JP2015062468A - 放射線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線検出器の取り違えによる撮影のやり直しを抑制することができる放射線撮影装置を提供する。【解決手段】本発明は、従来構成とは異なり複数のFPD4a,4bについて画像を生成する構成となっている。この画像の生成はX線が照射されたかどうかに係わらずX線撮影装置1を構成するFPD4a,4bの全てについて行われる。したがって、仮に術者が撮影に使用するFPD4a,4bを誤って認識していたとしても、生成された複数の画像のどれかに被検体の像が写り込んだ目的の画像があることになる。したがって、本発明によれば、FPD4a,4bの取り違えによる撮影のやり直しをする必要なく一回の撮影で確実に目的の像を取得できる。【選択図】図1

Description

本発明は、被検体の放射線像をイメージングする放射線撮影装置に関し、特に、放射線を検出する放射線検出器が取り替え可能となっている放射線撮影装置に関する。
医療機関には放射線を照射して被検体Mのイメージングを行う放射線撮影装置が配備されている(例えば、特許文献1参照)。このような放射線撮影装置は、図14に示すように放射線を照射する放射線源53と、放射線を検出するFPD54とを備えている。放射線源53とFPD54とにより挟まれる位置には被検体Mを載置する天板52が備えられている。FPD54は、放射線撮影装置本体と情報のやりとりをする構成となっている。
従来構成の放射線撮影装置には、FPD54を取り外すことができるようになっているものがある。このようなタイプのFPD54は、多様な撮影様式に対応できるように構成される。このタイプの放射線撮影装置には、仰臥位の被検体Mの撮影以外にも立位の撮影ができるように構成されている。この放射線撮影装置は、上述の天板52とは別に立位の被検体Mの撮影に係る支柱57等を有している。術者は、FPD54を天板52の下にセットすることもできれば支柱57にセットすることもできる。なお、上述の天板52は、仰臥位の被検体Mの撮影に係るものである。
この様な放射線撮影装置には、複数のFPD54を備えているのが普通である。この様にすることで、FPD54の1つに支障が生じても、もう一つのFPD54を用いて撮影の続行ができる。
この様な装置において、仰臥位の被検体Mの撮影を行う場合について説明する。撮影を行うにはまず、FPD54が天板52の下にセットされ、被検体Mが天板52に載置される。次に、術者は放射線撮影装置の操作パネルを用いてこれより撮影に使用するFPD54を指定する。このとき術者は操作パネルに描写されたアイコンに触れることで撮影に用いるFPD54を選択することができる。放射線撮影装置本体は、術者により選択されたFPD54に各種の信号を送受信することにより、被検体Mの撮影を実行する。
特開2005−510288号公報
しかしながら、従来構成の放射線撮影装置には次のような問題点がある。すなわち、従来構成では、術者がFPDの指定の誤りに気付かないまま撮影を実行してしまった場合、撮影をやり直す必要が生じてしまうのである。
仰臥位に係る撮影時において、術者は複数あるFPD54のうちのどれが天板52にセットされたのかを放射線撮影装置本体に確実に認識させる必要がある。このときのFPD54の取り違えは撮影の失敗に直結する。FPD54は、カセッテと同様にX線を検出する装置である。であるならば、どのFPD54を用いても撮影を行うことができるはずであり、術者がFPD54を取り違えることがさほど問題とは思えないかもしれない。しかし、FPD54はカセッテとは異なりX線照射の前に撮影開始に係る信号を必要とする。この予告信号がないと、FPD54が放射線を検出する状態に移行せず、FPD54はX線の検出をすることができない。これは、X線感光剤によりX線をイメージングするカセッテとは大きく異なるFPD54特有の仕様である。
この様なFPD54の取り違えは、天板52の下と支柱の両方にFPD54がセットされているときに起こりやすい。例えば、図14に示すように天板52の下に2号機のFPD54がセットされ、支柱に1号機のFPD54がセットされているとする。術者は、天板52の下にセットされたFPD54が1号機であると勘違いしてしまうことがあるのである。
すると術者は、天板52上の被検体Mの撮影の際、これから撮影に用いるFPD54は1号機である旨の設定を操作パネルで行ってしまう。装置は、この設定に従い、X線照射の直前に支柱にセットされた1号機には予告信号を送出するものの天板52の下の2号機には送出しない。結局、撮影準備ができていない2号機のFPD54に放射線を用いて被検体Mの撮影を行うような動作となってしまい、2号機のFPD54は放射線を検出することはない。X線画像が表示されるはずのモニタには、2号機に由来する何も写り込んでいない画像が表示される。
従来構成によれば、術者はモニタを見ることでFPD54の取り違えに気が付き、天板52の下にセットされたFPD54を正しいものに取り替えて撮影をやり直す。つまり、被検体Mには再び放射線が照射されることになる。このような無駄な放射線照射は、被検体Mの放射線被曝を低減する観点から望ましくない。また、従来構成において術者がFPD54を取り違えると、いったん撮影操作を終えてからもう一度撮影を始めからやり直しすることになるので迅速な撮影をすることができなくなる。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の取り外し可能な放射線検出器を有する放射線撮影装置において、放射線検出器の取り違えによる撮影のやり直しを抑制することができる放射線撮影装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線撮影装置は、放射線を照射する放射線源と、放射線を検出する複数の検出手段と、複数の検出手段に対してこれから放射線が照射されることを示す照射予告信号を送出する照射予告信号送出手段と、複数の検出手段の各々が送出する撮影の準備が完了したことを示すレディ信号に基づいて、複数の検出手段の全てが撮影の準備を完了させてから放射線源に放射線の照射を開始させる放射線源制御手段と、複数の検出手段が出力する検出信号を基に画像を検出手段ごとに生成する画像生成手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明の放射線撮影装置によれば、検出手段の取り違えによる撮影のやり直しを抑制することができる。すなわち本発明は、従来構成とは異なり複数の検出手段について画像を生成する構成となっている。この画像の生成は放射線が照射されたかどうかに係わらず放射線撮影装置を構成する検出手段の全てについて行われる。したがって、仮に術者が撮影に使用する検出手段を誤って認識していたとしても、生成された複数の画像のどれかに被検体の像が写り込んだ目的の画像があることになる。したがって、本発明によれば、検出手段の取り違えによる撮影のやり直しをする必要なく一回の撮影で確実に目的の像を取得できる。
