JP6616325B2 - ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維におけるフルフラール含量の低減 - Google Patents

ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維におけるフルフラール含量の低減 Download PDF

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Description

関連出願
相互参照
[0001]本出願は、その内容が参照により本明細書に組み入れられる、2014年5月6日付けで出願された「ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維における低減されたフルフラール含量(REDUCED FURFURAL CONTENT IN POLYACRYLIC ACID CROSSLINKED CELLULOSE FIBERS)」という表題の米国非仮特許出願第14/271,146号に基づく優先権を受ける権利を有し、その利益を主張する。
[0002]本開示は、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維、特定には架橋プロセスの硬化段階中に生成するフルフラールおよびそれに付随する悪臭の低減に関する。
[0003]セルロース系繊維は、おむつなどの吸収性製品の基礎的な構成要素である。これらの繊維は、吸収性製品の主要な要素である液体吸収構造を形成する。セルロースのフラッフパルプは、セルロース系繊維の形態の一つであり、高い空隙容量、または嵩高の液体吸収繊維構造が提供されることからこの用途にとって好適な繊維である。しかしながら、この構造は、湿潤中に崩壊する傾向があり、この繊維構造の嵩の低減は、湿潤した構造中に保持され得る液体の体積を低減させ、さらには、セルロース繊維構造のまだ湿潤していない部分に液体を逃がすことも妨げる。結果として、乾燥した嵩高の繊維構造の潜在的なキャパシティはよく認識されないことから、繊維構造の湿潤状態での嵩こそが、繊維構造全体の液体保持キャパシティを決定する。
[0004]架橋されたセルロース系繊維から形成された繊維構造は、一般的に、架橋されていない繊維から形成されたものと比較して湿潤状態での嵩が強化されている。嵩の強化は、架橋の結果として繊維に付与された剛性、撚り、および巻きの結果である。したがって、吸収性製品の湿潤状態での嵩を強化するために、架橋繊維を吸収性製品に取り込むことが有利である。
[0005]ポリカルボン酸は、セルロース系繊維を架橋するのに使用されてきた。例えば、とりわけUS5137537、US5183707、およびUS5190563において、個々のセルロース系繊維をC2〜C9ポリカルボン酸で架橋したものを含有する吸収剤構造が説明されている。これらの個々の架橋繊維から作製された吸収剤構造は、架橋されていない繊維を含有する構造と比べて増加した乾燥および湿潤状態での弾力、および改善された湿潤に対する反応性を示す。さらに、クエン酸、すなわち単量体のポリカルボン酸は、比較的低価格で大量に入手できることから、ホルムアルデヒドおよびホルムアルデヒド付加生成物、または尿素−グリオキサール縮合生成物と商業的に競合するものとなっている。
[0006]しかしながら、クエン酸などの単量体のポリカルボン酸で架橋されたセルロース系繊維は、経時的にそれらの架橋を失って、架橋されていない状態に逆戻りする傾向がある。例えば、クエン酸で架橋された繊維は、貯蔵時に著しい架橋の損失を示す。このような架橋の逆戻りは、一般的に、繊維の嵩およびキャパシティを増加させようとする繊維の架橋の目的を無にする。したがって、これらの単量体のポリカルボン酸で架橋された繊維の有用な貯蔵寿命は比較的短く、そのため繊維の有用性がいくらか制限される。
[0007]対照的に、高分子ポリカルボン酸で架橋された繊維(例えば、US6620865で開示されたものなど)は、これらの繊維から製造された繊維ウェブの寿命にわたり、密度が実質的に不変のままである。このエイジング(老成)または密度の逆戻りに対する耐性は、このような高分子架橋剤を使用して形成された安定な繊維内の架橋に関連する。クエン酸で架橋されたセルロース繊維は、著しい密度の増加と、それに付随する経時的な嵩および吸収剤のキャパシティの損失を示す。一般的に、密度の増加は、繊維中での架橋レベルの減少(すなわち逆戻り)の指標である。密度の増加に加えて、繊維ウェブ中での架橋の損失は、あまり嵩高ではないウェブをもたらし、結果として吸収剤のキャパシティおよび液体捕捉能力の減少をもたらす。
[0008]一部の架橋剤は、架橋反応を起こすのに必要な高温で、白色のセルロース系繊維の変色、すなわち黄変を引き起こす可能性がある。可能性のあるメカニズムは、少なくともクエン酸に関して、結果としてアコニット酸が生じる脱水反応およびC=C発色団に起因する黄色の着色である。
[0009]より明るい白色のパルプへの広範にわたる消費者の需要が、製造元にとって変色を低減させるための方法を追い求める原動力となっている。例えば、漂白は、パルプの白色度(Technical Association of the Pulp & Paper Industry(「TAPPI」)または国際標準化機構(「ISO」)で定義される通り)を増加させる一般的な方法である。フラッフパルプの見た目を改善するための工業的な実践では、パルプを漂白してその白色度を増加させている。従来の漂白剤としては、元素の塩素、二酸化塩素、および次亜塩素酸塩が挙げられる。しかしながら、漂白、特に塩素を含有する薬剤での漂白は、環境に悪く、費用がかかり、製造上のボトルネックの原因となり得る。したがって、漂白方法で使用される漂白剤の数、性質、および量を低減するための多くの試みがなされてきた。
