する部材である。本実施形態においては、アルミニウムにより構成された板状の部材を、蓋23として用いる。なお、蓋23の材料は、熱伝導性を有する材料であればよく、アルミニウムに限定されない。蓋23のその他の材料としては、例えば、銅が挙げられる。また、蓋23の形状は、少なくとも第1の面23a1を有していればよく、板状(厚みの薄い直方体)に限定されない。ここで、第1の面23a1は、放熱体21の第1の面21a1(上面)と接触する面であり、本実施形態においては、板状の蓋23の一方の主面(下面)である。蓋23は、その第1の面23a1が放熱体21の第1の面21a1と接触するように配置され、放熱体21の第1の面21a1において溝21bを塞いでいる。
蓋23の第1の面23a1には、蓋23を長手方向に横断するリブ23bが形成されている。リブ23bの幅は、溝21bの表層部21b1の幅よりも小さく、且つ、溝21bの深層部21b2の幅よりも大きい。また、リブ23bの高さは、放熱体21の第1の面21a1から樹脂体22の表面22aまでの距離よりも大きく、且つ、溝21bの表層部21b1の深さよりも小さい。このため、蓋23の第1の面23aを放熱体21の第1の面21aに接触させたときに、リブ23bの先端近傍は、溝21bの表層部21b1において樹脂体22に埋設されることになる。また、リブ23bの側方においては、蓋23の第1の面23aと樹脂体22の表面12aとが互いに離間し、蓋23の第1の面23aと樹脂体22の表面22aとの間に隙間ができることになる。この隙間は、例えば、空気により満たされる。
リブ23bは、直方体状に成形されており、蓋23の第1の面23a1と平行な第1の面23b1を有している。蓋23の第1の面23a1を放熱体21の第1の面21aに接触させたときに、リブ23bの第1の面23b1は、溝21bの深層部21b2の底面に正対する。蓋23の表面のうち、リブ23bの第1の面23b1を含む領域には、反射率を小さくする(吸収率を大きくする)ための抗反射加工が施されていることが好ましい。抗抗反射加工としては、例えば、黒アルマイト加工や粗面化など挙げられる。
本実施形態に係るクラッドモードストリッパ2において、光ファイバ5のクラッド52は、溝21bの深層部21b2において樹脂体22に覆われている。このため、クラッド52を導波されるクラッドモード光は、溝21bの深層部21b2においてクラッド52から樹脂体22へと漏出する。そして、溝21bの深層部21b2においてクラッド52から樹脂体22へと漏出した漏出クラッドモード光の一部は、溝21bの深層部21b2の底面及び側面に入射する。そして、溝21bの深層部21b2の底面及び側面に入射した漏出クラッドモード光は、放熱体21に吸収されて熱に変換される。溝21bの深層部21b2の底面及び側面に抗反射加工を施しているのは、この変換の変換効率を高めるためである。
溝21bの深層部21b2においてクラッド52から樹脂体22へと漏出した漏出クラッドモード光の残りの部分は、溝21bの深層部21b2から溝21bの表層部21b1へと伝播する。そして、溝21bの深層部21b2から溝21bの表層部21b1へと伝播した漏出クラッドモード光は、リブ23bの先端を構成する第1の面23b1に入射する。これは、リブ23bの先端が樹脂体22に埋設されているためである。ここで、リブ23bの埋設部Bが、放熱体21を平面視したときに、(光ファイバ5の軸方向に関して)被覆除去区間Iの少なくとも一部に亘り(光ファイバ5の径方向に関して)光ファイバ5の少なくとも一部を覆っている場合、リブ23bの第1の面23b1に入射するクラッドモード光の割合が増える。特に、リブ23bの埋設部Bが、放熱体21を平面視したときに、被覆除去区間Iの少なくとも一部に亘りに亘り光ファイバ5全体を覆っている場合、リブ23bの第1の面23b1に入射するクラッドモード光の割合が更に増える。或いは、リブ23bの埋設部Bが、放熱体21を平面視したときに、被覆除去区間I全体に亘り光ファイバ5の少なくとも一部を覆っている場合、リブ23bの第1の面23b1に入射するクラッドモード光の割合が更に増える。また、リブ23bの埋設部Bが、放熱体21を平面視したときに、(光ファイバ5の軸方向に関して)被覆除去区間Iの少なくとも一部に亘り(光ファイバ5の径方向に関して)溝21bの深層部21b2の少なくとも一部を覆っている場合、リブ23bの第1の面23b1に入射するクラッドモード光の割合が増える。特に、リブ23bの埋設部Bが、放熱体21を平面視したときに、被覆除去区間Iの少なくとも一部に亘り溝21bの深層部21b2全体を覆っている場合、リブ23bの第1の面23b1に入射するクラッドモード光の割合が更に増える。或いは、リブ23bの埋設部Bが、放熱体21を平面視したときに、被覆除去区間I全体に亘り溝21bの深層部21b2の少なくとも一部を覆っている場合、リブ23bの第1の面23b1に入射するクラッドモード光の割合が更に増える。本実施形態においては、リブ23bの埋設部Bが被覆除去区間I全体に亘り溝21bの深層部21b2全体を覆う構成を採用している。このため、溝21bの深層部21b2から溝21bの表層部11b1へと伝播した漏出クラッドモード光の大部分は、リブ23bの第1の面23b1に入射する。
