JP6621918B2 - 電動送風機、電気掃除機およびハンドドライヤー - Google Patents

Description

この発明は、電動送風機、電気掃除機およびハンドドライヤーに関する。

従来、電気掃除機やハンドドライヤーに用いられる電動送風機が知られている。たとえば、特開２００４−０４４４７３号公報（特許文献１）においては、曲面状の表面部分を含む円錐状のハブと、ハブ上の円周方向に複数配置される主羽根と、主羽根の間に配置された中間羽根とが連結された遠心羽根車を備えた電動送風機が開示されている。当該電動送風機では、中間羽根の軸方向高さは主羽根の軸方向高さより低くなっている。また、当該電動送風機では、高効率化のため、中間羽根の内周側縁部を上流側へ傾斜させ、主羽根からの二次流れの下流方向成分を大きくしている。このような構成とすることにより、上記特許文献１では、内部損失を低減できるとしている。

特開２００４−０４４４７３号公報

近年、電気掃除機やハンドドライヤーなどの電気機器は小型軽量化の要望が強くなっている。そのため、電気掃除機等に使用される個々の部品の小型軽量化が必要となっている。このような部品の１つである電動送風機についても、遠心羽根車の外径をより小さくすることが求められている。

小径の遠心羽根車において、高効率化のため、中間羽根を導入する場合がある。このように中間羽根を配置した場合、羽根の枚数が増加することで、翼間風路における低風量側では遠心羽根車内部の空気の流れが改善され、効率が向上する。一方、高風量側では、中間羽根の設置により羽根間の風路面積が減少することにより、風路内圧力損失が増大し、結果的に電動送風機全体の効率が低下するという課題があった。

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、遠心羽根車に中間羽根を設けた構成において、高風量側での風路内圧力損失を低減し、高効率な電動送風機およびそれを搭載した電気掃除機ならびにハンドドライヤーを提供することである。

この発明に従った電動送風機は、遠心羽根車と、電動部と、ファンカバーとを備える。遠心羽根車は、ハブと、複数の動翼とを含む。電動部は、遠心羽根車を回転させる。ハブは、平面視において外形が円形状である。ハブは、遠心羽根車の回転軸方向に突出した中央部と、中央部からハブの外周部に向けて傾斜した表面部分とを含む。複数の動翼は、第１動翼と第２動翼とを含む。第１動翼はハブの表面部分に連結される。第２動翼は、ハブの円周方向において第１動翼と間隔を隔てて設けられ、表面部分に連結される。ファンカバーは、遠心羽根車を内包するように、遠心羽根車の回転軸方向において複数の動翼より外側に設置される。第１動翼および第２動翼のそれぞれは、ハブの表面部分に連結された下縁部と、ファンカバーに面する上縁部と、上縁部と下縁部とを繋ぐ内周側縁部とを含む。表面部分に沿った方向において、第２動翼の内周側縁部からハブの外周部までの距離は、第１動翼の内周側縁部からハブの外周部までの距離より短い。第２動翼の内周側縁部は、下縁部に繋がる第１部分と、上縁部に繋がる第２部分と、第３部分とを含む。第３部分は、第１部分と第２部分との間に配置され、第１部分および第２部分より中央部側に突出している。表面部分に沿った方向において、第１部分、第２部分および第３部分のうち、第１部分がハブの外周部に最も近い位置に配置されている。

この発明に従った電動送風機では、遠心羽根車に設けられた中間羽根としての第２動翼の内周側縁部について、ハブの表面部分に沿った方向において、ハブの表面部分側に位置する第１部分が、第２部分および第３部分よりもハブの外周部側に配置されている。そのため、特に主羽根としての第１動翼の内周側（空気の取り込み口側）において、第１部分が第２部分および第３部分よりハブの中央部側に位置する場合より、第１動翼の間の風路の面積の減少を抑制できる。このため、特に高風量側での風路内圧力損失を低減できる。この結果、高効率な電動送風機を得ることができる。

