JP6611669B2 - 作業車 - Google Patents

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Description

本発明は、車体フレームに固定される下側フレームと、前記下側フレームの上端部に起伏揺動可能に連結される上側フレームとを有する保護フレームを備えた作業車に関する。
上記のような作業車に装備される保護フレームとしては、作業者の人為操作で上側フレームの姿勢が起立姿勢と倒伏姿勢とに切り替えられることで、上側フレームが起立姿勢で下側フレームの上方に位置する保護状態と、上側フレームが倒伏姿勢で下側フレームの後側に位置する格納状態とに切り替わる人為操作式に構成されたものがある(例えば特許文献1参照)。
又、上記のような作業車に装備される保護フレームとしては、油圧シリンダの伸縮作動で上側フレームの姿勢が起立姿勢と倒伏姿勢とに切り替えられることで、上側フレームが起立姿勢で下側フレームの上方に位置する保護状態と、上側フレームが倒伏姿勢で下側フレームの前側に位置する格納状態とに切り替わる油圧操作式に構成されたものがある(例えば特許文献2参照)。
特開2008−81043号公報(段落番号0013〜0016、図1〜4) 欧州特許出願公開第0051100号明細書
前述した特許文献1に記載の構成では、作業者が保護フレームを保護状態から格納状態に切り替えるときに、上側フレームが自重による倒伏力で勢いよく倒伏揺動することを防ぐために、下側フレームと上側フレームとを起伏揺動可能に連結するボルト・ナットの締め付けを強くしておくことが一般的である。そのため、作業者が保護フレームを保護状態から格納状態に切り替えるときには、ボルト・ナットの締め付けで得られる保持力よりも大きい操作力で上側フレームを倒伏揺動させる必要がある。又、作業者が保護フレームを格納状態から保護状態に切り替えるときには、前述した保持力と上側フレームの自重による倒伏力とに抗するより大きい操作力で上側フレームを起立揺動させる必要がある。従って、保護フレームの切り替え操作に要する作業者の労力を軽減する上において改善の余地がある。
前述した特許文献2に記載の構成では、作業者は、保護フレームを保護状態と格納状態とに切り替えるときには、専用の操作具を操作して油圧シリンダを伸縮作動させるだけであることから、保護フレームの切り替え操作に要する作業者の労力を大幅に軽減することができる。その反面、油圧シリンダ、及び、油圧シリンダに対するオイルの流れを切り替える切替弁、などを装備する必要があり、又、油圧シリンダ及び切替弁などの複数の油圧機器にわたって配管する手間を要することになる。従って、部品点数の増加によるコストの高騰及び製造の複雑化などを招くことになる。
つまり、コストの高騰及び製造の複雑化などを抑制しながら、保護フレームの切り替え操作に要する労力を軽減することが望まれている。
上記の課題を解決するための手段として、
車体フレームに固定される下側フレームと、前記下側フレームの上端部に起伏揺動可能に連結される上側フレームとを有する保護フレームを備え、
前記保護フレームは、人為操作による前記上側フレームの起伏揺動で、前記上側フレームが起立姿勢で前記下側フレームの上方に位置する保護状態と、前記上側フレームが倒伏姿勢で前記下側フレームの前後一方側に位置する格納状態とに切り替えられ、
前記保護フレームは、前記人為操作をアシストするアシスト機構を備えており、
前記アシスト機構は、前記上側フレームが前記起立姿勢と前記倒伏姿勢との間の所定姿勢よりも起立姿勢側に位置する状態では、前記アシスト機構のアシスト力が前記上側フレームの自重による倒伏力よりも大きくなり、前記上側フレームが前記所定姿勢よりも倒伏姿勢側に位置する状態では、前記アシスト機構のアシスト力が前記上側フレームの前記倒伏力よりも小さくなるように設定されている
この手段によると、作業者が、保護フレームを保護状態と格納状態とに切り替えるために、上側フレームを起立姿勢と倒伏姿勢とに起伏揺動させるときには、アシスト機構のアシストで、保護フレームの人為操作に要する労力を軽減することができる。そして、アシスト機構は、油圧シリンダ又は電動シリンダなどのアクチュエータのようにエネルギーの供給を受ける必要がないことから、アクチュエータを装備する場合に比較して、エネルギーをアクチュエータに供給するための切替弁、電子機器、配管、配線、などが不要になる。その結果、部品点数の増加によるコストの高騰及び製造の複雑化などを抑制しながら、保護フレームの切り替え操作に要する労力を軽減することができる。
さらに、この手段によると、作業者は、上側フレームを起立姿勢から倒伏姿勢に倒伏揺動させるときには、上側フレームが起立姿勢から所定姿勢を越えて倒伏姿勢側に達するまでの間だけ、作業者の操作力と上側フレームの自重による倒伏力との合力がアシスト機構のアシスト力よりも大きくなるように、上側フレームを倒伏方向に揺動操作すれば、上側フレームが倒伏姿勢側に達した後は、上側フレームの自重による倒伏力のみで上側フレームが倒伏姿勢に向けて倒伏揺動する。又、作業者は、上側フレームを倒伏姿勢から起立姿勢に起立揺動させるときには、上側フレームが倒伏姿勢から所定姿勢を越えて起立姿勢側に達するまでの間だけ、作業者の操作力とアシスト機構のアシスト力との合力が上側フレームの自重による倒伏力よりも大きくなるように、上側フレームを起立方向に揺動操作すれば、上側フレームが起立姿勢側に達した後は、アシスト機構のアシスト力のみで上側フレームが起立姿勢に向けて起立揺動する。その結果、保護フレームの切り替え操作に要する労力を更に軽減することができる。
又、上記の課題を解決するための手段として、
車体フレームに固定される下側フレームと、前記下側フレームの上端部に起伏揺動可能に連結される上側フレームとを有する保護フレームを備え、
前記保護フレームは、人為操作による前記上側フレームの起伏揺動で、前記上側フレームが起立姿勢で前記下側フレームの上方に位置する保護状態と、前記上側フレームが倒伏姿勢で前記下側フレームの前後一方側に位置する格納状態とに切り替えられ、
前記保護フレームは、前記人為操作をアシストするアシスト機構を備えており、
前記下側フレームの上端部は、左右方向に沿う姿勢の支軸を介して前記上側フレームの下端部が連結される左右の側壁と、前記上側フレームの前記起立姿勢から前記倒伏姿勢の反対側への揺動を阻止する前壁又は後壁とを備える平面視U字状に形成され、
