JP6618135B1 - サンプラー - Google Patents

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Abstract

【課題】従来アウターヘッド内の単一機構が担っていた供回り防止機能と伸縮機能を別個の機構に分担させることによって内管の供回りを抑止し採取試料の品質を向上可能なサンプラーを提供すること。【解決手段】本発明のサンプラー1は、アウターヘッド10と、アウターヘッド10の先端側に第一軸受21aを介して回転自在に結合したスライドユニット20と、スライドユニット20の先端側に結合したインナーヘッド30と、アウターヘッド10の先端側に結合した外管40と、インナーヘッド30の先端側に結合した内管50と、を備え、スライドユニット20は、シャフトガイド21と、スライドシャフト22と、スプリング23と、を有し、内管40のアウターヘッド10に対する供回り防止機能及び伸縮機能を、第一軸受21a及びスライドユニット20に分担させたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明はサンプラーに関し、特に従来アウターヘッド内の単一機構が担っていた供回り防止機能と伸縮機能を別個の機構に分担させることによって、内管の供回りを抑止し、採取試料の品質を向上させるサンプラーに関する。
インフラ整備、建築構造物の新設及び各種施設の耐震検討等の構造設計においては、地盤の力学的設計用値によって仕様やコストが決定される。力学的設計用値とは、地盤自体の破壊現象や異材料との摩擦力を検討する時のせん断強度定数と、地盤の変動量を推定する時の変形係数のことであり、インフラ及び建築物の詳細な仕様や地盤対策工法の有無等の主要な決定要因となる。
設計用値は、現地盤から採取(サンプリング)した試料(サンプル)を用いた室内土質試験の結果から設定される。従って、サンプリングと室内土質試験が、構造物の安全性とコストに直接的に影響を与える極めて重要な要素となる。
この内、室内土質試験については、概ね実施上の基準・規格が整備されているため、誤差領域は比較的少なく、一定の信頼性が確保されている。
一方、サンプリングでは、採取時に乱れの影響を受けて試料の品質が低下することが多い。特に砂質地盤においては、砂の締まり具合や粘土等細かい粒子の混入割合の影響等によって乱れが生じやすい。
よって、如何にして乱れの影響を低減して試料の品質を向上させるかが、サンプリングの技術分野における課題の一つとなっている。
室内土質試験用の試料採取に係る従来技術には、例えば固定ピストン式シンウォールサンプラー、デニソンサンプラー、トリプルチューブサンプラー等がある。特許文献1、2には、トリプルチューブサンプラー型のサンプラーが開示されている。デニソンサンプラーとトリプルチューブサンプラーは、ボーリングロッドと共に回転可能なアウターヘッド、アウターヘッドに結合する外管、アウターヘッドのケーシング内に配置するスピンドル、スピンドルを付勢するスプリング、スピンドルの先端に結合するインナーヘッド、インナーヘッドの先端に結合する内管、を備え、トリプルチューブサンプラーは更に内管の内側にライナーを備える。スピンドルは、中間部が外周側に拡径し、拡径部を上下からスラスト型のベアリングで挟み込むことで、スピンドルをケーシング内に回転自在に保持する(図5)。
デニソンサンプラーやトリプルチューブサンプラーは、内管が、ケーシング内に回転可能に収容したスピンドルを介して、外管の回転から縁切りされている。このため、外管のビットで地盤を回転切削しつつ、内管を回転しない状態で地盤に押し込んで、内管又はライナーの内部に試料を採取することができる。また、スピンドルはケーシング内のスプリングによって先端方向に付勢されており、内管が地盤から受ける衝撃をスピンドルの伸縮によって吸収できる。
これらのサンプラーは、ケーシング内のスピンドルが、ベアリングに回転保持されることで回転機能を奏するとともに、スプリングに付勢されることで伸縮機能も併奏する構造である。
