JP6620449B2 - 水栓装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水栓装置に係り、特に内部の流路上に設けられ且つ吐水状態を変更する機能を有する樹脂機能ユニットを介して吐水する水栓装置に関する。
特許文献1に示すように、従来、互いに離隔して配置されたバルブユニット等の複数の機能ユニットの樹脂製のユニット外郭部材(ケーシング部材)を、金属製の板材(連結ブラケット)に金属製の小ボルトおよびナットで固定し、連結した形態の水栓装置が知られていた。
特開2011−89289号公報
しかしながら、このような水栓装置においては、ユニット外郭部材と外部配管との接続を、例えば、クイックファスナー等の、給水圧にも耐えられるような比較的信頼性の高い接続金具にて行うため、クイックファスナーを接続領域にまたがって配置する必要がある等、接続金具を配置する領域の分だけ水栓装置全体が大型化してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、従来技術の問題や課題を解決するためになされたものであり、樹脂機能ユニットと流路部材との間を、別個の特別の接続部材を設けることなく、流路部材に水圧がかかる状態においても、信頼性が高く接続した状態を維持するように接続することができ、水栓装置を小型化することができる水栓装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、内部の流路上に設けられ且つ吐水状態を変更する機能を有する樹脂機能ユニットを介して吐水する水栓装置であって、樹脂機能ユニットは、吐水状態を変更する機能を有する機能ユニットと、樹脂により形成され且つ機能ユニットを受け入れることにより樹脂のケーシング構造を形成する樹脂ケーシングユニットと、を備え、樹脂機能ユニットに接続される流路部材は、その流路部材の接続側の端部において外側向きに形成された鍔部を備え、その流路部材の鍔部は、樹脂ケーシングユニットを取付ける取付板材によって、樹脂ケーシングユニットと取付板材との間に挟み込まれるようにして保持され、樹脂機能ユニットの樹脂ケーシングユニットは、鍔部が樹脂ケーシングユニットと取付板材との間に配置されている状態において、取付板材に当接するように鍔部の外側において取付板材側に突出する座部と、鍔部の内側の流路部材内に受け入れられるように取付板材側に向けて座部よりも突出する流路端部とを備えていることを特徴している。
このように構成された本発明の水栓装置によれば、樹脂機能ユニットに接続される流路部材の鍔部は、樹脂ケーシングユニットを取付ける取付板材によって、樹脂ケーシングユニットと取付板材との間に挟み込まれるようにして保持されるので、樹脂機能ユニットと流路部材との間を、別個の特別の接続部材を設けることなく、流路部材に水圧がかかる状態においても、信頼性が高く接続した状態を維持するように接続することができる。別個の特別の接続部材を設けることなく信頼性が高い接続をすることができるので、水栓装置を小型化することができる。
本発明において、好ましくは、樹脂ケーシングユニットは、樹脂ケーシングユニットに取付板材を取付けたときに、樹脂ケーシングユニットと取付板材との間に流路部材の鍔部を収容できるような隙間を形成する凹部を備えている。
このように構成された本発明の水栓装置によれば、流路部材の鍔部を樹脂ケーシングユニットと取付板材との間に隙間を形成する凹部内に収容することができ、樹脂ケーシングユニットに取付板材を取付けたとき、取付板材が鍔部を挟み込むように保持するために、取付板材が鍔部の厚みの分だけ外側に撓んで突出することを防ぎ、鍔部の厚みの分の厚みの増大を抑制し、水栓装置を小型化することができる。
本発明において、好ましくは、樹脂ケーシングユニットの凹部は、その厚み方向の隙間の大きさが鍔部の厚みの大きさよりも大きく形成されている。
このように構成された本発明の水栓装置によれば、流路部材の鍔部を樹脂ケーシングユニットと上記取付板材との間に隙間を形成する凹部内に厚み方向の隙間を残しながら収容することができ、流路部材の鍔部が樹脂機能ユニットから外れないように凹部内に収容された状態で、流路部材の鍔部は、凹部内で回動自在とすることができる。従って、流路部材の向きを簡便に且つ自由に設定することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、流路部材が回転できる範囲を決める回転範囲決定手段を備え、回転範囲決定手段は、取付板材と流路部材とにより形成されている。
このように構成された本発明の水栓装置によれば、樹脂機能ユニットに接続される流路部材は、樹脂機能ユニットと水栓装置の吐水部との位置関係により、回動範囲が決定される必要があるときに、取付板材と流路部材とにより形成された回転範囲決定手段により、流路部材が回転できる範囲を比較的簡単に決めることができる。従って、流路部材が過度に回転して流路部材が絡まることを抑制することができる。また、さまざまな樹脂機能ユニットに対して流路部材を所定の範囲で回転できるようにしながら接続することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、流路部材が回転しないように係合する係合手段を備え、係合手段は取付板材と流路部材とにより形成されている。
このように構成された本発明の水栓装置によれば、樹脂機能ユニットに接続される流路部材は、樹脂機能ユニットと水栓装置の吐水部との位置関係により、回動不能に設定する必要があるときに、取付板材と流路部材とにより形成された係合手段により、比較的簡単に流路部材が回転しないように構成することができる。従って、回動させたくない流路部材を比較的簡単に回動させないようにすることができる。従って、さまざまな樹脂機能ユニットに対して流路部材を回動させないように接続することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、流路部材を所定の角度に回転した状態で位置決めする回転位置決め手段を備え、回転位置決め手段は取付板材と流路部材とにより形成されている。
このように構成された本発明の水栓装置によれば、樹脂機能ユニットに接続される流路部材は、樹脂機能ユニットと水栓装置の吐水部との位置関係により、流路部材を所定の角度に回転した状態で位置決めする必要があるときに、取付板材と流路部材とにより形成された回転位置決め手段により、流路部材を所定の角度に回転した状態で比較的簡単に位置決めすることができる。従って、流路部材を所定の角度の向きの状態で位置決めすることができる。従って、さまざまな樹脂機能ユニットに対して流路部材を所定の角度で接続することができる。
本発明の水栓装置によれば、樹脂機能ユニットと流路部材との間を、別個の特別の接続部材を設けることなく、流路部材に水圧がかかる状態においても、信頼性が高く接続した状態を維持するように接続することができ、水栓装置を小型化することができる水栓装置を提供することができる。
本発明の一実施形態による水栓装置が設置されている状態を示す概略正面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置の分解斜視図である。 図1のIII−III線に沿って見た水栓装置の断面図である。 本発明の別実施形態による水栓装置の第1金属板の第1開口部を示す概略図である。 本発明の別実施形態による水栓装置の第1金属板の第1開口部を示す概略図である。 本発明の一実施形態による水栓装置を背面側から見た状態における分解斜視図である。 図1のIII−III線に沿って見た水栓装置の断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置における流路部材と第2金属板とにより形成された回転範囲決定手段の変形例を示す部分断面図である。 本発明の一実施形態による水栓装置における流路部材と第2金属板とにより形成された回転位置決め手段の変形例を示す部分断面図である。
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態による水栓装置を説明する。図1は、本発明の一実施形態による水栓装置が設置されている状態を示す概略図である。
水栓装置1は、水回り設備、例えば浴室等の壁面Wに取付けられるカウンター一体型の水栓装置である。水栓装置1の箱体2の上面は、平坦に形成され、物を置くことができるカウンターとして使用することができる。水栓装置1は、カウンターとして使用するための箱体2の中に水栓装置本体4の大部分を内蔵するようになっている。
水栓装置本体4の下方側の背面には壁面Wに設けられた給湯源(図示せず)から延びる湯供給管6と、壁面Wに設けられた給水源(図示せず)から延びる水供給管8とが接続されており、これら湯供給管6および水供給管8を介して水栓装置1が壁面Wに固定されている。さらに、水栓装置1の下部にはカラン10が設けられており、水栓装置1の側面にはシャワーホース12aを介してシャワーヘッド12が接続されている。また、水栓装置1の前端部の上面にはカラン吐水用タッチ操作部14及びシャワー吐水用タッチ操作部16が設けられ、前面の左側近傍には温調ハンドル18(温調弁操作部)、前面の中央近傍には流調ハンドル20(流調弁操作部)が夫々設けられている。
本実施形態の水栓装置1は、使用者がカラン吐水用タッチ操作部14をタッチ操作(押込み操作)することにより、カラン吐水用支持軸(図示せず)を中心に回動させ、カラン吐水用作用部14aが後述する第1操作部60cを押圧操作でき、止水状態と、カラン10からの吐水との吐水状態を変化させることができる。また、使用者がシャワー吐水用タッチ操作部16をタッチ操作(押込み操作)することにより、シャワー吐水用支持軸16bを中心に回動させ、シャワー吐水用作用部16aが後述する第2操作部70cを押圧操作でき、止水状態と、シャワーヘッド12からの吐水との吐水状態を変化させることができる。
また、水栓装置1は、温調ハンドル18を回動操作することにより後述する温調ユニット22の機能により吐水温度を調整することができる(すなわち吐水状態を変化させることができる)と共に、流調ハンドル20を回動操作することにより後述する流調ユニット24の機能により吐水流量を調整することができる(すなわち吐水状態を変化させることができる)。
