JP6616767B2 - 骨折治療用内固定器 - Google Patents

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Description

本発明は、膝蓋骨、大腿骨遠位部、踵骨などにおける、双方向(骨の両端)から締め付けが可能な部位の骨折の手術治療に係り、具体的には骨折部位を挟んで骨の両端を起点に締め付ける治療法に用いる、骨折治療用内固定器に関する。
たとえば、膝蓋骨の骨折においては、通常、上下2つの骨片に分かれるような骨折(横骨折)や、左右2つの骨片に分かれるような骨折(縦骨折)などが多くみられる。このような骨折に対する治療法としては、非特許文献1に示されているようなテンションバンドワイアリング法が用いられている。また、転移(骨のずれ)がない場合には非特許文献2に示される保存療法、具体的にはギブスなどにより固定する治療法も採用される。保存療法は、比較的軽症である骨のずれがない場合に限定され、また運動の制限が大きいこと、癒着に長期間を要することなどの問題があり、テンションバンドワイヤリング法による手術治療が主流となっている。
ここで、テンションバンドワイアリング法の概要について説明すると、たとえば図19に示すように、膝蓋骨1の亀裂部1cの亀裂方向に対して直交するように、一方の骨片1aの端部から他方の骨片の端部1bに向け、2本のチタン製やステンレス製のキルシュナー鋼線と呼称される金属製などの棒状体(以降、便宜的に鋼線という。)2を平行に貫通させる。さらに、両骨片1a、1bの端部から露出させた鋼線2の先端部2aを膝蓋骨1の後方に向けて曲げ、鋼線2の先端部2aと後端部2cとの間に8の字を描くようにステンレス製のワイヤー3をたすきがけに巻き付ける。そして、ワイヤー3を締め上げることで、亀裂部1cを閉じるようにし、両骨片1a、1bを固定する。なお、符号3aは、ワイヤー3の結び目を示している。
キャンベル整形外科手術書(全11巻)藤井克之(総監訳者)エルゼビア・ジャパン株式会社 第7巻「骨折と脱臼」P134〜137、P376〜377 2004年9月 「膝蓋骨骨折の症状・診断・治療についての解説」インターネット<http://allabout.co.jp/gm/gc/420213/>
上述した非特許文献1でのテンションバンドワイアリング法では、膝蓋骨1に貫通させたキルシュナー鋼線2にワイヤー3をたすきがけに巻き付けて締め上げにより、膝蓋骨1の両骨片1a、1bの固定が確実に行われるため、比較的良好な手術成績が得られている。
ところが、このようなテンションバンドワイアリング法では、膝蓋骨1は骨粗鬆症が高度な高齢者などでは骨がぜい弱なため、足を動かすなどしている間に鋼線2がズレてしまい、たすきがけしたワイヤー3による張力が弱まったり、ワイヤー3が鋼線2の先端部2a又は後端部2cから外れたりするようなバックアウト現象が生じてしまうことがあるという問題があった。このようなバックアウト現象は時々術後に見受けられ、バックアウトが生じた場合には再度の手術を余儀なくされることとなり、患者への負担は大きい。
また、膝蓋骨1の亀裂部1cの亀裂方向に対して直交するように2本の鋼線2を平行に貫通させ、さらに鋼線2の先端部2aと後端部2cとの間に8の字を描くようにステンレス製のワイヤー3をたすきがけに巻き付ける必要がある。そのため、膝関節前方に少なくともワイヤー3のたすきがけに必要な広範囲の切開(約10cm程度)が必要となり、手術創が大きくなり、美容的に優れないばかりか、疼痛やひざ関節の可動域が制限される原因となるという問題もあった。
さらには、治療時間も比較的長時間を要することとなり、こういった面からも患者の負担が大きくなるという問題もあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、バックアウト現象を確実に防止することができ、しかも手術創を小さくし、患者負担を軽減することができる骨折治療用内固定器を提供することを目的とする。
本発明の骨折治療用内固定器は、骨折治療に用いる骨折治療用内固定器であって、治療
対象部位に対し、骨折部位を跨ぐように貫通される鋼線と、前記治療対象部位の前記骨折
部位を挟む骨の両端箇所に差し込むことで固定され、前記鋼線の両端部を保持する一対の
鋼線保持具と、該鋼線保持具上で前記鋼線の両端部を力学的手段により固定する鋼線固定
具とを備え、前記鋼線固定具は、ネジ部及び頭部を有するボルトと、前記ネジ部に螺合さ
れるナットとを有し、前記ネジ部には前記鋼線を貫通させる第2の貫通孔が前記ネジ部の
軸方向に対して直交するように形成され、前記ナットの螺合により前記鋼線の端部が該ナ
ットと前記ボルトの頭部との間で固定されることを特徴とする。
ここにおいて、本発明の骨折治療用内固定器を構成する各部について説明する。該固定
具を構成する鋼線は、直線的な棒状体であり、施術留置した際に、患者の運動などに対し
て充分な強度を保持できるものであればよく、特段に限定されるものではない。具体的に
は、材質としては、金属類である鋼などの鉄、銅(ただし強度(硬度)を持たせるために
焼きなまししたものが好ましい。)、ステンレス合金、チタン、チタン合金などが例示さ
れ、高強度樹脂なども例示されるが、腐食性、強度、脆性、生体親和性などの観点から、
ステンレス合金、チタン合金などが好ましい材質として推奨される。
また、形状としては長い直線で棒状の形状であり、太さは施術後、体内留置した際に極
端に運動を阻害したり、留置の際に周辺の骨部位を破壊しない程度の太さであればよく、
従って留置部位の骨形状や周辺状況、部位における外力などの負荷の大きさなどにより適
宜選択できる。
余りにその太さが細い場合には、鋼線保持具による固定が難しい恐れもあるため、細す
ぎることは避ける必要がある。従って、太さは、たとえば膝蓋骨骨折に用いる場合、断面
最大径が0.5〜8mm、好ましくは0.8〜5mmであることが推奨される。また、形
状としては、円柱状や三角柱、四角柱などの角柱状でもよいが、一般的には円柱状が好ま
しい。
さらに、鋼線の一端部(先端部)は、施術時に鋼線が骨を貫通し易いように、鋭利な形
態とすることも好ましい。鋭利な形態としては、円錐状、角錐状、モクネジ形状や先端切
り欠き形状などが例示される。また円柱形状の場合には、その外側面の一部もしくは全部
を雄ネジ状に加工された形状であるものも使用することができる。
また、このような鋼線は、施術し、固定措置を施したあと、両末端部が長すぎた場合に
は、適宜、切断して不要部を取り除く処理を行うことが推奨される。特に、前記した先端
部については、骨に貫通させた後、鋭利な部分を切断除去することも、鋼線の固定のし易
さ等の点からも推奨される。
本発明においては、これらの材質・形状などについては特に限定されることはないが、
通常市販されているキルシュナー鋼線であれば、充分にこれらの形状を満足させることが
できる。
また、前記鋼線保持具は、前記鋼線を貫通させる第1の貫通孔が形成された基板部と、
該基板部に前記第1の貫通孔の向きに沿って具備された楔部とを有し、前記楔部が前記治
療対象部位に食い込み可能とされていることを特徴とする。
ここにおいて、基板部の形状としては、円形、楕円形、正方形、長方形など、上記機能
が果たせれば、いかなる形状であっても差し支えないが、鋼線保持具が接する骨表面の形
状に適応した形状であることが推奨される。たとえば、膝蓋骨に適用する場合には、接触
する骨部分の形状から、長方形や楕円形であることが推奨される。
また、大きさ及び厚さなど(規格)については、材料強度(基板にかかる外力などに対
する。)及び留置箇所(対象となる骨の部位)などにより、それぞれ異なるが、たとえば
対象となる骨が膝蓋骨である場合には、長方形や楕円形の基板が推奨され、長手方向の長
さは1〜10cm程度が好ましく、1.5〜5cm程度であることがさらに好ましい。
幅方向の長さは0.3〜2cm程度が好ましく、0.5〜1.5cm程度であることが
さらに好ましい。また、厚みについては0.1から1cmであることが好ましく、0.2
〜0.7cm程度であることがさらに好ましい。
また、基板には、前記したように鋼線が貫通することから、鋼線貫通用の孔が設けられ
ている。該孔の規格は、鋼線が貫通できる大きさであることが必須であり、好ましくは極
端な抵抗を受けずに貫通できる程度の大きさであることが推奨される。また、余りに大き
な孔であれば、後記する鋼線固定具の規格を極端に大きくする必要が生じ好ましくない。
さらに、本発明における鋼線保持具に具備される楔部については、その機能は楔部を対
象となる骨に打ち込み(差し込む、押し込む、突き刺すなど)、施術後は基板と実質的に
一体化できることである。
ここで本発明でいう、実質的に一体化するということは、基板と一体となって成型され
ている場合や、楔部が基板に溶接や接着若しくはネジ込みなどによって一体化しているも
のや、さらには楔部が釘状や木ネジ状、くさび状などであって、基板部とは分離されてい
てもよい。また、基板部に、これら分離された楔部を貫通する孔を有し、該孔を貫通し、
対象となる孔に差し込み、基板部に固定化されることでも、実質的に一体化となる。
このような場合には骨に差し込む側でなく、基板部と接触する部分の端部の形状は、基
板部の楔部を貫通させるために設けられた孔よりは大きくするなどによって、楔部によっ
て基板部を押さえこむことができる形状である。
また、楔部の全体的な形状としては、差し込む、押し込むもしくは突き刺すなどによっ
て、対象となる骨に侵入させることが必要である。このことから、その骨に差し込む側の
少なくとも先端は、先鋭な形状でなければならない。具体的な形状は、たとえば、三角柱
(直角三角柱や二等辺三角柱)や円錐形、円錐台形などがあげられる。また、釘状や木ネ
ジ状といった先端が尖鋭な円柱形やくさび状である、先端が尖鋭な多角柱形なども例示さ
れる。
さらに、基板部と一体成型されている場合には、たとえば、基板部の長手方向の両端を
折り曲げるなどし、折り曲げられた部分を楔部とすることができる。この場合、その楔部
の先端を、面取り、切削などにより部分的に切り欠き、先端を先鋭化することができる。
具体的には、先端から根元(基板部接触部)に向け、板の厚み方向においてその対角線的
に沿って切り欠くことにより、直角三角柱形とすることや、厚み方向において二等辺三角
形となるように切り欠くことで、先端を先鋭化することができる。
本発明の骨折治療用内固定器における楔部の長さについては、対象となる骨により、ま
た当該骨にかかる外力の大きさなどによって適宜に適応され、且つ、骨に十分に嵌り込み
、ズレや外れを生じないようになるに十分な長さであることが必要である。たとえば膝蓋
骨に適用する場合には、凡そ0.5〜4cm程度が好ましく、凡そ1〜3cmであること
がさらに好ましい。
また、楔部の材質は前記した、基板部に用いられる材質と同様の材質が例示される。特
に、基板部と一体成型されている場合には、基板部と同一の材質となることが好ましい。
また、溶接、接着などにより基板部と一体化されている場合や、木ネジや釘などで基板部
の孔に差し込み実質的に基板部と一体化する場合には、基板部と異なる材質であっても差
し支えない。
次に鋼線固定具について述べる。本発明における鋼線固定具の作用は、該固定具による
鋼線への力学的作用、たとえば締め込み作用によって鋼線を押さえ、実質的に鋼線と一体
化させて固定化することである。同時に、鋼線と鋼線保持具が外れないように一体化し、
