以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
[農作業支援システム100の概要]
図1は、農作業支援システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、農作業支援システム100は、管理サーバ110を備える。農作業支援システム100は、農作業ロボット120を備えてもよい。本実施形態において、農作業ロボット120は、ベースユニット130と、移動ユニット132と、撮像ユニット134とを備える。農作業ロボット120は、1又は複数のセンサユニット136を備えてもよい。農作業ロボット120は、1又は複数の農作業ユニット138を備えてもよい。
農作業支援システム100は、情報処理システムの一例であってよい。管理サーバ110は、情報処理システムの一例であってよい。農作業ロボット120は、移動体の一例であってよい。農作業ロボット120は、作業機械又は無人作業機械の一例であってよい。農作業ロボット120は、農業機械の一例であってもよい。
農産物30を生産するためには、土壌のサンプリング、土壌の分析、施肥、畝立、種蒔き又は植え付け、圃場の監視、害虫駆除、除草、間引き又は摘要、追肥、収穫時期の判断、収穫などの作業が発生する。農産物30を生産するための作業は、農作業と称される場合がある。農作業は、作業の一例であってよい。土壌は、農産物30の培地の一例であってよい。
本実施形態において、農作業支援システム100は、1以上の農産物30のそれぞれに関する農作業を管理する。農作業支援システム100は、農作業に従事する作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方を支援してもよい。例えば、農作業支援システム100は、作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方に対して、次にすべき作業の内容を指示することで、作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方を支援する。
[農作業支援システム100における情報処理の概要:情報の収集]
農作業支援システム100の一実施形態によれば、管理サーバ110は、作業者12の作業に関する情報を収集する。作業に関する情報としては、作業の内容に関する情報、作業の対象となる農産物30に関する情報などを例示することができる。管理サーバ110は、農産物30が栽培されている圃場に関する情報を収集してもよい。
管理サーバ110は、圃場、作業用具、作業者12、農作業ロボット120などに配された撮像装置が撮像した画像のデータを、通信ネットワーク10を介して取得することにより、上記の情報を収集してよい。管理サーバ110は、圃場、作業用具、作業者12、農作業ロボット120などに配された各種のセンサの観測データを、通信ネットワーク10を介して取得することにより、上記の情報を収集してよい。上記の画像のデータ及び観測データの少なくとも一方は、通信端末22及び農作業ロボット120の少なくとも一方を介して、管理サーバ110に送信されてよい。
本実施形態において、農作業ロボット120は、自律走行機能を有する。農作業ロボット120は、自己位置推定機能を有してよい。農作業ロボット120は、時刻を示す情報と、自己位置を示す情報とを対応付けて、農作業ロボット120の記憶装置に格納してよい。これにより、農作業ロボット120の移動履歴を記録することができる。農作業ロボット120は、時刻を示す情報と、自己位置を示す情報とを対応付けて、管理サーバ110に送信してもよい。農作業ロボット120は、予め定められた期間ごとに、時刻を示す情報と、自己位置を示す情報とを対応付けて、管理サーバ110に送信してもよい。
時刻を表す単位は、特に限定されない。時刻を表す単位として、目的に応じた任意の単位が使用されてよい。時刻を表す単位としては、ミリ秒、秒、分、時、日などを例示することができる。作業者12及び農作業ロボット120の位置を特定することを目的とする場合、時刻を表す単位として、「分」又はそれよりも短い単位が使用されることが好ましく、「秒」又はそれよりも短い単位が使用されることがより好ましい。農産物30の位置を特定することを目的とする場合、時刻を表す単位として、「日」又はそれよりも短い単位が使用されることが好ましく、「分」又はそれよりも短い単位が使用されることが好ましい。画像の被写体の位置を特定することを目的とする場合、「分」又はそれよりも短い単位が使用されることが好ましく、「秒」又はそれよりも短い単位が使用されることがより好ましい。
位置を表す方法は、特に限定されない。位置は、任意の座標系における座標による空間参照(直接参照と称される場合もある。)により表されてもよく、任意の地理識別子による空間参照(間接参照と称される場合もある。)により表されてもよい。地理識別子としては、(i)住所、(ii)郵便番号、(iii)予め定められた地理的範囲を有する区画(メッシュ又はグリッドと称される場合もある。)に付与された識別子などを例示することができる。上記の区画としては、UTMグリッド、又は、MGRS(Military Grid Reference System)などを例示することができる。位置を示す情報は、基準位置からの高さを示す情報を含んでもよい。基準位置としては、海抜0m地点、圃場を代表する地点などを例示することができる。
農産物30の地理識別子として、当該農産物が生育している株の識別情報が用いられてもよい。任意の記憶装置において、1以上の株のそれぞれの識別情報と、当該株の位置とが、対応付けて格納されていてよい。農産物30の地理識別子として、当該農産物が生育している株の識別情報と、当該株における当該農産物の位置を示す情報とが用いられてもよい。株における農産物の位置を示す情報は、当該株の基準位置と、当該農産物との相対位置を示す情報であってよい。相対位置の精度は、特に限定されない。相対位置は、数値で表されてもよく、株における位置を示す区分により示されてもよい。株における位置を示す区分は、例えば、「上部」、「中央部」、「下部」などである。
自己位置を推定する手法は、特に限定されない。自己位置を推定する手法としては、(i)エンコーダ、慣性センサ、ジャイロセンサなどの農作業ロボット120の内部情報を計測する内界センサを利用して、基準位置からの農作業ロボット120の移動量を積算することで自己位置を推定する手法、(ii)撮像装置、測距装置などの農作業ロボット120の周囲の環境を観測する外界センサを利用して、絶対位置が既知であるランドマークの情報と、外界センサからの情報とに基づいて、自己位置を推定する手法、(iii)GPS信号、無線基地局からの電波などを利用して、自己位置を推定する手法、(iv)これらを組み合わせて自己位置を推定する手法などを例示することができる。
本実施形態において、農作業ロボット120は、例えば、作業中の作業者12の進行方向において、作業者12の後方に位置するように移動する。農作業ロボット120は、作業中の作業者12の進行方向において、作業者12の前方に位置するように移動してもよい。農作業ロボット120は、作業者12との距離を一定に保ちながら、作業者12の前方又は後方を移動してもよい。農作業ロボット120は、作業者12の指示に基づいて、作業者12に近づいたり、作業者12から遠ざかったりしてもよい。作業者12の指示は、音声による指示であってもよく、ジェスチャによる指示であってもよい。
農作業ロボット120は、作業者12の前方又は後方を移動しながら、撮像ユニット134を利用して、作業者12が作業する様子、及び、当該作業の対象物の様子の少なくとも一方を撮像する。農作業ロボット120は、撮像された画像のデータ、又は、当該画像の解析結果を、農作業ロボット120の記憶装置に格納してよい。これにより、作業者12の作業履歴を記録することができる。農作業ロボット120は、撮像された画像のデータ、又は、当該画像の解析結果を、管理サーバ110に送信してよい。画像は、動画像であってもよく、静止画像であってもよい。
一実施形態において、撮像された画像と、当該画像が撮影された時刻とが対応付けられていてもよい。これにより、管理サーバ110は、例えば時刻をキーとして、撮像された画像と、当該画像が撮影された時の農作業ロボット120の位置とを対応付けることができる。他の実施形態において、撮像された画像と、当該画像が撮影された時の農作業ロボット120の位置とが対応付けられていてもよい。
[農作業支援システム100における情報処理の概要:情報の解析]
本実施形態によれば、管理サーバ110は、例えば、(i)1又は複数の作業者12の作業に関する情報、(ii)1又は複数の圃場に関する情報などを、比較的容易に、大量に収集することができる。管理サーバ110は、収集された情報を解析して、作業者12又は農作業ロボット120の作業を支援するための情報を生成してもよい。例えば、管理サーバ110は、収集された情報を解析して、1又は複数の解析モデルを生成する。解析モデルとしては、(i)1又は複数のパラメータの関数、(ii)1又は複数の確率変数と、1又は複数のパラメータとの関数、(iii)数値解析用の数理モデル、(iv)機械学習又は深層学習による学習済モデルなどを例示することができる。
一実施形態において、管理サーバ110は、特定の圃場における特定の種類の農産物に関する複数のデータを解析して、当該農作物に関する当該圃場に固有の解析モデルを生成する。上記の解析モデルは、例えば、上記の農産物に対する作業に関するパラメータと、当該農産物の生育状態に関するパラメータとの関係を規定する。農産物の生育状態としては、生育ステージ、生育状況などを例示することができる。
例えば、上記の解析モデルに、(i)農産物の種類を示す情報と、(ii)農産物の収穫時期、品質、収穫量などに関する目標を示す情報と、(iii)農産物の現在の生育状態を示す情報と、(iv)特定の期間において、農産物に対して実施された作業の内容を示す情報とが入力されると、解析モデルは、(i)これから実施されるべき作業の種類と、(ii)当該作業が実施されるべき位置と、(iii)当該作業が実施されるべき時期及び作業強度の少なくとも一方とを示す情報を出力する。これにより、作業者12は、農産物30の生育を適切に制御することができる。
上記の特定の期間は、例えば、今回の栽培サイクルにおいて、農産物の育成を開始してから現在までの期間である。例えば、散布作業の作業強度としては、1回あたりの散布量、散布頻度などを例示することができる。
他の実施形態において、管理サーバ110は、複数の圃場における特定の種類の農産物に関する複数のデータ、又は、単一の圃場の複数の箇所における当該農産物のデータを解析して、当該農産物に関する汎用的な解析モデルを生成する。上記の解析モデルは、例えば、上記の農産物に対する作業に関するパラメータと、土壌及び気象の少なくとも一方に関するパラメータと、農産物30の生育との関係を規定する。
例えば、上記の解析モデルに、(i)農産物の種類を示す情報と、(ii)農産物の収穫時期、品質、収穫量などに関する目標を示す情報と、(iii)農産物の現在の生育状態を示す情報と、(iv)特定の期間において、農産物に対して実施された作業の内容を示す情報と、(v)農産物を栽培する圃場の土壌及び気象の少なくとも一方に関する情報とが入力されると、解析モデルは、(i)これから実施されるべき作業の種類と、(ii)当該作業が実施されるべき位置と、(iii)当該作業が実施されるべき時期及び作業強度の少なくとも一方とを示す情報を出力する。これにより、作業者12は、農産物30の生育を適切に制御することができる。
さらに他の実施形態によれば、管理サーバ110は、経験が豊富な作業者12の作業に関する情報を学習用データセット(学習用データ、教師データなどと称される場合がある。)として用いて、機械学習又は深層学習を実行する。学習用データセットは、教師情報の一例であってよい。これにより、管理サーバ110は、ユーザの状況に応じて、当該ユーザに適切な作業を提示するための学習済みモデルを生成する。上記のユーザは、例えば、経験の浅い作業者12である。上記のユーザは、上記の経験が豊富な作業者12であってもよい。
例えば、学習用データとして、特定の圃場における特定の種類の農産物に関する複数のデータが入力されると、当該農産物に関する当該圃場に固有の学習済みモデルが生成される。上記の学習済みモデルに、例えば、(i)農産物の種類を示す情報と、(ii)農産物の収穫時期、品質、収穫量などに関する目標を示す情報と、(iii)農産物の現在の生育状態を示す情報と、(iv)特定の期間において、農産物に対して実施された作業の内容を示す情報とが入力されると、学習済みモデルは、(i)これから実施されるべき作業の種類と、(ii)当該作業が実施されるべき位置と、(iii)当該作業が実施されるべき時期及び作業強度の少なくとも一方とを示す情報を出力する。これにより、作業者12は、農産物30の生育を適切に制御することができる。
