JP6614643B2 - 乳化化粧料用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は変性ポリシロキサン化合物を含有する乳化化粧料用組成物に関する。
両親媒性高分子化合物は、分子量が大きいため皮膚への浸透力が小さく、皮膚への刺激が少ないこと、強力な吸着力によって粒子表面に強固に付着して粒子を被覆することで粒子同士の凝集を抑制することができ、粒子に分散安定性を付与することができること、親水性/疎水性バランスによって様々な高次構造・会合体等を形成すること等から化粧料等に利用されている。
化粧料に使用される両親媒性高分子化合物としては、アルギン酸ナトリウム、ペクチニン酸ナトリウム、キサンタンガム、キトサン、コーンスターチ、各種デンプン等の天然系両親媒性高分子化合物;カルボキシメチルセルロース、カルボキシデンプン、(メタ)アクリル酸グラフトデンプン、カチオンデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の半合成系両親媒性高分子化合物;シリコーン系界面活性剤、(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルピリジン共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物の酸化エチレン付加物等の合成系両親媒性高分子化合物等が知られている。
そして、前記シリコーン系界面活性剤はシリコーンオイルを含有する化粧料用組成物の乳化・ゲル化剤として汎用されている。
特開2001−058926号公報 特開2005−194523号公報 特開2004−169015号公報
しかし、シリコーン系界面活性剤の粉体分散性は未だ不十分であった。また、シリコーン系界面活性剤を含む化粧料用組成物は、皮膚付着性の点で劣ることが問題であった。
従って、本発明の目的は、含有する粉体の分散安定性、及び皮膚付着性に優れた乳化化粧料用組成物を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリシロキサン化合物に飽和炭化水素基及びジヒドロキシプロピルアミド基をグラフトして得られる変性ポリシロキサン化合物と、油相成分、水相成分、及び粉体を特定の割合で含有する化粧料用組成物は、粉体の分散安定性、及び皮膚付着性に優れることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物(A)、油相成分(B)、水相成分(C)、及び粉体(D)を下記範囲で含有する乳化化粧料用組成物を提供する。
(A):組成物全量の1〜40重量%
(B):組成物全量の1〜80重量%
(C):組成物全量の1〜90重量%
(D):組成物全量の0.1〜80重量%
Figure 0006614643
[式中、R1〜R9は、同一又は異なって、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖状アルキル基、及び炭素数3〜6の環状アルキル基から選択される炭化水素基を示す。p、qは、それぞれ括弧内に示されるシロキサン単位の数の平均値を示し、pは1以上の数、qは2以上の数である。Aは下記式(2)で表される基、下記式(3)で表される基、及び水素原子から選択される基を示す。但し、変性ポリシロキサン化合物(A)は、Aが下記式(2)で表される基であるシロキサン単位、及びAが下記式(3)で表される基であるシロキサン単位を少なくとも有している]
Figure 0006614643
(式(2)中、R10は単結合、又は炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を示す。式(3)中、R11は単結合、又は炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を示し、R12は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状アルキル基を示す。尚、式(2)、及び(3)の左端がケイ素原子に結合する)
本発明は、また、油相成分(B)として、シリコーン油、高極性オイル、低極性オイル、高級脂肪酸、脂溶性ビタミン、及び油溶性増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含み、水相成分(C)として水を含み、粉体(D)として顔料及び/又は紫外線防御剤を含む前記の乳化化粧料用組成物を提供する。
本発明は、また、乳化化粧料が、クリーム、乳液、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、ひげそり用クリーム、化粧水、日焼けローション、日焼け止めローション、ひげそり用ローション、美容液、口紅、リップグロス、ジェル、クレンジングジェル、モイスチャージェル、パック、乳化型ファンデーション、乳化アイシャドー、ネイルトリートメント、シャンプー、リンス、及びヘアトリートメントからなる群より選択される少なくとも1種である前記の乳化化粧料用組成物を提供する。
本発明の乳化化粧料用組成物は上記構成を有するため、粉体の分散安定性に優れる。そのため、塗布性に優れ、色むらがなく発色が良好であり、仕上がりが美しい。また、皮膚付着性に優れ、化粧もちが良い。更に、保湿性に優れ、且つ皮膚への刺激が少なく、安全性に優れる。
両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)又は(2)、油相成分(O)としてポリジメチルシロキサン、水相成分(W)として水を使用した場合の、両親媒性高分子化合物−油相成分−水相成分の三角相図であり、(1-1)は両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)を使用した場合、(1-2)は両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(2)を使用した場合の三角相図である。 実施例(1-1)〜(1-3)、比較例(1-1)〜(1-3)、(2-1)〜(2-3)、(3-1)〜(3-3)で得られたゲル状組成物の皮膚付着性評価用試料の作成方法を示す図である。 実施例(1-1)〜(1-3)、比較例(1-1)〜(1-3)、(2-1)〜(2-3)、(3-1)〜(3-3)で得られたゲル状組成物の皮膚付着性の評価結果を示す図である。 実施例2、比較例4〜5で得られた粉体分散ゲル状組成物の皮膚付着性評価用試料の作成方法を示す図である。 実施例2、比較例4〜5で得られた粉体分散ゲル状組成物の皮膚付着性評価結果を示す図である。 実施例6、比較例12〜13で得られた乳状組成物の保湿性評価結果を示す図である。
[変性ポリシロキサン化合物(A)]
本発明における変性ポリシロキサン化合物は、下記式(1)で表される。式中、R1〜R9は、同一又は異なって、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖状アルキル基、及び炭素数3〜6の環状アルキル基から選択される炭化水素基を示す。p、qは、それぞれ括弧内に示されるシロキサン単位の数の平均値を示し、pは1以上の数、qは2以上の数である。pが2以上の場合、2個以上のR7、R8は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。また、2個以上のR9は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
