JP6612504B2 - 直腸用ドレーン - Google Patents

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本発明は、患者の肛門より挿入して留置することにより、直腸内の減圧を図る直腸用ドレーンに関する。
従来より、直腸癌の治療を目的とした直腸切除手術(低前方切除術)後、縫合不全となる確率が少なからずあった。すなわち、手術後に直腸内における適切な減圧ができないと、縫合不全を起こしてしまうことがあった。
仮に、縫合不全となってしまった場合には、再手術が必要となり、人工肛門となる確率も高くなる。かかる事態を防止するために、直腸にドレーンチューブを挿入して留置することにより、縫合不全となる確率が下がることが判明している。
ところが、直腸専用の減圧を目的とするようなドレーンチューブは実際にはなく、各施設においても、例えば他の類似のドレーンチューブ(例えば、特許文献1〜4等)を代用品として使用していることが多いのが実情であった。
実開昭63−184015号公報 特開平8−735号公報 特開平9−173441号公報 特開平9−313598号公報
しかしながら、前述したような特許文献1〜4等に記載の代用品では、肛門に挿入する際にドレーンが潰れてしまい、挿入が難しかったり、また、肛門内に留置しているドレーンが肛門括約筋の力によって圧迫され、潰れることで内腔が狭窄し、十分な減圧ができないことがあった。ここで十分な減圧ができなくなると、手術後の縫合不全を起こしてしまう可能性が高くなるという問題がある。また、これらの代用品では、ドレーンを固定することが困難であるため、留置中のドレーンの脱落や、チューブと皮膚を直接縫合することによるチューブの裂けが起こりやすくなるという問題もある。
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、代用品ではなく専用の直腸用ドレーンを作製することにより、留置中の脱落を低減すると共にチューブの潰れや内腔狭窄を低減することができ、直腸内を効率良く減圧することを可能とし、縫合不全を低減することで医療の質と安全性を高めることができる直腸用ドレーンを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]患者の肛門より挿入して留置することにより、直腸内の減圧を図る直腸用ドレーン(10)において、
長手方向に延び前端(12)ないし後端(13)が開口する中空で可撓性のあるチューブ本体(11)を備え、
前記チューブ本体(11)の途中にて、前端(12)側より肛門に挿入して留置したときに肛門内部に位置して肛門括約筋に接触する部位に、他の部位よりも肉厚となる補強部(20)を前記チューブ本体(11)と同じ材質により形成し、
かつ前記補強部(20)の後方に、その周囲に広がり肛門周りの体表部に固定する固定片(30)を設けたことを特徴とする直腸用ドレーン(10)。
[2]前記固定片(30)に、縫合糸を挿通させる小孔(32)を設けたことを特徴とする前記[1]に記載の直腸用ドレーン(10)。
[3]前記小孔(32)は、その内周縁を補強した縫合糸挿通孔(32)であることを特徴とする前記[2]に記載の直腸用ドレーン(10)。
[4]前記縫合糸挿通孔(32)の内周縁に沿って環状部材(33)を配置し、該環状部材(33)をハトメ(34)を介して固定したことにより、前記内周縁を補強したことを特徴とする前記[3]に記載の直腸用ドレーン(10)。
[5]前記補強部(20)は、前記チューブ本体(11)の材質よりも高硬度の材質により成形された筒状部材を、前記チューブ本体(11)の途中に外嵌させた状態に接着もしくは固着して成ることを特徴とする前記[1],[2],[3]または[4]に記載の直腸用ドレーン(10)。
[6]前記補強部(20)を成す筒状部材の前端側に、前記チューブ本体(11)の外周面より該筒状部材の前端外周面に向かって漸次拡径するテーパー(21)を設けたことを特徴とする前記[5]に記載の直腸用ドレーン(10)。
[7]前記補強部(20)を成す筒状部材の後端側に、前記固定片(30)を該筒状部材と一体成形したことを特徴とする前記[5]または[6]に記載の直腸用ドレーン(10)。