例えば、学習用データとして、複数の圃場における特定の種類の農産物に関する複数のデータ、又は、単一の圃場の複数の箇所における当該農産物のデータが入力されると、当該農産物に関する汎用的な学習済みモデルが生成される。上記の学習済みモデルに、例えば、(i)農産物の種類を示す情報と、(ii)農産物の収穫時期、品質、収穫量などに関する目標を示す情報と、(iii)農産物の現在の生育状態を示す情報と、(iv)特定の期間において、農産物に対して実施された作業の内容を示す情報と、(v)農産物を栽培する圃場の土壌及び気象の少なくとも一方に関する情報とが入力されると、学習済みモデルは、(i)これから実施されるべき作業の種類と、(ii)当該作業が実施されるべき位置と、(iii)当該作業が実施されるべき時期及び作業強度の少なくとも一方とを示す情報を出力する。これにより、作業者12は、農産物30の生育を適切に制御することができる。
また、本実施形態において、管理サーバ110は、圃場ごとに、当該圃場の各位置で実施された作業の履歴を管理している。また、管理サーバ110は、圃場ごとに、当該圃場の各位置で栽培された農産物30の生育状態の履歴を管理している。さらに、管理サーバ110は、圃場ごとに、当該圃場の各位置で収穫された農産物30の品質及び収穫量の少なくとも一方を管理している。
これにより、管理サーバ110は、(i)特定の圃場の特定の位置において実施された作業の履歴と、(ii−1)当該位置で栽培された農産物30の生育状態、(ii−2)当該位置で収穫された農産物30の品質、及び、(ii−3)当該位置における農産物30の収穫量の少なくとも1つとを対応付けることができる。その結果、管理サーバ110は、農産物30に対して実施された複数の作業の少なくとも一部を評価することができる。管理サーバ110は、上記の評価結果に基づいて、機械学習又は深層学習用の学習用データを生成してもよい。
[農作業支援システム100における情報処理の具体例:散布作業の場合]
図1に示される一実施形態によれば、農作業支援システム100は、散布作業に従事する作業者12が実施した作業に関する情報を収集する。また、農作業支援システム100は、収集された情報を管理する。
本実施形態において、作業者12は、例えば、散布ユニット150を背負って移動しながら、種子、水、肥料、農薬などの物質を散布する。散布ユニット150は、散布時刻を示すデータと、散布量を示すデータとを対応付けて、通信端末22、農作業ロボット120又は管理サーバ110に送信する。散布ユニット150は、自己位置推定機能を有してもよい。この場合、散布ユニット150は、時刻を示す情報と、自己位置を示す情報とを対応付けて、通信端末22、農作業ロボット120又は管理サーバ110に送信してよい。通信端末22及び農作業ロボット120は、散布ユニット150から受け取ったデータを管理サーバ110に転送してもよい。
他の実施形態において、散布ユニット150が、農作業ロボット120に搭載されていてもよい。農作業ロボット120は、散布ユニット150を制御して、物質を散布してもよい。散布ユニット150は、農作業ユニット138又は農作業用のアタッチメントの一例であってもよい。
一方、本実施形態において、農作業ロボット120は、作業者12の前方又は後方を移動しながら、散布作業を実施している作業者12を撮像する。農作業ロボット120は、物質が散布される様子を撮像してもよい。これにより、例えば、作業者12が農薬を散布している場合、撮像された画像を解析することで、農薬の散布方向又は散布先を示す情報が得られる。例えば、農薬の散布先が、葉の表側なのか、葉の裏側なのか、茎なのか、根元なのかなどを示す情報が得られる。また、撮像された画像を解析することで、作業者12が農薬を散布する直前又は農薬を散布した直後に、作業者12が実施した作業に関する情報が得られる。農作業ロボット120は、撮像された画像のデータ、又は、当該画像の解析結果を、管理サーバ110に送信する。
本実施形態において、管理サーバ110は、通信端末22、農作業ロボット120及び散布ユニット150の少なくとも1つから各種の情報を取得して、当該情報を管理する。管理サーバ110は、散布作業に関する情報を学習して、散布作業用のモデルデータを生成する。管理サーバ110は、作業者12又は農作業ロボット120からの要求に応じて、物質を散布すべき時期、物質を散布すべき位置、当該位置に散布されるべき物質の量などの情報を提示する。これにより、作業者12は、農産物30の生育を適切に制御することができる。
[農作業支援システム100における情報処理の具体例:収穫作業の場合]
図1に示される他の実施形態によれば、農作業支援システム100は、収穫作業に従事する作業者12が実施した作業に関する情報を収集する。また、農作業支援システム100は、収集された情報を管理する。
例えば、作業者12は、圃場を移動しながら農産物30を収穫する。作業者12は、収穫された農産物30を、農作業ロボット120の収容ユニット160に収容する。本実施形態において、収容ユニット160は、複数の収容部を有する。そして、作業者12は、収穫された農産物30の品質を判断し、収穫された農産物30を、その品質に応じた収容部に収容する。収容ユニット160は、農作業ユニット138又は農作業用のアタッチメントの一例であってもよい。
一方、本実施形態において、農作業ロボット120は、複数の収容部のうち、収穫された農産物30が収容された収容部を特定する。例えば、農作業ロボット120は、各収容部の収容物の質量を測定する。そして、一の収容部の収容物の質量が増加したときに、農作業ロボット120は、当該一の収容部に農産物30が収容されたことを検出する。本実施形態によれば、各収容部と、農産物30の品質とが対応付けられているので、農作業ロボット120は、収穫された農産物30の品質を特定することができる。農作業ロボット120は、収穫された農産物30の質量を特定してもよい。
また、本実施形態において、農作業ロボット120は、作業者12の前方又は後方を移動しながら、収穫作業を実施している作業者12を撮像する。農作業ロボット120は、収穫前の農産物30を撮像してもよく、収穫された農産物30を撮像してもよい。農作業ロボット120は、撮像された画像のデータ、又は、当該画像の解析結果を、管理サーバ110に送信する。これにより、農産物30を収穫するときの判断基準に関する情報が得られる。例えば、農産物30のどの部分がどのような状態になっていれば、農産物30を収穫すべきか否かを示す情報が得られる。農作業ロボット120は、撮像された画像のデータ、又は、当該画像の解析結果を、管理サーバ110に送信する。
本実施形態において、管理サーバ110は、通信端末22、農作業ロボット120及び散布ユニット150の少なくとも1つから各種の情報を取得して、当該情報を管理する。一実施形態において、管理サーバ110は、収穫された農産物30の品質及び質量の少なくとも一方の情報を、各種の作業の学習用データの生成に利用する。他の実施形態において、管理サーバ110は、収穫作業に関する情報を学習して、収穫作業用のモデルデータを生成する。管理サーバ110は、作業者12又は農作業ロボット120からの要求に応じて、物質を散布すべき時期、物質を散布すべき位置、当該位置に散布されるべき物質の量などの情報を提示する。これにより、作業者12は、農産物30の生育を適切に制御することができる。
[農作業支援システム100の各部の概要]
本実施形態において、管理サーバ110は、通信ネットワーク10を介して、農作業ロボット120との間で情報を送受する。管理サーバ110は、通信ネットワーク10を介して、作業者12の通信端末22との間で情報を送受してもよい。
本実施形態において、通信ネットワーク10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。通信ネットワーク10は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい無線LAN、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、及び、NFCは、近距離無線通信の一例であってもよい。
本実施形態において、通信端末22は、通信ネットワーク10を介して、管理サーバ110との間で情報を送受する。通信端末22は、通信ネットワーク10を介して、農作業ロボット120との間で情報を送受してもよい。通信端末22は、作業者12が、管理サーバ110にアクセスする場合におけるユーザインタフェースとして機能してもよい。通信端末22は、管理サーバ110によるユーザ認証処理に利用されてもよい。通信端末22は、作業者12が、農作業ロボット120を操作する場合におけるユーザインタフェースとして機能してもよい。通信端末22は、農作業ロボット120によるユーザ認証処理に利用されてもよい。
通信端末22としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などを例示することができる。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。
本実施形態において、管理サーバ110は、圃場において栽培されている1以上の農産物30に関する情報を管理する。農産物30としては、穀類、野菜(根菜類を含む。)、果物、草花、枝葉(例えば、茶葉、装飾用の枝又は葉などである。)、キノコ類又は菌糸類などを例示することができる。
一実施形態において、管理サーバ110は、農産物30に関する情報として、農産物30の種類に関する情報、農産物30の生育ステージに関する情報、及び、農産物30の生育状況に関する情報の少なくとも1つを管理する。生育状況に関する情報は、任意の基準と比較した評価を示す情報であってもよい。評価は、連続的な数値により表されてもよく、段階的な区分により表されてもよい。段階的な区分により表される評価としては、「優」、「良」及び「不良」などの2段階評価、「優」、「良」及び「不可」などの3段階評価、「優」、「良」、「可」及び「不可」などの4段階評価、「S」、「A」、「B」、「C」、「D」などの5段階評価、0〜9までの10段階評価などを例示することができる。農産物30の生育状況に関する情報は、下記で説明する作業の成果に関する情報の一例であってもよい。
他の実施形態において、管理サーバ110は、農産物30に関する情報として、農産物30に対して実施された作業に関する情報を管理する。作業に関する情報としては、作業が実施された時刻を示す情報、作業を実施した作業者12を示す情報、作業の内容に関する情報、及び、作業の成果に関する情報の少なくとも1つを例示することができる。作業の成果に関する情報としては、収穫物の品質を示す情報、収穫量を示す情報、及び、収率を示す情報の少なくとも1つを例示することができる。
さらに他の実施形態において、管理サーバ110は、農産物に関する情報として、当該農産物が栽培されている圃場に関する情報を管理してもよい。圃場に関する情報としては、圃場の土壌に関する情報、及び、圃場の気象に関する情報の少なくとも1つを例示することができる。
管理サーバ110は、圃場を複数のサブエリアに分割して、複数のサブエリアのそれぞれにおいて栽培されている1以上の農産物に関する情報を管理してもよい。各サブエリアは、仮想的に区分けされた領域の1つであってもよく、物理的に区分けされた領域の1つであってもよい。各サブエリアは、任意の形状を有してよい。作業者12、農産物30、農作業ロボット120などの位置は、それらが存在するサブエリアに付与された識別記号により表されてもよく、当該サブエリアの内部の特定の位置を示すことができる任意の座標系における座標により表されてもよい。
本実施形態において、農作業ロボット120は、任意の作業を実行する機械であってよい。農作業ロボット120は、例えば、各種の農作業、監視作業などを実行する。農作業ロボット120は、固定式であってもよく、移動式であってもよい。農作業ロボット120は、自律走行機能又は自律航行機能を有してもよく、遠隔操作により操縦されてもよく、農作業ロボット120に乗り込んだ作業者により操縦されてもよい。農作業ロボット120は、自律走行機能又は自律航行機能を有する、無人作業機械であることが好ましい。
農作業ロボット120は、小型のロボットであってよい。例えば、農作業ロボット120の1台当たりの体積は、2m3以下であってよく、1m3以下であってよく、0.5m3以下であってよく、0.25m3以下であってもよい。これにより、圃場内を自由に移動することができる。また、人間では難しいアングルからでも農産物30を観察することができる。
本実施形態において、ベースユニット130は、移動ユニット132、撮像ユニット134、センサユニット136及び農作業ユニット138を保持する。移動ユニット132、撮像ユニット134、センサユニット136及び農作業ユニット138のそれぞれは、ベースユニット130に対して着脱可能に構成されていてよい。これにより、農作業ロボット120は、複数の異なる種類の作業に対応することができる。
本実施形態において、移動ユニット132は、農作業ロボット120を移動させる。移動ユニット132の動力は、電力であってもよく、内燃機関であってもよく、蒸気機関であってもよい。移動ユニット132の詳細は後述する。