Figure 0006614643
前記式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物は、下記式(a)で表されるシロキサン単位と、下記式(b)で表されるシロキサン単位からなるランダム又はブロック共重合体である。下記式中、R7、R8、R9、Aは前記に同じ。
Figure 0006614643
上記式中、Aは下記式(2)で表される基、下記式(3)で表される基、及び水素原子から選択される基を示す。式(2)中、R10は単結合、又は炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を示す。式(3)中、R11は単結合、又は炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を示し、R12は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状アルキル基を示す。尚、式(2)、及び(3)の左端がケイ素原子に結合する。
Figure 0006614643
すなわち、上記式(a)で表されるシロキサン単位は、下記式(a1)、(a2)、及び(a3)で表されるシロキサン単位の何れかである。下記式中、R9、R10、R11、R12は前記に同じ。
Figure 0006614643
但し、本発明における変性ポリシロキサン化合物は、Aが上記式(2)で表される基であるシロキサン単位(すなわち、上記式(a1)で表されるシロキサン単位)、及びAが上記式(3)で表される基であるシロキサン単位(すなわち、上記式(a2)で表されるシロキサン単位)を少なくとも有している。
1〜R9における炭素数1〜20の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基等を挙げることができる。炭素数3〜6の分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル基等を挙げることができる。炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
10における炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基としては、炭素数1〜17の直鎖状アルキレン基、若しくは炭素数2〜17の分岐鎖状アルキレン基が好ましく、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン基等の直鎖状アルキレン基;メチルメチレン、メチルエチレン等の、前記直鎖状アルキレン基に炭素数1〜3程度のアルキル基がグラフト結合した分岐鎖状アルキレン基等を挙げることができる。本発明におけるR10としては炭素数2〜13の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基(特に、直鎖状アルキレン基)が好ましい。
11における炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基としては、炭素数1〜17の直鎖状アルキレン基、若しくは炭素数2〜17の分岐鎖状アルキレン基が好ましく、上記R10における炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基の例と同様の例を挙げることができる。本発明におけるR11としては炭素数2〜13の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基(特に、直鎖状アルキレン基)が好ましい。
12における炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数2〜6の分岐鎖状アルキル基、若しくは炭素数3〜6の環状アルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等を挙げることができる。本発明におけるR12としては、なかでも、水素原子又はメチル基が好ましい。
p、qは、それぞれ括弧内に示されるシロキサン単位の数の平均値を示し、pは1以上の数、好ましくは2〜2000、さらに好ましくは4〜500、最も好ましくは10〜30である。qは2以上の数であり、好ましくは2〜2000、さらに好ましくは4〜500、最も好ましくは10〜30である。
また、(p+q)は、例えば、4〜5000程度、好ましくは8〜1000、さらに好ましくは10〜50、最も好ましくは10〜40である。
式(a)で表されるシロキサン単位と式(b)で表されるシロキサン単位の全体(100モル%)に対する式(a)で表されるシロキサン単位の割合としては、例えば5〜90モル%程度であり、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは30〜60モル%、特に好ましくは35〜50モル%、最も好ましくは40〜50モル%である。つまり、q/(p+q)は、0.05〜0.9程度、好ましくは0.1〜0.9、より好ましくは0.1〜0.7、更に好ましくは0.3〜0.6、特に好ましくは0.35〜0.5、最も好ましくは0.4〜0.5である。
また、式(a)で表されるシロキサン単位と式(b)で表されるシロキサン単位の全体(100モル%)に対する式(b)で表されるシロキサン単位の割合としては、例えば5〜90モル%程度であり、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは10〜70モル%、特に好ましくは30〜60モル%、最も好ましくは50〜60モル%である。つまり、p/(p+q)は、0.05〜0.9程度、好ましくは0.1〜0.9、より好ましくは0.1〜0.7、特に好ましくは0.3〜0.6、最も好ましくは0.5〜0.6である。
更に、式(a)で表されるシロキサン単位全体(100モル%)に対する、式(a)中のAが式(2)で表される基であるシロキサン単位(すなわち、上記式(a1)で表されるシロキサン単位)の割合は、75〜99モル%程度であることが好ましく、なかでも80〜98モル%、特に80〜95モル%の範囲であることが、他の配合原料との混和性に優れる点で好ましい。上記式(a1)で表されるシロキサン単位の割合が上記範囲を下回ると、炭化水素系ワックスやオイル等との混和性が低下する傾向がある。一方、上記式(a1)で表されるシロキサン単位の割合が上記範囲を上回ると、シリコーン系の成分等との混和性が低下する傾向がある。
更にまた、式(a)で表されるシロキサン単位全体(100モル%)に対する、式(a)中のAが式(3)で表される基であるシロキサン単位(すなわち、上記式(a2)で表されるシロキサン単位)の割合は、1モル%以上であることが好ましく、なかでも2〜25モル%、特に5〜20モル%の範囲であることが好ましい。上記式(a2)で表されるシロキサン単位の割合が上記範囲を下回ると、皮膜形成性及び皮膚密着性が低下する傾向がある。一方、上記式(a2)で表されるシロキサン単位の割合が多すぎても、粘度が高くなりすぎたり、油相成分(B)への溶解性が低下する等により、製造工程でのハンドリング性や使用性が低下する傾向がある。
