JP6615354B2 - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、外気を利用した庫内の加熱構造を有する冷凍冷蔵庫に関する。
冷凍冷蔵庫には、冷蔵室、野菜室、冷凍室など温度帯の異なる複数の部屋を備えたものがある。このような冷蔵庫では、冷えすぎによる野菜の凍結等を防止するために庫内を暖めるヒータ等の加熱装置を備え、電力を投入することで加熱を行って、野菜等の食品が凍結するのを防止している。
例えば特許文献1では、野菜室温度が設定温度以下に低下することを防止するため、野菜室に野菜室加熱パイプを配置し、野菜室温度が所定値以下になると、野菜室加熱パイプに高圧の二相状態の冷媒を流して凝縮熱で加熱する冷蔵庫が開示されている。
また特許文献2では、野菜室の底面及び背面の一部に加温ヒータを設置し、野菜室専用の温度センサと冷蔵庫の扉の操作パネルに備えた室温センサとで検知された温度により加温ヒータへの通電率を制御する冷蔵庫が開示されている。
従来の冷蔵庫では野菜室等を加熱する手段として、室内の側壁及び仕切り板等にヒータを設けるか、又は冷媒回路の高圧側の高温部分の露付き防止パイプ等を野菜室等の室内に設けることで対応していた。
特開2015−218938号公報 特開2008−70041号公報
しかしながら、ヒータは電力を必要とするため、庫内を加熱する手段を利用すると消費電力が増大する。一方、高圧側の高温パイプで加熱する構成では圧縮機の停止時には加熱ができない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、投入電力を必要とせず、庫内を加熱できる冷凍冷蔵庫を提供することを目的とする。
本発明に係る冷凍冷蔵庫は、貯蔵室を有する本体と、前記貯蔵室を冷却する冷媒回路と、を備え、前記冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機の吐出側に接続された凝縮器と、前記凝縮器に接続された減圧装置と、前記減圧装置に接続された蒸発器と、前記蒸発器と前記圧縮機とを接続する配管であり、蒸発器側の配管が前記貯蔵室の壁面に配置された吸入配管と、前記吸入配管の圧縮機側の配管に並列に接続され、外気と熱交換する熱交換器と、前記吸入配管と前記熱交換器との分岐位置に設けられ、前記蒸発器と前記圧縮機側の配管とが接続される第1流路と、前記蒸発器と前記熱交換器とが接続される第2流路とを切り換える第1切換え装置と、を備え、前記圧縮機の停止時に、前記第2流路になるように前記第1切換え装置を制御する制御装置を更に備えるものである。
本発明の冷凍冷蔵庫によれば、圧縮機を停止したときに切換え装置によって流路が切換えられ、熱交換器内の冷媒が外気により加熱されて配管に流れるため、配管内の二相冷媒が過熱蒸気となって吸入配管の蒸発器側の配管温度を上昇させる。したがって、ヒータ又は圧縮機等の電力を使用せず、冷媒によって輸送される外気の熱により貯蔵室が加熱される。
本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の外観を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の内部を示す概略構成図である。 従来の冷凍冷蔵庫の冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の機械室の一例を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る冷凍冷蔵庫の冷媒回路図である。 本発明の実施の形態3に係る冷凍冷蔵庫の冷媒回路図である。
実施の形態1.
