後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
赤外線を照射するヒータと、前記ヒータを制御する制御部とを備えた治療装置であって、前記制御部は、患部に前記赤外線を直接照射する直接モードと、衣服越しに前記赤外線を照射する間接モードとを含む照射モードに応じて、前記ヒータを制御することを特徴とする治療装置が明らかとなる。このような治療装置によれば、着衣の有無によらずに適切な治療効果を得ることができる。
衣服の有無を検出可能なセンサを備え、前記制御部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記照射モードを決定することが望ましい。これにより、自動で直接モードと間接モードとを切り替えてヒータを制御できる。
前記制御部は、前記照射モードに応じて前記ヒータを制御している間、前記照射モードの切り替えを不可とすることが望ましい。これにより、患部への適切な赤外線照射を保持することができる。
前記制御部は、前記センサを用いて、超音波の発信から受信までの時間D1と、反射波の強度Lとを検出し、前記時間D1に基づいて閾値L0を決定し、前記強度Lと前記閾値L0とを比較して前記衣服の有無を検出することが望ましい。これにより、超音波センサを用いて衣服の有無を検出することができる。
前記ヒータには、ヒータ用温度センサが設けられており、前記ヒータは、前記ヒータ用温度センサの検出温度に基づいて、前記照射モードに応じた温度に制御されることが望ましい。これにより、ヒータから照射させる赤外線の波長を一定にできるため、所望の施術効果を得ることができる。
照射ヘッドには、前記ヒータが複数設けられており、複数の前記ヒータには、それぞれ前記ヒータ用温度センサが設けられており、前記制御部は、動作させる前記ヒータの数を設定可能であり、動作中の前記ヒータは、前記ヒータ用温度センサの検出温度に基づいてON/OFF制御されることによって、前記照射モードに応じた温度に制御されることが望ましい。これにより、ヒータから照射させる赤外線の波長を一定にできるため、所望の施術効果を得ることができる。
前記赤外線を照射する対象物の温度を検出する対象物用温度センサを有し、前記制御部は、前記対象物用温度センサの検出温度が所定の温度を超えたとき、動作させる前記ヒータを一括でOFFにすることが望ましい。これにより、ヒータから照射させる赤外線の波長を一定に保持しつつ、患部を所定の温度にさせることができる。
表示部を備え、前記制御部は、前記ヒータ用温度センサの検出温度に基づいて前記赤外線の波長を算出し、前記波長を前記表示部に表示することが望ましい。これにより、赤外線治療に有用な情報を提供することができる。
===本実施形態===
<全体構成>
図1は、治療装置1の全体斜視図である。図2は、治療装置1の照射ヘッド10の斜視図である。
本実施形態の治療装置1は、患部に向かって赤外線を照射する赤外線治療装置である。特に、本実施形態の治療装置1は、遠赤外線を照射する遠赤外線治療装置である。本実施形態の治療装置1は、照射ヘッド10と、本体部50と、アーム部60とを備える。
照射ヘッド10は、赤外線(特に遠赤外線)を照射する装置である。照射ヘッド10は、ケース11と、ガードネット13とを有する。ケース11は、赤外線を照射する装置(赤外線照射ユニット20:後述)を収容する収容部材である。ケース11には、照射口11A、取っ手11B及び通電ランプ11Cが設けられている。照射口11Aは、赤外線が照射される開口部である。取っ手11Bは、照射ヘッド10の位置を操作するための部位(ハンドル、握り)である。通電ランプ11Cは、照射ヘッド10への通電を示すランプである。なお、ケース11の背面はパンチングメタルで構成されており、パンチングメタルの穴(開口)は、ケース11の内部に空気を取り入れる空気取入口として機能する。ガードネット13は、照射口11Aを覆う網状の部材である。
本体部50は、治療装置1の本体を構成する部位であり、操作パネル51を有する。操作パネル51は、作業者が治療装置1の設定操作を行う部位であり、表示部511と、入力部512とを有する。表示部511は、例えば液晶ディスプレイである。入力部512は、例えば入力ボタンである。操作パネル51をタッチパネルで構成し、表示部511と入力部512とを一体的に構成しても良い。
アーム部60は、照射ヘッド10と本体部50とを連結する部材である。アーム部60は、本体部50に対して照射ヘッド10を移動可能に連結する。アーム部60は関節部を有しており、関節部が可動に構成されていることによって、照射ヘッド10の照射位置や照射角度を変更可能である。関節部にロック機構が設けられても良い。アーム部60は、照射ヘッド10と本体部50との間の配線経路となっている。
図3は、治療装置1のブロック図である。