本実施形態に係る電動送風機の断面模式図である。 図１に示した電動送風機の遠心羽根車を示す斜視模式図である。 図１に示した電動送風機の部分断面模式図である。 図１に示した電動送風機の部分拡大断面模式図である。 図３の線分Ａ−Ａ断面における遠心羽根車での軸方向速度分布を示す模式図である。 本実施形態に係る電気掃除機を示す模式図である。 本実施形態に係るハンドドライヤーの斜視模式図である。 図７に示したハンドドライヤーの断面模式図である。

以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。

＜本実施形態に係る電動送風機の構成＞
図１〜図４に示す電動送風機は、本実施形態に係る電動送風機であって、電気掃除機やハンドドライヤーなどの電気機器に用いられる。図１は本発明の実施形態に係る電動送風機の鉛直方向の断面模式図である。図１において、矢印は空気の流れを示している。図２は、図１に示した電動送風機の遠心羽根車を示し斜視模式図である。図３は、図１に示した電動送風機の一部を示す鉛直方向の部分断面模式図である。図４は、図１に示した電動送風機を構成する遠心羽根車の一部を示す鉛直方向の部分拡大断面模式図である。

図１〜図４に示すように、本発明の実施形態に係る電動送風機は、遠心羽根車１１と、電動部９と、ファンカバー１６とを備える。遠心羽根車１１は、ハブ２３と、複数の動翼とを含む。電動部９は、シャフト１０を介して遠心羽根車１１を回転させる。ハブ２３は、平面形状の外形が円形状である。ハブ２３は、遠心羽根車１１の回転軸方向に突出した中央部３０と、中央部３０から外周部に向けて傾斜した表面部分３１とを含む。複数の動翼は、主羽根としての少なくとも１つの第１動翼２４と、中間羽根としての少なくとも１つの第２動翼２５とを含む。図１〜図４では、第１動翼２４および第２動翼２５はそれぞれ複数形成されている。複数の第１動翼２４は、ハブ２３の円周方向に互いに間隔を隔てて設けられ、ハブ２３の表面部分３１に連結される。複数の第２動翼２５は、複数の第１動翼２４の間に設けられ、表面部分３１に連結される。つまり、第２動翼２５は、ハブ２３の円周方向において第１動翼２４と間隔を隔てて設けられている。複数の第２動翼２５は、ハブ２３の円周方向において複数の第１動翼２４と交互に設けられている。異なる観点から言えば、遠心羽根車１１は、実質的に円錐状のハブ２３と、第１動翼２４と第２動翼２５とを含む。第１動翼２４は、円周方向に複数設けられ、ハブ２３と連結する。第２動翼２５は、第１動翼２４の間においてハブ２３と連結するように設けられる。第２動翼２５は、軸方向高さが主羽根（第１動翼２４）より低い中間羽根である。

複数の第１動翼２４および複数の第２動翼２５のそれぞれは、ハブ２３の表面部分３１に連結された下縁部３４，３５をと、ファンカバー１６に面する上縁部４４，４５と、上縁部４４，４５と下縁部３４，３５とを繋ぐ内周側縁部５４，５５とを含む。表面部分３１に沿った方向において、第２動翼２５の内周側縁部５５からハブ２３の外周部までの距離は、第１動翼２４の内周側縁部５４からハブ２３の外周部までの距離より短い。複数の第１動翼２４の各々の下縁部３４の長さは、複数の第２動翼２５の各々の下縁部３５の長さより長い。ファンカバー１６は、遠心羽根車１１およびディフューザ１５の静翼１２を内包するように、遠心羽根車１１の回転軸方向において動翼（第１動翼２４および第２動翼２５）より外側に設置される。ファンカバー１６の中央部には、遠心羽根車１１の吸込口１７に対向する位置に、開口部を規定するベルマウス１８が設けられている。

電動送風機６の側面には、ファンカバー１６と連結し、戻り静翼１３を内包するブラケット１９が設けられている。また、ブラケット１９の下方には、ブラケット１９に連結し、電動部９を内包するモータフレーム２０が設けられている。モータフレーム２０には、遠心羽根車１１、ディフューザ１５、電動部９を通過した空気が吐出される吐出孔２２が数箇所設けられている。

