JP6622300B2 - 新規なジヒドロキノリンピラゾリル化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、哺乳動物における治療又は予防に有用な有機化合物に、特に慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防のためのアルドステロン合成酵素阻害剤に関する。
本発明は、式(I):
Figure 0006622300

[式中、
、R、R、R及びRは、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル及びハロシクロアルキルより独立に選択され;
、R及びRは、H、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル及びハロシクロアルキルより独立に選択され;
は、アルキルスルファニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、又は基A:
Figure 0006622300

であり、ここで、置換アリール、置換アリールアルキル、置換ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールアルキルは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、シアノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルホニル及びハロアルキルスルホニルより選択される1〜3個の置換基で置換されており:
10は、ピラゾリル、置換ピラゾリル、ピリジニル又は置換ピリジニルであり、ここで、置換ピラゾリル及び置換ピリジニルは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、シクロアルキル及びハロシクロアルキルより選択される1〜3個の置換基で置換されており;
15は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はハロシクロアルキルであり;
16及びR17は、H、アルキル及びシクロアルキルより独立に選択され;
nは、0又は1である]で示される新規な化合物及びその薬学的に許容し得る塩を提供する。
本明細書において、本発明者らは、絶対的又は相対的に過剰なアルドステロンによって引き起こされる臓器/組織損傷を防ぐ可能性を有する、アルドステロン合成酵素の阻害剤について説明する。高血圧は、先進国において成人人口の約20%が罹患している。60歳以上の人では、このパーセンテージは60%超に増加する。高血圧対象者は、卒中、心筋梗塞、心房細動、心不全、末梢血管疾患及び腎機能障害が含まれる、他の生理学的合併症の増大したリスクを示す。レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系は、高血圧、体液量及び塩分バランスに、さらに最近では心不全又は腎疾患の進行期における末期臓器障害の直接的な原因に、関連している経路である。ACE阻害剤及びアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)は、患者の寿命及び生活の質の改善に成功裏に使用されている。これらの薬物は、最大限の防御をもたらしているわけではない。比較的多くの患者では、ACE及びARBは、いわゆるアルドステロンブレイクスルー(アルドステロンレベルが、まず初期低下を起こし、その後、病理学的レベルまで再上昇する現象)を導く。アルドステロンレベルの不適切な増加(塩分摂取/レベルに対して)によって生じる有害な結果は、鉱質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いたアルドステロン遮断によって最小限に抑えることができることが実証されている。アルドステロン合成の直接阻害は、アルドステロンの非ゲノム効果も同様に低下させるので、さらに優れた防御を提供することが期待されている。
Na/K輸送に対するアルドステロンの作用は、腎臓におけるナトリウム及び水の再吸収ならびにカリウムの分泌の増加を導く。全体として、これは血液量の増加をもたらし、それによって血圧を増加させる。アルドステロンは、腎臓のナトリウム再吸収の調節におけるその役割を超えて、腎臓、心臓及び血管系に対して、特に「高ナトリウム」環境において有害作用を及ぼす可能性がある。そのような状態下では、アルドステロンは、最終的に臓器損傷の一因になり得る酸化ストレスの増加を導くことが知られている。腎機能損傷ラット(高い塩分処理又は一側性腎摘出のいずれかによる)へのアルドステロンの注入は、タンパク尿によって反映される、糸球体拡大、有足細胞損傷、間質性炎症、メサンギウム細胞増殖及び線維症を含む様々な損傷を腎臓に引き起こす。より具体的には、アルドステロンが、腎臓において接着分子ICAM−1の発現を増加させることが示された。ICAM−1は、糸球体の炎症に大きく関与している。同様に、アルドステロンが、インターロイキンIL−1b及びIL−6、MCP−1ならびにオステオポンチンのような炎症性サイトカインの発現を増加させることが示された。細胞レベルでは、血管の線維芽細胞において、アルドステロンが、線維症のメディエーターである、I型コラーゲンmRNAの発現を増加させることが実証された。アルドステロンは、また、ラットのメサンギウム細胞においてIV型コラーゲンの蓄積を刺激し、かつ平滑筋細胞においてプラスミノーゲン活性化因子阻害剤−1(PAI−1)の発現を誘導する。まとめると、アルドステロンは、腎損傷に関与する重要なホルモンであることが明らかとなった。アルドステロンは、同様に心血管系リスクの媒介において重要な役割を担っている。
MRアンタゴニスト(スピロノラクトン及びエプレレノン)が、様々な前臨床モデルにおいて、血圧、心臓及び腎臓の機能を改善するという数多くの前臨床証拠がある。
さらに最近の前臨床研究は、心血管及び腎臓の疾病率及び死亡率にCYP11B2が重大な原因であることを明らかにしている。CYP11B2阻害剤であるFAD286及びMRアンタゴニストであるスピロノラクトンが、慢性腎疾患のラットモデル(高いアンジオテンシンII曝露;高い塩分及び一側性腎摘出)で評価された。アンジオテンシンII及び高い塩分処理は、アルブミン尿、高窒素血症、腎血管肥大(renovascular hypertrophy)、糸球体障害、増加したPAI−1及びオステオポンチンmRNAの発現ならびに尿細管間質線維症を引き起こした。両方の薬物は、これらの腎臓への影響を抑制し、心臓及び大動脈の中膜肥厚を減弱した。FAD286による処置の4週間後、血漿アルドステロンは減少したが、一方でスピロノラクトンでは、処置の4及び8週目の時点でアルドステロンが増加した。同様に、FAD286ではなくスピロノラクトンだけが、大動脈及び心臓においてアンジオテンシンII及び塩刺激によるPAI−1のmRNAの発現を増大させた。他の研究で、CYP11B2阻害剤であるFAD286は、実験的心不全のラットにおいて血圧及び心血管の機能及び構造を改善した。同じ研究において、FAD286が腎臓の機能及び形態を改善することが示された。
原発性アルドステロン症の患者への活性CYP11B2阻害剤であるLCI699の経口投与から、この阻害剤が、原発性アルドステロン症の患者において、CYP11B2を効果的に阻害して血中アルドステロンレベルを著しく低下させ、そして、低カリウム血症を治療し、血圧を穏やかに低下させたという結論を導く。この糖質コルチコイド系への効果は、該化合物の不良な選択性及びコルチゾール合成の潜在的阻害と一致した。まとめると、これらのデータは、CYP11B2阻害剤が不適切に高いアルドステロンレベルを低下させる可能性があるという概念を支持する。CYP11B1に対して良好な選択性を達成することは、HPA系への望ましくない副作用を回避するために重要であり、かつ様々なCYP11B2阻害剤との差別化になるであろう。
式(I)に係る本発明の化合物は、CYPB11B2の強力な阻害剤であり、改善された代謝安定性と合わせて、CYP11B1に比べてCYP11B2に対する改善された選択性を呈する。
本発明の目的は、式(I)の化合物ならびにそれらの前述の塩及びエステル、及び治療活性物質としてのそれらの使用、前記化合物の製造プロセス、中間体、医薬組成物、前記化合物、その薬学的に許容し得る塩もしくはエステルを含有する医薬、病気の治療又は予防のための、特に、慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防における前記化合物、塩又はエステルの使用、ならびに、慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防用の医薬の製造のための前記化合物、塩又はエステルの使用である。
用語「アルコキシ」は、式R’−O−(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、及びtert−ブトキシを含む。特定のアルコキシ基には、メトキシを含む。
用語「アルキル」は、1〜12個の炭素原子の一価の直鎖状又は分岐状飽和炭化水素基を示す。特定の実施態様において、アルキルは、1〜7個の炭素原子を、より特定の実施態様において、1〜4個の炭素原子を有する。アルキルの例には、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルを含む。特定のアルキル基は、メチルである。
用語「アルキルスルファニル」は、式R’−S−(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルキルスルファニルの例は、R’が、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルである基である。特定のアルキルスルファニルは、R’が、メチルである基である。
用語「アルキルスルファニルアルキル」は、アルキル基の水素原子の1個がアルキルスルファニル基に置き換えられているアルキル基を示す。アルキルスルファニルアルキル基の特定の例は、メチルスルファニルエチル及びメチルスルファニルプロパニルである。
用語「アルキルスルホニル」は、式R’−S(O)−(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルキルスルホニルの例は、R’が、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルである基である。特定のアルキルスルホニルは、R’が、メチルである基である。
用語「アルキルスルホニルアルキル」は、アルキル基の水素原子の1個がアルキルスルホニル基に置き換えられているアルキル基を示す。アルキルスルファニルアルキル基の特定の例は、メチルスルホニルエチルである。
用語「アリール」は、6〜10個の炭素環原子を含む、一価の芳香族炭素環の単環式又は二環式環系を示す。アリール部分の例には、フェニル及びナフチルを含む。特定のアリール基は、フェニルである。
用語「アリールアルキル」は、アルキル基の水素原子の1個がアリール基に置き換えられているアルキル基を示す。特定のアリールアルキル基は、フェニルメチルである。
用語「シアノ」は、−C≡N基を示す。
用語「シクロアルキル」は、3〜10個の環炭素原子の一価の飽和単環式炭化水素基を示す。特定の実施態様において、シクロアルキルは、3〜8個の環炭素原子の一価の飽和単環式炭化水素基を示す。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。特定のシクロアルキル基は、シクロプロピルである。
用語「ハロアルコキシ」は、アルコキシ基の水素原子の少なくとも1個が同じ又は異なるハロゲン原子によって置き換えられているアルコキシ基を示す。用語「ペルハロアルコキシ」は、アルコキシ基の全ての水素原子が同じ又は異なるハロゲン原子によって置き換えられているアルコキシ基を示す。ハロアルコキシの例には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、トリフルオロメチルエトキシ、トリフルオロジメチルエトキシ及びペンタフルオロエトキシを含む。
用語「ハロアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が同じ又は異なるハロゲン原子によって置き換えられている、アルキル基を示す。用語「ペルハロアルキル」は、アルキル基の全ての水素原子が同じ又は異なるハロゲン原子によって置き換えられている、アルキル基を示す。ハロアルキルの例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメチルエチル及びペンタフルオロエチルを含む。特定のハロアルキル基は、トリフルオロメチルである。
用語「ハロアルキルスルファニル」は、式−S−R’(式中、R’は、ハロアルキル基である)の基を示す。ハロアルキルスルファニル基の例には、式−S−R’(式中、R’は、トリフルオロメチルである)の基を含む。
用語「ハロアルキルスルホニル」は、式−S(O)−R’(式中、R’は、ハロアルキル基である)の基を示す。ハロアルキルスルホニル基の例には、式−S(O)−R’(式中、R’は、トリフルオロメチルである)の基を含む。
用語「ハロシクロアルキル」は、シクロアルキル基の水素原子の少なくとも1個が同じ又は異なるハロゲン原子、特にフルオロ原子によって置き換えられている、シクロアルキル基を示す。ハロシクロアルキルの例には、フルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、フルオロシクロブチル及びジフルオロシクロブチルを含む。
用語「ハロゲン」及び「ハロ」は、本明細書において互換的に用いられ、そしてフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを示す。特定のハロゲンは、クロロ及びフルオロである。特定のハロゲンは、フルオロである。
用語「ヘテロアリール」は、N、O及びSより選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、5〜12個の環原子の一価の芳香族複素環の単環式又は二環式環系を示す。ヘテロアリールの例には、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル及びキノキサリニルを含む。特定のヘテロアリールは、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、イソオキサゾリルである。特定のヘテロアリールは、ピラゾリルである。
用語「ヘテロアリールアルキル」は、アルキル基の水素原子の1個がアリール基に置き換えられているアルキル基を示す。特定のヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリールメチルである。
用語「薬学的に許容し得る塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的効果及び特性を保持し、生物学的にも又はその他の点でも望ましくないことはない塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸(特に、塩酸)と、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインなどの有機酸と、形成される。加えて、これらの塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を付加させることにより調製し得る。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩などが含まれるが、これらに限定されない。有機塩基から誘導される塩には、第一級、第二級及び第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂などの塩が含まれるが、これらに限定されない。式(I)の化合物の特定の薬学的に許容し得る塩は、塩酸塩、メタンスルホン酸塩及びクエン酸塩である。
「薬学的に許容し得るエステル」は、一般式(I)の化合物が官能基で誘導体化されて、インビボで親化合物に変換し戻ることが可能な誘導体を提供し得ることを意味する。かかる化合物の例には、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル及びピバロイルオキシメチルエステルのような生理学的に許容し得かつ代謝的に不安定なエステル誘導体が含まれる。加えて、一般式(I)の化合物の任意の生理学的に許容し得る等価体は、インビボで一般式(I)の親化合物を製造することが可能な代謝的に不安定なエステルと同様に、本発明の範囲内である。
用語「保護基」(PG)は、合成化学において慣用的にそれに関連する意味で、化学反応を別の保護されていない反応部位で選択的に行うことができるように、多官能性化合物中の1つの反応部位を選択的にブロックする基を示す。保護基は、適切な時点で除去されることができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基又はヒドロキシ保護基である。特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)及びベンジル(Bn)である。さらなる特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)及びフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である。より特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)である。
略語uMは、マイクロモルを意味し、記号μMに相当する。
本発明の化合物は、かかる化合物を構成する原子の1つ以上に非天然の割合の原子同位体を含有することもできる。例えば、本発明は、1つ以上の原子がその原子について天然に通常見出される主要な原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換わっているという事実以外は、本明細書に記載したものと同一である、同位体標識された本発明の変形体も包含する。指定されるような任意の特定の原子又は元素の全ての同位体が、本発明の化合物及びそれらの使用の範囲内にあることが意図される。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体、例えば、H(「D」)、H(「T」)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I及び125Iが含まれる。特定の同位体標識された本発明の化合物(例えば、H又は14Cで標識されたもの)は、化合物及び/又は基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(H)及び炭素14(14C)同位体は、それらの調製及び検出性を容易にするために有用である。より重い同位体、例えば、ジュウテリウム(すなわち、H)によるさらなる置換は、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療的利点(例えば、インビボ半減期の増加又は必要用量の低減)をもたらし得、そのため幾つかの状況において好ましい場合がある。陽電子放出同位体、例えば、15O、13N、11C及び18Fは、基質受容体占有率を調べるポジトロン放出断層撮影(PET)研究に有用である。同位体標識された本発明の化合物は、一般的に、本明細書において後述するスキーム及び/又は実施例に開示されるものと類似の手順に従って、非同位体標識試薬を同位体標識試薬で置換することによって調製することができる。特に、1個以上のH原子がH原子により置き換わっている式(I)の化合物も本発明の一実施態様である。