特開2018−91124号公報 特開2007−239358号公報
「地盤調査の方法と解説(JGS1223−2012 ロータリー式三重管サンプラーによる土試料の採取方法)」公益社団法人地盤工学会出版、2013年3月25日
従来技術には以下の問題点がある。
<1>地盤の回転切削時、圧縮変形したスプリングがスピンドルの外周に干渉すると、外管の回転がスピンドルを介して内管に伝達され、内管が外管と供回りを起こす。供回りによって、採取中の試料の周面が内管の内面に擦られて摩耗したり部分的に損傷することで、試料の品質が著しく低下する。
<2>内管が供回りすると、シュー内の試料とシューとの間の土が乱され、乱された土がシューの内面と土との間にクサビ状に食い込む。これによって、シューと土の間の摩擦抵抗が大きくなり、試料が管内に入りこまなくなる(コア詰まり)。コア詰まりを起こした場合、都度サンプラーを引き上げて内管を分解し、詰まりを除去してから再採取する必要がある。これには多大な労力と時間を必要とする。このため作業員の負担が大きく、また、工期が遅延させるおそれがある。更に、一定区間の試料を分割した状態で採取するため、試験目的に応じた必要長を確保できないおそれがある。
<3>スピンドルが回転軸と摺動軸を兼ねる構造であるため、スピンドルとこれを支持する軸受部との間に、回転と摺動の二方向の摩擦が生じる。このため、軸受部のオイルシールが摩耗しやすく、ケーシング内に泥水等が浸入しやすい。また、スプリングが回転しながらスピンドルの外周に干渉することで、スピンドルの周面が溝状に削られる。このため、スピンドルの摩耗が早く、交換寿命が短い。
<4>ケーシングがアウターヘッドと一体の構造であるため、外管の内面とケーシングの表面が同期して回転する。このため、外管内に噴射した掘削水は、ケーシングの外側では比較的穏やかに流通する一方、ケーシングの外側からケーシング前方の滞留空間に入ると同時に、ケーシング及び外管(回転系)とインナーヘッド(非回転系)の相対的な回転によって激しく攪拌される。このため、本来、外管と内管の間を通って外管の先端側から外部に排出されるべき掘削水の一部が、インナーヘッド後方の滞留空間で攪拌されて、高い水圧が発生する。この水圧によって、掘削水の一部がオイルシール部からスピンドルに沿ってケーシング内に浸入する(図5)。これによってケーシング内のベアリングにも掘削水が浸入して、機能を著しく低下させる。
<5>大型のケーシングがアウターヘッドと一体に回転するため、回転切削時のブレや振動が大きく、試料に乱れや損傷を生じさせるおそれがある。
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決可能なサンプラーを提供することにある。
本発明のサンプラーは、ボーリングロッドの先端に結合可能なアウターヘッドと、第一軸受を有するスライドユニットであって、アウターヘッドの先端側に、第一軸受を介して長軸に対し回転自在に結合したスライドユニットと、スライドユニットの先端側に結合したインナーヘッドと、インナーヘッドの先端側に結合した内管と、アウターヘッドの先端側に結合した外管であって、スライドユニット、インナーヘッド、及び内管の少なくとも一部を内部に収容する外管と、を備え、スライドユニットは、内部に摺動空間を有するシャフトガイドと、後端が摺動空間内に位置し先端がシャフトガイドより先端側に突出するスライドシャフトと、摺動空間内に位置しスライドシャフトに環装してスライドシャフトをシャフトガイドに対して先端側に弾性付勢するスプリングと、を有することを特徴とする。
この構成によれば、内管の供回りを抑止し、採取試料の品質を向上させるとともに、コア詰まりを防止することができる。
本発明のサンプラーは、アウターヘッドが、先端に突起したヘッドシャフトを有し、第一軸受が、シャフトガイドの後端部に位置し、ヘッドシャフトの外周を回転自在に保持し、ヘッドシャフトと第一軸受の間に、潤滑剤を密封可能なオイルシール空間を有していてもよい。