次に、図1乃至図3を用いて本発明の一実施形態による水栓装置1の構造について説明する。
図2は本発明の一実施形態による水栓装置の分解斜視図であり、図3は図1のIII−III線に沿って見た水栓装置の断面図である。
水栓装置本体4は、カラン10及び/又はシャワーヘッド12から吐水される湯水の吐水温度を調節する機能を有する温調ユニット22と、カラン10及び/又はシャワーヘッド12から吐水される湯水の流量を調節する機能を有する流調ユニット24と、後述するようにバルブ等の種々の機能ユニットをモジュール化して形成された複数の樹脂モジュール機能ユニット(樹脂機能ユニット)26とを備えている。
図2及び図3に示すように、温調ユニット22は、概ね円筒形のユニットであり、箱体2の左側の内部に収納されている。
温調ユニット22の外郭の温調ユニットケーシング28は概ね円筒形に形成されている。温調ユニットケーシング28の中央近傍の外周上に湯側流入口28aが形成され、温調ユニットケーシング28の後方近傍の外周上に水側流入口28bが形成されている。湯側流入口28aは、湯供給管6に接続されている。水側流入口28bは、水供給管8に接続されている。また、温調ユニットケーシング28の後方側に温調ユニット流出口28cが形成されている。
温調ユニット22は、本体を構成する円筒状の第一本体部材30aと、この第一本体部材30aと概ね同じ外径を有する円筒状の第二本体部材30bと、を有し、これら第一、第二本体部材で構成された本体の内部に摺動可能に配置された円筒状の温調主弁体32を有する。
さらに、第一本体部材30aの左側端部には概ね円柱状の送りねじ34が回動可能に配置されており、この送りねじ34の先端部が第一本体部材30a端面の中心から突出している。この送りねじ34の突出部には、温調ハンドル18が取り付けられている。さらに、第一本体部材30aの内部には、送りねじ34と螺合する概ね円柱状の摺動部材36が配置されており、温調ハンドル18を操作することにより、送りねじ34が回動され、これに螺合された摺動部材36が軸線方向に摺動させるようになっている。
さらに、温調ユニット22の内部には、摺動部材36に隣接するように、バイアスばね38と、温調主弁体32と、感温ばね40が、この順序で配置されている。バイアスばね38は、摺動部材36と温調主弁体32の間に配置されたコイルばねであり、温調主弁体32を温調ユニット22の後方側に付勢している。感温ばね40は、第二本体部材30bの端部内壁面と温調主弁体32の間に配置された形状記憶合金製のコイルばねであり、温調主弁体32を温調ユニット22の前方側に付勢している。
この構成により、摺動部材36が軸線方向に移動されると、バイアスばね38の付勢力と感温ばね40の付勢力が釣り合う位置が変化し、これらの間に配置された温調主弁体32の初期位置が変化する。一方、第一本体部材30aの奥側端部には湯側シート面30cが設けられ、第二本体部材30bの前側端部には水側シート面30dが設けられており、温調主弁体32は、これら湯側シート面30cと水側シート面30dの間で摺動される。
温調ユニットケーシング28内に湯側流入口28aから流入した湯は、湯側シート面30cと温調主弁体32の前側端部との間を通って温調ユニット22の内部に流入する。一方、温調ユニットケーシング28内に水側流入口28bから流入した水は、水側シート面30dと温調主弁体32の奥側端部との間を通って温調ユニット22の内部に流入する。このため、温調主弁体32が軸線方向に摺動されると、温調ユニット22内に流入する湯と水の割合が変化する。流入した湯及び水は、温調ユニット22内で混合され、感温ばね40の内側を通って温調ユニット22の後端部の温調ユニット流出口28cから流出する。従って、温調ハンドル18の操作により温調主弁体32の初期位置が変化され、温調ユニット22から流出する湯の温度を調整することができる。また、温調ユニット22から流出する湯の温度が上昇すると、感温ばね40の付勢力が増大して、温調主弁体32は前方方向に移動され、湯の流入量が減少すると共に水の流入量が増大する。一方、湯の温度が低下すると、感温ばね40の付勢力が減少して、温調主弁体32は後方方向に移動され、湯の流入量が増大すると共に水の流入量が減少する。これにより、温調ユニット22から流出する湯の温度は、温調ハンドル18によって設定された温度に調整される。
なお、温調ユニット22は、上述のような構成に限られず、他の構造により吐水状態である吐水温度を変更できるような機能を有する温調ユニットであってもよく、これらの吐水温度を変更できるような機能を有する温調ユニットを樹脂ケーシングユニット内に配置することにより樹脂モジュール機能ユニットを形成することができる。
流調ユニット24は、概ね円筒形のユニットであり、箱体2の中央近傍の内部に収納されている。流調ユニット24の外郭の流調ユニットケーシング42は概ね円筒形に形成されている。流調ユニットケーシング42の後端部に流調ユニット流入口42aが形成され、その外周の側面上に流調ユニット流出口42bが形成されている。流調ユニット流入口42aは、温調ユニット流出口28cから延びる第1流路配管44に接続されている。よって、流調ユニット流入口42aには、温度調整がされた後の湯水が第1流路配管44から流入する。流調ユニット流出口42bは下流側の第2流路配管46に接続されている。
流調ユニット24は、流調ユニットケーシング42に収容された回転弁48と、この回転弁48から延びるスピンドル50と、流調ハンドル20に接続され且つ流調ハンドル20に加えられた回転操作力をスピンドル50に伝達する伝達部材である回転伝達部材52と、を有している。
このような構成により、使用者が、流調ハンドル20を回転操作するとき、回転伝達部材52及びスピンドル50が回転され、回転弁48が回転される。回転弁48が回転されることにより、流調ユニット24内の流路が開閉されることができ、且つ流調ハンドル20を回転操作することで流調ユニット24内を通過する湯水の流量を調整することができる。
回転弁48は、円筒形状に形成されたシリンダ54上の側面には、流調ユニット流出口42bと整合する位置に通水口54a、54bが形成されている。回転弁48のシリンダ54が流調ユニットケーシング42内で回動され、通水口54a、54bが流調ユニット流出口42bと整合すると、流調ユニット流入口42aからシリンダ54内側に流入した湯水は、通水口54a、54bを通って流調ユニット流出口42bに流出することができる。このとき、通水口54a、54bが流調ユニット流出口42bと整合する割合により、通水口54a、54bが開放される開口領域の大きさが異なるため、下流側に流出させる湯水の流量を調整することができる。なお、通水口54a、54bが流調ユニット流出口42bと整合しない位置では、止水状態となる。流調ユニット24により流量を調整された湯水は流調ユニット流出口42bから第2流路配管46に流出する。第2流路配管46の下流側には樹脂モジュール機能ユニット26が接続されている。
なお、流調ユニット24は、上述のような構成に限られず、他の構造により吐水状態である吐水量を変更できるような機能を有する流調ユニットであってもよく、これらの吐水量を変更できるような機能を有する流調ユニットを樹脂ケーシングユニット内に配置することにより樹脂モジュール機能ユニットを形成することができる。
次に、図2及び図3を参照して、樹脂モジュール機能ユニットを説明する。
樹脂モジュール機能ユニット26は、吐水状態を変更する機能を有する複数の機能ユニット56と、樹脂により形成され且つ機能ユニット56を受け入れることにより共通の構造を有するようにモジュール化する複数の樹脂ケーシングユニット58と、を備えている。
樹脂モジュール機能ユニット26は、機能ユニット56を樹脂ケーシングユニット58内に配置して樹脂製の外郭を有し且つ所定の形状の樹脂によりモジュール化された構造を形成したものである。樹脂ケーシングユニット58は樹脂のケーシング構造も形成している。樹脂モジュール機能ユニット26は、機能的に1つにまとまった構造体としてのモジュールを構成している。樹脂モジュール機能ユニット26は、水栓装置1に内蔵されている流路上に設けられ、自身を介して吐水するようになっている。ある樹脂モジュール機能ユニット26を流路上に設けることで、その樹脂モジュール機能ユニット26の意図する機能を実行させることができる。樹脂モジュール機能ユニット26の例示として、カラン吐水用の樹脂モジュール機能ユニット26a、シャワー吐水用の樹脂モジュール機能ユニット26b、を以下に説明する。なお、温調ユニットや流調ユニットを樹脂ケーシングユニット58内に配置することによりモジュール化する場合には、温調ユニット及び/又は流調ユニットを機能ユニットとして樹脂モジュール機能ユニット26を形成することも可能である。
機能的に1つにまとまった構造体のモジュールとして樹脂モジュール機能ユニット26を形成することにより、樹脂モジュール機能ユニット26の単位で各モジュールを追加、削除、変更、配置換え、位置の調整等することがそれぞれ容易に行うことができる。
本実施形態においては、2つの樹脂モジュール機能ユニット26が内蔵されている。樹脂モジュール機能ユニット26の数は自在に変更することができる。それぞれの樹脂モジュール機能ユニット26の樹脂構造の幅、高さ及び奥行等の大きさはほぼ同様に形成され、ほぼ同様の直方体形状に形成されている。
複数の機能ユニット56は、それぞれ、カラン用の吐止水を切替える吐止水切替弁を含むカラン用バルブユニット56aと、シャワー用の吐止水を切替える吐止水切替弁を含むシャワー用バルブユニット56bとを含む。
他の実施形態においては、複数の機能ユニット56は、カラン用バルブユニット及びシャワー用バルブユニットのみならず、温度調節弁を含む温度調節機能ユニット、流量調節弁を含む流量調節機能ユニット、により構成されてもよく、さらに他の吐水状態を変更する機能を有する機能ユニットを含んでいてもよく、またこれらの全部又は一部により形成されていてもよい。