また、式(a)で表されるシロキサン単位全体(100モル%)に対する、式(a)中のAが水素原子であるシロキサン単位(すなわち、上記式(a3)で表されるシロキサン単位)の割合は、10モル%以下程度(なかでも5モル%以下、特に2モル%以下)であることが好ましく、上記式(a3)で表されるシロキサン単位が実質的に含まれていなくてもよい。上記式(a3)で表されるシロキサン単位の割合が上記範囲を上回ると、撥水性、撥油性、乳化安定性、分散性、配合性、及び保存安定性が低下する傾向がある。また、乳化化粧料用組成物中で(a3)で表されるシロキサン単位のSi−H基が粉体(D)との反応で消費されずに残留した場合、保管中に乳化化粧料用組成物に含まれる水分と前記Si−H基が徐々に反応して水素ガスを発生し、容器が膨らんだり、開栓時に中身が噴き出すなどの問題が生じる場合がある。
式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物を構成する式(b)で表されるシロキサン単位の数をp、式(a1)で表されるシロキサン単位の数を(q-1)、(a2)で表されるシロキサン単位の数を(q-2)と表す場合、
p、(q-1)、(q-2)の合計に占めるpの割合は、例えば10〜90mol%、より好ましくは30〜60mol%、さらに好ましくは45〜55mol%である。
p、(q-1)、(q-2)の合計に占める(q-1)の割合は、例えば10〜90mol%、より好ましくは20〜50mol%、さらに好ましくは35〜45mol%である。
p、(q-1)、(q-2)の合計に占める(q-2)の割合は、例えば1〜20mol%、より好ましくは5〜15mol%、さらに好ましくは5〜10mol%である。
式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物は、式(2)で表される親油性基を有するシロキサン単位と式(3)で表される親水性基を有するシロキサン単位を有するため、極端に高い温度での溶解工程を必要とせず比較的低温で油相成分(B)と混和することができ、製造コスト及び、環境負荷を低減することができる。
また、式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物は乳化安定性及びゲル化能に優れ、顔料等の粉体を分散する能力(分散性)に優れるだけでなく、撥水・撥油性に優れる。そのため、式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物を含有する本発明の乳化化粧料用組成物は、撥水・撥油性に優れた皮膜を形成することができ、仕上がり及び使用感が良好であり、特に皮膚への密着性(すなわち、化粧持ち)が良好である。
更にまた、式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物は式(3)で表される親水性基を有するシロキサン単位を有するため、水分を逃さず保持することができる。そのため、式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物を含有する本発明の乳化化粧料用組成物は、優れた保湿効果を発揮することができる。
上記式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物は、例えば、下記式(4)で表されるポリシロキサン化合物に、下記式(5)で表される化合物、及び、下記式(6)表される化合物をヒドロシリル化反応によりグラフトする工程を経て製造される。
Figure 0006614643
式(4)中、R1〜R9は、同一又は異なって、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖状アルキル基、及び炭素数3〜6の環状アルキル基から選択される炭化水素基を示す。p、qは、それぞれ括弧内に示されるシロキサン単位の数の平均値を示し、pは1以上の数、qは2以上の数である。R1〜R9及びp、qは、それぞれ、式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物におけるR1〜R9及びp、qに対応する。
式(5)中、R10は単結合、又は炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を示す。R10は式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物における式(2)で表される基中のR10に対応する。
式(6)中、R11は単結合、又は炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を示し、R12は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状アルキル基を示す。R11、R12は、それぞれ、式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物における式(3)で表される基中のR11、R12に対応する。
ヒドロシリル化反応は、触媒の存在下で行うことが好ましい。前記触媒としては、一般にヒドロシリル化反応に用いられる触媒であれば特に限定されることがないが、本発明においては、なかでも、塩化白金酸、Karstedt触媒、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)白金、塩化パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)等の白金族金属化合物;白金/炭素、パラジウム/炭素、白金/アルミナ等の固体担持白金族金属触媒;各種白金族金属化合物を界面活性剤の存在下で還元して調製される白金族金属保護コロイド;酸化白金等の白金族金属酸化物固体触媒等を好適に用いることができる。
触媒の使用量は特に限定されることがなく、例えば、式(5)で表される化合物、及び式(6)表される化合物の合計量(1モル)に対して10-7〜10-2モル(好ましくは、10-6〜10-3モル、特に好ましくは10-5〜10-4モル)の範囲が好ましい。触媒の使用量が少なすぎると長時間の反応時間が必要となるため、熱履歴による着色や副生成物の製品への混入等による品質への悪影響が懸念される。一方、触媒の使用量が過剰であると、ヒドロシリル化反応に用いられる上記触媒は一般に高価であるため製造コストの増大要因となり好ましくない。
ヒドロシリル化反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;及びこれらの混合物等が挙げられる。前記アルコール系溶媒を使用する場合には、Si−H基と水酸基との反応を防止又は抑制するために、酢酸カリウム等のpH調整剤(特開昭57−149290号公報参照)を用いることが望ましい。
ヒドロシリル化反応温度は、例えば0℃〜200℃であり、反応速度や着色等を考慮して0℃〜100℃で行うことが好ましい。反応時間は特に制限がないが、生産性の面から好ましくは0.5〜72時間である。
反応は常圧下で行ってもよく、減圧又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法で行うこともできる。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
反応生成物に、不純物(例えば、上記式(5)で表される化合物やその異性体、及び/又は上記式(6)で表される化合物やその異性体)が混入すると、乳化・ゲル化特性が低下したり、経時的に酸化劣化することによる臭気や有害物質の発生等により品質が低下する場合がある。その場合は、ヒドロシリル化反応終了後に、高真空条件下で脱低沸処理をしたり、酸処理により分解したり(特開平2−302438号公報参照)、水添処理により飽和炭化水素化する(特開平9−165318号公報参照)、或いは溶媒により抽出除去する、等の後処理工程を追加して前記不純物を除去することが望ましい。