前記保護フレームは、前記上側フレームを前記起立姿勢で固定する固定機構を備え、
前記固定機構は、左右の前記側壁を左右方向に突き抜ける第1孔と、前記上側フレームの下端部を左右方向に突き抜ける第2孔と、前記起立姿勢において前記第1孔と前記第2孔とに差し込まれる固定ピンと、前記第1孔と同じ高さに位置して前記前壁又は前記後壁を前後方向に突き抜ける雌ネジ部と、前記雌ネジ部にねじ込み装着されるボルトとを備えている。
この手段によると、作業者が、保護フレームを保護状態と格納状態とに切り替えるために、上側フレームを起立姿勢と倒伏姿勢とに起伏揺動させるときには、アシスト機構のアシストで、保護フレームの人為操作に要する労力を軽減することができる。そして、アシスト機構は、油圧シリンダ又は電動シリンダなどのアクチュエータのようにエネルギーの供給を受ける必要がないことから、アクチュエータを装備する場合に比較して、エネルギーをアクチュエータに供給するための切替弁、電子機器、配管、配線、などが不要になる。その結果、部品点数の増加によるコストの高騰及び製造の複雑化などを抑制しながら、保護フレームの切り替え操作に要する労力を軽減することができる。
さらに、この手段によると、作業者は、上側フレームを起立姿勢に起立揺動させた後、固定ピンを、下側フレームの左右の第1孔と上側フレームの第2孔とに差し込むことで、上側フレームを起立姿勢で固定することができる。その後、下側フレームの雌ネジ部にねじ込み装着されたボルトをねじ込み操作して、上側フレームの下端部において固定ピンとボルトとの間に位置する所定部位を固定ピンとボルトとで挟み込むことで、上側フレームの起立姿勢でのガタツキを阻止することができる。その結果、上側フレームを起立姿勢にてガタツキのない状態で確実に固定することができる。
上記の課題を解決するための手段として、
車体フレームに固定される下側フレームと、前記下側フレームの上端部に起伏揺動可能に連結される上側フレームとを有する保護フレームを備え、
前記保護フレームは、人為操作による前記上側フレームの起伏揺動で、前記上側フレームが起立姿勢で前記下側フレームの上方に位置する保護状態と、前記上側フレームが倒伏姿勢で前記下側フレームの前後一方側に位置する格納状態とに切り替えられ、
前記保護フレームは、前記人為操作をアシストするアシスト機構を備えており、
前記下側フレームの上端部は、左右方向に沿う姿勢の支軸を介して前記上側フレームの下端部が連結される左右の側壁と、前記上側フレームの前記起立姿勢から前記倒伏姿勢の反対側への揺動を阻止する前壁又は後壁とを備える平面視U字状に形成され、
前記保護フレームは、前記上側フレームを前記起立姿勢で固定する固定機構を備え、
前記固定機構は、前記前壁又は前記後壁における前記支軸よりも上側の位置に配置されて前記起立姿勢の前記上側フレームを受け止める受止部と、前記支軸よりも下側の位置で前記前壁又は前記後壁を前後方向に突き抜ける雌ネジ部と、前記雌ネジ部にねじ込み装着されるボルトとを備えている。
この手段によると、作業者が、保護フレームを保護状態と格納状態とに切り替えるために、上側フレームを起立姿勢と倒伏姿勢とに起伏揺動させるときには、アシスト機構のアシストで、保護フレームの人為操作に要する労力を軽減することができる。そして、アシスト機構は、油圧シリンダ又は電動シリンダなどのアクチュエータのようにエネルギーの供給を受ける必要がないことから、アクチュエータを装備する場合に比較して、エネルギーをアクチュエータに供給するための切替弁、電子機器、配管、配線、などが不要になる。その結果、部品点数の増加によるコストの高騰及び製造の複雑化などを抑制しながら、保護フレームの切り替え操作に要する労力を軽減することができる。
さらに、この手段によると、作業者は、上側フレームを起立姿勢に起立揺動させた後、下側フレームの雌ネジ部にねじ込み装着されたボルトをねじ込み操作して、上側フレームにおける支軸よりも下側の下端部位をボルトで押圧する。すると、上側フレームにおける支軸よりも上側の下端部が受止部に押し付けられ、これにより、上側フレームが起立姿勢にてガタツキのない状態で固定される。つまり、上側フレームを起立姿勢に起立揺動させた後、ボルトのねじ込み操作を行うだけで、上側フレームを起立姿勢にてガタツキのない状態で確実に固定することができる。
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記アシスト機構は、前記上側フレームの倒れる側に起立姿勢で配備されるガススプリングであり、該ガススプリングは前記上側フレームを起立方向に揺動付勢している。
例えば、アシスト機構として引っ張りバネを採用する場合には、上側フレームの起伏揺動において引っ張りバネが下側フレームに接触しないように、引っ張りバネを保護フレームの横側方に配備する必要がある。そのため、アシスト機構の装備により、保護フレームの左右幅とともに車体の左右幅が広くなる不都合を招くことになる。
これに対し、この手段では、アシスト機構がガススプリングであることで、アシスト機構を保護フレームの横側方に配備する必要がないことから、アシスト機構の装備によって車体の左右幅が広くなる不都合を招くことはない。
その結果、車体の左右幅が広くなる不都合を招くことなく、保護フレームの切り替え操作に要する労力を軽減することができる。
更に、この手段によると、作業者が、保護フレームを保護状態から格納状態に切り替えるために、上側フレームを起立姿勢から倒伏姿勢に倒伏揺動させるときには、アシスト機構のアシストで、上側フレームの自重による倒伏揺動を抑制することができる。これにより、例えば、下側フレームと上側フレームとを起伏揺動可能に連結するボルト・ナットの締め付けを強くするなどの手段を講じることなく、上側フレームが自重による倒伏力で勢いよく倒伏揺動する不都合の発生を阻止することができる。
又、作業者が、保護フレームを格納状態から保護状態に切り替えるために、上側フレームを倒伏姿勢から起立姿勢に起立揺動させるときには、アシスト機構のアシストで、上側フレームの起立揺動を促進させることができる。これにより、作業者は、上側フレームの自重による倒伏力に抗した上側フレームの起立揺動操作を軽い操作で速やかに行うことができる。
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記ガススプリングの下端部は、該下端部の上下方向での位置調節を可能にする位置調節機構を介して、前記車体フレーム又は前記下側フレームに連結されている。
