JP6615004B2 - エンジンシステム - Google Patents
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Description
改質気筒において、例えば、メタンを主成分とする燃料を含む過濃混合気を不完全燃焼させることで、水素等の燃焼速度の速い燃焼促進性ガスを含む改質ガスを生成することができる。そして、当該改質ガスを通常気筒へ導くことで、例えば、エンジンが低負荷域で回転数が低く安定性が十分に確保し難い場合に、通常気筒の燃焼室での火花伝播速度を上昇させ、燃焼の安定性を改善できることが知られている。
過給機を備えた構成においては、改質気筒へ導かれる混合気の圧力が、過給機のコンプレッサ出口の過給圧(例えば、50kPa〜200kPa程度)まで昇圧するため、改質気筒用吸気支管にて燃料を追加供給する燃料噴射手段による燃料噴射圧は、当該過給圧よりも高くする必要がある。しかしながら、特に、一般の家庭に備えられるような小型のコジェネレーションシステムやガスヒートポンプシステムなどの原動機用として用いられる小型のエンジンでは、経済性や設置スペースの関係で、燃料供給手段たとえば燃料噴射弁から噴射する燃料を昇圧する圧縮機等の昇圧装置を備えることはできなかった。このため、上述した改質気筒を有する多気筒型エンジンにおいて、コンプレッサにて過給圧まで昇圧した混合気が通流する通常気筒用吸気支管に対し、圧縮機等の昇圧装置を用いない構成で、改質気筒用吸気支管へ燃料を追加するものは知られていなかった。
燃料と燃焼用空気とを含む混合気を燃焼する通常気筒を少なくとも一つ備えると共に、混合気の少なくとも一部を不完全燃焼させて燃料よりも燃焼速度の速い燃焼促進性ガスを含む改質ガスへ改質する改質気筒を少なくとも一つ備え、前記改質気筒にて改質された改質ガスを少なくとも前記通常気筒へ導くエンジンシステムであって、その特徴構成は、
前記通常気筒及び前記改質気筒へ導かれる混合気を通流する吸気本管において混合気を圧縮するコンプレッサを有する過給機を備え、
前記吸気本管において前記コンプレッサの上流側に燃料を供給する燃料供給部を備え、
前記吸気本管から分岐され前記改質気筒へ導かれる混合気を通流する改質気筒用吸気支管へ燃料を供給する第1エジェクタ装置と、前記吸気本管から分岐され前記通常気筒へ導かれる混合気を通流する通常気筒用吸気支管へ燃焼用空気を供給する第2エジェクタ装置とのうち、何れか一方から成るエジェクタ機構を備え、
前記エジェクタ機構と前記燃料供給部とを働かせて、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定し、且つ前記通常気筒での混合気の空気過剰率を前記改質気筒での混合気の空気過剰率よりも高く設定する空気過剰率制御手段を備える点にある。
これにより、特に、一般の家庭に備えられるような小型のコジェネレーションシステムやガスヒートポンプシステムの原動機用として用いられる小型の多気筒型のエンジンで、出力を過給機にて補う構成を採用している場合に、燃料又は燃焼用空気を過給圧まで昇圧して供給するための圧縮機等を設けない比較的簡易な構成を維持しながらも、過給機としてのコンプレッサが設けられる吸気本管の下流側に、燃料又は燃焼用空気を良好に供給できる。
結果、空気過剰率制御手段は、エジェクタ機構と燃料供給部とを働かせて、改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定し、且つ通常気筒での混合気の空気過剰率を改質気筒での混合気の空気過剰率よりも高く設定でき、改質気筒にて良好に改質ガスを生成しながらも、生成した改質ガスを通常気筒へ導いて、通常気筒での燃焼安定性を改善する等の効果を良好に発揮できる。
前記エジェクタ機構は、前記第1エジェクタ装置のみから構成されている点にある。
前記第1エジェクタ装置は、前記改質気筒用吸気支管の上流側から供給される混合気を下流側へ噴射するノズルと、当該ノズルから噴射された混合気を受け入れて前記改質気筒用吸気支管の下流側へ分散供給するディフューザと、ノズルとディフューザとの間で燃料供給管から供給される燃料を吸引する吸引口と、前記燃料供給管を通流する燃料の流量を調整する燃料流量制御弁とを備え、