上記製造方法によれば、式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物を効率よく製造することができる。
変性ポリシロキサン化合物(A)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、乳化化粧料用組成物全量の1〜40重量%であり、好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜25重量%、最も好ましくは5〜15重量%である。
変性ポリシロキサン化合物(A)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、乳化化粧料用組成物に含まれる油相成分(B)100重量部に対して、例えば1〜100重量部、特に好ましくは3〜50重量部、最も好ましくは5〜30重量部である。
変性ポリシロキサン化合物(A)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、乳化化粧料用組成物に含まれる水相成分(C)100重量部に対して、例えば1〜100重量部、特に好ましくは3〜50重量部、最も好ましくは5〜30重量部である。
変性ポリシロキサン化合物(A)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、乳化化粧料用組成物に含まれる粉体(D)1重量部に対して、例えば0.1〜20重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部、最も好ましくは1〜5重量部である。
本発明の乳化化粧料用組成物は変性ポリシロキサン化合物(A)を上記範囲で含有するため、粉体(D)が凝集することを抑制し、高分散した状態を安定的に維持することができる。また、優れた皮膚付着性を発揮することができる。
[油相成分(B)]
油相成分(B)としては、上記変性ポリシロキサン(A)のポリジアルキルシロキサン主鎖及び/又は側鎖アルキル基と親和性が高いものを使用することが好ましく、シリコーン油、高極性オイル、低極性オイル、高級脂肪酸、脂溶性ビタミン類、及び油溶性増粘剤等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(50000cs未満)、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチコン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変成シリコーン、アルキル変成シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン等を挙げることができる。
前記高極性オイルとしては、例えば、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、オクタン酸セチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソステアリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸・ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸イソステアリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸グリセリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸イソプロピル、12−ヒドロキシステアリン酸オクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸フィトステリル、コハク酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、乳酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、トリイソパルミチン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸・モノイソオクチル酸グリセリル、テトラロジン酸ペンタエリスリット、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べへニル)、ラウロイルサルコシンイソプロピル、ミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)、ジオクチルドデカン酸グリセリル、ラウリルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、へプチルウンデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等を挙げることができる。
前記低極性オイルとしては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、アボカド油、ヒマワリ油、ラベンダー油、マカデミアナッツ油、流動パラフィン、流動ポリイソブチレン、スクワラン、アマニ油、アーモンド油、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、菜種油、馬脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、オリーブスクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィンワックス、ワセリン、α−オレフィンオリゴマー等を挙げることができる。
前記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等を挙げることができる。
前記脂溶性ビタミン類としては、各種脂溶性ビタミンとその誘導体が挙げられ、例えば、トコフェロールやその誘導体、レチノールやその誘導体、アスコルビン酸誘導体等を挙げることができる。
前記油溶性増粘剤としては、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸等の長鎖ヒドロキシ脂肪酸類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸アルミニウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;水添(スチレン/イソプレン)コポリマー、水添ポリイソブテン、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/ヘキシルデカン酸)デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、イソステアリン酸デキストリン等の高分子化合物;シリル化シリカ等の表面親油化微粒子;各種親水性ポリマーと界面活性剤との会合体等を挙げることができる。
本発明の乳化化粧料用組成物は、油相成分(B)として、更に、油溶性粘結剤を含有しても良い。乳化化粧料用組成物に油溶性粘結剤を配合することにより、塗布後、経時に粉体(D)がしわに入り混むことによる「ヨレ」の発生を抑制する効果が得られる。
