JP2018091124A - 土質試験用供試体作製方法および土質試料サンプラー - Google Patents

土質試験用供試体作製方法および土質試料サンプラー Download PDF

Info

Publication number
JP2018091124A
JP2018091124A JP2017175449A JP2017175449A JP2018091124A JP 2018091124 A JP2018091124 A JP 2018091124A JP 2017175449 A JP2017175449 A JP 2017175449A JP 2017175449 A JP2017175449 A JP 2017175449A JP 2018091124 A JP2018091124 A JP 2018091124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
test
specimens
specimen
sampler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017175449A
Other languages
English (en)
Inventor
新一 新井
Shinichi Arai
新一 新井
政秀 大賀
Masahide Oga
政秀 大賀
太田 雅之
Masayuki Ota
雅之 太田
雅博 甲斐
Masahiro Kai
雅博 甲斐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dia Consultant Kk
Dia Consultants Co Ltd
Original Assignee
Dia Consultant Kk
Dia Consultants Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dia Consultant Kk, Dia Consultants Co Ltd filed Critical Dia Consultant Kk
Publication of JP2018091124A publication Critical patent/JP2018091124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

【課題】盛土構造物について従来のような深さ方向に採取した複数個の供試体を用いるとモール応力円に基づく土質強度を正確に求めることができない。自然地盤でも深さ方向で土質が異なる場合にも従来のような深さ方向に採取した複数個の供試体を用いると土質強度試験や液状化試験などの前提条件である均一な条件の供試体による土質試験ができない。
【解決手段】盛土構造物および自然地盤の土質試験に用いる供試体の作製方法において、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の円柱形供試体を作製することを特徴とし、例えば断面半径nの供試体について、断面半径Rが2.3n〜3nの大きさの土質試料を採取し、この土質試料の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を作製する土質試験用供試体作製方法と土質試料サンプラー。
【選択図】図2

Description

本発明は、盛土構造物や自然地盤の土質試験において、採取した土質試料の同一平面から横並び又は放射状に並んだ状態で複数の同一径の円柱状の供試体を切り出す供試体作製方法と、その土質試料採取方法に用いる土質試料サンプラーに関する。
道路盛土構造物の強度特性について、最近、道路土工指針の改訂よって、地震動の作用力のレベル1地震動およびレベル2地震動が作用力として明確に定義された。これは供用中の道路にも適用されることになり、道路盛土構造物について土質強度の正確な測定が求められている。また、河川盛土構造物の強度特性は、数年前に改定された河川堤防の構造検討の手引き等において、堤防の浸透破壊に対する浸透流解析において用いられ、河川盛土構造物について土質強度の正確な測定が重要になっている。
従来、土質強度の測定は自然地盤についての測定方法が用いられており、道路や河川の盛土構造物についても、自然地盤と同様のボーリング調査、サンプリング、土質試験が行われている。しかし、盛土構造物は、その施工方法が水平方向に薄層を撒出して締固めにより形成された特徴がある。また、道路の盛土材料は土運搬距離の短い切土からの材料であることが多く、河川の盛土材料は河川の浚渫土等の場合が多い。これらの盛土材料は土質がかなり異なった材料が用いられており、盛土全体が不均質な材料で形成されている。このように、盛土構造物は、垂直方向には盛土材料の変化や締固めによる密度勾配が不均質な状態にあり、一方、水平方向には盛土材料の均質性が高く、密度勾配の影響を受け難い特徴がある。