前記空気過剰率制御手段は、前記燃料流量制御弁の開度を制御する形態で、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定する点にある。
結果、通常気筒へ供給される燃焼促進性ガスの供給量も制御することができる。これにより、例えば、通常気筒において、失火等が発生している場合には、燃焼促進性ガスの供給量を増加することで、通常気筒の燃焼室での火炎伝搬速度を速めて、燃焼の安定性を向上でき、通常気筒において、ノッキングが発生している場合には、燃焼促進性ガスの供給量を増加あるいは減少することで、ノッキングの発生を抑制できる。
前記第2エジェクタ装置は、前記通常気筒用吸気支管の上流側から供給される混合気を下流側へ噴射するノズルと、当該ノズルから噴射された混合気を受け入れて前記通常気筒用吸気支管の下流側へ分散供給するディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間で燃焼用空気供給管から供給される燃焼用空気を吸引する吸引口と、前記燃焼用空気供給管を通流する燃焼用空気の流量を制御する燃焼用空気流量制御弁とを備え、
前記空気過剰率制御手段は、前記燃料供給部を制御する形態で、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定する点にある。
一方、空気過剰率制御手段は、吸気本管へ燃料を供給する燃料供給部を制御する形態で、改質気筒へ導かれる混合気の空気過剰率を、通常気筒へ導かれる混合気の空気過剰率とは別に調整できる。これにより、改質気筒にて生成される改質ガスに含まれる燃焼促進性ガスの含有量を制御できる。
結果、通常気筒へ供給される燃焼促進性ガスの供給量も制御することができる。これにより、例えば、通常気筒において、失火等が発生している場合には、燃焼促進性ガスの供給量を増加することで、通常気筒の燃焼室での火炎伝搬速度を速めて、燃焼の安定性を向上でき、通常気筒において、ノッキングが発生している場合には、燃焼促進性ガスの供給量を増加あるいは減少することで、ノッキングの発生を抑制できる。
燃料と燃焼用空気とを含む混合気の少なくとも一部を不完全燃焼させて燃料よりも燃焼速度の速い燃焼促進性ガスを含む改質ガスへ改質する改質気筒を少なくとも一つ備えた改質エンジンを有するエンジンシステムであって、その特徴構成は、
燃料と燃焼用空気とを含む混合気を燃焼する外部出力気筒を備えた外部出力エンジンを備え、
前記改質気筒にて改質された改質ガスを、少なくとも前記外部出力気筒へ導くように構成され、
前記改質気筒以外の前記改質エンジンの気筒である通常気筒及び前記改質気筒へ導かれる混合気を通流する吸気本管において混合気を圧縮するコンプレッサを有する過給機を備え、
前記吸気本管において前記コンプレッサの上流側に燃料を供給する燃料供給部を備え、
前記吸気本管から分岐され前記改質気筒へ導かれる混合気を通流する改質気筒用吸気支管へ燃料を供給する第1エジェクタ装置と、前記吸気本管から分岐され前記通常気筒へ導かれる混合気を通流する通常気筒用吸気支管へ燃焼用空気を供給する第2エジェクタ装置とのうち、何れか一方から成るエジェクタ機構を備え、
前記エジェクタ機構と前記燃料供給部とを働かせて、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定し、且つ前記通常気筒での混合気の空気過剰率を前記改質気筒での混合気の空気過剰率よりも高く設定する空気過剰率制御手段を備える点にある。
改質エンジンと外部出力エンジンとを備えるエンジンシステムであっても、これまで説明してきたエジェクタ機構及び燃料供給部を働かせて、改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定し、且つ通常気筒での混合気の空気過剰率を改質気筒での混合気の空気過剰率よりも高く設定する空気過剰率制御を、良好に実行できる。