本実施形態において、撮像ユニット134は、各種の被写体を撮像する。例えば、撮像ユニット134は、作業者12、農作業ロボット120、農産物30、及び、農産物30の周辺環境の少なくとも1つを撮像する。農産物30の周辺環境としては、圃場の内部又は圃場の周辺を例示することができる。撮像ユニット134は、農産物30の周辺環境として、農産物30が生育している位置の土壌を撮像してよい。
撮像ユニット134が撮像した画像のデータは、農作業ロボット120の記憶装置に記憶されてもよく、管理サーバ110に送信されてもよい。農作業ロボット120は、撮像ユニット134が撮像した画像のデータを解析し、解析結果を管理サーバ110に送信してもよい。撮像ユニット134の詳細は後述する。
本実施形態において、センサユニット136は、各種の物理量を測定する。例えば、センサユニット136は、作業者12に関する物理量、農作業ロボット120に関する物理量、農産物30に関する物理量、及び、農産物30の周辺環境に関する物理量の少なくとも1つを測定する。
農産物30に関する物理量としては、農産物30の色、形状、大きさ、組成、特定成分の含有量、硬度などを例示することができる。農産物30の周辺環境に関する物理量としては、農産物30が栽培されている圃場の土壌に関する物理量、当該圃場の気象に関する物理量などを例示することができる。
センサユニット136の測定結果は、農作業ロボット120の記憶装置に記憶されてもよく、管理サーバ110に送信されてもよい。農作業ロボット120は、センサユニット136の測定結果を解析し、解析結果を管理サーバ110に送信してもよい。センサユニット136の詳細は後述する。
本実施形態において、農作業ユニット138は、農作業用のアタッチメントであってよい。例えば、用途に応じた農作業ユニット138が、ベースユニット130に取り付けられる。これにより、農作業ロボット120は、複数の異なる種類の農作業を実施することができる。農作業ユニット138の詳細は後述する。
農作業ユニット138のそれぞれは、1又は複数の農作業に特化したユニットであってよい。農作業ユニット138としては、害虫駆除用の薬液散布装置、肥料を散布する肥料散布装置、ガスを散布するガス散布装置、畝立て装置、苗投下装置、種蒔き装置、耕うん装置、不要な枝葉を摘要するための治具を有するマニピュレータ、農産物を摘果するための治具を有するマニピュレータ、草刈り装置(例えば、放置された田畑用の草刈り装置である。)、散水装置、鳥獣威嚇装置(例えば、音声、光により鳥獣を威嚇する装置である。)、間引き装置、摘花装置、果樹摘果装置、袋掛け装置(例えば、果樹用の袋掛け装置である。)などを例示することができる。
[農作業支援システム100の各部の具体的な構成]
農作業支援システム100の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、仮想マシン上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。農作業支援システム100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
農作業支援システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の一般的な構成の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてよい。
上記の一般的な構成の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該ソフトウエア又はプログラムによって規定された動作を実行させる。上記のソフトウエア又はプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータを、農作業支援システム100又はその一部として機能させるためのプログラムであってよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータに、農作業支援システム100又はその一部における情報処理を実行させるためのプログラムであってよい。
本実施形態において、農作業支援システム100における情報処理を、管理サーバ110と、農作業ロボット120とが分担して実行する場合について説明した。しかしながら、農作業支援システム100における情報処理の分担方法は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、通信端末22又は農作業ロボット120が、本実施形態における管理サーバ110の情報処理の少なくとも一部を実行してもよく、通信端末22又は管理サーバ110が、本実施形態における農作業ロボット120の情報処理の少なくとも一部を実行してもよい。
図2は、管理サーバ110の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、管理サーバ110は、入出力制御部212と、作業データ収集部222と、圃場データ収集部224と、解析部232と、作業支援部234と、格納部240とを備える。本実施形態において、格納部240は、作業情報格納部252と、成果情報格納部254と、土壌情報格納部262と、気象情報格納部264と、生育情報格納部266と、モデル情報格納部282とを有する。管理サーバ110の各部は、互いに情報を送受してよい。
作業データ収集部222は、作業情報生成部、収穫情報取得部、品質情報取得部、収穫情報生成部、及び、育成条件取得部の一例であってよい。圃場データ収集部224は、土壌情報取得部、及び、生育情報取得部の一例であってよい。解析部232は、評価部、及び、教師情報生成部の一例であってよい。
本実施形態において、入出力制御部212は、管理サーバ110の情報の入出力を制御する。入出力制御部212は、入力装置に入力された情報を受け付けてよい。入力装置としては、キーボード、ポインティングデバイス、音声入力装置(例えば、マイクである。)、画像入力装置(例えば、カメラである。)、音声認識装置、画像認識装置などを例示することができる。入出力制御部212は、出力装置に情報を出力してよい。出力装置としては、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、超音波出力装置、振動出力装置などを例示することができる。
入出力制御部212は、外部の情報処理装置との間の通信を制御してよい。例えば、入出力制御部212は、通信端末22、農作業ロボット120、散布ユニット150及び収容ユニット160の少なくとも1つとの間で情報を送受する。入出力制御部212は、通信インタフェースであってもよい。入出力制御部212は、1又は複数の通信方式に対応してよい。
本実施形態において、作業データ収集部222は、通信端末22、農作業ロボット120、散布ユニット150及び収容ユニット160の少なくとも1つから、各種の作業に関する情報を取得する。作業データ収集部222は、上記の情報を解析して、作業が実施された位置を示す情報と、当該作業の内容とを示す情報とが対応付けられた作業情報を生成する。例えば、作業データ収集部222は、作業が実施された位置を示す情報と、当該作業の内容とを示す情報とを対応付けて、作業情報格納部252に格納する。
本実施形態において、作業データ収集部222は、通信端末22、農作業ロボット120、散布ユニット150及び収容ユニット160の少なくとも1つから、圃場における位置を示す情報と、当該位置において収穫された農産物30に関する情報とが対応付けられた情報を取得する。作業データ収集部222は、例えば、農作業ロボット120から、収穫された農産物30の品質を示す品質情報を取得する。作業データ収集部222は、例えば、農作業ロボット120から、収穫された農産物30の質量を示す質量情報を取得する。
本実施形態において、作業データ収集部222は、農産物30が収穫された位置を示す情報と、収穫された農産物30の品質及び質量の少なくとも一方を示す情報とが対応付けられた収穫情報を生成する。例えば、作業データ収集部222は、農産物30が収穫された位置を示す情報と、収穫された農産物30の品質及び質量の少なくとも一方を示す情報とを対応付けて、成果情報格納部254に格納する。
本実施形態において、圃場データ収集部224は、圃場に関する情報を取得する。圃場に関する情報としては、圃場において栽培されている農産物30に関する情報、及び、農産物30の周辺環境に関する情報の少なくとも一方を例示することができる。農産物30の周辺環境に関する情報としては、圃場の土壌に関する情報、圃場の気象に関する情報(気象データと称する場合がある。)などを例示することができる。気象データとしては、天候、気温、水温、湿度、雨量、風速、風向き、日照量、及び、これらの統計値などを例示することができる。
一実施形態において、圃場データ収集部224は、圃場における位置を示す情報、及び、当該位置における土壌の特性を示す情報が対応付けられた土壌情報を取得する。他の実施形態において、圃場データ収集部224は、圃場における位置を示す情報、及び、当該位置における1以上の農産物30の生育状態を示す情報が対応付けられた生育情報を取得する。農産物30の生育状態を示す情報としては、農産物30の生育ステージを示す情報、農産物30の生育状況を示す情報などを例示することができる。
圃場データ収集部224は、例えば、通信端末22、農作業ロボット120、及び、圃場に配されたセンサの少なくとも1つから、圃場に関する情報を取得する。なお、圃場には、複数の種類のセンサが配されていてもよい。圃場データ収集部224は、気象データを配信する情報配信装置から、各圃場を含むエリアに関する気象データを取得してもよい。気象データは、過去の気象に関する情報であってもよく、将来の気象予測に関する情報であってもよい。
本実施形態において、解析部232は、作業支援部234における機械学習又は深層学習のための学習用データセットを生成する。解析部232は、作業データ収集部222及び圃場データ収集部224の少なくとも一方が取得又は生成したデータの少なくとも一部を用いて、学習用データセットを生成してよい。解析部232は、作業データ収集部222が取得又は生成したデータの中から、作業支援部234が生成する学習済モデルの使用目的又は用途に応じたデータを抽出し、抽出されたデータを加工することで、学習用データセットを生成してよい。
解析部232は、作業データ収集部222が取得又は生成した収穫情報に基づいて、特定の作業に関する学習用データセットを生成してよい。例えば、解析部232は、過去に取得又は生成されたデータの中から、結果的に収穫物の品質及び収穫量が特定の条件を満足した場合のデータを抽出して、学習用データセットを生成する。解析部232は、圃場データ収集部224が取得した農産物30の生育状態を示す情報に基づいて、特定の作業に関する学習用データセットを生成してよい。例えば、解析部232は、過去に取得又は生成されたデータの中から、結果的に農産物30の生育状態が特定の条件を満足した場合のデータを抽出して、学習用データセットを生成する。
例えば、解析部232は、作業データ収集部222が生成した、1以上の第1作業者に関する作業情報に基づいて、特定の作業に関する学習用データセットを生成する。特定の作業としては、散布作業、収穫作業などを例示することができる。一実施形態によれば、上記の第1作業者として、上記の特定の作業の経験が豊富な作業者が選択される。他の実施形態によれば、上記の第1作業者として、その作業者が栽培している農産物30の生育状態が良好又は不良である作業者が選択される。さらに他の実施形態によれば、過去の収穫作業において、その作業者が栽培した農産物30の品質又は収穫量が良好又は不良であった作業者が選択される。
解析部232は、上記の1以上の第1作業者の作業情報と、圃場データ収集部224が取得した土壌情報とに基づいて、学習用データセットを生成してよい。解析部232は、上記の1以上の第1作業者の作業情報と、圃場データ収集部224が取得した生育情報とに基づいて、学習用データセットを生成してよい。解析部232は、上記の1以上の第1作業者の作業情報と、圃場データ収集部224が取得した土壌情報及び生育情報とに基づいて、学習用データセットを生成してもよい。解析部232は、上記の1以上の第1作業者の作業情報と、作業データ収集部222が取得した収穫情報とに基づいて、学習用データセットを生成してよい。解析部232は、上記の1以上の第1作業者の作業情報と、圃場データ収集部224が取得した土壌情報及び生育情報の少なくとも一方と、作業データ収集部222が取得した収穫情報とに基づいて、学習用データセットを生成してもよい。
本実施形態において、解析部232は、作業データ収集部222及び圃場データ収集部224の少なくとも一方が取得又は生成したデータの少なくとも一部を用いて、多変量解析又は感度解析を実行する。解析部232は、目的変数に関する1以上の説明変数のうち、目的変数に与える影響の大きな説明変数を決定してよい。目的変数としては、農産物30の生育状態、収穫物の品質、収穫物の質量などを例示することができる。