[8]前記固定片(30)は、前記筒状部材の後端側よりさらに後方へ延出する部位を円周方向に複数に分断して成り、それぞれ分断された各固定片(30)の根元が隣り合う境界の切込み形状に円味を持たせたことを特徴とする前記[7]に記載の直腸用ドレーン(10)。
[9]前記固定片(30B,30C)は、前記筒状部材の後端側より予め周囲に広がる所定角度に根元から折曲されていることを特徴とする前記[8]に記載の直腸用ドレーン(10B,10C)。
[10]前記固定片(30)は、前記筒状部材の後端側を含めて前端側へ根元から一時的にめくることが可能であり、該めくった状態で前記チューブ本体(11)の後端(13)側を切断した後、元の状態に戻した前記固定片(30)の根元ないし前記筒状部材の後端側により、前記チューブ本体(11)の後端(13)側の切断口を隠蔽したことを特徴とする前記[8]または[9]に記載の直腸用ドレーン(10)。
[11]前記チューブ本体(11A,11C)は、その後端(13)から前端(12)にかけて予め湾曲して延びるように形成されたことを特徴とする前記[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9]または[10]に記載の直腸用ドレーン(10A,10C)。
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前記[1]に記載の直腸用ドレーン(10)は、チューブ本体(11)の前端(12)側より患者の肛門に挿入して留置する。このとき、特に肛門内部に位置して肛門括約筋に接触する部位は、軸心方向に圧迫されるが、当該部位には、他の部位よりも肉厚となる補強部(20)が前記チューブ本体(11)と同じ材質により形成されている。かかる補強部(20)によって、肛門括約筋によるチューブ本体(11)の潰れや内腔狭窄を低減することができ、直腸内の減圧および腸管内容物の排出を効率良く行うことが可能となる。
また、チューブ本体(11)の途中にて、前記補強部(20)の後方には、その周囲に広がる固定片(30)があり、この固定片(30)を肛門周りの体表部に固定する。これにより、チューブ本体(11)の留置中に脱落することを低減することができる。
ここで固定片(30)の具体的な固定方法は、色々と考えられるが、具体的には例えば前記[2]に記載したように、前記固定片(30)に、縫合糸を挿通させる小孔(32)を設ければ、体表部に容易に縫合して固定することができる。
また、前記[3]に記載したように、前記小孔(32)が、その内周縁を補強した縫合糸挿通孔(32)であれば、この縫合糸挿通孔(32)が縫合糸で引っ張られても裂ける虞がない。
さらに、前記縫合糸挿通孔(32)の内周縁の補強に関しては、具体的には例えば前記[4]に記載したように、縫合糸挿通孔(32)の内周縁に沿って環状部材(33)を配置し、該環状部材(33)をハトメ(34)を介して固定すると良い。このような簡易な構成により確実に補強することができ、縫合糸挿通孔(32)が縫合糸に引っ張られて裂けることを防止することができる。
前記補強部(20)としては、具体的には例えば前記[5]に記載したように、チューブ本体(11)の材質よりも高硬度の材質により成形された筒状部材を、チューブ本体(11)の途中に外嵌させた状態に接着もしくは固着すれば、簡易に構成することができる。このような筒状部材によれば、チューブ本体(11)の途中を、全周方向で他の部位よりも高い硬度に保つことができる。また、前記補強部(20)を肉厚にすることにより、肛門括約筋による軸心方向への圧迫による潰れを防ぐことができる。
前記[6]に記載したように、補強部(20)を成す筒状部材の前端側に、チューブ本体(11)の外周面より該筒状部材の前端外周面に向かって漸次拡径するテーパー(21)を設けると良い。このようなテーパー(21)を設けることにより、筒状部材の前端における長手方向と直角な端面による段差が解消され、肛門ないし直腸内を傷付ける虞がなく滑らかな挿入が可能となる。
