以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る呼接続制御装置を含む通信システムのシステム構成図である。図1に示す通信システム1は、いずれも通信端末である発側端末60A(発側の通信端末)と着側端末60B(着側の通信端末)との間の呼接続を制御するシステムである。以下の実施形態では、発側端末60Aは発側ネットワークN1に接続し、着側端末60Bは着側ネットワークN2に接続する場合について説明する。
図1に示すように、通信システム1は、AS(Application Server)10A,10Bと、S−CSCF(Serving Call Session Control Function)20A,20Bと、P−CSCF(Proxy-CSCF)30A,30Bと、IBCF(Interconnection Border Control Function)40A,40Bと、RBT送出装置50A,50Bと、を含んで構成される。このうち、AS10A、S−CSCF20A、P−CSCF30A、IBCF40A、及び、RBT送出装置50Aは、発側ネットワークN1側で動作する装置である。また、AS10B、S−CSCF20B、P−CSCF30B、IBCF40B、及び、RBT送出装置50Bは、着側ネットワークN2で動作する装置である。同一名の装置は基本的に同じ機能を有する。
発側端末60Aは、通信システム1の発側ネットワークN1において、S−CSCF20A及びP−CSCF30A等を含んで構成されるIMS(IP Multimedia Subsystem)のコアネットワークに対してそれぞれ接続し、無線通信によって種々のサービスの提供を受けることができる。また、着側端末60Bは、通信システム1の発側ネットワークN1において、S−CSCF20B及びP−CSCF30B等を含んで構成されるIMS(IP Multimedia Subsystem)のコアネットワークに対してそれぞれ接続し、無線通信によって種々のサービスの提供を受けることができる。発側端末60A及び着側端末60Bが提供を受ける種々のサービスとしては、発側ネットワークN1におけるパケット交換方式による音声通信(VoLTE:Voice over LTE)サービス及びデータ通信サービス(例えばSMS又は電子メール等のデータ通信)等がある。発側端末60A及び着側端末60Bは、例えばスマートフォンやタブレット端末等のユーザにより持ち運ばれる端末装置である。
なお、発側ネットワークN1及び着側ネットワークN2はIPベースでの相互接続(IP相互接続)を実現しているとする。発側ネットワークN1及び着側ネットワークN2のいずれにおいてもパケット交換方式による音声通信サービスを提供しているので、IP相互接続が可能である。
図2は、本実施形態の通信システム1に含まれる各装置のハードウェア構成を示す図である。すなわち、図1に示されるAS10(10A,10B)、S−CSCF20(20A,20B)、P−CSCF30(30A,30B)、IBCF40(40A,40B)、RBT送出装置50(50A,50B)は、物理的には、それぞれ図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、データ送受信デバイスである通信モジュール104、ハードディスク、フラッシュメモリ等に例示される補助記憶装置105、入力デバイスであるタッチパネル及びキーボード等に例示される入力装置106、ディスプレイ等の出力装置107などを含むコンピュータシステムとして構成されている。通信システム1に含まれる各装置では、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール104、入力装置106、出力装置107を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで、各装置における一連の機能が実現される。
以下、図1に戻り、各装置の機能について詳細を説明する。各装置の機能の説明については、発側ネットワークN1における装置と着側ネットワークN2における装置とは共通しているので一緒に説明する。
AS10(10A,10B)は、各種アプリケーションサービスを提供する機能を有する。また、AS10では、自ネットワーク内の通信端末それぞれについて、機能を特定する情報を保持している。本実施形態における通信端末の機能を特定する情報とは、通信端末が自端末において呼び出し音(リングバックトーン:RBT)を鳴動可能であるかを示す情報である。この点については後述する。