式(I)の化合物は、いくつかの不斉中心を含有することができ、かつ光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ体)、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
Cahn-Ingold-Prelog順位則に従って、不斉炭素原子は、「R」又は「S」の立体配置をとることができる。
また本発明のある実施態様は、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物及びその薬学的に許容し得る塩又はエステル、特に、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物及びその薬学的に許容し得る塩、より特には、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
また本発明の特定の実施態様は、Rが、アルキルである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明の特定の実施態様は、R、R、R及びRが、Hである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明の別の特定の実施態様は、R及びRが、Hである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
また本発明のある実施態様は、Rが、H又はハロゲンである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明のより特定の実施態様は、Rが、Hである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明の別の特定の実施態様は、R15が、Hである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
また本発明の特定の実施態様は、R16及びR17が、Hである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明の別の実施態様は、nが0である、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明の別の特定の実施態様は、Rからのヘテロアリール基が、アルキルスルファニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、置換アリール、置換アリールアルキル、又は基Aであり、ここで、置換アリール及び置換アリールアルキルは、アルキル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、アルキルスルファニル及びアルキルスルホニルより選択される1〜3個の置換基で置換されている、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明の別の実施態様は、Rが、アルキル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、アルキルスルファニル及びアルキルスルホニルより選択される1〜3個の置換基で置換されているアリールである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明の特定の実施態様は、R12が、アルキルで置換されたピラゾリルである、本明細書に記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本明細書に記載されるとおりの式(I)の化合物の特定の例は、下記:
4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
6−[4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
3−メトキシ−4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
2−フルオロ−4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
2−クロロ−4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
6−[4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
1−メチル−6−[4−(4−メチルスルファニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
1−メチル−6−[4−(3−メチルスルファニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
1−メチル−6−[4−(3−メチルスルホニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
1−メチル−6−[4−(4−メチルスルホニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
1−メチル−6−[4−(2−メチルスルファニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
(rac)−1−メチル−6−[4−(1−メチルスルファニルプロパン−2−イルオキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
1−メチル−6−[4−(2−メチルスルホニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
6−[4−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾール−3−イル]−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
6−[4−[[1−(3−クロロピリジン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1H−ピラゾール−3−イル]−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
5−フルオロ−1−メチル−6−[4−[[1−(1−メチルピラゾール−4−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
より選択されるもの及びその薬学的に許容され得る塩である。
本明細書に記載されるとおりの式(I)の化合物の製造方法は、本発明の目的である。
本発明の式(I)の化合物の調製は、逐次又は収束合成経路で実施し得る。本発明の合成は、以下の一般スキームに示される。反応及び得られた生成物の精製を実施するために必要な技能は、当業者に公知である。エナンチオマー又はジアステレオ異性体の混合物が反応の間に生成される場合、これらのエナンチオマー又はジアステレオ異性体は、本明細書に記載されている方法又は当業者に公知の方法、例えば、キラルクロマトグラフィー又は結晶化により分離することができる。方法の以下の説明に使用される置換基及び指数は、本明細書において所与の意味を有する。
下記の略語を本文中で使用する:
AcOH=酢酸、BOC=t−ブチルオキシカルボニル、BuLi=ブチルリチウム、CDI=1,1−カルボニルジイミダゾール、DCM=ジクロロメタン、DBU=2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン、DCE=1,2−ジクロロエタン、DIBALH=水素化ジ−i−ブチルアルミニウム、DCC=N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、DMA=N,N−ジメチルアセトアミド、DMAP=4−ジメチルアミノピリジン、DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、EDCI=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩、EtOAc=酢酸エチル、EtOH=エタノール、EtO=ジエチルエーテル、EtN=トリエチルアミン、eq=当量、HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート、HPLC=高速液体クロマトグラフィー、HOBT=1−ヒドロキシベンゾ−トリアゾール、Huenig’s(ヒューニッヒ)塩基=iPrNEt=N−エチルジイソプロピルアミン、IPC=工程内制御、LAH=水素化アルミニウムリチウム、LDA=リチウムジイソプロピルアミド、LiBH=水素化ホウ素リチウム、MeOH=メタノール、NaBHCN=シアノ水素化ホウ素ナトリウム、NaBH=水素化ホウ素ナトリウム、NaI=ヨウ化ナトリウム、Red−Al=水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、RT=室温、TBDMSCl=塩化t−ブチルジメチルシリル、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、quant=定量的。
Figure 0006622300
アセチル化合物2(スキーム1)は、フリーデル・クラフツ(Friedel-Crafts)アルキル化(例えば、二硫化炭素のような溶媒中、室温〜還流の間で、塩化アセチル、塩化アルミニウムでの処理による)により、ジヒドロ−キノリン−オン化合物1(当技術分野において公知であるか、又はスキーム5及び6に記載されているように調製する)から調製することができる(工程a)。それに続く、CH−CO部分でのハロゲン化(例えば、ジクロロメタン中、室温でトリメチルフェニルアンモニウム−トリブロミドとの反応による)により、ブロモ−メチル化合物3を与える(工程b)。塩基(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムもしくは炭酸セシウム又は水素化ナトリウムのような)の存在下、溶媒(テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド又は1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)のような)中、室温〜約100℃の間の温度で、ブロモ−メチル化合物3と適切なヒドロキシ−アリール化合物又はヒドロキシル−ヘテロアリール化合物との反応により、(ヘテロ)−アリールオキシケトン4を与える(工程c)。(ヘテロ)−アリールオキシ−ケトン4は、N,N−ジメチルホルムアミド中、約50℃〜約180℃の間の温度で、好ましくはマイクロ波加熱を用いて、1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチル−メタンアミンと反応させて、ジメチルアミノ付加体5aを形成するか、又は、アルコール性溶媒中、約0℃〜室温の間の温度で、ギ酸アルキルエステル及び塩基(アルキル酸ナトリウムのような)と反応させて、ヒドロキシ−アルケン化合物5bを与える(工程d)。ジメチルアミノ付加体5a又はヒドロキシ−アルケン化合物5bは、酸(例えば、塩酸水溶液のような)の存在下、溶媒(テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール又はそれらの混合物)中、高温(例えば、約50℃〜溶媒の還流温度の間)で、ヒドラジン水和物と反応させて、ピラゾール化合物6を形成する(工程e)。
Figure 0006622300
適切な保護基(例えば、メトキシベンジル、テトラヒドロピラニル、(2−トリメチルシリル)エトキシメトキシ)を有するハロ−ピラゾールエステル化合物51(スキーム2)は、例えば、溶媒(テトラヒドロフランのような)中、約−78℃〜室温の間の温度範囲で、水素化リチウムジイソブチルアルミニウムを用いることによって還元して、対応する第一級アルコール52(R16、R17=H)とすることができる。代替的に、ハロ−ピラゾールエステル化合物51は、下記の反応順序: i)けん化; ii)メトキシ−N−メチル−アミド(ワインレブ(Weinreb)アミド)への変換; iii)溶媒(THFのような)中、−78℃〜室温の間の温度範囲にて、グリニャール(Grignard)試薬R16MgX又はリチウム試薬R16Liとの反応によるケトンへの変換; iv)水素化リチウムジイソブチルアルミニウムもしくは水素化ホウ素ナトリウムでの還元、又は、溶媒(THFのような)中、−78℃〜室温の間の温度範囲にて、グリニャール試薬R17MgX又はリチウム試薬R17Liとの反応によって、第二級又は第三級アルコール52に変換することができる(工程a)。
ハロアルキル化合物53は、例えば、溶媒(DCMのような)中、およそ室温で、塩化チオニル又は三臭化リンでの処理により、メタンスルホニルクロリド、EtN若しくは2,4,6−トリメチルピリジン、DCM若しくはDMF、及び場合によりLiClとの反応により、又は、CHCN中、トリフェニルホスフィン/CClとの反応により、どちらの手順も好ましくは0℃〜室温の間で実施して、ヒドロキシ−アルキル化合物52のOH基を、例えば、クロロ官能基又はブロモ官能基へ変換することにより得ることができる(工程b)。ハロ−アルキル誘導体53は、塩基(水素化ナトリウム又はナトリウムもしくはカリウムtert−ブトキシドのような)の存在下、溶媒(DMF又はTHFのような)中、好ましくは0℃〜約80℃の間の温度範囲で、OH−置換化合物54と反応させて、エーテル結合ハロ−ピラゾール化合物55を与える(工程c)。エーテル又はアミン結合ハロ−ピラゾール化合物55と、ボロン酸又はエステル化合物56(当技術分野において公知であるか、又はスキーム5及び6に記載されているように調製する)との縮合は、Suzuki条件、例えば、触媒(例えば、トリ−o−トリルホスフィン/酢酸パラジウム(II)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド又はジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)、場合によりジクロロメタン錯体(1:1)の形態で)の存在下、及び塩基(例えば、水性又は非水性リン酸カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム)の存在下、溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、トルエン、エタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、不活性雰囲気(例えば、アルゴン又は窒素)下、好ましくは室温〜約130℃の間の温度範囲を用いて実施して、ピラゾール57を導く(工程d)。次にピラゾール57中の保護基の除去により、ピラゾール58を導く(例えば、マイクロ波条件下、約100℃でトリフルオロ酢酸での処理を、p−メトキシ−ベンジル保護基の除去のために用いることができる;およそ室温でのMeOH中のジオキサン中の4M HClでの処理を、THP保護基の除去のために用いることができる)(工程e)。
Figure 0006622300
保護基を場合により有するオキシアルキルピラゾール152(スキーム4)は、溶媒(DMFのような)中、塩基(水素化ナトリウムのような)及び場合により触媒(ヨウ化テトラブチルアンモニウムのような)の存在下、好ましくは0℃〜室温(工程a)の間で、ピラゾール151から、アルキル−ハライド、又はアラルキル−ハライドとの反応により調製することができる。ハロゲン化、例えば、オキシアルキルピラゾール152のヨウ素化(例えば、DMFのような溶媒中、高温(100℃まで)でN−ヨードスクシンイミドを用いる)により、ハロ−ピラゾール153を与える(工程b)。ハロ−ピラゾール153とボロン酸又はエステル化合物56との縮合は、スキーム2において既に説明したようにSuzuki条件を使用して実施することができる(工程c)。次に保護基の任意の除去によりオキシアルキルピラゾール155を導く(工程d)。
Figure 0006622300
クロロプロピオン酸アニリド201(スキーム5)は、溶媒(DCMのような)中、塩基(ピリジンのような)の存在下、好ましくはおよそ室温での反応により、クロロプロピオニルクロライド及びアニリン200から調製することができる(工程a)。クロロプロピオン酸アニリド201は、好ましくは無溶媒で、例えば100〜150℃の高温で、AlClで処理した場合、ラクタム化合物202に環化される(工程b)。ラクタム化合物202は、溶媒(DMF又はTHFのような)中、好ましくは0℃〜約80℃の間の温度範囲で、塩基(水素化ナトリウム又はナトリウムもしくはカリウムtert−ブトキシドのような)を用い、続いて、式R−Y(式中、Yは、ハロゲン、トシラート又はメシラートである)のアルキル化剤の添加により、窒素がアルキル化されて、N−アルキル化ラクタム203を与えることができる(工程c)。N−アルキル化ラクタム203の任意のハロゲン化は、例えば、溶媒(DMFのような)中、好ましくはおよそ室温で、N−ブロモ又はN−クロロスクシンイミドを用いて実施して、ハロラクタム化合物204(式中、Xは、それぞれ臭素又は塩素に等しい)を与えることができる(工程d)。ラクタム204と、例えば、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)との、溶媒(ジメチルスルホキシド又はジオキサンのような)中、酢酸カリウム及び触媒[(1,1'−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(ジクロロメタンとの1:1錯体)のような]の存在下、約100℃までの温度での反応は、ボロン酸エステル化合物56を与える(工程e)。
Figure 0006622300
ニトロ−ベンゼン誘導体250は、例えば、溶媒(CClのような)中、好ましくは還流温度で、N−ブロモスクシンイミド、過酸化ベンゾイル(BPO)を用いる処理により、ブロモ−メチル化合物251を与える(スキーム6、工程a)。好ましくは炭酸セシウムの存在下、溶媒(DMFのような)中、0℃〜室温の間での、ブロモ−メチル化合物251と適切なマロン酸エステル誘導体との反応は、マロン酸エステル付加体252を与える(工程b)。例えば、6M HCl水溶液中、高温(例えば、130℃)で、ニトロマロン酸エステル誘導体252の塩化第一スズ二水和物での還元は、直接、ラクタム化合物253へと導く(工程c)。化合物56の調製について記載されているように、ラクタム化合物253は、窒素がアルキル化され、ハロゲン化され、そしてボロン酸エステル化合物256へと変換されることができる(スキーム5)(工程d、e、f)。
また本発明の実施態様は、先で定義したとおりの式(I)で示される化合物の製造方法であって、ヒドラジン水和物の存在下、式(II):
Figure 0006622300