本実施形態において、解析部232は、上記の多変量解析又は感度解析の結果に基づいて、作業データ収集部222及び圃場データ収集部224の少なくとも一方が取得した情報を修正してよい。解析部232は、修正前のデータを利用して学習用データセットを生成する場合と同様の手順により、修正されたデータを利用して、学習用データセットを生成してもよい。解析部232は、学習用データセットに利用される複数の種類の情報のうち、一部の種類の情報について、修正されたデータを利用してよい。
本実施形態において、作業支援部234は、作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方に対して、作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方の作業を支援するための情報を提供する。作業支援部234は、作業データ収集部222及び圃場データ収集部224の少なくとも一方が取得又は生成した情報に基づいて、作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方の作業を支援するための情報を提供してよい。
作業支援部234は、機械学習又は深層学習の手法を用いて、作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方の作業を支援するための情報を提供してよい。作業支援部234は、解析部232が算出した、説明変数が目的変数に与える影響の大きさ又は感度に関する情報を利用して、作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方の作業を支援するための情報を提供してもよい。
本実施形態において、格納部240は、各種の情報を格納する。本実施形態において、作業情報格納部252は、農産物30に対する各種の作業が実施された位置を示す情報と、当該作業の内容とを示す情報とを対応付けて格納する。例えば、作業情報格納部252は、作業データ収集部222が生成した作業情報を格納する。本実施形態において、成果情報格納部254は、農産物30に対する各種の作業の成果を示す成果情報を格納する。例えば、成果情報格納部254は、作業データ収集部222が生成した収穫情報を格納する。
本実施形態において、土壌情報格納部262は、1以上の圃場のそれぞれについて、当該圃場の土壌に関する情報を格納する。土壌情報格納部262は、1以上の圃場のそれぞれについて、土壌の1又は複数の特性に関する地理的な分布を示す情報を格納してよい。例えば、土壌情報格納部262は、圃場データ収集部224が取得した土壌情報を格納する。
本実施形態において、気象情報格納部264は、1以上の圃場のそれぞれについて、当該圃場の気象に関する情報を格納する。例えば、気象情報格納部264は、圃場データ収集部224が取得した気象情報を格納する。
本実施形態において、生育情報格納部266は、農産物30の位置を示す情報と、農産物30の生育状態を示す情報とを対応付けて格納する。例えば、生育情報格納部266は、圃場データ収集部224が取得した生育情報を取得する。
本実施形態において、モデル情報格納部282は、機械学習又は深層学習により得られた学習済みモデル(二次モデル、三次モデルなどを含む。)を格納する。モデル情報格納部282は、例えば、作業支援部234が生成した学習済みモデルを格納する。モデル情報格納部282は、解析部232が算出した、説明変数が目的変数に与える影響の大きさ又は感度に関する情報を格納してもよい。
図3は、作業データ収集部222の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、作業データ収集部222は、作業位置特定部310と、作業内容特定部322と、付随作業特定部324と、成果情報取得部326と、作業情報生成部332とを備える。本実施形態において、作業位置特定部310は、画像データ取得部312と、撮像位置特定部314と、相対位置特定部316と、絶対位置特定部318とを有する。作業位置特定部310の各部は、互いに情報を送受してよい。
作業位置特定部310は、位置特定部、散布位置特定部、及び、収穫位置特定部の一例であってよい。画像データ取得部312は、第1画像データ取得部、及び、第2画像データ取得部の一例であってよい。作業内容特定部322は、内容特定部、散布量特定部、及び、散布方向特定部の一例であってよい。
本実施形態において、作業位置特定部310は、農産物30に対して実施された1以上の作業のそれぞれについて、当該作業が実施された位置を特定する。例えば、作業位置特定部310は、作業者12の圃場における位置、及び、作業場所の圃場における位置の少なくとも一方を特定する。一実施形態において、作業者12が散布ユニット150を装着して散布作業を実施している場合、作業位置特定部310は、作業者12の圃場における位置、及び、散布ユニット150のノズル位置の少なくとも一方を特定する。他の実施形態において、作業者12が農産物30の収穫作業を実施している場合、農産物30が収穫された位置を特定してよい。
本実施形態において、画像データ取得部312は、作業が実施されている様子が撮像された画像のデータを取得する。一実施形態において、作業者12が散布ユニット150を装着して散布作業を実施している場合、画像データ取得部312は、作業者12及び散布ユニット150の少なくとも一方が物質を散布している様子が撮像された画像のデータを取得する。他の実施形態において、作業者12が農産物30の収穫作業を実施している場合、画像データ取得部312は、収穫される前に撮像された農産物30の画像のデータを取得してよい。また、画像データ取得部312は、農産物30の収穫されている様子が撮像された画像のデータを取得してよい。
本実施形態において、撮像位置特定部314は、上記の画像を撮像した撮像装置が画像を撮像した時の位置を示す情報を取得する。例えば、農作業ロボット120に搭載された撮像ユニット134が上記の画像を撮像している場合、撮像位置特定部314は、上記の画像が撮像された時の農作業ロボット120の代表点又は撮像ユニット134の位置を示す情報を取得する。撮像位置特定部314は、撮像ユニット134の位置として、農作業ロボット120の代表点の位置を出力してもよい。
本実施形態において、農作業ロボット120は自己位置推定機能を有し、時刻を示す情報と、当該時刻における自己位置を示す情報とを対応づけて記録する。また、撮像ユニット134は、撮影時刻と、画像とを対応付けて記録する。これにより、撮像位置特定部314は、上記の画像が撮像された時の農作業ロボット120の代表点の位置を特定することができる。また、農作業ロボット120の代表点と、撮像ユニット134との相対的な位置関係(相対位置と称する場合がある。)は既知である。したがって、撮像位置特定部314は、必要に応じて、撮像ユニット134の位置を特定することもできる。
本実施形態において、相対位置特定部316は、画像データ取得部312が取得した画像のデータを解析して、当該画像を撮像した撮像装置と、作業が実施された位置との相対的な位置関係を決定する。
一実施形態において、作業者12が散布ユニット150を装着して散布作業を実施しており、撮像ユニット134が画像を撮像している場合、相対位置特定部316は、撮像ユニット134と、作業者12及び散布ユニット150の少なくとも一方との相対位置を決定する。相対位置特定部316は、撮像ユニット134又は農作業ロボット120の代表点と、作業者12との相対位置を、撮像ユニット134及び散布ユニット150の相対位置として出力してもよい。
他の実施形態において、作業者12が農産物30の収穫作業を実施しており、撮像ユニット134が画像を撮像している場合、相対位置特定部316は、撮像ユニット134と、農産物30の少なくとも一方との相対位置を決定する。相対位置特定部316は、撮像ユニット134又は農作業ロボット120の代表点と、作業者12との相対位置を、撮像ユニット134及び農産物30の相対位置として出力してもよい。
本実施形態において、絶対位置特定部318は、撮像位置特定部314が特定した撮像装置の位置と、相対位置特定部316が特定した相対位置とに基づいて、作業が実施された位置を特定する。
一実施形態において、作業者12が散布ユニット150を装着して散布作業を実施しており、撮像ユニット134が画像を撮像している場合、絶対位置特定部318は、撮像位置特定部314が特定した撮像ユニット134の位置と、相対位置特定部316が特定した相対位置とに基づいて、作業者12の圃場における位置及び散布ユニット150の圃場における位置の少なくとも一方を特定する。
他の実施形態において、作業者12が農産物30の収穫作業を実施しており、撮像ユニット134が画像を撮像している場合、絶対位置特定部318は、撮像位置特定部314が特定した撮像ユニット134の位置と、相対位置特定部316が特定した相対位置とに基づいて、圃場において農産物30が収穫された位置を特定する。
本実施形態において、作業内容特定部322は、作業の内容を特定する。例えば、作業内容特定部322は、作業データ収集部222が取得した情報、及び、圃場データ収集部224が取得した情報の少なくとも一方に基づいて、作業の内容を特定する。作業内容特定部322は、作業者12が実施した作業、及び、農産物30に対して実施された作業の少なくとも一方の内容を特定してよい。作業の内容としては、作業の目的、作業の種類、作業の強度、作業の手順、作業で使用される資材の種類、作業で使用される機器の種類などを例示することができる。
一実施形態において、作業者12が散布作業を実施した場合(作業者12が散布作業を実施している場合を含んでもよい。)、作業内容特定部322は、作業位置特定部310が特定した位置において、散布された物質の量を特定する。作業内容特定部322は、予め定められた期間ごとに、当該期間に散布された物質の量の累積値を特定してもよい。作業内容特定部322は、作業位置特定部310が特定した位置における、物質の散布方向を特定してもよい。作業内容特定部322は、例えば、散布ユニット150に配された流量計の測定データを取得して、物質の散布量を特定する。
他の実施形態において、作業者12が収穫作業を実施した場合(作業者12が収穫作業を実施している場合を含んでもよい。)、作業内容特定部322は、作業位置特定部310が特定した位置において、収穫された農産物30の品質及び質量の少なくとも一方を特定する。作業内容特定部322は、予め定められた期間ごとに、当該期間に収穫された農産物30の質量の累積値を特定してもよい。作業内容特定部322は、例えば、収容ユニット160に配された質量計の測定データを取得して、収穫された農産物30の品質及び質量の少なくとも一方を特定する。
本実施形態において、作業内容特定部322は、画像データ取得部312が取得したデータを解析して、(i)農産物30の収穫される部位の特徴、及び、(ii)収穫される部位の周囲に存在する、農産物30の収穫されない部位の特徴の少なくとも一方を示す特徴情報を生成してよい。上記の特徴情報は、作業内容を示す情報の一例であってよい。
本実施形態において、付随作業特定部324は、作業位置特定部310が特定した位置において、作業者12が、特定の作業に付随して、当該特定の作業を実施する前又は当該特定の作業を実施した後に実施した作業(付随作業と称する場合がある。)を特定する。付随作業特定部324は、作業の様子を撮像した画像を解析して、付随作業を特定してよい。例えば、作業者12が散布作業を実施する場合、作業者12は、(i)散布作業を実施する前に、葉の裏側の様子を確認したり、(ii)散布作業を実施した後に、地面の濡れ具合を確認したりする。
本実施形態において、成果情報取得部326は、作業の成果を示す成果情報を取得する。一実施形態において、成果情報取得部326は、農産物30の生育状態を示す生育情報を取得する。成果情報取得部326は、圃場データ収集部224から生育情報を取得してよい。他の実施形態において、成果情報取得部326は、農産物30の品質を示す品質情報を取得する。成果情報取得部326は、農作業ロボット120から、通信ネットワーク10を介して品質情報を取得してよい。さらに他の実施形態において、成果情報取得部326は、農産物30の質量を示す質量情報を取得する。成果情報取得部326は、農作業ロボット120から、通信ネットワーク10を介して質量情報を取得してよい。
本実施形態において、作業情報生成部332は、作業が実施された位置を示す情報と、当該作業の内容とを示す情報とが対応付けられた作業情報を生成する。作業情報生成部332は、(i)作業位置特定部310が特定した位置を示す情報と、(ii−1)作業内容特定部322が特定した作業内容を示す情報、及び、(ii−2)付随作業特定部324が特定した付随作業の作業内容を示す情報の少なくとも1つとが対応付けられた作業情報を生成してもよい。