治療装置1は、制御部70を有する。制御部70は、治療装置1の制御を司るコントローラである。制御部70は、本体側コントローラ71と、ヘッド側コントローラ72とを有する。
本体側コントローラ71は、本体部50に設けられたコントローラであり、不図示の演算処理装置(例えばCPU、MPU等)と記憶装置(例えばRAM、ROM等)により構成されている。記憶装置に記憶されたプログラムを演算処理装置が実行することにより、治療装置1の制御(後述)が行われることになる。本体側コントローラ71は、ヘッド側コントローラ72に設定信号(制御信号)を送信し、ヘッド側コントローラ72を制御する。
ヘッド側コントローラ72は、照射ヘッド10に設けられたコントローラであり、照射ヘッド10のケース11に収容された制御基板25(図4参照)により構成されている。
ヘッド側コントローラ72は、ヒータ211の制御を行うヒータコントローラ721を有する。本実施形態のヒータコントローラ721は、ヒータ211のON/OFFを行う回路(ON/OFF回路)を有している。ヘッド側コントローラ72は、本体側コントローラ71から受信した設定信号(制御信号)に基づいてヒータコントローラ721を設定し、ヒータコントローラ721は、その設定に従ってヒータ211のON/OFFを制御することになる。本実施形態では、ヘッド側コントローラ72は、4つのヒータコントローラ721を有し、4枚のヒータ211(後述)に対してそれぞれヒータコントローラ721が設けられている。これにより、それぞれのヒータ211に対して個別にON/OFF制御を行うことが可能である。
本実施形態では、制御部70は、本体側コントローラ71とヘッド側コントローラ72とにより構成されているが、本体側コントローラ71がヘッド側コントローラ72の機能を備えていても良い。但し、本実施形態のように、制御部70が本体側コントローラ71とヘッド側コントローラ72とによって構成すれば、本体側コントローラ71がヒータ211のON/OFFを直接制御する場合と比べると、ヒータコントローラ721とヒータ211との配線を短くできるため、電磁波の漏洩を抑制することができる。
ヘッド側コントローラ72は、照射ヘッド10に設けられた各種センサの検出結果を受信する。また、ヘッド側コントローラ72は、必要に応じて、各種センサの検出結果を本体側コントローラ71に送信する。照射ヘッド10の各種センサについては、後述する。
図3に示すように、照射ヘッド10は、赤外線照射ユニット20と、各種センサとを備えている。図4は、赤外線照射ユニット20の構成図である。以下の説明では、ヒータ211の発熱面に垂直な方向を「前後方向」とし、ヒータ211から見て照射口11Aの側を「前」とし、逆側(背面側)を「後」とする。
赤外線照射ユニット20は、赤外線を照射する装置である。赤外線照射ユニット20は、照射ヘッド10のケース11に収容されている。赤外線照射ユニット20は、ヒータ211と、反射板22と、熱遮蔽板23と、制御基板25とを有する(図4参照)。
ヒータ211は、赤外線(特に遠赤外線)を照射する部材(発熱体)である。ヒータ211は、板状(シート状、面状)に構成されており、発熱面から赤外線を照射する。本実施形態では、ヒータ211は、金属製の照射板212及び押さえ板213の間に挟まれて固定されている。具体的には、照射板212と押さえ板213とがネジで固定されており、その間にヒータ211が挟まれて固定されている。このように、本実施形態では、ヒータ211を2枚の金属製の板部材(照射板212及び押さえ板213)の間に配置することによってヒータユニット21が構成されている。このようなヒータユニット21によれば、ヒータ211からの電磁波の漏洩を抑制できる。ヒータユニット21は、反射板22に連結部材(例えば円筒状のボス、雌型スタッド)を介して固定されている。
本実施形態では、赤外線照射ユニット20は、複数(本実施形態では4枚)のヒータ211を有する。後述するように、本実施形態では、ONにするヒータ211の数を制御することによって、赤外線(遠赤外線)の照射範囲(照射面積)を制御している。
反射板22は、赤外線を反射する部材である。反射板22は、ヒータ211(ヒータユニット21)の後側に隙間をあけて配置されている。反射板22は、金属製の板状の部材である。反射板22は、ヒータ211(ヒータユニット21)よりも大きい部材であり、ヒータ211の後側を覆うように配置されている。反射板22の縁(ヒータ211よりも外側に突出した部位)は、照射口11Aに向かって赤外線が反射されるように、内側に向かって折り曲げられている。反射板22の縁とケース11の内壁面との間には隙間が形成されており、後側(ファン24)から前側(照射口11A)に向かって空気が流れることができる。反射板22は、連結部材を介してヒータユニット21(具体的には照射板212)を固定している。反射板22は、熱遮蔽板23に連結部材を介して固定されている。
