JP6619227B2 - バッテリ式フォークリフト - Google Patents
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Description
以下、本発明の第1の実施の形態に係るバッテリ式フォークリフトについて図面に基づき説明する。図1は、第1の実施の形態に係るバッテリ式フォークリフト1の概略図である。また、図2は、第1の実施の形態に係るバッテリ式フォークリフト1の制御系統を説明する概念図である。
油圧制御機能部51bは、リフト操作部39の操作方向と操作量に基づいて弁駆動信号を生成する。制御弁35は弁駆動信号に基づき切換え方向と開度が制御される。
制御部51は、アクセルペダル36の踏み込み量とインチングペダル37の踏み込み量とに応じた回転数となるように走行用電動モータ31と荷役用電動モータ32を駆動制御する。すなわち、制御部51は、図3に示すような特性に従い、インチングペダル37の踏み込み量に基づき定格率を求め、図4に示すように、アクセルペダル36の踏み込み量に基づき要求回転数を求める。制御部51は、要求回転数に定格率を乗じて走行電動モータ31の走行目標回転数と荷役用電動モータ32の荷役目標回転数とを算出する。さらに、制御部51は、走行目標回転数で走行電動モータ31が回転するように走行用インバータ駆動信号を生成し、このインバータ駆動信号でインバータ31aを駆動する。また制御部51は、荷役目標回転数で荷役電動モータ32が回転するように荷役用インバータ駆動信号を生成し、このインバータ駆動信号でインバータ32aを駆動する。
インバータ31a,32aには直流電圧が印加されており、インバータ31a、32aはインバータ駆動信号に基づく交流モータ駆動電流を走行用電動モータ31および荷役用電動モータ32に通電する。走行用電動モータ31および荷役用電動モータ32は、アクセルペダル操作量とインチングペダル操作量とに基づき決定された回転数でそれぞれ回転する。
Nt=Ntr×Ft×Rt
により求められる。ここで、Rtは走行用電動モータ31の定格率(0%≦Rt≦100%)である。従って、バッテリ式フォークリフト1の目標走行速度Vt(km/h)は、次式
Vt=Nt×D×TL×60/1000
により求まる。ここで、Dは総減速比、TLは走行用車輪周長(m)である。
Nc=Ncr×Fc×Rc
により求められる。ここで、Rcは荷役用電動モータ31の定格率(0%≦Rc≦100%)である。従って、バッテリ式フォークリフト1の荷役速度Vc(mm/sec)は、次式
Vc=Nc×PC×CS×VE×10/60
ここで、PCは油圧ポンプ34の1回転あたりの容積(cm3/rev)、CSは油圧リフトシリンダの断面積(cm2)、VEは油圧ポンプ34の容積効率である。
第1状態は上記の通り、インチング操作量が所定の値X1より小さい場合である。走行用電動モータ31の定格率は100%に設定されるので、走行用電動モータ31は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて、定格回転数の100%の回転数から0%の回転数の間で回転して走行駆動力を得る。したがって、オペレーターによるアクセルペダル36の操作により、大きな走行速度と機敏な走行速度の変化を実現することができる。
第1の状態では、油圧ポンプ34から吐出される圧油の流量は少ないので、油圧リフトシリンダ13aの動作速度は遅い。その結果、穏やかな荷役動作が行われる。リフトレバー39が操作されていない場合、制御弁35は閉じた状態なので、油圧ポンプ34からの圧油が油圧リフトシリンダに供給されない。この状態においては、仮にオペレーターがアクセルペダル36を踏み込んでも油圧リフトシリンダは動作しない。すなわち、荷役動作(フォークが上昇/下降)はしない。
第2状態は上記の通り、インチングペダル37の操作量が値X2を超えた場合である。この場合には、走行用電動モータ31の定格率はゼロに、荷役用電動モータ32の定格率は100%に設定される。第2の状態では、オペレーターがアクセルペダル36を踏み込んでも、走行用電動モータ31は回転せず、バッテリ式フォークリフト1は走行しない。この様子を図4の404に示す。
第2の状態では、リフトレバー操作量を一定のままアクセルペダルを操作すると、操作量に比例して油圧ポンプ34から吐出される圧油の流量が変動する。したがって、油圧リフトシリンダ13aの伸縮速度をアクセルペダル操作に応じて機敏に動作することができる。リフトレバーをフルストローク操作しておけば、アクセル操作のみでゆっくりした伸縮速度から素早い伸縮速度を実現できる。
第3状態は上記の通り、インチングペダル37の操作量が第1状態と第2状態との間の領域の場合である。図3に示す通り、第3状態においては、インチングペダル37の操作量の増加に伴って、走行用電動モータ31の定格率は連続的に減少するのに対して、荷役用電動モータ32の定格率は連続的に増加する。たとえば、走行用電動モータ31の定格率は100%からゼロまで連続的に減少し、一方、荷役用電動モータ32の定格率は、小さい値、たとえば20%から100%に連続的に増加する。