このような本発明を確実に実現する目的で、本発明は複数の検出手段に対して照射予告信号を送出し、全ての検出手段に撮影の準備を完了させた後、放射線の照射を開始させる構成を採用する。この様にすれば、実際に放射線が照射される検出手段がいずれであるにせよ、撮影の準備が完了した検出手段に放射線が照射されることになる。したがって、検出手段の撮影の準備が未完了のまま放射線の照射がなされて撮影が失敗してしまうことが抑制される。
また、上述の放射線撮影装置において、撮影に用いる検出手段の選択を術者に入力させる入力手段と、入力手段の出力に基づいて、画像生成手段が生成した複数の画像のうち術者が選択した検出手段に係る画像を表示する表示手段とを備えればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の装置をより具体的に表したものとなっている。入力手段の出力に基づいて、画像生成手段が生成した複数の画像のうち術者が選択した検出手段に係る画像を表示するようにすれば、術者に意思通りの画像を迅速に視認させることができる。
また、上述の放射線撮影装置において、画像生成手段が生成した複数の画像のうち被検体が写り込んでいるものを画素値に基づいて選択する画像選択手段を備えればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の装置をより具体的に表したものとなっている。画像生成手段が生成した複数の画像のうち被検体が写り込んでいるものを画素値に基づいて選択する画像選択手段を備えれば、術者に何も写り込んでいない画像を視認させることなく、撮影目的の画像を迅速に視認させることができる。
また、上述の放射線撮影装置において、画像選択手段は、画像を構成する画素の画素値の平均値、最大値または分布に基づいて画像の選択を実行すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の装置をより具体的に表したものとなっている。画像選択手段が画像を構成する画素の画素値の平均値、最大値または分布に基づいて画像の選択を実行すれば、画像選択手段は、何も写り込んでいない画像と被検体の像が写り込んでいる画像とを確実に区別することができる。被検体の像が写り込んでいる画像は、ある程度の露光量で被検体を写し込んだ画像となっている。したがって、この画像には明るい部分もあれば暗い部分もある。一方、何も写り込んでいない画像は、ノイズ成分しか含まれておらず、全体的に暗い画像となっている。この様な性質を有する両画像は、画素の画素値の平均値、最大値または分布を指標として簡単に見分けることができる。
また、上述の放射線撮影装置において、照射予告信号送出手段は、複数の検出手段からレディ信号が同時に出力されるように、検出手段に照射予告信号を異なるタイミングで送出すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の装置をより具体的に表したものとなっている。検出手段は種類や個体差が異なれば、照射予告信号を受け取ってから撮影の準備が完了するまでに必要な時間も異なる。本発明によれば、この準備に必要な時間の差を考慮して照射予告信号が異なるタイミングで検出手段に送出されるのである。したがって複数の検出手段は、同時期に撮影の準備が完了することになる。したがって、本発明に係る装置は、一斉に撮影の準備が完了した検出手段を用いて確実に撮影を実行することができる。
また、上述の放射線撮影装置において、仰臥位の撮影に係る天板と、立位の撮影に係る支持軸とを備え、天板と支持軸との各々には、検出手段の置き場が設けられてればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の装置をより具体的に表したものとなっている。本発明の構成は、仰臥位と立位の撮影のどちらも可能となっている構成の放射線撮影装置に適している。この様な放射線撮影装置は、検出手段を装着する置き場が複数設けられている。したがって、術者が検出手段の取り違えを起こしやすいのである。例えば、術者は、支持軸にセットされた検出手段を天板にセットされたものと勘違いして撮影の動作を行ってしまう場合がある。この様な場合でも、本発明によれば、どちらの検出手段についても画像が生成されるので、検出手段の取り違えで撮影をやり直すような事態にはならない。
本発明は、従来構成とは異なり複数の検出手段について画像を生成する構成となっている。この画像の生成は放射線が照射されたかどうかに係わらず放射線撮影装置を構成する検出手段の全てについて行われる。したがって、仮に術者が撮影に使用する検出手段を誤って認識していたとしても、生成された複数の画像のどれかに被検体の像が写り込んだ目的の画像があることになる。したがって、本発明によれば、検出手段の取り違えによる撮影のやり直しをする必要なく一回の撮影で確実に目的の像を取得できる。
実施例1に係るX線撮影装置の全体構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る天板を説明する斜視図である。 実施例1に係る支持軸を説明する模式図である。 実施例1に係るFPDの概要及び表示部の構成を説明する模式図である。 実施例1に係るFPDの構成を説明する断面図である。 実施例1に係るFPDの構成を説明する平面図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明するタイミングチャートである。 実施例1に係るテーブルを説明する模式図である。 実施例1に係るレディ信号の送出について説明するタイミングチャートである。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 従来構成に係るX線撮影装置を説明する模式図である。
