JP6613567B2 - 撮影装置及び撮影装置を備えた電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、移動部材(例えばイメージセンサ)を光軸と異なる方向に駆動できる撮影装置及びこの撮影装置を備えた電子機器に関する。
イメージセンサを使用したデジタルカメラ(撮影装置)では、被写体光束にイメージセンサの限界空間周波数を超える空間周波数成分が含まれていると、被写体に本来存在しないモアレ(干渉縞)や偽色が発生して撮影画像が劣化することがある。従来は、撮影光学系の光路に光学ローパスフィルタを挿入することにより、モアレや偽色を除去していた。しかし、光学ローパスフィルタは高価であり、解像力やコントラストを低下させてしまう。
特許文献1には、光学ローパスフィルタを使用することなくモアレや偽色を除去するために、露光中にイメージセンサ上の被写体光束が所定軌跡(例えば円形軌跡や正方形軌跡)を描くようにイメージセンサ(移動部材)を駆動して、被写体光束を検出色の異なる複数の画素で受光することにより、モアレや偽色などを除去する光学的なローパスフィルタ効果を得るデジタルカメラが開示されている。
図20(A)に示したように、従来のデジタルカメラは、手振れ補正装置として、カメラボディの内に固定した固定支持基板と、固定支持基板に対して光軸と直交した略平行状態を維持しながら特定の光軸と異なる方向(光軸直交方向)にスライド可能な移動部材と、移動部材に搭載されたイメージセンサとを備えている。移動部材は、光軸直交平面内において移動自在にガイド機構によりガイドされ、このガイド機構が固定支持基板に固定されている。ガイド機構は、移動部材に複数箇所において光軸前後方向からそれぞれ接触する一対のボールと、各ボールを回転自在に保持するリテーナ(ボール保持部材)とを有し、各リテーナが固定支持基板に固定されている。その内の1個のボールとリテーナを図20(B)に拡大して示した。この従来の手振れ補正装置は、移動部材がボールを転動させながら光軸直交方向に移動することで、イメージセンサが撮像する像ぶれ(手振れ)を軽減し、また光学的なローパスフィルタ効果を得ることができる。
特開2008−35241号公報
移動部材をスムースに移動させるために、ガイド機構の可動部、具体的には移動部材とボールとリテーナとの間に一定の遊びが設けられている(図20(B)参照)。そのため、手振れ補正のためまたはローパスフィルタ効果を得るために移動部材を駆動すると、部材間(移動部材、ボール及びリテーナ間)の遊びにより光軸前後方向の振動が発生し、ばたばたと衝突を繰り返して衝突音が雑音(騒音)として使用者に聞こえる問題があった。一方、移動部材、ボール及びリテーナ間の遊びを小さくすると、ボールが回動する際の転がり抵抗及び滑り抵抗が大きくなり、雑音が大きくなる。また、以上の雑音は、移動部材を光軸と異なる方向(光軸直交方向)に移動自在に保持するガイド機構としてボール以外を使用したガイド機構、例えば、シャフトとスライド軸受を使用したガイド機構を使用した場合も、シャフトとスライド軸受間の遊びにより発生する。
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、遊びのある機構により移動部材を駆動する撮影装置において、移動部材駆動中の雑音を軽減できる撮影装置及び同撮影装置を備えた電子機器を得ることを目的とする。
本発明者の解析によると、移動部材駆動中の主たる雑音は、移動部材を駆動しようとする電磁力の主たる駆動力と直交する分力の方向が反転することにより発生することが分かった。本発明は、この解析に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明の撮影装置は、撮影光学系により形成された被写体像を撮影するイメージセンサと、前記撮影光学系の少なくとも一部をなす光学要素と前記イメージセンサの少なくとも一方を移動部材とし、この移動部材を前記撮影光学系の光軸と異なる方向に駆動する駆動機構と、前記駆動機構を介して、前記移動部材を駆動制御する駆動制御部と、を有する撮影装置であって、前記駆動機構は、光軸の前後方向に対向配置された、移動部材を光軸と異なる方向に駆動する巻線コイル及び永久磁石を有する電磁駆動機構からなり、前記駆動制御部は、前記光軸方向から見たとき前記巻線コイルと前記永久磁石の幾何学的中心が互いに重力方向にずれている状態において、前記駆動機構を介して前記移動部材を駆動すること、を特徴とする。
前記駆動制御部は、前記駆動機構が前記移動部材を駆動するとき、前記巻線コイルと前記永久磁石の少なくとも一方を、両者の前記幾何学的中心が重力方向の上方または下方のいずれか一方に互いにずれた特定位置に移動させ、その後、前記巻線コイルと前記永久磁石の幾何学的中心の重力方向の上下関係が変化しない特定範囲内で前記移動部材を光軸と異なる方向に移動させることが実際的である。
前記特定範囲は、前記移動部材が光軸直交方向に移動したとき、前記巻線コイルに作用するローレンツ力の光軸方向分力の方向が変化しない範囲である。
前記光軸が水平方向に対して傾斜しているとき、前記特定範囲は、前記移動部材を駆動しようとする駆動力の前記光軸方向分力が常時重力方向下方を向く範囲とすることが好ましい。
前記駆動機構による前記移動部材の駆動は、前記巻線コイルに所定振幅の交流駆動信号を流す交流駆動であって、前記所定振幅は、被写体光束がイメージセンサ上において直交する方向に画素ピッチの1乃至2倍の距離移動する振幅とすることが好ましい。
前記駆動機構による前記移動部材の駆動は、前記移動部材を前記撮影光学系の光軸と異なる方向に駆動することにより、被写体光束を前記イメージセンサの検出色の異なる複数の画素に入射させて、光学的なローパスフィルタ効果を得るローパスフィルタ動作とすることが好ましい。
前記駆動機構による前記移動部材の駆動は、前記イメージセンサ上に形成された被写体像がイメージセンサに対して一定の相対位置を保つように駆動する防振動作とすることが好ましい。