図1及び図2に基づいて、冷凍冷蔵庫の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の外観を示す構成図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の内部を示す概略構成図である。
図2には、冷凍冷蔵庫100の扉が外されたときの本体内の様子が示されている。冷凍冷蔵庫100の本体99内には、上部から冷蔵室51、製氷室52、切替室53、野菜室54、及び冷凍室55等の食品を貯蔵する複数の貯蔵室が設けられている。各貯蔵室は温度帯が異なっており、図2に示されるように、隣接する貯蔵室は断熱仕切り壁56によって仕切られている。また各貯蔵室にはサーミスタ等の温度センサが設けられ、各貯蔵室において温度センサで検出される温度が目標温度となるよう、冷凍冷蔵庫100の各機器が制御されている。
以下、加熱対象の貯蔵室が、例えば他の貯蔵室より温度帯の低い野菜室54である場合について説明する。図2に示されるように、野菜室54の底面には冷媒配管の一部(吸入配管の蒸発器側の配管9a)が配置され、野菜室54を加熱している。
冷凍冷蔵庫100は、複数の貯蔵室を冷却する冷媒回路30を備えている。図3〜図5を基に、冷凍冷蔵庫100の冷媒回路30について説明する。図3は、従来の冷凍冷蔵庫の冷媒回路図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の冷媒回路図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の機械室の一例を示す模式図である。
一般に、冷凍冷蔵庫は図3に示される冷媒回路の基本構成を備えている。具体的には、冷媒回路には、圧縮機1と凝縮器2と減圧装置3と蒸発器4とが配管を介して接続されている。
冷凍冷蔵庫100において冷媒回路30は、図4に示されるように、圧縮機1と、圧縮機1の吐出側に接続された凝縮器2と、凝縮器2に接続された減圧装置3と、減圧装置3に接続された蒸発器4と、蒸発器4と圧縮機1とを接続する吸入配管9と、を備えている。また冷媒回路30は、吸入配管9の圧縮機側の配管9bに並列に接続された熱交換器8と、吸入配管9と熱交換器8との分岐位置に設けられた第1切換え装置5と、熱交換器8と吸入配管9との合流位置に設けられた第2切換え装置6と、を備えている。熱交換器8は、第1切換え装置5及び第2切換え装置6とそれぞれ配管11を介して接続されている。
圧縮機1は、冷媒を圧縮して吐き出し、循環させるものである。凝縮器2は、例えば放熱パイプ等で構成され、圧縮機1で圧縮された冷媒を凝縮し液化する。また図5に示されるように、冷凍冷蔵庫100の本体99の背面下側には、複数の貯蔵室とは別に機械室60が設けられている。圧縮機1及び凝縮器2は、機械室60に配置されている。また機械室60には機械室ファン61が設置されており、圧縮機1等から放出される熱で機械室60の温度が高くなり過ぎないよう制御されている。冷凍冷蔵庫100が使用されるとき、通常、機械室60には機械室カバーが取り付けられ、機械室60は外部から見えないようになっている。機械室カバーには多数の空気孔が設けられており、機械室ファン61は、空気孔を介して外気を機械室に取り込み、機械室60内を通過させて外部に排出している。
減圧装置3は、例えば絞り配管等で構成され、凝縮器2で液化された冷媒を減圧する。蒸発器4は、減圧装置3で減圧された冷媒を蒸発させる。蒸発器4は、この蒸発したときの吸熱作用により冷凍冷蔵庫100内の空気を冷却している。また冷凍冷蔵庫100の背面内部には冷却室が形成されており、蒸発器4は冷却室に配置されている。蒸発器4により冷却された空気は、送風ファン及びダンパ装置等によって、冷凍冷蔵庫100内に形成された風路を通って各貯蔵室へ送られる。
吸入配管9の蒸発器側の配管9aは、野菜室54の壁面に配置されている。蒸発器側の配管9aが設けられる野菜室54の壁面は、例えば、冷凍冷蔵庫100の本体壁面で構成される野菜室54の側面、断熱仕切り壁56で構成される野菜室54の上面若しくは底面等である。蒸発器側の配管9aは、複数の壁面にわたって配置されてもよいし、又は図2に示されるように一壁面に配置されてもよい。
熱交換器8は、外気と熱交換するものである。図5では、熱交換器8は機械室60に設置されており、冷媒と周囲空気との間で熱交換を行っている。
