JP6619164B2 - 空気極材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空気極材料の製造方法に関する。
従来、金属空気電池用の空気極は、主成分としての電子伝導性材料と有機バインダとを備える(例えば、特許文献1参照)。有機バインダは、電子伝導性材料を結着することによって空気極の形状を維持している。
特開2012−99266号公報
しかしながら、有機バインダは空気極の特性(水酸化物イオン伝導性、電子伝導性及び触媒反応活性)に寄与しないため、有機バインダを含む空気極の特性を向上させるには限界がある。
そこで、本発明者等が鋭意検討した結果、カーボンナノチューブをバインダとして用いることによって空気極の特性を向上できるという新たな知見を得た。
しかしながら、カーボンナノチューブは凝集しやすい性質を有するため空気極材料中に均一に混合することは極めて困難である。
本発明は、このような新たな知見に基づくものであって、空気極材料を簡便に製造可能な方法を提供することを目的とする。
本発明に係る空気極材料の製造方法は、カーボンナノチューブを溶媒に分散させたカーボンナノチューブ分散液を秤量する工程と、電子伝導性材料を秤量する工程と、秤量した前記カーボンナノチューブ分散液と秤量した前記電子伝導性材料とを混合して混合ペーストを作製する工程とを備える。
本発明によれば、空気極材料を簡便に製造可能な方法を提供することができる。
亜鉛空気二次電池の構成を模式的に示す断面図 空気極抵抗の測定方法を説明するための模式図 空気極断面のSEM二次電子像
図面を参照しながら、実施形態に係る金属空気電池について説明する。金属空気電池は、亜鉛空気二次電池やリチウム空気二次電池などを含む概念である。本実施形態では、金属空気電池の一例として亜鉛空気二次電池について説明する。
なお、図面の記載において同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。
(亜鉛空気二次電池10の構成)
図1は、亜鉛空気二次電池10の構成を模式的に示す断面図である。亜鉛空気二次電池10は、空気極12、水酸化物イオン伝導性セパレータ14、電解液に浸漬された負極16、正極集電体18及び容器20を備える。
1.空気極12
空気極12は、Oの還元反応及び/又は発生反応を起こす正極として機能する。空気極12は、水酸化物イオン伝導性セパレータ14上に配置される。空気極12は、第1主面12Sと第2主面12Tを有する。空気極12は、第1主面12Sにおいて水酸化物イオン伝導性セパレータ14と接触する。空気極12は、第2主面12Tにおいて正極集電体18と接触する。
空気極12の厚みは特に制限されないが、1〜100μmとすることができ、1〜75μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、1〜30μmであることがさらに好ましい。これによって、水酸化物イオン伝導相と電子伝導相と気相の三相界面の面積を確保して空気極12の触媒反応活性を維持することができる。
空気極12は、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と略称する。)と、CNTとは異なる電子伝導性材料とを含有する。
CNTは、六角形格子構造のグラフェンを円筒状に形成した繊維状炭素材料である。CNTは、シングルウォールカーボンナノチューブであってもよいしマルチウォールカーボンナノチューブであってもよい。CNTの両端は、閉口していてもよいし開口していてもよい。CNTの平均長さは、0.1μm以上とすることができるが特に制限されるものではない。CNTの平均径は、1.0nm以上とすることができるが特に制限されるものではない。
CNTは、無機バインダとして機能する。CNTは、電子伝導性材料に絡み付いている。このようにCNTは、電子伝導性材料を結着することによって空気極12の形状を維持する。CNTは、電子伝導性材料の少なくとも一部と直接的に接触していることが好ましい。CNTは、酸素還元発生触媒としても機能する。空気極12にCNTを含有させることによって、空気極12の触媒反応活性を向上させることができる。CNTは、電子伝導体としても機能する。空気極12にCNTを含有させることによって、空気極12の電子伝導性を向上させることができる。
CNTは、空気極12内において、束状ではなく束の解かれた状態で存在していることが好ましい。これによって、電子伝導性材料を効率的に結着させることができる。ただし、CNTの一部は、空気極12内において束状に存在していてもよい。
CNTどうしは、空気極12の厚み方向において互いに接触していることが好ましい。すなわち、厚み方向においてCNTどうしが繋がっていることが好ましい。これによって、厚み方向における長距離の電子伝導パスが形成される。CNTどうしは、電子伝導性材料を介して電気的に接続されていてもよい。