固定化する作用である。固定具による鋼線への締め込み作用による固定化については、具
体的にはネジ込み方式や押圧方式などにより力学的な鋼線への締め付け等により果たされ
る。特に、ネジによる締め込み作用を応用した一体化による固定化が好ましい。
これらの作用の具現化するための手段及び鋼線固定具の構造について具体的な例示をす
るが、本発明における鋼線固定具は以下の例示のみに限定されるものではなく、前記した
作用・機能を満足させるものであれば如何なる固定具でも差し支えない。
前記鋼線固定具としての第一の例としては、上記のように、ネジ部及び頭部を有するボ
ルトと、前記ネジ部に螺合されるナットとを有し、前記ネジ部には前記鋼線を貫通させる
第2の貫通孔が前記ネジ部の軸方向に対して直交するように形成され、前記ナットの螺合
により前記鋼線の端部が該ナットと前記ボルトの頭部との間で固定される。
また、前記第2の貫通孔は、前記頭部に寄った位置に設けられていることを特徴とする

また、前記ボルトは頭部が多角形のボルトである。
この場合、ナットを締め付けることにより、ボルト側の頭部内面とナット面で鋼線を押
さえつけることで、鋼線の固定化、固定具と鋼線との固定が達成され、さらには鋼線保持
具も固定される。ここにおいて、固定具により固定化された鋼線は骨の両端からの締め付
けに際し、ほぼ完全に骨折部または亀裂部を押さえ込むようにするには、ボルトの端部(
頭部)に位置する多角形体(以下、ボルト端部多角体という。)側面部分と鋼線保持具の
基板面とが当接(密着)することが好ましく、このためには、前記ナットの外径は前記ボ
ルト端部多角体の頭部の外径より小さくする。これにより、ナットによる締め付けが容易
になり、前記ボルト端部多角体の端面(側面)が前記鋼線保持具の基板部に当接した状態
で前記鋼線の端部が固定される。
このとき、鋼線を固定した、鋼線固定具のボルト端部多角体の側面及びナットの多角体
側面と鋼線保持具基板部面との間隔は、多少(膝蓋骨の施術の場合では、ほぼ1cmくら
いまで)の隙間が生じても、施術効果に実質的に問題を生じない場合もあり、この場合に
は、ボルト端部多角体外径とナットの外径が同一であっても差し支えない。
逆に、ボルトの多角体径がナットの外径よりも小さくなっても差し支えない場合もある
。ただし、これらの径の大きさの違いが余りに大きいと、好ましくなく、たとえば膝蓋骨
に適用する場合の外径の差は、1cm以下、好ましくは0.5cm以下であることが推奨
される。
このとき、該固定具のボルト部に設けた、貫通孔の内表面に窪みを設けることも推奨さ
れる。ここで言う窪みとは、表面に筋状に設けた浅い窪みである。このような窪みを形成
することで、窪み加工したボルト面と鋼線との摩擦力が増大することにより、溝面の押圧
力による鋼線固定保持効果が増大し、ボルトの回転などによるズレを防ぐ効果をもたらす
。このような窪みは、三角形の形状や四角形の形状といった、先鋭な溝形状であることが
好ましい。
次に、前記鋼線固定具の第二の例として、前記ボルトのネジ部はボルト端部多角体に接
合する部分から先端(締め付け用のナットが挿入されるボルト末端部)に向けて先細りと
なるテーパー形状とされ、該ネジ部の中心部には、先端から前記ボルト端部にかけてボル
トの長軸方向に沿って切り欠かれ、ボルトネジ部を分割する溝が第一の例のボルト上の貫
通孔に代えて、1以上、ボルトの長軸方向に沿って形成され、該溝は鋼線を通すことがで
き、かつ鋼線の外径より若干(1mm以下が好ましい。)大きい程度の幅を有する。
前記ナットの螺合により、テーパーネジを締め付けることにより、前記溝の幅間隔は狭
まり、強くネジ止めすることにより、溝内表面からの押す力により該溝に通した鋼線を締
め付ける。この結果、前記溝に嵌め込まれた前記鋼線の端部が前記溝内で固定される。こ
の際に、前記溝において、鋼線と接触する部分に、第一の例に記載したと同様な窪みのも
のを締め付ける鋼線の長軸方向に沿って形成させておいてもよい。言い換えればボルトの
長軸方向と直交するように該窪みを形成させる。
前記した、ボルトネジ部を分割する溝の例としては、テーパーネジ(雄ネジ)状とした
ボルトを2分割するように溝を設ける。該溝の幅は、ナットによる締め付け前には、鋼線
を貫通させることができる幅であり、かつ、ナットを締めつけた際には、鋼線を十分に押
え込むことができる幅である。
このように設けた溝の内表面に窪み加工を施す。窪みは、前記したように、溝内表面に
、鋼線が貫通する方向に沿って設けられる。この際、溝の形状としては、鋼線外径よりは
幾分小さい幅で、三角形や四角形状に切り欠きを設けることや、溝内表面上に、鋼線の貫
通方向に沿って、複数(各溝面に対して2以上、好ましくは5以上)の線状の窪みを設け
ることも推奨される。
このようにして、テーパーネジ状であり、かつ、溝を有したボルトをナットにより締め
付けることで、鋼線は抑えられ固定される。また、2以上の溝を設けた場合は、溝は鋼線
が貫通されなければならないことから、鋼線が貫通できるように設けることが必須である
。具体的には、たとえばボルトを等分割するように設置する場合には、2分割、4分割、
8分割というように溝を設置する必要があるが、接触効率の観点から2分割であることが
好ましい。
また、前記鋼線固定具の第三の例として、第二の例と同様に、ネジ部及び頭部(端部多
角体)を有するボルトと、前記ネジ部に螺合されるナットとを有し、前記ボルトのネジ部
は先端に向けて先細りとなるテーパー形状となっている。該ネジ部の中心部には、先端か
ら前記頭部にかけて第二の例と同様にボルトネジ部を分割するように、切り欠かれた溝が
形成され、前記ボルト端部多角体に前記ネジ部の軸方向に沿いかつ前記溝に連通させた孔
が形成され、前記ボルトの頭部の頂部が前記鋼線保持具の基板部に当接した状態で前記ナ
ットが螺合されることにより、前記鋼線の端部が前記溝の内面側で締め付けられて固定さ
れることを特徴とする。
具体的には、前記鋼線保持具に鋼線を貫通させた後、該保持具を骨に突き刺し、該ボル
ト端部多角対の端面(平面状の底面)が該保持具基板部の平面に接触するように鋼線を該
固定具に通し、その後、ナットをボルトネジ部に装着し、締め込む。ナットで締め込むこ
とにより、該ボルトの溝間隔が狭まり、鋼線を締め付けることにより、鋼線と固定具、さ
らには鋼線保持具と一体化させ、固定がなされる。
ここにおいて、第三の例における溝の形態は、ボルトのネジ部(頭部は除く)を等分割
するように設けることが好ましい。たとえば2分割した形態であれば、鋼線と接触する溝
内面は平面状であるが、3分割した場合、またはそれ以上に等分割した溝では、鋼線と接
触する部分は、それぞれ核の頂点部分で接触(つまりは線状接触となる。)する。
このような場合、形成した頂点部分を面取り加工することにより、溝と鋼線が接触する
際に、溝の平面と鋼線が接触するようになり、鋼線を締め付ける効果が増大することが期
待される。また、溝内部に形成された面に鋼線の長軸方向に沿った形で窪み(好ましくは
複数)を設けることが推奨される。窪みを設けることで、鋼線と溝内平面部分との摩擦力
が増大され、より効果的に鋼線を固定することがもたらされる。
窪みとしての形態は、前記の第一及び第二の例と同様であることが推奨される。また、
鋼線の長軸方向と同一方向に直線的に線上の浅い溝状の窪みを等間隔に複数設けること、
好ましくは3本以上、さらに好ましくは5本以上設けることが推奨される。当該窪みを設
置することで、鋼線側面と溝面との間の摩擦力は増大し、固定具の回転などによる緩みを
より防止することができる。
また、第四の例としては一般的な管(チューブなど)を結合する際に使用する、片側ユ
ニオンやスリーブの機能を応用した例である。前記鋼線固定具は、外周にネジ部を有し、
内部に貫通孔を有する、貫通型のボルト形式となっているいわゆる孔貫通型スリーブと、
内部に貫通孔を有する所謂ドーナッツ型の締め付け具となるフェラルまたはO−リング及
び貫通型内部に前記フェラルやO−リングなどを収容可能な空間を有し、頂部から前記空
間に連通させた貫通孔を有する袋ナットとを有し、前記袋ナットのネジつきユニオンタイ
プのスリーブへの締め込みにより、前記フェラルやO−リングなどが鋼線と片側ネジつき
ユニオンタイプのスリーブ内面との間に形成されている空間に押し込まれ、前記鋼線の端
部及び前記空間に食い込むことで前記鋼線の端部が固定されることを特徴とする。
具体的には、本発明でいうスリーブとは、径の中心に長軸方向に鋼線が貫通することが
できる貫通孔を有し、雄ネジを有し、ある程度の厚みを有する多角柱(通常は6角柱)の
一端部(以降頭部と呼称する。)を有する、ボルト形状の中空孔貫通型のユニオンタイプ
のスリーブである。該スリーブには、前記したように長軸方向に貫通孔(ボルトの頭部端
面から、ボルト先端面までの総てに亘る長軸方向の直線状の貫通孔)が設けられている。
外形状的には通常、管を結合させる際に用いるユニオン継ぎ手の片側のみの形状をしてい
る。
また、ボルトの頭部端面(ボルト長軸方向と垂直となる面)は鋼線保持具基板面と良好
に接触するように平面であることが好ましい。さらには、ボルト頭部端面と鋼線保持具基
板面が接合しボルト形状のユニオンタイプのスリーブと鋼線保持具が一体化していてもよ
い。この場合、該保持具基板面に形成された貫通孔とスリーブに設けられた貫通孔は、鋼
線が同時に双方の貫通孔を貫通できるように配置されている。このとき、該保持具とユニ
オンとの一体化について、本発明では特に限定されるものではないが、たとえば溶接、接
着、また保持具とユニオンが同一材料となる切り出し、削り出し、もしくは鍛造などによ
り達成することができる。
スリーブに設けられた貫通孔の形状は、特段の制限はなく円形、楕円形や多角形の孔で
あっても、フェラルによる締め付け効果が十分に発揮でき、かつ鋼線が貫通出来る形状で
あればいずれの形状であっても差し支えないが、加工上の観点、鋼線の形状やフェラルの
効果などから円形であることが推奨される。
さらに、該貫通孔の径の大きさについては、本発明においては特段の規定はしないが、
好ましい大きさについては、鋼線の径の大きさ及びフェラルの外径の大きさと形状に依存
する。具体的には、鋼線の外径に対してフェラルが接触する部分の内径において、数%〜
10数%程度大きいことが好ましいが、フェラルが接触しない部分の貫通孔の径について
は前記した大きさでもよく、好ましくは鋼線が極端な抵抗を受けずに貫通できる程度の径
である。すなわち、鋼線の外径より数%程度大きければ好ましい。
従って、このような場合には、ユニオンの袋ナットと接する先端面からある程度の深さ
(たとえば膝蓋骨用に使用する場合は数mm程度以内の範囲)は広い口径であり、それ以
降、保持具基板面までの貫通孔の口径を小さくするといった、2段型の貫通孔であること
が、フェラルによる鋼線の締め付け効果の観点から好まししい。
また、該ユニオンの貫通孔径を鋼線が上記したように極端な抵抗を受けずに貫通可能な
程度の径とし、フェラルと接触する部分の先端部をテーパー状に面取りする貫通孔も推奨
される。テーパー状に面取りすることで、後述するように、フェラルが袋ナットに押され
て、貫通孔と鋼線との隙間により食い込みやすくなり、強い鋼線の固定化が期待できる。
このとき、テーパー面の深さに関しては前記した2段型孔と大口径となる孔の深さと同
様の範囲となるか、もしくはそれより幾分浅い程度とすることが推奨される。 また、第
