JP6619818B2 - パルス高周波電源のインピーダンス整合方法および装置 - Google Patents

パルス高周波電源のインピーダンス整合方法および装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、半導体装置製造の技術分野に関し、より詳しくは、パルス高周波(RF)電源のインピーダンス整合方法および装置に関する。
背景技術
半導体加工設備は、一般的に、パルス高周波電源によって提供される高周波エネルギーを高真空状態の反応チャンバに印加することによって、反応チャンバ内の処理ガスを励起してプラズマを形成する。このプラズマは、電子、イオン、励起原子、分子およびフリーラジカルなどの大量の活性粒子を含む。これらの活性粒子は、プラズマ雰囲気に暴露されたウエハの表面と物理的におよび/または化学的に反応することによって、ウエハのエッチング、堆積または他の処理を行う。集積回路のさらなる開発によって、従来技術は、22nm以下の寸法でエッチング処理を行う要求に満たすことができなくなる。したがって、プラズマ励起源としてパルス高周波電源を使用することによって、連続的な高周波エネルギーによるプラズマ誘発損傷を低減し、工程の調整範囲および処理範囲を拡大する。現在では、パルス高周波電源をプラズマ励起源として開発することを制限する主な要素は、パルス高周波電源のインピーダンス整合である。インピーダンス整合とは、パルス高周波電源の負荷インピーダンスを特性インピーダンス(通常50Ω)に整合させることを意味する。通常のパルス高周波電源のパルス周波数の範囲は、100〜100kHzであり、デューティ比の範囲は、10%〜90%である。したがって、各パルス幅は、僅かの数ミリ秒である。しかしながら、主に機械調整に依存する従来のインピーダンス整合装置を用いて、数ミリ秒以内にインピーダンス整合を達成することができず、これによって、整合精度が低く、パルス高周波電源の反射率が高くなる(通常、20%)。その結果、パルス高周波電源の利用率が悪くなる。
したがって、従来技術は、図1に示すインピーダンス整合装置を使用する。このインピーダンス整合装置は、主に電子調整を使用するが、補助的に機械調整を使用する。図1を参照すると、インピーダンス整合装置10は、制御ユニット11と、実行ユニット12と、整合ネットワーク13とを含む。パルス高周波電源14は、周波数掃引機能を有し、制御ユニット11にパルス同期信号を送信する。図2は、このパルス同期信号を示している。高電圧レベル期間中に、パルス高周波電源14は、高周波電力信号で変調されるが、低電圧レベル期間中に、パルス高周波電源14は、高周波電力信号で変調されない。整合ネットワーク13には、インピーダンス可調素子が配置されている。パルス高周波電源14は、高電圧レベル期間中に、周波数自動掃引によって、インピーダンス整合を行う(すなわち、パルス高周波電源14の負荷インピーダンスに基づいて、最大出力パワーを有するようにパルス周波数を自動的に調整する)。制御ユニット11は、パルス同期信号に基づいて、各パルス周期中の高電圧レベル期間におけるパルス高周波電源14の現在のパルス周波数をリアルタイムで取得し、現在のパルス周波数、整合ネットワーク13の回路構成および整合ネットワーク13のインピーダンス調整素子の現在位置に基づいて、パルス高周波電源14の現在の負荷インピーダンスを算出し、パルス高周波電源14の現在の負荷インピーダンスが特性インピーダンスと一致するか否かを判断する。パルス高周波電源14の負荷インピーダンスが特性インピーダンスと一致する場合、現在のパルス周期中の低電圧レベル期間において、インピーダンス調整可能素子の現在位置、すなわち、整合位置を維持する。パルス高周波電源14の現在の負荷インピーダンスが特性インピーダンスと一致しない場合、現在のパルス周期中の低電圧レベル期間において、実行ユニット12を制御してインピーダンス調整素子の位置を調整することによって、パルス高周波電源14の負荷インピーダンスを調整し、インピーダンス整合を行う。
図3は、従来のインピーダンス整合装置に適用された反応チャンバの構造を示す概略図である。図3を参照して、反応チャンバ20の上面には、誘導コイル21が設けられている。誘導コイル21は、第1インピーダンス整合装置22を介して、第1パルス高周波電源23に電気的に接続される。反応チャンバ20の底面には、ウエハSを支承するための静電チャック24が設けられている。静電チャック24は、第2インピーダンス整合装置25を介して第2パルス高周波電源26に電気的に接続される。第1パルス高周波電源23は、連続波信号を出力する。すなわち、第1パルス高周波電源23は、高周波電力信号を連続的に出力する。第2パルス高周波電源26は、パルス高周波電源である。第2パルス高周波電源により生成される高周波電力信号の周波数が13.56MHzであり、パルス同期信号の周波数が100Hzであり、そのデューティ比が90%である。第2インピーダンス整合装置25は、図1に示すインピーダンス整合装置を採用する。
図4は、上述の条件の下で、インピーダンス整合処理中の異なる時点における第2インピーダンス整合装置25の整合状態を示す概略図である。図4を参照して、具体的には、第1パルス周期中の高電圧レベル期間において、パルス高周波電源26は、周波数自動掃引によって整合を行い、「整合中」状態、すなわち、インピーダンスがまだ整合されていない状態を維持する。低電圧レベル期間において、制御ユニット11は、実行ユニット12を制御して、インピーダンス調整素子の位置を調整することによって、インピーダンス整合を行う。第2パルス周期中の高電圧レベル期間において、パルス高周波電源26は、周波数自動掃引によって整合を行い、時間Tの後に「整合中」状態から「整合済み」状態に変更し、すなわち、インピーダンスがまだ整合されていない状態からインピーダンスが整合した状態に変更する。低電圧レベル期間において、整合位置は、変更しない。第3パルス周期およびその後のパルス周期の整合処理は、第2パルス周期の整合処理と同様であるため、その説明を繰り返さない。
図5は、スミス円線図を用いて、インピーダンス整合処理中に第2パルス高周波電源の負荷インピーダンスの変化軌跡を示すグラフである。図5を参照して、スミス円線図の最も中心点は、整合された1つの抵抗値(50Ω)を表し、最も中心点の位置は、インピーダンス整合点と呼ばれる。このスミス円線図において、インピーダンス整合処理は、実際には円線図の縁部位置から円線図の最も中心位置に向かって負荷インピーダンスを移動させる処理であり、具体的に、この処理は、インピーダンスゾーン1、インピーダンスゾーン2、インピーダンスゾーン3およびインピーダンスゾーン4を順次に通過することを含む。
パルス高周波電源26が作動されていないとき、その負荷インピーダンスは、干渉信号によるインピーダンスであり、スミス円線図の外側のインピーダンスゾーン1として示される。パルス高周波電源26が作動された後、インピーダンス整合処理の第1パルス周期中の高電圧レベル期間において、現在の負荷インピーダンスは、最初にインピーダンスゾーン2に位置し、約6∠−86°のインピーダンス値を有する。この時点で、パルス高周波電源26は、反応チャンバ内で点火を行わない。パルス高周波電源26が周波数自動掃引によって整合を行うことによって、現在の負荷インピーダンスは、インピーダンスゾーン2からインピーダンス整合位置に向かって徐々に移動するが、インピーダンス整合点にはまだ達していない。第1パルス周期中の低電圧レベル期間において、インピーダンス整合は、行われず、このときの負荷インピーダンスは、誘導コイル21の結合信号によるインピーダンスであり、スミス円線図の外側のインピーダンスゾーン4に位置する。インピーダンス整合処理の第2パルス周期中の高電圧レベル期間において、インピーダンス可調素子が第1パルス周期中の低電圧レベル期間において調整されたため、最初の負荷インピーダンスは、インピーダンス整合点に向かって一定の距離で移動したインピーダンスゾーン2の非点火インピーダンスゾーンに位置する。したがって、パルス高周波電源26は、最初に点火を行わない。パルス高周波電源26が周波数自動掃引によって整合を行うことによって、現在の負荷インピーダンスは、インピーダンスゾーン3に移動し、約40∠45°のインピーダンス値を有する。これによって、インピーダンス整合は基本的に実現されている。第2パルス周期中の低電圧レベル期間において、負荷インピーダンスは、同様に、インピーダンスゾーン4に位置する。第3パルス周期およびその後のパルス周期に対応する負荷インピーダンスの移動処理は、第2パルス周期に対応する負荷インピーダンスの移動処理と同様であるため、その説明を繰り返さない。