前記駆動機構は、前記移動部材を光軸直交方向に移動自在に支持する可動ステージと、該可動ステージの光軸直交平面上の異なる複数位置において光軸前後方向から当接するボールと、前記ボールを可動ステージの前後方向から回動自在に保持するボール保持部材と、該ボール保持部材を可動ステージの前後位置において支持する一対の固定支持基板とを備え、前記巻線コイルと永久磁石の一方は前記可動ステージに固定され、他方は一方の固定支持基板に固定されていることが実際的である。
本発明の撮影装置は、音声録音部をさらに備え、前記駆動制御部は、前記音声録音部による音声録音と前記光学的なローパスフィルタ効果を得る駆動制御動作を実行するとき、前記巻線コイルと前記永久磁石により前記移動部材を駆動しようとする駆動力の前記光軸方向分力の方向が変化しない特定範囲において前記移動部材を駆動することが好ましい。
本発明の撮影装置は、動画撮影部をさらに備え、前記駆動制御部は、前記動画撮影部による動画撮影時に前記移動部材を駆動するとき、前記巻線コイルと前記永久磁石により前記移動部材を駆動しようとする駆動力の前記光軸方向分力の方向が変化しない特定範囲において前記移動部材を駆動することが好ましい。
本発明の電子機器は、以上の撮影装置を搭載していることを特徴とする。
本発明によれば、光軸と異なる報告に駆動する移動部材に対して、非接触で光軸前後方向のいずれか一方向に常時付勢力を与えるので、移動部材の光軸方向振動を抑制し、雑音の発生を効果的に抑制した撮影装置及び撮影装置を備えた電子機器が得られる。
本発明の実施形態に係るデジタルカメラ(撮影装置)の要部構成を示すブロック図である。 同デジタルカメラの像振れ補正装置(駆動機構)を構成する可動ステージ単体の、図2(A)は正面図、図2(B)は背面図である。 図3(A)は図2(A)の切断線III−IIIに沿う断面図、図3(B)は同像振れ補正装置の右側面図である。 同デジタルカメラの像振れ補正装置を構成する前ヨーク板単体の、図4(A)は正面図、図4(B)は背面図である。 図5(A)は図4(B)の切断線V−Vに沿う断面図、図5(B)は同図の丸囲み部材の拡大図である。 同デジタルカメラの像振れ補正装置を構成する後ヨーク板単体の、図6(A)は正面図、図6(B)は背面図である。 図6(B)の切断線VII−VIIに沿う断面図である。 同デジタルカメラの像振れ補正装置の組立状態の正面図である。 図8の切断線IX−IXに沿う断面図である。 同デジタルカメラの像振れ補正装置の、図9(A)は可動ステージをボールで支持するボール支持機構の概要を示す断面図、図9(B)は磁石と巻線コイルの対向部の様子を示す断面図である。 所定軌跡を描くようにイメージセンサを駆動することで光学的なローパスフィルタ効果を得るための動作を示す図であり、図11(A)は撮影光学系の光軸を中心とする回転対称な正方形軌跡を描くようにイメージセンサを駆動する場合、図11(B)は撮影光学系の光軸を中心とする回転対称な円形軌跡を描くようにイメージセンサを駆動する場合をそれぞれ示す図である。 同デジタルカメラの像振れ補正装置を構成する可動ステージの巻線コイルを流れる電流の向きを矢印で示した正面図である。 図12の切断線XIII−XIIIに沿った断面において、永久磁石の中心と巻線コイルの中心が同一直線上に位置する中央位置保持状態において、図13(A)は永久磁石と巻線コイルの関係を説明する図、図13(B)は巻線コイルに作用する磁力線の分布を示す図、図13(C)は巻線コイルに作用するローレンツ力を示す図である。 図13の巻線コイルに印加する電圧と経過時間との関係をグラフで示す図であって、横軸は経過時間、縦軸は印加する電圧を示している。 図13と同一の断面において、可動ステージを中央位置に保持した状態においてローパスフィルタ動作させたときの永久磁石と巻線コイルの様子を説明する図であって、図15(A)は永久磁石と巻線コイルの関係を説明する図、図15(B)は巻線コイルに作用する磁力線を光軸直交方向と光軸方向に分解して示す図、図15(C)は巻線コイルに作用するローレンツ力を光軸直交方向と光軸方向に分解して示す図である。 図15の巻線コイルに印加する電圧と経過時間との関係をグラフで示す図であって、横軸は経過時間、縦軸は印加するローパスフィルタ駆動電圧を示している。 図13と同一の断面において、可動ステージが特定位置に位置する状態を説明する図であって、図17(A)は永久磁石と巻線コイルの関係を説明する図、図17(B)は巻線コイルに作用する磁力線を示す図、図17(C)は巻線コイルに作用する磁力線を光軸直交方向と光軸方向に分解して示す図、図17(D)は巻線コイルに作用するローレンツ力を光軸直交方向と光軸方向に分解して示す図である。 図13と同一の断面において、可動ステージが特定位置に位置する状態においてローパスフィルタ動作したときの様子を説明する図であって、図18(A)は永久磁石と巻線コイルの関係を説明する図、図18(B)は巻線コイルに作用する磁力線を光軸直交方向と光軸方向に分解して示す図、図18(C)は巻線コイルに作用するローレンツ力を光軸直交方向と光軸方向に分解して示す図である。 本発明を適用したデジタルカメラの像振れ補正装置(駆動機構)におけるボール支持機構の拡大断面図であって、図19(A)は可動ステージが一方のボールに当接した状態を示す図、図19(B)は可動ステージが光軸前後方向に移動する状態を示す図、図19(C)は可動ステージが前方のボールに当接した状態でローパスフィルター動作したときの様子を示す図である。 従来の像振れ補正装置を備えたデジタルカメラにおいて、図20(A)は同像振れ補正装置の移動部材支持機構の概要を示す縦断面図、図20(B)は移動部材支持機構の要部を拡大して示す縦断面図である。
図1ないし図19を参照して、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ(撮影装置)10について説明する。