また、前記固定片(30)としては、具体的には例えば前記[7]に記載したように、補強部(20)を成す筒状部材が固定片(30)を備えるように構成すると良い。すなわち、筒状部材の後端側に、前記固定片(30)を該筒状部材と一体成形する。これにより、部品点数を抑えて簡易に作製することができる。
より具体的には例えば前記[8]に記載したように、筒状部材は、その後端側よりさらに後方へ延出する、同じく筒状の部位を備え、当該部位を円周方向に複数に分断して固定片(30)とすれば良い。ここで各固定片(30)の根元が隣り合う境界の切込み形状に円味を持たせれば、切込みにおける応力の集中を避けられて、根元から裂けることを防止することができる。
また、前記[9]に記載したように、前記固定片(30B,30C)を、筒状部材の後端側より予め周囲に広がる所定角度に根元から折曲させると良い。これにより、固定片(30)を肛門周りの体表部に容易に沿わせて縫合することができる。
さらに、直腸用ドレーン(10)を使用するときの形態として、前記[10]に記載したように構成しても良い。すなわち、前記固定片(30)は、前記筒状部材の後端側を含めて前端側へ根元から一時的にめくることを可能とし、該めくった状態でチューブ本体(11)の後端(13)側を切断する。ここで切断する箇所は、なるべく切断口が後方へ突出しないように、筒状部材の後端側をめくり上げた箇所の奥側(前端側)とする。
そして切断後、めくった状態の固定片(30)の根元ないし筒状部材の後端側を元の状態に戻して、この固定片(30)の根元ないし筒状部材の後端側によって、前記チューブ本体(11)の後端(13)側の切断口に被せるように隠蔽する。これにより、直腸用ドレーン(10)を直腸内に留置している通常の使用時に、チューブ本体(11)の後端側が固定片(30)の根元より後方へ突出することがなく、チューブ本体(11)が後端側より押されることがなくなり、前端(12)が、直腸内壁に無用に干渉することを防止することができる。
さらに、前記[11]に記載したように、前記チューブ本体(11A,11C)は、直線状に長手方向に延びるものに限ることなく、後端(13)から前端(12)にかけて予め湾曲して延びるように形成しても良い。これにより、肛門より容易に挿入することが可能となる。
本発明に係る直腸用ドレーンによれば、留置中の脱落を低減すると共にチューブの潰れや内腔狭窄を低減することができ、直腸内を効率良く減圧することを可能とし、縫合不全を低減することで医療の質と安全性を高めることができる。
本発明の第1実施の形態に係る直腸用ドレーンを示す正面図である。 本発明の第1実施の形態に係る直腸用ドレーンを示す平面図である。 本発明の第1実施の形態に係る直腸用ドレーンの使用状態を示す説明図である。 本発明の第2実施の形態に係る直腸用ドレーンを示す正面図である。 本発明の第3実施の形態に係る直腸用ドレーンを示す正面図である。 本発明の第3実施の形態に係る直腸用ドレーンを示す平面図である。 本発明の第3実施の形態に係る直腸用ドレーンを示す側面図である。 本発明の第4実施の形態に係る直腸用ドレーンを示す正面図である。 本発明の第3、第4実施の形態に係る直腸用ドレーンの使用形態の一例を示す説明図である。 本発明の第3、第4実施の形態に係る直腸用ドレーンの使用形態の一例を示す説明図である。 本発明の第3、第4実施の形態に係る直腸用ドレーンの使用形態の一例を示す説明図である。
以下、図面に基づき、本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施の形態を示している。
本実施の形態に係る直腸用ドレーン10は、患者の肛門より挿入して留置することにより、直腸内の減圧および腸管内容物の排出を図るものである。
図1に示すように、直腸用ドレーン10は、長手方向に延び前端ないし後端が開口する中空で可撓性のあるチューブ本体11を備えている。チューブ本体11は、円筒形断面で略直線状に延びており、前端12はそのまま開口し、後端13には、その開口に連通するコネクタ14が接続されている。かかるチューブ本体11は、その前端12側から患者の肛門に挿入される。