走行電動モータ31と荷役電動モータ32の双方が駆動しているときの消費電力は、バッテリ16の放電電力以下にしてバッテリ16の過電流を抑制することが望ましい。バッテリ16の寿命を延ばすためである。実施の形態のバッテリフォークリフトでは、たとえば、新品のバッテリ16の残容量(SOC)が80%のときの過電流閾値を予め設定し、このように設定された過電流閾値を用いて走行電動モータ31と荷役電動モータ32のインチング操作量に対する定格率を予め算出してメモリ51cに記憶する。
(1)第1の実施の形態のフォークリフト1は、油圧ポンプの吐出油で駆動される荷役用油圧シリンダ13aと、バッテリから電力供給を受けて駆動される走行用電動モータ31と、バッテリから電力供給を受けて駆動され、油圧ポンプを駆動する荷役用電動モータ32と、荷役用操作部材の操作に応じて油圧ポンプからの吐出油の流れを制御する制御弁35と、インチング操作量を出力するインチングペダル37と、アクセル操作量を出力するアクセルペダル36と、インチング操作量に応じて、走行用電動モータ31の回転特性および荷役用電動モータ32の回転特性を制御し、アクセル操作量に応じて、走行用電動モータ31の回転数および荷役用電動モータ32の回転数を制御する制御部51と、を備える。このように構成したバッテリ式フォークリフト1によれば、インチングペダルとアクセルペダルとの操作により、荷役速度をきめ細かく制御できる。
上記の第1の実施の形態のバッテリ式フォークリフト1においては、走行用電動モータ31に対する第1状態と荷役用電動モータ32に対する第1状態とは、同様のインチング操作量領域で設定されるようにした。また、第2領域および第3領域についても、走行用電動モータ31と荷役用電動モータ32とが、それぞれ同様のインチング操作量領域で設定されるようにした。しかし、走行用電動モータ31に対する第1状態と荷役用電動モータ32に対する第1状態とが設定されるインチング操作量領域は異なっていてもよい。第2領域および第3領域についても同様である。このような構成とすることで、様々な使用状況に適したバッテリ式フォークリフトを提供することが可能となる。
上記の第1の実施の形態のバッテリ式フォークリフト1においては、第1状態では走行用電動モータ31の定格率100%に設定し、また、第2状態では荷役用電動モータ32の定格率を100%に設定している。しかし、定格率は必ずしも100%である必要はなく、100%に近い大きい値であってもよい。同様に、第2状態では走行用電動モータ31の定格率をゼロに設定している。しかし、定格率は必ずしもゼロである必要はなく、バッテリ式フォークリフト1が動作しない程度の小さい値であってもよい。
上記の第1の実施の形態のバッテリ式フォークリフト1においては、第3状態では、インチングペダル37の操作量の増加に伴って、走行用電動モータ31の定格率は連続的に減少し、荷役用電動モータ32の定格率は連続的に増加するようにした。しかし、第3状態において定格率を必ずしも連続的に変化させる必要はない。たとえば、走行用電動モータ31および荷役用電動モータ32のうち少なくとも一方の定格率を段階的に変化させてもよい。この場合、電動モータの回転をきめ細かく制御するためには、段階数は多いことが好ましい。
第2の実施の形態のバッテリ式フォークリフト1は、第1の実施の形態のバッテリ式フォークリフトと基本的な構成は同様であり、次に記載の構成が付加されたものである。すなわち、第2の実施の形態のバッテリ式フォークリフト1は、図6に示すように、走行用電動モータ31に供給する電流および荷役用電動モータ32に供給される電流を検出する走行用電流検出部41と荷役用電流検出部42とをさらに備える。
第3の実施の形態のバッテリ式フォークリフト1は、第2の実施の形態のバッテリ式フォークリフトと基本的な構成は同様であり、次に記載の構成が付加されたものである。すなわち、図8に示すように、バッテリ式フォークリフト1は、バッテリ16の電圧を検出するバッテリ電圧検出部18を備え、このバッテリ電圧検出部18による検出信号は制御部51に出力される。また、制御部51には、バッテリ16の充電残量を算出するバッテリ残量算出部51dが備えられる。バッテリ残量算出部51dは、バッテリ電圧検出部18からの検出信号に基づいてバッテリ16の充電残量を算出する。
バッテリ残量に応じて定格率や回転係数を補正することにより、ステップS4で計算されるモータ回転数がバッテリ残量を反映した値となるようにしてもよい。
上記の第1〜第3の実施の形態のバッテリ式フォークリフトにおいては、既に説明した通り、ティルトレバー(不図示)の操作により油圧ティルトシリンダ(不図示)を動作させることによりティルト動作を行うことが可能である。油圧ティルトシリンダへの圧油の供給は、荷役用電動モータ32により油圧ポンプ34を動作させることにより行われる。従って、荷役用電動モータ32の回転数の制御は、ティルト動作による負荷も考慮して行ってもよい。すなわち、上記説明では、荷役動作としてフォークの上昇・下降について主に説明したが、ティルト動作も含めて荷役用電動モータ32の回転数を制御してもよい。