図1に示すように、デジタルカメラ10は、ボディ本体20と、このボディ本体20に着脱可能(レンズ交換可能)な撮影レンズ30とを備えている。撮影レンズ30は、被写体側(図1中の左側)から像面側(図1中の右側)に向かって順に、撮影レンズ群(撮影光学系、移動部材、振れ補正部材)31と、可変絞り(撮影光学系)32とを備えている。ボディ本体20は、被写体側(図1中の左側)から像面側(図1中の右側)に向かって順に、シャッタ(撮影光学系)21と、イメージセンサ(移動部材、振れ補正部材)22とを備えている。またボディ本体20は、撮影レンズ30への装着状態で可変絞り32とシャッタ21を駆動制御する絞り/シャッタ駆動回路23を備えている。撮影レンズ群31から入射し、可変絞り32とシャッタ21を通った被写体光束による被写体像が、イメージセンサ22の受光面上に形成される。イメージセンサ22の受光面上に形成された被写体像は、マトリックス状に配列された検出色の異なる多数の画素によって、電気的な画素信号に変換され、画像データとしてDSP40に出力される。DSP40は、イメージセンサ22から入力した画像データに所定の画像処理を施して、これを画像モニタ24に表示し、画像メモリ25に記憶する。なお、DSP40は、画像モニタ24に、静止画撮影のときにいわゆるライブビュー表示をする場合、または動画撮影のときにモニタ表示をする場合には、静止画として記録する領域の画像、または動画として記録する領域の画像を表示する。
撮影レンズ群31は、被写体側(図1中の左側)から像面側(図1中の右側)に向かって順に、固定レンズ群31Aと、変倍時に光軸方向に移動する変倍レンズ群31Bと、フォーカシング時に光軸方向に移動するフォーカスレンズ群31Cとを有している。ボディ本体20及び/又は撮影レンズ30には、変倍レンズ群31Bとフォーカスレンズ群31Cを光軸方向に移動させるレンズ移動機構(図示せず)が設けられており、このレンズ移動機構はDSP40によって駆動制御される。
撮影レンズ30は、撮影レンズ群31の解像力(MTF)情報や可変絞り32の開口径(絞り値)情報などの各種情報を記憶した通信用メモリ33を搭載している。撮影レンズ30をボディ本体20に装着した状態では、通信用メモリ33が記憶している各種情報がDSP40に読み込まれる。
ボディ本体20は、DSP40に接続した、撮影操作スイッチ26とローパスフィルタ操作スイッチ27を備えている。撮影操作スイッチ26は、電源スイッチ、静止画/動画撮影切り替えスイッチ、レリーズスイッチなどの各種スイッチからなる。ローパスフィルタ操作スイッチ27は、イメージセンサ22を撮影光学系の光軸Zと直交する平面内(以下、光軸直交平面内と同義である)で駆動するローパスフィルタ動作のオンオフの切替え、ローパスフィルタ動作に関する各種設定などを行うためのスイッチである。イメージセンサ22のローパスフィルタ動作については後に詳細に説明する。
ボディ本体20は、DSP40に接続させて、ジャイロセンサ(振れ検出部)28を備えている。ジャイロセンサ28は、ボディ本体20に加わる移動角速度(X軸とY軸方向及びX軸とY軸とZ軸周り)を検出することで、該ボディ本体20の光軸直交平面内の振れを示す振れ検出信号を検出する。
さらにボディ本体20は、音声録音用のマイクロフォン61と、音声再生用のスピーカー62と、音声録音/再生を制御する、アンプ、D/A、A/D変換器などの機能を有する音声処理回路63を備えている。DSP40は、音声処理回路63を介して音声録音/再生を制御し、動画撮影の際には、マイクロフォン61からの音声信号をイメージセンサ22からの画像信号に同期させ、所定の動画画像フォーマットに変換して画像メモリ25に記録する。
図1ないし図3、図8ないし図10、図12に示すように、イメージセンサ22は、撮影光学系の光軸Zと直交するX軸方向とY軸方向(直交二方向)に移動可能に像振れ補正装置(駆動機構)50に搭載されている。図では、イメージセンサ22の長手方向をX軸、短手方向をY軸としている。光軸Z方向において被写体方向を前方という。また、Y軸が鉛直方向を向き、X軸が水平方向を向き、さらに光軸Zが水平方向を向いた状態を、カメラが正位置に構えられた状態とする。像振れ補正装置50は、正面視横長の長方形であって、光軸方向に所定間隔で平行に固定された前ヨーク板51及び後ヨーク板52と、前ヨーク板51と後ヨーク板52の間に光軸直交方向にスライド自在に保持された可動ステージ54を備えている(図2、図3、図8乃至図10参照)。前ヨーク板51と後ヨーク板52は、軟磁性材、例えば軟鉄により形成され、3本の連結ねじ53によって平行に所定間隔で結合されていて、ボディ本体20のシャーシなどの構造物に固定される。可動ステージ54は、非磁性(常磁性)材、例えばアルミニウムにより形成されている。前ヨーク板51と後ヨーク板52は、固定支持基板を構成し、可動ステージ54は移動部材を構成している。
図2、図8及び図12に示すように、可動ステージ54は、正面視中央にイメージセンサ22が固定されている。イメージセンサ22は、パッケージの背面に回路基板22bが装着されており、この回路基板22bの外周部が、可動ステージ54の中央に形成されたセンサ開口54aの縁部に前方から当て付けられ、固定されている。イメージセンサ22は、回路基板22bの背面にイメージセンサ駆動用FPC55が接続されている。イメージセンサ駆動用FPC55は、後ヨーク板52の中央に形成された開口52aを通って引き出され、デジタルカメラ10内のDSP40に接続される。
