JP6615568B2 - 枕木締結具 - Google Patents
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Description
特許文献1には、複数の枕木の間を渡すように複数の枕木に固定される継材(特許文献1の図1の符号3)が示されている。この継材は、枕木の上面にフックボルトによって固定され、複数の枕木の間隔を保持する。
枕木には列車通過時に大きな振動が伝わる。このため、橋梁の枕木では、この振動によって枕木の締結部に緩みが生じることがある。継材より連結された複数の枕木の幾つかに締結部の緩みが生じた場合、列車から枕木に加わる水平方向の力又は振動は継材によって別の枕木に伝達される。このため、継材が設置されることで、幾つかの枕木の締結部に緩みが生じている場合に、他の枕木に締結部の緩みを誘発させやすくなるという課題が生じる。
締結部の緩みが生じやすいと、定期点検の周期を短くして、緩んだ締結部の締結のし直し或いは増し締めなどのメンテナンスの頻度を上げなければならない。
橋桁に複数の枕木を固定するための枕木締結具であって、
前記橋桁の上面のエッジ部に沿って配置可能であり、前記橋桁上に設置された前記複数の枕木に渡る長さを有する継材と、
前記複数の枕木にそれぞれ固定可能であり、且つ前記継材との間に前記橋桁の上記エッジ部を上下方向から挟むように前記継材と締結することが可能な複数の定着手段と、
を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、定着手段が枕木に強固に固定され、枕木、定着手段、継材および橋桁の全体的な締結がより強固にできる。
この構成によれば、鉤状溝が橋桁の所定部位(例えば逆側のエッジ部)に引っかかることで、定着プレートと継材とが橋桁のエッジ部からずれることを防止できる。よって、緩みの生じにくい強固な締結を安定的に維持できる。
前記2つの定着プレートの一方または各々は、少なくとも前記エッジ部の上面に接触する板状部と、前記ボルト部を挿通するボルト挿通部とを有する構成とするとよい。
この構成によれば、継材と定着プレートとの締結を容易に行うことができ、さらに、継材の板状部と定着プレートの板状部とで橋桁のエッジ部を安定的に挟み込むことができる。
また、前記2つの定着プレートの一方または各々は、ネット掛け止め用のフック部を更に備えているとよい。
この構成によれば、定着プレートのフック部にネットを掛けていくことで左右の橋桁の間および複数の枕木の間に、物の落下を防止するネットを設けることができる。
図1は、本発明の実施の形態の枕木締結具を用いた橋桁と枕木との締結構造を示す斜視図である。図2は、図1の締結構造を示す側面図である。図3は、図1の締結構造の一部を示した拡大平面図である。
本実施の形態の枕木締結具は、図1〜図3に示すように、鉄道用の橋梁において、枕木110と橋桁120とを締結する構成である。本実施の形態の枕木締結具は、図1〜図3に示すように、第1定着プレート10と、第2定着プレート20と、継材30とを備えている。1つの第1定着プレート10と1つの第2定着プレート20とにより1組の定着手段が構成される。
第1定着プレート10および第2定着プレート20は、枕木110に固定され、且つ、継材30と締結される部材である。
第1定着プレート10は、例えば、一部が折り曲げられた形状の板状の鋼材により構成される。第1定着プレート10は、枕木110の側面に圧接される立設部11と、立設部11に設けられたボルト挿通部12と、橋桁120のエッジ部S1に一部が圧接する板状部13と、板状部13に設けられたボルト挿通部14と、橋桁120の一方のエッジ部S1から逆側のエッジ部S2まで延設された胴部15と、橋桁120の逆側のエッジ部S2に引っかけ可能な鉤状溝16と、鉤状溝16の下方に設けられネットを引っかけ可能なフック部17とを有している。
第1定着プレート10と第2定着プレート20とは、板状部13、23の折り曲がり方向が逆になった面対称な形態をしている。
継材30は、橋桁120の上面のエッジ部S1に沿って配置され、第1定着プレート10および第2定着プレート20との間で橋桁120のエッジ部S1を挟んで固定する部材である。継材30は、橋桁120に設置された複数の枕木110に渡る長さを有する。
継材30は、一部が橋桁120のエッジ部S2の下面に圧接される板状部31と、橋桁120のエッジ部S1の側方でエッジ部S1の厚みに対応する空間を埋める複数のブロック部32と、第1定着プレート10および第2定着プレート20と締結される複数のボルト部33とを有している。板状部31、複数のブロック部32、および複数のボルト部33は、例えば溶接により接合されて一体化されている。