例えば、作業者12が散布作業を実施した場合、作業内容を示す情報としては、散布量を示す情報、散布方向を示す情報などを例示することができる。この場合、作業情報生成部332は、散布作業が実施された位置を示す情報と、散布量を示す情報及び散布方向を示す情報の少なくとも一方とが対応付けられた作業情報を生成してよい。
他の実施形態において、作業者12が収穫作業を実施した場合、(i)作業位置特定部310が特定した位置を示す情報と、(ii−1)成果情報取得部326が取得した品質情報、及び、(ii−2)成果情報取得部326が取得した質量情報の少なくとも一方とが対応付けられた収穫情報を生成してもよい。
図4は、解析部232の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、解析部232は、データ解析部410を備える。本実施形態において、解析部232は、条件決定部420と、学習用データ生成部430とを備える。本実施形態において、学習用データ生成部430は、修正部432と、マージ部434と、抽出部436と、整形部438とを有する。解析部232の各部は、図中の矢印の向き及び矢印の有無に制限されることなく、相互に情報を送受してよい。
本実施形態において、データ解析部410は、作業データ収集部222及び圃場データ収集部224の少なくとも一方が取得又は生成した情報を解析する。データ解析部410は、解析結果を格納部240に格納してもよい。データ解析部410は、解析結果を修正部432に送信してもよい。データ解析部410は、解析結果を作業支援部234に送信してもよい。
一実施形態において、データ解析部410は、作業データ収集部222及び圃場データ収集部224の少なくとも一方が取得又は生成したデータの少なくとも一部を用いて、多変量解析又は感度解析を実行する。解析部232は、目的変数に関する1以上の説明変数のうち、目的変数に与える影響の大きな説明変数を決定してよい。
目的変数は、農産物30に関する任意のパラメータであってよい。目的変数としては、農産物30の生育状態、収穫物の品質、収穫物の質量、若しくは、病害虫の発生状況、又は、これらの組み合わせを例示することができる。品質としては、色、形状、大きさ、組成、特定成分の含有量、硬度などを例示することができる。
説明変数は、作業に関する任意のパラメータであってよい。説明変数としては、作業の種類、作業のタイミング、作業の強度、作業の間隔、作業の頻度、作業の精度、及び、作業者の熟練度、並びに、これらの組み合わせの少なくとも1つを例示することができる。説明変数は、農産物30又は農産物30の周辺環境に関する任意のパラメータであってもよい。説明変数としては、農産物30の種類、土壌の特性に関するパラメータ、気象に関するパラメータなどを例示することができる。
一実施形態において、解析部232は、1以上の説明変数の少なくとも1つについて、当該説明変数が目的変数に与える影響の大きさを示す情報(影響度、寄与率、影響関数などと称される場合がある。)を決定する。他の実施形態において、解析部232は、1以上の説明変数の少なくとも1つについて、当該説明変数の変化に対する目的変数の変化の具合を示す情報(感度と称される場合がある。)を決定する。
解析部232は、上記の影響の大きさ又は感度に基づいて、1以上の説明変数のうち、目的変数に与える影響の大きな説明変数を決定してよい。例えば、解析部232は、特定の説明変数に関する上記の影響の大きさ又は感度が予め定められた条件を満足する場合に、当該特定の説明関数を、目的変数に与える影響の大きな説明変数として決定する。予め定められた条件としては、予め定められた閾値よりも大きいという条件、予め定められた範囲に収まるという条件、予め定められた範囲に収まらないという条件などを例示することができる。
解析部232は、同一の種類の作業に関する複数の作業情報を一纏めにして、単一の作業群として取り扱ってもよい。解析部232は、同一の位置又は領域において実施された同一の種類の作業に関する複数の作業情報を一纏めにして、単一の作業群として取り扱ってもよい。領域は、複数の圃場であってもよく、単一の圃場であってもよく、複数又は単一の圃場の一部であってもよい。解析部232は、同一の位置又は領域において、同一の時間帯に実施された同一の種類の作業に関する複数の作業情報を一纏めにして、単一の作業群として取り扱ってもよい。解析部232は、上記の時間帯として、一日の中の任意の期間を選択してよい。解析部232は、予め定められた期間ごとに、同一の位置又は領域において実施された同一の種類の作業に関する複数の作業情報を一纏めにして、単一の作業群として取り扱ってもよい。予め定められた期間は、1日であってもよく、1週間であってもよく、1ヵ月であってもよい。この場合、解析部232は、当該作業群に関する任意のパラメータを説明変数として、多変量解析又は感度解析を実行してもよい。
作業群に関するパラメータとしては、(a)当該作業群を構成する複数の作業情報のそれぞれにより示される作業強度の統計量、(b)当該作業群を構成する複数の作業情報のそれぞれにより示される作業時刻の統計量などを例示することができる。作業群に関するパラメータは、(c)当該作業群を構成する複数の作業情報のそれぞれにより示される作業強度の周期パターンの特徴であってもよい。周期パターンの特徴としては、当該パターンの、周期、振幅などを例示することができる。
作業強度の統計量としては、(i)作業強度の代表値、(ii)作業強度のばらつき又は分布の具合を示す指標、(iii)作業が実施された位置の違いによる作業強度のばらつき又は分布の具合を示す指標、(iv)作業が実施された時間帯又は期間の違いによる作業強度のばらつき又は分布の具合を示す指標、(v)予め定められた期間において、作業強度が予め定められた閾値又は範囲を超えた回数又は頻度などを例示することができる。作業が実施された位置の違いによる作業強度のばらつき又は分布は、作業者12の移動経路に沿ってプロットされた作業強度のばらつき又は分布であってよい。上記の代表値としては、平均値、中央値などを例示することができる。上記のばらつき又は分布の具合を示す指標としては、標準偏差、変動係数などを例示することができる。
作業時刻の統計量としては、(i)作業が実施された時刻又は時間帯の代表値(ii)作業が実施された時刻又は時間帯のばらつき又は分布の具合を示す指標などを例示することができる。上記の代表値としては、平均値、中央値などを例示することができる。上記のばらつき又は分布の具合を示す指標としては、標準偏差、変動係数などを例示することができる。
解析部232は、複数の種類の作業に関する複数の作業情報を一纏めにして、単一の作業群として取り扱ってもよい。この場合、解析部232は、当該作業群に関する任意のパラメータを説明変数として、多変量解析又は感度解析を実行してもよい。解析部232は、同一の位置又は領域において実施された複数の種類の作業に関する複数の作業情報を一纏めにして、単一の作業群として取り扱ってもよい。解析部232は、同一の位置又は領域において、同一の時間帯に実施された複数の種類の作業に関する複数の作業情報を一纏めにして、単一の作業群として取り扱ってもよい。解析部232は、予め定められた期間ごとに、同一の位置又は領域において実施された複数の種類の作業に関する複数の作業情報を一纏めにして、単一の作業群として取り扱ってもよい。作業群に関するパラメータは、上述のとおりであってよい。
一実施形態において、作業群Aを構成する複数の作業の種類と、作業群Bを構成する複数の作業の種類とが同一である場合において、作業群Aを構成する複数の作業の順番と、作業群Bを構成する複数の作業の順番とが異なるときには、作業群A及び作業群Bを異なる作業群として取り扱ってよい。他の実施形態において、作業群Aを構成する複数の作業の種類と、作業群Bを構成する複数の作業の種類とが同一である場合において、作業群Aを構成する複数の作業の順番と、作業群Bを構成する複数の作業の順番とが異なるときであっても、作業群A及び作業群Bを同一の作業群として取り扱ってもよい。
他の実施形態において、データ解析部410は、複数の作業情報のそれぞれにより示される作業を評価してよい。データ解析部410は、1又は複数の成果情報に基づいて、複数の作業情報のそれぞれにより示される作業を評価してよい。例えば、作業情報及び成果情報のそれぞれは、位置を示す情報をふくむ。そこで、データ解析部410は、位置を示す情報をキーとして、複数の作業情報の中から、1又は複数の成果情報のそれぞれに対応する1以上の作業情報を抽出する。また、データ解析部410は、抽出された1以上の作業情報を、対応する成果情報に応じて評価する。
本実施形態において、条件決定部420は、学習用データ生成部430が学習用データセットを生成するための条件を決定する。条件決定部420は、作業支援部234が生成する学習済モデルの使用目的又は用途を示す情報に基づいて、上記の条件を決定してよい。条件決定部420は、例えば、入出力制御部212から、学習済モデルの使用目的又は用途を示す情報を取得する。
一実施形態において、条件決定部420は、データの修正の要否を示す条件、及び、データの修正処理の対象を示す条件を生成し、修正部432に送信する。他の実施形態において、条件決定部420は、データのマージの要否を示す条件、及び、マージ処理の対象となる情報の種類を示す条件を生成し、マージ部434に送信する。上記の情報の種類としては、(i)圃場に固有の学習済みモデルを生成するための学習用データに含まれるべき情報の種類、(ii)農産物30の種類に固有の学習済みモデルを生成するための学習用データに含まれるべき情報の種類、(iii)圃場及び当該圃場で栽培される農産物30の種類に固有の学習済みモデルを生成するための学習用データに含まれるべき情報の種類、及び、(iv)圃場及び当該圃場で栽培される農産物30の種類に依存しない、汎用的な学習済みモデルを生成するための学習用データに含まれるべき情報の種類などを例示することができる。
さらに他の実施形態において、条件決定部420は、抽出部436がデータを抽出するための条件を生成し、抽出部436に送信する。例えば、学習の目的が、特定の位置における農産物30及びその周辺環境の現在及び過去の状況と、農産物30に関する目標とを入力として、当該位置における望ましい作業内容又は当該農産物に関する望ましい作業内容を出力するための学習済みモデルを構築することである場合、(i)経験の豊富な作業者12に関する作業情報、(ii)優れた品質の農産物30が収穫されたときの作業情報、(iii)農産物30の収穫量が良好であったときの作業情報、(iv)農産物30の収穫量が不良であったとき以外の作業情報などが抽出されるように、抽出条件を決定する。
データを抽出するための条件は、作業者12に関する条件、農作業ロボット120に関する条件、農産物30に関する条件、及び、農産物30の周辺環境に関する条件を含んでもよい。作業者12に関する条件としては、特定の作業の経験又は熟練度に関する条件、作業者12が育成した農産物30に関する条件などを例示することができる。農作業ロボット120に関する条件としては、アタッチメントの種類に関する条件、移動速度に関する条件、作業速度に関する条件、使用頻度に関する条件などを例示することができる。
農産物30に関する条件としては、農産物30の位置に関する条件、農産物30の栽培方法に関する条件(栽培方法としては、有機栽培、低農薬栽培などを例示することができる)、農産物30に対して実施された作業に関する条件、農産物30の生育に関する条件(例えば、生育速度、生育状況などである)、農産物30の品質又は質量に関する条件などを例示することができる。農産物30の周辺環境に関する条件としては、農産物30が栽培されている圃場の土壌に関する条件、農産物30の生育期間中の気象に関する条件などを例示することができる。
本実施形態において、学習用データ生成部430は、機械学習又は深層学習のための学習用データセットを生成する。学習用データ生成部430は、作業支援部234が生成する学習済モデルの使用目的又は用途に応じた、学習用データセットを生成してよい。例えば、学習用データ生成部430は、(i)圃場に固有の学習済みモデルを生成するための学習用データセット、(ii)農産物30の種類に固有の学習済みモデルを生成するための学習用データセット、(iii)圃場及び当該圃場で栽培される農産物30の種類に固有の学習済みモデルを生成するための学習用データセット、及び、(iv)圃場及び当該圃場で栽培される農産物30の種類に依存しない、汎用的な学習済みモデルを生成するための学習用データセットの少なくとも1つを生成する。
本実施形態において、修正部432は、格納部240に格納された情報を修正する。例えば、修正部432は、修正対象となる情報に対する、圃場条件の違いによる影響、気象条件の違いによる影響、生育状態の違いによる影響などを考慮して、当該情報を修正する。修正部432は、データ解析部410の解析結果に基づいて、格納部240に格納された情報を修正してよい。