可動ステージ54の前面には、駆動用の一対の巻線コイル(ボイスコイル)C1、C2がイメージセンサ22の下方の長辺より下方にその長辺に沿って所定間隔で固定され、駆動用の巻線コイル(ボイスコイル)C3、C4がイメージセンサ22の左右の短辺より外方にその短辺に沿って固定されている(図2参照)。4個の巻線コイルC1、C2、C3、C4は光軸方向に薄い偏平であって、3個の巻線コイルC1、C2、C3の略中央(幾何学的中心)にホールセンサH1、H2、H3が装着されている。これらの巻線コイルC1、C2、C3、C4とホールセンサH1、H2、H3は、駆動制御用FPC56の表面に実装されている。可動ステージ54は、巻線コイルC1、C2、C3、C4に対応する長方形の開口54b1、54b2、54b3、54b4が形成されている。駆動制御用FPC56は、可動ステージ54の裏面から、巻線コイルC1、C2、C3、C4及びホールセンサH1、H2、H3を開口54b1、54b2、54b3、54b4に挿入された状態で可動ステージ54に固定されている(図4(A)参照)。巻線コイルC1、C2、C3、C4及びホールセンサH1、H2、H3は、開口54b1、54b2、54b3、54b4から可動ステージ54の前方に露出している。
図4(B)に示したように、前ヨーク板51は、可動ステージ54と対向する面(背面)に、各巻線コイルC1、C2、C3、C4と対向する磁石M1、M2、M3、M4が固定されている。各磁石M1、M2、M3、M4は、正面視一対の長方形の板状(棒状)の永久磁石が長手方向辺を近接させて平行に配置されていて、磁石M1、M2、M3、M4の表裏面は、前ヨーク板51の背面と平行な平面とされている。また、図13(A)に示したように、各磁石M1、M2は、一対の上方の永久磁石の表面側がN極に裏面側がS極に着磁され、一対の下方の永久磁石の表面側がS極に裏面側がN極に着磁されている。同様に左右の磁石M3、M4は、一対の一方の永久磁石の表面側がS極に裏面側がN極に着磁され、一対の他方の永久磁石の表面側がN極に裏面側がS極に着磁されている。
前ヨーク板51には、イメージセンサ22が前方に露出する、イメージセンサ22の外形より大きいセンサ用開口51aが形成されている。イメージセンサ22は、センサ用開口51a内に位置し、センサ用開口51a内において光軸直交方向に自在に移動できる。
前ヨーク板51と後ヨーク板52は、互いに平行に配置され、これらの間に可動ステージ54が配置された状態で、連結ねじ53により連結固定される。3本の連結ねじ53は、前ヨーク板51と後ヨーク板52の、上辺の左右の角部近傍と、下辺の略中央部において、前方から前ヨーク板51を貫通し、先端部が後ヨーク板52に螺合されている(図5、図8及び図9参照)。前ヨーク板51と後ヨーク板52の間隔、平行度の調整は、各連結ねじ53を回転させて行う。
前ヨーク板51と後ヨーク板52とが連結された状態で、磁石M1、M2、M3、M4は、前ヨーク板51と後ヨーク板52を介して、磁束が巻線コイルC1、C2、C3、C4を通る磁気回路を構成する。
前ヨーク板51には、リテーナ用支持孔51bが、センサ用開口51aの上縁部の両端部の各上方と下縁部の略中央の下方に形成されている。3個の円筒状のリテーナ70は、各リテーナ用支持孔51bに前方から挿入され、前ヨーク板51に固定されている(図4(A)、(B)、図5(A)、(B)参照)。各リテーナ70は、軸部70aの後端部に大径頭部70bを有し、軸部70aの先端部にボール収容孔70cが形成され、このボール収容孔70cにボール71が収容されている。ボール71は、ボール収容孔70c内において内周面及び底面70dと摺動して自在に回転する。ボール71は、底面70dに接触した状態で一部がボール収容孔70cの外方に突出している。
図6及び図7に示すように、後ヨーク板52には、ボール72を回動自在に支持するリテーナを構成するボール収容孔52bが、前ヨーク板51の各リテーナ70と対向する位置に形成されている。各ボール収容孔52bは後ヨーク板52を貫通しており、背面側の開口部が押え板73により塞がれている。押え板73は、後ヨーク板52の背面にねじ止め固定される。ボール72は、ボール収容孔52b内において、内周面及び底面を形成する押え板73と摺動して自在に回転する。ボール72は、押え板73に当接した状態で、ボール収容孔52bの前面側の開口部から後ヨーク板52の前面より前方に突出している(図7参照)。各ボール71と72は、軟磁性材料、例えば軟鉄で形成される。押え板73は、非磁性材で形成されている。押え板73は、ボール72を光軸Z方向に弾性的に押圧できる弾性材で形成することが好ましい。
図9に示すように、可動ステージ54は、互いに連結された前ヨーク板51と後ヨーク板52の間に位置し、ボール71と72が表裏面に当接する状態で保持され、光軸直交方向に光軸直交平面と平行を維持した状態で移動自在に支持される。可動ステージ54は、ボール71と72に接触し、ボール71と72が転動する表裏面の領域が光軸Zと直交する平滑な平行平面とされている。図19(A)には、可動ステージ54が前後一対のボール71と72の内、後方のボール72と接触し(ボール72は押え板73に接触している)、前方のボール71と可動ステージ54との間に光軸方向の遊び(隙間)dが生じている状態を示した。図19(C)は、逆に可動ステージ54が前方のボール71と接触した状態を示している。可動ステージ54は、光軸直交方向の移動はボール71と72が転動して自在に支持されるが、光軸前後方向の移動は、ボール71と72が底面70dと押え板73に当接して規制される。
各リテーナ70は、リテーナ用支持孔51bにねじ結合する構成としてもよい。ねじ結合によれば、リテーナ70を回転させるとリテーナ70の先端部が前ヨーク板51の裏面から可動ステージ54、後ヨーク板52に向かって突出する長さが変化するので、ボール収容孔70cの底面70dと後ヨーク板52のボール収容孔52bの底面となる押え板73との間隔調整、つまりボール71、72と可動ステージ54の光軸方向の遊び(隙間)調整が可能である。
組み立てられた像振れ補正装置50は、巻線コイルC1、C2、C3、C4に交流駆動信号を流す(交流電圧を印加する)ことにより、前、後ヨーク板52、53に対して可動ステージ54(イメージセンサ22)が光軸直交平面(XY平面)内で移動するようになっている。巻線コイルC1、C2、C3、C4に流す交流駆動信号は、DSP40による制御の下、移動部材駆動回路(駆動信号生成部)60(図1)によって生成される。