第1切換え装置5及び第2切換え装置6はそれぞれ3方弁もしくは複数の2方弁等で構成される。第1切換え装置5の3方弁のうち1つのポートは吸入配管9の蒸発器側の配管9aと接続され、残り2つのポートの一方は吸入配管9の圧縮機側の配管9bと接続され、残り2つのポートの他方は配管11に接続されている。第2切換え装置6の3方弁のうち1つのポートは圧縮機1と接続され、残り2つのポートの一方は吸入配管9の圧縮機側の配管9bと接続され、残り2つのポートの他方は配管11に接続されている。第1切換え装置5は、接続状態を切り換えることによって、蒸発器4と圧縮機側の配管9bとが接続される第1流路F1と、蒸発器4と熱交換器8とが接続される第2流路F2とを切り換える。また第2切換え装置6は、接続状態を切り換えることによって、圧縮機側の配管9bと圧縮機1とが接続される流路と、熱交換器8と圧縮機1とが接続される流路とを切り換える。
また冷凍冷蔵庫100は、図4に示されるように制御装置50を備えている。制御装置50は、例えば制御基板等で構成され、圧縮機1が運転中であるか停止中であるかを示す運転情報を含む信号を取得する。そして制御装置50は、取得した圧縮機1の運転情報に基づいて第1切換え装置5及び第2切換え装置6を制御する。
次に図4に基づいて、冷凍冷蔵庫100の動作及び冷媒の流れについて説明する。圧縮機1の運転時には、制御装置50は、第1切換え装置5を第1流路F1の状態にし、第2切換え装置6を圧縮機側の配管9bと圧縮機1とが接続された状態にしている。つまり、圧縮機1から吐出された冷媒は、凝縮器2、減圧装置3、蒸発器4を順次通過し、吸入配管9を通って圧縮機1に吸入され、冷媒回路30を循環している。図中、圧縮機1運転中の冷媒の流れ方向7が矢印で示されている。
圧縮機1が停止すると、制御装置50は、第1切換え装置5を第2流路F2に切り換えるとともに、第2切換え装置6を熱交換器8と圧縮機1とが接続された状態に切り換える。つまり流路は、蒸発器4と熱交換器8と圧縮機1とが接続された状態になる。制御装置50により第2流路F2が開通すると、熱交換器8に溜まった冷媒は外気によって加熱され、気液二相状態から過熱蒸気になる。そして過熱蒸気は外気よりも低温の蒸発器4の方向へ熱輸送を行う。具体的には、外気から取り込まれた熱によって、蒸発器4と第1切換え装置5との間に設けられ野菜室54に配置された蒸発器側の配管9aが加熱され、加熱された蒸発器側の配管9aによって野菜室54が暖められる。また、過熱蒸気になった冷媒は、野菜室54において二相域から液相域になり、熱交換器8へ戻る。このような工程が繰り返され、冷媒は、外気の熱を効率よく野菜室54に伝達する。なお、圧縮機1が停止しているとき熱交換器8と圧縮機1とは接続されているが、圧縮機1より凝縮器側には冷媒は流れないようになっている。
実施の形態1では、冷凍冷蔵庫100は、貯蔵室(野菜室54)を有する本体99と、貯蔵室を冷却する冷媒回路30と、を備え、冷媒回路30は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、圧縮機1の吐出側に接続された凝縮器2と、凝縮器2に接続された減圧装置3と、減圧装置3に接続された蒸発器4と、蒸発器4と圧縮機1とを接続する配管であり、蒸発器側の配管9aが貯蔵室の壁面に配置された吸入配管9と、吸入配管9の圧縮機側の配管9bに並列に接続され、外気と熱交換する熱交換器8と、吸入配管9と熱交換器8との分岐位置に設けられ、蒸発器4と圧縮機側の配管9bとが接続される第1流路F1と、蒸発器4と熱交換器8とが接続される第2流路F2とを切り換える第1切換え装置5と、を備えるものである。
これにより、第2流路F2が開通している状態では、冷媒回路30の低圧側にある冷媒が外気によって加熱され、過熱蒸気となって野菜室54に熱輸送する。そのため、野菜室等の貯蔵室の加熱に従来のようにヒータ又は冷媒回路の高圧側を利用する構成と異なり、圧縮機1の起動又はヒータへの通電が必要ない。したがって、冷凍冷蔵庫100の消費電力を低減することができる。
また、冷凍冷蔵庫100は更に、圧縮機1の停止時に、第2流路F2になるように第1切換え装置5を制御する制御装置50を備える。これにより、圧縮機1が停止すると制御装置50により自動的に冷媒の流路が切り換えられ、加熱対象の貯蔵室が加熱される。したがって、冷凍冷蔵庫100は、圧縮機1が運転中でないときに冷媒を利用して外気から野菜室54への熱輸送を行うことができる。
