JP2009292553A - フォークリフトの荷役回生装置、及びフォークリフト - Google Patents
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Abstract
【課題】軽負荷時から高負荷時まで荷役回生をすること。
【解決手段】リフトシリンダ5から作動油タンク20へ作動油を還流させる戻り管路26には、回生用ポンプ27が配設されており、該回生用ポンプ27にギア式の変速機Cを介して発電機28が接続されている。発電機28には、コンバータ29を介してバッテリ13が接続されており、制御装置30は、戻り油の圧力及びリフトレバー11の操作量に応じて、発電機28の出力電流を調整するようになっている。そして、制御装置30は、戻り油の圧力が高い場合には、発電機28の回転数が速くなるように回転数比を変化させて回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達させる一方、戻り油の圧力が低い場合には、発電機28の回転数が遅くなるように回転数比を変化させて回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達させるように、変速機Cを制御するようになっている。
【選択図】図2
【解決手段】リフトシリンダ5から作動油タンク20へ作動油を還流させる戻り管路26には、回生用ポンプ27が配設されており、該回生用ポンプ27にギア式の変速機Cを介して発電機28が接続されている。発電機28には、コンバータ29を介してバッテリ13が接続されており、制御装置30は、戻り油の圧力及びリフトレバー11の操作量に応じて、発電機28の出力電流を調整するようになっている。そして、制御装置30は、戻り油の圧力が高い場合には、発電機28の回転数が速くなるように回転数比を変化させて回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達させる一方、戻り油の圧力が低い場合には、発電機28の回転数が遅くなるように回転数比を変化させて回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達させるように、変速機Cを制御するようになっている。
【選択図】図2
Description
本発明は、リフトシリンダで上昇させた荷役手段を下降させる際に、上昇された荷役手段の位置エネルギを回生電力として回収するフォークリフトの荷役回生装置、及びフォークリフトに関する。
従来、工場構内等で広く利用されるフォークリフトは、荷を載置するフォークをリフトシリンダで昇降動作させて荷役作業を行うようになっている。このようなフォークリフトにおいて、フォークの下降に伴ってリフトシリンダから作動油タンクに還流される作動油(いわゆる戻り油)により回生用ポンプを回転させ、該回生用ポンプの回転により発電機を駆動して、上昇されたフォーク及び荷の位置エネルギを回生電力として回収する荷役回生が行われている。荷役回生を行う装置として、荷役用ポンプ兼発電用モータとして可変容量型の荷役用ポンプを用いた荷役回生装置が提案されている(たとえば、特許文献1)。特許文献1では、戻り油の圧力を検出する圧力センサを備え、検出した戻り油の圧力、及びリフトレバーの操作量とから、所定の荷役用ポンプの回転数となるように荷役用ポンプの吐出量を制御するようになっている。
特開2006−124145号公報
しかしながら、特許文献1の荷役回生装置において、荷役用ポンプを駆動させるのに必要なトルク、すなわち戻り油が荷役用ポンプを通過する際の抵抗を変更できる範囲は、あくまで荷役用ポンプの吐出量を変更できる範囲に限られている。このため、特許文献1では、フォークに載置された荷が非常に軽い場合や、フォークに荷が載置されていない場合などの軽負荷時において、フォークの下降を優先させることで、発電機を駆動させて荷役回生を行うことができない場合がある。また、特許文献1では、戻り油の圧力が高い場合(高負荷時)であっても、発電機を荷役用ポンプの回転数と同じ回転数でしか駆動させることができず、フォーク等の位置エネルギを回生電力として十分に回収できているとはいえなかった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、軽負荷時から高負荷時まで荷役回生をすることができるフォークリフトの荷役回生装置、及びフォークリフトを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、荷役手段を昇降させるためのリフトシリンダに液体を供給する供給管路と、前記リフトシリンダから液体を還流させる戻り管路と、を操作手段の操作に基づき切り替えることで前記リフトシリンダを伸縮動作させるとともに、還流される液体により回転駆動手段を回転させ、該回転駆動手段の回転により発電手段を駆動して発電した電力を蓄電手段に蓄えるフォークリフトの荷役回生装置において、還流される液体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記操作手段の操作量を検出する操作量検出手段と、前記発電手段と前記蓄電手段との間に介在され、前記発電手段の出力電流を制御可能な出力電流制御手段と、前記回転駆動手段と前記発電手段との間に介在され、前記回転駆動手段と前記発電手段との回転数比を変化可能であって、前記回転駆動手段の回転を前記発電手段に伝達可能に接続する変速手段と、還流される液体の圧力が高いほど前記出力電流が大きく、還流される液体の圧力が低いほど前記出力電流が小さくなるように制御するとともに、前記操作手段の操作量が大きいほど前記出力電流が小さく、前記操作手段の操作量が小さいほど前記出力電流が大きくなるように前記出力電流制御手段を制御する電流制御手段と、還流される液体の圧力が高いほど、前記発電手段の回転数が速くなるように前記回転数比を変化させる一方、還流される液体の圧力が低いほど、前記発電手段の回転数が遅くなるように前記回転数比を変化させるよう前記変速手段を制御する変速制御手段と、を備えたことを要旨とする。