11 車両本体
12 走行用車輪
13 リフト装置
13a 油圧リフトシリンダ
14 バックレスト
15 フォーク
16 バッテリ
31 走行用電動モータ
32 荷役用電動モータ
31a、32a インバータ
34 油圧ポンプ
35 制御弁
36 アクセルペダル(アクセル操作部)
37 インチングペダル(インチング操作部)
38 ブレーキペダル(ブレーキ操作部)
39 リフトレバー(リフト操作部)
51 制御部
51a モータ制御機能部
51b 油圧制御機能部
51c メモリ
Claims (8)
- 油圧ポンプの吐出油で駆動される荷役用油圧シリンダと、
バッテリから電力供給を受けて駆動される走行用電動モータと、
バッテリから電力供給を受けて駆動され、前記油圧ポンプを駆動する荷役用電動モータと、
荷役用操作部材の操作に応じて前記油圧ポンプからの吐出油の流れを制御する制御弁と、
インチング操作量を出力するインチングペダルと、
アクセル操作量を出力するアクセルペダルと、
前記インチング操作量に応じて、前記走行用電動モータの回転特性および前記荷役用電動モータの回転特性を制御し、前記アクセル操作量に応じて、前記走行用電動モータの回転数および前記荷役用電動モータの回転数を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記インチング操作量の第1の所定の範囲において、インチングペダルの操作量増加に応じて前記走行用電動モータの制限回転数を減少させ、前記荷役用電動モータの制限回転数を増加させるようにそれぞれ設定する、バッテリ式フォークリフト。 - 請求項1に記載のバッテリ式フォークリフトにおいて、
前記制御部は、前記走行用電動モータの消費電力と前記荷役用電動モータの消費電力の和が前記バッテリの放電容量を越えないように、前記走行用電動モータおよび前記荷役用電動モータの回転速度を制御するバッテリ式フォークリフト。 - 請求項1または2に記載のバッテリ式フォークリフトにおいて、
前記制御部は、前記走行用電動モータの制限回転数は連続的に減少させ、前記荷役用電動モータの制限回転数は連続的に増加させるようにそれぞれ設定する、バッテリ式フォークリフト。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリ式フォークリフトにおいて、
前記制御部は、前記インチング操作量が前記第1 の所定の範囲よりも大きいおよび/ または小さい第2の所定の範囲において、前記走行用電動モータの制限回転数および前記荷役用電動モータの制限回転数をそれぞれ一定に設定する、バッテリ式フォークリフト。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリ式フォークリフトにおいて、
前記走行用電動モータへの通電電流および前記荷役用電動モータへの通電電流をそれぞれ検出する電流検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記電流検出部により検出された通電電流に基づいて、前記走行用電動モータの回転数および前記荷役用電動モータの回転数をそれぞれ設定する、バッテリ式フォークリフト。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリ式フォークリフトにおいて、
バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記バッテリ電圧検出部により検出されたバッテリの電圧に基づいて、前記走行用電動モータの回転数および前記荷役用電動モータの回転数をそれぞれ設定する、バッテリ式フォークリフト。 - 請求項6に記載のバッテリ式フォークリフトにおいて、
前記制御部は、前記バッテリ電圧検出部により検出された前記バッテリの電圧に基づいて、前記バッテリの充電残量が所定量より少ないと判断した場合、前記バッテリの充電残量が前記所定量より多いと判断した場合に比べて、前記走行用電動モータおよび前記荷役用電動モータの消費電力が少なくなるように、前記走行用電動モータの制限回転数および記荷役用電動モータの制限回転数をそれぞれ設定する、バッテリ式フォークリフト。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリ式フォークリフトにおいて、
リフト操作部とティルト操作部とをさらに有し、
前記制御部は、前記リフト操作部と前記ティルト操作部の双方が操作された場合、前記リフト操作部だけが操作されたときに比べて、前記走行用電動モータの制限回転数および前記荷役用電動モータの制限回転数のうち少なくとも一方が小さくなうように制限回転数を設定する、バッテリ式フォークリフト。
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