五の例として、第四の例と同様の構造であるが、多角形状部を挟んで、双方にボルト上の
ユニオン部を有し、長軸方向に貫通孔を有する、通常の配管継ぎ手型ユニオンであっても
本発明の鋼線固定具の構成要素となり得る。この場合、鋼線はユニオンの上下両端部二箇
所にて、前記と同様の一対の袋ナット及びフェラル又はO−リングにより、前記と同様に
して上下2箇所で鋼線が固定される。
この場合には、鋼線固定具に設けられる貫通孔やフェラルと接触する孔の末端部分の構
造は、前記した第四の例の固定具での孔の形状と同様であることが好ましい。このように
第四の例に比して、鋼線固定具は、鋼線の長軸方向に沿って長くなり、固定具自体が過大
となる可能性が高いことから、ボルト部の長さを短くするような手段を講じることが推奨
される。
次に、第四の例及び前記第五の例で例示される鋼線固定具におけるフェラルは、通常の
ユニオン継ぎ手に使用されるような形状であり、袋ナット、孔(本器具では貫通孔)など
の形状に対応付随して決定される形状及び規格であればよい。具体的なフェラルの形状と
しては、ドーナッツ状に中央部が鋼線を通過可能な大きさの孔を有し、ドーナッツ本体部
分の形状としてはユニオンの孔に入り込む方の一端が細く、袋ナット内面と接触する方の
一端が太くなるといった所謂、中空の円錐台柱型や、フェラル側面中央部が膨らんでいる
、所謂そろばん玉型であることが推奨される。
また、通常のユニオン継ぎ手において、ダブル食い込みタイプのフェラルが使用される
ことも多いが、本鋼線固定具におけるフェラルとして2個1対となるダブル食い込みタイ
プのフェラルを使用することも推奨でき、この場合にはより強固に鋼線を固定することが
できる。これに加えて、フェラルの代わりに、O−リングを用いることも推奨される。
このようなフェラルまたはO−リングの内径については、使用する鋼線を通すことが可
能な径の大きさであることが必須であるが、余りに内径が大きいと、ユニオンの貫通孔に
鋼線を挿入した際にできる、貫通孔内壁面(特にナット接触側端部)と鋼線との間にでき
る空間へ、当該フェラルやO−リングが実質的に食い込むことができなくなり、有効に鋼
線を固定することが困難となる。
従って、フェラルやO−リングの内径としては、鋼線を通すことができる程度の径の大
きさであることが好ましい。但し、あまりに鋼線に比して大きければ、鋼線を締め込み、
固定することが実質的に不可能となる恐れが生じる。また、フェラルやO−リングの素材
として可撓性材質(たとえば、バイトンやシリコーン)である場合、その内径は鋼線の外
径よりも若干小さいことが好ましい。この場合には、O−リングを拡げ、挟みながら、鋼
線に取り付け、その後、袋ナットで押さえこむことで、鋼線は効果的に固定される。
さらに、前記フェラルやO−リングの最大外径については、前記したユニオンのナット
装着部端面に位置する、貫通孔端部の内径(2段型孔の場合は端部の大きい孔径、テーパ
ー状に面取りされた場合はテーパーの開口部である径)よりも大きくいことが好ましい。
特に、中空型円錐台柱型や算盤玉型のフェラルでは、最大外径がユニオン貫通孔端部内
径よりも小さいと、固定時に袋ナットでの締め付けが有効にできない恐れがあるためであ
る。この際、使用するフェラルの厚み幅(外径と内径の差ではなく、所謂、高さ幅)が大
きく、たとえば前記したようにユニオンボルト孔開口部の構造が2段ないしはテーパー状
の場合は、ユニオン貫通孔開口部の内径の最大径より小さくても差し支えない。ただし、
フェラルやO−リングの最大径がユニオン貫通孔の最小径より小さいことは好ましくない

また、前記フェラルやO−リングの最大外径は、前記ボルト型ユニオンのオスネジ部の
外径及び袋ナットネジ部の内径の大きさよりも小さくすることが推奨される。これは、フ
ェラルの材質が金属などの硬いものであれば、実質的に袋ナットのよるねじ込みができな
くなり、またバイトンやシリコーンである場合、ユニオンや袋ナットのネジ部が金属材質
であると、フェラルやO−リングをネジ切るおそれがあるためである。
また、第四及び第五の例での鋼線固定具のユニオン部、ナット部の材質については、前
記した鋼線の材質と同様に、金属類である鋼などの鉄、銅(ただし銅の場合には強度(硬
度)を持たせるために焼きなまししたものが好ましい。)、ステンレス合金、チタン、チ
タン合金などが例示され、高強度樹脂なども例示されるが、腐食性、強度、脆性、生体親
和性などの観点から、ステンレス合金、チタン合金などが好ましい材質として推奨される
。また、パーフルオロポリエチレンなどのフッ素系の樹脂(商品名テフロン:登録商標)
や硬質の樹脂を用いることも推奨される。
また、フェラルやO−リングなどの材質に関しては、前記した金属材料や硬質樹脂に加
えて前記したような、バイトンやシリコーン樹脂といった可撓性樹脂を用いることも可能
である。このとき、前記した金属材料をフェラルやO−リングの材質とした場合、袋ナッ
トにより、ユニオン部へ大きな力で締め付け鋼線を固定すると、フェラルやO−リングが
鋼線に強力に密着し、一体化し、鋼線から外すことができなくなることが場合によっては
生じる。
このように、治療終了後、本発明の骨折治療用内固定器を患者から取り外す際に、鋼線
にフェラルやO−リングが密着し外すことができないときには、前記のフェラルやO−リ
ングの形状や大きさであると、実質的に袋ナット部は除去することができてもユニオン部
の貫通孔をフェラルが通過できない事態が生じる恐れが大きい。
鋼線からフェラルやO−リングが外せない場合には、ユニオン部の貫通孔を通して、鋼
線を取り除くことができない。このような場合には、フェラルやO−リングを切断などに
より除去する、もしくはフェラル密着部とユニオン部との間若しくはユニオン頭部と骨と
の間で鋼線を切断する必要がある。実質的に鋼線を前記部分で切断することは非常に困難
であり、フェラルやO−リングを除去することが好ましい。
フェラルの材質が上記した金属材料である場合には、切断などの破壊は困難である。こ
ういった場合には、フェラルの材質をテフロン(登録商標)(一般名:パーフルオロポリ
エチレン)や一般名バイトン、シリコーン樹脂といった可撓性樹脂材質とし、カッターナ
イフなどの刃物により切断可能な材質を選択することが好ましい。ただし、フェラルの場
合には、バイトン材質やシリコーン材質については、軟質ではなく硬質のものが好ましい

第四及び第五の例における鋼線固定具に用いる袋ナットは、前記ユニオンのボルト部に
ねじ込むナットであり、ボルト部先端面及びフェラルまたはO−リングを覆うように、蓋
面を有している。
該蓋面には、該ナットをユニオンにネジ込み、装着した際にユニオンに設けられた貫通
孔と同心円等となる位置、つまりは直線棒状の鋼線がユニオンの孔を貫通し、且つ、袋ナ
ットの穴を貫通することができるように貫通孔が設けられている。この際に、該貫通孔の
大きさは、前記する鋼線が貫通可能な大きさであることが要求される。さらに、ユニオン
と共に装着するフェラルの最大外径よりは小さい径である。
この範囲の規格であれば、鋼線、鋼線が貫通した鋼線保持具及び鋼線を貫通させた鋼線
固定具のユニオン部を装着し、さらに鋼線を通してユニオン部のボルト部分の端面に装着
したフェラルを該袋ナットで締め込み、袋ナットの袋ナット蓋内面により、ユニオン部の
ボルト部分の内面と鋼線との間に形成する隙間にフェラルを押し込み、食い込ませること
により、鋼線と鋼線固定具との固定が達成される。
また、第六の例として、前記鋼線外周には、軸方向に沿って雄ネジ部が設けられ、前記
鋼線固定具は、前記雄ネジ部に螺合されるナットを有し、前記ナットの螺合により前記鋼
線の端部が該ナットにより固定されることを特徴とする。この例では、ナットの雌ネジ部
に鋼線の雄ネジ部が噛み合うことで、鋼線の端部がナットにより固定される。このとき、
鋼線に設けられた雄ネジは、鋼線全体に設けてもよいし、ナットが螺合される部分を中心
にその前後に亘る部分にみに設けても差し支えない。
従って、ナット自体が本発明でいう鋼線固定具となり得る。この場合、対象となる骨部
位によっては、太い鋼線を使用できない場合があり、細い鋼線を雄ネジにネジ切りするこ
とは、鋼線の耐久性や加工上の問題が生じる恐れがある。この際に、ナットと保持具との
間にナットを更に使用することも、締め付けの効果を大きくし得るために推奨される。
要するに、本発明の骨折治療用内固定器では、治療対象部位に対し、鋼線が骨折部位を
跨ぐように貫通され、鋼線の端部を保持する鋼線保持具が治療対象部位の骨折部位を挟む
箇所に固定され、鋼線固定具により鋼線保持具上で鋼線の端部が固定される。
また、鋼線が治療対象部位に対し骨折部位を跨ぐように貫通されることから、切開は治
療対象部位の骨折部位を挟む箇所に固定される鋼線保持具の大きさ程度であればよいこと
になる。
これに加えて、前記した鋼線固定具のうち、第一の例及び第六の例については、ナット
と共に、ワッシャー(座金)を併用することで、よりボルト部分とナット部分の締め付け
を良くし、ナットの緩みを防止する等の効果により固定する効果が得られることも期待で
きる。また、本発明における鋼線固定具においてナットが使用される場合には、ナットを
2個使用する、ダブルナット押さえを行うことでも、ナットの緩みを防止することに効果
をもたらす。
本発明の骨折治療用内固定器によれば、治療対象部位に対し、鋼線が骨折部位を跨ぐように貫通され、鋼線の端部を保持する鋼線保持具が治療対象部位の骨折部位を挟む箇所に固定され、鋼線固定具により鋼線保持具上で鋼線の端部が固定されるようにしたので、骨粗鬆症が高度で、骨がぜい弱な高齢者においても、バックアウト現象を確実に防止することができ、しかも手術創を小さくすることができる。
本発明の骨折治療用内固定器の第1実施形態(前記の鋼線固定具の第一の例の具体的例)を説明するための斜視図である。 図1の骨折治療用内固定器を示す側面図である。 図1の骨折治療用内固定器のステープラーを示す斜視図である。 図3のステープラーの楔部の各種形状について説明するための図である。 図1の骨折治療用内固定器の鋼線固定具(ネジセット)を説明するための平面図である。 図1の骨折治療用内固定器の鋼線固定具の構成を変えた場合の第2実施形態(前記の鋼線固定具の第一の例の具体的例におけるナットの外形を小さくしたものを用いた一例)を説明するための図であって、同図(a)は骨折治療用内固定器を側面から見た状態を示す図であり、同図(b)は同図(a)の骨折治療用内固定器を右方向から見た状態を示す図である。 図6の鋼線固定具(ネジセット)を説明するための図であって、同図(a)はネジセットを示す平面図である。 図1の骨折治療用内固定器の構成を変えた場合の第3実施形態(前記の鋼線固定具の第二の例の具体的例)を説明するための図であって、同図(a)は骨折治療用内固定器を側面から見た状態を示す図であり、同図(b)は同図(a)の骨折治療用内固定器を右方向から見た状態を示す図である。 図8の鋼線固定具(ネジセット)の作用を説明するための図であって、同図(a)はナットがボルトに螺合される前の状態を示す図であり、同図(b)はナットがボルトに螺合された状態を示す図である。 図1の骨折治療用内固定器の構成を変えた場合の第4実施形態(前記の鋼線固定具の第三の例の具体的例)を説明するための図であって、同図(a)は骨折治療用内固定器を側面から見た状態を示す図であり、同図(b)は同図(a)の骨折治療用内固定器を正面から見た状態を示す図であり、同図(c)は骨折治療用内固定器を真上から見た状態を示す図である。 