通信端末の機能を特定する情報としては、例えば、通信端末の機種を特定する情報が挙げられる。ネットワークに接続して通信を行う通信端末を特定する情報として、例えば、IMEISV(International Mobile Equipment Identity Software Version)が挙げられる。IMEISVは端末毎に割り当てられる番号であるため、IMEISVは通信端末の機種を特定する情報と読み替えることができる。通信端末の機種に応じて、通信端末の機能は変わるため、通信端末の機種を特定することで通信端末の機能を特定することが可能である。なお、通信端末毎に機能を制限している場合がある。その場合には、IMEISVに対応付けて当該端末で制限している機能(又は当該端末に付与されている機能)を示す情報を対応付けて保持しておくことで、通信端末の機能を特定する情報が得られる。
S−CSCF20(20A,20B)及びP−CSCF30(30A,30B)は、IMSにおいて通信端末の呼制御を行う機能を有し、SIP(Session Initiation Protocol)信号の送受信に係る制御を行う。
また、IBCF40(40A,40B)は、自ネットワークが他のネットワークとIP相互接続を行う際に、他のネットワークとの間でのSIP信号を送受信する際のゲートウェイとしての機能を有する。また、IBCF40は必要に応じてRBT送出装置に対して呼び出し音(RBT)の送信を指示する。
RBT送出装置50(50A,50B)は、自網の通信端末が音声通話の発信操作を行った際に、着側の通信端末との呼接続が成立するまでの呼び出し音(RBT)を発側の通信端末に対してネットワークを経由して送出する機能を有する。従来のRBT送出装置50の機能は、自網の通信端末に対する呼接続の要求があった場合に、自網のAS20からの指示に基づいて発側の通信端末に対してRBTを送出する機能であるが、本実施形態では、発側の通信端末が自網にいる場合に、自網のIBCF40からの指示に基づいて発側の通信端末に対してRBTを送出する機能を有することを特徴とする。
ここで、IP相互接続後の通信網間の呼接続におけるRBTの送出について、従来の構成及び問題点について説明する。VoLTEのようにIPベースでの音声通信を行う環境下では、発側の通信端末に対してRBTを送出する方法として、Local Ringing及びNW Ringingの2種類が知られている。Local Ringingとは、発側の通信端末60においてRBTを鳴動させる(RBTに対応した音声データを再生する)ことでユーザがRBTを聴取する方法である。一方、NW Ringingとは、着側の通信端末60が接続するネットワークのRBT送出装置50から発側の通信端末60に対してRBTを出力し、発側の通信端末60では着側ネットワークから送られるRBT送出装置50からの音声データを出力しユーザが聴取する方法(ネットワーク経由で発側の通信端末に対して呼び出し音を送出する方法)である。上記の2つの送出方法のうち、どちらの手法によりRBTを送出するかについては、着側ネットワークにおいて指定されて、発側ネットワークに対して通知される。
ただし、着側ネットワークで指定されたRBTの送出方法について、発側ネットワーク又は発側ネットワークに接続する通信端末が対応できない場合がある。例えば、発側ネットワークでは呼接続の際にはNW Ringingを行うことを前提としていたとする。この場合、通信端末においてLocal Ringingを行うためのRBTに対応した音声データを準備していない場合がある。すなわち、通信端末がLocal Ringingに対応できていない可能性が考えられる。他のケースとして、例えば、発側ネットワークでは呼接続の際にはLocal Ringingを行うことを前提としていたとする。この場合、着側ネットワークからRBTの送出方法としてNW Ringingを指定したとしても、着側ネットワークではRBT送出装置から出力されるRBTを発側の通信端末で聴取するための仕組みが設けられていない可能性が考えられる。
無線通信網においては、他のネットワークとの間でのIP相互接続した状況での呼接続はこれまで行われていなかったため、発側ネットワークと着側ネットワークとは実質的に同一であった。そのため、これまでは上記のような問題が生じていなかった。しかしながら、IP相互接続を用いて互いに異なるネットワーク間での呼接続を行う場合、上記のように着側ネットワークで指定されたRBTの送出方法に対応できておらず、発側の通信端末のユーザがRBTを聴取することができない可能性がある。これに対して、本実施形態の通信システム1では、発側ネットワークに設けられた呼接続制御装置において発側の通信端末に対するRBTの送出方法に係る制御を追加することで、発側の通信端末におけるRBTの送出を好適に行うことを実現している。