樹脂ケーシングユニット58は、概ね直方体の外形を形成し、複数の樹脂ケーシングユニットにおいてほぼ同様の外形、すなわち、ほぼ同様の幅、高さ及び奥行等の大きさに形成されている。樹脂ケーシングユニット58は、概ね直方体の外形を形成しているので、横方向に並べて配置しやすく、また、縦方向に並べても配置しやすくなっている。
樹脂ケーシングユニット58は、直方体の形状のうち中央部分が円形に前部から後部まで貫通するようにくり抜かれた形状に形成されている。よって、樹脂ケーシングユニット58は、内部にカラン用バルブユニット等の機能ユニット56を収容することができる。樹脂ケーシングユニット58がほぼ同様の外形を有するので、カラン側の樹脂モジュール機能ユニット26aとシャワー側の樹脂モジュール機能ユニット26bとは、ほぼ同様の外形を有することとなる。樹脂ケーシングユニット58は、樹脂により形成されるので、金属により鋳物成形される場合と比較して、比較的安価に製造することができ、軽量に構成されることができる。
カラン吐水用の樹脂モジュール機能ユニット26aについて説明する。
カラン吐水用の樹脂モジュール機能ユニット26aは、機能ユニット56としてカラン用バルブユニット56aを有し、カラン用バルブユニット56aが樹脂ケーシングユニット58内に受け入れられることによりモジュール化されている。以下、各樹脂モジュール機能ユニットの区別を分かりやすくするため、カラン吐水用の樹脂モジュール機能ユニット26aを第1樹脂モジュール機能ユニット26aと称し、シャワー吐水用の樹脂モジュール機能ユニット26bを第2樹脂モジュール機能ユニット26bと称する。また、各樹脂モジュール機能ユニットにおいて類似する部品の名称を分かりやすくするため、また第1樹脂モジュール機能ユニット26a側の部材については、第1主弁体等の呼称を用いて説明し、第2樹脂モジュール機能ユニット26b側の部材については、第2主弁体等の呼称を用いて説明する。
第1樹脂モジュール機能ユニット26a内に第1バルブユニット(カラン用バルブユニット)60が配置され、第1バルブユニット60は第1押さえ板61a及び第1ねじ63aによって第1樹脂ケーシングユニット58aに固定されている。
第1樹脂モジュール機能ユニット26aにおける第1バルブユニット60は、第1主弁体60aと、この第1主弁体60aの第1圧力開放穴60iを開閉する第1パイロット弁60bと、この第1パイロット弁60bを移動させ、第1圧力開放穴60iを開閉するための第1操作部60cと、を有する。第1パイロット弁60bは、第1操作部60cが押圧操作されることにより第1圧力開放穴60iの閉鎖位置又は開放位置に移動されるように構成されている。
第2流路配管46から流入する湯水は、第1流入口60dから、第1主弁体60aに設けられた第1ブリード穴60eを通って、第1圧力室60f内に流入する。第1主弁体60aの第1圧力開放穴60iが第1パイロット弁60bによって閉鎖されている場合には、第1ブリード穴60eから流入した湯水の圧力により第1圧力室60f内の圧力が上昇する。第1圧力室60f内の圧力が上昇すると、この圧力により第1主弁体60aが水栓装置1の背面側(図4における上側)に向かって押圧され、第1主弁体60aが第1弁座60gに着座して止水状態となる。
次いで、使用者がカラン吐水用タッチ操作部14を押す操作をして、第1操作部60cを操作することにより、第1パイロット弁60bが水栓装置1の前面側(図3における下側)に向かって移動されると、第1主弁体60aの第1圧力開放穴60iが開放されて第1圧力室60f内の圧力が低下する。第1圧力室60f内の圧力が低下すると、第1主弁体60aは水栓装置1の背面側に向かって移動され、第1主弁体60aが第1弁座60gから離れて吐水状態となる。吐水状態となると、第1流入口60dから流入した湯水は、第1圧力室60f内を通らずに、第1流出口60hに直接流出する。即ち、第1バルブユニット60の第1流入口60dから流入した湯水は、第1主弁体60aと第1弁座60gの間の隙間を通り、第1流出口60hからカラン吐水口のカラン10につながるカラン吐水用配管62に向かって流出する。カラン吐水用配管62は、第1流出口60hとカラン吐水口を形成するカラン10とを接続している。
第1樹脂モジュール機能ユニット26aにおける第1樹脂ケーシングユニット58aは、上述のような所定の外形を有しながら内部に第1バルブユニット60を収容している。ここで、第1樹脂ケーシングユニット58aは内部に第1バルブユニット60を配置した状態で、第1ケーシング流入口64から第1バルブユニット60の内部及び/又は外周の隙間を通過して第1ケーシング流出口66に至る流路を形成している。第1ケーシング流入口64には、第2流路配管46が接続され、第1ケーシング流出口66には、第3流路配管68が接続される。このように、樹脂ケーシングユニット58は、全体の所定の外形を維持しながら、さらに下流側に接続される別の流路(例えば第3流路配管68)や他の樹脂モジュール機能ユニット(例えば第2樹脂モジュール機能ユニット26b)のために、追加の流路及び/又は取付け部を外周上に自在に設ける又は設けないことができる。よって、樹脂モジュール機能ユニット26をさらに下流側の樹脂モジュール機能ユニット26の上流側に設けられる中間モジュール機能ユニットとして機能させることができ、また、最も下流側に設けられる終端部モジュール機能ユニットとして機能させることもできる。従って、内部の機能ユニット56を取り替えたり、樹脂モジュール機能ユニット26の順番を変えたりする他にも、樹脂モジュール機能ユニット26の追加、削除、変更、配置換え、位置の調整等がそれぞれ容易に行うことができる。
第1バルブユニット60は、上述のような構成に限られず、他の構造により吐水状態である吐止水を変更できるような機能を有するバルブユニットであってもよく、これらの吐止水を変更できるような機能を有するバルブユニットを樹脂ケーシングユニット58内に配置することにより樹脂モジュール機能ユニット26を形成することができる。
次に、シャワー吐水用の樹脂モジュール機能ユニット(第2樹脂モジュール機能ユニット)26bについて説明する。
第2樹脂モジュール機能ユニット26bは、機能ユニットとして第2バルブユニット(シャワー用バルブユニット56b)70を有し第2バルブユニット70が第2樹脂ケーシングユニット58b内に受け入れられることにより樹脂モジュール構造が形成されている。
第2樹脂モジュール機能ユニット26b内に第2バルブユニット70が配置され、第2バルブユニット70は第2押さえ板61b及び第2ねじ63bによって第2樹脂ケーシングユニット58bに固定されている。
第2樹脂モジュール機能ユニット26bにおける第2バルブユニット70は、第2主弁体70aと、この第2主弁体70aの第2圧力開放穴70iを開閉する第2パイロット弁70bと、この第2パイロット弁70bを移動させ、第2圧力開放穴70iを開閉するための第2操作部70cと、を有する。第2パイロット弁70bは、第2操作部70cが押圧操作されることにより第2圧力開放穴70iの閉鎖位置又は開放位置に移動されるように構成されている。
第3流路配管68から流入する湯水は、第2流入口70dから、第2主弁体70aに設けられた第2ブリード穴70eを通って、第2圧力室70f内に流入する。第2主弁体70aの第2圧力開放穴70iが第2パイロット弁70bによって閉鎖されている場合には、第2ブリード穴70eから流入した湯水の圧力により第2圧力室70f内の圧力が上昇する。第2圧力室70f内の圧力が上昇すると、この圧力により第2主弁体70aが水栓装置1の背面側(図4における上側)に向かって押圧され、第2主弁体70aが第2弁座70gに着座して止水状態となる。
次いで、使用者がシャワー吐水用タッチ操作部16を押す操作をして、第2操作部70cを操作することにより、第2パイロット弁70bが水栓装置1の前面側(図3における下側)に向かって移動されると、第2主弁体70aの第2圧力開放穴70iが開放されて第2圧力室70f内の圧力が低下する。第2圧力室70f内の圧力が低下すると、第2主弁体70aは水栓装置1の背面側に向かって移動され、第2主弁体70aが第2弁座70gから離れて吐水状態となる。吐水状態となると、第2流入口70dから流入した湯水は、第2圧力室70f内を通らずに、第2流出口70hに直接流出する。即ち、第2バルブユニット70の第2流入口70dから流入した湯水は、第2主弁体70aと第2弁座70gの間の隙間を通り、第2流出口70hからシャワーヘッド12の吐水部につながるシャワー吐水用配管72に向かって流出する。シャワー吐水用配管72は、第2流出口70hと吐水部を有するシャワーヘッド12とを接続している。
第2樹脂モジュール機能ユニット26bにおける第2樹脂ケーシングユニット58bは、上述のような所定の外形を有しながら内部に第2バルブユニット70を収容している。ここで、第2樹脂ケーシングユニット58bは内部に第2バルブユニット70を配置した状態で、第2ケーシング流入口74から第2流入口70dに至る流路のみを形成している。第2ケーシング流入口74には、第3流路配管68が接続される。このように、樹脂ケーシングユニット58は、全体の所定の外形を維持しながら、さらに下流側に接続される追加の流路及び/又は取付け部を外周上に設けないことができる。
第2バルブユニット70は、上述のような構成に限られず、他の構造により吐水状態である吐止水を変更できるような機能を有するバルブユニットであってもよく、これらの吐止水を変更できるような機能を有するバルブユニットを樹脂ケーシングユニット58内に配置することにより樹脂モジュール機能ユニット26を形成することができる。
次に、複数の樹脂モジュール機能ユニット26(第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26b)を取付ける構造について説明する。
複数の樹脂モジュール機能ユニット26は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の前方側(第1の側)に配置される第1金属板76と、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の第1の側と対向する第2の側に配置される第2金属板78とにより、挟み込まれて保持される。
