JP6615173B2 - パワーステアリング機構内でタイロッドに作用する力をリアルタイムで算出する方法 - Google Patents

パワーステアリング機構内でタイロッドに作用する力をリアルタイムで算出する方法 Download PDF

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Description

本発明は、パワーステアリングを搭載した車両(具体的には自動車)の一般的分野、及び、そのようなパワーステアリングの管理方法に関する技術分野に属する。
従来より、パワーステアリングは、その主要な機能として、アシストモータから供給されるアシスト力を運転者の力に加えることにより、運転者が車両の車輪の方向を変えるのを補助する。上記運転者の力は、一般的にステアリングホイールの操作により、当該方向に作用する。
運転者の力とアシスト力とを合わせることにより、車両の環境によってパワーステアリング機構に作用する抵抗力に対抗可能な作動力が生成される。この抵抗力は、実質的には、タイヤと道路との接触により発生する。
パワーステアリング装置の末端、すなわち、パワーステアリング機構を構成する装置の末端に作用する上記抵抗力は、タイロッド力(又はタイロッドに作用する力)と呼ばれる。
実際には、通常のパワーステアリング装置内では、上記タイロッド力は、事実上、左ステアリングタイロッド及び右ステアリングタイロッドによって、パワーステアリング機構(より具体的には、ステアリングラック)に作用する複数の力の代数和に相当する。左ステアリングタイロッドは、ステアリングラックを左車輪に接続し、右ステアリングタイロッドは、ステアリングラックを右車輪に接続するものである。或る瞬間において、上記両タイロッドのうちの一方には引張力が作用し、他方には圧縮力が作用する。
したがって、タイロッド力の値が、パワーステアリング装置を特徴付けかつ管理するための、特に有用な又は基本的とも言えるデータとなることがあり、その理由は、多くの問題がこの値に直接的に依存するからである。具体的な一例として、アシストモータの寸法決めの問題が挙げられる。
しかし、実際には、このタイロッド力を正確に算出(推定)することは難しい。
この目的のために、ラックとタイロッドとの接合部に力センサを配設することは、確かに可能である。しかし、このような解決手段は、パワーステアリング装置全体の寸法、重量、複雑さ、及び、そのコストの増大を招く傾向がある。
別の手法では、基本の概算として、例えば、ステアリングホイールとステアリングコラムとの間に配置されたトルクセンサにより測定可能な運転者の力と、例えば、アシストモータに適用された設定値により測定可能なアシスト力とを合計し、得られた合計とタイロッド力とが一致するものと見なして、タイロッド力を算出可能である。すなわち、この手法によれば、タイロッド力とパワーステアリング機構に作用する作動力とが等しいと見なして、タイロッド力を算出することができる。
しかし、本発明者らは、このような概算は正確さに欠け、タイロッド力の真値との間に大幅な差があり得るという知見を得た。
具体的には、本発明者らは、以下の事項を発見した。すなわち、作動力が作用し始めるとすぐに、上記差が現われ、そして、作動力が増大すると上記差はより顕著になる。よって、実際には、上記概算に妥当性があるのは、パワーステアリング装置が殆ど又は全く操作されない直線の近傍においてのみである。
しかも、作動力と実際のタイロッド力との差が特に大きいので、ステアリング反転時、すなわち、車両の運転者がステアリングホイールを操作する方向を(意図的に)変えたときに、上記概算は特に不正確になる。このステアリングホイールの操作方向の変更は、運転者がステアリングホイールを左に回す力を作用させる左旋回のステアリング状態から、運転者がステアリングホイールを右に回す力を作用させる右旋回のステアリング状態への変更、又はその反対に、右旋回のステアリング状態から左旋回のステアリング状態への変更を意図して実行したものである。
さらに、本発明者らは、作動力と実際のタイロッド力との差は、パワーステアリング機構の作動条件、具体的には、温度条件及び当該機構の摩耗状態に特に影響されやすいという知見を得た。
実際、これら全ての制約によって、タイロッド力の推定の実効的な利用可能性が大幅に低下し、あるいは、タイロッド力の推定がかなり不確実になることさえあり得る。
したがって、本発明の目的は、上記の欠点を解消し、パワーステアリング機構に作用するタイロッド力を、車両の耐用期間中のいかなる状態においても、いつでも確実かつ正確に算出可能な、新規なタイロッド力の算出方法を提案することにある。
本発明の目的は、車両に設けられかつ少なくとも1つのアシストモータにより駆動されるパワーステアリング機構に、車両の環境によって任意の瞬間に作用するタイロッド力の算出方法により達成される。この算出方法は、
上記瞬間に上記パワーステアリング機構に作用する作動力であって、上記アシストモータが上記パワーステアリング機構に作用させるアシスト力、及び/又は、上記車両の運転者が上記パワーステアリング機構に作用させる運転者の力から得られる作動力を算出する作動力算出ステップ(a)と、
上記瞬間に上記パワーステアリング機構に作用する乾燥摩擦力を推定する乾燥摩擦力推定ステップ(b)と、