前記油溶性粘結剤としては、例えば、重質流動イソパラフィン、高粘度ジメチルポリシロキサン(50000cs以上)、金属石けん、マイクロクリスタリンワックス、分岐パラフィンワックス等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
油溶性粘結剤の配合量(2種以上含有する場合はその総量)は、乳化化粧料用組成物全量の例えば0.1〜30重量%程度、好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。油溶性粘結剤の配合量が上記範囲を下回ると、「ヨレ」を抑制する効果が十分得られにくくなる傾向がある。一方、油溶性粘結剤の配合量が上記範囲を上回ると、塗布感触が重くなり、使用感が低下する傾向がある。
油相成分(B)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、乳化化粧料用組成物全量の1〜80重量%であり、好ましくは3〜70重量%、特に好ましくは5〜60重量%、最も好ましくは10〜50重量%である。
[水相成分(C)]
水相成分(C)に使用する水については、一般に化粧料に使用することのできる水であれば特に制限はないが、精製水が好ましい。
水相成分(C)には水の他にも必要に応じて水溶性増粘剤等の水溶性の成分を1種又は2種以上配合することができる。前記水溶性増粘剤としては水溶性高分子化合物や多糖類誘導体等(例えば、アラビアガム、アルギニン・カルボマー、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、合成ケイ酸ナトリウム、ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、シクロデキストリン、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒアルロン酸誘導体等)を挙げることができる。水溶性増粘剤は水溶液の状態で使用しても良い。
水相成分(C)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、乳化化粧料用組成物全量の1〜90重量%であり、好ましくは5〜90重量%、特に好ましくは10〜90重量%、最も好ましくは30〜90重量%、とりわけ好ましくは30〜70重量%である。
[粉体(D)]
粉体(D)としては、例えば、顔料、紫外線防御剤等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記顔料としては、化粧料に用いられる公知の有機又は無機の顔料を使用することができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン被覆雲母、着色酸化チタン被覆雲母、酸化チタン・シリカ・酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆タルク、酸化鉄被覆シリカ末、酸化チタン被覆シリカ末、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄・シリカ被覆アルミ末、酸化チタン被覆アルミナ、酸化鉄・シリカ被覆酸化鉄、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化鉄・酸化チタン被覆合成マイカ等のパール顔料、酸化鉄(ベンガラ)、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタン、群青、紺青、タルク、セリサイト、カオリン、マイカ、シリカ、亜鉛華、ベントナイト、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等を挙げることができる。また、有機顔料としては、例えば、赤色104号、赤色201号、赤色202号、赤色226号、赤色230号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、青色1号、青色404号、ナイロン、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、シリコーン樹脂、シルク、セルロース積層フィルム末、Nε−ラウロイル−L−リジン、天然色素等を挙げることができる。
前記紫外線防御剤としては、化粧料に用いられる公知の有機又は無機の紫外線防御剤を使用することができ、例えば、表面水性アルミナ化処理酸化チタン、表面水性アルミナシリカ処理酸化チタン、ステアリン酸被覆表面水性アルミナ化酸化チタン、シリコーン被覆表面水性アルミナシリカ処理酸化チタン、シリコーン各種表面処理酸化亜鉛、トリアジン系化合物(例えば、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、トリスビフェニルトリアジン等)等を挙げることができる。
粉体(D)の形状としては、特に限定されず、例えば、球状、板状、鱗片状、針状等を挙げることができる。また、粉体(D)の構成は特に限定されず、単層の構成であってもよいし、多層(複層)の構成であってもよい。更に、粉体(D)は、中実粒子、中空粒子、多孔粒子等のいずれであってもよい。粉体(D)の平均一次粒子径(動的光散乱(DLS)法による)は、例えば0.1〜1000nm程度、好ましくは1〜800nm、特に好ましくは10〜500nmである。
変性ポリシロキサン化合物(A)と組み合わせて用いる粉体(D)(とりわけ、無機顔料)としては、なかでも、有機表面処理が施されていない粉体を使用することが好ましい。すなわち、本発明の粉体(D)は、好ましくは「粉体(有機表面処理された粉体を除く)(D)」である。
粉体の有機表面処理は、粉体表面の疎水性を高める目的で行われるものであり、有機表面処理された粉体(以後、「有機表面処理粉体」と称する)を使用することにより、化粧料に汗や水をはじく効果を付与することができる。しかし、本発明の乳化化粧料用組成物に有機表面処理粉体を配合すると、変性ポリシロキサン化合物(A)による皮膚付着性を向上する効果や粉体の分散安定性を向上する効果が得られにくくなるため好ましくない。また、本発明の乳化化粧料用組成物は、変性ポリシロキサン化合物(A)により汗や水をはじく効果が得られるため、汗や水をはじく効果が付与されていない粉体、すなわち有機表面処理されていない粉体を使用しても、粉体を皮膚上に良好に密着保持することができ、化粧もちが良好である。
本発明の乳化化粧料用組成物は有機表面処理粉体を含有していても良いが、その含有量は、乳化化粧料用組成物に含まれる粉体全量の30重量%以下(0〜30重量%)、好ましくは10重量%以下であり、乳化化粧料用組成物全量の30重量%以下(0〜30重量%)、好ましくは10重量%以下であり、有機表面処理粉体を含有をしないことが最も好ましい。
尚、前記有機表面処理粉体には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、及びこれらの共重合体等のシリコーン;シランカップリング剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等の炭素数12以上の高級脂肪酸やその金属塩(特に、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の多価金属塩)等の有機化合物で表面処理した粉体が含まれる。
粉体(D)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、乳化化粧料用組成物全量の0.1〜80重量%であり、好ましくは0.5〜70重量%、特に好ましくは1〜50重量%、最も好ましくは3〜30重量%である。