電子伝導性材料は、CNTによって結着される。電子伝導性材料は、電子伝導体として機能する。電子伝導性材料は、酸素還元発生触媒としても機能することが好ましい。
電子伝導性材料の形状は特に制限されるものではないが、粒子形状であることが好ましい。電子伝導性材料は、CNTに接触していることが好ましい。電子伝導性材料は、CNTの間に挟まれていてもよい。電子伝導性材料どうしは、互いに接触していることが好ましい。これによって、短距離の電子伝導パスが形成される。
電子伝導性材料としては、一般式ABO3−δ(δ≦0.4)で表されるペロブスカイト型酸化物、カーボン系材料、白金やニッケルなどの酸素還元発生触媒機能を有する金属、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト、スピネル酸化物、その他窒化物、炭化物などが挙げられる。
電子伝導性材料としては、一般式ABO3−δ(δ≦0.4)で表され、Aサイトに少なくともLaを含有し、Bサイトに少なくともNi、Fe及びCuを含有するペロブスカイト型酸化物が好適である。このようなペロブスカイト型酸化物は、組成式LaNi1−x−yCuFe3−δ(x>0、y>0、x+y<1、0≦δ≦0.4)で表される。以下においては、組成式LaNi1−x−yCuFe3−δで表されるペロブスカイト型酸化物をLNFCuと略称する。
LNFCuの組成式において、x≦0.5が好ましく、0.01≦x≦0.5がより好ましく、0.05≦x≦0.3がさらに好ましい。LNFCuの組成式において、y≦0.3が好ましく、0.01≦y≦0.3がより好ましい。このような範囲にx及びyを調整することによって、空気極12の電子伝導性、熱膨張率及び触媒反応活性を向上させることができる。
LNFCuは、ペロブスカイト単相で構成されることが好ましい。これによって、空気極12の電子伝導性と触媒反応活性をより向上させることができる。
電子伝導性材料は、LNFCuを主成分として含んでいてもよい。本実施形態において、組成物Pが物質Qを「主成分として含む」とは、組成物P全体のうち、物質Qが70体積%以上を占め、好ましくは90体積%以上を占めることを意味する。
空気極12におけるCNTの含有量は、0.1体積%以上50体積%以下であり、かつ、空気極12における電子伝導性材料の含有量は、30体積%以上99体積%以下である。これによって、酸素還元発生触媒及び電子伝導体として機能するCNTを無機バインダとしても機能させることができる。そのため、空気極12は、特性(水酸化物イオン伝導性、電子伝導性及び触媒反応活性)に何ら寄与しない有機バインダを含有していなくてもよい。従って、有機バインダを用いて電子伝導性材料を結着させる場合に比べて、空気極12の特性を顕著に向上させることができる。
空気極12において、CNTの電子伝導性材料に対する体積比(CNT体積÷電子伝導性材料体積)は、0.001以上1以下とすることができ、0.001以上0.5以下であることが好ましい。
空気極12は、微量の有機バインダを含有していてもよい。空気極における有機バインダの含有量は10体積%以下であることが好ましい。有機バインダとしては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができ、特に限定されるものではない。
有機バインダの好ましい例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、及びこれらの任意の混合物が挙げられる。
空気極12は、水酸化物イオン伝導性材料を含有していてもよい。水酸化物イオン伝導性材料を含有させることによって、空気極12の水酸化物イオン伝導性をより向上させることができる。
水酸化物イオン伝導性材料としては、水酸化物イオンを伝導又は透過可能な材料を用いることができ、無機材料であってもよいし有機材料であってもよい。水酸化物イオン伝導性材料の形状は特に制限されるものではないが、粒子形状であってもよいし膜状であってもよい。膜状の水酸化物イオン伝導性材料は、CNT及び電子伝導性材料を全体的に被覆していてもよいが、正極集電体18側から水酸化物イオン伝導性セパレータ14側にOやHOを拡散させるための開気孔を有することが好ましい。
水酸化物イオン伝導性材料としては、一般式M2+ 1−x3+ (OH)n− x/n・mHO(M2+は1種以上の2価の陽イオンであり、M3+は1種以上の3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオンであり、nは1以上の整数であり、xは0.1〜0.4であり、mは0以上である。)で表される層状複水酸化物(以下、「LDH」と略称する。)を用いることができる。M2+としては、Ni2+、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Cu2+、Zn2+が挙げられる。M3+としては、Fe3+、Al3+、Co3+、Cr3+、In3+が挙げられる。An−としては、NO3−、CO 2−、SO 2−、OH、Cl、I、Br、Fが挙げられる。特に、M2+としてMg2+を含み、M3+としてAl3+を含むMg−Al型のLDHが好適である。