熱遮蔽板23は、ヒータ211によって制御基板25が加熱されることを抑制する部材である。熱遮蔽板23は、ヒータ211と制御基板25との間に配置された金属製の板状の部材である。本実施形態では、ヒータ211の後側に反射板22が設けられているため、熱遮蔽板23は、反射板22の後側に配置されており、反射板22と制御基板25との間に配置されている。熱遮蔽板23は、ケース11と一体的に構成されている。但し、ネジ等によって熱遮蔽板23がケース11に固定されていても良い。なお、熱遮蔽板23がケース11と一体的に構成されることにより、熱遮蔽板23の熱がケース11を介して外部に放熱され易くなる。
熱遮蔽板23には、ファン24が設けられている。ファン24は、照射ヘッド10の内部を冷却する部材である。ファン24が熱遮蔽板23に設けられることによって、熱遮蔽板23が冷却され、ヒータ211によって制御基板25が加熱されることを抑制し易くなる。ファン24は、熱遮蔽板23の後側の面(制御基板25の側の面)に配置されている。これにより、制御基板25の加熱を抑制し易くなる。なお、熱遮蔽板23には不図示の通気口が形成されており、ファン24から照射口11Aに向かって空気が流れることができる。
制御基板25は、ヒータ211を制御するための基板である。制御基板25は、ヘッド側コントローラ72を構成している。制御基板25は、熱遮蔽板23の後側(ヒータ211とは反対側)に設けられている。制御基板25の実装面は、後側(ヒータ211とは反対側)に向いている。制御基板25の後側には、ケース11の背面が配置されている。ケース11の背面はパンチングメタルで構成されており、ファン24によってパンチングメタルの穴(空気取入口)から空気が取り入れられるため、制御基板25の実装面を後側に向けることによって、制御基板25を効率良く冷却できる。
照射ヘッド10は、距離センサ31と、ヒータ用温度センサ32と、対象物用温度センサ33とを備えている。距離センサ31については、後述する。
ヒータ用温度センサ32は、ヒータ211の温度を検出するセンサである。ヒータ用温度センサ32は、ヒータ211毎に設けられている。本実施形態では、4枚のヒータ211のそれぞれにヒータ用温度センサ32が設けられているため、照射ヘッド10は、計4個のヒータ用温度センサ32を有する。ヒータ用温度センサ32は、検出結果をヒータコントローラ721(詳しくはON/OFF回路)に出力する。ヒータコントローラ721(詳しくはON/OFF回路)は、ヒータ設定温度とヒータ用温度センサ32の検出温度とに基づいて、ヒータ211のON/OFFを制御することになる。具体的には、ヒータコントローラ721は、本体側コントローラ71からの設定信号(制御信号)に基づいて所定のヒータ設定温度に設定された後、ヒータ用温度センサ32の検出温度がヒータ設定温度よりも低ければヒータ211をONにし、ヒータ用温度センサ32の検出温度がヒータ設定温度よりも高ければヒータ211をOFFにすることによって、ヒータ211がヒータ設定温度になるようにヒータ211のON/OFFを制御する。
ところで、ヒータ用温度センサ32の検出温度に基づいてヒータ211をヒータ設定温度に制御(フィードバック制御)する際に、ヒータ211への電流や電圧をON/OFFさせる制御を行う代わりに、ヒータ211への電流や電圧を増減させる制御を行うことも可能である。但し、仮にヒータ211への電流や電圧を変化させると、ヒータ211から照射される赤外線(遠赤外線)の波長が変わってしまうため、この結果、所望の施術効果が得られなくなるおそれがある。このため、本実施形態では、ヒータコントローラ721は、ヒータ用温度センサ32の検出温度に基づいて、ヒータ211のON/OFFを制御している。これにより、ヒータ211から照射させる赤外線(遠赤外線)の波長を一定にできるため、所望の施術効果が得られる利点がある。
対象物用温度センサ33は、赤外線を照射する対象物(患部)の温度を検出するセンサである。例えば、対象物用温度センサ33は、近赤外線を検出する赤外線センサで構成されている。なお、対象物用温度センサ33は、図2に示す距離センサ31と同様に、ケース11の側面に設けることが可能である。
<距離センサ31(衣服検出センサ)>
本実施形態の照射ヘッド10は、距離センサ31を有する。本実施形態では、図1及び図2に示すように、照射ヘッド10のケース11の側面に距離センサ31(超音波センサ)が取り付けられており、赤外線を照射する患部(対象物)までの距離を測定することになる。本実施形態の距離センサ31は、超音波センサにより構成されている。なお、照射される赤外線の強度は距離の2乗に反比例するため、距離センサ31によって照射ヘッド10から患部までの距離を検出している。
図5は、超音波センサの送受信信号のタイミングチャートである。横軸は時間を示しており、縦軸は電圧を示している。図6は、超音波センサの送受信信号の説明図である。