[0010]また、高度に漂白されたパルプは、あまり漂白されていない材料より「白い」が、このようなパルプは、それでもなお黄色がかった白色であることが多い。消費者の研究から、青色がかった白色は、黄色がかった白色と比較してより白い、すなわち爽やか、新しい、およびクリーンと感知されるため、古い、色あせた、または汚れたとみなされる黄色がかった白色よりも青色がかった白色のほうをより明確に好むことが示されている。
[0011]この好みに対処するために、US7513973は、例えば、ホワイトネス(白さ)という特性は、TAPPIまたはISO白色度よりも、製品の白さに関する消費者の好みとよりよく相関することを示唆しており、さらに、高分子ポリカルボン酸架橋剤で架橋されたセルロース系繊維のホワイトネス(白さ)の指標を改善しようとする漂白方法、例えば水酸化ナトリウムおよび/または過酸化水素の使用を含む方法を開示している。
[0012]過酸化水素を包含する漂白操作における発色団の消去における実際のメカニズムは、ペルヒドロキシルイオンOOH-に関与することが一般的に認められている。ペルヒドロキシルアニオンの形成は、例えば、「H+OH-←→OOH-+HO」という反応に従って、漂白段階中のpHを高くして増強することができる。
[0013]したがって、産業的な実践では、例えば漂白段階において過酸化水素と共にアルカリ化剤(例えば水酸化ナトリウム)を添加することによってアルカリ性の系中で過酸化水素漂白を行っている。
[0014]US5562740において、アルカリ化剤(例えば水酸化ナトリウム)と酸化剤(例えば過酸化水素)との組合せが、少なくとも5.5のpHでの漂白段階において、白色度を改善することに加えて、クエン酸などのアルファ−ヒドロキシカルボン酸架橋剤で架橋されたセルロース系繊維の「煙のような焦げた」臭いを低減することが観察されている。‘740特許は、悪臭は、揮発性フェノール類、硫化水素、様々な糖分解生成物(例えばフルフラール、メチルフルフラール、およびグアイアコール)、および無水クエン酸などの多数の物質が集合的に存在することに起因し、さらに、臭いの低減は、少なくとも5.5のpHにおいてアルカリ化剤と酸化剤との組合せによりこのような物質が低減され得ることに起因する可能性があると理論上仮定している。
[0015]例えば‘740特許で、この「焦げた」臭いはもともと、具体的にはクエン酸で架橋されたセルロース系繊維の特徴とみなされてきたが、「焦げた」臭いはまた、ポリアクリル酸などの高分子ポリカルボン酸で架橋されたセルロース系繊維にも付随することも同様に知られるようになってきた。
US5137537 US5183707 US5190563 US6620865 US7513973 US5562740
[0016]したがって、嵩高、増大された白色度とホワイトネス(白さ)、低減された悪臭を示す高分子ポリカルボン酸で架橋されたセルロース繊維がいまだ求められている。
[0017]フルフラール含量が低減された、漂白されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維、同様に架橋繊維を過酸化水素で処理することによる、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維のフルフラール含量を低減させるための方法の様々な実施態様が、本明細書で開示される。
[0018]意外なことに、フルフラールレベルを低減させると、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維に関連する「焦げ臭い」悪臭が同時に強く低減されることが見出された。
[0019]一形態において、本発明の開示は、水酸化ナトリウムの非存在下において過酸化水素で後続処理された、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維であって、処理されたポリアクリル酸で架橋された繊維中のフルフラールの量が、ポリアクリル酸で架橋された繊維を処理した後の少なくとも1日に測定した第1の値から、処理した後の21日までに測定した第2の後続の値に低減される、セルロース系繊維の実施態様を提供する。
[0020]一形態において、本発明の開示は、例えばアルカリ化剤または他の漂白剤の非存在下において過酸化水素で後続処理されたことによりフルフラールが約1.3ppm未満になった、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維の実施態様を提供する。
[0021]一形態において、本発明の開示は、アルカリ化剤または他の漂白剤の非存在下において過酸化水素で後続処理された、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維であって、処理された架橋繊維中のフルフラールの量が、未処理のポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維(すなわち、上述の後続処理が施されないことを除いて同じポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維)と比較して、少なくとも55%低減される、セルロース系繊維の実施態様を提供する。
[0022]一形態において、本発明の開示は、ポリアクリル酸で架橋された繊維中のフルフラールの存在に関連する悪臭を低減させる方法であって、架橋繊維を硬化することに続いて、他の漂白剤の非存在下において架橋繊維に過酸化水素を適用することを包含する、上記方法を提供する。