また、水酸化物イオン伝導性材料としては、水酸化物イオンを伝導又は透過可能な高分子材料を用いることができる。高分子材料としては、水酸化物イオンを透過可能な陰イオン交換基を有するものが好適である。このような高分子材料としては、四級アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、ホスホニウム基、スルホニウム基などの陰イオン交換基を有する炭化水素系樹脂やフッ素系樹脂などが挙げられる。
空気極12における水酸化物イオン伝導性材料の含有量は、10体積%以上70体積%以下とすることができ、20体積%以上70体積%以下であることが好ましい。
2.水酸化物イオン伝導性セパレータ14
水酸化物イオン伝導性セパレータ14は、空気極12と負極16の間に配置される。水酸化物イオン伝導性セパレータ14は、空気極12の第1主面12Sと接触する。水酸化物イオン伝導性セパレータ14は、空気極12で生成及び消費される水酸化物イオンを選択的に透過可能な材料で構成される。
水酸化物イオン伝導性セパレータ14は、空気中に含まれる酸素以外の望ましくない物質(二酸化炭素など)や電解液中のアルカリ金属イオンを通さないことが好ましい。このような材料としては、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質である緻密質セラミックスが挙げられる。
水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質としては、一般式M2+ 1−x3+ (OH)n− x/n・mHOで表され、固化法(例えば水熱固化法)によって緻密化されたLDHが好適である。また、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質としては、NaCo、LaFeSr10、BiSr14Fe2456、NaLaTiO、RbLaNb、KLaNb、及びSrCo1.6Ti1.4(OH)・xHOの群から選択される少なくとも一種の基本組成を有するものを用いることもできる。
これらの無機固体電解質は、国際公開第2011/108526号において、燃料電池用の水酸化物イオン伝導性を有する固体電解質として開示されている。水酸化物イオン伝導性セパレータ14として水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質を用いることによって、炭酸イオンの生成による電解液の劣化を抑制できるとともに、充電時に生成される亜鉛デンドライトが水酸化物イオン伝導性セパレータ14を貫通して正負極間の短絡が生じることを抑制できる。
水酸化物イオン伝導性セパレータ14は、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質を含む粒子群と、これら粒子群の緻密化や硬化を補助する成分との複合体であってもよい。
また、水酸化物イオン伝導性セパレータ14は、基材としての開気孔性の多孔質体と、この多孔質体の孔を埋めるように孔中に析出及び成長させた無機固体電解質との複合体であってもよい。多孔質体としては、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスや、発泡樹脂又は繊維状物質からなる多孔性シート等の絶縁性の物質が挙げられる。
アルキメデス法で算出される水酸化物イオン伝導性セパレータ14の相対密度は、88%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、94%以上であることがさらに好ましい。
水酸化物イオン伝導性セパレータ14の形状は特に限定されるものではなく、緻密な板状又は膜状とすることができる。板状に形成される場合、水酸化物イオン伝導性セパレータの厚みは、0.001〜0.05mmとすることができ、0.001〜0.01mmであることが好ましく、0.001〜0.005mmであることがより好ましい。
水酸化物イオン伝導性セパレータ14の水酸化物イオン伝導度は高ければ高い方が望ましいが、典型的には、1×10−4〜1×10−1S/m(1×10−3〜1mS/cm)より典型的には、1×10−4〜1×10−2S/m(1×10−3〜1×10−1mS/cm)の伝導度を有する。
3.負極16
負極16は、水酸化物イオン伝導性セパレータ14を挟んで空気極12の反対側に配置される。負極16は、電解液に浸漬される。
負極16は、負極活物質として機能する亜鉛又は亜鉛合金を含む。負極16の形状は特に制限されるものではなく、粒子状、板状又はゲル状などにすることができ、反応速度の観点から粒子状又はゲル状が好ましい。粒子状の負極16の粒径は、30〜350μmであることが好ましい。ゲル状の負極16としては、粒径100〜300μmの無汞化亜鉛合金粉、アルカリ電解液及び増粘剤(ゲル化剤)を混合攪拌してゲル状に形成したものが好ましい。