チューブ本体11は、全体的には穿孔を低減するために柔らかい可撓性の材質から成り、例えばシリコーン樹脂や塩化ビニル樹脂等により一体成形される。チューブ本体11は、肛門への挿入時に座屈しない程度の硬さ(例えば硬度60〜70等)があれば足りる。また、チューブ本体11の長さ寸法は、例えば全長が200mmで、その有効長さ(前端12から後述の固定片30までの長さ)は170mm等と適宜定められる。また、チューブ本体11の径寸法は、例えば外径は12mm、内径は9mm、肉厚は1.5mm等と適宜定められる。
前端12には、先端に向けて漸次縮径するテーパーが設けられており、当該部位は、例えば液状のシリコーン樹脂をキシレン等で希釈したものでコーティングされている。これにより、前端12側の表面を滑らかにしている。一方、後端13を覆うコネクタ14は、両端がそれぞれ開口した筒状部品であり、例えばチューブ本体11と同じ材質により一体成形される。なお、コネクタ14の前端側は、チューブ本体11の外周面との段差を解消するコーティングが施されている。
チューブ本体11の内側は、その前端12から後端13にかけて遮るものがない一続きの内腔となり、その内周面は凹凸形状がなく滑らかに連なるように成形されている。また、チューブ本体11にて、その前端12から次述する補強部20までの間に、チューブ内腔に連通する複数の側孔15が穿設されている。かかる側孔15は、前端12の開口が腸管内容物で万一詰まった場合にも対応し得るためである。
また、チューブ本体11には、その前端12から後端13にかけて線状に延びる造影ライン16が埋設されている。この造影ライン16は、例えば硫酸バリウムや酸化ビスマスから成り、X線下での画像診断の際にチューブ本体11の所在を容易に確認するためのものである。なお、造影ライン16には、通常時も目視によりその存在を確認できるように、適当な色にて着色しておくと良い。
そして、チューブ本体11の後端13側の途中にて、前端12より肛門に挿入して留置したとき肛門括約筋に接触する部位には、他の部位よりも高い硬度および肉厚を有する補強部20が形成されている。また、補強部20の後方に、その周囲に広がり肛門周囲の体表部に縫合により固定される固定片30が設けられている。ここで固定片30には、縫合糸(図示せず)を挿通させる小孔であって、その内周縁を補強した縫合糸挿通孔32が設けられている。
補強部20は、前記チューブ本体11の材質よりも高硬度の材質により形成された筒状部材を、前記チューブ本体11の途中に外嵌させた状態に接着もしくは固着して成る。補強部20は、両端がそれぞれ開口した筒状部品であるが、その後側には後述する一対の固定片30,30が一体に備えられている。なお、接着とは、主に接着剤で動かぬように固定することを指し、固着とは、接着剤での固定に限らず、成型により固定するような場合も含む。
詳しく言えば、補強部20である筒状部材の前半部は、その内径がチューブ本体11の外径にほぼ合致し、外径がチューブ本体11の外径よりも一回り大きい円筒状であり、高硬度の材質として、例えばポリウレタン等により一体成形される。かかる前半部の前端には、チューブ本体11の外周面より該筒状部材に向かって漸次拡径するテーパー21が設けられている。ここでテーパー21は、筒状部材自体の前側の一部とするものに限らず、接着剤等により筒状部材の前端面を覆う状態に盛り付けて形成しても良い。
固定片30は、前記筒状部材の後側よりさらに延出する部位を円周方向に複数に分断して成る。ここで固定片30の数や形状は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、一対の固定片30,30が補強部20である筒状部材の後方に延びるように一体成形されている。また、各固定片30は、筒状部材の前半部をそのまま分断したものではなく、それぞれ図示したように、多少拡径して膨らむような形状に熱変形されている。
各固定片30の根元が隣り合う境界の切込み形状は、そのまま鋭角の切込みではなく、ポンチ穴31を開けることで円味を持たせている。これにより、各固定片30の境界の切込みにおける応力の集中が避けられる。各固定片30は、それぞれ根元の部分、すなわちポンチ穴31の間を起点として、その周囲に向かって容易に広がるように変形し得る。ここで固定片30は、患者の臀部体表に直接当たるので、柔らかい材質が好ましい。なお、円味を持たせる方法としては、ポンチ穴31を開ける以外にも、円味のついた形状に予め成型されたものを使用することもある。