本実施形態では、磁石M1、前、後ヨーク板51、52及び巻線コイルC1からなる磁気駆動手段と、磁石M2、前、後ヨーク板51、52及び巻線コイルC2からなる磁気駆動手段(2組の磁気駆動手段)が可動ステージ54(イメージセンサ22)を上下(Y軸、鉛直)方向及び回転方向に駆動する磁気駆動手段を構成し、磁石M3、前、後ヨーク板51、52及び巻線コイルC3からなる磁気駆動手段と、磁石M4、前、後ヨーク板51、52及び巻線コイルC4とからなる磁気駆動手段(2組の磁気駆動手段)が可動ステージ54(イメージセンサ22)を左右(X軸、水平)方向に駆動する磁気駆動手段を構成している。
ホールセンサH1とH2により可動ステージ54(イメージセンサ22)のY軸方向位置及び光軸直交平面内における傾き(回転角)が検出され、ホールセンサH3により可動ステージ54(イメージセンサ22)のX軸方向位置が検出される。
DSP40は、移動部材駆動回路60を介して、ジャイロセンサ28が検出したボディ本体20の光軸直交平面内の振れを示す振れ検出信号と、ホールセンサH1、H2、H3が検出したイメージセンサ22の光軸直交平面内の位置を示す位置検出信号とに基づいて、像振れ補正装置50によってイメージセンサ22を光軸直交平面内で駆動する。これにより、イメージセンサ22上への被写体像の結像位置が一定に保たれて、手振れに起因する像振れを補正(軽減)することができる。本実施形態ではこの動作を「イメージセンサ22の像振れ補正動作(像振れ補正駆動)」と呼ぶ。
本実施形態の像振れ補正装置50は、電源がオンされ、撮影可能状態になったとき、イメージセンサ22をその像振れ補正動作範囲(像振れ補正駆動範囲)の中央位置で保持する「イメージセンサ22の中央位置保持動作(中央位置保持駆動)」を実行する。
本実施形態の像振れ補正装置50は、撮影光学系の光軸Zと直交する平面内において所定軌跡を描くようにイメージセンサ22を駆動して、被写体光束をイメージセンサ22の検出色の異なる複数の画素に入射させることにより、光学的なローパスフィルタ効果(LPF効果)を与える。本実施形態ではこの動作を「イメージセンサ22のLPF動作(LPF駆動)」または「イメージセンサ22のローパスフィルタ動作(ローパスフィルタ駆動)」と呼ぶ。
「イメージセンサ22の像振れ補正動作(像振れ補正駆動)」、「イメージセンサ22のLPF動作(LPF駆動)」、「イメージセンサ22の中央位置保持動作(中央位置保持駆動)」及び「イメージセンサ22の特定位置保持動作(特定位置保持駆動)」は、これらの合成動作(合成駆動)として像振れ補正装置50によって実現される態様、あるいは、これらのいずれか1つの動作(駆動)のみが単独で像振れ補正装置50によって実現される態様が可能である。
本実施形態の像振れ補正装置50は、ローパスフィルタ動作を、巻線コイルC1乃至C4に所定振幅の交流駆動信号を流す交流駆動による行う。イメージセンサ22は、この交流駆動信号により、一定の閉じた所定軌跡で周期的に移動する。交流駆動信号の所定振幅は、被写体光束がイメージセンサ22上において直交する方向に画素ピッチの1乃至2倍の距離移動する振幅(強さ)である。交流駆動信号の周期は、露光時間の1倍ないし1/n倍(但し、nは2以上の整数)程度である。
図11(A)、(B)を参照して、像振れ補正装置50が、所定軌跡を描くようにイメージセンサ22を駆動して、該イメージセンサ22によってLPF効果を与えるLPF動作について説明する。同図において、イメージセンサ22は、受光面にマトリックス状に所定の画素ピッチPで配置された多数の画素22aを備え、各画素22aの前面にベイヤ配列のカラーフィルタR、G、Bのいずれかが配置されている。各画素22aは、前面のいずれかのカラーフィルタR、G、Bを透過して入射した被写体光線の色を検出、つまり、色成分(色帯域)の光を光電変換し、その強さ(輝度)に応じた電荷を蓄積する。
図11(A)は、イメージセンサ22を、撮影光学系の光軸Zを中心とする回転対称な正方形軌跡を描くように駆動する場合を示している。この正方形軌跡は、例えば、イメージセンサ22の画素ピッチPを一辺とした正方形の閉じた経路とすることができる。図11(A)では、イメージセンサ22を、画素22aの互いに直交する並び方向の一方(鉛直方向)と平行なY軸方向、他方(水平方向)と平行なX軸方向に1画素ピッチP単位で交互にかつ正方形経路となるように移動させている。
図11(B)は、イメージセンサ22を、撮影光学系の光軸Zを中心とする回転対称な円形軌跡を描くように駆動する場合を示している。この円形軌跡は、イメージセンサ22の画素ピッチPの21/2/2倍を半径rとする円形の閉じた経路とすることができる。
図11(A)、(B)のように、露光中にイメージセンサ22を正方形または円形の所定軌跡を描くように駆動すると、各カラーフィルタR、G、B(画素22a)の中央に入射した被写体光線(光束)が、4個のカラーフィルタR、G、B、Gに均等に入射するので、光学的なローパスフィルタと同等の効果が得られる。つまり、どのカラーフィルタR、G、B、G(画素22a)に入射した光線も、必ずその周辺のカラーフィルタR、G、B、G(画素22a)に入射するので、恰も光学的なローパスフィルタを光線が通過したのと同等の効果(LPF効果)が得られる。
本実施形態の像振れ補正装置50は、静止画撮影の場合、イメージセンサ22をその像振れ補正動作範囲(像振れ補正駆動範囲)の中央位置で保持する「イメージセンサ22の中央位置保持動作(中央位置保持駆動)」を実行する。例えば、「イメージセンサ22の像振れ補正動作(像振れ補正駆動)」と「イメージセンサ22のLPF動作(LPF駆動)」がともにオフの場合には、「イメージセンサ22の中央位置保持動作(中央位置保持駆動)」のみをオンにして撮影が行われる(像振れ補正を行わなくても中央位置保持は行う)。