<X線撮影装置の全体構成>
まず、実施例1に係るX線撮影装置1の構成について説明する。X線撮影装置1は、図1に示すように仰臥位の被検体Mを載置する天板2と、天板2の上側(一面側)に設けられたX線を被検体Mに照射するX線管3と、天板2に載置されるとともに被検体Mの下部に配置された被検体Mを透過してきたX線を検出して検出信号を出力する複数のFPD4a,4bとを備えている。FPD4a,4bは、被検体Mの体軸方向Aまたは体側方向Sのいずれかに沿った4つの辺を有する矩形となっている。このFPD4a,4bは撮影の際にいずれか1つが使用され、仰臥位に係る撮影の場合には被検体Mと天板2との間に配置される。FPD4a,4bのX線を検出する検出面は、X線管3および被検体M側に向いている。また、X線管3は、四角錐形状のX線をFPD4a,4bに向けて照射する。したがって、FPD4a,4bは、X線を検出面の全面で受光することになる。支柱5は、検査室の天井から床面に向けて伸びており、X線管3を支持している。この様な支柱5を有するX線撮影装置1は、放射線源懸垂型と呼ばれる。X線管3は、本発明の放射線源に相当し、FPD4a,4bは、本発明の検出手段に相当する。
本発明のX線撮影装置1の天板2の下側に設けられるFPD4aは、天板2から取り外しが可能な構成となっている。図2は、本発明のX線撮影装置1の天板2を説明している。天板2には、図2に示すように引出2aが設けられている。この引出2aは、天板2本体に対して体軸方向Sに出し入れ可能となっている。FPD4aを天板2の下にセットするときは、FPD4aが引出2aの内部にFPD4aを収納することになる。本発明に係るX線撮影装置は、被検体MにFPD4aを持たせた状態で行う撮影にも対応している。この様な撮影は、FPD4aが天板2に固定されていては行うことができない。本発明のX線撮影装置1は、この様な多様な撮影様式に対応できるようにFPD4aを天板2から取り外せるようにしているのである。引出2aは、本発明の置き場に相当する。
本発明のX線撮影装置1が有する特徴の一つとして、図3の左側に示すような立位の被検体Mの撮影を行えるということがある。すなわち、本発明のX線撮影装置1は、FPDを鉛直方向に移動可能に支持する支持軸7を有し、被検体Mを支持軸7に取り付けられたFPDの前に立たせることにより、立位の撮影ができるようになっている。この支持軸7は、検査室の床面から天井に向けて鉛直方向に伸びたものとなっている。
立位撮影の際に使用されるX線源は、天板2に被検体Mを載置して仰臥位の撮影をするときに用いられるX線管3となっている。すなわち、支柱5は、X線管3を自由に移動できるような構成となっており、天板2を用いた撮影に適した位置にX線管3を移動することもできれば、支持軸7を用いた撮影に適した位置にX線管3を移動することもできる。
支持軸7に設けられるFPDは、天板2の下側に設けられるFPD4aとは別個体のものである。このFPDを区別のためFPD4bと呼ぶことにする。本発明のX線撮影装置1の支持軸7に設けられるFPD4bも支持軸7から取り外しが可能な構成となっている。図3の右側は、本発明のX線撮影装置1の支持軸7を説明している。支持軸7には、図3に示すようにFPD4bを覆うカバー8が設けられている。このカバー8は、カバー8本体に対して被検体Mの体軸方向Sに出し入れ可能な引出8aを備えている。FPD4bを支持軸7にセットするときは、FPD4aが引出2aの内部にFPD4aを収納することになる。FPD4bを支持軸7から取り外せるようにしている理由は、FPD4aと同様、この様な多様な撮影様式に対応できるようにする必要性からである。引出8aは、本発明の置き場に相当する。
この様に本発明に係るX線撮影装置1は、仰臥位の撮影に係る天板2と、立位の撮影に係る支持軸7とを備え、天板2と支持軸7との各々には、FPD4a,4bの引出2a,8aが設けられている。
FPD4a,4bは、図4の左側に示すように、X線撮影装置1に接続する接続端子を有している。FPD4aを天板2の下側にセットするときには、引出2aの内部に設けられたコネクタにこの接続端子が接続される。同様に、FPD4bを支持軸7にセットするときには、引出8aの内部に設けられたコネクタにこの接続端子が接続される。この接続作業により、FPD4a,4bは、装置本体から電力を得ることができるとともに、装置本体と信号の送受信を行えるようになる。
<FPDの入れ替え>
天板2の下側に設けられるFPD4aと支持軸7に設けられるFPD4bとは、互いに入れ替えが可能となっている。したがって、FPD4aを天板2の代わりに支持軸7にセットすることもできれば、FPD4bを支持軸7の代わりに天板2の下側にセットすることもできる。ではあるが以降の説明では、天板2の下側にFPD4aがセットされ、支持軸7にFPD4bがセットされているものとする。
X線管3には、X線管3から照射されるX線の広がりを制限するコリメータ3aが設けられている。コリメータ3aは、X線管3から照射されるX線の広がりを制限する。
X線管制御部6(図1参照)は、所定の管電流、管電圧、パルス幅でX線管3を制御する目的で設けられている。X線管制御部6の制御によりX線がX線管3から発せられると、X線は、被検体Mを透過してFPD4a,4bの検出面に入射する。この検出面には、X線を検出する検出素子が2次元マトリックス状に配列されている。FPD4a,4bは、各検出素子が検出したX線強度を検出素子の位置情報とともに検出信号として出力する。なお、X線が照射されるのはFPD4a,4bのうち撮影にかかるもの1つだけである。X線管制御部6は、本発明の放射線源制御手段に相当する。
照射予告信号送出部9は、X線照射がこれより開始される旨を示す照射予告信号Spa,SpbをFPD4a,4bのそれぞれに送出する。FPD4a,4bはこの照射予告信号Spa,Spbを受信すると、X線像を撮影できるモード(後述の電荷蓄積モード)に移行する。FPD4a,4bは、X線照射が行われる前にX線照射を示す信号がないとX線を受け入れる体勢が整わないのである。照射予告信号送出部9は、複数のFPD4a,4bに対してこれからX線が照射されることを示す照射予告信号Spa、Spbを送出する。照射予告信号送出部9は、本発明の照射予告信号送出手段に相当する。