ファンカバー１６とディフューザ１５の間には、静翼１２から戻り静翼１３側への流路となる隙間２１が設けられている。ディフューザ１５は、静翼１２と戻り静翼１３とを連結する主板１４を有する。

複数の第２動翼２５の内周側縁部５５は、下縁部３５に繋がる第１部分２６と、上縁部４５に繋がる第２部分２７と、第３部分２８とを含む。第３部分２８は、第１部分２６と第２部分２７との間に配置される。第３部分２８は、内周側縁部５５において中央部３０側に最も突出している。異なる観点から言えば、第３部分２８は第１部分２６および第２部分２７より中央部３０側に突出している。表面部分３１に沿った方向において、第１部分２６は、第１部分２６、第２部分２７および第３部分２８のうちでハブ２３の外周部に最も近い位置に配置されている。また、異なる観点から言えば、第１部分２６は、第２部分２７および第３部分２８よりも、図１の矢印で示される空気の流れ方向における下流側に設けられている。

また、異なる観点から言えば、上記第２動翼２５の内周側縁部５５の形状は、以下のように特定できる。すなわち、図４に示すように、第２部分２７からハブ２３の表面部分３１に向けて延びる垂線４１を考えたときに、当該垂線４１と表面部分３１との交点を点５１とする。また、第３部分２８からハブ２３の表面部分３１に向けて延びる垂線４２を考えたときに、当該垂線４２と表面部分３１との交点を点５２とする。この場合、図４に示すように、第１部分２６は、点５１および点５２よりハブ２３の外周側に位置している。

上記電動送風機６では、図４に示すように、遠心羽根車１１の回転軸に対して垂直な方向において、第３部分２８から表面部分３１までの距離Ｌ１が、第２部分２７から表面部分３１までの距離Ｌの０．７倍以上０．８倍以下であってもよい。上記距離Ｌ１は、より好ましくは距離Ｌの０．７５倍である。ここで、図４に示すように、第３部分２８から回転軸に対して垂直な線分を引き、当該線分と表面部分３１との交点である点５３を考える。点５３と第３部分２８との間の距離が上記距離Ｌ１である。また、第２部分２７から回転軸に対して垂直な線分を引き、当該線分と表面部分３１との交点を考える。当該交点と第２部分２７との間の距離が上記距離Ｌである。

上記電動送風機６において、図３および図４に示すように、第１部分２６と第３部分２８とを結ぶ線分が、回転軸に対して垂直な面となす角度αは９０°未満である。すなわち、図４に示すように、点５３と第３部分２８とを結ぶ線分と、第１部分２６と第３部分２８とを結ぶ線分とのなす角度αが９０°未満である。また、上記電動送風機６では、図３に示すように、回転軸に対して垂直な径方向において、複数の第１動翼２４の最外周部は、複数の第２動翼２５の最外周部より外側に位置する。また、異なる観点から言えば、図３に示すように、第２動翼２５の外径φｓは、第１動翼２４の外径をφｍとの関係において、φｓ＜φｍを満たすように設けられている。

＜電動送風機の作用効果＞
たとえば小径化が求められる電動送風機６において、遠心羽根車１１に中間羽根としての第２動翼２５を適用した場合、風路の低風量側では遠心羽根車１１内部の空気の流れが改善され、効率が向上する。一方、動翼の枚数が増加することにより、特にハブ２３側の動翼間の距離が狭くなる。このため、動翼間の風路面積が減少する。それに伴い、風路の高風量側では風路内圧力損失が増大し、効率が低下する場合がある。しかし、本実施形態の中間羽根としての第２動翼２５の内周側縁部５５（前縁）では、第一の前縁としての第１部分２６が、第二の前縁としての第２部分２７および第三の前縁としての第３部分２８よりも空気の流れ方向における下流側に設けられている。このため、ハブ２３側の翼間の距離が狭まる領域を相対的に小さくすることができる。この結果、特に動翼の内周側において翼間風路面積の減少が抑制されるため、第２動翼２５の第２部分２７側で空気を効率的に送風でき、風路内圧力損失が低い高効率な電動送風機を得ることができる。