以下の実施形態では、着側ネットワークからLocal RingingによるRBTの送出が指定されたにもかかわらず、発側の通信端末がLocal Ringingに対応できない場合に、発側の通信端末でRBTを出力するための構成及び方法について説明する。
次に、図3を参照しながら、図1に示す発側IBCF40A、着側IBCF40B、発側のRBT送出装置50A及び発側端末60Aの機能ブロックについて説明する。なお、本実施形態の通信システム1に含まれる発側IBCF40A及びRBT送出装置50Aが、RBTの送出に係る制御を行う呼接続制御装置に相当する。
図3に示すように、発側IBCF40Aは、SIP信号受信部41(受信手段)、端末判定部42(機能特定情報保持手段、送出方法判定手段)、RBT送出要否判定部43(送出方法判定手段、送出方法更新手段)、RBT指示送信部44及びSIP信号送信部45(呼び出し中通知情報送信手段)を含んで構成される。また、着側IBCF40BはSIP信号送信部47を含んで構成される。
まず、着側IBCF40BのSIP信号送信部47は、着側端末60Bに対して呼び出しを開始したことを通知する情報を含むSIP信号を送信する。着側IBCF40Bから発側IBCF40Aに対して送信されるSIP信号とは、発側端末60Aからの発信要求に基づいた信号に基づいて着側ネットワークN2において着側端末60Bに対して呼び出しを開始したことを通知する情報を含む信号(呼び出し中通知情報)である。SIP信号には、発側端末60Aを特定する情報と、発側端末60AにおけるRBTの送出方法を指定する情報(送出方法指定情報)と、が含まれる。
発側IBCF40AのSIP信号受信部41は、上記の着側IBCF40Bから送信される着側端末60Bに対して呼び出しを開始したことを通知する情報を含むSIP信号(呼び出し中通知情報)を受信する。SIP信号受信部41で受信されたSIP信号は、RBT送出要否判定部43に送られる。
端末判定部42は、SIP信号受信部41で受信されたSIP信号に含まれる発側端末60Aを特定する情報に基づいて、発側端末60AがSIP信号で指定されたRBTの送出方法に対応可能な端末であるか否かの判定が行われる。端末判定部42において発側端末60AがSIP信号で指定されたRBTの送出方法に対応可能な端末であるか否かを判定する際には、発側端末60AがSIP信号で指定されたRBTの送出方法に対応可能であるかを特定する情報が必要である。したがって、端末判定部42は、必要に応じて、発側端末60Aに係る上記の情報を保持するAS10A等に問い合わせて発側端末60Aの機能を特定する情報等を取得する構成としてもよい。また、発側端末60Aを特定する情報と発側端末60Aが対応可能なRBTの送出方法との対応を示す情報を保持したDB(機能特定情報保持手段)を端末判定部42が予め保持する構成としてもよい。
RBT送出要否判定部43では、端末判定部42における判定結果に基づいて、RBT送出装置50AからのRBTの送出が必要か否かを判断する。RBT送出装置50AからのRBTの送出が必要なケースとは、発側端末60AがLocal Ringingに対応していないケースである。すなわち、端末判定部42は、発側端末60AがLocal Ringingに対応可能な端末であるか否かを判断し、RBT送出要否判定部43は、発側端末60AがLocal Ringing対応不可能である場合に、RBT送出装置50AへのRBT送出指示を送信すると判定する。
RBT指示送信部44は、RBT送出要否判定部43の判定結果に基づいて、RBT送出装置50Aに対してRBTの送出を指示する機能を有する。
SIP信号送信部45は、SIP信号受信部41で受信した信号を発側端末60Aに対して送信する機能を有する。
次に、RBT送出装置50Aは、RBT指示受信部51とRBT送出部52(呼び出し音送出手段)とを有する。
RBT指示受信部51は、発側IBCF40AからのRBTの送出に係る指示を受信する機能を有する。
RBT送出部52は、RBT指示受信部51が発側IBCF40Aから受信した指示に基づいて、自ネットワークに接続する発側端末60Aに対してRBTを送出する機能を有する。具体的には、RBT送出装置50Aと発側端末60Aとの間で音声データを送信するための通信路を設けた後に、RBT送出装置50AにおいてRBTに用いる音声データを再生する。これにより、発側端末60Aのユーザは、RBT送出装置50で再生された音声データをRBTとして聴取することができる。
次に、発側端末60Aは、SIP信号受信部61とメディア受信部62とを有する。
SIP信号受信部61は、発側IBCF40AからのSIP信号を受信する機能を有する。
メディア受信部62は、RBT送出装置50Aから送出されるRBTを受信してユーザに対して音声出力する機能を有する。具体的には、上述のように、RBT送出装置50Aと発側端末60Aとの間で音声データを送信するための通信路を設けた後に、RBT送出装置50Aにおいて再生される音声データを受信して、RBTとして出力する。