上記作動力と上記乾燥摩擦力との代数和を含む、上記タイロッド力を表す式を計算する計算サブステップ(c1)、及び、上記パワーステアリング機構のステアリング反転の瞬間に上記式が計算される際に、当該式の計算結果を平滑化可能なように、ローパスフィルタを適用するフィルタリングサブステップ(c2)を含むタイロッド力計算ステップ(c)と、
を備え
上記乾燥摩擦力推定ステップ(b)は、上記パワーステアリング機構の作動に応じて連続して測定される乾燥摩擦力の測定値により構築されかつ経時的に更新される実測摩擦モデルに基づいて実行される
タイロッド力を算出する際に乾燥摩擦力を考慮することにより、タイロッド力を従来よりも遙かに正確に求められるようになる。
事実、本発明者らは、作動力と実際のタイロッド力との間に見られる差は、そのすべてではなくとも、かなりの部分が、乾燥摩擦力によって説明可能であることを発見した。
したがって、乾燥摩擦現象に関係する力成分、つまり、作動力とタイロッド力との大幅な差の原因であり得る成分を(これ以上)無視しないように、タイロッド力の算出を修正することにより、車両の耐用期間の殆ど、及び場合によっては全ての状況において、具体的には、操作の性質と激しさがいかなるものであっても全ての操作状態において、並びに、特にステアリング反転のときに、タイロッド力算出の精度と信頼度とが向上する。
特に簡単で速く計算できる公式(上記式)を使用しても、上記の精度の向上が見られることが注目されるであろう。
本発明者らは、さらに、公知のタイロッド力の算出方法が、作動温度及び摩耗状態に影響されやすいのは、乾燥摩擦力がこれら温度条件及び摩耗状態に影響されやすいことが大きな原因であることを発見した。
したがって、この点からも、乾燥摩擦力を考慮することで、上記の精度が向上する。
より具体的には、例えば、摩擦測定の実施又はパワーステアリング機構内で取得された実測データから経時的に更新されるモデルの使用により、タイロッド力を計算する瞬間における乾燥摩擦力を推定することによって、温度要因及び摩耗要因に起因する乾燥摩擦力の推移を実質的にリアルタイムで考慮することが可能となり、よって、パワーステアリング機構に実際に作用する有効なタイロッド力を忠実に表す推定タイロッド力をいつでも確実に算出することができる。
そして、ローパスフィルタリングを実行することにより、パワーステアリング装置の物理的な動的現象を考慮することが可能になる。より具体的には、パワーステアリング機構(及び、具体的にはステアリングホイール)の動作速度が反転したときに、ステアリング反転の瞬間の乾燥摩擦力の値の切り替わりに必要な(非常にわずかであるかもしれない)時間(すなわち、上記乾燥摩擦力の値の符号の反転に必要な時間)に関係する動的現象を考慮することが可能になる。
実際、上記乾燥摩擦力の値の切り替わりが、「バイナリ」に、つまり、明らかな不連続として検知された場合(これは、具体的には、本発明の方法を管理する計算機が、サンプリングにより作動するからである)、タイロッド力を表す式が瞬時に計算される際に、上記切り替わりが一時的に相違を引き起こし得る。
フィルタを設けない場合、このような相違により、ピーク状の偽像が出現し、タイロッド力の推定を完全に歪めてしまう。
上記の理由で、乾燥摩擦力の値の切り替わり時間と同じ程度の時定数を有するローパスフィルタの使用により、上記式の計算結果、すなわち、計算で得られたタイロッド力を、実際のタイロッド力に可能な限り近似可能な平滑化を行い、ステアリング反転がタイロッド力の計算に及ぼす影響を好適に軽減することができる。
タイロッド力の計算の安定性を向上させるローパスフィルタにより、本発明の方法は、ステアリング反転とその近傍を含めて、車両の耐用期間におけるすべての状態において、特に高い信頼度を有する。
本発明のその他の目的、特徴、及び利点は、以下の説明を読むことにより、また、添付の図面を参照することにより、より詳細に明らかになる。なお、以下の説明と図面とは、非限定的な例示の目的のみに提供されるものである。
図1は、連続的にステアリング反転が行われたときの、アシスト力と運転者の力との合計に相当する作動力、本願により推定された乾燥摩擦力、本願の方法に従って計算されたタイロッド力、及び、実際のタイロッド力の推移を一緒に示す時間線図である。 図2は、図1の一部を詳細に示す拡大図である。 図3は、アシスト力を表す変数、より具体的には、モータが出力するアシスト力と運転者が手でステアリングホイールに作用させる力との合計に相当する作動力を横座標とし、該作動力に対応する乾燥摩擦力を縦座標とする線図において、経時的に測定された関連付け点の分布図から得られる乾燥摩擦力の実測モデルの例、及び、対応の相関則を示す図である。 図4は、本発明の方法を車両において実行する事例を概略的に示す図である。
本発明は、タイロッド力と呼ばれる力Ftie−rodを算出する方法に関する。タイロッド力は、車両(具体的には自動車)に搭載されたパワーステアリング機構1内で作用する力である。
図4に示すように、このパワーステアリング機構1は、少なくとも1つのアシストモータ2により駆動される。アシストモータ2は、この目的のために、パワーステアリング機構1に作用するアシスト力Fassistを出力可能である。