図10の鋼線固定具(ネジセット)の作用を説明するための図であって、同図(a)はナットがボルトに螺合される前の状態を示す図であり、同図(b)はナットがボルトに螺合された状態を示す図である。 図1の骨折治療用内固定器の鋼線固定器具の構成を変えた場合の第5実施形態(前記の鋼線固定具の第四の例の具体的例)を説明するための図であって、同図(a)は骨折治療用内固定器の鋼線固定具(袋ナットスリーブセット)の袋ナットの平面図であり、同図(b)は同図(a)の袋ナットの側面図であり、同図(c)はフェラルの平面図であり、同図(d)は同図(c)のフェラルの側面図であり、同図(e)はスリーブの平面図であり、同図(f)は同図(e)のスリーブの側面図である。 図12の鋼線固定具(袋ナットスリーブセット)の作用を説明するための図であって、同図(a)はステープラーに鋼線固定具(袋ナットスリーブセット)による鋼線の固定前の状態を示す図であり、同図(b)はスリーブに鋼線を通した状態を示す図であり、同図(c)はスリーブにフェラルを取り付けた状態を示す図であり、同図(d)はスリーブに袋ナットを取り付けた状態を示す図であり、同図(e)は鋼線を固定した状態を示す図である。 図12の鋼線固定具(袋ナットスリーブセット)の改良点を説明するための図であって、同図(a)は鋼線を固定した状態を示す図であり、同図(b)はフェラルの作用を説明するための図である。 図12の鋼線固定具(袋ナットスリーブセット)の改良点を説明するための図であって、同図(a)は鋼線を固定した状態を示す図であり、同図(b)はフェラルの作用を説明するための図であり、同図(c)は鋼線の固定が解かれた状態を示す図である。 図12の骨折治療用内固定器の鋼線固定器具(袋ナットスリーブセット)の構成を変えた場合の第6実施形態(前記の鋼線固定具の第五の例の具体的例)を説明するための図であって、同図(a)はユニオンタイプのスリーブを用いた場合の鋼線固定具を示す図であり、同図(b)はユニオンタイプのスリーブを用いた場合の鋼線固定具により鋼線を固定した状態を示す図である。 図1の骨折治療用内固定器の鋼線固定具の構成を変えた場合の第7実施形態(前記の鋼線固定具の第六の例の具体的例)を説明するための図であって、同図(a)はナットが鋼線の端部に螺合される前の状態を示す図であり、同図(b)はナットが鋼線の端部に螺合された状態を示す図である。 第1、第2及び第7実施形態に使用するワッシャー(座金)の一例を示す図である。 従来の骨折治療用内固定器の一例(テンションバンドワイヤリング法)を説明するための図である。
本発明の実施形態においては、膝蓋骨骨折治療を例にとり、様々な鋼線固定具を用いた場合で説明する。なお、鋼線としては各実施形態においてキルシュナー鋼線を使用するものとする。また、鋼線保持具としては、図3に示すステープラーを使用するものとする。ただし、第7実施形態において用いるキルシュナー鋼線は、両端部もしくは、全体が雄ネジ形状となった鋼線を用いている。
(第1実施形態)
以下、本発明の骨折治療用内固定器の第1実施形態(前記の鋼線固定具の第一の例の具体的例)を、図1〜図5を参照しながら説明する。なお、以下に説明する治療対象は、たとえば膝蓋骨であるものとする。まず、図1及び図2に示すように、第1実施形態での骨折治療用内固定器(以下、内固定器という)は、骨接合用のステープラー10、キルシュナー鋼線20、バックアウト現象防止用のネジセット30を備えている。なお、図1及び図2において、符号40は膝蓋骨を示し、符号40aは一方の骨片を示し、符号40bは他方の骨片を示し、符号40cは亀裂部を示している。
ステープラー10は、キルシュナー鋼線20の端部を保持し、膝蓋骨40の亀裂部40cを接合するためのものであって、たとえば図3に示すように、コ字形状をなしている。すなわち、ステープラー10は、基板部11と楔部12とを有している。楔部12は、基板部11の両端部から基板部11の長手方向に対し直交する方向に平行に延設されている。
基板部11は、治療対象により異なるが、膝蓋骨40を例とすれば、長さが1〜10cm程度であり、好ましくは1.5〜5cm程度であればよい。また、基板部11の幅は、0.3〜2cm程度であり、好ましくは0.5〜1.5cm程度であればよい。また、基板部11の厚みは、0.1〜1.0cm程度であり、好ましくは0.2〜0.7cm程度であればよい。特に、基板部11の厚みにおいては、薄すぎると保持力が弱くなって撓むことがある。逆に、厚すぎると患者が違和感を覚えることがある。よって、治療の状況に応じて適宜、基板部11の厚みを選定すればよい。
また、基板部11の中心部分には、楔部12の延設方向に向いた貫通孔13が形成されている。貫通孔13の径は、キルシュナー鋼線20を貫通させることができる大きさとされている。なお、貫通孔13の径においては、キルシュナー鋼線20の径の0.5〜50%増程度であり、好ましくは1〜25%増程度であればよい。
楔部12は、骨に充分に食い込み、ズレや外れなどを生じることなく確実な固定ができる長さとなっている。すなわち、楔部12の長さは、0.5〜4cm程度であり、好ましくは1〜3cm程度であればよい。
楔部12については、たとえば図4に示すような様々な形状とすることができる。なお、図4(a)、(c)、(e)は、いずれも様々な形状の楔部12を正面から見た状態を示している。また、図4(b)、(d)、(f)は、それぞれの楔部12を側面から見た状態を示している。
まず、図4(a)(b)に示す楔部12は、側面が矩形状とされているが、正面は先端に向けて両辺の間隔が狭くなる先細りの形状とされている。また、図4(c)(d)に示す楔部12は、側面が矩形状とされているが、正面は先端に向けて一辺の間隔が狭くなる先細りの形状とされている。また、図4(e)(f)に示す楔部12は、側面と正面の形状が共に両辺の間隔が狭くなる先細りの形状とされている。このように、いずれの楔部12であっても、先端が先細りの形状となることから、骨に対する食い込みが充分かつ確実なものとなる。
また、上述したキルシュナー鋼線20は、径が最大で2mm程度とされている。鋼線固定具であるネジセット30は、キルシュナー鋼線20による張力の低下やキルシュナー鋼線20の位置ズレなどのバックアウト現象を防止するためのものであって、たとえば図5に示すように、六角形状のボルト31及びナット32を有している。ボルト31は、頭部31aとネジ部31bとを有している。また、ネジ部31bの頭部31a側に寄った位置には貫通孔31cが形成されている。この貫通孔31cの径は、上述したステープラー10の基板部11の貫通孔13の径と同程度とされている。また、貫通孔31cは、ボルト31の頭部31aの端面31dに対し、直交する方向に形成されている。
なお、ナット32には、ボルト31のネジ部31bに螺合される雌ネジ部(図示省略)が形成されている。また、ボルト31の頭部31aの径とナット32の径は、共に同じ(同規格)とされている。そして、ネジ部31bの貫通孔31cに貫通されたキルシュナー鋼線20は、ナット32のボルト31のネジ部31bへの螺合(挟み込みによる締め付け)により、ナット32とボルト31の頭部31aとの間で固定されるようになっている。
次に、以上のような構成の内固定器による治療について説明する。なお、以下の説明においては、ステープラー10の基板部11の長さが2cm程度のものである場合とする。まず、図1及び図2に示す膝蓋骨40の上下部分を横に切開する。すなわち、膝蓋骨40の一方の骨片40aの上部と他方の骨片40bの下部とを、それぞれ膝蓋骨40の亀裂部40cに沿って平行に切開することになる。この場合の膝蓋骨40の上下部分でのそれぞれの切開幅は、ステープラー10の基板部11の長さ程度であればよく、2cm程度となる。
次に、膝蓋骨40の亀裂部40cの亀裂方向に対して直交するように、一方の骨片40aの端部(上部)から他方の骨片40bの端部(下部)に向け、1本のキルシュナー鋼線20を貫通させる。この場合、キルシュナー鋼線20の一端部20a又は他端部20bに回転治具(回転ドリル形式)を取り付け、キルシュナー鋼線20を回転させて貫通させる。なお、キルシュナー鋼線20の貫通方向に際しては、他方の骨片40bの端部(下部)から一方の骨片40aの端部(上部)に向けるようにしてもよい。いずれにしても、治療の状況に応じて行えばよい。なお、キルシュナー鋼線20の貫通などにおいては、通常のテンションバンドワイアリング法における手法と同様である。
次に、キルシュナー鋼線20の他端部20b側をステープラー10の基板部11の貫通孔13に通す。この場合、ステープラー10の楔部12の先端側を膝蓋骨40の側に向けるようにする。また、ステープラー10の楔部12を他方の骨片40bに接触させる。この状態で、押圧可能な治具(ハンマーなど)によりステープラー10を他方の骨片40bに押し込み、食い込ませる。
次に、ネジセット30のボルト31のネジ部31bに形成されている貫通孔31cにキルシュナー鋼線20の他端部20b側を通し、ボルト31のネジ部31bにナット32を螺合する。そして、ナット32を締め込むと、キルシュナー鋼線20の他端部20b側がナット32とボルト31の頭部31aとの間で固定される。
ここで、貫通孔31cは、上述したように、ボルト31の頭部31aの端面31dに対し、直交する方向に形成されている。そのため、キルシュナー鋼線20の他端部20b側が固定されるとき、その端面31dがステープラー10の基板部11と対峙する。この状態で、ネジセット30から露出するキルシュナー鋼線20の他端部20b側の余分な部分を切断する。ただし、キルシュナー鋼線20の余分な部分の切断に際しては、キルシュナー鋼線20の両端部がネジセット30によって固定された後に行ってもよい。
次に、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を上記同様に、ステープラー10の基板部11の貫通孔13に通す。この場合、上記同様に、ステープラー10の楔部12の先端側を膝蓋骨40の側に向けるようにする。また、ステープラー10の楔部12を一方の骨片40aに接触させる。この状態で、上記同様に、押圧可能な治具(ハンマーなど)によりステープラー10を一方の骨片40aに押し込み、食い込ませる。
次に、上記同様に、ネジセット30のボルト31のネジ部31bに形成されている貫通孔31cにキルシュナー鋼線20の一端部20a側を通し、ボルト31のネジ部31bにナット32を螺合する。このとき、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を強く引っ張り、膝蓋骨40の亀裂部40cを密着させる。ただし、亀裂部40cの密着の程度等は、その引っ張り具合等を調節することにより調節可能であることから、引っ張りの程度は適宜所望の感覚になるように行って差し支えない。
ここで、貫通孔31cは、上述したように、ボルト31の頭部31aの端面31dに対し、直交する方向に形成されている。そのため、ボルト31のネジ部31bにナット32を螺合するとき、ボルト31の頭部31aの端面31dをステープラー10の基板部11に対峙させた状態で行うことができ、ナット32の締め込みを安定して行える。そして、キルシュナー鋼線20の他端部20b側を固定した後、ネジセット30から露出するキルシュナー鋼線20の他端部20b側の余分な部分を切断する。