本実施形態の像振れ補正装置50は、動画撮影の場合、イメージセンサ22を、巻線コイルC1、C2の中心と磁石M1、M2の中心を光軸Z方向に見て上下方向にずらした特定位置まで平行移動して保持する、「イメージセンサ22の特定位置保持動作(特定位置保持駆動)」を実行する。例えば、「イメージセンサ22のLPF動作(LPF駆動)」がオフの場合には、「イメージセンサ22の特定位置保持動作(特定位置保持駆動)」に代えて、「イメージセンサ22の中央位置保持動作(中央位置保持駆動)」のみをオンにして撮影が行われる(LPF動作を行わなくても中央位置保持は行う)。
本実施形態において、磁石M1、M2の中心とは、一対の板状永久磁石の磁力線が表裏面に対して垂直になる位置であって、正面視、一対の板状永久磁石の幾何学的中心(中央)位置である。2つの磁石M1、M2の中心とは、2つの同じ特性の磁石M1、M2を整列して並べたときに、各磁石M1、M2の形状の幾何学的中心位置から等距離にある位置のことを意味する。本実施形態の図13においては、磁石M1、M2が接触する面上に中心が位置する。巻線コイルC1、C2の中心とは、巻線コイルC1、C2に直流電流を流したとき、発生する磁力線が巻線コイルC1、C2の基準面に対して垂直になる位置であって、正面視、巻線の幾何学的中心(中央)位置である。磁石M1(M2)と巻線コイルC1(C2)の「中心が一致している」とは、光軸Z方向から見たとき幾何学的中心が一致(重複)している場合を意味する。
本実施形態の像振れ補正装置50は、ボール71と72と可動ステージ54の間に遊びdが存在するので、ローパスフィルタ動作中に、巻線コイルC1乃至C4に作用するローレンツ力の光軸平行方向成分が前後反転して、可動ステージ54が遊びdの範囲で前後に振動することがある(図13、図15参照))。そこで本実施形態は、振動による影響が雑音として問題になる撮影状況のとき、可動ステージ54を、ローパスフィルタ動作中にローレンツ力によって可動ステージ54に加わる力の光軸方向成分が前後反転しない特定範囲でローパスフィルタ動作させる。このようにローレンツ力の光軸方向成分が前後反転しない光軸直交方向の可動範囲が特定範囲であり、その特定範囲内に特定位置がある(図17、図18参照)。具体的に、この実施形態の特定位置は、磁石M1と巻線コイルC1の光軸Z方向から見た幾何学的中心が一致せず、重力方向下方(または上方)に互いにずれた位置である。そして、幾何学的中心が重力方向下方にずれているときには、同幾何学的中心が上方には移動することがない(下方にずれた状態を維持する)範囲、及び幾何学的中心が重力方向上方にずれているときには、同幾何学的中心が下方には移動することがない(上方にずれた状態を維持する)範囲が特定範囲である(図18参照)。
図12に示したように、本実施形態の像振れ補正装置50は、中央位置保持駆動のために、巻線コイルC1、C2に、図中の矢印方向に直流電流が流れるように所定直流電圧を印加する。図13は、巻線コイルC1に所定電圧の直流電流を流したときの、磁石M1と巻線コイルC1に発生する磁力線の様子を示している。巻線コイルC2と磁石M2に所定電圧の直流電流を流したときも同様の様子を示すので、磁石M1と巻線コイルC1について説明する。図13(A)は磁石M1の磁力線と、巻線コイルC1に発生する磁力線の関係を示していて、矢印付き曲線が磁力線を示している。図13(B)は巻線コイルC1に作用する磁力の向きと大きさを矢印で示し、図13(C)は巻線コイルC1が受けるローレンツ力の向きと大きさを白抜き矢印で示しいている。図14は巻線コイルC1への入力電圧と時間との関係をグラフで示していて、縦軸は電圧、横軸は経過時間を示している。
図13(A)に示したように、可動ステージ54が中央保持位置にあるとき、光軸Z方向に見て、磁石M1と巻線コイルC1の中心が一致している。この場合、巻線コイルC1には光軸Z方向(光軸Zと平行)の磁力が作用するので(図13(B)参照)、同ローレンツ力は光軸と直交する方向(Y軸方向と平行)のローレンツ力が作用する(図13(C)参照)。つまり、可動ステージ54は、光軸直交方向の推進力を受けて、重力と釣り合う位置に静止している。また、このとき可動ステージ54は、一方のボール72に当接し、ボール72を押え板73に押し付けた状態にあるものとする(図19(A))。
可動ステージ54が中央位置保持状態にあるとき(図13(A)参照)、巻線コイルC1に交流電流が印加されると、可動ステージ54(巻線コイルC1)はY軸方向上方または下方方向に移動する(図15の破線参照)。この移動により巻線コイルC1に作用する磁力の方向が光軸Z方向に対して上方または下方に傾斜し(図14(B)参照)、巻線コイルC1に作用するローレンツ力に光軸Z前後方向の分力が発生する(図14(C)の破線参照)。巻線コイルC1は、磁石M1との間にローレンツ力の光軸方向分力(光軸前後方向の分力を受けて、前方向の分力(吸引力)を受けたとき可動ステージ54を磁石M1側に移動してボール71をボール収容孔70cの底面70dに押し付け(図19(B)参照)、後方向の分力(斥力)を受けたとき可動ステージ54を磁石M1から離反する方向に移動してボール71をボール収容孔70cの底面70dに押し付ける(図19(A)参照)。
以上のように、磁石M1と巻線コイルC1の中心が一致している状態で光学ローパスフィルタ動作させると、可動ステージ54が光軸前後方向に振動して雑音を発生する。この振動は短時間であり、静止画撮影の場合はミラー動作音及びシャッタ動作音と重複するので、雑音による悪影響が小さい。一方、動画撮影中はミラー及びシャッタは動作しないが、継続して音声を録音するので、振動による雑音の悪影響が大きい。
本実施形態は、動画撮影においてローパスフィルタ動作させるときに、可動ステージ54を、光学ローパスフィルタ動作させても光軸前後方向振動しない特定位置に移動し、特定位置を中心とした、光軸前後方向振動しない特定範囲で光学ローパスフィルタ動作させる。