アシストモータ2は、いかなる種類のものでもかまわない。より具体的には、互いに反対の2つの方向に作動可能な、いかなるモータであってもよい。
具体的に、本発明では、トルクタイプのアシスト力Fassistを作用させるように構成されたロータリーモータや、引張力又は圧縮力タイプのアシスト力Fassistを作用させるように構成されたリニアモータをアシストモータ2に適用可能である。
また、アシストモータ2は、例えば、油圧式モータ、又は、好ましくは、電気モータである。電気モータの採用により、当該モータの取付け及び実装、並びに、有用な信号の生成及び管理が特に容易になる。
特に好ましくは、アシストモータ2は、例えば、ブラシレス型のロータリー電気モータである。
また、図4に示すように、パワーステアリング機構1は、ステアリングホイール3と、車両の運転者によりステアリングホイール3を介して回転駆動されるステアリングコラム4と、車両のシャーシフレームに固定されたステアリングケース内に摺動可能に取り付けられ、ピニオン5を介してステアリングコラム4と噛み合うラック6と、を備える。
好ましくは、ラック6の両端のそれぞれは、ステアリングタイロッド7,8を介して、ヨー角を変更可能なナックルに接続されている。このナックルには、車両の車輪9,10(好ましくは、駆動輪)が取り付けられており、上記ステアリングケース内でラック6が平行移動することにより、車輪9,10のステアリング角(すなわち、ヨー角)が変化するようになっている。
アシストモータ2は、例えば、ウォームホイールとウォームスクリューとからなる減速装置を介して、ステアリングコラム4と係合可能である。或いは、アシストモータ2は、ボールネジ型の駆動機構、又は、ステアリングコラムのピニオン5とは別のモータピニオン11を介して、ステアリングラック6と係合可能である。この場合、例えば、図4に概略を示す、デュアルピニオン機構と呼ばれるパワーステアリング機構が構成される。
アシストモータ2が、運転者によるパワーステアリング機構1の操作をアシストするように、アシストモータ2に適用される力の設定値(又は、より好ましくは、図4にFassistで示すトルク設定値)は、予め設定されたアシスト基準(アシスト則)によって決まる。このアシスト基準は、計算機の不揮発性メモリ(以下、アシスト基準適用モジュール12という)に格納されている。上記アシスト基準によって、運転者がステアリングホイール3に作用させるステアリングホイール力(トルク)Fcond、車両の(前後方向の)速度νvehic、ステアリングホイール3の角度位置θsteeringwheelなどの種々のパラメータに応じて、上記力の設定値が調整される。
説明の都合上、以下では、アシストモータ2に適用される設定値は、該アシストモータより出力されるアシスト力Fassistを忠実に反映するものとし、これら2つの量が同じであると見做す。
本発明では、タイロッド力Ftie−rodは、或る瞬間tに、車両の環境20(すなわち、典型的には、車両が走行している道路20)が、当該車両に搭載されたパワーステアリング機構1に作用させる力に相当する。
図4に示す例を参照すると、タイロッド力Ftie−rodは、事実上、力F7/6と力F8/6との代数和に相当する。力F7/6及び力F8/6は、パワーステアリング機構1(ここではラック6の両端)に、左ステアリングタイロッド7及び右ステアリングタイロッド8によりそれぞれ作用す力である。左ステアリングタイロッド7は、道路20により左車輪9に作用する抵抗力(力F7/6で概略的に示す)をラック6に伝達する。一方、右ステアリングタイロッド8は、道路20により右車輪10に作用する抵抗力(力F8/6で概略的に示す)を、同じラック6に伝達する。ここで、或る瞬間において、これらタイロッド7,8の一方には、引張力が作用し、他方には、圧縮力が作用する。
本発明の方法によれば、実質的にリアルタイムでタイロッド力Ftie−rodを好適に算出可能であり、したがって、道路20がパワーステアリング装置(車両の前側アクスルに相当することが好ましい)に及ぼす作用を、いつでも正確に定量化できることが注目されるであろう。
本発明の方法は、作動力Factionを算出(決定)するステップ(a)を含む。このステップでは、上記瞬間tに、パワーステアリング機構1に作用する(トータルの)作動力Factionを算出する。この作動力は、アシストモータ2がパワーステアリング機構1に作用させるアシスト力Fassist、及び/又は、車両の運転者が(手動で)パワーステアリング機構1に(ここでは、ステアリングホイール3を介して)作用させる運転者の力Fcondから得られる。
なお、アシストモータ2が作動していない場合には、作動力Factionが運転者の力Fcondのみに等しくなり得る。
反対に、運転者の力Fcondがゼロのときには、作動力Factionが、アシスト力Fassistのみに等しくなり得る。運転者の力Fcondがゼロになるのは、例えば、駐車アシスト運転などのように、アシストモータが行う自動方向操作中に、運転者がステアリングホイール3から手を放した場合か、又は、ステアリングホイール3が方向指示器としてのみ機能し、ラック6と機械的に接続されておらず、ステアリング操作に必要な力がアシストモータ2のみによって確保されている場合のいずれかである。