前記第2エジェクタ装置が、前記通常気筒用吸気支管の上流側から供給される混合気を下流側へ噴射するノズルと、当該ノズルから噴射された混合気を受け入れて前記通常気筒用吸気支管の下流側へ分散供給するディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間で燃焼用空気供給管から供給される燃焼用空気を吸引する吸引口と、前記燃焼用空気供給管を通流する燃焼用空気の流量を制御する燃焼用空気流量制御弁とを備え、
前記空気過剰率制御手段は、前記燃料供給部を制御する形態で、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定する点を、更なる特徴構成としている。
前記エジェクタ機構は、前記第1エジェクタ装置のみから構成されている点を、更なる特徴構成としている。
前記第1エジェクタ装置が、前記改質気筒用吸気支管の上流側から供給される混合気を下流側へ噴射するノズルと、当該ノズルから噴射された混合気を受け入れて前記改質気筒用吸気支管の下流側へ分散供給するディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間で燃料供給管から供給される燃料を吸引する吸引口と、前記燃料供給管を通流する燃料の流量を調整する燃料流量制御弁とを備え、
前記空気過剰率制御手段は、前記燃料流量制御弁の開度を制御する形態で、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定する点を、更なる特徴構成としている。
以下、図1に基づいて、第1実施形態に係るエンジンシステム100について説明する。
第1実施形態のエンジンシステム100は、ターボ過給式エンジンとして構成されており、少なくとも1つ以上(当該実施形態では3つ)の通常気筒40a、40b、40cと、少なくとも1つ以上(当該実施形態では1つ)の改質気筒40dとを備えている。更には、エンジンの運転状態を検出するセンサ等の測定結果が入力され、その入力信号に基づいてターボ過給式エンジンの運転を制御するハードウェア群とソフトウェア群とから構成されているエンジンコントロールユニット(以下、制御装置50と呼ぶ)を備えている。
尚、詳細については後述するが、吸気本管20から供給される新気は、改質気筒40dにも供給され、改質気筒40dでもピストンを押し下げて回転軸から回転動力を出力する。ただし、当該改質気筒40dにて排ガスとして生成される改質ガスKは、外部へ排出されることなく、そのすべてが改質ガス通流路28を介して吸気本管20へ戻され、通常気筒40a、40b、40c、及び改質気筒40dへ導かれることとなる。
即ち、吸気本管20において、ミキサ14で燃料Fと燃焼用空気Aとを混合して生成された混合気Mは、過給機30としてのコンプレッサ31にて圧縮された後に、インタークーラ22にて冷却され、スロットル弁23を介して所定の流量に調整されて、通常気筒40a、40b、40c、及び改質気筒40dの燃焼室へ導入される。
更に、エンジン本体40の回転軸(図示せず)には、当該回転軸のトルクを計測するトルク計測センサ(図示せず)が設けられており、制御装置50は、例えば、回転数センサにて計測されるエンジン回転数と、トルク計測センサにて計測されるトルクに基づいて計算されるエンジン出力が、目標出力となるように、第1燃料流量制御弁13やスロットル弁23の開度を制御する。
改質気筒40dは、自身の燃焼室において、新気を不完全燃焼させて、燃料F(例えば、メタン)よりも燃焼速度の速い水素等の燃焼促進性ガスを含む改質ガスKを生成するように構成されている。ここで、水素は、メタン及び空気を混合して燃焼する場合、空気過剰率が1より小さい燃料過濃領域に、その発生量のピークがあることが知られている(「燃焼の基礎と応用(共立出版株式会社)」の第2章を参照)。
このような状態において、改質気筒40dへ導かれる混合気Mの空気過剰率を1より小さい値にする場合、改質気筒用吸気支管20dに燃料Fを追加で供給する必要があり、過給圧(例えば、50〜200kPa程度の圧力)の混合気Mが通流する改質気筒用吸気支管20dに燃料Fを追加するためには、圧縮機(図示せず)等で過給圧まで昇圧した燃料Fを供給する必要がある。