これにより、キルシュナー鋼線20による張力の低下やキルシュナー鋼線20の位置ズレなどのバックアウト現象を防止することができる。このとき、ボルト31の頭部31aとナット32との間に、図18(a)に示す円形のワッシャー33又は図18(b)に示すねじれ円形のワッシャー34等のワッシャー類を介在させるようにしてもよい。これにより、キルシュナー鋼線20の締め付けによる固定を効率的に行うことができる。また、これにより、ボルト31とナット32との間での間隔が狭まり、キルシュナー鋼線20の締め付けの効果を増大させることが期待できる。
このように、第1実施形態では、治療対象部位(膝蓋骨40)に対し、鋼線(キルシュナー鋼線20)が骨折部位(亀裂部40c)を跨ぐように貫通され、鋼線(キルシュナー鋼線20)の端部(一端部20a、他端部20b)を保持する鋼線保持具(ステープラー10)が治療対象部位(膝蓋骨40)の骨折部位(亀裂部40c)を挟む箇所に固定され、鋼線固定具(ネジセット30)により鋼線保持具(ステープラー10)上で鋼線(キルシュナー鋼線20)の端部(一端部20a、他端部20b)が固定されるようにした。
具体的には、ステープラー10は、キルシュナー鋼線20を貫通させる第1の貫通孔(貫通孔13)が形成された基板部11と、該基板部11に貫通孔13の向きに沿って延設され、治療対象部位(膝蓋骨40)に対し食い込み可能とされた楔部12とを有している。
また、ネジセット30は、ネジ部31b及び頭部31aを有するボルト31と、ネジ部31bに螺合されるナット32とを有し、ネジ部31bにはキルシュナー鋼線20を貫通させる第2の貫通孔(31c)がネジ部31bの軸方向に対して直交するように形成され、ナット32の螺合によりキルシュナー鋼線20の端部(一端部20a、他端部20b)がナット32とボルト31の頭部31aとの間で固定されるようにしている。また、第2の貫通孔(31c)は、加工上可能な範囲で頭部31aに寄った位置に設けている。
以上のように、キルシュナー鋼線20の端部(一端部20a、他端部20b)は、鋼線保持具(ステープラー10)上において、ネジセット30のナット32とボルト31の頭部31aとの間で固定されるため、キルシュナー鋼線20による張力の低下やキルシュナー鋼線20の位置ズレなどのバックアウト現象を確実に防止することができる。
また、キルシュナー鋼線20は治療対象部位(膝蓋骨40)に対し骨折部位(亀裂部40c)を跨ぐように貫通されることから、切開は治療対象部位(膝蓋骨40)の骨折部位(亀裂部40c)を挟む箇所に固定されるステープラー10の大きさ程度であればよいことになる。すなわち、上述したように、膝蓋骨40の一方の骨片40aの上部と他方の骨片40bの下部とを、それぞれ膝蓋骨40の亀裂部40cに沿って平行に切開することになる。この場合の膝蓋骨40の上下部分でのそれぞれの切開幅は、ステープラー10の基板部11の長さ程度であればよい。ちなみに、ステープラー10の基板部11の長さが2cm程度であれば、その切開幅は2cm程度でよいことになる。よって、2cm程度の切開が膝蓋骨40の上下部分にて行われることから、手術創を小さくすることができ、美容的に優れたものとなる。
また、第1実施形態での内固定器は、ステープラー10、キルシュナー鋼線20、ネジセット30で構成されるため、構成が簡素であり、安価に製造することが可能となる。また、構成が簡素であることから、従来でのワイヤーのカットアウトやバックアウトなどのリスクが大きくなっていた骨粗鬆症の強い患者に対しても、リスク低減が可能となる。また、粉砕状の骨折や膝蓋骨下極の骨折に対しては、従来ではテンションバンドワイアリング法やスクリュー固定法などが用いられていたが、いずれも確実な固定力を得ることは困難である。この場合も、第1実施形態での構成が簡素な内固定器を使用することで、確実な固定力を得ることが可能となる。
なお、第1実施形態でのネジセット30は、共に同じ規格の六角形状のボルト31及びナット32を有している。そのため、特に、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を強く引っ張り、膝蓋骨40の亀裂部40cを密着させた状態で、ボルト31のネジ部31bにナット32を螺合する際、ステープラー10の基板部11との間にナット32の回転スペースが必要となる。この場合、キルシュナー鋼線20の一端部20a側をネジセット30によって固定すると、ネジセット30とステープラー10の基板部11との間に所定の隙間が生じることになる。
ただし、このような隙間は、厳密に0とする必要はなく、1cm程度であっても治療に問題は生じていない。逆に、その隙間を0とした場合であっても、特段の問題も生じない。その隙間を0とした場合の構成については以下に説明する。
(第2実施形態)
次に、図6及び図7を参照し、上述の隙間を無くすようにした場合の第2実施形態(前記の鋼線固定具の第一の例の具体的例)について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態での鋼線固定具の構成を変えた場合を説明するものであって、ナット32の外径の大きさが、ボルト31の頭部31aの外径の大きさより小さくなっている。また、図6(a)は内固定器を側面から見た状態を示し、図6(b)は図6(a)の内固定器を右方向から見た状態を示している。また、以下に説明する図において、図1〜図5と共通する部分には同一符号を付し重複する説明は適宜行うものとする。
まず、図6(a)(b)から分かる通り、鋼線固定具であるネジセット30のナット32の径はボルト31の径より小さくされている。また、図7(a)に示すように、ボルト31のネジ部31bに形成されている貫通孔31cは、上記同様に、ボルト31の頭部31aの端面31dに対し、直交する方向に形成されている。
このような構成の内固定器では、図1及び図2で説明したように、1本のキルシュナー鋼線20を膝蓋骨40貫通させた後、キルシュナー鋼線20の他端部20b側をステープラー10の基板部11の貫通孔13に通す。この状態で、上記第1実施形態と同様に、押圧可能な治具(ハンマーなど)によりステープラー10を他方の骨片40bに押し込み、食い込ませる。
次に、ネジセット30のボルト31のネジ部31bに形成されている貫通孔31cにキルシュナー鋼線20の他端部20b側を通し、ボルト31のネジ部31bにナット32を螺合する。このとき、ボルト31のネジ部31bに形成されている貫通孔31cは、ボルト31の頭部31aの端面31dに対し、直交する方向に形成されている。また、ナット32の径はボルト31の径より小さくされている。そのため、ボルト31の頭部31aの端面31dをステープラー10の基板部11に当接させた状態であっても、ステープラー10の基板部11との間にナット32の回転スペースが確保される。
そして、キルシュナー鋼線20の他端部20b側をナット32とボルト31の頭部31aとの間で固定した後、上記同様に、ネジセット30から露出するキルシュナー鋼線20の他端部20b側の余分な部分を切断する。ただし、キルシュナー鋼線20の余分な部分の切断に際しては、上記同様に、キルシュナー鋼線20の両端部がネジセット30によって固定された後に行ってもよい。
次に、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を上記同様に、ステープラー10の基板部11の貫通孔13に通す。この状態で、上記同様に、押圧可能な治具(ハンマーなど)によりステープラー10を一方の骨片40aに押し込み、食い込ませる。
次に、ネジセット30のボルト31のネジ部31bに形成されている貫通孔31cにキルシュナー鋼線20の一端部20a側を通し、ボルト31のネジ部31bにナット32を螺合する。そして、上記同様に、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を強く引っ張り、膝蓋骨40の亀裂部40cを密着させた状態で、ボルト31のネジ部31bにナット32を螺合する。
ここで、上述したように、ボルト31のネジ部31bに形成されている貫通孔31cは、ボルト31の頭部31aの端面31dに対し、直交する方向に形成されている。また、ナット32の径はボルト31の径より小さくされている。そのため、ボルト31の頭部31aの端面31dをステープラー10の基板部11に当接させた状態であっても、上記同様に、ステープラー10の基板部11との間にナット32の回転スペースが確保される。これにより、ステープラー10の基盤部11とボルト31の頭部31aの端面31dとを密着させて固定させることができる。
また、これにより、ボルト31の頭部31aの端面31dをステープラー10の基板部11に当接させた状態でキルシュナー鋼線20の一端部20a側を引っ張りつつ、ナット32とボルト31の頭部31aとの間で固定することができる。この場合、基板部11との間の隙間を無くしつつ、キルシュナー鋼線20による張力の低下やキルシュナー鋼線20の位置ズレなどのバックアウト現象を防止することができる。また、第1実施形態と同様に、亀裂部40cの間隔の調整につながる、ステープラー10の基盤部11とボルト31の頭部31aの端面31dとの間隔は適宜調整してもよい。そして、ネジセット30から露出するキルシュナー鋼線20の一端部20a側の余分な部分を切断する。
ここで、ネジセット30のナット32の径がボルト31の径より小さくされていることで、キルシュナー鋼線20に対する締め付け力の低下が考えられる。この場合は、図18(a)に示す円形のワッシャー33又は図18(b)に示すねじれ円形のワッシャー34等のワッシャー類を介在させるようにしてもよい。これにより、上記同様に、キルシュナー鋼線20の締め付けによる固定を効率的に行うことができる。また、これにより、ボルト31とナット32との間での間隔が狭まり、上記同様に、キルシュナー鋼線20の締め付けの効果を増大させることが期待できる。
このように、第2実施形態では、たとえば図6に示したように、ネジセット30のナット32の径を多角形である六角形状のボルト31の径より小さくしている。併せて、図7(a)に示したように、ボルト31のネジ部31bに形成されている貫通孔31cを、ボルト31の頭部31aの端面31dに対し、直交する方向に形成している。
これにより、ボルト31の頭部31aの端面31dをステープラー10の基板部11に当接させた状態であっても、ステープラー10の基板部11との間にナット32の回転スペースが確保されることから、上述したキルシュナー鋼線20のバックアウト現象の防止などは勿論のこと、ネジセット30とステープラー10の基板部11との間の隙間を無くすことができる。
(第3実施形態)
次に、図8及び図9を参照し、鋼線固定具であるネジセット30のボルト31の形状をさらに変えた場合の第3実施形態(前記の鋼線固定具の第二の例の具体的例)について説明する。第3実施形態は、第2実施形態でのたとえば図7(a)に示すネジセット30のボルト31のネジ部31bの構成を変えた場合を示している。また、図8(a)は内固定器を側面から見た状態を示し、図8(b)は図8(a)の内固定器を右方向から見た状態を示している。
すなわち、図8(a)(b)に示すように、ボルト31のネジ部31eは先端に向けて先細りとなるテーパー形状とされている。一方、ナット32の雌ネジ部(図示省略)は、ボルト31のネジ部31eと同一のピッチの雌ネジとなっている。そして、ナット32をボルト31のネジ部31eに螺合すると、ナット32がボルト31のネジ部31eに沿って頭部31a側に前進できるようになっている。また、ナット32がボルト31のネジ部31e上を前進しやすいように、ナット32の雌ネジ部(図示省略)をボルト31のネジ部31eのテーパー形状と同様なテーパー形状としてもよい。