一実施形態において、修正部432は、データ解析部410が算出した影響度又は感度を示す情報を利用して、1又は複数の成果情報に含まれる成果を示す情報を修正する。他の実施形態において、修正部432は、データ解析部410が算出した影響度又は感度を示す情報を利用して、1又は複数の生育情報に含まれる生育状態を示す情報を修正する。
データ解析部410の解析処理により、土壌の特性に関するパラメータを説明変数とし、収穫物の品質又は質量を示すパラメータを目的変数とする場合の感度が既知である場合を例として、修正部432における情報処理の一例をより具体的に説明する。例えば、修正部432は、条件決定部420から、格納部240に格納されている成果情報に基づいて、特定の位置において腐葉土の比率を増加させた場合の収穫量を示す成果情報を生成するための命令を受信する。
修正部432は、格納部240を参照して、特定の位置における成果情報及び土壌情報を抽出する。また、修正部432は、データ解析部410から、土壌の組成に対する収穫量の感度に関する情報を取得する。特定の位置における土壌の組成に関する情報と、土壌の組成に対する収穫量の感度に関する情報とに基づいて、当該特定の位置において土壌の組成を変化させた場合における、収穫量の変化量を算出する。
修正部432は、上記の算出結果に基づいて成果情報を修正する。一実施形態において、修正部432は、修正後の成果情報により、格納部240に格納されている成果情報を書き換える。他の実施形態において、修正部432は、オリジナルの成果情報とは別の情報として、修正後の成果情報を格納部240に格納する。さらに他の実施形態において、修正部432は、修正後の成果情報を、マージ部434に送信する。
本実施形態において、マージ部434は、複数の情報を併合する(マージすると称する場合がある)。例えば、格納部240に格納されている作業情報(付随作業に関する情報を含んでよい。)、成果情報、土壌情報、気象情報及び生育情報は、位置を示す情報を含む。そこで、マージ部434は、位置を示す情報をキーとして、作業情報、成果情報、土壌情報、気象情報及び生育情報の少なくとも2つをマージする。マージ部434は、修正部432により修正された情報を、他の情報とマージしてもよい。
マージ部434は、例えば、条件決定部420が決定した条件に従って、どの情報と、どの情報とをマージするかを決定する。一実施形態において、学習用データ生成部430が、圃場に固有の学習済モデルを生成するための学習用データを生成する場合、マージ部434は、土壌情報をマージしなくてよい。一方、学習用データ生成部430が、農産物に固有の学習済モデル又は汎用的な学習済みモデルを生成するための学習用データを生成する場合、マージ部434は、土壌情報をマージする。
本実施形態において、抽出部436は、マージ部434のマージ処理により生成された複数の情報(併合情報と称する場合がある。)の中から、学習用データセットを構成する併合情報を抽出する。抽出部436は、例えば、複数の併合情報の中から、条件決定部420が決定した条件に合致する併合情報を、学習用データセットを構成する併合情報として抽出する。抽出部436は、抽出された1又は複数の併合情報を、整形部438に送信する。
本実施形態において、整形部438は、抽出部436が抽出した1又は複数の併合情報を取得する。整形部438は、1又は複数の併合情報のデータ形式を整えて、学習用データセットとして出力する。例えば、整形部438は、1又は複数の併合情報のそれぞれから、不要なデータを削除して、学習用データセットを生成する。
本実施形態においては、必要に応じて、修正部432が各種のデータを修正した後、マージ部434が各種のデータをマージした。また、抽出部436は、マージ部434によりマージされたデータを利用して、学習用データセットを構成するデータを抽出した。しかしながら、学習用データ生成部430における学習用データセットの生成方法は、本実施形態に限定されない。
他の実施形態において、マージ部434は、抽出部436により抽出された特定の種類のデータを、他の種類のデータとマージしてよい。例えば、まず、抽出部436が、格納部240に格納された複数の成果情報の中から、特定の成果を示す成果情報を抽出する。抽出部436により抽出された1以上の成果情報のそれぞれは、位置を示す情報を含む。次に、抽出部436が、位置を示す情報をキーとして、格納部240に格納された複数の作業情報の中から、各成果情報に対応する作業情報を抽出する。次に、マージ部434が、位置を示す情報をキーとして、抽出部436により抽出された1以上の作業情報と、対応する土壌情報に含まれる土壌の特性を示す情報と、対応する気象情報に含まれる気象データとをマージする。なお、抽出部436は、格納部240に格納された複数の成果情報の中から、特定の成果を示す成果情報を抽出する代わりに、格納部240に格納された複数の生育情報の中から、特定の生育状態を示す生育情報を抽出してもよい。
さらに他の実施形態において、学習用データ生成部430は、マージ部434によるマージと、抽出部436による抽出とを繰り返して、学習用データセットを生成してもよい。さらに他の実施形態において、修正部432は、マージ部434がマージした後、必要に応じて、データを修正してもよい。
図5は、作業支援部234の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、作業支援部234は、学習部510と、作業内容決定部520とを備える。作業内容決定部520は、散布量決定部の一例であってよい。
本実施形態において、学習部510は、機械学習又は深層学習により、特定の目的に応じた学習済みモデルを生成する。学習部510は、例えば、解析部232が生成した学習用データセットを入力として、学習済みモデルを出力する。学習部510は、生成された学習済みモデルをモデル情報格納部282に格納してよい。
学習部510は、学習部510に入力される学習用データセットに含まれる情報に応じて、使用目的又は用途の異なる複数の種類の学習済みモデルを生成してよい。学習済みモデルとしては、(i)圃場に固有の学習済モデル、(ii)農産物に固有の学習済モデル、(iii)圃場及び農産物に固有の学習済モデル、(iv)圃場及び農産物に依存しない、汎用的な学習済モデルなどを例示することができる。
本実施形態において、作業内容決定部520は、学習部510が生成した学習済みモデルを利用して、作業者12及び農作業ロボット120の少なくとも一方の作業を支援するための情報(支援情報と称する場合がある。)を出力する。作業者12は、第2作業者の一例であってよい。
例えば、入出力制御部212が、通信端末22、農作業ロボット120及び散布ユニット150の少なくとも1つから、支援情報を要求する支援要求を受信すると、作業内容決定部520は、支援情報の生成処理を開始する。入出力制御部212は、例えば、作業者12が通信端末22、農作業ロボット120又は散布ユニット150に入力した、特定の農産物30に関する目標を取得してよい。農産物30に関する目標としては、特定の時期における農産物30の生育状態、収穫物の品質、収穫物の質量などを例示することができる。
例えば、作業内容決定部520は、格納部240を参照して、特定の位置に関する作業情報を取得する。これにより、作業内容決定部520は、特定の農産物30に対して実施された作業の履歴に関する情報を取得することができる。例えば、作業内容決定部520は、格納部240を参照して、特定の位置に関する土壌情報及び気象情報を取得する。これにより、作業内容決定部520は、特定の農産物30の周辺環境に関する情報を取得することができる。例えば、作業内容決定部520は、格納部240を参照して、特定の位置に関する生育情報を取得する。これにより。作業内容決定部520は、特定の農産物30の現在の生育状態又は生育の履歴に関する情報を取得することができる。
例えば、作業内容決定部520は、モデル情報格納部282を参照して、支援要求の内容に応じた学習済みモデルを取得する。作業内容決定部520は、入力されたデータの種類に基づいて、適切な学習モデルを取得してよい。作業内容決定部520は、作業内容決定部520に入力されたデータを学習済モデルに入力する。
一実施形態において、作業内容決定部520は、学習済モデルが出力したデータを、支援情報として、支援要求を送信した通信端末22、農作業ロボット120又は散布ユニット150に送信する。他の実施形態において、作業内容決定部520は、データ解析部410が算出した影響度又は感度を示す情報を利用して、学習済モデルが出力したデータを修正する。作業内容決定部520は、修正されたデータを、支援情報として、支援要求を送信した通信端末22、農作業ロボット120又は散布ユニット150に送信する。支援情報を受信した通信端末22又は農作業ロボット120は、支援情報を散布ユニット150に転送してもよい。
例えば、作業者12が散布作業を実施している場合、作業情報には、作業者12の圃場における位置、及び、散布ユニット150の圃場における位置の少なくとも一方を特定するための情報が含まれる。また、この場合、作業情報には、上記の位置において、既に散布された物質の量を特定するための情報が含まれる。作業内容決定部520において、上記の情報を含む作業情報が学習済みモデルに入力されると、作業情報により特定される位置において、これから散布されるべき物質の量が出力される。作業者12、農作業ロボット120及び散布ユニット150の少なくとも1つは、作業内容決定部520が決定した物質の散布量に基づいて、物質を散布する。これにより、農産物30の生育を制御することができる。
図6は、格納部240に格納される各種情報のデータ形式の一例を概略的に示す。本実施形態において、作業情報652は、例えば、圃場ID、サブエリアID、作業日時、作業者ID、作業内容、及び、当該作業の様子が撮像された画像のデータのURIが対応付けられた情報である。圃場ID及びサブエリアIDは、作業が実施された位置を示す情報の一例であってよい。
本実施形態において、圃場IDは、1以上の圃場のそれぞれを識別するための識別情報であってよい。サブエリアIDは、各圃場に設定された1以上のサブエリアのそれぞれを識別するための識別情報であってよい。一実施形態において、サブエリアIDは、各圃場において栽培されている1以上の株のそれぞれを識別するための識別情報であってもよい。他の実施形態において、単一のサブエリアの内部で、複数の株が栽培されていてもよい。作業情報652は、サブエリアIDの代わりに又はサブエリアIDとともに、作業が実施された位置の座標を示す情報を含んでもよい。
作業者IDは、作業を実施した作業者を識別するための識別情報であってよい。作業内容を示す情報は、例えば、作業の種類、作業の強度、作業の手順、作業で使用される資材の種類、作業で使用される機器の種類、付随作業の作業内容などに関する情報を含む。
本実施形態において、成果情報654は、例えば、圃場ID、サブエリアID、収穫日時、収穫物の種類、収穫物の品質、収穫物の質量(収穫量と称する場合がある。)、及び、収穫作業の様子が撮像された画像のデータのURIが対応付けられた情報である。成果情報654において、収穫物の品質と、収穫物の品質ごとの収穫量とが対応付けられていてもよい。品質としては、色、形状、大きさ、組成、特定成分の含有量などを例示することができる。成果情報654は、収穫情報の一例であってよい。
本実施形態において、土壌情報662は、例えば、圃場ID、サブエリアID、及び、土壌の特性が対応付けられた情報である。土壌の特性としては、土壌の組成、水はけの具合、肥料を保持する具合、硬度、特定成分の含有量などを例示することができる。上記の特定成分としては、土壌を構成する物質、肥料物質、農薬物質などを例示することができる。
本実施形態において、気象情報664は、例えば、圃場ID、サブエリアID、日時、及び、気象データが対応付けられた情報である。気象データとしては、気温、水温、降水量、風向き、風速、日照時間、農産物30の近傍における温度、農産物30の近傍における湿度、農産物30の近傍における照度などを例示することができる。気象データは、過去のデータであってもよく、将来の予報データであってもよい。日時は、観測日時であってもよく、予測日時であってもよい。
本実施形態において、生育情報666は、農産物30の生育状態を示す情報であってよい。生育情報666は、例えば、農産物30を観察した日時、農産物30が栽培されている圃場ID及びサブエリアID、農産物30の種類、農産物30の生育ステージ、農産物30の生育状況、並びに、農産物30の様子が撮像された画像のデータのURIが対応付けられた情報である。
本実施形態において、学習用データ672は、例えば、農産物30の種類、農産物30の生育ステージ、農産物30に対して実施された作業の内容、農産物30の周辺環境の状態が対応付けられた情報である。農産物30の周辺環境の状態としては、気象データ、土壌の特性などを例示することができる。
[農作業ロボット120の各部の説明]