実際の応用において、上述した従来のインピーダンス整合装置を用いて、パルス高周波電源にインピーダンス整合を行うときに、しばしば以下の技術的な課題に直面する。整合処理において、パルス高周波電源の機能が反応チャンバ内の処理ガスを励起してプラズマを形成することであり、且つ反応チャンバに点火を行うときのパルス高周波電源の負荷インピーダンスがインピーダンス整合を行うときのパルス高周波電源の負荷インピーダンスと異なるため、初回のインピーダンス整合を実現した後、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において、パルス高周波電源は、反応チャンバの点火を行ってから、インピーダンス整合を行う必要がある。すなわち、各パルス周期中の高電圧レベル期間において、処理ガスの点火を実現するために、負荷インピーダンスを、前のパルス周期で得られた整合負荷インピーダンス値から点火負荷インピーダンス値に調整する必要がある。また、点火後、図4および5に示す周波数自動掃引によって負荷インピーダンス整合を行うことによって、整合を実現したときの負荷インピーダンス値に調整する必要がある。すなわち、従来のインピーダンス整合装置を用いて、後続のパルス周期中の高電圧レベル期間においてインピーダンス整合を実現する場合、周波数自動掃引によって整合時間Tが比較的長くなる。これによって、整合効率が低下し、整合処理の安定性が不十分になり、パルス高周波電源の利用率が低くなる。
したがって、パルス高周波電源のインピーダンス整合を迅速に実現することができるインピーダンス整合方法およびその装置が至急に必要とされる。
発明の概要
従来技術に存在する技術的な課題を解決するために、本発明は、パルス高周波電源のインピーダンス整合を迅速に実現するインピーダンス整合装置および半導体加工設備を提供する。これによって、整合処理の安定性を向上し、パルス高周波電源の高周波エネルギーの利用率を改善することができる。
従来の技術的課題を解決するために、本発明は、パルス高周波電源のインピーダンス整合方法を提供する。本発明のインピーダンス整合方法は、現在の負荷インピーダンスに基づいて、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定する粗調整ステップと、点火位置を維持しながら、現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現し、現在位置を整合位置に設定する微調整ステップと、初回のインピーダンス整合を実現した後、異なるパルス周期のインピーダンス整合を実現するために、後続の各パルス周期中の異なるパルス期間において、点火位置および整合位置を切り替える切替ステップとを含む。
より具体的には、インピーダンス整合方法は、リアルタイムで現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいであるか否かを判断するステップ1を含み、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいと判断された場合、ステップ2を行い、そうでない場合に、微調整ステップを行い、現在の負荷インピーダンスに基づいてリアルタイムで粗調整ステップを行い、その後、ステップ1に戻るステップ2を含む。
さらに、インピーダンス整合方法は、粗調整ステップを行う前に、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあるか否かを判断するステップを含み、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、粗調整ステップを行い、そうでない場合に、現在位置を維持する。
さらに、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、パルス高周波電源は、周波数掃引モードを使用して、自動インピーダンス整合を行う。
また、微調整ステップは、インピーダンス整合を実現したときに、整合位置を記憶することを含む。
さらに、切替ステップは、初回のインピーダンス整合を実現した後に、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において点火位置から整合位置に切り替え、後続の各パルス周期中の低電圧レベル期間において整合位置から点火位置に切り替えることを含む。
別の態様として、本発明は、パルス高周波電源の負荷インピーダンスをパルス高周波電源の特性インピーダンスに整合させるように構成されたインピーダンス整合装置を提供する。本発明のインピーダンス整合装置は、粗調整ユニットと、微調整ユニットと、切替ユニットとを備える。粗調整ユニットは、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定するように構成されている。微調整ユニットは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下であるときに、点火位置を維持し、現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現し、現在位置を整合位置に設定するように構成されている。切替ユニットは、初回のインピーダンス整合を実現した後、異なるパルス周期のインピーダンス整合を実現するために、後続の各パルス周期中の異なるパルス期間において、点火位置および整合位置を切り替えるように構成されている。
インピーダンス整合装置は、制御モジュールと、反射係数判断モジュールと、計算モジュールとをさらに備える。計算モジュールは、リアルタイムでパルス高周波電源の現在の負荷インピーダンスおよび現在の反射係数|Γ|を計算し、現在の負荷インピーダンスを粗調整ユニットおよび微調整ユニットに送信し、現在の反射係数|Γ|を反射係数判断モジュールに送信するように構成されている。反射係数判断モジュールは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいであるか否かを判断し、点現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいと判断された場合、制御モジュールに第1識別信号を送信し、そうでない場合に、制御モジュールに第2識別信号を送信するように構成されている。制御モジュールは、反射係数判断モジュールから送信された第1識別信号の受信に応答して、粗調整ユニットを作動させ、反射係数判断モジュールから送信された第2識別信号の受信に応答して、微調整ユニットを作動させる。
粗調整ユニットは、可変コンデンサおよび/または可変インダクタを備える。粗調整ユニットは、計算モジュールから送信された現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイムで可変コンデンサおよび/または可変インダクタの位置を調整することによって、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、可変コンデンサおよび/または可変インダクタの現在位置を点火位置として設定するように構成されている。
微調整ユニットは、固定コンデンサおよび/または固定インダクタと、それらに直列に接続されたオンオフスイッチとを備える。微調整ユニットは、計算モジュールから送信された現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイムでオンオフスイッチのオンオフを制御することによってインピーダンス整合を実現し、オンオフスイッチの現在状態を整合オンオフ状態に設定するように構成されている。