また、ネジ部31eの中心部には、先端からボルト31の頭部31aにかけて切り欠かれた溝31fが形成されている。言い換えれば、溝31fは、ボルト31のネジ部31eの軸方向に沿ってネジ部31eが2分割されることで、一文字状の構成をなしている。また、溝31fは、図9(a)に示すように、先端からボルト31の頭部31aに向けて漸次幅が狭まるテーパー形状とされている。つまり、溝31fの先端側はキルシュナー鋼線20の径より若干広めに形成され、溝31fの後端側(ボルト31の頭部31aに寄った側)はキルシュナー鋼線20の径より若干狭く形成されている。これにより、溝31fに対するキルシュナー鋼線20の嵌め込みが容易となっているとともに、溝31fの後端側ではキルシュナー鋼線20の仮止めを行うことができるようになっている。
また、図8から分かる通り、上記同様に、ネジセット30のナット32の外径はボルト31の頭部31aの外径より小さくされている。この場合、第2実施形態と同様に、ボルト31の頭部31aの端面31dをステープラー10の基板部11に当接させた状態であっても、ステープラー10の基板部11との間にナット32の回転スペースが確保される。
これにより、キルシュナー鋼線20のバックアウト現象の防止は勿論のこと、ネジセット30とステープラー10の基板部11との間の隙間を無くすことができる。なお、溝31fにあっては、一文字状に限らず、十文字状であってもよい。この場合、最低一つの溝31fは、上述したように、ボルト31の頭部31aの端面31dに対し、直交する方向に形成されていればよい。
このような構成の内固定器では、図9(a)に示すように、ボルト31の頭部31aに形成されている溝31fにキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を嵌め込む。このとき、溝31fの先端側はキルシュナー鋼線20の径より若干広めに形成されているため、溝31fに対するキルシュナー鋼線20の嵌め込みを容易に行える。また、溝31fの後端側(ボルト31の頭部31aに寄った側)はキルシュナー鋼線20の径より若干狭く形成されているため、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)を掴みつつボルト31をキルシュナー鋼線20側に押し込むと、溝31fの後端側でキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)が仮止めされる。ここで、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)が仮止めされることで、ボルト31とキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側との位置ズレなどを回避することができる。
また、ナット32の径はボルト31の径より小さくされている。そのため、上記同様に、ボルト31の頭部31aの端面31dをステープラー10の基板部11に当接させた状態であっても、ステープラー10の基板部11との間にナット32の回転スペースが確保される。(ただし、場合によっては、ネジセット30のナット32の外径とボルト31の頭部31aの外径とは同一であってもよい。
ナット32の径はボルト31の径より小さい状態で、ボルト31のネジ部31eにナット32を螺合すると、ナット32は回転しボルト31のネジ部31e上をボルト31の頭部31aの方向に向かって前進する。これにより、図9(a)に示すように、ネジ部31eに対し、実線矢印方向に締め付け力が作用し、溝31fの先端側の隙間が徐々に狭められる。そして、図9(b)に示すように、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)がボルト31のネジ部31eの溝31fにより固定される。なお、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を固定する場合は、上記同様に、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を強く引っ張り、膝蓋骨40の亀裂部40cを密着させた状態で、ボルト31のネジ部31bにナット32を螺合する。この場合、上記同様に、亀裂部40cの密着の程度等は、その引っ張り具合等を調節することにより調節可能であることから、引っ張りの程度は適宜所望の感覚になるように行って差し支えない。
これにより、上記同様に、キルシュナー鋼線20による張力の低下やキルシュナー鋼線20の位置ズレなどのバックアウト現象を防止することができる。そして、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側をボルト31のネジ部31eの溝31fにより固定した後、ネジセット30から露出するキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側の余分な部分を切断する。
このように、第3実施形態では、ボルト31のネジ部31eは先端に向けて先細りとなるテーパー形状とされ、該ネジ部31eの中心部には先端から頭部31aにかけて切り欠かれた溝31fが形成され、ナット32の螺合により、溝31fに嵌め込まれたキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)が溝31f内で固定されるようにしたので、キルシュナー鋼線20の上述したバックアウト現象の防止などは勿論のこと、上記同様に、ネジセット30とステープラー10の基板部11との間の隙間を無くすことができる。
また、ボルト31のネジ部31eに対するキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側の装着は、ネジ部31eへの嵌め込みにより行われるため、治療の時間の短縮に極めて有効なものとなる。
(第4実施形態)
次に、図10及び図11を参照し、鋼線固定具であるネジセット30のボルト31の形状をさらに変えた場合の第4実施形態(前記の鋼線固定具の第三の例の具体的例)について説明する。なお、第4実施形態では、第3実施形態でのネジセット30のボルト31の構成を変えている。また、図10(a)は内固定器を側面から見た状態を示し、図10(b)は内固定器を正面から見た状態を示し、図10(c)は内固定器を真上から見た状態を示している。
すなわち、図10(a)〜(c)に示すように、ボルト31のネジ部31eは第3実施形態での図8及び図9で説明したものと同様に、先端に向けて先細りとなるテーパー形状とされている。また、ネジ部31eの中心部には、図8及び図9で説明したものと同様に、先端からボルト31の頭部31aにかけて切り欠かれた一文字状の溝31fが形成されている。ただし、第4実施形態では、その溝31fに加え、ボルト31の頭部31aに丸孔31gを形成している。
すなわち、ボルト31の頭部31aの中心部分には、ネジ部31eの軸方向に沿った丸孔31gが形成されている。また、その丸孔31gは、溝31fに連通している。また、その丸孔31gは、溝31fと同様に、キルシュナー鋼線20の径より若干広めに形成されている。これにより、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を、ボルト31の頭部31aの丸孔31g及びネジ部31eの溝31fに挿入できるようになっている。なお、溝31fにあっては、上記同様に、一文字状に限らず、十文字状であってもよいが、2分割する一文字状であることが好ましい。十文字状である場合には、溝内面の角を面取りし、平面状となることが好ましい。
また、図10から分かる通り、ネジセット30のナット32の径はボルト31の径より小さくされている。また、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側がボルト31の頭部31aの丸孔31g及びネジ部31eの溝31fに挿入されるため、ボルト31の頂部31hをステープラー10の基板部11に当接させることができる。また、ボルト31の頭部31aの頂部31hをステープラー10の基板部11に当接させた状態で、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側が外部に引き出される構成であるから、ナット32の径はボルト31の径と同程度または大きくても差し支えない。
このような構成の内固定器では、図11(a)に示すように、ステープラー10の基板部11の貫通孔13に通したキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側をボルト31の頭部31aの丸孔31g及びネジ部31eの溝31fに通す。このとき、丸孔31g及び溝31fは、キルシュナー鋼線20の径より若干広めに形成されている。そのため、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を丸孔31g及び溝31fに容易に通すことができる。
そして、丸孔31g及び溝31fに通したキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を第3実施形態と同様のナット32の雌ネジ部(図示省略)に通し、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)を掴みつつナット32をボルト31のネジ部31eに螺合する。このとき、図11(b)に示すように、ネジ部31eに対し、ナット32はボルト31の頭部31aに向かって前進する。これにより、ボルト31の溝31fには、実線矢印方向に締め付け力が作用し、溝31fの先端側の隙間が徐々に狭められる。そして、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)がボルト31のネジ部31eの溝31fの先端側にて挟まれることで固定される。
なお、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を固定する場合は、上記同様に、キルシュナー鋼線20の一端部20a側を強く引っ張り、膝蓋骨40の亀裂部40cを密着させた状態で、ボルト31のネジ部31eにナット32を螺合する。これにより、上記同様に、キルシュナー鋼線20による張力の低下やキルシュナー鋼線20の位置ズレなどのバックアウト現象を防止することができる。そして、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側をボルト31のネジ部31eの溝31fにより固定した後、ネジセット30から露出するキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側の余分な部分を切断する。この場合、上記同様に、亀裂部40cの密着の程度等は、その引っ張り具合等を調節することにより調節可能であることから、引っ張りの程度は適宜所望の感覚になるように行って差し支えない。