また、冷凍冷蔵庫100の本体99には温度帯が異なる複数の貯蔵室(冷蔵室51、製氷室52、切替室53、野菜室54、及び冷凍室55等)が設けられ、冷媒回路30は複数の貯蔵室を冷却するものであり、吸入配管9の蒸発器側の配管9aは、複数の貯蔵室のうち温度帯が高い貯蔵室(野菜室54)の壁面に配置されている。
これにより、冷凍冷蔵庫100は、圧縮機1運転時には蒸発器4により庫内を冷却する他、圧縮機1停止時には蒸発器側の配管9aを介して野菜室54を加熱できるので、野菜室54内を設定に合った温度に調整できる。
また、本体99は更に、機械室60を有し、熱交換器8は、機械室60に設置されている。これにより、熱交換器8は機械室60の周囲空気と熱交換できる。そのため、圧縮機1運転時の圧縮機1等からの放熱が機械室60内に残っている場合には、野菜室54の加熱に利用することができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る冷凍冷蔵庫の冷媒回路図である。実施の形態2では、冷媒回路130は更に、熱交換器8の上流にリザーバ12を備えている。なお、冷凍冷蔵庫100の基本構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
リザーバ12は、冷媒を一時的に貯留するタンクである。リザーバ12は、冷媒回路130において、第1切換え装置5が設けられる分岐位置と熱交換器8との間に設けられている。
圧縮機1の運転時には、制御装置50は、第1切換え装置5を第1流路F1にし、第2切換え装置6を圧縮機側の配管9bと圧縮機1とが接続された状態にている。圧縮機1が停止すると、制御装置50は、第1切換え装置5を第2流路F2に切換え、第2切換え装置6を熱交換器8と圧縮機1とが接続された状態にする。つまり流路は、蒸発器4とリザーバ12と熱交換器8と圧縮機1とが接続された状態になる。制御装置50により第2流路F2が開通すると、熱交換器8に溜まった冷媒は外気によって加熱され、気液二相状態から過熱蒸気になる。そして過熱蒸気は外気よりも低温の蒸発器4の方向へ熱輸送を行う。具体的には、外気から取り込まれた熱によって、吸入配管9の蒸発器側の配管9aが加熱され、加熱された蒸発器側の配管9aによって野菜室54が暖められる。このとき過熱蒸気はリザーバ12に貯留されている冷媒も加熱する。そのため、過熱蒸気が増量され、輸送される熱容量が増加する。過熱蒸気となった冷媒は、野菜室54において二相域から液相域になり、熱交換器8に戻る。このような工程が繰り返されることで、冷媒は、外気の熱を効率よく野菜室54に輸送している。
実施の形態2では、冷凍冷蔵庫100は、貯蔵室(野菜室54)を有する本体99と、貯蔵室を冷却する冷媒回路130と、を備え、冷媒回路130は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、圧縮機1の吐出側に接続された凝縮器2と、凝縮器2に接続された減圧装置3と、減圧装置3に接続された蒸発器4と、蒸発器4と圧縮機1とを接続する配管であり、蒸発器側の配管9aが貯蔵室の壁面に配置された吸入配管9と、吸入配管9の圧縮機側の配管9bに並列に接続され、外気と熱交換する熱交換器8と、吸入配管9と熱交換器8との分岐位置に設けられ、蒸発器4と圧縮機側の配管9aとが接続される第1流路F1と、蒸発器4と熱交換器8とが接続される第2流路F2とを切り換える第1切換え装置5と、を備えるものである。
これにより、実施の形態2においても実施の形態1の場合と同様に、第2流路F2が開通している状態では、冷媒回路130の低圧側にある冷媒が外気によって加熱され、過熱蒸気となって熱輸送する。このように貯蔵室を加熱するための電力が必要ないので、冷凍冷蔵庫100の消費電力を低減させることができる。
また、冷媒回路130は更に、第1切換え装置5と熱交換器8との間に設けられ、冷媒を溜めるリザーバ12を備える。これにより、リザーバ12に貯えられた冷媒を使うことで熱輸送の容量が増大し、冷凍冷蔵庫100は、効率よく野菜室54を加熱できる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る冷凍冷蔵庫の冷媒回路図である。実施の形態3では、冷媒回路230は更に、バイパス切換え装置13とバイパス管14とを備えている。なお、冷凍冷蔵庫100の基本構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