インピーダンス整合装置は、パルス周期判断モジュールをさらに備える。パルス周期判断モジュールは、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあるか否かを判断し、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、粗調整ユニットを作動させ、そうでない場合に、現在位置を維持するように構成されている。
インピーダンス整合装置は、記憶モジュールをさらに備える。記憶モジュールは、微調整ユニットが現在の負荷インピーダンスに基づいてリアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現した場合の整合位置を記憶するように構成されている。
また、切替ユニットは、初回のインピーダンス整合を実現した後に、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において点火位置から整合位置に切り替え、後続の各パルス周期中の低電圧レベル期間において整合位置から点火位置に切り替えるように構成されている。
本発明は、以下の有益な効果を有する。
本発明により提供されたパルス高周波電源のインピーダンス整合方法において、粗調整ステップでは、現在の負荷インピーダンスに基づいて、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定する。また、微調整ステップでは、点火位置を維持しながら、現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現し、現在位置を整合位置に設定する。さらに、切替ステップでは、初回のインピーダンス整合を実現した後、異なるパルス周期のインピーダンス整合を実現するために、後続の各パルス周期中の異なるパルス期間において、点火位置および整合位置を切り替える。より具体的には、各パルス周期中の高電圧レベル期間において、初期位置から整合位置に切り替えられ、各パルス周期中の低電圧レベル期間において、整合位置から点火位置に切り替えられる。したがって、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において、直接に点火を実現し、点火位置を整合位置に切り替えることによって、再整合を実現することができる。したがって、各後続パルス周期の整合時間は、点火位置と整合位置との切替時間である。これによって、周波数自動掃引によって後続パルス周期の整合時間が比較的長くなり、負荷インピーダンスの反復調整によって整合を実現する従来技術に比べて、整合処理の安定性を向上し、パルス高周波電源の利用率を改善することができる。
本発明によって提供されたパルス高周波電源のインピーダンス整合装置において、粗調整ユニットは、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定し、微調整ユニットは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下であるときに、点火位置を維持し、現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現し、現在位置を整合位置に設定し、切替ユニットは、初回のインピーダンス整合を実現した後、異なるパルス周期のインピーダンス整合を実現するために、後続の各パルス周期中の異なるパルス期間において、点火位置および整合位置を切り替える。より具体的には、各パルス周期中の高電圧レベル期間において、初期位置から整合位置に切り替えられ、各パルス周期中の低電圧レベル期間において、整合位置から点火位置に切り替えられる。したがって、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において、直接に点火を実現し、点火位置を整合位置に切り替えることによって、再整合を実現することができる。したがって、各後続パルス周期の整合時間は、点火位置と整合位置との切替時間である。これによって、周波数自動掃引によって後続パルス周期の整合時間が比較的長くなり、負荷インピーダンスの反復調整によって整合を実現する従来技術に比べて、整合処理の安定性を向上し、パルス高周波電源の利用率を改善することができる。
従来のインピーダンス整合装置を適用する原理を示すブロック図である。 パルス高周波電源のパルス同期信号を示す波形図である。 従来のインピーダンス整合装置に適用された反応チャンバの構造を示す概略図である。 インピーダンス整合処理中の異なる時点における第2インピーダンス整合装置の整合状態を示す概略図である。 スミス円線図を用いて、インピーダンス整合処理中に第2パルス高周波電源の負荷インピーダンスの変化軌跡を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に従って、パルス高周波電源のインピーダンス整合方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に従って、パルス高周波電源のインピーダンス整合装置の原理を示すブロック図である。 図7の粗調整ユニットおよび微調整ユニットを示す概略図である。 図7に示すインピーダンス整合装置の動作を示すフローチャートである。 現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きい場合に、異なる時点でインピーダンス整合を行うインピーダンス整合装置の整合状態を示す概略図である。 スミス円線図を用いて、インピーダンス整合処理中にパルス高周波電源の負荷インピーダンスの軌跡を示すグラフである。 現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下である場合に、異なる時点でインピーダンス整合を行うインピーダンス整合装置の整合状態を示す概略図である。
詳細な説明
本発明の技術的解決策を当業者により良く理解させるために、以下、添付の図面を参照して、本発明によって提供されたパルス高周波電源用のインピーダンス整合方法および装置を詳細に説明する。
図6は、本発明の第1実施形態に従って、パルス高周波電源のインピーダンス整合方法を示すフローチャートである。図6を参照して、本発明の第1実施形態によって提供されたパルス高周波電源のためのインピーダンス整合方法は、パルス高周波電源の負荷インピーダンスと特性インピーダンス(例えば、50Ω)との整合を実現することができる。インピーダンス整合方法は、以下のステップを含む。
具体的には、インピーダンス整合方法は、現在の負荷インピーダンスに基づいて、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定する粗調整ステップを含む。
物理的には、パルス高周波電源の反射係数|Γ|は、パルス高周波電源の負荷インピーダンスポイントにおける反射電圧波と入射電圧波との比を意味し、点火反射係数|Γt|は、パルス高周波電源が反応チャンバ内で点火を実現するときの負荷インピーダンスに対応する反射係数|Γ|を意味する。1つの整合処理において、反応チャンバ内で点火を実現するときのパルス高周波電源の負荷インピーダンスおよび反射係数|Γ|は、定値である。しかしながら、異なる整合処理において、チャンバ圧力および処理ガスなどのパラメータがパルス高周波電源による反応チャンバの点火にはある程度の影響を与えるため、異なる整合処理において反応チャンバ内の点火を実現するときのパルス高周波電源の負荷インピーダンスおよび反射係数|Γ|は、異なることが多い。
ここでは、図5をさらに説明する必要がある。図5において、インピーダンスゾーン2は、高電圧レベル期間の開始時に処理ガスが点火されていないときの負荷インピーダンス値を示し、インピーダンスゾーン3は、処理ガスが点火され安定化され、整合が基本的に実現されたインピーダンス高電圧レベル期間の負荷インピーダンス値を示す。インピーダンスゾーン2とインピーダンスゾーン3との間には、処理ガスが点火された時点に対応する高電圧レベル期間の負荷インピーダンス値(図示せず)が存在する。この負荷インピーダンス値は、インピーダンスゾーン3に近い。