[0023]一形態において、本発明の開示は、ポリアクリル酸で架橋された繊維のフルフラール含量を低減させる方法であって、ポリアクリル酸で架橋された繊維に過酸化水素単独を適用することを含み、ここで過酸化水素単独で処理されたポリアクリル酸で架橋された繊維中のフルフラールの量が、ポリアクリル酸で架橋された繊維を過酸化水素で処理した後の少なくとも1日に測定した第1の値から、過酸化水素で処理した後の21日までに測定した第2の後続の値に低減される、上記方法を提供する。
[0024]上記で簡単に説明した概念、特色、方法、および要素の配置は、以下の詳細な説明を参照しながら明らかになる。
[0025]本開示全体にわたり「実施態様」または「一実施態様」などと述べられる場合は、実施態様と関連して説明される特定の特色、工程、技術、方法、または他の特徴が、少なくとも1つの実施態様に包含されることを示す。しかしながら、「実施態様」または「一実施態様」と述べられる場合は、必ずしも全て同じ実施態様を述べているとは限らない。さらに、特定の特色、工程、技術、方法、および他の特徴が、1つまたは複数の実施態様において、あらゆる好適な方式で組み合わされていてもよい。
[0026]本開示で引用された全ての参考文献は、それぞれ明示的にそれらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
[0027]上述したように、「焦げた」臭いは、具体的にはクエン酸で架橋されたセルロース系繊維の特徴とみなされているが、悪臭はまた、ポリアクリル酸などの高分子ポリカルボン酸で架橋されたセルロース系繊維にも付随することも同様に知られるようになってきた。
[0028]高分子ポリカルボン酸で架橋されたセルロース繊維中のフルフラールは、架橋形成に続いて過酸化水素で繊維を処理することによって低減されることが見出されている。一実施態様において、水酸化ナトリウムまたは他のアルカリ化剤の非存在下において過酸化水素が使用される場合、このような薬剤の存在下でのフルフラール低減の程度と比べて、フルフラール低減の程度は増加する。意外なことに、フルフラールレベルを低減させると、繊維に関連する悪臭が同時に強く低減されることも見出された。したがって、フルフラールは、悪臭を引き起こす主要な臭いを発する揮発性有機化合物であること、さらに、過酸化水素での処理は、そのような化合物をクリーンで爽やかな臭いを付与する反応生成物で置き換えると理論上仮定される。ヘミセルロースは、パルプ化プロセス中に木材から得られたセルロース繊維に付随するものであり、以下の提唱されているメカニズムに従って、セルロース繊維の熱処理(例えば、硬化)中のフルフラール生成の主要な源とみなされている(Pentosans:ペントサン、Xylose:キシロース、Furfural:フルフラール)。
Figure 0006616325
[0029]したがって、一形態において、本発明の開示は、過酸化水素で後続処理された、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維であって、処理されたポリアクリル酸で架橋された繊維中のフルフラールの量が、ポリアクリル酸で架橋された繊維を処理した後の少なくとも1日に測定した第1の値から、処理した後の21日までに測定した第2の後続の値に低減される、上記セルロース系繊維の実施態様を提供する。
[0030]また、一部のケースにおいて、水酸化ナトリウムなどのアルカリ化剤の非存在下における過酸化水素でのフルフラール低減は、このようなアルカリ化剤の存在下における過酸化水素での後続処理と比較して、より顕著であることも見出された。したがって、予想に反して、フルフラールおよびそれに付随する悪臭を低減させて、潜在的にそれによって漂白プロセスにおけるこのような薬剤の使用(またはその必要性)を低減させるのに、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ化剤の使用による、少なくとも5.5への架橋繊維のpH調整は必要ではないことが見出された。
[0031]本明細書で論じられる漂白されたポリアクリル酸で架橋された繊維は、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維から作製される。これらの架橋されたセルロース系繊維は、嵩を増加させた繊維内の架橋されたセルロース系繊維をもたらす量のポリアクリル酸架橋剤でセルロース系繊維を処理することにより得られる。
[0032]ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維およびポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維を作製するための方法は、例えば、US5549791、US5998511、US6306251で説明されており、漂白されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維は、US7513973で説明されている。
[0033]ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維は、セルロース系繊維に、繊維内の架橋を達成するのに十分な量でポリアクリル酸を適用することによって製造することができる。セルロース系繊維に適用される量は、繊維の総重量に基づき約1〜約10重量パーセントであり得る。一実施態様において、乾燥した繊維の総重量に基づき約4〜約6重量パーセントの量の架橋剤が適用される。