図2に示すように、各固定片30の略中央に前記縫合糸挿通孔32が設けられている。かかる縫合糸挿通孔32は、円形の小孔であるが、その内周縁は前述したように補強されている。補強の具体的な態様は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、縫合糸挿通孔32の内周縁に沿って環状部材33を配置し、該環状部材33をハトメ34を介して固定することにより、内周縁は強固に補強されている。
ここで環状部材33は、例えばナイロン等により一体成形されたものであり、固定片30の表裏片側の一方だけに配置しても良く、あるいは両面に計2つ配置しても良い。また、ハトメ34は、例えばポリカーボネイト等から成り、前記環状部材33を縫合糸挿通孔32の内周縁に固定できるものである。なお、図示省略した縫合糸の材質も、ナイロン等が適している。
次に、第1実施の形態に係る直腸用ドレーン10の作用について説明する。
図3に示すように、直腸用ドレーン10は、そのチューブ本体11の前端12より患者の肛門に挿入して留置する。このように、直腸用ドレーン10を直腸内に留置しているとき、特に肛門括約筋に接触する部位では軸心方向に圧迫されるが、当該部位には、他の部位よりも高い硬度および肉厚の補強部20が形成されている。
かかる補強部20によって、肛門括約筋によるチューブ本体11の潰れや内腔狭窄を低減することができ、直腸切除手術後における直腸内の減圧および腸管内容物の排出を効率良く行うことが可能となる。これにより、手術後に縫合不全が発生する可能性を極力低減することができ、医療の質と安全性を高めることができる。また、保険の請求が可能になると共に、病院側の代用品による不適正な使用の減少を図ることができる。
チューブ本体11の途中にて、前記補強部20の後方には、その周囲より側方へ一対の固定片30,30が広がる。かかる固定片30は肛門周りに当接するストッパーとしても機能し、この固定片30により後端13側のチューブ本体11の肛門内への挿入が阻止され、チューブ本体11を最適な位置に挿入することができる。
直腸用ドレーン10を挿入し終えたら、各固定片30を肛門周りの体表部に縫合して固定する。ここで固定片30には、縫合糸挿通孔32があるため、これに縫合糸を通して容易に縫合することができる。このような固定片30により、チューブ本体11を留置した所定の状態に確実に保持することができる。ただし、固定片30の縫合に際しては、ある程度は自由に動くように縫合糸に遊びを持たせると良い。
すなわち、患者は手術翌日から直腸用ドレーン10を体内に入れたまま、立ち上がったり、座ったり、歩いたり等といった通常の動作を行うので、直腸用ドレーン10はある程度は肛門より出てきたり入ったりする。これに対応できるように、固定片30は、それ自体も自由に変形し得る柔軟性に加えて、縫合糸にも遊びを持たせることが好ましい。
また、各固定片30にて縫合糸を通す縫合糸挿通孔32は、その内周縁が補強されているため、縫合糸挿通孔32が縫合糸で引っ張られても裂ける虞がない。ここで補強として、本実施の形態では、縫合糸挿通孔32の内周縁に沿って環状部材33を配置し、該環状部材33をハトメ34を介して固定している。このような簡易な構成により確実に補強することができ、縫合糸挿通孔32が縫合糸に引っ張られて裂けることを防止することができる。
また、前記補強部20として様々な構成が考えられるが、本実施の形態では前述したように、チューブ本体11の材質よりも高硬度の材質により成形された筒状部材を、チューブ本体11の途中に外嵌させた状態に接着もしくは固着すれば、簡易に構成することができる。このような筒状部材によれば、チューブ本体11の途中を全周方向で他の部位よりも高い硬度に保つことができる。また単に前記補強部20を肉厚にするだけでも、肛門括約筋による軸心方向への圧迫による潰れを防ぐことができる。