また、上記のように第３部分２８から表面部分３１までの距離Ｌ１が、第２部分２７から表面部分３１までの距離Ｌの０．７倍以上０．８倍以下となっているので、第２動翼２５の内周側縁部が存在せずに翼間風路面積が減少しない領域を十分大きくできる。このため、風路内の圧力損失を確実に低減できる。

たとえば、図５は、遠心羽根車１１の入り口側における軸方向速度分布を示す模式図である。図５は、図３の線分Ａ−Ａにおける断面での軸方向速度分布を示す。ここで、軸方向速度と風路水平断面積を乗じたものが動翼間の通過風量である。図５から、外周側の通過風量が多いことがわかる。そして、本実施形態に係る電動送風機６では、上述のように内周側での動翼間の風路面積を維持している。一方、通過風量の多い外周側箇所では、内周側よりも流れ方向上流側に第２動翼２５の第２部分２７および第３部分２８を設けている。このため、動翼間内の空気の流れを遠心羽根車１１出口に効率的に導くことができるため、高風量側において動翼間の風路内圧力損失を低くでき、結果的に高効率な電動送風機６を得ることができる。

また、上記電動送風機６では、図３および図４に示すように第２動翼２５における内周側縁部での角度αを９０°未満としているので、第２動翼２５とハブ２３との接続部の面積を十分に確保できる。このため、第２動翼２５に高負荷がかかったとしても、ハブ２３と第２動翼２５との接続部が破損するといった問題の発生を抑制できる。この結果、長期間に渡り稼働できる高効率な電動送風機を得ることができる。

ここで、一般的に、電動送風機６を運転した際の騒音の主要因として、遠心羽根車１１からの吹出し流れと遠心羽根車１１の外周に設けられる静翼１２とが干渉して発生する、動静翼干渉騒音が存在する。遠心羽根車１１に中間羽根としての第２動翼２５を適用した場合、動翼の枚数が増加し、動静翼干渉騒音も増大する。しかし、本実施形態の遠心羽根車１１は、第２動翼２５の外径φｓが主羽根としての第１動翼２４の外径φｍよりも小径であるため、動静翼干渉騒音を低減することができる。このため、低騒音な電動送風機６を得ることができる。

＜本実施形態に係る電気掃除機の構成＞
図６は本発明の実施形態に係る電気掃除機の模式図である。図６において、本電気掃除機は、電気掃除機本体１と、吸込具４と、集塵部５と、上述した電動送風機６とを備える。電気掃除機本体１には排出口７が設けられている。吸込具４は、電気掃除機本体１と管路としてのホース２および延長パイプ３で連結され、被清掃部の空気を吸引する。ホース２は電気掃除機本体１に接続される。延長パイプ３は、ホース２の先端側に接続される。吸込具４は延長パイプ３の先端部に接続される。

集塵部５は、電気掃除機本体１内部に設けられ、吸込具４と連通し、吸引した空気の塵を収納する。電動送風機６は、電気掃除機本体１内部に設けられ、吸込具４から集塵部５へと空気を吸引する。電動送風機６は、上述した本発明の実施形態に係る電動送風機である。排出口７は、電気掃除機本体１の後部に設けられ、集塵部５で集塵された後の空気を電気掃除機本体１の外へ排出する。

電気掃除機本体１の側部には、走行方向後側に後部車輪８が配置されている。電気掃除機本体１の下部には、走行方向前側に前部車輪（図示せず）が設けられている。

＜本実施形態に係る電気掃除機の動作および作用効果＞
次に電気掃除機の動作について説明する。

上述のように構成された電気掃除機は、電動送風機６の電動部９（図１参照）に電力が供給されると、シャフト１０（図１参照）が回転する。図１に示すように、このシャフト１０が回転することにより、シャフト１０に固定された遠心羽根車１１が回転し、吸込口１７から空気を吸引する。これにより、図６に示す電気掃除機本体１に連結されたホース２、延長パイプ３、吸込具４を通じて、被清掃面の空気が電気掃除機本体１に吸引される。電気掃除機本体１に吸引された空気は、集塵部５において集塵される。