次に、図4〜図6を参照しながら、発側端末60AにおけるRBTの送出に関する具体的な処理について説明する。図4は一連の処理を説明するシーケンス図であり、図5及び図6は一連の処理において発側IBCF40Aで行われる判断について説明するフロー図である。なお、図4〜図6では、発側ネットワークN1では、NW RingingによるRBT送出を用いることが予め設定されている(デフォルトとして設定されている)場合について説明する。
まず、発側端末60Aが着側端末60Bを指定した発信操作を行う(S01)ことにより、着側端末60Bに対して呼接続要求に係る信号(INVITE)が送信される(S02)。この信号(INVITE)は、P−CSCF30A/S−CSCF20A、発側IBCF40A、着側IBCF40B等を経由して着側端末60Bへ到達する。
呼接続要求に係る信号(INVITE)を受信した着側端末60Bでは、ユーザに対する呼び出し音の鳴動を開始する(S03)。また、着側端末60BからAS10Bに対して、呼接続要求に係る信号(INVITE)に対して呼び出しを開始した旨を通知する信号(180 Ringing)が送信される(S04)。
AS10Bでは、着側端末60Bからの呼び出しを開始した旨を通知する信号(180 Ringing)に対してRBTの送出方法を指定した情報を追加して、着側IBCF40Bに対して送信される(S05)。次いで、着側IBCF40BのSIP信号送信部47では、AS10Bからの信号を発側IBCF40Aに対して送信する(S05)。ここでは、AS10Bによって、RBTの送出方法としてLocal Ringingが指定されたとする。また、着側端末60Bからの呼び出しを開始した旨を通知する信号(180 Ringing:呼び出し中通知情報)には、発側端末60Aを特定する情報が含まれる。
発側IBCF40AのSIP信号受信部41は着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)を受信する。次に、端末判定部42において、着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)で特定される発側端末60AがLocal Ringingに対応可能かの判定を行った上で、RBT送出要否判定部43においてRBTの送出方法をNW Ringingに変更するか否かを判定する(S06)。発側端末60AがLocal Ringingに対応できない場合には、NW Ringingに変更を行う。
図5を参照しながら、NW Ringingへの変更に係る判定及び処理について説明する。まず、SIP信号受信部41において、着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)を受信(S21)すると、信号で指定されたRBT送出方式がNW RingingかLocal Ringingであるかを確認する。信号で指定されたRBT送出方式がNW Ringingである場合には、発側ネットワークN1において対応可能であるので、パラメータを透過、すなわち、RBT送出方式の変更等の対応を行わない(S23)。一方、信号で指定されたRBT送出方式がLocal Ringingである場合には、従来使用していないRBT送出方式であるので、発側端末60AがLocal Ringingに対応可能であるかを確認する(S24)。この確認はRBT送出要否判定部43が端末判定部42に問い合わせることにより行われる。ここで、発側端末60AがLocal Ringingに対応可能な端末である場合には(S24−YES)、パラメータを透過、すなわち、RBT送出方式の変更等の対応を行わない(S25)。一方、発側端末60AがLocal Ringingに対応していない端末である場合には(S24−NO)、着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)において指定されているRBT送出方式をNW Ringingに変換(更新)すると共に、RBT送信要求をRBT送出装置50Aに対して送信することを決定する(S26)。
このように、発側IBCF40Aでは、発側端末60Aが着側ネットワークN2側から指定されたRBT送出方式に対応できない場合に、RBT送出方式の変更を行う。
その後、図4に戻り、着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)で指定されたRBT送出方式がNW Ringingに変更されたSIP信号(180 Ringing)が発側IBCF40AのSIP信号送信部45から発側端末60Aへ送信される(S07)。発側端末60Aでは、SIP信号受信部61においてSIP信号が受信される。