[0034]ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維は、架橋触媒を使用して製造することができる。好適な触媒としては、酸性塩、硫酸アンモニウム、およびリン含有酸のアルカリ金属塩を挙げることができる。一例において、架橋触媒は、次亜リン酸ナトリウムである。使用される触媒の量は、乾燥した繊維の総重量に基づき約0.1から約5重量パーセントの範囲で様々であり得る。
[0035]他の源からも入手可能であるが、本発明の開示に従って漂白されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維の作製に有用なセルロース系繊維は、主として木材パルプから得られる。本発明で使用するための好適な木材パルプ繊維は、後続の漂白の有無にかかわらず、クラフトおよび亜硫酸法などの周知の化学的プロセスから得ることができる。またパルプ繊維は、サーモメカニカル、ケミサーモメカニカル方法、またはそれらの組合せによって加工される場合もある。通常、パルプ繊維は化学的方法によって生産されるが、砕木繊維、再生または二次的な木材パルプ繊維、および漂白または未漂白の木材パルプ繊維を使用することができる。好適な出発原料は、長繊維の針葉樹の木材種、例えばサザンパイン、ダグラスファー、トウヒ、およびツガから製造される。木材パルプ繊維生産の詳細は、当業者公知である。好適な繊維は、ウェアーハウザー社(Weyerhaeuser Company)などの多数の会社から市販されている。例えば、本発明での作製における使用に適したサザンパインから生産された好適なセルロース繊維は、ウェアーハウザー社よりCF416、CF405、NB416、NF405、FR416、およびFR516という名称で入手可能である。
[0036]本発明の開示に従った使用に好適な木材パルプ繊維はまた、使用前に前処理されてもよい。この前処理は、物理的な処理、例えば水蒸気に繊維を晒すこと、または化学的処理を包含していてもよい。限定として解釈されないが、繊維の前処理の例としては、繊維への難燃剤の適用、および繊維表面の化学的性質を改変する界面活性剤または他の液体、例えば溶媒の適用が挙げられる。他の前処理としては、抗微生物剤、顔料、および高密度化剤(densification agent)または軟化剤の取り込みが挙げられる。熱可塑性または熱硬化性樹脂などの他の化学物質で前処理した繊維も同様に使用され得る。別の種類の物理的な前処理は、架橋剤の含浸プロセスを改善するために、コロナ放電などのプラズマに繊維を晒すことである。前処理の組合せも採用され得る。
[0037]本発明の開示に従った使用に好適なポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維は、例えば、US5447977で説明されているようなシステムおよび装置によって製造され得る。以下の架橋プロセスの説明は、説明に役立つ例としてこのシステムを参照するが、あらゆる好適なシステムが採用され得る。簡単に言えば、システムは、繊維処理ゾーンを通ってセルロース繊維のマットまたはウェブを輸送するための運搬装置;繊維処理ゾーンで、源からの処理物質を繊維に適用するためのアプリケーター;マットを含む個々のセルロース繊維を分離して、実質的に壊れておらず本質的に別々になったセルロース繊維で構成される繊維産物を形成するためのファイバライザー;残留した水分をフラッシュ蒸発させるための、ファイバライザーに連結されたドライヤー;ならびに繊維の追加の加熱のための制御温度ゾーンおよび架橋剤を硬化して、乾燥および硬化された個々の架橋繊維を形成するためのオーブンを包含する。
[0038]本明細書で使用される場合、用語「マット」は、一緒に共有結合していないセルロース繊維または他の繊維を含む、あらゆる不織のシート構造を指す。繊維は、コットンラグ(cotton rag)、麻、草類、サトウキビ、トウモロコシの茎、トウモロコシの皮などの木材パルプまたは他の源、またはシートに敷き詰めることができる他の好適なセルロース繊維源から得られた繊維を包含する。セルロース繊維のマットは、好ましくは延伸されていないシートの形態であり、別々のサイズの多数のベール梱包されたシートのうちの1つであってもよいし、または連続するロールであってもよい。
[0039]セルロース繊維の各マットは、運搬装置、例えば、コンベヤーベルトまたは一連の駆動ローラーによって輸送される。運搬装置は、繊維処理ゾーンを通過してマットを運ぶ。繊維処理ゾーンで、セルロース繊維のマットに架橋剤溶液が適用される。架橋剤溶液は、噴霧、ローリング、または浸漬などの当業界において公知の様々な方法のいずれか1つを使用して、マットの片面または両面に適用される。マットに架橋剤溶液が適用されたら、例えばマットを一対のローラーに通過させることによって、溶液をマット全体に均一に分布させてもよい。
[0040]マットの繊維が架橋剤で処理された後、含浸させたマットは、ハンマーミルを介してマットをフィードすることによって繊維化される。ハンマーミルは、マットをその構成要素である個々のセルロース繊維に崩壊させ、次いでセルロース繊維は、残留した水分を除去するために乾燥ユニットを介して空気輸送される。好ましい実施態様において、繊維マットは、湿潤繊維化される。