図17(A)は、可動ステージ54を特定位置に移動した特定位置保持状態を示している。特定位置保持状態における巻線コイルC1の中心位置は、光軸直交方向から見て、磁石M1の中心位置よりも光軸直交方向下方(重力方向下方)にある。可動ステージ54を特定位置に保持するために巻線コイルC1に印加する特定位置保持電圧は、中央位置保持状態のときの電圧よりも低電圧である。この特定位置保持状態において、巻線コイルC1には、図17(B)に矢印で示した方向の磁力が作用する。磁力を光軸方向と光軸直交方向に分解した様子を図17(C)に示した。この磁力により巻線コイルC1に作用するローレンツ力を光軸直交方向と光軸方向に分解して、図17(D)に示した。これらの図から、特定位置保持状態における巻線コイルC1には、光軸直交方向上方向きの分力と、光軸方向前方向の分力が作用することが分かる。この特定位置保持状態における可動ステージ54は、ローレンツ力の前方向の分力により前方に押されてボール71に当接し、ボール71をボール収容孔70cの底面70dに押し付けている(図19(C)参照)。
図18(A)は、可動ステージ54を特定位置に移動した特定位置保持状態において、ローパスフィルタ動作させたときの磁石M1と巻線コイルC1の様子を示している。可動ステージ54を特定位置保持状態においてローパスフィルタ動作させると、つまり特定位置保持電圧にローパスフィルタ動作用交流電圧を重畳させた交流駆動信号を印加すると、可動ステージ54(巻線コイルC1)は、上下移動する巻線コイルC1の中心が磁石M1の中心よりも下方の特定範囲で上下移動する(図18参照)。可動ステージ54(巻線コイルC1)は、光軸方向から見ると、円形等の軌跡(図11(A)、(B)参照)を描いて移動する。可動ステージ54には、常にローレンツ力の光軸方向前方向の分力が作用する(図18(C)参照)。したがって可動ステージ54は、図19(C)に示したように、常に、可動ステージ54がボール71をリテーナ70の底面70dに押圧した状態を維持して、光軸直交方向に移動する。したがって、可動ステージ54は光軸前後方向に振動することがなく、ボール71と72に対して衝突、離反を繰り返すことが無いので、雑音を発生することがない。
以上の実施形態は、ローパスフィルタ動作するときに、可動ステージ54(イメージセンサ22)を特定位置に移動させたが、本発明は、可動ステージ54(イメージセンサ22)を防振動作させるときなど、連続的に駆動、振動等させるときに、可動ステージ54(イメージセンサ22)を特定位置に移動させて、特定移動範囲において駆動してもよい。
以上の実施形態は、巻線コイルC1に作用するローレンツ力の光軸方向分力が常に前方向に作用するように特定位置及び特定範囲を設定したが、逆方向、つまりローレンツ力の光軸方向分力が常に後方向に作用するように特定位置及び特定範囲を設定してもよい。
また、デジタルカメラ10が水平から上方または下方に向けて構えられている場合、つまり光軸Zが水平方向から傾斜している場合、可動ステージ54は、重力により光軸方向下方に向かう力を受けている。そこで特定位置及び特定範囲は、ローレンツ力の光軸方向分力が水平方向より下方(重力方向下方)を向くように設定することが好ましい。なお、光軸Zの水平方向からの傾斜角の絶対値がある値以上であって、可動ステージ54が光軸前後方向に振動しなくなる場合または振動が非常に小さくなる場合は、可動ステージ54を特定位置に移動しなくてもよい。
以上の実施形態は、特定位置を一対の磁石M1と巻線コイルC1、磁石M2と巻線コイルC1の幾何学的中心を基準として設定したが、デジタルカメラ10が縦位置に構えられたとき、例えば磁石M3と巻線コイルC3が重力方向下方になるように構えられたときは、特定位置を磁石M3と巻線コイルC3の幾何学的中心を基準として設定することが好ましい。本実施形態におおいて、特定位置及び特定領域は、可動ステージ54の重力方向下位置に存在する磁石と巻線コイルとの間で設定することが好ましい。
以上の実施形態は、動画撮影、つまり音声録音の際に可動ステージ54をローパスフィルタ駆動する場合、可動ステージ54を特定位置に移動し、特定位置を中心とした特定範囲においてローパスフィルタ動作する。これにより、動画撮影中に、可動ステージ54がバタつかず、雑音が録音されることがない。なお、本実施形態は、静止画撮影するときにはローパスフィルタ動作するしないにかかわらず可動ステージ54を中央位置に移動してローパスフィルタ動作してもよい。
以上のいずれの場合においても、ローパスフィルタ動作しないときには、可動ステージ54を特定位置に移動しなくてもよい。
本発明は、以上の像振れ補正装置50を備えた撮影装置を、ノートブックタイプのPC(パーソナルコンピュータ)、携帯電話、スマートフォン、タブレットPCなどのスマートデバイスなど、電子機器一般に搭載しても、以上の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上の実施形態では、イメージセンサ22を「移動部材、振れ補正部材」として、このイメージセンサ22を光軸直交平面内で駆動する態様を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、撮影レンズ群(撮影光学系)31の少なくとも一部をなすレンズ(光学要素)を「移動部材、振れ補正部材」として、このレンズ(光学要素)を撮影レンズ30内に設けたボイスコイルモータ(駆動機構)によって光軸直交平面内など、光軸と異なる方向に駆動する態様に適用可能である。あるいは、イメージセンサ22と撮影レンズ群(撮影光学系)31の少なくとも一部をなすレンズ(光学要素)の双方を「移動部材、振れ補正部材」として、これらを光軸と異なる方向に駆動する態様に適用可能である。以上のいずれの実施形態においても、移動部材を駆動する方向と直交する方向の分力の方向が反転しない特定範囲で移動部材駆動する。