バイパス管14の一方は、減圧装置3と蒸発器4との間の配管に接続されている。またバイパス管14の他方は、第1切換え装置5が設けられている分岐位置と、熱交換器8との間の配管11に接続されている。
バイパス切換え装置13は、例えば3方弁もしくは複数の2方弁等で構成され、3方弁のうち1つのポートはバイパス管14の一方に接続され、残りの2つのポートの一方は減圧装置3に接続され、残りの2つのポートの他方は蒸発器4に接続されている。バイパス切換え装置13は、減圧装置3と蒸発器4とが接続される第3流路F3と、減圧装置3と熱交換器8とがバイパス管を介して接続される第4流路F4とを切り換える。
制御装置250は、圧縮機1が運転中であるか停止中であるかを示す運転情報を含む信号を取得し、取得した圧縮機1の運転情報に基づいて第1切換え装置5、第2切換え装置6、及びバイパス切換え装置13を制御する。
圧縮機1の運転時には、制御装置250は、バイパス切換え装置13を第3流路F3に、第1切換え装置5を第1流路F1に、第2切換え装置6を圧縮機側の配管9bと圧縮機1とが接続された状態にする。つまり、冷媒回路230において冷媒は、圧縮機1、凝縮器2、減圧装置3、蒸発器4、及び吸入配管9を順次通って圧縮機1に戻る。
圧縮機1が停止すると、制御装置250は、バイパス切換え装置13を第4流路F4に切り換える。冷媒は、冷媒配管内の高低圧差によりバイパス管14を介して熱交換器8へ移動する。また制御装置250は、第1切換え装置5を第2流路F2に切り換えるとともに第2切換え装置6を熱交換器8と圧縮機1とが接続された状態にする。
制御装置250によって第2流路F2が開通すると、熱交換器8に溜まった冷媒は外気によって加熱され、気液二相状態から過熱蒸気になる。そして過熱蒸気は外気よりも低温の蒸発器4の方向へ熱輸送を行う。具体的には、外気から取り込まれた熱によって、吸入配管9の蒸発器側の配管9aが加熱され、加熱された蒸発器側の配管9aによって野菜室54が暖められる。このとき熱交換器8には、蒸発器4より上流の冷媒がバイパス管14を通って移動してきている。そのため過熱蒸気が増量され、輸送される熱容量が増加する。過熱蒸気になった冷媒は、野菜室54において二相域から液相域になり、熱交換器8に戻る。このような工程が繰り返され、冷媒は、外気の熱を効率よく野菜室54に輸送している。
実施の形態3では、冷凍冷蔵庫100は、貯蔵室(野菜室54)を有する本体99と、貯蔵室を冷却する冷媒回路230と、を備え、冷媒回路230は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、圧縮機1の吐出側に接続された凝縮器2と、凝縮器2に接続された減圧装置3と、減圧装置3に接続された蒸発器4と、蒸発器4と圧縮機1とを接続する配管であり、蒸発器側の配管9aが貯蔵室の壁面に配置された吸入配管9と、吸入配管9の圧縮機側の配管9bに並列に接続され、外気と熱交換する熱交換器8と、吸入配管9と熱交換器8との分岐位置に設けられ、蒸発器4と圧縮機側の配管9aとが接続される第1流路F1と、蒸発器4と熱交換器8とが接続される第2流路F2とを切り換える第1切換え装置5と、を備えるものである。
これにより、実施の形態3においても実施の形態1の場合と同様に、第2流路F2が開通している状態では、冷媒回路230の低圧側にある冷媒が外気によって加熱され、過熱蒸気となって熱輸送する。このように貯蔵室を加熱するための電力が必要ないので、冷凍冷蔵庫100の消費電力を低減できる。
また、冷媒回路230は更に、一方が減圧装置3と蒸発器4との間の配管に接続され、他方が第1切換え装置5と熱交換器8との間の配管11に接続されたバイパス管14と、バイパス管14の一方に設けられ、減圧装置3と蒸発器4とが接続される第3流路F3と、減圧装置3と熱交換器8とがバイパス管14を介して接続される第4流路F4とを切り換えるバイパス切換え装置13と、を備える。
これにより、第4流路F4が開通しているときは、蒸発器4より上流の冷媒が配管内の高低圧差により熱交換器8に移動する。そのため冷凍冷蔵庫100は、熱交換器8の冷媒に加え、熱交換器8に移動した冷媒を熱輸送に利用できるので、野菜室54等の貯蔵室を効率的に加熱できる。
また、圧縮機1の停止時に、第4流路F4になるようにバイパス切換え装置13を制御するとともに、第2流路F2になるように第1切換え装置5を制御する制御装置250を更に備える。これにより、圧縮機1が停止すると制御装置250により自動的に冷媒の流路が切り換えられ、野菜室54が加熱される。したがって、圧縮機1が運転中でないときに低圧側の冷媒を利用して外気から野菜室54への熱輸送を行うことができる。