これによれば、電流制御手段により還流される液体の圧力の高低、及び操作手段の操作量の大小に基づき出力電流制御手段を制御し、発電手段の出力電流を変化させるようになっている。そして、還流される液体の圧力が高いほど、発電手段の回転数が速くなるように回転数比が変化されるとともに、回転駆動手段の回転が発電手段に伝達される。このため、還流される液体の圧力が高い高負荷時(重荷重時)において、発電手段の出力電流及び回転数を増加させることで発電量を増やし、荷役手段の位置エネルギを回生電力として回収できる量を増やすことができる。一方、還流される液体の圧力が低いほど、発電手段の回転数が遅くなるように回転数比が変化されるとともに、発電手段の出力電流が減少される。このため、軽負荷時(軽荷重時)であっても発電手段を回転させ、荷役回生を行うことができる。したがって、請求項1の発明によれば、軽負荷時から高負荷時まで荷役回生をすることができる。また、軽負荷時において、変速手段により発電手段の回転数が遅くなるように回転数比を変化させることで、回転駆動手段を回転させるのに必要な入力トルク、すなわちリフトシリンダから液体を還流させる際の抵抗を減少させ、軽負荷時における荷役手段の下降速度の低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフォークリフトの荷役回生装置において、前記変速制御手段は、前記発電手段の出力電流を所定値以下にしても、前記発電手段を回転させるために必要な出力トルクよりも、還流される液体により回転される前記回転駆動手段の駆動トルクが小さい場合には、前記回転駆動手段と前記発電手段との接続を解除させるように前記変速手段を制御することを要旨とする。
これによれば、還流される液体の圧力が低くいために、発電手段の出力電流を所定値以下にしても、出力トルクよりも駆動トルクが小さい場合には、回転駆動手段と発電手段の接続が解除され、回転駆動手段を回転させるのに必要なトルクを減少させることができる。このため、リフトシリンダから液体を還流させる際の抵抗を減らし、軽負荷時における荷役手段の下降速度の低下を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のフォークリフトの荷役回生装置において、前記変速手段は、無段変速機であることを要旨とした。これによれば、還流される液体の圧力が高いときから低いときまで、回転駆動手段と発電手段の回転数比(変速比)が滑らかに変化される。このため、還流される液体の圧力に応じて最適な変速比に制御することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のフォークリフトの荷役回生装置において、前記回転駆動手段は、可変容量モータであることを要旨とする。これによれば、変速手段による回転数比の変化(変速)だけでなく、可変容量モータの吐出量を調整することにより、可変容量モータの回転数を変化(変速)させることができる。
請求項5に記載の発明は、フォークリフトにおいて、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の荷役回生装置を搭載したことを要旨とした。これによれば、軽負荷時から高負荷時まで荷役回生をすることができる。
本発明によれば、軽負荷時から高負荷時まで荷役回生をすることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、バッテリ式のフォークリフト1の車体2の前側下部には、駆動輪(前輪)3aが設けられており、車体2の後側下部には、操舵輪(後輪)3bが設けられている。車体2の前部には、マスト4が立設されている。マスト4は、車体2に対して前後に傾動可能に支持された左右一対のアウタマスト4aと、これにスライドして昇降するインナマスト4bとからなる。各アウタマスト4aの後部には、リフトシリンダ5が配設されている。インナマスト4bの内側には、荷物Wを載置する荷役手段としてのフォーク6を備えたリフトブラケット7が昇降可能に支持されている。そして、フォーク6は、リフトシリンダ5の伸縮動作によりリフトブラケット7とともに昇降される。
図1に示すように、バッテリ式のフォークリフト1の車体2の前側下部には、駆動輪(前輪)3aが設けられており、車体2の後側下部には、操舵輪(後輪)3bが設けられている。車体2の前部には、マスト4が立設されている。マスト4は、車体2に対して前後に傾動可能に支持された左右一対のアウタマスト4aと、これにスライドして昇降するインナマスト4bとからなる。各アウタマスト4aの後部には、リフトシリンダ5が配設されている。インナマスト4bの内側には、荷物Wを載置する荷役手段としてのフォーク6を備えたリフトブラケット7が昇降可能に支持されている。そして、フォーク6は、リフトシリンダ5の伸縮動作によりリフトブラケット7とともに昇降される。
左右一対のティルトシリンダ8は、その基端側が車体(車体フレーム)2に対して回動可能に連結されるとともに、先端側がアウタマスト4aの側面に回動可能に連結されている。マスト4は、ティルトシリンダ8が伸縮駆動されることで前後に傾動する。
運転室9には、その前側にハンドル10、操作手段としてのリフトレバー11、及びティルトレバー12が装備されている。リフトレバー11は、フォーク6を昇降させる指示をする際に運転者により操作されるレバーであり、ティルトレバー12はマスト4を前後方向に傾動させる指示をする際に運転者により操作されるレバーである。
車体2には、バッテリ13が搭載されている。本実施形態のフォークリフト1では、バッテリ13により荷役用電動機25(図2に示す)が駆動されるようになっている。また、本実施形態のフォークリフト1では、バッテリ13により図示しない走行用電動機を駆動させ、駆動輪3aが駆動されるようになっている。
次に、本実施形態のフォークリフト1の油圧回路、及び電気的構成について説明する。
図2に示すように、液体としての作動油を貯留する作動油タンク20から各シリンダ5,8への作動油の供給管路21には、フィルタ22および荷役用ポンプ23が設けられている。荷役用ポンプ23には、荷役用電動機25が連結されており、該荷役用電動機25がバッテリ13により荷役用ポンプ23を回転駆動させることで、リフトシリンダ5やティルトシリンダ8に作動油を供給する。すなわち、荷役用ポンプ23は、荷役用電動機25を動力源として回転駆動されるようになっている。