したがって、本発明の粗調整ステップの目的は、インピーダンス整合をほぼ達成するときの負荷インピーダンス値を求めることである。すなわち、現在の反射係数|Γ|が、点火反射係数|Γt|より大きい値から点火反射係数|Γt|に等しい値になるように減少することにつれて、現在の負荷インピーダンス値は、インピーダンス整合状態の負荷インピーダンス値に徐々に近づく。すなわち、現在の負荷インピーダンス値は、図5のインピーダンスゾーン2の範囲からインピーダンスゾーン3の範囲に向かって徐々に移動する。現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下である場合、現在の負荷インピーダンス値を処理ガスが点火された瞬間の負荷インピーダンス値に設定し、現状の各構成要素の位置を点火位置に設定する。この時に、インピーダンス整合は、まだ実現されていない。
また、インピーダンス整合方法は、点火位置を維持しながら、現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現し、現在位置を整合位置に設定する微調整ステップを含む。
粗調整ステップの後、各構成要素の位置を点火位置に維持しながら、インピーダンス整合を実現する負荷インピーダンス値を見付かるまで、微調整ステップを行う。すなわち、現在の負荷インピーダンス値は、図5のインピーダンスゾーン3に位置するように調整され、このときの各構成要素の位置は、整合位置として記憶される。
上述した2つのステップを経て、本発明は、2つの位置、すなわち、点火位置および整合位置を取得し、且つ、パルス高周波電源の初回のインピーダンス整合を達成した。
さらに、インピーダンス整合方法は、初回のインピーダンス整合を実現した後、異なるパルス周期のインピーダンス整合を実現するために、後続の各パルス周期中の異なるパルス期間(すなわち、高電圧レベル期間および低電圧レベル期間)において、点火位置および整合位置を切り替える切替ステップを含む。具体的には、初回のインピーダンス整合を実現した後の各パルス周期中の高電圧レベル期間の初期段階において、各構成要素は、点火位置に位置しているため、処理ガスを点火することができる。その後、各構成要素を点火位置から整合位置に切り替えることによって、インピーダンス整合を実現することができる。
したがって、点火位置において、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下であるため、パルス高周波電源は、処理ガスの点火を実現することができる。その後、整合位置において、パルス高周波電源は、インピーダンス整合を実現することができる。したがって、切替工程では、初回のインピーダンス整合を実現した後の各パルス周期中の高電圧レベル期間において、従来技術のように、周波数自動掃引によって負荷インピーダンスを反復的に調整することによって、インピーダンス整合を実現する必要がなく、点火位置を整合位置に切り替えることによって、インピーダンス整合を実現することができる。さらに、後続の各パルス周期中の低電圧レベル期間において、各構成要素を整合位置から点火位置に切り替えることによって、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において点火を直接に実現することができ、点火位置から整合位置に切り替えることによって、再整合を直接に実現することができる。したがって、本発明の実施形態において、初回のインピーダンス整合を実現した後の各パルス周期中の高電圧レベル期間において、整合時間は、点火位置から整合位置に切り替える切替時間である。整合時間は、未整合状態から整合状態に切り替えるための整合処理に使用された時間である。従来技術と本発明の実施形態とを比較すると、初回のインピーダンス整合を実現した後の各パルス周期において、従来技術は、周波数自動掃引によって負荷インピーダンスを反復的に調整することによって、インピーダンス整合を実現する必要があるため、インピーダンスの整合時間が比較的に長くなる。しかしながら、本発明の実施形態において、負荷インピーダンスを反復的に調整する必要がなく、各構成要素を点火位置から整合位置に切り替えることによって整合を実現することができる。したがって、整合時間が短くなり、整合効率が高くなる。その結果、整合処理の安定性およびパルス高周波電源の利用率を改善することができる。
具体的には、本発明の実施形態において、インピーダンス整合方法は、以下のステップ、すなわち、リアルタイムで現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいであるか否かを判断するステップS1を含み、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいと判断された場合、ステップS2を行い、そうでない場合に、微調整ステップを行い、現在の負荷インピーダンスに基づいてリアルタイムで粗調整ステップを行い、その後、ステップ1に戻るステップS2を含む。
ステップS1およびステップS2によって、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下になるまで、リアルタイムの判断および調整を行うことができる。
好ましくは、本発明のインピーダンス整合方法は、粗調整ステップを行う前に、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあるか否かを判断するステップを含み、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、粗調整ステップを行い、そうでない場合に、現在位置を維持する。このように、本発明のインピーダンス整合方法は、整合されていない現在のパルス周期中の高電圧レベル期間のみにおいて粗調整ステップを行い、低電圧レベル期間には動作しない。したがって、低電圧レベル期間において高電圧レベル期間の最後の時点の負荷インピーダンスに基づいて、実行機構を制御して、インピーダンス可調素子を調整する従来技術に比べて、「ブラインド調整」を回避することができる。これによって、過度調整を回避することができ、インピーダンス整合を初回に実現する整合効率を向上させることができる。
さらに好ましくは、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、パルス高周波電源は、周波数掃引モードを使用して、自動インピーダンス整合を行う。すなわち、パルス高周波電源は、パルス周波数を自動的に調整して整合を行う。これによって、整合効率をさらに向上させるだけでなく、整合精度を向上させることができる。
また、微調整ステップは、インピーダンス整合を実現したときに、整合位置を記憶することをさらに含む。
図7は、本発明の第2実施形態に従って、パルス高周波電源のインピーダンス整合装置の原理を示すブロック図である。図7に示すインピーダンス整合装置は、パルス高周波電源の負荷インピーダンスをパルス高周波電源の特性インピーダンス(例えば、50Ω)に整合させるように構成される。このインピーダンス整合装置は、粗調整ユニットと、微調整ユニットと、切替ユニットとを備える。粗調整ユニットは、現在の負荷インピーダンスに基づいて、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定するように構成されている。物理的には、パルス高周波電源の反射係数|Γ|は、パルス高周波電源の負荷インピーダンスポイントにおける反射電圧波と入射電圧波との比を意味し、点火反射係数|Γt|は、パルス高周波電源が反応チャンバ内で点火を実現するときの負荷インピーダンスに対応する反射係数|Γ|を意味する。1つの整合処理において、反応チャンバ内で点火を実現するときのパルス高周波電源の負荷インピーダンスおよび反射係数|Γ|は、定値である。しかしながら、異なる整合処理において、チャンバ圧力および処理ガスなどのパラメータがパルス高周波電源による反応チャンバの点火にはある程度の影響を与えるため、異なる整合処理において反応チャンバ内の点火を実現するときのパルス高周波電源の負荷インピーダンスおよび反射係数|Γ|は、異なることが多い。
微調整ユニットは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下であるときに、前記点火位置を維持し、現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現し、現在位置を整合位置に設定するように構成されている。