このように、第4実施形態では、ボルト31のネジ部31eに、先端からボルト31の頭部31aにかけて切り欠かれた一文字状の溝31fが形成され、さらにネジ部31eの軸方向に沿った丸孔31gがボルト31の頭部31aに形成されている。そして、ボルト31の頭部31aの頂部31hをステープラー10の基板部11に当接させた状態で、ナット32の螺合によりキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)がネジ部31eの溝31fの先端側で固定される。
これにより、上述したキルシュナー鋼線20のバックアウト現象の防止などは勿論のこと、上記同様に、ネジセット30とステープラー10の基板部11との間の隙間を無くすことができる。また、ボルト31の頭部31aの頂部31hがステープラー10の基板部11に当接するため、ステープラー10に対するボルト31の接合がより安定化される。
(第5実施形態)
次に、図12〜図15を参照し、ネジセット30を袋ナットスリーブセットに変えた場合の第5実施形態(前記の鋼線固定具の第四の例の具体的例)について説明する。なお、図12(a)は袋ナットを真上から見た状態を示し、同図(b)はその袋ナットを側面から見た状態を示し、同図(c)はフェラルを真上から見た状態を示し、同図(d)はそのフェラルを側面から見た状態を示し、同図(e)はスリーブを真上から見た状態を示し、同図(f)はそのスリーブを側面から見た状態を示している。
すなわち、第5実施形態での袋ナットスリーブセット30Aは、図12(a)(b)に示す袋ナット36と、同図(b)(c)に示すフェラル37と、同図(e)(f)に示すスリーブ35とを有している。ここで、袋ナット36は、内部にフェラル37の外径より大きい寸法の空間36cを有している。また、空間36cの周囲には雌ネジ部36aが形成されている。また、袋ナット36には、空間36cに連通させた貫通孔36bが形成されている。この貫通孔36bは、頂部36dに対して直交するように形成されている。また、その貫通孔36bは、キルシュナー鋼線20の径より若干広めに形成されている。
フェラル37は、先端部37a側がテーパー形状とされている。また、その先端部37a側は、スリーブ35の後述の貫通孔35dより若干小さくされている。これにより、その先端部37a側をスリーブ35の後述の貫通孔35dに嵌め込むことができるようになっている。また、フェラル37の内部には、貫通孔37bが形成されている。この貫通孔37bは、袋ナット36の貫通孔36bと同程度の大きさとされている。このフェラル37は、たとえば金属製であり、袋ナット36の締め込みにより、キルシュナー鋼線20及びスリーブ35の後述の貫通孔35dに食い込むようになっている。
スリーブ35は、たとえば金属製であり、フランジ部35aと軸部35bとを有している。また、フランジ部35aと軸部35bには、貫通孔35c、35dが形成されている。これらの貫通孔35c、35dは互いに連通している。軸部35bの径は、袋ナット36の空間36cと同程度とされている。また、軸部35bの先端部には、袋ナット36の雌ネジ部36aが螺合されるネジ部35eが形成されている。なお、フランジ部底面はステ−プラー基板と接合し、スリーブとステープラーが一体化していても差し支えない。
このような構成の内固定器では、図13(a)(b)に示すように、ステープラー10の基板部11の貫通孔13に通したキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側をスリーブ35の貫通孔35c、35dに通す。このとき、貫通孔35c、35dは、キルシュナー鋼線20の径より若干広めに形成されている。そのため、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を貫通孔35c、35dに容易に通すことができる。またこのとき、スリーブ35のフランジ部35aをステープラー10の基板部11側に向けるようにする。
次に、図13(c)に示すように、フェラル37のテーパー形状とされている先端部37a側をスリーブ35に向けるとともに、フェラル37の貫通孔37bにキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を通す。この貫通孔37bは、袋ナット36の貫通孔36bと同程度の大きさとされているため、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を貫通孔37bに容易に通すことができる。そして、フェラル37のテーパー形状とされている先端部37a側をスリーブ35の貫通孔35dに嵌め込む。
次に、図13(d)(e)に示すように、袋ナット36の空間36c側をスリーブ35に向けるとともに、その空間36c内にフェラル37を収容しつつスリーブ35の軸部35bのネジ部35eに螺合する。そして、袋ナット36を締め込むことで、フェラル37の先端部37aがキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)とスリーブ35の貫通孔35dに食い込む。これにより、上記同様に、キルシュナー鋼線20による張力の低下やキルシュナー鋼線20の位置ズレなどのバックアウト現象を防止することができる。また、スリーブ35のフランジ部35aをステープラー10の基板部11に当接させた状態で袋ナット36を螺合することができるため、上記同様に、ステープラー10の基板部11との間の隙間を無くすことができる。
ここで、袋ナット36を締め込みによりフェラル37の先端部37aがキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)とスリーブ35の貫通孔35dに食い込んだり、キルシュナー鋼線20に強固に密着固定し外れなくなったりする現象について考察する。すなわち、図14(a)に示すように、スリーブ35のフランジ部35aがステープラー10の基板部11に当接した状態でキルシュナー鋼線20の固定が行われる。
そのため、完治後においては、フェラル37の先端部37aをスリーブ35の貫通孔35dから引き抜くための余裕が無くなるものと考えられ、フェラル37を除去しなければ引き抜くことが困難となる。この場合は、特に、亀裂部40cの間隔を完全密着とし、隙間に余裕がないとき、フェラル37とスリーブ35のフランジ部35aの底面との間に隙間が生じない。そのため、図14(b)の点線矢印で示すように、フェラル37の先端部37aを通る位置での切断が必要となる。ただし、亀裂部40cの間隔等を調整し、隙間が1cm程度生じている場合には、カッターによって該隙間から鋼線を切断することも不可能ではない。
前記のように隙間がない場合には、図14(b)に示したようにフェラル37の先端部37aを通る位置で切断しなければならないが、スリーブ35は強度を維持するために金属製である必要があることから、図14(b)の点線矢印で示す位置での切断は患者への負担などを考慮すると困難となるものと考えられる。この場合は、フェラル37を硬質の樹脂や硬質のパーフルオロエチレン(商品名テフロン:登録商標)などの硬質樹脂製とするか、シリコーン樹脂やバイトンといった可撓性の樹脂製フェラルとすることが推奨される。
そして、図15(a)示す袋ナット36を取り外した後、図15(b)の点線矢印で示す位置でフェラル37をカッターなどで切断し、図15(c)に示すように除去する。なお、フェラル37が硬質シリコーン又はテフロン(登録商標)などの硬質樹脂製であれば、フェラル37を切断後、ピンセットなどでスリーブ35の貫通孔35dから引き抜くことも可能である。
さらには、上記の樹脂であれば、先端が鋭利な発熱体(たとえば、先端が鋭利なはんだごて)によって、フェラル37を溶断、焼き切り等によって切断し、除去することも可能である。このような、フェラル37の切断除去の操作は、1対の鋼線固定具のうち、一方の鋼線固定具のフェラル37を切断除去すれば、キルシュナー鋼線20を抜き取ることができる。また、フェラル37はダブル食い込みタイプのフェラルであっても差し支えなく、更にはフェラルに代えて、O−リングを使用することもできる。
このように、第5実施形態では、鋼線固定具である袋ナットスリーブセット30Aは、外周にネジ部35eを有し、内部に第3の貫通孔(貫通孔35d)を有するスリーブ35と、先端部側がテーパー形状とされ、内部に第4の貫通孔(貫通孔37b)を有し、第3の貫通孔(貫通孔35d)に先端部側が嵌め込まれるフェラル37と、内部にフェラル37を収容可能な空間36cを有し、頂部36dから空間36cに連通させた第5の貫通孔(貫通孔36b)を有する袋ナット36とを有している。そして、スリーブ35のフランジ部35aをステープラー10の基板部11に当接させた状態で袋ナット36を締め込むことにより、フェラル37がキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)とスリーブ35の貫通孔35dに食い込み、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)が固定される。
これにより、キルシュナー鋼線20の上述したバックアウト現象の防止などは勿論のこと、上記同様に、袋ナットスリーブセット30Aとステープラー10の基板部11との間の隙間を無くすことができる。また、スリーブ35のフランジ部35aがステープラー10の基板部11に当接するため、ステープラー10に対するスリーブ35の接合がより安定化される。また、フェラル37がキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)とスリーブ35の貫通孔35dに食い込むため、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)の固定がより強固に行われる。
また、フェラル37が硬質シリコーン又はテフロン(登録商標)などの硬質樹脂製であれば、種々の手段で切断したり、可撓性材質であれば、ピンセットなどでスリーブ35の貫通孔35dまたは鋼線から引き抜いたり、取り外すことも可能であり、完治後においての内固定器の取り外しを容易に行うことができる。
(第6実施形態)
次に、図16を参照し、図12の骨折治療用内固定器の鋼線固定器具(袋ナットスリーブセット)の構成を変えた場合の第6実施形態(前記の鋼線固定具の第五の例の具体的例)について説明する。
すなわち、図16(a)に示すように、第6実施形態での袋ナットスリーブセット30Bは、第5実施形態で説明した袋ナット36とフェラル37とを有している。ただし、第6実施形態でのスリーブ35Aは、フランジ部35aを挟んで上下に延びる軸部35bを有したユニオンタイプとなっている。
このような構成では、図16(b)に示すように、ステープラー10の基板部11の貫通孔13に通したキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を、基板部11側に位置する袋ナット36の貫通孔36bとフェラル37の貫通孔37bに通し、さらにスリーブ35Aの貫通孔35dに通す。ここで、基板部11側に位置する袋ナット36を締め込むことで、上記同様に、キルシュナー鋼線20を固定する。
さらに、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を基板部11側から離れた位置のフェラル37の貫通孔37bと袋ナット36の貫通孔36bに通し、上記同様に、キルシュナー鋼線20を固定する。
なお、キルシュナー鋼線20の固定に際しては、基板部11側から離れた位置の袋ナット36を最初に締め込み、その後に基板部11側に位置する袋ナット36を締め込むようにしてもよい。また、治療完了後に、キルシュナー鋼線20を取り出す方法や鋼線固定具の材質については第5実施形態と同一であることが推奨される。