この手段によると、作業者は、ガススプリングにおける下端部の車体フレーム又は下側フレームに対する連結位置を、位置調節機構によって上下方向に位置調節することができる。
これにより、ガススプリングの組み付け状態での最大長さを変更することができ、この最大長さでガススプリングが発揮する上側フレームの起立姿勢での保持力を調節することができる。
又、位置調節機構の配置高さが低くなることで、作業者などが位置調節機構に接触し難くなり、この接触に起因して、不測にガススプリングの下端部が上下方向に位置調節される不都合の発生を抑制することができる。
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記ガススプリングの上端部は、該上端部の上下方向での位置調節を可能にする位置調節機構を介して、前記上側フレームに連結されている。
この手段によると、作業者は、ガススプリングにおける上端部の上側フレームに対する連結位置を、位置調節機構によって上下方向に位置調節することができる。
これにより、ガススプリングの組み付け状態での最大長さを変更することができ、この最大長さでガススプリングが発揮する上側フレームの起立姿勢での保持力を調節することができる。
又、位置調節機構の配置高さが高くなることで、作業者は位置調節機構の操作が行い易くなり、位置調節機構の操作によるガススプリングの上端部の上側フレームに対する連結位置の上下方向での位置調節が行い易くなる。
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記位置調節機構は、前記ガススプリングの下端部に揺動可能にピン連結される第1部材と、前記車体フレーム又は前記下側フレームに固定された第2部材と、前記第1部材を前記第2部材の下方から上下方向に位置調節可能に前記第2部材に連結するネジ式の第1連結具と、前記第1連結具による連結位置で前記第1部材を前記第2部材に位置調節不能に連結する第2連結具とを備えている。
この手段によると、作業者は、ガススプリングを車体に組み付けるときには、先ず、第1部材をガススプリングの下端部にピン連結した状態で、ガススプリングの上端部を上側フレームに揺動可能に連結する。その次に、第1部材を上方の第2部材に連結するための第1連結具のねじ込み操作を行うと、このときのねじ込み操作に伴ってガススプリングが収縮しながら、第1部材が第2部材に連結される。そして、この連結後に、第2連結具による連結操作を行うと、第2連結具によって第1部材が第2部材に位置調節不能に固定され、これにより、ガススプリングの車体への組み付けが完了する。
これに対し、例えば、ガススプリングの下端部を車体フレーム又は下側フレームにピン連結する構成では、作業者は、ガススプリングの上端部を上側フレームに揺動可能に連結した後、ガススプリングの下端部が車体フレーム又は下側フレームとの連結位置に位置する状態が得られるように、ガススプリングを人力で収縮させる収縮操作を行いながら、ガススプリングの下端部を車体フレーム又は下側フレームにピン連結する連結操作を行う必要がある。
つまり、この手段では、前述したように第1連結具のねじ込み操作でガススプリングを収縮させることができ、ガススプリングを収縮させるための人為操作を行う必要がないことから、車体に対するガススプリングの組み付けが容易になる。
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記位置調節機構は、前記ガススプリングの上端部に揺動可能にピン連結される第1部材と、前記上側フレームに固定された第2部材と、前記第1部材を前記第2部材の上方から上下方向に位置調節可能に前記第2部材に連結するネジ式の第1連結具と、前記第1連結具による連結位置で前記第1部材を前記第2部材に位置調節不能に連結する第2連結具とを備えている。
この手段によると、作業者は、ガススプリングを車体に組み付けるときには、先ず、第1部材をガススプリングの上端部にピン連結した状態で、ガススプリングの下端部を車体フレーム又は下側フレームに揺動可能に連結する。その次に、第1部材を下方の第2部材に連結するための第1連結具のねじ込み操作を行うと、このときのねじ込み操作に伴ってガススプリングが収縮しながら、第1部材が第2部材に連結される。そして、この連結後に、第2連結具による連結操作を行うと、第2連結具によって第1部材が第2部材に位置調節不能に固定され、これにより、ガススプリングの車体への組み付けが完了する。
これに対し、例えば、ガススプリングの上端部を上側フレームにピン連結する構成では、作業者は、ガススプリングの下端部を車体フレーム又は下側フレームに揺動可能に連結した後、ガススプリングの上端部が上側フレームとの連結位置に位置する状態が得られるように、ガススプリングを人力で収縮させる収縮操作を行いながら、ガススプリングの上端部を上側フレームにピン連結する連結操作を行う必要がある。
つまり、この手段では、前述したように第1連結具のねじ込み操作に伴ってガススプリングを収縮させることができ、ガススプリングを収縮させるための人為操作を行う必要がないことから、車体に対するガススプリングの組み付けが容易になる。
トラクタの左側面図である。 トラクタの平面図である。 保護フレームの保護状態と格納状態とを示すトラクタ前半部の左側面図である。 保護フレームの構成を示す保護フレームの正面図である。 アシスト機構の下端部を下側フレームに連結する前の状態を示す要部の斜視図である。 アシスト機構の下端部を第1連結具で下側フレームに連結する状態を示す要部の斜視図である。 アシスト機構の下端部を第1連結具で下側フレームに連結した後に第2連結具で固定する状態を示す要部の斜視図である。 固定機構による上側フレームの起立姿勢での固定状態を示す要部の縦断左側面図である。 別実施形態の固定機構による上側フレームの起立姿勢での固定状態を示す要部の縦断左側面である。
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を、作業車の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、図1に記載した符号Fの矢印が指し示す方向がトラクタの前側であり、符号Uの矢印が指し示す方向がトラクタの上側である。