亜鉛合金としては、マグネシウム、アルミニウム、リチウム、ビスマス、インジウム、鉛などとの汞化合金又は無汞化合金が挙げられる。亜鉛合金としては、無水銀かつ鉛無添加の無汞化亜鉛合金が好適であり、アルミニウム、ビスマス、インジウム又はこれらの組合せを含んでいることが好ましい。この亜鉛合金は、50〜1000ppmのビスマスと100〜1000ppmのインジウムと10〜100ppmのアルミニウム及び/又はカルシウムを含んでいることがより好ましく、100〜500ppmのビスマスと300〜700ppmのインジウムと20〜50ppmのアルミニウム及び/又はカルシウムを含んでいることがさらに好ましい。
負極16は、負極集電体に担持されていてもよい。負極集電体としては、ステンレス鋼、銅及びニッケルなどの金属板、金属メッシュ、カーボンペーパー及び酸化物導電体などが挙げられる。
電解液には、亜鉛空気電池に一般的に使用される周知の電解液を用いることができる。電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ金属水酸化物水溶液、塩化亜鉛や過塩素酸亜鉛を含む水溶液、過塩素酸亜鉛を含む非水系溶媒、亜鉛ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドを含む非水系溶媒などが挙げられる。電解液としては、アルカリ金属水酸化物水溶液の1種である水酸化カリウム水溶液が好ましく、水酸化カリウムを3〜50重量%(例えば30〜45重量%)含むことがより好ましい。
4.正極集電体18
正極集電体18は、空気極12を挟んで水酸化物イオン伝導性セパレータ14の反対側に配置される。正極集電体18は、空気極12の第2主面12Tと接触する。
正極集電体18は、空気極12に空気を供給できるように通気性を有することが好ましい。正極集電体18としては、ステンレス鋼、銅及びニッケルなどの金属板、金属メッシュ、カーボンペーパー及び酸化物導電体などが挙げられる。
5.電池容器20
電池容器20は、空気極12、水酸化物イオン伝導性セパレータ14、電解液に浸漬された負極16及び正極集電体18を収容する。電池容器20は、正極容器22、負極容器24、正極ガスケット26及び負極ガスケット28を有する。
正極容器22は、空気極12、水酸化物イオン伝導性セパレータ14及び正極集電体18を収容する。正極容器22には、外部空気を通すための空気孔20aが形成されている。負極容器24は、負極16を収容する。
正極ガスケット26は、正極容器22の内周縁に沿って配置される。負極ガスケット28は、負極容器24の縁に沿って配置される。正極ガスケット26及び負極ガスケット28の材質、形状及び構造は特に制限されないが、ナイロンなどの絶縁性を有する材質で構成されることが好ましい。正極ガスケット26と負極ガスケット28が水酸化物イオン伝導性セパレータ14を挟み込むことによって、正極容器22と負極容器24の内部の密閉性が確保される。
(亜鉛空気二次電池10の製造方法)
次に、亜鉛空気二次電池10の製造方法について説明する。
1.空気極12の作製
まず、CNT分散液を準備する。CNT分散液は、CNTを溶媒(例えば、水など)に分散させることで作製することができる。CNT分散液におけるCNTの濃度は0.1wt%〜2.0wt%とすることができるが特に制限されない。なお、CNTは凝集しやすい性質を有するため液中に分散し難い。そのため、市販のCNT分散液(例えば、(株)名城カーボン製、製品名SWNT分散液)を用いてもよい。
次に、CNT分散液を加熱して溶媒を揮発させることによってCNT分散液を濃縮する。これによりCNT分散液の粘度を0.1Pa・s以上200Pa・s以下とすることによって、CNT分散液のバインダとしての機能をより有効に発揮させることができる。
次に、電子伝導性材料粉末を準備する。以下、電子伝導性材料粉末としてLNFCu粉末を用いる場合について説明する。まず、水酸化ランタン粉末、酸化ニッケル粉末、酸化銅粉末及び酸化鉄粉末を乾燥(110℃、12時間)させる。次に、La、Ni、Cu及びFeが所望のモル比になるように乾燥させた各粉末を秤量する。次に、秤量した各粉末を水媒体で湿式混合した後に乾燥させた後、篩を通して混合粉体を作製する。次に、混合粉体を蓋付きのアルミナ坩堝に入れて酸素雰囲気中で仮焼(900〜1200℃、12時間)することによって仮焼粉末を作製する。次に、仮焼粉末を粉砕して一軸プレスを行った後、CIP(Cold Isostatic Press)によって成形体を作製する。次に、成形体をアルミナ鞘中に配置して酸素雰囲気中で焼成(900〜1200℃、12時間)することによって焼結体を作製する。次に、焼結体をポットミルで湿式粉砕してLNFCu粉末を作製する。