図2に示すように、液体としての作動油を貯留する作動油タンク20から各シリンダ5,8への作動油の供給管路21には、フィルタ22および荷役用ポンプ23が設けられている。荷役用ポンプ23には、荷役用電動機25が連結されており、該荷役用電動機25がバッテリ13により荷役用ポンプ23を回転駆動させることで、リフトシリンダ5やティルトシリンダ8に作動油を供給する。すなわち、荷役用ポンプ23は、荷役用電動機25を動力源として回転駆動されるようになっている。
供給管路21における荷役用ポンプ23の吐出側とシリンダ5,8との間には、コントロールバルブ24が設けられている。コントロールバルブ24は、各シリンダ5,8における作動油の流路を切り替え可能に構成されている。具体的に説明すると、コントロールバルブ24は、リフトシリンダ5の伸縮動作を制御するリフト用制御弁と、ティルトシリンダ8の伸縮動作を制御するティルト用制御弁とを備えている。コントロールバルブ24のリフト用制御弁は、リフトシリンダ5に対し荷役用ポンプ23により作動油を供給する供給管路21と、リフトシリンダ5から作動油を作動油タンク20に還流させるリフトシリンダ5用の戻り管路26とを切り替え可能に構成されている。リフトシリンダ5は、作動油が供給されることによって伸長動作し、フォーク6を上昇させる一方、作動油が還流されることによって収縮動作し、フォーク6を下降させるようになっている。
また、コントロールバルブ24のティルト用制御弁は、ティルトシリンダ8のボトム室に作動油を供給するとともにロッド室から作動油を還流させる伸長位置と、ロッド室に作動油を供給するとともにボトム室から作動油を還流させる収縮位置とを切り替え可能に構成されている。なお、図2には、リフトシリンダ5用の戻り管路26のみを示し、ティルトシリンダ8用の戻り管路は、その図示を省略してある。ティルトシリンダ8は、ティルト用制御弁が伸長位置に切り替えられて伸長動作し、マストを前傾動作させる一方、ティルト用制御弁が収縮位置に切り替えられて収縮動作し、マストを後傾動作させるようになっている。コントロールバルブ24を構成するリフト用制御弁は、リフトレバー11の操作に基づき動作し、ティルト用制御弁は、ティルトレバー12の操作に基づき動作するようになっている。すなわち、コントロールバルブ24を構成する各制御弁は、各レバー11,12の操作に基づいて、それぞれ独立して動作するようになっている。このため、本実施形態のフォークリフト1では、リフトレバー11と同時にティルトレバー12を傾動操作することで、例えば、フォーク6を下降させながらマスト4を後傾動作させることが可能となっている。また、コントロールバルブ24は、リフトシリンダ5への作動油の流量を調整可能とされている。同様に、コントロールバルブ24は、ティルトシリンダ8への作動油の流量を調整可能とされている。
リフトシリンダ5の作動油をコントロールバルブ24から作動油タンク20へ還流させる戻り管路26には、回転駆動手段としての回生用ポンプ27が設けられており、該回生用ポンプ27は、作動油の通過により回転駆動されるようになっている。回生用ポンプ27は、作動油が通過することより、その出力軸が回転するようになっている。すなわち、回生用ポンプ27は、該回生用ポンプ27を通過する作動油を動力源として、回転駆動されるようになっている。なお、以下の説明において、リフトシリンダ5から作動油タンク20へ還流される作動油を、単に「戻り油」と示す。
回生用ポンプ27の出力軸には、回生用ポンプ27の回転数を所定の回転数に変速(減速/増速)させる変速手段としての変速機Cを介して、発電手段としての発電機28が接続されている。発電機28は、永久磁石式の発電機とされている。
図3に示すように、本実施形態の変速機Cは、回生用ポンプ27の出力軸に直結される入力軸32に配設されたドライブギアG1〜G3と、入力軸32と平行な出力軸33に配設されたドリブンギアG4〜G6との組み合わせにより、回生用ポンプ27から入力軸32に入力される回転の速度(回転数)を多段階に変速(減速/増速)させて、出力軸33に出力するようになっている。変速機Cの出力軸33には、発電機28の入力軸が直結されている。本実施形態の変速機Cでは、戻り油の圧力Pに応じてギア組み合わせが選択されるようになっている。すなわち、本実施形態の変速機Cは、回生用ポンプ27と発電機28との回転数比を変化可能であって、回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達するようになっている。
それぞれ歯数の異なるドライブギアG1〜G3は、一体に形成されているとともに、入力軸32上をその軸線方向に摺動可能に構成されている。入力軸32は、スプライン軸とされており、ドライブギアG1〜G3は、入力軸の回転と同期(連動)して回転されるようになっている。また、ドライブギアG1〜G3には、該ドライブギアG1〜G3を入力軸32の軸線方向に移動させ、出力軸33側に配設されたドリブンギアG4〜G6との間で噛合するギア組み合わせを変更可能に構成された変速機構34が連結されている。変速機構34は、例えば、油圧シリンダ及び電磁弁の組み合わせから構成される。
また、ドリブンギアG4〜G6は、それぞれ出力軸33に固定されており、各ドリブンギアG4〜G6の回転と同期(連動)して出力軸33が回転されるようになっている。また、ドリブンギアG4〜G6は、それぞれ歯数が異なっている。
次に、各ギアG1〜G6の歯数について説明する。ドライブギアG1の歯数はZ1、ドライブギアG2の歯数はZ2、ドライブギアG3の歯数はZ3に設定されている。これらドライブギアG1〜G3の歯数の関係は、Z3<Z1<Z2となっている。また、ドリブンギアG4の歯数はZ1、ドリブンギアG5の歯数はZ4、ドリブンギアG6の歯数はZ5に設定されている。これらドリブンギアG4〜G6の歯数の関係は、Z4<Z1<Z5となっている。そして、ドライブギアG1は、ドリブンギアG4と噛合可能になっている。ドライブギアG1とドリブンギアG4の歯数は等しくなっている。ドライブギアG2は、ドリブンギアG5と噛合可能となっている。ドライブギアG2とドリブンギアG5の歯数の関係は、Z2>Z4となっている。ドライブギアG3は、ドリブンギアG6と噛合可能となっている。ドライブギアG3とドリブンギアG6の歯数の関係は、Z3<Z5となっている。