しかし、説明の都合上、及び、図4に示すパワーステアリング機構1について、以下では、パワーステアリング機構1のステアリング角を変えるために、又は、このステアリング角を選択された値に維持するために、パワーステアリング機構1に作用する複数の力の合力に相当する作動力Factionが、運転者の力Fcondと作動力Factionとの(代数)和に等しいと見做す。
運転者の力Fcond及びアシスト力Fassistは、任意の適切な方法で取得することができる。
好ましくは、アシスト力Fassistは、例えばアシスト基準適用モジュール12の出力として、アシストモータ2に適用される上記トルク設定値を測定することにより、又は、アシストモータ2のシャフト13に配設されたトルクセンサを利用して、アシストモータ2より実際に出力されるアシスト力を測定することによって、取得可能である。
運転者がステアリングホイール3に作用させる運転者の力Fcond、又は、ステアリングホイールトルクは、適切なステアリングホイールトルクセンサ14により測定できる。ステアリングホイールトルクセンサ14の例としては、ステアリングホイール3とステアリングコラム4との間に設けられたトーションバーの弾性変形を測定する磁気トルクセンサが挙げられる。
本発明の方法は、乾燥摩擦力を推定するステップ(b)を更に含む。このステップ(b)では、上記瞬間tにおいて、パワーステアリング機構1に作用する乾燥摩擦力Fdry,Rdryが推定される。
ここで、乾燥摩擦力とは、パワーステアリング機構1の動作速度に依存(比例)する粘性摩擦力の反意語であり、摺動速度に依存しない摩擦力であって、クーロンの摩擦法則で表されるように、2つの固体間の(潤滑された又はされていない)表面接触に起因する摩擦力を意味し、次式で表される。
dry=−Rdry・sign(X′)
上記式中、Rdryは、乾燥摩擦力の値であり、sign(X′)は、パワーステアリング機構1の動作速度X′の符号(正又は負)を表す(符号関数)。尚、図4において、Xの文字の上側に1つのドットを付したものは、X′と同じ上記動作速度を意味する。
好ましくは、乾燥摩擦力Fdry,Rdryは、特に図1及び図2に示すように、パワーステアリング機構1のステアリング反転15の間に観察されるような、作動力Factionの減少分Hから推定される。
上記減少分の高さHは、パワーステアリング機構1(及び、ステアリングホイール3)の速度X′がゼロを通過するステアリング反転15の直前に、作動力Factionが到達する極大値(ハイバリューと呼ばれる)と、この作動力Factionがステアリング反転15の直後にとる値(ローバリューと呼ばれる)との差に実質的に相当する。
より具体的には、乾燥摩擦力の値Rdryは、減少分高さHの半分(H/2)に相当することが好適である。
実際には、ステアリング反転15は、例えば、作動力Factionを表す信号(又は、実質的に等価な方法では、アシスト力Fassistを表す信号)の一階時間微分による導関数を計算すること、及び、(該導関数の振幅の)所定閾値との交差で特徴付けられる、当該導関数によるピークの通過を検出することによって検知することができる。
作動力Factionの信号の上記ハイバリュー及び上記ローバリューは、減少分高さHを(図1及び図2の縦座標として)画定し特徴付けるが、これらハイバリュー及びローバリューは、(図1及び図2の横座標で)ステアリング反転の側方に位置する複数の時間範囲において計算することができる。これらの時間範囲は、それぞれ、上記導関数が上記閾値よりも上に通過することを特徴付けるピーク開始時と呼ばれる瞬間である、所定の時間長さ分先行する第1の基準時と、上記導関数が上記閾値を下回ることを特徴付けるピーク終了時と呼ばれる瞬間である、所定の時間長さ分遅れて後続する第2の基準時との間に相当する。代替的な、実質的に等価な方法では、第1の基準時及び第2の基準時は、ステアリング反転が行われる平均的な瞬間、つまり、導関数のピークの(時間的)中心に相当する瞬間から、所定の時間長さ分先行及び後続する瞬間にそれぞれ相当していてもよい。
また、乾燥摩擦力Fdry,Rdryを推定するステップ(b)は、実測摩擦モデル21に基づいて実行される。実測摩擦モデル21は、例えば(そして、好ましくは)、各ステアリング反転15の際に、パワーステアリング機構1の作動に応じて連続して測定される乾燥摩擦力の測定値Rmes_1,Rmes_2,…Rmes_nにより構築されるとともに、経時的に更新される。
摩擦力の推定のための上記モデル21は、好適には、このようにパワーステアリング機構1の作動の過程で、より包括的には、車両の(現在の)使用の過程で自動的に更新される。これにより、実測摩擦モデル21は、パワーステアリング機構1が作動する条件の推移、及び、より具体的には温度条件又は経年(摩耗)条件に永続的に再適合される。
工場で実施される1回の最初の較正により得られる一定値又は不変の計算値ではなくて、定期的に更新される上記のような推移型の摩擦モデル21を利用することにより、本発明では、いかなる瞬間tにおいても、パワーステアリング機構1内の摩擦の実際の状態(本質的に不定の状態)を忠実に反映する乾燥摩擦力を、該摩擦の状態のいかんに関わらず、推定することができる。
このようにして、本発明の方法の精度が高まる。