レディ信号受信部10は、FPD4a,4bから送信されるX線を受け入れ可能となった旨を示すレディ信号Sra,Srbのそれぞれを受信する。FPD4a,4bは、このレディ信号Sra,Srbの送信直後から500msecの間だけX線を受け入れ可能である。このタイミングにFPD4a,4bにX線を照射しないと、FPD4a,4bは、X線の検出信号を出力することができない。
画像生成部11は、FPD4a,4bより出力されるX線の検出信号Sda,Sdbを基に被検体Mの透視像が写り込んだ画像Pa,Pbを生成する。画像Pa,Pbは、それぞれ静止画となっている。画像生成部11は、複数のFPD4a,4bが出力する検出信号Sda,Sdbを基に画像をFPD4a,4bごとに生成する。生成された画像Pa,Pbは、画像選択部12に送出される。画像生成部11は、本発明の画像生成手段に相当し、画像選択部12は、本発明の画像選択手段に相当する。
画像選択部12は、FPD4a,4bに由来する画像Pa,Pbのどちらに被検体像が写り込んでいるかを識別して、被検体像が写り込んでいる画像を選択する構成となっている。この動作の詳細は、後述のものとする。
操作卓26は、X線照射開始に係る術者の指示を入力させるものである。その他術者は、図4の右側に示した操作パネルを通じてこれより撮影に使用されるFPDがどちらのFPD4a,4bなのかを入力できるようになっている。術者がこれより撮影に使用するFPDがFPD4aであると認識している場合は、操作パネル上のFPD4aを示すA機のボタンが術者により押下され、撮影に使用するFPDとしてA機が選択されることになる。また、術者がこれより撮影に使用するFPDがFPD4bであると認識している場合は、操作パネル上のFPD4bを示すB機のボタンが術者により押下され、撮影に使用するFPDとしてB機が選択されることになる。操作卓26は、撮影に用いるFPDの選択を術者に入力させる。操作卓26は、本発明の入力手段に相当する。
主制御部27(図1参照)は、各制御部を統括的に制御する目的で設けられている。この主制御部27は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することによりX線管制御部6および各部9,10,11,12を実現している。また、上述の各部は、それらを担当する演算装置に分割されて実行されてもよい。記憶部28は、各パラメータD、複数のFPDを区別する符号(番号)と後述の遡行時間とが関連したテーブルT等、装置制御に関する情報の一切を記憶する。表示部29は、撮影された画像を表示するなどの目的で設けられている。表示部29は、本発明の表示手段に相当する。
<FPD4a,4bの構成>
FPD4a,4bの構成は、本発明の特徴を理解する上で重要であるので、このFPD4a,4bについて説明する。FPD4a,4bは、直接変換型のX線検出器となっており、図5に示すように、電荷を検出するとともに電荷を蓄積するコンデンサと蓄積した電荷の取り出しを制御するトランジスタとを備えた検出素子が配列されたアクティブマトリックス基板34と、X線を電荷対に変換するアモルファスセレン層31と、第2高抵抗膜32と、アモルファスセレン層31を電界に置くための共通電極33と、エポキシ樹脂層35と、ガラスで構成される補助板36と、第1高抵抗膜37とを有している。また、FPD4a,4bは、アクティブマトリックス基板34,第1高抵抗膜37,アモルファスセレン層31,第2高抵抗膜32,共通電極33,エポキシ樹脂層35,および補助板36の順に積層された構成となっている。
<FPDが有する電荷の蓄積に関係する構成>
FPD4a,4bが有する電荷の蓄積に関係する構成について説明する。アモルファスセレン層31は、比抵抗10Ωcm以上(好ましくは1011Ωcm以上)となっている高純度のアモルファスセレンで構成される。このアモルファスセレン層31にX線が照射されると、正孔と電子のペアである電荷対が発生する。アモルファスセレン層31は、強い電場に置かれているので、電荷は、それに伴って移動し、アクティブマトリックス基板34に形成された収集電極34aに電荷が誘起される。
アクティブマトリックス基板34には、ガラス基板上に電荷収集用の収集電極34aが形成されている。収集電極34aは、第1高抵抗膜37に接するとともに、アクティブマトリックス基板34の表面に2次元的に配列されている。この収集電極34aは、図5に示すように、電荷蓄積用のコンデンサ34cに接続されている。コンデンサ34cは、収集電極34aで収集された電荷が蓄積される。
電荷蓄積モードについて説明する。上述のコンデンサ34cが電荷を蓄積するような動作は、FPD4a,4bが電荷蓄積モードに移行している状態で行われる。電荷蓄積モードのFPD4a,4bは、X線の入射を受け入れることが可能である。すなわち、電荷蓄積モードとなっているFPD4a、4bにX線が当たると、X線はアモルファスセレン層31において電荷に変換される。生じた電荷は、収集電極34aを通じてコンデンサ34cに蓄積される。FPD4a,4bは、このX線の変換および電荷の蓄積動作を後述の電荷の読み出しモードでは実行できない。
<FPDが有する電荷の読み出しに関係する構成>
続いて、FPD4a,4bが有する電荷の読み出しに関係する構成について説明する。電荷を蓄積するコンデンサ34cは、トランジスタ34tに接続されている。このトランジスタ34tは、コンデンサ34cに接続される入力端子の他に、電流制御用のゲートGと、検出信号読み出し用の読み出し電極Pとを有している。トランジスタ34tのゲートGがオンされると、コンデンサ34cに蓄積している電荷は読み出し電極Pに向けて流れる。
2次元的に配列されたトランジスタ34tは、縦横に格子状に伸びる配線に接続されている。すなわち、図6における横方向に配列したトランジスタ34tの読み出し電極Pは、全て共通のアンプ電極Q1〜Q4のいずれかに接続されており、図6における縦方向に配列したトランジスタ34tのゲートGは、全て共通のゲート制御電極H1〜H4のいずれかに接続されている。ゲート制御電極H1〜H4は、ゲートドライバ43に接続され、アンプ電極Q1〜Q4は、アンプアレイ44に接続される。この様に、アクティブマトリックス基板34には、コンデンサ34c,トランジスタ34t,ゲートGで構成される画素が2次元的に配列されている。ゲートドライバ43は、トランジスタ34tのオン・オフを行うゲートGの電位を制御するものである。