次に、各ギアG1〜G6と、ドリブンギアG4〜G6の組み合わせによる変速について説明する。図3(a)に示すように、ドライブギアG1と、ドリブンギアG4の歯数はいずれもZ1に設定されており、等しい歯数となっている。このため、ギアG1,G4が噛合する組み合わせにおいて、回生用ポンプ27から入力軸32に入力される回転は、変速されない(等しい回転数)で出力軸33に伝達されることになる。すなわち、発電機28は、回生用ポンプ27の回転数と等しい回転数で駆動されるようになっている。
図3(b)に示すように、ギアG2,G5が噛合する組み合わせにおいて、「ドライブギアG2の歯数Z2>ドリブンギアG5の歯数Z4」であることから、回生用ポンプ27から入力軸32に入力される回転は、増速されて出力軸33に伝達されることになる。すなわち、発電機28は、回生用ポンプ27の回転数より速い回転数で駆動されるようになっている。
図3(c)に示すように、ギアG3,G6が噛合する組み合わせにおいて、「ドライブギアG3の歯数Z3<ドリブンギアG6の歯数Z5」であることから、回生用ポンプ27から入力軸32に入力される回転は、減速されて出力軸33に伝達されることになる。すなわち、発電機28は、回生用ポンプ27の回転数より遅い回転数で駆動されるようになっている。
また、図3(d)に示すように、本実施形態の変速機Cでは、ドライブギアG1〜G3のいずれも、ドリブンギアG4〜G6と噛合しないことにより、回生用ポンプ27と発電機28とを非接続状態とするギア組み合わせを取り得るようになっている。
以上のように、回生用ポンプ27の回転は、変速機Cにより所定の回転数に変速(減速/増速)されて発電機28に伝達されるようになっている。そして、発電機28は、変速機Cにより変速された回生用ポンプ27の回転により、回転駆動されて発電するようになっている。また、本実施形態のフォークリフト1では、図2に示すように、荷役用電動機25、荷役用ポンプ23とは別に、荷役回生専用の発電機28、及び回生用ポンプ27を備えたシステムとなっている。そして、図1の荷物Wを下降させる際に、荷物W及びフォーク6の位置エネルギによりリフトシリンダ5から作動油が戻り管路26に送出(還流)される。そして、戻り油により回生用ポンプ27を回転させ、それと連動して発電機28が回転駆動されて発電するようになっている。
図2に示すように、発電機28には出力電流制御手段としてのコンバータ29を介して蓄電手段としてのバッテリ13(例えば、鉛バッテリ)が接続されている。本実施形態のコンバータ29には、図示しないドライブ回路が設けられているとともに、図示しない整流回路が接続されている。本実施形態のコンバータ29は、Hブリッジ回路により構成されており、該Hブリッジ回路には、スイッチング素子として、例えば、絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ(IGBT)が使用されている。また、コンバータ29は、所定の制御信号を入力したドライブ回路によりスイッチング素子がPWM(パルス幅変調)制御されるとともに、そのデューティ比を変更できるようになっている。そして、コンバータ29は、発電機28で発電され、整流回路により交流から直流に変換された直流電力を入力し、バッテリ13に供給するようになっている。なお、以降の説明において、コンバータ29に供給される電力の電流を「I」、電圧を「V」とする。そして、コンバータ29は、スイッチング素子のデューティ比を変更することで、発電機28の出力電流Iを変化させ、発電機28を駆動させるためのトルク(以下、「出力トルク」と示す)を変化させることが可能となっている。具体的に説明すると、コンバータ29のデューティ比を大きくすることで出力電流Iを高く、すなわち出力トルクを高くすることができる。また、コンバータ29のデューティ比を小さくすることで出力電流Iを小さく、すなわち出力トルクを小さくすることができる。
また、戻り管路26において、コントロールバルブ24と回生用ポンプ27の間には、圧力調整弁36が配設されている。同様に、供給管路21において、コントロールバルブ24と荷役用ポンプ23の間には、圧力調整弁36が配設されている。圧力調整弁36は、供給管路21及び戻り管路26を通過する作動油の圧力を調整し、フォーク6の昇降速度(リフトシリンダ5の伸縮速度)を調整可能となっている。
また、本実施形態のフォークリフト1には、荷役回生を統括的に制御する制御装置30が搭載されている。制御装置30は、プログラムの実行や各種の演算処理を行うCPUと、該CPUによる演算処理結果を一時的に記憶し、各種マップやプログラムを記憶するメモリが備えられている。
制御装置30には、コンバータ29が接続されており、前記ドライブ回路に所定の制御信号を出力して、スイッチング素子のデューティ比を制御可能となっている。
制御装置30には、変速機Cの変速機構34が接続されており、所定の制御信号を出力して、ドライブギアG1〜G3とドリブンギアG4〜G6の組み合わせ及び、非接続状態を切り替え可能となっている。
制御装置30には、変速機Cの変速機構34が接続されており、所定の制御信号を出力して、ドライブギアG1〜G3とドリブンギアG4〜G6の組み合わせ及び、非接続状態を切り替え可能となっている。
制御装置30には、リフトレバー11の操作量を検出する操作量検出手段としての操作量センサ31が配設されている。操作量センサ31は、リフトレバー11に設けられており、フォーク6を下降させる下降指示方向への操作量θに応じた検出信号を制御装置30に出力するようになっている。制御装置30は、操作量センサ31から入力する検出信号に基づき、リフトレバー11の操作量θを認識するようになっている。
また、制御装置30には、ティルトレバー12の傾動動作を検出する図示しないティルト操作センサが配設されている。ティルト操作センサはティルトレバー12に設けられており、マスト4を前傾又は後傾させる操作を検出して検出信号を制御装置30に出力するようになっている。
制御装置30には、フォーク6の揚高位置を検出する揚高センサ4cが接続されている。揚高センサ4cは、マスト4(リフトシリンダ5)に配設されており、フォーク6の揚高Hに応じた検出信号を制御装置30に出力するようになっている。制御装置30は、揚高センサ4cから入力する検出信号に基づき、単位時間当りのフォーク6の下降距離(以下、「下降速度」と示す)を演算し、認識するようになっている。揚高センサ4cは、例えば、リールセンサからなる。