リブ23bの第1の面23b1に入射した漏出クラッドモード光の大部分は、蓋23に吸収されて熱に変換される。リブ23bの第1の面23b1に抗反射加工を施しているのは、この変換の変換効率を高めるためである。
以上のように、漏出クラッドモード光の一部は、溝21bの深層部21b2において放熱体21に吸収されて熱に変換される。また、漏出クラッドモード光の残りの部分は、溝21bの表層部21b1において蓋23に吸収されて熱に変換される。蓋23において発生した熱は、蓋23の第1の面23a1及び放熱体21の第1の面21a1を介して放熱体21に伝導する。また、蓋23から放熱体21に伝導した熱、及び、放熱体21において発生した熱は、放熱体21の第2の面21a2及び冷却体24の第1の面24a1を介して、放熱体21から冷却体24に伝導する。そして、冷却体24に伝導した熱は、冷却水を介して外部に排出される。これにより、光ファイバ5のクラッドモード光の除去が実現される。
なお、本実施形態においては、放熱体21及び蓋23の双方において漏出クラッドモード光を熱に変換している。このため、放熱体21を冷却するための冷却体24を放熱体21に直接接触させる構成に加えて、蓋23を冷却するための他の冷却体(不図示)を蓋23に接触させる構成を採用することが好ましい。これにより、光ファイバ5のクラッドモード光の除去をより効率的に行うことが可能になる。
また、本実施形態においても、リブ23bの先端近傍を楔形に成形する構成は有効である。なぜなら、楔形状に成形されると共に表面に抗反射加工(例えば、黒アルマイト加工)が施されたリブ23bの先端近傍を樹脂体22に埋設することによって、リブ23bの表面において漏出クラッドモード光を吸収する領域の面積を大きくすることができ、その結果、蓋23における局所的な温度上昇を抑制することができるからである。
(クラッドモードストリッパの効果)
本実施形態に係るクラッドモードストリッパ2は、第1の面21a1に光ファイバ5を収容するための溝21bが形成された放熱体21と、溝21bの内部において光ファイバ5のクラッド52の側面を覆う樹脂体22と、放熱体21の第1の面21a1において溝21bを塞ぐ蓋23とを備えている。そして、放熱体21の第1の面21a1に接触する蓋23の第1の面23a1には、先端が樹脂体22に埋設されるリブ23bが形成されており、このリブ23bの側方においては、蓋23の第1の面23a1が樹脂体22の表面から離間している。
樹脂体22の表面22a全体が蓋23の第1の面23a1から離間している場合には、漏出クラッドモード光の樹脂体22への閉じ込めが生じ易くなる。なぜなら、この場合、樹脂体22の表面22a全体が空気(樹脂体22よりも屈折率が低い)に覆われるからである。漏出クラッドモード光の樹脂体22への閉じ込めは、クラッドモード光を熱に変換するクラッドモードストリッパ2の変換効率を低下させる要因となり得る。或いは、樹脂体22に閉じ込められた漏出クラッドモード光は、被覆除去区間Iの下流側において被覆53を劣化させる要因となり得る。
これに対して、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ2においては、蓋23の第1の面23a1に形成されたリブ23bの先端が樹脂体22に埋設されている。したがって、樹脂体22の表面22a全体が空気に覆われ得ない。このため、漏出クラッドモード光の空気による樹脂体22への閉じ込めが生じ難くなる。これにより、クラッドモードストリッパ2の変換効率の低下が生じ難くなる。或いは、被覆除去区間Iの下流側における被覆53の劣化が生じ難くなる。
特に、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ2において、溝21bは、表層部21b1と、幅が表層部21b1よりも小さい深層部21b2と、により構成されており、光ファイバ5は、溝21bの深層部21b2に収容されている。そして、リブ23bの埋設部Bは、放熱体21を平面視したときに、溝21bの深層部21b2を覆っている。すなわち、リブ23bは、漏出クラッドモード光が主に入射する領域において、樹脂体22の表面22aが空気に接することを防いでいる。このため、漏出クラッドモード光の空気による樹脂体22への閉じ込めを、より効果的に抑制することができる。