また、発側IBCF40Aでは、RBT指示送信部44からRBT送出装置50Aに対して、RBTの送出要求が送信される(S08)。RBTの送出指示には、送出先の端末である発側端末60Aを特定する情報が含まれる。RBT送出装置50AではRBT指示受信部51において発側IBCF40AからのRBTの送出指示を受信すると、発側端末60Aに対してRBTを送出する(S09)。発側端末60Aのメディア受信部62では、RBT送出装置50AからのRBTとして音声データを受信するとRBTとして出力する。
なお、発側端末60Aからの呼接続要求に係る信号(INVITE)に対して、着側端末60Bのユーザが応答した場合(S10)には、発側端末60AでのRBTを中止するための処理が行われる。すなわち、着側端末60Bから、着側IBCF40Bを経由して発側IBCF40Aに対して、発側端末60Aからの呼接続要求に係る信号(INVITE)に対する応答信号(200 OK (INVITE))が送信される(S11)。発側IBCF40AのSIP信号受信部41において着側IBCF40Bからの信号を受信すると、RBT送出要否判定部43において、RBT停止要求の送信要否に係る判定が行われる(S12)。発側IBCF40Aにおいて着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)で指定されたRBT送出方式を変換している場合、RBTの送出停止に係る処理も発側IBCF40Aで行う必要があるからである。
図6に示すように、着側IBCF40Bから発側端末60Aからの呼接続要求に係る信号(INVITE)に対する応答信号(200 OK (INVITE))を受信した場合には、RBT送出要否判定部43では、RBT送出装置50AからRBTの送出をしているか否かの判断を行う(S32)。このとき、RBT送出装置50Aに対してRBT送出指示を送信したか否かに基づいてRBT送出装置50AからRBTの送出の有無を確認する構成としてもよい。RBT送出装置50AからのRBTの送出を行っている場合には(S32−YES)、RBT送出装置50Aに対してRBT送出の停止を指示すると共に、発側端末60Aに対して応答信号(200 OK (INVITE))を送信することを決定する(S33)。また、RBT送出装置50AからのRBTの送出を行っていない場合には(S32−NO)、RBT送出装置50Aに対する指示等は行わず、発側端末60Aに対して応答信号(200 OK (INVITE))を送信することを決定する(S33)。
図4に示すケースでは、RBT送出装置50Aに対してRBTの送出を指示しているので、発側IBCF40AのRBT指示送信部44からRBT送出装置50Aに対して、RBT送出の停止を指示する。RBT送出装置50Aでは、発側IBCF40Aからの指示に基づきRBTの送出を停止する。また、発側IBCF40AのSIP信号送信部45から発側端末60Aに対して、着側端末60Bからの応答信号(200 OK (INVITE))を送信する。これにより、発側端末60Aと着側端末60Bとの間での音声接続に係る処理が行われる。
このように、通信システム1では、着側ネットワークN2で指定されたRBTの送出方法(ここでは、Local Ringing)について、発側ネットワークN1に接続する通信端末(発側端末60A)が対応できない場合には、発側ネットワークN1の発側IBCF40Aにおいて、発側端末60Aにおいて対応可能なRBTの送出方法を確認した上でRBTの送出方法を変更する。また、RBTの送出方法の変更に伴い、ネットワーク側からのRBTの送出が必要な場合(NW Ringing)には、自ネットワークのRBT送出装置50Aから発側端末60Aに対してRBTを送出する。したがって、着側ネットワークN2で指定されたRBTの送出方法(ここでは、Local Ringing)について、発側ネットワークN1に接続する通信端末(発側端末60A)が対応できない場合にも、発側端末60AにおいてRBTの送出を好適に行うことができる。
また、従来のNW Ringingの場合には着側ネットワークN2側のRBT送出装置50Bから発側端末60Aに対してRBTが送出される。これに対して、上記の通信システム1では、発側ネットワークN1側でRBTの送出を変更するため、発側ネットワークN1側のRBT送出装置50Aから発側端末60Aに対してRBTが送出される構成を採用している。したがって、RBTの送出方法を発側端末60Aが接続する発側ネットワークN1において変更したとしても、変更に伴って発生する処理を自ネットワーク(発側ネットワークN1)内で完結することができ、着側ネットワークN2における特別な処理が追加されることを防ぐことができる。