このため、盛土構造物について、自然地盤と同様のサンプリングによる土質試験を行うと、しばしば実態に適合しない結果が得られる。例えば、河川堤防の浸透流解析の強度定数を用いた解析において、浸透破壊していない実堤防の安全率が1.0以下の解析結果になることがあった。このため、土質試験方法(全応力解析に有効応力の土質試験等)がめまぐるしく変更してきた経緯がある。また、道路盛土でも同様に現行の土質調査による強度定数を用いた場合、現状の安全率が1.0以下になるケースが多数見られる。
例えば、三軸圧縮試験(UU)では、すべての供試体を同一の土質と見なせるとの前提に基づき、採取した3個の供試体についてモール応力円を作成し、これらの応力円の接線に基づいて土質強度を求めており、現状では、サンプリングで採取した強度を求める深度を含めた長さ(深さ)約1mの土質試料について、自然地盤では試料全体が均質であると見なし、任意の深度で3個の供試体を作成し、土質強度を求めている。
ところが、自然地盤と異なり盛土構造物では、盛土材料が撒き出す層によって異なる可能性があり、また各層が締固めて施工されているので深さによって採取した供試体の乾燥密度が異なる。このため図1に示すように、強度を求める深度に対して任意に選んだ3個の供試体A、B、C(直径35mm〜50mm、高さ70mm〜100mm)を用いると、各供試体A、B、Cについて得られるせん断応力と応力の座標に示されるモール応力円の大きさが乾燥密度の違いや盛土材料等の違いにより、共通の接線を定めることができず、強度定数を決定できない。
そこで、モール応力円の接線に基づく方法に代えて、本来の土質強度を求める方法とは異なるモール応力円の最小二乗法によって土質強度を推定する方法などが試みられているが、盛土構造物ではモール応力円が図1に示すように一定の傾向を示さないので、土質強度の定義であるモール応力円の接線で強度を求めることが難しい。
また、従来から用いられている土質試料サンプラーは、例えば、回転する外管と非回転の内管を有し、外管下端のビットによって地層を穿孔し、内管に土質試料を収納して採取する構造を有しており(特開2007−239358号公報等)、内管の口径は土質強度試験に用いる供試体の口径より僅かに大きい程度である。このような従来の土質試料サンプラーは、深さ方向に複数の試料を採取するのに適しており、自然地盤のサンプリングに用いられているが、盛土構造物や複雑な堆積環境の自然地盤は深さ方向の土質状態が大きく異なるので、盛土構造物や複雑な堆積環境の自然地盤の土質試料の採取には問題がある。
また、土質試験は、(イ)土粒子の密度試験、土の含水比試験、土の粒度試験、および土の液性限界や塑性限界の試験、(ロ)土の湿潤密度試験、土の一軸圧縮試験、土の三軸圧縮試験、土の圧密試験、土の液状化試験などがあり、前記(イ)の試験では採取した試料の土質が乱れている試料でも使用することができるが、前記(ロ)の試験では採取した試料の土質が乱れていない供試体が必要になる。
しかし、従来の標準貫入試験用サンプラー(レイモンドサンプラー)などの単管構造のものは、重錘の落下エネルギーによってサンプラーを土中に貫入させ、サンプラーに入り込んだ試料を取り出すときには圧力を加えて押し出すので、採取した土は乱れた状態になる。このため、前記(ロ)の試験には適さない試料になる。
また、従来のシンウォール,二重管構造や三重管構造のサンプラーは、土質が乱れていない供試体を得ることができるが、図1に示すように、深さ方向に土質試料を採取するので、正確な測定が難しいと云う問題がある。
特開2007−239358号公報
本発明は、従来の土質試料サンプリングにおける上記問題を解決したものであり、盛土構造物および自然地盤を対象にした土質強度や液状化試験などの土質試験において、採取した土質試料の同一平面から横並び又は放射状に並んだ状態で複数の同一径の円柱状の供試体を切り出すことができる供試体作製方法と、その土質試料採取に用いる土質試料サンプラーを提供する。
本発明は以下の構成からなる土質試験用供試体作製方法に関する。
〔1〕盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる供試体をボーリングによって採取した土質試料から作製する方法において、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の供試体を切り出すことを特徴とする土質試験用供試体作製方法。
〔2〕土質試験が土質の強度試験、圧密試験、または液状化試験を含む試験である上記[1]に記載する土質試験用供試体作製方法。
〔3〕断面半径nの供試体Aについて、断面半径Rが2.3n〜3nの大きさの土質試料を採取し、この土質試料の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を切り出す請求項1または請求項2の何れかに記載する土質試験用供試体作製方法。
本発明は以下の構成からなる土質試料サンプラーに関する。