しかしながら、本発明のエンジンシステム100は、家庭用のコジェネレーションシステムに適用する小型のものであるため、圧縮機を設けることはできない。
そこで、当該第1実施形態のエンジンシステム100にあっては、改質気筒用吸気支管20dに、上流側から供給される混合気Mを下流側へ噴射するノズル24aと、当該ノズル24aから噴射された混合気を受け入れるディフューザ24bと、ノズル24aとディフューザ24bとの間で燃料供給管29から供給され燃料Fを吸引する吸引口24cと、燃料供給管29を通流する燃料Fの流量を制御する第2燃料流量制御弁25(燃料流量制御弁の一例)とを有する第1エジェクタ装置24(エジェクタ機構の一例)を備えている。
当該第1エジェクタ装置24を備えることにより、圧縮機等を設けることのない簡易な構成を維持しつつ、改質気筒用吸気支管20dへ、燃料供給管29から燃料Fを引き込む形態で、改質気筒40dへ導かれる混合気Mの空気過剰率を1より小さい値に設定できる。
尚、当該第1実施形態に係るエンジンシステム100にあっては、制御装置50は、第2燃料流量制御弁25の開度を制御することにより、改質気筒40dへ導かれる混合気Mの空気過剰率を制御する。
第2実施形態に係るエンジンシステム100にあっては、図2に示すように、第1実施形態に係るエンジンシステム100に対して、エジェクタ機構の配置箇所、エジェクタ機構により供給するガスが異なると共に、それに伴う制御が異なる。そこで、以下では、第1実施形態と異なる構成を重点的に説明し、それ以外の構成については、説明を割愛することがある。
詳しくは、当該第2実施形態では、吸気支管は、通常気筒用吸気支管20aと通常気筒用吸気支管20bと通常気筒用吸気支管20cと、それらの上流側に接続され、通常気筒40a、40b、40cへ導かれる混合気Mのすべてを通流する上流側通常気筒用吸気支管33とから成っている。
第2エジェクタ装置24は、当該第2実施形態に係るエンジンシステム100にあっては、当該上流側通常気筒用吸気支管33に設けられている。
つまり、第2エジェクタ装置24は、上流側通常気筒用吸気支管33の上流側から供給される混合気Mを下流側へ噴射するノズル24aと、当該ノズル24aから噴射された混合気Mを受け入れて上流側通常気筒用吸気支管33の下流側へ分散供給するディフューザ24bと、ノズル24aとディフューザ24bとの間で燃焼用空気供給管29から供給される燃焼用空気Aを吸引する吸引口24cと、燃焼用空気供給管29を通流する燃焼用空気Aの流量を制御する燃焼用空気流量制御弁25とを備えている。
これに加えて、制御装置50は、例えば、通常気筒40a、40b、40cでの熱効率を高く維持すべく、通常気筒40a、40b、40cに導かれる混合気Mの空気過剰率を、1より大きい値となるように、燃焼用空気流量制御弁25の開度を制御する。
上記第1実施形態に係るエンジンシステム100にあっては、単一の多気筒エンジンにおいて、改質気筒40dにて改質された改質ガスKを通常気筒40a、40b、40cへ導く構成例を示した。
当該第3実施形態に係るエンジンシステム200は、図3に示すように、改質気筒40dにて混合気Mを改質して改質ガスKを生成するための改質エンジン200aに加えて、改質エンジン200aにて生成された改質ガスKが導かれる外部出力エンジン200bを備えて構成されている。尚、当該エンジンシステム200には、改質エンジン200a及び外部出力エンジン200bの運転状態を検出するセンサ等の測定結果が入力され、その入力信号に基づいて外部出力エンジン200bの運転を制御するハードウェア群とソフトウェア群とから構成されているエンジンコントロールユニット(以下、制御装置50と呼ぶ)を備えている。
以下、上記第1実施形態に係るエンジンシステム100と異なる構成及び制御に重点をおいて説明することとし、同一の構成及び制御については、その詳細な説明を省略することがある。
即ち、吸気本管70において、ミキサ64で燃料Fと燃焼用空気Aとを混合して生成された混合気Mは、スロットル弁73を介して所定の流量に調整されて、複数の気筒80a、80b、80c、80dの燃焼室へ導入される。