[0041]次いで、得られた処理されたパルプは、パルプの温度を硬化温度にするために、追加の加熱ゾーン(例えばドライヤー)を介して空気輸送される。一実施態様において、ドライヤーは、繊維を受け取り、フラッシュ乾燥方法により繊維から残留した水分を除去するための第1の乾燥ゾーン、および化学反応(この実施態様ではエステル化)を完了させるために架橋剤を硬化するための第2の加熱ゾーンを包含する。その代わりに、別の実施態様において、処理された繊維は、フラッシュドライヤーを吹き抜けることで、残留した水分が除去され、硬化温度に加熱され、次いでオーブンに移され、そこで処理された繊維は、続いて硬化される。全体としては、処理された繊維は乾燥され、次いで架橋を達成するのに十分な時間および十分な温度で硬化される。典型的には、繊維は、約120℃〜約200℃の温度で約1〜約20分、オーブンで乾燥され、硬化される。繊維のpHは、一般的に、約4.5〜5である。
[0042]漂白段階は、典型的には、硬化段階の後に行われる。一形態において、本開示は、漂白されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維を作製するための方法を提供する。このような方法において、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維は、1種またはそれより多くの漂白剤で後続処理される、すなわち架橋反応が完了して繊維が硬化された後に処理され、フルフラール量が低減され、付随する悪臭が低減されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維が提供される。
[0043]漂白剤は、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維に適用される。一実施態様において、漂白剤は、過酸化水素である。別の実施態様において、漂白剤は、過酸化水素および水酸化ナトリウムの組合せである。他の可能性のある漂白剤としては、過酸(例えば過酢酸)、過酸化ナトリウム、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、および次亜塩素酸ナトリウムが挙げられる。漂白剤の混合物も使用が可能である。環境上および健康上の懸念のために、塩素を含有する薬剤以外の漂白剤が一般的に好ましい。
[0044]ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維は、繊維1ADMT(風乾メートルトン)あたり約0.1ポンド(0.045kg)〜約20ポンド(9.07kg)の過酸化水素で処理することができる。風乾メートルトンは「ADMT」(2204.6lb、または1000kg)とも称され、木材パルプに関する重量の尺度である。TAPPI標準では、風乾メートルトンは、90%の乾燥固体(繊維)含量を有する。したがって上述の範囲は、約0.005wt%〜約1.01wt%のパルプ上の化学物質(chemical on pulp)(「COP」)に相当する。いくつかの実施態様において、繊維は、繊維1ADMTあたり約3ポンド(1.36kg)〜約10ポンド(4.54kg)(約0.15wt%〜約0.5wt%のCOP)の過酸化水素で処理される。いくつかの実施態様において、繊維は、繊維1ADMTあたり約5ポンド(2.27kg)(約0.25wt%のCOP)の過酸化水素で処理される。過酸化水素の量は、一部の環境において、例えば安全な化学物質の取り扱いの実践、適用方法、適用装置などの要因によって制限される場合がある。しかしながら、本開示は、そのように限定されず、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維中のフルフラールレベルを低減するのに有効なあらゆるレベルの過酸化水素を包含する。
[0045]本方法の一実施態様において、硬化の直後に、漂白剤は、あらゆる好適な手段で繊維上に過酸化水素を噴霧することによってポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維に適用される。実験室の環境では、これは、アルミニウム製のシール可能なバッグであるマイラー(mylar)中に入れられた加湿したポリアクリル酸で架橋された繊維を、過酸化水素水溶液と共に噴霧することによって達成され得る。工場の環境では、これは、ポリアクリル酸で架橋された繊維を含有する空気ストリームに過酸化水素水溶液を噴霧することによって達成することができる。あらゆる好適な適用方法が使用され得る。
[0046]いくつかの実施態様において、過酸化水素は、水酸化ナトリウムなどのアルカリ化剤の存在下で、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維に適用される。例えば、いくつかの実施態様において、繊維1ADMTあたり最大5ポンドの水酸化ナトリウムを、過酸化水素と共に繊維に適用することができる。他の実施態様において、過酸化水素は、水酸化ナトリウムの非存在下において、および/またはあらゆるアルカリ化剤または他の漂白剤の非存在下において適用される。このような実施態様において、繊維に適用される過酸化水素溶液のpHは、約4.5から5の間である。以下に示すように、一部の実験で、水酸化ナトリウムの非存在下において過酸化水素を適用した後、水酸化ナトリウムの存在下での過酸化水素の適用と比較してより大きい程度にフルフラール含量が低減されることが観察された。いくつかの実施態様において、過酸化水素は、単独で、すなわち水以外の他のあらゆる化学物質または試薬の非存在下において、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維に適用される。