この構成によれば、第一軸受がヘッドシャフトを先端側から覆うキャップ構造を採用することにより、ヘッドシャフトが他の非回転系の部材と干渉することを防ぎ、回転系の部材と非回転系の部材との縁切りを確実にすることができる。また、第一軸受をオイルシール空間による密閉構造とすることで、泥水等の浸入による回転機能の低下を防止することができる。
本発明のサンプラーは、第一軸受が、ヘッドシャフトに環設可能な、ラジアルボールベアリング又はラジアルローラーベアリングを有していてもよい。
この構成によれば、回転性能が高いラジアルベアリングを適用することによって、回転時のブレや回転不良を低減することができる。また、従来技術のスラストベアリングと比較してベアリングの交換寿命が長いため、メンテナンスコストを節減することができる。
本発明のサンプラーは、インナーヘッドが第二軸受を有し、インナーヘッドを、スライドシャフトの先端側に、第二軸受を介して長軸に対し回転自在に結合してもよい。
この構成によれば、サンプラーの回転稼働中に、第一軸受に一時的な不具合が生じて供回りを生じた場合であっても、即時に第二軸受が働くことで、フェイルセーフ機能を発揮することできる。
本発明のサンプラーは、第二軸受が、インナーヘッドの後端部に位置し、スライドシャフトの外周を回転自在に保持し、スライドシャフトと第二軸受の間に、潤滑剤を密封可能なオイルシール空間を有していてもよい。
この構成によれば、第二軸受がスライドシャフトを先端側から覆うキャップ構造を採用することにより、泥水等の浸入による回転機能の低下を防止することができる。
本発明のサンプラーは、内管の内側に収容可能な管状のライナーを備えていてもよい。
押込機能と収容機能を、内管とライナーに分担させることで、試料の乱れを抑止し、試料の品質を向上させることができる。
以上の構成より、本発明のサンプラーは次の効果の少なくともひとつを備える。
<1>従来単一のスピンドルが担っていた供回り防止機能と伸縮機能を、第一軸受とスライドシャフトに分担させることで、スプリングが回転軸へ干渉することによる供回りの発生を防止することができる。これによって、供回りに起因する試料の摩耗や損傷、コア詰まりの発生を抑止し、試料の品質を向上させることができる。
<2>コア詰まりの発生を抑止することで、試料の採り直しによる作業負担を軽減し、サンプリングの作業効率を向上させることができる。
<3>スライドシャフトに回転が加わらないため、スライドシャフトとシャフトガイドの間に回転に係る摩擦が生じない。このため、スライドシャフトの摩耗が少なく、従来のスピンドルに比べて交換寿命が長い。また、シャフトガイドのオイルシールも摩耗しにくいため、ケーシングが高い水密性を維持できる。
<4>アウターヘッドとスライドユニットが相対的に回転するため、掘削水はこの接合部付近で大きく攪拌される一方、スライドシャフトとインナーヘッドの接合部付近では殆ど攪拌されない。よって、掘削水は攪拌により通水路前方の空間で一時的に水圧が高まるものの、スライドユニット外側の流路空間を通過するうちに水圧は分散され、スライドユニットとインナーヘッドの接合部分を通過して、外管と内管の隙間を通ってストレートに外部へ排出される。従って、掘削水がインナーヘッドの後方に滞留しないため、水圧上昇によって掘削水が収容空間内へ浸入するのを防ぐことができる。
<5>アウターヘッドとスライドユニットの接合部で回転の縁が切れているため、回転切削時に外管内部の部材が回転しない。このため、回転切削時のブレや振動が小さく、試料に乱れや損傷を与えるおそれが少ない。
本発明のサンプラーの説明図。 スライドユニットの説明図。 スライドシャフトの摩耗状態の比較写真(1)。 スライドシャフトの摩耗状態の比較写真(2)。 従来技術の説明図。
以下、図面を参照しながら本発明のサンプラーについて詳細に説明する。
なお、本発明において「前」「先端」とは図1における右側すなわち外管側、「後」「後端」とは図1における左側すなわちアウターヘッド側を意味する。また、「上」「下」等の用語は、アウターヘッドをボーリングロッドの先端に固定して、先端を地盤に向けた状態における各方位を意味する。
