JP6441706B2 - まくら木の固定構造 - Google Patents
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Description
この様な、まくら木を固定構造物に固定するための構造が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、フックボルトで橋桁に合成枕木を固定する構造が開示されている。
特に、まくら木が木製やガラス長繊維で補強された樹脂発泡体製であると、座金が振動してまくら木と擦れ、まくら木が部分的に摩耗する。
図6(a)に示す様に、橋桁92上にまくら木91が載置されており、橋桁92とまくら木91は、フックボルト94で固定されている。フックボルト94は、まくら木91を貫通しており、フックボルト94のねじ部には座金98を介してナット99が締結されている。また、フックボルト94の頭部は、橋桁92のフランジ部の下面を押圧している。
ところが、実際にまくら木と座金の間に弾性部材を配置してみたところ、まくら木に凹みが生じる現象は解消されなかった。
これは、まくら木と座金の間に弾性部材を配置しても、弾性部材が塑性変形したり、気温が上昇して弾性部材の弾性率が低下すると、弾性部材とまくら木の間に微小な隙間が生じてしまい、その結果、弾性部材とまくら木が擦れ、まくら木に凹みができてしまうのではないかと考えられる。
ここで、弾性部材とは、弾性を有する素材で構成された部材であり、素材そのものがゴムの様に弾性を有したものである。
図1に示す様に、軌道20は、まくら木1、橋桁2(固定構造物)、レール3等を有する。
図2に示す様に、まくら木1には、上下に貫通する貫通孔10が設けられている。まくら木1の上面1aには、貫通孔10の開口が形成されている。
まくら木1は、橋桁2(固定構造物)に固定され、レール3の間隔を一定に保ち、レール3側から作用する荷重や振動を橋桁2に伝達する機能を有する部材である。
図2、図3に示す様に、フックボルト4は、頭部4aとねじ部4bを有し、略L字形又はL字(直角)よりも鋭角に屈曲している。すなわち、頭部4aとねじ部4bは交差している。頭部4aは、橋桁2の上部フランジ5aの下面側に配置されており、ねじ部4bは、鉛直姿勢でまくら木1の貫通孔10を貫通している。すなわち、まくら木1の貫通孔10の下方側からフックボルト4のねじ部4bが挿通されている。フックボルト4のねじ部4bの一部は、まくら木1の上面1aから突出している。
弾性部材7は、薄板円盤状を呈し、例えば、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、シリコン、ウレタン等の耐候性、耐水性に優れた素材で構成された部材である。弾性部材7の直径は、座金8の直径と同程度である。また、弾性部材7の中央には孔11が設けられている。
座金8は、平座金を採用することができるが、代わりに、弾性部材7側の面に、回転止め用の突起(図示せず)を有するものであってもよい。この突起は、弾性部材7に食い込ませる。また、座金8は、円盤状に限らず、例えば四角形であってもよい。
弾性部材7は、必ずしも座金8と同じ形状である必要はないが、まくら木1に対する対向面積が座金8よりも弾性部材7の方が広く、座金8は弾性部材7からはみ出ない。
接着剤15は、例えば、エポキシ接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、アクリル接着剤等を採用することができる。接着剤15は、現場で短時間で作業を行うために、1時間以内に硬化する事が望ましい。すなわち、橋桁2に対して、多数のまくら木1を固定しなければならないので、短時間(例えば1時間以内)で硬化すると作業性がよい。
接着剤16の種類は、接着剤15と同じであっても相違していてもよいが、短時間(例えば1時間以内)で硬化する事が望ましい。
橋桁2の上部フランジ5aには孔25が設けられており、孔25とまくら木1の貫通孔10が一致している。孔25及び貫通孔10には寸切りボルト24が挿通されている。寸切りボルト24の上側のねじ部26は、まくら木1の上面1aから突出しており、弾性部材7、座金8を介してナット9が螺合している。弾性部材7とまくら木1の上面1aの間、及び/又は座金8と弾性部材7の間は、接着剤15、16で接着されている。
寸切りボルト24の下側のねじ部27にはナット29が螺合している。ナット29は、橋桁2の上部フランジ5aの下面12に押圧されている。
橋桁2の上部フランジ5aには、孔35が設けられており、孔35とまくら木1の貫通孔10が一致している。孔35と貫通孔10にはTボルト34が下方から挿通されている。Tボルト34のねじ部36は、まくら木1の上面1aから突出している。ねじ部36には、弾性部材7、座金8を介してナット9が螺合している。弾性部材7とまくら木1の上面1aの間、及び/又は座金8と弾性部材7の間は、接着剤15、16で接着されている。Tボルト34の頭部34aは、橋桁2の上部フランジ5aの下面12に押圧されている。
弾性部材47、座金48は、まくら木1の上面1aと、上面1aと連続する側面1b、側面1cに跨がってまくら木1に装着されている。弾性部材47には接着剤が塗布されており、弾性部材47は、まくら木1の上面1a、側面1b、側面1cの三面に接着されている。また、弾性部材47と座金48も、三面で接着されている。
また、棒状部材としてTボルト34を採用する場合も、Tボルト34の頭部34aを、コンクリートで固定することができる。また、予め、まくら木1を載置するコンクリート面上に凹みを設け、当該凹み内にTボルト34の頭部34aを配置してもよい。
2 橋桁(固定構造物)
4 フックボルト(棒状部材)
4b ねじ部
7 弾性部材
8 座金
9 ナット
10 まくら木の貫通孔
15、16 接着剤
Claims (4)
- 固定構造物に対するまくら木の固定構造であって、
前記固定構造物に固定され固定構造物の上方に突出する棒状部材を有し、
前記棒状部材は、固定構造物の上に配置されたまくら木の貫通孔を貫通しており、
前記棒状部材におけるまくら木の貫通孔から突出した部分にはねじ部が設けられており、
前記棒状部材に座金を介してナットを装着し、棒状部材の前記ねじ部にナットを螺合することによって、固定構造物にまくら木を固定するまくら木の固定構造において、
前記座金とまくら木の上面の間に弾性部材を配置し、前記弾性部材とまくら木の上面を接着したことを特徴とするまくら木の固定構造。 - 前記弾性部材と座金を接着したことを特徴とする請求項1に記載のまくら木の固定構造。
- 前記まくら木は、木製又はガラス長繊維で補強された樹脂発泡体製であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のまくら木の固定構造。
- 前記棒状部材は、フックボルトであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のまくら木の固定構造。
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