このように、第6実施形態では、ユニオンタイプのスリーブ35Aにより、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を2箇所で固定することから、第5実施形態に比べてさらにキルシュナー鋼線20の固定をより強固に行うことができる。
(第7実施形態)
次に、図17を参照し、ネジセット30のボルト31を省いた場合の第7実施形態(前記の鋼線固定具の第六の例の具体的例)について説明する。すなわち、図17(a)に示すように、キルシュナー鋼線20の外周には、軸方向に沿って雄ネジ部21が設けられている。なお、雄ネジ部21にあっては、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)のみに設けられているようにしてもよい。ナット32には、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)の雄ネジ部21に螺合される雌ネジ部(図示省略)が形成されている。
このような構成の内固定器では、図17(a)に示すように、ステープラー10の基板部11の貫通孔13にキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側を通す。そして、図17(b)に示すように、その一端部20a(又は他端部20b)の雄ネジ部21にナット32を螺合する。このとき、ナット32の雌ネジ部(図示省略)にキルシュナー鋼線20の雄ネジ部21が噛み合うことで、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)がナット32により固定される。
これにより、上記同様に、キルシュナー鋼線20による張力の低下やキルシュナー鋼線20の位置ズレなどのバックアウト現象を防止することができる。そして、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側をナット32により固定した後、ナット32から露出するキルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)側の余分な部分を切断する。
なお、キルシュナー鋼線20に対する張力は、ナット32の螺合により調整されるため、適切な螺合によりキルシュナー鋼線20を固定することが好ましい。
このように、第7実施形態では、キルシュナー鋼線20の一端部20a(又は他端部20b)の雄ネジ部21にナット32を螺合するようにしているため、上述したボルト31が不要となる。
これにより、上述したキルシュナー鋼線20のバックアウト現象の防止などは勿論のこと、上記同様に、ナット32とステープラー10の基板部11との間の隙間を無くすことができる。また、ナット32がステープラー10の基板部11に当接するため、ステープラー10に対するボルト31の接合がより安定化される。また、上述したボルト31が不要となることで、ボルト31の取り付けに要する時間の短縮も図れる。
なお、以上の各実施形態のうち、第5及び第6の実施形態を除き、一般的なナット32を使用しているが、このようなナット32を使用する場合、さらに同様のナット32を使用するといった、複数のナット32による締め付けを行うことも可能である。このようにすると、締め付けたナット32の緩みを防止する効果があるため、キルシュナー鋼線20の固定を維持するためには効果的な手段となる。
さらに、第1、第2及び第7実施形態においては、前記したように、図18(a)に示した円形のワッシャー33又は図18(b)に示したねじれ円形のワッシャー34等のワッシャー類を介在させることで、キルシュナー鋼線20の固定化に好ましい効果をもたらす。
なお、以上の各実施形態では、治療対象部位を膝蓋骨40とした場合で説明したが、この例に限らず、双方向からの締め付けを要する骨接合部位に応用が可能であり、大腿骨顆部骨折や踵骨骨折などにも応用が可能である。
10 ステープラー
11 基板部
12 楔部
13 貫通孔
20 キルシュナー鋼線
20a 一端部
20b 他端部
30 ネジセット
30A、30B 袋ナットスリーブセット
31 ボルト
31a 頭部
31b ネジ部
31c 貫通孔
31d 端面
31e ネジ部
31f 溝
31g 丸孔
31h 頂部
32 ナット
33、34 ワッシャー
35、35A スリーブ
35a フランジ部
35b 軸部
35c、35d 貫通孔
35e ネジ部
36 袋ナット
36a 雌ネジ部
36b 貫通孔
36c 空間
36d 頂部
37 フェラル
37a 先端部
37b 貫通孔
40 膝蓋骨
40a 一方の骨片
40b 他方の骨片
40c 亀裂部

Claims (13)

  1. 骨折治療に用いる骨折治療用内固定器であって、
    治療対象部位に対し、骨折部位を跨ぐように貫通される鋼線と、
    前記治療対象部位の前記骨折部位を挟む骨の両端箇所に差し込むことで固定され、前記
    鋼線の両端部を保持する一対の鋼線保持具と、
    該鋼線保持具上で前記鋼線の両端部を力学的手段により固定する鋼線固定具とを備え、
    前記鋼線固定具は、
    ネジ部及び頭部を有するボルトと、
    前記ネジ部に螺合されるナットとを有し、
    前記ネジ部には前記鋼線を貫通させる第2の貫通孔が前記ネジ部の軸方向に対して直交するように形成され、
    前記ナットの螺合により前記鋼線の端部が該ナットと前記ボルトの頭部との間で固定される
    ことを特徴とする骨折治療用内固定器。
  2. 前記鋼線保持具は、
    前記鋼線を貫通させる第1の貫通孔が形成された基板部と、
    該基板部に前記第1の貫通孔の向きに沿って具備された楔部とを有し、
    前記楔部が前記治療対象部位に食い込み可能とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の骨折治療用内固定器。
  3. 前記力学的手段が、ネジの作用により鋼線を押圧することであることを特徴とする請求項1又は2に記載の骨折治療用内固定器。
  4. 前記第2の貫通孔は、前記頭部に寄った位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の骨折治療用内固定器。
  5. 前記ボルトは多角形ボルトであり、
    前記ナットの外径は前記ボルトの頭部の外径より小さくされており、
    前記ボルトの頭部の側方端面が前記鋼線保持具の基板部に当接した状態で前記鋼線の端部が固定される
    ことを特徴とする請求項1又は4に記載の骨折治療用内固定器。
  6. 骨折治療に用いる骨折治療用内固定器であって、
    治療対象部位に対し、骨折部位を跨ぐように貫通される鋼線と、
    前記治療対象部位の前記骨折部位を挟む骨の両端箇所に差し込むことで固定され、前記鋼線の両端部を保持する一対の鋼線保持具と、
    該鋼線保持具上で前記鋼線の両端部を力学的手段により固定する鋼線固定具とを備え、
    前記鋼線固定具は、
    ネジ部及び頭部を有するボルトと、
    前記ネジ部に螺合されるナットとを有し、
    前記ボルトは多角形ボルトの形状であり、且つ、
    前記ボルトのネジ部は先端に向けて先細りとなるテーパー形状とされ、且つ、
    該ネジ部の中心部には、ボルトネジ部を分割するように、先端から前記多角形ボルトの
    頭部にかけて切り欠かれた溝が形成され、
    該多角形ボルトへのナットの螺合により、前記溝に嵌め込まれた前記鋼線の端部が、前記溝の幅が狭められ、溝内面により押圧されることで、前記溝内で固定される
    ことを特徴とする骨折治療用内固定器。
  7. 前記鋼線固定具は、
    ネジ部及び頭部を有するボルトと、
    前記ネジ部に螺合されるナットとを有し、
    前記ボルトのネジ部は先端に向けて先細りとなるテーパー形状とされ、
    該ネジ部の中心部には、先端から前記頭部にかけて切り欠かれた溝が形成され、
    前記頭部に前記ネジ部の軸方向に沿いかつ前記溝に連通させた丸孔が形成され、
    前記ボルトの頭部の頂部が前記鋼線保持具の基板部に当接した状態で前記ナットが螺合されることにより、前記溝の内面により押圧されることで、前記鋼線の端部が前記溝の先端側で固定される
    ことを特徴とする請求項6に記載の骨折治療用内固定器。
  8. 骨折治療に用いる骨折治療用内固定器であって、
    治療対象部位に対し、骨折部位を跨ぐように貫通される鋼線と、
    前記治療対象部位の前記骨折部位を挟む骨の両端箇所に差し込むことで固定され、前記鋼線の両端部を保持する一対の鋼線保持具と、
    該鋼線保持具上で前記鋼線の両端部を力学的手段により固定する鋼線固定具とを備え、
    前記鋼線固定具は、
    外周にネジ部を有し、内部に第3の貫通孔を有するスリーブと、
    内部に第4の貫通孔を有し、前記第3の貫通孔と貫通した鋼線との間に形成される隙間に先端部側が嵌め込まれるフェラル又はO−リングと、
    内部に前記フェラル又はO−リングを収容可能な空間を有し、頂部から前記空間に連通させた第5の貫通孔を有する袋ナットとを有し、
    前記袋ナットの締め込みにより、前記フェラル又はO−リングが前記鋼線の端部及び前記第3の貫通孔と鋼線との間で形成される隙間に食い込むことで前記鋼線の端部が固定される
    ことを特徴とする骨折治療用内固定器。
  9. 骨折治療に用いる骨折治療用内固定器であって、
    治療対象部位に対し、骨折部位を跨ぐように貫通される鋼線と、
    前記治療対象部位の前記骨折部位を挟む骨の両端箇所に差し込むことで固定され、前記鋼線の両端部を保持する一対の鋼線保持具と、
    該鋼線保持具上で前記鋼線の両端部を力学的手段により固定する鋼線固定具とを備え、
    前記鋼線固定具は、
    外周にネジ部を有し、内部に第3の貫通孔を有し、フランジを挟んで、両側が雄ネジとなるボルト部を有するユニオンタイプのスリーブと、
    内部に第4の貫通孔を有し、双方のボルト部の端部にある前記第3の貫通孔と貫通した鋼線との間に形成される隙間に先端部側が嵌め込まれる1対のフェラル又はO−リングと、
    内部に前記フェラル又はO−リングを収容可能な空間を有し、頂部から前記空間に連通させた第5の貫通孔を有する1対の袋ナットとを有し、
    前記袋ナットの締め込みにより、前記フェラル又はO−リングが前記鋼線の端部及び前記第3の貫通孔と鋼線との間で形成される隙間に食い込むことで前記鋼線の端部が固定される
    ことを特徴とする骨折治療用内固定器。
  10. 前記フェラル又はO−リングは、硬質樹脂よりなることを特徴とする請求項8又は9に記載の骨折治療用内固定器。
  11. 前記硬質樹脂は、テフロン(登録商標)であることを特徴とする請求項10に記載の骨折治療用内固定器。
  12. 前記フェラル又はO−リングは可撓性の樹脂よりなることを特徴とする請求項8又は9に記載の骨折治療用内固定器。
  13. 前記可撓性の樹脂は、シリコーン樹脂又はバイトン樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の骨折治療用内固定器。
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