更に、エンジン本体80の回転軸には、当該回転軸のトルクを計測するトルク計測センサ(図示せず)が設けられており、制御装置50は、例えば、回転数センサにて計測されるエンジン回転数と、トルク計測センサにて計測されるトルクに基づいて計算されるエンジン出力が、目標出力となるように、第3燃料流量制御弁63やスロットル弁73の開度を制御する。
当該吸気本管70においてスロットル弁73の下流側で複数の吸気支管70a、70b、70c、70dの上流側には、改質エンジン200aの改質気筒40dにて生成された改質ガスKを通流する改質ガス通流路28が連通接続されている。当該構成により、上述の吸気支管70a、70b、70c、70dのすべてに対して、改質ガスKが略均等に通流することになる。
以上の如く構成されたエンジンシステム200にあっては、改質エンジン200aにおいて、第1実施形態にて説明した空気過剰率制御手段が第1エジェクタ装置24及び燃料供給部を働かせて第1実施形態と同一の制御を実行することで、外部出力エンジン200bの運転状態毎に発生する異常燃焼や、燃焼の不安定を改善することが可能となる。
(1)上記第1、2実施形態では、通常気筒40a、40b、40cを3つとし、改質気筒40dの数を1つとした。しかしながら、通常気筒の数は、1つ以上であればいくつであっても構わないし、改質気筒の数も、1つ以上であればいくつであっても、本発明の機能を良好に発揮できる。
また、上記第3実施形態でも同様に、通常気筒の数は、1つ以上であればいくつであっても構わないし、改質気筒の数も、1つ以上であればいくつであっても、本発明の機能を良好に発揮できる。
ただし、第3実施形態に係るエンジンシステム200にあっては、改質エンジン200aは、改質ガスKの生成用のエンジンであるので、改質気筒の数は、多いほうが好ましい。また、改質エンジン200aは、その軸出力を取り出して発電等に用いる構成としても良い。
しかしながら、例えば、改質ガス通流路28は、改質気筒40dの排気ポートと、通常気筒40a、40b、40cのみに新気を供給する通常気筒用吸気支管20a、20b、20cの夫々に接続される構成を採用しても構わない。
これにより、改質ガスKを改質気筒40dに導くことなく、通常気筒40a、40b、40cのみに導くことができ、より一層の熱効率の向上が期待できる。
第1実施形態を例にして説明を追加すると、図1に示す過給機30に替えて、図4に示すように、吸気本管20にコンプレッサ90を設けると共に、クランク軸の出力の一部が伝達されてコンプレッサ90を駆動する動力伝達手段91とを備える構成を採用しても構わない。
第1実施形態を例にして説明を追加すると、図1に示す過給機30に替えて、図5に示すように、排気路27に、排ガスEの流れ方向で、第2タービン32b、第1タービン32aを記載の順に備えると共に、吸気本管20に、混合気Mの流れ方向で、第1タービン32aに連結される第1コンプレッサ31aと、第2タービン32bに連結される第2コンプレッサ31bとを記載の順に備える構成を採用しても構わない。
12 :差圧レギュレータ
13 :第1燃料流量制御弁
14 :ミキサ
20a、20b、20c:通常気筒用吸気支管
20d :改質気筒用吸気支管
24 :第1エジェクタ装置、第2エジェクタ装置
24a :ノズル
24b :ディフューザ
24c :吸引口
25 :燃焼用空気流量制御弁、第2燃料流量制御弁
27 :排気路
29 :燃焼用空気供給管、燃料供給管
30 :過給機
31 :コンプレッサ
32 :タービン
40a、40b、40c:通常気筒
40d :改質気筒
50 :制御装置
80a、80b、80c、80d:外部出力気筒
100 :エンジンシステム
200 :エンジンシステム
200a :改質エンジン
200b :外部出力エンジン
A :燃焼用空気
E :排ガス
F :燃料
K :改質ガス
M :混合気
Claims (5)