更に「回転系」とは、稼働時に地盤に対して回転するように設計されている部材を意味する。「非回転系」とは、稼働時に地盤に対して回転しないように設計されている部材を意味する。
<1>全体の構成(図1)。
本発明のサンプラー1は、アウターヘッド10と、アウターヘッド10の先端側に結合したスライドユニット20と、スライドユニット20の先端側に結合したインナーヘッド30と、インナーヘッド30の先端側に結合した内管50と、アウターヘッド10の先端側に結合した外管40と、を少なくとも備える。
スライドユニット20は、第一軸受21aを介して、アウターヘッド10の長軸に対して回転自在に構成する。更に本例では、インナーヘッド30を、第二軸受31を介して、スライドユニット20の長軸に対して回転自在に構成する。
スライドユニット20、インナーヘッド30、及び内管50の少なくとも一部は、外管40内部に収容される。
本例では、内管50の内部にライナー60を配置した、三重管式の構造について説明する。ただしこれに限らず、ライナー60を有さない二重管式の構造であってもよい。
<1.1>回転系・非回転系。
アウターヘッド10、及び外管40は、稼働時にボーリングロッドと共に回転する回転系の部材である。
スライドユニット20、インナーヘッド30、内管50、及びライナー60は、稼働時に回転しない非回転系の部材である。
回転系の部材と非回転系の部材とは、アウターヘッド10とスライドユニット20の結合部で回転の縁が切られている。このため、外管40内の部材の大部分が稼働時に回転しないため、稼働によって生じるブレや振動が小さい。
<2>アウターヘッド。
アウターヘッド10は、ボーリングロッドの先端と結合する構成要素である。
アウターヘッド10の先端側には、外管40を環装し、アウターヘッド10を介してボーリングロッドの回転を外管40に伝達する。
アウターヘッド10は、スライドユニット20と結合するヘッドシャフト11と、ボーリングロッドと接続する接続部12と、ボーリングロッドから外管40内へ掘削水を吐出する流水路13と、を少なくとも有する。
ヘッドシャフト11は、アウターヘッド10の先端部中央から先端側に突起し、スライドユニット20の第一軸受21aと回転自在に結合する。
接続部12は、ボーリングロッドの挿入孔であって、アウターヘッド10の後端部中央から先端側へ凹設する。
流水路13は、接続部12の内部からアウターヘッド10前方の流路空間Sへ連通する。流水路13の本数は限定されない。
<3>スライドユニット(図2)。
スライドユニット20は、内管50のアウターヘッド10に対する伸縮機能を分担する構成要素である。
スライドユニット20は、後端が第一軸受21aを介してヘッドシャフト11と回転自在に結合するシャフトガイド21と、後端がシャフトガイド21内に位置し先端がシャフトガイド21外でインナーヘッド30と結合するスライドシャフト22と、スライドシャフト22をシャフトガイド21に対して弾性付勢するスプリング23と、を備える。
スプリング23の伸縮により、地盤の回転切削時に内管50に加わる衝撃を吸収することができる。
<3.1>シャフトガイド(図2)。
シャフトガイド21は、スライドシャフト22を摺動自在に保持する構成要素である。
シャフトガイド21は、第一軸受21a、リアガイド21b、フロントガイド21c、ケーシング21d、収容空間21e、及びオイルシール21f、を有する。
第一軸受21aは、ヘッドシャフト11と回転自在に結合する部材である。
リアガイド21bは、後述するスライドシャフト22のインナーシャフト22aの摺動をガイドする円筒状の部材である。
フロントガイド21cは、スライドシャフト22のアウターシャフト22cの摺動をガイドする円筒状の部材である。
ケーシング21dは、前後に並列したリアガイド21bとフロントガイド21cを外部から覆う円筒状の部材である。
収容空間21eは、内部にスライドシャフト22及びスプリング23を収容する空間であって、第一軸受21a、リアガイド21b、フロントガイド21c、及びケーシング21d、によって画設される。