[式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R15、R16、R17は、本明細書において記載されているとおりであり、そしてnは、0である]で示される化合物の反応を含む、製造方法である。
特に、酸(特に、塩酸水溶液)の存在下、溶媒(テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール又はそれらの混合物のような)中、高温、特に約50℃〜溶媒の還流温度で。
また本発明の目的は、治療活性物質としての使用のための本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
同様に本発明の目的は、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物及び治療上不活性な担体を含む、医薬組成物である。
本発明はまた、慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明はまた、糖尿病性腎症の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明はまた、腎臓又は心臓の線維症の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明はまた、慢性腎疾患の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明はまた、うっ血性心不全の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明はまた、高血圧の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明はまた、原発性アルドステロン症の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明の特定の実施態様は、慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
また本発明の特定の実施態様は、糖尿病性腎症の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明の別の特定の実施態様は、腎臓又は心臓の線維症の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
また本発明の特定の実施態様は、慢性腎疾患の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
また本発明の特定の実施態様は、うっ血性心不全の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
また本発明の特定の実施態様は、高血圧の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
また本発明の特定の実施態様は、原発性アルドステロン症の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
本発明はまた、慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明はまた、糖尿病性腎症の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
本発明はまた、腎臓又は心臓の線維症の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
また本発明のある実施態様は、慢性腎疾患の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用である。
また本発明のある実施態様は、うっ血性心不全の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用である。
また本発明のある実施態様は、高血圧の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用である。
また本発明のある実施態様は、原発性アルドステロン症の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用である。
また本発明の目的は、慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
また本発明の目的は、糖尿病性腎症の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
また本発明の目的は、腎臓又は心臓の線維症の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
また本発明のある実施態様は、慢性腎疾患の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
また本発明のある実施態様は、うっ血性心不全の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
また本発明のある実施態様は、高血圧の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
また本発明のある実施態様は、原発性アルドステロン症の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
また本発明のある実施態様は、記載されるプロセスのいずれか一つに従って製造される、本明細書において記載されるとおりの式(I)の化合物である。
アッセイ手順
本明細書において、本発明者らは、CYP11ファミリーの酵素を異所的に発現する(一過性に又は安定的に)宿主細胞としてのG−402細胞株の使用について確認した。具体的には、本発明者らは、ヒトCYP11B1、ヒトCYP11B2、ヒトCYP11A1、カニクイザル(cynomolgus)CYP11B1又はカニクイザルCYP11B2酵素活性を異所的に発現する安定なG−402細胞を開発した。重要なことに、確認した細胞株G−402は、CYP11ファミリーの活性に重要な補因子(アドレノドキシン及びアドレノドキシン還元酵素)を発現し、そして、CYP11ファミリーと関連する酵素活性(H295R細胞と比較して)は、これらの細胞では検出されなかった。したがって、G−402細胞株は、CYP11ファミリー由来の酵素の異所的発現の宿主細胞として独自に適する。
G−402細胞は、ATCC(CRL−1440)から得ることができ、これは腎平滑筋芽腫由来のものであった。
発現プラスミドは、好適なプロモーター(CMV−プロモーター)及び好適な耐性マーカー(ネオマイシン)の制御下にあるヒト/カニクイザルCYP11B1又はCYP11B2のいずれかのORFを含有する。標準的な技術を用いて、発現プラスミドをG−402細胞にトランスフェクトし、次に、これらの細胞において所与の耐性マーカーを発現するものを選択する。次に、所望の酵素活性を示す個々の細胞クローンを、11−デオキシコルチコステロン(Cyp11B2)又は11−デオキシコルチゾール(Cyp11B1)を基質として使用して選択し、そしてアッセイする。
CYP11構築物を発現するG−402細胞を上述したように構築し、これを、10%FCS及び400μg/mL G418(Geneticin)を含有するMcCoy's 5a改変培地(ATCC Catalog No.30-2007)中、5%CO/95%大気の雰囲気下、37℃で維持した。細胞酵素アッセイを、2.5%チャコールで処理したFCS及び適切な濃度の基質(0.3〜10uM 11−デオキシコルチコステロン、11−デオキシコルチゾール又はコルチコステロン)を含有するDMEM/F12培地中で実施した。酵素活性をアッセイするために、細胞を96ウェルプレート上にプレーティングし、16時間インキュベートした。次に、上清のアリコートを移し、目的の生成物(CYP11B2の場合アルドステロン;CYP11B1の場合コルチゾール)の濃度を分析する。これらのステロイドの濃度は、アルドステロン又はコルチゾールのいずれかを分析するCisBio社のHTRFアッセイを用いて決定することができる。
生成したステロイドの放出の阻害は、細胞酵素アッセイ中に加えられる試験化合物による各酵素の阻害の指標として使用することができる。化合物による酵素活性の用量依存的阻害は、加えられた阻害剤の濃度(x軸)と測定されたステロイド/生成物レベル(y軸)をプロットすることによって計算する。次に、最小二乗法を使用して、下記の4パラメーターシグモイド関数(Morgan-Mercer-Flodin(MMF)モデル)を原データ点にフィッティングすることによって阻害を計算する:
Figure 0006622300