- 燃料と燃焼用空気とを含む混合気を燃焼する通常気筒を少なくとも一つ備えると共に、混合気の少なくとも一部を不完全燃焼させて燃料よりも燃焼速度の速い燃焼促進性ガスを含む改質ガスへ改質する改質気筒を少なくとも一つ備え、前記改質気筒にて改質された改質ガスを少なくとも前記通常気筒へ導くエンジンシステムにおいて、
前記通常気筒及び前記改質気筒へ導かれる混合気を通流する吸気本管において混合気を圧縮するコンプレッサを有する過給機を備え、
前記吸気本管において前記コンプレッサの上流側に燃料を供給する燃料供給部を備え、
前記吸気本管から分岐され前記改質気筒へ導かれる混合気を通流する改質気筒用吸気支管へ燃料を供給する第1エジェクタ装置と、前記吸気本管から分岐され前記通常気筒へ導かれる混合気を通流する通常気筒用吸気支管へ燃焼用空気を供給する第2エジェクタ装置とのうち、何れか一方から成るエジェクタ機構を備え、
前記エジェクタ機構と前記燃料供給部とを働かせて、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定し、且つ前記通常気筒での混合気の空気過剰率を前記改質気筒での混合気の空気過剰率よりも高く設定する空気過剰率制御手段を備えるエンジンシステム。 - 燃料と燃焼用空気とを含む混合気の少なくとも一部を不完全燃焼させて燃料よりも燃焼速度の速い燃焼促進性ガスを含む改質ガスへ改質する改質気筒を少なくとも一つ備えた改質エンジンを有するエンジンシステムにおいて、
燃料と燃焼用空気とを含む混合気を燃焼する外部出力気筒を備えた外部出力エンジンを備え、
前記改質気筒にて改質された改質ガスを、少なくとも前記外部出力気筒へ導くように構成され、
前記改質気筒以外の前記改質エンジンの気筒である通常気筒及び前記改質気筒へ導かれる混合気を通流する吸気本管において混合気を圧縮するコンプレッサを有する過給機を備え、
前記吸気本管において前記コンプレッサの上流側に燃料を供給する燃料供給部を備え、
前記吸気本管から分岐され前記改質気筒へ導かれる混合気を通流する改質気筒用吸気支管へ燃料を供給する第1エジェクタ装置と、前記吸気本管から分岐され前記通常気筒へ導かれる混合気を通流する通常気筒用吸気支管へ燃焼用空気を供給する第2エジェクタ装置とのうち、何れか一方から成るエジェクタ機構を備え、
前記エジェクタ機構と前記燃料供給部とを働かせて、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定し、且つ前記通常気筒での混合気の空気過剰率を前記改質気筒での混合気の空気過剰率よりも高く設定する空気過剰率制御手段を備えるエンジンシステム。 - 前記第2エジェクタ装置は、前記通常気筒用吸気支管の上流側から供給される混合気を下流側へ噴射するノズルと、当該ノズルから噴射された混合気を受け入れて前記通常気筒用吸気支管の下流側へ分散供給するディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間で燃焼用空気供給管から供給される燃焼用空気を吸引する吸引口と、前記燃焼用空気供給管を通流する燃焼用空気の流量を制御する燃焼用空気流量制御弁とを備え、
前記空気過剰率制御手段は、前記燃料供給部を制御する形態で、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定する請求項1又は2に記載のエンジンシステム。 - 前記エジェクタ機構は、前記第1エジェクタ装置のみから構成されている請求項1又は2の何れか一項に記載のエンジンシステム。
- 前記第1エジェクタ装置は、前記改質気筒用吸気支管の上流側から供給される混合気を下流側へ噴射するノズルと、当該ノズルから噴射された混合気を受け入れて前記改質気筒用吸気支管の下流側へ分散供給するディフューザと、前記ノズルと前記ディフューザとの間で燃料供給管から供給される燃料を吸引する吸引口と、前記燃料供給管を通流する燃料の流量を調整する燃料流量制御弁とを備え、
前記空気過剰率制御手段は、前記燃料流量制御弁の開度を制御する形態で、前記改質気筒での混合気の空気過剰率を1より小さく設定する請求項4に記載のエンジンシステム。
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