切替ユニットは、初回のインピーダンス整合を実現した後、異なるパルス周期のインピーダンス整合を実現するために、後続の各パルス周期中の異なるパルス期間(すなわち、高電圧レベル期間および低電圧レベル期間)において、点火位置および整合位置を切り替えるように構成されている。
したがって、点火位置において、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下であるため、パルス高周波電源は、処理ガスの点火を実現することができる。その後、整合位置において、パルス高周波電源は、インピーダンス整合を実現することができる。したがって、初回のインピーダンス整合を実現した後の各パルス周期中の高電圧レベル期間において、従来技術のように、周波数自動掃引によって負荷インピーダンスを反復的に調整することによって、インピーダンス整合を実現する必要がなく、切替ユニットを用いて、点火位置を整合位置に切り替えることによって、インピーダンス整合を実現することができる。さらに、後続の各パルス周期中の低電圧レベル期間において、各構成要素を整合位置から点火位置に切り替えることによって、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において点火を直接に実現することができ、点火位置から整合位置に切り替えることによって、再整合を直接に実現することができる。したがって、本発明の実施形態において、初回のインピーダンス整合を実現した後の各パルス周期中の高電圧レベル期間において、整合時間は、点火位置から整合位置に切り替える切替時間である。整合時間は、未整合状態から整合状態に切り替えるための整合処理に使用された時間である。従来技術と本発明の実施形態とを比較すると、初回のインピーダンス整合を実現した後の各パルス周期において、従来技術は、周波数自動掃引によって負荷インピーダンスを反復的に調整することによって、インピーダンス整合を実現する必要があるため、インピーダンスの整合時間が比較的に長くなる。しかしながら、本発明の実施形態において、負荷インピーダンスを反復的に調整する必要がなく、各構成要素を点火位置から整合位置に切り替えることによって整合を実現することができる。したがって、整合時間が短くなり、整合効率が高くなる。その結果、整合処理の安定性およびパルス高周波電源の利用率を改善することができる。
一実施形態において、インピーダンス整合装置は、制御モジュールと、計算モジュールと、反射係数判断モジュールとをさらに備える。計算モジュールは、リアルタイムでパルス高周波電源の現在の負荷インピーダンスおよび現在の反射係数|Γ|を計算し、現在の負荷インピーダンスを粗調整ユニットおよび微調整ユニットに送信し、現在の反射係数|Γ|を反射係数判断モジュールに送信するように構成されている。反射係数判断モジュールは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいであるか否かを判断し、点現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいと判断された場合、制御モジュールに第1識別信号(例えば、高電圧レベル「1」)を送信し、そうでない場合に、制御モジュールに第2識別信号(例えば、低電圧レベル「0」)を送信するように構成されている。制御モジュールは、反射係数判断モジュールから送信された第1識別信号を受信すると、粗調整ユニットを作動させ、反射係数判断モジュールから送信された第2識別信号を受信すると、微調整ユニットを作動させる。
粗調整ユニットは、可変コンデンサおよび/または可変インダクタを備える。粗調整ユニットは、計算モジュールから送信された現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイムで可変コンデンサおよび/または可変インダクタの位置を調整することによって、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、可変コンデンサおよび/または可変インダクタの現在位置を点火位置として設定するように構成されている。可変コンデンサおよび/または可変インダクタを調整するために、粗調整ユニットは、モータなどをさらに含んでもよい。モータは、ステッパモータであってもよい。図8に示すように、本発明の粗調整ユニットは、可変コンデンサC1およびC2を含む。駆動モータM1は、可変コンデンサC1の調整端子に接続され、可変コンデンサC1を調整する。駆動モータM2は、可変コンデンサC2の調整端子に接続され、可変コンデンサC2を調整する。
微調整ユニットは、固定コンデンサおよび/または固定インダクタと、それらに直列に接続されたオンオフスイッチとを備える。図8に示すように、微調整ユニットは、2つの分岐回路を備え、一方の分岐回路は、直列に接続されているオンオフスイッチK1および固定コンデンサC11を含み、他方の分岐回路は、直列に接続されているオンオフスイッチK2および固定コンデンサC12を含む。オンオフスイッチK1およびK2は、ダイオードまたは継電器などを含む電子スイッチである。微調整ユニットは、計算モジュールによって送信された現在の負荷インピーダンスに基づいて、オンオフスイッチ(K1およびK2)のオンまたはオフをリアルタイムで制御することによって、インピーダンス整合を実現し、インピーダンス整合を実現したときのオンオフスイッチ(K1およびK2)のオンオフ状態を整合オンオフ状態(「整合位置」ともいう)に設定する。例えば、インピーダンス整合を実現したときに、オンオフスイッチK1がオンであり、オンオフスイッチK2がオフである場合、整合オンオフ状態(整合位置)は、オンオフスイッチK1がオンであり、オンオフスイッチK2がオフである状態である。
また、本実施形態によるインピーダンス整合装置は、記憶モジュールをさらに備える。記憶モジュールは、微調整ユニットが現在の負荷インピーダンスに基づいてリアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現した場合の整合位置を記憶するように構成されている。具体的には、記憶モジュールは、オンオフスイッチK1およびK2のオンオフ状態を記憶する。
好ましくは、本実施形態によるインピーダンス整合装置は、パルス周期判断モジュールをさらに備える。パルス周期判断モジュールは、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあるか否かを判断し、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、粗調整ユニットを作動させ、そうでない場合に、現在位置を維持するように構成されている。すなわち、C1、C2、K1、K2をそれぞれの位置に維持する。したがって、本発明のインピーダンス整合装置は、まだ初回のインピーダンス整合を実現していない場合に、現在の時点が高電圧レベル期間にあれば粗調整ユニットを起動し、低電圧レベル期間にあれば粗調整ユニットを起動しない。したがって、低電圧レベル期間において高電圧レベル期間の最後の時点の負荷インピーダンスに基づいて、実行機構を制御して、インピーダンス可調素子を調整する従来技術に比べて、「ブラインド調整」を回避することができる。これによって、過度調整を回避することができ、インピーダンス整合を初回に実現する整合効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態において、パルス高周波電源は、初回のインピーダンス整合を実現する前に現在の時点が高電圧レベル期間にあるか否かを判断する際に、周波数自動掃引モードを用いて、自動インピーダンス整合を行う。すなわち、パルス高周波電源は、パルス周波数を自動的に調整して整合を行う。これによって、整合効率をさらに向上させるだけでなく、整合精度を向上させることができる。
以下、実験を用いて、本発明のインピーダンス整合装置がインピーダンス整合速度を改善する方法を検証する。この実験において、図3に示す反応室が使用される。本発明の実施形態によって提供されたインピーダンス整合装置は、第2インピーダンス整合装置に適応され、他のパラメータは、従来技術と同様である。