各コンデンサ34cに蓄積される電荷を読み出す構成について説明する。図6におけるコンデンサ34cの各々に電荷が蓄積されているものとする。ゲートドライバ43は、ゲート制御電極H1を通じてトランジスタ34tを同時にオンする。オンされた縦に並んだ4つのトランジスタ34tは、アンプ電極Q1〜Q4を通じて、電荷(原信号)をアンプアレイ44に伝達する。
次に、ゲートドライバ43は、ゲート制御電極H2を通じてトランジスタ34tを同時にオンする。この様に、ゲートドライバ43は、ゲート制御電極H1〜H4を順番にオンしていく。その度ごとに1行に並んだ各トランジスタ34tが同時にオンされる。こうして、FPD4a,4bは、コンデンサ34cの各々に蓄積された電荷を1列毎に読み出す構成となっている。このように、FPD4a,4bは、アクティブマトリックス基板34上の各素子列を順番に制御することで、検出信号の読み出しを各素子列ごとに実行するゲートドライバ43と、素子列を構成する検出素子の各々より出力された原信号を増幅するアンプアレイ44とを備えている。
アンプアレイ44には、アンプ電極Q1〜Q4の各々に、信号を増幅するアンプが設けられている。アンプ電極Q1〜Q4からアンプアレイ44に入力された原信号は、ここで所定の増幅率で増幅される。アンプアレイ44は、同時に読み出された検出素子の個数に対応するデータから構成されるデータセットを検出信号Sda,Sdbを画像生成部11に送出する。画像生成部11は、アンプアレイ44から出力されたデータセットを基にX線透視画像を生成する。図6の例において一枚の画像を生成するには、ゲート制御電極H1〜H4についての4つのデータセットが必要となる。
電荷の読み出しモードについて説明する。コンデンサ34cに蓄積される電荷を読み出して、得られた原信号を元にアンプアレイ44が検出信号Sda,Sdbを送出するような動作をするには、FPD4a,4bが電荷の読み出しモードに移行している必要がある。この読み出しモードは、電荷蓄積モードと同時には実現されない。FPD4a,4bは、この電荷の読み出し動作を上述の電荷蓄積モードでは実行できない。
<X線撮影装置の動作>
続いて、本発明に係るX線撮影装置1の動作について仰臥位の撮影を例にとって説明する。X線撮影装置1で、仰臥位撮影を行うには、まず図2を用いて説明したように、FPD4aが天板2の下側にセットされる。そして、術者は、図4の右側を用いて説明したように操作卓26を通じ、これより撮影に使用するFPDがA機、B機のいずれであるかを選択する。このとき、A機のFPDが上述のFPD4aに相当し、B機のFPDが上述のFPD4bに相当るものとする。
<X線撮影装置の動作:術者の誤ったFPDの選択操作>
天板2の下側にセットされているFPDは、FPD4aなので、これより撮影に使用されるFPDは、A機である。ここで、術者が、撮影に使用されるのはB機であると、間違っていたものとする。術者は、これより使用されるのがB機である旨を操作卓26を通じて、X線撮影装置1に通知してしまう。このB機に係るFPD4bは、実は、立位撮影用の支持軸7にセットされた状態となっており、これより行われる仰臥位撮影に用いられない。術者が操作卓26を通じてしたFPDの選択結果は、表示部29に送出される。
<X線撮影装置の動作:術者による撮影開始の指示>
術者は、自身の操作の誤りに気が付かないまま、被検体Mを天板2に載置し、操作卓26を通じ、撮影開始の指示を装置に与えたとする。図7は、術者が撮影開始の指示を装置に与えた後の動作を説明している。撮影開始の指示は、まず照射予告信号送出部9に送出される。
<X線撮影装置の動作:照射予告信号送出部9の動作>
照射予告信号送出部9は、撮影開始の指示が与えられた時点t0から、所定の遅延時間Dだけ経過した時点t1の時刻を認識する。そして、この時点t1よりも所定の遡行時間aだけ遡った時点taの時刻と、時点t1よりも所定の遡行時間bだけ遡った時点tbの時刻を算出する。この時刻の算出時点においては、未だどちらの時点ta,tbも到来していない。したがって、算出時点における時点ta,tbは、未来の時点を示していることになる。以降の説明では、遡行時間aのほうが遡行時間bよりも長く、時点taのほうが時点tbよりも先に到来するものとする。時点taは、A機に係るFPD4aの制御に関するパラメータであり、時点tbは、B機に係るFPD4bの制御に関するパラメータである。このパラメータの意味は後述する。照射予告信号送出部9は、図8に示すように、A機、B機のようなFPDの個体識別の符号と遡行時間a,bとが関連したテーブルTを参照して動作する。テーブルTは、記憶部28に記憶されている。
時点taが到来すると、照射予告信号送出部9は、FPD4aに照射予告信号Spaの送出を開始する。FPD4aは、照射予告信号Spaの送出開始時点からX線を受け入れることができる状態である上述の電荷蓄積モードに移行する準備に取りかかる。FPD4aは、遡行時間aが示す時間と同じ時間をかけて電荷蓄積モードに移行する。つまり、遡行時間aは、FPD4aが電荷蓄積モードに移行するときにかかる時間と同じ長さに設定されている。FPD4aは、電荷蓄積モードの移行が完了すると、レディ信号Sraをレディ信号受信部10に送出する。
ちなみに、照射予告信号Spaが送出される前のFPD4aは、上述の読み出しモードの状態にある。X線が照射されてもいないのに蓄積電荷を読み出す動作をさせておく理由は、コンデンサ34cに無用な電荷をためないようにする必要からである。FPD4aを起動させていると、それだけで、コンデンサ34cに少しずつ電荷が蓄積されてしまう。この蓄積された電荷をコンデンサ34cから取り除いてからX線の照射を行わないと、X線の検出信号に多くのノイズ成分が重畳してしまうのである。したがって、コンデンサ34cの状態をリフレッシュする目的でFPD4aは、電荷の読み出しを続けているのである。このようなX線撮影前の電荷読み出し動作を空読み出しと呼ぶ。