次に、濃縮したCNT分散液と電子伝導性材料粉末それぞれを秤量する。この際、空気極12におけるCNTの含有量が0.1体積%以上50体積%以下となり、かつ、空気極12における電子伝導性材料の含有量が30体積%以上99体積%以下となるよう調整する。
次に、秤量したCNT分散液と電子伝導性材料粉末をメノウ乳鉢に投入した後、メノウ乳鉢をホットスターラで加熱(60〜90℃)しながらCNT分散液と電子伝導性材料粉末を混合して混合ペースト(空気極材料の一例)を作製する。この際、次工程の印刷が可能な粘度になるまで混合ペーストから溶媒を揮発させる。混合ペーストにおけるCNTの電子伝導性材料に対する体積比(CNT体積÷電子伝導性材料体積)は0.001以上1以下である。このように、CNT分散液を用いて混合ペーストを作製することによって、粉末状やシート状のCNTを用いる場合に比べて、混合ペーストにおけるCNTの均一混合性を顕著に向上させることができる。その結果、空気極12を全体的に均質化することができる。
次に、正極集電体18(例えば、カーボンペーパーなど)に印刷法によって混合ペーストを印刷した後、大気雰囲気で乾燥(60〜120℃、1時間〜12時間)させる。以上により、空気極12と正極集電体18の積層体が完成する。
2.水酸化物イオン伝導性セパレータ14の作製
以下、水酸化物イオン伝導性セパレータ14としてLDHセパレータを作製する場合について説明する。
まず、上述した一般式M2+ 1−x3+ (OH)n− x/n・mHOで表されるLDH粉末を準備する。
次に、LDH粉末を加圧成形(例えば、CIPなど)することによって、相対密度が43〜65%のLDH成形体を作製する。LDH成形体の相対密度は、LDH成形体の寸法及び重量から算出される密度を理論密度で除した値である。相対密度に対する吸着水分の影響を抑えるために、LDH成形体は、相対湿度20%以下のデシケータ内で24時間以上保管したLDH粉末を用いて作製することが好ましい。
次に、LDH成形体を焼成(400〜850℃、1時間〜10時間)することによってLDH焼成体を作製する。LDH焼成体の重量はLDH成形体の57%〜65%であることが好ましく、LDH焼成体の体積はLDH成形体の70%〜76%以下であることが好ましい。
次に、LDH焼成体をn価の陰イオン(An−)を含む水溶液中又は直上に保持し、水熱合成(20〜200℃、1時間〜50時間)によってLDH体へと再生させる。
次に、温度300℃以下、湿度25%以上の環境下でLDH体から余剰水分を除去することによって、LDHセパレータが完成する。
3.電池容器20の組み上げ
次に、電解液に浸漬した負極16を収容した負極容器24に負極ガスケット28を取り付ける。
次に、水酸化物イオン伝導性セパレータ14、空気極12と正極集電体18の積層体及び正極ガスケット26を負極ガスケット28上に順次配置した後、正極ガスケット26が取り付けられた正極容器22を被せる。
以上により、亜鉛空気二次電池10が完成する。
(他の実施形態)
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
空気極12に水酸化物イオン伝導性材料を含有させる場合には、混合ペーストを作製する工程において、秤量した水酸化物イオン伝導性材料をCNT分散液及び電子伝導性材料粉末とともに混合して混合ペーストを作製すればよい。混合ペーストにおける水酸化物イオン伝導性材料の電子伝導性材料に対する体積比(水酸化物イオン伝導性材料体積÷電子伝導性材料体積)を0.1以上10以下とすることによって、空気極12における水酸化物イオン伝導性材料の含有量を10体積%以上90体積%以下とすることができる。
金属空気電池の一例として亜鉛空気二次電池10について説明したが、本発明に係る空気極12はリチウム空気二次電池など他の金属空気電池にも用いることができる。
亜鉛空気二次電池10は、空気極12、水酸化物イオン伝導性セパレータ14、電解液に浸漬された負極16、正極集電体18及び容器20を備えることとしたが、少なくとも空気極12と負極16と電解質とを備えていればよい。
亜鉛空気二次電池10の形状は特に制限されるものではなく、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などにすることができる。
空気極12は、小型の二次電池だけでなく電気自動車などに用いる大型の二次電池にも適用可能である。
亜鉛空気二次電池10は、充電専用の正極をさらに備えていてもよい。充電専用の正極については、例えば特開2010−176941号公報に記載されている。充電専用の正極を備えることによって、水酸化物イオン伝導性セパレータ14の水酸化物イオン伝導性が低い場合であっても、充電時には充電専用の正極を用いることによって高速充電が可能となる。さらに、充電時における空気極12での酸素の発生が抑えられるため、空気極12の腐食や劣化を抑制することができる。充電専用の正極としては、カーボンや金属チタンメッシュなどが挙げられる。
以下において本発明に係る金属空気電池の実施例について説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3の作製)