(変形例)
図4〜図6では発側ネットワークN1に接続する発側端末60AがNW Ringingに対応し、Local Ringingに対応していない場合について説明したが、本発明に係る呼接続制御装置は、逆の場合にも対応することができる。すなわち、発側端末60AがLocal Ringingに対応し、NW Ringingに対応していない場合である。このとき、着側ネットワークN2で指定されたRBTの送出方法がNW Ringingである場合には、図4〜図6で説明したケースと同様に、発側端末60AにおいてRBTが出力されないことが考えられる。このような場合の呼接続制御装置による制御方法について、図7を参照しながら説明する。なお、図4で示したケースと同様の処理を行う場合には説明を簡略化する場合がある。
まず、発側端末60Aが着側端末60Bを指定した発信操作を行う(S41)ことにより、着側端末60Bに対して呼接続要求に係る信号(INVITE)が送信される(S42)。この信号(INVITE)は、P−CSCF30A/S−CSCF20A、発側IBCF40A、着側IBCF40B等を経由して着側端末60Bへ到達する。
呼接続要求に係る信号(INVITE)を受信した着側端末60Bでは、ユーザに対する呼び出し音の鳴動を開始する(S43)。また、着側端末60BからAS10Bに対して、呼接続要求に係る信号(INVITE)に対して呼び出しを開始した旨を通知する信号(180 Ringing)が送信される(S44)。
AS10Bでは、着側端末60Bからの呼び出しを開始した旨を通知する信号(180 Ringing)に対してRBTの送出方法を指定した情報を追加して、着側IBCF40Bに対して送信される(S45)。次に、着側IBCF40BのSIP信号送信部47では、AS10Bからの信号を発側IBCF40Aに対して送信する(S45)。ここでは、AS10Bによって、RBTの送出方法としてNW Ringingが指定されたとする。着側端末60Bからの呼び出しを開始した旨を通知する信号(180 Ringing)には、発側端末60Aを特定する情報が含まれる。
発側IBCF40AのSIP信号受信部41は着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)を受信する。次に、端末判定部42において、着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)で特定される発側端末60AがNW Ringingに対応可能かの判定を行った上で、RBT送出要否判定部43においてRBTの送出方法をNW RingingからLocal Ringingに変更するか否かを判定する(S46)。発側端末60AがNW Ringingに対応できない場合には、Local Ringingに変更を行う。
図7に示すケースでは、発側端末60AがNW Ringingに対応していない。したがって、RBT送出方式の書き換え(更新)が行われる。次に、着側IBCF40Bからの信号(180 Ringing)で指定されたRBT送出方式がLocal Ringingに変更されたSIP信号(180 Ringing)が発側IBCF40AのSIP信号送信部45から発側端末60Aへ送信される(S47)。発側端末60Aでは、SIP信号受信部61においてSIP信号が受信される。これにより発側端末60Aでは、SIP信号に基づいて、Local Ringingの動作、すなわちRBTの鳴動を行う(S48)。
一方、着側のAS10Bは、発側端末60Aに対するNW Ringingを行うための動作を行う。具体的には、AS10BからRBT送出装置50Bに対して、RBTの送出要求が送信される(S49)。RBTの送出指示には、送出先の端末である発側端末60Aを特定する情報が含まれる。RBT送出装置50Bでは着側のAS10BからのRBTの送出指示を受信すると、発側端末60Aに対して通常通りRBTを送出する(S50)。ただし、発側端末60AはNW Ringingに対応していないため、RBT送出装置50Bとの間での音声パスを設けていない。したがって、RBT送出装置50BからのRBTは発側端末60Aにおいて出力することができないため、発側端末60AではRBT送出装置50BからのRBTは聴取することができない。
なお、発側端末60Aからの呼接続要求に係る信号(INVITE)に対して、着側端末60Bのユーザが応答した場合(S50)には、発側端末60AでのRBTを中止するための処理が行われる。すなわち、着側端末60Bから、着側IBCF40Bを経由して発側IBCF40Aに対して、発側端末60Aからの呼接続要求に係る信号(INVITE)に対する応答信号(200 OK (INVITE))が送信される(S52)。