[乳化化粧料用組成物]
本発明の乳化化粧料用組成物は、上記変性ポリシロキサン化合物(A)、油相成分(B)、水相成分(C)、及び粉体(D)を含有する。
本発明の乳化化粧料用組成物には、上記成分の他、目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤(上記変性ポリシロキサン化合物(A)以外)、収れん剤、防腐剤、抗菌剤、抗酸化剤、保湿剤(例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール等)、キレート剤、pH調整剤、パール剤、スクラブ剤、美白有効成分、血行促進剤、養毛剤、植物抽出エキス類、醗酵物抽出エキス類、色素(上記成分(D)以外)、香料等を1種又は2以上配合することができる。
本発明の乳化化粧料用組成物は、上記成分を常法に従って、加熱、混合、撹拌等行うことにより製造することができる。
本発明の乳化化粧料用組成物の性状としては、液状、乳状、クリーム状、ゲル状、ゾル状等、特に制限されない。本発明の乳化化粧料用組成物には、例えば、一般クリーム、乳液、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、ひげそり用クリーム、一般化粧水、日焼けローション、日焼け止めローション、ひげそり用ローション、美容液、ジェル状又は液体状口紅、リップグロス、ジェル、クレンジングジェル、モイスチャージェル、パック、乳化型ファンデーション、乳化アイシャドー、ネイルトリートメント、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント等が含まれる。
本発明の乳化化粧料用組成物は変性ポリシロキサン化合物(A)を特定量含有するため、粉体(D)の分散安定性に優れる。そのため、塗布性に優れ、色むらがなく、発色が良好で、仕上がりが美しい。また、皮膚付着性に優れ、化粧もちが良い。更に、保湿性に優れ、皮膚への刺激が少なく、安全性に優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
調製例1
(3−[N−メチル(10−ウンデセノイルアミド)]プロパン−1,2−ジオールの合成)
還流管、3方コック付き窒素導入口、3方コック付きベント、減圧シール付き撹拌翼、温度計を備えた容量1Lの5ツ口フラスコに10−ウンデセン酸メチル 317.29g(1.60mol)、3−アミノプロパン−1,2−ジオール 173.27g(1.65mol)、24%ナトリウムメトキサイドメタノール溶液 3.78g(16.0mmol)を添加し、500hPa〜50hPaで減圧しつつ108℃〜117℃で加熱撹拌して、生成するメタノールを留去しながら24.5時間反応し、室温に冷却し、エタノール 290gを加えて撹拌、希釈したのち、無機合成吸着剤(商品名「キョーワード700」、協和化学工業(株)製)を50g添加して75℃で2時間加熱撹拌し、ろ過した。得られたろ液をロータリーエバポレーターで濃縮して減圧デシケーター中で恒量値まで乾燥して、白色ペーストとして3−[N−メチル(10−ウンデセノイルアミド)]プロパン−1,2−ジオール 382.80g(収率:77.5%)を得た。尚、得られた反応生成物の構造は、1H−NMRスペクトル、及びIRスペクトルにより確認した。
(変性ポリシロキサン化合物の合成)
3方コック付き水素導入口付きの還流管、3方コック付き窒素導入口、温度計、撹拌用回転子を備えた容量1Lの5ツ口フラスコに、ジメチルシロキサン−メチルヒドロシロキサンコポリマー(商品名「KF−9901」、信越化学(株)製)176.03g、1−デセン 134.66g(0.96mol)、酢酸ブチル(和光純薬工業(株)製)310.68gを入れ、内部を窒素置換した。0.2%塩化白金酸6水和物(和光純薬工業(株)製)の酢酸ブチル溶液 1.2432g(塩化白金酸6水和物4.8μmol)を入れ、徐々に70℃に昇温して3時間撹拌した。
次に、上記で得られた3−[N−メチル(10−ウンデセノイルアミド)]プロパン−1,2−ジオール 64.90g(0.24mol)および0.2%塩化白金酸6水和物(和光純薬工業(株)製)の酢酸ブチル溶液 4.9718g(塩化白金酸6水和物19.2μmol)を入れ、徐々に70℃に昇温して16時間後に1−デセン 67.32g(0.48mol)、さらにその10時間後に1−デセン 33.66g(0.24mol)を追加して、10時間撹拌した。
反応溶液をサンプリングして1H−NMR(重クロロホルム溶液)でδ4.65ppm〜δ4.70ppmに観測されるメチルヒドロシロキサン単位のSi−Hプロトン由来のシグナルが消失したことを確認の上、冷却した。
得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮乾燥したのち、分液ロートに移して上層液中に含まれる1−デセンが10ppm以下となるまでアセトンで分液洗浄操作を繰り返した後、下層液をロータリーエバポレーターで恒量値まで濃縮乾燥して、下記式で表されるシロキサン単位を有する、淡黄褐色透明オイル状の変性ポリシロキサン化合物(1)286.72gを得た。1H−NMRシグナルの積分値より、各シロキサン単位の導入比[pmol%:(q−1)mol%:(q−2)mol%]は、52.1:40.5:7.4であることが計算により求められた。
Figure 0006614643
調製例2
(変性ポリシロキサン化合物の合成)
3−[N−メチル(10−ウンデセノイルアミド)]プロパン−1,2−ジオールに代えて、特開平7−53431号公報に記載の方法に従って合成して得られた1−(10−ウンデセニルオキシ)プロパン−2,3−ジオールを用いた以外は調製例1と同様にして、下記式で表されるシロキサン単位を有する変性ポリシロキサン化合物(2)を得た。1H−NMRシグナルの積分値より、各シロキサン単位の導入比[pmol%:(q−1)mol%:(q−2)mol%]は、52.0:41.1:6.9であることが計算により求められた。
Figure 0006614643
調製例で得られた変性ポリシロキサン化合物(1)及び(2)について、乳化領域およびゲル化領域を評価した。
すなわち、両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)、(2)、油相成分(O)として代表的なシリコーン油であるポリジメチルシロキサン(商品名「SH200 Fluid 1.5cs」、東レ・ダウコーニング(株)製)、水相成分として水を使用して、両親媒性高分子化合物(P)−油相成分(O)−水相成分(W)の三角相図を作成し、乳化領域およびゲル化領域を評価した。結果を図1に示す。図(1-1)は両親媒性高分子化合物として変性ポリシロキサン化合物(1)を使用した場合の三角相図であり、図(1-2)は両親媒性高分子化合物として変性ポリシロキサン化合物(2)を使用した場合の三角相図である。図中、(a)はゲル化領域、(b)はW/O乳化領域、(c)は油+W/O乳化領域を示す。
三角相図においてゲル化領域が広い方が、化粧料用組成物の配合設計上、配合自由度が高く乳化状態や乳化粒子や粉体の分散性に優れている。また、一般に、グリセリルエーテル変成ポリシロキサン化合物は優れた乳化作用を有することが知られている。しかし、図(1-1)、図(1-2)から、グリセリルエーテル変成ポリシロキサン化合物である変性ポリシロキサン化合物(2)より、変性ポリシロキサン化合物(1)の方が優れた乳化作用を有し、化粧料用途において、より有用であることが明らかとなった。