制御装置30には、戻り油の圧力Pを検出する圧力検出手段としての圧力センサ35が接続されている。圧力センサ35は、リフトシリンダ5とコントロールバルブ24の間に配設されており、戻り油の圧力Pに応じた検出信号を制御装置30に出力するようになっている。制御装置30は、圧力センサ35から入力する検出信号に基づき、戻り油の圧力Pを認識するようになっている。
また、制御装置30には、圧力調整弁36が接続されており、該圧力調整弁36の開度を調整することにより、フォーク6の下降速度を所定の下降速度に保つようになっている。
そして、本実施形態の制御装置30は、戻り油の圧力Pが圧力P1a未満の場合、発電機28の出力電流Iがゼロ(零)になるようコンバータ29の動作を制御し、発電機28による発電(荷役回生)を停止させるようになっている。なお、出力電流Iをゼロ(零)に設定すると、発電機28は、発電を行わない状態(非発電状態)となる。圧力P1aは、回生用ポンプ27の回転を減速して発電機28に伝達させるギアG3,G6の組み合わせを選択し、さらに出力電流Iをバッテリ13に充電可能な範囲で最小に設定しても、戻り油が回生用ポンプ27を回転駆動させるトルク(以下、「駆動トルク」と示す)より、発電機28の出力トルクが大きくなる圧力となっている。
次に、制御装置30のメモリに記憶保持されているマップについて説明する。
図4に示すマップM1は、制御装置30が戻り油の圧力P、及びリフトレバー11の操作量θに対して、発電機28の出力電流Iを設定するためのマップとなっている。マップM1は、戻り油の圧力Pが圧力P1以上であって圧力P2未満の場合に選択されるギアG3,G6の組み合わせ、戻り油の圧力Pが圧力P2以上であって圧力P3未満の場合に選択されるギアG1,G4の組み合わせ、及び戻り油の圧力Pが圧力P3以上の場合に選択されるギアG2,G5の組み合わせの、各ギア組み合わせにおいて、それぞれ適用されるようになっている。なお、圧力P1〜P3の関係は、P1<P2<P3となっている。また、マップM1は、ギアG3,G6の組み合わせでは、圧力P1a≦戻り油の圧力P<圧力P2の範囲で適用されるようになっている。
図4に示すマップM1は、制御装置30が戻り油の圧力P、及びリフトレバー11の操作量θに対して、発電機28の出力電流Iを設定するためのマップとなっている。マップM1は、戻り油の圧力Pが圧力P1以上であって圧力P2未満の場合に選択されるギアG3,G6の組み合わせ、戻り油の圧力Pが圧力P2以上であって圧力P3未満の場合に選択されるギアG1,G4の組み合わせ、及び戻り油の圧力Pが圧力P3以上の場合に選択されるギアG2,G5の組み合わせの、各ギア組み合わせにおいて、それぞれ適用されるようになっている。なお、圧力P1〜P3の関係は、P1<P2<P3となっている。また、マップM1は、ギアG3,G6の組み合わせでは、圧力P1a≦戻り油の圧力P<圧力P2の範囲で適用されるようになっている。
本実施形態のマップM1において、発電機28の出力トルク(出力電流I)は、リフトの操作性に影響を与えず、且つコントロールバルブ24及び圧力調整弁36を全開にできる範囲で設定されている。また、発電機28の出力トルク(出力電流I)は、回生用ポンプ27の駆動トルクよりも僅かに小さくなるように設定されている。このため、戻り油により回生用ポンプ27が若干過剰に回転されるようになっている。また、マップM1は、戻り油の圧力P及び、変速機Cにおけるギア組み合わせに応じて最も効率の良い出力電流Iとなるように設定されている。そして、マップM1では、戻り油の圧力Pが高いほど、出力電流Iが高くなるように設定されている。また、マップM1では、戻り油の圧力Pが同一であっても、リフトレバー11の操作量θが大きいほど、出力電流Iが小さくなるように設定されている。
図5に示すマップM2は、制御装置30が戻り油の圧力Pに対して、変速機Cにおけるギア組み合わせを決定するためのマップとなっている。
マップM2では、戻り油の圧力Pが圧力P2以上であって圧力P3未満の場合、ギアG1,G4の組み合わせが選択されるようになっている。圧力P2は、ギアG1,G4の組み合わせにおいて、発電機28の出力電流Iを小さく設定することで、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより僅かに大きくなるように調整できる下限の圧力となっている。一方、圧力P3は、ギアG1,G4の組み合わせにおいて、発電機28の出力電流Iを大きく設定することで、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより僅かに大きくなるように調整できる上限の圧力となっている。
マップM2では、戻り油の圧力Pが圧力P2以上であって圧力P3未満の場合、ギアG1,G4の組み合わせが選択されるようになっている。圧力P2は、ギアG1,G4の組み合わせにおいて、発電機28の出力電流Iを小さく設定することで、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより僅かに大きくなるように調整できる下限の圧力となっている。一方、圧力P3は、ギアG1,G4の組み合わせにおいて、発電機28の出力電流Iを大きく設定することで、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより僅かに大きくなるように調整できる上限の圧力となっている。
マップM2では、戻り油の圧力Pが圧力P3以上の場合、ギアG2,G5の組み合わせが選択されるようになっている。すなわち、戻り油の圧力Pが圧力P3より高く、ギアG1,G4の組み合わせにおいて発電機28の出力電流Iを最大に設定しても、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより大きくなる場合に、増速させるギア組み合わせを選択するようになっている。
マップM2では、戻り油の圧力Pが圧力P4以上の場合、ギアG2,G5の組み合わせが選択されることに加えて、制御装置30がコントロールバルブ24の開度を制御して、戻り油の圧力Pを圧力P4に保つようになっている。圧力P4は、ギアG2,G5の組み合わせにおいて、発電機28の出力電流Iを大きく(最大に)設定することで、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより僅かに大きくなるように調整できる上限の圧力となっている。