超音波センサは、対象物に超音波を発信し、反射波を受信することによって、対象物までの距離を検出するセンサである。送信パルスの発信開始から受信パルス(反射波)の受信開始までの時間D1は、超音波センサと患部(対象物)との間を超音波が往復する時間(Duration)である。この時間D1に基づいて患部(対象物)までの距離が検出できる。ヘッド側コントローラ72は、超音波センサの超音波の送受信を制御し、送信パルスの発信開始から受信パルス(反射波)の受信開始までの時間D1を検出する。また、ヘッド側コントローラ72は、時間D1に基づいて、超音波センサと患部との距離D2(Distance)を検出する。具体的には、ヘッド側コントローラ72は、時間D1の半分の値に音速(340m/s)を掛けることによって、患部までの距離D2を算出する。ヘッド側コントローラ72は、超音波センサの検出結果を本体側コントローラ71に送信する。なお、ヘッド側コントローラ72が送信する超音波センサの検出結果は、時間D1の情報でも良いし、時間D1に基づいて算出した距離D2(超音波センサと患部との距離)の情報でも良い。ヘッド側コントローラ72が本体側コントローラ71に時間D1の情報を送信する場合には、本体側コントローラ71が時間D1に基づいて距離D2を算出することになる。(いずれの場合も、制御部70が、時間D1に基づいて、距離D2を算出していることになる。)
本実施形態の距離センサ31は、衣服の有無(着衣の有無)を検出するセンサとしても機能する。この点について説明する。
本実施形態では、ヘッド側コントローラ72は、超音波センサの受信パルス(反射波)の強度Lを検出する。ここでは、ヘッド側コントローラ72は、受信パルス(反射波)の強度Lとして、受信パルスの最大振幅を検出する。ヘッド側コントローラ72は、超音波センサの検出結果として、強度Lの情報を本体側コントローラ71に送信する。
ところで、受信パルスの強度Lは、対象物の反射率の影響を受けている。人体の皮膚表面での超音波の反射率は比較的高くなるが、衣服表面では超音波の反射率は比較的低くなる。言い換えると、衣服表面での超音波の反射率は、人体の皮膚表面での超音波反射率と比べて、低くなる。このため、図6に示すように、衣服が有る場合の受信パルスの強度L2は、衣服が無い場合の受信パルスの強度L1よりも小さくなる。本実施形態では、この点を利用して、衣服の有無(着衣の有無)を検出する。
図7は、衣服の有無の検出処理のフロー図である。制御部70(ここでは本体側コントローラ71)は、演算処理装置がプログラムを実行することにより、図中の検出処理を実行する。
まず、制御部70は、距離センサ31の検出結果である時間D1の情報と、距離センサ31の検出結果である強度Lの情報を取得する(S101)。なお、制御部70(ここでは本体側コントローラ71)は、時間D1を取得する代わりに、時間D1に基づいて算出された距離D2を取得しても良い。
次に、制御部70は、時間D1に基づいて、閾値L0を決定する(S102)。本実施形態では、制御部70は、予め時間(又は距離)と閾値とを対応付けた閾値テーブルを有しており、閾値テーブルを参照することによって、時間D1に基づいて、閾値L0を決定する。なお、制御部70が時間から閾値を算出する関数を有しており、この関数に基づいて時間D1から閾値L0を算出しても良い。なお、時間(又は距離)に基づいて閾値L0を決定する理由は、対象物までの距離が長くなるほど受信レベルが弱くなるためである。
次に、制御部70は、距離センサ31の検出結果である強度Lと、閾値L0とを対比する(S103)。強度Lが閾値L0よりも大きい場合(S103でNO)、制御部70は、対象物に衣服が無いと判定する(S104:すなわち、赤外線を照射する対象物が人体の皮膚であると判定する)。また、強度Lが閾値L0よりも小さい場合(S103でYES)、制御部70は、対象物に衣服が有ると判定する(S105)。例えば、図6に示すように、受信パルスの強度がL1の場合、制御部70は、対象物に衣服が無いと判定することになる。また、図6に示すように、受信パルスの強度がL2の場合、制御部70は、対象物に衣服が有ると判定することになる。
<照射モードに応じた設定処理について>
遠赤外線治療装置の場合、着衣の有無によって、治療効果が異なる。これは、遠赤外線は、衣服に照射されると殆ど透過しないためである(なお、遠赤外線が物体内部(例えば人体や衣服)に深く浸透するというのは間違いであり、遠赤外線を人体に直接照射しても、遠赤外線は皮膚表面の0.1〜0.2mmの深さまでしか到達しない)。遠赤外線を衣服越しに患部に照射した場合、衣服が遠赤外線によって加熱され、その衣服で変換された波長の赤外線が人体皮膚表面に再放射(又は伝導)されることになる。このため、遠赤外線を衣服越しに患部に照射する場合には、衣服による損失分を加味した照射条件に設定することが望ましい。そこで、本実施形態では、制御部70は、衣服の有無(着衣の有無)に応じて、適切な遠赤外線を照射ヘッド10から照射させるように、ヒータ211を制御する。