〔4〕盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる土質試料を採取する土質試料サンプラーであって、サンプリングロッドに連結される筒状のヘッドと、該ヘッドに着脱自在に連結された外管と、該外管の内側に伸びる内管を有し、該内管にはコアチューブが引抜き自在に挿入されており、さらに該外管の下端にはビッドが設けられており、外管と一体にビッド15が回転して土を掘削し、コアチューブの内部にシュー23によって土質試料が取り込まれるサンプラーであり、内管ないしコアチューブの内周半径Rが、採取すべき土質供試体の断面半径nに対し、2.3n〜3nの大きさを有することを特徴とする土質試料サンプラー。
〔5〕内管に連結された通水管がヘッドの内側に設けられており、該通水管はヘッド内側の軸受によって支持されており、該通水管周りにバネが設けられており、内管とヘッドの間に空間が形成されており、該空間に面した通水孔が通水管周面に2対とコアチューブの空気と水を該空間へ排出する気水孔が設けられており、サンプリングロッドから通水管に流入した水が通水孔から内管と外管の間に形成された流路を通じてサンプラー下端に流れる上記[4]に記載する土質試料サンプラー。
〔具体的な説明〕
以下、本発明の土質試験用供試体作製方法および土質試料サンプラーについて具体的に説明する。
本発明の土質試験用供試体作製方法は、盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる供試体をボーリングによって採取した土質試料から作製する方法において、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の供試体を切り出すことを特徴とする土質試験用供試体作製方法ある。この土質試験には土質の強度試験、圧密試験、または液状化試験などが含まれる。
本発明の土質試験用供試体作製方法について、3個の供試体を作製する例を図2に示す。図示する供試体作製方法は、最初に大きな断面の円柱状試料1を採取し、この試料1の断面から放射状に並ぶ同一径の3個の供試体a、b、cを切り出す方法であり、最初に採取する試料1の円形断面は、同一径の3個の円柱状供試体a、b、cの円形断面が放射状に含まれる大きさの断面である。
例えば、試料1の断面に、同一径の3個の円柱状供試体a、b、cの円形断面が放射状に含まれる大きさは、供試体a、b、cの円形断面の各中心が正三角形の各頂点に位置し、かつ供試体a、b、cの各円形断面が互いに接する状態であれば良い。
具体的には、図3に示すように、供試体a、b、cの半径nのとき、供試体a、b、cの各円形断面が互いに接し、かつ供試体a、b、cの円形断面の中心が各頂点に位置する正三角形において、該正三角形の各頂点と中心Xを結ぶ長さLはn/cos30°で表わされるので、供試体a、b、cが内接する円Yの半径Rは2Lであり、この場合の半径Rは2L=2(n/cos30°)=2(n・2/√3)=4n/√3=約2.3n以上であれば良い。
一方、同一径の3個の円柱状供試体a、b、cが一直線上に並んだ状態のときは、3個の供試体a、b、c(各半径n)の断面が取り囲まれる円の最小半径は3nであるので、この場合の半径Rは3n以上であれば良い。
また、図4に示すように、4個の円柱状供試体a、b、c、d(各半径n)が放射状に並んだ状態のときは、4個の円柱状供試体a、b、c、dの円形断面が内接する円Yの半径Rは2n(√2)であるので、この場合の半径Rは2n・√2=約2.8n以上であれば良い。
このように、土質試料の断面半径Rは、半径nの円柱状供試体について、概ね2.3n〜3nの大きさであれば、土質試料1の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を切り出すことができる。
なお、実際の施工においては、上記半径Rは、供試体の半径nについて、供試体の実半径nに、掘削時の隙間n、n・・・を加えた値(n=n+n+n+・・・)として定めればよい。一例として、図2において、半径25mmの供試体a、b、cについて、断面半径70mmの試料1を採取すればよい。
本発明の上記供試体作製方法による土質試験について、土質強度試験の概念を図5に示す。
盛土構造物の強度を求めたい深度において、本発明の採取方法によって、例えば、直径140mmの円柱状土質試料1を採取し、該土質試料1から直径35mm〜50mm、高さ70mm〜100mmの3個の円柱状供試体A、B、Cを採取し、各供試体A、B、Cについて、採取深度(図示する例では3か所の深度)に応じた拘束応力と破壊時の圧縮応力を測定してモール応力円を作成する。このモール応力円のグラフを図5の側方に示す。
図5に示すように、作製した供試体A、B、Cの土質状態(乾燥密度など)は均一であるので、盛土の各層において、3個のモール応力円に共通に接する接線を定めることができ、これに基づいて三軸圧縮試験(UU)などにおいて土質強度を求めることができる。
本発明の土質試料サンプラーは、盛土構造物および自然地盤の何れも対象にした土質試験に用いる土質試料を採取する土質試料サンプラーである。