又、図2に記載した符号Fの矢印が指し示す方向がトラクタの前側であり、符号Rの矢印が指し示す方向がトラクタの右側である。
図1〜3に示すように、本実施形態で例示されるトラクタは、車体の前後にわたる車体フレーム1、車体の前部側に配置される原動部2、車体の後部側に配置される搭乗式の運転部3、操舵可能で原動部2からの動力で駆動可能な左右の前輪4、原動部2からの動力で駆動される左右の後輪5、左右の後輪5を上方から覆う左右のフェンダ6、車体の後端部に配置される第1保護フレーム7、車体の前後中間側に配置される第2保護フレーム8、及び、車体の後部への耕耘装置などの作業装置(図示せず)の着脱を可能にするリンク機構9、などを備えている。
車体フレーム1は、鋼板製の前側フレーム10、鋼板製の中間フレーム11、及び、鋳物製の後側フレーム12、などを備えている。図示は省略するが、後側フレーム12は、走行用の主変速装置、走行用の副変速装置、及び、作業用の変速装置、などを内蔵するトランスミッションケースを兼ねている。そして、後側フレーム12の後部には、リンク機構9などを介した作業装置の昇降駆動を可能にする油圧式の昇降装置、及び、作業装置への動力の取り出しを可能にするPTO軸、などが配備されている。
図1〜3に示すように、原動部2は、前側フレーム10に支持されるエンジン13、及び、エンジン13などを覆うボンネット14、などを備えている。
運転部3は、前輪操舵用のステアリングホイール15、主変速装置の人為操作を可能にする主変速レバー16、副変速装置の人為操作を可能にする副変速レバー17、作業用の変速装置の人為操作を可能にする作業用の変速レバー18、昇降装置の人為操作を可能にする昇降レバー19、及び、左右のフェンダ6の間に配置される運転座席20、などを備えている。主変速レバー16及び昇降レバー19は、運転座席20の右外側に配備されている。副変速レバー17及び作業用の変速レバー18は、運転座席20の左外側に配備されている。
図1及び図2に示すように、第1保護フレーム7は、車体フレーム1に固定される第1下側フレーム21、第1下側フレーム21の上端部に左右の中継部材22を介して連結される第1上側フレーム23、及び、左右の中継部材22と第1上側フレーム23とに支持される仕切壁24、などを備えている。
第1下側フレーム21は、後側フレーム12の後端部にボルト連結される左右の連結部材25、及び、左右の連結部材25から上方に延びる左右の第1支柱部材26、などを備えている。左右の連結部材25は鋼板製である。左右の第1支柱部材26は、角形鋼管製で、それらの下部側が左右の連結部材25と左右の後輪5との間に位置し、それらの上部側が左右の後輪5の上方に位置するクランク状に曲げ形成されている。
第1上側フレーム23は、角形鋼管製で、左右の中継部材22にわたる下向きU字状に曲げ形成されている。そして、第1上側フレーム23の上端が、運転座席20の上端近くで、運転座席20の上端よりも高い位置に位置している。
仕切壁24は、第1上側フレーム23の左右両端部にわたる左右幅と、左右のリアフェンダ6の上端近くから第1上側フレーム23の上端部にわたる上下幅とを有して、車体における第1保護フレーム7から車体前側の運転側領域と第1保護フレーム7から車体後側の作業装置側領域とを仕切るように配備されている。
上記の構成により、例えば、作業装置側領域で作業装置のメンテナンスなどを行う作業者の腕などの他物が、作業装置側領域から運転側領域に入り込んで、運転部3に配備された主変速レバー16などの各操作具に接触する虞を回避することができる。
仕切壁24には、多数の角穴が形成された多孔板が採用されている。
これにより、仕切壁24を備えながら、車体後方に対する運転者の視認性を確保することができる。又、車体の運転側領域と作業装置側領域との間での通気性を確保することができ、走行中に仕切壁24にかかる抵抗を低減することができる。
図1〜4に示すように、第2保護フレーム8は、車体フレーム1に固定される第2下側フレーム31、及び、第2下側フレーム31の上端部に起伏揺動可能に連結される第2上側フレーム32、などを有している。そして、第2保護フレーム8は、人為操作による第2上側フレーム32の起伏揺動で、第2上側フレーム32が起立姿勢で第2下側フレーム31の上方に位置する保護状態と、第2上側フレーム32が倒伏姿勢で第2下側フレーム31の前側に位置する格納状態とに切り替えられる。
第2下側フレーム31は、前側フレーム10の後端部にボルト連結される単一の内側連結部材33、前側フレーム10と内側連結部材33とにボルト連結される左右の外側連結部材34、及び、左右の外側連結部材34から上方に延びる左右の第2支柱部材35、などを備えている。内側連結部材33及び左右の外側連結部材34は鋼板製である。左右の第2支柱部材35は、角形鋼管製で、それらの下端側が左右の外側連結部材34から横外側上方に向けて湾曲するJ字状に曲げ形成されている。左右の第2支柱部材35は、それらの上端部の高さ位置がボンネット14の上端部の高さ位置と同じになるように、左右の外側連結部材34からの延出長さが設定されている。
第2上側フレーム32は、角形鋼管製で、左右の第2支柱部材35の上端部にわたる下向きU字状に曲げ形成されている。そして、第2上側フレーム32の左右の下端部が、左右の第2支柱部材35の上端部に、左右のボルト36及び左右のナット37を介して前後揺動可能に連結されている。
第2上側フレーム32は、起立姿勢では、第2上側フレーム32の上端部が第1保護フレーム7の上端部よりも車体の上側に位置し、倒伏姿勢では、第2上側フレーム32の前端部がボンネット14の前端部よりも車体の前側に位置するように、第2下側フレーム31の上端部からの延出長さが設定されている。又、第2上側フレーム32は、倒伏姿勢では、第2上側フレーム32の全体がボンネット14の上端よりも車体の下側に位置するように設定されている。
これにより、第2保護フレーム8は、第2上側フレーム32が起立姿勢に切り替えられた保護状態では、車体フレーム1から車体の上側に第1保護フレーム7よりも長く延出する状態となり、結果、運転座席20に着座した運転者を第1保護フレーム7とともに好適に保護することができる。
又、第2保護フレーム8は、第2上側フレーム32が倒伏姿勢に切り替えられた格納状態では、第2上側フレーム32がボンネット14の上端よりも車体の下側に位置する状態となり、結果、トラクタを高さの低い納屋などに容易に格納することができる。
