以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1には、本実施形態の写真動画提供システム1と、この写真動画提供システムを利用する為の通信端末群の構成が示されている。なお、写真動画提供システムにおける写真動画とは、写真又は動画の意味であり、写真のみ、動画のみ、又は、写真及び動画の双方を提供する場合を含む。以下の本実施形態では、写真を提供する場合に限って例示する。
写真動画提供システム1は、インターネット等の無線や有線の通信回線を介して情報を配信するWEBサーバ2と、このWEBサーバ2に接続されて様々な情報を保存するデータベース(DB)サーバ4を備える。WEBサーバ2とDBサーバ4が別々の電子計算機(ハードウエア)で構成される場合を例示しているが、これらは一台の電子計算機で構築することも可能であり、更には、3台以上の電子計算機を組み合わせることも可能である。
写真動画提供システム1に対しては、通信回線を介して、開設者コンピュータK1〜K4、運営者コンピュータU1、購入者コンピュータC1〜C4が接続される。なお、これらのコンピュータは、いわゆるデスクトップ式又はノート式のパーソナルコンピュータ の他、スマートフォンやタブレット等の各種無線通信端末も含まれる。接続されるコンピュータの数は、実際はこれ以上の多数となる。
開設者コンピュータK1〜K4は、写真を撮影する者、例えば保育園や小学校等の施設従事者によって利用される。専門のカメラマンが利用する場合も含む。運営者コンピュータU1は、写真動画提供システム1の運営者によって利用される。運営者コンピュータU1は、デジタル写真印刷機Pに接続されて写真印刷を行う。なお、デジタル写真印刷機Pは、運営者コンピュータU1に接続されることは必須ではなく、USBメモリ等の情報記憶媒体を用いて両者の間で印刷用データを移送してもよい。購入者コンピュータC1〜C4は、写真を購入する者によって利用される。購入者は、開設者の施設に通っている者又はその親族である場合が多いが、それ以外の場合もありうる。
以上の全体構成により、本写真動画提供システム1は、開設者コンピュータK1〜K4によって、写真を販売するための展示室がオンラインで開設され、購入者コンピュータC1〜C4から写真の発注をオンラインで受け付ける。写真の発注情報は、運営者コンピュータU1に伝達され、それに基づいてデジタル写真印刷機Pで写真が印刷されて、特に図示しない運送業者を介して購入者に直送される。
図2(A)は、写真動画提供システム1のWEBサーバ2及びDBサーバ4のハードウエアのブロック構成が示されている。なお、これらのサーバ2、4のハードウエア構成は基本的に同じである。WEBサーバ2及びDBサーバ4は、各種プログラムが実行されるCPU(中央演算装置)5、CPU5で必要とする情報を一時的に展開するメモリ6、プログラムや各種データが保存される情報記憶媒体7、LAN回線等が接続されて外部との通信を行う通信インターフェース8等を備える。情報記憶媒体7は、ハードディスクや書き換え可能な不揮発性メモリ、DATやDVT等の大容量記憶メディア等で構成される。
図2(B)は、写真動画提供システム1において、情報記憶媒体7に格納される写真動画提供プログラム等がCPU5で実行されることで実現される機能ブロックが示されている。大きくは、開設者に提供される機能ブロックA、購入者に提供される機能ブロックB、運営者に提供される機能ブロックCに分けることが出来る。これらの各機能ブロックの詳細を、図3以降で示されるユーザインターフェースを利用しながら説明する。
<開設者コンピュータに対して提供される機能>
<開設者管理>開設者管理手段10は、開設者の基本情報を開設者データベースに保持する。具体的には図3(A)に示されるように、開設者の氏名(施設名)、住所、電子メール、電話番号、パスワード等の登録画面を開設者コンピュータK1〜K4に配信して、これらの情報を受信して開設者データベースに登録しつつ、開設者がログインするためのIDを発行する。これにより、開設者コンピュータK1〜K4は、図3(B)に示されるログイン画面を利用して、写真動画提供システム1にログインできる。ログインすると、図3(C)に示されるように、開設者管理項目選択画面が表示される。
図3(C)の開設者管理項目選択画面には、展示室管理ボタン、購入者管理ボタン、履歴・ログ管理ボタン、売上清算管理ボタンが表示される。なお、購入者管理ボタンが点線で示されているのは、原則として、この機能は提供されない方が望ましいからである。その点の詳細は後述する。
<展示室管理>展示室管理ボタンを選択すると、展示室管理手段12が起動して、展示室管理データベースを参照する。展示室管理手段12は、図3(D)に示されるように、開設者コンピュータK1〜K4に対して展示室一覧画面を配信して、展示室新規開設ボタンと、既に開設済みの展示室のステータスリストを表示する。開設者(ID)に応じて、展示室リストに表示される展示室一覧は異なる結果となる。展示室のステータスリストには、展示室の状況、具体的には閉室・開室状況、入室者数、再開要求の有無等の概要が表示される。また、展示室毎に、展示室削除ボタンと管理ボタンが用意され、展示室削除ボタンを押すと展示室の全情報が削除される。管理ボタンを選択すると図4(B)の展示室管理画面に遷移する(詳細は後述)。
図3(D)の展示室選択画面において、展示室新規開設ボタンを押すことにより、展示室管理手段12は、図4(A)に示される展示室名称を入力するための画面を、開設者コンピュータK1〜K4に配信する。開設者コンピュータK1〜K4によって、展示室名称を入力してから開設ボタンを押すと、展示室管理データベースに新たな展示室名が登録され、その後、図4(B)のように、展示室個別管理画面に遷移する。
<データアップロード>図4(B)の展示室個別管理画面には、新規データアップロードボタン、更新データアップロードボタン、展示室編集ボタン、開室・閉室管理ボタン、入室コード発行ボタンが表示される。