本発明の土質試料サンプラーは、サンプリングロッドに連結される筒状のヘッドと、該ヘッドに着脱自在に連結された外管と、該外管の内側に伸びる内管を有し、該内管にはコアチューブが引抜き自在に挿入されており、さらに該外管の下端にはビッドが設けられており、外管と一体にビッド15が回転して土を掘削し、土質試料がコアチューブの内部にシュー23によって案内されて取り込まれるサンプラーであり、内管ないしコアチューブの内周半径Rが、採取すべき土質供試体の断面半径nに対し、2.3n〜3nの大きさを有している。
本発明の土質試料サンプラーは、好ましくは、内管に連結された通水管がヘッドの内側に設けられており、該通水管はヘッド内側の軸受によって支持されており、該通水管周りにバネが設けられており、内管とヘッドの間に空間が形成されており、該空間に面した通水孔が通水管周面に2対とコアチューブの空気および水を該空間へ排出する気水孔が設けられており、サンプリングロッドから通水管に流入した水が通水孔から内管と外管の間に形成された流路を通じてサンプラー下端に流れる構造を有する。この構造によって、サンプラーの口径が大きくても、サンプリングロッドからサンプラーヘッドに流入され水が、外管と内管の間に形成された流路に均一に分散されて流れ、円滑にサンプリングを行うことができる。
さらに、本発明の土質試料サンプラーは、内管に着脱自在に挿入された透明な硬質樹脂製のコアチューブを有する。硬質樹脂製のコアチューブを用いることによって、サンプラーの口径が大きくても、試料がコアチューブに安定に保持されるので、断面の大きな土質試料を採取するのに適する。
コアチューブに保持された土質試料は、粘性土のときは蝋で封印して、砂質土のときは凍結して蝋で封印して搬送ないし貯蔵され、所定の大きさに切断されて、土質試験の供試体の作成に用いられる。
本発明の土質試験用供試体作製方法は、盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる供試体をボーリングによって採取した土質試料から作製する方法であって、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の円柱状供試体を作製するので、作製した複数の供試体について、乾燥密度などの土質が均一であり、三軸圧縮試験(UU)などにおいて、3個のモール応力円に共通に接する接線を定めることができ、これに基づいて正確な土質強度を求めることができる。また、乱れのない土質試料を採取することができるので、土質の強度試験に限らず、圧密試験や液状化試験などの供試体の作製に用いることができる。
本発明の土質試料サンプラーは、内管内側の半径Rが、作製すべき土質供試体の断面半径nに対して、概ね2.3n〜3nの大きさを有することによって、土質試料1の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を作製することができる。一般に一軸圧縮試験では2個の供試体を必要とし、三軸圧縮試験では3個の供試体を必要とし、液状化試験には4個の供試体を必要とするので、本発明の土質試料サンプラーによれば土質強度試験に用いる供試体、あるいは液状化試験に用いる供試体をほぼ同一条件で必要な個数を得ることができる。
従来の土質試料採取方法によるモール応力円の概念図。 3個の供試体を切り出す本発明の土質試料採取方法の概念図。 図3に示す供試体を包含する試料断面の説明図 4個の供試体を切り出す本発明の土質試料採取方法の概念図。 本発明の土質試料採取方法によるモール応力円の概念図。 本発明の土質試料サンプラー上部の断面説明図。 本発明の土質試料サンプラー下部の断面説明図。 本発明の土質試料サンプラー全体の断面説明図。 土質試料1の取り出し状態を示す説明図。 本発明の土質試料サンプラーによる土質供試体を用いた三軸圧縮試験(UU)の結果を示すグラフ。 従来の土質試料サンプラーによる土質供試体を用いた三軸圧縮試験(UU)の結果を示すグラフ。
本発明の土質試料採取に用いる土質試料サンプラーの構造例を図6〜図8に示す。同図において、サンプラーの図示する右側が上端側であり、左側が掘削方向の下端側である。
図示するサンプラー10は、ロッド11に連結される筒状のヘッド12と、該ヘッド12に連結された外管13と、該外管13の内側に挿入された内管14を有している。外管13はヘッド12に一体に連結されており、ロッド11の回転によってヘッド12と一体に回転する。該外管13は着脱自在にヘッド12に螺合して連結されており、さらに外管13の下端にはビッド15が設けられており、外管13と一体にビッド15が回転して土を掘削する。
内管14はサンプラー10の下端に向かって伸びており、内管14の下端にはシュー23が外側に向かって伸びている。該シュー23の内管14側の上端部は薄く形成されており、一方、内管14のシュー23側の下端部は該シュー23の上端部に対応して薄く形成されており、シュー23の上端部は内管14の下端部の内周側に差し込まれており、従ってシュー23は引き抜き自在に設けられている。さらに透明な硬質樹脂製のコアチューブ16が内管14の内周に沿って引抜き自在に挿入されている。掘削された土質試料1はシュー23によって内管14の内側に導かれ、コアチューブ16の内部に取り込まれる。取り込まれた土質試料1はコアチューブ16に包み込まれた状態に保持される。