また、樹脂体22の表面22a全体が蓋23の第1の面23a1に接している場合にも、漏出クラッドモード光の樹脂体22への閉じ込めが生じ易くなる。なぜなら、クラッドモードストリッパ2の製造に際して蓋23を装着するとき、或いは、クラッドモードストリッパ2の検査(例えば、樹脂体22の温度測定)に際して蓋23を脱着するときに、樹脂体22と蓋23との間に気泡が混入し易くなるためである。このような気泡が漏出クラッドモード光の入射する領域に残留すると、樹脂体22の表面22a全体が蓋23の第1の面23aから離間している場合と同様、漏出クラッドモード光の樹脂体22への閉じ込めが生じ易くなることは明らかであろう。
これに対して、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ2においては、リブ23bの側方で樹脂体22の表面22aが蓋23の第1の面23a1から離間している。このため、樹脂体22と蓋23との間に混入した気泡の逃げ場となる隙間Sがリブ23bの側方にできる。これにより、樹脂体22と蓋23との間に混入した気泡は、樹脂体22と蓋23との間に残留し難くなる。その結果、漏出クラッドモード光の空気による樹脂体22への閉じ込めを、より確実に抑制することが可能になる。また、この隙間Sは、樹脂体22の硬化収縮時に生じる応力の逃げ場にもなる。このため、樹脂体22の剥離を抑制できるという副次的な効果も得られる。
なお、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ2においては、蓋23の第1の面23aに単一のリブ23bを設ける構成が採用されているが、これに限定されない。すなわち、蓋23の第1の面23aに複数のリブを設ける構成を採用してもよい。また、本実施形態に係るクラッドモードストリッパ2においては、溝21bとして、表層部21b1と深層部21b2とからなる二段溝を用いているが、これに限定されない。すなわち、溝21bとして、深層部21b2に相当する部分のみからなる一段溝を用いてもよいし、深層部21b2に相当する最も深い部分と表層部11b1に相当する次に深い部分とを含む三段以上の多段溝を用いてもよい。また、幅が段階的に変化する溝の代わりに、幅が連続的に変化する溝(例えば、V字溝やU字溝など)を溝21bとして用いてもよい。
〔クラッドモードストリッパの適用例〕
上述した各実施形態に係るクラッドモードストリッパ1,2は、各種レーザ装置に適用することができる。ここで、レーザ装置とは、図5に示すように、レーザ光源101と、レーザ光源101から出力されたレーザ光を導波するデリバリファイバ102と、を備えたレーザ装置100のことを指し、クラッドモードストリッパ1、2は、デリバリファイバ102からクラッドモード光を除去するために利用される。
クラッドモードストリッパ1,2を適用するレーザ装置100は、(1)固体レーザをレーザ光源101とする固体レーザ装置であってもよいし、(2)液体レーザをレーザ光源101とする液体レーザ装置であってもよいし、(3)気体レーザをレーザ光源101とする気体レーザ装置であってもよし、(4)コアに希土類元素が添加された光ファイバをレーザ光源101とするファイバレーザ装置であってもよい。
なお、ファイバレーザ装置は、(4a)コアに希土類元素が添加された光ファイバであって、両端に1対のファイバブラッググレーティングが設けられた光ファイバをレーザ光源とする共振器型のファイバレーザ装置であってもよいし、(4b)任意のレーザ光源から出力されたレーザ光を、コアに希土類元素が添加された光ファイバを用いて増幅するMOPA型のファイバレーザ装置であってもよい。
また、クラッドモードストリッパ1,2を適用するレーザ装置100がファイバレーザ装置である場合、デリバリファイバ102からクラッドモード光を除去するためにクラッドモードストリッパ1,2を用いる代わりに、レーザ光源101を構成する光ファイバのクラッドモード光を除去するためにクラッドモードストリッパ1,2を用いることもできる。
1,2 クラッドモードストリッパ
11,21 放熱体
11b,21b 溝
12,22 樹脂体
13,23 蓋
13b,23b リブ
14,25 冷却体

Claims (15)

  1. 光ファイバを収容するための溝が第1の面に形成された放熱体と、
    上記溝の内部において上記光ファイバのクラッドの側面を覆う樹脂体であって、屈折率が上記クラッドの屈折率以上である樹脂体と、
    上記放熱体の第1の面において上記溝を塞ぐ蓋と、を備えており、