樹脂ケーシングユニット58(第1樹脂ケーシングユニット58a及び第2樹脂ケーシングユニット58b)には、前方から見て、直方体形状の四隅のコーナー部において、前方から後方まで貫通した貫通孔部80が形成されている。樹脂ケーシングユニット58の貫通孔部80には、第1金属板76と第2金属板78との間を締付けるねじ締付け部材82が回動自在な状態で通されるようになっている。すなわち、貫通孔部80の径は、ねじ締付け部材82の直径よりも大きく形成されている。
樹脂ケーシングユニット58は、貫通孔部80の周囲に形成された座部81を備えている。座部81は貫通孔部80の延びる方向にわずかに突出するような厚みを有し、座部81の表面が樹脂ケーシングユニット58の最も背面側の面(座部81が前方側に配置される場合には樹脂ケーシングユニット58の最も前面側の面)を形成している。座部81は少なくとも貫通孔部80の開口の周囲において形成され、樹脂ケーシングユニット58の上部から下部まで延びるような長方形の形状部分を形成している。座部81は貫通孔部80の開口の周囲に形成された環状又は四角形状等の凸形状部分により形成されていてもよい。ねじ締付け部材82により複数の樹脂モジュール機能ユニット26が第1金属板76及び第2金属板78の間に挟み込んで保持されているときに、座部81が第1金属板76及び第2金属板78のそれぞれと当接するように形成されている。従って、ねじ締付け部材82により強力に締付けた場合に応力がかかりやすい第1金属板76及び第2金属板78の貫通孔部80の周囲の部分の変形を抑制することができる。
第1金属板76は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26を並べて相対的に位置決めするように形成されている。第1金属板76は、少なくとも複数の樹脂モジュール機能ユニット26を並べようとする方向に延び、連続した一枚の金属板として形成されている。第1金属板76は、各タッチ操作部が取付けられる前面側に設けられ且つ鉛直方向に延びる縦板76aと、この縦板76aを接続するように横向きに延びる横板76bとにより一体に形成されている。第1金属板76は、一枚の縦板76aのみで形成されていてもよい。第1金属板76は複数の樹脂モジュール機能ユニット26を後述するような方法で一度に固定することができる。第1金属板76は、金属により形成されるので、複数の樹脂モジュール機能ユニット26及び他の温調ユニット22及び流調ユニット24等を取付けるのに十分な強度を有し、また、複数の樹脂モジュール機能ユニット26を挟み込むために十分な強度を有している。
本実施形態においては、第1金属板76は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の前方側(第1の側)においてこれらの前面を押さえるように配置されているが、別実施形態として、第1金属板は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の後方側(第2の側)においてこれらの背面を押さえるように配置されていてもよい。
第1金属板76は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26を挿入する第1開口部76cを形成している。より具体的には、第1金属板76の第1開口部76cは、四角形状の複数の開口部により形成されている。第1金属板76の第1開口部76cは、樹脂モジュール機能ユニット26の一部を前方に向かって突出させることができるように樹脂モジュール機能ユニット26の前部と嵌合するように形成される。このようにして、第1金属板76の第1開口部76cは、それぞれの樹脂モジュール機能ユニット26の一部を第1開口部76c内に挿入することにより、それぞれの樹脂モジュール機能ユニット26を比較的容易に且つ正確な位置に位置決めすることができる。第1開口部76cは、全部又はその一部の形状が、第1金属板76の外縁まで連続した切欠き形状、凹形状等の他の形状に形成されていてもよい。
本実施形態においては、それぞれの第1開口部76cが、それぞれの樹脂モジュール機能ユニット26の前端部を受け入れて配置されるようになっている。
変形例として、図4に示すように、第1金属板76の第1開口部76cは、一つ以上の比較的大きな第1開口部76cのうちに複数の樹脂モジュール機能ユニット26が取付けられるようにしてもよい。
また、別の変形例の例示として、図5に示すように、例えば3つの樹脂モジュール機能ユニット26が第1金属板76によって挟持されるような場合に、それぞれ1つの第1開口部76cが、それぞれ1つの樹脂モジュール機能ユニット26の前端部を受け入れて、3カ所に分けて配置されるようになっていてもよい。また、例えば、図5に示すように、第1開口部76cが第1金属板76の外周まで連結されているような切欠き形状に形成されていてもよい。
図2に示すように、第1金属板76は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26を位置決めするのみならず、温調ユニット22及び流調ユニット24も位置決めするようになっている。すなわち、第1金属板76は、水栓装置1内において、流路上に設けられる機能部材及び各樹脂モジュール機能ユニット26の相対的な位置関係を決定する部材である。温調ユニット22及び流調ユニット24は、それぞれ、第1金属板76に前方からねじ86によりねじ止めされている。
第2金属板(取付板材)78は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の前方側(第1の側)と対向する後方側(第2の側)において、第1金属板76と概ね平行に延びている。第2金属板78は、前面視で、第1金属板76の後方の位置の少なくとも一部にほぼ重なるように配置される。第2金属板78は、第1金属板76により位置決めされた複数の樹脂モジュール機能ユニット26を後方から挟み込んで保持するように形成されている。第2金属板78も、少なくとも複数の樹脂モジュール機能ユニット26を並べようとする方向に延び、連続した一枚の金属板として形成されている。第2金属板78は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26を第1金属板76との間に挟むように配置できる構成であれば、一枚の金属板に限らず複数の別体に分かれた金属板により構成されていてもよい。第2金属板78が複数の別体に分かれた金属板により構成される場合に、第2金属板78は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26のそれぞれを、第2金属板78のそれぞれ一枚の金属板と、第1金属板76との間に挟むように配置するように構成されていてもよい。第2金属板78は、背面側において縦方向に延びる縦板78aにより形成されている。なお、第2金属板78は、背面側において縦方向に延びる縦板と、この縦板を接続するように横向きに延びる横板とで一体に形成されていてもよい。
本実施形態においては、第2金属板(取付板材)78は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の樹脂ケーシングユニット58の後方側においてこれらの背面を押圧しながら取付けるように配置されているが、別実施形態として、第2金属板78は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の前方側においてこれらの前面を押さえるように配置され、第1金属板76が、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の後方側においてこれらの背面を押圧しながら押さえるように配置されていてもよい。第2金属板78は、金属により形成されるので、複数の樹脂モジュール機能ユニット26を挟み込み、且つカラン吐水用配管62又はシャワー吐水用配管72を取付けるために十分な強度を有している。
第2金属板78には、複数の樹脂モジュール機能ユニット26の一部を挿入する第2開口部78bが形成されている。より具体的には、第2金属板78には、複数の第2開口部78bが形成されている。これらの複数の第2開口部78bには、それぞれの樹脂モジュール機能ユニット26の後端部84を挿入するように取付けることができる。このようにして、第2金属板78の第2開口部78bは、樹脂モジュール機能ユニット26を位置決めすることができる。
また、本実施形態においては第2金属板78の第2開口部78bには、カラン吐水用のカラン吐水用配管62と、シャワー吐水用のシャワー吐水用配管72とが取付けられるようになっている。
図3に示すように、第2金属板78の開口部78bには、第2金属板78の内側(前方側)に後述する鍔部83が嵌合されるようにカラン吐水用配管62又はシャワー吐水用配管72が内側まで取付けられる。これらカラン吐水用配管62又はシャワー吐水用配管72の配管内において、樹脂モジュール機能ユニット26の後端部84が第2金属板78の内側から外側に突出するように配置されてこれらの配管と嵌合するようになっている。
第2金属板78は、複数の樹脂モジュール機能ユニット26を第1金属板76との間で、板と板との間に面で挟み込むように配置するようになっている。すなわち、複数の樹脂モジュール機能ユニット26は、第2金属板78と、第1金属板76との間の幅が一定の空間領域において、ほぼ同一平面上において平行に並べて整列される。
次に、本発明の一実施形態による水栓装置1のカラン吐水用配管62を樹脂モジュール機能ユニット26に接続する接続構造、及びシャワー吐水用配管72を樹脂モジュール機能ユニット26に接続する接続構造について図6乃至図9を用いて説明する。
図6は本発明の一実施形態による水栓装置を背面側から見た状態における分解斜視図であり、図7は図1のIII−III線に沿って見た水栓装置の断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図であり、図8は本発明の一実施形態による水栓装置における流路部材と第2金属板とにより形成された回転範囲決定手段を示す部分断面図であり、図9は本発明の一実施形態による水栓装置における流路部材と第2金属板とにより形成された回転位置決め手段を示す部分断面図である。