好ましくは、乾燥摩擦力を推定するステップ(b)は、一連の関連付け点を取得するサブステップ(b1)を含む。このサブステップ(b1)では、作動力を表す測定値Faction_1,Faction_2,…Faction_nに、乾燥摩擦力の測定値Rmes_1,Rmes_2,…Rmes_nをそれぞれ関連付けるための一連の個別の関連付け点P,P,…Pを実測により取得することを目的として、パワーステアリング機構1の作動中に連続的に変化する作動力Factionの複数の異なる値について、対応する乾燥摩擦力の値がそれぞれ測定される。ステップ(b)は、また、実測摩擦モデル21を構築するサブステップ(b2)を含む。このサブステップ(b2)では、上記一連の関連付け点を構成する関連付け点P,P,…Pの分布図に基づき、該関連付け点の間の相関則Lが確立される。
上述のような関連付け点は、ステアリング反転15の際に取得されることが好適である。
1つの較正点に基づくのではなくて、複数の(異なる)作動力の値より得られた点の分布図から実測摩擦モデル21を構築することによって、広い作動範囲をカバーする実測摩擦モデル21を得ることができる。したがって、実測摩擦モデル21は、任意の瞬間tにおいて想定されるあらゆる作動力(あらゆる作動トルク)Faction(t)に対応する乾燥摩擦Fdryのレベルについての情報を、想定される作動力の大小のいかんに関わらず、忠実に提供可能である。
特に、乾燥摩擦力の推定においては、乾燥摩擦力の値Rdryが、作動力(作動トルク)Factionに対する増加関数の値であるという事実を考慮することができる。
したがって、本発明は、乾燥摩擦力の推定時、延いては、タイロッド力の算出時に、より精度が高くなる。
関連付け点を取得するサブステップ(b1)及び実測摩擦モデル21を構築するサブステップ(b2)は、パワーステアリング機構1の作動中に繰り返し更新され得ることが好ましい。この更新は、モデルの構築を可能とする学習プロセスを進行中の状態にして、これにより、このモデルを経時的に滑らかに推移させることにより行われる(新たに取得された関連付け点が、漸次、最も古い関連付け点と置き換わり、その結果、新たな相関則Lが適用される)。
上記一連の関連付け点P,P,…Pの規模としては、少なくとも5個又は10個の関連付け点から、50個又は100個の関連付け点までの間であればよい。
一時的に誤測定が起こったとしても、関連付け点のサンプルは、信頼可能で典型的なモデル21を作成するのに十分な規模である。
上述した通り、関連付け点P,P,…Pは、ステアリング反転15の間に獲得されることが好ましく、関連付け点P,P,…Pにおける乾燥摩擦力の測定値Rmes_1,Rmes_2,…Rmes_nは、作動力Factionを表す信号の減少分高さHから得られる(より具体的には、減少分高さの半分H/2)。
好ましくは、相関則Lは、一連の関連付け点P,P,…Pについての補間曲線(例えば多項式)又は回帰曲線の形で規定される。
特に好ましくは、図3に示すように、相関則Lは、一連の関連付け点P,P,…Pの線形回帰法(例えば最小二乗法)により求められる。
このように、乾燥摩擦の実際の挙動を具体的に表すモデル21を、適度な累乗計算を行うことにより、素早く得ることができる。
また、連続する相関則Lは、補外法により、その定義及び有効性の範囲が、モデル21の構築に使用される関連付け点よりも広くなる。この連続する相関則Lを使用すれば、乾燥摩擦力の値Rdryの推定を、瞬間tにおいて測定(又は計算)された作動力の任意の値Faction(t)と好適に関連付けすることができる。このことは、作動力の値が、関連付け点のみによりカバーされる範囲を超えるときも含む。
本発明の方法は、タイロッド力Ftie−rodを計算するステップ(c)を含む。このステップ(c)は、タイロッド力を表す式22を計算する計算サブステップ(c1)を含む。式22は、作動力Factionと乾燥摩擦力Fdryとの代数和を含む。この代数和は、
action+Fdry=Fcond+Fassist+Fdry
となる。サブステップ(c)は、フィルタリングを実行するサブステップ(c2)を含む。このサブステップ(c2)では、少なくともパワーステアリング機構1のステアリング反転15の瞬間に、式22が計算される際に、式22の計算結果を平滑化可能なようにローパスフィルタ23が適用される。
実在の固体同士の接触には、無限ではない結合剛性が存在するので、ステアリング反転15の間、実際の乾燥摩擦力は不連続には推移しない。すなわち、実際の乾燥摩擦力は、正の値から反対の負の値に(又は、その逆に)瞬時に変化しないが、明らかに速い連続的な遷移の動態に従う。
上記乾燥摩擦力Fdryは、ここでは、式:Fdry=−Rdry・sign(X′)によってモデル化される。乾燥摩擦力Fdryは、パワーステアリング機構1の動作速度X′の符号sign(X′)に比例する。
実際上は、アシストモータ2の速度、つまり、アシストモータ2のシャフト13の回転の角速度を、上記動作速度X′を表す値と見做すことができる。この角速度は、非常に正確に知ることができる。
パワーステアリング機構1の動作速度の符号を表す(実際には、アシストモータ2のシャフト13の回転方向を反映する)信号sign(X′)は、本来、バイナリである(速度の符号は、正又は負である)。