[式中、Aは、最大y値であり、Bは、XLFitを使用して決定されるEC50因子であり、Cは、最少y値であり、そして、Dは、傾斜値である]。
最大A値は、阻害剤の非存在下で生成したステロイドの量に対応し、C値は、酵素が完全に阻害されたときに検出されるステロイドの量に対応する。
本明細書において請求される化合物のEC50値は、記載されるG402ベースアッセイ系を用いて試験した。Cyp11B2酵素活性は、1μMデオキシコルチコステロン及び可変量の阻害剤の存在下で試験し;Cyp11B1酵素活性は、1μMデオキシコルチゾール及び可変量の阻害剤の存在下で試験した。
Figure 0006622300
本明細書に記載される式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩もしくはエステルは、0.000001uM〜1000uMのEC50(CYP11B2)値を有し、特定の化合物は、0.00005uM〜500uMのEC50(CYP11B2)値を有し、さらなる特定の化合物は、0.0005uM〜50uMのEC50(CYP11B2)値を有し、より特定の化合物は、0.0005uM〜5uMのEC50(CYP11B2)の値を有する。これらの結果は、説明された酵素アッセイを使用して得た。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、医薬(例えば、医薬調製物の形態で)として使用することができる。医薬調製物は、経口(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で)、鼻内(例えば、鼻内スプレーの剤形で)又は直腸内(例えば、坐剤の剤形で)のように、内服することができる。しかし、投与はまた、非経口的、例えば、筋肉内又は静脈内(例えば、注射液剤の剤形で)で達成することができる。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤の製造のために、薬学的に不活性な、無機又は有機補助剤と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などは、例えば、錠剤、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤用のそのような補助剤として使用することができる。
軟ゼラチンカプセル剤に適切な補助剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体物質及び液体ポリオールなどである。
液剤及びシロップ剤の製造に適切な補助剤は、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、ブドウ糖などである。
注射液剤に適切な補助剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などである。
坐剤に適切な補助剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半固体又は液体ポリオールなどである。
さらには、医薬調製物は、保存料、可溶化剤、増粘性物質、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含有することができる。これらはまた、さらに他の治療上価値のある物質を含有することができる。
用量は、広い範囲内で変化させることができ、当然ながら、各特定症例における個々の要求に合わせることができる。一般に、経口投与の場合には、好ましくは1〜3回の個々の用量(例えば、同量からなってよい)に分割した、体重1kgあたり約0.1mg〜20mg、好ましくは体重1kgあたり約0.5mg〜4mgの1日用量(例えば、一人あたり約300mg)が、適切であろう。しかし、本願明細書においての所与の上限値は、必要が示されれば、これを超えられることは明らかであろう。
本発明によれば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、アルドステロン媒介疾患の治療又は予防のために使用することができる。
本明細書における式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、CYP11B2の阻害剤である。本明細書における式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルはまた、CYP11B1の変動阻害を示すが、CYP11B1に比べてCYP11B2に対して改善された選択性を提示する。そのような化合物は、過剰なコルチゾール生成/レベル、又は過剰なコルチゾールレベルとアルドステロンレベルとの両方を示す状態(例えば、クッシング症候群、熱傷患者、うつ病、心的外傷後ストレス障害、慢性ストレス、副腎皮質刺激ホルモン分泌腺腫、クッシング病(Morbus Cushing))の治療又は予防のために使用してもよい。
本発明によれば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、心血管疾患(高血圧及び心不全を含む)、血管疾患、内皮機能不全、圧受容器機能不全、腎疾患、肝疾患、線維症、炎症性疾患、網膜症、ニューロパシー(例えば、末梢性ニューロパシー)、疼痛、異常インスリン症、浮腫、浮腫性疾患、うつ病などを治療又は予防するために用いることができる。
心血管疾患には、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、不整脈、動脈細動、心臓病変、駆出率の低下、拡張期及び収縮期心機能不全、冠動脈の線維素様壊死、心臓の線維症、肥大型心筋症、動脈コンプライアンスの障害、拡張期充満の障害、虚血、左室肥大、心筋及び血管の線維症、心筋梗塞、心筋壊疽病変、心不整脈、突然心臓死の予防、再狭窄、発作、血管損傷を含む。
腎疾患には、急性及び慢性の腎不全、腎症、末期腎疾患、糖尿病性腎症、クレアチニンクリアランスの低下、糸球体濾過率の低下、著しい細胞過形成を伴う又は伴わない網状メサンギウム基質の拡大、糸球体毛細血管の局所性血栓症、全身性線維素様壊死、糸球体硬化症、虚血性病変、悪性腎硬化症(例えば、虚血性収縮、微量アルブミン尿、タンパク尿、腎血流量低下、腎動脈症、毛細血管内細胞(内皮及びメサンギウム)及び/又は毛細血管外細胞(半月)の膨潤及び増殖を含む。
腎疾患にはまた、糸球体腎炎(例えば、びまん性増殖性、巣状増殖性、メサンギウム増殖性、膜性増殖性、微小変化型膜性糸球体腎炎)、ループス腎炎、非免疫性基底膜異常(例えば、アルポート症候群)、腎線維症及び糸球体硬化症(例えば、結節性、又は全身性及び巣状分節状糸球体硬化症)を含む。
肝疾患には、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、肝腹水、肝うっ血などを含むが、これらに限定されない。
血管疾患には、血栓性血管疾患(例えば、壁在線維素様壊死、赤血球の溢出及び破砕ならびに管腔及び/又は壁在血栓症)、増殖性動脈症(例えば、粘液性細胞外基質によって囲まれた筋内膜細胞(myointimal cell)の腫大及び結節性肥厚)、アテローム性動脈硬化、血管コンプライアンスの減少(例えば、剛性、心室コンプライアンスの低下及び血管コンプライアンスの低下)、内皮機能不全などを含むが、これらに限定されない。
炎症性疾患には、関節炎(例えば、骨関節炎)、炎症性気道疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD))などを含むが、これらに限定されない。
疼痛には、急性疼痛、慢性疼痛(例えば、関節痛)などを含むが、これらに限定されない。
水腫には、末梢組織浮腫、肝欝血、肝臓腹水、脾臓欝血、呼吸器又は肺欝血などを含むが、これらに限定されない。
異常インスリン症には、インスリン抵抗性、I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース感受性、前糖尿病状態、前糖尿病、シンドロームXなどを含むが、これらに限定されない。
線維症には、心筋及び腎内線維症、腎間質線維症及び肝線維症を含むが、これらに限定されない。
さらに、本明細書に記載される式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルはまた、高血圧、心不全(特に、心筋梗塞後心不全)、左室肥大及び卒中からなる群より選択される心血管疾患の治療又は予防のために使用することができる。
別の実施態様において、心血管疾患は、高血圧である。
特定の実施態様において、心血管疾患は、治療抵抗性高血圧である。
別の実施態様において、心血管疾患は、心不全である。
別の実施態様において、心血管疾患は、左室肥大である。
別の実施態様において、心血管疾患はうっ血性心不全であり、より特定には保存された左室駆出分画を有する患者である。
別の実施態様において、心血管疾患は、卒中である。
別の実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、腎疾患の治療又は予防のために使用することができる。
別の実施態様において、腎疾患は、腎症である。
別の実施態様において、腎疾患は、自己免疫性糸球体腎炎である。
別の実施態様において、慢性腎疾患は、糖尿病性腎症である。
別の実施態様において、線維症は、腎臓又は心臓の線維症である。
別の実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、II型糖尿病の治療又は予防のために使用することができる。
別の実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、I型糖尿病の治療又は予防のために使用することができる。
別の実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、糖尿病性網膜症の治療又は予防のために使用することができる。
本発明は、実施例により以降説明されるが、これらは限定性を持つものではない。
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載される方法又は当業者に公知の方法、例えば、キラルクロマトグラフィー又は結晶化により分離することができる。
全ての実施例及び中間体は、別段の指定がない限り、アルゴン雰囲気下で調製した。
2つの窒素原子のいずれかに水素置換基を有し、かつ3つの炭素原子に対称置換基を有さないピラゾールは、常に2つの互変異性体として存在する。式と名称は、2つの形態のいずれかを表わす。
中間体A−1
4−[(Z及び/又はE)−2−(ジメチルアミノ)−1−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−カルボニル)ビニルオキシ]ベンゾニトリル
Figure 0006622300
[A] 4−(2−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イル)−2−オキソエトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0006622300