以下のようにして、実施例1〜3に係る金属空気電池を作製した。
まず、無機バインダとしてのCNTを水に分散させて、CNT濃度が0.1wt.%のCNT分散液を準備した。
次に、CNT分散液を加熱して溶媒を揮発させることによって、CNT分散液の粘度を25Pa・sとした。
次に、乾燥(110℃、12時間)させた水酸化ランタン粉末、酸化ニッケル粉末、酸化銅粉末及び酸化鉄粉末を組成式LaNi1−x−yCuFe3−δにおいてx=0.2、y=0.05となるように秤量した。次に、秤量した各粉末を水媒体で湿式混合して乾燥させた後、篩を通して混合粉体を作製した。次に、混合粉体を蓋付きのアルミナ坩堝に入れて酸素雰囲気中で仮焼(1100℃、12時間)することによって仮焼粉末を作製した。次に、仮焼粉末を粉砕して一軸プレスで成形体を作製した後、成形体をアルミナ鞘中に配置して酸素雰囲気中で焼成(1100℃、12時間)することによって焼結体を作製した。次に、焼結体をポットミルで湿式粉砕してLNFCu粉末を作製した。
次に、CNTとLNFCuの混合比が表1に示す値になるように、濃縮したCNT分散液とLNFCu粉末を秤量した。
次に、秤量したCNT分散液とLNFCu粉末をメノウ乳鉢に投入した後、メノウ乳鉢をホットスターラで加熱しながらCNT分散液とLNFCu粉末を混合して混合ペースト(空気極材料)を作製した。この際、混合ペースト中にCNTを均一に混合できていることを目視にて確認した。なお、表1には示していないが、CNT粉末((株)名城カーボン製、品番EC−P)とLNFCu粉末を混合して作製した混合体では、CNTどうしが凝集してしまったため均一に混合させることができなかった。同様に、表1には示していないが、CNTシート((株)名城カーボン製、品番EC−P paper)を細かく裁断して用いた混合体では、シートを十分細かく均一に裁断することが困難であったため均一に混合させることができなかった。
次に、秤量したCNT分散液とLNFCu粉末をメノウ乳鉢に投入した後、メノウ乳鉢をホットスターラで加熱しながらCNT分散液とLNFCu粉末を混合して混合ペーストを作製した。
次に、カーボンペーパー上に混合ペーストを印刷した後、大気雰囲気において80℃で乾燥させた。以上により、空気極と正極集電体の積層体が完成した。
次に、セパレータとしてのイオン交換膜((株)アストム製、型番ネオセプタAHA)を準備した。
次に、1MのKOH水溶液に含侵されたポリプロピレン不織布を収容した負極容器に負極ガスケットを取り付けて、セパレータ、空気極と正極集電体の積層体及び正極ガスケットを負極ガスケット上に順次配置した後、正極ガスケットが取り付けられた正極容器を被せた。
(実施例4の作製)
以下のようにして、実施例4に係る金属空気電池を作製した。
まず、実施例1〜3と同様の濃縮したCNT分散液を準備した。
次に、実施例1〜3と同様のLNFCu粉末を作製した。
次に、市販されているMg0.75−Al0.25型のLDH粉末(協和化学工業株式会社製、商品名DHT6)を準備した。
次に、CNT、LNFCu及びLDHの混合比が表1に示す値になるように、CNT分散液とLNFCu粉末とLDH粉末を秤量した。
次に、秤量したCNT分散液とLNFCu粉末とLDH粉末をメノウ乳鉢に投入した後、メノウ乳鉢をホットスターラで加熱しながらCNT分散液とLNFCu粉末とLDH粉末を混合して混合ペーストを作製した。
次に、カーボンペーパー上に混合ペーストを印刷した後、大気雰囲気において80℃で乾燥させた。以上により、空気極と正極集電体の積層体が完成した。
次に、セパレータとしてのイオン交換膜((株)アストム製、型番ネオセプタAHA)を準備した。
次に、1MのKOH水溶液に含侵されたポリプロピレン不織布を収容した負極容器に負極ガスケットを取り付けて、セパレータ、空気極と正極集電体の積層体及び正極ガスケットを負極ガスケット上に順次配置した後、正極ガスケットが取り付けられた正極容器を被せた。
(実施例5の作製)
以下のようにして、実施例5に係る金属空気電池を作製した。
まず、実施例1〜3と同様の濃縮したCNT分散液を準備した。
次に、実施例1〜3と同様のLNFCu粉末を作製した。
次に、有機バインダとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)粉末を準備した。
次に、CNT、LNFCu及びCMCの混合比が表1に示す値になるように、CNT分散液とLNFCu粉末とCMC粉末を秤量した。
次に、CMC粉末と溶媒(イオン交換水)をミキサーで混合することによってCMC粉末を溶媒に溶解させて、CMC濃度が2wt.%のCMC分散液を作製した。
次に、秤量したCNT分散液とLNFCu粉末とCMC分散液をメノウ乳鉢に投入した後、メノウ乳鉢をホットスターラで加熱しながらCNT分散液とLNFCu粉末とCMC分散液を混合して混合ペーストを作製した。