新規データアップロードボタンを押すと、写真動画保管手段30が起動して、印刷用の写真データを写真データベースに保管する。具体的には図4(C)の新規データアップロード画面が開設者コンピュータK1〜K4に配信される。開設者コンピュータK1〜K4に保存されている写真フォルダを、画面内の所定位置にドラッグ&ドロップすると、写真フォルダ内に保管されている写真データが、写真データベースに圧縮保管される。なお、ここでは説明を省略するが、図4(B)の展示室個別管理画面において更新データアップロードボタンを押した場合も、図4(C)の画面とほぼ同様な更新データアップロード画面が配信される。更新データの場合は、既に写真データベースに登録済みのデータと比較されて、差分データのみを写真データベースに追加登録される。なお、印刷用の写真データは圧縮して保管することが好ましいが、圧縮せずに保管しても良い。
<展示室構築>写真動画保管手段30によって写真データベースに写真が登録されると同時に、展示室構築手段20が起動する。展示室構築手段20は、開設者がアップロードした写真フォルダを利用して、購入者にオンラインで閲覧させる画面(以下、展示室)を自動構築して、これらの情報を展示室データベースに登録する。詳細には、この展示室構築手段20は、展示室構成生成手段21、解像度変更手段22、リネーム手段24、写真動画回転手段26、トリミング手段28を有する。
展示室構成生成手段21は、図5(A)に示すアップロードした写真フォルダの階層構造及びフォルダ名をそのまま利用して、図5(B)に示すような展示室画面の階層構成情報を自動生成する。例えば、図5(A)に示す写真フォルダの最上位階層名が「遠足」となり、「遠足」に属する二次階層名が「さあ出発だ!」「楽しく昼食」「帰りも元気」となり、「楽しく昼食」に属する三次階層名が「集合写真」となる場合は、図5(B)の展示室の階層構造も、(最上位のフォルダ名称を除いて)一致することになる。このように、開設者コンピュータK1〜K4を利用して、展示室のページ構成をイメージしながら、写真フォルダをあらかじめ整理しておけば、それをアップロードするだけで展示室のページ構成を自動生成できることになる。特に多階層構造にする場合の利便性が高い。
解像度変更手段22は、アップロードされた写真データを利用して、データサイズを小さくした展示室用写真データを自動生成する。データサイズのリサイズは、解像度を低くすることで行う。写真データそのものを展示室用に利用すると、データサイズが大きすぎて、通信端末における画面閲覧に時間を要するからである。
リネーム手段24は、展示室用写真データの名称を再設定する。例えば、図5(A)に示すように、アップロードされた写真データの名称は何ら統一性がない場合が多い。その理由は、メーカーや機種の異なる複数台のカメラで撮影したデータを、開設者コンピュータK1〜K4で取りまとめて、編集するからである。従って、リネーム手段24は、展示室用写真データの名称を、加工元の写真データの名称とは異なるものに再設定する。例えば本実施形態では、図5(B)に示されるように、アップロードされた写真データに付与されているタイムスタンプ順に連番を付与する。これにより、展示室では、各フォルダ内で時間順に写真データが配列されることになる。なお、他のルールによってリネームしても良い。
写真動画回転手段26は、写真データに予め付随している撮影条件情報、例えばExif(Exchangeable image file format)情報を利用して、展示室用写真データを横表示するか、縦表示するかを写真毎に自動設定する。その結果、図5(B)に示されるように、横で撮影された展示室用写真データは横表示、縦で撮影された展示室用写真データは縦表示となる。なお、写真データに付随している撮影条件情報が誤っている場合もあるので、図5(B)の展示室編集画面においても、写真毎に、回転ボタンが用意されている。この回転ボタンを押すと、写真動画回転手段26が、展示室用写真データをその場で回転させて表示する。
トリミング手段28は、写真データを利用して実際に写真を印刷した時の印刷領域を推測して、あらかじめ展示室用写真データをトリミングする。例えば、カメラで撮影した写真データが図6(A)の状態となっており、この写真データを利用して写真を印刷すると、図6(B)の斜線領域がカットされと予測できる場合、展示室用写真データは、図6(C)のように、この斜線領域を予めトリミングしてしまう。このようにすることで、展示室でオンライン閲覧される展示室用写真データと、注文して納品される写真の撮影領域を完全に一致させることができる。特に、写真データの輪郭近辺に人物が写っている場合、写真を出力すると、人物の一部が切れてしまう場合がある。この誤差を予めトリミングして購入者に情報提供することで、購入者は、安心して写真を発注することができる。参考に日本では、いわゆるL伴が標準的な写真サイズとして普及している。このL伴は、一方の辺が89ミリメートル、他方の辺が127ミリメートルで、縦横比が1.43となる。従って、この縦横比と、写真データの縦横比が不一致の場合、トリミングしなければならない領域が必ず生まれる。
なお、図5(C)の展示室編集画面では、削除する写真にチェックを入れておき、削除ボタンを押すことで、不要な写真をオンラインで削除できる。また、表示されている写真をドラッグ&ドロップすれば、フォルダ内やフォルダ間で写真を移動させることもできる。更に特に図示しないが、開設者コンピュータK1〜K4のローカル領域から、この展示室編集画面内に写真データをドラッグ&ドロップすれば、新規写真データをアップロードすることができる。この操作を行ったときは、既に述べた写真動画保管手段30及び展示室構築手段20が起動して、既述の全ての処理が、追加された写真データに自動適用される。
以上、展示室に関連する情報は、全て展示室データベースに保存され、これらの情報を適宜編集できることになる。