この結果、上記信号sign(X′)が、数字の形で、離散サンプリングにより大まかに得られるか又は処理される場合、パワーステアリング機構1の動作速度の符号の変化が、当該信号sign(X′)のバイナリ値の瞬時の切り替わりの形で検知される。この切り替わりは、上記動作速度がゼロを通過した瞬間の直後に信号が更新される一瞬に、瞬時に発生する。
したがって、このような瞬時の切り替わりの影響により、乾燥摩擦力の推定、及び、タイロッド力の計算に、不連続性(ピーク)が導入されてしまう。
そこで、ローパスフィルタ23を追加することにより、パワーステアリング機構1の動作速度を示す信号sign(X′)に動的制限を導入することができる。この動的制限は、符号の変化のバイナリ検知に(補間として)作用し、その結果、符号が変わるときに、フィルタにかけられた上記信号sign(X′)に連続的な遷移を起こす。この連続的遷移は、実際の反転の物理的な動的現象を再現する。
言い換えれば、ローパスフィルタ23は、本発明の方法を管理する計算機によって摩擦力の反転が検知されるように、該反転の漸進性を回復する。こうして、ローパスフィルタ23は、摩擦のピーク(及びタイロッド力のピーク)で、実際の本質的原因を何ら伴わずに偽って生じる不連続性の発生を回避する。
具体的には、図2から明らかなように、ローパスフィルタ23は、絶対的に完璧なものではなくて、ステアリング反転15の瞬間に、計算されたタイロッド力Ftie−rodにおいて、僅かな余剰乱れ24(減衰されたピーク)を残すことがある。しかし、ローパスフィルタ23は、この余剰乱れ24の振幅を、実際のタイロッド力と作動力Factionとの間に見られる差よりも十分に低く維持することができる。つまり、ローパスフィルタ23により、図式上、計算で得られたタイロッド力曲線(図2にドット付き線で表示)を、作動力Factionを表す曲線(図2に一点鎖線で表示)よりも、実際のタイロッド力曲線(図2に実線で表示)にずっと近い位置に永続的に維持することができる。
反対に、フィルタリングを実行しない場合には、ステアリング反転15の瞬間に、計算で得られたタイロッド力曲線は、作動力を表す曲線よりも、実際のタイロッド力曲線からより離れたピークを持つことであろう。このことは、計算で得られたタイロッド力の値Ftie−rodの信頼性が、タイロッド力が作動力に等しいと簡易的に見做すときよりも、(一次的に)低くなったことを意味する。
したがって、本発明のローパスフィルタ23の使用により、あらゆる状況下において、計算で得られたタイロッド力Ftie−rodを、従来公知の方法よりもずっと正確に判定することができる。そして、これには、ステアリング反転15の決定的な瞬間も含まれる。
全体的に、注目すべきは、本発明によって、乾燥摩擦力を考慮することと、ローパス(ピーク減衰)フィルタ23の使用とを組み合わせることにより、計算により算出されたタイロッド力を、実際のタイロッド力に可能な限り近づけることができ、この近似(これらの曲線同士のまとまり)を、(特に)ステアリング反転領域15の近傍を含むあらゆる状況下で維持することができる(ステアリング反転領域15では、フィルタによって、動作速度の符号を反映する未処理信号の不連続性の影響を大幅に減衰することができる)、ということである。
好ましくは、図4に示すように、ローパスフィルタ23は、式22の計算(計算サブステップc1)の上流側、更には、乾燥摩擦力Fdryの計算(上記動作速度の符号sign(X′)に乾燥摩擦力の値Rdryを乗ずる計算)の上流側で、パワーステアリング機構1の動作速度の符号を表す信号sign(X′)に介入する。これにより、ローパスフィルタ23は、上記信号(上記動作速度の符号)に直接的に介入して、式22の入力元において、連続的遷移の動態を回復させる。
尚、ローパスフィルタ23を、より下流側、例えばFdry=−Rdry・sign(X′)中の積から導出される乾燥摩擦力信号Fdryに対して行うことも可能である。或いは、式22を計算する計算サブステップ(c1)の後、つまり、式22の出力に対して行うことも可能である。
ローパスフィルタ23の時定数は、好ましくは、0.05秒〜0.5秒であり、より好ましくは、0.1秒(100ミリ秒)〜0.3秒(300ミリ秒)であって、例えば、0.15秒(150ミリ秒)に実質的に等しい。
ローパスフィルタ23の時定数の大きさは、乾燥摩擦力の実際の動的な切り替わりの特徴的な継続時間、つまり、ステアリング反転15の間に見られる、上記乾燥摩擦力の連続的遷移の特徴的な継続時間に実質的に相当することが好ましい。
こうしてローパスフィルタ23は、実際の遷移動態に近い、実際的な人工的動態を再現することができる。
また、タイロッド力を計算するステップ(c)では、パワーステアリング機構1の作動に影響しかつ当該パワーステアリング機構1の動作速度X′に比例する粘性摩擦力Fvisqも考慮することが好ましい。
作動力Faction及び乾燥摩擦力Fdryの寄与に比べれば、この粘性摩擦力Fvisqの寄与は顕著ではなく、むしろ補助的と言えるものである。それでも、この粘性摩擦力Fvisqを考慮することにより、タイロッド力Ftie−rodの計算精度の更なる向上が可能である。
具体的に、粘性摩擦力は、式:Fvisq=−Rvisq・X′で表すことができ、この式中、Rvisqは、粘性摩擦係数であり、X′は、パワーステアリング機構1の動作速度を表す。