オイルシール21fは、収容空間21eの水密性を維持するためのシール部材であって、フロントガイド21cの内周面に周設する。
<3.2>スライドシャフト(図2)。
スライドシャフト22は、シャフトガイド21内に摺動自在に保持される構成要素である。
スライドシャフト22は、全体として一本の軸体であって、収容空間21e内に配置するインナーシャフト22a、先端がインナーヘッド30と結合するアウターシャフト22c、及び両者の中間に位置するストッパ22b、を有する。
インナーシャフト22aは、スプリング23の内径より細径に構成され、スプリング23の内空に挿通される。インナーシャフト22aの後端部は、リアガイド21bにガイドされる。
アウターシャフト22cは、フロントガイド21c内に内挿され、先端がフロントガイド21cの先端側に突出する。
ストッパ22bは、収容空間21e内に配置し、ストッパ22bの背面はスプリング23の先端に当接し、ストッパ22bの前面はフロントガイド21cの背面と対面する。ストッパ22bは、スプリング23によって、収容空間21e内を先端方向に付勢される。
<3.3>第一軸受。
第一軸受21aは、内管50のアウターヘッド10に対する供回り防止機能を分担する構成要素である。
第一軸受21aは、シャフトガイド21の後端部に凹設する。
第一軸受21aの内部には、ヘッドシャフト11を収容して、これを回転自在に保持する。
本発明のサンプラー1は、第一軸受21aがヘッドシャフト11を先端側から覆うキャップ構造を採用している。このため、外管40の回転切削時にヘッドシャフト11が他の非回転系の部材に干渉しにくく、回転の伝達によって内管50が供回りするのを防止することができる。
本例では、第一軸受21aとして、ヘッドシャフト11に先端側から嵌合可能なベアリング機構を採用し、第一軸受21aの内面とヘッドシャフト11の外周の間に介在させた複数のラジアルボールベアリングを介して、スライドユニット20とアウターヘッド10を回転自在に結合する。この他、ベアリングはラジアルローラーベアリングであってもよい。
第一軸受21aとヘッドシャフト11の間に、潤滑剤を密閉可能なオイルシール空間を構成してもよい。この場合、例えば第一軸受21a内から収容空間21e内にグリスニップルを連絡させ、ここから第一軸受21a内に潤滑剤を注入する。
本例の場合、第一軸受21aを潤滑剤の密閉構造とすることで、第一軸受21a内に掘削水等が浸入することを防ぎ、回転機能の低下を防止することができる。
<3.3.1>ベアリングの種類。
ベアリングには、主として軸直角方向に係る力を支持するラジアルベアリング(ラジアルボールベアリング、ラジアルローラーベアリング)と、主として軸方向に係る力を支持するスラストベアリング(スラストボールベアリング、スラストローラーベアリング)の二種類がある。
ラジアルベアリングは、外輪と内輪の間にボールやローラを保持したベアリングであって、回転性能が高く、許容回転速度が高く、ブレが少なく、摩耗トルクが低い、等の特徴を備える。
一方、スラストベアリングは、上下に重ねた座金状の軌道盤の間にボールやローラを保持したベアリングであって、回転性能は比較的低く、許容回転速度が低く、ブレが比較的多く、機能保持のために潤滑剤の頻繁な交換を必要とする。
従来技術のサンプラーは、スピンドルが回転軸と摺動軸とを兼ねる構造であり、すなわちスピンドルが摺動による軸方向のアキシアル荷重を支持しつつ回転するため、回転性能の低いスラストベアリングを適用せざるを得ず、構造上ラジアルベアリングを適用することができなかった。
一方、本発明のサンプラー1は、第一軸受21aが主としてヘッドシャフト11軸直角方向のラジアル荷重のみを考慮すればよいため、回転性能の高いラジアルベアリングを適用することができる。これによって、第一軸受21aが高い回転性能と優れたメンテナンス性を発揮することができる。
<4>インナーヘッド。
インナーヘッド30は、内管50をスライドユニット20の先端に結合する構成要素である。