第2保護フレーム8は、作業者によって第2上側フレーム32の姿勢が起立姿勢と倒伏姿勢とに切り替えられるときの人為操作をアシストするアシスト機構38を備えている。
アシスト機構38は、第2上側フレーム32を起立方向に揺動付勢している。
この構成によると、作業者が、第2保護フレーム8を保護状態から格納状態に切り替えるために、第2上側フレーム32を起立姿勢から倒伏姿勢に倒伏揺動させるときには、アシスト機構38のアシストで、第2上側フレーム32の自重による倒伏揺動を抑制することができる。これにより、例えば、第2下側フレーム31と第2上側フレーム32とを起伏揺動可能に連結するボルト36及びナット37の締め付けを強くするなどの手段を講じることなく、第2上側フレーム32が自重による倒伏力で勢いよく倒伏揺動する不都合の発生を阻止することができる。
又、作業者が、第2保護フレーム8を格納状態から保護状態に切り替えるために、第2上側フレーム32を倒伏姿勢から起立姿勢に起立揺動させるときには、アシスト機構38のアシストで、第2上側フレーム32の起立揺動を促進させることができる。これにより、作業者は、第2上側フレーム32の自重による倒伏力に抗した第2上側フレーム32の起立揺動操作を軽い操作で速やかに行うことができる。
そして、アシスト機構38は、油圧シリンダ又は電動シリンダなどのアクチュエータのようにエネルギーの供給を受ける必要がないことから、アクチュエータを装備する場合に比較して、エネルギーをアクチュエータに供給するための切替弁、電子機器、配管、配線、などが不要になる。
その結果、部品点数の増加によるコストの高騰及び製造の複雑化などを抑制しながら、第2保護フレーム8の切り替え操作に要する労力を軽減することができる。
アシスト機構38は、第2上側フレーム32の倒れる側に起立姿勢で配備されるガススプリング38であり、ガススプリング38は、その伸長作動で第2上側フレーム32を起立方向に揺動付勢している。
例えば、アシスト機構38として引っ張りバネを採用する場合には、第2上側フレーム32の起伏揺動において引っ張りバネが第2下側フレーム31に接触しないように、引っ張りバネを第2保護フレーム8の横側方に配備する必要がある。そのため、アシスト機構38の装備により、第2保護フレーム8の左右幅とともに車体の左右幅が広くなる不都合を招くことになる。
これに対し、この実施形態では、アシスト機構38がガススプリング38であることで、アシスト機構38を第2保護フレーム8の横側方に配備する必要がないことから、アシスト機構38の装備によって車体の左右幅が広くなる不都合を招くことはない。
その結果、車体の左右幅が広くなる不都合を招くことなく、第2保護フレーム8の切り替え操作に要する労力を軽減することができる。
ガススプリング38は、第2上側フレーム32が起立姿勢と倒伏姿勢との間の所定姿勢(図3にて一点鎖線で示す揺動姿勢)よりも起立姿勢側に位置する状態では、ガススプリング38のアシスト力が第2上側フレーム32の自重による倒伏力よりも大きくなり、第2上側フレーム32が所定姿勢よりも倒伏姿勢側に位置する状態では、ガススプリング38のアシスト力が第2上側フレーム32の自重による倒伏力よりも小さくなるように設定されている。
これにより、作業者は、第2上側フレーム32を起立姿勢から倒伏姿勢に倒伏揺動させるときには、第2上側フレーム32が起立姿勢から所定姿勢を越えて倒伏姿勢側に達するまでの間だけ、作業者の操作力と第2上側フレーム32の自重による倒伏力との合力がガススプリング38のアシスト力よりも大きくなるように、第2上側フレーム32を倒伏方向に揺動操作すれば、第2上側フレーム32が倒伏姿勢側に達した後は、第2上側フレーム32の自重による倒伏力のみで第2上側フレーム32が倒伏姿勢に向けて倒伏揺動する。
又、作業者は、第2上側フレーム32を倒伏姿勢から起立姿勢に起立揺動させるときには、第2上側フレーム32が倒伏姿勢から所定姿勢を越えて起立姿勢側に達するまでの間だけ、作業者の操作力とガススプリング38のアシスト力との合力が第2上側フレーム32の自重による倒伏力よりも大きくなるように、第2上側フレーム32を起立方向に揺動操作すれば、第2上側フレーム32が起立姿勢側に達した後は、ガススプリング38のアシスト力のみで第2上側フレーム32が起立姿勢に向けて起立揺動する。
その結果、第2保護フレーム8の切り替え操作に要する労力を更に軽減することができる。
ガススプリング38は、シリンダチューブ38Aが車体の上側に位置し、ピストンロッド38Bが車体の下側に位置する起立姿勢で第2保護フレーム8に装備されている。
これにより、雨水又は洗浄水などが、シリンダチューブ38Aとピストンロッド38Bとの摺接箇所からガススプリング38の内部に浸入する不都合の発生を防止することができる。
図1〜7に示すように、ガススプリング38の上端部は、第2上側フレーム32に揺動可能にピン連結されている。ガススプリング38の下端部は、その下端部を第2下側フレーム31に下方からねじ込み連結する連結機構40を介して第2下側フレーム31に連結されている。
この構成によると、作業者は、ガススプリング38を車体に組み付けるときには、先ず、ガススプリング38の上端部を第2上側フレーム32に揺動可能にピン連結する。次に、連結機構40により、ガススプリング38の下端部を第2下側フレーム31に下方からねじ込み連結する。すると、連結機構40によるねじ込み連結時には、このときのねじ込み操作に伴って、ガススプリング38が収縮しながら、ガススプリング38の下端部が第2下側フレーム31に下方から連結されることになる。
これに対し、例えば、ガススプリング38の下端部を第2下側フレーム31にピン連結する構成では、作業者は、ガススプリング38の上端部を第2上側フレーム32に揺動可能にピン連結した後、ガススプリング38の下端部が第2下側フレーム31との連結位置に位置する状態が得られるように、ガススプリング38を人力で収縮させる収縮操作を行いながら、ガススプリング38の下端部を第2下側フレーム31にピン連結する連結操作を行う必要がある。
つまり、連結機構40を介して連結する構成では、前述したように、連結機構40によるねじ込み連結時のねじ込み操作に伴ってガススプリング38を収縮させることができ、ガススプリング38を収縮させるための人為操作を行う必要がないことから、車体に対するガススプリング38の組み付けが容易になる。