<入室コード発行>図4(B)に戻って、展示室個別管理画面において、入室コード発行ボタンを押すと、入室コード発行手段40が起動する。入室コード発行手段40は、購入者コンピュータC1〜C4を用いて購入者が展示室に入室するための識別情報を発行すると同時に、その入室コードを入室管理データベースに登録する。具体的には図7(A)に示されるように、開設者コンピュータK1〜K4に対して入室コード種別選択画面を配信し、入室コードの種別選択を促す。ここでは共通タイプと個人別タイプの二種類のコードを選択できる。
共通タイプを選択した場合、次に図7(B)に示されるように、入室コード発行画面が表示され、画面上に入室コード(例:ABCDEF)が表示される。入室コード発行画面には、更に、電子メール通知ボタンとカード印刷ボタンが用意される。電子メール通知ボタンを押すと、電子メール通知手段42が起動して、図7(C)に示される電子メール通知画面が開設者コンピュータK1〜K4に配信される。電子メール通知画面の電子メールアドレスリストの貼り付け領域に、あらかじめ開設者が知っている購入候補者の電子メールリストを入力して通知実行ボタンを押すと、図7(D)に示されるように、電子メールによって、購入候補者に入室コードが通知される。なお、この電子メールの発送元は、運営者コンピュータU1の電子メールアドレスとなり、電子メール内に表示される署名にも運営者Uの名称及び連絡先が表示される。これにより、開設者は、購入者側からの発注に関する問い合わせ対応が不要となり、日々の業務に専念できる。なお、この運営者の情報は、後述する運営者データベースに登録されている。
次に図7(B)の入室コード発行画面においてカード印刷ボタンを押すと、カード印刷手段44が起動して、図7(E)に示されるカード印刷のプレビュー画面が表示される。このプレビュー画面には、例えば、A4用紙の印刷領域に対して複数枚(ここでは10枚)のカードが形成された状態が表示される。各カードには、共通タイプの入室コード、ログインするためのURL情報、開室/閉室予定時間(省略)、問い合わせ先等が表示される。印刷ボタンを押すことで、開設者コンピュータK1〜K4に接続されている汎用プリンタから、カード作成用紙が出力される。このカード作成用紙を10等分にカットすることで、入室コードを伝えるための配布用カードを簡単に作成できる。なお、この配布用カードの署名にも、運営者コンピュータU1の名称及び連絡先が表示される。これにより、開設者は、購入者側からの問い合わせ対応が不要となり、日々の業務に専念できる。
図7(A)に戻って、入室コード種別選択画面で個人別タイプを選択した場合は、図8(A)に示されるように、入室コード発行画面が表示され、電子メール通知ボタンとカード印刷ボタンが用意される。なお、個人別タイプの場合は、個人毎に入室コードが異なるので、この画面上には入室コードは表示されない。また、個人別タイプの入室コードは、いわゆるワンタイム形式となっており、購入者が、この入室コードを利用して、展示室に一度入室すると、その情報が入室管理データベースに登録され、同じ入室コードを他人(別IDの購入者)が利用して入室しようとしても、使用済みコードとして拒否される。この結果、成りすましの入室者を防止できる。
電子メール通知ボタンを押すと、電子メール通知手段42が起動し、図8(B)に示される電子メール通知画面が開設者コンピュータK1〜K4に配信される。電子メール通知画面の電子メールアドレスリストの貼り付け領域に、あらかじめ開設者が知っている購入候補者の電子メールリストを入力して通知実行ボタンを押すと、図8(C)に示されるように、電子メールによって、購入候補者に入室コードが通知される。この際、電子メール毎(購入予定者毎)に異なる入室コードが通知される。
次に図8(A)の入室コード発行画面においてカード印刷ボタンを押すと、カード印刷手段44が起動し、図8(D)に示されるカード設定画面が表示される。このカード設定画面は、カードの発行人数を入力するようになっている。開設者は、開設者コンピュータK1〜K4を利用して、発行人数(例えば30名)を入力してプレビューボタンを押すと、図8(E)に示されるように、カード印刷用のプレビュー画面が表示される。このプレビュー画面には、例えば、A4用紙の複数枚の印刷領域に対して、設定人数分(例えば30名分)のカードが形成された状態が表示される。なお、例えばA4用紙1枚で10枚のカードを作成する場合は、30名でA4用紙3枚分のプレビュー画面となる。各カードには、互いに異なる入室コードが表示されるほか、ログインするためのURL情報、問い合わせ先等が表示される。印刷ボタンを押すことで、開設者コンピュータK1〜K4に接続されている汎用プリンタから、これらのカード作成用紙が出力される。各カード作成用紙を10等分にカットすることで、入室コードを伝えるための30枚の配布用カードを簡単に作成できる。
なお、本実施形態では、個人別コードと共通コードを選択できるようにしたが、本発明はこれに限定されず、これらの何れかに限定しても良い。また、本実施形態では、入室コードとして、ある程度視覚的に識別可能な入室コード(キーボード入力が容易な入室コード)を配布する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電子メールを用いた通知に限定できるのであれば、アクセスするためのURL内に、長文の入室コードを予め埋め込んでおき、このURLを購入予定者に電子メールで通知できる。電子メールを受信した購入者は、このURLをクリックするだけで、入室コードの登録が完了する。なお、ここでは図示を省略しているが、入室コードを電子メール又はカードで通知する際に、あらかじめ設定している開室日と閉室日を同時に表示(印字)することが好ましい。