以上の実施形態では、像振れ補正装置(駆動機構)50の構成として、固定支持基板となる前ヨーク板51に磁石M1、M2、M3、M4を固定し、可動ステージ52に巻線コイルC1、C2、C3、C4を固定した場合を例示して説明したが、この位置関係を逆にして、可動ステージに磁石を固定し、ヨーク板に巻線コイルを固定する態様も可能である。
以上の実施形態では、ボディ本体20と撮影レンズ30を着脱可能(レンズ交換可能)とする態様を例示して説明したが、ボディ本体20と撮影レンズ30を着脱不能(レンズ交換不能)とする態様も可能である。
10 デジタルカメラ(撮影装置)
20 ボディ本体
21 シャッタ
22 イメージセンサ(移動部材、振れ補正部材)
22a 画素
R G B カラーフィルタ
23 絞り/シャッタ駆動回路
24 画像モニタ
25 画像メモリ
26 撮影操作スイッチ
27 ローパスフィルタ操作スイッチ
28 ジャイロセンサ
30 撮影レンズ(撮影光学系)
31 撮影レンズ群(撮影光学系、移動部材)
32 可変絞り
40 DSP(駆動制御部)
50 像振れ補正装置(駆動機構、電磁駆動機構)
51 前ヨーク板(固定支持基板)
52 後ヨーク板(固定支持基板)
52b ボール収容孔(リテーナ)
53 連結ねじ
54 可動ステージ(移動部材)
M1 M2 M3 M4 磁石(永久磁石)
C1 C2 C3 C4 巻線コイル
H1 H2 H3 ホールセンサ
60 移動部材駆動回路(駆動信号生成部)
61 マイクロフォン
62 スピーカー
63 音声信号処理回路
70 リテーナ
70a 軸部
70b 大径頭部
70c ボール収容孔
70d 底面
71 72 ボール
73 押え板(底面)

Claims (11)

  1. 撮影光学系により形成された被写体像を撮影するイメージセンサと、
    前記撮影光学系の少なくとも一部をなす光学要素と前記イメージセンサの少なくとも一方を移動部材とし、この移動部材を前記撮影光学系の光軸と異なる方向に駆動する駆動機構と、
    前記駆動機構を介して、前記移動部材を駆動制御する駆動制御部と、
    を有する撮影装置であって、
    前記駆動機構は、光軸の前後方向に対向配置された、移動部材を光軸と異なる方向に駆動する巻線コイル及び永久磁石を有する電磁駆動機構からなり、
    前記駆動制御部は、前記光軸方向から見たとき前記巻線コイルと前記永久磁石の幾何学的中心が互いに重力方向にずれている状態において、前記駆動機構を介して前記移動部材を駆動すること、
    を特徴とする撮影装置。
  2. 請求項1記載の撮影装置において、前記駆動制御部は、前記駆動機構が前記移動部材を駆動するとき、前記巻線コイルと前記永久磁石の少なくとも一方を、両者の前記幾何学的中心が重力方向の上方または下方のいずれか一方に互いにずれた特定位置に移動させ、その後、前記巻線コイルと前記永久磁石の幾何学的中心の重力方向の上下関係が変化しない特定範囲内で前記移動部材を光軸と異なる方向に移動させる撮影装置。
  3. 請求項2記載の撮影装置において、前記特定範囲は、前記移動部材が光軸直交方向に移動したとき、前記巻線コイルに作用するローレンツ力の光軸方向分力の方向が変化しない範囲である撮影装置。
  4. 請求項3記載の撮影装置において、前記光軸が水平方向に対して傾斜しているとき、前記特定範囲は、前記移動部材を駆動しようとする駆動力の前記光軸方向分力が常時重力方向下方を向く範囲である撮影装置。
  5. 請求項3または4記載の撮影装置において、前記駆動機構による前記移動部材の駆動は、前記巻線コイルに所定振幅の交流駆動信号を流す交流駆動であって、前記所定振幅は、被写体光束がイメージセンサ上において直交する方向に画素ピッチの1乃至2倍の距離移動する振幅である撮影装置。
  6. 請求項5項記載の撮影装置において、前記駆動機構による前記移動部材の駆動は、前記移動部材を前記撮影光学系の光軸と異なる方向に駆動することにより、被写体光束を前記イメージセンサの検出色の異なる複数の画素に入射させて、光学的なローパスフィルタ効果を得るローパスフィルタ動作である撮影装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の撮影装置において、前記駆動機構による前記移動部材の駆動は、前記イメージセンサ上に形成された被写体像の結像位置が一定に保たれるように駆動する像振れ補正動作である撮影装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項記載の撮影装置において、前記駆動機構は、前記移動部材を光軸直交方向に移動自在に支持する可動ステージと、該可動ステージの光軸直交平面上の異なる複数位置において光軸前後方向から当接するボールと、前記ボールを可動ステージの前後方向から回動自在に保持するボール保持部材と、該ボール保持部材を可動ステージの前後位置において支持する一対の固定支持基板とを備え、前記巻線コイルと永久磁石の一方は前記可動ステージに固定され、他方は一方の固定支持基板に固定されている撮影装置。
  9. 請求項6記載の撮影装置は、音声録音部をさらに備え、
    前記駆動制御部は、前記音声録音部による音声録音と前記光学的なローパスフィルタ効果を得る駆動制御動作を実行するとき、前記巻線コイルと前記永久磁石により前記移動部材を駆動しようとする駆動力の前記光軸方向分力の方向が変化しない特定範囲において前記移動部材を駆動する撮影装置。
  10. 請求項3、4または9項記載の撮影装置は、動画撮影部をさらに備え、
    前記駆動制御部は、前記動画撮影部による動画撮影時に前記移動部材を駆動するとき、前記巻線コイルと前記永久磁石により前記移動部材を駆動しようとする駆動力の前記光軸方向分力の方向が変化しない特定範囲において前記移動部材を駆動する撮影装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項記載の撮影装置を有することを特徴とする電子機器。
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