また、マップM2では、戻り油の圧力Pが圧力P1以上であって圧力P2未満の場合、ギアG3,G6の組み合わせが選択されるようになっている。すなわち、戻り油の圧力Pが圧力P2より低く、ギアG1,G4の組み合わせにおいて発電機28の出力電流Iを最小に設定しても、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより小さくなる場合に、減速させるギア組み合わせが選択されるようになっている。圧力P1は、ギアG3,G6の組み合わせにおいて、発電機28の出力電流Iを小さく設定、若しくはゼロ(零)に設定することで、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより僅かに大きくなるように調整できる下限の圧力となっている。
そして、マップM2では、戻り油の圧力Pが圧力P1未満の場合、非接続状態のギア組み合わせが選択されるようになっている。すなわち、戻り油の圧力Pが圧力P1より小さく、ギアG3,G6の組み合わせにおいて発電機28の出力電流Iをゼロ(零)に設定しても、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより小さくなる場合に、回生用ポンプ27と発電機28とを非接続状態とするようになっている。
次に、以上のように構成されたフォークリフト1の作用(制御)について、荷役回生を行う動作を中心に説明する。なお、以下の説明では、フォークリフト1において、荷物Wをフォーク6に載置し、所定の揚高Hに上昇させた状態であるものとする。
制御装置30は、操作量センサ31から検出信号を入力するとコントロールバルブ24に制御信号を出力して戻り管路26に切り替え動作させ、リフトシリンダ5の作動油を作動油タンク20に還流させてフォーク6及び荷物Wの下降を開始させる。このとき、制御装置30は、コントロールバルブ24と圧力調整弁36を全開に制御する。
次に、制御装置30は、圧力センサ35から入力した検出信号に基づき戻り油の圧力Pを認識し、マップM2を参照して対応するギア組み合わせを選択(決定)する。具体的に説明すると、制御装置30は、戻り油の圧力PがP1未満の場合、非接続状態のギア組み合わせを選択する。制御装置30は、戻り油の圧力Pが圧力P1以上であって圧力P2未満の場合、ギアG3,G5の組み合わせを選択する。制御装置30は、戻り油の圧力Pが圧力P2以上であって圧力P3未満の場合、ギアG1,G4の組み合わせを選択する。制御装置30は、戻り油の圧力Pが圧力P3以上の場合、ギアG2,G5の組み合わせを選択する。そして、制御装置30は、変速機Cの変速機構34に制御信号を出力し、選択したギア組み合わせとなるように動作させる。
また、制御装置30は、選択したギア組み合わせにおいて、戻り油の圧力P、及びリフトレバー11の操作量θに基づき、マップM1を参照して出力電流Iを決定する。そして、制御装置30は、コンバータ29に制御信号を出力し、決定した出力電流Iとなるようにコンバータ29の動作を制御する。なお、制御装置30は、ギアG3,G6の組み合わせを選択した場合(圧力P1≦戻り油の圧力P圧力<圧力P2の場合)であって、戻り油の圧力Pが圧力P1a未満の場合には、マップM1を参照せずに、出力電流Iがゼロ(零)になるようコンバータ29の動作を制御し、発電機28を非発電状態とする。
そして、制御装置30は、リフトレバー11の操作量θから、フォーク6の下降速度の目標値を算出するとともに、揚高センサ4cからの検出信号に基づき算出したフォーク6の下降速度とを比較する。そして、制御装置30は、目標値とフォーク6の下降速度が一致すると、圧力調整弁36を制御し、フォーク6の下降速度が一定となるように制御する。
また、制御装置30は、戻り油の圧力Pが圧力P4以上の場合には、コントロールバルブ24を作動させ、戻り油の圧力Pを、圧力P4に保つように制御する。本実施形態では、マップM1,M2を参照し、コンバータ29及び変速機Cの動作を制御する制御装置30が、電流制御手段、及び変速制御手段として機能している。
一方、制御装置30は、フォーク6の下降動作中(リフトシリンダ5の収縮動作中)において、ティルトレバー12が操作されると、該ティルトレバー12の操作に基づきコントロールバルブ24のリフト用制御弁を前記伸長位置、又は収縮位置に切り替えるように制御する。そして、ティルトシリンダ8は、荷役用ポンプ23によりボトム室又はロッド室に作動油が供給されて伸縮動作し、マスト4を傾動動作させる。すなわち、本実施形態のフォークリフト1では、荷役用ポンプ23及び荷役用電動機25とは別体に、回生専用の回生用ポンプ27及び発電機28を設けており、フォーク6の下降動作時において、荷役回生を行いつつティルト動作を行うことができるようになっている。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)回生用ポンプ27と発電機28との間に変速機Cを配設するとともに、戻り油(還流される作動油)の圧力Pが圧力P3以上となると、ギアG2,G5の組み合わせを選択し、発電機28の回転が増速されるように、回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達するようにした。このため、戻り油の圧力Pが高い高負荷(重荷重)時において、発電機28の回転数を増加させて発電量を増やすことが可能となり、単にコントロールバルブ24により戻り油の圧力Pを調整することと比較して、フォーク6や荷物Wの位置エネルギを回生電力として回収できる量を増やすことができる。
(1)回生用ポンプ27と発電機28との間に変速機Cを配設するとともに、戻り油(還流される作動油)の圧力Pが圧力P3以上となると、ギアG2,G5の組み合わせを選択し、発電機28の回転が増速されるように、回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達するようにした。このため、戻り油の圧力Pが高い高負荷(重荷重)時において、発電機28の回転数を増加させて発電量を増やすことが可能となり、単にコントロールバルブ24により戻り油の圧力Pを調整することと比較して、フォーク6や荷物Wの位置エネルギを回生電力として回収できる量を増やすことができる。
(2)戻り油の圧力が高い高負荷時において、増速させて発電機28を回転させることで、発電機28の最大電流値が小さくても十分に発電量を確保することができる。すなわち、回生専用の発電機28の大型化を抑制し、コストを低減することができる。