<開室・閉室管理>図4(B)に戻って、展示室個別管理画面において、開室・閉室管理ボタンを押すと、開室閉室管理手段50が起動する。開室・閉室管理手段50は、開設者の指示に基づいて、各展示室の開室(入室可能な状態)と閉室(入室不能な状態)を切り替える。具体的に展示室が閉室状態の場合は、図9(A)に示される開室・閉室管理画面が開設者コンピュータK1〜K4に送信される。この開室・閉室管理画面には、現在の状況(閉室)が表示されると共に、「今すぐ開室」ボタンと、タイマー設定領域が表示される。「今すぐ開設」ボタンを押すと展示室が開室する。タイマー設定領域には、開室日時入力欄、閉室日時入力欄、閉室前通知日入力欄、閉室前通知対象者の選定チェックボックス(カート有限定者又は全員)が表示される。開設者が、タイマー設定を希望する項目のみを入力欄に入力して設定ボタンを押すと、タイマー設定手段52が起動して、開室・閉室タイマーが設定される。例えば、開室のみを設定する場合は、開室日時入力欄に情報を入力して(他は空欄のまま)設定ボタンを押す。閉室のみを設定する場合は閉室日時入力欄に情報を入力して(他は空欄のまま)設定ボタンを押す。開室及び閉室を設定する場合は、開室日時入力欄と閉室日時入力欄に情報を入力して(他は空欄のまま)設定ボタンを押す。閉室前通知を設定する場合は、閉室日時入力欄と事前通知日(何日前)に情報を入力し、更に、カートに購入検討写真が残存している購入者に限って通知するか(「カート有限定」にチェックするか)、入室済みの購入者全員に通知するか(「全員」にチェックするか)を選択してから設定ボタンを押す。事前通知機能を設定した場合は、閉室事前通知手段54が起動し、所定のスケジュールに沿って、電子メールによって購入者に閉室日時を事前に通知する。結果、購入者が購入機会を逸しないように配慮できる。
なお、閉室前通知を行う場合は、閉室事前通知手段54が、データベースサーバ4の購入者データベース及びカートデータベースを参照して、展示室に入室済みの購入者リストや、展示室に対応した写真をカートに残している購入者リストを自動的に抽出する。従って、開設者が、購入者の個人情報に直接アクセスしないので、個人情報の流出を抑制できる。また、購入者にとっても安心して閉室前通知を受け取ることができる。
なお、図9(B)には、開室中となっている展示室の開室・閉室管理画面が示されている。開室中は、もちろん開室ボタンや開室タイマー設定は表示されない。一方、「今すぐ閉室」ボタンと、閉室前通知(手動)ボタンが追加表示される。「今すぐ閉室」ボタンを押すと、展示室が閉室されて、図9(A)の状態に遷移する。閉室前通知(手動)ボタンを押すと、図9(C)に示される閉室前電子メール通知(手動)画面となり、今までの入室者数と、その中で、カートに購入検討中の写真が残っている入室者数が表示される。開設者は、カートに購入検討写真が残存している購入者に限って通知するか、入室済みの購入者全員に通知するかをチェックボックス選択してから、閉室予定日を更に入力し、通知実行ボタンを押す。これにより、電子メールによって、対象者に閉室予定日を手動通知できる。
<販売価格設定>図4(B)に戻って、展示室個別管理画面において、販売価格設定ボタンを押すと、販売価格設定手段60が起動する。販売価格設定手段60は、運営者による提供価格(開設者にとっての原価)に対して、どの程度利益を上乗せするかを設定できる。例えば、図10に示される販売価格設定画面のように、運営者による写真1枚当たりの提供価格が50円の場合、販売価格を50円〜80円の間で、10円刻みで設定できる。フォトブックに関しても同様に設定できる。例えば、施設側において、写真撮影の専門家に撮影を依頼した場合は、その依頼費用を回収するために、販売価格を高め(例えば写真80円、フォトブック2500円)に設定する。一方、写真等によって利益(売上)を計上すること自体が望ましくない団体の場合は、販売価格を原価(写真50円、フォトブック2000円)に設定する。
<購入者閲覧>図3(B)に戻って、開設者管理項目選択画面において、購入者閲覧ボタンを押すと、購入者閲覧手段70が起動する。購入者閲覧手段70は、開設者が開設した展示室に入室した購入者の情報、又はその展示室で写真を購入した購入者の情報を閲覧できる。具体的には図11(A)に示されるように、購入者の氏名、購入した展示室、購入枚数などを閲覧できる。更に、詳細ボタンを押せば、購入者の連絡先等を閲覧することができる。しかし、購入者閲覧手段70の機能は、本写真動画提供システム1において必須ではなく、個人情報を保護する観点からは、この機能は利用できない状態(すなわち、購入者の個人情報を閲覧不能な状態)にしておくことが望ましい。場合によっては、匿名化して限定的な情報を提供することもできる。
<履歴・ログ管理>図3(B)に戻って、開設者管理項目選択画面において、履歴・ログ管理ボタンを押すと、履歴・ログ管理手段80が起動する。履歴・ログ管理手段80は、展示室における写真購入履歴や、入室・退室履歴などを収集して開設者コンピュータK1〜K4に配信する。具体的には、図11(B)に示されるように、自らが開設した展示室の概要を配信する。この概要画面では、展示室ごとに、入室者数、写真の総購入枚数が表示され、更に、入退室ボタン、購入履歴ボタン、ランキングボタンが用意される。入退室ボタンを押すと、図11(C)に示されるように、購入者名を伏した匿名状態で、入室時刻と退室時刻、滞在時間が履歴表示される。購入履歴ボタンを押すと、図11(D)に示されるように、購入者名を伏した匿名状態で、購入時刻、購入枚数が履歴表示される。ランキングボタンを押すと、図11(E)に示されるように、購入枚数の多い順番に写真データが表示される。この際、実際の展示室用写真データを実際に表示することが好ましい。
以上の履歴・ログ管理手段80によれば、購入者の個人情報に触れることなく、どのような写真を積極的に撮影すれば売り上げが伸びるか、また、どのような展示室構成が好ましいか等を学習できる。従って、購入者のニーズに合わせた展示室の開設が自然と行われるようになる。