粘性摩擦係数Rvisqは、試験調査により予め測定可能であって、本発明の方法を管理する計算機の不揮発性メモリにチャートの形で保存しておくことできる。
例えば、上記動作速度は、ステアリングホイール3の角度位置、ラック6の直線位置、又は、アシストモータ2のシャフト13の角度位置を測定可能な位置センサからの測定値に対して時間微分することにより、計算可能である。
同様に、タイロッド力を計算するステップ(c)において、パワーステアリング機構1に作用する慣性力M・X′′を考慮することも可能である。
作動力Faction及び乾燥摩擦力Fdryの寄与に比べれば、慣性力M・X′′の寄与は、むしろ補助的と言えるものである。それでも、慣性力M・X′′を考慮することにより、タイロッド力Ftie−rodの計算精度の更なる向上が可能である。
具体的には、上記慣性力は、パワーステアリング機構1の可動部の質量M(予め分かっている)と、このパワーステアリング機構1の瞬時の加速度X′′との積を求めることにより、計算することができる。この加速度X′′は、例えば、速度X′の導関数を計算することで求められる。尚、図4において、Xの文字の上側に2つのドットを付したものは、X′′と同じ上記加速度を意味する。
実際には、アシストモータ2の慣性力は、パワーステアリング機構1の他の可動部(例えばラック6)の慣性力よりもかなり大きいので、慣性力M・X′′を計算する目的で、(実際的な)近似計算として、アシストモータ2のシャフト13の質量及び加速度のみを考慮することができる。
最後に、タイロッド力を表す式22は、
tie−rod
=Fcond+Fassist+Fdry+Fvisq−M・X′′
により表される。上記式中、
tie−rodは、上記タイロッド力であり、
condは、上記運転者の力であり、
assistは、上記アシスト力であり、
dryは、Fdry=−Rdry・sign(X′)で表される乾燥摩擦力であり、
dryは、乾燥摩擦力の値であり、
sign(X′)は、パワーステアリング機構1の動作速度の符号を表し、
visqは、Fvisq=−Rvisq・X′で表される粘性摩擦力であり、
visqは、粘性摩擦係数であり、
X′は、パワーステアリング機構1の動作速度を表し、
M・X′′は、パワーステアリング機構1の可動部の質量M及び該パワーステアリング機構1の瞬時の加速度X′′に依存する慣性力である。
上述の如く、乾燥摩擦力の値Rdryは、実測摩擦モデル21から得られる値であることが好ましく、また、乾燥摩擦力の値Rdryは、上記作動力に対する増加関数の値(Rdry=f(Fassist+Fcond))であることが好ましい。上記増加関数は、典型的には、上記の回帰直線Lに従う。
上記タイロッド力を表す式は、パワーステアリング機構1の末端に対して上記動態の基本原則を適用することに相当する。
上記式22の主要な項(実際のタイロッド力を得るのにそれだけで十分な項)は、近似計算として、作動力(Fassist+Fcond)及び乾燥摩擦力Fdryであることに注意されたい。
本発明の方法は、適切な計算モジュール、具体的には、アシスト基準適用モジュール12、(関連付け点の)取得モジュール16、モデル構築モジュール(相関則Lの計算モジュール)17、摩擦推定モジュール18(任意の瞬間tにおいて、作動力の任意の値Faction(t)について、定められた相関則Lを適用して、対応する乾燥摩擦力の値Rdry(t)を推定する)、タイロッド力Ftie−rod計算モジュール19、及び、ローパスフィルタ(又はフィルタ)モジュール23によって実行され得る。
上記モジュールのそれぞれは、電子回路、電子カード、計算機(コンピュータ)、プログラム可能な論理制御装置、又はその他の等価な素子により構成され得る。好ましくは、これらは、本発明の方法に必要な信号を(離散的)デジタル方式で処理するように設けられる。
上記モジュールのそれぞれは、該モジュールの電子的要素の配線により定義される物理的な制御構造、及び/又は、コンピュータプログラミングにより定義される仮想の制御構造を有していてもよい。
当然のことながら、本発明は、コンピュータにより読み取り可能な任意のデータ媒体であって当該媒体がコンピュータにより読み取られた際に本発明の方法を実施可能とするコンピュータプログラムコード要素を格納したデータ媒体にも関する。
本発明は、また、上記のモジュールの全て又は一部を備える管理モジュールにより制御されるパワーステアリング機構1を備えた、本発明の方法を実施可能なパワーステアリング装置にも関する。
本発明は、自動車、具体的には、操舵車輪9,10(駆動輪であってもよい)を有し、上記のようなパワーステアリング装置を備えた自動車にも関する。
最後に、本発明の方法は、概してパワーステアリング装置内で従来から利用可能な信号を使用するものであり、既存のパワーステアリング装置を改良すること、及び、該装置の計算機を単純に再プログラミングすることによって、あらゆるパワーステアリング装置に容易に適用することができる。
本発明は、上記の実施形態のみに限定されないことは言うまでもない。具体的には、当業者であれば、上記の特徴のいずれかを分離させたり、いくつかを組み合わせたり、等価物と置換したりすることができる。

Claims (7)