実施例(1-1)〜(1-3)(参考例とする)
両親媒性高分子化合物(P)として、調製例1で得られた変性ポリシロキサン化合物(1)((1)とする)を用い、油相成分としてポリジメチルシロキサン(商品名「SH200 Fluid 1.5cs」、東レ・ダウコーニング(株)製)、水相成分として純水を用いて、両親媒性高分子化合物と油相成分と水相成分を、(70:10:20)、(50:10:40)、(30:10:60)(両親媒性高分子化合物:油相成分:水相成分(重量比))の割合で、全量1.0gになるように混合して、ゲル状組成物を調製した。
より詳細には、まず、2.0mLマイクロチューブ中に、両親媒性高分子化合物を秤取り、これに油相成分を秤量して加え、均一になるまでスパーテルを用いて撹拌を行った。その後、撹拌を続けながら水相成分を所定の配合量まで少量ずつ添加した。尚、撹拌時間は全工程で30分間となる様に実施した。
比較例(1-1)〜(1-3)、(2-1)〜(2-3)、(3-1)〜(3-3)
両親媒性高分子化合物(P)として、調製例1で得られた変性ポリシロキサン化合物(1)に代えて調製例2で得られた変性ポリシロキサン化合物(2)((2)とする)、グリセリルエーテル変性シリコーン(商品名「ペネトールSI−U」、花王(株)製:GEとする)、又はポリエーテル変性シリコーン(商品名「KF−6015」、信越化学工業(株)製:PEとする)を用いた以外は実施例1と同様にしてゲル状組成物を得た。
得られたゲル状組成物について、皮膚付着性を下記方法で評価した。
皮膚モデルとして手芸用豚皮レザーを水で湿潤させたものを用い、各ゲル状組成物を0.05g秤取り、1枚の手芸用豚皮レザーの試料塗布面に塗布し、その上にもう1枚の手芸用豚皮レザーを重ね、2kgの重しをのせて1分間接着させた後、剥離試験に供した(図2参照)。
2枚の手芸用豚皮レザーのアタッチメント面部分をデジタルフォースゲージのクリップで挟んで固定し、引きはがし速度50mm/minでの引きはがし応力を測定した。結果を図3に示す。
尚、剥離試験は、日本工業規格(JIS)の[6]T型はく離を参考に、接着層を180°方向に引きはがした際の引きはがし応力をデジタルフォースゲージ(商品名「ZP−5N」、(株)イマダ製)を使用して測定した。
豚皮膚は化学組成的にヒト皮膚に類似しており、また、豚皮膚による吸収機構はヒト皮膚の吸収に近いとされているので(「化粧品ハンドブック」関根茂編、中央印刷株式会社、2006年)、湿潤させた手芸用豚皮レザー表面への密着性はヒト皮膚への密着性の指標となり得る。
図3より、両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)を用いたゲル状組成物は何れの混合割合の場合も、変性ポリシロキサン化合物(2)、グリセリルエーテル変性シリコーン(GE)、又はポリエーテル変性シリコーン(PE)を用いたゲル状組成物の剥離強度を上回っていることより、変性ポリシロキサン化合物(A)を含有する本発明の乳化化粧料用組成物が、皮膚密着性が優れていることは明らかである。
実施例2(参考例とする)
両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)、油相成分としてポリジメチルシロキサン(商品名「SH200 Fluid 1.5cs」、東レ・ダウコーニング(株)製)、及び水相成分として純水を、50:10:40(両親媒性高分子化合物:油相成分:水相成分(重量比))の割合で混合して得られたゲル状組成物に、更に、水性アルミナ表面処理された酸化チタン(水性アルミナ表面処理酸化チタン、平均一次粒子径250nm、商品名「CR−50」、石原産業(株)製)を2重量%配合して粉体分散ゲル状組成物を得た。
比較例4〜5
変性ポリシロキサン化合物(1)に代えてGE、又はPEを用いた以外は実施例2と同様にして粉体分散ゲル状組成物を得た。
湿潤させた手芸用豚皮レザーに、得られた粉体分散ゲル状組成物を0.01g秤量塗布し(図4参照)、10分間、25℃、50%RH環境下で自然乾燥を行った後、25℃の純水中、又は汗との接触を想定した25℃の1%食塩水中に入れ、マグネチックスターラー(回転速度:300rpm)を使用して10分間撹拌して洗浄を行った。
水中から手芸用豚皮レザーを取り出し、20分間、25℃、50%RH環境下で自然乾燥させ、ラップで包み、画像をプリンターでスキャンした。洗浄後に残存したゲル面積は写真を画像処理(二値化)することにより求めた(柴田雅史ら, J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn.vol.37,100-230(2003)を参照)。すなわち、粉体分散ゲル状組成物を塗布した面が読み取られる様にピクセル敷居値を設定し、洗浄後の手芸用豚皮レザー試料面に残存する粉体分散ゲル状組成物付着面のピクセル数を計測し、下記計算式から洗浄後に残存したゲル面積を算出して、粉体分散ゲル状組成物の皮膚付着性を評価した。結果を図5に示す。
洗浄後に残存したゲル面積(%)=「洗浄後に残存したゲル面積のピクセル数」/「ゲル塗布面のピクセル数」×100
図5より、両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)を使用した粉体分散ゲル状組成物は、GEやPEを使用したものより残存するゲル面積が大きかった。従って、従来の両親媒性高分子化合物を使用した粉体分散ゲル状組成物よりも、変性ポリシロキサン化合物(1)を使用した粉体分散ゲル状組成物の方が、皮膚に塗布した状態で水や汗と接触した場合に、付着保持性が高いことが明らかである。
実施例3(参考例とする)
両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)、油相成分としてポリジメチルシロキサン(商品名「SH200 Fluid 1.5cs」、東レ・ダウコーニング(株)製)、及び水相成分として純水を、30:40:30(両親媒性高分子化合物:油相成分:水相成分(重量比))の割合で混合して乳状組成物を得た。
比較例6〜7
変性ポリシロキサン化合物(1)に代えてGE、又はPEを用いた以外は実施例3と同様にして乳状組成物を得た。
得られた乳状組成物を、5〜40℃、1日1サイクル(すなわち、サンプル瓶に入れた乳状組成物を恒温槽に入れ、12時間毎に恒温槽の設定温度を5℃−40℃−5℃−40℃と切り替えた)の温度調節条件下で1週間保管し、保管前後の乳化粒子の大きさや均一性を光学顕微鏡(商品名「Nikon ECLIPSE 50i」、倍率40倍、(株)ニコン製)を用いて観察した。結果を下記表1に示す。
Figure 0006614643
表1より、両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)を使用した乳状組成物は、従来のGE又はPEを使用したものよりも乳化状態の安定性が高いことが明らかである。
実施例4
両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)、油相成分としてポリジメチルシロキサン(商品名「SH200 Fluid 1.5cs」、東レ・ダウコーニング(株)製)、及び水相成分として純水を、20:35:45(両親媒性高分子化合物:油相成分:水相成分(重量比))の割合で混合して乳状組成物を得、得られた乳状組成物に、更に、表面未処理酸化チタン(商品名「MT−500B」、平均一次粒子径35nm、テイカ(株)製)を2重量%配合して粉体分散乳状組成物を得た。
比較例8〜9