<開設者清算>図3(B)に戻って、開設者管理項目選択画面において、売上清算管理ボタンを押すと、開設者清算手段90が起動する。開設者清算手段90は、料金清算データベースを参照して、写真の販売を通じて開設者が得ている収益(購入者に対する商品販売価格から、運営者の商品作成料金を差し引いた金額、以下清算金額という)を抽出し、運営者に対して清算金額を配信する。更に清算金額に基づく入金指示情報をオンライン送付するための指示情報も生成して配信する。具体的には、図12(A)に示される売上清算管理画面を、開設者コンピュータK1〜K4に配信する。この売上清算管理画面では、展示室毎に、清算状況が一覧表示される。例えば、展示室に対応した清算金額と、その展示室が閉室している場合は清算ボタンが表示される。なお本実施形態では、開室状態の展示室は、未だ清算すべきではないので、清算ボタンは表示せずに「開室中」という文字のみを提示する。清算ボタンを押すと、図12(B)に示されるように、清算者氏名や住所、電子メール、電話番号に加えて、清算用の入金口座番号、入金口座名義等を入力する画面が表示される。開設者コンピュータK1〜K4は、この画面で必要な情報を入力して、清算依頼ボタンを押す。この結果、清算要求情報が、開設者から運営者に配信されて清算が行われる。なお、運営者による清算が完了するまでは「清算中」という文字が表示される。運営者による清算が完了して写真動画提供システム1にその旨が入力されると「完了」という文字が表示される。
開設者に関する基本情報は、開設者管理手段10によって、予め開設者データベースに登録されている。従って、清算者情報と開設者情報が同じであれば、清算者氏名等の入力は不要である。開設者管理手段10によって開設者データベースに登録される基本情報に、予め清算用の入金口座番号等を登録しておけば、これらの入力も省略可能である。
なお、本実施形態では、閉室後に清算ボタンが表示される構成を例示しているが、もちろん、開室状態でも随時清算できるようにしても良い。
<購入者コンピュータに対して提供される機能>
<購入者管理>購入者管理手段110は、購入者の基本情報を購入者データベースに保持する。具体的には図13(A)に示されるように、購入者の氏名(個人名)、住所、電子メール、電話番号、パスワード等の登録画面を購入者コンピュータC1〜C4に配信して、これらの情報を受信して購入者データベースに登録しつつ、購入者がログインするためのIDを発行する。これにより、購入者コンピュータC1〜C4は、図13(B)に示される購入者ログイン画面を利用して、写真動画提供システム1にログインできる。ログインすると、図13(C)に示されるように、新規入室コード登録画面が表示される。
<入室状況管理>図13(C)の新規入室コード登録画面には、入室コード入力欄及びその登録ボタンと、入室済み展示室一覧ボタンが用意されている。購入者コンピュータC1〜C4によって、開設者から電子メール又はカードによって取得した入室コードを入力し、登録ボタンを押すと、入室状況管理手段120が起動する。入室状況管理手段120は、受信した入室コードと、入室管理データベースに登録されている発行済み入室コードを比較して、どの展示室に入室するかを判断し、入室管理データベースに対して、展示室に対応させて購入者IDを登録することで入室済みとなる。なお、一致する入室コードが存在しない場合はエラー画面(図示省略)を購入者コンピュータC1〜C4に返信する。
入室コード登録が完了した場合、又は、図13(C)において入室済み展示室一覧ボタンを押した場合、入室状況管理手段120は、図13(D)の入室済み展示室一覧画面を、購入者コンピュータC1〜C4に配信する。この入室済み展示室一覧画面には、過去に一度入室登録を行い、かつ、開設者が削除していない展示室が表示される。開室中の展示室には入室ボタンが用意される。閉室状態の展示室には、再開依頼ボタンが用意され、この再開依頼ボタンを押すと、図3(D)の展示室一覧画面において、展示室の再開依頼が「有」と表示される。この情報を参照して、開設者は、展示室を再開するか否かを判断する。なお、この入室済み展示室一覧画面では、閉室中の展示室も表示するようにしているが、開室中の展示室に限定して表示することも好ましい。
<展示室配信>入室済み展示室一覧画面において入室ボタンを押すと、展示室配信手段130が起動し、図14(A)に示される展示室画面を購入者コンピュータC1〜C4に配信する。この展示室画面では、展示室構築手段20で自動構築された展示室が表示され、写真を購入するか否かのチェックボックスと、購入枚数の入力欄と、カートボタンが用意される。
<カート管理>購入者は、写真を閲覧しながら、購入を希望する写真にチェックし、更に購入枚数を入力してから、カートボタンを押す。その結果、写真の注文情報を管理する受注管理手段160に属するカート管理手段162が起動して、購入者に対応したカートデータベースに、写真管理番号、購入枚数を含む購入予定情報を登録すると同時に、図14(B)に示されるようなカート画面を表示する。このカート画面には、現時点の購入予定情報の一覧が表示される。このカート画面においても、写真を購入するか否かのチェックボックスと、購入枚数の入力欄が表示され、カートの購入予定情報を更新できる。
<受注管理>カート画面で購入ボタンを押すと、受注管理手段160は、購入予定情報に基づいて、図14(C)の購入確定画面を配信する。この購入確定画面には、購入総額、クレジットカードや着払い等の代金清算方法の選択チェックボックス、購入確定ボタンを表示する。各種金額は、受注管理手段160が、運営者によって登録された配送料や代引き手数料と、開設者によって登録された販売価格料金を参照して自動計算する。更に、この際、アルバム受注手段165が起動して、この購入確定画面内に、アルバム料金と、アルバム発注の希望の有無のチェックボタンが挿入される。アルバムとは、発注した写真が、1枚ずつ印刷されたフォトブック形式の商品である。購入者コンピュータC1〜C4によって、これらのチェックボックスに所定の情報を入力し、購入確定ボタンを押すと、受注管理手段160によって、受注データベースにこの受注情報が登録される。
<同梱管理>受注確定時には、同梱管理手段164が起動して、受注データベースにおける同一購入者が過去に発注した受注情報を参照し、未発送の受注が残存しているか否かを判定する。未発送の受注情報が存在する場合は、図15の「おまとめ発送確認画面」を購入者コンピュータC1〜C4に発送する。おまとめ発送確認画面には、未発送の受注情報を提示しつつ、この未発送の写真と今回の購入写真を、まとめて発送することを希望するか否かを選択させる。おまとめ発送を希望すると、同梱管理手段164は、未発送の過去の受注情報と、今回の受注情報を紐付して、一つの発注情報となるように受注データベースを編集する。この結果、過去の受注情報と今回の受注情報の全ての写真を印刷しない限り、印刷結果と納品情報が不一致となり、発送指示が出せないようになっている。以上の工程を経て、購入者による発注が完了する。