ここで、補強部20を成す筒状部材の前端側に、チューブ本体11の外周面より該筒状部材の前端外周面に向かって漸次拡径するテーパー21を設ける。かかるテーパー21により、筒状部材の前端における長手方向と直角な端面による段差が解消され、肛門ないし直腸内を傷付ける虞がなく滑らかな挿入が可能となり、患者の痛みを軽減することができる。
また、前記固定片30としては、補強部20と別体の部品を用意することなく、補強部20の一部として構成すれば、部品点数を抑えて簡易に作製することができる。すなわち、本実施の形態のように、補強部20を成す筒状部材は、その後端側よりさらに後方へ延出する筒状の部位を備えており、当該部位を円周方向に複数に分断して固定片30とする。
特に、各固定片30の根元が隣り合う境界の部分は、そのまま鋭角な切込み形状とすることなく、その頂部にポンチ穴31を開けて円味を持たせている。これにより、各固定片30の根元の切込みにおける応力の集中を避けられて、各固定片30の根元から裂けることを防止することができる。なお、各固定片30は、通常は互いに180度で対向する一対であれば足りる。
なお、直腸用ドレーン10を患者の直腸内に留置している際に、直腸用ドレーン10の後端13にあるコネクタ14には、排泄物等の漏れを防止するためにガーゼを詰めたり、別体の栓で塞ぐように対応すると良い。ここで一時的に栓で塞ぐことにより、患者は例えば、簡易にシャワーを浴びることも可能となる。また、手術前処置等によっては、コネクタ14に排液袋を接続して使用することも考えられる。
図4は、本発明の第2実施の形態を示している。
本実施の形態に係る直腸用ドレーン10Aは、前述した第1実施の形態に係る直腸用ドレーン10と基本的な構成は共通するが、チューブ本体11Aが、その前端12から後端13にかけて予め湾曲して延びるように形成されている。ここでの湾曲は、所定長さの直線状に一体成形したチューブ本体11Aを、成形後直ぐにドラム等に巻き付けて癖付けしたり、あるいは最初から湾曲した形状に一体成形しても良い。
前述した真っ直ぐ延びるチューブ本体11では、肛門より挿入するときに稀に入りにくい場合があり得るが、図示したように、チューブ本体11Aを予め緩やかに湾曲させることにより、肛門より挿入するときに容易に方向付けすることが可能となる。従って、肛門からよりいっそう容易に挿入することができる。なお、第1実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図5〜図7は、本発明の第3実施の形態を示している。
本実施の形態に係る直腸用ドレーン10Bは、前述した第1実施の形態に係る直腸用ドレーン10と基本的な構成は共通するが、一対の固定片30B,30Bが、補強部20を成す筒状部材の後側より予め周囲に広がる角度に根元から折曲されている。
このような直腸用ドレーン10Bによれば、各固定片30Bを肛門周りの体表部に容易に沿わせて縫合することができる。なお、第1実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図8は、本発明の第4実施の形態を示している。
本実施の形態に係る直腸用ドレーン10Cは、前述した第3実施の形態に係る直腸用ドレーン10Bと基本的な構成は共通するが、チューブ本体11Cが、前述した第2実施の形態に係るチューブ本体11Aと同様に、前端12から後端13にかけて予め湾曲して延びるように形成されている。
このような直腸用ドレーン10Cによれば、チューブ本体11Cを肛門からよりいっそう容易に挿入することができると共に、各固定片30Cを肛門周りの体表部に容易に沿わせて縫合することができる。なお、第1実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明を省略する。
続いて、前述した第3,第4実施の形態に係る直腸用ドレーン10B,10Cを使用するときの別の形態について説明する。図9〜図11は、これら直腸用ドレーン10B,10Cの使用形態の一例を示す説明図であり、図9は、各固定片30B(30C)を、補強部20を成す筒状部材の後端側を含めて前端側へ根元から一時的にめくった状態を示している。