図9、10および11を参照して、上記の条件の下で、整合の初期段階において現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きい場合を説明する。
図9、10および11に示すように、パルス高周波電源をオンにしていないとき、パルス高周波電源の負荷インピーダンスは、干渉信号によって誘発されたインピーダンスであり、スミス円線図の外側のインピーダンスゾーンAに位置する。パルス高周波電源をオンにした後、パルス同期信号は、パルス周期判断モジュールに送信され、パルス周期判断モジュールは、現在の時点が第1パルス周期中の高電圧レベル期間にあるか否かをリアルタイムで判断する。パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第1パルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、パルス高周波電源は、周波数自動掃引によって整合を行う。計算モジュールは、リアルタイムで現在の負荷インピーダンスおよび現在の反射係数|Γ|の計算を開始し、現在の負荷インピーダンスを粗調整ユニットおよび微調整ユニットに送信し、現在の反射係数|Γ|を反射係数判断モジュールに送信する。反射係数判断モジュールによって、現在の反射係数|Γ|が高電圧レベル期間T1の全体において点火反射係数|Γt|よりも大きいとリアルタイムで判断された場合、反応チャンバ内の処理ガスの点火がまだ実現されていないを示す。反射係数判断モジュールは、第1識別信号「1」を制御モジュールに送信する。制御モジュールは、第1識別信号「1」を受信すると、粗調整ユニットを作動させる。粗調整ユニットは、計算モジュールからの現在の負荷インピーダンスに基づいて、可変コンデンサC1およびC2をリアルタイムで調整する。すなわち、「モータ整合モード」を用いて、整合を行う。この整合処理において、パルス高周波電源の負荷インピーダンスは、非点火インピーダンスゾーン(図11に図示せず)から整合インピーダンスゾーンCに向かって移動する。さらに、この整合処理において、オンオフスイッチK1およびK2が作動されず、初期オンオフ状態にある。
一方、パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第1パルス周期中の低電圧レベル期間にあるとリアルタイムで判断された場合、可変コンデンサC1およびC2の現在位置を変化せず、次のパルス周期中の高電圧レベル期間においてインピーダンス整合ゾーンCに向かって移動するように次のパルス周期まで待機する。この場合、パルス高周波電源の負荷インピーダンスは、誘導コイルの結合信号によるインピーダンスであり、インピーダンスゾーンDに位置する。
パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第2パルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、パルス高周波電源は、周波数掃自動引によって整合を行う。計算モジュールは、リアルタイムで現在の負荷インピーダンスおよび現在の反射係数|Γ|の計算を開始し、現在の負荷インピーダンスを粗調整ユニットおよび微調整ユニットに送信し、現在の反射係数|Γ|を反射係数判断モジュールに送信する。反射係数判断モジュールによって、計算モジュールからの現在の反射係数|Γ|が期間T2の全体において点火反射係数|Γt|よりも大きいとリアルタイムで判断された場合、反応チャンバ内の処理ガスの点火がまだ実現されていないを示す。反射係数判断モジュールは、第1識別信号「1」を制御モジュールに送信する。制御モジュールは、第1識別信号「1」を受信すると、粗調整ユニットを作動させる。粗調整ユニットは、「モータ整合モード」を用いて、整合を継続的に行い、負荷インピーダンスは、インピーダンス整合ゾーンCに向かって移動し続ける。反射係数判断モジュールは、計算モジュールからの現在の反射係数|Γ|が時刻t2において点火反射係数|Γt|以下であると判断した場合、反応室内の点火を実現されていることを示す。この場合、現在の負荷インピーダンスは、反応室内の点火に対応するインピーダンスゾーンBに移動し、反射係数判断モジュールは、第2識別信号「0」を制御モジュールに送信する。制御モジュールは、第2識別信号「0」を受信すると、微調整ユニットを作動させる。微調整ユニットは、可変コンデンサC1およびC2の現在位置(すなわち、点火位置)を維持し、計算モジュールから送信された現在の負荷インピーダンスに基づいて、オンオフスイッチK1およびK2のオンまたはオフをリアルタイムで制御する。すなわち、微調整ユニットは、「スイッチ整合モード」を用いて、オンオフスイッチK1、K2のオンオフ応答時間(切替時間)T3に従って、インピーダンス整合を行う。したがって、現在の負荷インピーダンスは、オンオフ応答時間T3の後、インピーダンスゾーンBから、インピーダンス整合点近傍のインピーダンス整合ゾーンCに迅速に移行する。その後、パルス高周波電源は、周波数自動掃引によって整合を行い、負荷インピーダンスをインピーダンス整合点に移動する。また、「スイッチ整合モード」を用いてインピーダンス整合を実現する場合、記憶モジュールは、オンオフスイッチK1、K2の現在のオンオフ状態を整合オンオフ状態として記憶する。
パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第2パルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、第2パルス周期中の高電圧レベル期間においてインピーダンス整合を実現したが、後続の各パルス周期にインピーダンス整合を再度実行する必要がある。したがって、可変コンデンサC1、C2の点火位置を維持し、オンオフスイッチK1、K2を整合オンオフ状態から初期オンオフ状態に切り替える。低電圧レベル期間において、パルス高周波電源の負荷インピーダンスは、誘導コイルの結合信号によるインピーダンスであり、インピーダンスゾーンDに位置する。
パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第3パルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、パルス高周波電源は、周波数自動掃引によって整合を行う。計算モジュールは、現在の負荷インピーダンスおよび現在の反射係数をリアルタイムで計算し、現在の負荷インピーダンスを粗調整ユニットおよび微調整ユニットに送信し、現在の反射係数を反射係数判断モジュールに送信する。可変係数C1、C2が点火位置にあり、開閉スイッチK1、K2が初期オンオフ状態であるため、反射係数判断モジュールは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下であると判断する。この場合、反応室内の点火が実現されており、負荷インピーダンスがインピーダンスゾーンBに位置する。反射係数判断モジュールは、第2識別信号「0」を制御モジュールに送信する。第2識別信号「0」を受信すると、制御モジュールは、微調整ユニットを作動させる。微調整ユニットは、調整可能コンデンサC1およびC2の点火位置を変更せず、オンオフスイッチK1およびK2を初期オンオフ状態から整合オンオフ状態に直接的に切り替える。オンオフスイッチK1、K2の切替時間T3の後、インピーダンス整合は実現され、負荷インピーダンスは、インピーダンスゾーンBから、インピーダンス整合点近傍のインピーダンス整合ゾーンCに迅速に移行する。その後、パルス高周波電源は、周波数自動掃引によって整合を行い、負荷インピーダンスをインピーダンス整合点に移動する。
パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第3パルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、第3パルス周期中の高電圧レベル期間においてインピーダンス整合を実現したが、後続の各パルス周期にインピーダンス整合を再度実行する必要がある。したがって、可変コンデンサC1、C2の点火位置を維持し、オンオフスイッチK1、K2を整合オンオフ状態から点火状態に切り替える。低電圧レベル期間において、パルス高周波電源の負荷インピーダンスは、誘導コイルの結合信号によるインピーダンスであり、インピーダンスゾーンDに位置する。