その後、集塵部５から排出された空気は、図１に示すように、電動送風機６のベルマウス１８を通り、遠心羽根車１１の吸込口１７から吸引される。遠心羽根車１１に吸引された空気は、遠心羽根車１１により昇圧、増速され、旋回しながら径方向外側へ向かう。遠心羽根車１１から吐出された空気の大部分は、ディフューザ１５の静翼１２の翼間で減速、昇圧される。その後、空気はディフューザ１５とファンカバー１６の隙間２１を通る。さらに、空気は戻り静翼１３により電動部９側に導かれ、電動部９を冷却する。その後、モータフレーム２０に設けられた吐出孔２２から電動送風機の外側へ空気は排出される。そして、図６に示す掃除機本体１に設けられた排出口７から電気掃除機本体１の外側へ空気が排出される。

上述した電気掃除機では、上述した本実施形態に係る電動送風機６を用いているので、動翼間の風路内圧力損失を低くでき、結果的に高効率かつ長寿命な電気掃除機を得ることができる。

なお、本実施形態の電動送風機６については、電気掃除機本体１にホース２、延長パイプ３が連結されたキャニスタ―タイプの電気掃除機に搭載される場合を説明したが、他のタイプの電気掃除機にも適用可能である。たとえば、電気掃除機本体に延長パイプが接続されたコードレスタイプの電気掃除機、あるいはスティックタイプの電気掃除機にも上述した電動送風機６を適用することができる。

＜本実施形態に係るハンドドライヤーの構成および作用効果＞
図７および図８に示した、本実施形態に係るハンドドライヤーは、本体としてのケーシング１０６、手挿入部１０２、水受け部１０３、ドレン容器１０４、透光窓１０７、および吸気口１０８を備える。ハンドドライヤーでは、ケーシング１０６内に電動送風機６を有する。ハンドドライヤーでは、水受け部１０３の上部にある手挿入部１０２に手を挿入することで、電動送風機６による送風で水を手から吹き飛ばす。吹き飛ばされた水は、水受け部１０３からドレン容器１０４へと貯留される。

図７および図８に示すように、ハンドドライヤーの外殻をなすケーシング１０６は、正面に手挿入口を有する。ケーシング１０６は、手挿入口に続く処理空間として手挿入部１０２を備えている。手挿入部１０２には使用者が手を挿入可能である。手挿入部１０２は、ケーシング１０６の正面下部に、正面と両側面が開放した開放シンク状の凹部として形成されている。手挿入部１０２の下部を形成するように水受け部１０３が配置されている。図８に示すように、水受け部１０３の底部は前方に向かって下傾していて、その傾斜下端に排水口１２６が設けられている。水受け部１０３の下方には排水口１２６から滴下する水を貯留するドレン容器１０４が抜き差し自在に設けられている。手挿入部１０２の上部には、手挿入部１０２に向かって下方に高速空気を吹き出すノズル１１２が設けられている。

手挿入部１０２の上方でケーシング１０６と背面側のハンドドライヤーの外殻をなすベース１２８とで構成された箱体状の空間内には、整流子モータである交流モータ（ＡＣモータ）である電動部９と、電動部９の回転軸に固定され回転する遠心羽根車１１であるターボファンとを備えた電動送風機６が配置されている。この電動送風機６はたとえば外部から供給される電力、あるいはケーシング１０６内部に配置されたバッテリーなどの電源からの電力により駆動される。また、当該箱体状の空間内には、電動送風機６の吸気側とケーシング１０６の側面に設けられた吸気口１０８とを連通する吸気風路１２１と、電動送風機６の排気側とノズル１１２とを連通する排気風路１２３とが設けられている。

排気風路１２３の途中でノズル１１２より上流側近傍には電動送風機６から送られてくる空気を加熱して温風化させるヒータ１１１が設けられている。吹出口としてのノズル１１２より背面側でケーシング１０６の内には、手検知センサ１３６および照明用ＬＥＤ１３８を備えた回路基板が設けられている。手検知センサ１３６の発光方向および受光方向、並びに照明用ＬＥＤ１３８の発光方向はいずれも手挿入部１０２に向って設けられている。手挿入部１０２の上面のケーシング１０６の一部に設けられた可視光や赤外線を透す透光窓を通して、手検知センサ１３６は手挿入部１０２の手の有無を検知する。手挿入部１０２に手が挿入されたことが検出されると、照明手段としての照明用ＬＥＤ１３８は手挿入部１０２を照らし明るくする。