図3〜7に示すように、連結機構40は、ガススプリング38の下端部に揺動可能にピン連結される第1部材41、第2下側フレーム31に固定された第2部材42、第1部材41を第2部材42の下方から第2部材42に連結するネジ式の第1連結具43、及び、第1連結具43による連結後に第1部材41を第2部材42に連結する第2連結具44、を備えている。
この構成によると、作業者は、ガススプリング38の下端部を第2下側フレーム31に連結するときには、先ず、第1部材41をガススプリング38の下端部にピン連結する。
その次に、第1部材41を上方の第2部材42に連結するための第1連結具43のねじ込み操作を行うと、このときのねじ込み操作に伴ってガススプリング38が収縮しながら、第1部材41が第2部材42に連結される。そして、この連結後に、第2連結具44による連結操作を行うと、第2連結具44によって第1部材41と第2部材42とが更に連結される。
これにより、作業者は、第1部材41を簡単な操作でより強固に第2部材42に固定することができる。
第1連結具43は、第1部材41と第2部材42とのそれぞれに形成された第1連結孔41A,42Aに差し込まれる第1ボルト45、及び、第1ボルト45にねじ込み装着される第1ナット46、を備えている。
第2連結具44は、第1部材41と第2部材42とのそれぞれに形成された第2連結孔41B,42Bに差し込まれる第2ボルト47、及び、第2ボルト47にねじ込み装着される第2ナット48、を備えている。
ガススプリング38の下端部は、第1ボルト45に対する第1ナット46のねじ込み量、及び、第2ボルト47に対する第2ナット48のねじ込み量に応じて、第2下側フレーム31に対する連結位置が上下方向に変更される。
つまり、連結機構40は、ガススプリング38の下端部を第2下側フレーム31に上下方向に位置調節可能に連結する位置調節機構40として機能させることができる。そして、ガススプリング38の下端部は、その下端部の上下方向での位置調節を可能にする位置調節機構40を介して第2下側フレーム31に連結されることになる。
これにより、作業者は、ガススプリング38における下端部の第2下側フレーム31に対する連結位置を、位置調節機構40によって上下方向に位置調節することができる。そして、この位置調節により、ガススプリング38の組み付け状態での最大長さを変更することができ、この最大長さでガススプリング38が発揮する第2上側フレーム32の起立姿勢での保持力を調節することができる。
又、上記の位置調節により、第2上側フレーム32の自重による倒伏力とガススプリング38のアシスト力とがバランスする第2上側フレーム32の所定姿勢を変更することができる。
尚、上記のように連結機構40を位置調節機構40として機能させる場合には、第1部材41と第2部材42との間に、ガススプリング38の下端部を第2下側フレーム31に対する位置調節後の連結位置に維持するためのスペーサ(図示せず)を介在させることになる。
図1〜4及び図8に示すように、第2下側フレーム31の左右の上端部は、それぞれ、左右の側壁50と後壁51とを備える平面視U字状に形成されている。各上端部の左右の側壁50には、第2上側フレーム32の左右いずれかの下端部が、左右方向に沿う姿勢の支軸となるボルト36などを介して連結されている。各上端部の後壁51は、第2上側フレーム32の左右いずれかの下端部を受け止めることで、第2上側フレーム32の起立姿勢から倒伏姿勢の反対側への揺動を阻止する。
第2保護フレーム8は、第2上側フレーム32を起立姿勢で固定する左右の固定機構52を備えている。左右の固定機構52は、それぞれ、左右の側壁50を左右方向に突き抜ける第1孔50A、第2上側フレーム32の下端部を左右方向に突き抜ける左右の第2孔32A、第2上側フレーム32の起立姿勢において左右の第1孔50Aと左右の第2孔32Aとに差し込まれる固定ピン53、左右の第1孔50Aと同じ高さに位置して後壁51を前後方向に突き抜ける雌ネジ部51A、及び、雌ネジ部51Aにねじ込み装着されるボルト54、を備えている。
上記の構成によると、作業者は、第2上側フレーム32を起立姿勢に起立揺動させた後、左右の各固定機構52において、固定ピン53を、第2下側フレーム31の左右の第1孔50Aと第2上側フレーム32の左右の第2孔32Aとに差し込むことで、第2上側フレーム32を起立姿勢で固定することができる。その後、左右の各固定機構52において、第2下側フレーム31の雌ネジ部51Aにねじ込み装着されたボルト54をねじ込み操作して、第2上側フレーム32の下端部において固定ピン53とボルト54との間に位置する所定部位を固定ピン53とボルト54とで挟み込むことで、第2上側フレーム32の起立姿勢でのガタツキを阻止することができる。
その結果、第2上側フレーム32を起立姿勢にてガタツキのない状態で確実に固定することができる。
図3、図4及び図8に示すように、第2下側フレーム31は、左右の上端部のそれぞれに、第2上側フレーム32を倒伏姿勢で受け止める受具55を備えている。左右の受具55は、対応する左右の側壁50の前側下端部に架設されている。
左右の固定機構52は、それぞれ、固定ピン53による第2上側フレーム32の倒伏姿勢での固定を可能にする第3孔50Bを左右の側壁50に備えている。各第3孔50Bは、各側壁50における倒伏姿勢での第2上側フレーム32の各第2孔32Aとの対向箇所に形成されている。
これにより、作業者は、第2上側フレーム32を倒伏姿勢に倒伏揺動させた後、左右の各固定機構52において、固定ピン53を、第2下側フレーム31の左右の第3孔50Bと第2上側フレーム32の左右の第2孔32Aとに差し込むことで、第2上側フレーム32を倒伏姿勢で固定することができる。
図4及び図8に示すように、第2上側フレーム32は、左右の下端部のそれぞれに、第2下側フレーム31の左右の上端部とのボルト36などによる連結を可能にするボス56を備えている。左右のボス56は、左右の側壁50にわたる長さを有している。
これにより、第2上側フレーム32は、左右の下端部が第2下側フレーム31の左右の上端部にボルト36などで連結された状態では、ボス56の左右の端面が左右の側壁50に接触することで、第2下側フレーム31に対する左右方向のガタツキが阻止されている。
〔別実施形態〕
本発明は、上記の実施形態で例示した構成に限定されるものではなく、以下、本発明に関する代表的な別実施形態を例示する。
