JP2018091124A - 土質試験用供試体作製方法および土質試料サンプラー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】盛土構造物および自然地盤の土質試験に用いる供試体の作製方法において、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の円柱形供試体を作製することを特徴とし、例えば断面半径nの供試体について、断面半径Rが2.3n〜3nの大きさの土質試料を採取し、この土質試料の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を作製する土質試験用供試体作製方法と土質試料サンプラー。
【選択図】図2
Description
また、従来のシンウォール,二重管構造や三重管構造のサンプラーは、土質が乱れていない供試体を得ることができるが、図1に示すように、深さ方向に土質試料を採取するので、正確な測定が難しいと云う問題がある。
〔1〕盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる供試体をボーリングによって採取した土質試料から作製する方法において、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の供試体を切り出すことを特徴とする土質試験用供試体作製方法。
〔2〕土質試験が土質の強度試験、圧密試験、または液状化試験を含む試験である上記[1]に記載する土質試験用供試体作製方法。
〔3〕断面半径nの供試体Aについて、断面半径Rが2.3n〜3nの大きさの土質試料を採取し、この土質試料の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を切り出す請求項1または請求項2の何れかに記載する土質試験用供試体作製方法。
〔4〕盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる土質試料を採取する土質試料サンプラーであって、サンプリングロッドに連結される筒状のヘッドと、該ヘッドに着脱自在に連結された外管と、該外管の内側に伸びる内管を有し、該内管にはコアチューブが引抜き自在に挿入されており、さらに該外管の下端にはビッドが設けられており、外管と一体にビッド15が回転して土を掘削し、コアチューブの内部にシュー23によって土質試料が取り込まれるサンプラーであり、内管ないしコアチューブの内周半径Rが、採取すべき土質供試体の断面半径nに対し、2.3n〜3nの大きさを有することを特徴とする土質試料サンプラー。
〔5〕内管に連結された通水管がヘッドの内側に設けられており、該通水管はヘッド内側の軸受によって支持されており、該通水管周りにバネが設けられており、内管とヘッドの間に空間が形成されており、該空間に面した通水孔が通水管周面に2対とコアチューブの空気と水を該空間へ排出する気水孔が設けられており、サンプリングロッドから通水管に流入した水が通水孔から内管と外管の間に形成された流路を通じてサンプラー下端に流れる上記[4]に記載する土質試料サンプラー。
以下、本発明の土質試験用供試体作製方法および土質試料サンプラーについて具体的に説明する。
本発明の土質試験用供試体作製方法は、盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる供試体をボーリングによって採取した土質試料から作製する方法において、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の供試体を切り出すことを特徴とする土質試験用供試体作製方法ある。この土質試験には土質の強度試験、圧密試験、または液状化試験などが含まれる。
また、図4に示すように、4個の円柱状供試体a、b、c、d(各半径n)が放射状に並んだ状態のときは、4個の円柱状供試体a、b、c、dの円形断面が内接する円Yの半径Rは2n(√2)であるので、この場合の半径Rは2n・√2=約2.8n以上であれば良い。
盛土構造物の強度を求めたい深度において、本発明の採取方法によって、例えば、直径140mmの円柱状土質試料1を採取し、該土質試料1から直径35mm〜50mm、高さ70mm〜100mmの3個の円柱状供試体A、B、Cを採取し、各供試体A、B、Cについて、採取深度(図示する例では3か所の深度)に応じた拘束応力と破壊時の圧縮応力を測定してモール応力円を作成する。このモール応力円のグラフを図5の側方に示す。
本発明の土質試料サンプラーは、サンプリングロッドに連結される筒状のヘッドと、該ヘッドに着脱自在に連結された外管と、該外管の内側に伸びる内管を有し、該内管にはコアチューブが引抜き自在に挿入されており、さらに該外管の下端にはビッドが設けられており、外管と一体にビッド15が回転して土を掘削し、土質試料がコアチューブの内部にシュー23によって案内されて取り込まれるサンプラーであり、内管ないしコアチューブの内周半径Rが、採取すべき土質供試体の断面半径nに対し、2.3n〜3nの大きさを有している。
図示するサンプラー10は、ロッド11に連結される筒状のヘッド12と、該ヘッド12に連結された外管13と、該外管13の内側に挿入された内管14を有している。外管13はヘッド12に一体に連結されており、ロッド11の回転によってヘッド12と一体に回転する。該外管13は着脱自在にヘッド12に螺合して連結されており、さらに外管13の下端にはビッド15が設けられており、外管13と一体にビッド15が回転して土を掘削する。
従って、内管14ないしコアチューブ16の内側半径Rは、半径nの円柱状供試体について、概ね2.3n〜3nの大きさであれば、土質試料1の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を作製することができる。
図6〜図8に示す土質試料サンプラーを用い、盛土構造物について、強度を求める深度から、本発明の採取方法によって直径140mmの円柱状試料1を採取し、該試料1から直径50mm、高さ10mmの3個の円柱状供試体a、b、cを採取し、各供試体a、b、cについて、三軸圧縮試験(UU)を行い、垂直応力(σ1) および拘束応力(σ3)を測定し破壊時の関係から、図10に示すモール応力円を作成した。このモール応力円のグラフに基づいて土質強度を求めたところ、土質強度がCuu=74.4kN/m2,φuu=37.7°で各供試体の乾燥密度の差が0.022g/cm3あり均一性が高いことが確認された。図10に示すように、土質強度は接線として求められている。
従来の縦方向へのサンプラーによる直近の位置で同一深度の土質試験試料によって土質供試体を垂直方向に3個の円柱状供試体を作成して三軸圧縮試験(UU)を実施し、図11に示すようにモール応力円を作成した。図119から最小二乗法によって強度を求めると、Cuu=65.2kN/m2,φuu=34.4°で各供試体の乾燥密度の差が0.106g/cm3と均一な条件になっていない問題があった。また、本来の土質強度を求める方法である各モール円の接線により土質強度を求めることが困難であり、強度も小さい結果となった。
Claims (5)
- 盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる供試体をボーリングによって採取した土質試料から作製する方法において、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の供試体を切り出すことを特徴とする土質試験用供試体作製方法。
- 土質試験が土質の強度試験、圧密試験、または液状化試験を含む試験である請求項1に記載する土質試験用供試体作製方法。
- 断面半径nの供試体Aについて、断面半径Rが2.3n〜3nの大きさの土質試料を採取し、この土質試料の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を切り出す請求項1または請求項2の何れかに記載する土質試験用供試体作製方法。
- 盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる土質試料を採取する土質試料サンプラーであって、サンプリングロッドに連結される筒状のヘッドと、該ヘッドに着脱自在に連結された外管と、該外管の内側に伸びる内管を有し、該内管にはコアチューブが引抜き自在に挿入されており、さらに該外管の下端にはビッドが設けられており、外管と一体にビッド15が回転して土を掘削し、コアチューブの内部にシュー23によって土質試料が取り込まれるサンプラーであり、内管ないしコアチューブの内周半径Rが、採取すべき土質供試体の断面半径nに対し、2.3n〜3nの大きさを有することを特徴とする土質試料サンプラー。
- 内管に連結された通水管がヘッドの内側に設けられており、該通水管はヘッド内側の軸受によって支持されており、該通水管周りにバネが設けられており、内管とヘッドの間に空間が形成されており、該空間に面した通水孔が通水管周面に2対とコアチューブの空気と水を該空間へ排出する気水孔が設けられており、サンプリングロッドから通水管に流入した水が通水孔から内管と外管の間に形成された流路を通じてサンプラー下端に流れる請求項4に記載する土質試料サンプラー。
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