内管14ないしコアチューブ16の内側半径Rは、複数の同一径の供試体が横並び又は放射状に並んだ状態に切り出すことができる大きさを有する。例えば、土質試料1の横断面に、同一径の3個の円柱状供試体a、b、c(各半径n)が放射状に並んだ状態で切り出すときの半径Rは4n/√3(=約2.3n)以上であれば良く、同一径の3個の円柱状供試体a、b、c(各半径n)が一直線上に並んだ状態で切り出すときの半径Rは3n以上であれば良い。また、4個の円柱状供試体a、b、c、d(各半径n)が放射状に並んだ状態で切り出すときの半径Rは2n・√2(=約2.8n)以上であれば良い。
従って、内管14ないしコアチューブ16の内側半径Rは、半径nの円柱状供試体について、概ね2.3n〜3nの大きさであれば、土質試料1の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を作製することができる。
ヘッド12の内部には軸方向に沿って通水管30が設けられており、また該ヘッド12の内部には軸受17、18が設けられており、該軸受17、18によって該通水管30が軸支されている。さらに軸受17、18に接するブッシュ19とシール20が設けられており、軸受部分が防水構造に形成されている。該通水管30の下部には内管14の上端部14aが螺合されており、この螺合構造によって内管14は着脱自在に通水管30と一体に連結されている。また、通水管30を囲むようにバネ21が螺旋状に設けられており、通水管30と内管14はバネ21によって弾性支持されている。
内管14とヘッド12の間には空間40が形成されており、内管14と外管13の間には流路41が形成されている。流路41は空間40に連通している。また、該空間40に面した通水管30の周面には2対の通水孔31とコアチューブ内の空気と水を該空間40へ排出する気水孔32が設けられている。
サンプリングロッド11の内部から通水管30に流入した水は通水孔31を通じて空間40に向かって均一に放流され、空間40に流入した水は流路41を通じてサンプラー10の下端に流れた後に、外管13の外周面に沿ってヘッド12の周りに上昇し、外部に排出される。流路41を通じて水を流しながらロッド11を回転して掘削が行われる。
内管14の内側に取り込んだ土質試料1を取り出すときは、図9に示すように、外管13がヘッド12から取り外された後に、シュー23とコアチューブ16が一体に内管14から引き抜かれ、さらにシュー23がコアチューブ16から引き抜かれ、土質試料1を保持したコアチューブ16が取り出される。
土質試料1はコアチューブ16に包み込まれた状態で取り出されるので、この土質試料1をコアチューブ16に包み込まれた状態で試験深度の部分を輪切りにすることによって土の状態を乱さずに土質試料を採取することができる。また、コアチューブ16は好ましくは透明な硬質樹脂製であるので、取り出した土質試料1を土の状態を乱さずに外側から観察することができる。コアチューブ16に包み込まれた状態の土質試料1を輪切りし、図98に示すように、輪切りした土質試料1の円形断面から同一半径の円柱を横並びあるいは放射状に並んだ状態で切り出して供試体に用いる。
このように、本発明のサンプラー10では、内管14ないしコアチューブ16の内側半径Rは土質試料1の直径は供試体の半径nの概ね2.3n倍〜3n倍であり、従来のサンプラーの口径よりもかなり大きいので、コアチューブ16は、十分な強度を有するように、ポリカーボナイトなどの硬質樹脂製が好ましい。またポリカーボナイトは透明であるので、採取した土質試料の状態を外部から観察できるので好ましい。
本発明の土質試料サンプラーは、口径が従来のサンプラーよりもかなり大きいので、内管14周りの流路41に水が均一に流れるように、図示するサンプラーでは、内管14とヘッド12の間に流水溜りになる空間40が形成されており、空間40に面した通水管30の周面に通水孔31が2対とコアチューブ内の空気と水を空間40へ排出する気水孔32が設けられており、通水通気経路が内管14の外周全体に均一に形成されている。
〔実施例1〕
図6〜図8に示す土質試料サンプラーを用い、盛土構造物について、強度を求める深度から、本発明の採取方法によって直径140mmの円柱状試料1を採取し、該試料1から直径50mm、高さ10mmの3個の円柱状供試体a、b、cを採取し、各供試体a、b、cについて、三軸圧縮試験(UU)を行い、垂直応力(σ) および拘束応力(σ)を測定し破壊時の関係から、図10に示すモール応力円を作成した。このモール応力円のグラフに基づいて土質強度を求めたところ、土質強度がCuu=74.4kN/m2,φuu=37.7°で各供試体の乾燥密度の差が0.022g/cmあり均一性が高いことが確認された。図10に示すように、土質強度は接線として求められている。
〔比較例1〕
従来の縦方向へのサンプラーによる直近の位置で同一深度の土質試験試料によって土質供試体を垂直方向に3個の円柱状供試体を作成して三軸圧縮試験(UU)を実施し、図11に示すようにモール応力円を作成した。図119から最小二乗法によって強度を求めると、Cuu=65.2kN/m2,φuu=34.4°で各供試体の乾燥密度の差が0.106g/cmと均一な条件になっていない問題があった。また、本来の土質強度を求める方法である各モール円の接線により土質強度を求めることが困難であり、強度も小さい結果となった。