また、ケーシング１０６の正面付近で、ケーシング１０６の内には、制御回路１５０、電源が入ってスタンバイ状態で通電中あることを点灯で示す通電用表示手段としての通電用ＬＥＤ１３９、および照明用ＬＥＤ１３８と通電用ＬＥＤ１３９の点灯のＯＮ／ＯＦＦをそれぞれ独立に切り替えることができる切替手段としての切替スイッチを備えた回路基板１４０が設けられている。通電用ＬＥＤ１３９の発光方向および切替スイッチの操作面は正面側に向って設けられている。また、通電用ＬＥＤ１３９の光がケーシング１０６の外から視認できるように、ケーシング１０６に透光窓１０７が設けられている。

＜本実施形態に係るハンドドライヤーの動作＞
次に手を乾燥させる使用時の動作について説明する。ハンドドライヤーとしての電気機器の電源スイッチをＯＮにすると、ケーシング１０６内に配置された制御回路１５０などに通電され、手乾燥できる使用可能状態（以下、待機状態とする）となる。また電源が制御回路１５０に通電されると、切替スイッチの照明用ＬＥＤ１３８の切替がＯＮの場合には照明用ＬＥＤ１３８が点灯し、また切替スイッチの通電用ＬＥＤ１３９の切替がＯＮの場合には通電用ＬＥＤ１３９が点灯する。そして、使用者が濡れた手を手挿入口から手挿入部１０２内に手首付近まで入れると、手検知センサ１３６によって手の挿入が検知される。その結果、制御回路１５０により電動送風機が作動する。

電動送風機６が作動すると、ハンドドライヤーの外の空気がケーシング１０６の両側面に設けられた吸気口１０８から吸い込まれる。吸気口１０８から吸い込まれた空気は、吸気風路１２１を通り、電動送風機６の上方を通って背面側に向かう。そして、当該空気は下方に移動して電動送風機６の吸込側から吸い込まれる。電動送風機６は吸気側から吸い込んだ空気を排気側から高圧空気に変換して排気する。排気された高圧空気は排気風路１２３を通りノズル１１２に到達し、高い運動エネルギーを持つ高速空気流に変換される。高速空気流は手挿入部１０２内に下方に向かってノズル１１２から吹き出される。ノズル１１２から吹き出された高速空気流は、手挿入部１０２に挿入されている濡れた手に当り、手に付着した水分を手の表面から剥離して吹き飛ばす。このようにして、手を乾燥させることができる。なお、ケーシング１０６内に設けられたヒータスイッチ（図示せず）をＯＮにしている場合には、ヒータ１１１が通電され排気風路１２３を通る高圧空気が加熱される。このため、ノズル１１２からは温風が吹き出され冬場などにおいても使用者の使用感を良好に保つことができる。

手の乾燥処理終了後、手を手挿入部１０２から抜き出すと、手が抜かれたことを手検知センサ１３６が検知し、電動送風機が停止する。手から吹き飛ばされた水滴は、前傾構造の水受け部１０３において排水口１２６に向かって流下し、排水口１２６からドレン容器１０４に収容される。

上述したハンドドライヤーでは、上述した本実施形態に係る電動送風機６を用いているので、動翼間の風路内圧力損失を低くでき、結果的に高効率かつ長寿命なハンドドライヤーを得ることができる。