  1. 車両に設けられかつ少なくとも1つのアシストモータ(2)により駆動されるパワーステアリング機構(1)に任意の瞬間に作用するタイロッド力(Ftie−rod)の算出方法であって、
    上記瞬間に上記パワーステアリング機構(1)に作用する作動力であって、上記アシストモータ(2)が上記パワーステアリング機構(1)に作用させるアシスト力(Fassist)、及び/又は、上記車両の運転者が上記パワーステアリング機構(1)に作用させる運転者の力(Fcond)から得られる作動力(Faction)を算出する作動力算出ステップ(a)と、
    上記瞬間に上記パワーステアリング機構(1)に作用する乾燥摩擦力(Fdry,Rdry)を推定する乾燥摩擦力推定ステップ(b)と、
    上記作動力(Faction)と上記乾燥摩擦力(Fdry)との代数和を含む、上記タイロッド力を表す式(22)を計算する計算サブステップ(c1)、及び、上記パワーステアリング機構のステアリング反転(15)の瞬間に上記式(22)が計算される際に、当該式(22)の計算結果を平滑化可能なように、ローパスフィルタ(23)を適用するフィルタリングサブステップ(c2)を含むタイロッド力計算ステップ(c)と、
    を備え
    上記乾燥摩擦力推定ステップ(b)は、上記パワーステアリング機構(1)の作動に応じて連続して測定される乾燥摩擦力の測定値(R mes_1 ,R mes_2 ,…R mes_n )により構築されかつ経時的に更新される実測摩擦モデル(21)に基づいて実行されることを特徴とするタイロッド力の算出方法。
  2. 請求項1記載のタイロッド力の算出方法において、
    上記ローパスフィルタ(23)の時定数は、0.05秒〜0.5秒であることを特徴とするタイロッド力の算出方法。
  3. 請求項1又は2記載のタイロッド力の算出方法において、
    上記乾燥摩擦力(Fdry,Rdry)は、上記パワーステアリング機構のステアリング反転時における上記作動力(Faction)の減少分(H)に基づいて推定されることを特徴とするタイロッド力の算出方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1つに記載のタイロッド力の算出方法において、
    上記乾燥摩擦力推定ステップ(b)は、
    上記作動力を表す測定値(Faction_1,Faction_2,…Faction_n)に、上記乾燥摩擦力の測定値(Rmes_1,Rmes_2,…Rmes_n)をそれぞれ関連付けるための一連の個別の関連付け点(P,P,…P)を取得することを目的として、上記パワーステアリング機構の作動中に連続的に変化する作動力(Faction)の複数の異なる値について、対応する乾燥摩擦力の値をそれぞれ測定する関連付け点取得サブステップ(b1)と、
    上記一連の関連付け点を構成する関連付け点(P,P,…P)の分布図に基づき、該関連付け点の間の相関則を確立する実測摩擦モデル構築サブステップ(b2)と、
    を含むことを特徴とするタイロッド力の算出方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載のタイロッド力の算出方法において、
    上記タイロッド力計算ステップ(c)において、上記パワーステアリング機構(1)の作動に影響しかつ該パワーステアリング機構(1)の動作速度(X′)に比例する粘性摩擦力(Fvisq)を考慮することを特徴とするタイロッド力の算出方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載のタイロッド力の算出方法において、
    上記タイロッド力計算ステップ(c)において、上記パワーステアリング機構(1)に作用する慣性力(M・X′′)を考慮することを特徴とするタイロッド力の算出方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1つに記載のタイロッド力の算出方法において、
    上記タイロッド力を表す上記式(22)は、
    tie−rod
    =Fcond+Fassist+Fdry+Fvisq−M・X′′
    により表されることを特徴とするタイロッド力の算出方法。
    [上記式中、Ftie−rodは、上記タイロッド力であり、
    condは、上記運転者の力であり、
    assistは、上記アシスト力であり、
    dryは、Fdry=−Rdry・sign(X′)で表される乾燥摩擦力であり、
    dryは、乾燥摩擦力の値(例えば、モデルから得られる値、又は、上記作動力に対する増加関数の値(Rdry=f(Fassist+Fcond))であり、
    sign(X′)は、上記パワーステアリング機構(1)の動作速度の符号を表し、
    visqは、Fvisq=−Rvisq・X′で表される粘性摩擦力であり、
    visqは、粘性摩擦係数であり、
    X′は、上記パワーステアリング機構(1)の動作速度を表し、
    M・X′′は、上記パワーステアリング機構(1)の可動部の質量M及び該パワーステアリング機構(1)の瞬時の加速度X′′に依存する慣性力である。]
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