1−試料、A、B、C−供試体、a、b、c−供試体、10−サンプラー、11−ロッド、12−ヘッド、13−外管、14−内管、14a−内管上端部、15−ビッド、16−コアチューブ、17、18−軸受、19−ブッシュ、20−シール、21−バネ、23−シュー、30−通水管、31―通水孔、32−気水孔,40−空間、41−流路


Claims (5)

  1. 盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる供試体をボーリングによって採取した土質試料から作製する方法において、同一径の供試体の円形断面が横並び又は放射状に複数個含まれる大きさの円形断面を有する円柱状の土質試料を採取し、該土質試料の同一の断面から横並び又は放射状に複数の同一径の供試体を切り出すことを特徴とする土質試験用供試体作製方法。
  2. 土質試験が土質の強度試験、圧密試験、または液状化試験を含む試験である請求項1に記載する土質試験用供試体作製方法。
  3. 断面半径nの供試体Aについて、断面半径Rが2.3n〜3nの大きさの土質試料を採取し、この土質試料の同一断面から3個〜4個の円柱状供試体を切り出す請求項1または請求項2の何れかに記載する土質試験用供試体作製方法。
  4. 盛土構造物および自然地盤を対象にした土質試験に用いる土質試料を採取する土質試料サンプラーであって、サンプリングロッドに連結される筒状のヘッドと、該ヘッドに着脱自在に連結された外管と、該外管の内側に伸びる内管を有し、該内管にはコアチューブが引抜き自在に挿入されており、さらに該外管の下端にはビッドが設けられており、外管と一体にビッド15が回転して土を掘削し、コアチューブの内部にシュー23によって土質試料が取り込まれるサンプラーであり、内管ないしコアチューブの内周半径Rが、採取すべき土質供試体の断面半径nに対し、2.3n〜3nの大きさを有することを特徴とする土質試料サンプラー。
  5. 内管に連結された通水管がヘッドの内側に設けられており、該通水管はヘッド内側の軸受によって支持されており、該通水管周りにバネが設けられており、内管とヘッドの間に空間が形成されており、該空間に面した通水孔が通水管周面に2対とコアチューブの空気と水を該空間へ排出する気水孔が設けられており、サンプリングロッドから通水管に流入した水が通水孔から内管と外管の間に形成された流路を通じてサンプラー下端に流れる請求項4に記載する土質試料サンプラー。
JP2017175449A 2016-11-29 2017-09-13 土質試験用供試体作製方法および土質試料サンプラー Pending JP2018091124A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016230895 2016-11-29
JP2016230895 2016-11-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018091124A true JP2018091124A (ja) 2018-06-14

Family

ID=62565325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017175449A Pending JP2018091124A (ja) 2016-11-29 2017-09-13 土質試験用供試体作製方法および土質試料サンプラー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018091124A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110514506A (zh) * 2019-08-13 2019-11-29 北京建筑大学 土壤试样制备装置
JP2021014707A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 千葉エンジニアリング株式会社 サンプラー

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS506680U (ja) * 1973-05-17 1975-01-23
JPS52155589U (ja) * 1976-05-21 1977-11-25
JPS63194019A (ja) * 1987-02-09 1988-08-11 Shimizu Constr Co Ltd 地盤凍結サンプリング方法及び装置
JPH0424533A (ja) * 1990-05-18 1992-01-28 Shimizu Corp 三軸圧縮試験用不撹乱砂礫コアの成形方法
JPH07102571A (ja) * 1993-10-07 1995-04-18 Mitsui Kushikino Kozan Kk 舗装材とその製造方法