<操作履歴保管>なお、本実施形態では、操作履歴保管手段140が常に起動しており、購入者による購入者コンピュータC1〜C4の購入操作履歴、すなわち、展示室画面やカート画面のどのページを閲覧しているかを、操作履歴データベースにリアルタイムで保存している。従って、購入者が購入者コンピュータC1〜C4の操作を中断(ログアウト)した後、再度ログインすると、操作履歴保管手段140が操作履歴データベースを参照して、ログアウト直前の画面を最初に配信して、その続きから閲覧できるようにしている。多忙な合間を縫って展示室を閲覧している人にとって、一度のログインで、発注まで完結することは困難であり、また、どの写真まで閲覧したのか、頭に記憶することも難しい。更に近年、自宅ではノートパソコンを用い、外出先ではスマートフォンを用いる人も増えている。本実施形態では、操作履歴データベース側で操作履歴を保管しているので、端末が途中で変わっても、購入者IDに基づいて、直前のログアウト時に閲覧していた画面から、継続して発注作業を行うことができる。
<運営者コンピュータに対して提供される機能>
<運営者管理>運営者管理手段180は、運営者の基本情報を運営者データベースに保持する。具体的には図16(A)に示されるように、運営者の氏名(社名)、住所、電子メール、電話番号、パスワード等の登録画面を運営者コンピュータU1に配信して、これらの情報を受信して運営者データベースに登録しつつ、運営者がログインするためのIDを発行する。これにより、運営者コンピュータU1は、図16(B)に示される運営者ログイン画面を利用して、写真動画提供システム1にログインできる。ログインすると、図16(C)に示されるように、運営者管理項目選択画面が表示される。この運営者管理項目選択画面には、印刷料金設定ボタン、開設者閲覧ボタン、展示室閲覧ボタン、購入者閲覧ボタン、受注情報ボタン、売上清算管理ボタン等が表示される。
<印刷料金設定>図16(C)の運営者管理項目選択画面で印刷料金設定ボタンを押すと、印刷料金設定手段182が起動して、図16(D)に示される印刷料金設定画面が運営者コンピュータU1に配信される。この印刷料金設定画面では、写真1枚あたりの印刷料金、フォトブック一冊当たりの作成料金、送料、代引き手数料等を設定できる。この料金テーブルは、印刷料金データベースに登録される。なお、ここでは単一の写真印刷料金を設定する場合を例示しているが、写真の印刷サイズに応じて複数の料金を設定することもできる。
<開設者、展示室、購入者閲覧>図16(C)の運営者管理項目選択画面で、開設者閲覧ボタン、展示室閲覧ボタン、購入者閲覧ボタンをそれぞれ押すと、運営者管理手段180は、それぞれ、開設者データベース、展示室データベース、購入者データベースを閲覧し、自在に編集できる。即ち、運営者は、関連する各種データに関してマスター機能を有することになる。開設者や購入者からの問い合わせやトラブルに対して、運営者が柔軟に対応しなければならないからである。
<印刷処理>図16(C)の運営者管理項目選択画面で受注情報ボタンを押すと、印刷指示手段184が起動して、受注データベースを参照し、図17(A)に示すような、受注情報一覧画面を運営者コンピュータU1に配信する。この受注情報一覧画面には、購入者名、展示室名、購入枚数、印刷データダウンロード(DL)ボタン、納品書印刷ボタン、おまとめ希望(同梱)有無、発送済/未発送のステータス状態が、受注情報毎に表示される。印刷データDLボタンを押すと、印刷データ加工手段186が起動して、対応する受注情報と、それに必要な写真データ(元データ)を抽出して、一つの印刷指示ファイルとして自動加工し、運営者コンピュータU1にダウンロードさせる。この印刷指示用データを、デジタル写真印刷機Pに転送すれば、受注情報に応じた印刷が自動的に行われる。なお、ここでは発送済みの受注情報も表示しているが、未発送の受注情報のみを表示することが好ましい。また。ここでは写真印刷を例示していることから、印刷指示手段と表現しているが、例えばCDやDVDに対して写真や動画データを記録する商品の場合は、必ずしも印刷に限られるものではない。従って、本発明では商品製作指示手段と表現している。
<納品処理>納品書印刷ボタンを押すと、納品管理手段188が起動して、図17(B)に示されるような、納品書画面を運営者コンピュータU1に配信する。この納品書画面には、購入者(納品先)、購入者住所(納品先宛名)、納品内容、納品金額に加えて、納品確認を行うためのバーコードが表示される。このバーコードは、本納品書に対応する受注情報を識別するためのものである。納品書を印刷して商品を配送する際、運営者コンピュータU1に接続されるバーコードスキャナ(図示省略)でスキャンし、同時に、宅配業者の配送伝票のバーコードを連続的にスキャンする。このスキャン結果を、納品管理手段188に送信すれば、受注情報と配送伝票が紐付され、図17(A)の受注情報において、「未発送」から「発送済」にステータスが変更される。なお、ここでは特に図示しないが、運送業者の配送履歴情報を、運送業者の配送履歴サーバから通信回線を介して受信できる場合がある。その場合、上述の二度のスキャンデータを用いて、受注情報データベストと運送業者の配送履歴データベースの間でリレーションを組むことができるので、購入者への配達完了まで、オンラインで確認できることになる。
なお、既に述べたように、購入者から、「おまとめ発送」の指示を受け付けている場合は、この納品書に、複数の受注情報がまとめて印刷されることになる。