DMF(2mL)中の6−(2−ブロモアセチル)−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(0.2g、0.709mmol)の溶液に、4−ヒドロキシベンゾニトリル(0.084g、0.709mmol)を、続いてKCO(0.196g、1.42mmol)を加え、次に反応混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液(5mL)に注ぎ、水層をEtOAc(2×15mL)で抽出した。有機層を合わせた;固体沈殿物を濾別し、更に乾燥させて、標記化合物の最初のバッチ(0.135g、59%)を無色の固体として与えた。濾液をNaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。次に、残留物を、0〜100%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物の2番目のバッチ(0.075g、33%)を無色の固体として与えた。MS: 321.5 (M+H+).
[B] 4−[(Z及び/又はE)−2−(ジメチルアミノ)−1−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−カルボニル)ビニルオキシ]ベンゾニトリル
Figure 0006622300

マイクロバイアル中、4−(2−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イル)−2−オキソエトキシ)ベンゾニトリル(0.210g、0.656mmol)及び1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチル−メタンアミン(DMF−DMA)(0.094g、0.787mmol)を、DMF(1mL)に溶解し、次に反応混合物をマイクロ波照射下で110℃に30分間2回加熱した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を、0〜5%MeOH−ジクロロメタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.216g、88%)を明褐色の固体として与えた。MS: 376.5 (M+H+).
中間体A−2
(rac)−1−メチル−6−[4−(2−メチルスルファニルエトキシメチル)−1−テトラヒドロピラン−2−イル−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
[A] (rac)−エチル 3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート
Figure 0006622300

DCM(6mL)中のエチル 3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.4g、1.5mmol)の溶液に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(0.152g、1.8mmol)を、続いてp−トルエンスルホン酸一水和物(0.029g、0.15mmol)を加え、次に反応混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、水(5mL)に注ぎ、水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。次に、残留物を、10〜50%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.526g、99%)を無色の油状物として与えた。
[B] (rac)−(3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
Figure 0006622300

−78℃に冷却したTHF(5mL)中の(rac)−エチル 3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.526g、1.5mmol)の溶液に、THF中の1M DIBAL−H溶液(3mL、3mmol)を滴下して、反応混合物をこの温度で30分間撹拌した。次に混合物をゆっくりと0℃まで温め、撹拌をこの温度で5時間続けた。混合物を1N HCl水溶液(5mL)の滴下によりクエンチし、次に得られた溶液をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。次に残留物を、0〜100%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.309g、67%)を無色の油状物として与えた。MS: 309.0 (M+H+).
[C] (rac)−4−(クロロメチル)−3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール
Figure 0006622300

0℃に冷却したDMF(3mL)中の(rac)−(3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.309g、1.0mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.172g、1.5mmol)及び2,4,6−トリメチルピリジン(0.194g、1.6mmol)を加えた。次に反応混合物を10分間撹拌した後、リチウムクロリド(0.085g、2.01mmol)を加え、撹拌を室温で4時間続けた。混合物をEtOAcで希釈し、水(5mL)に注ぎ、水層をEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。次に残留物を、0〜70%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.25g、75%)を無色の油状物として与えた。MS: 242.9 (M-THP+H+).
[D] (rac)−3−ヨード−4−((2−(メチルチオ)エトキシ)メチル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール
Figure 0006622300

0℃に冷却したDMF(0.5mL)中の鉱油中60%NaHの懸濁液(0.006g、0.161mmol)に、2−(メチルチオ)エタノール(0.014g、0.153mmol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。次に、(rac)−4−(クロロメチル)−3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.05g、0.153mmol)を加え、撹拌を室温で一晩続けた。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液(5mL)に注いで、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。次に残留物を、0〜50%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.02g、34%)を無色の油状物として与えた。MS: 299.0 (M-THP+H+).
[E] (rac)−1−メチル−6−[4−(2−メチルスルファニルエトキシメチル)−1−テトラヒドロピラン−2−イル−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

DMF(0.5mL)中の(rac)−3−ヨード−4−((2−(メチルチオ)エトキシ)メチル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.02g、0.052mmol)の溶液に、1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(0.015g、0.052mmol、中間体A−3)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(0.004g、0.005mmol)及び1M NaCO水溶液(0.157mL、0.157mmol)を加えた。次に反応混合物をマイクロ波照射下、100℃に15分間加熱した。混合物を水(2mL)に注ぎ、EtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、10〜100%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.015g、69%)を明褐色の油状物として与えた。MS: 416.2 (M+H+).
中間体A−3
1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
[A] 6−ブロモ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

0℃に冷却したDMF(100mL)中の6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(5g、22.1mmol)の溶液に、カリウム tert−ブトキシド(4.96g、44.2mmol)を少しずつ加え、反応混合物を0℃で15分間撹拌した。次に、ヨウ化メチル(4.08g、28.8mmol)を加え、反応混合物を室温に温まるにまかせ、撹拌を一晩続けた。さらなるヨウ化メチル(1.25g、8.86mmol)を加え、反応が完了するまで反応混合物を40℃に加熱した。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl 100mLに注ぎ、水相をEtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発乾固させた。残留物を、0〜30%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(4.23g、80%)をオフホワイトの固体として与えた。MS: 240.0, 242.1 (M+H+).
[B] 1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