着側端末60Bの応答信号(200 OK (INVITE))はAS10Bにも送信されるため、AS10Bは、応答信号(200 OK (INVITE))の受信を契機に、RBT送出装置50Bに対してRBTの送出停止を指示する(S53)。これに基づいて、RBT送出装置50Bから発側端末60Aに対するRBTの送出が停止されるが、上述のように発側端末60AではRBT送出装置50BからのRBTを出力していないため、新たな処理は発生しない。
一方、発側IBCF40AのSIP信号受信部41において着側IBCF40Bからの信号を受信すると、RBT送出要否判定部43において、RBT停止要求の送信要否に係る判定が行われる(S54)。図7に示すケースでは、発側IBCF40AからはRBT送出装置50Aに対してRBT送出の指示を行っていないので、RBT送出装置50Aに対する指示等は行わず、発側端末60Aに対して応答信号(200 OK (INVITE))を送信する(S55)。これにより、発側端末60Aと着側端末60Bとの間での音声接続に係る処理が行われる。
このように、通信システム1では、着側ネットワークN2で指定されたRBTの送出方法がNW Ringingである場合でも、発側ネットワークに接続する通信端末(発側端末60A)が対応できない場合には、発側ネットワークN1の発側IBCF40Aにおいて、発側端末60Aにおいて対応可能なRBTの送出方法を確認した上でRBTの送出方法を変更する。これにより、着側ネットワークN2で指定されたRBTの送出方法に対して発側ネットワークN1に接続する通信端末(発側端末60A)が対応できない場合に、発側端末60AにおいてRBTの送出が可能となる。
また、着側ネットワークN2ではRBTの送出方法がNW Ringingである場合にも、RBTの送出方法を発側端末60Aが接続する発側ネットワークN1において変更したとしても、変更に伴って発生する処理を自ネットワーク(発側ネットワークN1)内で完結することができ、着側ネットワークN2における特別な処理が追加されることを防ぐことができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態の通信システム1では、呼接続制御装置に含まれる装置が発側IBCF40AとRBT送出装置50Aとである場合について説明したが、呼接続制御装置に係る機能が1台の装置にまとめられていてもよい。また、呼接続制御装置に係る機能が3台以上の装置に分散された構成であってもよい。また、呼接続制御装置に含まれる機能を発側IBCF40A及びRBT送出装置50Aとは異なる装置が有していてもよい。具体的には、RBTの送出要否の判定及びRBTの送出指示を発側IBCF40AではなくAS10Aが行うような構成としてもよい。このように、呼接続制御装置に係る機能を他の装置が備えていてもよい。
また、上記実施形態では、発側IBCF40Aにおいて発側端末60Aが対応可能であるかに基づいてRBTの送出方法を変更するか否かを判定していた。これに対して、発側端末60Aが対応可能な送出方法であるか否かに基づくことなく、RBTの送出方法を変更するか否かを判定する構成とすることもできる。例えば、発側ネットワークN1に接続する通信端末においてLocal Ringingに対応する通信端末が著しく少ない場合に、着側ネットワークN2から受信したSIP信号において指定されるRBT送出方法がNW Ringingであるか否かを判断基準としてNW Ringing以外の送出方法(Local Ringing)が指定されている場合には、一律NW Ringingに変更する構成としてもよい。このように、RBTの送出方法を変更するか否かを判定する際の基準は適宜変更することができる。ただし、RBT送出方法を一律でNW Ringingに変更する場合、RBT送出装置50AからのRBTの送出負荷が上昇する可能性がある。また、発側IBCF40Aにおける信号の変換(更新)作業が増大する可能性がある。したがって、発側端末60Aが着側ネットワークN2から受信したSIP信号において指定されるRBT送出方法に対して対応可能であるかに基づいてRBT送出方法の変更要否を確認する構成を採用したほうが、各装置における負荷の上昇を抑制することができる。
また、上記実施形態では、発側端末60AにおけるRBTの送出方法がNW Ringing及びLocal Ringingの2種類に限定されている場合について説明した。しかしながら、発側端末60AにおけるRBTの送出方法が3種類以上ある場合にも本発明は適用することができる。その場合、発側IBCF40Aにおいて、着側ネットワークN2で指定されたRBT送出方法から変更するか否かを判定し、変更する場合には、発側端末60Aが対応可能なRBT送出方法へRBT送出方法を変更する構成とすることが好ましい。