カラン吐水用配管62は、内部に流路を形成する流路部材であり、樹脂モジュール機能ユニット26に接続された状態で樹脂モジュール機能ユニット26内の流路と連続した水密な流路を形成するようになっている。カラン吐水用配管62は、内部に流路を形成する流路部材であれば、継手、配管、排水ホース管、その他の内部流路形成部材であってもよい。カラン吐水用配管62は、金属製の配管を形成している。カラン吐水用配管62は、樹脂モジュール機能ユニット26に接続する接続側の端部に形成された鍔部83を備えている。カラン吐水用配管62は、一端が樹脂モジュール機能ユニット26に接続され、他端はカラン10に至る流路部材に接続されている。
シャワー吐水用配管72は、内部に流路を形成する流路部材であり、樹脂モジュール機能ユニット26に接続された状態で樹脂モジュール機能ユニット26内の流路と連続した水密な流路を形成するようになっている。シャワー吐水用配管72は、内部に流路を形成する流路部材であれば、継手、配管、排水ホース管、その他の内部流路形成部材であってもよい。シャワー吐水用配管72は、金属製の配管を形成している。シャワー吐水用配管72は、樹脂モジュール機能ユニット26に接続する接続側の端部に形成された鍔部83を備えている。シャワー吐水用配管72は、一端が樹脂モジュール機能ユニット26に接続され、他端はシャワーヘッド12に至るシャワーホース12aに接続されている。
鍔部83は、カラン吐水用配管62の外周部62aの外径D2よりも大きな外径D1を有し、カラン吐水用配管62の外周部62aから外方に突出した環状の鍔部を形成している。また、鍔部83は、シャワー吐水用配管72の外周部72aの外径D2よりも大きな外径D1を有し、カラン吐水用配管62の外周部62aから外方に突出した環状の鍔部を形成している。
カラン吐水用配管62の外周部62aの外径D2とシャワー吐水用配管72の外周部72aの外径D2とは同じ外径になるように形成されている。また、カラン吐水用配管62に形成される鍔部83も、シャワー吐水用配管72に形成される鍔部83も、同様の形状及び大きさに形成されている。従って、このような場合には、接続部分の形状が同様の規格を有する共通形状となっており、様々な機能ユニットを備えた樹脂モジュール機能ユニット26に対して同様に接続することができる。なお、カラン吐水用配管62の外周部62aの外径D2とシャワー吐水用配管72の外周部72aの外径D2とは異なる外径になるように形成されていてもよい。また、カラン吐水用配管62に形成される鍔部83と、シャワー吐水用配管72に形成される鍔部83とが、異なる形状及び大きさに形成されていてもよい。
カラン吐水用配管62を樹脂モジュール機能ユニット26に接続した状態においては、樹脂モジュール機能ユニット26の後端部84をカラン吐水用配管62の接続部側の流路内に受け入れた状態で嵌合している。後端部84は、樹脂モジュール機能ユニット26の出口流路の接続部を形成している。カラン吐水用配管62の外周部62aは、第2金属板78の第2開口部78bの開口幅D3の大きさよりもわずかに小さな外径D2を有しており、外周部62aが第2開口部78b内に挿入された状態で移動可能に形成されている。鍔部83は、第2金属板78の第2開口部78bの開口幅D3の大きさよりも大きな外径D1を有しており、鍔部83が流路の向き(カラン吐水用配管62が樹脂モジュール機能ユニット26に接続される向き)に抜けることができないように形成されている。従って、各流路部材及び鍔部83に比較的高い水圧がかかった場合においても、鍔部83が主に水圧のかかる向きに抜けることを防ぐことができる。
カラン吐水用配管62を樹脂モジュール機能ユニット26に接続した状態においては、鍔部83は、第2金属板78よりも前方側に位置している。よって、鍔部83は、第2金属板78よりも前方側において全方向に拡がった外周部分を形成している。鍔部83は、全周のうち一部に形成されていてもよい。
カラン吐水用配管62及びシャワー吐水用配管72のいずれにおいても、鍔部83は、鍔部83の厚みが厚みE1の大きさとなるように形成されている。これに対し、樹脂モジュール機能ユニット26の樹脂ケーシングユニット58の凹部58cは、樹脂ケーシングユニット58の後面58dよりもわずかに内側に凹むように形成されている。凹部58cは、環状の鍔部83が内部に収容できるように、少なくとも後端部84の外周近傍の環状の領域を含む凹み空間を樹脂モジュール機能ユニット26の後方側において形成するように後面が凹んだ形状に形成されている。
第2金属板78を樹脂モジュール機能ユニット26に取付けた状態において、凹部58cと後面58dとの距離、すなわち凹部58cと第2金属板78との厚み方向の隙間E2が形成されるようになっている。樹脂ケーシングユニット58の凹部58cは、その厚み方向の隙間E2の大きさが鍔部83の厚みE1の大きさよりも大きく形成されている。従って、鍔部83が凹部58c内に取付けられた状態において、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72に高い水圧がかかっている場合には、鍔部83が第2金属板78側に寄ることとなり、鍔部83と凹部58c(凹部58cを形成している後向きの面)との間にわずかに隙間が形成されるようになっている。
凹部58cの前後方向の隙間E2の大きさが鍔部83の厚みE1の大きさよりも大きく形成されているので、凹部58c内に鍔部83を配置している状態、すなわち、凹部58cと第2金属板78との間に鍔部83が挟み込まれるようにして配置されている状態、において、第2金属板78が鍔部83を押さえるために撓んで後方に突出することがない。よって、第2金属板78が鍔部83を挟み込むように保持するために後方側に撓んで突出することを防ぎ、平板の状態を維持しており、鍔部83の厚みの分だけ水栓装置1の厚みが増大することを抑制し、水栓装置1を小型化することができる。
また、凹部58cの前後方向の隙間E2の大きさが鍔部83の厚みE1の大きさよりも大きく形成されているので、鍔部83は第2金属板78及び樹脂モジュール機能ユニット26に対して自由に回動することができる。従って、後述のように、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を回動できるように配置したい場合には鍔部83はこの回動を妨げないように形成されている。
樹脂ケーシングユニット58の後面58dは、第2金属板78を樹脂モジュール機能ユニット26に取付けた状態において、第2金属板78と接する状態となっている。後面58dは、少なくとも座部81の領域においては、第2金属板78と接する状態となっている。後面58dは、複数の樹脂モジュール機能ユニット26において複数の領域に分かれて形成されている場合にも、第2金属板78と接することができるように同一平面上において並んだ平面を形成して配置されている。
同様に、シャワー吐水用配管72を樹脂モジュール機能ユニット26に接続した状態においては、樹脂モジュール機能ユニット26の後端部84をシャワー吐水用配管72の接続部側の流路内に受け入れた状態で嵌合している。シャワー吐水用配管72の外周部72aは、第2金属板78の第2開口部78bの開口幅の大きさよりもわずかに小さな外径D2を有しており、外周部72aが第2開口部78b内に挿入された状態で移動可能に形成されている。鍔部83は、第2金属板78の第2開口部78bの開口幅の大きさよりも大きな外径D1を有しており、鍔部83が流路の向き(シャワー吐水用配管72が樹脂モジュール機能ユニット26に接続される向き)に抜けることができないように形成されている。
樹脂モジュール機能ユニット26、カラン吐水用配管62及びシャワー吐水用配管72の流路には比較的高い水圧がかかるため、樹脂モジュール機能ユニット26の後端部84と、カラン吐水用配管62及びシャワー吐水用配管72とは、強固に水密に接続される必要がある。
従来においては、水栓装置内の配管同士の接続は、それぞれの配管に設けられた突起部同士をクイックファスナー等の別個の特別の接続部材によって固定していた。従って、配管同士の接続領域において、さらに、クイックファスナー等の別個の特別の接続部材を、接続領域の外方をほぼ覆うように取付ける必要があった。さらに、信頼性が高い接続をするためには比較的大きなクイックファスナーを取付ける必要があり、接続部材の取付け領域の配管方向への長さが長くなり、ひいては水栓装置の厚さ(奥行)も比較的大きくなっていた。
本発明においては、鍔部83が樹脂ケーシングユニット58と第2金属板78との間に信頼性が高く保持され、別個の特別の接続部材を設けることを省略した上で、鍔部83の厚みE1が、第2金属板78の後方に飛び出ることがなく、樹脂ケーシングユニット58の凹部58c内に収められ、水栓装置1の厚みの増大を抑制して、水栓装置1を小型化することができる。
次に、第2金属板78と、カラン吐水用配管62又はシャワー吐水用配管72と、により、これらの流路部材が回転しないように係合する係合手段89が形成されていることを説明する。カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の側面において平坦面88が形成されている(図6参照)。また、第2金属板78の開口部78bの側面においては、縦方向に延びる側壁78dが形成されている。従って、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を開口部78b内に配置した際に、平坦面88と側壁78dが平面的に係合し、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72が開口部78bに対して相対的に回転させないように固定される。