時点tbが到来すると、照射予告信号送出部9は、FPD4bに照射予告信号Spbの送出を開始する。FPD4bは、照射予告信号Spbの送出開始時点からX線を受け入れることができる状態である上述の電荷蓄積モードに移行する準備に取りかかる。FPD4bは、遡行時間bが示す時間と同じ時間をかけて電荷蓄積モードに移行する。つまり、遡行時間bは、FPD4bが電荷蓄積モードに移行するときにかかる時間と同じ長さに設定されている。FPD4bは、電荷蓄積モードの移行が完了すると、レディ信号Srbをレディ信号受信部10に送出する。
FPD4a,4bが電荷蓄積モードの移行にかかる時間の長さは同じではない。例えば、FPD4aの方がFPD4bよりもモードの移行に時間がかかる。本発明に係る照射予告信号送出部9は、FPD4aがモードの移行に時間がかかる分だけ照射予告信号SpaをFPD4bに係る照射予告信号Spbよりも早いタイミングでFPD4aに送出する。結局、FPD4a,4bは、同じタイミングで電荷蓄積モードに移行することになる。このように、照射予告信号送出部9は、複数のFPD4a,4bからレディ信号Sra,Srbが同時に出力されるように、FPD4a,4bのそれぞれに照射予告信号Spa,Spbのそれぞれを異なるタイミングで送出する。
<X線撮影装置の動作:レディ信号受信部10の動作>
レディ信号受信部10は、照射予告信号Spa,SpbのいずれもがFPD4a,4bから送信されてくるまで待ってから、X線を照射する旨のファイア信号SfをX線管制御部6に送出する。つまり、レディ信号受信部10は、照射予告信号Spa,Spbのいずれもを受信した後にファイア信号SfをX線管制御部6に送出する。したがって、レディ信号受信部10は、照射予告信号Spa,Spbのどちらか一方だけが送信された状態では、ファイア信号Sfを出力しない。したがって、X線管制御部6は、複数のFPD4a,4bの各々が送出する撮影の準備が完了したことを示すレディ信号Sra,Srbに基づいて、複数のFPD4a,4bの全てが撮影の準備を完了させてからX線管3にX線の照射を開始させる。
ここで、図7に注目すると照射予告信号Spa,Spbは時点t1に送出されることになっている。したがって、レディ信号受信部10は、同時刻に照射予告信号Spa,Spbを受信するはずであり、照射予告信号Spa,Spbのどちらかを一方を受信することなどありえるのかという疑問が浮かぶ。確かに、理想的には、照射予告信号Spa,Spbは同時刻にレディ信号受信部10に到達することには違いはない。しかし、実際は、FPD4aが読み出しモードから電荷蓄積モードまで移行するまでにかかる時間は、実行する度に僅かに前後する。すなわち、FPD4aに係る遡行時間aは、モードの移行に必要な時間の平均的な指標を示すものに過ぎない。実際にFPD4aに対してモードの移行を繰り返しさせてみると、モードに移行するまでの時間は、遡行時間aが示す時間よりも僅かに長くなったり、僅かに短くなったりする。したがって、FPD4aが電荷読み出しモードに移行する時刻は、ちょうど時点t1の時刻に一致するとは限らない。この様な事情はFPD4bについても同じである。
図9は、FPD4a,4bのモード移行期間の終了時点が時点t1から僅かにずれる様子を表している。図9においては、FPD4aのモード移行が時点t1が示す予定時刻よりも早く済み、FPD4bのモード移行が時点t1が示す予定時刻よりも長くかかっている様子を表している。この場合、レディ信号受信部10は、レディ信号Srbより先にレディ信号Sraを受信することになる。レディ信号受信部10は、レディ信号Sraを受け取った時点では何も出力せず、この信号の後にレディ信号Srbを受け取った時点になって初めてファイア信号Sfの出力を開始する。
図10,図11,図12は、この本発明の最も特徴的な構成について模式的に説明する図である。図10は、天板2のFPD4aと支持軸7のFPD4bとの両方に照射予告信号Spa,Spbが送出されている様子を示している。その後、図11のように、FPD4aがFPD4bよりも先に電荷蓄積モードに移行し、X線の受け入れ体勢が整う。続いて、図12のように、FPD4bがFPD4aに遅れて蓄積モードに移行しX線の受け入れ体勢が整う。レディ信号受信部10は、図12のように両方のFPD4a,4bがX線の受け入れが可能となってからファイア信号SfをX線管制御部6に送出しX線管3にX線を照射させるように動作する。
<X線撮影装置の動作:電荷の蓄積>
ファイア信号Sfを受け取ったX線管制御部6は、ファイア信号Sfの送信開始時点でX線管3にX線の照射を実行させる。図7におけるtexpは、X線照射の開始から終了までの時間を表している。このX線は、被検体Mと天板2を通過してFPD4aに入射する。FPD4aは、図7におけるtexpの期間の間、X線を受け入れることができる電荷蓄積モードの最中となっている。こうして、FPD4aは、しかるべき期間にX線の入射を受け、X線を電荷に変換し、電荷をX線検出のシグナルとしてコンデンサ34cに蓄積する。
このようなコンデンサ34cの電荷の蓄積は、実は、FPD4bでも起こっている。すなわち、ファイア信号Sf送出後のFPD4bは、電荷蓄積モードに突入している。FPD4bは、X線が入射することがなくても、FPD4aと同様な動作をし、X線を電荷に変換し、電荷をコンデンサ34cに蓄積しようとする。このとき、蓄積される電荷は、ノイズ成分のみで構成され、X線の入射を示すシグナル成分を含まない。FPD4bは、自身にX線が入射することがないことを知らないままX線の検出を続ける。
<X線撮影装置の動作:電荷の読み出し>
FPD4a,4bのそれぞれが照射予告信号Spa,Spbを送出した後、500msec経過すると、FPD4a,4bのモードは電荷蓄積モードから読み出しモードに移行していく。FPD4a,4bは、図6で説明した動作に基づいて、検出信号Sda,Sdbを画像生成部11に出力する。画像生成部11は、検出信号Sdaに基づいて、画像Paを生成し、検出信号Sdbに基づいて、画像Pbを生成する。
生成された画像Pa,Pbは、図7に示されている。FPD4aに係る画像Paは、X線を検出した結果得られた像なので、被検体Mの像を写し込んだものとなっている。これに対し、FPD4bに係る画像Pbは、X線の入射が無いまま撮影を終えた像なので、被検体Mの像などは何も写り込んでいない。画像Pbは、ノイズ成分のみで構成されたような像となってしまっている。