なお、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。例えば、圧縮機1の停止後に第2切換え装置6が熱交換器8と圧縮機1とを接続する場合について説明したが、特にこれに限定されない。圧縮機1の停止中に蒸発器側の配管9aに効率的に熱輸送が行われる流路が確保できればよい。例えば、第2切換え装置6は、圧縮機1の運転中に圧縮機側の配管9bと圧縮機1とを接続し、圧縮機1が停止すると圧縮機側の配管9b及び熱交換器8のいずれも圧縮機1と接続されないよう閉止される構成であってもよい。
また、冷凍冷蔵庫100が複数の貯蔵室を有する場合について説明したが、一つの貯蔵室を備えるものであってもよい。このような冷凍冷蔵庫100では、蒸発器4による冷却と、圧縮機1停止時の加熱とによって、貯蔵室内の温度が目標温度となるよう調整される。
また、制御装置50,250は、例えば加熱対象の貯蔵室に設けた温度センサの検出温度に基づいて、貯蔵室の加熱を終了させてもよい。具体的には、制御装置50,250は、貯蔵室の温度が目標温度になると第1切換え装置5、第2切換え装置6、及びバイパス切換え装置13を圧縮機1運転時の接続状態に戻し、次の運転に備える。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 減圧装置、4 蒸発器、5 第1切換え装置、6 第2切換え装置、7 冷媒の流れ方向、8 熱交換器、9 吸入配管、9a 蒸発器側の配管、9b 圧縮機側の配管、11 配管、12 リザーバ、13 バイパス切換え装置、14 バイパス管、30,130,230 冷媒回路、50,250 制御装置、51 冷蔵室、52 製氷室、53 切替室、54 野菜室、55 冷凍室、56 断熱仕切り壁、60 機械室、61 機械室ファン、99 本体、100 冷凍冷蔵庫、F1 第1流路、F2 第2流路、F3 第3流路、F4 第4流路。

Claims (5)

  1. 貯蔵室を有する本体と、
    前記貯蔵室を冷却する冷媒回路と、を備え、
    前記冷媒回路は、
    冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機の吐出側に接続された凝縮器と、
    前記凝縮器に接続された減圧装置と、
    前記減圧装置に接続された蒸発器と、
    前記蒸発器と前記圧縮機とを接続する配管であり、蒸発器側の配管が前記貯蔵室の壁面に配置された吸入配管と、
    前記吸入配管の圧縮機側の配管に並列に接続され、外気と熱交換する熱交換器と、
    前記吸入配管と前記熱交換器との分岐位置に設けられ、前記蒸発器と前記圧縮機側の配管とが接続される第1流路と、前記蒸発器と前記熱交換器とが接続される第2流路とを切り換える第1切換え装置と、を備え
    前記圧縮機の停止時に、前記第2流路になるように前記第1切換え装置を制御する制御装置を更に備える冷凍冷蔵庫。
  2. 前記冷媒回路は更に、
    前記第1切換え装置と前記熱交換器との間に設けられ、前記冷媒を溜めるリザーバを備える請求項1記載の冷凍冷蔵庫。
  3. 前記冷媒回路は更に、
    一方が前記減圧装置と前記蒸発器との間の配管に接続され、他方が前記第1切換え装置と前記熱交換器との間の配管に接続されたバイパス管と、
    前記バイパス管の前記一方に設けられ、前記減圧装置と前記蒸発器とが接続される第3流路と、前記減圧装置と前記熱交換器とが前記バイパス管を介して接続される第4流路とを切り換えるバイパス切換え装置と、を備え
    前記制御装置は、前記圧縮機の停止時に、前記第4流路になるように前記バイパス切換え装置を制御するとともに、前記第2流路になるように前記第1切換え装置を制御する請求項1記載の冷凍冷蔵庫。
  4. 前記本体には温度帯が異なる複数の貯蔵室が設けられ、
    前記冷媒回路は前記複数の貯蔵室を冷却するものであり、
    前記吸入配管の前記蒸発器側の配管は、前記複数の貯蔵室のうち温度帯が高い貯蔵室の壁面に配置されている請求項1〜のいずれか一項記載の冷凍冷蔵庫。
  5. 前記本体は更に機械室を有し、
    前記熱交換器は、前記機械室に設置される請求項1〜のいずれか一項記載の冷凍冷蔵庫。
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