このとき、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の外周面のいずれの位置に平坦面88を形成するかを変更することにより、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の固定を維持したい姿勢及び流路の下流側に接続される配管の向きを自在に決定しながら位置決めすることができる。また、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の取付けの際に、平坦面88を側壁78dに沿って配置することにより、比較的簡単に、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の向きを決定して設置することができる。また、比較的簡単な方法で、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を第2金属板78に対して回動させないように固定することができ、回動させたくない流路部材を比較的簡単に接続することができる。
なお、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72のうち、一部に係合手段89を形成し、他の流路部材には後述する他の手段を形成することも可能である。
次に、変形例として、図8により、水栓装置1が、さらに、流路部材が回転できる範囲を決める回転範囲決定手段189を備え、回転範囲決定手段189が第2金属板178と、カラン吐水用配管162又はシャワー吐水用配管172と、により形成されている場合について説明する。回転範囲決定手段189は、係合手段89や後述する回転位置決め手段289に代わり設けることができる。回転範囲決定手段189は、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172の外面から外方に突出する突起部194と、第2金属板178の開口部178bにおいてカラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172の外周の外側に沿うように形成された溝部178cとを備えている。溝部178cは、内部に突起部194が配置され、突起部194が回動できるようになっている。溝部178cは、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172の外面に沿って、90度の範囲にわたって連続した凹部(開口部)を形成しており、突起部194はこの90度の範囲にわたって溝部178c内を回動できる。すなわち、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172は、樹脂モジュール機能ユニット26に接続された状態で、第2金属板178に対して所定の90度の範囲にわたって自在に回動することができる。例えば、図8に示すような、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172は、図8に示されている突起部194が、矢印Aの向きに、反時計回りに90度まで回動することが可能である。このようにして、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172に、所定の範囲で回動させる自由度を持たせることができ、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172が回動しない場合に比べて、流路部材が移動可能な部分と、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172との間に応力が生じることを抑制することができる。また、さらに、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172が必要以上に回動して流路部材が絡んだりすることを防ぐことができる。溝部178cの開口している範囲、すなわち、突起部194が回動可能な角度範囲、は90度の範囲のみならず、30度、60度、180度等の他の範囲に設定することも可能である。
次に、さらに別の変形例として、図9により、水栓装置1が、さらに、これらの流路部材を所定の角度に回転した状態で位置決めする回転位置決め手段289を備え、回転位置決め手段289が第2金属板278と、カラン吐水用配管262又はシャワー吐水用配管272と、により形成されている場合について説明する。回転位置決め手段289は、係合手段89や後述する回転範囲決定手段189に代わり設けることができる。回転位置決め手段289は、カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272の外面上に複数の平面が形成された複数平面部294と、第2金属板278の開口部278bにおいて縦方向に延びる側壁278dとを備えている。複数平面部294は、多角形を形成し、外周上に互いに向かい合う平行な複数の平面を形成している。よって、カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272の平面部294aを側壁278dと当接させている場合には、平面部294aと側壁278dが平面的に係合し、カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272が開口部278bに対して相対的に回転させないように固定される。平面部294aと側壁278dとの関係でみれば、係合手段89も形成しているので、回転位置決め手段289は、複数の係合手段89を有している場合も含んでいる。
カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272を回転して位置決めする場合には、これらを回転して例えば平面部294bを側壁278dと当接させることができる。平面部294bと側壁278dが平面的に係合し、カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272が開口部278bに対して相対的に回転させないように固定される。カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272は既に回転された状態で取付けることによりその取付けた向きで位置決めされた状態となる。
カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272を逆方向に回転して位置決めする場合には、これらを回転した状態で取付けることにより、例えば平面部294cを側壁278dと当接させることができる。平面部294cと側壁278dが平面的に係合し、カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272が開口部278bに対して相対的に回転させないように固定される。カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272は上述の向きと逆方向に回転された向きで位置決めされた状態となる。
このように、多角形上の複数平面部294により、回転位置決め手段289は、第2金属板278に対して複数の角度でカラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272を接続し、且つ固定することができる。このようにして、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172を、所定の複数の角度の向きで設置しやすくすることができ、さらに、カラン吐水用配管162及び/又はシャワー吐水用配管172を所定の向きに設定した後に、これらの流路部材が回動して流路部材が絡んだりすることを防ぐことができる。
カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272を第2金属板278に対して相対的に回転した角度を有する状態で取付けたい場合には、カラン吐水用配管262及び/又はシャワー吐水用配管272を予め意図する角度に傾けた状態で、鍔部83を第2金属板278の上部の取付開口部278eから下方に第2金属板278の内側面に沿ってスライドさせて挿入する。このとき、複数平面部294と開口部278bとの関係においては、例えば、平面部294a、294b及び294cのうちいずれかの選択した平面と側壁278dが平行になるようにしながら下方にスライドして挿入する。
なお、前述のように、別実施形態として、第1金属板が、複数の樹脂モジュール機能ユニットの後方側(第2の側)においてこれらの背面を押さえるように配置され、第2金属板が水栓装置の前方側(第1の側)に設けられる場合には、第1金属板76に対し、カラン吐水用配管62又はシャワー吐水用配管72の鍔部83を第1金属板76の内側(前方側)に配置して取付けるようにしてもよい。
次に、本発明の一実施形態による水栓装置1の樹脂モジュール機能ユニット26を第1金属板76と第2金属板78との間に挟み込む方法及び工程について図2を用いて説明する。
先ず、第1樹脂モジュール機能ユニット26aを組み立てる工程について説明する。
第1バルブユニット60、第1樹脂ケーシングユニット58a、第1押さえ板61a(第3金属板)及び第1ねじ63aを準備する。同様に、第2バルブユニット70、第2樹脂ケーシングユニット58b、第2押さえ板61b(第3金属板)及び第2ねじ63bを準備する。
次に、第1バルブユニット60を第1押さえ板61aによって押さえながら第1ねじ63aによって第1樹脂ケーシングユニット58aに取付けることにより第1樹脂モジュール機能ユニット26aを形成する。第1押さえ板61aは第1バルブユニット60を押圧する強度を有するような金属により形成されている。
同様に、第2バルブユニット70を第2押さえ板61bによって押さえながら第2ねじ63bによって第2樹脂ケーシングユニット58bに取付けることにより第2樹脂モジュール機能ユニット26bを形成する。第2押さえ板61bは第2バルブユニット70を押圧する強度を有するような金属により形成されている。
第1樹脂モジュール機能ユニット26aに、第2流路配管46及び第3流路配管68を接続する。また、第2樹脂モジュール機能ユニット26bに、第3流路配管68を接続する。
第1押さえ板61aは、第1金属板76とは別部材として設けられ、第1バルブユニット60を第1樹脂ケーシングユニット58aに押さえつけて固定するために用いられる。