<X線撮影装置の動作:画像の表示>
生成された画像Pa,Pbは、表示部29に送出される。表示部29には、術者が撮影開始の指示前に行ったFPDの選択結果を示すデータが送信されている。表示部29は、このデータに基づいてまずは術者が選択したFPDに係る画像を表示する。このように、表示部29は、操作卓26の出力に基づいて、画像生成部11が生成した複数の画像のうち術者が選択したFPDに係る画像を表示する。本動作説明においては、術者は、FPD4bを撮影に用いるFPDであるものと選択しているので、表示部29は、FPD4bに係る画像Pbを表示する。ただし、この術者の選択は誤りである。実際の撮影に用いられたFPDは、FPD4bではなくFPD4aである。
図13の左側は、術者がしたFPDの選択に基づき画像Pbが表示部29に写し出された様子を表している。画像Pbは、X線が照射されなかったFPD4bの出力結果であるので、被検体Mの像などは一切写り込んでいない。このノイズ成分のみで構成される画像Pbが表示部29に写し出される様子を見て術者は初めて自ら行ったFPDの選択の指示が誤りであったことに気が付く。
この場合、術者は、操作卓26を通じて撮影に係るFPDの変更の指示を与えることでもう一方のFPD4aに由来する画像Paを表示部29に表示させることができる。術者によるFPDの変更の指示がなされると、表示部29に写し出される画像の元となったFPDの変更がなされ、画像が切り替わる。すなわち、術者がX線照射前に選択したFPD4bに由来する画像Pbを表示してた表示部29は、術者の指示によりFPD4aに由来する画像Paを表示するように表示を切り替える。すると、図13の右側のようにFPD4aの出力結果である画像Paが表示部29に表示される。画像Paは、X線が照射されたFPD4aの出力結果であるので、被検体Mの像が確実に写り込んでいる。この動作をもって本発明に係るX線撮影装置1の動作は終了となる。
このように本発明によればX線照射前に術者が行う撮影に使用されるFPDの選択に関係なく、2つのFPD4a,4bから画像Pa,Pbを取得しておく。このようにすると術者が選択しなかったFPDについても画像が生成されることになる。本発明によれば、仮に術者がFPDの選択を誤ったとしても撮影をやり直す必要がなく、目的の画像を取得することができるわけである。
以上のように、本発明のX線撮影装置1によれば、FPDの取り違えによる撮影のやり直しを抑制することができる。すなわち本発明は、従来構成とは異なり複数のFPDについて画像を生成する構成となっている。この画像の生成はX線が照射されたかどうかに係わらずX線撮影装置1を構成するFPDの全てについて行われる。したがって、仮に術者が撮影に使用するFPDを誤って認識していたとしても、生成された複数の画像のどれかに被検体Mの像が写り込んだ目的の画像があることになる。したがって、本発明によれば、FPDの取り違えによる撮影のやり直しをする必要なく一回の撮影で確実に目的の像を取得できる。
このような本発明を確実に実現する目的で、本発明は複数のFPD4a,4bに対して照射予告信号Spa,Spbを送出し、全てのFPD4a,4bに撮影の準備を完了させた後、X線の照射を開始させる構成を採用する。この様にすれば、実際にX線が照射されるFPDがFPD4a,4bのいずれであるにせよ、撮影の準備が完了したFPDにX線が照射されることになる。したがって、FPDの撮影の準備が未完了のままX線の照射がなされて撮影が失敗してしまうことが抑制される。
また、実施例1のように操作卓26の出力に基づいて、画像生成部11が生成した複数の画像のうち術者が選択したFPDに係る画像を表示するようにすれば、術者に意思通りの画像を迅速に視認させることができる。
また、FPDは種類や個体差が異なれば、照射予告信号Spを受け取ってから撮影の準備が完了するまでに必要な時間も異なる。本発明によれば、この準備に必要な時間の差を考慮して照射予告信号Spが異なるタイミングでFPDに送出されるのである。したがって複数のFPDは、同時期に撮影の準備が完了することになる。したがって、本発明に係る装置は、一斉に撮影の準備が完了したFPDを用いて確実に撮影を実行することができる。
本発明の構成は、仰臥位と立位の撮影のどちらも可能となっている構成のX線撮影装置1に適している。この様なX線撮影装置1は、FPDをしまい込む引出2a,8aが複数設けられている。したがって、術者がFPDの取り違えを起こしやすいのである。例えば、術者は、支持軸7にセットされたFPDを天板2にセットされたものと勘違いして撮影の動作を行ってしまう場合がある。この様な場合でも、本発明によれば、どちらのFPDについても画像が生成されるので、FPDの取り違えで撮影をやり直すような事態にはならない。
本発明は、上述の構成に限られず、下記のように変形実施することができる。
(1)上述の実施例1では、画像選択部12を用いない構成となっていたが、この構成に代えて画像選択部12を用いる構成としてもよい。この画像選択部12は、画像生成部11が生成した複数の画像Pa,Pbのうち被検体Mが写り込んでいるものを画素値に基づいて選択する構成である。本変形例によれば、画像選択部12が選択した画像を表示部29に表示するので、図13の左側で説明したような何も写り込んでいない画像が表示部29に表示されることがない。すなわち、表示部29がどちらの画像Pa,Pbを表示するかを決定するに当たり、画像選択部12の選択は、術者が撮影前に操作卓26を通じて行ったFPDの選択よりも優先される。
画像選択部12の構成について説明する。画像選択部12には、画像生成部11よりFPD4a,4bの各々に係る画像Pa,Pbが送出される。画像選択部12は、画像Paを構成する画素の画素値を平均して平均値を算出するとともに、画像Pbについても同様の平均値を算出する。被検体像が写り込んだ画像Paに係る平均値は、画像Pbに係る平均値よりも高い値となっている。画像Paは、明るい被検体Mの像が写り込んだ画像であり、全体として明るくなっている一方、画像Pbは、何も写り込んでいない画像であり、全体として暗くなっているからである。画像選択部12は、平均値が高い方の画像Paを被検体Mが写り込んでいる画像であるものと認識して、画像Paを選択する。