図8は、照射条件の設定処理のフロー図である。制御部70(ここでは本体側コントローラ71)は、演算処理装置がプログラムを実行することにより、図中の処理を実行する。
まず、制御部70は、照射範囲や照射モードを決定する(S201)。例えば、制御部70は、図9Aに示すような照射範囲/照射モードの選択画面を表示部511に表示させ、ユーザーに照射範囲や照射モードを選択させる。そして、制御部70は、ユーザーが入力部512に入力した入力内容に基づいて、照射範囲や照射モードを決定する。
ここでは、選択可能な照射範囲として、「スポット」、「中範囲」及び「広範囲」がある。「スポット」は、狭い範囲の患部(例えば、膝、足首など)に遠赤外線を照射する場合に選択される。また、「中範囲」は、中程度の範囲の患部に遠赤外線を照射する場合に選択される。また、「広範囲」は、広い範囲の患部(例えば背中など)に遠赤外線を照射する場合に選択される。
また、ここでは選択可能な照射モードとして、「直接モード」、「間接モード」及び「自動モード」がある。「直接モード」は、人体の皮膚に直接的に遠赤外線を照射する場合に選択される照射モードである。「間接モード」は、衣服越しに遠赤外線を照射する場合に選択される照射モードである。「自動モード」は、直接モードと間接モードを治療装置1に自動的に選択させる照射モードである。
次に、照射モードが直接モードの場合、制御部70は、人体の皮膚に直接的に遠赤外線を照射するのに適した所定の照射条件を決定する(S203)。ここでは、照射モードが直接モードの場合、制御部70は、ヒータ設定温度を直接モード用の温度に決定する。一方、照射モードが間接モードの場合、制御部70は、衣服情報を取得し(S204)、衣服情報に応じた照射条件を決定する(S205)。ここでは、照射モードが間接モードの場合、制御部70は、ヒータ設定温度を間接モード用の温度に決定する。なお、S205では、直接モードよりもヒータ設定温度が高くなるように、照射条件が決定されることになる(S205)。これは、間接モードでは、衣服による損失分を加味する必要があるためである。
S204の処理では、例えば、制御部70は、図9Bに示すような衣服情報入力画面を表示部511に表示させ、ユーザーに衣服情報を入力させる。ここでは、衣服の色や厚さの情報を入力させているが、他の情報を入力させても良い。なお、衣服の色が異なると、遠赤外線に照射されたときの衣服の加熱状況や、加熱された衣服から再放射される赤外線の波長が異なるため、衣服の色に関する情報を取得することが望ましい。また、衣服が厚くなるほど、患部に届く赤外線が弱まるため、衣服の厚さに関する情報を取得することが望ましい。例えば、衣服が厚い場合(例えばジーンズ越しに赤外線を照射する場合)、衣服が薄い場合(例えばストッキング越しに赤外線を照射する場合)と比べて、衣服による損失が大きくなるため、制御部70は、この損失を加味したヒータ設定温度を決定することになる。このように、衣服情報に応じた照射条件を決定することによって、赤外線の照射条件をより適切に設定できる。但し、制御部70は、照射モードが間接モードの場合に、S204の処理を行わずに(衣服情報を取得せずに)、直接モードよりもヒータ設定温度が高くなるように照射条件を決定しても良い(S205)。若しくは、制御部70は、距離センサ31の検出結果である強度Lに基づいて、衣服の厚さを判別しても良い。例えば、制御部70は、強度Lが小さいほど、衣服が厚いと判別して、ヒータ設定温度が高くなるように照射条件を決定しても良い。
また、照射モードが自動モードの場合、制御部70は、前述の衣服検出処理を行う(S206、図7のS101〜S105参照)。そして、制御部70は、衣服が無いと判定した場合には、直接モードの場合と同様に、人体の皮膚に直接的に遠赤外線を照射するのに適した所定の照射条件を決定する(S203)。また、制御部70は、衣服が有ると判定した場合には、間接モードの場合と同様に、直接モードよりも高いヒータ設定温度になるように照射条件を決定する(S205)。
制御部70は、照射条件の設定を行う(S208)。ここでは、本体側コントローラ71が、ヒータ設定温度や照射面積を設定する設定信号(制御情報)をヘッド側コントローラ72に送信する。
なお、ヒータ設定温度(ヒータ211の設定温度)は、主に照射モード(直接モード/間接モード)に基づいて設定される。例えば、間接モードに従って照射条件が設定された場合(S205)には、直接モードに従って照射条件が設定された場合(S203)と比べて、ヒータ設定温度が高く設定されることになる。