JPH093867A (ja) * 1995-06-26 1997-01-07 Kiso Jiban Consultants Kk 地盤凍結サンプリング方法と装置
JPH09177063A (ja) * 1995-12-22 1997-07-08 Fujita Corp 盛土地盤の締め固め度試験装置
JPH10131162A (ja) * 1996-10-30 1998-05-19 Jiotetsuku Kk サンプル採取装置およびサンプル採取方法
JP2000257366A (ja) * 1999-03-11 2000-09-19 Kunimori Komiya コア採取装置
JP2002520522A (ja) * 1998-07-15 2002-07-09 フクロ エンジニアーズ ベー.フアー. 土壌サンプルの採集装置
JP2004085426A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Maeda Corp 多種多様な土を盛土材として適用する時の事前評価方法及び改良方法
JP2005090045A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Iwami Kaihatsu Kk 軟質地盤の試料採取装置及び方法
JP2007239275A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Tobishima Corp 若齢地盤に対する液状化抵抗推定方法
JP2011169021A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Kumagai Gumi Co Ltd 土壌採取管装置
JP3183846U (ja) * 2013-03-22 2013-05-30 ジオ・フロント株式会社 試料採取用サンプラー
WO2014136533A1 (ja) * 2013-03-06 2014-09-12 清水建設株式会社 膨張性地盤対策用の基礎及び床の構造、並びに膨張性地盤対策用の基礎及び床の構造の構築方法

Patent Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS506680U (ja) * 1973-05-17 1975-01-23
JPS52155589U (ja) * 1976-05-21 1977-11-25
JPS63194019A (ja) * 1987-02-09 1988-08-11 Shimizu Constr Co Ltd 地盤凍結サンプリング方法及び装置
JPH0424533A (ja) * 1990-05-18 1992-01-28 Shimizu Corp 三軸圧縮試験用不撹乱砂礫コアの成形方法
JPH07102571A (ja) * 1993-10-07 1995-04-18 Mitsui Kushikino Kozan Kk 舗装材とその製造方法
JPH093867A (ja) * 1995-06-26 1997-01-07 Kiso Jiban Consultants Kk 地盤凍結サンプリング方法と装置
JPH09177063A (ja) * 1995-12-22 1997-07-08 Fujita Corp 盛土地盤の締め固め度試験装置
JPH10131162A (ja) * 1996-10-30 1998-05-19 Jiotetsuku Kk サンプル採取装置およびサンプル採取方法
US6505693B1 (en) * 1998-07-15 2003-01-14 Fugro Engineers B.V. Soil sampler
JP2002520522A (ja) * 1998-07-15 2002-07-09 フクロ エンジニアーズ ベー.フアー. 土壌サンプルの採集装置
JP2000257366A (ja) * 1999-03-11 2000-09-19 Kunimori Komiya コア採取装置
JP2004085426A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Maeda Corp 多種多様な土を盛土材として適用する時の事前評価方法及び改良方法
JP2005090045A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Iwami Kaihatsu Kk 軟質地盤の試料採取装置及び方法
JP2007239275A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Tobishima Corp 若齢地盤に対する液状化抵抗推定方法
JP2011169021A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Kumagai Gumi Co Ltd 土壌採取管装置
WO2014136533A1 (ja) * 2013-03-06 2014-09-12 清水建設株式会社 膨張性地盤対策用の基礎及び床の構造、並びに膨張性地盤対策用の基礎及び床の構造の構築方法