画像選択部12により選択された画像Paは、表示部29に送出される。表示部29は、この画像Paを表示する(図13の右側参照)。この様に本変形例によれば被検体像が写り込む画像を画像Pa,Pbの中から自動的に選択して表示することができる。
また、画像選択部12が画像の選択の際に指標とするパラメータとしては、平均値に限られない。例えば、画像選択部12は、画素値の最大値を指標として動作してもよい。この場合の画像選択部12は、画像Paを構成する画素の画素値のうち最大のものである最大値を取得するとともに、画像Pbについても同様の最大値を算出する。被検体像が写り込んだ画像Paに係る最大値は、画像Pbに係る最大値よりも高い値となっている。画像Paには、明るい被検体Mの像が写り込んでおり、明るい部分がある一方、画像Pbには、何も写り込んでおらず、明るい部分がないからである。画像選択部12は、平均値が高い方の画像Paを被検体Mが写り込んでいる画像であるものと認識して、画像Paを選択する。
同様に、画像選択部12は、画素値の分布を指標として動作してもよい。この場合の画像選択部12は、画像Paを構成する画素の画素値を解析してヒストグラムを生成する一方、画像Pbについても同様のヒストグラムを生成する。被検体像が写り込んだ画像Paに係るヒストグラムは、画像Pbに係るヒストグラムよりも画素が多様な画素値に分布していることを示している。画像Paには、明るい被検体Mの像が写り込んでおり、明るい画素と暗い画素とが混在している一方、画像Pbには、何も写り込んでいない画像であり、画素値の似通った暗い画素しか見られないからである。画像選択部12は、より画素値の分布が多様な方の画像Paを被検体Mが写り込んでいる画像であるものと認識して、画像Paを選択する。
このように、画像選択部12は、画像を構成する画素の画素値の平均値、最大値または分布に基づいて画像の選択を実行する。
本変形例のように、画像生成部11が生成した複数の画像のうち被検体Mが写り込んでいるものを画素値に基づいて選択する画像選択部12を備えれば、術者に何も写り込んでいない画像を視認させることなく、撮影目的の画像を迅速に視認させることができる。
画像選択部12が画像を構成する画素の画素値の平均値、最大値または分布に基づいて画像の選択を実行すれば、画像選択部12は、何も写り込んでいない画像と被検体Mの像が写り込んでいる画像とを確実に区別することができる。被検体Mの像が写り込んでいる画像は、ある程度の露光量で被検体Mを写し込んだ画像となっている。したがって、この画像には明るい部分もあれば暗い部分もある。一方、何も写り込んでいない画像は、ノイズ成分しか含まれておらず、全体的に暗い画像となっている。この様な性質を有する両画像は、画素の画素値の平均値、最大値または分布を指標として簡単に見分けることができる。
(2)上述の実施例1の構成によれば、X線撮影装置1は、FPDを2つ有していたが、本発明はこの構成に限られない。本発明は、FPDを3つ以上有するX線撮影装置にも適用できる。この構成においても、撮影に際し、X線の照射はFPDの全てが撮影準備が完了してから行われることになる。
(3)上述した実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
(4)上述した実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線にも適用できる。
Sp 照射予告信号
Sr レディ信号
Sd 検出信号
2 天板
2a 引出(置き場)
3 X線管(放射線源)
4 FPD(検出手段)
6 X線管制御部(放射線源制御手段)
7 支持軸
8a 引出(置き場)
9 照射予告信号送出部(照射予告信号送出手段)
11 画像生成部(画像生成手段)
12 画像選択部(画像選択手段)
26 操作卓(入力手段)
29 表示部(表示手段)

Claims (6)

  1. 放射線を照射する放射線源と、
    放射線を検出する複数の検出手段と、
    複数の前記検出手段に対してこれから放射線が照射されることを示す照射予告信号を送出する照射予告信号送出手段と、
    複数の前記検出手段の各々が送出する撮影の準備が完了したことを示すレディ信号に基づいて、複数の前記検出手段の全てが撮影の準備を完了させてから前記放射線源に放射線の照射を開始させる放射線源制御手段と、
    複数の前記検出手段が出力する検出信号を基に画像を前記検出手段ごとに生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮影装置において、
    撮影に用いる前記検出手段の選択を術者に入力させる入力手段と、
    前記入力手段の出力に基づいて、前記画像生成手段が生成した複数の画像のうち術者が選択した前記検出手段に係る画像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮影装置において、
    前記画像生成手段が生成した複数の画像のうち被検体が写り込んでいるものを画素値に基づいて選択する画像選択手段を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  4. 請求項3に記載の放射線撮影装置において、
    前記画像選択手段は、画像を構成する画素の画素値の平均値、最大値または分布に基づいて画像の選択を実行することを特徴とする放射線撮影装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線撮影装置において、
    前記照射予告信号送出手段は、複数の前記検出手段から前記レディ信号が同時に出力されるように、前記検出手段に前記照射予告信号を異なるタイミングで送出することを特徴とする放射線撮影装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の放射線撮影装置において、
    仰臥位の撮影に係る天板と、
    立位の撮影に係る支持軸とを備え、
    前記天板と前記支持軸との各々には、検出手段の置き場が設けられていることを特徴とする放射線撮影装置。
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