変性ポリシロキサン化合物(1)に代えてGE、又はPEを用いた以外は実施例4と同様にして粉体分散乳状組成物を得た。
得られた粉体分散乳状組成物を、5〜40℃、1日1サイクル(上記に同じ)の温度調節条件下で1週間保管し、保管前後の乳化粒子の大きさや均一性を、光学顕微鏡(上記に同じ)を用いて観察した。結果を下記表2に示す。
Figure 0006614643
表2より、両親媒性高分子化合物(P)としてGE又はPEを用いた粉体分散乳状組成物では経時により粉体の凝集が見られたが、変性ポリシロキサン化合物(1)を用いたものでは粉体は分散状態が良好に維持され、凝集は認められなかった。従って、変性ポリシロキサン化合物(1)を用いた粉体分散乳状組成物は、従来のGE又はPEを使用したものよりも、粉体の分散性を安定的に維持できることが明らかである。
実施例5
下記表3に記載の処方(単位:重量部)に従って乳状組成物を調製した。
より詳細には、ジプロピレングリコールと精製水を混合して水相成分を調製した。
50mL遠沈管に、油相成分としてのトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセルとジカプリン酸ネオペンチルグリコールを加熱混合し、そこに油相成分の残り[シクロペンタシロキサン、ジメチコン20cs(ジメチルポリシロキサン、商品名「SH200C 20cs」、東レ・ダウコーニング(株)製)]と、両親媒性高分子化合物(P)としての変性ポリシロキサン化合物(1)を加え、スリーワンモーター(イワキ社製)を使用してよく撹拌し、あらかじめ調製しておいた水相成分を30分間かけて徐々に添加した。
タイル上で、表面未処理酸化チタン(商品名「MT−500B」、平均一次粒子径35nm、テイカ(株)製)にシクロペンタシロキサンを少量ずつ加えてゆき、よく混練した後、更にチューブドライブ(6000prm、10分間)で十分に撹拌混合してから、両親媒性高分子化合物、油相成分、及び水相成分の入った遠沈管に加え、その後、10分間ホモジナイザー(アズワン社製)を使用してよく撹拌混合し、最後に減圧乾燥機で脱泡を行って乳状組成物(1)を得た。
比較例10〜11
変性ポリシロキサン化合物(1)に代えてGE又はPEを用いた以外は実施例5と同様に行って乳状組成物(2)、(3)を得た。
得られた乳状組成物について、5〜40℃、1日1サイクル(上記に同じ)の温度調節条件下で1週間保管し、保管前後の乳化粒子の大きさや均一性を、光学顕微鏡(上記に同じ)を用いて観察した。結果を下記表3に示す。
Figure 0006614643
実施例6、比較例12〜13
下記表4に記載の処方(単位:重量部)に従って、全量が10gとなるように各成分を秤量し、室温下で撹拌混合し、更に10分間ホモジナイザー(アズワン社製)を使用して撹拌混合の上、最後に減圧乾燥機で脱泡を行って乳状組成物を得た。
Figure 0006614643
ジメチコン6cs:ジメチルポリシロキサン、商品名「SH200C 6cs」、東レ・ダウコーニング(株)製)
ユビナール:パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、商品名「ユビナールMC80」、BASFジャパン社製
酸化チタン:表面未処理酸化チタン、商品名「MT−500B」、平均一次粒子径35nm、テイカ(株)製
得られた乳状組成物について、下記方法で保湿性を評価した。
すなわち、室温で、湿潤させた手芸用豚皮レザーの2.0cm×2.0cmの範囲に、得られた乳状組成物0.01gを塗布し、浸潤させた直後と、乳状組成物を塗布後10分間、25℃、50%RH環境下で放置した後の手芸用豚皮レザーの水分蒸散量をモイスチャーチェッカー(商品名「MY-8085」、スカラ社製)を用いて測定し、以下の式で水分残率を算出した。尚、何も塗布しない湿潤させた手芸用豚皮レザーの水分残率をリファレンスとした。結果を図6に示す。
水分残率(%)=(10分間放置した手芸用豚皮レザーの水分蒸散量/浸潤させた直後の手芸用豚皮レザーの水分蒸散量)×100
図6より、両親媒性高分子化合物(P)として変性ポリシロキサン化合物(1)を用いた乳状組成物は水分残量が最も高いことから、水分を逃がさず、保湿効果が高いことが明らかである。
以上の実施例で示されたごとく、変性ポリシロキサン化合物(A)を含む本発明の乳化化粧料用組成物は、乳化安定性、粉体分散安定性、皮膚付着性、及び保湿性に優れ、これらの性能が製品の使用感を左右する重要な因子となる乳化化粧料用途に好適に用い得ることが明らかである。
1 試料塗布面
2 アタッチメント面
3 湿潤させた手芸用豚皮レザー

Claims (3)

  1. 下記式(1)で表される変性ポリシロキサン化合物(A)、油相成分(B)、水相成分(C)、及び粉体(D)を含有する組成物であって、前記(A)の含有量が組成物全量の5〜25重量%、且つ前記(D)1重量部に対して1〜10重量部であり、
    前記(B)の含有量が組成物全量の1〜80重量%、
    前記(C)の含有量が組成物全量の1〜90重量%である乳化化粧料用組成物。
    Figure 0006614643
    [式中、R1〜R9は、同一又は異なって、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖状アルキル基、及び炭素数3〜6の環状アルキル基から選択される炭化水素基を示す。p、qは、それぞれ括弧内に示されるシロキサン単位の数の平均値を示し、pは1以上の数、qは2以上の数である。Aは下記式(2)で表される基、下記式(3)で表される基、及び水素原子から選択される基を示す。但し、変性ポリシロキサン化合物(A)は、Aが下記式(2)で表される基であるシロキサン単位、及びAが下記式(3)で表される基であるシロキサン単位を少なくとも有している]
    Figure 0006614643
    (式(2)中、R10は単結合、又は炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を示す。式(3)中、R11は単結合、又は炭素数1〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を示し、R12は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状アルキル基を示す。尚、式(2)、及び(3)の左端がケイ素原子に結合する)
  2. 油相成分(B)として、シリコーン油、高極性オイル、低極性オイル、高級脂肪酸、脂溶性ビタミン、及び油溶性増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含み、水相成分(C)として水を含み、粉体(D)として顔料及び/又は紫外線防御剤を含む請求項1に記載の乳化化粧料用組成物。
  3. 乳化化粧料が、クリーム、乳液、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、ひげそり用クリーム、化粧水、日焼けローション、日焼け止めローション、ひげそり用ローション、美容液、口紅、リップグロス、ジェル、クレンジングジェル、モイスチャージェル、パック、乳化型ファンデーション、乳化アイシャドー、ネイルトリートメント、シャンプー、リンス、及びヘアトリートメントからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の乳化化粧料用組成物。
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