また、照射面積は、S201で設定された照射範囲(スポット/中範囲/広範囲:図9A参照)に基づいて設定される。例えば、照射範囲が広範囲の場合には、照射範囲がスポットや中範囲の場合と比べて、照射面積が広くなるように設定される。本実施形態では、4枚のヒータ211のうちの動作させるヒータ211の数を設定することによって、照射面積が設定されることになる。例えば、照射範囲が「スポット」の場合、1枚のヒータ211を動作(後述するON/OFF制御)させるように設定され、残りの3枚のヒータ211がOFFになるように設定されることになる。また、照射範囲が「中範囲」の場合、2枚のヒータ211を動作させるように設定され、残りの2枚のヒータ211はOFFに設定されることになる。また、照射範囲が「広範囲」の場合、4枚のヒータ211を動作させるように設定されることになる。
S208で設定される照射条件は、ヒータ設定温度や照射面積に限られるものではない。例えば、本実施形態では、制御部70は、照射条件として患部設定温度(患部の設定温度)や警告温度を設定する。後述するように、制御部70は、患部設定温度になるようにヒータ211を制御したり、対象物用温度センサ33の検出温度が警告温度に達したときに、警告を出力したりすることになる。また、本実施形態では、制御部70は、照射モード(直接モード/間接モード)に応じて、患部設定温度や警告温度を設定する。例えば、制御部70は、照射モードが間接モードの場合には、直接モードの場合よりも、患部設定温度や警告温度を高く設定する。なお、本実施形態では、制御部70は、照射モード(直接モード/間接モード)に応じて、患部設定温度を設定するとともに、患部設定温度に所定の値を加算して警告温度を算出する。但し、制御部70は、照射モードにかかわらず、患部設定温度や警告温度を一定の温度に設定してもよい。また、制御部70は、患部設定温度や警告温度以外のものを照射条件として設定しても良い。若しくは、制御部70は、患部設定温度や警告温度を設定しなくても良い。
<照射モードに応じた照射制御処理について>
図10は、遠赤外線の照射制御処理のフロー図である。制御部70は、演算処理装置がプログラムを実行することにより、図中の処理を実行する。
制御部70は、前述の照射条件の設定後(図8参照)、図10に示す照射制御処理を実行することになる。なお、本実施形態では、図10に示す照射制御処理を実行している間(言い換えると、照射モードに応じてヒータ211を制御している間)、照射モードを切り替えて照射条件の設定を変更することを不可としている。これにより、患部への適切な赤外線照射を保持することができる。例えば、直接モードでの治療中に間接モードに切り替わることを防止できるため、患部に遠赤外線を直接照射しているときに遠赤外線の強度が過剰に設定されることを防止することができる。
まず、制御部70は、距離センサ31の検出結果に基づいて、照射ヘッド10から患部までの距離を検出する(S301)。制御部70は、患部までの距離が所定の設定距離よりも近づいていれば(S302でYES)、表示部511に警告を表示して(S311)、全てのヒータ211をOFFに制御する(S312)。なお、制御部70は、所定の設定距離よりも10%接近した状態(距離センサ31の検出結果が設定距離の0.9倍になった状態)が5秒間続いたときに警告を行い、所定の設定距離よりも20%接近した状態(距離センサ31の検出結果が設定距離の0.8倍になった状態)が2秒間続いたときに警告を行うようにしても良い。
患部までの距離が正常であれば(S302でNO)、制御部70は、対象物用温度センサ33の検出結果に基づいて、患部の温度を検出する(S303)。制御部70は、対象物用温度センサ33で検出した患部の温度と所定の患部設定温度とを比較し(S304)、患部の温度が所定の警告温度に達していれば(S304でYES)、表示部511に警告を表示して(S311)、全てのヒータ211をOFFに制御する(S312)。
患部までの距離が正常であり(S302でNO)、患部の温度が正常であれば(S304でNO)、制御部70は、対象物用温度センサ33で検出した患部の温度と患部設定温度とを比較し(S305)、患部の温度が所定の患部設定温度に達していれば(S305でYES)、全てのヒータ211をOFFに制御する(S312)。一方、制御部70は、患部の温度が所定の患部設定温度に達していなければ、ヒータ211をONにして患部に遠赤外線を照射する(S306)。
本実施形態では、照射条件として照射面積が設定されており(図8のS208参照)、動作させるヒータ211の数が設定されている。このため、S306の処理では、制御部70は、設定された数のヒータ211を動作させる対象とし、動作させる対象のヒータ211を個別にON/OFF制御する。例えば照射範囲が「中範囲」の場合、S208において2枚のヒータ211を動作させるように設定されるため、S306の処理では、制御部70は、2枚のヒータ211に対して個別にON/OFF制御を行い、残りの2枚のヒータ211はOFFにする。これにより、動作させるヒータ211は、それぞれのヒータ用温度センサ32の検出温度に基づいて、所定のヒータ設定温度になるようにON/OFF制御されることになる。このため、本実施形態では、ヒータ211から照射させる赤外線(遠赤外線)の波長を一定にできるため、所定の施術効果を得ることができる。