(3)一方、戻り油の圧力Pが圧力P2未満となると、ギアG3,G6の組み合わせを選択し、発電機28の回転が減速されるように、回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達するようにした。このため、戻り油の圧力Pが低い軽負荷(軽荷重)時であっても、発電機28を駆動させるために必要な回生用ポンプ27のトルク(以下、「入力トルク」と示す)を低減することで発電機28を駆動させ、荷役回生を行うことができる。
(4)変速機Cは、回生用ポンプ27の回転を増速及び減速させて発電機28に出力(伝達)可能に構成した。すなわち、本実施形態の変速機Cは、回生用ポンプ27と発電機28との回転数比を変化可能であって、回生用ポンプ27の回転を発電機28に伝達するようになっている。このため、戻り油の圧力Pが低い低負荷時から、戻り油の圧力Pが高い高負荷時まで、荷役回生をすることができる。
(5)制御装置30は、選択したギア組み合わせにおいて、発電機28の出力電流Iを増減するようにした。このため、戻り油の圧力Pが高いほど発電機28の出力電流Iを高くし、発電量を増加させることができる。その一方で、戻り油の圧力Pが低いほど発電機28の出力電流Iを小さくし、発電量を減少させつつ荷役回生を継続させることができる。
(6)戻り油の圧力Pが低い軽負荷時において、変速機Cにより減速させることにより、回生用ポンプ27の入力トルク、すなわち戻り油が回生用ポンプ27を通過する際の抵抗を減少させ、フォーク6及び荷物Wの下降速度の低下を抑制することができる。
(7)戻り油の圧力Pが圧力P1未満となると、非接続状態のギア組み合わせを選択するようにした。このため、発電機28の出力電流Iをゼロ(零)に設定しても、回生用ポンプ27の駆動トルクが発電機28の出力トルクより小さくなる場合には、回生用ポンプ27と発電機28との接続を解除することができる。したがって、回生用ポンプ27に発電機28の出力トルクがかからなくなり、戻り油が回生用ポンプ27を通過する際の抵抗を減少させることができる。すなわち、軽負荷時におけるフォーク6の下降速度の低下を抑制することができる。
(8)制御装置30は、選択したギア組み合わせにおいて、戻り油の圧力P及びリフトレバー11の操作量θに基づき、発電機28の出力電流I(出力トルク)を制御するようにした。このため、各ギア組み合わせにおいて、回生用ポンプ27の入力トルクを変化させることができる。したがって、フォーク6の下降速度を、リフトレバー11の操作量θから算出されるフォーク6の下降速度の目標値となるように制御することができる。
(9)リフトシリンダ5及びティルトシリンダ8を動作させるための荷役用ポンプ23及び荷役用電動機25とは別に、荷役回生専用の回生用ポンプ27及び発電機28を設けた。このため、フォーク6を下降させながらマスト4傾動動作をさせる場合など、荷役回生を行いつつ他の油圧シリンダを動作させることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 本実施形態において、変速機Cは、遊星機構を備えた無段変速機としてもよい。また、ベルト式の無段変速機としてもよい。このように構成することで、戻り油の圧力Pが低いときから高いときまで、減速及び増速の度合い(変速比)を滑らかに変化させることができる。すなわち、回生用ポンプ27と発電機28の回転数比を滑らかに変化させることができる。このため、還流される圧力に応じて最適な変速比に制御することができる。
○ 本実施形態において、変速機Cは、遊星機構を備えた無段変速機としてもよい。また、ベルト式の無段変速機としてもよい。このように構成することで、戻り油の圧力Pが低いときから高いときまで、減速及び増速の度合い(変速比)を滑らかに変化させることができる。すなわち、回生用ポンプ27と発電機28の回転数比を滑らかに変化させることができる。このため、還流される圧力に応じて最適な変速比に制御することができる。
○ 本実施形態において、回生用ポンプ27は、可変容量ポンプとしてもよい。可変容量ポンプとして、例えば、斜板の角度を変えることによって吐出量を制御可能な斜板形のピストンポンプを用いることができる。この場合、可変容量ポンプとした回生用ポンプ27と、制御装置30とを接続して、該制御装置30により回生用ポンプ27の吐出量を制御するようにする。具体的に説明すると、制御装置30は、リフトレバー11の操作量θから算出されるフォーク6の下降速度の目標値、及び戻り油の圧力Pとから、フォーク6の下降速度の目標値に対応する回生用ポンプ27の回転数となるように、該回生用ポンプ27の吐出量を調整する。これによれば、変速手段による回転数比の変化(変速)だけでなく、可変容量モータの吐出量を調整することにより、可変容量モータの回転数を変化(変速)させ、より柔軟にフォーク6の下降速度を制御できる。
○ 本実施形態において、圧力センサ35は、圧力調整弁36と回生用ポンプ27との間に配設してもよく、回生用ポンプ27と作動油タンク20との間に配設してもよい。このように構成しても、戻り油の圧力Pを検出することができる。しかし、コントロールバルブ24や回生用ポンプ27を通過する際に圧力損失を起こすことから、より正確な圧力を検出するために、圧力センサ35をコントロールバルブ24よりリフトシリンダ5側に配設することがより好ましい。
○ 本実施形態において、戻り油の圧力Pが圧力P1a未満の場合、発電機28の出力電流Iがゼロ(零)になるようにコンバータ29の動作を制御するようにしたが、これに代えて、制御装置30が非接続状態のギア組み合わせを選択するように構成してもよい。このように構成しても、軽負荷時におけるフォーク6の下降速度の低下を抑制することができる。
○ 本実施形態において、フォーク6の下降速度は、回生用ポンプ27又は発電機28の回転数により算出してもよい。この場合、回生用ポンプ27又は発電機28に回転数センサを配設するとともに、制御装置30に接続するようにする。
○ 本実施形態において、戻り油の圧力Pが圧力P4以上の場合、制御装置30は、回生用ポンプ27と発電機28とを非接続状態とするように変速機C(変速機構34)を制御してもよい。このように構成しても、戻り油により発電機28が過剰に回転されることを抑制することができる。