<売上清算>図16(C)の運営者管理項目選択画面で売上清算管理ボタンを押すと、売上清算管理手段189が起動する。売上清算管理手段189は、料金清算データベースを参照して、関連する開設者の清算状況を運営者コンピュータU1に一覧表示させる。この清算状況一覧は、展示室毎に、開設者に支払う金額(清算金額)、開設者から清算依頼指示の有無、運営者による清算状況のステータスが表示される。例えば、展示室が閉室状態で、清算金額が計上されており、清算依頼が有るにもかかわらず、まだ清算金額を開設者に送金していない場合は、未清算ボタンが表示される。従って、運営者が開設者に送金した段階で、この未清算ボタンを押すとステータスが「清算済」に変更されると同時に、電子メールにて、清算完了の旨が開設者に自動送信される。また例えば、展示室が閉室状態で、清算売上が計上されているが、清算依頼が無い場合は、未清算ボタンは表示されず、清算依頼を待機する。このように、開設者に対する売上清算管理を正確におこなうことで、開設者に対して金銭的なメリットを提供する。なお、ここでは清算済みの項目も一覧表示する場合を例示しているが、未清算又は清算依頼を待機している項目に限って一覧表示することが好ましい。
以上、本実施形態の写真動画提供システム1によれば、開設者コンピュータK1〜K4、購入者コンピュータC1〜C4、運営者コンピュータU1の三者間の通信を利用して、それぞれが役割を分担しながら、写真印刷等の商品の受発注を効率的に行うことが出来る。具体的に、写真撮影を行う施設等による開設者は、極めて効率的にオンラインで写真等の商品の展示室を開設することができ、しかも、簡単な作業工程で、購入者に対して入室コードを自由に発行できる。一方、購入者は、この入室コードを利用してオンラインの展示室で写真を閲覧して、印刷の発注を簡単に行うことが出来る。その際、写真の受注は、不慣れな開設者が行うのではなく、専門の運営者で受注して写真プリントを行い、そのまま購入者に写真を直接納品する。
従って、従来のように、施設の行事で撮影した写真に関して、親族からの写真注文を施設側で「取りまとめる」という概念を根本的に無くすことが出来る。即ち、開設者の作業は、オンラインの展示室を自ら開設するまでであり、その後は、購入者が個々に写真を運営者に発注し、直送によって受け取る。従って、行事における写真撮影から、購入者の写真を受け取るまでの期間を大幅に短縮することが可能となる。
さらに、本写真動画提供システム1によれば、開設者は、運営者の写真等の商品販売料金に対して、手数料を上乗せして購入者に販売できる。結果、開設者は、写真等の商品受発注業務に関与せずに、写真撮影等のサービスコストを簡単に回収できる。結果、施設の行事において、開設者は、積極的に優れた写真を撮影するインセンティブが生まれるので、購入者側においても、レベルの高い写真を購入できる。特に本実施形態では、開設者によって販売価格を設定できる。従って、写真撮影の負担レベルに応じて、販売価格を変更できるので、撮影コストを適切に回収する機会が得られる。例えば、写真撮影の専門家に依頼した場合には、写真価格を高く設定し、素人が写真撮影した場合には写真価格を低く設定できる。また、写真販売で利益を上げること自体が禁止或いは好ましくない団体(例えば、税務処理を行っていない任意団体)の場合は、敢えて清算金額を0円に設定することも可能となる。
購入者にとっても、配送先や購入写真リスト等の個人情報を、商品の受発注や個人情報管理に不慣れな開設者に提供することが不要となり、個人情報のやりとりを、写真印刷等の受発注を専門に扱う運営者との間で完結できるので、安心して注文することができる。とりわけ、どのような写真を購入するか否かについて、購入者が開設者に伝える必要がないこと、そして、写真の納品作業に開設者が関与しないことは、購入者にとって大きな安心感につながる。
また例えば、多数の行事が繰り返される保育園や幼稚園、小学校等に、複数の子供を預ける父兄にとっては、一度、購入者データベースに購入者情報を登録してログインIDを取得しておくだけで、複数の開設者(保育園、幼稚園、小学校)の複数の展示室に同時に入室できる。結果、施設が異なっていても、まとめて写真を発注できるという利点もある。
更に本写真動画提供システム1では、開設者コンピュータK1〜K4として、カメラ付きのスマートフォン等の無線通信端末を利用できる。例えば、開設者が、行事前に、写真データは空の状態で展示室を開室しておき、父兄に入室コードを事前配布することもできる。遠足などの行事において、カメラ付きスマートフォンで遠足の様子を先生が撮影しながら、その場で、本写真動画提供システム1に無線接続して、展示室に写真データをアップロードしていくことができる。父兄にとっては、写真を購入するための展示室という機能に加えて、遠足の進捗を、ほぼリアルタイムの写真で確認できることになる。
さらに本写真動画提供システム1では、展示室の入室コードを配布するためのカード印刷画面を開設者コンピュータに配信できる。例えば、小学校の先生が、このカード印刷画面を印刷して生徒の人数分のカードに作成し、生徒にこのカードを配布すれば、父兄に入室コードを簡単に配布できる。特に、入室コードを購入者別のユニークコードにすることで、いわゆる成りすましの入室を回避できる。
一方、ここでは特に図示しないが、共通の入室コードであっても、開設者から、展示室単位で、写真の発送先エリアを事前に登録してもらうこともできる。このようにすると、写真動画提供システム1において、この発送先エリアを超えた住所の購入者からの発注を拒否したり、又は運営者にアラームを提示したりすることができる。このように管理するだけで、いわゆる成りすまし発注を十分に抑制できる。
本写真動画提供システム1では、開設者が、展示室の開室・閉室を自在に管理することができる。その際、電子メールで購入者に閉室予告通知を行うことが出来るので、写真の購入忘れを抑制できる。特に、カートに写真が残っている購入者に限定して通知を行うようにすれば、既に写真を購入した人に対して、繰り返して閉室予告通知を行うような事態を回避できる。
以上、本実施形態の写真動画提供システム1では、運営者コンピュータU1が、いわゆるパーソナルコンピュータである場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、それ自身が写真印刷機等の商品製作機械を兼ねたものであっても良い。