第4パルス周期およびその後の各パルス周期の高電圧レベル期間および低電圧レベル期間における状況は、第3パルス周期の高電圧レベル期間および低電圧レベル期間における状況と同様であり、上述したことは、処理が終了するまで同様である。
図9、10および11を参照して、整合の初期段階において現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下である場合を説明する。
図9、11および12に示すように、パルス高周波電源をオンにしていないとき、パルス高周波電源の負荷インピーダンスは、干渉信号によって誘発されたインピーダンスであり、スミス円線図の外側のインピーダンスゾーンAに位置する。パルス高周波電源をオンにした後、パルス同期信号は、パルス周期判断モジュールに送信され、パルス周期判断モジュールは、現在の時点が第1パルス周期中の高電圧レベル期間にあるか否かをリアルタイムで判断する。パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第1パルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、パルス高周波電源は、周波数自動掃引によって整合を行う。計算モジュールは、リアルタイムで現在の負荷インピーダンスおよび現在の反射係数|Γ|の計算を開始し、現在の負荷インピーダンスを粗調整ユニットおよび微調整ユニットに送信し、現在の反射係数|Γ|を反射係数判断モジュールに送信する。反射係数判断モジュールによって、現在の反射係数|Γ|が時点t2で点火反射係数|Γt|以下であると判断された場合、時点t2で反応チャンバ内の点火が実現されていることを示す。この場合、現在の負荷インピーダンスは、インピーダンスゾーンBに位置する。反射係数判断モジュールは、第2識別信号「0」を制御モジュールに送信する。制御モジュールは、第2識別信号「0」を受信すると、微調整ユニットを作動させる。微調整ユニットは、可変コンデンサC1およびC2の現在位置(すなわち、点火位置)を維持し、計算モジュールから送信された現在の負荷インピーダンスに基づいて、オンオフスイッチK1およびK2のオンまたはオフをリアルタイムで制御する。すなわち、微調整ユニットは、「スイッチ整合モード」を用いて、オンオフスイッチK1、K2のオンオフ応答時間(切替時間)T3に従って、インピーダンス整合を行う。したがって、現在の負荷インピーダンスは、オンオフ応答時間T3の後、インピーダンスゾーンBから、インピーダンス整合点近傍のインピーダンス整合ゾーンCに迅速に移行する。その後、パルス高周波電源は、周波数自動掃引によって整合を行い、負荷インピーダンスをインピーダンス整合点に移動する。また、「スイッチ整合モード」を用いてインピーダンス整合を実現する場合、記憶モジュールは、オンオフスイッチK1、K2の現在のオンオフ状態を整合オンオフ状態として記憶する。
一方、パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第1パルス周期中の低電圧レベル期間にあると判断された場合、第1パルス周期中の高電圧レベル期間においてインピーダンス整合を実現したが、後続の各パルス周期にインピーダンス整合を再度実行する必要がある。したがって、可変コンデンサC1、C2の点火位置を維持し、オンオフスイッチK1、K2を整合オンオフ状態から初期オンオフ状態に切り替える。低電圧レベル期間において、パルス高周波電源の負荷インピーダンスは、誘導コイルの結合信号によるインピーダンスであり、インピーダンスゾーンDに位置する。
パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第2パルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、パルス高周波電源は、周波数自動掃引によって整合を行う。計算モジュールは、現在の負荷インピーダンスおよび現在の反射係数|Γ|をリアルタイムで計算し、現在の負荷インピーダンスを粗調整ユニットおよび微調整ユニットに送信し、現在の反射係数を反射係数判断モジュールに送信する。可変係数C1、C2が点火位置にあり、開閉スイッチK1、K2が初期オンオフ状態であるため、反射係数判断モジュールは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下であると判断する。この場合、反応室内の点火が実現されており、負荷インピーダンスがインピーダンスゾーンBに位置する。反射係数判断モジュールは、第2識別信号「0」を制御モジュールに送信する。第2識別信号「0」を受信すると、制御モジュールは、微調整ユニットを作動させる。微調整ユニットは、調整可能コンデンサC1およびC2の点火位置を変更せず、オンオフスイッチK1およびK2を初期オンオフ状態から整合オンオフ状態に直接的に切り替える。オンオフスイッチK1、K2の切替時間T3の後、インピーダンス整合は実現され、負荷インピーダンスは、インピーダンスゾーンBから、インピーダンス整合点近傍のインピーダンス整合ゾーンCに迅速に移行する。その後、パルス高周波電源は、周波数自動掃引によって整合を行い、負荷インピーダンスをインピーダンス整合点に移動する。
一方、パルス周期判断モジュールによって、現在の期間が第2パルス周期中の低電圧レベル期間にあると判断された場合、第2パルス周期中の高電圧レベル期間においてインピーダンス整合を実現したが、後続の各パルス周期にインピーダンス整合を再度実行する必要がある。したがって、可変コンデンサC1、C2の点火位置を維持し、オンオフスイッチK1、K2を整合オンオフ状態から初期オンオフ状態に切り替える。低電圧レベル期間において、パルス高周波電源の負荷インピーダンスは、誘導コイルの結合信号によるインピーダンスであり、インピーダンスゾーンDに位置する。
第3パルス周期およびその後の各パルス周期の高電圧レベル期間および低電圧レベル期間における状況は、第2パルス周期の高電圧レベル期間および低電圧レベル期間における状況と同様であり、上述したことは、処理が終了するまで同様である。
図4と図10および12とを比較すると、図4に示す従来技術は、初回のインピーダンス整合を実現した後、各後続パルス周期において、インピーダンス整合が比較的長い時間Tを必要とする。しかしながら、図10および12に示す本発明の実施形態において、初回のインピーダンス整合を実現した後、各後続パルス周期において、インピーダンス整合が切替時間またはオンオフ応答時間T3(T3<T)のみで実現することができる。したがって、本発明の実施形態は、パルス高周波電源の整合効率を改善することができる。
なお、本発明の実施形態におけるインピーダンス整合装置の整合ネットワークは、L字型の回路構成を有するが、本発明は、これに限定されない。実際の応用において、整合ネットワークは、逆L字型、T字型、またはπ型の回路構成を有しもよい。
また、本発明の実施形態における微調整ユニットは、固定コンデンサおよび/または固定インダクタと、これらに直列に接続されたオンオフスイッチとを備え、且つ、オンオフスイッチのオンまたはオフによって、点火位置および整合位置の切り替えを行うが、本発明は、これらに限定されない。実際の用途において、点火位置および整合位置を迅速に切り替える他の方法を使用することもできる。また、本発明の実施形態において、微調整ユニットの2つの分岐回路の各々に、固定コンデンサと、それに直列に接続されるオンオフスイッチを設けたが、本発明は、これに限定されない。実際の応用において、各分岐回路は、複数のコンデンサおよび/またはインダクタおよびそれらに直列に接続された複数のオンオフスイッチを含み、各オンオフスイッチの開閉状態の組み合わせによって、微調整ユニットのリアクタンス値を変更する。
さらに、本発明の実施形態におけるインピーダンス整合装置は、パルス高周波電源30の高周波周波数を制限しない。例えば、高周波周波数は、400kHz、2MHz、3MHz、27MHz、40MHzまたは60MHzであってもよい。パルス高周波電源30のパルス周波数およびパルスデューティ比も限定されない。例えば、パルス周波数は、1MHz以内であってもよく、パルスデューティ比は、1未満の任意値であってもよい。