〔1〕作業車は、以下に例示する構成が採用されていてもよい。
例えば、作業車は、左右の後輪5に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車は、左右の前輪4及び左右の後輪5に代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車は、エンジン13の代わりに電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車は、エンジン13と電動モータとを備えるハイブリッド仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車は、第1保護フレーム7と第2保護フレーム8との双方を、保護状態と格納状態とに切り替え可能に備える構成であってもよい。
尚、この例示構成では、第1保護フレーム7と第2保護フレーム8との双方が特許請求の範囲に記載の保護フレームとなる。
例えば、作業車は、第1保護フレーム7を保護状態と格納状態とに切り替え可能に備え、第2保護フレーム8を格納状態に切り替え不能に備える構成であってもよい。
尚、この例示構成では、第1保護フレーム7が特許請求の範囲に記載の保護フレームとなる。
例えば、作業車は、第1保護フレーム7と第2保護フレーム8との一方のみを備える構成であってもよい。
尚、この例示構成では、作業車に装備される第1保護フレーム7又は第2保護フレーム8が特許請求の範囲に記載の保護フレームとなる。
〔2〕保護フレーム8の構成は種々の変更が可能である。
例えば、保護フレーム8は、格納状態では、上側フレーム32が倒伏姿勢(垂下姿勢を含む)で下側フレーム31の後側に位置する構成であってもよい。
尚、この例示構成では、第2下側フレーム31の左右の上端部が、それぞれ、左右の側壁50と前壁とを備える平面視U字状に形成されて、それらの前壁により、上側フレーム32の起立姿勢から倒伏姿勢の反対側となる車体前側への揺動を阻止するように構成されていることが好ましい。
例えば、保護フレーム8は、下側フレーム31の上端部が、左右の側壁50と前壁又は後壁51とを備える平面視U字状に形成される構成に代えて、上側フレーム32の下端部が、左右の側壁50と前壁又は後壁51とを備える平面視U字状に形成される構成であってもよい。
例えば、保護フレーム8は、下側フレーム31及び上側フレーム32において、角形鋼管の代わりに丸形鋼管などが採用されていてもよい。
〔3〕保護フレーム8は、上記実施形態で例示した固定機構52の代わりに、図9で例示する構成の固定機構60を備えていてもよい。
図9で例示する固定機構60は、後壁51における支軸36よりも上側の位置に配置されて起立姿勢の第2上側フレーム32を受け止める受止部51B、支軸36よりも下側の位置で後壁51を前後方向に突き抜ける雌ネジ部51C、及び、雌ネジ部51Cにねじ込み装着されるボルト61、を備えている。
この構成によると、作業者は、第2上側フレーム32を起立姿勢に起立揺動させた後、第2下側フレーム31の雌ネジ部51Cにねじ込み装着されたボルト61をねじ込み操作して、第2上側フレーム32における支軸36よりも下側の下端部位をボルト61で押圧する。すると、第2上側フレーム32における支軸36よりも上側の下端部が受止部51Bに押し付けられ、これにより、第2上側フレーム32が起立姿勢にてガタツキのない状態で固定される。
つまり、第2上側フレーム32を起立姿勢に起立揺動させた後、ボルト61のねじ込み操作を行うだけで、第2上側フレーム32を起立姿勢にてガタツキのない状態で確実に固定することができる。
〔4〕アシスト機構38の構成は種々の変更が可能である。
例えば、アシスト機構38は、その下端部が下側フレーム31の代わりに車体フレーム1に連結されていてもよい。
例えば、アシスト機構38は、アシスト機構38として採用されるガススプリング38のシリンダチューブ38Aが車体の下側に位置し、ピストンロッド38Bが車体の上側に位置する起立姿勢で第2保護フレーム8に装備されていてもよい。
例えば、アシスト機構38には、ガススプリングの代わりに、引っ張りバネ、ねじりバネ、又は、圧縮バネの作用で伸長するショックアブソーバ(ダンパ)、などが採用されていてもよい。
例えば、アシスト機構38は、第2上側フレーム32の倒伏姿勢で、第2上側フレーム32の自重による倒伏力とアシスト機構38のアシスト力とがバランスする構成であってもよい。
例えば、アシスト機構38は、第2上側フレーム32の起立姿勢で、第2上側フレーム32の自重による倒伏力とアシスト機構38のアシスト力とがバランスする構成であってもよい。
〔5〕ガススプリングは、その下端部が第2下側フレーム31に揺動可能にピン連結され、ガススプリング38の上端部が、その上端部を第2上側フレーム32に上方からねじ込み連結する位置調節機構(連結機構)40を介して第2上側フレーム32に連結される構成であってもよい。
この構成によると、作業者は、ガススプリング38を車体に組み付けるときには、先ず、ガススプリング38の下端部を第2下側フレーム31に揺動可能にピン連結する。次に、位置調節機構40により、ガススプリング38の上端部を第2上側フレーム32に上方からねじ込み連結する。すると、位置調節機構40によるねじ込み連結時には、このときのねじ込み操作に伴って、ガススプリング38が収縮しながら、ガススプリング38の上端部が第2上側フレーム32に上方から連結されることになる。
つまり、この構成では、位置調節機構40によるねじ込み連結時のねじ込み操作に伴ってガススプリング38を収縮させることができ、ガススプリング38を収縮させるための人為操作を行う必要がないことから、車体に対するガススプリング38の組み付けが容易になる。
上記の構成では、位置調節機構40において、ガススプリング38の上端部に揺動可能にピン連結される第1部材41、第2上側フレーム32に固定された第2部材42、第1部材41を第2部材42の上方から第2部材42に連結するネジ式の第1連結具43、及び、第1連結具43による連結後に第1部材41を第2部材42に連結する第2連結具44、を備えることが考えられる。
この構成によると、作業者は、ガススプリング38の上端部を第2上側フレーム32に連結するときには、先ず、第1部材41をガススプリング38の上端部にピン連結する。