インナーヘッド30は、後端をアウターシャフト22cの先端と結合し、先端に内管50を環装する。
インナーヘッド30は、試料のライナー60内からの脱落を防止する逆止弁32を有する。逆止弁32として、例えばインナーヘッド30を連通する通気孔内に配置したボールとスプリングの組み合わせを採用することができる。
本例では、インナーヘッド30の後端部に第二軸受31を凹設し、第二軸受31を介して、インナーヘッド30とアウターシャフト22cとを回転自在に結合する。
<4.1>第二軸受。
第二軸受31は、第一軸受21aの供回りに対するフェイルセーフ機能を備える構成要素である。
第二軸受31の構成は第一軸受21aの構成と同様である。
インナーヘッド30に第二軸受31を備えることで、サンプラー1は、第一軸受21aと第二軸受31との二重回転構造となる。
この場合、アウターヘッド10を回転させると、上部に位置するアウターヘッド10とスライドユニット20との縁が先に切れて、第一軸受21aが優先的に回転し、通常稼働時には第二軸受31は稼働しない。
一方、サンプラー1の回転稼働中に第一軸受21aに一時的な不具合が生じて、スライドユニット20が供回りを生じると、第二軸受31が即時スライドユニット20とインナーヘッド30の回転の縁を切ることで、内管50の供回りを抑止して、試料の損傷を防ぐことができる。
なお、第二軸受31は必須の構成要素ではない。すなわち、スライドシャフト22とインナーヘッド30とを回転不能に結合してもよい。
<5>外管。
外管40は、地盤を回転切削する構成要素である。
外管40は、スライドユニット20、インナーヘッド30、及び内管50の少なくとも一部を内部に収容する、円筒状の部材からなる。
外管40は、アウターヘッド10の先端側に環装する。
外管40の先端側の端縁には、地盤切り込み用のクラウン41を設ける。
外管40の内部には、掘削水が流通する流路空間Sが構成される。
<6>内管。
内管50は、地盤に圧入して試料をライナー60内に導入する構成要素である。
内管50は、外管40の内径より小さな外径を有する円筒状の部材からなる。
内管50は、インナーヘッド30の先端側に環装する。
内管50の先端側の端縁には、地盤へ圧入用の縮径部であるシュー51を設ける。
<7>ライナー。
ライナー60は、内部に試料を採取する構成要素である。
ライナー60は、内管50の内径に対応した外径を有する筒状体からなる。ライナー60は、内管50の内側に着脱自在に配置する。
本例ではライナー60として、アクリル樹脂製のチューブを採用する。
ライナー60を内管50から独立させることによって、内管50の圧入による試料の変形や損傷を防ぐことができる。
なお、ライナー60は必須の構成要素ではなく、ライナー60および内管50を取り、ステンレス製のシンウォールライナーに換えた二重管式の構成(デニソンサンプラー)としてもよい。この場合、試料はシンウォールライナーの管内に採取する。
<8>スライドシャフトの使用状態の比較。
本発明のサンプラー1(実施例1)と従来技術のサンプラー(比較例1、2)との使用状態を比較する。
実施例1:使用開始から2年 使用トータル82本(41本/年)
比較例1:使用開始から2年 使用トータル45本程度(22.5本/年)
比較例2:使用開始から2年 使用トータル30本程度(15本/年)
(1)全体の状態
実施例1のスライドシャフト22と、比較例1、2のスピンドルの使用状態を図3に示す。インナーシャフト22a(スピンドル後端側)側を写真左側に、アウターシャフト22c(スピンドル先端側)側を写真右側に向けて撮影している。
(2)インナーシャフト及びアウターシャフトの状態
スライドシャフト22(スピンドル)におけるインナーシャフト22a(スピンドル後端側)及びアウターシャフト22c(スピンドル先端側)の使用状態を図4に示す。
比較結果を以下に示す。
(3)考察
比較例1、2では、スピンドル後端側の表面に周方向の筋状の溝が多く見られた。