[0047]フルフラールの量または含量は、標準的なGC−FID方法などのあらゆる好適な方法、または別の方法で測定することができ、フルフラール含量の低減は、フルフラールが最初に生成した後の2つの(またはそれより多くの)異なる時間で測定された含量を比較することによって計算することができる。最初のフルフラール生成と後続のフルフラール低減の反応速度が異なるために、フルフラールの測定値は、過酸化水素で処理した後の1日と21日との間の2つのポイントで最も良好に入手されたことが見出された。例えば、工場の環境において、硬化された繊維は、漂白後、硬化段階による熱を保持したままベール梱包されるのが典型的であり、したがってこの余熱が、(過酸化水素処理およびフルフラールの低減反応の開始の後でさえも)フルフラール生成反応を、繊維が冷却されるまで延長させる可能性があると考えられる。したがって、過酸化水素での処理後の少なくとも1日に、最初のフルフラール測定値を入手した。過酸化水素によるフルフラール含量の低減が平衡に達するのに十分な時間を確保するために、漂白されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維をエイジング(老成)させた後に、後続のフルフラール測定値を入手した。生産の環境において、処理後に繊維を加工するとき、または取り扱われるときに、エイジング(老成)が起こる可能性がある。例えば、工場の環境では、漂白後、架橋繊維は、典型的にはベール梱包装置に運搬されて、そこで出荷前に生成物の繊維がベール梱包され、ラップされる。
[0048]上述の例の実施態様は、あらゆる数の好適な適用方法、同様にそれらの組合せを例示するものであり、これらは全て本発明の開示に包含されることが理解される。
[0049]以下の実施例は、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維を、架橋繊維中のフルフラールの量(およびそれに付随する悪臭)を低減するのに有効な量の過酸化水素で後続処理する例示的な非限定的な実施態様および方法を説明する。
[0050]実施例1
[0051] サザンパインのクラフトパルプ繊維(CF416、ウェアーハウザー社)をポリアクリル酸(Aquaset 1676、Dow)で処理することによって、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維のサンプルを実験室スケールで製造した。全てのサンプルを標準的な架橋溶液で処理し、193℃(380°F)で5分間硬化した。硬化した繊維を、蒸留水(対照として)または漂白剤の過酸化水素(H)を含有する水のいずれかで、繊維1ADMTあたり2.5、5.0、7.5、および10.0lb(それぞれ1.13、2.27、3.40、および4.54kg/ADMT)の濃度で再度湿潤化した。蒸留水のpHは4.46であり、それぞれのH溶液のpHは4.93、4.72、4.80、および4.65であった。
[0052]ポリアクリル酸で架橋したセルロース系繊維中に生成したフルフラールの量、および漂白剤(すなわち、過酸化水素)の適用後におけるその低減を、以下のGC−FID機器を用いた手順によって測定した。
[0053]1グラムのパルプサンプルを20mlのバイアルに挿入し、キャップして、ヘッドスペースサンプラー(HP7694)において85℃で10分間加熱した。揮発性化合物は、パルプからヘッドスペースに蒸気の形態で追い出される。ガスサンプルは、ヘッドスペースサンプラーによって、0.5mlサンプルループを介してHP5890シリーズIIのガスクロマトグラフ(GC)に注入される。30メートルのメガボア(megabore)カラム(DB624 内径0.054mm、フィルム厚さ3.0マイクロメートル)は、沸点、分子量および蒸気圧の組合せによって化合物を分離するものであり、GCオーブンが昇温するにつれて、化合物がカラムから溶出し、水素炎イオン化検出器(FID)によって検出される。得られたグラフは、分析の時間経過にわたり別個のピークによって表される。データは、HPケミステーション(HP ChemStation)ソフトウェアによって得られ、サーモターゲット(Thermo Target)ソフトウェアによって分析される。化合物は、その固有の保持時間によって同定され、強度(ピーク面積)は量を示す。フルフラールの場合、9種の異なる濃度を使用して、0.02〜12μg/g(ppm)の範囲で検量線を作製した。検量線は、0.999のR二乗の回帰を示した。
[0054]以下の表1に、処理後のサンプルのフルフラールレベルを示す。「0日目」は、生産と後続の漂白処理の日を示す。
Figure 0006616325
[0055]1日目における処理されたサンプル(1B、1C、1D、および1E)のフルフラール含量は、未処理の対照サンプル(1A)のフルフラール含量と比較して、一般的に、適用された過酸化水素の量が増加するにつれて減少し、およそ14%、21%、17%、および28%の低減が、それぞれ2.5、5.0、7.5、および10.0lb/ADMT(1.13、2.27、3.40、および4.54kg/ADMT)の繊維レベルで観察された。
[0056]エイジング(老成)に伴い、フルフラール低減の最大量は、サンプル1Bおよび1Cにおいて、それぞれ2.5および5.0lb/ADMT(1.13および2.27kg/ADMT)の繊維レベルで観察された。これらの2つのレベルのそれぞれにおいて、フルフラール含量は、1日目から12日目の間でおよそ48%低減された。
[0057]概して、未処理の対照サンプル(1A)と比較したフルフラール低減は、12日目に、サンプル1Bおよび1Cにおいて、それぞれ2.5および5.0lb/ADMT(1.13および2.27kg/ADMT)の繊維レベルで最大であった。これらのレベルにおいて、フルフラール含量は、サンプル1Bでは未処理の対照サンプルと比較しておよそ55%低減され、サンプル1Cでは未処理の対照サンプルと比較しておよそ59%低減された。