図7は、農作業ロボット120のシステム構成の一例を概略的に示す。図1に関連して説明したとおり、本実施形態において、農作業ロボット120は、ベースユニット130と、移動ユニット132と、撮像ユニット134と、センサユニット136と、農作業ユニット138とを備える。また、本実施形態において、農作業ロボット120は、制御ユニット720と、電源ユニット730と、制振ユニット750と、バランス調整ユニット780とを備える。移動ユニット132、撮像ユニット134、センサユニット136、農作業ユニット138、制振ユニット750、及び、バランス調整ユニット780は、農作業用のアタッチメントの一例であってよい。
本実施形態において、ベースユニット130は、制御ユニット720及び電源ユニット730を有する。制御ユニット720及び電源ユニット730は、ベースユニット130に内蔵されてもよい。制御ユニット720及び電源ユニット730の少なくとも一方は、ベースユニット130に着脱可能に配されてもよい。一実施形態において、制御ユニット720及び電源ユニット730の少なくとも一方は、ベースユニット130の内部に着脱可能に配される。他の実施形態において、制御ユニット720及び電源ユニット730の少なくとも一方は、ベースユニット130の外部に着脱可能に配される。
本実施形態において、ベースユニット130は、移動ユニット132、農作業ユニット138及びバランス調整ユニット780の少なくとも1つを着脱可能に保持する。ベースユニット130は、制振ユニット750、撮像ユニット134及びセンサユニット136の少なくとも1つを着脱可能に保持してもよい。
本実施形態において、制御ユニット720は、農作業ロボット120を制御する。一実施形態において、制御ユニット720は、各ユニットと通信し、当該ユニットの種類に応じて、当該ユニットの動作を制御する。制御ユニット720は、複数のユニットの組み合わせに応じて、1又は複数のユニットの動作を制御してもよい。
例えば、制御ユニット720は、移動ユニット132、農作業ユニット138及びバランス調整ユニット780の少なくとも1つと通信する。通信方式は、有線通信であってもよく、無線通信であってもよい。制御ユニット720及び他のユニットの間の通信方式が有線通信である場合、ベースユニット130は、制御ユニット720と他のユニットとの間で情報を伝送する通信経路(バスと称される場合がある。)を有してよい。上記の通信経路は通信部の一例であってよい。
他の実施形態において、制御ユニット720は、管理サーバ110と通信し、農作業ロボット120に関する情報を管理サーバ110に送信する。例えば、制御ユニット720は、農作業ロボット120の位置情報を取得し、当該位置情報を管理サーバ110に送信する。他の例によれば、制御ユニット720は、農作業ロボット120の位置情報と、当該位置情報により示される位置においてセンサユニット136が取得した情報とを対応付けて、管理サーバ110に送信する。
位置情報は、農作業ロボット120の位置を示す情報であればよく、位置情報の内容及び取得方法は特に限定されない。制御ユニット720は、任意の自己位置推定方法により、農作業ロボット120の位置を特定してよい。制御ユニット720は、GPS信号を受信して、当該GPS信号に基づいて、農作業ロボット120の位置を特定してよい。制御ユニット720は、農地の周辺に設置されたビーコン発信機からのビーコン信号を受信して、当該ビーコン信号に基づいて、農作業ロボット120の位置を特定してよい。農作業ロボット120の位置は、無線電波の電波強度に基づいて定められてもよい。制御ユニット720は、撮像ユニット134が撮像した農作業ロボット120の周囲の画像を解析して、位置が既知の複数のランドマークと農作業ロボット120とがなす角から、農作業ロボット120の位置を特定してもよい。
制御ユニット720は、管理サーバ110から、農作業ロボット120を制御するための情報を取得してもよい。農作業ロボット120を制御するための情報は、農作業ロボット120が今から実行すべき作業に関する情報であってもよい。制御ユニット720は、管理サーバ110から取得した情報に基づいて、当該情報に関連するユニットの動作を制御してもよい。
本実施形態において、電源ユニット730は、移動ユニット132、農作業ユニット138及びバランス調整ユニット780の少なくとも1つに、当該ユニットを駆動するための電力を供給する。ベースユニット130電源ユニット730は、制振ユニット750、撮像ユニット134及びセンサユニット136の少なくとも1つに、電力を供給してもよい。
本実施形態において、制振ユニット750は、振動を制御する。例えば、制振ユニット750は、撮像ユニット134、センサユニット136及び農作業ユニット138の少なくとも1つの振動を制御する。制振ユニット750は、制御ユニット720からの命令にしたがって、振動を制御してよい。制振ユニット750は、電源ユニット730から供給された電力を利用して、制振ユニット750を駆動するための動力を発生させる動力源を有してよい。動力源としては、モータ、アクチュエータなどを例示することができる。
本実施形態において、バランス調整ユニット780は、重りを有する。バランス調整ユニット780は、ベースユニット130に着脱可能に保持される。ベースユニット130に装着されるユニットの重さ及びその重心の位置によっては、農作業ロボット120の重量バランスが悪くなり、農作業ロボット120が不安定になる。そこで、ベースユニット130の適切な位置にバランス調整ユニット780を装着することにより、農作業ロボット120の重量バランスを調整することができる。
バランス調整ユニット780は、先端に重りを有するマニピュレータであってもよい。マニピュレータが重りとベースユニット130との相対位置を変化させることにより、農作業ロボット120の重心の位置を変化させることができる。マニピュレータは動力源の一例であってよい。
本実施形態において、移動ユニット132は、電源ユニット730から供給された電力を動力に変換して、農作業ロボット120を移動させる。移動ユニット132は、電源ユニット730から供給された電力を利用して動力を発生させる動力源を有してよい。動力源としては、モータ、アクチュエータなどを例示することができる。
一実施形態において、移動ユニット132は、陸上で移動するための車輪と、当該車輪を駆動する動力源とを備える。他の実施形態において、移動ユニット132は、陸上で移動するための無限軌道と、当該無限軌道を駆動する動力源とを備える。さらに他の実施形態において、移動ユニット132は、水上又は水中で移動するためのスクリューと、当該スクリューを駆動する動力源とを備えてよい。移動ユニット132は、浮力を得るための浮力材をさらに備えてもよい。さらに他の実施形態において、移動ユニット132は、空中で移動するためのプロペラと、当該プロペラを駆動する動力源とを備えてよい。移動ユニット132は、空中に浮遊するためのバルーン又は気嚢をさらに備えてもよい。
本実施形態において、撮像ユニット134は、農作業ロボット120の周囲を撮像する。これにより、農作業ロボット120の周囲の環境に関する環境情報を取得することができる。撮像ユニット134は、ベースユニット130の進行方向前方に配されてもよく、ベースユニット130の進行方向後方に配されてもよい。撮像ユニット134は、農作業ロボット120の側面に配されてもよい。撮像ユニット134は、ベースユニット130の上面に配されてもよく、ベースユニット130の下面に配されてもよい。農作業ロボット120は、複数の撮像ユニット134を備えてもよい。撮像ユニット134は、照明光を出射するライトを有してもよい。ライトは照明部の一例であってよい。
撮像ユニット134は、動画を撮像できることが好ましく、可視光カメラであってもよく、赤外線カメラであってもよい。撮像ユニット134は、マニピュレータと、当該マニピュレータの先端に取り付けられた撮像装置とを有してもよい。マニピュレータは、電源ユニット730から供給された電力を利用して、撮像装置を任意の方向に向けることができる。マニピュレータは、動力源の一例であってよい。
センサユニット136は、農作業ロボット120の周囲の環境に関する環境情報を取得する。これにより、農産物の生育環境に関する情報を取得することができる。環境情報としては、土壌に関する情報、大気に関する情報、光の強度に関する情報などを例示することができる。土壌に関する情報としては、pH、温度、含水率、粒度分布、硬さ、並びに、土壌に含まれる成分、バクテリア及びウイルスを例示することができる。土壌に含まれる成分としては、有機物(炭素)、窒素、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、硫黄、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素などを例示することができる。大気に関する情報としては、気温、気圧、湿度、二酸化炭素濃度、窒素濃度、酸素濃度、風向き及び風量などを例示することができる。
一実施形態において、センサユニット136は、農作業ロボット120の周囲の土壌の状態に関する情報を取得する土壌センサを有する。センサユニット136は、複数の土壌センサを有してもよい。土壌センサとしては、(i)Yara社製「N−sensor」などの光学センサ(例えば、可視光領域又は近赤外光領域の分光センサである。)、(ii)土壌に挿入して、リアルタイムに土壌に含まれる成分をリアルタイムに分析する各種のセンサ(例えば、電気伝導度センサである。)、(iii)サンプリングした土壌に水を加えて土壌中の水溶性の成分を抽出した抽出液を分析する各種のセンサなどを例示することができる。上記の抽出液の分析項目としては、pH、カルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度、カリウムイオン濃度、硝酸イオン濃度、亜硝酸イオン濃度、リン酸イオン濃度、硫酸イオン濃度、塩化物イオン濃度などを例示することができる。土壌センサは、深度計、土壌切削抵抗センサなどを備えてもよい。
本実施形態において、撮像ユニット134及びセンサユニット136が、ベースユニット130の外部に脱着可能に配される場合について説明した。しかしながら、撮像ユニット134及びセンサユニット136は、撮像ユニット134及びセンサユニット136は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、撮像ユニット134及びセンサユニット136が農作業用のアタッチメントに配されてよい。さらに他の実施形態において、撮像ユニット134及びセンサユニット136が制御ユニット720に組み込まれてもよい。
本実施形態において、農作業ユニット138は、1又は複数の農作業に特化したユニットである。農作業ユニット138としては、害虫駆除用の薬液散布装置、肥料を散布する肥料散布装置、ガスを散布するガス散布装置、畝立て装置、苗投下装置、種蒔き装置、耕うん装置、不要な枝葉を摘要するための治具を有するマニピュレータ、農産物を摘果するための治具を有するマニピュレータ、草刈り装置(例えば、放置された田畑用の草刈り装置である。)、散水装置、鳥獣威嚇装置(例えば、音声、光により鳥獣を威嚇する装置である。)、間引き装置、摘花装置、果樹摘果装置、袋掛け装置(例えば、果樹用の袋掛け装置である。)などを例示することができる。
本実施形態において、農作業ユニット138は、ベースユニット130に着脱可能に保持される。農作業ユニット138は、電源ユニット730から供給された電力を利用して、農作業ユニット138を駆動するための動力を発生させる動力源を有する。動力源としては、モータ、アクチュエータなどを例示することができる。
図8は、散布ユニット150の一例を概略的に示す。本実施形態において、散布ユニット150は、筺体810と、タンク812と、散布ノズル814と、配管816とを備える。本実施形態において、散布ユニット150は、移送部822と、流量調整部824と、流量計826と、コントローラ832とを備える。コントローラ832は、散布量制御部の一例であってよい。
本実施形態において、タンク812は、筺体810の内部に配され、散布される物質を貯蔵する。本実施形態において、散布ノズル814は、筺体810の外部に配され、物質を散布する。散布ノズル814は、配管816を介して、タンク812に接続される。本実施形態において、タンク812及び散布ノズル814を接続する配管816には、移送部822、流量調整部824及び流量計826が配される。
移送部822は、タンク812に貯蔵された物質を、散布ノズル814に向けて移送する。移送部822としては、粉体フィーダ、ブロワ、ポンプなどを例示することができる。流量調整部824は、物質の移送量を調整する。流量調整部824としては、自動弁、流量調整弁及びその組み合わせなどを例示することができる。流量計826は、物質の移送量を測定する。
コントローラ832は、物質の移送を制御する。コントローラ832は、流量計826の測定値に基づいて、物質の移送を制御してよい。コントローラ832は、作業内容決定部520が決定した散布されるべき物質の量に基づいて、物質の移送量を調整してよい。散布されるべき物質の量を示す情報は、例えば、管理サーバ110からの支援情報に含まれていてもよい。