次に、制御部70は、ヒータ211の温度に基づいて、施術波長を算出する(S307)。ここでは、S306において、動作させるヒータ211のヒータ用温度センサ32の検出温度をヘッド側コントローラ72(ヒータコントローラ721)が取得しているため、制御部70(ここでは本体側コントローラ71)は、このヒータ用温度センサ32の検出温度(ON/OFF制御の対象となっているヒータ211の温度)に基づいて、施術波長を算出する。なお、本実施形態では、ウィーンの変位則に従って温度と波長との対応関係が予め設定されており、制御部70は、ウィーンの変位則に従って、ヒータ用温度センサ32の検出温度に基づいて、施術波長を算出する。ヒータ用温度センサ32の検出温度が低い場合、施術波長は短くなる。一方、ヒータ用温度センサ32の検出温度が高い場合、施術波長は長くなる。
そして、制御部70は、算出した施術波長を表示部511に表示する(S308)。図11は、施術中(赤外線照射中)の表示画面の説明図である。
制御部70は、図11に示すように、施術波長の表示画面を表示部511に表示させる。施術者は、表示画面を見て、施術波長を確認することができる。なお、遠赤外線照射治療の施術効果を検証するためには、施術者は、温度よりも施術波長の情報を把握することが重要となる。例えば、施術中の患部が所望の温度だとしても、患部の施術効果の検証には、その患部に照射された赤外線の波長が重要となる。このため、本実施形態では、ヒータ211の温度に基づいて算出された施術波長を表示部511に表示することにより、施術者に有益な情報を提供することができる。
また、本実施形態では、図11に示すように、制御部70は、対象物用温度センサ33の検出結果に基づいて、患部の温度を表示部511に表示する。これにより、施術者が患部の温度を確認できるため、患部の温度変化や患者にかかる負荷を施術者が把握できる。なお、対象物用温度センサ33の検出結果に基づく温度(患部の温度)を表示するのではなく、ヒータ用温度センサ32の検出結果に基づく温度(ヒータ211の温度)を表示しても良い。
また、本実施形態では、図11に示すように、制御部70は、距離、照射面積、照射時間などの情報を表示部511に表示する。距離は、照射ヘッド10から患部までの距離を示しており、制御部70は、距離センサ31の検出結果に基づいて距離を算出し、表示部511に表示する。なお、照射される赤外線の強度は距離の2乗に反比例するため、照射ヘッド10から患部までの距離を施術者が把握することは重要となる。照射面積は、赤外線を照射しているヒータ211の面積を示しており、制御部70は、ONにしているヒータ211の数に基づいて照射面積を算出し、表示部511に表示する。照射時間は、赤外線の照射開始からの経過時間を示しており、制御部70は、照射制御処理(図10参照)の開始から計時した時間を表示部511に表示する。施術者は、照射面積、距離及び照射時間の情報を確認することによって、患部に照射されたエネルギーの大きさを把握することができる。なお、制御部70は、照射面積、距離及び照射時間の情報に基づいて、患部に照射しているエネルギーや、患部に照射された総エネルギーなどの情報を表示部511に表示しても良い。また、制御部70は、照射モードが間接モードの場合には、衣服による損失分を加味して、患部に照射されているエネルギー(又は総エネルギー)を表示部511に表示しても良い。
制御部70は、上記の処理(S301〜S308、S311、S312)の処理を所定時間経過するまで繰り返し(S309)、所定時間経過したら、全てのヒータ211をOFFに制御して、照射制御処理を終了する(S310)。上記の照射制御処理によれば、照射モードに応じて設定されたヒータ設定温度に従って、ヒータ211が制御されることになる。
<小括>
上記の治療装置1は、赤外線を照射するヒータ211と、ヒータ211を制御する制御部70とを備えている。そして、本実施形態では、制御部70は、患部に赤外線を直接照射する直接モードと、衣服越しに赤外線を照射する間接モードとを含む照射モードに応じて、ヒータ211を制御する。このように、本実施形態の制御部70が直接モードと間接モードとを切り替えてヒータ211を制御できるため、適切な治療効果を得ることができる。なお、遠赤外線は、衣服に照射されると殆ど透過しない波長であるため、治療装置1が遠赤外線を照射する遠赤外線治療装置である場合に、直接モードと間接モードとを切り替えてヒータ211を制御することは、特に有効となる。
また、本実施形態では、治療装置1は、衣服の有無を検出可能なセンサ(超音波センサである距離センサ31)を備えており、制御部70は、センサの検出結果に基づいて、照射モードを決定している(図8のS206、S207参照)。これにより、治療装置1が、自動で直接モードと間接モードとを切り替えてヒータ211を制御することが可能である。