[0058]実施例2
[0059]ポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維のサンプルを、実施例1で説明される手順に従って実験室スケールで製造した。しかしながら、硬化の結果生じるフルフラールの初期レベルを増大するために、架橋溶液で処理した後にサンプルを193℃(380°F)で10分間硬化した。硬化された繊維を、水(対照)または漂白剤の過酸化水素(H)を含有する水のいずれかで、2.5、5.0、7.5、および10.0lb/ADMT(1.13、2.27、3.40、および4.54kg/ADMT)の繊維の濃度で再度湿潤化した。一部の硬化された繊維を、Hを含有する水で(繊維1ADMTあたり2.5および5.0lb(1.13および2.27kg/ADMT)の濃度で)、さらに水酸化ナトリウム(NaOH)で(繊維1ADMTあたり2.5または5.0lb(1.13または2.27kg/ADMT)のいずれかの濃度で)処理した。
[0060]以下の表2に、実施例1で説明したGC−FID手順によって決定した処理後のサンプルのフルフラールレベルを示す。
Figure 0006616325
[0061]ここでも、処理されたサンプルのフルフラール含量は、1日目の値を未処理の対照サンプル(2A)の値と比較して、一般的に、適用された過酸化水素の量が増加するにつれて減少し、低減はおよそ32%(サンプル2Bの場合)からおよそ51%(サンプル2Hの場合)の範囲であった。1日目におけるフルフラール含量は、過酸化水素に加えて水酸化ナトリウムで処理されたサンプルにおいて、同じ量の過酸化水素単独で処理されたサンプルと比較して、それよりわずかに少なかった。
[0062]エイジング(老成)に伴い、実施例1の場合と同様に、フルフラール低減の最大量は、2.5および5.0lb/ADMT(1.13および2.27kg/ADMT)の繊維レベルで観察された。これらのレベルのうち低い方で、1日目から14日目へのフルフラール低減の程度は、水酸化ナトリウムの存在下でよりわずかに大きく、すなわちサンプル2B(H単独で処理)ではおよそ30%であったのに対し、サンプル2C(NaOHの存在下においてHで処理)ではおよそ31%であった。しかしながら、これらのレベルのうち高い方で、1日目の後のフルフラール低減の程度は、水酸化ナトリウムの存在下でより低く、すなわちサンプル2D(H単独で処理)ではおよそ26%であったのに対し、サンプル2Eおよび2F(それぞれ繊維1ADMTあたり2.5および5.0lb(1.13および2.27kg)のNaOHの存在下においてHで処理)ではそれぞれおよそ21%および18%であった。
[0063]概して、実施例2において、未処理の対照サンプル(2A)と比較したフルフラール低減は、14日目に、サンプル2H(繊維1ADMTあたり10.0lb(4.54kg/ADMT))においておよそ62%で最大であった。
[0064]実施例3
[0065]工場での試験を行って、様々なレベルの過酸化水素を、ミシシッピ州コロンバスにあるウェアーハウザー社のコロンバス・モディファイド・ファイバー・ミル(Columbus Modified Fiber mill)で生産されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース繊維に適用した。ポリアクリル酸で架橋された繊維をサザンクラフトパルプ繊維(CF416、ウェアーハウザー社)から生産した。漂白剤の過酸化水素(H)を含有する水を、繊維1ADMTあたり2.5、3.5、および5.0lb(1.13、1.59および2.27kg/ADMT)の濃度で使用して、この溶液を硬化された繊維を含有する空気ストリームに噴霧することにより、硬化された繊維を再度湿潤化した。
[0066]ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維を、硬化容器中で約182℃(360°F)の温度で約4.5〜5分間硬化した。
[0067]以下の表3に、実施例1で説明したGC−FID手順によって決定した処理後のサンプルのフルフラールレベルを示す。
Figure 0006616325
[0068]実施例1および2と一致して、工場での試験で適用された過酸化水素の量が、1日目の値を未処理の対照サンプル(3A)の値と比較して増加するにつれて、処理されたサンプルのフルフラール含量は減少し、低減は、およそ16.3%からおよそ57.8%の範囲であった。
[0069]エイジング(老成)に伴い、1日目の後のフルフラール低減の最大量は、5.0lb/ADMTの繊維レベルで、およそ48.3%と観察された。より低いレベルでのフルフラール低減は、3.5lb/ADMT(1.59kg/ADMT)の繊維レベルでおよそ31.6%であり、2.5lb/ADMT(1.13kg/ADMT)の繊維レベルでおよそ22.8%であった。
[0070]全体的に、工場での試験で、21日目におけるフルフラール低減は、未処理の対照サンプル(3A)と比較して、サンプル3B(繊維1ADMTあたり2.5lb(1.13kg/ADMT)で)においておよそ35.4%、サンプル3C(繊維1ADMTあたり3.5lb(1.59kg/ADMT)で)においておよそ58.4%、およびサンプル3D(5.0lb/ADMT(2.27kg/ADMT)の繊維で)においておよそ78.2%であった。