板状部31は、図7に示すように、継材30を長手方向に見て、ブロック部32より橋桁120の方へ張り出す長さを有しており、この張り出した部分31aが橋桁120のエッジ部S2の下面に圧接されるようになっている。
複数のボルト部33は、各中心軸が板状部31と垂直になるように、複数のブロック部32から突出して設けられている。図7に示すように、ボルト部33の頭部33aは板状部31の下方に突出していてもよい。
図8は、図3の矢印A−A線断面図である。
図3および図8に示すように、枕木110には横方向の貫通孔hが設けられている。貫通孔hは、橋桁120のエッジ部S1の上方近傍に配置される部位に、橋桁120の長手方向に貫通するように設けられている。
第1定着プレート10と第2定着プレート20とは、鉤状溝16、26が橋桁120のエッジ部S2に引っかけられた状態で、板状部13、23が一方のエッジ部S1の上部に配置される。このとき、第1定着プレート10および第2定着プレート20のボルト挿通部12、22は枕木110の貫通孔hと重なる。
継材30は、複数のブロック部32の各々が、第1定着プレート10の板状部13の下方或いは第2定着プレート20の板状部23の下方に位置するように設置される。このとき、複数のブロック部32は橋桁120のエッジ部S1と並び、板状部31の張り出した部分31a(図7を参照)がエッジ部S1の下面と平行に接触する。また、継材30のボルト部33(図6を参照)は、第1定着プレート10および第2定着プレート20のボルト挿通部14、24に通った状態となる。
枕木110と橋桁120とが締結された後、列車通過時の横方向の大きな力または振動が枕木110に伝わって、幾つかの締結部に緩みが生じたとする。この場合でも、緩みの生じていない締結部が残っていることで、継材30と橋桁120との間に働く大きな摩擦力により、緩みの生じた枕木110から横方向の力又は振動が継材30を介して他の枕木110の締結部に伝達されにくい。よって、継材30によって、枕木110の締結部の緩みがさらに他の枕木110の締結部の緩みを誘発してしまうという作用を軽減できる。これらによって、枕木110の締結部の緩みが生じにくくなり、メンテナンス作業の軽減化を図ることができる。
20 第2定着プレート
11、21 立設部
13、23 板状部
12、14、22、24 ボルト挿通部
16、26 鉤状溝
17、27 フック部
30 継材
31 板状部
32 ブロック部
33 ボルト部
110 枕木
120 橋桁
h 貫通孔
b ボルト
Claims (4)
- 橋桁に複数の枕木を固定するための枕木締結具であって、
前記橋桁の上面のエッジ部に沿って配置可能であり、前記橋桁上に設置された前記複数の枕木に渡る長さを有する継材と、
前記複数の枕木にそれぞれ固定可能であり、且つ前記継材との間に前記橋桁の上記エッジ部を上下方向から挟むように前記継材と締結することが可能な複数の定着手段と、
を備え、
前記複数の定着手段の各々は、前記橋桁の長手方向における前記枕木の一方の面と反対の面とにそれぞれ配置される2つの定着プレートと、前記枕木を貫通して前記2つの定着プレートを結び付けるボルトとを有し、前記2つの定着プレートが前記ボルトの締め付けにより前記枕木を挟み込むように構成されていることを特徴とする枕木締結具。 - 前記2つの定着プレートの一方または各々は、前記橋桁における前記エッジ部の逆側の所定部位に引っかけ可能な鉤状溝を有し、前記鉤状溝が前記所定部位に引っかけられた状態で前記継材と締結可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の枕木締結具。
- 前記継材は、少なくとも前記エッジ部の下面に接触する板状部と、前記エッジ部の側方で前記エッジ部の厚みに対応する空間を埋めるブロック部と、前記2つの定着プレートの一方または各々と締結するためのボルト部とが一体化されて構成され、
前記2つの定着プレートの一方または各々は、少なくとも前記エッジ部の上面に接触する板状部と、前記ボルト部を挿通するボルト挿通部とを有していることを特徴とする請求項1記載の枕木締結具。 - 前記2つの定着プレートの一方または各々は、ネット掛け止め用のフック部を更に備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の枕木締結具。
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