フラスコに、6−ブロモ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(3g、12.5mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(3.81g、15.0mmol)、酢酸カリウム(3.68g、37.5mmol)及びジオキサン(48mL)を入れた。混合物をArでパージし、次にジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1:1)[PdCl(DPPF)ジクロロメタン付加体](457mg、0.560mmol)を加え、得られた混合物を80℃に一晩加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、Celiteを通して濾過し、EtOAc(2×150mL)で洗浄した。得られた濾液をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発乾固させた。残留物を、0〜40%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(2.63g、73%)をオフホワイトの固体として与えた。MS: 288.0 (M+H+).
中間体A−4
7−フルオロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
[A] 3−クロロ−N−(3−フルオロ−フェニル)−プロピオンアミド
Figure 0006622300

DCM(100mL)中の3−フルオロアニリン(10mL、104.02mmol)の溶液に、ピリジン(21mL、260.2mmol)及び3−クロロプロピオニルクロリド(12mL、124.4mmol)を加えた。反応混合物を、LC―MS分析によって示されるようにすべての出発物質が消失するまで、室温で3時間撹拌した。次に、反応混合物をHOで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、標記化合物を固体として与えた。それをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
[B] 7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

磁気撹拌棒を備え、火炎乾燥させた50-mLのフラスコに、3−クロロ−N−(3−フルオロ−フェニル)−プロピオンアミド(10g、49.6mmol)及びAlCl(23.1g、173.6mmol)を入れた。LC−MSが反応が完了したことを示すまで、予熱した油浴上でフラスコを120〜125℃に2時間加熱した。室温に冷ました後、混合物を氷水でゆっくりと処理した。EtOAcでの抽出の後、合わせた有機物を水及びブラインで順次洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、白色の固体(7.63g、93.2%)を与えた。
[C] 7−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

DMF(200mL)中の7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(16.5g、0.1mol)の氷冷溶液に、カリウム tert−ブトキシド(22.4g、0.2mol)を2回に分けて加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、ヨウ化メチル(25.4g、0.18mol)を加えた。添加の後、反応混合物をゆっくりと室温に温まるにまかせ、室温で一晩撹拌した。次にそれをEtOAc(500mL)で希釈し、1N HCl水溶液200mLに注いだ。EtOAc(3×200mL)での抽出の後、合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗標記化合物を油状物(16.0g、89%)として与えた。それを更なる精製をせずに次の工程で使用した。
[D] 6−ブロモ−7−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

DMF(30mL)中の7−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(2.56g、0.014mol)とNBS(3.0g、0.017mol)との混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応溶液をHO(80mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3×100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、標記化合物(1.5g、42%)を白色の泡状物として与えた。MS: 258.0, 259.9 (M+H+).
[E] 7−フルオロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

中間体A−3[B]の調製について記載された手順と同様にして、酢酸カリウム及びPdCl(DPPF)−CHClの存在下、6−ブロモ−7−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)と反応させて、標記化合物を白色の固体として与えた。MS: 306.1 (M+H+).
中間体A−5
8−クロロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
[A] N−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−3−クロロ−プロピオンアミド
Figure 0006622300

DCM(200mL)中の4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミン(32g、0.15mol)及びピリジン(13.45g、0.17mol)の溶液に、3−クロロプロピオニルクロリド(21.65g、0.17mol)を15℃で滴下した。室温で1時間撹拌した後、混合物を水で、次に2N HCl水溶液で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(10.9g、90%)を白色の固体として与えた。
[B] 6−ブロモ−8−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

磁気撹拌棒を備え、火炎乾燥させた500-mLのフラスコに、N−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−3−クロロ−プロピオンアミド(29.7g、0.1mol)及び塩化アルミニウム(53.3g、0.4mol)を入れた。予熱した油浴中、フラスコを140℃に1時間加熱した。室温に冷ました後、混合物を氷水でゆっくりと処理し、EtOAcで抽出した。有機層を水及びブラインで順次洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。次に得られた残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(7.0g、27%)を白色の固体として与えた。
[C] 6−ブロモ−8−クロロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

DMF(100mL)中の6−ブロモ−8−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(7.0g、26.9mmol)の溶液を、カリウム tert−ブトキシド(6.0g、53.8mmol)で0℃にて少しずつ処理した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した後、ヨウ化メチル(5.0g、35.0mmol)を加えた。12時間の撹拌の後、反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を水及びブラインで順次洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去の後、粗生成物(3.3g、45%)を白色の固体として得た。
[D] 8−クロロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

ジオキサン(5mL)中の6−ブロモ−8−クロロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(0.23g、0.84mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.255g、1.01mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン−ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン錯体(1:1)(30.7mg、0.04mmol)及び酢酸カリウム(0.247g、2.52mmol)の混合物を、マイクロ波中80℃で一晩加熱した。EtOAcでの希釈の後、有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次に残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(0.17g、63%)を白色の固体として与えた。MS: 322.2 (M+H+).
中間体A−6
5−フルオロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
[A] 2−(ブロモメチル)−1−フルオロ−3−ニトロ−ベンゼン
Figure 0006622300

CCl(1500mL)中の1−フルオロ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼン(100g、0.64mol)及び過酸化ベンゾイル(BPO)(15g、64mmol)の撹拌した溶液に、NBS(127g、0.73mmol)を加えた。得られた反応混合物を80℃で12時間加熱還流した。TLC(PE:EA=20:1)が反応の完了を示した後、反応混合物を濃縮して、CClを除去した。残留物をDCM(500mL)で希釈し、ブライン(2×300mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗標記生成物(160g、80%)を与えた。それをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
[B] ジエチル2−[(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)メチル]プロパンジオアート
Figure 0006622300

DMF(500mL)中のNaH(26g、0.65mol)の撹拌した溶液に、DMF 200mL中のマロン酸ジエチル(106g、0.66mol)を0℃で加えた。それを0℃で30分間撹拌した後、DMF(600mL)中の2−(ブロモメチル)−1−フルオロ−3−ニトロ−ベンゼン(128g、0.55mol)の溶液を加えた。次に混合物を室温に温まるにまかせ、撹拌を3時間続けた後、飽和NHCl水溶液(500mL)の添加によりクエンチした。混合物をHO(2L)で希釈し、水層をEtOAc(3×800mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3×500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗標記生成物(180g、70%)を与えた。それを更なる精製をせずに次の工程で使用した。
[C] エチル 5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−3−カルボキシラート
Figure 0006622300

EtOH/HO(5:1、1200mL)中のジエチル 2−[(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)メチル]プロパンジオアート(126g、0.4mol)及びNHCl(103g、2.4mol)の撹拌した溶液に、鉄の粉末(67g、1.2mol)を80℃で少しずつ加えた。得られた混合物を80℃で2時間還流した。室温に冷ました後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗標記生成物(92g、50%)を与えた。MS: 238.1(M+H+). それをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
[D] 5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

AcOH(300mL)及びHCl(150mL)中のエチル5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−3−カルボキシラート(46g、0.19mol)の溶液を、90℃に1時間加熱した後、それを減圧下で濃縮した。飽和NaCO水溶液(500mL)を残留物に注意深く加え、次にそれをさらなるHO(1L)で希釈し、EtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(2×500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗標記生成物(28g、89.3%)を与えた。MS: 166.1(M+H+). それをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
[E] 5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

DMF(200mL)中のNaH(8.1g、0.20mol)の溶液に、DMF 100mL中の5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(28g、0.17mol)を0℃で加えた。得られた反応混合物を0℃で10分間撹拌した後、ヨウ化メチル(30g、0.21mmol)を加えた。添加の後、それを室温に温まるにまかせ、1時間撹拌した。次に反応物を飽和NHCl水溶液(200mL)の添加によりクエンチし、HO(1L)で希釈し、EtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3×500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗標記化合物(32g、80%)を与えた。MS: 180.1(M+H+). それを更なる精製をせずに次の工程で使用した。
[F] 6−ブロモ−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

DMF(300mL)中の5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(25.6g、0.14mol)の溶液に、NBS(30g、0.17mol)を加え、得られた反応混合物を室温で12時間撹拌した。それをHO(800mL)で希釈し、水層をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3×300mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗標記化合物(15g、42%)を与えた。MS: 256.1 及び 258.1 (M+H+).
[G] 5−フルオロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

フラスコに、6−ブロモ−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(14.5g、56mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(28g、113mmol)、酢酸カリウム(11g、113mmol)及びDMSO(300mL)を入れた。混合物をArでパージし、次にジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1:1)[PdCl(DPPF)−CHCl付加体](2.2g、2.8mmol)を加え、得られた混合物を80℃に3時間加熱した。反応混合物を濾過し、濾液を飽和NHCl水溶液(200mL)及びHO(1L)で希釈した。水層をEtOAc(3×200mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン(2×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発乾固させた。残留物を、0〜20%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の標記化合物(7.9g、46.5%)をオフホワイトの固体として与えた。MS: 306.0 (M+H+).
中間体A−7
5−クロロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
[A] 2−(ブロモメチル)−1−クロロ−3−ニトロ−ベンゼン
Figure 0006622300

四塩化炭素(300mL)中の1−クロロ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼン(25.0g、145.7mmol)、N−ブロモスクシンイミド(30.0g、16.8mmol)及び過酸化ベンゾイル(2.5g、10.4mmol)の溶液を、100℃に10時間加熱した。TLCが反応が完了したことを示した後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を黄色の油状物(40.0g、100%)として与えた。MS: 250.1 (M+H)+. それをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
[B] ジエチル2−[(2−クロロ−6−ニトロ−フェニル)メチル]プロパンジオアート
Figure 0006622300