第1押さえ板61aは、第1金属板76の第1開口部76cよりも前方側に配置される。また、第1押さえ板61aは、第1金属板76の第1開口部76cの大きさよりも小さい大きさに形成されている。さらに、第1押さえ板61aは、第1金属板76と離間して配置されている。
同様に、第2押さえ板61bは、第1金属板76とは別部材として設けられ、第2バルブユニット70を第2樹脂ケーシングユニット58bに押さえつけて固定するために用いられる。第2押さえ板61bは、第1金属板76とほぼ平行に配置され、第1金属板76の第1開口部76cよりも前方側に配置される。また、第2押さえ板61bは、第1金属板76の第1開口部76cの大きさよりも小さい大きさに形成されている。さらに、第2押さえ板61bは、第1金属板76と離間して配置されている。
よって、第1押さえ板61a及び第2押さえ板61bが機能ユニット56を樹脂ケーシングユニット58内により確実に保持することができ、第1金属板76が樹脂ケーシングユニット58を第2金属板78との間でより確実に保持することができる。
次に、第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bを第1金属板76に位置決めする。具体的には、第1樹脂モジュール機能ユニット26aの前方側に突出した状態となっている第1バルブユニット60の前部を第1金属板76の第1開口部76c内に挿入すると共に、第1樹脂ケーシングユニット58aの前端部を第1金属板76の第1開口部76c内に挿入して位置決めする。同様に、第2樹脂モジュール機能ユニット26bの前方側に突出した状態となっている第2バルブユニット70の前部を第1金属板76の第1開口部76c内に挿入すると共に、第2樹脂ケーシングユニット58bの前端部を第1金属板76の第1開口部76c内に挿入して位置決めする。
次に、第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bを第2金属板78に位置決めする。
先ず、カラン吐水用配管62の鍔部83を第2金属板78の上部の取付開口部78eから下方に第2金属板78の内側面に沿ってスライドさせて挿入する。図7に示すように、鍔部83が第2金属板78の内側面に沿って配置された状態においては、カラン吐水用配管62の外周部62aが第2金属板78の第2開口部78bの内側に配置された状態となる。
同様に、シャワー吐水用配管72の鍔部83を第2金属板78の上部の取付開口部78eから下方に第2金属板78の内側面に沿ってスライドさせて挿入する。図7に示すように、鍔部83が第2金属板78の内側面に沿って配置された状態においては、シャワー吐水用配管72の外周部72aが第2金属板78の第2開口部78bの内側に配置された状態となる。
次に、第1樹脂モジュール機能ユニット26aの後方側に突出した状態となっている第1樹脂モジュール機能ユニット26aの後端部84を、第2金属板78の第2開口部78b内に取付けられているカラン吐水用配管62の流路内に挿入する。よって第1樹脂モジュール機能ユニット26aと、カラン吐水用配管62とを嵌合した状態とし、さらに、第1樹脂モジュール機能ユニット26aと、第2金属板78とが組み付けられるように配置した状態となる。
同様に、第2樹脂モジュール機能ユニット26bの後方側に突出した状態となっている第2樹脂モジュール機能ユニット26bの後端部84を、第2金属板78の第2開口部78b内に取付けられているシャワー吐水用配管72の流路内に挿入する。よって第2樹脂モジュール機能ユニット26bと、シャワー吐水用配管72とを嵌合した状態とし、さらに、第2樹脂モジュール機能ユニット26bと、第2金属板78とが組み付けられるように配置した状態となる。
カラン吐水用配管62及びシャワー吐水用配管72を後端部84と嵌合しておくことで、後述するように第1金属板76と第2金属板78とを締付けた状態で、鍔部83が第2開口部78bの内側(前方側)に掛かった状態となり、カラン吐水用配管62及びシャワー吐水用配管72が第2金属板78から抜けることを防ぐことが出来る。また、カラン吐水用配管62及びシャワー吐水用配管72は、嵌合状態において、後端部84に対して多少前後に移動しても流路を水密に保つことができるようになっている。
次に、第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bを第1金属板76と第2金属板78との間に挟み込んだ状態で固定する。上述のように組み上げられた第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bをねじ締付け部材82により固定する。
ねじ締付け部材82は、第1金属板76側(前方側)から第1金属板76の穴76dを通して挿入され、樹脂ケーシングユニット58の貫通孔部80を通過して、ねじ締付け部材82の外周に形成された雄ねじ部分が第2金属板78に形成された雌ねじ部78cと螺合するようになっている。ねじ締付け部材82の雄ねじ部分が比較的強度を有する第2金属板78の雌ねじ部78cと係合することによりナット等の追加部品を省略して部品点数及びコストを低減することができる。また、穴76d及び貫通孔部80は比較的大きな径を有し、ねじ締付け部材82を回動自在な状態で通過させるように形成されている。
ねじ締付け部材82により、第1金属板76と第2金属板78とを締付け、第1金属板76と第2金属板78との間に配置される直方体形状の樹脂モジュール機能ユニット26を締付けるように挟みこみ且つ支持することができる。第1金属板76と第2金属板78との平行な位置関係を保った状態で第1金属板76と第2金属板78とを締付けることができるので、金属に比べると比較的破損しやすい樹脂ケーシングユニット58に偏った局所的な圧力をかけることなく、比較的均等に圧力をかけた状態で、挟み込むことができる。
ねじ締付け部材82を、樹脂ケーシングユニット58の貫通孔部80を通過させ、直接に樹脂ケーシングユニット58にネジ止めしないので、樹脂ケーシングユニット58のネジ止め部分に応力が集中して樹脂部材が割れたり破損したりすることを抑制することができる。
本実施形態においては、第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bを組み立ててから第1金属板76と第2金属板78との間に挟み込むように固定しているが、別実施形態として、先に、第1樹脂ケーシングユニット58a及び第2樹脂ケーシングユニット58bを第1金属板76と第2金属板78との間に挟み込み且つ締付ける固定を行い、次に、第1バルブユニット60及び第2バルブユニット70を各樹脂ケーシングユニット内に第1押さえ板61a及び第1ねじ63a等によって固定するようにしてもよい。
上述のように第1金属板76と第2金属板78との間に挟み込まれた第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bの前方側に、カラン吐水用タッチ操作部14及びシャワー吐水用タッチ操作部16が取付けられる。
また、第1金属板76には、温調ユニット22の温調ユニットケーシング28がねじ86により取付けられ、さらに、流調ユニット24の流調ユニットケーシング42がねじ86により取付けられる。また、第1流路配管44等の配管が温調ユニット22及び/又は流調ユニット24に取付けられる。本実施形態においては、第1金属板76に第1樹脂モジュール機能ユニット26a、第2樹脂モジュール機能ユニット26b、温調ユニット22及び流調ユニット24がほぼ同じタイミングで取付けられているが、別実施形態においては、第1金属板76に第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bを組み付ける前に予め温調ユニット22及び流調ユニット24を第1金属板76に取付けてもよい。
なお、ねじ86、第1ねじ63a、第2ねじ63b及びねじ締付け部材82の挿入方向は全て同じ方向に設定されているので、一連のねじの締付を全て同じ方向から(前方側から)行うことができ、組立の作業性が向上されている。
なお、本実施形態においては、第1金属板76と第2金属板78との間に、共通化されたモジュール構造を有する第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bが、配置されている。しかしながら、第1樹脂モジュール機能ユニット26a及び第2樹脂モジュール機能ユニット26bが、共通のモジュール構造を有していない場合にも、第1金属板76と第2金属板78との間に、第1樹脂モジュール機能ユニット26a又は第2樹脂モジュール機能ユニット26bのいずれか、又はさらに他の機能ユニットを有する樹脂モジュール機能ユニット26を配置することができれば、そのカラン吐水用配管62、シャワー吐水用配管72の鍔部83は、樹脂ケーシングユニット58を取付ける第2金属板78によって、樹脂ケーシングユニット58と第2金属板78との間に挟み込まれるようにして保持されることができ、上述のような本発明の効果を奏することができる。
上述した本発明の一実施形態の水栓装置1によれば、樹脂モジュール機能ユニット26に接続されるカラン吐水用配管62、シャワー吐水用配管72の鍔部83は、樹脂ケーシングユニット58を取付ける第2金属板78によって、樹脂ケーシングユニット58と第2金属板78との間に挟み込まれるようにして保持されるので、樹脂機能ユニット26とカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の間を、別個の特別の接続部材を設けることなく、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72に水圧がかかる状態においても、信頼性が高く接続した状態を維持するように接続することができる。別個の特別の接続部材を設けることなく信頼性が高い接続をすることができるので、水栓装置1を小型化することができる。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の鍔部83を樹脂ケーシングユニット58と第2金属板78との間に隙間を形成する凹部58c内に収容することができ、樹脂ケーシングユニット58に第2金属板78を取付けたとき、第2金属板78が鍔部83を挟み込むように保持するために、第2金属板78が鍔部83の厚みの分だけ外側に撓んで突出することを防ぎ、鍔部83の厚みE1の分だけ水栓装置1が後方に厚みを増大することを抑制することができ、水栓装置1を小型化することができる。