その次に、第1部材41を下方の第2部材42に連結するための第1連結具43のねじ込み操作を行うと、このときのねじ込み操作に伴ってガススプリング38が収縮しながら、第1部材41が第2部材42に連結される。そして、この連結後に、第2連結具44による連結操作を行うと、第2連結具44によって第1部材41と第2部材42とが更に連結される。
これにより、作業者は、第1部材41を簡単な操作でより強固に第2部材42に固定することができる。
〔6〕位置調節機構(連結機構)40において、第2連結具44は、第1部材41を第2部材42に位置調節不能にピン連結する構成であってもよい。
本発明は、車体フレームに固定される下側フレームと、前記下側フレームの上端部に起伏揺動可能に連結される上側フレームとを有する保護フレームを備えたトラクタ、乗用草刈機、乗用田植機、多目的作業車、などの作業車に適用することができる。
1 車体フレーム
8 保護フレーム
31 下側フレーム
32 上側フレーム
36 支軸
38 アシスト機構(ガススプリング)
40 位置調節機構
41 第1部材
42 第2部材
43 第1連結具
44 第2連結具
50 側壁
50A 第1孔
50B 第2孔
51 後壁
51A 雌ネジ部
51B 受止部
51C 雌ネジ部
52 固定機構
53 固定ピン
54 ボルト
60 固定機構
61 ボルト

Claims (8)

  1. 車体フレームに固定される下側フレームと、前記下側フレームの上端部に起伏揺動可能に連結される上側フレームとを有する保護フレームを備え、
    前記保護フレームは、人為操作による前記上側フレームの起伏揺動で、前記上側フレームが起立姿勢で前記下側フレームの上方に位置する保護状態と、前記上側フレームが倒伏姿勢で前記下側フレームの前後一方側に位置する格納状態とに切り替えられ、
    前記保護フレームは、前記人為操作をアシストするアシスト機構を備えており、
    前記アシスト機構は、前記上側フレームが前記起立姿勢と前記倒伏姿勢との間の所定姿勢よりも起立姿勢側に位置する状態では、前記アシスト機構のアシスト力が前記上側フレームの自重による倒伏力よりも大きくなり、前記上側フレームが前記所定姿勢よりも倒伏姿勢側に位置する状態では、前記アシスト機構のアシスト力が前記上側フレームの前記倒伏力よりも小さくなるように設定されている作業車。
  2. 車体フレームに固定される下側フレームと、前記下側フレームの上端部に起伏揺動可能に連結される上側フレームとを有する保護フレームを備え、
    前記保護フレームは、人為操作による前記上側フレームの起伏揺動で、前記上側フレームが起立姿勢で前記下側フレームの上方に位置する保護状態と、前記上側フレームが倒伏姿勢で前記下側フレームの前後一方側に位置する格納状態とに切り替えられ、
    前記保護フレームは、前記人為操作をアシストするアシスト機構を備えており、
    前記下側フレームの上端部は、左右方向に沿う姿勢の支軸を介して前記上側フレームの下端部が連結される左右の側壁と、前記上側フレームの前記起立姿勢から前記倒伏姿勢の反対側への揺動を阻止する前壁又は後壁とを備える平面視U字状に形成され、
    前記保護フレームは、前記上側フレームを前記起立姿勢で固定する固定機構を備え、
    前記固定機構は、左右の前記側壁を左右方向に突き抜ける第1孔と、前記上側フレームの下端部を左右方向に突き抜ける第2孔と、前記起立姿勢において前記第1孔と前記第2孔とに差し込まれる固定ピンと、前記第1孔と同じ高さに位置して前記前壁又は前記後壁を前後方向に突き抜ける雌ネジ部と、前記雌ネジ部にねじ込み装着されるボルトとを備えている記載の作業車。
  3. 車体フレームに固定される下側フレームと、前記下側フレームの上端部に起伏揺動可能に連結される上側フレームとを有する保護フレームを備え、
    前記保護フレームは、人為操作による前記上側フレームの起伏揺動で、前記上側フレームが起立姿勢で前記下側フレームの上方に位置する保護状態と、前記上側フレームが倒伏姿勢で前記下側フレームの前後一方側に位置する格納状態とに切り替えられ、
    前記保護フレームは、前記人為操作をアシストするアシスト機構を備えており、
    前記下側フレームの上端部は、左右方向に沿う姿勢の支軸を介して前記上側フレームの下端部が連結される左右の側壁と、前記上側フレームの前記起立姿勢から前記倒伏姿勢の反対側への揺動を阻止する前壁又は後壁とを備える平面視U字状に形成され、
    前記保護フレームは、前記上側フレームを前記起立姿勢で固定する固定機構を備え、
    前記固定機構は、前記前壁又は前記後壁における前記支軸よりも上側の位置に配置されて前記起立姿勢の前記上側フレームを受け止める受止部と、前記支軸よりも下側の位置で前記前壁又は前記後壁を前後方向に突き抜ける雌ネジ部と、前記雌ネジ部にねじ込み装着されるボルトとを備えている作業車。
  4. 前記アシスト機構は、前記上側フレームの倒れる側に起立姿勢で配備されるガススプリングであり、該ガススプリングは前記上側フレームを起立方向に揺動付勢している請求項1から3のいずれか1項に記載の作業車。
  5. 前記ガススプリングの下端部は、該下端部の上下方向での位置調節を可能にする位置調節機構を介して、前記車体フレーム又は前記下側フレームに連結されている請求項に記載の作業車。
  6. 前記ガススプリングの上端部は、該上端部の上下方向での位置調節を可能にする位置調節機構を介して、前記上側フレームに連結されている請求項に記載の作業車。
  7. 前記位置調節機構は、前記ガススプリングの下端部に揺動可能にピン連結される第1部材と、前記車体フレーム又は前記下側フレームに固定された第2部材と、前記第1部材を前記第2部材の下方から上下方向に位置調節可能に前記第2部材に連結するネジ式の第1連結具と、前記第1連結具による連結位置で前記第1部材を前記第2部材に位置調節不能に連結する第2連結具とを備えている請求項に記載の作業車。
  8. 前記位置調節機構は、前記ガススプリングの上端部に揺動可能にピン連結される第1部材と、前記上側フレームに固定された第2部材と、前記第1部材を前記第2部材の上方から上下方向に位置調節可能に前記第2部材に連結するネジ式の第1連結具と、前記第1連結具による連結位置で前記第1部材を前記第2部材に位置調節不能に連結する第2連結具とを備えている請求項に記載の作業車。
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