以上のように本発明の実施の形態について説明を行ったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。

本発明は、家庭用または業務用電気掃除機、ハンドドライヤーなど、電動送風機を用いた機器に有利に適用できる。

１ 電気掃除機本体、２ ホース、３ 延長パイプ、４ 吸込具、５ 集塵部、６ 電動送風機、７ 排出口、８ 後部車輪、９ 電動部、１０ シャフト、１１ 遠心羽根車、１２，１３ 静翼、１４ 主板、１５ ディフューザ、１６ ファンカバー、１７ 吸込口、１８ ベルマウス、１９ ブラケット、２０ モータフレーム、２１ 隙間、２２ 吐出孔、２３ ハブ、２４ 第１動翼、２５ 第２動翼、２６ 第１部分、２７ 第２部分、２８ 第３部分、３０ 中央部、３１ 表面部分、３４，３５ 下縁部、４４，４５ 上縁部、４１，４２ 垂線、５１，５２，５３ 点、５４，５５ 内周側縁部、１０２ 手挿入部、１０３ 水受け部、１０４ ドレン容器、１０６ ケーシング、１０７ 透光窓、１０８ 吸気口、１１１ ヒータ、１１２ ノズル、１２１ 吸気風路、１２３ 排気風路、１２６ 排水口、１２８ ベース、１３６ 手検知センサ、１４０ 回路基板、１５０ 制御回路、１３８ 照明用ＬＥＤ、１３９ 通電用ＬＥＤ。

Claims (6)

1. ハブと、複数の動翼とを含む遠心羽根車と、
   前記遠心羽根車を回転させる電動部とを備え、
   前記ハブは、平面視において外形が円形状であり、
   前記ハブは、前記遠心羽根車の回転軸方向に突出した中央部と、前記中央部から前記ハブの外周部に向けて傾斜した表面部分とを含み、
   前記複数の動翼は、
   前記ハブの前記表面部分に連結された第１動翼と、
   前記ハブの円周方向において前記第１動翼と間隔を隔てて設けられ、前記表面部分に連結された第２動翼とを含み、さらに、
   前記遠心羽根車を内包するように、前記遠心羽根車の回転軸方向において前記複数の動翼より外側に設置されたファンカバーを備え、
   前記第１動翼および前記第２動翼のそれぞれは、前記ハブの前記表面部分に連結された下縁部と、前記ファンカバーに面する上縁部と、前記上縁部と前記下縁部とを繋ぐ内周側縁部とを含み、
   前記表面部分に沿った方向において、前記第２動翼の前記内周側縁部から前記ハブの前記外周部までの距離は、前記第１動翼の前記内周側縁部から前記ハブの前記外周部までの距離より短く、
   前記第２動翼の前記内周側縁部は、前記下縁部に繋がる第１部分と、前記上縁部に繋がる第２部分と、前記第１部分と前記第２部分との間に配置された第３部分とを含み、
   前記表面部分に沿った方向において、前記第１部分、前記第２部分および前記第３部分のうち、前記第１部分が前記ハブの前記外周部に最も近い位置に配置されている、電動送風機。
2. 前記回転軸に対して垂直な径方向において、前記第３部分から前記表面部分までの距離は、前記第２部分から前記表面部分までの距離の０．７倍以上０．８倍以下である、請求項１に記載の電動送風機。
3. 前記第１部分と前記第３部分とを結ぶ線分が、前記回転軸に対して垂直な面となす角度は９０°未満である、請求項１または請求項２に記載の電動送風機。
4. 前記回転軸に対して垂直な径方向において、前記第１動翼の最外周部は、前記第２動翼の最外周部より外側に位置する、請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載の電動送風機。
5. 電気掃除機本体と、
   電気掃除機本体と管路で連結され、被清掃部の空気を吸引する吸込具と、
   前記電気掃除機本体内部に設けられ、前記吸込具と連通し、吸引した空気の塵を収納する集塵部と、
   前記電気掃除機本体内部に設けられ、前記吸込具から前記集塵部へと空気を吸引する、請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載の電動送風機とを備え、
   前記電気掃除機本体外側には、前記集塵部で集塵された後の空気を前記電気掃除機本体の外へ排出する排出口が設けられている、電気掃除機。
6. 使用者が手を挿入する開口部である手挿入部を含む本体と、
   前記本体内部に設けられた、請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載の電動送風機とを備え、
   前記本体には、前記電動送風機が外気を取込むための吸気口と、前記手挿入部に向けて前記電動送風機から送出される前記外気を吹き付けるための吹出口とが形成されている、ハンドドライヤー。