さらに、本実施形態の水栓装置1によれば、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の鍔部83を樹脂ケーシングユニット58と第2金属板78との間に隙間を形成する凹部58c内に厚み方向の隙間を残しながら収容することができ、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の鍔部83が樹脂機能ユニット26から外れないように凹部58c内に収容された状態で、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の鍔部83は、凹部58c内で回動自在とすることができる。従って、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72の向きを簡便に且つ自由に設定することができる。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、樹脂機能ユニット26に接続されるカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72は、樹脂機能ユニット26と水栓装置1の吐水部との位置関係により、回動範囲が決定される必要があるときに、第2金属板78とカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72とにより形成された回転範囲決定手段89、189、289により、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72が回転できる範囲を比較的簡単に決めることができる。従って、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72が過度に回転してカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72が絡まることを抑制することができる。また、さまざまな樹脂機能ユニット26に対してカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を所定の範囲で回転できるようにしながら接続することができる。
さらに、本実施形態の水栓装置1によれば、樹脂機能ユニット26に接続されるカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72は、樹脂機能ユニット26と水栓装置1の吐水部との位置関係により、回動不能に設定する必要があるときに、第2金属板78とカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72とにより形成された係合手段89、289等により、比較的簡単に流路部材が回転しないように構成することができる。従って、回動させたくないカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を比較的簡単に回動させないようにすることができる。従って、さまざまな樹脂機能ユニット26に対してカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を回動させないように接続することができる。
また、本実施形態による水栓装置1によれば、樹脂機能ユニット26に接続されるカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72は、樹脂機能ユニット26と水栓装置1の吐水部との位置関係により、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を所定の角度に回転した状態で位置決めする必要があるときに、第2金属板78とカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72とにより形成された回転位置決め手段により、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を所定の角度に回転した状態で比較的簡単に位置決めすることができる。従って、カラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を所定の角度の向きの状態で位置決めすることができる。従って、さまざまな樹脂機能ユニット26に対してカラン吐水用配管62及び/又はシャワー吐水用配管72を所定の角度で接続することができる。
1 水栓装置
2 箱体
4 水栓装置本体
6 湯供給管
8 水供給管
10 カラン
12 シャワーヘッド
12a シャワーホース
14 カラン吐水用タッチ操作部
14a カラン吐水用作用部
16 シャワー吐水用タッチ操作部
16a シャワー吐水用作用部
16b シャワー吐水用支持軸
18 温調ハンドル
20 流調ハンドル
22 温調ユニット
24 流調ユニット
26 樹脂モジュール機能ユニット(樹脂機能ユニット)
26a 樹脂モジュール機能ユニット
26b 樹脂モジュール機能ユニット
28 温調ユニットケーシング
28a 湯側流入口
28b 水側流入口
28c 温調ユニット流出口
30a 第一本体部材
30b 第二本体部材
30c 湯側シート面
30d 水側シート面
32 温調主弁体
36 摺動部材
42 流調ユニットケーシング
42a 流調ユニット流入口
42b 流調ユニット流出口
44 第1流路配管
46 第2流路配管
48 回転弁
50 スピンドル
52 回転伝達部材
54 シリンダ
54a 通水口
56 機能ユニット
56a カラン用バルブユニット
56b シャワー用バルブユニット
58 樹脂ケーシングユニット
58a 第1樹脂ケーシングユニット
58b 第2樹脂ケーシングユニット
58c 凹部
58d 後面
60 第1バルブユニット
60a 第1主弁体
60b 第1パイロット弁
60c 第1操作部
60d 第1流入口
60e 第1ブリード穴
60f 第1圧力室
60g 第1弁座
60h 第1流出口
60i 第1圧力開放穴
61a 第1押さえ板
61b 第2押さえ板
62 カラン吐水用配管
62a 外周部
64 ケーシング流入口
66 ケーシング流出口
68 流路配管
70 第2バルブユニット
70a 第2主弁体
70b 第2パイロット弁
70c 第2操作部
70d 第2流入口
70e 第2ブリード穴
70f 第2圧力室
70g 第2弁座
70h 第2流出口
70i 第2圧力開放穴
70f 第2圧力室
72 シャワー吐水用配管
72a 外周部
74 ケーシング流入口
76 第1金属板
76a 縦板
76b 横板
76c 開口部
76d ねじ穴
78 第2金属板
78a 縦板
78b 開口部
78c 雌ねじ部
78d 側壁
78e 取付開口部
80 貫通孔部
81 座部
82 ねじ締付け部材
83 鍔部
84 後端部
88 平坦面
89 回転範囲決定手段(係合手段)
162 カラン吐水用配管
172 シャワー吐水用配管
178 第2金属板
178b 開口部
178c 溝部
189 回転範囲決定手段
194 突起部
262 カラン吐水用配管
272 シャワー吐水用配管
278 第2金属板
278b 開口部
278e 取付開口部
278d 側壁
289 回転位置決め手段
294 複数平面部
294a 平面部
294b 平面部
294c 平面部

Claims (6)

  1. 内部の流路上に設けられ且つ吐水状態を変更する機能を有する樹脂機能ユニットを介して吐水する水栓装置であって、
    上記樹脂機能ユニットは、
    吐水状態を変更する機能を有する機能ユニットと、
    樹脂により形成され且つ上記機能ユニットを受け入れることにより樹脂のケーシング構造を形成する樹脂ケーシングユニットと、を備え、
    上記樹脂機能ユニットに接続される流路部材は、その流路部材の接続側の端部において外側向きに形成された鍔部を備え、
    その流路部材の上記鍔部は、上記樹脂ケーシングユニットを取付ける取付板材によって、上記樹脂ケーシングユニットと上記取付板材との間に挟み込まれるようにして保持され
    上記樹脂機能ユニットの上記樹脂ケーシングユニットは、上記鍔部が上記樹脂ケーシングユニットと上記取付板材との間に配置されている状態において、上記取付板材に当接するように上記鍔部の外側において上記取付板材側に突出する座部と、
    上記鍔部の内側の上記流路部材内に受け入れられるように上記取付板材側に向けて上記座部よりも突出する流路端部とを備えていることを特徴とする水栓装置。
  2. 上記樹脂ケーシングユニットは、上記樹脂ケーシングユニットに上記取付板材を取付けたときに、上記樹脂ケーシングユニットと上記取付板材との間に上記流路部材の上記鍔部を収容できるような隙間を形成する凹部を備えている、請求項1に記載の水栓装置。
  3. 上記樹脂ケーシングユニットの凹部は、その厚み方向の隙間の大きさが上記鍔部の厚みの大きさよりも大きく形成されている、請求項2に記載の水栓装置。
  4. さらに、上記流路部材が回転できる範囲を決める回転範囲決定手段を備え、上記回転範囲決定手段は、上記取付板材と上記流路部材とにより形成されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の水栓装置。
  5. さらに、上記流路部材が回転しないように係合する係合手段を備え、上記係合手段は、上記取付板材と上記流路部材とにより形成されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の水栓装置。
  6. さらに、上記流路部材を所定の角度に回転した状態で位置決めする回転位置決め手段を備え、上記回転位置決め手段は、上記取付板材と上記流路部材とにより形成されている、請求項1乃至3、及び請求項5のうち何れか1項に記載の水栓装置。
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