DMF(550mL)中の2−(ブロモメチル)−1−クロロ−3−ニトロ−ベンゼン(50.0g、199.6mmol)、マロン酸ジエチル(40.0g、260.0mmol)及び炭酸セシウム(97.5g、300.0mmol)の溶液を、0℃で10分間、次に室温でさらに2時間撹拌した。反応物を1N HCl水溶液(300mL)によりクエンチし、水層をジエチルエーテル(3×500mL)で抽出した。濾過の後、有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗化合物を黄色の油状物(68.0g、100%)として与えた。MS: 330.1 (M+H)+. それをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
[C] 5−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

6N HCl水溶液(400mL)中のジエチル 2−[(2−クロロ−6−ニトロ−フェニル)メチル]プロパンジオアート(20g、61.9mmol)、塩化第一スズ二水和物(dehydrate)(100g、443.0mmol)の溶液を、130℃に5時間加熱した。反応混合物をDCM(4×200mL)で抽出し、ブラインで洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗標記化合物を黄色の固体(18.0g、80%)として与えた。MS: 181.9 (M+H)+.
[D] 5−クロロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

THF(200mL)中の5−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(16.0g、88.4mmol)、t−BuONa(16.0g、166.7mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(16.0g、140.4mmol)を0℃で滴下した。添加の後、反応混合物をゆっくりと室温に温め、一晩撹拌した。次にそれを飽和NaCl水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(200mL×3)で抽出し、無水NaSOで乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の標記化合物を淡黄色の固体(16.0g、82%)として与えた。MS: 196.1 (M+H)+.
[E] 6−ブロモ−5−クロロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

DMF(250mL)中の5−クロロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(15.2g、77.6mmol)の溶液に、ブロモスクシンイミド(15.2g、85.4mmol)を0℃で少しずつ加えた。添加の後、反応混合物を室温に温まるにまかせ、一晩撹拌した。反応物を水(500mL)で希釈し、ジエチルエーテル(4×200mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次に残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の標記化合物を茶色の固体(16.0g、75%)として与えた。MS: 274.9 (M+H)+.
[F] 5−クロロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
Figure 0006622300

脱気したジオキサン(100mL)及びDMSO(10mL)中の6−ブロモ−5−クロロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(5.0g、18.2mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(7.5g、29.5mmol)、PdCl(DPPF)−CHCl(1.0g、1.23mmol)、KOAc(6.0g、61.2mmol)の撹拌した溶液を、90℃に一晩加熱した。室温に冷ました後、反応混合物を濾過し、濾液をジエチルエーテルで希釈し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を与え、次にこれをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の標記化合物を白色の固体(2.8g、47%)として与えた。MS: 322.2(M+H)+.
中間体A−10
5−ヨード−4−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾール
Figure 0006622300
[A] 4−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾール
Figure 0006622300

0℃に冷却したDMF(20.0mL)中の1H−ピラゾール−4−オール塩酸塩(1.00g、8.3mmol)の溶液に、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.613g、1.66mmol)、鉱油中60%NaH(0.995g、24.9mmol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。次に、4−メトキシベンジルブロミド(1.67g、8.3mmol)を混合物に滴下し、撹拌を0℃で30分間続けた。反応混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)で処理し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、5%〜100%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(1.02g、60%)を無色の固体として与えた。MS: 205.1 (M+H+).
[B] 5−ヨード−4−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾール
Figure 0006622300

DMF(15mL)中の4−(4−メトキシベンジルオキシ)−1H−ピラゾール(1.02g、4.98mmol)の溶液に、N−ヨード−スクシンイミド(1.23g、5.48mmol)を加え、反応混合物60℃に2時間加熱した。混合物をHO(10mL)で処理し、EtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、10%〜60%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(1.11g、67.5%)を無色の無定形の固体として与えた。MS: 331.0 (M+H+).
中間体A−11
[3−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メタノール
Figure 0006622300
[A] エチル 3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート
Figure 0006622300

MeCN(40mL)中のエチル 3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(40g、0.258mol)の溶液に、亜硝酸イソペンチル(36g、0.31mol)及びCH(207g、0.774mol)を0℃で加えた。得られた混合物を0℃で20分間撹拌し、次に100℃に12時間加熱した。室温に冷ました後、混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水で希釈して、EtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を与え、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)により精製して、所望の標記化合物(40g、58%)を黄色の固体として与えた。MS: 267.1 (M+H+).
[B] エチル 3−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−カルボキシラート
Figure 0006622300

THF(500mL)中のエチル 3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(40g、150mmol)の溶液に、NaH(7.2g、180mmol)を0℃で少しずつ加えた。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した後、SEMCl(30g、180mmol)を滴下した。次に混合物を室温に温まるにまかせ、3時間撹拌した後、それを飽和NHCl水溶液(200mL)でクエンチし、EtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を与え、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)により精製して、所望の標記化合物(50g、84%)を白色の固体として与えた。MS: 397.1 (M+H+).
[C] [3−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メタノール
Figure 0006622300

THF(600mL)中のエチル 3−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−カルボキシラート(50g、126mmol)の撹拌した溶液に、DIBAL(379mL、379mmol)を−78℃で加え、得られた混合物を−78℃で3時間撹拌した後、室温に温め、飽和セニエット(Seignette)塩溶液(600mL)の添加によりクエンチした。HO(1L)での希釈の後、水層をEtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を与え、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)により精製して、所望の標記化合物(28g、63%)を黄色の油状物として与えた。MS: 355.1 (M+H+).
実施例1
4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル
Figure 0006622300

EtOH(2mL)中の4−[(Z及び/又はE)−2−(ジメチルアミノ)−1−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−カルボニル)ビニルオキシ]ベンゾニトリル(中間体A−1)(0.075g、0.2mmol)の溶液に、ヒドラジン一水和物(0.011g、0.22mmol)を、続いてジオキサン中の4M HCl溶液(0.05ml、0.2mmol)を加え、次に反応混合物を80℃に一晩加熱した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を、0〜5%MeOH−ジクロロメタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.051g、71%)を明黄色の固体として与えた。MS: 345.4 (M+H+).
表1に列挙される以下の実施例を、中間体A−1及び実施例1の調製について記載された手順と同様にして、6−(2−ブロモアセチル)−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン及び適切なフェノールから調製した:
Figure 0006622300

Figure 0006622300

Figure 0006622300
実施例10
1−メチル−6−[4−(3−メチルスルホニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

水(1mL)中の重炭酸ナトリウム(0.101g、1.2mmol)を、0℃(氷浴)で、アセトン(1mL)中の1−メチル−6−[4−(3−メチルスルファニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(実施例9)(0.055g、0.150mmol)の溶液に加えた。水(1.5mL)中のオキソン(0.13g、0.211mmol)の溶液を、温度を5℃未満に保持しながら、混合物に滴下し、撹拌をこの温度で30分間、次に室温で1時間続けた。混合物を40%重亜硫酸ナトリウム溶液(2mL)の添加により0℃でクエンチした。得られた懸濁液をEtOAcで希釈し、25%HCl水溶液で酸性化して、得られた水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を分取HPLC(Gemini NX 3u カラム、1%ギ酸水溶液/アセトニトリルの勾配)により精製して、標記化合物(0.03g、48%)を黄色の無定形の固体として与えた。MS: 398.5 (M+H+).
実施例11
1−メチル−6−[4−(4−メチルスルホニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

実施例10に記載されている手順と同様にして、1−メチル−6−[4−(4−メチルスルファニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(実施例8)をオキソンで酸化させて、標記化合物を無色の無定形の固体として与えた。MS: 398.6 (M+H+).
実施例12
1−メチル−6−[4−(2−メチルスルファニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

MeOH(1mL)中の(rac)−1−メチル−6−[4−(2−メチルスルファニルエトキシメチル)−1−テトラヒドロピラン−2−イル−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(中間体A−2)(0.015g、0.036mmol)の溶液に、ジオキサン中の4M HCl溶液(0.045ml、0.18mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を飽和NaHCO溶液(1mL)で処理し、次にEtOAc(2×5mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させて、標記化合物(0.012g、97%)を明茶色の無定形の固体として与えた。MS: 332.2 (M+H+).
実施例13
(rac)−1−メチル−6−[4−(1−メチルスルファニルプロパン−2−イルオキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

実施例12に記載されている手順と同様にして、1−メチル−6−[4−[(1−メチル−2−メチルスルファニル−エトキシ)メチル]−1−テトラヒドロピラン−2−イル−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(2つのラセミ化されたジアステレオマーとして)(中間体A−2[D〜E]の調製について記載された手順と同様にして、(rac)−4−(クロロメチル)−3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール(中間体A−2[C])及び(rac)−1−メチルスルファニルプロパン−2−オールから調製した)を、酸で処理して、標記化合物を無色の油状物として与えた。MS: 346.2 (M+H+).
実施例14
1−メチル−6−[4−(2−メチルスルホニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

実施例10に記載されている手順と同様にして、1−メチル−6−[4−(2−メチルスルファニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(実施例12)を、オキソンで酸化させて、標記化合物をオフホワイトの無定形の固体として与えた。MS: 364.2 (M+H+).
実施例15
6−[4−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾール−3−イル]−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