次に、カーボンペーパー上に混合ペーストを印刷した後、大気雰囲気において80℃で乾燥させた。以上により、空気極と正極集電体の積層体が完成した。
次に、セパレータとしてのイオン交換膜((株)アストム製、型番ネオセプタAHA)を準備した。
次に、1MのKOH水溶液に含侵されたポリプロピレン不織布を収容した負極容器に負極ガスケットを取り付けて、セパレータ、空気極と正極集電体の積層体及び正極ガスケットを負極ガスケット上に順次配置した後、正極ガスケットが取り付けられた正極容器を被せた。
(実施例6の作製)
以下のようにして、実施例6に係る金属空気電池を作製した。
まず、実施例1〜3と同様の濃縮したCNT分散液を準備した。
次に、カーボンブラック粉末を準備した。
次に、CNTとカーボンブラックの混合比が表1に示す値になるように、CNT分散液とカーボンブラック粉末を秤量した。
次に、秤量したCNT分散液とカーボンブラック粉末をメノウ乳鉢に投入した後、メノウ乳鉢をホットスターラで加熱しながらCNT分散液とカーボンブラック粉末を混合して混合ペーストを作製した。
次に、カーボンペーパー上に混合ペーストを印刷した後、大気雰囲気において80℃で乾燥させた。以上により、空気極と正極集電体の積層体が完成した。
次に、セパレータとしてのイオン交換膜((株)アストム製、型番ネオセプタAHA)を準備した。
次に、1MのKOH水溶液に含侵されたポリプロピレン不織布を収容した負極容器に負極ガスケットを取り付けて、セパレータ、空気極と正極集電体の積層体及び正極ガスケットを負極ガスケット上に順次配置した後、正極ガスケットが取り付けられた正極容器を被せた。
(比較例1,2の作製)
以下のようにして、比較例1、2に係る金属空気電池を作製した。
まず、有機バインダとしてのCMC粉末を準備した。
次に、実施例1〜3と同様のLNFCu粉末を作製した。
次に、CMCとLNFCuの混合比が表1に示す値になるように、CMC粉末とLNFCu粉末を秤量した。
次に、CMC粉末と溶媒(イオン交換水)をミキサーで混合することによってCMC粉末を溶媒に溶解させて、CMC濃度が2wt.%のCMC分散液を作製した。
次に、CMC分散液とLNFCu粉末をメノウ乳鉢に投入して混合して混合ペーストを作製した。
次に、カーボンペーパー上に混合ペーストを印刷した後、大気雰囲気において80℃で乾燥させた。以上により、空気極と正極集電体の積層体が完成した。
次に、セパレータとしてのイオン交換膜((株)アストム製、型番ネオセプタAHA)を準備した。
次に、1MのKOH水溶液に含侵されたポリプロピレン不織布を収容した負極容器に負極ガスケットを取り付けて、セパレータ、空気極と正極集電体の積層体及び正極ガスケットを負極ガスケット上に順次配置した後、正極ガスケットが取り付けられた正極容器を被せた。
(比較例3の作製)
以下のようにして、比較例3に係る金属空気電池を作製した。
まず、実施例1〜3と同様のCNT分散液を準備した。
次に、秤量したCNT分散液をメノウ乳鉢に投入した後、メノウ乳鉢をホットスターラで加熱してCNTペーストを作製した。
次に、カーボンペーパー上にCNTペーストを印刷した後、大気雰囲気において80℃で乾燥させた。以上により、空気極と正極集電体の積層体が完成した。
次に、セパレータとしてのイオン交換膜((株)アストム製、型番ネオセプタAHA)を準備した。
次に、1MのKOH水溶液に含侵されたポリプロピレン不織布を収容した負極容器に負極ガスケットを取り付けて、セパレータ、空気極と正極集電体の積層体及び正極ガスケットを負極ガスケット上に順次配置した後、正極ガスケットが取り付けられた正極容器を被せた。
(比較例4の作製)
以下のようにして、比較例4に係る金属空気電池を作製した。
まず、有機バインダとしてのCMC粉末を準備した。
次に、実施例6と同様のカーボンブラック粉末を準備した。
次に、CMCとカーボンブラックの混合比が表1に示す値になるように、CMC粉末とカーボンブラック粉末を秤量した。
次に、CMC粉末と溶媒(イオン交換水)をミキサーで混合することによってCMC粉末を溶媒に溶解させて、CMC濃度が2wt.%のCMC分散液を作製した。
次に、CMC分散液とカーボンブラック粉末をメノウ乳鉢に投入して混合して混合ペーストを作製した。
次に、カーボンペーパー上に混合ペーストを印刷した後、大気雰囲気において80℃で乾燥させた。以上により、空気極と正極集電体の積層体が完成した。
次に、セパレータとしてのイオン交換膜((株)アストム製、型番ネオセプタAHA)を準備した。
次に、1MのKOH水溶液に含侵されたポリプロピレン不織布を収容した負極容器に負極ガスケットを取り付けて、セパレータ、空気極と正極集電体の積層体及び正極ガスケットを負極ガスケット上に順次配置した後、正極ガスケットが取り付けられた正極容器を被せた。
(SEMによる観察)
実施例1〜6の空気極の断面をSEMで観察することによって、空気極の微構造を観察した。図3は、実施例2の空気極断面のSEM二次電子像である。SEMには日本電子株式会社のJSM−6610LVを用い、加速電圧20kVとした。