    上記放熱体の第1の面に接触する上記蓋の第1の面には、先端が上記樹脂体に埋設される少なくとも1つのリブが形成されており、上記リブの側方においては、上記蓋の第1の面の少なくとも一部が上記樹脂体の表面から離間している、
    ことを特徴とするクラッドモードストリッパ。
  2. 上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記光ファイバの被覆除去区間の少なくとも一部に亘り上記光ファイバの少なくとも一部を覆っている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のクラッドモードストリッパ。
  3. 上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記被覆除去区間の少なくとも一部に亘り上記光ファイバ全体を覆っている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のクラッドモードストリッパ。
  4. 上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記被覆除去区間全体に亘り上記光ファイバの少なくとも一部を覆っている、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のクラッドモードストリッパ。
  5. 上記溝は、表層部と、幅が該表層部よりも小さい深層部と、を含み、
    上記光ファイバは、上記溝の深層部に収容されており、
    上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記光ファイバの被覆除去区間の少なくとも一部に亘り上記溝の深層部の少なくとも一部を覆っている、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のクラッドモードストリッパ。
  6. 上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記被覆除去区間の少なくとも一部に亘り上記溝の深層部全体を覆っている、
    ことを特徴とする請求項5に記載のクラッドモードストリッパ。
  7. 上記リブの上記樹脂体に埋設された部分は、上記放熱体を平面視したときに、上記被覆除去区間全体に亘り上記溝の深層部の少なくとも一部を覆っている、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のクラッドモードストリッパ。
  8. 上記リブの先端には、鏡面加工が施されている、
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のクラッドモードストリッパ。
  9. 上記鏡面加工は、メッキ加工である、
    ことを特徴とする請求項8に記載のクラッドモードストリッパ。
  10. 上記リブの先端には、抗反射加工が施されている、
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のクラッドモードストリッパ。
  11. 上記抗反射加工は、黒アルマイト加工である、
    ことを特徴とする請求項10に記載のクラッドモードストリッパ。
  12. 上記リブの先端近傍は、楔形状に成形されている、
    ことを特徴とする請求項1〜11までの何れか1項に記載のクラッドモードストリッパ。
  13. 上記蓋の第1の面と上記蓋の第1の面から離間した上記樹脂体の表面との間には、空気層が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載のクラッドモードストリッパ。
  14. 上記光ファイバは、被覆除去区間の少なくとも1つの断面について、一部の径方向において被覆が除去され、その他の径方向において被覆が残されている、
    ことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載のクラッドモードストリッパ。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載のクラッドモードストリッパと、レーザ光源と、上記レーザ光源から出力されたレーザ光を導波するデリバリファイバと、を備え、
    上記クラッドモードストリッパを用いて、上記デリバリファイバ、又は、上記レーザ光源を構成する光ファイバからクラッドモード光を除去する、
    ことを特徴とするレーザ装置。
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