○ 本実施形態において、ギア組み合わせは、3種類(3段階)に限定されるものではなく、2種類(2段階)でもよく、4種類(4段階)以上であってもよい。このように構成しても、戻り油の圧力Pに応じて、回生用ポンプ27の回転を変速させて発電機28に伝達することができる。
○ 本実施形態において、マップM1に代えて、戻り油の圧力P、リフトレバー11の操作量θをもとに出力電流Iを算出する関係式を用いてもよい。
○ 本実施形態において、供給管路21と戻り管路26とを1つの管路により構成するとともに、荷役用ポンプ23を、荷役回生を行うための回生用ポンプとしても機能させてもよい。この場合、荷役用ポンプに変速機Cを介して発電機を接続してもよいし、変速機Cを介し、荷役用ポンプを駆動させるモータ及び発電機として機能するモータジェネレータを接続してもよい。このように構成しても、荷役回生を行うことができる。
○ 本実施形態において、供給管路21と戻り管路26とを1つの管路により構成するとともに、荷役用ポンプ23を、荷役回生を行うための回生用ポンプとしても機能させてもよい。この場合、荷役用ポンプに変速機Cを介して発電機を接続してもよいし、変速機Cを介し、荷役用ポンプを駆動させるモータ及び発電機として機能するモータジェネレータを接続してもよい。このように構成しても、荷役回生を行うことができる。
○ 本実施形態において、作動油を用いた油圧機構によりフォーク6の昇降動作や、マスト4の傾動動作を行ったが、非圧縮性の液体であればどのような液体を用いた動力機構としてもよい。
○ 本実施形態において、変速機Cは、常にドライブギアG1〜G3のうち何れかのギアがドリブンギアG4〜G6に噛合するように構成し、回生用ポンプ27と発電機28とを非接続状態としないように構成してもよい。
○ 本実施形態において、変速機Cは、ギアG1,G4の変速されない組み合わせ、ギアG2,G5の増速される組み合わせ、及びギアG3,G6の減速される組み合わせを取り得るように構成したが、これに代えて、異なるギア組み合わせを取り得るように構成してもよい。例えば、全てのギア組み合わせにおいて、発電機28の回転が増速されるギア組み合わせとしたり、逆に発電機28の回転が減速されるギア組み合わせとしたりしてもよい。この場合、何れかのギア組み合わせのうち、1つのギア組み合わせにおいて、変速されないギア組み合わせとしてもよい。このように構成しても、戻り油の圧力Pに応じてギア組み合わせを選択することにより、戻り油の圧力Pが低い低負荷時から、戻り油の圧力Pが高い高負荷時まで、荷役回生をすることができる。
○ 本実施形態において、フォークリフト1は、エンジン式や、ハイブリッド方式のフォークリフトとしてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)前記変速制御手段は、前記還流される液体の圧力が高く、前記発電手段の出力電流を最大に設定しても、前記発電手段を回転させるために必要な出力トルクよりも、前記還流される液体により回転される前記回転駆動手段の駆動トルクが大きい場合には、前記回転駆動手段と前記発電手段との接続を解除させるように前記変速手段を制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のフォークリフトの荷役回生装置。
1…フォークリフト、5…リフトシリンダ、6…フォーク、11…リフトレバー、13…バッテリ、20…作動油タンク、21…供給管路、23…荷役用ポンプ、26…戻り管路、27…回生用ポンプ、28…発電機、30…制御装置、31…操作量センサ、35…圧力センサ、C…変速機。
Claims (5)
- 荷役手段を昇降させるためのリフトシリンダに液体を供給する供給管路と、前記リフトシリンダから液体を還流させる戻り管路と、を操作手段の操作に基づき切り替えることで前記リフトシリンダを伸縮動作させるとともに、還流される液体により回転駆動手段を回転させ、該回転駆動手段の回転により発電手段を駆動して発電した電力を蓄電手段に蓄えるフォークリフトの荷役回生装置において、
還流される液体の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記操作手段の操作量を検出する操作量検出手段と、
前記発電手段と前記蓄電手段との間に介在され、前記発電手段の出力電流を制御可能な出力電流制御手段と、
前記回転駆動手段と前記発電手段との間に介在され、前記回転駆動手段と前記発電手段との回転数比を変化可能であって、前記回転駆動手段の回転を前記発電手段に伝達可能に接続する変速手段と、
還流される液体の圧力が高いほど前記出力電流が大きく、還流される液体の圧力が低いほど前記出力電流が小さくなるように制御するとともに、前記操作手段の操作量が大きいほど前記出力電流が小さく、前記操作手段の操作量が小さいほど前記出力電流が大きくなるように前記出力電流制御手段を制御する電流制御手段と、
還流される液体の圧力が高いほど、前記発電手段の回転数が速くなるように前記回転数比を変化させる一方、還流される液体の圧力が低いほど、前記発電手段の回転数が遅くなるように前記回転数比を変化させるよう前記変速手段を制御する変速制御手段と、を備えたことを特徴とするフォークリフトの荷役回生装置。 - 前記変速制御手段は、前記発電手段の出力電流を所定値以下にしても、前記発電手段を回転させるために必要な出力トルクよりも、還流される液体により回転される前記回転駆動手段の駆動トルクが小さい場合には、前記回転駆動手段と前記発電手段との接続を解除させるように前記変速手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のフォークリフトの荷役回生装置。
- 前記変速手段は、無段変速機であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフォークリフトの荷役回生装置。
- 前記回転駆動手段は、可変容量モータであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のフォークリフトの荷役回生装置。
- 請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の荷役回生装置を搭載したフォークリフト。
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