図3に示すように、CNTがLNFCu粒子に絡み付くことによって、CNTがバインダとして機能している様子が観察された。複数本のCNTは、LNFCu粒子を全体的に取り囲んでいた。
図3に示すように、複数本のCNTが互いに接触することによって、長距離の電子伝導パスが形成される様子が観察された。また、LNFCu粒子どうしが互いに接触することによって、短距離の電子伝導パスが形成される様子が観察された。さらに、LNFCu粒子がCNTと直接接触することによって、CNTによる長距離の電子伝導パスとLNFCu粒子による短距離の電子伝導パスとが接続される様子が観察された。
(空気極抵抗の評価)
図2は、空気極抵抗の測定方法を説明するための模式図である。
まず、参照極としてのPtワイヤを電解液に挿入し、電解液を挟んで空気極の反対側に対極としてのZn板を配置し、作用極を空気極とした。
次に、開回路電位測定を行って、空気極の開回路電位(VOC)を測定した。
次に、参照極を基準として±0.8Vの電位掃引幅でサイクリックボルタンメトリ測定を行った。
次に、以下の算出式から充電時と放電時の空気極抵抗を算出した。測定結果を表1にまとめて示す。
充電時の空気極抵抗[Ωm]=(0.8[V]−VOC)/(空気極の電位が0.8Vのときに流れた電流密度[A/cm])
放電時の空気極抵抗[Ωm]=(VOC−0.8[V])/(空気極の電位が−0.8Vのときに流れた電流密度[A/cm])
表1に示されるように、空気極におけるCNTの含有量を0.1体積%以上50体積%以下とし、かつ、空気極における電子伝導性材料の含有量を30体積%以上99体積%以下とした実施例1〜6では、空気極における有機バインダの含有量を1vol.%以上とした比較例1,2,4に比べて、充電時及び放電時それぞれにおける空気極抵抗を低減させることができた。これは、酸素還元発生触媒及び電子伝導体として機能するCNTを無機バインダとしても機能させることができたためである。
表1に示されるように、空気極におけるCNTの含有量を0.1体積%以上50体積%以下とし、かつ、空気極における電子伝導性材料の含有量を30体積%以上99体積%以下とした実施例1〜6では、空気極におけるCNTの含有量を100体積%とした比較例3に比べて、充電時における空気極抵抗を低減させることができた。これは、酸素還元発生触媒及び電子伝導体として有効に機能するLNFCuを空気極に含有させることによって、充電時における空気極の触媒反応活性を向上させることができたためである。
なお、バインダとしてCNTを用いた実施例1〜6では、バインダとしてCMCを用いた比較例1〜4と同様、空気極の成形体の形状を維持することができた。
表1に示されるように、電子伝導性材料としてLNFCuを含有する実施例3では、電子伝導性材料としてカーボンブラックを含有する実施例6に比べて、充電時及び放電時それぞれにおける空気極抵抗を低減させることができた。
表1に示されるように、水酸化物イオン伝導性材料であるMg0.75−Al0.25型のLDHを含有する実施例4では、LDHを含有しない実施例3に比べて、充電時及び放電時それぞれにおける空気極抵抗を低減させることができた。
表1に示されるように、バインダとしてCNTのみを用いた実施例2では、バインダとしてCNTとCMCを用いた実施例5に比べて、放電時における空気極抵抗を特に低減させることができた。
10 亜鉛空気二次電池
12 空気極
14 水酸化物イオン伝導性セパレータ
16 負極
18 正極集電体
20 容器

Claims (3)

  1. 金属空気電池に用いられる空気極材料の製造方法であって、
    カーボンナノチューブを溶媒に分散させたカーボンナノチューブ分散液を秤量する工程と、
    前記カーボンナノチューブとは異なる粒子状の電子伝導性材料を秤量する工程と、
    粒子状の水酸化物イオン伝導性材料を秤量する工程と、
    秤量した前記カーボンナノチューブ分散液と秤量した前記電子伝導性材料と秤量した前記水酸化物イオン伝導性材料とを混合する工程と、
    を備える空気極材料の製造方法。
  2. 金属空気電池に用いられる空気極材料の製造方法であって、
    カーボンナノチューブを溶媒に分散させることによって粘度を0.1Pa・s以上200Pa・s以下に調整したカーボンナノチューブ分散液を秤量する工程と、
    前記カーボンナノチューブとは異なる粒子状の電子伝導性材料を秤量する工程と、
    秤量した前記カーボンナノチューブ分散液と秤量した前記電子伝導性材料とを混合する工程と、
    を備え空気極材料の製造方法。
  3. 前記カーボンナノチューブの前記電子伝導性材料に対する体積比は、0.001以上1以下である、
    請求項1又は2に記載の空気極材料の製造方法。
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