また、本実施形態では、照射モードに応じてヒータ211を制御している間、照射モードの切り替えを不可としている。これにより、患部への適切な赤外線照射を保持することができる。
また、本実施形態では、制御部70は、図7に示すように、超音波の発信から受信までの時間D1と反射波の強度Lとを検出し、時間D1に基づいて閾値L0を決定し、強度Lと閾値L0とを比較して衣服の有無を検出する。これにより、超音波センサ(距離センサ31)を用いて衣服の有無を検出することができる。なお、本実施形態では、距離センサ31が、衣服の有無を検出するセンサと、赤外線を照射する対象物(患部)までの距離を検出するセンサとを兼ねているため、構成を簡素化できる。
また、本実施形態では、ヒータ211にはヒータ用温度センサ32が設けられており、動作中のヒータ211は、ヒータ用温度センサ32の検出温度に基づいて、照射モードに応じて設定されたヒータ設定温度に制御される。これにより、ヒータ211から照射させる赤外線(遠赤外線)の波長を一定にできるため、所望の施術効果を得ることができる。
また、本実施形態では、照射ヘッド10が複数(ここでは4枚)のヒータ211を備えており、それぞれのヒータ211にヒータ用温度センサ32が設けられている。そして、制御部70は、動作させるヒータ211の数を設定し、動作中のヒータ211は、それぞれ、ヒータ用温度センサ32の検出温度に基づいてON/OFF制御されることによって、照射モードに応じて設定されたヒータ設定温度に制御される。これにより、動作させるヒータ211の数を変更することによって照射範囲を変更可能にしつつ、ヒータ211から照射させる赤外線(遠赤外線)の波長を一定にできるため、所望の施術効果を得ることができる。なお、ヒータ211への電流や電圧を増減させることによって赤外線の照射範囲や照射エネルギーを変更した場合には、ヒータ211から照射される赤外線(遠赤外線)の波長が変わってしまうため、所望の施術効果を得られなくなるおそれがある。
加えて、本実施形態では、治療装置1は、赤外線を照射する対象物(患部)の温度を検出する対象物用温度センサ33を備えており、制御部70は、対象物用温度センサ33の検出温度が患部設定温度を超えたとき(図10のS305でYES)、動作させるヒータ211を一括でOFFにする(S312)。これにより、ヒータ211から照射させる赤外線(遠赤外線)の波長を一定に保持しつつ、患部を所定の温度にさせることができる。
また、本実施形態では、制御部70は、ヒータ用温度センサ32の検出温度に基づいて、赤外線の波長を算出し(図10のS307)、その波長を表示部511に表示する(S308)。これにより、施術者は、患部に照射された赤外線の波長を確認できるため、その情報を施術効果の検証に利用することが可能になる。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<照射モードについて>
前述の実施形態では、「直接モード」、「間接モード」及び「自動モード」の治療モードが選択可能であった。但し、治療モードを「自動モード」のみとし、治療装置1が自動で「直接モード」又は「間接モード」を切り替えても良い。また、治療モードを「直接モード」及び「間接モード」の2つとし、手動で「直接モード」又は「間接モード」を切り替えても良い。
<各種センサについて>
前述の実施形態では、治療装置1は、対象物用温度センサ33を用いて、患部の温度を検出していた。但し、治療装置1が対象物用温度センサ33を備えていなくても良い。
また、前述の実施形態では、超音波センサである距離センサ31が、患部までの距離の検出と、衣服の有無を検出とを行っていた。但し、患部までの距離を検出するセンサと、衣服の有無を検出するセンサとが別々に設けられても良い。この場合、患部までの距離を検出するセンサは、超音波センサに限られるものではなく、例えば、レーザーの発光及び受光を行うレーザー距離センサでも良い。
<ヒータについて>
前述の実施形態では、照射ヘッド10が4枚のヒータ211を備えており、各ヒータ211は個別にON/OFF制御されていた。但し、ヒータ211の数は、1枚でも良いし、4枚以外の数でも良い。また、複数枚のヒータ211が個別にON/OFF制御されるのではなく、一括でON/OFF制御されても良い。但し、複数枚のヒータを一括でON/OFF制御した場合、内側に配置されたヒータは、外側に配置されたヒータと比べて、加熱されてしまい、この結果、照射される赤外線(遠赤外線)の波長が不均一になるおそれがある。このため、照射ヘッド10が複数枚のヒータを備える場合には、それぞれのヒータを個別にON/OFF制御することが望ましい。これにより、それぞれのヒータから所望の波長の赤外線を照射し易くなる。