このように、筒状部材の後端側は、所定長さに亘ってチューブ本体11の外周に接着もしくは固着されていない部位があり、当該部位は溝としてチューブ本体11の外周から離隔し、固定片30Bの根元(ポンチ穴31付近)から筒状部材の後端側を含めて、前端側へと一時的にめくることが可能となっている。このような作業は、最初から開いている各固定片30B,30Cの方が容易であるが、第1,第2実施の形態に係る固定片30についても同様に可能である。
次いで、図10に示すように、各固定片30B(30Cも含む)等をめくった状態で、チューブ本体11の後端13側(図10中の破線箇所)を切断する。ここで切断する箇所は、なるべく切断口が後方へ突出しないように、筒状部材の後端側をめくり上げた箇所の奥側(前端側)とする。かかる切断後、図11に示すように、めくっていた状態の固定片30B(30C)の根元ないし筒状部材の後端側を元の状態に戻す。
すると、元の状態に戻した固定片30B(30C)等が、チューブ本体11の後端13側の切断口に被ることになり、該切断口は内部に隠れるように隠蔽される。これにより、直腸用ドレーン10B,10Cを直腸内に留置している通常の使用時に、チューブ本体11の後端側が固定片30の根元より後方へ突出することがない。
従って、患者における留置時の違和感が緩和されて装着感は良くなり、また、チューブ本体11が後端13側より押されることもなくなり、前端12が直腸内壁に無用に干渉したり、穿孔する事態を防止することができる。なお、切断された後端13にはコネクタ14はないが、この切断口にも直接ガーゼや栓を詰めたり、あるいは一時的に排液袋を接続して使用しても良い。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記各実施の形態におけるチューブ本体11等の長さや、補強部20や固定片30等の具体的な形状は図示したものには限定されない。また、固定片30の数は、通常は一対あれば良いが、1つあるいは3つ以上設けることも考えられる。
また、前記補強部20に関しては、チューブ本体11よりも高い硬度の材質により肉厚に形成したが、同じ材質で肉厚に形成しても良く、あるいは肉厚を部分的に厚くすることなく、他の部位と同じ厚さで高い硬度の材質により形成しても良い。
さらに、前記固定片30には、内周縁を補強した縫合糸挿通孔32を設けたが、必ずしも補強する必要はなく、単に小孔32として設けても良い。また、小孔32も設けることなく、固定片30を臀部に密着させた状態で、テープ等により貼り付けて固定するようにしても良い。
本発明に係る直腸用ドレーンは、直腸切除手術後の処置に限られることなく、直腸内における適切な減圧および腸管内容物の排出を図るものとして広く適用することができる。
10…直腸用ドレーン
11…チューブ本体
12…前端
13…後端
14…コネクタ
15…側孔
16…造影ライン
20…補強部
21…テーパー
30…固定片
31…ポンチ穴
32…縫合糸挿通孔
33…環状部材
34…ハトメ

Claims (4)

  1. 患者の肛門より挿入して留置することにより、直腸内の減圧を図る直腸用ドレーンにおいて、
    長手方向に延び前端ないし後端が開口する中空で可撓性のあるチューブ本体を備え、
    前記チューブ本体の途中にて、前端側より肛門に挿入して留置したときに肛門内部に位置して肛門括約筋に接触する部位に、他の部位よりも肉厚となる補強部を前記チューブ本体と同じ材質により形成し、
    かつ前記補強部の後方に、その周囲に広がり肛門周りの体表部に固定する固定片を設けたことを特徴とする直腸用ドレーン。
  2. 前記固定片に、縫合糸を挿通させる小孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の直腸用ドレーン。
  3. 前記小孔は、その内周縁を補強した縫合糸挿通孔であることを特徴とする請求項2に記載の直腸用ドレーン。
  4. 前記縫合糸挿通孔の内周縁に沿って環状部材を配置し、該環状部材をハトメを介して固定したことにより、前記内周縁を補強したことを特徴とする請求項3に記載の直腸用ドレーン。
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