また、本実施形態の写真動画提供システム1では、運営者が一名(一社)だけの場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、写真印刷等の商品製作を行う複数の会社が、運営者として登録されていても良い。この場合、例えば、開設者が、展示室の開設に対応して、複数の運営者の中から、どの運営者に商品製作を依頼するか選定することも可能となる。商品の種別に応じて、運営者を変更することも可能となる。
また例えば、運営者側が、開設者を限定することもできる。この場合は、運営者が、開設者のログインIDを発行するという処理工程を経ればよい。全国の各地域には、昔から存在する写真スタジオと、その写真スタジオに対して、長年、アルバム等の写真印刷を依頼している保育園、幼稚園、小学校、中学校が存在する場合が多い。このような場合、この写真スタジオが運営者登録(運営者IDの取得)を行い、かつ、この運営者IDに紐付けるようにして、長年付き合っている保育園、幼稚園、小学校、中学校に開設者IDを発行する。これらの開設者IDによって開設された展示室は、紐づいている運営者IDに受注が集約される。従って、全国の各地域の写真スタジオが、本写真動画提供システム1を利用することで、失いつつある各種行事の写真の受注機会を増大させることが可能となる。
<オプション機能の説明>
次に、本実施形態の写真動画提供システム1のオプション機能について説明する。図18には、写真動画提供システム1において、情報記憶媒体7に格納される写真動画提供プログラム等がCPU5で実行されることで実現されるオプション機能ブロックが示されている。ここでは、開設者に提供される機能ブロックA、購入者に提供される機能ブロックBで、オプション機能が用意される。これらのオプション機能ブロックの詳細を、図19以降で示されるユーザインターフェースを利用しながら説明する。
<開設者コンピュータに対して提供されるオプション機能>
<印刷用展示室生成>印刷用展示室生成手段310は、購入者が購入者コンピュータC1〜C4を所有していない場合等に対応するものである。図19(A)に示す展示室個別管理画面において、展示室印刷ボタンを追加表示される。この展示室印刷ボタンを押すと、図19(B)に示すように、展示室の全写真をプリンタで印刷するための画面を表示するか、又は印刷用データをダウンロードするか選択する印刷種別選択画面が提示される。例えば、印刷画面表示ボタンを選択する場合は、図20に示す展示室印刷画面が表示され、展示室構築手段20や販売価格設定手段60によって構築された展示室の全写真を印刷できるようになっている。この印刷画面には、展示室構築手段20において、リネーム・回転・トリミング等が行われた状態の写真が縮小状態で一覧表示される。各写真にはリネームされた管理番号も一緒に表示される。更に図21に示すように、この印刷用画面の先頭や末尾ページとして(又は別画面として)、購入者が写真を発注するための発注用紙も印刷可能となっている。この発注用紙には、展示室のタイトル、開設者名称、開室閉室管理手段50で設定した「発注期間(タイマー)」や、販売価格設定手段60で設定した写真やフォトアルバム単価などが自動挿入され、更に、代引き手数料は発送料等の注意書きも表示される。開設者は、これらの画面を利用して展示室写真と発注用紙を印刷して購入者に提供する。購入者は、印刷された展示室の写真を見ながら、発注用紙に写真番号と発注枚数を記入し、住所・氏名・電話番号等の写真送付先情報を記入して、発注用紙をFAXする。このFAXは運営者に届くようになっており、この注文指示に従って写真を印刷して納品する。結果、コンピュータを所有しない購入者であっても、確実に写真を発注することができる。なお、図19(B)の印刷種別選択画面においてダウンロードボタンを選択した場合は、図20の展示室印刷画面と同様の印刷専用データを、開設者コンピュータにダウンロードさせる。
<購入者コンピュータに対して提供されるオプション機能>
<写真自動絞込>自動絞込手段400は、図22(A)に示すように、展示室配信手段130によって購入者コンピュータC1〜C4に配信する展示室閲覧画面において、写真を自動的に絞り込むボタンを提供する。これは、写真が例えば100枚以上になる場合に、購入者が、目的とする写真を選択する利便性を高めるためである。
具体的に自動絞込手段400は、絞込用顔情報登録手段410と絞込実行手段420を有する。図22(A)において「顔で自動絞込」ボタンを押すと、絞込用顔情報登録手段410が起動して、図22(B)に示す顔情報登録画面を購入者コンピュータC1〜C4に配信する。この顔情報登録画面では、絞り込みたい顔写真(正面と側面)をアップロードすることより、顔情報を登録する。登録完了後、絞込実行ボタンを押すと、絞込実行手段420が起動する。絞込実行手段420では、登録された顔情報と、展示室に展示されている全写真の顔を照合し、一致又は近似する写真のみに絞り込んで、購入者に対応したデータベースに登録する。展示室配信手段130は、絞り込まれた写真のみを購入者コンピュータC1〜C4に再配信する。結果、購入者は、予め、目的とする写真に絞り込まれた状態で、写真を発注することが可能になる。なお、顔情報の照合手法は様々であるが、例えば、登録された顔情報を利用して目、鼻、口端などの顔の特徴点位置を決定し、一方で、全写真に対して顔検出処理を行って顔領域を決定し、これらについても特徴点位置を決定する。そして、登録された顔情報の特徴点位置と、写真内の顔領域の特徴点位置を照合し、その類似度に基づいて写真を選別することが一般的である。なお、本実施形態では、購入者が、顔写真を自らアップロードする場合を例示しているが、例えば図22(C)に示すように、展示室の中の写真を利用して、絞込用顔情報登録手段410が、予め、顔領域を検出しておき、その中から目的とする顔を購入者に選択させることで、絞込用の顔情報を登録することも可能である。
尚、本発明の写真動画提供システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。