JP3183846U (ja) * 2013-03-22 2013-05-30 ジオ・フロント株式会社 試料採取用サンプラー

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021014707A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 千葉エンジニアリング株式会社 サンプラー
CN110514506A (zh) * 2019-08-13 2019-11-29 北京建筑大学 土壤试样制备装置
CN110514506B (zh) * 2019-08-13 2024-04-05 北京建筑大学 土壤试样制备装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106814407B (zh) 基于单一钻孔变形测量确定岩体三维地应力的方法
Meijer et al. New in situ techniques for measuring the properties of root-reinforced soil–laboratory evaluation
Hoelzle et al. Surface movement and internal deformation of ice-rock mixtures within rock glaciers at Pontresina-Schafberg, Upper Engadin, Switzerland
CN103940716B (zh) 一种大尺度单裂隙介质中二维渗流的监测方法
Hu et al. Laboratory model test of EPB shield tunneling in a cobble-rich soil
CN110196036B (zh) 一种顶管隧道施工模型试验监测采集系统
WO2017162094A1 (zh) 低流速声纳测量方法、装置及应用
US20210131271A1 (en) Portable in-situ gas pressure measuring device for shallow gas-bearing stratum and measuring method thereof
JP2010266347A (ja) 地質構造調査システム及びその方法
JP2018091124A (ja) 土質試験用供試体作製方法および土質試料サンプラー
JP2018105788A (ja) 地殻応力測定方法
CN105275024A (zh) 有缺陷大直径嵌岩桩竖向承载力检测及加固的方法
Beyzaei et al. Liquefaction resistance of silty soils at the Riccarton Road site, Christchurch, New Zealand
EVALUATE Automatic measurement of drilling parameters to evaluate the mechanical properties of soils
CN106759220B (zh) 利用静力触探贯入阻力快速测定静止土压力系数的方法
Gaspar et al. Centrifuge modelling of piled foundations in swelling clays
Kim et al. Interpretation of cone penetration tests in cohesive soils
Timms et al. Vertical hydraulic conductivity of a clayey-silt aquitard: accelerated fluid flow in a centrifuge permeameter compared with in situ conditions
JP3772872B2 (ja) 原位置地盤の鉛直方向透水試験装置
Askari et al. The bearing capacity of circular footings on sand with thin layer: An experimental study
CN210198672U (zh) 一种适合研究降雨-分层径流关系的人工流域
CN109188540B (zh) 一种大孔隙率巨型松散体岩堆中多年冰冻层范围勘探方法
Opolot et al. Experimental study of the mechanics of gypsum seam hazard for Abu Dhabi
CN206648871U (zh) 一种击锤式堆石料三轴试样制样装置
RU2461682C1 (ru) Способ определения параметров колонн, возводимых в грунте методом струйной геотехнологии

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190926