DMF(4mL)中の5−ヨード−4−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾール(中間体A−10)(0.4g、1.21mmol)の溶液に、1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(0.348g、1.21mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(0.085g、0.121mmol)及び1M NaCO水溶液(3.64mL、3.64mmol)を加えた。次に反応混合物を、マイクロ波照射下で120℃に1時間加熱した。混合物を飽和NaHCO水溶液(2mL)に注ぎ、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、10〜100%EtOAc−ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.14g、30%)を明黄色の固体として与えた。MS: 364.2 (M+H+).
実施例65
6−[4−[[1−(3−クロロピリジン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1H−ピラゾール−3−イル]−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
[A] 2−[[4−(ブロモメチル)−3−ヨード−ピラゾール−1−イル]メトキシ]エチル−トリメチル−シラン
Figure 0006622300

DCM(30mL)中の[3−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メタノール(2g、5.6mmol、中間体A−11])の撹拌した溶液に、PBr(750mg、2.8mmol)を0℃で滴下して、撹拌を1時間続けた。次に反応物を飽和NaHCO水溶液(20mL)でクエンチし、HO(50mL)で希釈して、DCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(2×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物(1.2g、41%)を与えた。MS: 417.1 (M+H+). それをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
[B] tert−ブチル 3−[[3−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メトキシ]アゼチジン−1−カルボキシラート
Figure 0006622300

THF(20mL)中のNaH(110mg、2.8mmol)の溶液に、tert−ブチル 3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシラート(485mg、2.8mmol)を0℃で加え、それを30分間撹拌した後、2−[[4−(ブロモメチル)−3−ヨード−ピラゾール−1−イル]メトキシ]エチル−トリメチル−シラン(1.2g、2.3mmol)を加えた。得られた混合物を室温に温まるにまかせ、一晩撹拌した。次に反応物を飽和NHCl水溶液(30mL)でクエンチし、HO(80mL)で希釈して、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(2×30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を与え、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)により精製して、所望の標記化合物(0.8g、68%)を黄色の油状物として与えた。MS: 510.1 (M+H+).
[C] tert−ブチル 3−[[3−(5−フルオロ−1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メトキシ]アゼチジン−1−カルボキシラート
Figure 0006622300

ジオキサン/HO(15:1、32mL)中のtert−ブチル 3−[[3−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メトキシ]アゼチジン−1−カルボキシラート(800mg、1.57mmol)、CsCO(1g、3.1mmol)及び5−フルオロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(478mg、1.57mmol)(中間体A−6)の溶液に、N下、PdCl(DPPF)(110mg、0.15mmol)を加えた。得られた溶液を80℃に3時間加熱した。室温に冷ました後、反応物を飽和NHCl水溶液(40mL)でクエンチし、HO(50mL)で希釈して、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(2×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を与え、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH=40:1)により精製して、所望の標記化合物(680mg、77%)を黄色の油状物として与えた。MS: 561.2 (M+H+).
[D] 6−[4−(アゼチジン−3−イルオキシメチル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−3−イル]−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

EtOAc(10mL)中のtert−ブチル 3−[[3−(5−フルオロ−1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−4−イル]メトキシ]アゼチジン−1−カルボキシラート(680mg、1.2mmol)の溶液に、EtOAc(5mL)中の4M HClを室温で加えた。反応混合物を30分間撹拌した後、それを減圧下で濃縮して、粗生成物(560mg、93%)を与えた。MS: 461.2 (M+H+). それをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
[E] 6−[4−[[1−(3−クロロピリジン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−3−イル]−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

DCM(15mL)中の6−[4−(アゼチジン−3−イルオキシメチル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−ピラゾール−3−イル]−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(200mg、0.43mmol)、EDCI(100mg、0.52mmol)及びHOBT(70mg、0.52mmol)の溶液に、3−クロロピリジン−2−カルボン酸(67mg、0.43mmol)及びDIPEA(110mg、0.86mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した後、それを飽和NHCl水溶液(20mL)でクエンチし、HO(50mL)で希釈して、DCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(2×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を与えて、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH=40:1)により精製して、所望の標記化合物(100mg、42%)を黄色の油状物として与えた。MS: 600.2 (M+H+).
[F] 6−[4−[[1−(3−クロロピリジン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1H−ピラゾール−3−イル]−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

TFA(10mL)中の6−[4−[[1−(3−クロロピリジン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−3−イル]−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(100mg、0.17mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO水溶液(30mL)でクエンチし、HO(50mL)で希釈して、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(2×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を与え、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH=40:1)により精製して、所望の標記化合物(35mg、45%)を黄色の油状物として与えた。MS: 470.1 (M+H+).
実施例66
5−フルオロ−1−メチル−6−[4−[[1−(1−メチルピラゾール−4−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
[A] 5−フルオロ−1−メチル−6−[4−[[1−(1−メチルピラゾール−4−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300
実施例65[E]の合成について記載された手順と同様にして、1−メチル−ピラゾール−4−カルボン酸を用いて、所望の標記化合物(120mg、35%)を黄色の油状物として与えた。MS: 569.2 (M+H+).
[B] 5−フルオロ−1−メチル−6−[4−[[1−(1−メチルピラゾール−4−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
Figure 0006622300

実施例65[F]の合成について記載された手順と同様にして、5−フルオロ−1−メチル−6−[4−[[1−(1−メチルピラゾール−4−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オンを用いて、所望の標記化合物(43mg、47%)を黄色の油状物として与えた。MS: 439.2 (M+H+).
実施例A
式(I)の化合物は、それ自体公知のやり方で、以下の組成の錠剤の製造のための活性成分として使用することができる:
1錠当たり
活性成分 200mg
微晶質セルロース 155mg
トウモロコシデンプン 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
実施例B
式(I)の化合物は、それ自体公知のやり方で、以下の組成のカプセル剤の製造のための活性成分として使用することができる:
1カプセル当たり
活性成分 100.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
乳糖 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg

Claims (19)

  1. 式(I):
    Figure 0006622300

    [式中、
    、R、R、R及びRは、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル及びハロシクロアルキルより独立に選択され;
    、R及びRは、H、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル及びハロシクロアルキルより独立に選択され;
    は、アルキルスルファニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、又は基A:
    Figure 0006622300

    であり、ここで、置換アリール、置換アリールアルキル、置換ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールアルキルは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、シアノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルホニル及びハロアルキルスルホニルより選択される1〜3個の置換基で置換されており:
    10は、ピラゾリル、置換ピラゾリル、ピリジニル又は置換ピリジニルであり、ここで、置換ピラゾリル及び置換ピリジニルは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、シクロアルキル及びハロシクロアルキルより選択される1〜3個の置換基で置換されており;
    15は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はハロシクロアルキルであり;
    16及びR17は、H、アルキル及びシクロアルキルより独立に選択され;
    nは、0又は1である]で示される化合物及びその薬学的に許容し得る塩。
  2. が、アルキルである、請求項1記載の化合物。
  3. 、R、R及びRが、Hである、請求項1及び2のいずれか一項記載の化合物。
  4. 及びRが、Hである、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
  5. が、H又はハロゲンである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
  6. が、Hである、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
  7. 15が、Hである、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
  8. 16及びR17が、Hである、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
  9. nが0である、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
  10. が、アルキルスルファニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、置換アリール、置換アリールアルキル又は基Aであり、ここで、置換アリール及び置換アリールアルキルは、アルキル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、アルキルスルファニル及びアルキルスルホニルより選択される1〜3個の置換基で置換されている、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物。
  11. 10が、1個のアルキルで置換されているピラゾリル又は1個のハロゲンで置換されているピリジニルである、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
  12. が、アルキル、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、アルキルスルファニル及びアルキルスルホニルより選択される1〜3個の置換基で置換されているアリールである、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
  13. 下記:
    4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
    6−[4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    3−メトキシ−4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
    3−クロロ−4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
    2−フルオロ−4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
    2−クロロ−4−[[5−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ]ベンゾニトリル;
    6−[4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    1−メチル−6−[4−(4−メチルスルファニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    1−メチル−6−[4−(3−メチルスルファニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    1−メチル−6−[4−(3−メチルスルホニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    1−メチル−6−[4−(4−メチルスルホニルフェノキシ)−1H−ピラゾール−5−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    1−メチル−6−[4−(2−メチルスルファニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    (rac)−1−メチル−6−[4−(1−メチルスルファニルプロパン−2−イルオキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    1−メチル−6−[4−(2−メチルスルホニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    6−[4−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾール−3−イル]−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    6−[4−[[1−(3−クロロピリジン−2−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1H−ピラゾール−3−イル]−5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン;
    5−フルオロ−1−メチル−6−[4−[[1−(1−メチルピラゾール−4−カルボニル)アゼチジン−3−イル]オキシメチル]−1H−ピラゾール−3−イル]−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン
    より選択される請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物及びその薬学的に許容され得る塩。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物の製造方法であって、ヒドラジン水和物の存在下、式(II):
    Figure 0006622300

    [式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R15、R16、R17は、請求項1〜13のいずれか一項に定義されているとおりであり、そしてnは、0である]で示される化合物の反応を含む、製造方法。
  15. 治療活性物質としての使用のための、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
  16. 請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物及び治療上不活性な担体を含む、医薬組成物。
  17. 慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防のための、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
  18. 慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防用の医薬の製造のための、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物の使用。
  19. 慢性腎疾患、うっ血性心不全、高血圧、原発性アルドステロン症及びクッシング症候群の治療又は予防のための、請求項16記載の医薬組成物
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