[0071]本発明の開示に従って生産された漂白されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維は、例えば、板紙、ティッシュ、タオル、および拭き取り繊維、ならびにパーソナルケア吸収性製品、例えば乳児用おむつ、失禁用製品、および女性用ケア製品などの様々な製品に取り込むのに好適である。したがって、別の形態において、本開示は、フルフラールおよびそれに付随する悪臭のレベルを低減した漂白されたポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維を包含する、拭き取り繊維、タオル、およびティッシュ、加えて乳児用おむつ、成人用失禁用製品および女性用衛生製品などの吸収性製品を提供する。
[0072]前述の操作原理ならびに例示された実施例および実施態様を参照しながら本発明を示し説明してきたが、本発明の本質および範囲から逸脱することなく形態および詳細を様々に変化させ得ることは、当業者には明らかであると予想される。本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれるこのような全ての代替案、改変および変化を包含することが意図される。
[1] ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維のフルフラール含量を低減させる方法であって、硬化段階に続く漂白段階において、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維に過酸化水素単独を、繊維1ADMTあたり約0.1〜約20ポンド(約0.045〜約9.07kg)の量で、約4.5から5の間のpHで適用することを含み、
ここで、処理された架橋繊維中のフルフラールの量が、架橋繊維を処理した後の少なくとも1日に測定した第1の値から、処理後21日までに測定した第2の後続の値に低減される、上記方法。
[2] 過酸化水素が、繊維1ADMTあたり約3.0〜約10ポンド(約1.36〜約4.54kg)の量で前記繊維に適用される、[1]に記載の方法。
[3] 過酸化水素が、繊維1ADMTあたり約5ポンド(2.27kg)の量で前記繊維に適用される、[1]に記載の方法。
[4] 前記架橋繊維を含有する空気ストリームに過酸化水素単独を噴霧することによって、過酸化水素が適用される、[1]に記載の方法。
[5] 第1の値から第2の値へのフルフラールの低減が、少なくとも約25%である、[1]に記載の方法。
[6] フルフラールの低減が、未処理のポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維と比較して、少なくとも55%である、[1]に記載の方法。
[7] ポリアクリル酸で架橋された繊維中のフルフラールの存在に関連する悪臭を低減させる方法であって、該架橋繊維の硬化に続いて、アルカリ化剤の非存在下において該架橋繊維に過酸化水素を適用することを含み、それによって該架橋繊維のフルフラール含量を少なくとも約55%低減させる、上記方法。
[8] 過酸化水素の適用後の21日まで、前記架橋繊維をエイジングさせることをさらに含む、[7]に記載の方法。
[9] 過酸化水素が、約4.5から5の間のpHで前記架橋繊維に適用される、[7]に記載の方法。

Claims (9)

  1. ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維のフルフラール含量を低減させる方法であって、
    硬化段階に続く漂白段階において、ポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維に対して、水酸化ナトリウムの非存在下で過酸化水素単独を、繊維1ADMTあたり0.1〜20ポンド0.045〜9.07kg)の量にて、4.5〜5のpHで適用することを含み、
    ここで、処理された架橋繊維中のフルフラールの量が、架橋繊維を処理してから1日後に測定した第1の値から、処理してから12日後、14日後または21日後に測定した第2の後続の値に低減される、上記方法。
  2. 過酸化水素が、繊維1ADMTあたり3.0〜10ポンド1.36〜4.54kg)の量で前記繊維に適用される、請求項1に記載の方法。
  3. 過酸化水素が、繊維1ADMTあたり5ポンド(2.27kg)の量で前記繊維に適用される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記架橋繊維を含有する空気ストリームに過酸化水素単独を噴霧することによって、過酸化水素が適用される、請求項1に記載の方法。
  5. 第1の値から第2の値へのフルフラールの低減が25%以上である、請求項1に記載の方法。
  6. 処理のポリアクリル酸で架橋されたセルロース系繊維と比較して、処理後12日の時点で、フルフラールが55%以上低減される、請求項1に記載の方法。
  7. ポリアクリル酸で架橋された繊維中のフルフラールの存在に関連する悪臭を低減させる方法であって、
    該架橋繊維の硬化に続いて、アルカリ化剤の非存在下において該架橋繊維に過酸化水素を適用することを含み、ポリアクリル酸で架橋された架橋繊維のフルフラール含量が、過酸化水素の適用後12日の時点で、硬化後に過酸化水素で処理していない架橋繊維のフルフラール含量と比較して、55%以上低減される、上記方法。
  8. 過酸化水素の適用後の21日まで、前記架橋繊維をエイジングさせることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 過酸化水素が、4.5〜5のpHで前記架橋繊維に適用される、請求項7に記載の方法。
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