理解すべきことは、上述した実施形態は、本発明の原理を説明するための例示的な実施形態にすぎず、本発明はこれに限定されないことである。当業者であれば、本発明の趣旨および本質から逸脱することなく、さまざまな変形および改良を行うことができ、これらの変形および改良はすべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。

Claims (13)

  1. パルス高周波電源のインピーダンス整合方法であって、
    現在の負荷インピーダンスに基づいて、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定する粗調整ステップと、
    前記点火位置を維持しながら、現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現し、現在位置を整合位置に設定する微調整ステップと、
    初回のインピーダンス整合を実現した後、後続のパルス周期のインピーダンス整合を実現するために、後続の各パルス周期中の異なるパルス期間において、前記点火位置および前記整合位置を切り替える切替ステップとを含む、インピーダンス整合方法。
  2. 前記インピーダンス整合方法は、
    リアルタイムで現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいであるか否かを判断するステップ1を含み、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいと判断された場合、ステップ2を行い、そうでない場合に、微調整ステップを行い、
    現在の負荷インピーダンスに基づいて、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定し、その後、ステップ1に戻るステップ2を含む、請求項1に記載のインピーダンス整合方法。
  3. 前記インピーダンス整合方法は、前記粗調整ステップを行う前に、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあるか否かを判断するステップを含み、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、粗調整ステップを行い、そうでない場合に、現在位置を維持する、請求項1に記載のインピーダンス整合方法。
  4. 現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、前記パルス高周波電源は、周波数掃引モードを使用して、自動インピーダンス整合を行う、請求項3に記載のインピーダンス整合方法。
  5. 前記微調整ステップは、インピーダンス整合を実現したときに、整合位置を記憶することを含む、請求項1に記載のインピーダンス整合方法。
  6. 前記切替ステップは、初回のインピーダンス整合を実現した後に、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において点火位置から整合位置に切り替え、後続の各パルス周期中の低電圧レベル期間において整合位置から点火位置に切り替えることを含む、請求項1に記載のインピーダンス整合方法。
  7. パルス高周波電源の負荷インピーダンスを前記パルス高周波電源の特性インピーダンスに整合させるように構成されたインピーダンス整合装置であって、
    粗調整ユニットと、微調整ユニットと、切替ユニットとを備え、
    前記粗調整ユニットは、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、現在位置を点火位置に設定するように構成され、
    前記微調整ユニットは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|以下であるときに、前記点火位置を維持し、現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現し、現在位置を整合位置に設定するように構成され、
    前記切替ユニットは、初回のインピーダンス整合を実現した後、後続のパルス周期のインピーダンス整合を実現するために、後続の各パルス周期中の異なるパルス期間において、前記点火位置および前記整合位置を切り替えるように構成されている、インピーダンス整合装置。
  8. 前記インピーダンス整合装置は、制御モジュールと、反射係数判断モジュールと、計算モジュールとをさらに備え、
    前記計算モジュールは、リアルタイムで前記パルス高周波電源の現在の負荷インピーダンスおよび現在の反射係数|Γ|を計算し、現在の負荷インピーダンスを前記粗調整ユニットおよび前記微調整ユニットに送信し、現在の反射係数|Γ|を前記反射係数判断モジュールに送信するように構成され、
    前記反射係数判断モジュールは、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいであるか否かを判断し、現在の反射係数|Γ|が点火反射係数|Γt|よりも大きいと判断された場合、前記制御モジュールに第1識別信号を送信し、そうでない場合に、前記制御モジュールに第2識別信号を送信するように構成され、
    前記制御モジュールは、前記反射係数判断モジュールから送信された前記第1識別信号の受信に応答して、前記粗調整ユニットを作動させ、前記反射係数判断モジュールから送信された前記第2識別信号の受信に応答して、前記微調整ユニットを作動させる、請求項7に記載のインピーダンス整合装置。
  9. 前記粗調整ユニットは、可変コンデンサおよび/または可変インダクタを備え、
    前記粗調整ユニットは、計算モジュールから送信された現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイムで可変コンデンサおよび/または可変インダクタの位置を調整することによって、現在の反射係数|Γ|を点火反射係数|Γt|以下になるように調整し、前記可変コンデンサおよび/または可変インダクタの現在位置を点火位置として設定するように構成されている、請求項8に記載のインピーダンス整合装置。
  10. 前記微調整ユニットは、固定コンデンサおよび/または固定インダクタと、それらに直列に接続されたオンオフスイッチとを備え、
    前記微調整ユニットは、前記計算モジュールから送信された現在の負荷インピーダンスに基づいて、リアルタイムで前記オンオフスイッチのオンオフを制御することによってインピーダンス整合を実現し、前記オンオフスイッチの現在状態を整合オンオフ状態に設定するように構成されている、請求項8に記載のインピーダンス整合装置。
  11. 前記インピーダンス整合装置は、パルス周期判断モジュールをさらに備え、
    前記パルス周期判断モジュールは、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあるか否かを判断し、現在の時点が整合されていないパルス周期中の高電圧レベル期間にあると判断された場合、粗調整ユニットを作動させ、そうでない場合に、現在位置を維持するように構成されている、請求項7に記載のインピーダンス整合装置。
  12. 前記インピーダンス整合装置は、記憶モジュールをさらに備え、
    前記記憶モジュールは、微調整ユニットが現在の負荷インピーダンスに基づいてリアルタイム調整を行うことによってインピーダンス整合を実現した場合の整合位置を記憶するように構成されている、請求項7に記載のインピーダンス整合装置。
  13. 前記切替ユニットは、初回のインピーダンス整合を実現した後に、後続の各パルス周期中の高電圧レベル期間において点火位置から整合位置に切り替え、後続の各パルス周期中の低電圧レベル期間において整合位置から点火位置に切り替えるように構成されている、請求項7に記載のインピーダンス整合装置。
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