より具体的には、コントローラ832は、例えば、移送部822及び流量調整部824の少なくとも一方を制御して、物質の移送量を調整する。これにより、例えば、作業者12が、適当に散布ノズルを振っていたとしても、位置に応じた適切な量の物質が散布される。また、経験の浅い作業者12であっても、経験の豊富な作業者12と同程度の作業品質を担保することができる。
コントローラ832は、通信ネットワーク10を介して、管理サーバ110との間で情報を送受してよい。例えば、コントローラ832は、流量計826の測定値を、管理サーバ110に送信する。散布ユニット150が撮像装置を備えている場合、コントローラ832は、撮像装置が撮像した画像のデータを、管理サーバ110に送信してもよい。撮像装置は、例えば、筺体810又は散布ノズル814に配される。コントローラ832は、管理サーバ110からの支援情報を受信してよい。
図9は、収容ユニット160の一例を概略的に示す。本実施形態において、収容ユニット160は、筺体910と、隔壁912及び隔壁914により区切られた収容部922、収容部924及び収容部926を備える。収容ユニット160は、質量計932、質量計934及び質量計936を備える。質量計932、質量計934及び質量計936のそれぞれは、収容部922、収容部924及び収容部926のそれぞれに収容された収容物の質量を測定する。質量計932、質量計934及び質量計936のそれぞれは、品質情報取得部、及び、質量情報取得部の一例であってよい。
収容部922、収容部924及び収容部926には、例えば、収穫された農産物30が収容される。本実施形態において、収容部922、収容部924及び収容部926のそれぞれには、品質の異なる農産物30が収容される。これにより、収容部922、収容部924及び収容部926のそれぞれの収容物の質量を測定することで、どのような品質の農産物30がどれくらい収穫されたかを特定することができる。質量計932、質量計934及び質量計936のそれぞれは、測定結果を制御ユニット720に送信してよい。制御ユニット720は、質量計932、質量計934及び質量計936のそれぞれの測定結果を管理サーバ110に送信してよい。
本実施形態において、作業者12が視覚に基づいて品質を決定する場合について説明した。しかしながら、品質の決定方法は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、作業者12は、視覚以外の感覚(例えば、触覚、聴覚、嗅覚などである)の情報に基づいて、品質を決定してもよい。さらに他の実施形態において、測定機器の測定結果に基づいて、品質が決定されてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本明細書には、例えば、下記の事項が記載されている。
[項目1−1]
(i)物質を散布する散布装置を装着して、1以上の農産物を栽培する圃場に上記物質を散布する作業者の上記圃場における位置、及び、(ii)上記作業者に装着された上記散布装置の上記圃場における位置の少なくとも一方を特定する散布位置特定部と、
上記散布位置特定部が特定した位置において、散布された上記物質の量を特定する散布量特定部と、
(a)上記散布位置特定部が特定した位置を示す情報、及び、(b)上記散布量特定部が特定した上記物質の散布量を示す情報が対応付けられた作業情報を生成する作業情報生成部と、
を備える、情報処理システム。
[項目1−2]
上記散布位置特定部が特定した位置における、上記物質の散布方向を特定する散布方向特定部、
をさらに備え、
上記作業情報生成部は、(a)上記散布位置特定部が特定した位置を示す情報、及び、(c)上記散布方向特定部が特定した方向を示す情報が対応付けられた上記作業情報を生成する、
項目1−1に記載の情報処理システム。
[項目1−3]
上記散布位置特定部が特定した位置において、上記作業者が、上記物質の散布に付随して、上記物質を散布する前又は上記物質を散布した後に実施した作業を特定する付随作業特定部、
をさらに備え、
上記作業情報生成部は、(a)上記散布位置特定部が特定した位置を示す情報、及び、(d)上記付随作業特定部が特定した上記作業を示す情報が対応付けられた上記作業情報を生成する、
項目1−1又は項目1−2に記載の情報処理システム。
[項目1−4]
上記作業情報生成部が生成した、1以上の第1作業者に関する上記作業情報に基づいて、上記物質を散布する作業に関する教師情報を生成する教師情報生成部、
をさらに備える、
項目1−1から項目1−3までの何れか一項に記載の情報処理システム。
[項目1−5]
上記圃場における位置を示す情報、及び、当該位置における土壌の特性を示す情報が対応付けられた土壌情報を取得する土壌情報取得部、
をさらに備え、
上記教師情報生成部は、上記土壌情報取得部が取得した上記土壌情報、及び、上記1以上の第1作業者の上記作業情報に基づいて、上記教師情報を生成する、
項目1−4に記載の情報処理システム。
[項目1−6]
上記圃場における位置を示す情報、及び、当該位置における上記1以上の農産物の生育状態を示す情報が対応付けられた生育情報を取得する生育情報取得部、
をさらに備え、
上記教師情報生成部は、上記生育情報取得部が取得した上記生育情報、及び、上記1以上の第1作業者の上記作業情報に基づいて、上記教師情報を生成する、
項目1−4又は項目1−5に記載の情報処理システム。
[項目1−7]
上記圃場における位置を示す情報、及び、当該位置において収穫された農産物に関する情報が対応付けられた収穫情報を取得する収穫情報取得部、
をさらに備え、
上記教師情報生成部は、上記収穫情報取得部が取得した上記収穫情報、及び、上記1以上の第1作業者の上記作業情報に基づいて、上記教師情報を生成する、
項目1−4から項目1−6までの何れか一項に記載の情報処理システム。
[項目1−8]
上記散布位置特定部は、(i)上記物質を散布する第2作業者の上記圃場における位置、及び、(ii)上記第2作業者に装着された上記散布装置の上記圃場における位置の少なくとも一方を特定し、
上記散布量特定部は、上記散布位置特定部が特定した位置において既に散布された上記物質の量を特定し、
上記情報処理システムは、
(i)上記散布量特定部が特定した、既に散布された上記物質の量、及び、(ii)上記教師情報生成部が生成した上記教師情報に基づいて、上記散布位置特定部が特定した上記第2作業者の位置において、散布されるべき上記物質の量を決定する散布量決定部、
をさらに備える、
項目1−4から項目1−7までの何れか一項に記載の情報処理システム。
[項目1−9]
上記散布量決定部が決定した上記散布されるべき上記物質の量に基づいて、上記散布装置を制御する散布量制御部をさらに備える、
項目1−8に記載の情報処理システム。
[項目1−10]
上記作業者及び上記散布装置の少なくとも一方が上記物質を散布している様子が撮像された画像のデータを取得する画像データ取得部と、
上記画像を撮像した撮像装置が上記画像を撮像した時の位置を示す情報を取得する撮像位置取得部と、
をさらに備え、
上記散布位置特定部は、
上記画像データ取得部が取得した上記データを解析して、上記撮像装置と、上記作業者及び上記散布装置の少なくとも一方との相対的な位置関係を決定し、
上記撮像位置取得部が取得した情報により示される上記撮像装置の位置と、上記相対的な位置関係とに基づいて、上記作業者の上記圃場における位置及び上記散布装置の上記圃場における位置の少なくとも一方を特定する、
項目1−1から項目1−9までの何れか一項に記載の情報処理システム。
[項目1−11]
1以上の農産物を栽培する圃場において農作業が実施された位置を特定する位置特定部と、
上記位置特定部が特定した位置において、上記農作業の内容を特定する内容特定部と、
(a)上記位置特定部が特定した位置を示す情報、及び、(b)上記内容特定部が特定した上記農作業の内容を示す情報が対応付けられた作業情報を生成する作業情報生成部と、
を備える、情報処理システム。
[項目1−12]
コンピュータを、項目1−1から項目1−11までの何れか一項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
本明細書には、例えば、下記の事項が記載されている。
[項目2−1]
1以上の農産物を栽培する圃場において、一の農産物が収穫された位置を特定する収穫位置特定部と、
上記一の農産物の品質を示す品質情報を取得する品質情報取得部と、
(a)上記収穫位置特定部が特定した位置を示す情報、及び、(b)上記品質情報取得部が取得した上記品質情報が対応付けられた収穫情報を生成する収穫情報生成部と、
を備える、情報処理システム。
[項目2−2]
上記一の農産物の質量を示す質量情報を取得する質量情報取得部、
をさらに備え、
上記収穫情報生成部は、(a)上記収穫位置特定部が特定した位置を示す情報、(b)上記品質情報取得部が取得した上記品質情報、及び、(c)上記質量情報取得部が取得した上記質量情報が対応付けられた収穫情報を生成する、
項目2−1に記載の情報処理システム。
[項目2−3]
収穫される前に撮像された上記一の農産物の画像のデータを取得する第1画像データ取得部と、
上記第1画像データ取得部が取得した上記データを解析して、(i)上記一の農産物の収穫される部位の特徴、及び、(ii)上記収穫される部位の周囲に存在する、上記一の農産物の収穫されない部位の特徴の少なくとも一方を示す特徴情報を生成する特徴情報生成部と、
をさらに備える、
項目2−1又は項目2−2に記載の情報処理システム。
[項目2−4]
上記一の農産物に関する作業履歴を示す作業情報を取得する育成条件取得部と、
上記育成条件取得部が取得した情報と、上記収穫情報生成部が生成した上記収穫情報とに基づいて、上記作業履歴に含まれる作業の少なくとも一部を評価する評価部と、
をさらに備える、
項目2−1から項目2−3までの何れか一項に記載の情報処理システム。
[項目2−5]
上記育成条件取得部は、上記一の農産物の生育期間中の少なくとも一部の期間における気象情報をさらに取得する、
項目2−4に記載の情報処理システム。
[項目2−6]
上記一の農産物の収穫されている様子が撮像された画像のデータを取得する第2画像データ取得部と、
上記画像を撮像した撮像装置が上記画像を撮像した時の位置を示す情報を取得する撮像位置取得部と、
をさらに備え、
上記収穫位置特定部は、
上記第2画像データ取得部が取得した上記データを解析して、上記撮像装置と、上記一の農産物との相対的な位置関係を決定し、
上記撮像位置取得部が取得した情報により示される上記撮像装置の位置と、上記相対的な位置関係とに基づいて、上記圃場において上記一の農産物が収穫された位置を特定する、
項目2−1から項目2−5までの何れか一項に記載の情報処理システム。
[項目2−7]
上記撮像装置は、上記圃場の内部を移動する移動体に搭載されており、
上記移動体は、
(a)それぞれが収穫された1以上の農産物を収容する複数の収容部と、
(b)上記一の農産物が上記複数の収容部のいずれかに収容されたときに、上記一の農産物が収容された収容部に応じて、上記一の農産物の品質を決定する品質決定部と、
(c)上記品質決定部が決定した上記一の農産物の品質を示す上記品質情報を、上記品質情報取得部に送信する送信部と、
を有し、
上記品質情報取得部は、上記移動体から、通信ネットワークを介して上記品質情報を取得する、
項目2−6に記載の情報処理システム。
[項目2−8]
上記移動体は、(d)上記複数の収容部の少なくとも1つに収容されている収容物の質量を測定する、少なくとも1つの質量測定部をさらに有し、
上記送信部は、上記少なくとも1つの質量測定部が測定した上記一の農産物の質量を示す上記質量情報を、上記質量情報取得部に送信し、
上記質量情報取得部は、上記移動体から、通信ネットワークを介して上記質量情報を取得する、
項目2−7に記載の情報処理システム。
[項目2−9]
上記移動体は、上記一の農産物を収穫する作業者の進行方向において、上記作業者の後方に位置するように移動する、
項目2−7又は項目2−8に記載の情報処理システム。
[項目2−10]
上記移動体は、上記一の農産物を収穫する作業者の進行方向において、上記作業者の前方に位置するように移動する、
項目2−7又は項目2−8に記載の情報処理システム。
[項目2−11]
コンピュータを、項目2−1から項目2−10までの何れか一項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
[項目2−12]
自律移動機能を有する移動体であって、
(a)それぞれが収穫された1以上の農産物を収容する複数の収容部と、
(b)一の農産物が上記複数の収容部のいずれかに収容されたときに、上記一の農産物が収容された収容部に応じて、上記一の農産物の品質を決定する品質決定部と、
(c)上記品質決定部が決定した上記一の農産物の品質を示す上記品質情報を、外部の情報処理装置に送信する送信部と、
を備える、移動体。