これは、スピンドルが回転軸と摺動軸を兼ねているところ、サンプラーの回転圧入時に、圧縮されたスプリングが変形してスピンドルの周面に干渉したことを示している。また、スプリングの干渉によって、内管が供回りを生じたことが推測される。
一方、実施例1では、スライドシャフト22表面に筋状の溝は見られなかった。
これは、スライドシャフト22は前後に摺動するのみであって、回転しないため、フロントガイド21cの内面やスプリング23による周方向の摩擦が生じないためである。これより内管の供回りが有効に抑止されていることが推測される。
また、実施例1のスライドシャフト22は、比較例1、2のスピンドルと比べて使用回数が高い(約1.8倍、約2.7倍)一方、回転による周方向の摩擦が生じないため、摩耗の程度が比較例1、2のスピンドルよりはるかに低い。
以上より、本発明のサンプラー1は、従来技術に比べてスライドシャフト22の交換寿命が長いことが推測される。
1 サンプラー
10 アウターヘッド
11 ヘッドシャフト
12 連結部
13 通水路
20 スライドユニット
21 シャフトガイド
21a 第一軸受
21b リアガイド
21c フロントガイド
21d ケーシング
21e 収容空間
21f オイルシール
22 スライドシャフト
22a インナーシャフト
22b ストッパ
22c アウターシャフト
23 スプリング
30 インナーヘッド
31 第二軸受
32 逆止弁
40 外管
41 クラウン
50 内管
51 シュー
60 ライナー
S 流路空間

Claims (6)

  1. 土質試料のサンプリングに用いる回転式のサンプラーであって、
    ボーリングロッドの先端に結合可能なアウターヘッドと、
    第一軸受を有するスライドユニットであって、前記アウターヘッドの先端側に、前記第一軸受を介して長軸に対し回転自在に結合したスライドユニットと、
    前記スライドユニットの先端側に結合したインナーヘッドと、
    前記インナーヘッドの先端側に結合した内管と、
    前記アウターヘッドの先端側に結合した外管であって、前記スライドユニット、前記インナーヘッド、及び前記内管の少なくとも一部を内部に収容する外管と、を備え、
    前記スライドユニットは、内部に摺動空間を有するシャフトガイドと、後端が前記摺動空間内に位置し先端が前記シャフトガイドより先端側に突出するスライドシャフトと、前記摺動空間内に位置し前記スライドシャフトに環装して前記スライドシャフトを前記シャフトガイドに対して先端側に弾性付勢するスプリングと、を有し、
    前記アウターヘッドが、先端に突起したヘッドシャフトを有し、
    前記第一軸受が、前記シャフトガイドの後端部に位置し、前記ヘッドシャフトの外周を回転自在に保持することを特徴とする、
    サンプラー。
  2. 記ヘッドシャフトと前記第一軸受の間に、潤滑剤を密封可能なオイルシール空間を有することを特徴とする、請求項1に記載のサンプラー。
  3. 前記第一軸受が、前記ヘッドシャフトに環設可能な、ラジアルボールベアリング又はラジアルローラーベアリングを有することを特徴とする、請求項2に記載のサンプラー。
  4. 前記インナーヘッドが第二軸受を有し、前記インナーヘッドを、前記スライドシャフトの先端側に、前記第二軸受を介して長軸に対し回転自在に結合したことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のサンプラー。
  5. 前記第二軸受が、前記インナーヘッドの後端部に位置し、前記スライドシャフトの外周を回転自在に保持し、前記スライドシャフトと前記第二軸受の間に、潤滑剤を密封可能なオイルシール空間を有することを特徴とする、請求項4に記載のサンプラー。
  6. 前記内管の内側に収容可能な管状のライナーを備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のサンプラー。
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